説明

情報読取装置、情報読取方法、及びプログラム

【課題】 利便性の高い情報読取装置を提供する。
【解決手段】 情報読取装置1は、情報記録媒体を載せる載置面と、載置面の少なくとも一部に設けられた鏡面と、載置面と向かい合う面に設けられ、載置面の方向を撮影する撮影手段と、載置面の近傍で焦点が合う第1の焦点距離と、この第1の焦点距離よりも長い第2の焦点距離との中から、適用すべき焦点距離を選択し、選択された焦点距離で撮影手段に撮影させる制御手段とを有する。これにより、載置面に載置された情報記録媒体からの情報読取と、撮影手段の近傍などの監視とが同一の撮影手段で可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ビデオカメラのレンズに汚れの付着していることを検出するビデオカメラ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−234543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利便性の高い情報読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報読取装置は、情報記録媒体を載せる載置面と、前記載置面の少なくとも一部に設けられた鏡面と、前記載置面と向かい合う面に設けられ、前記載置面の方向を撮影する撮影手段とを有する。
【0006】
好適には、少なくとも、前記載置面の近傍で焦点が合う第1の焦点距離と、この第1の焦点距離よりも長い第2の焦点距離との中から、適用すべき焦点距離を選択し、選択された焦点距離で前記撮影手段に撮影させる制御手段をさらに有し、前記撮影手段は、前記第1の焦点距離又は前記第2の焦点距離で、前記載置面の方向を撮影する。
【0007】
好適には、前記鏡面は曲面鏡となる部分を含み、前記第2の焦点距離は、前記第1の焦点距離の1.5倍〜2.5倍であり、前記制御手段は、前記第1の焦点距離、前記第2の焦点距離、及び、この第2の焦点距離よりも長い第3の焦点距離の中から、適用すべき焦点距離を選択する。
【0008】
好適には、少なくとも、既定の補正パターンの中の一つを選択して適用する第1の補正方法と、撮影された画像に基づいて補正量を決定する第2の補正方法との中から、適用すべき補正方法を選択し、選択された補正方法で前記撮影手段に補正させる制御手段をさらに有し、前記撮影手段は、前記制御手段により選択された補正方法で、撮影された画像に対して補正処理を施す。
【0009】
好適には、前記撮影手段により撮影された画像データの転送先を、複数の転送先の中から選択する転送先選択手段をさらに有する。
【0010】
好適には、情報読取装置の動作モードが複数用意されており、前記制御手段は、前記動作モードに応じて、焦点距離を選択し、前記転送先選択手段は、前記動作モードに応じて、画像データの転送先を選択する。
【0011】
また、本発明に係る情報読取装置は、情報読取装置の筐体前面に設けられ、情報記録媒体を配置可能な深さに窪んだ凹部と、前記凹部の底面に設けられ、情報記録媒体を載置するための載置面と、前記凹部の天面に設けられた撮影手段と、前記撮影手段の設置位置から、前記載置面の最奥部に向けて傾斜している前記凹部の奥壁面とを有する。
【0012】
また、本発明に係る情報読取方法は、情報記録媒体を載せる載置面と、この載置面の少なくとも一部に設けられた鏡面とを有する情報読取装置において、第1の焦点距離で、前記載置面の方向をカメラに撮影させる第1の撮影ステップと、前記第1の焦点距離とは異なる第2の焦点距離で、前記載置面の方向を前記カメラに撮影させる第2の撮影ステップとを有する。
【0013】
また、本発明に係るプログラムは、情報記録媒体を載せる載置面と、この載置面の少なくとも一部に設けられた鏡面とを有する情報読取装置において、第1の焦点距離で、前記載置面の方向をカメラに撮影させる第1の撮影ステップと、前記第1の焦点距離とは異なる第2の焦点距離で、前記載置面の方向を前記カメラに撮影させる第2の撮影ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利便性の高い情報読取装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態の情報読取装置1の全体構成を模式的に示す図である。
【図2】情報読取ユニット10の凹部100近傍における断面を模式的に示す図である。
【図3】イメージセンサ300により撮影される領域を模式的に示す図である。
【図4】凹部100の第1の変形例(奥壁面100Bの形状によって死角を減少させる形態)を模式的に示す図である。
