説明

情報記録媒体、情報記録媒体を用いた再生方法及び記録方法、並びに情報記録再生装置

【課題】2次元映像による映像コンテンツを、3次元映像化による配信情報量の増大を抑えつつ、簡単に3次元化して記録したり視聴したりする。
【解決手段】第1情報記録領域20Aには、2D映像コンテンツPが予め記録されており、第3情報記録領域20Bには、2D映像コンテンツPを3D化して再生できるように、3D化のための3D化補完情報を、3D化補完情報記録スペース40Aに記録するための3D化補完情報のダウンロード情報などが予め記録されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元(以下、「3D」などと略称する)映像を視聴等するための情報記録媒体、該情報記録媒体を用いた3D映像の再生方法及び記録方法、並びに3D映像の記録又は再生を行う情報記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、2D映像以外の、3D映像の視聴方法等の研究が盛んになってきている。
【0003】
3D映像を視聴等するには、例えば、3D映像専用の右目用映像及び左目用映像を別々に表示し、偏向メガネ等で2つの映像を、右目及び左目のそれぞれの目のみで視覚する必要がある。
【0004】
このような、従来の3D映像を視聴等する技術の一例として特許文献1に開示された立体映像記録方法等がある。
【0005】
この特許文献1に開示された立体映像記録方法等では、光ディスクに3D映像専用の左目用映像と右目用映像を3次元映像の出力が可能となるようにシーケンスに配列して記録することで、3D映像を視聴等することを可能としている。
【0006】
また、従来の3D映像を視聴等する技術の他の例として特許文献2に開示されたビデオテープレコーダが例示できる。
【0007】
この特許文献2に開示されたビデオテープレコーダでは、3D映像専用の奇数フィールドの画像と、偶数フィールドの画像とを選択して再生することで、3D映像を視聴等することを可能としている。
【0008】
また、3D映像の視聴等に関する技術ではないが、複数フィールドの情報を結合させて再生する技術の例として特許文献3に開示された記録媒体等が例示できる。
【0009】
この特許文献3に開示された記録媒体等では、インターネットから配信されるメインストリームと、ROM(read only memory)からのサブストリームを同時にTV(television)に出力することで複数フィールドの情報を結合させて再生することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−135686号公報(2009年6月18日公開)
【特許文献2】特開昭62−166669号公報(1987年7月23日公開)
【特許文献3】WO2006/109716A1パンフレット(2006年10月19日国際公開)
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】金原粲・藤原英夫共著 「応用物理学選書3.薄膜」 株式会社裳華房 昭和54年6月20日発行 p.198
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、2D映像を3D化する場合、2D映像と比較して少なくとも約30%程度の余分な情報量が必要となる。
【0013】
例えば、現在の放送形式(例えば、地上デジタル放送)の転送レートは、最大17Mbps(Mega-bits / second)であり、転送レート全体の内訳は、本放送の転送レートが約15Mbps程度であり、データ放送の転送レートが約2Mbps程度であり、データ放送の転送レートは、本放送の約13%程度である。
【0014】
よって、最大転送レートを増加させない限り、現在の放送方式では、3D映像を直接放送等することは困難である。
【0015】
また、インターネット等で配信される映像コンテンツでは、現状の規格や通信方式等は、2D映像の配信を前提としているので、3D映像を直接配信するには、規格や通信方式等を変更する必要があり、実用性に乏しい。
【0016】
そうすると、ユーザの利便性を向上させるためには、規格や通信方式等を変更することなく、2次元映像による映像コンテンツを簡単に3D化して録画したり、視聴したりする工夫等が必要となる。
【0017】
しかしながら、前記従来の特許文献1及び2に開示された立体映像記録方法等及びビデオテープレコーダでは、予め用意された立体映像専用の2種類の映像を情報記録媒体に記録する方法等については、開示されているものの、2D映像による映像コンテンツを簡単に3D化して情報記録媒体に記録したり、視聴したりする方法等に関しては一切、開示も示唆もない。
【0018】
また、前記従来の特許文献3に開示された記録媒体等では、複数フィールドの情報を結合させて再生する観点については、触れられているが、そもそも3D映像を視聴等する観点については全く触れられていない。
【0019】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、2次元映像による映像コンテンツを、3次元映像化による配信情報量の増大を抑えつつ、簡単に3次元化して記録したり視聴したりすることができる情報記録媒体などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の情報記録媒体は、前記課題を解決するために、複数の情報記録領域が割り当てられた、単層、又は複数の、少なくとも情報を読み出すことが可能な記録層を有する情報記録媒体であって、前記複数の情報記録領域は、第1情報記録領域、及び第2情報記録領域を含んでおり、前記第1情報記録領域には、2次元映像である映像コンテンツが予め記録されており、前記第1情報記録領域には、前記映像コンテンツを3次元映像化して再生できるように、当該3次元映像化のための補完情報を前記第2情報記録領域に記録するための記録処理用情報が予め記録されていることを特徴とする。
【0021】
前記構成によれば、本発明の情報記録媒体は、複数の情報記録領域が割り当てられた、単層又は複数の、少なくとも情報を読み出すことが可能な記録層を有する情報記録媒体である。よって、それぞれの記録層に情報が記録されていれば、その情報を読み出すことができる。
【0022】
また、複数の情報記録領域は、第1情報記録領域、及び第2情報記録領域を含んでいる。
【0023】
なお、複数の情報記録領域は、第1情報記録領域、及び第2情報記録領域以外の情報記録領域を含んでいても良い。
【0024】
次に、第1情報記録領域、及び第2情報記録領域の割り当てについては、単層の記録層を有する情報記録媒体の場合には、すべての情報記録領域が、単層の記録層に割り当てられていることになる。
【0025】
また、複数の記録層を有する情報記録媒体の場合には、第1情報記録領域、及び第2情報記録領域の2つの情報記録領域が、それぞれ異なる記録層に割り当てられる場合、第1情報記録領域、及び第2情報記録領域の2つの情報記録領域が単一の記録層に割り当てられる場合などが考えられる。
【0026】
次に、第1情報記録領域には、2次元映像である映像コンテンツが予め記録されている。
【0027】
なお、第1情報記録領域には、映像コンテンツ以外の情報が記録されていることもあり得る。
【0028】
また、第2情報記録領域は、情報を記録することが可能な領域となっている。
【0029】
さらに、前記第1情報記録領域には、前記映像コンテンツを3次元映像化して再生できるように、当該3次元映像化のための補完情報を前記第2情報記録領域に記録するための記録処理用情報が予め記録されている。
【0030】
以上の構成によれば、第1情報記録領域に予め記録されている映像コンテンツに関連する補完情報を、記録処理用情報に基づいて、第2情報記録領域に記録するだけで、簡単に2次元映像による映像コンテンツを3次元映像化した3次元映像の記録が実質的に可能となる。
【0031】
また、これにより、本発明の情報記録媒体から、補完情報及び該補完情報に関連する映像コンテンツを読出すことが可能となるので、2次元映像による映像コンテンツを3次元映像化した3次元映像の視聴が可能となる。
【0032】
ところで、本発明の情報記録媒体では、映像コンテンツは、予め第1情報記録領域に記録されているため、映像コンテンツではなく、補完情報が、映像コンテンツの3次元映像化のために外部から取得すべき情報となる。
【0033】
また、2次元映像による映像コンテンツを3次元映像化するための補完情報の情報量は、通常、映像コンテンツの約30%程度の情報量である。よって、映像コンテンツよりも情報量の小さい補完情報を配信するようにすれば良いので、映像コンテンツの3次元映像化による配信情報量の増大を抑えることができる。
【0034】
以上より、2次元映像による映像コンテンツを、3次元映像化による配信情報量の増大を抑えつつ、簡単に3次元化して記録したり視聴したりすることができる。
【0035】
また、単に映像コンテンツが記録されているだけでなく、記録処理用情報に基づいて、映像コンテンツを3次元映像化することを可能としているので、ユーザの意思で更に映像コンテンツの付加価値を高めることのできる情報記録媒体の提供が可能となる。
【0036】
ここで、「記録処理用情報」とは、補完情報及び/又は第1情報記録領域から読み出した映像コンテンツの第2情報記録領域への記録処理の用に供される情報のことであり、例えば、映像コンテンツと補完情報との関連性を示す情報、補完情報の配信元を示す情報、補完情報を第2情報記録領域に記録するときの情報単位毎の記録開始位置又は記録終了位置を示すアドレス情報などの各種データが該当する。
【0037】
また、「記録処理用情報」は、上述した各種データの他、補完情報及び/又は第1情報記録領域から読み出した映像コンテンツの第2情報記録領域への記録処理をコンピュータに実行させるためのソフトウェアプログラムなどであっても良い。
【0038】
「映像コンテンツ」の例としては、動画(音楽、音声データ、及び字幕などのテキストデータなどを含む)の他、コマ送り再生用の画像などの静止画像なども含まれる。
【0039】
また、「映像コンテンツ」のデータ形式又はデータ圧縮方式の規約としては、映像に関するFlash(マクロメディアが販売しているWeb用のアニメーション作成ソフト)、静止画像の圧縮に関するJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式、動画の圧縮に関するMPEG(Moving Picture Experts Group)方式などが例示できる。
【0040】
なお、MPEG方式は、ITU−T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)とISO(国際標準規格)によって標準技術として勧告された、動画や音声を圧縮・伸張する規格である。現在MPEG方式には、ビデオCDなどのメディアに使用されるMPEG1、DVD(Digital versatile disc)や放送メディアに使用されるMPEG2、ネットワーク配信、携帯端末向けのMPEG4などがある。
【0041】
また、「映像コンテンツ」のうち、放送コンテンツの例としては、NTSC(national television system committee)方式、PAL(phase alternation by line)方式、SECAM(sequential couleur a memoire system)方式、HD-MAC(high definition-multiple analogue component)方式、ATV(advanced television)方式によるTV放送、二音声多重放送、ステレオホニック音声多重放送、放送衛星(broadcasting satellite:BS)若しくは通信衛星(communication satellite:CS)からの電波を利用した衛星放送、有線放送TV(cable television:CATV)、高画質テレビジョン(extended definition TV:EDTV)、高精細度テレビジョン(high definition TV:HDTV)、MUSE方式、ワンセグ、3セグ、及び地上デジタル放送などの放送番組などが例示できる。
【0042】
また、「補完情報」の例としては、2次元映像コンテンツを擬似的に3次元映像化するための擬似3次元化情報や、2次元映像コンテンツを右目用映像又は左目用映像のいずれかとした場合の、左目用映像又は右目用映像等が例示できる。
【0043】
すなわち、3D化を実現するための「補完情報」は実際の映像データである必要はなく、2次元映像コンテンツ(右目用映像又は右目用映像)に対しての差分情報でも良いし、そもそも映像データに関するものでなくてよく、2次元映像の3次元映像化を実現するための補完情報であれば良い。
【0044】
さらに、補完情報の配信方法としては、Bluetooth(登録商標)、Felica、PLC(power line communication)、WirelessLAN(無線LAN:WLAN)、IrDA(赤外線無線)、IrSS(赤外線無線)、及びWCDMA(通信網)などの有線又は無線通信による配信などが例示できる。
【0045】
また、本発明の情報記録媒体は、前記構成に加えて、前記第1情報記録領域は、情報の読み出しのみ可能な領域となっていても良い。
【0046】
前記構成によれば、前記第1情報記録領域は、情報の読み出しのみ可能な領域(以下、ROM領域という)、すなわち、書き込みが不可能な領域となっているので、前記映像コンテンツに対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
【0047】
ところで、現在のところ、ROM規格では2次元映像の規格のみが成立しており、3次元映像をそのままROM領域に記録すると、ROM規格を逸脱してしまう。
【0048】
しかしながら、前記構成によれば、本発明の情報記録媒体は、2次元映像による映像コンテンツをそのままROM領域に記録する。
【0049】
よって、従来のROM規格を逸脱することなく、2次元映像による映像コンテンツを、簡単に3次元化して記録したり視聴したりすることができる。
【0050】
また、3D映像を視聴した場合、気分が悪くなる等の所謂3D酔いを起こしやすいユーザの場合に、実質的に不要となる3次元映像化するための補完情報の購入を強いることになく、安価な3D映像再生可能な情報記録媒体を供給することが可能となり、3D映像の大量配布が可能となる。
【0051】
また、本発明の情報記録媒体は、前記構成に加えて、前記記録処理用情報は、前記第2情報記録領域に前記補完情報をダウンロード記録させるためのダウンロード情報を含んでいても良い。
【0052】
また、本発明の情報記録再生装置は、前記構成に加えて、前記情報記録媒体における前記第1情報記録領域に記録されている前記ダウンロード情報に基づいて、前記補完情報を前記第2情報記録領域にダウンロード記録しても良い。
【0053】
前記構成によれば、ダウンロード情報に基づいて、前記第2情報記録領域に前記補完情報をダウンロード記録させることが可能となる。
【0054】
「ダウンロード情報」とは、例えば、映像コンテンツのデータ形式又は圧縮形式などを含む映像コンテンツの規約に関する情報、映像コンテンツの配信元を示すURL(Uniform Resource Locator)などの各種情報が該当する。
【0055】
また、本発明の情報記録媒体は、前記構成に加えて、前記記録処理用情報は、前記映像コンテンツと前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して、前記第2情報記録領域に記録するための配列処理用情報を含んでいても良い。
【0056】
また、本発明の情報記録再生装置は、前記構成に加えて、前記情報記録媒体における前記第1情報記録領域に記録されている前記配列処理用情報を用いて、前記第1情報記録領域から読み出した前記映像コンテンツと、該映像コンテンツに関連する前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して、前記第2情報記録領域に記録しても良い。
【0057】
前記構成によれば、配列処理用情報を用いて、映像コンテンツと補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して、第2情報記録領域に記録することが可能となる。
【0058】
よって、このように、配列処理用情報を用いて、第2情報記録領域に、映像コンテンツと、補完情報とを配列して記録しておけば、3次元映像を再生するために、補完情報を情報記録媒体から一端読み出して記録しておく必要がないので、本発明の情報記録再生装置に付属したメモリや、ハードディスクなどの記録容量の節約が可能となる。
【0059】
ここで、「配列処理」とは、補完情報を複数の分割情報に分割し、特定の分割情報とその次の分割情報との間に該特定の分割情報に対応する映像コンテンツの一情報単位を挿入して、各分割情報と映像コンテンツの一情報単位のそれぞれとを交互に配列する処理のことである。このような処理により2次元映像による映像コンテンツをそのまま3次元再生可能に記録することができる。
【0060】
また、「配列処理用情報」は、各分割情報と映像コンテンツの一情報単位のそれぞれとを交互に配列するときの、各分割情報及び映像コンテンツの一情報単位のそれぞれ、の記録開始位置及び記録終了位置などの、配列処理の用に供されるデータであっても良いし、特定の分割情報とその次の分割情報との間に記録スペースを空け、その記録スペースに該特定の分割情報に対応する映像コンテンツの一情報単位を挿入して、各分割情報と映像コンテンツの一情報単位のそれぞれとを交互に配列する処理を行う配列処理プログラムなどであっても良い。
【0061】
また、本発明の情報記録媒体は、前記構成に加えて、前記記録処理用情報は、前記補完情報が圧縮されている場合に、その圧縮された補完情報を伸張するための伸張処理プログラムを含んでいても良い。
【0062】
また、本発明の情報記録再生装置は、前記構成に加えて、前記情報記録媒体における前記第1情報記録領域に記録されている前記伸張処理プログラムを用いて、前記圧縮された補完情報を伸張しても良い。
【0063】
前記構成によれば、映像コンテンツに関連する圧縮された補完情報を第1情報記録領域に記録されている伸張処理プログラムで伸張することにより、簡単に2次元映像による映像コンテンツを3次元映像化した3次元映像の記録が実質的に可能となる。
【0064】
また、これにより、本発明の情報記録媒体から、伸張処理プログラムを読み出し、圧縮された補完情報を伸張すると共に、圧縮された補完情報に関連する映像コンテンツを読出すことが可能となるので、2次元映像による映像コンテンツを3次元映像化した3次元映像の視聴が可能となる。
【0065】
さらに、圧縮された補完情報を配信するようにできるので、2次元映像による映像コンテンツを、3次元映像化による配信情報量の増大を大幅に抑えつつ、簡単に3次元化して記録したり視聴したりすることができる。例えば、上述したMPEG方式によれば、圧縮率を1/50〜1/200程度に抑えれば、画質を劣化させることなく、補完情報を圧縮することが可能である。
【0066】
「圧縮方式」の例としては、主として、画素単位又は複数の画素ブロック単位でDCT(discrete cosine transform)変換を行って色の変化のデータ及び高周波成分などをカットして静止画像を圧縮するJPEG方式や、時間方向で動き補償処理を行って動画像を圧縮するMPEG方式などを例示することができる。MPEG方式の例としては、MPEG1,MPEG2の他、H.264,Windows(登録商標),Quick Time(登録商標),DivX(登録商標)などの規格に採用されているMPEG4などを例示することができる。
【0067】
特に、例えば、映像コンテンツを右目用映像とし、補完情報を左目用映像とした視差を利用した3次元映像の場合、右目用映像と左目用映像との差分情報を用いてMPEG方式による画像圧縮を行うことが好ましい。これにより、3次元映像の圧縮率を高くすることができるので、配信情報量の増大を大幅に抑えることが可能となる。
【0068】
ここで、例えば、映像コンテンツを3次元映像化することは、映像コンテンツの編集等に該当する可能性がある。
【0069】
よって、例えば、映像コンテンツの3次元映像化は、著作権や著作隣接権などに対する配慮が必要となる可能性もあるという副次的な課題がある。
【0070】
そうすると、著作権や著作隣接権などを気にすることなく、ユーザが安心して映像コンテンツを3次元映像化できるような工夫等が必要となる。
【0071】
そこで、本発明の情報記録媒体は、前記構成に加えて、前記映像コンテンツを3次元映像化することが許諾されていることを示す許諾情報が予め記録されていても良い。
【0072】
また、本発明の情報記録再生装置は、前記構成に加えて、前記情報記録媒体における前記第1情報記録領域に、正当な前記許諾情報が記録されていることが確認された場合に、前記許諾情報によって3次元映像化が許諾された前記映像コンテンツと、該映像コンテンツに関連する前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して、前記第2情報記録領域に記録しても良い。
