説明

情報記録処理装置、情報記録処理方法

【課題】接続した携帯プレーヤに映像/音声ファイルを記録するAVレコーダとして、リアルタイムクロック機能を設けなくとも、記録するファイルに記録日時情報(タイムスタンプ)を付加できるようにする。
【解決手段】携帯プレーヤに対して、ビデオ/オーディオなどの情報信号を記録させる際には、携帯プレーヤから現在日時情報を取得して、記録日時としてのタイムスタンプ情報を生成し(F102,F103)、これを携帯プレーヤ側に記録させるコンテンツファイルに対応させて記録させる(F108)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録処理装置、情報記録処理方法に関し、特に通信可能に接続された記録装置に対して、情報信号を記録させる際の処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2006−148283号公報
【特許文献2】特開2006−242841号公報
【0003】
近年のAV(Audio-Visual)機器、コンピュータ機器などの多様な電子機器においては、リアルタイムクロックと呼ばれる時計機能を備えているものが多く、機器内部で現在日時情報を常時計数し、計数されている現在日時情報を、時刻表示や、情報の記録日時、更新日時などとして利用している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、接続した記録装置に対して情報を記録する情報記録処理装置を考える。
記録装置とは、例えば可搬性記録媒体を装填可能な装置であったり、記録媒体を固定的に内蔵する装置である。ここでは、記録媒体として例えばフラッシュメモリを内蔵すると共にUSB(Universal Serial Bus)方式で各種機器に接続できるUSBメモリと呼ばれる装置などを主に想定する。
情報記録処理装置とは、このような記録装置が接続された状態で、ビデオ信号やオーディオ信号その他の各種の情報信号を、記録装置に転送し、記録させる装置とする。
【0005】
例えばこのような情報記録処理装置を想定した場合、情報記録処理装置がリアルタイムクロックを備えるようにすれば、記録装置に情報信号を転送して記録させる際に、その情報信号のファイルについての記録時間の情報(現在日時情報)も記録装置に提供し、記録させることができる。つまり記録装置側に記録させるファイルに記録/更新日時の情報を付加できる。
【0006】
ところがこの情報記録処理装置として、構成の簡易化や製造コストのダウンが要求される場合は、リアルタイムクロック機能を備えることが不都合になることがある。
機器にリアルタイムクロック機能を備える場合、最初(例えば購入直後)の設定として、ユーザが時刻あわせを行う必要がある。このため、時刻あわせのための操作キーや、日時としての数値を表示可能な表示部が必ず必要となってしまう。このことは、操作キーや表示などのユーザインターフェースのための構成を最低限としたい機器の場合は好ましくない。
また、時刻合わせ後は、電源オフ状態でも常に日時計数を行う必要があるため、例えAC電源を用いる機器であるとしても、日時計数用の電池を内蔵しなければならない。
また、ユーザに対して面倒な時刻合わせの操作を強いるという難点もあり、手軽に使用できる簡易な機器を考えた場合、商品として不利となる。
【0007】
これらのことから本発明では、接続した記録装置に対して情報を記録する情報記録処理装置として、リアルタイムクロック機能を設けなくとも、記録装置に記録させる情報信号に記録日時情報(タイムスタンプ)を付加できるようにする情報記録処理装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報記録処理装置は、現在日時情報の計数機能を備えた記録装置が通信可能に接続される接続手段と、上記接続手段により接続された上記記録装置による情報信号の記録と、上記記録装置から取得された現在日時情報に基づくタイムスタンプ情報の形成と、上記記録装置により記録される情報信号に対応する情報としての上記タイムスタンプ情報の上記記録装置による記録の制御とを行う記録制御手段とを備える。
また、情報信号が入力される信号入力手段を備え、上記記録制御手段は、上記信号入力手段から入力される情報信号を、上記接続手段により接続された上記記録装置に記録させる。
また、上記記録制御手段は、上記記録装置から取得した現在日時情報についてカウンタによって日時計時のカウントを継続し、上記記録装置への情報信号の記録制御の所定のタイミングで、上記カウンタのカウント値から上記タイムスタンプ情報を形成する。
或いは、上記記録制御手段は、上記記録装置への情報信号の記録制御の所定のタイミングで、上記記録装置から現在日時情報を取得し、取得した現在日時情報から上記タイムスタンプ情報を形成する。
【0009】
また上記信号入力手段は、ビデオ信号を入力するビデオ入力手段とされ、上記記録制御手段は、上記ビデオ入力手段から入力されるビデオ信号を、上記情報信号として、上記記録装置に記録させる処理を行う。
また上記信号入力手段は、オーディオ信号を入力するオーディオ入力手段とされ、上記記録制御手段は、上記オーディオ入力手段から入力されるオーディオ信号を、上記情報信号として、上記記録装置に記録させる処理を行う。
またデータ圧縮手段をさらに備え、上記記録制御手段は、上記信号入力手段から入力される情報信号について、上記データ圧縮手段で圧縮処理された圧縮情報信号を、上記記録装置に記録させる処理を行う。
また上記記録制御手段は、上記記録装置側において記録されている情報信号について、上記タイムスタンプ情報に基づいて削除対象の情報信号を選択し、選択した情報信号を上記記録装置において削除させる処理を行う。
また上記接続手段は、記録した情報信号を再生する機能を備えた記録装置との間で通信を可能とする構成である。
【0010】
本発明の情報記録処理方法は、通信可能に接続された、現在日時情報の計数機能を備えた記録装置に対して、情報信号を記録させるとともに、上記記録装置から取得した現在日時情報に基づいてタイムスタンプ情報を形成し、該タイムスタンプ情報を、記録させた情報信号に対応する情報として上記記録装置に記録させる。
【0011】
これらの本発明の情報記録処理装置は、現在日時情報の計数機能を備えた記録装置に対して例えばビデオ/オーディオ情報などを記録させる機器とする。記録させる制御の具体的な動作としては、記録装置における記録媒体への情報信号の記録を直接制御する動作、つまり情報信号を送信して書込制御を行う動作と考えても良いし、或いは記録装置に情報を送信するのみの動作とし、記録媒体への記録は記録装置側で行うものと考えてもよい。
