説明

情報配信システム、接続先紹介装置、情報処理装置及び情報処理方法並びに接続先紹介装置用プログラム及び情報処理装置用プログラム

【課題】配信システムSに参加してコンテンツの配信を受け得るノード2の数を、接続先紹介サーバ3に対して負荷をかけることなく増大させることで、コンテンツの配信/普及を促進することが可能な配信システム等を提供する。
【解決手段】複数のノード2が一のネットワークを介して階層ツリー状に且つ脱退可能に接続されてなり、更にいずれかのノード2に対して階層ツリーに沿ってユニキャスト通信方式によりコンテンツが配信される階層ツリーネットワークTRと、階層ツリーネットワークTRに含まれるいずれかのノード2fからマルチキャスト通信方式によりコンテンツが配信される接合マルチキャストネットワークIPMNと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム、接続先紹介装置、情報処理装置及び情報処理方法並びに接続先紹介装置用プログラム及び情報処理装置用プログラムの技術分野に属する。より詳細には、配信元から配信される動画や音楽等の配信情報を、その下流側に複数の階層を構成しつつ接続されている情報処理装置において段階的に中継しつつ配信する情報配信システム等の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭用のインターネット回線の高速化が著しい。そして、この高速化に伴い、配信元となる一の配信サーバを頂点として、各家庭等内にあるパーソナルコンピュータ等がネットワークを介して複数個階層ツリー状に接続されてなるコンテンツ配信システムについての研究開発が行われている。このコンテンツ配信システムでは、各パーソナルコンピュータ等を接続するネットワークを介して上記配信サーバから上記配信情報を配信する構成とされている。ここで、映画又は音楽等の当該配信情報を、以下、適宜「コンテンツ」と称する。また、当該コンテンツ配信システムを、以下、単に「配信システム」と称する。
【0003】
更に、当該配信システムを、その接続態様の観点から見たものを「トポロジ」と称する。また、このような配信システムのトポロジにおいて、当該配信システムを構成する各パーソナルコンピュータ等の夫々は、一般に「ノード」と称される。更に、上記配信システムについての従来技術を開示する特許文献としては、例えば下記特許文献1がある。
【0004】
ここで、当該特許文献1に記載されている技術において、新たに配信システムに参加するノードに対して当該参加に当たって接続すべき接続先のノードを紹介する機能は、各ノードとは別個の、いわゆる接続先紹介サーバが一手に担っている。そして、当該接続先紹介サーバは、配信システムへのノードの新規参加時だけでなく、参加済のノードのいずれかにおいて、例えば配信状態の悪化に伴う接続換えを行う必要が生じた場合でも、その接続換え後の新たな接続先を紹介する機能も担っている。
【特許文献1】特開2006−033514公報(第1図、第5図及び第9図等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、上記特許文献1に記載されている構成による場合、配信システムに属するノードの数が多くなるに従い、接続先紹介サーバに対する負荷も過大なものとなる。この接続先紹介サーバにおける過大負荷は、配信システムへのノードの新規参加時や参加済のノードにおける接続換え時において、新たな接続先の紹介が遅延することに起因してスムーズな参加又は接続換えが行われないという問題点に繋がるものである。そして、当該問題点は、新規参加や接続換えがスムーズに行われないことにより、結果的に新規参加ノード又は接続換えノードにおけるコンテンツ配信及びその再生の途絶の原因となり得るものである。
【0006】
そこで、本発明は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その目的は、配信システムに参加してコンテンツの配信を受け得るノードの数を、接続先紹介サーバに対して負荷をかけることなく増大させることで、コンテンツの配信/普及を促進することが可能な配信システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ノード等の複数の情報処理装置が一のネットワークを介して階層ツリー状に且つ脱退可能に接続されてなり、更にいずれかの前記情報処理装置に対して前記階層ツリーに沿ってユニキャスト通信方式により配信情報が配信される第一グループと、複数の前記情報処理装置を含む第二グループであって、前記第一グループに含まれるいずれかの前記情報処理装置である接合部情報処理装置から当該第二グループに属する複数の前記情報処理装置に対してマルチキャスト通信方式により前記配信情報が配信される第二グループと、により構成される情報配信システムであって、新たに当該情報配信システムに参加する前記情報処理装置である新規参加情報処理装置内に、当該新規参加情報処理装置が属しているネットワークグループを識別するためのグループ識別情報であって、前記マルチキャスト通信方式による前記配信情報の配信が可能なネットワークグループを識別するための特定グループ識別情報と一致する当該グループ識別情報が記憶されている場合、当該新規参加情報処理装置を前記第一グループ又は前記第二グループのいずれか一方に参加させ、前記新規参加情報処理装置内に前記特定グループ識別情報と一致しない前記グループ識別情報が記憶されている場合、当該新規参加情報処理装置を前記第一グループに参加させる接続制御を行う制御部等の接続制御手段を備える接続先紹介装置を備える。
【0008】
よって、新規参加情報処理装置が特定グループ識別情報と一致するグループ識別情報を記憶しているか否かに応じて当該新規参加情報処理装置を第一グループ又は第二グループのいずれかに参加させるので、ユニキャスト通信方式で配信情報の配信が行われる第一グループと、当該第一グループに参加している情報処理装置からマルチキャスト通信方式により配信情報の配信が行われる第二グループと、で構成される情報配信システムを容易に形成することができる。
【0009】
また、結果として、第一グループと第二グループに分散させて新規参加情報処理装置を情報配信システムに参加させることができるので、第一グループに含まれる情報処理装置間の接続態様の制御に必要となる接続先紹介装置の負担が少なくなり、情報配信システムとしてのいわゆるスケーラビリティ(すなわち、参加している情報処理装置数が増えた場合における配信能力の追随性)を向上させることができる。