【図5】凹部100の第2の変形例(水平鏡面のみの形態)を模式的に示す図である。
【図6】制御プログラム5及び受付プログラム6の機能構成を例示する図である。
【図7】動作モードに関連付けられた焦点距離及び補正方式を例示する図である。
【図8】情報読取装置1の全体動作(S10)を説明するフローチャートである。
【図9】図8の受付処理(S20)をより詳細に説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態の情報読取装置1の全体構成を模式的に示す。
図1に示すように、情報読取装置1は、情報読取ユニット10と、情報処理ユニット20とを備える。情報読取ユニット10の筐体前面には、情報記録媒体を挿入するための凹部100が設けられている。ここで、情報記録媒体は、情報を記録できる媒体であれば何でもよいが、例えば、ICチップが搭載されたICカード、二次元コードなどのコードパターンが表面に印刷されたカード、ICチップ及びバーコードの両方が設けられたカード、又は、ICチップが搭載され二次元コードが表示可能な携帯電話などである。
情報読取ユニット10は、情報処理ユニット20の下方に設けられており、凹部100は、例えば、利用者の腰から肩の間の高さに位置するよう配置されている。
【0017】
情報処理ユニット20は、タッチパネル200と、情報処理装置50(不図示)とを有する。タッチパネル200は、凹部100と同じ筐体前面に設けられており、利用者の操作をガイドするガイド情報などの表示、及び、利用者による入力操作の受付を行う。
情報処理装置50は、情報処理ユニット20の筐体内部に設けられ、例えば、CPU(中央演算装置)、メモリ及び入出力制御装置などを有する。
【0018】
図2は、情報読取ユニット10の凹部100近傍における断面を模式的に示す。
図2に示すように、情報読取ユニット10の前面(すなわち、利用者と対向する操作面)に設けられた凹部100は、略水平な底面100A及び天面100Cと、略鉛直な奥壁面100Bとを有する。底面100Aは、前面方向の端部(凹部100の入口側)で、上に凸な曲面を有する。また、底面100Aの少なくとも一部には、鏡面302が設けられている。本例の鏡面302は、底面100Aの全体を覆うように設けられており、凸曲面鏡となっている。なお、本例の鏡面302及び底面100Aは、情報記録媒体が載置される略水平面から、前方方向に滑らかに連続する曲面となっているが、これに限定されるものではなく、複数の平面の組合せ(例えば、略水平な平面と、前方方向に落ちていく傾斜平面との組合せ)であってもよい。なお、底面100Aは、本発明に係る載置面の一例である。
【0019】
底面100A及び天面100Cは、互いに向かい合っており、少なくとも、情報記録媒体(例えば、カード状の媒体及び携帯電話)が挿入できる程度に離間している。例えば、天面100Cは、後述するイメージセンサ300が情報記録媒体を画角におさめることができ、かつ、イメージセンサ300の焦点位置が底面100Aとなりうるように、離間している。より具体的には、底面100Aと天面100Cとは、5cm〜10cm離間している。なお、イメージセンサ300は、本発明に係る撮影手段の一例である。
また、奥壁面100Bは、情報読取ユニット10の前面から、情報記録媒体全体を収容できる程度に後退した位置にある。すなわち、凹部100は、情報記録媒体を配置可能な深さ(例えば、10cm〜20cmの深さ)に窪んだ領域である。
【0020】
上記のように、イメージセンサ300と、情報記録媒体を載置する底面100A及び鏡面302とを配置することにより、図3に例示するように、凹部100の内部において、イメージセンサ300から撮影できない領域(いわゆる死角)が無くなり、凹部100の内部の汚れやいたずらの痕跡をイメージセンサ300で検知できるようになる。さらには、鏡面302を図3のような曲面とすることにより、イメージセンサ300は、情報読取装置1の前面に向かってくる人を撮影したり、情報読取装置1が設置された部屋の監視カメラとして撮影することもできる。すなわち、イメージセンサ300は、底面100A(すなわち、鏡面302)の近傍に焦点(第1の焦点距離)を合わせて、底面100Aに載置された情報記録媒体を撮影し、第1の焦点距離の1.5倍〜2.5倍の焦点距離(第2の焦点距離)で、奥壁面100B及び天面100Cを撮影し、第2の焦点距離よりも長い第3の焦点距離(例えば、無限遠)で、監視カメラ又は対人センサとして撮影する。
【0021】
凹部100の構成は上記に限定されるものではなく、例えば、図4に例示するように、奥壁面100Bが、天面100Cに設置されたイメージセンサ300の近傍から、底面100A(載置面)の最奥部に向けて傾斜した壁面であってもよい。この場合にも、イメージセンサ300からの死角が無くなる。