現在日時情報の計数機能(リアルタイムクロック機能)を備えた記録装置としては音楽プレーヤ、ビデオプレーヤなどが考えられる。
このような記録装置に対して、ビデオ/オーディオなどの情報信号を記録させる際には、記録装置から現在日時情報を取得することで、記録日時としてのタイムスタンプ情報を生成することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、情報記録処理装置は、記録装置側の現在日時情報の計数機能を有効利用してタイムスタンプ情報を形成し、記録装置側に記録させる情報信号について、記録日時情報も記録させることができる。このため、情報記録処理装置において日時計数機能を備える必要はなく、日時計数や時刻あわせのためのユーザインターフェース構成や常時計数のための電源などを不要とすることができ、構成の著しい簡易化やコストダウン、さらにはユーザの使用性の向上を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を説明する。実施の形態では、本発明の情報記録処理装置の例としてAV(Audio-Visual)レコーダ1を挙げる。またAVレコーダ1に接続される記録装置の例として携帯プレーヤ50を挙げる。
説明は次の順序で行う。
[1.AVレコーダの構成]
[2.携帯プレーヤの構成]
[3.記録時の処理例I]
[4.記録時の処理例II]
[5.削除処理例]
[6.実施の形態の効果及び変形例]
【0014】
[1.AVレコーダの構成]

図1は、本例のAVレコーダ1の使用形態を示している。
AVレコーダ1は、例えば図のような円柱形状とされ、その上面側に携帯プレーヤ50を装着することのできる装置とされる。
携帯プレーヤ50は、携帯型のオーディオ/ビデオプレーヤであり、例えば内蔵する不揮発性のメモリ(フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等)に記録されている音楽コンテンツファイルや映像コンテンツファイルを再生することのできる機器である。
【0015】
本例のAVレコーダ1は、携帯プレーヤ50に対して充電器として機能するとともに、外部の映像出力機器100から供給されるビデオ信号SV及びオーディオ信号SAによる音楽や映像を、コンテンツファイルとして携帯プレーヤ50側の不揮発性メモリに記録させる動作を行うことができる。
即ちAVレコーダ1は、ユーザがパーソナルコンピュータ等を用いずに、携帯プレーヤ50に音楽コンテンツファイルや映像コンテンツファイルを記録させるための機器である。
【0016】
この例では、映像出力機器100からAVレコーダ1に供給されるビデオ信号SA、オーディオ信号SAとは、アナログビデオ信号、L、Rステレオアナログオーディオ信号とする。
即ちここでいう映像出力機器100とは、アナログビデオ信号、アナログオーディオ信号を出力できる機器を指し、例えば、ビデオ再生機、テレビジョンチューナ、ビデオカメラなどである。
なお、ここでは映像及び音声の信号を出力する機器としているが、例えばオーディオ信号のみを出力するオーディオ再生機、ラジオチューナ、マイクロホン機器などや、或いはビデオ信号のみを出力する機器などであってもよい。
【0017】
AVレコーダ1は、映像出力機器100とライン接続された際に、映像出力機器100から供給されるビデオ信号SA及びオーディオ信号SAについてデジタルデータファイル化して、携帯プレーヤ50に映像コンテンツファイル(例えば動画コンテンツ)として記録させることができる。
なおAVレコーダ1は、オーディオ信号SAのみが供給される場合は、そのオーディオ信号SAをデジタルデータファイル化して、携帯プレーヤ50に音楽コンテンツファイルとして記録させることができる。さらにAVレコーダ1は、ビデオ信号SAのみが供給される場合は、そのビデオ信号SVをデジタルデータファイル化して、携帯プレーヤ50に映像コンテンツファイル(例えば静止画コンテンツ)として記録させることもできる。
【0018】
なお、本例では、AVレコーダ1は、ビデオ信号SA及びオーディオ信号SAとしてアナログ信号入力に対応するものとして説明するが、もちろんデジタル信号としてのビデオ信号、オーディオ信号の入力に対応して、それらによるコンテンツファイルを携帯プレーヤ50に記録させるようにすることも可能である。
【0019】
AVレコーダ1は、その上面に各種キーや発光部が配置される。また円柱側面側に側面パネル10が設けられる。
図2(a)に、AVレコーダ1の上面を示す。また図2(b)に側面パネル10を示す。
AVレコーダ1の上面中央にはコネクタ9が設けられる。このコネクタ9が携帯プレーヤ50のコネクタと接続されて、図1のように携帯プレーヤ50が装着される。
AVレコーダ1の上面には、操作キーとして、記録/停止キー2、削除キー3、オフタイマーキー4が設けられる。
記録/停止キー2は、ユーザが携帯プレーヤ50に対する記録動作の指示、及び記録動作の停止を指示する操作キーである。
削除キー3は、ユーザが携帯プレーヤ50に記録されてるコンテンツファイルの削除を指示する操作キーである。
オフタイマーキー4は、自動的に記録動作を終了させるタイマー時間をユーザが設定するための操作キーである。
【0020】
また発光表示を行うLED(Light Emitting Diode)として、パワー表示LED5、REC表示LED6、デリート表示LED7、オフタイマーLED8が配置される。
パワー表示LED5は、電源オン状態を発光動作によりユーザに提示する。
REC表示LED6は、記録実行状態を発光動作によりユーザに提示する。
デリート表示LED7は、削除処理の実行状態を発光動作により提示する。
オフタイマーLED8は、例えば分に対応する複数のLEDから成り、タイマー設定状態及びタイマーの進行状態(残り時間)を各LEDの発光動作により、ユーザに提示する。
【0021】
図2(b)に示すように、側面パネル10には、パワースイッチ11,記録モードスイッチ12、電源端子13、オーディオ入力端子14,ビデオ入力端子15が設けられる。
パワースイッチ11は2段階のスライドスイッチとされ、ユーザによる電源オン/オフ操作に用いられる。
記録モードスイッチ12は例えば3段階のスライドスイッチとされ、ユーザによる記録モードの選択操作に用いられる。記録モードとしては例えば記録するデータのビットレートが選択される。ユーザは、記録モードスイッチ12により、携帯プレーヤ50に記録させるビデオコンテンツファイルの画質やオーディオコンテンツファイルの音質を選択できる。
【0022】
電源端子13は、図示しないACアダプタの接続端子とされる。本例のAVレコーダ1は、電池は内蔵せず、商用交流電源に接続されたACアダプタからの直流電源電圧を動作電源とする。