【0010】
更に、第二グループではユニキャスト通信方式ではなくマルチキャスト通信方式を優先して利用するので、階層的に情報処理装置が接続された情報配信システムにおける頂点付近の情報処理装置等における負荷を削減できる。
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、複数の情報処理装置が一のネットワークを介して階層ツリー状に且つ脱退可能に接続されてなり、更にいずれかの前記情報処理装置に対して前記階層ツリーに沿ってユニキャスト通信方式により配信情報が配信される第一グループと、複数の前記情報処理装置を含む第二グループであって、前記第一グループに含まれるいずれかの前記情報処理装置である接合部情報処理装置から当該第二グループに属する複数の前記情報処理装置に対してマルチキャスト通信方式により前記配信情報が配信される第二グループと、により構成される情報配信システムに含まれ、前記第一グループに含まれる各前記情報処理装置間の接続態様を制御する接続先紹介装置であって、前記マルチキャスト通信方式による前記配信情報の配信が可能なネットワークグループを識別するための特定グループ識別情報を記憶する記憶部等の記憶手段と、前記情報配信システムに新規に参加する前記情報処理装置である新規参加情報処理装置が当該新規参加の際に送信して来たグループ識別情報であって当該新規参加情報処理装置が属しているネットワークグループを識別するためのグループ識別情報が前記記憶されている特定グループ識別情報と一致しており、且つ前記接続態様が予め設定された特定条件を満足しているとき、前記新規参加情報処理装置が前記第二グループにも参加可能であると判定する制御部等の参加可否判定手段と、前記新規参加情報処理装置が前記第二グループに参加不可能であると判定されたとき前記新規参加情報処理装置を前記第一グループに参加させる第一参加処理を行う制御部等の第一制御手段と、前記新規参加情報処理装置が前記第二グループに参加可能であるとき、当該新規参加情報処理装置を前記第二グループに参加させる第二参加処理又は前記第一参加処理のいずれか一方を行う制御部等の第二制御手段と、を備える。
【0012】
よって、第一グループにおける接続態様が特定条件を満たしているか否か並びにグループ識別情報と特定グループ識別情報との異同を新規参加情報処理装置が参加すべきグループの判定条件として利用することで、ユニキャスト通信方式で配信が行われる第一グループと、当該第一グループに参加している情報処理装置を頂点としてマルチキャスト通信方式で配信が行われる第二グループと、で構成される情報配信システムを容易に形成することができる。
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の接続先紹介装置において、前記第一グループに属するいずれかの前記情報処理装置が前記接合部情報処理装置として前記第一グループ及び前記第二グループに同時に属しているか否かを判定する制御部等の所属済判定手段を更に備え、前記新規参加情報処理装置が前記第二グループに参加可能であると判定され、且つ現在前記第一グループに属するいずれの前記情報処理装置も前記第二グループに属していないと判定されたとき、前記第二制御手段は、前記第一グループに属するいずれかの前記情報処理装置を当該第一グループにおける接続先として示す接続先情報と、前記接合部情報処理装置となる旨を指示する配信指示情報と、前記マルチキャスト通信方式に用いられ且つ前記第二グループに属する前記情報処理装置に共通する共通識別情報と、を前記新規参加情報処理装置に送信するように構成される。
【0014】
よって、第一グループ属する情報処理装置がいずれも未だ第二グループに属していない、すなわち接合部情報処理装置が存在しないと判定されたとき、第二グループに参加可能な新規参加情報処理装置に対して当該接合部情報処理装置として必要な接続先情報等を送信して当該接合部情報処理装置として参加させるので、現在の各情報処理装置の情報配信システムへの参加状態に適応したグループ別の参加制御を実現することができる。
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の接続先紹介装置において、前記第一グループ及び前記第二グループに同時に属している前記接合部情報処理装置と、当該接合部情報処理装置と同一の前記特定グループ識別情報を記憶しており且つ前記第一グループのみに参加している前記情報処理装置と、の合計数が予め設定された閾値未満であるか否かを判定する制御部等の参加数判定手段を更に備え、前記第二制御手段は、前記新規参加情報処理装置に前記接合部情報処理装置と同一の前記特定グループ識別情報が記憶されており且つ前記合計数が前記閾値未満であると判定されたとき前記第一参加処理を実行し、前記新規参加情報処理装置に前記接合部情報処理装置と同一の前記特定グループ識別情報が記憶されており且つ前記合計数が前記閾値以上であると判定されたとき前記第二参加処理を実行するように構成される。
【0016】
よって、特定グループ識別情報を有している情報処理装置の新規参加処理において、始めに一定数まで第一グループに参加させた後に第二グループへ参加させることで、第二グループに対して配信情報を供給する接合部情報処理装置の役割を現在第一グループにのみ属している情報処理装置へ将来的に引き継がせることが可能となり、接合部情報処理装置が情報配信システムから離脱した場合に迅速な役割交代を実現させられるようになる。
【0017】