【0073】
前記構成によれば、情報記録媒体に予め記録されている許諾情報が、映像コンテンツを3次元映像化することが許諾されていることを示す情報、すなわち、映像コンテンツの3次元映像化をユーザに保証する情報となる。
【0074】
よって、該許諾情報が、予め前記第1情報記録領域に記録された情報記録媒体を用いて映像コンテンツを3次元映像化すれば、著作権や著作隣接権などを気にすることなく、ユーザは、安心して映像コンテンツの3次元映像化を行うことができる。
【0075】
また、該許諾情報が、予め前記第1情報記録領域に記録された情報記録媒体の第1情報記録領域に記録されている補完情報は、確実に放送局や配信サイト等が製作したものであることを保証する意味もあるので、放送局や配信サイトのサービス提供に応じたユーザ嗜好に合致した映像コンテンツの3次元映像化が可能となる。
【0076】
ここで、「3次元映像化」とは、映像コンテンツと補完情報(又は圧縮された補完情報が伸張された補完情報)とを、3次元映像として再生することや、3次元映像として再生できるように配列して記録することなどである。
【0077】
また、「許諾情報」の例としては、補完情報(圧縮された補完情報)、又は記録処理用情報の利用や、圧縮された補完情報の伸張を許諾する3次元化許諾キー(暗号鍵)や利用許諾契約に関する情報などが列挙できる。
【0078】
また、本発明の情報記録媒体は、前記構成に加えて、基板上に、前記複数の記録層と、前記複数の記録層の各々を分離する中間層と、前記基板から最も遠い位置に設けられた透光層とを有し、前記複数の記録層は、再生光によって情報を読み出すことが可能となっており、前記複数の記録層のうち、少なくとも1層が情報を読み出すことのみ可能な層であり、その他の記録層のうち少なくとも1層が情報を記録可能な層であり、前記第1情報記録領域は、前記情報を読み出すことのみ可能な層に割り当てられ、前記第2情報記録領域は、前記情報を記録可能な層に割り当てられていても良い。
【0079】
ここで、本発明の情報記録媒体のより好ましい構造について説明する。
【0080】
近年、多層光情報記録媒体の技術分野においては、情報の書き換え可能な記録層以外に、様々なコンテンツが記録されている記録層で、かつ再生のみ可能な再生専用の記録層又は追記録可能な記録層を追加して記録容量を向上させた光情報記録媒体(以降、ハイブリッド光情報記録媒体という)が求められている。
【0081】
なお、以降、前記書き換え可能な記録層をRE(RE-writable)層と呼び、読み出すことのみ可能な層、すなわち再生専用の情報記録層をROM層と呼び、前記追記録可能な記録層は、R(Recordable)層と呼ぶ。
【0082】
また、前記書き換え可能な情報記録領域をRE領域と呼び、読み出すことのみ可能な領域、すなわち再生専用の情報記録領域をROM領域と呼び、前記追記録可能な情報記録領域は、R領域と呼ぶ。
【0083】
本発明の情報記録媒体は、いわゆるハイブリッド光情報記録媒体であることが好ましい。すなわち、本発明の情報記録媒体は、前記複数の記録層のうち、少なくとも1層の記録層が情報の読みだすことのみ可能な層であり、その他の記録層のうち少なくとも1層が、情報を記録可能な層であり、前記基板から最も遠い位置には、透光層が設けられている構造であっても良い。
【0084】
ここで、「情報を記録可能な層」には、追記録のみ可能な層(R層)と書き換え可能な層(RE層)とが含まれる。
【0085】
また、追記録のみ可能とは、情報の読み出しは可能であり、記録において、追記録のみ可能であることを指す。
【0086】
前記構造を有する本発明の情報記録媒体においては、前記第1情報記録領域は、前記情報を読み出すことのみ可能な層に割り当てられ、前記第2情報記録領域は、前記情報を記録可能な層に割り当てられていることが好ましい。
【0087】
なぜなら、第2情報記録領域は、補完情報及び/又は第1情報記録領域から読み出した映像コンテンツを記録する必要があるため、R層又はRE層に割り当てる必要がある。
【0088】
また、第1情報記録領域を、ROM層に割り当てることにより、予め記録される映像コンテンツ(又は記録処理用情報や許諾情報)に対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
【0089】
さらに、本発明の情報記録媒体の製造時に予め映像コンテンツ(又は記録処理用情報)を記録しておくことができるので、ユーザが何らかの手段で映像コンテンツ(又は記録処理用情報)を情報記録媒体に記録する必要がなく、また映像コンテンツ(又は記録処理用情報)をROM層に記録するため、補完情報及び/又は第1情報記録領域から読み出した映像コンテンツが記録されるR層又はRE層の第2情報記録領域の記録可能領域が削られることもない。
【0090】
ROM層の例としては、情報がエンボスプリピット列を用いて記録されている、又は情報がレーザを用いて記録されている場合が列挙できる。
【0091】
これにより、メーカ側から見れば、本発明の情報記録媒体の製造時に、映像コンテンツ、記録処理用情報、又は許諾情報などの変更が容易であり、安価に大量配布できるというメリットがある。
【0092】
また、本発明の再生方法は、前記構成に加えて、前記情報記録媒体を用いて3次元映像を再生するための再生方法であって、前記第2情報記録領域に、前記補完情報が記録されている場合に、その補完情報を読み出して一時記録メモリに記録する一時記録工程と、前記一時記録工程で前記一時記録メモリに記録された前記補完情報と、前記第1情報記録領域に記録されている前記映像コンテンツとを読出し、読み出した前記映像コンテンツと前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列しつつ同期をとり、該3次元映像を再生する再生工程とを含んでいても良い。
【0093】
また、本発明の情報記録再生装置は、前記構成に加えて、前記情報記録媒体を用いて3次元映像を記録再生する情報記録再生装置であって、前記第2情報記録領域に、前記補完情報が記録されている場合に、その補完情報を読み出して一時記録メモリに記録するメモリ制御手段と、前記メモリ制御手段によって前記一時記録メモリに記録された前記補完情報と、前記第1情報記録領域に記録されている前記映像コンテンツとを読出し、読み出した前記映像コンテンツと前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列しつつ同期をとり、該3次元映像を再生する再生制御手段とを備えていても良い。
【0094】
このとき、前記方法の一時記録工程では又は前記構成のメモリ制御手段は、前記第2情報記録領域に、前記補完情報が記録されている場合に、その補完情報を読み出して一時記録メモリに記録する。
【0095】
次に、前記方法の再生工程では又は前記構成の再生制御手段は、前記一時記録工程にて又は再生制御手段によって前記一時記録メモリに記録された前記補完情報と、前記第1情報記録領域に記録されている前記映像コンテンツとを読出し、読み出した前記映像コンテンツと前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列しつつ同期をとり、該3次元映像を再生する。
【0096】
これにより、情報記録媒体から、補完情報と、該補完情報に対応する映像コンテンツとを読み出して3次元映像を視聴することができる。
【0097】
また、本発明の情報記録再生装置は、前記構成に加えて、前記情報記録媒体における前記第1情報記録領域に記録されている前記記録処理用情報に基づいて、前記補完情報を前記第2情報記録領域に記録しても良い。
【0098】
前記構成によれば、映像コンテンツを3次元映像化するための補完情報を、前記第2情報記録領域に記録するための記録処理用情報に基づいて、映像コンテンツと補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して、第2情報記録領域に記録することが可能となる。
【0099】
よって、このように、記録処理用情報に基づいて、第2情報記録領域に、映像コンテンツと、補完情報とを配列して記録しておけば、3次元映像を再生するために、補完情報を情報記録媒体から一端読み出して記録しておく必要がないので、本発明の情報記録再生装置に付属したメモリや、ハードディスクなどの記録容量の節約が可能となる。
【0100】
また、本発明の記録方法は、前記構成に加えて、情報記録媒体を用いて3次元映像を記録するための記録方法であって、前記補完情報が圧縮されている場合に、その補完情報を伸張する伸張工程と、前記伸張工程で伸張された前記補完情報を、一時記録メモリに記録する一時記録工程と、前記一時記録工程で前記一時記録メモリに記録された伸張された前記補完情報と、前記第1情報記録領域に記録されている前記映像コンテンツとを読出し、前記映像コンテンツと伸張された前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して前記第2情報記録領域に記録する記録工程とを含んでいても良い。
【0101】
また、本発明の情報記録再生装置は、前記構成に加えて、情報記録媒体を用いて3次元映像を記録再生する情報記録再生装置であって、前記補完情報が圧縮されている場合に、その補完情報を伸張する伸張処理手段と、前記伸張処理手段によって伸張された前記補完情報を、一時記録メモリに記録するメモリ制御手段と、前記メモリ制御手段によって前記一時記録メモリに記録された伸張された前記補完情報と、前記第1情報記録領域に記録されている前記映像コンテンツとを読出し、前記映像コンテンツと伸張された前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して前記第2情報記録領域に記録する記録制御手段とを備えていても良い。
【0102】
前記方法又は構成によれば、伸張工程では又は伸張処理手段は、圧縮された補完情報を伸張する。
【0103】
次に、一時記録工程では又はメモリ制御手段は、前記伸張工程にて又は伸張処理手段によって伸張された補完情報を一時記録メモリに記録する。
【0104】
次に、記録工程では又は記録制御手段は、前記一時記録工程にて又は前記メモリ制御手段によって前記一時記録メモリに記録された伸張された前記補完情報と、前記第1情報記録領域に記録されている前記映像コンテンツとを読出し、前記映像コンテンツと伸張された前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して前記第2情報記録領域に記録する。
【0105】
これにより、第1情報記録領域に予め記録されている映像コンテンツと、圧縮された補完情報を伸張した補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して前記第2情報記録領域に記録することが可能となる。
【0106】
なお、前記情報記録再生装置、再生方法、及び記録方法における各手段、各機能、各処理、並びに、各ステップ及び各工程のそれぞれは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記各手段として動作させ、コンピュータに前記各機能を実現させ、若しくはコンピュータに前記各処理、前記各ステップ又は前記各工程を実行させることにより前記情報記録再生装置、再生方法、及び記録方法を、コンピュータにて実現させる情報処理プログラム及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0107】
本発明の情報記録媒体は、以上のように、前記第1情報記録領域には、2次元映像である映像コンテンツが予め記録されており、前記第2情報記録領域は、情報を記録することが可能な領域となっており、前記第1情報記録領域には、前記映像コンテンツを3次元映像化して再生できるように、当該3次元映像化のための補完情報を前記第2情報記録領域に記録するための記録処理用情報が予め記録されているものである。
【0108】
それゆえ、2次元映像による映像コンテンツを、3次元映像化による配信情報量の増大を抑えつつ、簡単に3次元化して記録したり視聴したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の情報記録媒体における一実施形態の構成を概念的に示す模式図である。
【図2】(a)前記情報記録媒体に関し、映像コンテンツを挿入できるように補完情報の各分割情報間に記録スペースを空けたときの様子を示す模式図であり、(b)は、前記記録スペースに映像コンテンツの一情報単位を挿入したときの様子を示す模式図である。
【図3】本発明の情報記録媒体の一実施形態である光情報記録媒体の概略構成の一例を示す断面図である。
【図4】前記光情報記録媒体の概略構成における別の一例を示す断面図である。
【図5】図3・図4に示す光情報記録媒体の比較例1の概略構成を示す断面図である。
【図6】再生レーザパワー0.7mWにおける、図3・図4に示す実施例1と図5に示す比較例1とのS字特性測定結果を示す模式図であり、(a)部分は、実施例1に対する測定によって得られたS字特性を示し、(b)部分は、比較例1に対する測定によって得られたS字特性を示し、(c)部分は、再生レーザパワー1.0mWにおける、図3・図4に示す実施例1のS字特性測定結果を示す。
【図7】(a)は、フォーカスできない反射率の上限値の再生レーザパワー依存を示す図であり、(b)は、2層(RE)構造の光情報記録媒体におけるジッタの再生レーザパワー依存を示す図である。
【図8】従来の多層光情報記録媒体を再生する再生システムの一例を示す説明図である。
【図9】従来の多層光情報記録媒体であり、4層構造の光情報記録媒体を示す断面図である。
【図10】(a)は、図8に示す再生システムにおけるS字特性を示す説明図であり、(b)部分及び(c)部分は、図8に示す再生システムによって図9に示す第2情報記録層にフォーカスサーチ処理が行われたときの対物レンズ位置の遷移とフォーカスエラー信号とを示す図であり、(b)部分は、対物レンズ位置の遷移を示し、(c)部分は、フォーカスエラー信号を示す。
【図11】前記再生システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の情報記録再生装置における実施の一形態を示す模式図である。
【図13】前記情報記録再生装置に関し、主要部の一構成例を示すブロック図である。
【図14】前記情報記録再生装置に関し、前記主要部における制御部の一構成例を示すブロック図である。
【図15】前記制御部に関し、媒体書き込み制御部の一構成例を示すブロック図である。
【図16】前記情報記録再生装置における処理の流れを示すフローチャートの一例である。
【図17】前記情報記録再生装置における処理の流れを示すフローチャートの他の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0110】
本発明の一実施形態について図1〜図17に基づいて説明すれば、次の通りである。以下の特定の項目で説明すること以外の構成は、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の項目で説明する構成と同じである。また、説明の便宜上、各項目に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0111】
〔1.情報記録媒体の概念的構成とその記録情報〕
本発明では、情報記録媒体の所定の情報記録領域に予め記録される情報や、将来記録される予定の情報などが重要なポイントとなる。
【0112】
そこで、まず、図1、図2(a)及び(b)に基づき、本発明の一実施形態である情報記録媒体の概念的な構成とその記録情報の一例について説明し、その後の図3以降で本発明の情報記録媒体の具体例を示して説明する。
【0113】
なお、本発明の情報記録媒体は、複数の情報記録領域が割り当てられた、単層又は複数の、少なくとも情報を読み出すことが可能な記録層を有する情報記録媒体であれば良く、
本実施形態で説明する構造に限られないことは言うまでもない。
【0114】
図1は、本発明の情報記録媒体の一実施形態である光ディスク(情報記録媒体)200の構成を概念的に示す模式図である。
【0115】
ここで説明する光ディスク200や、以下で説明する光ディスク(情報記録媒体)201は、いずれも、上述したハイブリッド光情報記録媒体である。
【0116】
なお、ハイブリッド光情報記録媒体は、基板上に、複数の記録層と、複数の記録層の各々を分離する中間層と、基板から最も遠い位置に設けられた透光層とを有している。
【0117】
また、前記複数の記録層は、再生光によって情報を読み出すことが可能となっている。
【0118】
さらに、前記複数の記録層のうち、少なくとも1層の記録層が、情報を読み出すことのみ可能な層(ROM層)であり、その他の記録層のうち少なくとも1層が、情報を記録可能な層(R又はRE層)であるという構造を基本としている。
【0119】
ここで、「情報を記録可能な層」には、追記録のみ可能な層(R層)と書き換え可能な層(RE層)とが含まれる。
【0120】
なお、ここで、追記録のみ可能とは、情報の読み出しは可能であり、記録において、追記録のみ可能であることを指す。
【0121】
より、具体的には、図1に示すように、本実施形態の光ディスク200は、再生光入射面側から順に、透光層10、第1情報記録層(情報を読み出すことのみ可能な層,記録層)20、中間層30、第2情報記録層(情報を記録可能な層,記録層)40及び基板50が積層された構造となっている。
【0122】
なお、光ディスク200の物理的構造や特性等については、後ほど詳細に説明するが、ここでは、記録層毎の各情報記録領域の割り当てや、情報記録領域毎の記録情報などについて説明する。
【0123】
まず、第1情報記録層20には、第1情報記録領域(情報を読み出すことのみ可能な領域)20Aと、第3情報記録領域(第1情報記録領域,情報を読み出すことのみ可能な領域)20Bとが割り当てられる。
【0124】
なお、第3情報記録領域20Bは、図1に示すように、リードインエリアの外周側、かつ光ディスク200の内周側に割り当てることが好ましいが、第3情報記録領域20Bは、第1情報記録層20の内周側から外周側までであれば、任意の位置に割り当てることができる。
【0125】
次に、第2情報記録層40には、3D化補完情報記録スペース(第2情報記録領域)40Aと、2D映像記録スペース(第2情報記録領域)40Bとが割り当てられる。
【0126】
ここで、各記録スペースは、いわゆるユーザ領域に存在し、光ディスク200のトラック方向に並列するセクタに沿って交互に割り当てられる。
【0127】
なお、図1に示す例では、説明の便宜上、1つのセクタに、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bがそれぞれ、少なくとも6ブロック以上存在しているように記載されているが、これは、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bの大きさを誇張したものであり、各記録スペースの実際の大きさを示している訳ではない。
【0128】
また、光ディスク200は、記録層が2層のみとなっているが、情報記録媒体は、複数の情報記録領域が割り当てられた、3層以上の、少なくとも情報を読み出すことが可能な複数の記録層を有するものであっても良い。
【0129】
また、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20B、並びに、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bの割り当てについては、単層の記録層を有する情報記録媒体の場合には、すべての情報記録領域が、単層の記録層に割り当てられていることになる。
【0130】
但し、単層の記録層は、ROM領域とR又はRE領域とが存在し、ROM領域には、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bが割り当てられ、R又はRE領域には、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bが割り当てられることが好ましい。
【0131】
一方、複数の記録層を有する情報記録媒体の場合には、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20B、並びに、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bが、それぞれ異なる記録層に割り当てられる場合など様々な場合が考えられる。但し、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bは、同一の記録層上、かつ同一の情報記録領域内に割り当てられる。
【0132】
