説明

情報通信端末

【課題】 相手側の情報通信端末との接続中において、その相手側の端末との間で情報の授受を行うことが可能な情報通信端末を提供すること
【解決手段】 本発明のテレビ電話機10は、映像及び音声を、テレビ電話機20との間で交換することが可能な情報通信端末であって、テレビ電話機20との間における、映像チャネル及び音声チャネルの開設要求を受け付ける発呼受付部11と、開設要求の受け付けに応じて、テレビ電話機20との間においてデータチャネルの開設要求を通信網40へ送信する開設要求部14と、テレビ電話機20との間でデータチャネルが開設されると、開設されたデータチャネルを経由してテレビ電話機20に所定のデータを送信するデータ送受信部16と、テレビ電話機20との間でデータチャネルが開設された後に、通信網40との間で映像チャネル及び音声チャネルの開設を行うチャネル開設部19とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲における映像及び音声を、他の情報通信端末との間で連続的に交換することが可能な情報通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信端末の周囲における映像及び音声を、他の情報通信端末との端末間で連続的に交換することが可能な情報通信端末として、例えば、テレビ電話機がある。テレビ電話機の通信システムでは、映像と音声を他のテレビ電話機と交換するために、映像チャネル及び音声チャネルを端末間に確立する。この映像チャネル及び音声チャネルの確立を含むテレビ電話の接続シーケンスには、最低6〜8秒程度の時間を要し、ユーザにストレスを与える原因となっていた。そこで、テレビ電話の接続シーケンスを短縮するための提案がなされている(下記特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−115630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、いかにテレビ電話の接続シーケンスを短縮したとしても、音声のみの電話の接続シーケンスと比較して、少なくとも映像チャネルを確立するための時間は余分にかかることになる。
【0004】
そこで、本発明者らは、テレビ電話の接続シーケンスを短縮するのとは別の観点から、テレビ電話のユーザが接続時に感じる時間的負担を軽減することができないか検討を行った。
【0005】
本発明はこの検討の結果見出されたものであり、相手側の情報通信端末との接続中において、その相手側の端末との間で情報の授受を行うことが可能な情報通信端末を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報通信端末は、情報通信端末の周囲における映像及び音声を、他の情報通信端末との間で連続的に交換することが可能な情報通信端末であって、他の情報通信端末との間における、映像を伝播する映像チャネル及び音声を伝播する音声チャネルの開設要求を受け付ける発呼受付手段と、開設要求の受け付けに応じて、他の情報通信端末との間においてデータを交換するためのデータチャネルの開設要求を情報通信端末が属する通信網へ送信する開設要求手段と、データチャネルの開設要求に応じて、他の情報通信端末との間でデータチャネルが開設されると、開設されたデータチャネルを経由して他の情報通信端末に所定のデータを送信するデータ送信手段と、他の情報通信端末との間でデータチャネルが開設された後に、通信網との間で映像チャネル及び音声チャネルの開設を行うチャネル開設手段と、を備える。
【0007】
本発明によれば、映像チャネル及び音声チャネルの開設要求の受け付けに応じて、データチャネルの開設要求が通信網に送信されるので、映像チャネル及び音声チャネルの開設に先立ってデータチャネルが開設される。従って、映像及び音声をやり取りする前に所定のデータを他の情報通信端末に送信することができる。
【0008】
また本発明の情報通信端末は、発呼受付手段が開設要求を受け付けると、当該情報通信端末の通信能力を示すバージョン情報を他の情報通信端末へ送信するバージョン情報送信手段と、当該バージョン情報の送信に応じて他の情報通信端末から送信される、他の情報通信端末の通信能力を示すバージョン情報を受信するバージョン情報受信手段を備え、当該受信したバージョン情報と、バージョン情報送信手段が送信したバージョン情報との照合結果に応じて、開設要求手段が開設要求を通信網に送信することも好ましい。
【0009】