また、図4に例示するように、底面100Aに非接触ICカードリーダライタ304が設けられてもよい。より具体的には、底面100Aの直下に、非接触ICカードリーダライタ304のアンテナが埋め込まれている。非接触ICカードリーダライタ304は、底面100A上の読取領域(載置面)に配置されたICカードから、非接触で情報の読出し及び書込みを行う。このような構成により、イメージセンサ300は、底面100Aに載置された情報記録媒体の表面から、画像情報(例えば、二次元コードやバーコードなど)を読み取り、非接触ICカードリーダライタ304は、同じ位置に載置された情報記録媒体から、ICチップに記録された情報を読み取ることができる。
また、図5に例示するように、底面100A及び鏡面302が、曲面ではなく略水平面であっても、少なくとも凹部100内部の死角が無くすことができる。本例では、鏡面302の直下に、非接触ICカードリーダライタ304のアンテナが埋め込まれる。
【0022】
次に、上記構成の情報読取装置1の利用方法を説明する。以下の実施形態では、図3の情報読取装置1に、図5と同様に、鏡面302の下に非接触ICカードリーダライタ304を追加した構成を、情報読取装置1の具体例として説明する。
図6は、情報読取装置1にインストールされる制御プログラム5及び受付プログラム6の機能構成を例示する図である。本図の制御プログラム5及び受付プログラム6は、例えば、CD−ROMなどの情報記録媒体を介して、情報読取装置1の情報処理装置50にインストールされる。
【0023】
図6に例示するように、制御プログラム5は、カメラ制御部500、画像取得部505、モード選択部510、転送先選択部515、人検知部520、汚れ痕跡検知部525、及び異常通知部530を有する。受付プログラム6は、ICデータ読取部600、情報抽出部605、ユーザインタフェース部(ユーザIF部)610、印刷部615、及び受付制御部620を有する。また、情報読取装置1には、監視画像を格納するための記録領域として、監視画像格納部40が設けられている。
【0024】
制御プログラム5において、カメラ制御部500は、モード選択部510により選択された動作モードに応じて、イメージセンサ300を制御する。より具体的には、カメラ制御部500は、モード選択部510により選択された動作モードに応じて、焦点距離と、ゲイン調整、ホワイトバランス調整及び露光量調整などの補正処理とを変更させる。本例のカメラ制御部500は、図7に例示するように、モード選択部510が第1モード(監視カメラ兼対人センサとして動作するモード)を動作モードとして選択した場合に、焦点距離を無限遠とし、撮影された画像に基づいてゲイン等を調整する通常の調整処理を行うようイメージセンサ300を制御する。また、カメラ制御部500は、モード選択部510が第2モード(いたずら防止モード)を選択した場合に、焦点距離を第2の焦点距離(すなわち、イメージセンサ300から底面100Aまでの距離の約2倍)とし、撮影された画像に基づいてゲイン等を調整する通常の調整処理を行うようイメージセンサ300を制御する。また、カメラ制御部500は、モード選択部510が第3モード(情報記録媒体から情報を読み取るモード)を選択した場合に、焦点距離を第1の焦点距離(すなわち、イメージセンサ300から底面100Aまでの距離)とし、通常の調整処理よりも高速に調整可能な高速調整処理を行うようイメージセンサ300を制御する。高速調整処理は、例えば、既定数の補正パターンの中から、一つの補正パターンを選択して適用するものである。
【0025】
画像取得部505は、イメージセンサ300により撮影された画像データを転送先選択部515に出力する。
モード選択部510は、ユーザの操作、対人センサの検知結果、又は、受付処理のステップに応じて、情報読取装置1の動作モードを選択する。
【0026】
転送先選択部515は、モード選択部510により選択される動作モードに応じて、イメージセンサ300により撮影された画像データの転送先を選択する。より具体的には、転送先選択部515は、第1モードが選択された場合に、監視画像格納部40及び人検知部520を転送先に選択し、第2モードが選択された場合に、汚れ痕跡検知部525を転送先に選択し、第3モードが選択された場合に、情報抽出部605を転送先に選択する。
【0027】
人検知部520は、イメージセンサ300により撮影された画像データに基づいて、情報読取装置1に近づいてくる人の有無を検知し、検知結果をモード選択部510に出力する。例えば、人検知部520は、転送先選択部515から入力された画像データに基づいて、画像の変化、又は、肌色領域の大きさを特定し、特定された画像の変化又は肌色領域の大きさに基づいて、人の有無を検知する。