オーディオ入力端子14は、映像出力機器100からのオーディオ信号SAが入力される。このオーディオ入力端子14は、L/Rの2チャンネルのアナログオーディオ入力端子とされる。
ビデオ入力端子15は、映像出力機器100からのビデオ信号SVが入力される。例えばコンポジットビデオ信号が入力される。
【0023】
図3によりAVレコーダ1の内部構成を説明する。
操作部25は、上記した記録/停止キー2、削除キー3、オフタイマーキー4、記録モードスイッチ12と、それらの操作子の操作検出回路構成を包括的に示している。即ちユーザの操作入力が行われる部位として示している。操作部25による各種の操作情報はエンコード/制御部20に供給される。
発光部26は、パワー表示LED5、REC表示LED6、デリート表示LED7、オフタイマーLED8と、これらのLEDの発光駆動回路を包括的に示している。各LEDは、エンコード/制御部20の制御によって発光動作を行う。
【0024】
ビデオ入力部21は、ビデオ入力端子15から入力されるビデオ信号SV、例えばコンポジットビデオ信号についてデジタル化処理等を行い、エンコード/制御部20に供給する。
オーディオ入力部22は、オーディオ入力端子14から入力されるオーディオ信号SA、例えばL、R各チャンネルのアナログオーディオ信号SAについてデジタル化処理等を行い、エンコード/制御部20に供給する。
【0025】
エンコード/制御部20は、マイクロコンピュータにより形成され、AVレコーダ1の全体の動作を制御するとともに、入力されるビデオデータ、オーディオデータについてのエンコード処理等を行う。
エンコード/制御部20は、ビデオ入力部21及びオーディオ入力部22から供給されるビデオデータ及びオーディオデータについて、携帯プレーヤ50への記録コンテンツファイルとしての所定のフォーマットへのエンコードを行う。例えばビデオデータについてH.264/MPEG(Moving Picture Experts Group)4方式の圧縮エンコードを行う。またオーディオデータについては、AAC−LC(Advanced Audio Coding - Low Complexity)方式の圧縮エンコードを行う。
なおエンコード/制御部20は、圧縮エンコードの際のビットレート(圧縮率)は、上記の記録モードスイッチ12のスライド位置によるユーザ選択に応じて設定する。
またエンコード/制御部20は、制御処理として、操作部25からの操作に応じて、後述する携帯プレーヤ50への記録処理や削除処理としての動作を行う。
またエンコード/制御部20は、動作状態に応じて発光部26の各LEDの発光動作制御を行う。
【0026】
SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)23は、エンコード/制御部20の各種演算処理のワーク領域として用いられる。
フラッシュメモリ24は、エンコード/制御部20としてのマイクロコンピュータの処理動作のためのプログラムの格納などに用いられる。
【0027】
USBインターフェース27は、コネクタ9を介して接続される携帯プレーヤ50との間でUSB方式の通信を行う。
携帯プレーヤ50は、単体では携帯用の映像/音楽再生機として機能するが、AVレコーダ1に接続された場合は、AVレコーダ1をホスト機器とするUSBマスストレージ機器として動作することになる。
つまり、AVレコーダ1のエンコード/制御部20は、携帯プレーヤ50を、単にUSBインターフェースによるストレージ機器(いわゆるUSBメモリと同等の機器)として認識し、USBインターフェース27を介した通信で、携帯プレーヤ50内の不揮発性メモリ(後述するフラッシュメモリ52)にアクセスして記録等の処理を行うことができる。
【0028】
電源部28は、DC/DCコンバータを有し、ACアダプタから電源端子13に供給される直流電源を用いて各部で必要な各種の動作電源電圧V1,V2・・を生成し、各部に供給する。
また携帯プレーヤ50に対する充電電圧Vchargeも生成し、USBインターフェース27及びコネクタ9を介して、接続された携帯プレーヤ50へ充電電流を供給することができるようにされている。
なお電源部28は、パワースイッチ11の操作に応じて、各部への電源電圧供給のオン/オフを行う。
【0029】
この図3の例では、例えばエンコード/制御部20の内部カウンタとして、タイムスタンプカウンタ29が設けられる。後述するが、タイムスタンプカウンタ29は、記録処理の際に現在日時情報がセットされ、その後、日時カウント動作を行うものとされる。
なお、このタイムスタンプカウンタ29は設けられなくても良い。後述する記録時の処理例Iは、このタイムスタンプカウンタ29が設けられた構成に対応する処理例であり、一方、記録時の処理例IIは、タイムスタンプカウンタ29が設けられていない構成に対応する処理例である。
【0030】
[2.携帯プレーヤの構成]

続いて、AVレコーダ1に接続されてコンテンツファイルの記録等が行われる携帯プレーヤ50の構成について説明する。図4は携帯プレーヤ50の内部構成を示している。
【0031】
AVレコーダ1には、例えばオーディオコンテンツファイル、ビデオコンテンツファイル、各種管理ファイル等を記録する不揮発性メモリとして、フラッシュメモリ52が設けられる。AVレコーダ1は、このフラッシュメモリ52に記録されたコンテンツファイルについて再生を行うことができる。なお、フラッシュメモリ52に代えて、例えばHDDなど、他の不揮発的な記録媒体デバイスが搭載されるようにしても良い。
【0032】
操作部59は、ユーザが各種の操作を行うための操作子を有する。ユーザは携帯プレーヤ50をAVレコーダ1から外してプレーヤとして使用する場合は、操作部59から、コンテンツ再生、停止、コンテンツ選択などの各種の操作を行う。操作部59による操作情報は制御部51に供給される。
【0033】
制御部51は、マイクロコンピュータにより形成され、携帯プレーヤ50の全体を制御する。例えば操作部59からの操作情報に応じて、フラッシュメモリ52に記録されている映像や音楽のコンテンツファイルの再生制御処理を行う。
メモリ部57は、制御部51の処理プログラムを記憶するROM又はフラッシュメモリや、制御部10のワーク領域としてのRAM等を包括的に示している。
時計部58は、いわゆるリアルタイムクロックとして、現在日時(年月日時分秒)を常時計数する。制御部51は、時計部58の計数値を確認することにより、現在日時情報を把握し、例えば表示部62に表示させるなどが可能である。
【0034】
AV再生処理部60は、フラッシュメモリ52に記録されているコンテンツファイルの再生時に、ビデオコンテンツデータやオーディオコンテンツデータのデコード処理を行い、表示出力する映像データ及び音声出力するオーディオデータを生成する。
