情報記録媒体、情報記録再生装置、情報の記録再生方法および記録方法
【課題】情報記録媒体において、ディフェクトとは異なり欠陥登録されない、例えばデビエーションなどの記録再生品質を劣化させる領域の記録再生品質の向上。
【解決手段】
情報記録媒体に特殊制御情報の格納領域を設け、該特殊制御情報の格納領域にデビエーションなどに対する記録再生時の特殊な制御情報を記録し、記録再生時には記録された特殊制御情報に基づいて制御を切り替えて記録再生を行う。
【解決手段】
情報記録媒体に特殊制御情報の格納領域を設け、該特殊制御情報の格納領域にデビエーションなどに対する記録再生時の特殊な制御情報を記録し、記録再生時には記録された特殊制御情報に基づいて制御を切り替えて記録再生を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスクなどの情報記録媒体と、該情報記録媒体の記録と再生を行う情報記録装置に関し、特に記録と再生の品質を向上するのに有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CD-R(Compact Disc-Recordable)やDVD-R(Digital Versatile Disc-Recordable)などの一度だけ記録が可能な光ディスクにおいては、データの記録中に何らかの原因で書き込みに失敗すると、その光ディスクは使用不可能となっていた。そこで、BD(Blu-ray Disc(登録商標))では欠陥管理システムが規格化され、欠陥領域(ディフェクト)においては交替領域にユーザーデータを記録し、ディフェクトリストに欠陥領域と交替先のアドレスのペアが登録されることで、書き込みに失敗しても引き続き他の領域への記録が可能となった。この欠陥リストの登録について、例えば下記特許文献1では、情報記録媒体のダミー領域内のブロックにデータ記録禁止を示す記録禁止フラグ1131を設定し、ディスク初期化時に全ブロックをサーティファイすると、記録禁止フラグの設定されたダミー領域のブロックは欠陥ブロックとともに検出され、使用不可ブロックリストに登録するとある。
【0003】
また、欠陥領域におけるサーボ制御として、特許文献2にはディスクからの受光信号に基づいてディフェクトを検出し、ディフェクト検出時および未検出時にトラッキングあるいはフォーカスサーボ信号に対して演算処理を行う信号処理手段を備え、ディフェクト検出時には、ディフェクト検出直前の各サーボ信号の低周波成分をホールドし、偏芯補正信号あるいは面振れ補正信号を加算するとある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-314174 公報
【特許文献2】特開2003−162834 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら記録禁止領域ではない、例えば光ディスクの記録面上の凹凸形状であるデビエーションは欠陥領域とは異なりディフェクトリストに登録されない。しかし、デビエーション通過時にサーボが異常動作を行い、デビエーションを通過した後の領域でも追従誤差が大きくなり、記録・再生性能が劣化してしまう。そのため、上記特許文献1記載の技術ではデビエーションでの記録品質と再生品質に課題が残る。
【0006】
また、欠陥部では総和信号(PE信号)が低下するため、これを用いて欠陥領域の検出を行うが、デビエーションは欠陥領域とは異なり総和信号が低下しないため、デビエーション範囲を検出してサーボ制御の特性を変更することは困難であった。そのため、上記特許文献2記載の技術ではデビエーションでの記録品質と再生品質に課題が残る。また、欠陥領域検出のために1度欠陥領域を再生することを必要とし、2度目以降の再生(以下、リトライ)で適切な記録再生制御を行う。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は特許請求の範囲に記載の発明により解決される。
【発明の効果】
【0008】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0009】
すなわち本発明によれば、欠陥登録されないデビエーション等の記録再生品質を劣化させる領域においても、品質を劣化させることなく、1度の記録再生動作で記録再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1と2における情報記録媒体の構成図
【図2】本発明の実施の形態1乃至5における情報記録再生装置の構成図
【図3】全ての実施の形態におけるデビエーションの概念図
【図4】本発明の実施の形態1における図1に示す情報記録媒体に登録するデビエーション情報の構成図
【図5】全ての実施の形態におけるデビエーション範囲でのホールド制御の有効性を説明する図
【図6】全ての実施の形態における図2の情報記録再生装置による図1の情報記録媒体の記録再生動作フロー
【図7】図6におけるステップW03のインナー領域再生設定の動作フロー
【図8】図6におけるステップW08のデータ記録領域記録再生の動作フロー
【図9】本発明の実施の形態2における図1に示す情報記録媒体に登録するデビエーション情報の構成図
【図10】本発明の実施の形態3における情報記録媒体の構成図
【図11】本発明の実施の形態4における情報記録媒体の構成図
【図12】本発明の実施の形態5における情報記録媒体の構成図
【図13】本発明の実施の形態6における情報記録再生装置の構成図
【図14】図6におけるステップW05のアウター領域再生設定の動作フロー
【図15】図6におけるステップW07のデータ記録領域の記録再生設定の動作フロー
【図16】全ての実施の形態におけるサーボの制御系
【図17】本発明の実施の形態1におけるデビエーション情報に登録する情報の概念図
【図18】本発明の実施の形態1におけるデビエーション検査に用いる専用の測定器の構成図
【図19】図6におけるステップW01のBCA再生設定動作の動作フロー
【図20】本発明の実施の形態6におけるデビエーション情報記録の動作フロー
【図21】図20におけるステップZ01のデビエーション検出設定の動作フロー
【図22】図20におけるステップZ10のデビエーション記録設定の動作フロー
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。
【0012】
本発明の代表的な実施の形態は、管理領域とユーザーデータを記録や再生するデータ領域から構成されたディスク状の単層もしくは多層の情報記録媒体であり、
前記管理領域に通常記録や通常再生動作と異なる特殊記録動作や特殊再生動作を制御するための特殊制御情報を格納するための領域を有することを特徴とする。
【0013】
次に実施の形態について更に詳述する。尚、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、前記の図と同一の機能を有する部品には同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0014】
<<情報記録媒体の構成>>
図1は、本発明の実施の形態1による情報記録媒体の構成を示す図である。
【0015】
図1に示した情報記録媒体F01は、BCA(Burst Cutting Area)領域F02とインナー領域F03とデータ記録領域F04とアウター領域F05とグルーブF06とウォブルF07を具備する。
【0016】
F02のBCA領域は情報記録媒体識別用の固有の番号が記録されている。これを用いて後述する情報記録再生装置は情報記録媒体のマウント時に情報記録媒体の種類の識別を行い、適切な記録または再生(以降、記録再生と記載)の制御を行う。
【0017】
F03とF05のインナー領域とアウター領域(以下、総括して管理領域と表記する)は情報記録媒体の構造や情報記録媒体の記録再生時に必要な情報、特に後述するデビエーション情報F0205や記録データの管理情報に関するデータが予め記録されている。前記情報記録媒体の構造と情報記録媒体の記録再生時に必要な情報の管理領域への記録は、ユーザーが記録再生を行う前に、例えば情報記録媒体の製造時に行われ、特にデビエーション情報F0205においては専用の測定器によって検査され、該検査結果に基づいて管理領域に記録される。前記専用の測定器とデビエーション情報F0205の詳細は後述する。
【0018】
F04のデータ記録領域はユーザーがユーザーデータを記録可能な領域である。
【0019】
F06のグルーブは記録再生時にレーザ光を誘導するための、また情報記録媒体全面にわたる位置を正確に特定することができるアドレスを持たせるための溝である。
【0020】
F07のウォブルはグルーブの微小な蛇行であり、情報記録媒体の記録再生時の追従制御の基準信号などや前記アドレス情報をグルーブに持たせるために一定周波数で形成されている。
【0021】
つまり情報記録媒体F01は、BCA、インナー領域、データ記録領域、アウター領域から形成される。
情報記録媒体F01は、情報記録媒体の記録層の数に応じてF03乃至F05と同様の領域は具備され、例えば図1に示す通り、Ln層の記録層を持つ情報記録媒体F01に対しては、Fn3のインナー領域、Fn4のデータ記録領域、Fn5のアウター領域が具備される。
【0022】
図2は、図1に示した情報記録媒体の記録再生を行う情報記録再生装置の構成を示す図である。
【0023】
図2に示した情報記録再生装置D00は、スピンドルモータD01と、モータ制御手段D02と、光ピックアップD03と、AFE (Analog Front End) D04と、BCA再生手段D05と、データ/管理領域/デビエーション情報再生手段D06と、アドレス検出手段D07と、サーボ信号再生手段D11と、ピックアップ位置制御手段D08と、レーザ制御手段D09と、マイコンD10と、サーボ信号再生手段D11を具備する。
【0024】
D01のスピンドルモータはモータ制御手段D02が出力するモータ制御信号S01に従って着脱が可能な情報記録媒体F01を所定の回数で回転駆動する。
【0025】
D02のモータ制御手段はマイコンD10からのモータ制御信号S11に応答することによって、マイコンD10が指定した速度で情報記録媒体F01を回転させるようスピンドルモータD02にモータ制御信号S01を出力する。
【0026】
D03の光ピックアップは、ピックアップ位置制御手段D08が出力する位置制御信号S02に従って情報記録媒体F01の径方向に移動して所定の記録再生位置を決定し、レーザ制御手段が出力するレーザパルス制御信号S03に従って記録再生のためにレーザパルスを情報記録媒体F01にレーザを照射する。
【0027】
光ピックアップD03の半導体レーザから照射されたレーザパルスは情報記録媒体F01の表面で反射され、光ピックアップD03の受光部が反射光を受光する。受光部は反射光を電気信号S04に変換して、AFE D04に出力する。
【0028】
D04のAFEは光ピックアップD03が出力した電気信号S04の増幅等のアナログ信号処理を実行することによってアナログ信号S05を生成して、BCA再生手段D05と、データ/管理領域/デビエーション情報再生手段D06と、アドレス検出手段D07と、サーボ信号再生手段D11に出力する。
【0029】
D05のBCA再生手段は、F02のBCAに記録された情報を再生し、再生したBCA情報S08をマイコンD10に出力する。
【0030】
D06のデータ/管理領域/デビエーション情報再生手段は、Fn4のデータ記録領域に記録された情報と、Fn3とFn5のインナー領域とアウター領域に記録された情報記録媒体の構造や情報記録媒体の記録時に必要な情報や記録データの管理情報に関するデータを再生し、また管理領域に記録されたデビエーション情報F0205を再生し、再生したデータ/管理領域情報/デビエーション情報S07をマイコンD10に出力する。
【0031】
D07のアドレス検出手段は、前記ウォブルの一定周波数を高周波に変調しウォブル信号を生成して、生成したウォブル信号の位相から情報記録媒体全面にわたるトラック位置を正確に特定することができるアドレスを検出し、検出したアドレス情報S08をマイコンD10に出力する。
【0032】
D08のピックアップ位置制御手段はマイコンD10からの前記位置制御信号S09に応答することによって、光ピックアップD03を記録位置または再生位置に移動させるように位置制御信号S02を出力する。
【0033】
D09のレーザ制御手段はマイコンD10からのレーザパルス制御信号S10に応答することによって、マイコンD10が指定した記録ストラテジーで記録するよう光ピックアップD03にレーザパルス制御信号S03を出力する。
【0034】
D11のサーボ信号再生手段は、レーザの焦点を記録面に合わせるフォーカス制御と、レーザのスポット位置をトラック中心に追従させるトラッキング制御など(以下、総括してサーボ制御と表記する)に用いるアナログ信号S05中からTE(Tracking Error)信号やFE(Forcus Error)信号を生成し、サーボ信号S12をとして、マイコンD10に出力する。
【0035】
D10のマイコンはまず、BCA再生手段D05から出力されるBCA情報S06とデータ/管理領域/デビエーション情報再生手段D06から出力されるデータ/管理領域情報/デビエーション情報S07を用いて、情報記録媒体F01の種類と情報記録媒体構造を判断し、該判断結果とサーボ信号S12から記録または再生時の適切な位置制御信号S09をピックアップ位置制御手段D08に出力する。また、前記判断結果からマイコンD10は、管理領域に記録された情報とアドレス情報S08とサーボ信号S12から、レーザスポットの焦点が記録面に追従するようにレーザパルス制御信号S10をレーザ制御手段D09に出力し、レーザスポット位置がトラック中心に追従するように、位置制御信号S09をピックアップ位置制御手段D08に出力する。また、前記判断結果からマイコンD10は、記録または再生の速度を選択し、選択した記録または再生の速度に従って、モータ制御信号S11をモータ制御手段D02に出力する。
【0036】
一方、図3はデビエーションの発生領域の概念図を示す。デビエーションとは情報記録媒体上の凹凸であり、該デビエーションが原因となり前記情報記録再生装置D00で情報記録媒体F01の記録再生を実行したとき、デビエーション範囲とその周辺で記録再生品質が劣化する場合がある。
【0037】
図3には情報記録媒体F01のトラックとグルーブに施されたウォブルとデビエーションが示される。情報記録媒体F01には、先頭ブロックからの順序番号であるアドレスが具備され、記録再生時に使用される。図3に示す通り前記デビエーションはデータの1記録単位であるブロックよりも狭い範囲で発生する場合が多い。そこで本発明ではデビエーション範囲の特定のための情報を図4の通りに定義し、管理領域に記録し、情報記録再生装置D00の制御に活用する。図3は、簡略的に、データ1ブロックが3ウォブル周期の記録領域となる場合を例として説明するが、本実施例に限定されるものではない。また、図4に示すデビエーション情報F0205は各層の管理領域に層毎に記録しても良いし、L1層のインナー領域に全層のデビエーション情報F0205を記録し、L1層のインナー領域が足りなくなった場合、L1層のアウター領域や他層の管理領域に記録しても良く、デビエーション情報F0205の記録場所として、インナー領域とアウター領域の記録方法は限定されない。
【0038】
図4は、本発明の実施の形態1による、図1の情報記録媒体F01の管理領域に予め記録されるデビエーション情報F0205を示す。デビエーション情報F0205は、デビエーションの開始位置を含むブロックのアドレスF0201、デビエーションの開始位置を示す開始ウォブル位置F0202、デビエーションの範囲を示すF0203、デビエーションに対する有効な制御方法を示すデビエーション制御方法F0204から構成される。デビエーション情報F0205のデータ構造は例えばBD―R(Recordable) SL(Single Layer)の場合、図4に示す通りとする。開始アドレスF0201のビット幅はBD−R SLのアドレスを表すために必要な32bitとし、開始ウォブル位置F0202のビット幅は、1アドレスが56個のウォブルから形成されることから6bitとし、デビエーション範囲F0203のビット幅は、デビエーションが1以上のアドレス長に跨って発生しないことを想定し、デビエーションが発生する範囲を示すに十分な10bitとし、デビエーション制御方法F0205のビット幅は後述する図17に示す設定番号を表すのに十分な8bitとするが、デビエーション情報のデータ構造はこれに限らず、他のビット幅としても良い。
【0039】
デビエーション情報F0205の例を図3と図4を用いて説明する。
【0040】