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、複数の情報処理装置が一のネットワークを介して階層ツリー状に且つ脱退可能に接続されてなり、更にいずれかの前記情報処理装置に対して前記階層ツリーに沿ってユニキャスト通信方式により配信情報が配信される第一グループ、又は、複数の前記情報処理装置を含む第二グループであって、前記第一グループに含まれるいずれかの前記情報処理装置である接合部情報処理装置から当該第二グループに属する複数の前記情報処理装置に対してマルチキャスト通信方式により前記配信情報が配信される第二グループ、のいずれか一方に参加することにより、前記第一グループ及び前記第二グループを含む情報配信システムに参加する前記情報処理装置であって、当該情報処理装置が属するネットワークグループを識別するためのグループ識別情報を記憶する記憶部等の記憶手段と、前記情報配信システムへの参加に当たり、当該参加を制御する接続先紹介装置に対して、前記記憶されているグループ識別情報を送信する通信部等の送信手段と、前記送信したグループ識別情報に対応して、前記第一グループに属しているいずれかの前記情報処理装置を示す接続先情報を前記接続先紹介装置から受信したとき、当該接続先情報により示される前記情報処理装置に接続して前記第一グループに参加する制御部等の第一参加手段と、前記送信したグループ識別情報に対応して、前記接続先紹介装置から前記第二グループに参加するための参加情報を受信したとき、当該参加情報に対応する前記第二グループに参加する制御部等の第二参加手段と、を備える。
【0018】
よって、情報配信システムに対して新規に参加する情報処理装置が、接続先紹介装置からの情報に基づいて第一グループ又は第二グループのいずれかに参加するので、第一グループと第二グループとを含む情報配信システムを容易に形成することができる。
【0019】
また、情報配信システムに参加する情報処理装置が、結果的に第一グループと第二グループに分散することから、第一グループにおける各情報処理装置の接続態様の維持管理に必要となる接続先紹介装置の負担が少なくなり、情報配信システムのスケーラビリティを向上させることができる。
【0020】
更に、第二グループではユニキャスト通信方式ではなくマルチキャスト通信方式を優先して利用するので、階層的に情報処理装置が接続された情報配信システムにおける頂点付近の情報処理装置等における負荷を削減できる。
【0021】
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の情報処理装置において、前記接続先紹介装置から前記接続先情報を受信したとき、前記接合部情報処理装置となる旨を指示する配信指示情報と、前記マルチキャスト通信方式に用いられ且つ前記第二グループに属する前記情報処理装置に共通する共通識別情報と、を前記接続先紹介装置から更に受信しているか否かを判定する制御部等の配信指示判定手段と、前記配信指示情報及び前記共通識別情報を受信しているとき、前記第一グループへの参加後において、前記共通識別情報を用いた前記第二グループに属する前記情報処理装置に対する前記配信情報の配信を開始する制御部等の配信制御手段と、を備える。
【0022】
よって、第一グループへの新規参加に当たって接続先紹介装置から配信指示情報等を受信しているとき、当該配信指示情報等に基づいて第二グループにおける配信元としての動作を開始するので、第一グループと第二グループとの接合部たる接合部情報処理装置としての動作を迅速に開始することができる。
【0023】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の情報配信システムにおける前記第一グループに所属済みの前記情報処理装置であって、当該情報処理装置が前記情報配信システムから脱退するとき、当該情報処理装置が前記接合部情報処理装置であるか否かを判定する制御部等の接合部情報処理装置判定手段と、当該情報処理装置が前記接合部情報処理装置であると判定されたとき、当該情報処理装置の前記階層ツリーにおける下流側に、当該接合部情報処理装置と同一の前記グループ識別情報が記憶されている他の前記情報処理装置である予備情報処理装置が接続されているか否かを判定する制御部等の下流側判定手段と、当該情報処理装置が前記接合部情報処理装置であり、且つ前記下流側に前記予備情報処理装置が接続されていると判定されたとき、当該予備情報処理装置に対して、新たな前記接合部情報処理装置となる旨を指示する配信指示情報を、前記マルチキャスト通信方式に用いられ且つ前記第二グループに属する前記情報処理装置に共通する共通識別情報と共に送信する制御部等の配信指示情報送信手段と、を備える。
【0024】
よって、第一グループと第二グループを接合する接合部情報処理装置が情報配信システムから脱退するとき、第一グループにおいてその下流側に接続されており且つ接合部情報処理装置と同一のグループ識別情報が記憶されている情報処理装置に対して配信指示情報等を送信するので、接合部情報処理装置が情報配信システムから脱退する場合でも、第二グループにおける配信情報の配信が中断又は途絶することを防止できる。
【0025】
従って、結果的に、当該接合部情報処理装置が第一グループに属している他の情報処理装置により常時代替可能とされるので、当該接合部情報処理装置として特別な機能を備える情報処理装置(例えばいわゆるスーパーノード)を別途用意する必要なく第二グループにおける配信情報の配信を継続することができる。
【0026】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の情報処理装置において、当該情報処理装置が前記接合部情報処理装置であり、且つ前記下流側に前記予備情報処理装置が接続されていないと判定されたとき、前記第二グループに現在属している前記情報処理装置のいずれかに対して、前記第一グループに参加することを指示する参加指示情報を送信する制御部等の参加指示情報送信手段を更に備える。
【0027】
よって、当該情報処理装置が接合部情報処理装置であり且つ下流側に接合部情報処理装置と同一のグループ識別情報が記憶されている情報処理装置が接続されていないとき、第二グループに現在属している情報処理装置のいずれかに対して第一グループへの参加指示情報を送信するので、当該接合部情報処理装置の新たな予備としての情報処理装置を第二グループから確保して接合部情報処理装置へと移行させることができる。
【0028】
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の情報処理装置において、前記配信指示情報の送信後において、前記下流側に接続されている前記予備情報処理装置の数が予め設定されている閾値未満であるか否かを判定する制御部等の参加可能数判定手段と、前記下流側に接続されている前記予備情報処理装置の数が前記閾値未満であるとき、前記第二グループに現在属している前記情報処理装置のいずれかに対して、前記第一グループに参加することを指示する参加指示情報を送信する制御部等の参加指示情報送信手段と、を備える。
【0029】