【0028】
汚れ痕跡検知部525は、イメージセンサ300により撮影された画像データに基づいて、凹部100の内部における汚れ又はいたずらの痕跡の有無を検知し、検知結果を異常通知部530に出力する。例えば、汚れ痕跡検知部525は、転送先選択部515から入力された画像データに基づいて、画像の変化を特定し、特定された変化に基づいて、汚れ又はいたずらの痕跡の有無を検知する。
異常通知部530は、汚れ痕跡検知部525による検知結果に応じて、異常通知を行う。
【0029】
受付プログラム6において、ICデータ読取部600は、非接触ICカードリーダライタ304を制御して、底面100Aに載置された情報記録媒体から、情報を読み取る。
情報抽出部605は、イメージセンサ300により撮影された画像に基づいて、情報記録媒体の表面から、情報を読み取る。例えば、情報抽出部605は、転送先選択部515から転送された画像データの中から、コード画像を抽出し、抽出されたコード画像に埋め込まれた情報を特定する。なお、情報抽出部605は、転送先選択部515から転送された画像データの特定の領域に対してOCR処理を施して、文字情報を読み出してもよい。
【0030】
ユーザIF部610は、タッチパネル200を制御して、ユーザの入力操作の受付と、画像表示によるユーザへの情報提供とを行う。
印刷部615は、画像読取装置1がユーザに提供する情報を印刷する。
受付制御部620は、他の構成要素を制御して、ユーザに対してサービスを提供する。より具体的には、受付制御部620は、ICデータ読取部600又は情報抽出部605を介して入力された媒体情報(すなわち、情報記録媒体から読み取られた情報)と、ユーザIF部610を介して入力された入力情報(すなわち、ユーザが直接入力した情報)とに基づいて、ユーザに対して提供するサービスの内容を決定し、決定したサービス内容に応じて、情報をタッチパネル200に表示させたり、チケットなどの印刷処理を行ったりする。
【0031】
図8は、情報読取装置1の全体動作(S10)を説明するフローチャートである。
図8に示すように、ステップ100(S100)において、情報読取装置1のモード選択部510は、電源投入直後、又は、前回受付処理の終了直後に、第2モードを選択し、カメラ制御部500及び転送先選択部515に対して、第2モードに対応する動作を指示する。
カメラ制御部500は、モード選択部510の指示に応じて、焦点距離を第2の焦点距離(すなわち、イメージセンサ300から底面100Aまでの距離の約2倍)とし、撮影された画像に基づいてゲイン等を調整する通常の調整処理を行うようイメージセンサ300を指示する。
転送先選択部515は、モード選択部510の指示に応じて、イメージセンサ300により撮影された画像データを、画像取得部505を介して取得し、取得された画像データを汚れ痕跡検知部525に出力する。
【0032】
ステップ105(S105)において、汚れ痕跡検知部525は、転送先選択部515から画像データが入力されると、入力された画像データに基づいて、凹部100の内部に、汚れ、又は、いたずらの痕跡の有無を検知し、検知結果を異常通知部530に出力する。
情報読取装置1は、汚れ痕跡検知部525によって汚れ又はいたずらの痕跡が検知された場合に、S110の処理に移行し、汚れ痕跡検知部525によって汚れ又はいたずらの痕跡が検知されなかった場合に、S115の処理に移行する。
【0033】
ステップ110(S110)において、異常通知部530は、「異常が発生しました。係員を呼んでください。」というメッセージをタッチパネル200に表示させて、異常をユーザに通知する。なお、異常通知部530は、メンテナンスの係員の携帯端末などに、直接、異常を通知するメールを送信してもよい。
【0034】
ステップ115(S115)において、モード選択部510は、汚れ痕跡検知部525による検知処理が終了すると、第2モードから第1モードに変更し、カメラ制御部500及び転送先選択部515に対して、第1モードに対応する動作を指示する。
【0035】
ステップ120(S120)において、カメラ制御部500は、モード選択部510の指示に応じて、焦点距離を無限遠(第3の焦点距離)とし、撮影された画像に基づいてゲイン等を調整する通常の調整処理を行うようイメージセンサ300を指示する。
転送先選択部515は、モード選択部510の指示に応じて、イメージセンサ300により撮影された画像データを、画像取得部505を介して取得し、取得された画像データを人検知部520及び監視画像格納部40に出力する。監視画像格納部40に格納される画像データは、監視カメラで撮影された画像データと同様に管理され、保管される。