表示部62は、例えば液晶パネルや有機EL(Electroluminescence)パネルなどで構成された表示パネルと、その表示駆動回路から成り、AV再生処理部60から供給される映像信号についての表示を行う。
またオーディオ出力部61は、D/A変換器、パワーアンプ部などから成り、AV再生処理部60でデコードされたオーディオ信号についてアナログ信号化や増幅を行い、接続されたヘッドホンやスピーカから出力させる。
【0035】
フラッシュメモリ52に記録されているビデオコンテンツファイルを再生する場合、制御部10は、ビデオコンテンツファイルをフラッシュメモリ52から読み出してAV再生処理部60に転送し、デコード処理を実行させる。そしてデコードされた映像データは表示部62に供給されて表示出力され、デコードされたオーディオデータはオーディオ出力部61によってヘッドホン等から出力されることになる。このような動作によりユーザが、ビデオコンテンツやオーディオコンテンツを視聴/聴取できる。
【0036】
USBインターフェース53は、コネクタ54により接続された外部機器との間でUSB方式の通信を行う。このUSBインターフェース53及びコネクタ54によって通信可能に接続された外部機器は、携帯プレーヤ50を、USBマスストレージ機器として認識し、フラッシュメモリ52に対してアクセスすることができる。
本例の場合、図1のように携帯プレーヤ50がAVレコーダ1に装着されると、コネクタ54がAVレコーダ1のコネクタ9と接続される。この状態でUSBインターフェース53とAVレコーダ1のUSBインターフェース27がUSB方式で通信可能となり、AVレコーダ1のエンコード/制御部20は、携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52を外部記憶デバイスとしてアクセスできる状態となる。
【0037】
また、USBインターフェース27、53を介した通信により、AVレコーダ1のエンコード/制御部20は、携帯プレーヤ50の制御部51に対してコマンドを送信し、所要の情報を求めることができる。本例の場合、特にエンコード/制御部20は、制御部51に対して現在日時情報を要求するコマンドを発行できるようにされる。このコマンドを受信した場合、制御部51は、時計部58で計数されている現在日時情報を取得し、エンコード/制御部20に送信する動作を行う。
【0038】
電源部55は、内蔵したバッテリー56を電源とし、DC/DCコンバータにより各部で必要な各種の動作電源電圧Vw1,Vw2・・を生成し、各部に供給する。
バッテリー56は二次電池とされ、この携帯プレーヤ50がAVレコーダ1に装着されている際は、AVレコーダ1側から充電電流の供給を受け、充電を行うことができる。
【0039】
この携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52に対しては、上述したようにAVレコーダ1が映像出力機器100から供給されるビデオ信号SV/オーディオ信号SAによるコンテンツファイルを記録させることができる。
この場合にAVレコーダ1によってフラッシュメモリ52に記録されるファイルは例えば図5のようになる。
図5(a)においてフォルダF1は、携帯プレーヤ50が例えばパーソナルコンピュータ等から転送されるコンテンツファイルを格納するフォルダとされる。
一方、フォルダF2は、AVレコーダ1によって書き込まれるコンテンツファイルを格納するフォルダとされる。例えばフォルダF2内にフォルダF3が作成され、フォルダF3内に、コンテンツファイル「VRC.0001.MP4」「VRC.0001.MP4」・・・が記録されていく。
AVレコーダ1は、コンテンツファイルを書き込む際に、フォルダF2、F3が存在すれば、そのフォルダF3内のファイルとしてコンテンツファイルを書き込む。またフォルダF2、F3がフラッシュメモリ52に存在しない場合は、AVレコーダ1はフォルダF2,F3を作成して、そのフォルダF3内に管理されるファイルとしてコンテンツファイルを書き込む。
【0040】
また、AVレコーダ1は、携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52にコンテンツファイルを書き込む際には、記録日時としてタイムスタンプ情報を記録させる。
例えば図5(b)のように、コンテンツファイルがヘッダとAVデータ(ビデオ/オーディオの実データ)で構成される場合、ヘッダ内の情報としてタイムスタンプを付加するようにファイル形成を行っても良いし、図5(c)のように別ファイルとしてタイムスタンプが記録されるようにしてもよい。この図5(c)の場合は、個々のコンテンツファイルのタイムスタンプが、管理ファイル内に記録され、管理ファイル内で、各タイムスタンプがそれぞれコンテンツファイルに対応づけられる状態となる。
いずれにしても、フラッシュメモリ52内において、各コンテンツファイルに対応してタイムスタンプが記録される状態とされればよい。
なお実際には、フラッシュメモリ52に記録されるファイルを管理するファイルシステムとしては、FAT32などが用いられる。従って例えばFAT32によるファイル管理によって、AVレコーダ1から記録したコンテンツファイルについて、記録日時としてタイムスタンプが管理されるようにすればよい。
【0041】
[3.記録時の処理例I]

図1のように携帯プレーヤ50がAVレコーダ1に装着されている際に実行される記録時の処理例Iについて説明する。
AVレコーダ1を用いて携帯プレーヤ50にコンテンツファイルを記録しようとする際には、ユーザは、携帯プレーヤ50をAVレコーダ1に装着し、またAVレコーダ1のビデオ入力端子15、オーディオ入力端子14に映像出力機器100からのビデオ信号SV、オーディオ信号SAが供給される状態とする。そして任意のタイミングで記録/停止キー2を押す。するとAVレコーダ1は、その時点以降に映像出力機器100から供給されるビデオ信号SV、オーディオ信号SAについてエンコードを行い、コンテンツファイルとして携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52に記録していく処理を行う。
つまりユーザは、AVレコーダ1を用いることで、映像出力機器100から出力される映像/音声を、携帯プレーヤ50に記録させ、後に携帯プレーヤ50でその映像/音声を再生できるようにすることができる。
【0042】
AVレコーダ1がこのような記録動作を行うための処理を図6に示している。
図6ではAVレコーダ1のエンコード/制御部20の処理をステップF101〜F109として示している。
【0043】
まずステップF101は、エンコード/制御部20が、携帯プレーヤ50が接続されたか否かを判別する処理を示している。