例えば図3のようにブロックB02上にデビエーションが発生した場合のデビエーション情報F0205は、以下の通りとなる。
【0041】
つまり、開始アドレスF0201は、デビエーションの開始位置を含むブロックのアドレスとなるためアドレスA02を登録し、開始ウォブル位置は開始アドレスからデビエーション開始位置W02までのウォブル周期の数を登録し、デビエーション範囲では、デビエーション開始位置W02からデビエーション終了位置W03までのウォブル周期の数を登録する。このようにデビエーション範囲特定のために、アドレス情報とウォブル情報を登録することで、冗長領域をもつことなく、正確にデビエーション位置を特定することが可能になる。
【0042】
一方、デビエーション範囲においては、記録再生品質向上のためにデビエーションに対応した記録再生制御を行う必要がある。一般に情報記録再生装置D00は、記録中もしくは再生中のサーボ信号S12を用いて光ピックアップの位置とレーザパルスのサーボ制御を行う。
【0043】
図16はサーボ制御系ループを示す。図16は図2で示した情報記録再生装置D01の構成の中からサーボ制御系ループのみを抜粋した図である。図16に示す通り、情報記録媒体F01の反射光S00を光ピックアップD03は受光し、電気信号S04としてAFE04に出力する。AFE04は電気信号S04に前記記載の通りアナログ処理を行い、アナログ信号S05を生成して、サーボ信号再生手段D11に出力する。サーボ信号再生手段D11では、アナログ信号S05中のサーボ信号を生成し、サーボ信号S12を生成して、マイコンD10に出力する。マイコンD10はサーボ信号S12からサーボ制御を実行するため、ピックアップ位置制御手段D08に位置制御信号S09を出力し、レーザ制御手段D09にレーザ制御信号S10を出力する。ピックアップ位置制御手段D08とレーザ制御手段D09はマイコンD10からの前記信号に従って光ピックアップD03に位置制御信号S02とレーザパルス制御信号S03を出力する。サーボ制御では現在の記録再生状況をサーボ信号S12から判断し、より品質の良い記録再生が行えるようにマイコンD10がピックアップ位置制御手段D08とレーザ制御手段D09を介して、光ピックアップD03の動作を制御するものである。
【0044】
しかし、デビエーション範囲においては通常とは異なる特別な制御を必要とするので、デビエーション範囲においてデビエーション範囲以外で行う通常のサーボ制御を行った場合、デビエーションに追従して通常とは異なるサーボ信号を生成するため、デビエーション範囲通過直後において、通常とは異なるサーボ信号に従って記録再生制御を行うことで記録再生品質が劣化してしまう場合がある。その例を図5に示す。
【0045】
図5はデビエーションに対する制御方法別のTEの概念図である。T06はデビエーション範囲T04に対してサーボ制御を行った場合のTE T01を示し、T07はデビエーション範囲 T05に対してサーボ制御をホールドした場合のTE T02を示す。ここでサーボ制御のホールドとは、サーボ信号再生手段D11がアナログ信号S05に従ってサーボ信号S12を生成することを一旦停止し、停止する直前のサーボ信号値に値を保ってサーボ信号S12を生成し、記録再生を行うことである。T06に示す通り、デビエーション範囲T04に対してサーボ制御を行った場合、デビエーションにより誤ったTEを検出して、その後検出の信号に追従して動作してしまうため、デビエーション通過時に誤ったサーボ信号S12を生成し、デビエーションを通過した後の領域でも追従誤差が大きくなり、記録再生性能が劣化してしまう場合がある。そのためT07に示す通り、デビエーション範囲T05においてサーボ制御をホールドした方がデビエーション通過後の記録再生品質の劣化を防ぐことが可能となる。ここで、図5ではサーボ制御の安定性を示す指標としてTEを用いて説明しているが、FEもしくはTEとFEの総和信号を用いても良い。
【0046】
前記記載の通りデビエーションは情報記録媒体の凹凸であり、情報記録媒体の凹凸具合によっては、サーボ制御のホールドではなく、AFE D04で行う電気信号S04の増幅率を変化させることが記録再生品質向上に有効である場合がある。
【0047】
そこで、図4のデビエーション制御方法F0204に登録する制御方法の例を以下に示す。図17に、基準の設定を基に、AFE D04の増幅率を3dB増減させた設定、サーボ制御をホールドした設定の場合を制御方法の一例として挙げ、それぞれの制御を設定番号として関連付け、その際のサーボ制御のTEの波形概念図を示す。また、前記デビエーション検査に用いられる専用の測定器を図18に示す。図18に示す通り専用の測定器は図2に示す情報記録再生装置と異なる点は、BCA再生手段D05とデータ/管理領域/デビエーション情報再生手段D06を削除し、デビエーション検出手段D11を追加した点である。前記デビエーション検出とデビエーション情報F0205の記録を行う専用の測定器は、前記記載の設定番号に対応した制御方法を用いてデビエーションを含んだ情報記録媒体F01を再生し、デビエーション範囲とその周辺においてTEが最も安定する設定番号である“4”を管理領域のデビエーション情報F0205の格納領域に記録する。前記設定番号に対応した制御方法は、図17の3dB増減の例に限られるものではなく、例えば前記基準の増幅値から1dB毎に±5dBまで変化させて再生を行っても良い。また、設定番号に関連付けした制御方法は信号増幅だけに限られるものではなく、別の制御方法を設定番号に関連付けても良い。
<<記録再生動作フロー>>
以上より、本発明の図4に示したデビエーション情報F0205が記録されている情報記録媒体F01と、該情報記録媒体F01に対応して記録再生の制御を行う情報記録再生装置D00の動作説明を行う。
【0048】
図6は本発明実施の形態1における情報記録再生装置D00の記録再生時の動作フローを示す。
【0049】
まずステップW01で、情報記録再生装置D00はBCA F02の情報を再生するための初期再生設定を実行する。初期再生設定の詳細な動作を図19に示す。
【0050】
図19は本発明実施の形態1における図6に示すBCA再生設定W01の動作の開始から終了までの動作を示す図である。
【0051】
まず、ステップW0101でBCA再生時モータ回転数制御が実行される。BCA再生時モータ回転数制御では、BCA F02の情報を再生するための所望の再生速度となるようマイコンD10がモータ制御手段D02にモータ制御指示S11を出力する。モータ制御手段D02はモータ制御指示S11に応答して、所望の再生速度となるようスピンドルモータD02の回転数を制御するためモータ制御信号S01をスピンドルモータ2に出力する。
【0052】
ステップW0101でスピンドルモータD01の回転数の所望の回転数への制御が完了すると、次のステップW0102でBCA再生時光ピックアップ位置制御を実行する。この再生時光ピックアップ位置制御では、BCA F02の情報を再生するために光ピックアップD03を所望の位置に移動するようにマイコンD10がピックアップ位置制御手段D08に位置制御指示S09を出力する。するとピックアップ位置制御手段D08は位置制御指示S09に応答して、所望の領域に光ピックアップD03が移動するように位置制御信号S02を光ピックアップD03に出力する。
【0053】
ステップW0102で光ピックアップの所望の位置への制御が完了すると、次のステップW0103でBCA再生時レーザ制御を実行する。このBCA再生時レーザ制御では、BCA F02の情報を再生するために、BCA再生用のレーザ発光を実行するようマイコンD10がレーザ制御手段D09にレーザ制御信号S10を出力する。レーザ制御手段D09はマイコンD10からのレーザ制御信号S10に応答して、レーザパルス制御信号S03を光ピックアップD03に出力する。
【0054】
ステップW0103のBCA再生時レーザ制御が終了すると、BCA再生設定は終了する。
【0055】
図6の記録再生動作フローの説明に戻る。
【0056】
ステップW01が終了したら、次にステップW02で情報記録再生装置D00はBCA再生手段D05を用いてF02のBCAの再生を行い、再生したBCA情報S08をマイコンD10に出力し、マイコンD10は情報記録媒体F01の種別を判別する。
【0057】
ステップW02が終了したら、情報記録再生装置D00はインナー領域 F03の情報を再生するためのインナー領域再生設定を実行する。インナー領域再生設定の詳細な動作を図7に示す。
【0058】
まず、ステップW0301でインナー領域再生時モータ回転数制御が実行される。インナー領域再生時モータ回転数制御では、インナー領域 F03の情報を再生するための所望の再生速度となるようマイコンD10がモータ制御手段D02にモータ制御指示S11を出力する。モータ制御手段D02はモータ制御指示S11に応答して、所望の再生速度となるようスピンドルモータD02の回転数を制御するためモータ制御信号S01をスピンドルモータ2に出力する。
【0059】
ステップW0301でスピンドルモータD01の回転数の所望の回転数への制御が完了すると、次のステップW0302でインナー領域再生時光ピックアップ位置制御を実行する。この再生時光ピックアップ位置制御では、インナー領域 F03の情報を再生するために光ピックアップD03を所望の位置に移動するようにマイコンD10がピックアップ位置制御手段D08に位置制御指示S09を出力する。するとピックアップ位置制御手段D08は位置制御指示S09に応答して、所望の領域に光ピックアップD03が移動するように位置制御信号S02を光ピックアップD03に出力する。
【0060】
ステップW0302で光ピックアップの所望の位置への制御が完了すると、次のステップW0303でインナー領域再生時レーザ制御を実行する。このインナー領域再生時レーザ制御では、インナー領域 F03の情報を再生するために、インナー領域再生用のレーザ発光を実行するようマイコンD10がレーザ制御手段D09にレーザ制御信号S10を出力する。レーザ制御手段D09はマイコンD10からのレーザ制御信号S10に応答して、レーザパルス制御信号S03を光ピックアップD03に出力する。
【0061】
ステップW0303のインナー領域再生時レーザ制御が終了すると、インナー領域再生設定は終了する。
【0062】
図6の記録再生動作フローの説明に戻る。
【0063】
ステップW03が終了したら、次にステップW04で情報記録再生装置D00はデータ/管理領域/デビエーション情報再生手段D06を用いてF03のインナー領域の再生を行い、再生したデータ/管理領域情報/デビエーション情報S07をマイコンD10に出力し、マイコンD10はマイコンD10内部にその情報を保有し、後述するステップW08のデータ記録領域記録再生における記録再生制御に用いる。
【0064】
ステップW04が終了したら、情報記録再生装置D00はアウター領域 F05の情報を再生するためのアウター領域再生設定を実行する。アウター領域再生設定の詳細な動作を図14に示す。
【0065】
まず、ステップW0501でアウター領域再生時モータ回転数制御が実行される。アウター領域再生時モータ回転数制御では、アウター領域 F05の情報を再生するための所望の再生速度となるようマイコンD10がモータ制御手段D02にモータ制御指示S11を出力する。モータ制御手段D02はモータ制御指示S11に応答して、所望の再生速度となるようスピンドルモータD02の回転数を制御するためモータ制御信号S01をスピンドルモータ2に出力する。
【0066】
ステップW0501でスピンドルモータD01の回転数の所望の回転数への制御が完了すると、次のステップW0502でアウター領域再生時光ピックアップ位置制御を実行する。この再生時光ピックアップ位置制御では、アウター領域 F05の情報を再生するために光ピックアップD03を所望の位置に移動するようにマイコンD10がピックアップ位置制御手段D08に位置制御指示S09を出力する。するとピックアップ位置制御手段D08は位置制御指示S09に応答して、所望の領域に光ピックアップD03が移動するように位置制御信号S02を光ピックアップD03に出力する。
【0067】
ステップW0502で光ピックアップの所望の位置への制御が完了すると、次のステップW0503でアウター領域再生時レーザ制御を実行する。このアウター領域再生時レーザ制御では、アウター領域 F05の情報を再生するために、アウター領域再生用のレーザ発光を実行するようマイコンD10がレーザ制御手段D09にレーザ制御信号S10を出力する。レーザ制御手段D09はマイコンD10からのレーザ制御信号S10に応答して、レーザパルス制御信号S03を光ピックアップD03に出力する。
【0068】
ステップW0503のアウター領域再生時レーザ制御が終了すると、アウター領域再生設定は終了する。
【0069】
図6の記録再生動作フローの説明に戻る。
【0070】
ステップW05が終了したら、次にステップW06で情報記録再生装置D00はデータ/管理領域/デビエーション情報再生手段D06を用いてF05のアウター領域の再生を行い、再生したデータ/管理領域情報/デビエーション情報S07をマイコンD10に出力し、マイコンD10はマイコンD10内部にその情報を保有し、後述するステップW08のデータ記録領域記録再生における記録再生制御に用いる。
【0071】
ステップW06が終了したら、情報記録再生装置D00はデータ記録領域 F04の情報を記録再生するためのデータ記録領域記録再生設定を実行する。データ記録領域記録再生設定の詳細な動作を図15に示す。
【0072】
まず、ステップW0701でデータ記録領域記録再生時モータ回転数制御が実行される。データ記録領域記録再生時モータ回転数制御では、データ記録領域F04の情報を記録再生するための所望の再生速度となるようマイコンD10がモータ制御手段D02にモータ制御指示S11を出力する。モータ制御手段D02はモータ制御指示S11に応答して、所望の再生速度となるようスピンドルモータD02の回転数を制御するためモータ制御信号S01をスピンドルモータ2に出力する。
【0073】
ステップW0701でスピンドルモータD01の回転数の所望の回転数への制御が完了すると、次のステップW0702でデータ記録領域記録再生時光ピックアップ位置制御を実行する。この再生時光ピックアップ位置制御では、データ記録領域F04の情報を再生するために光ピックアップD03を所望の位置に移動するようにマイコンD10がピックアップ位置制御手段D08に位置制御指示S09を出力する。するとピックアップ位置制御手段D08は位置制御指示S09に応答して、所望の領域に光ピックアップD03が移動するように位置制御信号S02を光ピックアップD03に出力する。
【0074】
ステップW0702で光ピックアップの所望の位置への制御が完了すると、次のステップW0703でデータ記録領域記録再生時レーザ制御を実行する。このデータ記録領域記録再生時レーザ制御では、データ記録領域F04のアドレス情報を再生するために、データ記録領域記録再生用のレーザ発光を実行するようマイコンD10がレーザ制御手段D09にレーザ制御信号S10を出力する。レーザ制御手段D09はマイコンD10からのレーザ制御信号S10に応答して、レーザパルス制御信号S03を光ピックアップD03に出力する。
【0075】
ステップW0703のデータ記録領域記録再生時レーザ制御が終了すると、データ記録領域記録再生設定は終了する。
【0076】
図6の記録再生動作フローの説明に戻る。
【0077】
ステップW07が終了したら、次にステップW08で情報記録再生装置D00はデータ記録領域の記録再生を実行する。データ記録領域の記録再生動作の詳細な説明は後述する。
【0078】
ステップW08が終了したら、記録再生動作は終了する。
<<データ記録領域記録再生 >>
図8は本発明の実施の形態1における図6に示すデータ記録領域記録再生W08の動作の開始から終了までの動作を示す図である。
【0079】
まず、ステップW0801のアドレス検出で、現在のアドレス情報を再生し、所望の記録再生位置のアドレスまで光ピックアップD03を移動する。アドレス管理はマイコンD10が実行し、ステップW0801以降も常に現在のアドレス情報を再生し、アドレス管理を続ける。
【0080】
ステップW0801で所望のアドレスへの光ピックアップの移動が完了したら、次のステップW0802で記録再生を開始する。
【0081】
ステップW0802で記録再生動作が開始されると、次のステップW0811で通常記録再生を実行し、前記情報記録媒体F01上の記録再生位置に応じてアドレス情報を更新する。
【0082】