本発明のこの好ましい態様によれば、情報通信端末の通信能力を示すバージョン情報を通信相手先に送信すると共に、その通信相手先である他の情報通信端末からバージョン情報を受信するので、バージョン情報を交換することができ、互いの通信能力を簡便に把握することができる。その交換したバージョン情報の照合結果に応じて開設要求を通信網に送信するので、各チャネルの開設を円滑に行うことができる。
【0010】
また本発明の情報通信端末は、発呼受付手段が開設要求を受け付けると、通信網に対して他の情報通信端末がデータ通信可能か否かを問い合わせる相手先問合せ手段と、当該問合せに応じて通信網から他の情報通信端末がデータ通信可能であるとの返答が送信されてきた場合に、開設要求手段が開設要求を通信網に送信することも好ましい。通信網が把握している他の情報通信端末についての情報を利用し、他の情報通信端末がデータ通信可能か否かを判断できるので、データ通信が可能な場合にのみ開設要求を通信網に送信することができる。従って、相手先がデータ通信不可能な場合に開設要求を通信網に送信し続けるといった無駄な処理を省くことができる。
【0011】
また本発明の情報通信端末は、他の情報通信端末との間でデータチャネルが開設されると、開設されたデータチャネルを経由して他の情報通信端末から送信されるデータを受信するデータ受信手段を備えることも好ましい。データチャネルの開設後に他の情報通信端末からデータを受信するので、映像チャネル及び音声チャネルが開設される前に、データを受信することができる。
【0012】
本発明の情報通信端末は、情報通信端末の周囲における映像及び音声を、他の情報通信端末との間で連続的に交換することが可能な情報通信端末であって、情報通信端末が属する通信網から送信された、他の情報通信端末との間においてデータを交換するためのデータチャネルの開設要求を受け付ける開設受付手段と、データチャネルの開設要求の受け付けに応じて、他の情報通信端末との間でデータチャネルが開設されると、開設されたデータチャネルを経由して他の情報通信端末に所定のデータを送信するデータ送信手段と、他の情報通信端末との間でデータチャネルが開設された後に、通信網との間で前記映像チャネル及び音声チャネルの開設を行うチャネル開設手段と、を備える。
【0013】
本発明によれば、通信網から送信されるデータチャネルの開設要求の受け付けに応じて、映像チャネル及び音声チャネル開設に先立って、他の情報通信端末との間にデータチャネルの開設がなされるので、映像及び音声をやり取りする前に所定のデータを他の情報通信端末に送信することができる。
【0014】
また、本発明の情報通信端末では、他の情報通信端末との間でデータチャネルが開設されると、開設されたデータチャネルを経由して他の情報通信端末から送信されるデータを受信するデータ受信手段を備えることも好ましい。データチャネルの開設後に他の情報通信端末からデータを受信するので、映像チャネル及び音声チャネルが開設される前に、データを受信することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、相手側の情報通信端末との接続中において、その相手側の端末との間で情報の授受を行うことが可能な情報通信端末を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の知見は、例示のみのために示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解することができる。引き続いて、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0017】
本実施形態の情報通信端末について図1を参照しながら説明する。テレビ電話機10(情報通信端末)とテレビ電話機20(情報通信端末)は、互いにそれぞれの周囲における映像及び音声を、通信網40を介して連続的に交換するテレビ電話通信ができるように構成されている。また、テレビ電話端末10は、通信網40に属する加入者サーバ30と情報の送受信ができるように構成されている。本実施形態では、テレビ電話機10を発呼側、テレビ電話機20を着呼側、としてそれぞれ説明する。尚、テレビ電話機10が着呼側、テレビ電話機20が発呼側、となってもよく、その場合は相手側の機能的な構成要素(詳細は後述する)を備えることとなる。
【0018】
通信網40には加入者サーバ30も通信可能なように接続されている。加入者サーバ30は、電話番号を受信すると、受信した電話番号に対応する電話端末の端末情報を生成して返信する。本実施形態において端末情報とは、その端末情報に関連付けられた端末がデータ通信を行うことが可能か否かを特定する情報を含んでいる。加入者サーバ30は、データ通信を行うことが可能なテレビ電話機を特定する電話番号を格納している。加入者サーバ30は、受信した電話番号と格納した電話番号との照会結果に基づいて端末情報を生成する。