よって、配信指示情報の送信後において予備情報処理装置の数が閾値未満であるとき、現在第二グループに属している情報処理装置のいずれかに対して参加指示情報を送信するので、第一グループにおいて接合部情報処理装置の下流側に接続されている予備情報処理装置の数が不足していた場合でも、当該接合部情報処理装置についての新たな予備情報処理装置を第二グループから充当することができる。
【0030】
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、請求項7から9のいずれか一項に記載の情報処理装置であって前記マルチキャスト通信方式による前記配信情報の配信が可能なネットワークグループを識別するための特定グループ識別情報と一致する前記グループ識別情報を記憶している情報処理装置において、前記第一グループに新規に参加する前記情報処理装置である新規参加情報処理装置からの接続要求があったとき、当該新規参加情報処理装置が前記特定グループ識別情報と一致する前記グループ識別情報を記憶しているか否かを判定する制御部等のネットワーク判定手段と、前記接合部情報処理装置の前記下流側に現在接続されている前記情報処理装置に記憶されている前記グループ識別情報が前記特定グループ識別情報と同一であるか否かを判定する制御部等の同一性判定手段と、当該新規参加情報処理装置が前記特定グループ識別情報と一致する前記グループ識別情報を記憶しており、且つ前記接合部情報処理装置の前記下流側に現在接続されている前記情報処理装置に記憶されているグループ識別情報が前記特定グループ識別情報と同一でないと判定されたとき、現在前記下流側に接続されている前記情報処理装置に代えて、前記新規参加情報処理装置を当該下流側に接続させる制御部等の接続制御手段と、を備える。
【0031】
よって、新規参加情報処理装置が特定グループ識別情報と一致するグループ識別情報を記憶しており、且つ接合部情報処理装置の下流側に現在接続されている情報処理装置のグループ識別情報が特定グループ識別情報と同一でない場合に、現在接合部情報処理装置の下流側に接続されている情報処理装置に代えて新規参加情報処理装置を当該下流側に接続させるので、接合部情報処理装置についての新たな予備情報処理装置を確実に確保することが可能となり、接合部情報処理装置の情報配信システムからの脱退に常に備えることができる。
【0032】
上記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、請求項5又は6に記載のネットワークシステムにおける前記第一グループに所属済みの前記情報処理装置であって、当該情報処理装置の前記階層ツリーにおける上流側に接続されている他の前記情報処理装置から、前記接合部情報処理装置となる旨を指示する配信指示情報を、前記マルチキャスト通信方式に用いられ且つ前記第二グループに属する前記情報処理装置に共通する共通識別情報と共に受信したか否かを判定する制御部等の指示情報受信判定手段と、前記配信指示情報を前記共通識別情報と共に受信したとき、現在の前記第一グループにおける前記階層ツリーにおいて上流側に接続されている前記情報処理装置が変更された後、前記第二グループに参加している前記情報処理装置に対して、前記共通識別情報を用いた前記配信情報の配信を開始する制御部等の配信手段と、を備える。
【0033】
よって、第一グループに所属している場合において、その上流側から配信指示情報等を受信したとき、接合部情報処理装置として第二グループに参加している情報処理装置に対して共通識別情報を用いた配信情報の配信を開始するので、接合部情報処理装置が情報配信システムから脱退した場合でも第二グループにおける配信情報の配信が中断又は途絶することを防止できる。
【0034】
上記の課題を解決するために、請求項12に記載の発明は、請求項5又は6に記載のネットワークシステムにおける前記第二グループに所属済みの前記情報処理装置であって、前記第一グループに参加することを指示する参加指示情報を前記接合部情報処理装置から受信したか否かを判定する制御部等の参加指示情報受信判定手段と、前記参加指示情報を受信したとき、前記接続先紹介装置に対して、前記第一グループに属しているいずれかの前記情報処理装置を示す新たな前記接続先情報の送信を要求する制御部等の要求手段と、新たな前記接続先情報に基づいて、前記第二グループから、当該接続先情報により示される前記第一グループ内の新たな前記情報処理装置に対する接続換え処理を実行する制御部等の接続換手段と、を備える。
【0035】
よって、特定グループ識別情報が記憶されている第一グループ所属の情報処理装置の不足状態に呼応して発せられた参加指示情報に基づいて第二グループに参加中の情報処理装置の第一グループへの接続換えを実行するので、接合部情報処理装置の新たな予備としての情報処理装置を第二グループから確保することができる。
【0036】
上記の課題を解決するために、請求項13に記載の発明は、請求項1に記載の前記情報配信システムを構成し且つ前記第一グループに含まれる前記情報処理装置間の接続態様を維持管理する接続先紹介装置において実行される情報処理方法であって、前記情報配信システムに新規に参加する前記情報処理装置である新規参加情報処理装置が当該新規参加の際に送信して来た前記グループ識別情報が、前記接続先紹介装置内に予め記憶されている前記特定グループ識別情報と一致しており、且つ前記接続態様が予め設定された特定条件を満足しているときに前記新規参加情報処理装置が前記第二グループに参加可能であると判定する参加可否判定工程と、前記新規参加情報処理装置が前記第二グループに参加不可能であると判定されたとき前記新規参加情報処理装置を前記第一グループに参加させる第一参加処理を行う第一制御工程と、前記新規参加情報処理装置が前記第二グループに参加可能であるとき、当該新規参加情報処理装置を前記第二グループに参加させる第二参加処理又は前記第一参加処理のいずれか一方を行う第二制御工程と、を含む。
【0037】
よって、第一グループにおける接続態様が特定条件を満たしているか否か並びに一般グループ識別情報と特定グループ識別情報との異同を新規参加情報処理装置が参加すべきグループの判定条件として利用することで、ユニキャスト通信方式で配信が行われる第一グループと、当該第一グループに参加している情報処理装置を頂点としてマルチキャストで配信が行われる第二グループと、で構成される情報配信システムを容易に形成することができる。
【0038】