また、以上のような場合でも、ROM領域には、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bが割り当てられ、R又はRE領域には、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bが割り当てられることが好ましい。
【0133】
なぜなら、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bは、後述する第1情報記録領域20Aに記録されている2D映像コンテンツ(映像コンテンツ,2次元映像)Pを読み出したデータや、媒体外部から配信される3D化補完情報(補完情報)を記録する必要があるため、R又はRE領域に割り当てる必要がある。
【0134】
また、第1情報記録領域20Aを、書き込みが不可能な領域であるROM領域に割り当てることにより、2D映像コンテンツPに対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
【0135】
さらに、光ディスク200の製造時に予め2D映像コンテンツPを記録しておくことができるので、ユーザが何らかの手段で2D映像コンテンツPを光ディスク200に記録する必要がない。
【0136】
また2D映像コンテンツPをROM層に記録するため、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bを含む第2情報記録層40上の記録可能領域が削られることもない。
【0137】
ROM領域の例としては、情報がエンボスプリピット列を用いて記録されている、又は情報がレーザを用いて記録されている場合が列挙できる。
【0138】
これにより、メーカ側から見れば、光ディスク200の製造時に、2D映像コンテンツPなどの変更が容易にできるというメリットがある。
【0139】
次に、図1の下部に示すテーブルに基づき、光ディスク200に含まれる各情報記録領域に記録される各種情報の詳細について説明する。
【0140】
なお、図1に示すテーブルの左の項目「記録領域」の上下の列は、第1情報記録層20及び第2情報記録層40に割り当てられた各情報記録領域を分類したものであり、真ん中の項目「記録情報」の上下の列は、現時点で各情報記録領域に記録されているデータがあるか否かを示している。
【0141】
また、右の項目の「ステータス」の上下の列は、第1情報記録領域20A、3D化補完情報記録スペース40A、2D映像記録スペース40B、第3情報記録領域20Bのそれぞれの状態を示しており、例えば、既に何らかのデータが記録されている場合には「記録済み」と記載し、これから何らかのデータが記録される予定である場合には、どのようなデータの記録が可能となっているのかについて示している。
【0142】
図1に示すように、ROM領域である第1情報記録領域20Aには、再生予定の、又は3D再生のために2D映像記録スペース40Bに記録する予定の2D映像コンテンツPが予め記録されている。
【0143】
なお、第1情報記録領域20Aには、2D映像コンテンツP以外の情報が記録されていても良い。
【0144】
一方、R又はRE層である第2情報記録層40の3D化補完情報記録スペース40Aは、2D映像コンテンツPに関連する3D化補完情報を記録する予定の記録スペースとなっている。
【0145】
また、上述のように、第2情報記録層40の2D映像記録スペース40Bは、3D化補完情報に関連する2D映像コンテンツPを記録する予定の記録スペースとなっている。
【0146】
さらに、第3情報記録領域20Bには、2D映像コンテンツPを3D化するための3D化補完情報を、2D映像コンテンツPを3D化して再生できるように、3D化補完情報記録スペース40Aに記録するための記録処理用情報が予め記録されている。
【0147】
ここで、「記録処理用情報」とは、3D化補完情報及び/又は第1情報記録領域20Aから読み出した2D映像コンテンツPの、3D化補完情報記録スペース40A及び/又は2D映像記録スペース40Bへの記録処理の用に供される情報のことである。例えば、2D映像コンテンツPと3D化補完情報との関連性を示す情報、3D化補完情報の配信元を示す情報、3D化補完情報を3D化補完情報記録スペース40Aに記録するときの情報単位毎の記録開始位置又は記録終了位置を示すアドレス情報などの各種データが該当する。
【0148】
なお、第1情報記録領域20Aに記録されている2D映像コンテンツPを読み出したデータを2D映像記録スペース40Bに記録するときの情報単位毎の記録開始位置又は記録終了位置を示すアドレス情報などの各種データも「記録処理用情報」に該当する。
【0149】
さらに、「記録処理用情報」は、上述した各種データの他、3D化補完情報及び/又は第1情報記録領域20Aから読み出した2D映像コンテンツPの、3D化補完情報記録スペース40A及び/又は2D映像記録スペース40Bへの記録処理を、後述する3D映像視聴システム(情報記録再生装置)1内の制御部115(コンピュータ)に実行させるための3D化データ配列処理ソフト(配列処理プログラム)などであっても良い。
【0150】
以上の構成によれば、第1情報記録領域20Aに予め記録されている2D映像コンテンツPに関連する3D化補完情報を、記録処理用情報に基づいて又は3D化データ配列処理ソフトを起動させて、3D化補完情報記録スペース40Aに記録するだけで、簡単に2D映像による2D映像コンテンツPを3D化した3D映像の記録が実質的に可能となる。
【0151】
また、これにより、光ディスク200から、3D化補完情報及び関連する2D映像コンテンツPを読出すことが可能となるので、2D映像コンテンツPを3D化した3D映像の視聴が可能となる。
【0152】
ところで、光ディスク200では、2D映像コンテンツPは、予め第1情報記録領域20Aに記録されているため、2D映像コンテンツPではなく、3D化補完情報が、2D映像コンテンツPの3D化のために外部から取得すべき情報となる。
【0153】
また、2D映像コンテンツPを3D化するための3D化補完情報の情報量は、通常、2D映像コンテンツPの約30%程度の情報量である。よって、2D映像コンテンツPよりも情報量の小さい3D化補完情報を配信するようにすれば良いので、2D映像コンテンツPの3D化による配信情報量の増大を抑えることができる。
【0154】
以上より、光ディスク200によれば、2D映像コンテンツPを、3D化による配信情報量の増大を抑えつつ、簡単に3D化して記録したり視聴したりすることができる。
【0155】
また、光ディスク200は、単に2D映像コンテンツPが記録されているだけでなく、記録処理用情報に基づいて、2D映像コンテンツPを3D化することを可能としているので、2D映像コンテンツPの付加価値を高めた光ディスク200の提供が可能となる。
【0156】
「2D映像コンテンツP」の例としては、動画(音楽、音声データ、及び字幕などのテキストデータなどを含む)の他、コマ送り再生用の画像などの静止画像なども含まれる。
【0157】
「2D映像コンテンツP」のデータ形式又はデータ圧縮方式の規約としては、映像に関するFlash、静止画像の圧縮に関するJPEG方式、動画の圧縮に関するMPEG方式などが例示できる。
【0158】
なお、MPEG方式は、ITU−TとISOによって標準技術として勧告された、動画や音声を圧縮・伸張する規格である。現在MPEG方式には、ビデオCDなどのメディアに使用されるMPEG1、DVDや放送メディアに使用されるMPEG2、ネットワーク配信、携帯端末向けのMPEG4などがある。
【0159】
さらに、3D化補完情報の配信方法としては、Bluetooth、Felica、PLC、WirelessLAN、IrDA、IrSS、及びWCDMAなどの有線又は無線通信による配信などが例示できる。
【0160】
なお、本実施形態では、3D化補完情報を外部から取得する通信形態の一例として「インターネット配信」を例にとって説明するが、通信形態は、「インターネット配信」に限定されず、放送や、ケーブル通信など、有線通信、無線通信に関わらず、いずれの通信形態も本発明の範疇に含まれる。
【0161】
また、「2D映像コンテンツP」が放送コンテンツである場合は、NTSC方式、PAL方式、SECAM方式、HD-MAC方式、ATV方式によるTV放送、二音声多重放送、ステレオホニック音声多重放送、放送衛星若しくは通信衛星からの電波を利用した衛星放送、有線放送TV、高画質テレビジョン、高精細度テレビジョン、MUSE方式、ワンセグ、3セグ、及び地上デジタル放送などの放送番組などが例示できる。
【0162】
また、「3D化補完情報」の例としては、2D映像コンテンツPを擬似的に3D化するための擬似3D化情報や、2D映像コンテンツPを右目用映像又は左目用映像のいずれかとした場合の、左目用映像又は右目用映像等が例示できる。
【0163】
すなわち、3D化を実現するための「3D化補完情報」は、右目用映像又は左目用映像のような、実際の映像データである必要はなく、2D映像コンテンツP(右目用映像又は右目用映像)に対しての差分情報でも良いし、そもそも映像データに関するものでなくてよく、2D映像の3D化を実現するための補完情報であれば良い。
【0164】
なお、記録処理用情報は、ROM領域である第3情報記録領域20Bに記録されているので、予め記録される記録処理用情報に対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
【0165】
次に、図1の下部のテーブルに示すように、光ディスク200の第3情報記録領域20Bには、記録処理用情報の一例である、3D化補完情報記録スペース40Aに3D化補完情報をダウンロード記録させるためのダウンロード情報が予め記録される。
【0166】
これにより、ダウンロード情報に基づいて、3D化補完情報記録スペース40Aに3D化補完情報をダウンロード記録させることが可能となる。
【0167】
「ダウンロード情報」とは、例えば、2D映像コンテンツPのデータ形式又は圧縮形式などを含む2D映像コンテンツPの規約に関する情報、2D映像コンテンツPの配信元を示すURLなどの各種情報が該当する。
【0168】
なお、ダウンロード情報は、ROM領域である第3情報記録領域20Bに記録されているので、予め記録されるダウンロード情報に対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
【0169】
また、図1の下部のテーブルには、特に図示していないが、R又はRE領域である第2情報記録層40には、上述したダウンロード情報に対応する3D化補完情報の3D化補完情報記録スペース40Aへの記録の取り消しを決定するための無効化情報を記録することが可能な無効化情報記録領域を別途設けても良い。
【0170】
これにより、3D化補完情報が、ユーザにとって不要な情報となった場合、そのダウンロード情報を無効化情報により無効にすることで、3D化補完情報のダウンロード記録に使用される3D化補完情報記録スペース40A(及び2D映像記録スペース40B)を他のコンテンツの記録に転用できるようにすることができる。
【0171】
よって、例えば、2D映像コンテンツPの視聴後、他のコンテンツの記録に転用できないRE領域を有する光ディスク200となって、完全にユーザにとって、不要な光ディスク200となってしまうことを防止することができる。
【0172】
ここで、「無効化情報」とは、ダウンロード情報に対応する3D化補完情報及び/又は2D映像コンテンツPの3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bへの記録の取り消しを決定するための情報である。例えば、「無効化情報」が存在している場合には、ダウンロード情報に対応する3D化補完情報及び/又は2D映像コンテンツPの3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bへの記録の実行が行なわれないようにしたり、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bを他のコンテンツの記録に転用できるようにしたりすることができる。
【0173】
次に、光ディスク200の第3情報記録領域20Bには、記録処理用情報の他の一例である、3D化データ配列用情報(配列処理用情報)が予め記録される。
【0174】
「3D化データ配列用情報」は、2D映像コンテンツPと3D化補完情報とを、3D映像として再生できるように配列して、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bに記録する処理を行うための情報である。
【0175】
これにより、3D化データ配列用情報を用いて、3D映像として再生できるように配列して、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bに記録することが可能となる。
【0176】
よって、このように、3D化データ配列用情報を用いて、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bに、2D映像コンテンツPと、3D化データ配列用情報とを配列して記録しておけば、3D映像を再生するために、2D映像コンテンツPを光ディスク200の第1情報記録領域20Aから一端読み出して記録しておく必要がない。したがって、後述する3D映像視聴システム1に付属したメモリや、ハードディスクなどの記録容量の節約が可能となる。
【0177】
ここで、「配列処理」とは、まず、図2(b)に示すように、3D化補完情報を複数の左目用映像情報(分割情報,補完情報)L1〜L4・・・に分割する。そして、例えば、左目用映像情報L1とその次の左目用映像情報L2との間に、左目用映像情報L1に対応する2D映像コンテンツPの一情報単位である右目用映像作成用補完情報R1を挿入して、左目用映像情報L1〜L4・・・と、右目用映像作成用補完情報(映像コンテンツ,2次元映像)R1〜R4・・・とを交互に配列する処理のことである。このような処理により2D映像による2D映像コンテンツPをそのまま3D再生可能に記録することができる。
【0178】
また、「3D化データ配列用情報」は、左目用映像情報L1〜L4・・・と、右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・とを交互に配列するときの記録開始位置及び記録終了位置などの、配列処理の用に供されるデータであっても良い。
【0179】
また、「3D化データ配列用情報」は、図2(a)に示すように、例えば、左目用映像情報L1と、その次の左目用映像情報L2との間に2D映像記録スペース40Bを空け、その2D映像記録スペース40Bに、左目用映像情報L1に対応する右目用映像作成用補完情報R1を挿入して、図2(b)に示すように、左目用映像情報L1〜L4・・・と、右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・とを交互に配列する処理を行う3D化データ配列処理ソフトなどであっても良い。
【0180】
ここで、「3D化データ配列用情報」が、上述した配列処理の用に供されるデータである場合について説明する。
【0181】
この場合、3D映像視聴システム1が「3D化データ配列用情報」、すなわち、右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・及び左目用映像情報L1〜L4・・・のそれぞれの記録開始位置及び記録終了位置などに従って、これらを、交互に配列して光ディスク200の3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bに記録するように構成すれば良い。
【0182】
なお、3D化データ配列用情報は、ROM領域である第3情報記録領域20Bに記録されているので、予め記録される3D化データ配列用情報に対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
【0183】
また、スタンパ作製時に情報の記録が可能になるので、光ディスク200作製後に情報を記録する場合やインターネット等による情報配信に比較して、安価に短時間に大量配布することが可能になる。
【0184】
次に、光ディスク200の第3情報記録領域20Bには、記録処理用情報のさらに他の一例として、伸張処理ソフト(伸張処理プログラム)が、記録される。
【0185】
「伸張処理ソフト」は、3D化補完情報が圧縮されている場合に、その圧縮された3D化補完情報を伸張するためのソフトウェアプログラムである。
【0186】
これにより、伸張処理ソフトを起動させて、2D映像コンテンツPに関連する圧縮された3D化補完情報を伸張し、伸張された3D化補完情報を光ディスク200に記録することにより、簡単に2D映像による2D映像コンテンツPを3D化した3D映像の記録が実質的に可能となる。
【0187】
また、これにより、光ディスク200から、伸張処理ソフトを読み出し、圧縮された3D化補完情報を伸張すると共に、圧縮された3D化補完情報に関連する2D映像コンテンツPを読出すことが可能となるので、2D映像による2D映像コンテンツPを3D化した3D映像の視聴が可能となる。
【0188】
さらに、2D映像コンテンツPではなく、圧縮された3D化補完情報を配信するようにしているので、2D映像コンテンツPを、3D化による配信情報量の増大を大幅に抑えつつ、簡単に3D化して記録したり視聴したりすることができる。例えば、上述したMPEG方式によれば、圧縮率を1/50〜1/200程度に抑えれば、画質を劣化させることなく、3D化補完情報を圧縮することが可能である。
【0189】
「圧縮方式」の例としては、主として、画素単位又は複数の画素ブロック単位でDCT変換を行って色の変化のデータ及び高周波成分などをカットして静止画像を圧縮するJPEG方式や、時間方向で動き補償処理を行って動画像を圧縮するMPEG方式などを例示することができる。MPEG方式の例としては、MPEG1,MPEG2の他、H.264,Windows,Quick Time,DivXなどの規格に採用されているMPEG4などを例示することができる。
【0190】
特に、図2(a)及び(b)に示すように、2D映像コンテンツPを、右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・とし、3D化補完情報を、左目用映像情報L1〜L4・・・とした視差を利用した3D映像の場合、各右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・と、各左目用映像情報L1〜L4・・・との差分情報を用いてMPEG方式による画像圧縮を行うことが好ましい。これにより、3D映像の圧縮率を高くすることができるので、配信情報量の増大を大幅に抑えることが可能となる。
【0191】
より具体的には、各右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・及び各左目用映像情報L1〜L4・・・は、フレーム内でデータ圧縮されたIピクチャと、時間的に前方向の前記Iピクチャによる動き補償を加えてデータ圧縮されたPピクチャと、時間的に前後方向の前記Iピクチャ又は前記Pピクチャによる動き補償を加えてデータ圧縮されたBピクチャとを有するデジタル映像情報で構成する。
【0192】
また、例えば、左目用映像情報L1を、画素単位又は圧縮映像の最小単位であるマクロブロック単位で、右目用映像作成用補完情報R1に対する視差角により再現可能な視差角情報と、前記視差角情報で再現できない差分情報とで構成し、前記視差角情報及び前記差分情報を3D化補完情報(左目用映像情報L1)として光ディスク200に記録する。
【0193】
なお、伸張処理ソフトは、ROM領域である第3情報記録領域20Bに記録されているので、予め記録される伸張処理ソフトに対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
【0194】
次に、光ディスク200の第3情報記録領域20Bには、3D化許可キー(又は3D化許諾キー:許諾情報)が予め記録される。
【0195】
「3D化許可キー」は、2D映像コンテンツPを3D化することが許諾されていることを示す情報である。
【0196】
これにより、2D映像コンテンツPを3D化する利用許諾を、光ディスク200にあらかじめ記録されている3D化許可キーを用いて行うことにより、正当な3D化許可キーが記録されていない情報記録媒体に対する2D映像コンテンツPの3D化を不可能にすることができる。
【0197】
言い換えれば、光ディスク200に予め記録されている3D化許可キーが、2D映像コンテンツPを3D化することが許諾されていることを示す情報、すなわち、2D映像コンテンツPの3D化をユーザに保証する情報となる。
【0198】
よって、3D化許可キーが、予め第3情報記録領域20Bに記録された光ディスク200を用いて2D映像コンテンツPを3D化すれば、著作権や著作隣接権などを気にすることなく、ユーザは、安心して2D映像コンテンツPの3D化を行うことができる。
【0199】
また、3D化許可キーが、予め第3情報記録領域20Bに記録された光ディスク200第1情報記録領域20Aに記録されている2D映像コンテンツPは、確実に配信サイト等が製作したものであることを保証する意味もあるので、配信サイト等のサービス提供に応じたユーザ嗜好に合致した2D映像コンテンツPの3D化が可能となる。