【0019】
続いてテレビ電話機10及びテレビ電話機20についてそれぞれ説明する。テレビ電話機10及びテレビ電話機20は、物理的には、CPU、メモリー、電源、パワーアンプ、周波数変換チップ、アンテナ、及び入出力インターフェイス部といった要素から構成される情報通信装置である。
【0020】
まず、テレビ電話機10の機能的な構成要素について説明する。テレビ電話機10は、機能的な構成要素として、発呼受付部11(発呼受付手段)と、相手先問合せ部12(相手先問合せ手段)と、バージョン情報送受信部13(バージョン情報送信手段、バージョン情報受信手段)と、開設要求部14(開設要求手段)と、データチャネル開設部15(データチャネル開設手段)と、データ送信部16(データ送信手段、データ受信手段)、データ設定部17、データ再生部18、チャネル開設部19(チャネル開設手段)とを備える。引き続いて、テレビ電話機10の各構成要素について説明する。
【0021】
発呼受付部11は、テレビ電話機20との間における、映像を伝播する映像チャネル及び音声を伝播する音声チャネルの開設要求を受け付ける部分である。発呼受付部11は、開設要求を受け付けると、開設要求を受け付けた旨を示す情報と発呼先であるテレビ電話機20の電話番号とを相手先問合せ部13へ出力する。
【0022】
相手先問合せ部12は、発呼受付部11が開設要求を受け付けると、通信網40に対してテレビ電話機20がデータ通信可能か否かを問い合わせる部分である。相手先問合せ部12は、接続要求としてテレビ電話機20の電話番号を通信網40へ送信する。この接続要求は通信網40から加入者サーバ30へ送信される。従って、相手先問合せ部12は、テレビ電話機20の電話番号を通信網40を介して加入者サーバ30へ送信していることになる。
【0023】
相手先問合せ部12は、テレビ電話機20の電話番号の送信に応じて加入者サーバ30から返信されるテレビ電話機20の端末情報を、通信網40を介して受信する。相手先問合せ部12は、受信したテレビ電話機20の端末情報をバージョン情報送受信部13へ出力する。
【0024】
バージョン情報送受信部13は、相手先問合せ部12から入力された端末情報がデータ通信可能であることを示す場合に、テレビ電話機10の通信能力を示すバージョン情報をテレビ電話機20へ送信する部分である。バージョン情報とは、映像圧縮プロトコル、音声圧縮プロトコル、フレームレート、通信速度等の通信能力を示す各項目についての仕様と関連づけられた、テレビ電話機のバージョンを示す情報である。更に、バージョン情報送受信部13は、バージョン情報の送信に応じてテレビ電話機20から返信される、テレビ電話機20の通信能力を示すバージョン情報を受信する部分である。バージョン情報送受信部13は、受信したバージョン情報を開設要求部14とチャネル開設部19へ出力する。
【0025】
バージョン情報送受信部13は、端末情報がデータ通信可能ではないことを示す場合には、映像圧縮プロトコル、音声圧縮プロトコル、フレームレート、通信速度等の通信能力を示す各項目についてそれぞれテレビ電話機20と情報を交換する。交換したテレビ電話機20の通信能力仕様を示す情報をチャネル開設部19へ出力する。
【0026】
開設要求部14は、テレビ電話機20との間においてデータを交換するためのデータチャネルの開設要求を通信網40へ送信する部分である。開設要求部14は、バージョン情報送受信部13が受信したバージョン情報と、バージョン情報送受信部13が送信したバージョン情報と、の照合結果に応じて開設要求を通信網40に送信する。開設要求部14は、開設要求を送信すると、開設要求を送信した旨をデータチャネル開設部15へ出力する。
【0027】
データチャネル開設部15は、開設要求に応じて通信網40との間にデータチャネルを開設する部分である。データチャネル開設部15は、データチャネルを開設すると、データチャネルを開設した旨を示す情報をデータ送受信部16へ出力する。
【0028】
データ送受信部16は、開設されたデータチャネルを経由してテレビ電話機20に、後述するデータ設定部17から出力されたデータを送信する部分である。データ送受信部16は、データを送信すると、データ送信済みの旨を示す情報をチャネル開設部19へ出力する。
【0029】
また、データ送受信部16は、テレビ電話機20から開設されたデータチャネルを経由して送信されるデータを受信する部分である。データ送受信部16は、データを受信すると、受信したデータをデータ再生部18へ出力する。