【0036】
ステップ125(S125)において、人検知部520は、転送先選択部515から入力された画像データに基づいて、情報読取装置1に近づいてくる人の有無を検知する。
情報読取装置1は、人検知部520により人が検知された場合に、S130の処理に移行し、人検知部520により人が検知されない場合に、S120の処理に戻って、人の検知を継続する。
【0037】
ステップ130(S130)において、モード選択部510は、人検知部520により人が検知されると、第1モードから第2モードに変更し、いたずらの痕跡の有無を検知させる。
ステップ135(S135)において、転送先選択部515は、イメージセンサ300により撮影された画像データをタッチパネル200に表示させる。
【0038】
ステップ20(S20)において、情報読取装置1は、受付処理を行い、受付処理が終了すると、本処理(S10)を終了する。
【0039】
図9は、図8の受付処理(S20)をより詳細に説明するフローチャートである。
図9に示すように、ステップ200(S200)において、受付制御部620は、人検知部520により人が検知されると、ユーザIF部610を介して、タッチパネル200に、メニューを表示させる。
【0040】
ステップ205(S205)において、ユーザIF部610は、タッチパネル200を制御して、ユーザのタッチ操作を検知して、ユーザにより選択されたメニューを特定する。
受付制御部620は、ユーザIF部610により特定されたメニューに対応するサービスにおいて、ICから読み取った情報のみが必要であるか否かを判断する。
情報読取装置1は、ICから読み取った情報のみが必要であると判断された場合に、S210の処理に移行し、情報格納媒体の表面に表示された情報が必要であると判断された場合に、S215の処理に移行する。
【0041】
ステップ210(S210)において、ユーザIF部610は、受付制御部620の指示に応じて、タッチパネル200に、「規定の位置に媒体を置いてください。」というメッセージを表示させて、情報記録媒体の載置位置を示唆する。
【0042】
ステップ215(S215)において、ユーザIF部610は、受付制御部620の指示に応じて、タッチパネル200に、「コードを上向きにして、規定の位置に媒体を置いてください。」というメッセージを表示させて、情報記録媒体の載置位置及び表裏を示唆する。
【0043】
ステップ220(S220)において、モード選択部510は、S210又はS215の処理が完了すると、第2モードから第3モードに変更し、カメラ制御部500及び転送先選択部515に対して、第3モードに対応する動作を指示する。
【0044】
ステップ225(S225)において、カメラ制御部500は、焦点距離を第1の焦点距離(すなわち、イメージセンサ300から底面100Aまでの距離)とし、高速調整処理を行うようイメージセンサ300を制御する。
イメージセンサ300は、カメラ制御部500の制御に従って、底面100Aに載置された情報格納媒体の表面を撮影する。撮影された画像データは、転送先選択部515を介して、情報抽出部605に出力される。情報抽出部605は、必要であれば、転送先選択部515から入力された画像データに基づいて、二次元コード又はバーコードに埋め込まれた情報(ユーザIDなど)を抽出し、抽出された情報を受付制御部620に出力する。
また、ICデータ読取部600は、必要であれば、非接触ICカードリーダライタ304を制御して、情報記録媒体から、情報を読み取り、読み取られた情報を受付制御部620に出力する。
【0045】
ステップ230(S230)において、受付制御部620は、必要な情報がICデータ読取部600又は情報抽出部605から入力されたか否かを判断し、必要な情報が未入力である場合に、S205の処理に戻り、必要な情報が入力された場合に、S235の処理に移行する。
【0046】
ステップ235(S235)において、受付制御部620は、ユーザにより選択されたメニュー、及び、情報記録媒体から読み取られた情報に応じて、ユーザが入力すべき情報を特定し、特定された情報に応じて、ユーザIF部610を介して、ユーザの入力を促すと共に、ユーザの入力操作を受け付ける。
【0047】