【0200】
なお、「正当な3D化許可キー」は、3D化補完情報に付随して配信される配信データに含まれていても良いし、2D映像コンテンツPの紹介誌などに掲載された2D映像コンテンツPに対応するバーコード情報などに含まれていても良い。
【0201】
さらに、「正当な3D化許可キー」は、光ディスク200を販売する際に、正当な購入者のみが知り得るようにした暗号鍵であっても良い。
【0202】
この場合には、後述する操作部126を介して暗号鍵がユーザによって3D映像視聴システム1に入力されたときに、光ディスク200を用いた2D映像コンテンツPの3D化を可能とする。
【0203】
すなわち、これらのデータに含まれる3D化許可キーと、光ディスク200の第3情報記録領域20Bに記録されている3D化許可キーとが一致するか否かによって「3D化許可キー」が正当か否かを判断すれば良い。
【0204】
ここで、「3D化」とは、2D映像コンテンツPと、3D化補完情報(又は圧縮された3D化補完情報が伸張された3D化補完情報)とを、3D映像として再生することや、3D映像として再生できるように配列して記録することなどである。
【0205】
また、3D化許可キーのような「許諾情報」の例としては、3D化補完情報(圧縮された3D化補完情報)、又は記録処理用情報の利用や、圧縮された3D化補完情報の伸張を許諾する3次元化許諾キー(暗号鍵)や利用許諾契約に関する情報などが列挙できる。
【0206】
なお、3D化許可キーは、ROM領域である第3情報記録領域20Bに記録されているので、予め記録される3D化許可キーに対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
【0207】
また、スタンパ作製時に情報の記録が可能になるので、光ディスク200作製後に情報を記録する場合やインターネット等による情報配信に比較して、安価に短時間に大量配布することが可能になる。
【0208】
「3D化許可キー」は、2D映像コンテンツPの著作権者、若しくは著作隣接権者等の管理の下、光ディスク200にあらかじめ記録されるものである。したがって、ユーザが、この3D化許可キーが記録された光ディスク200を用いて2D映像コンテンツPを3D化したり、2D映像コンテンツPを3D化して記録したりする行為自体は、2D映像コンテンツPの違法利用には該当しない。
【0209】
また、例えば、光ディスク200の販売価格に、3D化の許諾の対価としてユーザが支払うべき権利使用料を含めることにより、光ディスク200のユーザは、この光ディスク200の購入の際、3D化の許諾の対価を支払うことができる。また、許諾される3D化は、他の記録媒体へのダビングに関するものであっても良い。
【0210】
なお、上述した例の他、ROM領域である第3情報記録領域20Bには、2D動画映像を擬似的に3D化するか、又は3Dフォトフレーム用に、2Dフォトデータを擬似的に3D化する擬似3D化処理プログラムが入っていても良い。
【0211】
また、3D化許可キー、擬似3D化処理プログラムを、ROM領域である第3情報記録領域20Bに記録すれば、予め記録される3D化許可キー、擬似3D化処理プログラムに対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
【0212】
また、スタンパ作製時に情報の記録が可能になるので、光ディスク200作製後に情報を記録する場合やインターネット等による情報配信に比較して、安価に短時間に大量配布することが可能になる。
【0213】
〔2.情報記録媒体及び情報記録再生装置に関する基本事項〕
ここで、図3〜図11に基づき、本発明の情報記録媒体の一実施形態である光ディスク200及び光ディスク201や、光ディスク200及び光ディスク201に対応した再生システム(情報記録再生装置)100に関する基本事項について説明する。
【0214】
まず、本発明の情報記録媒体の一実施形態であるこれらの記録媒体の具体的な構造について説明する。
【0215】
図1及び図3に示すように、本実施形態の光ディスク200は、再生光入射面側から順に、透光層10、第1情報記録層20、中間層30、第2情報記録層40及び基板50が積層された構造となっている。
【0216】
なお、図1は、光ディスク200の概略構成の一例を示す模式図であり、図3は、光ディスク200の概略構成の一例を示す断面図である。
【0217】
透光層10は、例えば、厚さ75μmの紫外線硬化樹脂からなる。透光層10の材料は、再生光の波長において透過率が高いものであれば良い。すなわち、透光層10は、例えばポリカーボネートフィルムと透明粘着剤とで形成されていても良い。また、透光層10の表面には、表面保護のためのハードコートが設けられていても良い。さらに、透光層10の厚さは、光ディスク200に対応する情報記録再生装置が有する光学系に応じて変更されても良い。具体的には、透光層10は、例えば0.6mmのポリカーボネ−ト基板であっても良い。
【0218】
第1情報記録層20は、ROM層であり、例えば、成膜時の窒素流量により屈折率調整された厚さ15nmの窒化アルミからなる。第1情報記録層20の厚さ及び材料は、これに限られるものではなく、例えば再生光波長における第1情報記録層20の反射率の値が0.4%より大きく2.2%以下となるものであれば良い。
【0219】
すなわち、第1情報記録層20は、再生光波長において透光性を有しており、前記反射率の値は、第2情報記録層40を再生するときの第2再生光ではフォーカス引き込みが不可能になる値であり、第1情報記録層20を再生するときの第1再生光ではフォーカス引き込みが可能になる値であれば良い。
【0220】
具体的には、第1情報記録層20は、前記窒化アルミの他に、例えば窒化シリコン、又は、窒化アルミもしくは窒化シリコンを主成分とする誘電体からなっていても良く、多層構造であっても良い。
【0221】
ここで、前記第2再生光は、第2情報記録層40等のRE層を再生するときに光ディスク200に照射されるものであり、例えば旧規格の光情報記録媒体に対応した情報記録再生装置でも照射できるものである。また、前記第1再生光は、第2再生光よりも強度が高く、第1情報記録層20を再生するときに光ディスク200(又は後述の光ディスク201)に照射されるものである。この第1再生光は、新規格の光情報記録媒体に対応した情報記録再生装置にて照射されるものである。
【0222】
中間層30は、例えば、厚さ25μmの透明紫外線硬化樹脂からなる。中間層30の材料は、これに限られたものではなく、再生光の波長において透過率が高い材料であれば良い。また、中間層30の厚さも、これに限られたものではなく、各記録層(ここでは、第1情報記録層20及び第2情報記録層40)を分離でき、層間クロストークが問題にならない適度の厚さであれば良い。
【0223】
なお、層間クロストークとは、再生中の記録層以外の記録層からのノイズを指す。さらに、中間層30は、多層構造であっても良い。また、中間層30の、第1情報記録層20側の面には、第1情報記録層20に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピット(図示しない)が設けられている。
【0224】
第2情報記録層40は、RE層であり、図3に示すように、例えば7層の薄膜からなる。この7層の薄膜は、再生光入射側から、第1保護膜41(例えば、厚さ35nmのZnS−SiO)、第2保護膜42(例えば、厚さ5nmのZrO)、記録層43(例えば、厚さ10nmのGeTe−SbTe)、第3保護膜44(例えば、厚さ5nmのZrO)、第4保護膜45(例えば、厚さ35nmのZnS−SiO)、第5保護膜46(例えば、厚さ5nmのZrO)、及び反射膜47(例えば、厚さ20nmのAPC(AgPdCu))が順に積層されてなる。
【0225】
なお、第2情報記録層40の材料、厚さ及び層数は、これに限られるものではなく、RE層として機能するものであれば良い。
【0226】
基板50は、例えば、厚さ1.1mmのポリカーボネートからなる。基板50の材料、大きさ及び厚さは、これに限られるものではなく、表面にグルーブが設けられており、前記かつ基板として使用できる程度の所定の強度があれば良い。具体的には、基板50は、例えばポリオレフィン樹脂、金属等からなっていても良い。さらに、基板50は、多層構造であっても良い。
【0227】
なお、前記基板50の表面には、グルーブの他に、第2情報記録層40に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットが設けられていても良い。この場合、第2情報記録層40のプリピットが設けられた領域は、情報の読み出しのみ可能な領域となる。すなわち、第2情報記録層40は、RE領域とROM領域とを含む構成であっても良い。但し、本発明を適用する観点からは、このROM領域の範囲はRE領域と比較してできるだけ狭い方が好ましい。
【0228】
また、図4に示すように、本実施形態の別の一例である光ディスク201は、再生光入射面側から順に、透光層10、第1情報記録層20、中間層30、第3情報記録層(情報が記録可能な層、記録層)60、中間層30、第2情報記録層40及び基板50が積層された構造となっている。なお、図4は、光ディスク201の概略構成の一例を示す断面図である。
【0229】
透光層10は、例えば、厚さ50μmの紫外線硬化樹脂からなる。透光層10の材料は、再生光の波長において透過率が高いものであれば良い。すなわち、透光層10は、例えばポリカーボネートフィルムと透明粘着剤とで形成されていても良い。また、透光層10の表面には、表面保護のためのハードコートが設けられていても良い。さらに、透光層10の厚さは、光ディスク201の情報記録再生装置が有する光学系に応じて変更されても良い。具体的には、透光層10は、例えば0.6mmのポリカーボネ−ト基板であっても良い。第1情報記録層20は、ROM層であり、例えば、成膜時の窒素流量により屈折率調整された厚さ15nmの窒化アルミからなる。
【0230】
第1情報記録層20の厚さ及び材料は、これに限られるものではなく、例えば再生光波長における第1情報記録層20の反射率の値が0.4%より大きく2.2%以下となるものであれば良い。すなわち、第1情報記録層20は、再生光波長において透光性を有しており、前記反射率の値は、第2情報記録層40又は第3情報記録層60を再生するときの第2再生光ではフォーカス引き込みが不可能になる値であり、第1情報記録層20を再生するときの第1再生光ではフォーカス引き込みが可能になる値であれば良い。
【0231】
具体的には、第1情報記録層20は、前記窒化アルミの他に、例えば窒化シリコン、又は、窒化アルミもしくは窒化シリコンを主成分とする誘電体からなっていても良く、多層構造であっても良い。
【0232】
中間層30は、例えば、厚さ25μmの透明紫外線硬化樹脂からなる。中間層30の材料は、これに限られたものではなく、再生光の波長において透過率が高い材料であれば良い。また、中間層30の厚さも、これに限られたものではなく、各記録層(ここでは、第1情報記録層20、第2情報記録層40及び第3情報記録層60)を分離でき、層間クロストークが問題にならない適度の厚さであれば良い。さらに、中間層30は、多層構造であっても良い。
【0233】
また、第1情報記録層20と第3情報記録層60との間に積層されている中間層30において、この中間層30の、第1情報記録層20側の面には、第1情報記録層20に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットが設けられている。
【0234】
なお、第2情報記録層40と第3情報記録層60との間に積層されている中間層30において、この中間層30の、第3情報記録層60側の面には、グルーブが設けられている。なお、中間層30には、グルーブと第3情報記録層60に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットとが設けられていても良い。この場合、第3情報記録層60のプリピットが設けられた領域は、情報の読み出しのみ可能な領域となる。すなわち、第3情報記録層60は、RE領域とROM領域とを含む構成であっても良い。
【0235】
但し、本発明を適用する観点からは、このROM領域の範囲はRE領域と比較してできるだけ狭い方が好ましい。
【0236】
第2情報記録層40は、RE層であり、例えば7層の薄膜からなる。この7層の薄膜は、再生光入射側から、第1保護膜41(例えば、厚さ35nmのZnS−SiO)、第2保護膜42(例えば、厚さ5nmのZrO)、記録層43(例えば、厚さ10nmのGeTe−SbTe)、第3保護膜44(例えば、厚さ5nmのZrO)、第4保護膜45(例えば、厚さ35nmのZnS−SiO)、第5保護膜46(例えば、厚さ5nmのZrO)、及び反射膜47(例えば、厚さ20nmのAPC(AgPdCu))が順に積層されてなる。
【0237】
なお、第2情報記録層40の材料、厚さ及び層数は、これに限られるものではなく、RE層として機能するものであれば良い。
【0238】
第3情報記録層60は、RE層であり、例えば、6層の薄膜からなる。この6層の薄膜は、再生光入射側から、第1保護膜61(例えば、厚さ35nmのZnS−SiO)、第2保護膜62(例えば、厚さ5nmのZrO)、記録層63(例えば、厚さ6nmのGeTe−SbTe)、第3保護膜64(例えば、厚さ5nmのZrO)、半透明膜65(例えば、厚さ20nmのAPC(AgPdCu))、及び透過率調整膜66(例えば、厚さ19nmのTiO)が順に積層されてなる。
【0239】
第3情報記録層60の材料、厚さ及び層数は、これに限られるものではなく、再生光の波長において透過率60%程度を有するRE層として機能するものであれば良い。
【0240】
基板50は、例えば、厚さ1.1mmのポリカーボネートからなる。基板50の材料、大きさ及び厚さは、これに限られるものではなく、表面にグルーブが設けられており、かつ基板として使用できる程度の所定の強度があれば良い。具体的には、基板50は、例えばポリオレフィン樹脂、金属等からなっていても良い。さらに、基板50は、多層構造であっても良い。
【0241】
なお、前記基板50の表面には、グルーブの他に、第2情報記録層40に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットが設けられていても良い。この場合、第2情報記録層40のプリピットが設けられた領域は、情報の読み出しのみ可能な領域となる。すなわち、第2情報記録層40は、RE領域とROM領域とを含む構成であっても良い。
【0242】
但し、本発明を適用する観点からは、このROM領域の範囲はRE領域と比較してできるだけ狭い方が好ましい。
【0243】
なお、光ディスク201は、上述した構成に限られるものではなく、RE層のいずれかがR層であっても良い。
【0244】
また、光ディスク200及び光ディスク201は、2層又は3層構造に限られたものではなく、さらに記録層を加えた光情報記録媒体であっても良い。
【0245】
また、光ディスク200(及び光ディスク201)は、再生光波長をλ、第1情報記録層20の厚さをd、透光層10と第1情報記録層20と中間層30との屈折率を各々n0、n1、nとした場合、
【0246】
【数1】

【0247】
が成り立つことが好ましい。なぜならば、再生光波長をλ、第1情報記録層20の厚さをd、透光層10と第1情報記録層20と中間層30の屈折率を各々n0、n1、nとした場合の第1情報記録層の再生光波長における反射率は、非特許文献1に記載されているように、前記式で表すことができるからである。
【0248】
前記式によれば、第1情報記録層20の再生光波長における反射率を得るための構造が特定できる。
【0249】
また、光ディスク200(及び光ディスク201)の第1情報記録層20は、屈折率が1.75より大きく2.06以下である誘電体からなることが好ましい。
【0250】
通常、透光層10及び中間層30には共に屈折率1.5程度の樹脂が多く使われる。また、第1情報記録層20の膜厚は、再生耐久性と膜厚増による成膜時間の増大に伴うコストアップとを考慮した場合、約15nm程度が好適である。この実際の生産を考慮した場合に生じる前記2つの限定を考慮すると、前記非特許文献1に記載されている式から、第1情報記録層20の屈折率は、1.75より大きく2.06以下と求められる。
【0251】
〔実施例〕
図3に示す光ディスク200を実施例1とし作製し、この実施例1の比較例1として、図5に示す光ディスク202を作製した。以下に、各々の構造を図3及び図5を用いて説明する。なお、図5は、実施例1として作製された光ディスク200の比較例1である光ディスク202の概略構成を示す断面図である。
【0252】
実施例1である光ディスク200は、図3に示すように、再生光入射面側から順に、透光層10、第1情報記録層20、中間層30、第2情報記録層40及び基板50が積層された構造となっている。
【0253】
透光層10は、厚さ75μmの紫外線硬化樹脂(再生光波長における屈折率1.50)からなる。
【0254】
第1情報記録層20は、ROM層であり、成膜時の窒素流量により屈折率調整された厚さ15nmの窒化アルミ(再生光波長における屈折率2.01)からなる。第1情報記録層20を形成する窒化アルミは、スパッタ法により中間層30の表面に成膜されている。
【0255】
中間層30は、厚さ25μmの透明紫外線硬化樹脂(再生光波長における屈折率1.50)からなる。また、この中間層30の、第1情報記録層20側の面には、2P法(photo polymer法)により第1情報記録層20に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットが設けられている。ここで、2P法とは、平板と原盤との間に紫外線硬化樹脂を充填し、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させた後原盤を剥離することによって、平板上に原盤の凹凸を転写する手法を指す。
【0256】
第2情報記録層40は、RE層であり、スパッタ法により7層の薄膜が積層されている。具体的には、再生光入射側から、第1保護膜41(厚さ35nmのZnS−SiO)、第2保護膜42(厚さ5nmのZrO)、記録層43(厚さ10nmのGeTe−SbTe)、第3保護膜44(厚さ5nmのZrO)、第4保護膜45(厚さ35nmのZnS−SiO)、第5保護膜46(厚さ5nmのZrO)、及び反射膜47(厚さ20nmのAPC(AgPdCu))が順に積層されている。
【0257】
基板50には、直径120mm、厚さ1.1mmである、グルーブを有するポリカーボネートの円盤状基板を使用した。
【0258】
比較例1である光ディスク202は、図5に示すように、再生光入射面側から順に、透光層10、第1情報記録層(情報を読み出すことのみ可能な層,記録層)120、中間層30、第2情報記録層40及び基板50が積層された構造となっている。光ディスク202の第1情報記録層120は、従来、使用されている金属半透明膜APC(AgPdCu)からなり、厚さ5nmに成膜されたものである。その他の層(透光層10、中間層30、第2情報記録層40及び基板50)は、実施例1と同一に作製されている。
【0259】
なお、第1情報記録層20及び第1情報記録層120の透過率は、実施例1の第1情報記録層20では95%、比較例1の第1情報記録層120では80%であった。また、実施例1の第1情報記録層20の再生光波長における反射率は1.8%であり、第2情報記録層40の戻り光率は13.5%であった。一方、比較例1の第1情報記録層120の再生光波長における反射率は8%であり、第2情報記録層40の戻り光率は9.6%であった。
【0260】
次に、実施例1と比較例1との、再生初期における記録層数カウント時に検出されるS字特性を、BD(Blu−Ray Disc)用評価機として一般的に用いられる、波長406nmのレーザ光を出射可能な半導体レーザとN.A.(開口率)0.85の光学系とを有するディスク評価機(パルステック社製 ODU−1000)にて測定した。この測定によって得られた結果を図6(a)、図6(b)、及び図6(c)に示す。
【0261】
ここで、図6(a)・図6(b)は、レーザ強度を、RE層を再生するための強度であり、かつ現状の規格化されているBD情報記録再生装置における最大再生レーザパワーである0.7mWに設定して、光ディスク200、及び202にそれぞれ照射することによって得られたS字特性を示す図である。
【0262】
なお、図6(a)は、実施例1である光ディスク200に対する測定によって得られたS字特性を示し、図6(b)は、比較例1である光ディスク202に対する測定によって得られたS字特性を示す図である。また、図6(c)は、レーザ強度を、ROM層を再生するための強度である1.0mWに設定して、実施例1である光ディスク200にそれぞれ照射することによって得られたS字特性を示す図である。
【0263】