携帯プレーヤ50が図1のようにAVレコーダ1に接続され、USB通信の初期の接続処理(コンフィギュレーション)が行われ、USB接続が確立されたら、エンコード/制御部20の処理はステップF101からF102に進む。
【0044】
ステップF102では、エンコード/制御部20は、携帯プレーヤ50の制御部51に対して日時情報要求のコマンドを送信する。
これに対して携帯プレーヤ50の制御部51は、ステップF201の処理として、時計部58で計数されている現在日時情報を読み出し、これをエンコード/制御部20に送信する。
エンコード/制御部20は、AVレコーダ1側から送信されてきた現在日時情報を取得したら、ステップF103で、その現在日時情報をタイムスタンプカウンタ29にセットし、そのセットした年月日時分秒の値からカウントをスタートさせる。
従って、以降は、タイムスタンプカウンタ29が、リアルタイムカウンタとして機能することになる。
【0045】
ステップF104では、エンコード/制御部20は、ユーザによる記録/停止キー2の操作を監視する。また特に記録/記録停止キー2の操作が行われていない場合は、ステップF109で、携帯プレーヤ50が取り外されたか否かを監視している。
なお、携帯プレーヤ50が装着されている期間において、ユーザが削除キー3を操作した場合の処理については図8で後述する。
またオフタイマーキー4を操作した場合については詳しい説明を省略するが、エンコード/制御部20は、オフタイマーキー4の押圧回数に応じて、記録開始後に何分で記録を終了させるかのタイマー設定を行うことになる。
【0046】
ステップF104でユーザが記録/停止キー2を押したことを検知した場合、エンコード/制御部20は、処理をステップF104からF105に進める。
ステップF105では、携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52に対してコンテンツファイルを記録する処理を実行する。
即ちエンコード/制御部20は、フラッシュメモリ52側のファイルシステムを確認する。またREC表示LED6に所定の発光動作を実行させる。そしてビデオ入力部21、オーディオ入力部22から供給されるビデオデータ/オーディオデータのエンコード処理と、エンコードして生成したコンテンツファイルデータを携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52に記録するための書込アクセスを開始する。
このステップF105の記録処理は、ステップF106で記録終了とされるまで継続される。これにより、映像出力機器100から供給されるコンポジットビデオ信号、アナログオーディオ信号が、エンコード処理された後、携帯プレーヤ50側に記録されていくことになる。
【0047】
エンコード/制御部20は、ステップF106では記録終了を判断する。
ユーザが再度、記録/停止キー2を押したことを検知した場合、エンコード/制御部20は記録終了と判断する。
また、エンコード/制御部20は、記録/停止キー2が押されなくとも、オフタイマー設定によるタイムアップが確認された場合も、記録終了と判断する。
さらにエンコード/制御部20は、フラッシュメモリ52の空き容量が所定量以下となった場合も、記録終了と判断する。
【0048】
記録終了と判断したら、エンコード/制御部20はステップF105の記録処理を終了してステップF107に進み、その時点のタイムスタンプカウンタ29の値を取り出して、タイムスタンプデータを生成する。
そしてステップF108で、フラッシュメモリ52に対してタイムスタンプ記録処理を行う。例えば所定の管理ファイルにおいて、今回記録したコンテンツファイルに対応するタイムスタンプとして管理されるように記録させる。
そして、ステップF109,F104の監視処理に戻る。
【0049】
その後、記録/停止キー2が押された場合は、エンコード/制御部20は再びステップF105〜F108の処理を行う。
なお、図6には示していないが、もしユーザが記録/停止キー2を押した際に、映像出力機器100からの入力信号が無い場合などは、エラー処理を行うことになる。
ステップF109で、携帯プレーヤ50が取り外されたことを検知したら、エンコード/制御部20は図6の処理を終える。その後、再び携帯プレーヤ50が接続された場合は、ステップF101からの処理を開始する。
【0050】
AVレコーダ1では、エンコード/制御部20が以上の制御処理を行うことで、映像出力機器100からの映像/音声を、携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52に記録させることができる。
このとき、携帯プレーヤ50側は単にUSBマスストレージとして機能するのみであるため、AVレコーダ側でタイムスタンプを記録させなければならないが、この図6の処理によれば、タイムスタンプカウンタ29をリアルタイムクロックとして機能させることで、エンコード/制御部20は現在日時情報を得ることができ、例えば記録終了時点で、その現在日時情報としてのタイムスタンプデータを生成し、携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52側に記録させることができる。つまり記録したコンテンツファイルについてタイムスタンプを付加できる。
【0051】
なお、図6の例では、記録終了時の日時情報をタイムスタンプデータとしたが、記録開始時の日時情報や、記録途中の日時情報をタイムスタンプカウンタ29から読み出してタイムスタンプデータとし、コンテンツファイルに対応づけて記録させても良い。
タイムスタンプカウンタ29のカウントは、ステップF103で開始された後、電源オフとされるまで継続するようにしてもよい。
或いは、ステップF109で携帯プレーヤ50が取り外されたことを検知した時点で、タイムスタンプカウンタ29のカウントを停止させてもよい。
さらには、1つのコンテンツファイルの記録が終了し、ステップF108の処理を終えた時点でタイムスタンプカウンタ29のカウントを停止させてもよい。但しその場合は、接続が解消されないまま次にステップF105の記録処理に進む時点で、ステップF102,F103に示した処理(タイムスタンプカウンタ29の時刻セット及びカウントスタート)を行うことが必要となる。
なお、ステップF102,F103の処理は、常にステップF105に進む段階で実行する例も考えられる。
【0052】
[4.記録時の処理例II]

続いて、記録時の処理例IIを説明する。この処理例IIは、AVレコーダ1がタイムスタンプカウンタ29を備えない構成においても可能となる処理例である。