【0030】
データ設定部17は、ユーザの入力に応じてデータの設定を行う部分である。
データとは、データチャネルにて送受信可能なデータであって、映像チャネルや音声チャネルにて連続的に送受信される映像データや音声データよりも容量が小さいデータである。例えば、数秒程度の音声データである。設定したデータは、データ送受信部16へ出力する。
【0031】
データ再生部18は、データ送受信部16から出力されたデータを再生する部分である。
【0032】
チャネル開設部19は、バージョン情報がバージョン情報送受信部13から出力された場合に、データが送信された後に、通信網40との間に映像チャネル及び音声チャネルを開設する部分である。この場合、チャネル開設部19は、バージョン情報送受信部13が受信したバージョン情報と、バージョン情報送受信部13が送信したバージョン情報と、の照合結果に応じて、映像チャネル及び音声チャネルを開設する。チャネル開設部19は、バージョン情報送受信部13から通信能力仕様を示す情報を出力された場合は、データチャネルの開設を待たずに、通信能力仕様を示す情報に応じて通信網40との間に映像チャネル及び音声チャネルを開設する。
【0033】
次に、テレビ電話機20の機能的な構成要素について説明する。テレビ電話機20は、機能的な構成要素として、バージョン情報送受信部23、開設受付部24(開設受付手段)、データチャネル開設部25、データ送受信部26(データ送信手段、データ受信手段)、データ設定部27、データ再生部28、チャネル開設部29(チャネル開設手段)とを備える。引き続いて、テレビ電話機20の各構成要素について説明する。
【0034】
バージョン情報送受信部23は、テレビ電話機10から送信されるテレビ電話機10のバージョン情報を受信して、テレビ電話機20のバージョン情報をテレビ電話機10へ返信する部分である。
【0035】
開設受付部24は、通信網40から送信される、テレビ電話機10との間においてデータを交換するためのデータチャネルの開設要求を受け付ける部分である。開設受付部24は、開設要求を受け付けると、開設要求を受け付けた旨を示す情報をデータチャネル開設部25へ出力する。
【0036】
データチャネル開設部25は、開設受付部24による開設要求の受け付けに応じて通信網40との間にデータチャネルを開設する部分である。
【0037】
データ送受信部26は、開設されたデータチャネルを経由してテレビ電話機10から送信されるデータを受信する部分である。データ送受信部26は、受信したデータをデータ再生部28へ出力する。データ送受信部26は、データを受信するとデータ受信済みの旨を示す情報をチャネル開設部29へ出力する。
【0038】
また、データ送受信部26は、開設されたデータチャネルを経由してテレビ電話機10へ、後述するデータ設定部27から出力されたデータを送信する部分である。
【0039】
データ設定部27は、ユーザの入力に応じてデータの設定を行う部分である。
設定したデータは、データ送受信部26へ出力する。
【0040】
データ再生部28は、データ送受信部26から出力されたデータを再生する部分である。
【0041】
チャネル開設部29は、データが受信された後に、通信網40との間に映像チャネル及び音声チャネルを開設する部分である。この場合、チャネル開設部29は、バージョン情報送受信部23が受信したバージョン情報と、バージョン情報送受信部23が送信したバージョン情報と、の照合結果に応じて、映像チャネル及び音声チャネルを開設する。
【0042】
引き続いて、テレビ電話機10における、テレビ電話機20とのテレビ電話通信の接続動作について図2を参照しながら説明する。図2は、テレビ電話機10の動作を説明するフローチャートである。
【0043】
予め、ユーザの入力に応じたデータの設定が、データ設定部17によって行われる(ステップ51)。
【0044】
データの設定が行われた後に、映像チャネル及び音声チャネルの開設要求が発呼受付部12によって受け付けられる(ステップ52)。開設要求が受け付けられると、テレビ電話機20との接続要求として、テレビ電話機20の電話番号が相手先問合せ部13によって通信網40へ送信される(ステップ53)。送信された電話番号に応じて、通信網40から返信されるテレビ電話機20の端末情報が、相手先問合せ部12によって受信される(ステップ54)。
【0045】
端末情報が受信されると、その端末情報がテレビ電話機20がデータ通信可能である旨を示す場合(ステップ55でYES)は、テレビ電話機20へテレビ電話機10のバージョン情報が、バージョン情報送受信部13によって送信される(ステップ56)。バージョン情報が送信されると、バージョン情報の送信に応じてテレビ電話機20から返信されるテレビ電話機20のバージョン情報が、バージョン情報送受信部13によって受信される(ステップ57)。