図6(a)に示すように、実施例1の第1情報記録層20におけるS字特性の実測値は、186mVであり、前記ディスク評価機におけるフォーカスがかかるための基準電圧+V1(230mV)を超えていない。よって、図6(a)は、現状の規格化されているBD情報記録再生装置における最大再生レーザパワーである0.7mWのレーザ光で記録層数のカウントを行う情報記録再生装置(第1情報記録層20に対応していない旧規格対応情報記録再生装置)は、第1情報記録層20を記録層として認識できないことを示している。
【0264】
このため、前記旧規格対応情報記録再生装置は、当然ながら、第1情報記録層20にフォーカスすることはできない。実際、測定時において第1情報記録層20へのフォーカスを行ったが、通常市販されている民生用ディスク情報記録再生装置に比べ様々な光情報記録媒体に対応可能な汎用性の高い前記ディスク評価機であってもフォーカスがかかることはなかった。なお、基準電圧+V1は、前記ODU−1000において、2層情報記録媒体に記録された情報を再生評価できる値として設定された値である。
【0265】
一方、図6(b)に示すように、比較例1の第1情報記録層120におけるS字特性の実測値は、847mVであり、基準電圧+V1(230mV)を超えている。よって、図6(b)は、現状の規格化されているBD情報記録再生装置における最大再生レーザパワーである0.7mWのレーザ光で記録層数のカウントを行う情報記録再生装置(第1情報記録層120に対応していない旧規格対応情報記録再生装置)が、第1情報記録層120を記録層として認識できることを示している。
【0266】
前記結果より、実施例1の第1情報記録層20は、比較例1と比較して、現状の規格化されているBD情報記録再生装置における最大再生レーザパワーである0.7mWのレーザ光での記録層数のカウント時において、前記旧規格対応情報記録再生装置に認識される可能性は極めて低い。すなわち、第1情報記録層20は、通常用いられている情報記録再生装置以上に汎用性の高いディスク評価機にてフォーカス不可能であるため、前記旧規格対応情報記録再生装置では実質認識できないと言える。
【0267】
一方、比較例1の第1情報記録層120は、現状の規格化されているBD情報記録再生装置における最大再生レーザパワーである0.7mWのレーザ光での記録層数カウント時において、前記旧規格対応情報記録再生装置に認識される可能性が高い。これは、現時点において通常用いられている旧規格対応情報記録再生装置は、2層の記録層まで対応可能となっているためである。しかしながら、前記旧規格対応情報記録再生装置は、第1情報記録層120という未知の記録層を認識することとなるため、再生不良を引き起こす可能性がある。
【0268】
また、図6(c)に示すように、実施例1の第1情報記録層20におけるS字特性の実測値は、274mVであり、基準電圧+V1(230mV)を超えている。よって、図6(c)は、第1情報記録層20を再生するための強度である1.0mWのレーザ光で記録層数のカウントを行う情報記録再生装置(第1情報記録層20に対応している新規格対応情報記録再生装置)は、第1情報記録層20を記録層として認識できることを示している。すわなち、前記新規格対応情報記録再生装置は、当然ながら第1情報記録層20にフォーカスすることができ、第1情報記録層20を再生することが可能である。実際、測定時において第1情報記録層20へのフォーカスを行い、フォーカスがかかることを確認した。
【0269】
なお、図6(a)及び図6(c)に示すように、実施例1の第2情報記録層40のS字特性の実測値は、各々1438mVと2105mVとであり、共に基準電圧+V1(230mV)を超えている。このため、新旧いずれの規格に対応した情報記録再生装置(すなわち、前記旧規格対応情報記録再生装置又は新規格対応情報記録再生装置)であっても、第2情報記録層40をフォーカスすることができ、第2情報記録層40に対して、情報の記録・再生が可能となる。
【0270】
以上のように、光ディスク200は、旧規格対応情報記録再生装置にて再生された場合であっても、比較例1のように前記旧規格対応情報記録再生装置に対して再生不良を生じさせることなく、第2情報記録層40への情報の記録・再生が可能となる。また、新規格対応情報記録再生装置では、第1情報記録層20に記録された情報も再生可能であるので、光ディスク200は、第2情報記録層40における記録容量の限界値を保ったまま記録容量を向上させることができたと言える。なお、光ディスク201についても、光ディスク200と同様のことが言える。
【0271】
ところで、通常用いられている情報記録再生装置がフォーカスできる限界は、上述したようにS字特性に依存するので、基本的には反射光量に依存する。ここで、複数のサンプルを用いて、各再生エレーザパワーにおけるフォーカスできない反射率の上限値を、上述のディスク評価機にて測定した。このときの測定結果を図7(a)に示す。
【0272】
図7(a)に示すように、現状の規格化されているBD情報記録再生装置における最大再生レーザパワーである0.7mWでは、反射率2.2%が、フォーカスできない(認識できない)反射率の上限値であることがわかる。
【0273】
なお、再生レーザパワーは、BD情報記録再生装置によってばらつく可能性が高いため、実際には2割程度高いパワー(0.84mW)である場合も考えられる。この場合(再生レーザパワー0.84mW)であっても、フォーカスできない(認識できない)反射率の上限値は、図7(a)に示す結果より1.8%と求めることができた。
【0274】
また、光ディスク200及び光ディスク201は、RE層(第2情報記録層40及び第3情報記録層60)を含んでいる。よって、記録層数カウント時に、RE層に対して第1情報記録層20を再生するための高いレーザパワーの再生光が集光照射される可能性がある。
【0275】
ところで、記録層数カウントは、通常、リードインエリアで行われる。そこで、現在市販されている単層BD−REのリードインエリアの反射率を、前記ディスク評価機より再生レーザパワーを上げることが可能な、波長405nmのレーザ光を出射可能な半導体レーザとN.A.(開口率)0.85の光学系とを有するディスク評価機(パルステック社製 DDU−1000)にて測定した。
【0276】
まず、単層BDの再生レーザパワーである0.35mWで前記リードインエリアの反射率を測定し、次に、より高い再生レーザパワーを照射した後、再度0.35mWに戻して前記リードインエリアの反射率を測定する。この測定によって、RE層の劣化(前記リードインエリアの反射率の低下)が起こる再生レーザパワーを測定した。
【0277】
この結果、再生レーザパワーが3.5mWまでは反射率は変化しないが、4.0mWにて5%反射率が低下(すなわち、RE層が劣化)することがわかった。すなわち、3.5mWより高いレーザパワーで記録層数をカウントする場合、RE層のリードインエリアを劣化させる可能性がある。よって、図7(a)に示す結果より、3.5mWでフォーカスがかからない反射率の上限値を求めると0.4%であるので、第1情報記録層20の反射率は、0.4%より大きい必要があることになる。
【0278】
また、光ディスク200及び光ディスク201の再生時に、衝撃によってフォーカスが外れる場合もある。その場合、第1情報記録層20を再生する再生光が、RE層(第2情報記録層40又は第3情報記録層60)の情報記録領域の情報記録部に照射される可能性がある。そこで、現在市販されている2層RE−BDの前記情報記録部に再生光を照射し、記録情報が劣化する再生レーザパワーを測定した。なお、この測定は、上述のディスク評価機(ODU−1000)で行われ、記録情報の劣化の指標としては、再生信号の品質の指標として一般に用いられるジッタを用いた。このときの測定結果を図7(b)に示す。
【0279】
図7(b)に示すように、再生レーザパワーが1.2mWより高くなると、2層RE−BDの第1情報記録層(RE層)のジッタが急激に悪化する(すなわち、RE層が劣化する)ことがわかる。すなわち、RE層に記録された情報を劣化させることの無い再生レーザパワーの上限値は、1.2mWであることがわかる。
【0280】
したがって、図7(a)に示す結果より、再生レーザパワー1.2mW時のフォーカスがかからない反射率の上限値は1.2%であるため、1.2%より大きい反射率であれば、再生レーザパワー1.2mW以下でフォーカスできることになる。
【0281】
よって、光ディスク200及び光ディスク201の第1情報記録層20の再生光波長における反射率は、0.4%より大きく2.2%以下であれば良く、より好ましくは、1.2%より大きく1.8%以下であれば良い。
【0282】
なお、前記両ディスク評価機による測定結果は、再生光波長が、青色レーザ波長の範囲であれば、変わることはない。
【0283】
ところで、通常用いられている情報記録再生装置では、各記録層から検出されるS字特性の実測値が所定の基準電圧を超えると記録層が認識される。そして、前記情報記録再生装置によって記録層が認識されると、認識された記録層にフォーカスがかかり、この記録層の情報再生が可能になる。このS字特性の検出結果によって、フォーカスがかかり情報再生が可能となる理由を以下に説明する。
【0284】
まず、一般的な多層光情報記録媒体を再生する再生システム(情報記録再生装置)100について説明する。例えば、図9に示す4層の光ディスク400を再生する再生システム100の構成について、図8を用いて以下に説明する。
【0285】
図8に示すように、再生システム100のディスク駆動モータ101は、円盤状の光ディスク400(概略的な断面構造は図9参照)を所定の速度で回転駆動させる。このディスク駆動モータ101は、モータ制御回路109によって制御されている。また、このように回転駆動している光ディスク400からの情報の読み取りは、光学ピックアップ102によって行われる。
【0286】
光学ピックアップ102は、フィードモータ111の駆動力によって、光ディスク400の半径方向に移動できるように構成されている。このフィードモータ111は、フィードモータ制御回路108によって制御されている。また、フィードモータ111は、その回転速度が速度検出器112によって検出されるように構成されている。そして、速度検出器112は、検出した結果を速度信号として、フィードモータ制御回路108に供給する。
【0287】
前記光学ピックアップ102は、対物レンズ102aを備えている。この対物レンズ102aは、フォーカス方向(光軸方向)とトラッキング方向(光ディスク400の半径方向)とに、それぞれ移動可能に支持されている。そして、この対物レンズ102aは、フォーカス制御回路105にて生成されたフォーカス制御信号がフォーカス駆動コイル102cに供給されることによって、フォーカス方向の位置が制御される。同様に、対物レンズ102aは、トラッキング制御回路106にて生成されたトラッキング制御信号がトラッキング駆動コイル102bに供給されることによって、トラッキング方向の位置が制御される。
【0288】
また、レーザ制御回路103は、光学ピックアップ102内の半導体レーザ発振器102fを駆動し、半導体レーザ発振器102fにおいてレーザ光を発生させる。光量検出器102gは、この半導体レーザ発振器102fで発生するレーザ光の光量を検出し、この検出結果をレーザ制御回路103に帰還する。この構成により、レーザ制御回路103は、半導体レーザ発振器102fに発生させるレーザ光の光量を一定に制御することができる。
【0289】
そして、この半導体レーザ発振器102fで発生したレーザ光は、コリメータレンズ102eを通過してハーフプリズム102dにて直角に折曲された後、対物レンズ102aにより、光ディスク400の何れかの記録層上に集光することになる。この光ディスク400の何れかの記録層とは、図9に示す第1情報記録層A、第2情報記録層B、第3情報記録層C又は第4情報記録層Dを指す。なお、第1情報記録層A、第2情報記録層B、第3情報記録層C、及び第4情報記録層Dは、いずれも、情報に応じて設けられた凹凸からなるプリピット上にAPC(AgPdCu)が成膜されることでAPC(AgPdCu)の形状が固定された情報の読み出しのみ可能なROM層である。
【0290】
また、光ディスク400からの反射光は、対物レンズ102aを逆行し、ハーフプリズム102dを直進した後、集光レンズ102h及びシリンドリカルレンズ102iを介して、光電変換器102jに受光される。この光電変換器102jは、受光量に応じた電気信号を発生する4つのフォトディテクタ102j1〜102j4によって構成されている。この光電変換器102jの場合、フォトディテクタ102j1・102j2の並び方向及びフォトディテクタ102j3・102j4の並び方向が、光ディスク400のトラッキング方向に対応する。同様に、フォトディテクタ102j1・102j4の並び方向及びフォトディテクタ102j2・102j3の並び方向が、光ディスク400の接線方向に対応する。
【0291】
前記フォトディテクタ102j1から出力された電気信号は、増幅回路114aを介して加算回路113a・113dの1端にそれぞれ供給され、前記フォトディテクタ102j2から出力された電気信号は、増幅回路114bを介して加算回路113b・113cの1端にそれぞれ供給される。また、前記フォトディテクタ102j3から出力された電気信号は、増幅回路114cを介して加算回路113a・113cの他端にそれぞれ供給され、前記フォトディテクタ102j4から出力された電気信号は、増幅回路114dを介して加算回路113b・113dの他端にそれぞれ供給されている。
【0292】
前記加算回路113aの出力信号は、差動増幅回路104の反転入力端子−に供給され、前記加算回路113bの出力信号は、差動増幅回路104の非反転入力端子+に供給されている。この差動増幅回路104は、加算回路113a・113bの出力信号の差を算出することによってフォーカスエラー信号を生成し、フォーカス制御回路105に供給している。このフォーカス制御回路105は、入力されたフォーカスエラー信号が0レベルとなるようにフォーカス駆動コイル102cに与えるフォーカス制御信号を生成し、対物レンズ102aに対するフォーカスサーボが行われる。
【0293】
ここで、差動増幅回路104から出力されるフォーカスエラー信号は、対物レンズ102aによるレーザ光の集光位置を、その初期位置からフォーカス方向に順次移動させてフォーカスサーチ処理(すなわち、記録層数をカウントする処理)が行われた場合、図10(a)に示すように、S字特性を描く。
【0294】
具体的には、前記フォーカスサーチ処理が行われた場合、フォーカスエラー信号は、対物レンズ102aによるレーザ光の焦点位置が、図9に示す各記録層(第1情報記録層A、第4情報記録層D、第3情報記録層C及び第2情報記録層B)を通過する毎に、図10(a)に示すようなS字特性を描く。なお、前記初期位置とは、対物レンズ102aのフォーカス前の位置であり、通常、図8においては、光ディスク400の第1情報記録層Aの下方であって、光ディスク400から光軸方向に最も離れた位置を指す。
【0295】
例えば、光ディスク400の再生開始時には、再生システム100は、最初に、光学ピックアップ102内の半導体レーザ発振器102fにて、単層光情報記録媒体に対応した再生光を発生させる。
【0296】
次に、対物レンズ102aによるレーザ光の集光位置を、前記初期位置から図8においては上方に、駆動上限位置まで移動させる。そして、再生システム100は、フォーカスエラー信号が所定の基準電圧+V0を越えた回数をカウントすることにより、光ディスク400の記録層数を認識する。
【0297】
その後、再生システム100は、光ディスク400が有する記録層数に基づいて定められた再生光パワーを変更する。そして、再生システム100は、変更された再生光パワーにて、対物レンズ102aによるレーザ光の集光位置を、駆動上限位置から図8においては下方に、初期位置まで移動させる。そのときに、最初にフォーカスサーチ処理される記録層から検出されるフォーカスエラー信号の電圧値が、適切な値となるようフォーカス制御回路105等に含まれる増幅器のゲインを変更する。
【0298】
そして、例えば、第2情報記録層Bにフォーカスサーチ処理する場合、再生システム100は、フォーカスエラー信号が所定の基準電圧+V0を越えた回数をカウントし、4回目となった後、最初に0レベル(フォーカスサーボ動作の中心レベル)となった時点でフォーカスサーボをON状態とする。これにより、再生システム100における第2情報記録層Bに対するフォーカスサーチ処理が終了される。
【0299】
なお、図10(b)及び(c)は、再生システム100によって上述の第2情報記録層40にフォーカスサーチ処理が行われたときの対物レンズ位置の遷移とフォーカスエラー信号とを示す図であり、同図(b)は、対物レンズ位置の遷移を示す図であり、同図(c)は、フォーカスエラー信号を示すものである。
【0300】
また、例えば、第4情報記録層Dから第2情報記録層Bにレイヤージャンプする場合、再生システム100は、フォーカスサーボを一旦OFF状態にし、第4情報記録層Dから第2情報記録層40に対物レンズ102aによるレーザ光の焦点位置を順次移動させる。そして、再生システム100は、差動増幅回路104から出力されるフォーカスエラー信号が所定の基準電圧+V0を越えた回数をカウントし、2回目となった後、最初に0レベル(フォーカスサーボ動作の中心レベル)となった時点でフォーカスサーボをON状態とする。これにより、レイヤージャンプ処理が終了する。なお、レイヤージャンプ処理については、フォーカスサーチ処理とほぼ同じ処理のため図示していない。
【0301】
また、これらのフォーカスサーチ処理が行われたとき、位相差検出回路107は、光電変換器102jのフォトディテクタ102j1・102j4の出力信号の和と、フォトディテクタ102j2・102j3の出力信号の和との位相差が検出する。そして、位相差検出回路107は、この検出結果をトラッキングエラー信号としてトラッキング制御回路106に供給する。
【0302】
このトラッキング制御回路106は、入力されたトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング駆動コイル102bに与えるトラッキング制御信号を生成し、対物レンズ102aに対してトラッキングサーボを施す。そして、再生システム100では、このトラッキングサーボが行われている状態で光ディスク400の再生が行われる。そして、加算回路113c・113dから出力された電気信号が加算回路113eで合計され、データ再生回路(データ再生制御手段)110でデジタル信号に変換される。
【0303】
なお、前記再生システム100のレーザ制御回路103、フォーカス制御回路105、トラッキング制御回路106、モータ制御回路109及びデータ再生回路110は、制御部115によって制御されている。制御部115に付属するメモリ(図8には不図示:以下で説明する図13のメモリ116に相当)には、再生システム100に装填される光ディスク400の記録・再生に関する情報が記憶されている。制御部115は、この情報に従って前記各回路を制御することとなる。
【0304】
また、記録層からの反射率が大きくなると、再生システム100のフォーカスエラー信号の電圧値も大きくなる。
【0305】
ここで、一般的な多層光情報記録媒体(ここでは、光ディスク400)を再生する再生システム100における処理の流れを説明する。図11は、前記多層光情報記録媒体を再生する再生システム100における処理の流れを示すフローチャートである。
【0306】
まず、再生システム100に光ディスク400を装填後、ディスク駆動モータ101により、光ディスク400を所定回転数で回転させる(S1)。次いで、制御部115は、光ディスク400のリードインエリアに対向する位置に、光学ピックアップ102を移動し、所望のレイヤーにフォーカスサーチ処理する(S2)。このレイヤーとは、光ディスク400においては、第1情報記録層A、第2情報記録層B、第3情報記録層C及び第4情報記録層Dの何れかを指す。そして、トラッキング制御回路106がトラッキング処理を行い(S3)、再生システム100による情報再生処理が行われる(S4)。
【0307】
以上のように、前記再生システム100において、記録層の認識と各記録層へのフォーカスとは、全て各記録層から得られるS字特性に基づいて行われていることがわかる。したがって、前記のような多層光情報記録媒体の再生システム100が情報記録再生装置に用いられているので、この情報記録再生装置は、各記録層のS字特性を測定することによって、記録層の認識の有無及び再生の可否を判断することができる。
【0308】
〔3.本発明の一実施形態としての情報記録媒体〕
以上の説明で、本発明が適用される情報記録媒体及び情報記録再生装置の基本事項についての説明が終わった。
【0309】
そこで、次に、図1〜図4に基づき、本発明を光ディスク200、光ディスク201に適用する場合について説明する。
【0310】
まず、光ディスク200については、図3に示すように、再生光入射面側から順に、透光層10、第1情報記録層20、中間層30、第2情報記録層40及び基板50が積層された構造となっている。
【0311】