上記の課題を解決するために、請求項14に記載の発明は、複数の情報処理装置が一のネットワークを介して階層ツリー状に且つ脱退可能に接続されてなり、更にいずれかの前記情報処理装置に対して前記階層ツリーに沿ってユニキャスト通信方式により配信情報が配信される第一グループ、又は、複数の前記情報処理装置を含む第二グループであって、前記第一グループに含まれるいずれかの前記情報処理装置である接合部情報処理装置から当該第二グループに属する複数の前記情報処理装置に対してマルチキャスト通信方式により前記配信情報が配信される第二グループ、のいずれか一方に参加することにより、前記第一グループ及び前記第二グループを含む情報配信システムに参加する前記情報処理装置において実行される情報処理方法であって、当該情報処理装置は、当該情報処理装置が属するネットワークグループを識別するためのグループ識別情報を記憶する記憶部等の記憶手段を備えており、前記情報配信システムへ参加する際に、当該参加を制御する接続先紹介装置に対して、前記記憶されているグループ識別情報を送信する送信工程と、前記送信したグループ識別情報に対応して、前記第一グループに属しているいずれかの前記情報処理装置を示す接続先情報を前記接続先紹介装置から受信したとき、当該接続先情報により示される前記情報処理装置に接続して前記第一グループに参加する第一参加工程と、前記送信したグループ識別情報に対応して、前記接続先紹介装置から前記第二グループに参加するための参加情報を受信したとき、当該参加情報に対応する前記第二グループに参加する第二参加工程と、を含む。
【0039】
よって、情報配信システムに対して新規に参加する情報処理装置が、接続先紹介装置からの情報に基づいて第一グループ又は第二グループのいずれかに参加するので、第一グループと第二グループとを含む情報配信システムを容易に形成することができる。
【0040】
また、情報配信システムに参加する情報処理装置が、結果的に第一グループと第二グループに分散することから、第一グループにおける各情報処理装置の接続態様の維持管理に必要となる接続先紹介装置の負担が少なくなり、情報配信システムのスケーラビリティを向上させることができる。
【0041】
更に、第二グループではユニキャスト通信方式ではなくマルチキャスト通信方式を優先して利用するので、階層的に情報処理装置が接続された情報配信システムにおける頂点付近の情報処理装置等における負荷を削減できる。
【0042】
上記の課題を解決するために、請求項15に記載の発明は、コンピュータを、請求項2から4のいずれか一項に記載の接続先紹介装置として機能させる。
【0043】
よって、第一グループにおける接続態様が特定条件を満たしているか否か並びに一般グループ識別情報と特定グループ識別情報との異同を新規参加情報処理装置が参加すべきグループの判定条件として利用するように当該コンピュータが機能することで、ユニキャスト通信方式で配信が行われる第一グループと、当該第一グループに参加している情報処理装置を頂点としてマルチキャストで配信が行われる第二グループと、で構成される情報配信システムを容易に形成することができる。
【0044】
上記の課題を解決するために、請求項16に記載の発明は、コンピュータを、請求項5から12のいずれか一項に記載の情報処理装置として機能させる。
【0045】
よって、情報配信システムに対して新規に参加する情報処理装置として機能するコンピュータが、接続先紹介装置からの情報に基づいて第一グループ又は第二グループのいずれかに参加するように機能するので、第一グループと第二グループとを含む情報配信システムを容易に形成することができる。
【0046】
また、情報配信システムに参加する情報処理装置として機能するコンピュータが、結果的に第一グループと第二グループに分散するように機能することから、第一グループにおける各情報処理装置の接続態様の維持管理に必要となる接続先紹介装置の負担が少なくなり、情報配信システムのスケーラビリティを向上させることができる。
【0047】
更に、第二グループではユニキャスト通信方式ではなくマルチキャスト通信方式を優先して利用するように当該コンピュータが機能するので、階層的に情報処理装置が接続された情報配信システムにおける頂点付近の情報処理装置等における負荷を削減できる。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、新規参加情報処理装置が特定グループ識別情報と一致するグループ識別情報を記憶しているか否かに応じて当該新規参加情報処理装置を第一グループ又は第二グループのいずれかに参加させるので、ユニキャスト通信方式で配信情報の配信が行われる第一グループと、当該第一グループに参加している情報処理装置からマルチキャスト通信方式により配信情報の配信が行われる第二グループと、で構成される情報配信システムを容易に形成することができる。
【0049】
また、結果として、第一グループと第二グループに分散させて新規参加情報処理装置を情報配信システムに参加させることができるので、第一グループに含まれる情報処理装置間の接続態様の制御に必要となる接続先紹介装置の負担が少なくなり、情報配信システムとしてのいわゆるスケーラビリティを向上させることができる。
【0050】
更に、第二グループではユニキャスト通信方式ではなくマルチキャスト通信方式を優先して利用するので、階層的に情報処理装置が接続された情報配信システムにおける頂点付近の情報処理装置等における負荷を削減できる。
【0051】
従って、情報配信システムに参加して配信情報の配信を受け得る情報処理装置の数を、接続先紹介装置や情報配信システムにおける頂点付近の情報処理装置等に対して負荷をかけることなく増大させることで、配信情報の配信/普及を促進することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
次に、本発明を実施するための最良の形態について、図1乃至図9を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、階層ツリー型の上記配信システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0053】
また、図1は実施形態に係る配信システムを構成する各装置の接続態様の一例を示す図であり、図2は当該配信システム全体の構成を例示する図であり、図3乃至図5は当該配信システムに対してノードが新たに参加する場合の処理を例示する図である。更に、図6及び図7は当該配信システムからノードが脱退する場合の処理を例示する図であり、図8は当該配信システムにおけるノードの接続換えの処理を例示する図である。また、図9は実施形態に係る配信システムの他の機能を例示する図である。