【0046】
バージョン情報が受信されると、データチャネルの開設要求が、開設要求部14によって通信網40へ送信される(ステップ58)。データチャネルの開設要求が送信されると、通信網40との間でデータチャネルの開設が、データチャネル開設部15によって行われる(ステップ59)。
【0047】
データチャネルが開設されると、データ設定部17によって設定されたデータが、データ送受信部16によってテレビ電話機20へ送信される(ステップ60)。データが送信されると、チャネル開設部19によって、映像チャネル及び音声チャネルが通信網40との間に開設される(ステップ62)。
【0048】
相手先問合せ部12によって受信された端末情報が、テレビ電話機20がデータ通信可能でない旨を示す場合(ステップ55でNO)、バージョン情報送受信部13によって、通信能力仕様を示す情報がテレビ電話機20と交換される(ステップ61)。通信能力仕様を示す情報の交換がなされると、チャネル開設部19によって、映像チャネル及び音声チャネルが通信網40との間に開設される(ステップ62)。
【0049】
テレビ電話機20における、テレビ電話機10とのテレビ電話通信の接続動作について図3を参照しながら説明する。図3は、テレビ電話機20の動作を説明するフローチャートである。
【0050】
テレビ電話機10から送信されたテレビ電話機10のバージョン情報が、バージョン情報送受信部23によって受信される(ステップ71)。テレビ電話機10のバージョン情報が受信されると、テレビ電話機20のバージョン情報が、バージョン情報送受信部23によってテレビ電話機10へ送信される(ステップ72)。
【0051】
バージョン情報が送信されると、通信網40から送信される開設要求が開設受付部24によって受け付けられる(ステップ73)。開設要求が受け付けられると、データチャネル開設部25によって、通信網40との間にデータチャネルが開設される(ステップ74)。
【0052】
データチャネルが開設されると、テレビ電話機10から送信されたデータが、データ送受信部26によって受信される(ステップ75)。データが受信されると、データ再生部28によって受信されたデータの再生が開始される(ステップ76)。データが受信されると、チャネル開設部29によって映像チャネル及び音声チャネルが開設される(ステップ77)。
【0053】
引き続いて、テレビ電話機10とテレビ電話機20とのテレビ電話通信の接続シーケンスについて図4を参照しながら説明する。
【0054】
テレビ電話20の電話番号が、相手先問合せ部12によって、テレビ電話10から通信網40へ送信される(ステップ81)。テレビ電話機20の電話番号が通信網40へ送信されると、テレビ電話機20の電話番号が通信網40から加入者サーバ30へ送信される(ステップ82)。
【0055】
テレビ電話機20の電話番号が加入者サーバ30へ送信されると、テレビ電話機20の端末情報が加入者サーバ30から通信網40へ送信される(ステップ83)。テレビ電話機20の端末情報が通信網40へ送信されると、そのテレビ電話機20の端末情報が通信網40からテレビ電話機10へ送信される(ステップ84)。
【0056】
テレビ電話機20の端末情報がテレビ電話機10へ送信されると、テレビ電話10とテレビ電話20との間で通信網40を介したコネクションの確立がなされる(ステップ85)。
【0057】
コネクションの確立がなされると、テレビ電話機10のバージョン情報が、バージョン情報送受信部13によってテレビ電話機10からテレビ電話機20へ送信される(ステップ86)。テレビ電話機10のバージョン情報が送信されると、テレビ電話機20のバージョン情報が、バージョン情報送受信部23によってテレビ電話機20からテレビ電話機10へ送信される(ステップ87)。
【0058】
テレビ電話機20のバージョン情報が送信されると、データチャネルの開設要求が、開設要求部14によってテレビ電話機10から通信網40へ送信される(ステップ88)。データチャネルの開設要求がテレビ電話機10から通信網40へ送信されると、データチャネルの開設要求が、通信網40からテレビ電話機20へ送信される(ステップ89)。
【0059】
データチャネルの開設要求がテレビ電話機20へ送信されると、データチャネルの開設要求に応じたデータチャネルが、データチャネル開設部15及びデータチャネル開設部25によって、テレビ電話機10とテレビ電話機20との間に開設される(ステップ90)。