ステップW0811で記録再生動作が実行されると、次にステップW0803で現在記録再生を実行している情報記録媒体F01上のアドレスと、ステップW04とステップW06で得たデビエーション情報F0205の内、開始アドレスF0201とを比較する。記録再生中は常に前記情報記録媒体F01上に施されたグルーブとウォブルからサーボ信号制御手段D11はサーボ信号S12をマイコンD10に出力しており、マイコンD10は現在記録再生中のアドレスの管理を実行している。ステップW0803では、前記現在記録再生中のアドレスと開始アドレスF0201を比較し、現在記録再生実行中のアドレスと開始アドレスF0201が等しければステップW0804を実行し、異なればステップW0810を実行する。
【0083】
ステップW0803で現在記録再生中のアドレスと開始アドレスF0201が異なった場合、ステップW0810を実行し、記録再生動作を終了するか継続するかを判断する。記録再生動作はマイコンD10の制御信号により中断される場合や、情報記録媒体容量の限界により記録再生処理を中断される場合などがある。ステップW0810の判断において、記録再生処理終了とマイコンD10が判断すれば、データ記録領域の記録再生動作は終了し、記録再生処理は終了しないと判断されれば、ステップW0811に戻り、前記同様の動作を実行する。
【0084】
ステップW0803で現在記録再生中のアドレスと開始アドレスF0201が等しかった場合、次にステップW0804を実行し、ステップW0803で等しいと判断された開始アドレスF0201からカウントして現在記録再生中のウォブルの周期の数(以下、ウォブルカウント)と、ステップW04とステップW06で得たデビエーション情報F0205の内、開始ウォブル位置F0202とを比較し、該比較において等しいと判断された場合にはステップW0805を実行し、異なると判断された場合にはステップW0809を実行する。
【0085】
ステップW0804で現在記録再生中の前記ウォブルカウントと前記開始ウォブル位置F0202が異なると判断された場合、ステップW0809で記録再生を継続しながら、現在記録再生中の情報記録媒体F01上の位置に応じてマイコンD10が管理するウォブルカウントを更新する。ステップW0809でウォブルカウントの更新が終了したら、ステップW0804に戻り同様の動作を実行する。
【0086】
ステップW0804で現在記録再生中の前記ウォブルカウントと前記開始ウォブル位置F0202が等しい場合、次にステップW0805を実行し、現在記録再生中の位置がデビエーション範囲に該当するかをマイコンD10が判断する。前記判断は、前記開始ウォブル位置F0202からカウントされるウォブルのカウント値が、デビエーション情報F0205の内、デビエーション範囲F0203に登録されているウォブルの数以下である場合、現在記録再生中の位置がデビエーション範囲に該当すると判断され次にステップW0806を実行し、前記開始ウォブル位置からのウォブルのカウント値がデビエーション範囲F0203に登録されているウォブルの数を超える場合、現在記録再生中の位置がデビエーション範囲に該当しないと判断され次にステップW0808を実行する。
【0087】
ステップW0805の判断において現在記録再生中の位置はデビエーション範囲に該当しないと判断された場合、次のステップW0808で、アドレスが更新される箇所までデビエーション範囲に該当しない領域と同様の制御方法で記録再生処理を実行する。
【0088】
ステップW0805の判断において現在記録再生中の位置はデビエーション範囲に該当すると判断された場合、次にステップW0806で、ステップW04とステップW06で得たデビエーション情報F0205の内、デビエーション制御方法F0204に従った記録再生制御に変更するようマイコンD10は位置制御信号S09とレーザ制御信号S10とモータ制御信号S11を出力し、前記S09乃至S11の信号に応答してピックアップ位置制御手段D08とレーザ制御手段D09とモータ制御手段D02は動作し、デビエーション範囲の記録再生動作を実行する。デビエーション範囲内での記録再生は、例えば図17に示す設定番号の内4が設定されていれば、AFE D04での増幅率を−3dBに設定変更して記録再生を行う。ここでデビエーション範囲内の制御は、登録されているデビエーション情報F0205に基づいて情報記録再生装置D00が独自に保有する制御方法を用いても良く、例えば登録されているデビエーション情報F0205の増幅率に一定のオフセット値などを加えて、アナログ信号S05を増幅させた上でサーボ信号再生手段D11はサーボ信号S12を生成し、サーボ制御を行っても良い。
【0089】
ステップW0806のデビエーション内記録再生制御が終了したら、次にステップW0807でデビエーション制御方法F0204に従った記録再生動作を継続しながら、現在記録再生中の情報記録媒体F01上の位置に応じてマイコンD10が管理する前記開始ウォブル位置F0202からのウォブルのカウント値を更新し、ステップW0805の処理に戻る。
【0090】
以上より、本発明の実施の形態1によれば、情報記録媒体に発生しているデビエーションの位置と該デビエーションに対する有効な制御方法を記録可能な領域が設けられ、該領域には予めデビエーションが発生している位置と該デビエーションに関する有効な制御方法が記録され、該情報記録媒体の記録再生を行う情報記録再生装置は前記デビエーション情報F0205に従って記録再生制御を切り替えて実行することで、情報記録再生装置の再生精度に左右されずまた、前記記載の記録再生のリトライ動作を不要として、1度の記録再生動作で記録再生品質向上を図ることが可能となる。
【0091】
尚、本発明の実施の形態1において、マイコンD10はソフトウェア制御によってデータ処理や各種の信号を生成しているが、それらの少なくとも一部をハードウェア制御によって実行することもできる。
【0092】
また、デビエーション情報F0205はインナー領域もしくはアウター領域のどちらか一方に記録することも可能であるし、各層のデビエーション情報F0205をインナー領域とアウター領域の両方に記録することも可能であるし、前記記載の通りL0層のインナー領域に全層のデビエーション情報F0205を記録し、L0層のインナー領域が不足した場合にはL0層のアウター領域や他層の管理領域を使用して記録することも可能である。
【0093】
また管理領域にデビエーションが発生した場合には、例えばインナー領域とアウター領域の両方に同一のデビエーション情報F0205が登録されている場合には、デビエーションの発生していない領域でのデビエーション情報F0205を再生する。またインナー領域もしくはアウター領域のどちらか一方にデビエーション情報F0205が記録されている場合には、該管理領域に発生するデビエーションのデビエーション情報F0205を、デビエーション範囲ではない管理領域に記録する。
【実施例2】
【0094】
図9は図1の情報記録媒体F01において、本発明の実施の形態2により登録されるデビエーション情報F0205を示す図である。本発明の実施の形態2によるデビエーション情報F0205が、本発明の実施の形態1によるデビエーション情報F0205と相違する点は、デビエーション情報F0205にデビエーション制御方法F0204が無い点である。
【0095】
つまり、本発明の実施の形態2では、実施の形態1と同様の情報記録媒体F01と情報記録再生装置D00において、同様の方法でデビエーションを検出し、デビエーション範囲においては予めマイコンD10が定めた制御方法(例えば前記サーボ制御のホールド等)を用いて記録再生を行うことで記録再生品質の向上を図るものである。
【0096】
情報記録再生装置D00の動作が実施の形態1と相違する点は、図8のステップW0407において、デビエーション内記録再生制御は、前記予めマイコンD10が定めた制御方法を用いて記録再生を行う点である。ここで予めマイコンD10が定める制御方法は、例えば凹凸具合の異なるデビエーションに対して、情報記録再生装置メーカが情報記録再生装置の開発時に図17に示すような異なる制御方法を用いて記録再生を行い、記録再生品質の良好な結果を得る割合が最も高い制御方法を前記記載のマイコンD10が定める制御方法としても良いし、その他の決定方法を用いても良く、該制御方法の決定方法は限定されない。
【0097】
以上より、本発明の実施の形態2によれば、登録するデビエーション情報F0205の情報量を削減した上で、情報記録再生装置の再生精度に左右されずまた、前記記載の記録再生のリトライ動作を不要として、1度の記録再生動作で記録再生品質向上を図ることが可能となる。
【実施例3】
【0098】
図10は本発明の実施の形態3による情報記録媒体F01の構成を示す図である。
【0099】
本発明実施の形態3はデビエーション情報F0205を全層には持たせず、図10に示す通り、L0乃至Ln層のいずれかの層を基準層C01と定めた上で、基準層に発生するデビエーションの情報のみを図4もしくは図9の形式に則して管理領域に記録し、情報記録媒体F01の平面に対して図10に示す通り、X軸C03とY軸C04の2軸を取った時に、基準層に出現するデビエーション範囲の座標と同じ基準層以外の層については、基準層と同様の制御方法で記録再生制御を実行する。ここで記録する基準層のデビエーション情報F0205は、基準層の管理領域にのみ記録し、記録容量が不足したら他層の管理領域を使用することも可能であるし、基準層のデビエーション情報F0205を他の全層に記録し、基準層以外の層において基準層と同様の記録再生制御を行っても良い。
【0100】
つまり、図10のデビエーション範囲C02に対しては、基準層と同様の記録再生制御を実行する。尚図10では基準層をL0層としたが、基準層はこれに限らず、他の層を選択しても良い。
【0101】
情報記録再生装置D00の動作が実施の形態1もしくは2と相違する点は、図8のステップW0404においてのデビエーション情報F0205の内、開始アドレスF0201と現在記録再生中のアドレスとを比較する際に、基準層と同じ前記座標を持つ基準層以外のアドレスに対しても、開始アドレスF0201と等しいと判断する点である。
【0102】
以上より、本発明の実施の形態2によれば、登録するデビエーション情報F0205の情報量を削減した上で、情報記録再生装置の再生精度に左右されずまた、前記記載の記録再生のリトライ動作を不要として、1度の記録再生動作で記録再生品質向上を図ることが可能となる。
【0103】
また本発明の実施の形態3では、基準層に発生するデビエーション情報F0205のみを管理領域に記録するが、例えば全層のデビエーション情報F0205を基準層のデビエーション情報F0205として管理領域に記録しても良い。
【実施例4】
【0104】
図11は本発明の実施の形態4による情報記録媒体F01の構成を示す図である。
【0105】
C06とC07はデビエーションを示し、C05はC06とC07のデビエーションが同半径方向に発生している様子を示す。
【0106】
本発明の実施の形態4は登録するデビエーション情報F0205を情報記録媒体の半径方向において、発生しているデビエーションの内、最内周のデビエーションについてのみ登録し、半径方向については登録された最内周のデビエーションと同様の記録再生制御を実行するものである。例えば図11に示す通り、同半径方向にC06とC07の複数のデビエーションが発生している場合、発生しているデビエーションの内、最内周のデビエーションC06を登録し、半径方向については登録したデビエーションC06の中心と情報記録媒体F01の中心を結ぶ直線C08として、直線C06とデータ記憶領域F04の最内周の交点を中心C09として登録したデビエーションC06と重なる扇形の中で最小の面積となる中心角の扇形の範囲をデビエーション範囲C05として、登録したデビエーションC06と同様の記録再生制御を実行する。尚、登録するデビエーションは同半径方向に発生するデビエーションの内、最内周のデビエーションとしたが、登録するデビエーションはこれに限らず、同半径方向に存在するデビエーションの内から任意の一つを登録しても良い。
【0107】
情報記録再生装置D00の動作が実施の形態1もしくは2と相違する点は、図8のステップW0404においてのデビエーション情報F0205の内、開始アドレスF0201と現在記録再生中のアドレスとを比較する際に、登録される開始アドレスF0201の半径方向のアドレスに対しても、開始アドレスF0201と等しいと判断する点である。
【0108】
以上より、本発明の実施の形態2によれば、登録するデビエーション情報F0205の情報量を削減した上で、情報記録再生装置の再生精度に左右されずまた、前記記載の記録再生のリトライ動作を不要として、1度の記録再生動作で記録再生品質向上を図ることが可能となる。
【0109】
ここで、管理領域にデビエーションが発生した場合には、中心C09を直線C08とインナー領域F03の最内周としてデビエーション範囲C05を決定し、前記と同様の記録再生制御を実行する。
【実施例5】
【0110】
図12は本発明の実施の形態5による情報記録媒体F01の構成を示す図である。
【0111】
本発明の実施の形態5は、本発明の実施の形態3と同様にデビエーション情報F0205を全層には持たせず、図12に示す通り基準層C01を定めた上で基準層のデビエーション情報F0205のみを管理領域に記録し、且つ本発明の実施の形態4と同様に情報記録媒体の半径方向において基準層の最内周のデビエーションのみについて登録するものである。
【0112】
つまり、本発明実施の形態5では基準層の最内周のデビエーション情報F0205を登録し、半径方向においては本発明の実施の形態4と同様の方法でデビエーション範囲C05を決定し、また基準層と同様の前記座標を持つ他の層に対してもデビエーションとみなす点である
情報記録再生装置D00動作が実施の形態1もしくは2と相違する点は、図8のステップW0404においてのデビエーション情報F0205の内、開始アドレスF0201と現在記録再生中のアドレスとを比較する際に、登録される開始アドレスF0201の半径方向のアドレスに対して、且つ基準層と同じ前記座標を持つ基準層以外のアドレスに対しても、開始アドレスF0201と等しいと判断する点である。
【0113】
以上より、本発明の実施の形態2によれば、登録するデビエーション情報F0205の情報量を削減した上で、情報記録再生装置の再生精度に左右されずまた、前記記載の記録再生のリトライ動作を不要として、1度の記録再生動作で記録再生品質向上を図ることが可能となる。
【0114】
ここで、管理領域にデビエーションが発生した場合には、本発明の実施の形態4と同様に中心C09を直線C08とインナー領域F03の最内周としてデビエーション範囲C05を決定し、前記と同様の記録再生制御を実行する。
【実施例6】
【0115】
図13は本発明の実施の形態6による情報記録再生装置D00の構成を示す図である。
【0116】
図13の本発明の実施の形態6による情報記録再生装置D00が本発明の実施の形態1乃至5で用いた図2に示す情報記録再生装置D00と相違する点はデビエーション検出手段D12を具備する点である。
【0117】
本発明実施の形態6は、本発明の実施の形態1乃至5において記録再生中にデビエーション範囲を発見した場合に、該発見したデビエーションが情報記録媒体F01に登録されていないものであったら、情報記録再生装置D00が情報記録媒体F01の管理領域に記録するというものである(記録手段は図示せず)。ここで、実施の形態1乃至5ではディスク製造時などに予めデビエーション情報F0205が記録されることを前提として記載しているが、本発明の実施の形態6で用いる情報記録再生装置D00はディスク製造時などに行うデビエーション情報F0205の記録が実施されていなくてもよい。1度記録再生を行ない、デビエーション情報F0205の記録を管理領域に新規に記録、あるいは追記記録を行うことで、本発明実施の形態1乃至5と同様の情報記録媒体を得ることが可能である。情報記録再生装置D00を用いたデビエーション情報の記録の動作は以下に示す。
<<デビエーション情報の記録 >>
図20は本発明の実施の形態6におけるデビエーション情報の記録の動作の開始から終了までの動作を示す図である。
【0118】
まずステップZ01で、情報記録再生装置D00はデビエーションを検出するためのデビエーション検出設定を実行する。デビエーション検出設定の詳細な動作を図21に示す。
【0119】
図21は本発明実施の形態6における図20に示すデビエーション検出設定Z01の動作の開始から終了までの動作を示す図である。
【0120】
まず、ステップZ0101でデビエーション検出時モータ回転数制御が実行される。デビエーション検出時モータ回転数制御では、デビエーションを検出するための所望の再生速度となるようマイコンD10がモータ制御手段D02にモータ制御指示S11を出力する。モータ制御手段D02はモータ制御指示S11に応答して、所望の再生速度となるようスピンドルモータD02の回転数を制御するためモータ制御信号S01をスピンドルモータ2に出力する。
【0121】