また、図1に示すように、第1情報記録層20には、ROM領域である第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bが割り当てられ、第2情報記録層40には、R又はRE領域である3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bが割り当てられている。
【0312】
なお、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bは、共にROM領域であるので、ここでは、同一の記録層である第1情報記録層20(単一のROM層)の情報記録領域が2つの情報記録領域に分けられていることになる。
【0313】
次に、光ディスク201については、図4に示すように、再生光入射面側から順に、透光層10、第1情報記録層20、中間層30、第3情報記録層(情報を記録可能な層,記録層)60、中間層30、第2情報記録層40及び基板50が積層された構造となっている。
【0314】
ここで、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bは、第1情報記録層20において、記録層として機能するために設けられる反射膜や記録膜等からなる単膜、又多層膜が設けられている媒体面方向(再生光の入射面の面内方向)の範囲を指すこととする。
【0315】
また、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bは、第1情報記録層20以外の記録層において、記録層として機能するために設けられる反射膜や記録膜等からなる単膜、又多層膜が設けられている媒体面方向の範囲を指すこととする。
【0316】
なお、第2以降の情報記録層は、基板50に近い方から数を数える。すなわち、第3情報記録層60は、第1情報記録層20と第2情報記録層40との間にあることになる。同様に、第4情報記録層(不図示)は、第1情報記録層20と第3情報記録層60との間にある。
【0317】
また、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20B、並びに3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bの配置については、上述のような光ディスク200及び光ディスク201等における配置と異なっていても良いことは言うまでもない。
【0318】
但し、上述したように、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bは、ROM領域に、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40BはR又はRE領域に配置することが好ましい。
【0319】
よって、図示されていないが、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bは、第1情報記録層20に割り当てられ、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bは、第2情報記録層40及び/又は第3情報記録層60に割り当てられる。
【0320】
さらに、光ディスク201では、光ディスク200と同様に、リードイン領域の外周側かつ、第1情報記録層20の第1情報記録領域20Aに対する内周側には第3情報記録領域20Bが存在している。
【0321】
上述のように、光ディスク200及び光ディスク201においては、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bは、ROM領域に割り当てられ、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bは、R領域又はRE領域に割り当てられていることが好ましい。
【0322】
なぜなら、3D化補完情報記録スペース40A及び/又は2D映像記録スペース40Bは、3D化補完情報である左目用映像情報L1〜L4・・・(又は右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・と左目用映像情報L1〜L4・・・とを交互に配列した3D映像)を記録する必要があるため、R領域又はRE領域に割り当てる必要がある。
【0323】
一方、第1情報記録領域20A及び第3情報記録領域20Bを、ROM領域に割り当てることにより、上述した2D映像コンテンツP、ダウンロード情報、伸張処理ソフト、3D化データ配列用情報及び3D化許可キーに対して、間違えて別のデータを上書きしてしまうという誤操作を防止することができる。
【0324】
これにより、メーカ側から見れば、光ディスク200及び光ディスク201の製造時に、2D映像コンテンツP、ダウンロード情報、伸張処理ソフト、3D化データ配列用情報及び3D化許可キーなどの変更が容易に変更できるというメリットがある。
【0325】
〔4.本発明の一実施形態としての情報記録再生装置〕
次に、図12〜17に基づき、本発明の情報記録再生装置の一実施形態である3D映像視聴システム1の構成について説明する。
【0326】
なお、以下で説明する情報記録再生装置1001の基本的な構成は、上述した再生システム100と共通しているので、以下、この共通している部分の説明は、適宜省略する。
【0327】
図12に示すように、3D映像視聴システム1は、情報記録再生装置1001、表示部4、ケーブル4A(又はケーブル4B)、液晶シャッター5及び偏向メガネ7を備えるものである。
【0328】
情報記録再生装置1001は、上述した2D映像コンテンツPに由来する複数フレームの2D動画映像(映像コンテンツ,2次元映像)2を右目映像として出力し、上述した3D化補完情報に由来する2D動画映像2を3D化するための複数フレームの+α動画映像(補完情報)3を左目映像として出力するものである。
【0329】
ここで、2D動画映像2は、2D映像コンテンツP由来の右目用映像であり、右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・の再生映像である。
【0330】
また、+α動画映像3は、3D化補完情報由来の左目用映像であり、例えば、左目用映像情報L1〜L4・・・の再生映像である。
【0331】
情報記録再生装置1001から出力された2D動画映像2及び+α動画映像3はそれぞれ、表示部4に入力され、表示部4にて3D映像として再生される。なお、表示部4は、TVやプロジェクター等で構成される。
【0332】
液晶シャッター5は、液晶等で構成され2つの透過偏向光を切り替えることができるようになっている。
【0333】
偏向メガネ7は、液晶シャッター5を介した所定のフレーム順からなる2D動画映像2由来の右目映像(映像コンテンツ,2次元映像)6R、+α動画映像3由来の左目映像(補完情報)6Lを見るために左右それぞれに液晶シャッター(又は、左右それぞれに異なる偏向板が構成された)ものである。
【0334】
ここで、右目映像6Rは、2D動画映像2の構成要素であり、例えば、右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・などが再生されたものである。
【0335】
また、左目映像6Lは、+α動画映像3の構成要素であり、例えば、左目用映像情報L1〜L4・・・などが再生されたものである。
【0336】
図12に示す3D映像視聴システム1では、人間の目の視差を利用し、偏向メガネ7によって左右に左目映像6L、右目映像6Rの映像情報を投影し、3D映像として視覚させるようになっている。
【0337】
上述したように、従来は、3D映像専用の右目映像6R及び左目映像6Lを用意するため、映像の撮影の際にも、2台のカメラを用いて、左右の目に入力させるための映像を撮影し、2つのストリームを右目映像6R及び左目映像6Lとしていた。
【0338】
しかしながら、2D動画映像2の各フレームは、基本的に1台のカメラを用いて映像を撮影したものであるから、右目映像6R、左目映像6Lのどちらであるとも言える。
【0339】
よって、右目映像6Rか左目映像6Lかに関わらず、別のカメラで、2D動画映像2の撮影と同時に撮影すれば、2D映像コンテンツPを3D化するための+α動画映像3を得ることが可能である。
【0340】
すなわち、2D映像コンテンツPの作成の際に、2D動画映像2と+α動画映像3とを同時に撮影するようにすれば、2D動画映像2と+α動画映像3とを用いて2D映像コンテンツPを3D映像として視聴できることになる。
【0341】
次に、3D映像視聴システム1の動作の概要について説明する。
【0342】
まず、情報記録再生装置1001は、2D動画映像2及び+α動画映像3をキャッシュ(一時記録)し、右目映像である2D動画映像2及び左目映像である+α動画映像3を、出力し、表示部4に入力する。
【0343】
このとき、情報記録再生装置1001と表示部4との間の情報インターフェイスとしてアナログ方式の場合は、左右それぞれ別々の情報伝送が必要となるが、HDMI(high-definition multimedia interface)等のディジタルインターフェイスの場合は左右の情報を交互にシリアル伝送させることも可能である。
【0344】
また、情報記録再生装置1001側で圧縮して伝送し、表示部4側で解凍(伸張)させても良い。
【0345】
また、右目映像6Rと左目映像6Lは、通常のTVの場合、フィールド毎に、左右を切り替えて表示させることになるが、倍スキャン表示を用いたTVを表示部4として用いれば右目映像6R、左目映像6Lを、フィールド毎に左右に分けるにあたり、フリッカ等の問題を解消することができ、スムーズな3D映像の再生が可能である。
【0346】
また、図12に示すように、液晶等で構成される2つの透過偏向光を切り替えることができる液晶シャッター5は、透過する右目映像6Rを例えば縦偏向、左目映像6Lを横偏向とするように、液晶シャッター5を制御することでフィールド毎の光の偏向角を変えることができる。
【0347】
この場合、偏向メガネ7は、左右異なる偏向板(縦偏向と横偏向)を貼り付けたもので良く、ケーブル4Aを介して表示部4が、液晶シャッター5を制御するタイミングに対応するフィールド同期信号を、表示部4から偏向メガネ7に供給するケーブル4Bが不要となる。
【0348】
一方、液晶シャッター5を用いない場合は、偏向メガネ7に液晶シャッターを設ける必要があり、フィールド同期信号用のケーブル4Bが必要となる。
【0349】
このように、偏向メガネ7の液晶シャッターで対応する場合は、偏向光を用いていないため、首を傾けたりする等のメガネの角度が変わっても3D映像に対する影響は小さく抑えられる。
【0350】
次に、図13に基づき、3D映像視聴システム1の主要部である情報記録再生装置1001の構成について説明する。
【0351】
図13に示すように、情報記録再生装置1001は、上述した再生システム100に加えて、メモリ(一時記録部)116、タイマー117、データ記録回路119、操作部126、インターネット端末装置(伸張処理手段)121、インターネット122、及びウェブサーバ123を備える構成である。
【0352】
また、図14に示すように、情報記録再生装置1001の制御部115は、メモリ制御部(メモリ制御手段,再生制御手段)1151、媒体書き込み制御部(記録制御手段)1154、無効化情報認識部1156、ディスク認識部1157、及びインターネット通信制御部1155を備える構成である。
【0353】
メモリ制御部1151は、光ディスク200から再生したダウンロード情報など、並びに、以下で説明するディスク認識部1157が取得した媒体識別番号(媒体識別情報:ディスクの識別番号)や、コントロールデータなどをメモリ116に保存する。
【0354】
なお、このとき、媒体識別番号とダウンロード情報との対応関係を示す対応関係情報(例えば、対応関係テーブル)等を生成して、メモリ116に記録しても良い。
【0355】
また、メモリ制御部1151は、当該保存したダウンロード情報及び対応関係情報等を読み出す。そして、当該ダウンロード情報をインターネット通信制御部1155に送信したり、以下で説明する無効化情報認識部1156から無効化情報を認識した旨の通知(無効化情報認識通知)を受けたりして、メモリ116に記録されているダウンロード情報を消去したりする等、メモリ116とその他の構成とのデータのやりとりなどの制御を行う。
【0356】
また、メモリ制御部1151は、第1情報記録領域20Aに記録されている2D映像コンテンツPを読み出してメモリ116に記録したり、第3情報記録領域20Bに記録されている3D化データ配列用情報、伸張処理ソフト、3D化許可キーなどを読み出してメモリ116に記録したりする制御も行う。
【0357】
さらに、メモリ制御部1151は、光ディスク200の3D化補完情報記録スペース40Aに3D化補完情報が記録されている場合に、メモリ116に記録されている右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・、3D化データ配列用情報、及び3D化補完情報記録スペース40Aに記録されている左目用映像情報L1〜L4・・・を読み出して、3D映像を生成し、表示部4に出力する機能も備えている。
【0358】
媒体書き込み制御部1154は、データ記録回路119等を駆動させてインターネット端末装置121から送信された3D化補完情報を、光ディスク200に記録する処理を行う。
【0359】
このとき、操作部126より、ダウンロードの実行命令が入力された場合には、インターネット通信制御部1155を駆動して、インターネット122を介してウェブサーバ123と、情報記録再生装置1001との接続を確立させたりして、ウェブサーバ123からの3D化補完情報を受け取る。
【0360】
また、媒体書き込み制御部1154は、受け取った3D化補完情報の光ディスク200へのデータの書き込み等を制御する。
【0361】
さらに、媒体書き込み制御部1154は、操作部126を介して記録を取り消す指示が入力された場合には、データ記録回路119などを駆動して、光ディスク200の第2情報記録層40の図示しない無効化情報記録領域に、無効化情報を記録したりして、光ディスク200へのデータの書き込みなどの制御を行う。
【0362】
また、媒体書き込み制御部1154は、データ記録回路119等を駆動させてインターネット端末装置121から送信された3D化補完情報、すなわち左目用映像情報L1〜L4・・・を、3D化データ配列用情報に従って、図2(a)に示すように、2D映像記録スペース40Bを空けながら記録する制御も行う。
【0363】
さらに、媒体書き込み制御部1154は、図2(a)に示すように、3D化補完情報記録スペース40Aに、左目用映像情報L1〜L4・・・が記録された後、3D化データ配列用情報に従って、図2(b)に示すように、2D映像記録スペース40Bに右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・を挿入して記録する制御も行う。
【0364】
インターネット通信制御部1155は、メモリ制御部1151からダウンロード情報を受信して、インターネット(伸張処理手段)端末装置121を駆動する。そして、当該ダウンロード情報に基づき、インターネット端末装置121にウェブサーバ123から3D化データ配列用情報をダウンロードするよう命令を発したりして、情報記録再生装置1001及びウェブサーバ123間のインターネット122上でのコンテンツ等のやりとり等を制御する。
【0365】
無効化情報認識部1156は、無効化情報を認識しなかった場合は、メモリ制御部1151を駆動し(無効化情報を認識しなかった旨の通知を送信する構成でも良い)、インターネットへの接続等の各種処理を行わせたり、無効化情報を認識した場合は、その旨の通知(無効化情報認識通知)をメモリ制御部1151に送信したりして、「無効化情報」に関するその他の構成とのやりとりなどを制御するものである。
【0366】
ディスク認識部1157は、光ディスク200が情報記録再生装置1001に装填されたか否かを認識(検出)する。
【0367】
そして、光ディスク200が装填されている場合には、メモリ制御部1151を駆動して光ディスク200から媒体識別番号を取得する処理を行う。
【0368】
また、ディスク認識部1157は、媒体識別番号を、無効化情報認識部1156に送信したり、光ディスク200に無効化情報が記録されている場合には、無効化情報認識部1156に無効化情報を送信したりする処理を行う。
【0369】
さらに、ディスク認識部1157は、光ディスク200に無効化情報が記録されていない場合には、メモリ制御部1151を駆動して、光ディスク200の装填・非装填に関係する各種処理を制御する。
【0370】
インターネット端末装置121は、インターネット122を介してウェブサーバ123と、情報記録再生装置1001との接続を確立する処理を行う。
【0371】
また、インターネット端末121は、接続が確立されると、インターネット端末装置121のディスプレイに、「ダウンロード開始?」(ダウンロード指示を促す表示)と表示する。
【0372】
また、インターネット端末121は、ウェブサーバ123からダウンロードした3D化補完情報を媒体書き込み制御部1154に送信して、情報記録再生装置1001及びウェブサーバ123間のインターネット122上でのコンテンツ等のやりとり等を行う。
【0373】
また、インターネット端末装置121は、インターネット122から取得した3D化補完情報が圧縮されている場合には、情報記録再生装置1001に指示して光ディスク200から読み出した伸張処理ソフトを転送させる。なお、伸張処理ソフトは、予め情報記録再生装置1001に転送させて自装置内のメモリ等に記録していても良い。
【0374】
その後、インターネット端末121は、伸張処理ソフトを起動して圧縮された3D化補完情報を伸張し、伸張された3D化補完情報を情報記録再生装置1001に転送する。
【0375】
次に、図15に基づき、媒体書き込み制御部1154に認証機能を持たせる場合について説明する。
【0376】
この場合、媒体書き込み制御部1154は、認証部1158、認証条件記録部1159、復号化部1160、及び書き込み指示部1161を備える構成とする。
【0377】
また、上述した3D化補完情報は、付属情報として、3D化許可キー、左目用映像情報L1〜L4・・・を含んでいるものとする。また、左目用映像情報L1〜L4・・・は、さらに暗号化処理が行われているものとする。
【0378】
認証部1158は、インターネット端末121から受信して認証条件記録部1159に一時させた3D化許可キーを読出し、光ディスク200の第3情報記録領域20Bに記録されている3D化許可キーと一致しているか否かを確認し、2D映像コンテンツPの3D化が許諾された情報記録媒体か否かについての認証を行う。
【0379】
なお、本実施形態では、認証条件記録部1159に、3D化補完情報の付属情報として取得した、「正当な3D化許可キー」が、記録されるものとしているが、「正当な3D化許可キー」は、この他、2D映像コンテンツPの紹介誌などに掲載された2D映像コンテンツPに対応するバーコード情報などから取得されたものであっても良い。
【0380】
また、光ディスク200又は光ディスク201の購入の際に、ユーザが正当な3D化許可キーを知り得る状態にし、ユーザが操作部126を介して正当な3D化許可キーが入力した場合に、2D映像コンテンツPの3D化を許可しても良い。
【0381】
次に、復号化部1160は、認証部1158によって光ディスク200が2D映像コンテンツPの3D化が許諾された情報記録媒体であると認証された場合に、メモリ116に記録されている暗号化された左目用映像情報L1〜L4・・・を復号化して、再度メモリ116に記録する処理を行うものである。
【0382】
書き込み指示部1161は、データ記録回路119などに指示して、メモリ116から読み出した復号化部1160によって復号された左目用映像情報L1〜L4・・・と、右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・及び3D化データ配列用情報とを読出し、3D化データ配列用情報に従って、図2(b)のように配列して光ディスク200の3D化補完情報記録スペース40Aに2D映像コンテンツPを記録するなどの書き込み処理を行う。
【0383】
次に、図2(a)及び(b)、並びに図14〜17に基づき、3D映像視聴システム1の主要な機能の概要について説明しておく。
【0384】
3D映像視聴システム1の主な再生機能(再生方法)は、以下のとおりである。
【0385】
ここでは、既に3D化補完情報が、光ディスク200又は光ディスク201の3D化補完情報記録スペース40Aに記録されているものとする。
【0386】
まず、図14に示すように、情報記録再生装置1001は、3D化補完情報記録スペース40Aに3D化補完情報が記録されている場合、その3D化補完情報、すなわち、2D映像コンテンツPに関連する左目用映像情報L1〜L4・・・を読出し、第3情報記録領域20Bから3D化データ配列用情報を読み出して、メモリ116に記録する(一時記録工程)。
【0387】