この場合もユーザの操作は同様であり、AVレコーダ1を用いて携帯プレーヤ50にコンテンツファイルを記録しようとする際には、ユーザは、携帯プレーヤ50をAVレコーダ1に装着し、またAVレコーダ1のビデオ入力端子15、オーディオ入力端子14に映像出力機器100からのビデオ信号SV、オーディオ信号SAが供給される状態とする。そして任意のタイミングで記録/停止キー2を押す。するとAVレコーダ1は、その時点以降に映像出力機器100から供給されるビデオ信号SV、オーディオ信号SAについてエンコードを行い、コンテンツファイルとして携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52に記録していく処理を行う。
【0053】
図7では、処理例IIとしてのAVレコーダ1のエンコード/制御部20の処理をステップF150〜F157として示している。
【0054】
まずステップF150でエンコード/制御部20は、携帯プレーヤ50が接続されたか否かを判別する。
携帯プレーヤ50が図1のようにAVレコーダ1に接続され、USB通信の初期の接続処理(コンフィギュレーション)が行われ、USB接続が確立されたら、エンコード/制御部20の処理はステップF150からF151に進む。
【0055】
ステップF151では、エンコード/制御部20は、ユーザによる記録/停止キー2の操作を監視する。また特に記録/記録停止キー2の操作が行われてない場合は、ステップF157で、携帯プレーヤ50が取り外されたか否かを監視している。
なお、この図7でも、ユーザが削除キー3を操作した場合の処理や、オフタイマーキー4を操作した場合の処理については割愛している。
【0056】
ステップF151でユーザが記録/停止キー2を押したことを検知した場合、エンコード/制御部20は、処理をステップF151からF152に進め、携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52に対してコンテンツファイルを記録する処理を実行する。
即ちエンコード/制御部20は、フラッシュメモリ52側のファイルシステムを確認する。またREC表示LED6に所定の発光動作を実行させる。そしてビデオ入力部21、オーディオ入力部22から供給されるビデオデータ/オーディオデータのエンコード処理と、エンコードして生成したコンテンツファイルデータを携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52に記録するための書込アクセスを開始する。
このステップF152の記録処理は、ステップF153で記録終了とされるまで継続される。これにより、映像出力機器100から供給されるコンポジットビデオ信号、アナログオーディオ信号が、エンコード処理された後、携帯プレーヤ50側に記録されていくことになる。
【0057】
エンコード/制御部20は、ステップF153では記録終了を判断する。
ユーザが再度、記録/停止キー2を押したことを検知した場合、エンコード/制御部20は記録終了と判断する。
また、エンコード/制御部20は、記録/停止キー2が押されなくとも、オフタイマー設定によるタイムアップが確認された場合も、記録終了と判断する。
さらにエンコード/制御部20は、フラッシュメモリ52の空き容量が所定量以下となった場合も、記録終了と判断する。
【0058】
記録終了と判断したら、エンコード/制御部20はステップF152の記録処理を終了し、ステップF154に進む。ステップF154では、エンコード/制御部20は、携帯プレーヤ50の制御部51に対して日時情報要求のコマンドを送信する。
これに対して携帯プレーヤ50の制御部51は、ステップF201の処理として、時計部58で計数されている現在日時情報を読み出し、これをエンコード/制御部20に送信する。
エンコード/制御部20は、AVレコーダ1側から送信されてきた現在日時情報を取得したら、ステップF155で、その現在日時情報からタイムスタンプデータを生成する。
そしてステップF156で、フラッシュメモリ52に対してタイムスタンプ記録処理を行う。例えば所定の管理ファイルにおいて、今回記録したコンテンツファイルに対応するタイムスタンプとして管理されるように記録させる。
そして、ステップF157,F151の監視処理に戻る。
【0059】
その後、記録/停止キー2が押された場合は、エンコード/制御部20は再びステップF152〜F156の処理を行う。
なお、図7には示していないが、もしユーザが記録/停止キー2を押した際に、映像出力機器100からの入力信号が無い場合などは、エラー処理を行うことになる。
ステップF157で、携帯プレーヤ50が取り外されたことを検知したら、エンコード/制御部20は図7の処理を終える。その後、再び携帯プレーヤ50が接続された場合は、ステップF151からの処理を開始する。
【0060】
AVレコーダ1では、エンコード/制御部20が以上の制御処理を行うことで、映像出力機器100からの映像/音声を、携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52に記録させることができる。
この場合も、携帯プレーヤ50側は単にUSBマスストレージとして機能するのみであるため、AVレコーダ側でタイムスタンプを記録させなければならないが、この図7の処理によれば、携帯プレーヤ50側で時計部58で計数している現在日時情報を取得してタイムスタンプデータを生成し、携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52側に記録させることができる。つまり記録したコンテンツファイルについてタイムスタンプを付加できる。
【0061】
なお、図7の処理の場合、記録終了時の現在日時情報をタイムスタンプデータとしたが、記録開始時や、記録途中に携帯プレーヤ50側から現在日時情報を取得して、その日時を示すタイムスタンプデータを生成し、その際もしくは記録終了時に、タイムスタンプデータをフラッシュメモリ52に記録させるようにしてもよい。
【0062】
[5.削除処理例]

上記の記録時の処理例I又はIIにより、AVレコーダ1は、携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52に映像出力機器100から出力される映像/音声をコンテンツファイルとして記録し、かつタイムスタンプデータを付加することができる。
このように携帯プレーヤ50に記録したコンテンツファイルについては、本例のAVレコーダ1が削除処理を行うこともできる。
【0063】
実際のユーザの使用形態としては、例えば図1の映像出力機器100をビデオ録画再生機とした場合、録画した放送番組などを、AVレコーダ1を用いて携帯プレーヤ50に記録させ、携帯プレーヤ50を用いて外出先などで視聴するということが考えられる。