ステップZ0101でスピンドルモータD01の回転数の所望の回転数への制御が完了すると、次のステップZ0102でデビエーション検出時光ピックアップ位置制御を実行する。この再生時光ピックアップ位置制御では、デビエーションを検出するために光ピックアップD03を所望の位置に移動するようにマイコンD10がピックアップ位置制御手段D08に位置制御指示S09を出力する。するとピックアップ位置制御手段D08は位置制御指示S09に応答して、所望の領域に光ピックアップD03が移動するように位置制御信号S02を光ピックアップD03に出力する。
【0122】
ステップZ0102で光ピックアップの所望の位置への制御が完了すると、次のステップZ0103でデビエーション検出時レーザ制御を実行する。このデビエーション検出時レーザ制御では、デビエーションを検出するために、デビエーション検出用のレーザ発光を実行するようマイコンD10がレーザ制御手段D09にレーザ制御信号S10を出力する。レーザ制御手段D09はマイコンD10からのレーザ制御信号S10に応答して、レーザパルス制御信号S03を光ピックアップD03に出力する。
【0123】
ステップZ0103のデビエーション検出時レーザ制御が終了すると、デビエーション検出設定は終了する。
【0124】
図20のデビエーション情報記録動作のフローの説明に戻る。
【0125】
ステップZ01が終了したら、次にステップZ02で情報記録再生装置D00はデビエーション検査を行う検査位置の検出を行う。検査位置の検出Z02では位置検出をアドレスとウォブルを用いて行い、情報記録媒体の位置検出をウォブル単位で行い、デビエーションの検出も同様にウォブル単位で実行する。
【0126】
ステップZ02の検査位置の検出が終了したら、情報記録再生装置D00は次にステップZ03でデビエーション検出手段D12を用いてデビエーションの検出を実行する。
【0127】
ステップZ03のデビエーション検出が終了したら、次にステップZ04で検査をおこなった位置がデビエーションであったかを判断する。該判断では、図13に示すデビエーション検出手段D12が生成するデビエーション信号S13を用いて、マイコンD10は検査位置がデビエーションであったかを判断する。該判断結果において、検査位置がデビエーションではないと判断されれば次にステップZ09を実行し、該判断において検査位置がデビエーションであると判断された場合には次にステップZ05のデビエーション範囲の検出を実行する。
【0128】
ステップZ04の判断において、検査位置がデビエーションであると判断された場合には、次にステップZ05でデビエーション範囲の検出を実行する。デビエーション範囲の検出では、デビエーション検出手段D12を用いてデビエーション終了の位置を特定し、デビエーションの範囲をウォブルを単位として特定する。
【0129】
ステップZ05でデビエーション範囲の検出を終了したら、次にステップZ06でデビエーション用再生設定の変更を実行する。ステップZ06では図17に示す通り、複数の設定番号に対応した制御方法に即してアナログ信号の増幅率などの設定を行う。
【0130】
ステップZ06が終了したら、次にステップZ07でTEの検出を行う。ステップZ07では、ステップZ05で検出したデビエーションの範囲に対して、ステップZ06で設定した制御を用いてデビエーション範囲を再生し、TEの検出を行い、検出結果をマイコンD10内部のメモリ(図示せず)に格納する。ここで、サーボ制御の安定性を示す指標としてTEを用いているが、FEもしくはTEとFEの総和信号を用いても良い。
【0131】
ステップZ07が終了したら、次にステップZ08で予め定めた複数の再生設定の全ての設定番号を用いてデビエーション範囲の再生を行ったかを判断し、該判断において全ての設定を用いてデビエーション範囲のTE検出が終了していると判断されれば、次にステップZ09を実行し、該判断において全ての設定を用いてデビエーション範囲のTE検出が終了していないと判断されれば、ステップZ06に戻ってまだTE検出を行っていない設定を選択してデビエーション用再生設定を実行する。
【0132】
ステップZ04で検査対象がデビエーションではないと判断されるか、もしくはステップZ08で全ての再生設定を用いてTEの検出が終了していると判断されれば、次にステップZ09を実行する。ステップZ09ではデビエーション検査を終了するか継続するかを判断する。デビエーション検査はマイコンD10の制御信号により中断される場合や、情報記録媒体容量の限界により記録再生処理を中断される場合などがある。ステップZ09の判断において検査終了と判断されれば、次にステップZ10を実行し、デビエーション検査が終了していないと判断されれば、ステップZ02に戻り検査位置の検出を行う。
【0133】
ステップZ09で検査終了と判断されれば、次にステップZ10でデビエーション情報記録の設定を行う。デビエーション情報記録設定の詳細な動作を図22に示す。
【0134】
図22は本発明実施の形態6における図20に示すデビエーション検出設定Z10の動作の開始から終了までの動作を示す図である。
【0135】
まず、ステップZ1001でデビエーション情報記録時モータ回転数制御が実行される。デビエーション情報記録時モータ回転数制御では、デビエーションを検出するための所望の再生速度となるようマイコンD10がモータ制御手段D02にモータ制御指示S11を出力する。モータ制御手段D02はモータ制御指示S11に応答して、所望の再生速度となるようスピンドルモータD02の回転数を制御するためモータ制御信号S01をスピンドルモータ2に出力する。
【0136】
ステップZ1001でスピンドルモータD01の回転数の所望の回転数への制御が完了すると、次のステップZ1002でデビエーション情報記録時光ピックアップ位置制御を実行する。この再生時光ピックアップ位置制御では、デビエーションを検出するために光ピックアップD03を所望の位置に移動するようにマイコンD10がピックアップ位置制御手段D08に位置制御指示S09を出力する。するとピックアップ位置制御手段D08は位置制御指示S09に応答して、所望の領域に光ピックアップD03が移動するように位置制御信号S02を光ピックアップD03に出力する。
【0137】
ステップZ1002で光ピックアップの所望の位置への制御が完了すると、次のステップZ1003でデビエーション情報記録時レーザ制御を実行する。このデビエーション情報記録時レーザ制御では、デビエーションを検出するために、デビエーション検出用のレーザ発光を実行するようマイコンD10がレーザ制御手段D09にレーザ制御信号S10を出力する。レーザ制御手段D09はマイコンD10からのレーザ制御信号S10に応答して、レーザパルス制御信号S03を光ピックアップD03に出力する。
【0138】
ステップZ1003のデビエーション情報記録時レーザ制御が終了すると、デビエーション検出設定は終了する。
【0139】
図20のデビエーション情報記録動作のフローの説明に戻る。
【0140】
ステップZ10が終了したら、次にステップZ11でデビエーション情報の記録を実行する。デビエーション情報の記録では、ステップZ02で検出した検査位置情報を図4に示す開始アドレスF0201と開始ウォブル位置F0202として、ステップZ05で検出したデビエーション範囲を図4に示すデビエーション範囲F0203として、ステップZ07で検出したTE信号の内、最もTE信号が安定している再生設定に対応した設定番号を図4に示すデビエーション制御方法F0204として情報記録媒体F01に記録する。
【0141】
ステップZ11が終了したら、デビエーション情報の記録動作は終了する。
【0142】
以上より、本発明の実施の形態&によれば、未登録のデビエーションに対しても、1度記録再生を実施した際にデビエーション情報F0205を検出して登録を行い、2度目以降の記録再生においては、前記登録したデビエーション情報F0205に従って、記録再生制御を実行することで記録再生品質の向上を図ることが可能となる。
【0143】
以上、本発明者によってなされた発明を種々の実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0144】
例えば全ての実施の形態において前記管理領域に記録する情報はデビエーションについてのみ記載しているが、登録する情報はデビエーションのみに限定されるものではない。すなわち、本実施例では、従来の欠陥領域のディフェクトリストへの登録とは異なり、記録・再生動作の禁止領域を登録する動作ではなく、記録・再生動作において特殊な動作を行うことが必要ではあるものの、記録・再生は可能な領域についての対応策である。従って、デビエーション以外にも例えば情報媒体状の傷や汚れ等の箇所を情報記録媒体に記録し、前記記録した情報を用いて記録再生制御を切り替えて記録再生を行い、記録再生品質の向上を図ることも可能である。
【0145】
また、全ての実施の形態においてデビエーション情報F0205は管理領域に記録すると記載しているが、データ記録領域に記録することとしても同様に実現は可能である。
【0146】
また、全ての実施の形態において管理領域に記録されている情報は、マウント時に再生を行うと記載しているが、各層に各層毎のデビエーション情報F0205が記録されている場合、各層の記録再生時に各層の管理領域を再生することとしても同様に実現は可能である。
【0147】
また、全ての実施の形態においてデビエーション情報F0205の内、デビエーション範囲F0203をデビエーションの終了位置を示す終了アドレスと終了ウォブル位置に変更し、登録されるデビエーションの開始位置から終了位置までをデビエーション範囲として特定することとしても同様に実現は可能である。
【0148】
また、登録されたデビエーション情報F0205に基づいてアナログ信号S05中のサーボ信号生成時のサーボ制御を例に説明したが、データ信号に対してもサーボ制御同様に特別なデータ記録再生制御を行い、データ記録再生性能の向上を図ることとしても同様に実現は可能である。
【符号の説明】
【0149】
F01…情報記録媒体
F02…BCA
F03…インナー領域
F04…データ記録領域
F05…アウター領域
F06…グルーブ
F07…ウォブル
D00…情報記録再生装置
D01…スピンドルモータ
D03…光ピックアップ
D04…AFE
D05…BCA再生手段
D06…データ/管理領域/デビエーション情報再生手段
D07…アドレス検出手段
D08…ピックアップ制御手段
D09…レーザ制御手段
D10…マイコン
D11…サーボ信号再生手段
D12…デビエーション検出手段
S01…モータ制御信号
S02…位置制御信号
S03…レーサパルス制御信号
S04…電気信号
S05…アナログ信号
S06…BCA再生情報
S07…データ/管理領域情報/デビエーション情報
S08…アドレス情報
S09…位置制御信号
S10…レーサパルス制御信号
S11…モータ制御信号
S12…サーボ信号
W01…ウォブル
W02…デビエーション開始位置
W03…デビエーション終了位置
B01〜B03…ブロック
F0201…開始アドレス
F0202…ウォブル位置
F0203…デビエーション範囲
F0204…デビエーション制御方法
T01、T02…TE
T03…HOLD信号
T04、T05…デビエーション範囲
C01…基準層
C02、C05…デビエーション範囲
C03、C04…座標軸
C08…中心線
C09…中心
D12…デビエーション検出手段
S13…デビエーション信号
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスクなどの情報記録媒体と、該情報記録媒体の記録と再生を行う情報記録装置に関し、特に記録と再生の品質を向上するのに有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CD-R(Compact Disc-Recordable)やDVD-R(Digital Versatile Disc-Recordable)などの一度だけ記録が可能な光ディスクにおいては、データの記録中に何らかの原因で書き込みに失敗すると、その光ディスクは使用不可能となっていた。そこで、BD(Blu-ray Disc(登録商標))では欠陥管理システムが規格化され、欠陥領域(ディフェクト)においては交替領域にユーザーデータを記録し、ディフェクトリストに欠陥領域と交替先のアドレスのペアが登録されることで、書き込みに失敗しても引き続き他の領域への記録が可能となった。この欠陥リストの登録について、例えば下記特許文献1では、情報記録媒体のダミー領域内のブロックにデータ記録禁止を示す記録禁止フラグ1131を設定し、ディスク初期化時に全ブロックをサーティファイすると、記録禁止フラグの設定されたダミー領域のブロックは欠陥ブロックとともに検出され、使用不可ブロックリストに登録するとある。
【0003】
また、欠陥領域におけるサーボ制御として、特許文献2にはディスクからの受光信号に基づいてディフェクトを検出し、ディフェクト検出時および未検出時にトラッキングあるいはフォーカスサーボ信号に対して演算処理を行う信号処理手段を備え、ディフェクト検出時には、ディフェクト検出直前の各サーボ信号の低周波成分をホールドし、偏芯補正信号あるいは面振れ補正信号を加算するとある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-314174 公報
【特許文献2】特開2003−162834 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら記録禁止領域ではない、例えば光ディスクの記録面上の凹凸形状であるデビエーションは欠陥領域とは異なりディフェクトリストに登録されない。しかし、デビエーション通過時にサーボが異常動作を行い、デビエーションを通過した後の領域でも追従誤差が大きくなり、記録・再生性能が劣化してしまう。そのため、上記特許文献1記載の技術ではデビエーションでの記録品質と再生品質に課題が残る。
【0006】
また、欠陥部では総和信号(PE信号)が低下するため、これを用いて欠陥領域の検出を行うが、デビエーションは欠陥領域とは異なり総和信号が低下しないため、デビエーション範囲を検出してサーボ制御の特性を変更することは困難であった。そのため、上記特許文献2記載の技術ではデビエーションでの記録品質と再生品質に課題が残る。また、欠陥領域検出のために1度欠陥領域を再生することを必要とし、2度目以降の再生(以下、リトライ)で適切な記録再生制御を行う。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は特許請求の範囲に記載の発明により解決される。
【発明の効果】
【0008】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0009】
すなわち本発明によれば、欠陥登録されないデビエーション等の記録再生品質を劣化させる領域においても、品質を劣化させることなく、1度の記録再生動作で記録再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1と2における情報記録媒体の構成図
【図2】本発明の実施の形態1乃至5における情報記録再生装置の構成図
【図3】全ての実施の形態におけるデビエーションの概念図
【図4】本発明の実施の形態1における図1に示す情報記録媒体に登録するデビエーション情報の構成図
【図5】全ての実施の形態におけるデビエーション範囲でのホールド制御の有効性を説明する図
【図6】全ての実施の形態における図2の情報記録再生装置による図1の情報記録媒体の記録再生動作フロー
【図7】図6におけるステップW03のインナー領域再生設定の動作フロー
【図8】図6におけるステップW08のデータ記録領域記録再生の動作フロー
【図9】本発明の実施の形態2における図1に示す情報記録媒体に登録するデビエーション情報の構成図
【図10】本発明の実施の形態3における情報記録媒体の構成図
【図11】本発明の実施の形態4における情報記録媒体の構成図
【図12】本発明の実施の形態5における情報記録媒体の構成図
【図13】本発明の実施の形態6における情報記録再生装置の構成図
【図14】図6におけるステップW05のアウター領域再生設定の動作フロー
【図15】図6におけるステップW07のデータ記録領域の記録再生設定の動作フロー
【図16】全ての実施の形態におけるサーボの制御系
【図17】本発明の実施の形態1におけるデビエーション情報に登録する情報の概念図
【図18】本発明の実施の形態1におけるデビエーション検査に用いる専用の測定器の構成図
【図19】図6におけるステップW01のBCA再生設定動作の動作フロー
【図20】本発明の実施の形態6におけるデビエーション情報記録の動作フロー