次に、第1情報記録領域20Aに記録されている右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・を読出し、メモリ116に記録されている左目用映像情報L1〜L4・・・及び3D化データ配列用情報を読出し、読み出した右目用映像作成用補完情報R1〜R4と左目用映像情報L1〜L4・・・とを、3D化データ配列用情報に従い、3D映像として再生できるように配列しつつ同期をとり、3D映像を再生する(再生工程)。
【0388】
なお、以上の説明では、3D映像を再生表示させる場合について説明したが、3D映像視聴システム1の表示部4は、1フレーム毎の2D動画映像2と+α動画映像3が順に入力されると1フレーム毎の3D画像を表示可能な機能を有している。
【0389】
これにより、光ディスク200又は光ディスク201から、左目用映像情報L1〜L4・・・と、右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・とを読み出して3D映像を視聴することができる。
【0390】
次に、3D映像視聴システム1の主な記録機能(記録方法)は、以下のとおりである。
【0391】
ここでは、光ディスク200又は光ディスク201の第3情報記録領域20Bには、上述した圧縮された左目用映像情報L1〜L4・・・を解凍(伸張)するための伸張処理ソフトが記録されており、3D映像視聴システム1がインターネット122を介してウェブサーバ123から取得した3D化補完情報を用いて2D映像コンテンツPを3D化して記録する場合(記録方法)について説明する。
【0392】
図13に示す情報記録再生装置1001は、まず、ウェブサーバ123から3D化補完情報(左目用映像情報L1〜L4・・・)を取得する。
【0393】
次に、取得した左目用映像情報L1〜L4・・・を、第3情報記録領域20Bに予め記録されている伸張処理ソフトを用いて伸張する(伸張工程)。
【0394】
次に、伸張された左目用映像情報L1〜L4・・・をメモリ(一時記録メモリ)116に記録する(一時記録工程)。
【0395】
次に、第3情報記録領域20Bに記録されている3D化データ配列用情報を読出し、メモリ116に記録する。
【0396】
次に、伸張された左目用映像情報L1〜L4・・・及び3D化データ配列用情報をメモリ116から、右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・を第1情報記録領域20Aから読出し、右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・と、伸張された左目用映像情報L1〜L4・・・とを、3D化データ配列用情報に従って、3D映像として再生できるように配列して3D化補完情報記録スペース40Aに記録する(記録工程)。
【0397】
これにより、第1情報記録領域20Aに予め記録されている2D映像コンテンツPと、圧縮された3D化補完情報を伸張した3D化補完情報とを、3D映像として再生できるように配列して3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bに記録することが可能となる。
【0398】
次に、3D映像視聴システム1の別の記録機能について説明する。
【0399】
まず、図13に示すように、インターネット端末121は、インターネット122を介してウェブサーバ123から3D化補完情報を受信し、3D化補完情報が圧縮されている場合には、伸張して、情報記録再生装置1001の制御部115に転送する。
【0400】
次に、情報記録再生装置1001は、インターネット端末121から転送されてきた3D化補完情報、及び第3情報記録領域20Bから読み出した3D化データ配列用情報を、メモリ116に記録する。
【0401】
次に、情報記録再生装置1001は、メモリ116から3D化データ配列用情報を読出し、図2(a)に示すように、3D映像を再生しやすいように、3D化補完情報を構成する各左目用映像情報L1〜L4・・・の間に2D映像記録スペース40Bを空けながら、左目用映像情報L1〜L4・・・を3D化補完情報記録スペース40Aに記録する。
【0402】
次に、第1情報記録領域20Aに記録されている右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・を読出し、メモリ116に記録する。
【0403】
次に、メモリ116に記録されている右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・及び3D化データ配列用情報を読出し、図2(b)に示すように、2D映像記録スペース40Bに、右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・を挿入して記録する。
【0404】
なお、以上説明した各機能は、これらの各機能を制御部115(コンピュータ)に実行させるための再生処理プログラム又は記録処理プログラムによって実現するようにしても良い。これらのプログラムは、例えば、メモリ116や、外付けのハードディスク(自装置内)などに記録しておけば良い。
【0405】
これにより、自装置内に記録されている再生処理プログラム又は記録処理プログラムを読出し、制御部115に読み込ませることによって、制御部115に上述した各機能を実現させることが可能となる。
【0406】
また、3D映像視聴システム1は、光ディスク200の第3情報記録領域20Bに記録されているダウンロード情報に基づいて、3D化補完情報を3D化補完情報記録スペース40Aにダウンロード記録するように構成しても良い。
【0407】
また、3D映像視聴システム1は、操作部126を介したユーザ入力により、ダウンロード情報を取得するようにしても良い。
【0408】
これにより、ダウンロード情報に基づいて、光ディスク200の3D化補完情報記録スペース40Aに3D化補完情報をダウンロード記録させることが可能となる。
【0409】
また、3D映像視聴システム1は、光ディスク200の第3情報記録領域20Bに記録されている3D化データ配列用情報を読出すように構成しても良い。
【0410】
そして、読み出した3D化補完情報を用いて、第1情報記録領域20Aから読み出した2D映像コンテンツPと、3D化補完情報とを、図2(b)に示すように、3D映像として再生できるように配列して、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bに記録するように構成しても良い。
【0411】
これにより、3D化データ配列用情報を用いて、2D映像コンテンツPと3D化補完情報とを、3D映像として再生できるように配列して、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bに記録することが可能となる。
【0412】
よって、このように、3D化データ配列用情報を用いて、2D映像コンテンツPと、3D化補完情報とを配列して記録しておけば、3D映像を再生するために、3D化補完情報を光ディスク200の3D化補完情報記録スペース40Aから一端読み出して記録しておく必要がない。したがって、3D映像視聴システム1に付属したメモリ116や、ハードディスクなどの記録容量の節約が可能となる。
【0413】
また、3D映像視聴システム1は、光ディスク200の第3情報記録領域20Bに記録されている伸張処理ソフトを用いて、圧縮された3D化補完情報を伸張するよう構成しても良い。
【0414】
これにより、伸張処理ソフトを起動させて、2D映像コンテンツPに関連する圧縮された3D化補完情報を伸張し、伸張された3D化補完情報を光ディスク200に記録することにより、簡単に2D映像による2D映像コンテンツPを3D化した3D映像の記録が実質的に可能となる。
【0415】
また、これにより、光ディスク200から、伸張処理ソフトを読み出し、圧縮された3D化補完情報を伸張すると共に、圧縮された3D化補完情報に関連する2D映像コンテンツPを読出すことが可能となるので、2D映像による2D映像コンテンツPを3D化した3D映像の視聴が可能となる。
【0416】
さらに、2D映像コンテンツPではなく、圧縮された3D化補完情報を配信するようにしているので、2D映像コンテンツPを、3D化による配信情報量の増大を大幅に抑えつつ、簡単に3D化して記録したり視聴したりすることができる。例えば、上述したMPEG方式によれば、圧縮率を1/50〜1/200程度に抑えれば、画質を劣化させることなく、3D化補完情報を圧縮することが可能である。
【0417】
また、3D映像視聴システム1は、光ディスク200又は光ディスク201の第3情報記録領域20Bに、正当な3D化許可キーが記録されていることを確認するように構成しても良い。
【0418】
そして、3D化許可キーが正当なものであることが確認された場合に、3D化許可キーによって3D化が許諾された2D映像コンテンツPと、2D映像コンテンツPに関連する3D化補完情報とを、3D映像として再生できるように配列して、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bに記録しても良い。
【0419】
また、3D化補完情報が圧縮されている場合には、3D化許可キーによって3D化が許諾された2D映像コンテンツPと、圧縮された左目用映像情報L1〜L4・・・が伸張された左目用映像情報L1〜L4・・・とを、3D映像として再生できるように配列して、3D化補完情報記録スペース40A及び2D映像記録スペース40Bに記録するよう構成しても良い。
【0420】
これにより、2D映像コンテンツPの3D化についての利用許諾を、光ディスク200又は光ディスク201に予め記録されている3D化許可キーを用いて行うことにより、正当な3D化許可キーが記録されていない情報記録媒体に対する2D映像コンテンツPの3D化を不可能にすることができる。
【0421】
このため、情報記録媒体に正当な3D化許可キーが記録されていない場合には、2D映像コンテンツPがユーザにより不正に3D化されることがなくなり、その結果、2D映像コンテンツPの3D化後のデータが情報記録媒体に不正に記録されてしまうことを回避することができるので、セキュリティー対策となる。
【0422】
また、3D映像視聴システム1は、光ディスク200又は光ディスク201の第2情報記録層40の図示しない無効化情報記録領域に、無効化情報が記録されている場合、無効化情報に対応するダウンロード情報が無効であると判断し、3D化補完情報の3D化補完情報記録スペース40Aへの記録を取り消すよう構成しても良い。
【0423】
これにより、3D化補完情報や、2D映像コンテンツPが、ユーザにとって不要な情報となった場合、そのダウンロード情報を無効化情報により無効にすることで、3D化補完情報のダウンロード記録に使用される3D化補完情報記録スペース40A(及び2D映像記録スペース40B)を他のコンテンツの記録に転用できるようにすることができる。
【0424】
よって、例えば、2D映像コンテンツPの視聴後、ユーザデータ記録領域を他のコンテンツの記録に転用できないRE領域を有する光ディスク200となって、完全にユーザにとって、不要な光ディスク200となってしまうことを防止することができる。
【0425】
次に、図16のフローチャートに基づき、3D映像視聴システム1の録画動作(記録動作)の流れについて説明する。
【0426】
ステップS11(以下「ステップ」を省略する)では、ユーザが情報記録再生装置1001に光ディスク200を挿入してS12に進む。
【0427】
S12では、ディスク認識部1157が、図示しないディスク検出部(媒体検出手段)からの出力(ディスク装填信号)を受けると、メモリ制御部1151に光ディスク200が装填されたことを示す「媒体検出通知」を送信する。
【0428】
メモリ制御部1151は、ディスク認識部1157から「媒体検出通知」を受けると、データ再生回路110等を駆動させて光ディスク200のリードインエリアからディスク識別番号を読み取り、メモリ116に記録し、S13に進む。
【0429】
S13では、メモリ制御部1151が、データ再生回路110等を駆動させて光ディスク200のリードインエリアからコントロールデータ(OPC処理:A step of Optimum Power Controlやディフェクトマネジメント処理などに必要な情報)を読み取り、メモリ116に記録し、S14に進む。
【0430】
S14では、メモリ制御部1151が、データ再生回路110等を駆動させて光ディスク200の第3情報記録領域20Bを再生し、ダウンロード情報の読み取りを開始してS15に進む。
【0431】
S15では、第3情報記録領域20Bにダウンロード情報が記録されていた場合には、「YES」となりS16に進む。
【0432】
一方、S15で、第3情報記録領域20Bにダウンロード情報が記録されていない場合には、「NO」となり「END」となる。
【0433】
次に、S16では、メモリ制御部1151が、データ記録回路110等を駆動させて、第3情報記録領域20Bからダウンロード情報を読出し、インターネット通信制御部1155に転送する。
【0434】
なお、この処理の前に、メモリ制御部1151が、上述した第2情報記録層40に設けられた無効化情報記録領域に、ダウンロード情報の無効化情報が記録されている否かを確認する処理を導入しても良い。
【0435】
この場合、無効化情報が記録されていれば、メモリ制御部1151が、ダウンロード情報を読出し、インターネット通信制御部1155に転送する。一方、無効化情報が記録されていなければ、「END」に進む。
【0436】
次に、インターネット通信制御部1155は、転送されてきたダウンロード情報からアクセスすべきウェブサーバを特定し(ウェブサーバ123が特定されたものとする)、インターネット端末121を動作させてウェブサーバ123との通信を確立させ(アクセスさせ)る。
【0437】
次に、インターネット通信制御部1155は、インターネット端末121とウェブサーバ123との接続が確立すると、その旨(接続確立通知)をメモリ制御部1151に通知する。
【0438】
メモリ制御部1151は、インターネット通信制御部1155から「接続確立通知」を受けて、データ再生回路110等を駆動させて光ディスク200の第3情報記録領域20Bに記録されている3D化許可キーを読み出す。
【0439】
なお、ここでは、正当な3D化許可キーが、認証条件記録部1159に予め記録されているものとする。
【0440】
次に、メモリ制御部1151は、第3情報記録領域20Bから読み出した3D化許可キーを媒体書き込み制御部1154に転送してS17に進む。
【0441】
S17では、媒体書き込み制御部1154の認証部1158が、メモリ制御部1151から送信された3D化許可キーが、認証条件記録部1159に記録されている正当な3D化許可キーと一致しているか否かを確認する。
【0442】
認証部1158は、3D化許可キーが、正当な3D化許可キーと一致した場合には、3D化許可キーは「正当」と判断し、「YES」となりS18に進む。
【0443】
一方、認証部1158は、3D化許可キーが、正当な3D化許可キーと一致しなかった場合には、3D化許可キーは「不当」と判断し、「NO」となり「END」となる。
【0444】
S18では、認証部1158が、インターネット通信制御部1155に3D化補完情報のダウンロードが許可された旨(ダウンロード許可通知)を通知する。
【0445】
次に、インターネット通信制御部1155は、ダウンロード許可通知を受けて、インターネット端末121を介してウェブサーバ123から3D化補完情報をダウンロードし、メモリ制御部1151に転送させる。
【0446】
このとき、3D化補完情報が圧縮されている場合には、インターネット端末121が、伸張処理ソフトを起動させて圧縮された3D化補完情報を伸張する処理を行い、その後、伸張された3D化補完情報をメモリ制御部1151に転送する。
【0447】
次に、メモリ制御部1151は、インターネット端末121から転送されてきた3D化補完情報をメモリ116に記録し、データ再生回路110等を駆動させて光ディスク200の第3情報記録領域20Bを再生し、3D化データ配列用情報を読出し、メモリ116に記録し、記録した旨(記録完了通知)を媒体書き込み制御部1154に通知してS19に進む。
【0448】
S19では、媒体書き込み制御部1154が、メモリ制御部1151からの「記録完了通知」を受け、メモリ116に記録されている3D化補完情報及び3D化データ配列用情報を読出す。ここで、3D化補完情報が暗号化されている場合には、復号化部1160が、メモリ116から3D化補完情報を読出し、復号した3D化補完情報を再度、メモリ116に記録する。
【0449】
次に、媒体書き込み制御部1154の書き込み指示部1161は、データ記録回路119等を駆動させて、3D化データ配列用情報に従って、図2(a)に示すように、メモリ116から読み出した3D化補完情報を構成する左目用映像情報L1〜L4・・・を、3D化補完情報記録スペース40Aに記録してS20に進む。
【0450】
S20では、2D映像コンテンツPを3D化して記録する場合には、「YES」となりS21に進む。一方、S20で、2D映像コンテンツPを3D化して記録しない場合には、「NO」となり「END」となる。
【0451】
S21では、媒体書き込み制御部1154が、メモリ制御部1151に指示して、データ再生回路110等を駆動させ、光ディスク200の第1情報記録領域20Aに記録されている2D映像コンテンツPを読出させ、メモリ116に記録させる。
【0452】
メモリ制御部1151は、2D映像コンテンツPのメモリ116への記録が完了すると、その旨(記録完了通知)を媒体書き込み制御部1154に通知してS22に進む。
【0453】
S22では、媒体書き込み制御部1154が「記録完了通知」を受けて、メモリ116から2D映像コンテンツP及び3D化データ配列用情報を読出し、データ記録回路119等を駆動させて、3D化データ配列用情報に従って、図2(b)に示すように、2D映像コンテンツPを構成する右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・を、2D映像記録スペース40Bに記録して「END」となる。
【0454】
次に、図17のフローチャートに基づき、3D映像視聴システム1の再生動作の流れについて説明する。
【0455】
まず、ステップS31では、ユーザが情報記録再生装置1001に光ディスク200を挿入してS32に進む。
【0456】
S32では、情報記録再生装置1001のディスク認識部1157が、図示しないディスク検出部からの出力を受けると、メモリ制御部1151に光ディスク200が装填されたことを示す「媒体検出通知」を送信する。
【0457】
次に、メモリ制御部1151は、ディスク認識部1157から「媒体検出通知」を受けると、データ再生回路110等を駆動させて光ディスク200のリードインエリアからディスク識別番号を読み取り、メモリ116に記録し、S33に進む。
【0458】
S33では、メモリ制御部1151が、データ再生回路110等を駆動させて光ディスク200のリードインエリアからコントロールデータ(OPC処理:A step of Optimum Power Controlやディフェクトマネジメント処理などに必要な情報)を読み取り、メモリ116に記録し、S34に進む。
【0459】
S34では、メモリ制御部1151が光ディスク200の3D化補完情報記録スペース40Aに、3D化補完情報が既に記録されているか否かを確認し、記録されている場合には「YES」となりS35に進む。
【0460】
一方、S34で、光ディスク200の3D化補完情報記録スペース40Aに3D化補完情報記録されていない場合には、「NO」となりS38に進む。S38では、操作部126からの入力待ちの状態となり「END」となる。
【0461】
次に、S35で、メモリ制御部1151は、データ再生回路110等を駆動させ、光ディスク200の第3情報記録領域20Bに記録されている3D化許可キーを読出し、認証部1158に転送する。
【0462】
認証部1158は、メモリ制御部1151から転送されてきた3D化許可キーが、認証条件記録部1159に記録されている「正当な3D化許可キー」と一致するか否かを確認し、3D化許可キーが「正当」であると判断した場合には、「YES」となりS36に進む。
【0463】
一方、S35で、認証部1158は、3D化許可キーが「不当」であると判断した場合には、「NO」となりS38に進む。
【0464】
次に、S36では、メモリ制御部1151が、光ディスク200の第1情報記録領域20Aから2D映像コンテンツPを読出し、第3情報記録領域20Bから3D化データ配列用情報を読出し、メモリ116に記録する。
【0465】
また、メモリ制御部1151は、光ディスク200の3D化補完情報記録スペース40Aに記録されている3D化補完情報を読出し、メモリ116に記録してS37に進む。
【0466】
S37では、メモリ制御部1151が、メモリ116から2D映像コンテンツPを構成する右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・、3D化補完情報を構成する左目用映像情報L1〜L4・・・、及び3D化データ配列用情報を読出し、3D化データ配列用情報に従って、右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・及び左目用映像情報L1〜L4・・・を配列しつつ同期をとり3D映像を表示部4に出力する。