例えばこのような使用形態の場合、携帯プレーヤ50側で、見終わったコンテンツファイルが増えてフラッシュメモリ52の容量が後の使用にとって足りなくなることもある。このため、例えば古いコンテンツファイルは随時削除できるようにすることが好適である。
【0064】
そこで本例のAVレコーダ1は、エンコード/制御部20が図8の処理を行うことで、携帯プレーヤ50に記録したコンテンツファイルを削除できるようにする。
なお、図8は携帯プレーヤ50が接続されている間の処理として示している。例えば図6のステップF104,F109での監視ループ処理(或いは図7のステップF151,F157の監視ループ処理)の間に、図8のステップF170のデリート実行の判断が行われるようにすればよい。
【0065】
ステップF170では、エンコード/制御部20は、デリート実行の判断を行う。ユーザが削除キー3を押したことを検知した場合、エンコード/制御部20はデリート実行と判断してステップF171に進む。
ステップF171では、エンコード/制御部20は、携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52にアクセスして、ファイル管理情報や、各コンテンツファイルに対応するタイムスタンプデータを読み出す。
【0066】
ステップF172では、削除対象とできるコンテンツファイルの有無を各種条件により判断する。
本例では、ユーザが削除するコンテンツファイルを選択するものではなく、タイムスタンプデータにより最も古いコンテンツファイルを選択して削除するという処理を行う。
このような削除処理を行う際には、例えば削除条件の1つとしては、AVレコーダ1が削除できるコンテンツファイルは、AVレコーダ1によって記録させたコンテンツファイル(以下「自己記録ファイル」という)に限るということが考えられる。例えば他の機器(パーソナルコンピュータ等)から携帯プレーヤ50に転送したことでフラッシュメモリ52に記録されているコンテンツファイルなどは削除できないこととする。
また例えば、自己記録ファイルであっても、記録後、ある程度の期間(最低保存期間)を経過していないものは、削除対象としないこととしてもよい。さらには、現在のフラッシュメモリ52の残り容量に応じて、最低保存期間を可変しても良い。例えば残り容量が少ないほど最低保存期間を短くするなどである。もちろんこの最低保存期間の条件を全く設けなくてもよい。
ステップF172では、例えばこのような条件で、削除対象とできるコンテンツファイルが存在するか否かを判断し、存在しなければ処理を終了する。
【0067】
例えば自己記録ファイルであることのみを削除条件とする場合、携帯プレーヤ50のフラッシュメモリ52に自己記録ファイルが存在すれば、エンコード/制御部20は処理をステップF173に進め、自己記録ファイルのうちでタイムスタンプデータによって示される記録日時が最も古いコンテンツファイルを選択する。
そしてステップF174で、エンコード/制御部20は、フラッシュメモリ52にアクセスして、選択した最古のコンテンツファイルが削除されるようにファイルシステムを更新する。なお、このときエンコード/制御部20は、デリート表示LED7に所定の発光動作を実行させる。
以上の処理によって、コンテンツファイルの削除処理が実行される。
【0068】
なお、ここではユーザの削除キー3の操作に応じて削除処理が行われると説明したが、ユーザの操作によらずに、自動的に削除を行う処理も考えられる。
例えば図6のステップF105若しくは図7のステップF152での記録処理の途中で、フラッシュメモリ52の容量が足りなくなることがあり得る。
そこで、記録動作中に容量不足が確認された場合、図8のステップF171〜F174の処理を実行し、例えば最古の自己記録ファイルを削除して、現在の記録のための容量を確保するという処理も考えられる。
【0069】
[6.実施の形態の効果及び変形例]

以上の実施の形態によれば、AVレコーダ1は、携帯プレーヤ50側の時計部58による現在日時情報の計数機能を有効利用してタイムスタンプデータを形成し、携帯プレーヤ50側のフラッシュメモリ52に記録させるコンテンツファイルについて、その記録日時としてのタイムスタンプデータを対応させて記録させることができる。
このためAVレコーダ1は、常時日時計数を行う日時計数機能(リアルタイムクロック)を備える必要はない。従って、日時計数や時刻あわせのためのユーザインターフェース構成、例えば時刻設定のための操作キーや表示パネルなどを設ける必要はない。さらに電源オフ時でも常時日時計数を行うための電源として内蔵電池も不要である。これらリアルタイムクロック、リアルタイムクロックの時刻設定のためのユーザインターフェース、電池等を不要とできることで、構成の著しい簡易化やコストダウンを実現できる。もちろん時刻合わせなどの面倒な操作をユーザに強いることもなく、使用性も向上され、携帯プレーヤ50に対して映像/音声を記録できる機器として、ユーザが手軽に使用できることになる。
【0070】
また、タイムスタンプデータを付加した記録を実現することで、最も古い自己記録ファイルを削除するなどの削除処理も実行可能となる。
ユーザにとっては、削除キー3を押すだけで、古いファイルが削除されて容量確保できること、もしくは容量不足時に自動的に古いファイルが削除されることで、削除するファイルの選択などは不要で、簡易な使用法に適している。
また、タイムスタンプデータが付加記録されることで、携帯プレーヤ50側では、コンテンツファイルの一覧表示などの際や、再生時などに、その記録日時を表示できる。
【0071】
以上、実施の形態を説明してきたが、本発明の情報記録処理装置の構成及び処理例としては、上記のAVレコーダ1の構成及び処理例以外に各種考えられる。
情報記録処理装置の形態、対応機器、対応入力信号、エンコード方式などは多様に考えられる。またAVレコーダ1(情報記録処理装置)は携帯プレーヤ50(記録装置)とUSB接続されることとしたが、他の通信方式による接続であっても良い。また、例えばブルートゥース、赤外線通信などによる無線通信によって接続されるものとしてもよい。
【0072】
タイムスタンプデータは、例えば記録終了時などの実際の日時情報を用いたが、必ずしも正確な日時情報でなくてもよい場合もある。
例えば大まかに記録日時がわかればよい場合もある。
また例えばタイムスタンプデータを上記図8のような削除処理の際に、最古のファイルの判定のために使用することに限るのであれば、タイムスタンプデータが正確な記録日時の情報である必要はない。つまり、各自己記録ファイルの記録の前後がわかって、最も古い自己記録ファイルを判断できる情報とすればよい。
【0073】