【図21】図20におけるステップZ01のデビエーション検出設定の動作フロー
【図22】図20におけるステップZ10のデビエーション記録設定の動作フロー
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。
【0012】
本発明の代表的な実施の形態は、管理領域とユーザーデータを記録や再生するデータ領域から構成されたディスク状の単層もしくは多層の情報記録媒体であり、
前記管理領域に通常記録や通常再生動作と異なる特殊記録動作や特殊再生動作を制御するための特殊制御情報を格納するための領域を有することを特徴とする。
【0013】
次に実施の形態について更に詳述する。尚、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、前記の図と同一の機能を有する部品には同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0014】
<<情報記録媒体の構成>>
図1は、本発明の実施の形態1による情報記録媒体の構成を示す図である。
【0015】
図1に示した情報記録媒体F01は、BCA(Burst Cutting Area)領域F02とインナー領域F03とデータ記録領域F04とアウター領域F05とグルーブF06とウォブルF07を具備する。
【0016】
F02のBCA領域は情報記録媒体識別用の固有の番号が記録されている。これを用いて後述する情報記録再生装置は情報記録媒体のマウント時に情報記録媒体の種類の識別を行い、適切な記録または再生(以降、記録再生と記載)の制御を行う。
【0017】
F03とF05のインナー領域とアウター領域(以下、総括して管理領域と表記する)は情報記録媒体の構造や情報記録媒体の記録再生時に必要な情報、特に後述するデビエーション情報F0205や記録データの管理情報に関するデータが予め記録されている。前記情報記録媒体の構造と情報記録媒体の記録再生時に必要な情報の管理領域への記録は、ユーザーが記録再生を行う前に、例えば情報記録媒体の製造時に行われ、特にデビエーション情報F0205においては専用の測定器によって検査され、該検査結果に基づいて管理領域に記録される。前記専用の測定器とデビエーション情報F0205の詳細は後述する。
【0018】
F04のデータ記録領域はユーザーがユーザーデータを記録可能な領域である。
【0019】
F06のグルーブは記録再生時にレーザ光を誘導するための、また情報記録媒体全面にわたる位置を正確に特定することができるアドレスを持たせるための溝である。
【0020】
F07のウォブルはグルーブの微小な蛇行であり、情報記録媒体の記録再生時の追従制御の基準信号などや前記アドレス情報をグルーブに持たせるために一定周波数で形成されている。
【0021】
つまり情報記録媒体F01は、BCA、インナー領域、データ記録領域、アウター領域から形成される。
情報記録媒体F01は、情報記録媒体の記録層の数に応じてF03乃至F05と同様の領域は具備され、例えば図1に示す通り、Ln層の記録層を持つ情報記録媒体F01に対しては、Fn3のインナー領域、Fn4のデータ記録領域、Fn5のアウター領域が具備される。
【0022】
図2は、図1に示した情報記録媒体の記録再生を行う情報記録再生装置の構成を示す図である。
【0023】
図2に示した情報記録再生装置D00は、スピンドルモータD01と、モータ制御手段D02と、光ピックアップD03と、AFE (Analog Front End) D04と、BCA再生手段D05と、データ/管理領域/デビエーション情報再生手段D06と、アドレス検出手段D07と、サーボ信号再生手段D11と、ピックアップ位置制御手段D08と、レーザ制御手段D09と、マイコンD10と、サーボ信号再生手段D11を具備する。
【0024】
D01のスピンドルモータはモータ制御手段D02が出力するモータ制御信号S01に従って着脱が可能な情報記録媒体F01を所定の回数で回転駆動する。
【0025】
D02のモータ制御手段はマイコンD10からのモータ制御信号S11に応答することによって、マイコンD10が指定した速度で情報記録媒体F01を回転させるようスピンドルモータD02にモータ制御信号S01を出力する。
【0026】
D03の光ピックアップは、ピックアップ位置制御手段D08が出力する位置制御信号S02に従って情報記録媒体F01の径方向に移動して所定の記録再生位置を決定し、レーザ制御手段が出力するレーザパルス制御信号S03に従って記録再生のためにレーザパルスを情報記録媒体F01にレーザを照射する。
【0027】
光ピックアップD03の半導体レーザから照射されたレーザパルスは情報記録媒体F01の表面で反射され、光ピックアップD03の受光部が反射光を受光する。受光部は反射光を電気信号S04に変換して、AFE D04に出力する。
【0028】
D04のAFEは光ピックアップD03が出力した電気信号S04の増幅等のアナログ信号処理を実行することによってアナログ信号S05を生成して、BCA再生手段D05と、データ/管理領域/デビエーション情報再生手段D06と、アドレス検出手段D07と、サーボ信号再生手段D11に出力する。
【0029】
D05のBCA再生手段は、F02のBCAに記録された情報を再生し、再生したBCA情報S08をマイコンD10に出力する。
【0030】
D06のデータ/管理領域/デビエーション情報再生手段は、Fn4のデータ記録領域に記録された情報と、Fn3とFn5のインナー領域とアウター領域に記録された情報記録媒体の構造や情報記録媒体の記録時に必要な情報や記録データの管理情報に関するデータを再生し、また管理領域に記録されたデビエーション情報F0205を再生し、再生したデータ/管理領域情報/デビエーション情報S07をマイコンD10に出力する。
【0031】
D07のアドレス検出手段は、前記ウォブルの一定周波数を高周波に変調しウォブル信号を生成して、生成したウォブル信号の位相から情報記録媒体全面にわたるトラック位置を正確に特定することができるアドレスを検出し、検出したアドレス情報S08をマイコンD10に出力する。
【0032】
D08のピックアップ位置制御手段はマイコンD10からの前記位置制御信号S09に応答することによって、光ピックアップD03を記録位置または再生位置に移動させるように位置制御信号S02を出力する。
【0033】
D09のレーザ制御手段はマイコンD10からのレーザパルス制御信号S10に応答することによって、マイコンD10が指定した記録ストラテジーで記録するよう光ピックアップD03にレーザパルス制御信号S03を出力する。
【0034】
D11のサーボ信号再生手段は、レーザの焦点を記録面に合わせるフォーカス制御と、レーザのスポット位置をトラック中心に追従させるトラッキング制御など(以下、総括してサーボ制御と表記する)に用いるアナログ信号S05中からTE(Tracking Error)信号やFE(Forcus Error)信号を生成し、サーボ信号S12をとして、マイコンD10に出力する。
【0035】
D10のマイコンはまず、BCA再生手段D05から出力されるBCA情報S06とデータ/管理領域/デビエーション情報再生手段D06から出力されるデータ/管理領域情報/デビエーション情報S07を用いて、情報記録媒体F01の種類と情報記録媒体構造を判断し、該判断結果とサーボ信号S12から記録または再生時の適切な位置制御信号S09をピックアップ位置制御手段D08に出力する。また、前記判断結果からマイコンD10は、管理領域に記録された情報とアドレス情報S08とサーボ信号S12から、レーザスポットの焦点が記録面に追従するようにレーザパルス制御信号S10をレーザ制御手段D09に出力し、レーザスポット位置がトラック中心に追従するように、位置制御信号S09をピックアップ位置制御手段D08に出力する。また、前記判断結果からマイコンD10は、記録または再生の速度を選択し、選択した記録または再生の速度に従って、モータ制御信号S11をモータ制御手段D02に出力する。
【0036】
一方、図3はデビエーションの発生領域の概念図を示す。デビエーションとは情報記録媒体上の凹凸であり、該デビエーションが原因となり前記情報記録再生装置D00で情報記録媒体F01の記録再生を実行したとき、デビエーション範囲とその周辺で記録再生品質が劣化する場合がある。
【0037】
図3には情報記録媒体F01のトラックとグルーブに施されたウォブルとデビエーションが示される。情報記録媒体F01には、先頭ブロックからの順序番号であるアドレスが具備され、記録再生時に使用される。図3に示す通り前記デビエーションはデータの1記録単位であるブロックよりも狭い範囲で発生する場合が多い。そこで本発明ではデビエーション範囲の特定のための情報を図4の通りに定義し、管理領域に記録し、情報記録再生装置D00の制御に活用する。図3は、簡略的に、データ1ブロックが3ウォブル周期の記録領域となる場合を例として説明するが、本実施例に限定されるものではない。また、図4に示すデビエーション情報F0205は各層の管理領域に層毎に記録しても良いし、L1層のインナー領域に全層のデビエーション情報F0205を記録し、L1層のインナー領域が足りなくなった場合、L1層のアウター領域や他層の管理領域に記録しても良く、デビエーション情報F0205の記録場所として、インナー領域とアウター領域の記録方法は限定されない。
【0038】
図4は、本発明の実施の形態1による、図1の情報記録媒体F01の管理領域に予め記録されるデビエーション情報F0205を示す。デビエーション情報F0205は、デビエーションの開始位置を含むブロックのアドレスF0201、デビエーションの開始位置を示す開始ウォブル位置F0202、デビエーションの範囲を示すF0203、デビエーションに対する有効な制御方法を示すデビエーション制御方法F0204から構成される。デビエーション情報F0205のデータ構造は例えばBD―R(Recordable) SL(Single Layer)の場合、図4に示す通りとする。開始アドレスF0201のビット幅はBD−R SLのアドレスを表すために必要な32bitとし、開始ウォブル位置F0202のビット幅は、1アドレスが56個のウォブルから形成されることから6bitとし、デビエーション範囲F0203のビット幅は、デビエーションが1以上のアドレス長に跨って発生しないことを想定し、デビエーションが発生する範囲を示すに十分な10bitとし、デビエーション制御方法F0205のビット幅は後述する図17に示す設定番号を表すのに十分な8bitとするが、デビエーション情報のデータ構造はこれに限らず、他のビット幅としても良い。
【0039】
デビエーション情報F0205の例を図3と図4を用いて説明する。
【0040】
例えば図3のようにブロックB02上にデビエーションが発生した場合のデビエーション情報F0205は、以下の通りとなる。
【0041】
つまり、開始アドレスF0201は、デビエーションの開始位置を含むブロックのアドレスとなるためアドレスA02を登録し、開始ウォブル位置は開始アドレスからデビエーション開始位置W02までのウォブル周期の数を登録し、デビエーション範囲では、デビエーション開始位置W02からデビエーション終了位置W03までのウォブル周期の数を登録する。このようにデビエーション範囲特定のために、アドレス情報とウォブル情報を登録することで、冗長領域をもつことなく、正確にデビエーション位置を特定することが可能になる。
【0042】
一方、デビエーション範囲においては、記録再生品質向上のためにデビエーションに対応した記録再生制御を行う必要がある。一般に情報記録再生装置D00は、記録中もしくは再生中のサーボ信号S12を用いて光ピックアップの位置とレーザパルスのサーボ制御を行う。
【0043】
図16はサーボ制御系ループを示す。図16は図2で示した情報記録再生装置D01の構成の中からサーボ制御系ループのみを抜粋した図である。図16に示す通り、情報記録媒体F01の反射光S00を光ピックアップD03は受光し、電気信号S04としてAFE04に出力する。AFE04は電気信号S04に前記記載の通りアナログ処理を行い、アナログ信号S05を生成して、サーボ信号再生手段D11に出力する。サーボ信号再生手段D11では、アナログ信号S05中のサーボ信号を生成し、サーボ信号S12を生成して、マイコンD10に出力する。マイコンD10はサーボ信号S12からサーボ制御を実行するため、ピックアップ位置制御手段D08に位置制御信号S09を出力し、レーザ制御手段D09にレーザ制御信号S10を出力する。ピックアップ位置制御手段D08とレーザ制御手段D09はマイコンD10からの前記信号に従って光ピックアップD03に位置制御信号S02とレーザパルス制御信号S03を出力する。サーボ制御では現在の記録再生状況をサーボ信号S12から判断し、より品質の良い記録再生が行えるようにマイコンD10がピックアップ位置制御手段D08とレーザ制御手段D09を介して、光ピックアップD03の動作を制御するものである。
【0044】
しかし、デビエーション範囲においては通常とは異なる特別な制御を必要とするので、デビエーション範囲においてデビエーション範囲以外で行う通常のサーボ制御を行った場合、デビエーションに追従して通常とは異なるサーボ信号を生成するため、デビエーション範囲通過直後において、通常とは異なるサーボ信号に従って記録再生制御を行うことで記録再生品質が劣化してしまう場合がある。その例を図5に示す。
【0045】
図5はデビエーションに対する制御方法別のTEの概念図である。T06はデビエーション範囲T04に対してサーボ制御を行った場合のTE T01を示し、T07はデビエーション範囲 T05に対してサーボ制御をホールドした場合のTE T02を示す。ここでサーボ制御のホールドとは、サーボ信号再生手段D11がアナログ信号S05に従ってサーボ信号S12を生成することを一旦停止し、停止する直前のサーボ信号値に値を保ってサーボ信号S12を生成し、記録再生を行うことである。T06に示す通り、デビエーション範囲T04に対してサーボ制御を行った場合、デビエーションにより誤ったTEを検出して、その後検出の信号に追従して動作してしまうため、デビエーション通過時に誤ったサーボ信号S12を生成し、デビエーションを通過した後の領域でも追従誤差が大きくなり、記録再生性能が劣化してしまう場合がある。そのためT07に示す通り、デビエーション範囲T05においてサーボ制御をホールドした方がデビエーション通過後の記録再生品質の劣化を防ぐことが可能となる。ここで、図5ではサーボ制御の安定性を示す指標としてTEを用いて説明しているが、FEもしくはTEとFEの総和信号を用いても良い。
【0046】
前記記載の通りデビエーションは情報記録媒体の凹凸であり、情報記録媒体の凹凸具合によっては、サーボ制御のホールドではなく、AFE D04で行う電気信号S04の増幅率を変化させることが記録再生品質向上に有効である場合がある。
【0047】
そこで、図4のデビエーション制御方法F0204に登録する制御方法の例を以下に示す。図17に、基準の設定を基に、AFE D04の増幅率を3dB増減させた設定、サーボ制御をホールドした設定の場合を制御方法の一例として挙げ、それぞれの制御を設定番号として関連付け、その際のサーボ制御のTEの波形概念図を示す。また、前記デビエーション検査に用いられる専用の測定器を図18に示す。図18に示す通り専用の測定器は図2に示す情報記録再生装置と異なる点は、BCA再生手段D05とデータ/管理領域/デビエーション情報再生手段D06を削除し、デビエーション検出手段D11を追加した点である。前記デビエーション検出とデビエーション情報F0205の記録を行う専用の測定器は、前記記載の設定番号に対応した制御方法を用いてデビエーションを含んだ情報記録媒体F01を再生し、デビエーション範囲とその周辺においてTEが最も安定する設定番号である“4”を管理領域のデビエーション情報F0205の格納領域に記録する。前記設定番号に対応した制御方法は、図17の3dB増減の例に限られるものではなく、例えば前記基準の増幅値から1dB毎に±5dBまで変化させて再生を行っても良い。また、設定番号に関連付けした制御方法は信号増幅だけに限られるものではなく、別の制御方法を設定番号に関連付けても良い。
<<記録再生動作フロー>>
以上より、本発明の図4に示したデビエーション情報F0205が記録されている情報記録媒体F01と、該情報記録媒体F01に対応して記録再生の制御を行う情報記録再生装置D00の動作説明を行う。
【0048】
図6は本発明実施の形態1における情報記録再生装置D00の記録再生時の動作フローを示す。
【0049】
まずステップW01で、情報記録再生装置D00はBCA F02の情報を再生するための初期再生設定を実行する。初期再生設定の詳細な動作を図19に示す。
【0050】