【0467】
表示部4から出力される右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・由来の右目映像6R、左目用映像情報L1〜L4・・・由来の左目映像6L等の出力により3D映像が再生されて「END」となる。
【0468】
なお、以上の処理では、S36で、メモリ制御部1151が2D映像コンテンツPを読出しているが、このとき、2D映像コンテンツPを読み出さないようにしても良い。
【0469】
この場合には、S37で、メモリ制御部1151が、メモリ116から3D化補完情報を構成する左目用映像情報L1〜L4・・・、及び3D化データ配列用情報を読出し、第1情報記録領域20Aから右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・を読出し、3D化データ配列用情報に従って、右目用映像作成用補完情報R1〜R4・・・及び左目用映像情報L1〜L4・・・を配列しつつ同期をとり3D映像を表示部4に出力するようにすれば良い。
【0470】
なお、本発明は、以下のように表現することもできる。
【0471】
本発明の情報記録媒体は、コンビネーションディスク(ROM(再生専用)層とRE(記録再生)層からなる多層光ディスク)からなる(RE層の代わりにR層でも可)。
【0472】
上記ROM層に、RE層に記録する予定の2D動画映像が記録されている。
【0473】
使用方法は、まずユーザがインターネットなどから3D用の+α動画映像をRE層に記録する。そして3Dにて再生する場合には、3Dに対応できる専用の情報記録再生装置で、3D用の+α動画映像をRE層から再生し、キャッシュ(一時記録メモリ)に記録する。その後ROMを再生し、2D動画映像と3D用の+α動画映像をあわせて、3D対応TVに出力する。
【0474】
また、インターネットなどからの3D用の+α動画映像をRE層に最終的に2D、+α、2D、+α、・・・・(2D+αで1コマとなる)となるような3D映像を表示しやすい形式で出力できるよう情報を記録するために、+α用のデータ位置にのみ行う。
【0475】
次に、ROM層の2D動画映像を一時的にキャッシュ又はハードディスク等に記録し、その後、RE層の上述した2D動画映像用のデータ位置に、2D、+α、2D、+α、・・・・となるような3D映像を表示しやすい形式で記録する。このRE層への記録方式のソフトウェアは、ROMに入れても良いし、情報記録再生装置が持っていても良い(この場合、3D BD−ROM対応のプレイヤーでの再生が可能となる)。
【0476】
また、ROM層には、3D用の+α動画映像の伸張処理ソフトが入っていても良い。また、コンビネーションディスクからは離れるが、上記伸張処理ソフトは、情報記録再生装置内に記録されていても良い。
【0477】
また、本発明の情報記録媒体のディスク構造(図1)は、以下のとおりであっても良い。
【0478】
(1)基板上にRE層、透明樹脂からなる中間層、ROM層、カバー層が順に積層されている。
【0479】
(2)ROM層のデータ領域に配信予定の2D動画映像が記録されている。
【0480】
(3)ROM層には3D用の+α動画映像をRE層に記録するためのダウンロード情報が記録されていても良い。
【0481】
(4)ROM層には、3D用の+α動画映像をRE層の3D出力がしやすい領域、例えば、2D,+α,2D,+α・・・と配列記録されるように、2D動画映像用の記録位置がスペースとなるようにして記録できるようにするための配列処理ソフトが記録されていても良い。
【0482】
(5)ROM層に2D動画映像を3D映像に編集することを許可する3D化許可キーが記録されていても良い。
【0483】
また、本発明の情報記録再生装置の構造(図13)は、以下のとおりであっても良い。
【0484】
(1)少なくとも情報記録再生機構とキャッシュ又はハードディスクを有する。
【0485】
(2)記録された2D動画映像の3D再生時には、上記情報記録媒体のRE層に記録された+α動画映像を、キャッシュ又はハードディスクに一時記録した後、ROM層からの再生情報と連動して3D対応TVに出力する機能がある。
【0486】
(3)又は、ROM層の3D化データ配列処理ソフト又は自身に当初より記録されている3D化データ配列処理ソフトに従い、最終的には3D映像を表示しやすい形式で出力できるような配列で情報が記録されるよう、インターネットなどからの3D化補完情報を、2D映像用の記録スペースを空けながら記録する。その後自動的に、上記情報記録媒体のROM層に記録された2D動画映像を、キャッシュ又はハードディスクに一時記録した後、上記情報記録媒体のRE層の2D映像用の記録スペースに記録する機能がある。
【0487】
また、本発明の情報記録再生装置に関する3DTVは、1コマ毎の2D動画映像と3D用の+α動画映像が順に入力されると3D映像を表示可能な機能があっても良い。
【0488】
また、本発明の情報記録再生装置の基本動作は、下記のとおりであっても良い。
【0489】
(1)ユーザは上記情報記録再生装置に上記情報記録媒体を装填する。
【0490】
(2)情報記録再生装置はROM層に記録されているインターネットからのダウンロード情報に基づき、ROM層に記録されている2D映像を3D化するための+α動画映像を管理しているサーバーに接続する(ROM層に記録されている場合)。
【0491】
(3)接続後、ROM層に記録されている3D化許可キー(認証キー)によりダウンロードが開始される。
【0492】
(4)ダウンロードされた情報は、ROM層に記録されている配列情報に基づき、最終的には3D映像を表示しやすい形式で出力できるような配列で情報が記録されるよう、2D映像用の記録スペースを空けながらRE層に記録される。記録後、上記情報記録媒体のRE層を再生することで、3D映像を3D対応TVに出力する。
【0493】
また、本発明の情報記録再生装置の基本以外の動作は、下記のとおりであっても良い。
【0494】
(A)REには2D映像を3D化するための+α動画映像をのみを記録する。そして、3D再生時にはまず、RE層を再生し、+α動画映像を、一旦キャッシュ又はハードディスクに一時記録する。その後、更にROM層に記録された2D動画映像を、キャッシュ又はハードディスクに一時記録する。その後、ROM層の再生に合わせて、キャッシュに記録したデータ再生し、双方のデータを、同期をとり、出力することで、2D,+α,2D,+α・・・のように、3D再生しやすいようなデータ配列に整理して3D対応TVに出力してもよい。
【0495】
(B)+α動画映像をRE層に記録するためのダウンロード情報はユーザが入力する形式でも良い。
【0496】
また、本発明は、次のように表現することもできる。
【0497】
すなわち、本発明の再生方法は、予め2次元映像情報である第1コンテンツが記録された第1情報領域と、第1コンテンツを3次元映像化するための補完情報である第2コンテンツが記録可能な第2情報領域を有する情報記録媒体を再生する再生方法であって、3次元映像再生時には、最初に第2情報領域に記録されている第2コンテンツを、該記録再生装置に設けられている一時記録媒体に記録する工程と、上記一時記録媒体から出力される第2コンテンツと、第1情報領域に記録されている第1コンテンツを再生することで出力される第1コンテンツとを同期させて外部に出力する工程を含んでいても良い。
【0498】
また、本発明の情報記録再生装置は、前記再生方法における各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムを自装置内に記録していても良い。
【0499】
以上により、本来は3D動画映像で配布できないROMディスク(情報記録媒体)を3D動画映像配布用にすることができる。
【0500】
また、インターネットからの3D化用の+α動画映像をダウンロードすることにより、3D対応ディスク(情報記録媒体)を作製可能になる(他者への貸し出し等が可能になる)。
【0501】
さらに、ROMに記録されている2D映像を3D映像への編集に正当に使用できる。
【0502】
最後に、3D映像視聴システム1(情報記録再生装置1001)の各ブロック、特に制御部115は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0503】
すなわち、3D映像視聴システム1(情報記録再生装置1001)は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、前記プログラムを展開するRAM(random access memory)、前記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。
【0504】
そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである、3D映像視聴システム1(情報記録再生装置1001)の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、3D映像視聴システム1(情報記録再生装置1001)に供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0505】
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやコンパクトディスク−ROM/MO/MD/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0506】
また、3D映像視聴システム1(情報記録再生装置1001)を通信ネットワークと接続可能に構成し、前記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0507】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組合せて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、3D映像化を実現するための左目用映像情報や、+αデータ等の補完情報は実際の映像データである必要はなく、右目用映像情報に対しての差分情報でも良いし、そもそも左目用映像情報に関するものでなくてよく、2次元映像の3次元映像化を実現するための補完情報であれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0508】
本発明は、コンパクトディスク−ROM、MO、MD、デジタルビデオデイスク、コンパクトディスク−R、及びBlu−Ray等の光ディスクを含む光情報記録媒体及び前記光情報記録媒体に対応する情報記録再生装置などに広く適用することができる。また、磁気を記録に用いる磁気記録媒体、光・熱を利用して磁気記録を行う光・熱アシスト磁気記録媒体及び前記磁気記録媒体に対応する情報記録再生装置などにも広く適用することができる。
【符号の説明】
【0509】
1 3D映像視聴システム(情報記録再生装置)
2 2D動画映像(映像コンテンツ,2次元映像)
3 +α動画映像(補完情報)
6R 右目映像(映像コンテンツ,2次元映像)
6L 左目映像(補完情報)
10 透光層
20 第1情報記録層(情報を読み出すことのみ可能な層,記録層)
120 第1情報記録層(情報を読み出すことのみ可能な層,記録層)
20A 第1情報記録領域(情報を読み出すことのみ可能な領域)
20B 第3情報記録領域(第1情報記録領域,情報を読み出すことのみ可能な領域)
30 中間層
40 第2情報記録層(情報を記録可能な層,記録層)
40A 3D化補完情報記録スペース(第2情報記録領域)
40B 2D映像記録スペース(第2情報記録領域)
50 基板
60 第3情報記録層(情報を記録可能な層,記録層)
100 再生システム(情報記録再生装置)
121 インターネット端末装置(伸張処理手段)
122 インターネット
123 ウェブサーバ
200 光ディスク(情報記録媒体)
201 光ディスク(情報記録媒体)
100 再生システム(情報記録再生装置)
116 メモリ(一時記録メモリ)
1001 情報記録再生装置
1151 メモリ制御部(メモリ制御手段,再生制御手段)
1154 媒体書き込み制御部(記録制御手段)
L1〜L4・・・ 左目用映像情報(補完情報)
P 2D映像コンテンツ(映像コンテンツ,2次元映像)
R1〜R4・・・ 右目用映像作成用補完情報(映像コンテンツ,2次元映像)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報記録領域が割り当てられた、単層、又は複数の、少なくとも情報を読み出すことが可能な記録層を有する情報記録媒体であって、
前記複数の情報記録領域は、第1情報記録領域、及び第2情報記録領域を含んでおり、
前記第1情報記録領域には、2次元映像である映像コンテンツが予め記録されており、
前記第2情報記録領域は、情報を記録することが可能な領域となっており、
前記第1情報記録領域には、前記映像コンテンツを3次元映像化して再生できるように、当該3次元映像化のための補完情報を前記第2情報記録領域に記録するための記録処理用情報が予め記録されていることを特徴とする情報記録媒体。
【請求項2】
前記第1情報記録領域は、情報の読み出しのみ可能な領域となっていることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項3】
前記記録処理用情報は、前記第2情報記録領域に前記補完情報をダウンロード記録させるためのダウンロード情報を含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報記録媒体。
【請求項4】
前記記録処理用情報は、前記映像コンテンツと前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して、前記第2情報記録領域に記録するための配列処理用情報を含んでいることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の情報記録媒体。
【請求項5】
前記記録処理用情報は、前記補完情報が圧縮されている場合に、その圧縮された補完情報を伸張するための伸張処理プログラムを含んでいることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の情報記録媒体。
【請求項6】
前記第1情報記録領域には、前記映像コンテンツを3次元映像化することが許諾されていることを示す許諾情報が予め記録されていることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の情報記録媒体。
【請求項7】
基板上に、前記複数の記録層と、前記複数の記録層の各々を分離する中間層と、前記基板から最も遠い位置に設けられた透光層とを有し、
前記複数の記録層は、再生光によって情報を読み出すことが可能となっており、
前記複数の記録層のうち、少なくとも1層が情報を読み出すことのみ可能な層であり、その他の記録層のうち少なくとも1層が情報を記録可能な層であり、
前記第1情報記録領域は、前記情報を読み出すことのみ可能な層に割り当てられ、
前記第2情報記録領域は、前記情報を記録可能な層に割り当てられていることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の情報記録媒体。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の情報記録媒体を用いて3次元映像を再生するための再生方法であって、
前記第2情報記録領域に、前記補完情報が記録されている場合に、その補完情報を読み出して一時記録メモリに記録する一時記録工程と、
前記一時記録工程で前記一時記録メモリに記録された前記補完情報と、前記第1情報記録領域に記録されている前記映像コンテンツとを読出し、読み出した前記映像コンテンツと前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列しつつ同期をとり、該3次元映像を再生する再生工程とを含んでいることを特徴とする再生方法。
【請求項9】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の情報記録媒体を用いて3次元映像を記録再生する情報記録再生装置であって、
前記第2情報記録領域に、前記補完情報が記録されている場合に、その補完情報を読み出して一時記録メモリに記録するメモリ制御手段と、
前記メモリ制御手段によって前記一時記録メモリに記録された前記補完情報と、前記第1情報記録領域に記録されている前記映像コンテンツとを読出し、読み出した前記映像コンテンツと前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列しつつ同期をとり、該3次元映像を再生する再生制御手段とを備えていることを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項10】
請求項1に記載の情報記録媒体における前記第1情報記録領域に記録されている前記記録処理用情報に基づいて、前記補完情報を前記第2情報記録領域に記録することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項11】
請求項3に記載の情報記録媒体における前記第1情報記録領域に記録されている前記ダウンロード情報に基づいて、前記補完情報を前記第2情報記録領域にダウンロード記録することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項12】
請求項4に記載の情報記録媒体における前記第1情報記録領域に記録されている前記配列処理用情報を用いて、前記第1情報記録領域から読み出した前記映像コンテンツと、該映像コンテンツに関連する前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して、前記第2情報記録領域に記録することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項13】
請求項5に記載の情報記録媒体における前記第1情報記録領域に記録されている前記伸張処理プログラムを用いて、前記圧縮された補完情報を伸張することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項14】
請求項6に記載の情報記録媒体における前記第1情報記録領域に、正当な前記許諾情報が記録されていることが確認された場合に、前記許諾情報によって3次元映像化が許諾された前記映像コンテンツと、該映像コンテンツに関連する前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して、前記第2情報記録領域に記録することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項15】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の情報記録媒体を用いて3次元映像を記録するための記録方法であって、
前記補完情報が圧縮されている場合に、その補完情報を伸張する伸張工程と、
前記伸張工程で伸張された前記補完情報を、一時記録メモリに記録する一時記録工程と、
前記一時記録工程で前記一時記録メモリに記録された伸張された前記補完情報と、前記第1情報記録領域に記録されている前記映像コンテンツとを読出し、前記映像コンテンツと伸張された前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して前記第2情報記録領域に記録する記録工程とを含んでいることを特徴とする記録方法。
【請求項16】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の情報記録媒体を用いて3次元映像を記録再生する情報記録再生装置であって、
前記補完情報が圧縮されている場合に、その補完情報を伸張する伸張処理手段と、
前記伸張処理手段によって伸張された前記補完情報を、一時記録メモリに記録するメモリ制御手段と、
前記メモリ制御手段によって前記一時記録メモリに記録された伸張された前記補完情報と、前記第1情報記録領域に記録されている前記映像コンテンツとを読出し、前記映像コンテンツと伸張された前記補完情報とを、3次元映像として再生できるように配列して前記第2情報記録領域に記録する記録制御手段とを備えていることを特徴とする情報記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−118956(P2011−118956A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227530(P2009−227530)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】