ステップ240(S240)において、受付制御部620は、ユーザIF部610を介して入力された入力情報と、ユーザにより選択されたメニューと、情報記録媒体から読み取られた情報とに応じて、提供する情報(例えば、チケット)を決定し、決定した情報を印刷部615に印刷させる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態の情報読取装置1によれば、イメージセンサ300が、バーコードなどの情報を読み取るための撮影と、凹部100の内部における汚れ等を検知するための撮影と、対人センサとして機能するための撮影と、監視カメラとしての撮影を行うことができる。
【0049】
[変形例]
次に、上記実施形態の変形例を説明する。
上記実施形態では、動作モードに応じて、イメージセンサ300の焦点処理と、補正方式とを変更しているが、これらに加えて、画角を変更してもよい。例えば、カメラ制御部500は、第1モード、第2モード、第3モードの順に、イメージセンサ300の画角を狭くする。これにより、第1モードでは、曲面鏡の領域まで広く撮影され、第2モードでは、曲面鏡の領域が画角に含まれなくても、情報記録媒体の載置領域の周囲まで広く撮影され、第3モードでは、情報記録媒体の載置領域に絞って撮影される。
【符号の説明】
【0050】
1…情報読取装置
10…情報読取ユニット
20…情報処理ユニット
300…イメージセンサ
302…鏡面
304…非接触ICカードリーダライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録媒体を載せる載置面と、
前記載置面の少なくとも一部に設けられた鏡面と、
前記載置面と向かい合う面に設けられ、前記載置面の方向を撮影する撮影手段と
を有する情報読取装置。
【請求項2】
少なくとも、前記載置面の近傍で焦点が合う第1の焦点距離と、この第1の焦点距離よりも長い第2の焦点距離との中から、適用すべき焦点距離を選択し、選択された焦点距離で前記撮影手段に撮影させる制御手段
をさらに有し、
前記撮影手段は、前記第1の焦点距離又は前記第2の焦点距離で、前記載置面の方向を撮影する
請求項1に記載の情報読取装置。
【請求項3】
前記鏡面は曲面鏡となる部分を含み、
前記第2の焦点距離は、前記第1の焦点距離の1.5倍〜2.5倍であり、
前記制御手段は、前記第1の焦点距離、前記第2の焦点距離、及び、この第2の焦点距離よりも長い第3の焦点距離の中から、適用すべき焦点距離を選択する
請求項2に記載の情報読取装置。
【請求項4】
少なくとも、既定の補正パターンの中の一つを選択して適用する第1の補正方法と、撮影された画像に基づいて補正量を決定する第2の補正方法との中から、適用すべき補正方法を選択し、選択された補正方法で前記撮影手段に補正させる制御手段
をさらに有し、
前記撮影手段は、前記制御手段により選択された補正方法で、撮影された画像に対して補正処理を施す
請求項1に記載の情報読取装置。
【請求項5】
前記撮影手段により撮影された画像データの転送先を、複数の転送先の中から選択する転送先選択手段
をさらに有する請求項2又は請求項3に記載の情報読取装置。
【請求項6】
情報読取装置の動作モードが複数用意されており、
前記制御手段は、前記動作モードに応じて、焦点距離を選択し、
前記転送先選択手段は、前記動作モードに応じて、画像データの転送先を選択する
請求項5に記載の情報読取装置。
【請求項7】
情報読取装置の筐体前面に設けられ、情報記録媒体を配置可能な深さに窪んだ凹部と、
前記凹部の底面に設けられ、情報記録媒体を載置するための載置面と、
前記凹部の天面に設けられた撮影手段と、
前記撮影手段の設置位置から、前記載置面の最奥部に向けて傾斜している前記凹部の奥壁面と
を有する情報読取装置。
【請求項8】
情報記録媒体を載せる載置面と、この載置面の少なくとも一部に設けられた鏡面とを有する情報読取装置において、
第1の焦点距離で、前記載置面の方向をカメラに撮影させる第1の撮影ステップと、
前記第1の焦点距離とは異なる第2の焦点距離で、前記載置面の方向を前記カメラに撮影させる第2の撮影ステップと
を有する情報読取方法。
【請求項9】
情報記録媒体を載せる載置面と、この載置面の少なくとも一部に設けられた鏡面とを有する情報読取装置において、
第1の焦点距離で、前記載置面の方向をカメラに撮影させる第1の撮影ステップと、
前記第1の焦点距離とは異なる第2の焦点距離で、前記載置面の方向を前記カメラに撮影させる第2の撮影ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−181567(P2012−181567A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42045(P2011−42045)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000136136)株式会社PFU (354)
【Fターム(参考)】