このような事情の場合は、例えば携帯プレーヤ50の接続時に現在日時情報を取得したら、エンコード/制御部20はその現在日時情報を内部レジスタに記憶させておき、ファイル記録時には、その記憶させた日時情報に1秒を加算してタイムスタンプデータとしてもよい。その場合、内部レジスタの値も1秒を加算した値に更新すれば、次に記録するコンテンツファイルのタイムスタンプデータも、レジスタ値に1秒加算を行って生成できる。つまり、接続時に携帯プレーヤ50から現在日時情報を取得する場合であっても、タイムスタンプカウンタ29のカウント動作を不要とする例も考えられる。
さらには、フラッシュメモリ52に記録されている自己記録ファイルの中で、最新のファイルのタイムスタンプデータに1秒加算した値などとしてタイムスタンプデータを生成し、それを現在記録しているコンテンツファイルに対応させて記録してもよい。
【0074】
実施の形態では、AVレコーダ1は、フラッシュメモリ52を内蔵した携帯プレーヤ50をUSBマスストレージ機器として扱って、フラッシュメモリ52に書込を行うものとしたが、AVレコーダ1は、コンテンツファイルの記録処理については、コンテンツファイルとしてのデータを携帯プレーヤ50側に送信するのみとしてもよい。即ち携帯プレーヤ50側でフラッシュメモリ52に対する記録処理を行うものとしてもよい。
その意味では、本発明請求項でいう記録装置は、携帯プレーヤ50(USBマスストレージ機器)のみではなく、内蔵又は可搬性の記録媒体に対してデータ記録を行う各種の記録装置として適用でき、各種の記録装置に対応できる機器として本発明の情報記録処理装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の形態の各機器の接続状態の説明図である。
【図2】実施の形態のAVレコーダの説明図である。
【図3】実施の形態のAVレコーダのブロック図である。
【図4】実施の形態の携帯プレーヤのブロック図である。
【図5】実施の形態のファイル記録形態の説明図である。
【図6】実施の形態の記録時の処理例Iのフローチャートである。
【図7】実施の形態の記録時の処理例IIのフローチャートである。
【図8】実施の形態の削除処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
1 AVレコーダ、2 記録/停止キー、3 削除キー、4 オフタイマーキー、9 コネクタ、10 側面パネル、11 パワースイッチ、12 記録モードスイッチ12、14 オーディオ入力端子、15 ビデオ入力端子、20 エンコード/制御部、21 ビデオ入力部、22 オーディオ入力部、27 USBインターフェース、28 電源部、29 タイムスタンプカウンタ、50 携帯プレーヤ、52 フラッシュメモリ、53 USBインターフェース、58 時計部、100 映像出力機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在日時情報の計数機能を備えた記録装置が通信可能に接続される接続手段と、
上記接続手段により接続された上記記録装置による情報信号の記録と、上記記録装置から取得された現在日時情報に基づくタイムスタンプ情報の形成と、上記記録装置により記録される情報信号に対応する情報としての上記タイムスタンプ情報の上記記録装置による記録の制御とを行う記録制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報記録処理装置。
【請求項2】
情報信号が入力される信号入力手段を備え、
上記記録制御手段は、上記信号入力手段から入力される情報信号を、上記接続手段により接続された上記記録装置に記録させることを特徴とする請求項1に記載の情報記録処理装置。
【請求項3】
上記記録制御手段は、上記記録装置から取得した現在日時情報についてカウンタによって日時計時のカウントを継続し、上記記録装置への情報信号の記録制御の所定のタイミングで、上記カウンタのカウント値から上記タイムスタンプ情報を形成することを特徴とする請求項2に記載の情報記録処理装置。
【請求項4】
上記記録制御手段は、上記記録装置への情報信号の記録制御の所定のタイミングで、上記記録装置から現在日時情報を取得し、取得した現在日時情報から上記タイムスタンプ情報を形成することを特徴とする請求項2に記載の情報記録処理装置。
【請求項5】
上記信号入力手段は、ビデオ信号を入力するビデオ入力手段とされ、
上記記録制御手段は、上記ビデオ入力手段から入力されるビデオ信号を、上記情報信号として、上記記録装置に記録させる処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報記録処理装置。
【請求項6】
上記信号入力手段は、オーディオ信号を入力するオーディオ入力手段とされ、
上記記録制御手段は、上記オーディオ入力手段から入力されるオーディオ信号を、上記情報信号として、上記記録装置に記録させる処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報記録処理装置。
【請求項7】
データ圧縮手段をさらに備え、
上記記録制御手段は、上記信号入力手段から入力される情報信号について、上記データ圧縮手段で圧縮処理された圧縮情報信号を、上記記録装置に記録させる処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報記録処理装置。
【請求項8】
上記記録制御手段は、上記記録装置側において記録されている情報信号について、上記タイムスタンプ情報に基づいて削除対象の情報信号を選択し、選択した情報信号を上記記録装置において削除させる処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報記録処理装置。
【請求項9】
上記接続手段は、記録した情報信号を再生する機能を備えた記録装置との間で通信を可能とする構成であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録処理装置。
【請求項10】
通信可能に接続された、現在日時情報の計数機能を備えた記録装置に対して、情報信号を記録させるとともに、上記記録装置から取得した現在日時情報に基づいてタイムスタンプ情報を形成し、該タイムスタンプ情報を、記録させた情報信号に対応する情報として上記記録装置に記録させることを特徴とする情報記録処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−163830(P2009−163830A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1303(P2008−1303)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】