図19は本発明実施の形態1における図6に示すBCA再生設定W01の動作の開始から終了までの動作を示す図である。
【0051】
まず、ステップW0101でBCA再生時モータ回転数制御が実行される。BCA再生時モータ回転数制御では、BCA F02の情報を再生するための所望の再生速度となるようマイコンD10がモータ制御手段D02にモータ制御指示S11を出力する。モータ制御手段D02はモータ制御指示S11に応答して、所望の再生速度となるようスピンドルモータD02の回転数を制御するためモータ制御信号S01をスピンドルモータ2に出力する。
【0052】
ステップW0101でスピンドルモータD01の回転数の所望の回転数への制御が完了すると、次のステップW0102でBCA再生時光ピックアップ位置制御を実行する。この再生時光ピックアップ位置制御では、BCA F02の情報を再生するために光ピックアップD03を所望の位置に移動するようにマイコンD10がピックアップ位置制御手段D08に位置制御指示S09を出力する。するとピックアップ位置制御手段D08は位置制御指示S09に応答して、所望の領域に光ピックアップD03が移動するように位置制御信号S02を光ピックアップD03に出力する。
【0053】
ステップW0102で光ピックアップの所望の位置への制御が完了すると、次のステップW0103でBCA再生時レーザ制御を実行する。このBCA再生時レーザ制御では、BCA F02の情報を再生するために、BCA再生用のレーザ発光を実行するようマイコンD10がレーザ制御手段D09にレーザ制御信号S10を出力する。レーザ制御手段D09はマイコンD10からのレーザ制御信号S10に応答して、レーザパルス制御信号S03を光ピックアップD03に出力する。
【0054】
ステップW0103のBCA再生時レーザ制御が終了すると、BCA再生設定は終了する。
【0055】
図6の記録再生動作フローの説明に戻る。
【0056】
ステップW01が終了したら、次にステップW02で情報記録再生装置D00はBCA再生手段D05を用いてF02のBCAの再生を行い、再生したBCA情報S08をマイコンD10に出力し、マイコンD10は情報記録媒体F01の種別を判別する。
【0057】
ステップW02が終了したら、情報記録再生装置D00はインナー領域 F03の情報を再生するためのインナー領域再生設定を実行する。インナー領域再生設定の詳細な動作を図7に示す。
【0058】
まず、ステップW0301でインナー領域再生時モータ回転数制御が実行される。インナー領域再生時モータ回転数制御では、インナー領域 F03の情報を再生するための所望の再生速度となるようマイコンD10がモータ制御手段D02にモータ制御指示S11を出力する。モータ制御手段D02はモータ制御指示S11に応答して、所望の再生速度となるようスピンドルモータD02の回転数を制御するためモータ制御信号S01をスピンドルモータ2に出力する。
【0059】
ステップW0301でスピンドルモータD01の回転数の所望の回転数への制御が完了すると、次のステップW0302でインナー領域再生時光ピックアップ位置制御を実行する。この再生時光ピックアップ位置制御では、インナー領域 F03の情報を再生するために光ピックアップD03を所望の位置に移動するようにマイコンD10がピックアップ位置制御手段D08に位置制御指示S09を出力する。するとピックアップ位置制御手段D08は位置制御指示S09に応答して、所望の領域に光ピックアップD03が移動するように位置制御信号S02を光ピックアップD03に出力する。
【0060】
ステップW0302で光ピックアップの所望の位置への制御が完了すると、次のステップW0303でインナー領域再生時レーザ制御を実行する。このインナー領域再生時レーザ制御では、インナー領域 F03の情報を再生するために、インナー領域再生用のレーザ発光を実行するようマイコンD10がレーザ制御手段D09にレーザ制御信号S10を出力する。レーザ制御手段D09はマイコンD10からのレーザ制御信号S10に応答して、レーザパルス制御信号S03を光ピックアップD03に出力する。
【0061】
ステップW0303のインナー領域再生時レーザ制御が終了すると、インナー領域再生設定は終了する。
【0062】
図6の記録再生動作フローの説明に戻る。
【0063】
ステップW03が終了したら、次にステップW04で情報記録再生装置D00はデータ/管理領域/デビエーション情報再生手段D06を用いてF03のインナー領域の再生を行い、再生したデータ/管理領域情報/デビエーション情報S07をマイコンD10に出力し、マイコンD10はマイコンD10内部にその情報を保有し、後述するステップW08のデータ記録領域記録再生における記録再生制御に用いる。
【0064】
ステップW04が終了したら、情報記録再生装置D00はアウター領域 F05の情報を再生するためのアウター領域再生設定を実行する。アウター領域再生設定の詳細な動作を図14に示す。
【0065】
まず、ステップW0501でアウター領域再生時モータ回転数制御が実行される。アウター領域再生時モータ回転数制御では、アウター領域 F05の情報を再生するための所望の再生速度となるようマイコンD10がモータ制御手段D02にモータ制御指示S11を出力する。モータ制御手段D02はモータ制御指示S11に応答して、所望の再生速度となるようスピンドルモータD02の回転数を制御するためモータ制御信号S01をスピンドルモータ2に出力する。
【0066】
ステップW0501でスピンドルモータD01の回転数の所望の回転数への制御が完了すると、次のステップW0502でアウター領域再生時光ピックアップ位置制御を実行する。この再生時光ピックアップ位置制御では、アウター領域 F05の情報を再生するために光ピックアップD03を所望の位置に移動するようにマイコンD10がピックアップ位置制御手段D08に位置制御指示S09を出力する。するとピックアップ位置制御手段D08は位置制御指示S09に応答して、所望の領域に光ピックアップD03が移動するように位置制御信号S02を光ピックアップD03に出力する。
【0067】
ステップW0502で光ピックアップの所望の位置への制御が完了すると、次のステップW0503でアウター領域再生時レーザ制御を実行する。このアウター領域再生時レーザ制御では、アウター領域 F05の情報を再生するために、アウター領域再生用のレーザ発光を実行するようマイコンD10がレーザ制御手段D09にレーザ制御信号S10を出力する。レーザ制御手段D09はマイコンD10からのレーザ制御信号S10に応答して、レーザパルス制御信号S03を光ピックアップD03に出力する。
【0068】
ステップW0503のアウター領域再生時レーザ制御が終了すると、アウター領域再生設定は終了する。
【0069】
図6の記録再生動作フローの説明に戻る。
【0070】
ステップW05が終了したら、次にステップW06で情報記録再生装置D00はデータ/管理領域/デビエーション情報再生手段D06を用いてF05のアウター領域の再生を行い、再生したデータ/管理領域情報/デビエーション情報S07をマイコンD10に出力し、マイコンD10はマイコンD10内部にその情報を保有し、後述するステップW08のデータ記録領域記録再生における記録再生制御に用いる。
【0071】
ステップW06が終了したら、情報記録再生装置D00はデータ記録領域 F04の情報を記録再生するためのデータ記録領域記録再生設定を実行する。データ記録領域記録再生設定の詳細な動作を図15に示す。
【0072】
まず、ステップW0701でデータ記録領域記録再生時モータ回転数制御が実行される。データ記録領域記録再生時モータ回転数制御では、データ記録領域F04の情報を記録再生するための所望の再生速度となるようマイコンD10がモータ制御手段D02にモータ制御指示S11を出力する。モータ制御手段D02はモータ制御指示S11に応答して、所望の再生速度となるようスピンドルモータD02の回転数を制御するためモータ制御信号S01をスピンドルモータ2に出力する。
【0073】
ステップW0701でスピンドルモータD01の回転数の所望の回転数への制御が完了すると、次のステップW0702でデータ記録領域記録再生時光ピックアップ位置制御を実行する。この再生時光ピックアップ位置制御では、データ記録領域F04の情報を再生するために光ピックアップD03を所望の位置に移動するようにマイコンD10がピックアップ位置制御手段D08に位置制御指示S09を出力する。するとピックアップ位置制御手段D08は位置制御指示S09に応答して、所望の領域に光ピックアップD03が移動するように位置制御信号S02を光ピックアップD03に出力する。
【0074】
ステップW0702で光ピックアップの所望の位置への制御が完了すると、次のステップW0703でデータ記録領域記録再生時レーザ制御を実行する。このデータ記録領域記録再生時レーザ制御では、データ記録領域F04のアドレス情報を再生するために、データ記録領域記録再生用のレーザ発光を実行するようマイコンD10がレーザ制御手段D09にレーザ制御信号S10を出力する。レーザ制御手段D09はマイコンD10からのレーザ制御信号S10に応答して、レーザパルス制御信号S03を光ピックアップD03に出力する。
【0075】
ステップW0703のデータ記録領域記録再生時レーザ制御が終了すると、データ記録領域記録再生設定は終了する。
【0076】
図6の記録再生動作フローの説明に戻る。
【0077】
ステップW07が終了したら、次にステップW08で情報記録再生装置D00はデータ記録領域の記録再生を実行する。データ記録領域の記録再生動作の詳細な説明は後述する。
【0078】
ステップW08が終了したら、記録再生動作は終了する。
<<データ記録領域記録再生 >>
図8は本発明の実施の形態1における図6に示すデータ記録領域記録再生W08の動作の開始から終了までの動作を示す図である。
【0079】
まず、ステップW0801のアドレス検出で、現在のアドレス情報を再生し、所望の記録再生位置のアドレスまで光ピックアップD03を移動する。アドレス管理はマイコンD10が実行し、ステップW0801以降も常に現在のアドレス情報を再生し、アドレス管理を続ける。
【0080】
ステップW0801で所望のアドレスへの光ピックアップの移動が完了したら、次のステップW0802で記録再生を開始する。
【0081】
ステップW0802で記録再生動作が開始されると、次のステップW0811で通常記録再生を実行し、前記情報記録媒体F01上の記録再生位置に応じてアドレス情報を更新する。
【0082】
ステップW0811で記録再生動作が実行されると、次にステップW0803で現在記録再生を実行している情報記録媒体F01上のアドレスと、ステップW04とステップW06で得たデビエーション情報F0205の内、開始アドレスF0201とを比較する。記録再生中は常に前記情報記録媒体F01上に施されたグルーブとウォブルからサーボ信号制御手段D11はサーボ信号S12をマイコンD10に出力しており、マイコンD10は現在記録再生中のアドレスの管理を実行している。ステップW0803では、前記現在記録再生中のアドレスと開始アドレスF0201を比較し、現在記録再生実行中のアドレスと開始アドレスF0201が等しければステップW0804を実行し、異なればステップW0810を実行する。
【0083】
ステップW0803で現在記録再生中のアドレスと開始アドレスF0201が異なった場合、ステップW0810を実行し、記録再生動作を終了するか継続するかを判断する。記録再生動作はマイコンD10の制御信号により中断される場合や、情報記録媒体容量の限界により記録再生処理を中断される場合などがある。ステップW0810の判断において、記録再生処理終了とマイコンD10が判断すれば、データ記録領域の記録再生動作は終了し、記録再生処理は終了しないと判断されれば、ステップW0811に戻り、前記同様の動作を実行する。
【0084】
ステップW0803で現在記録再生中のアドレスと開始アドレスF0201が等しかった場合、次にステップW0804を実行し、ステップW0803で等しいと判断された開始アドレスF0201からカウントして現在記録再生中のウォブルの周期の数(以下、ウォブルカウント)と、ステップW04とステップW06で得たデビエーション情報F0205の内、開始ウォブル位置F0202とを比較し、該比較において等しいと判断された場合にはステップW0805を実行し、異なると判断された場合にはステップW0809を実行する。
【0085】
ステップW0804で現在記録再生中の前記ウォブルカウントと前記開始ウォブル位置F0202が異なると判断された場合、ステップW0809で記録再生を継続しながら、現在記録再生中の情報記録媒体F01上の位置に応じてマイコンD10が管理するウォブルカウントを更新する。ステップW0809でウォブルカウントの更新が終了したら、ステップW0804に戻り同様の動作を実行する。
【0086】
ステップW0804で現在記録再生中の前記ウォブルカウントと前記開始ウォブル位置F0202が等しい場合、次にステップW0805を実行し、現在記録再生中の位置がデビエーション範囲に該当するかをマイコンD10が判断する。前記判断は、前記開始ウォブル位置F0202からカウントされるウォブルのカウント値が、デビエーション情報F0205の内、デビエーション範囲F0203に登録されているウォブルの数以下である場合、現在記録再生中の位置がデビエーション範囲に該当すると判断され次にステップW0806を実行し、前記開始ウォブル位置からのウォブルのカウント値がデビエーション範囲F0203に登録されているウォブルの数を超える場合、現在記録再生中の位置がデビエーション範囲に該当しないと判断され次にステップW0808を実行する。
【0087】
ステップW0805の判断において現在記録再生中の位置はデビエーション範囲に該当しないと判断された場合、次のステップW0808で、アドレスが更新される箇所までデビエーション範囲に該当しない領域と同様の制御方法で記録再生処理を実行する。
【0088】
ステップW0805の判断において現在記録再生中の位置はデビエーション範囲に該当すると判断された場合、次にステップW0806で、ステップW04とステップW06で得たデビエーション情報F0205の内、デビエーション制御方法F0204に従った記録再生制御に変更するようマイコンD10は位置制御信号S09とレーザ制御信号S10とモータ制御信号S11を出力し、前記S09乃至S11の信号に応答してピックアップ位置制御手段D08とレーザ制御手段D09とモータ制御手段D02は動作し、デビエーション範囲の記録再生動作を実行する。デビエーション範囲内での記録再生は、例えば図17に示す設定番号の内4が設定されていれば、AFE D04での増幅率を−3dBに設定変更して記録再生を行う。ここでデビエーション範囲内の制御は、登録されているデビエーション情報F0205に基づいて情報記録再生装置D00が独自に保有する制御方法を用いても良く、例えば登録されているデビエーション情報F0205の増幅率に一定のオフセット値などを加えて、アナログ信号S05を増幅させた上でサーボ信号再生手段D11はサーボ信号S12を生成し、サーボ制御を行っても良い。
【0089】
ステップW0806のデビエーション内記録再生制御が終了したら、次にステップW0807でデビエーション制御方法F0204に従った記録再生動作を継続しながら、現在記録再生中の情報記録媒体F01上の位置に応じてマイコンD10が管理する前記開始ウォブル位置F0202からのウォブルのカウント値を更新し、ステップW0805の処理に戻る。
【0090】
以上より、本発明の実施の形態1によれば、情報記録媒体に発生しているデビエーションの位置と該デビエーションに対する有効な制御方法を記録可能な領域が設けられ、該領域には予めデビエーションが発生している位置と該デビエーションに関する有効な制御方法が記録され、該情報記録媒体の記録再生を行う情報記録再生装置は前記デビエーション情報F0205に従って記録再生制御を切り替えて実行することで、情報記録再生装置の再生精度に左右されずまた、前記記載の記録再生のリトライ動作を不要として、1度の記録再生動作で記録再生品質向上を図ることが可能となる。
【0091】
尚、本発明の実施の形態1において、マイコンD10はソフトウェア制御によってデータ処理や各種の信号を生成しているが、それらの少なくとも一部をハードウェア制御によって実行することもできる。
【0092】
また、デビエーション情報F0205はインナー領域もしくはアウター領域のどちらか一方に記録することも可能であるし、各層のデビエーション情報F0205をインナー領域とアウター領域の両方に記録することも可能であるし、前記記載の通りL0層のインナー領域に全層のデビエーション情報F0205を記録し、L0層のインナー領域が不足した場合にはL0層のアウター領域や他層の管理領域を使用して記録することも可能である。
【0093】