(I)実施形態に係る配信システムとしての全体構成等
(A)物理ネットワークとの関係
先ず、実施形態に係る配信システムの概要構成及び機能について、特にいわゆる物理ネットワークとの関係を図1を用いて説明する。
【0054】
図1に示すように、実施形態に係る配信システムSは、例えばインターネット等のネットワーク(現実世界の物理ネットワーク)を用いて構成されるものである。このとき、当該物理ネットワーク10として具体的には、例えば図1の下部枠101内に示すように、IX(Internet eXchange)5、ISP(Internet Service Provider)6、DSL(Digital Subscriber Line)回線事業者(の装置)7、FTTH(Fiber To The Home)回線事業者(の装置)8、ルータ(図示せず)及び通信回線(例えば、電話回線や光ケーブル等)9等を含む物理ネットワーク10を用いることができる。なおここで、図1の下部枠101内において各通信回線9に対応する実線の太さは、各通信回線9の帯域の広さ(例えば、データ転送速度)を表している。
【0055】
一方、実施形態に係る配信システムSは、配信されるコンテンツにおける配信単位に相当し且つ複数連続するパケットの配信元である放送局1と、複数のノード2と、により構成されている。そして、配信システムSは、図1の下部枠101内に示される物理ネットワーク10を基礎として、各ノード2が物理的な通信回線9を介して(論理的に)接続され、図1の上部枠100内に示す論理的なネットワークとして構成されている。
【0056】
より具体的に配信システムSでは、放送局1を頂点(最上位)として、複数のノード2は通信回線9を介した物理ネットワーク10により相互に物理的に接続されている。そして、これら各ノード2が、当該物理ネットワーク10を基礎として、複数の階層(図1の例では四階層)を含む論理的な階層ツリー構造を有する論理ネットワークシステム(物理ネットワーク10上に論理的に構成される論理ネットワークシステム)を形成している。この構成において、コンテンツの配信時には、上記連続する複数のパケットが、当該論理ネットワークシステムにおける上流(上位階層)から下流(下位階層)の方向へ各ノード2により中継されつつ配信される。
【0057】
ここで、上記放送局1は、実際には、放送対象たる上記コンテンツに相当するコンテンツデータを蓄積するハードディスクドライブ等からなる記録装置や、その配信を制御する制御装置、或いは、物理ネットワーク10に対するコンテンツデータ等の入出力を制御するインターフェース装置等を含んだ放送局装置として実現されるものである。また、上記ノード2は、実際には、例えば各家庭に設置されているインターネット接続可能なパーソナルコンピュータや、いわゆるセットトップボックス等のノード装置として実現されるものである。
【0058】
図1において、上部枠100内に示されるノード2は、配信システムSに現在参加しているノード2である。そして、当該配信システムSに参加するためには、未参加のノードが、後述する如く接続先紹介サーバ3(図1下部枠101内参照)に対して参加要求メッセージを送信し、当該接続先紹介サーバ3により参加権限があることを認証される必要がある。
(B)配信システムの全体構成
次に、実施形態に係る配信システムSの全体構成について、具体的に図2を用いて説明する。
【0059】
図2に例示するように、実施形態に係る配信システムSでは、上記特許文献1に記載された階層ツリー構造の論理ネットワークと、いわゆるIPマルチキャストアドレスを用いてコンテンツが配信(放送)されるネットワークと、を、共存させる。ここで、配信システムSの上記階層ツリー構造の論理ネットワークの部分を、以下、単に階層ツリーネットワークTRと称する。また、上記IPマルチキャストアドレスを用いてコンテンツが配信(放送)されるネットワークを、以下、単にマルチキャストネットワークと称する。
【0060】
より具体的には、図2に例示するように、階層ツリーネットワークTRに属する一のノード2fがマルチキャストネットワーク(後述する接合マルチキャストネットワークIPMN)における送信元(配信ソース)となり、階層ツリーネットワークTRを介して受信したストリームSTをマルチキャストネットワークへ中継する。これにより、異なる二つのネットワーク(すなわち、上記階層ツリーネットワークTRと上記マルチキャストネットワーク)を接合する。なお、これ以降、当該階層ツリーネットワークTRに接合されたマルチキャストネットワークを「接合マルチキャストネットワーク」と呼び、その接合部分のノード2fを「接合ノード」と称する。
【0061】
この場合において、当該階層ツリーネットワークTRでは、上記特許文献1にも記載されているように、配信先となる一のノード2を例えばIPアドレス等のノード識別情報により特定した上で、いわゆるユニキャスト通信方式によりコンテンツの配信が行われる。また、当該階層ツリーネットワークTRに対するノード2の参加又は脱退は、通常、接続先紹介サーバ3により統括管理される。
【0062】
これに対し、図2に例示する上記接合マルチキャストネットワークIPMNでは、当該接合マルチキャストネットワークIPMN全体に固有のアドレス(いわゆるIPマルチキャストアドレス。以下単に「マルチキャストアドレス」と称する)を用いて、いわゆるマルチキャスト通信方式により複数のノード2に対して同報配信が行われる。
【0063】
ところで、実施形態に係るノード2は、一般に、物理ネットワーク10の構成要素である(図示しない)ゲートウェイ装置の識別情報を当該ノード2の初期化時に自動収集し、これを当該ノード2内部で管理(記憶)している。このとき、グループ識別情報としての当該ゲートウェイ識別情報は、各ノード2が配信システムSに新規に参加する際又は配信システムSにおいて再接続をする際に、後述する紹介要求メッセージにおける付加情報として接続先紹介サーバ3へ送信され、当該参加のための判断条件として用いられる。これにより、実施形態に係る各ノード2は、接続先紹介サーバ3における当該判断結果が反映された応答メッセージを受信し、階層ツリーネットワークTR又は接合マルチキャストネットワークIPMNのいずれか一方に参加する。