【0060】
データチャネルが開設されると、データがテレビ電話機10からテレビ電話機20へデータ送受信部16によって送信される(ステップ91)。データが送信されると、テレビ電話機20のデータ再生部28によって、送信されたデータの再生が開始される(ステップ92)。
【0061】
テレビ電話機20においてデータが再生されている間に、テレビ電話機10とテレビ電話機20との間に映像チャネル及び音声チャネルが、チャネル開設部19及びチャネル開設部29によって開設される(ステップ93)。
【0062】
本実施形態に係るテレビ電話機10及びテレビ電話機20の効果について説明する。テレビ電話機10において、映像チャネル及び音声チャネルの開設要求の受け付けに応じて、データチャネルの開設要求が通信網40へ送信される。よって、映像チャネル及び音声チャネルの開設に先立って、テレビ電話機10とテレビ電話機20との間にデータチャネルが開設される。従って、映像チャネル及び音声チャネルの開設中に、テレビ電話機10とテレビ電話機20との間で情報の授受を行うことが可能となる。
【0063】
また、バージョン情報送受信部13及びバージョン情報送受信部23によって、バージョン情報を相互に交換するので、互いの通信能力を簡便に把握することができる。その交換したバージョン情報の照合結果に応じてデータチャネルの開設要求を通信網40へ送信するので、各チャネルの開設を円滑に行うことができる。
【0064】
また、テレビ電話機10において、テレビ電話機20の端末情報を通信網40から受信するので、通信網40が把握している情報を利用して、テレビ電話機20がデータ通信可能か否かを判断できる。よって、データ通信が可能な場合にのみ開設要求を通信網40に送信することができる。従って、テレビ電話機20がデータ通信不可能な場合に、データチャネルの開設要求を通信網40に送信し続けるといった無駄な処理を省くことができる。
【0065】
上記実施形態において、テレビ電話機10からテレビ電話機20へデータを送信する例について説明したが、テレビ電話機20からテレビ電話機10へデータを送信してもよい。テレビ電話機20からテレビ電話機10へデータを送信する場合は、データチャネルが開設されてから次のような動作がなされる。
【0066】
データチャネルが開設されると、テレビ電話機20のデータ設定部27によって予め設定されたデータを、テレビ電話機20のデータ送受信部26によってテレビ電話機10へ送信する。データがテレビ電話機10へ送信されると、テレビ電話機10のデータ送受信部16によってデータが受信される。テレビ電話機10においてデータが受信されると、テレビ電話機10のデータ再生部18によって、受信したデータの再生が開始される。データの再生中に、映像チャネル及び音声チャネルが開設される。従って、テレビ電話接続中に、テレビ電話機間で相互にデータを送受信することができる。
【0067】
また、テレビ電話機20においてデータの再生中に映像チャネル及び音声チャネルの開設が完了した場合、テレビ電話通信へ移行する方法を、テレビ電話機10において設定できるようにしてもよい。例えば、「データを規定時間再生した後にテレビ電話通信に移行する」、「データを最後まで再生してからテレビ電話通信に移行する。」又は「テレビ電話機20の操作により、データの再生が途中でもテレビ電話通信に移行できる。」といった項目について、テレビ電話機10において設定できるようにしてもよい。また、テレビ電話機10から発呼して、テレビ電話機20からデータを送信した場合には、テレビ電話通信への移行方法について、テレビ電話機10において選択できるようにしてもよい。
【0068】
また、データチャネルを介して送受信されるデータは音声に限らず、テキストデータやアプリケーション等でもよい。例えば、テレビ電話機20において着信時にキャラクターが表示されるように設定されている場合に、そのキャラクターの動きを制御するコマンド情報を、テレビ電話機10からテレビ電話機20へデータチャネルを介して送信してもよい。他にも、広告情報やメッセージ、サイトメニューなどのデータをデータチャネルを介して送受信してもよい。このように、テレビ電話接続中にテレビ電話機10とテレビ電話機20との間で様々なデータの送受信ができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本実施形態であるテレビ電話機の構成を説明するための図である。
【図2】本実施形態であるテレビ電話機の動作を説明するフローチャートである。
【図3】本実施形態であるテレビ電話機の動作を説明するフローチャートである。