また管理領域にデビエーションが発生した場合には、例えばインナー領域とアウター領域の両方に同一のデビエーション情報F0205が登録されている場合には、デビエーションの発生していない領域でのデビエーション情報F0205を再生する。またインナー領域もしくはアウター領域のどちらか一方にデビエーション情報F0205が記録されている場合には、該管理領域に発生するデビエーションのデビエーション情報F0205を、デビエーション範囲ではない管理領域に記録する。
【実施例2】
【0094】
図9は図1の情報記録媒体F01において、本発明の実施の形態2により登録されるデビエーション情報F0205を示す図である。本発明の実施の形態2によるデビエーション情報F0205が、本発明の実施の形態1によるデビエーション情報F0205と相違する点は、デビエーション情報F0205にデビエーション制御方法F0204が無い点である。
【0095】
つまり、本発明の実施の形態2では、実施の形態1と同様の情報記録媒体F01と情報記録再生装置D00において、同様の方法でデビエーションを検出し、デビエーション範囲においては予めマイコンD10が定めた制御方法(例えば前記サーボ制御のホールド等)を用いて記録再生を行うことで記録再生品質の向上を図るものである。
【0096】
情報記録再生装置D00の動作が実施の形態1と相違する点は、図8のステップW0407において、デビエーション内記録再生制御は、前記予めマイコンD10が定めた制御方法を用いて記録再生を行う点である。ここで予めマイコンD10が定める制御方法は、例えば凹凸具合の異なるデビエーションに対して、情報記録再生装置メーカが情報記録再生装置の開発時に図17に示すような異なる制御方法を用いて記録再生を行い、記録再生品質の良好な結果を得る割合が最も高い制御方法を前記記載のマイコンD10が定める制御方法としても良いし、その他の決定方法を用いても良く、該制御方法の決定方法は限定されない。
【0097】
以上より、本発明の実施の形態2によれば、登録するデビエーション情報F0205の情報量を削減した上で、情報記録再生装置の再生精度に左右されずまた、前記記載の記録再生のリトライ動作を不要として、1度の記録再生動作で記録再生品質向上を図ることが可能となる。
【実施例3】
【0098】
図10は本発明の実施の形態3による情報記録媒体F01の構成を示す図である。
【0099】
本発明実施の形態3はデビエーション情報F0205を全層には持たせず、図10に示す通り、L0乃至Ln層のいずれかの層を基準層C01と定めた上で、基準層に発生するデビエーションの情報のみを図4もしくは図9の形式に則して管理領域に記録し、情報記録媒体F01の平面に対して図10に示す通り、X軸C03とY軸C04の2軸を取った時に、基準層に出現するデビエーション範囲の座標と同じ基準層以外の層については、基準層と同様の制御方法で記録再生制御を実行する。ここで記録する基準層のデビエーション情報F0205は、基準層の管理領域にのみ記録し、記録容量が不足したら他層の管理領域を使用することも可能であるし、基準層のデビエーション情報F0205を他の全層に記録し、基準層以外の層において基準層と同様の記録再生制御を行っても良い。
【0100】
つまり、図10のデビエーション範囲C02に対しては、基準層と同様の記録再生制御を実行する。尚図10では基準層をL0層としたが、基準層はこれに限らず、他の層を選択しても良い。
【0101】
情報記録再生装置D00の動作が実施の形態1もしくは2と相違する点は、図8のステップW0404においてのデビエーション情報F0205の内、開始アドレスF0201と現在記録再生中のアドレスとを比較する際に、基準層と同じ前記座標を持つ基準層以外のアドレスに対しても、開始アドレスF0201と等しいと判断する点である。
【0102】
以上より、本発明の実施の形態2によれば、登録するデビエーション情報F0205の情報量を削減した上で、情報記録再生装置の再生精度に左右されずまた、前記記載の記録再生のリトライ動作を不要として、1度の記録再生動作で記録再生品質向上を図ることが可能となる。
【0103】
また本発明の実施の形態3では、基準層に発生するデビエーション情報F0205のみを管理領域に記録するが、例えば全層のデビエーション情報F0205を基準層のデビエーション情報F0205として管理領域に記録しても良い。
【実施例4】
【0104】
図11は本発明の実施の形態4による情報記録媒体F01の構成を示す図である。
【0105】
C06とC07はデビエーションを示し、C05はC06とC07のデビエーションが同半径方向に発生している様子を示す。
【0106】
本発明の実施の形態4は登録するデビエーション情報F0205を情報記録媒体の半径方向において、発生しているデビエーションの内、最内周のデビエーションについてのみ登録し、半径方向については登録された最内周のデビエーションと同様の記録再生制御を実行するものである。例えば図11に示す通り、同半径方向にC06とC07の複数のデビエーションが発生している場合、発生しているデビエーションの内、最内周のデビエーションC06を登録し、半径方向については登録したデビエーションC06の中心と情報記録媒体F01の中心を結ぶ直線C08として、直線C06とデータ記憶領域F04の最内周の交点を中心C09として登録したデビエーションC06と重なる扇形の中で最小の面積となる中心角の扇形の範囲をデビエーション範囲C05として、登録したデビエーションC06と同様の記録再生制御を実行する。尚、登録するデビエーションは同半径方向に発生するデビエーションの内、最内周のデビエーションとしたが、登録するデビエーションはこれに限らず、同半径方向に存在するデビエーションの内から任意の一つを登録しても良い。
【0107】
情報記録再生装置D00の動作が実施の形態1もしくは2と相違する点は、図8のステップW0404においてのデビエーション情報F0205の内、開始アドレスF0201と現在記録再生中のアドレスとを比較する際に、登録される開始アドレスF0201の半径方向のアドレスに対しても、開始アドレスF0201と等しいと判断する点である。
【0108】
以上より、本発明の実施の形態2によれば、登録するデビエーション情報F0205の情報量を削減した上で、情報記録再生装置の再生精度に左右されずまた、前記記載の記録再生のリトライ動作を不要として、1度の記録再生動作で記録再生品質向上を図ることが可能となる。
【0109】
ここで、管理領域にデビエーションが発生した場合には、中心C09を直線C08とインナー領域F03の最内周としてデビエーション範囲C05を決定し、前記と同様の記録再生制御を実行する。
【実施例5】
【0110】
図12は本発明の実施の形態5による情報記録媒体F01の構成を示す図である。
【0111】
本発明の実施の形態5は、本発明の実施の形態3と同様にデビエーション情報F0205を全層には持たせず、図12に示す通り基準層C01を定めた上で基準層のデビエーション情報F0205のみを管理領域に記録し、且つ本発明の実施の形態4と同様に情報記録媒体の半径方向において基準層の最内周のデビエーションのみについて登録するものである。
【0112】
つまり、本発明実施の形態5では基準層の最内周のデビエーション情報F0205を登録し、半径方向においては本発明の実施の形態4と同様の方法でデビエーション範囲C05を決定し、また基準層と同様の前記座標を持つ他の層に対してもデビエーションとみなす点である
情報記録再生装置D00動作が実施の形態1もしくは2と相違する点は、図8のステップW0404においてのデビエーション情報F0205の内、開始アドレスF0201と現在記録再生中のアドレスとを比較する際に、登録される開始アドレスF0201の半径方向のアドレスに対して、且つ基準層と同じ前記座標を持つ基準層以外のアドレスに対しても、開始アドレスF0201と等しいと判断する点である。
【0113】
以上より、本発明の実施の形態2によれば、登録するデビエーション情報F0205の情報量を削減した上で、情報記録再生装置の再生精度に左右されずまた、前記記載の記録再生のリトライ動作を不要として、1度の記録再生動作で記録再生品質向上を図ることが可能となる。
【0114】
ここで、管理領域にデビエーションが発生した場合には、本発明の実施の形態4と同様に中心C09を直線C08とインナー領域F03の最内周としてデビエーション範囲C05を決定し、前記と同様の記録再生制御を実行する。
【実施例6】
【0115】
図13は本発明の実施の形態6による情報記録再生装置D00の構成を示す図である。
【0116】
図13の本発明の実施の形態6による情報記録再生装置D00が本発明の実施の形態1乃至5で用いた図2に示す情報記録再生装置D00と相違する点はデビエーション検出手段D12を具備する点である。
【0117】
本発明実施の形態6は、本発明の実施の形態1乃至5において記録再生中にデビエーション範囲を発見した場合に、該発見したデビエーションが情報記録媒体F01に登録されていないものであったら、情報記録再生装置D00が情報記録媒体F01の管理領域に記録するというものである(記録手段は図示せず)。ここで、実施の形態1乃至5ではディスク製造時などに予めデビエーション情報F0205が記録されることを前提として記載しているが、本発明の実施の形態6で用いる情報記録再生装置D00はディスク製造時などに行うデビエーション情報F0205の記録が実施されていなくてもよい。1度記録再生を行ない、デビエーション情報F0205の記録を管理領域に新規に記録、あるいは追記記録を行うことで、本発明実施の形態1乃至5と同様の情報記録媒体を得ることが可能である。情報記録再生装置D00を用いたデビエーション情報の記録の動作は以下に示す。
<<デビエーション情報の記録 >>
図20は本発明の実施の形態6におけるデビエーション情報の記録の動作の開始から終了までの動作を示す図である。
【0118】
まずステップZ01で、情報記録再生装置D00はデビエーションを検出するためのデビエーション検出設定を実行する。デビエーション検出設定の詳細な動作を図21に示す。
【0119】
図21は本発明実施の形態6における図20に示すデビエーション検出設定Z01の動作の開始から終了までの動作を示す図である。
【0120】
まず、ステップZ0101でデビエーション検出時モータ回転数制御が実行される。デビエーション検出時モータ回転数制御では、デビエーションを検出するための所望の再生速度となるようマイコンD10がモータ制御手段D02にモータ制御指示S11を出力する。モータ制御手段D02はモータ制御指示S11に応答して、所望の再生速度となるようスピンドルモータD02の回転数を制御するためモータ制御信号S01をスピンドルモータ2に出力する。
【0121】
ステップZ0101でスピンドルモータD01の回転数の所望の回転数への制御が完了すると、次のステップZ0102でデビエーション検出時光ピックアップ位置制御を実行する。この再生時光ピックアップ位置制御では、デビエーションを検出するために光ピックアップD03を所望の位置に移動するようにマイコンD10がピックアップ位置制御手段D08に位置制御指示S09を出力する。するとピックアップ位置制御手段D08は位置制御指示S09に応答して、所望の領域に光ピックアップD03が移動するように位置制御信号S02を光ピックアップD03に出力する。
【0122】
ステップZ0102で光ピックアップの所望の位置への制御が完了すると、次のステップZ0103でデビエーション検出時レーザ制御を実行する。このデビエーション検出時レーザ制御では、デビエーションを検出するために、デビエーション検出用のレーザ発光を実行するようマイコンD10がレーザ制御手段D09にレーザ制御信号S10を出力する。レーザ制御手段D09はマイコンD10からのレーザ制御信号S10に応答して、レーザパルス制御信号S03を光ピックアップD03に出力する。
【0123】
ステップZ0103のデビエーション検出時レーザ制御が終了すると、デビエーション検出設定は終了する。
【0124】
図20のデビエーション情報記録動作のフローの説明に戻る。
【0125】
ステップZ01が終了したら、次にステップZ02で情報記録再生装置D00はデビエーション検査を行う検査位置の検出を行う。検査位置の検出Z02では位置検出をアドレスとウォブルを用いて行い、情報記録媒体の位置検出をウォブル単位で行い、デビエーションの検出も同様にウォブル単位で実行する。
【0126】
ステップZ02の検査位置の検出が終了したら、情報記録再生装置D00は次にステップZ03でデビエーション検出手段D12を用いてデビエーションの検出を実行する。
【0127】
ステップZ03のデビエーション検出が終了したら、次にステップZ04で検査をおこなった位置がデビエーションであったかを判断する。該判断では、図13に示すデビエーション検出手段D12が生成するデビエーション信号S13を用いて、マイコンD10は検査位置がデビエーションであったかを判断する。該判断結果において、検査位置がデビエーションではないと判断されれば次にステップZ09を実行し、該判断において検査位置がデビエーションであると判断された場合には次にステップZ05のデビエーション範囲の検出を実行する。
【0128】
ステップZ04の判断において、検査位置がデビエーションであると判断された場合には、次にステップZ05でデビエーション範囲の検出を実行する。デビエーション範囲の検出では、デビエーション検出手段D12を用いてデビエーション終了の位置を特定し、デビエーションの範囲をウォブルを単位として特定する。
【0129】
ステップZ05でデビエーション範囲の検出を終了したら、次にステップZ06でデビエーション用再生設定の変更を実行する。ステップZ06では図17に示す通り、複数の設定番号に対応した制御方法に即してアナログ信号の増幅率などの設定を行う。
【0130】
ステップZ06が終了したら、次にステップZ07でTEの検出を行う。ステップZ07では、ステップZ05で検出したデビエーションの範囲に対して、ステップZ06で設定した制御を用いてデビエーション範囲を再生し、TEの検出を行い、検出結果をマイコンD10内部のメモリ(図示せず)に格納する。ここで、サーボ制御の安定性を示す指標としてTEを用いているが、FEもしくはTEとFEの総和信号を用いても良い。
【0131】
ステップZ07が終了したら、次にステップZ08で予め定めた複数の再生設定の全ての設定番号を用いてデビエーション範囲の再生を行ったかを判断し、該判断において全ての設定を用いてデビエーション範囲のTE検出が終了していると判断されれば、次にステップZ09を実行し、該判断において全ての設定を用いてデビエーション範囲のTE検出が終了していないと判断されれば、ステップZ06に戻ってまだTE検出を行っていない設定を選択してデビエーション用再生設定を実行する。
【0132】
ステップZ04で検査対象がデビエーションではないと判断されるか、もしくはステップZ08で全ての再生設定を用いてTEの検出が終了していると判断されれば、次にステップZ09を実行する。ステップZ09ではデビエーション検査を終了するか継続するかを判断する。デビエーション検査はマイコンD10の制御信号により中断される場合や、情報記録媒体容量の限界により記録再生処理を中断される場合などがある。ステップZ09の判断において検査終了と判断されれば、次にステップZ10を実行し、デビエーション検査が終了していないと判断されれば、ステップZ02に戻り検査位置の検出を行う。
【0133】
ステップZ09で検査終了と判断されれば、次にステップZ10でデビエーション情報記録の設定を行う。デビエーション情報記録設定の詳細な動作を図22に示す。
【0134】
図22は本発明実施の形態6における図20に示すデビエーション検出設定Z10の動作の開始から終了までの動作を示す図である。
【0135】
まず、ステップZ1001でデビエーション情報記録時モータ回転数制御が実行される。デビエーション情報記録時モータ回転数制御では、デビエーションを検出するための所望の再生速度となるようマイコンD10がモータ制御手段D02にモータ制御指示S11を出力する。モータ制御手段D02はモータ制御指示S11に応答して、所望の再生速度となるようスピンドルモータD02の回転数を制御するためモータ制御信号S01をスピンドルモータ2に出力する。
【0136】
ステップZ1001でスピンドルモータD01の回転数の所望の回転数への制御が完了すると、次のステップZ1002でデビエーション情報記録時光ピックアップ位置制御を実行する。この再生時光ピックアップ位置制御では、デビエーションを検出するために光ピックアップD03を所望の位置に移動するようにマイコンD10がピックアップ位置制御手段D08に位置制御指示S09を出力する。するとピックアップ位置制御手段D08は位置制御指示S09に応答して、所望の領域に光ピックアップD03が移動するように位置制御信号S02を光ピックアップD03に出力する。