【0064】
ここで、実施形態に係る階層ツリーネットワークTRには、マルチキャスト通信方式に対応した上記ゲートウェイ装置と同じネットワークグループに属するノード2、又はマルチキャスト通信方式に対応していない上記ゲートウェイ装置と同じネットワークグループに属するノード2のいずれでも参加が可能とされている。これに対し、接合マルチキャストネットワークIPMNには、マルチキャスト通信方式に対応した上記ゲートウェイ装置と同じネットワークグループに属するノード2のみの参加が可能とされている。
【0065】
次に、実施形態に係る接続先紹介サーバ3は、階層ツリーネットワークTR及び接合マルチキャストネットワークIPMNにおけるノード2の接続を纏めて管理している。
【0066】
より具体的に接続先紹介サーバ3は、階層ツリーネットワークTRに参加している放送局1及び各ノード2(接合ノード2fを含む)の所在情報(例えば、IP(Internet Protocol)アドレス及びポート番号(待ち受けポート番号)等)と、配信システムSにおける放送局1とノード2及び各ノード2間のトポロジ(階層ツリーネットワークTRの論理ネットワークシステムとしての接続態様)を示すトポロジ情報と、実施形態に係るマルチキャストアドレス情報と、下記特定ゲートウェイ識別情報と、を、図示しないデータベースを用いて蓄積/管理している。
【0067】
ここで、上記「特定ゲートウェイ識別情報」とは、上記ゲートウェイ識別情報のうち、マルチキャスト通信方式に対応したゲートウェイ装置を識別するためのゲートウェイ識別情報であり、配信システムSに係るシステム運用者により、事前に接続先紹介サーバ3に登録されているものである。そして、図2に例示する配信システムSでは、接合マルチキャストネットワークIPMNを含むマルチキャストネットワークIPR内のノード2が接続されているゲートウェイ装置が、マルチキャスト通信方式に対応していることを想定している。
【0068】
一方、上記「マルチキャストアドレス情報」とは、接合マルチキャストネットワークIPMNに参加している各ノード2に対して、階層ツリーネットワークTRを介してコンテンツを配信する際に用いられるマルチキャストアドレスを示す情報である。
【0069】
他方、接続先紹介サーバ3において、階層ツリーネットワークTRのトポロジは、各ノード2に直接接続される下流側のノード2の最大接続数又はバランス(対称性)等を考慮して決定される。また、これらに加えて、例えばノード2間のローカリティ(物理ネットワーク10上における近接度(ホップ数(介在するルータ数)が少ないほど高い)等を考慮して決定されるものでもよい。
(II)実施形態に係る配信システムへの参加処理等
次に、実施形態に係る配信システムSに対する新規参加の場合の処理について、より具体的に図3及び図4を用いて説明する。
(A)階層ツリーネットワークに対する新規参加処理(I)
先ず、階層ツリーネットワークTRに対してノードが新規参加する場合の第一の形態について、図3を用いて説明する。なお図3は当該新規参加処理を示す図であり、当該図3では上記接合マルチキャストネットワークIPMNはその記載を省略している。また、図3に例示する新規参加処理は、図2における接合マルチキャストネットワークIPMNに係る特定ゲートウェイ識別情報とは異なるゲートウェイ識別情報を記憶しているノード2が階層ツリーネットワークTRに新規参加する際の処理である。
【0070】
例えば図3に示す新たなノードNが新規に階層ツリーネットワークTRに参加する場合、当該ノードNは、先ず接続先紹介サーバ3に対して上記参加要求に係る上流ノード紹介要求メッセージMG1を送信する。この上流紹介要求メッセージMG1には、当該ノードN内に記憶されている上記ゲートウェイ識別情報が含まれている。そして、接続先紹介サーバ3において上記参加認証等が為されると共に階層ツリーネットワークTRの方に参加することが決定されると、対応する参加許可の情報と共に、階層ツリーネットワークTRにおける直近上流側のノード2となる参加済のノード2(図3に例示する場合はノード2b)の所在情報を含む上流ノード候補メッセージMG2が送信されて来る。そして、当該上流ノード候補メッセージMG2を受信した新規参加のノードNは、当該所在情報により示される既参加のノード2(図3に例示する場合はノード2b)に対して接続要求メッセージMG3を送信する。これにより、当該ノード2(2b)から接続許可応答メッセージMG4を取得することで、ノードNは、当該ノード2(2b)の直近下流側に接続され、階層ツリーネットワークTRへの当該ノードNの参加処理が完了する。
【0071】
そして、当該階層ツリーネットワークTRにおいて新たにノード2が参加した以降は、放送局1から配信されるコンテンツに相当するコンテンツデータが、当該階層ツリーネットワークTR内を階層ツリーに沿って順次上流側から下流側に中継されることにより、各ノード2に対するコンテンツの配信が実行される。
(B)階層ツリーネットワークに対する新規参加処理(II)
次に、階層ツリーネットワークTRに対してノードが新規参加する場合の第二の形態について、図4を用いて説明する。
【0072】
なお図4に例示する新規参加処理は、図2における接合マルチキャストネットワークIPMNに係る特定ゲートウェイ識別情報と同一のゲートウェイ識別情報を記憶しているノード2が階層ツリーネットワークTRに新規参加する際の処理である。
【0073】
また、図4に例示する場合は、接合ノード2fはそのまま接合マルチキャストネットワークIPMNに対するコンテンツの配信を継続するものとする。更に、図4に例示する階層ツリーネットワークTRにおいて、一のノード2の直近下流側に接続可能な他のノード2の数は二以上であるとする。更にまた、階層ツリーネットワークTRにおいて接合ノード2fの直近下流側に接続されているノード2n、2o、2aj、2am、2ak及び2anには、接合マルチキャストネットワークIPMNに係る特定ゲートウェイ識別情報とは異なるゲートウェイ識別情報であってマルチキャスト通信方式に対応したゲートウェイ装置を識別するためのゲートウェイ識別情報が記憶されているとする。すなわち、当該ノード2n、2o、2aj、2am、2ak及び2anは、接合マルチキャストネットワークIPMNが含まれているマルチキャストネットワークIPR1とは異なるマルチキャストネットワークIPR2に属しているものとする。