【図4】本実施形態であるテレビ電話機間における接続のシーケンスを説明する図である。
【符号の説明】
【0070】
10・・・テレビ電話機、11・・・発呼受付部、12・・・相手先問合せ部、13・・・バージョン情報送受信部、14・・・開設要求部、15・・・データチャネル開設部、16・・・データ送受信部、17、データ設定部、18・・・データ再生部、19・・・チャネル開設部、20・・・テレビ電話機、23・・・バージョン情報送受信部、24・・・開設受付部、25・・・データチャネル開設部、26・・・データ送受信部、27・・・データ設定部、28・・・データ再生部、29・・・チャネル開設部、30・・・加入者サーバ、40・・・通信網。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該情報通信端末の周囲における映像及び音声を、他の情報通信端末との間で連続的に交換することが可能な情報通信端末であって、
前記他の情報通信端末との間における、前記映像を伝播する映像チャネル及び前記音声を伝播する音声チャネルの開設要求を受け付ける発呼受付手段と、
当該開設要求の受け付けに応じて、前記他の情報通信端末との間においてデータを交換するためのデータチャネルの開設要求を当該情報通信端末が属する通信網へ送信する開設要求手段と、
当該データチャネルの開設要求に応じて、前記他の情報通信端末との間でデータチャネルが開設されると、当該開設されたデータチャネルを経由して前記他の情報通信端末に所定のデータを送信するデータ送信手段と、
前記他の情報通信端末との間でデータチャネルが開設された後に、前記通信網との間で前記映像チャネル及び前記音声チャネルの開設を行うチャネル開設手段と、
を備える情報通信端末。
【請求項2】
前記発呼受付手段が前記開設要求を受け付けると、当該情報通信端末の通信能力を示すバージョン情報を前記他の情報通信端末へ送信するバージョン情報送信手段と、
当該バージョン情報の送信に応じて前記他の情報通信端末から送信される、前記他の情報通信端末の通信能力を示すバージョン情報を受信するバージョン情報受信手段を備え、
当該受信したバージョン情報と、前記バージョン情報送信手段が送信したバージョン情報との照合結果に応じて、前記開設要求手段が前記開設要求を前記通信網に送信することを特徴とする請求項1に記載の情報通信端末。
【請求項3】
前記発呼受付手段が前記開設要求を受け付けると、前記通信網に対して前記他の情報通信端末がデータ通信可能か否かを問い合わせる相手先問合せ手段と、
当該問合せに応じて前記通信網から前記他の情報通信端末がデータ通信可能であるとの返答が送信されてきた場合に、前記開設要求手段が前記開設要求を前記通信網に送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報通信端末。
【請求項4】
前記他の情報通信端末との間でデータチャネルが開設されると、当該開設されたデータチャネルを経由して前記他の情報通信端末から送信されるデータを受信するデータ受信手段を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報通信端末。
【請求項5】
当該情報通信端末の周囲における映像及び音声を、他の情報通信端末との間で連続的に交換することが可能な情報通信端末であって、
当該情報通信端末が属する通信網から送信される、前記他の情報通信端末との間においてデータを交換するためのデータチャネルの開設要求を受け付ける開設受付手段と、
当該データチャネルの開設要求に応じて、前記他の情報通信端末との間でデータチャネルが開設されると、当該開設されたデータチャネルを経由して前記他の情報通信端末に所定のデータを送信するデータ送信手段と、
前記他の情報通信端末との間でデータチャネルが開設された後に、前記通信網との間で前記映像チャネル及び前記音声チャネルの開設を行うチャネル開設手段と、
を備える情報通信端末。
【請求項6】
前記他の情報通信端末との間でデータチャネルが開設されると、当該開設されたデータチャネルを経由して前記他の情報通信端末から送信されるデータを受信するデータ受信手段を備える請求項5に記載の情報通信端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−197131(P2006−197131A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−5571(P2005−5571)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】