【0137】
ステップZ1002で光ピックアップの所望の位置への制御が完了すると、次のステップZ1003でデビエーション情報記録時レーザ制御を実行する。このデビエーション情報記録時レーザ制御では、デビエーションを検出するために、デビエーション検出用のレーザ発光を実行するようマイコンD10がレーザ制御手段D09にレーザ制御信号S10を出力する。レーザ制御手段D09はマイコンD10からのレーザ制御信号S10に応答して、レーザパルス制御信号S03を光ピックアップD03に出力する。
【0138】
ステップZ1003のデビエーション情報記録時レーザ制御が終了すると、デビエーション検出設定は終了する。
【0139】
図20のデビエーション情報記録動作のフローの説明に戻る。
【0140】
ステップZ10が終了したら、次にステップZ11でデビエーション情報の記録を実行する。デビエーション情報の記録では、ステップZ02で検出した検査位置情報を図4に示す開始アドレスF0201と開始ウォブル位置F0202として、ステップZ05で検出したデビエーション範囲を図4に示すデビエーション範囲F0203として、ステップZ07で検出したTE信号の内、最もTE信号が安定している再生設定に対応した設定番号を図4に示すデビエーション制御方法F0204として情報記録媒体F01に記録する。
【0141】
ステップZ11が終了したら、デビエーション情報の記録動作は終了する。
【0142】
以上より、本発明の実施の形態&によれば、未登録のデビエーションに対しても、1度記録再生を実施した際にデビエーション情報F0205を検出して登録を行い、2度目以降の記録再生においては、前記登録したデビエーション情報F0205に従って、記録再生制御を実行することで記録再生品質の向上を図ることが可能となる。
【0143】
以上、本発明者によってなされた発明を種々の実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0144】
例えば全ての実施の形態において前記管理領域に記録する情報はデビエーションについてのみ記載しているが、登録する情報はデビエーションのみに限定されるものではない。すなわち、本実施例では、従来の欠陥領域のディフェクトリストへの登録とは異なり、記録・再生動作の禁止領域を登録する動作ではなく、記録・再生動作において特殊な動作を行うことが必要ではあるものの、記録・再生は可能な領域についての対応策である。従って、デビエーション以外にも例えば情報媒体状の傷や汚れ等の箇所を情報記録媒体に記録し、前記記録した情報を用いて記録再生制御を切り替えて記録再生を行い、記録再生品質の向上を図ることも可能である。
【0145】
また、全ての実施の形態においてデビエーション情報F0205は管理領域に記録すると記載しているが、データ記録領域に記録することとしても同様に実現は可能である。
【0146】
また、全ての実施の形態において管理領域に記録されている情報は、マウント時に再生を行うと記載しているが、各層に各層毎のデビエーション情報F0205が記録されている場合、各層の記録再生時に各層の管理領域を再生することとしても同様に実現は可能である。
【0147】
また、全ての実施の形態においてデビエーション情報F0205の内、デビエーション範囲F0203をデビエーションの終了位置を示す終了アドレスと終了ウォブル位置に変更し、登録されるデビエーションの開始位置から終了位置までをデビエーション範囲として特定することとしても同様に実現は可能である。
【0148】
また、登録されたデビエーション情報F0205に基づいてアナログ信号S05中のサーボ信号生成時のサーボ制御を例に説明したが、データ信号に対してもサーボ制御同様に特別なデータ記録再生制御を行い、データ記録再生性能の向上を図ることとしても同様に実現は可能である。
【符号の説明】
【0149】
F01…情報記録媒体
F02…BCA
F03…インナー領域
F04…データ記録領域
F05…アウター領域
F06…グルーブ
F07…ウォブル
D00…情報記録再生装置
D01…スピンドルモータ
D03…光ピックアップ
D04…AFE
D05…BCA再生手段
D06…データ/管理領域/デビエーション情報再生手段
D07…アドレス検出手段
D08…ピックアップ制御手段
D09…レーザ制御手段
D10…マイコン
D11…サーボ信号再生手段
D12…デビエーション検出手段
S01…モータ制御信号
S02…位置制御信号
S03…レーサパルス制御信号
S04…電気信号
S05…アナログ信号
S06…BCA再生情報
S07…データ/管理領域情報/デビエーション情報
S08…アドレス情報
S09…位置制御信号
S10…レーサパルス制御信号
S11…モータ制御信号
S12…サーボ信号
W01…ウォブル
W02…デビエーション開始位置
W03…デビエーション終了位置
B01〜B03…ブロック
F0201…開始アドレス
F0202…ウォブル位置
F0203…デビエーション範囲
F0204…デビエーション制御方法
T01、T02…TE
T03…HOLD信号
T04、T05…デビエーション範囲
C01…基準層
C02、C05…デビエーション範囲
C03、C04…座標軸
C08…中心線
C09…中心
D12…デビエーション検出手段
S13…デビエーション信号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理領域とユーザーデータを記録・再生するデータ領域とから構成されたディスク状の単層もしくは多層の情報記録媒体に情報を記録する記録方法であって、
前記管理領域には、通常記録・通常再生動作と異なる特殊記録動作・特殊再生動作を制御するための特殊制御情報を格納するための格納領域を有し、
前記格納領域に前記特殊制御情報を記録することを特徴とする記録方法。
【請求項2】
請求項1記載の記録方法であって、
前記情報記録媒体にはグルーブとウォブルが具備されており、
前記グルーブは、記録・再生時のサーボ制御を誘導するための溝であり、
前記ウォブルはグルーブの微小な蛇行であり、情報記録媒体の記録・再生時のサーボ制御の基準信号などのために一定周期で形成されたものであり、
前記記録媒体は、前記ウォブルの複数周期により表現されて物理的な記録・再生位置を示すアドレスを有しており、前記特殊制御情報の格納領域には、特殊制御を開始する領域の開始アドレスと開始ウォブル位置と、前記特殊制御を行う範囲を示すウォブルの周期の数を記録することを特徴とする記録方法。
【請求項3】
請求項2記載の記録方法であって、
前記特殊制御情報の格納領域には、記録・再生時のサーボ制御における制御情報を記録し、特殊制御を必要とする領域で切り替えて用いる特殊サーボ制御方法を記録することを特徴とする記録方法。
【請求項4】
請求項3記載の記録方法であって、
前記特殊制御情報の格納領域に格納される前記特殊サーボ制御方法として、サーボ制御をホールドするための情報を記録することを特徴とする記録方法。
【請求項5】
請求項3記載の記録方法であって、
前記特殊制御情報の格納領域に格納される前記特殊サーボ制御方法として、情報記録媒体から再生されるアナログ信号の増幅率を変更するための情報を記録することを特徴とする記録方法。
【請求項6】
請求項1記載の記録方法であって、
多層の情報記録媒体においては、いずれか一つの層を基準層と定めて、特殊制御を必要とする領域の基準層の前記特殊制御情報のみを基準層及び/または他層の前記特殊制御情報の格納領域に記録することを特徴とする記録方法。
【請求項7】
請求項1記載の記録方法であって、
前記特殊制御情報の格納領域に登録する情報は、ディスク状の情報記録媒体の半径方向において、特殊制御を必要とする領域の最内周の情報のみを前記特殊制御情報の格納領域に記録し、前記情報記録媒体のデータ記録領域の最内周を中心とした該登録した特殊制御を必要とする領域を含む扇形の内、最小の面積となる扇形の領域において、登録した領域より外周側の制御は登録した最内周の特殊制御情報に基づいて同様に特殊制御を行うための情報として記録することを特徴とする記録方法。
【請求項8】
請求項1記載の記録方法であって、
多層の情報記録媒体においては、いずれか一つの層を基準層と定めて、基準層のディスク状の情報記録媒体の半径方向において、特殊制御を必要とする領域の同心円状の最内周の情報のみを基準層や他の層の前記特殊制御情報の格納領域に記録し、基準層以外及半径方向の外周領域の制御は基準層の最内周の特殊制御情報に基づいて同様に特殊制御を行うための情報として記録することを特徴とする記録方法。
【請求項9】
請求項1の記録方法であって、
前記特殊制御を必要とする領域は、記録面上に凹凸形状を有する領域であることを特徴とする記録方法。
【請求項10】
管理領域とユーザーデータを記録や再生するデータ領域から構成され、前記管理領域に通常記録や通常再生動作と異なる特殊記録動作や特殊再生動作を制御するための特殊制御情報を格納するための領域を具備したディスク状の単層もしくは多層の情報記録媒体を記録や再生する記録再生方法であって、
前記情報記録媒体において、前記特殊制御情報の格納領域に記録される特殊制御情報を再生し、
該特殊制御情報に基づいて記録や再生時の制御を特殊制御に切り替えることを特徴とする記録再生方法。
【請求項11】
管理領域とユーザーデータを記録や再生するデータ領域から構成され、
前記管理領域に通常記録や通常再生動作と異なる特殊記録動作や特殊再生動作を制御するための特殊制御情報を格納するための領域を具備したディスク状の単層もしくは多層の情報記録媒体を記録や再生する記録再生方法であって、
前記特殊制御情報の格納領域に記録される特殊制御情報を再生し、該特殊制御情報に基づいて記録や再生時の制御を特殊制御に切り替えて記録再生を行い、
前記情報記録媒体上に存在する記録時もしくは再生時に特殊制御を必要とする領域を検出し、前記特殊制御情報の格納領域に新たに記録を行うことを特徴とする記録再生方法。
【請求項12】
請求項10、11記載の記録再生方法であって、
前記情報記録媒体はグルーブとウォブルを具備し、
前記グルーブは、記録や再生時のサーボ制御を誘導するための溝であり、
前記ウォブルはグルーブの微小な蛇行であり、情報記録媒体の記録時や再生時のサーボ制御の基準信号などのために一定周期で形成されたものであり、
前記ウォブルの複数周期により表現されて物理的な記録や再生位置を示すアドレスを有しており、
前記情報記録再生方法は、ウォブルを単位として記録や再生を行うことを特徴とする記録再生方法。
【請求項13】
請求項11、12記載の記録再生方法であって、
前記情報記録媒体上に存在する記録時もしくは再生時に特殊制御を必要とする領域は、サーボ制御の品質を測る指標から判断して、記録時もしくは再生時に特殊制御を必要とする領域を検出することを特徴とする記録再生方法。
【請求項1】
管理領域とユーザーデータを記録・再生するデータ領域とから構成されたディスク状の単層もしくは多層の情報記録媒体に情報を記録する記録方法であって、
前記管理領域には、通常記録・通常再生動作と異なる特殊記録動作・特殊再生動作を制御するための特殊制御情報を格納するための格納領域を有し、
前記格納領域に前記特殊制御情報を記録することを特徴とする記録方法。
【請求項2】
請求項1記載の記録方法であって、
前記情報記録媒体にはグルーブとウォブルが具備されており、
前記グルーブは、記録・再生時のサーボ制御を誘導するための溝であり、
前記ウォブルはグルーブの微小な蛇行であり、情報記録媒体の記録・再生時のサーボ制御の基準信号などのために一定周期で形成されたものであり、
前記記録媒体は、前記ウォブルの複数周期により表現されて物理的な記録・再生位置を示すアドレスを有しており、前記特殊制御情報の格納領域には、特殊制御を開始する領域の開始アドレスと開始ウォブル位置と、前記特殊制御を行う範囲を示すウォブルの周期の数を記録することを特徴とする記録方法。
【請求項3】
請求項2記載の記録方法であって、
前記特殊制御情報の格納領域には、記録・再生時のサーボ制御における制御情報を記録し、特殊制御を必要とする領域で切り替えて用いる特殊サーボ制御方法を記録することを特徴とする記録方法。
【請求項4】
請求項3記載の記録方法であって、
前記特殊制御情報の格納領域に格納される前記特殊サーボ制御方法として、サーボ制御をホールドするための情報を記録することを特徴とする記録方法。
【請求項5】
請求項3記載の記録方法であって、
前記特殊制御情報の格納領域に格納される前記特殊サーボ制御方法として、情報記録媒体から再生されるアナログ信号の増幅率を変更するための情報を記録することを特徴とする記録方法。
【請求項6】
請求項1記載の記録方法であって、
多層の情報記録媒体においては、いずれか一つの層を基準層と定めて、特殊制御を必要とする領域の基準層の前記特殊制御情報のみを基準層及び/または他層の前記特殊制御情報の格納領域に記録することを特徴とする記録方法。
【請求項7】
請求項1記載の記録方法であって、
前記特殊制御情報の格納領域に登録する情報は、ディスク状の情報記録媒体の半径方向において、特殊制御を必要とする領域の最内周の情報のみを前記特殊制御情報の格納領域に記録し、前記情報記録媒体のデータ記録領域の最内周を中心とした該登録した特殊制御を必要とする領域を含む扇形の内、最小の面積となる扇形の領域において、登録した領域より外周側の制御は登録した最内周の特殊制御情報に基づいて同様に特殊制御を行うための情報として記録することを特徴とする記録方法。
【請求項8】
請求項1記載の記録方法であって、
多層の情報記録媒体においては、いずれか一つの層を基準層と定めて、基準層のディスク状の情報記録媒体の半径方向において、特殊制御を必要とする領域の同心円状の最内周の情報のみを基準層や他の層の前記特殊制御情報の格納領域に記録し、基準層以外及半径方向の外周領域の制御は基準層の最内周の特殊制御情報に基づいて同様に特殊制御を行うための情報として記録することを特徴とする記録方法。
【請求項9】
請求項1の記録方法であって、
前記特殊制御を必要とする領域は、記録面上に凹凸形状を有する領域であることを特徴とする記録方法。
【請求項10】
管理領域とユーザーデータを記録や再生するデータ領域から構成され、前記管理領域に通常記録や通常再生動作と異なる特殊記録動作や特殊再生動作を制御するための特殊制御情報を格納するための領域を具備したディスク状の単層もしくは多層の情報記録媒体を記録や再生する記録再生方法であって、
前記情報記録媒体において、前記特殊制御情報の格納領域に記録される特殊制御情報を再生し、
該特殊制御情報に基づいて記録や再生時の制御を特殊制御に切り替えることを特徴とする記録再生方法。
【請求項11】
管理領域とユーザーデータを記録や再生するデータ領域から構成され、
前記管理領域に通常記録や通常再生動作と異なる特殊記録動作や特殊再生動作を制御するための特殊制御情報を格納するための領域を具備したディスク状の単層もしくは多層の情報記録媒体を記録や再生する記録再生方法であって、
前記特殊制御情報の格納領域に記録される特殊制御情報を再生し、該特殊制御情報に基づいて記録や再生時の制御を特殊制御に切り替えて記録再生を行い、
前記情報記録媒体上に存在する記録時もしくは再生時に特殊制御を必要とする領域を検出し、前記特殊制御情報の格納領域に新たに記録を行うことを特徴とする記録再生方法。
【請求項12】
請求項10、11記載の記録再生方法であって、
前記情報記録媒体はグルーブとウォブルを具備し、
前記グルーブは、記録や再生時のサーボ制御を誘導するための溝であり、
前記ウォブルはグルーブの微小な蛇行であり、情報記録媒体の記録時や再生時のサーボ制御の基準信号などのために一定周期で形成されたものであり、
前記ウォブルの複数周期により表現されて物理的な記録や再生位置を示すアドレスを有しており、
前記情報記録再生方法は、ウォブルを単位として記録や再生を行うことを特徴とする記録再生方法。
【請求項13】
請求項11、12記載の記録再生方法であって、
前記情報記録媒体上に存在する記録時もしくは再生時に特殊制御を必要とする領域は、サーボ制御の品質を測る指標から判断して、記録時もしくは再生時に特殊制御を必要とする領域を検出することを特徴とする記録再生方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−123879(P2012−123879A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275236(P2010−275236)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
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