【0074】
例えば図4に示す新たなノードNは、接合マルチキャストネットワークIPMNが含まれているマルチキャストネットワークIPR1に属しており、上述したように接合マルチキャストネットワークIPMNに係る特定ゲートウェイ識別情報と同一のゲートウェイ識別情報を記憶している。このノードNが新規に階層ツリーネットワークTRに参加する場合、当該ノードNは、先ず接続先紹介サーバ3に対して図3に例示した場合と同様の上流ノード紹介要求メッセージMG1を送信する。そして、接続先紹介サーバ3から上流ノード候補メッセージMG2を受信したとき、当該上流ノード候補メッセージMG2により示されている新たな接続先が接合ノード2fであったとする。
【0075】
この場合、接合ノード2fは新規参加のノードNからの接続要求メッセージMG3(図3参照)を受信したとき、当該ノード2fの直近下流側に接続されている他のノード2nに対して接続換え要求メッセージMG20を送信して当該ノード2nに対して接続換え処理を実行させる。このとき、当該ノード2nは、上述したように接合マルチキャストネットワークIPMNとは異なるマルチキャストネットワークIPR2に属している。
【0076】
そして、ノード2fは、ノード2nに対して接続換え処理を実行させて階層ツリーネットワークTRにおける他のノード2の下流側に接続換えさせると共に、新規参加で且つノード2fと同じマルチキャストネットワークIPR1に属するノードNをノード2fの新たな直近下流側のノード2として接続させる。これにより、階層ツリーネットワークTRへの当該ノードNの参加処理が完了する。
【0077】
このように、ノードNの新規参加に当たって上述した如き接続位置の調整処理を行うことで、同一のマルチキャストネットワークIPRに属する複数のノード2(図4に例示する場合、ノード2fとノードN)が、階層ツリーにおいて直近で上流と下流に接続されることとなる。これにより、後述する(図7参照)接合ノード2fが階層ツリーネットワークTRから脱退する場合の接続換え処理が、任意の条件で正しく機能できることを保証することができる。
(C)接合マルチキャストネットワークに対する新規参加処理
次に、接合マルチキャストネットワークIPMNに対してノードが新規参加する場合について、図5を用いて説明する。なお図5は当該新規参加処理を示す図である。
【0078】
例えば図5に示す新たなノード2uが新規に配信システムSに参加する場合、当該ノード2uは、先ず接続先紹介サーバ3に対して上流ノード紹介要求メッセージMG1と同様の上流ノード紹介要求メッセージMG15を送信する。この上流ノード紹介要求メッセージMG15には、上流ノード紹介要求メッセージMG1と同様に当該ノード2u内に記憶されている上記ゲートウェイ識別情報が含まれている。
【0079】
そして、当該上流ノード紹介要求メッセージMG15を受信した接続先紹介サーバ3は、上記参加認証等を実行すると共に、上流ノード紹介要求メッセージMG15に含まれていたゲートウェイ識別情報が接合マルチキャストネットワークIPMNに対応する特定ゲートウェイ識別情報と同一か否かを確認する。これにより両者が同一であると判断された場合、接続先紹介サーバ3は、候補メッセージMG2の代わりにノード2uに対して上記マルチキャストアドレス情報を含む参加許可メッセージMG16を送信する。
【0080】
これにより、ノード2uの接合マルチキャストネットワークIPMNへの参加処理が完了することとなり、以降、当該ノード2uは上記マルチキャストアドレスを用いてノード2fを介してコンテンツの配信を受ける。
(III)実施形態に係る配信システムからの脱退処理
次に、実施形態に係る配信システムSからのノード2の脱退処理について説明する。
(A)階層ツリーネットワークからの脱退処理
先ず、階層ツリーネットワークTRからノードが脱退する場合について、図6を用いて説明する。なお図6は、例えばその電源スイッチがオフとされたこと等の理由により、階層ツリーネットワークTRからノード2eが脱退する場合を例示している。更に、以下の説明では、脱退するノード2eの直近下流に接続されているノード2j及び2kに対する処理が異なる二種類の脱退処理について、夫々図6(a)及び図6(b)を用いて説明する。
【0081】
当該脱退処理においては、図6に例示するように、脱退するノード2eは、当該ノード2eに対するコンテンツの供給元である上流のノード(図6に示す場合はノード2b)に対して、データ送信停止要求メッセージMG5及び接続解除要求メッセージMG6を夫々送信する。
【0082】
そして、当該二つの要求メッセージを夫々受信したノード2bは、今まで実行していたコンテンツ中継処理を停止する。その後、ノード2bは、上記コンテンツの配信停止処理と並行してノード2b内のノード管理情報からノード2eに係る情報を削除することで、当該ノード2eとの接続を断とする。これらにより、当該ノード2bから脱退するノード2eへのコンテンツの配信は停止される。ここで、脱退するノード2eの直近下流側に他のノード(図6に例示する場合は、ノード2j及び2k)が接続されていた場合には、以下に説明する二つの方法のうちいずれかを用いて、当該下流側のノード2に対するコンテンツの配信経路の復元処理を行う。
【0083】
すなわち、当該復元処理の第一例として、階層ツリーネットワークTRを構成している各ノード2(ノード2j及び2kを含む)は、それに対応する直近上流側に接続されているノード2からのコンテンツの配信状態を常時監視している。そして、コンテンツの配信状態が悪化したこと(図6(a)において「×」マークにて示す)を契機として直近上流側のノード2(2e)が脱退したものと見なし、当該ノード2(2e)との接続を断とし、新たな他の上流ノード2との接続処理(図2参照)を開始する。
【0084】
次に、当該復元処理の第二例としては、いわゆるイベント通知方式がある。このイベント通知方式においては、階層ツリーネットワークTRに参加している各ノード2は図6(a)に例示するタイムアウト方式の如き監視処理は実行していない。そして、ノード2eが階層ツリーネットワークとしてのトポロジから脱退する際、上記データ送信停止要求メッセージMG5及び接続解除要求メッセージMG6を夫々送信すると共に、直近下流に接続されているノード2j及び2kに対して、自身が脱退する旨の脱退報告メッセージMG7を夫々送信する。そして、当該ノード2j及び2kは、直近上流側にあったノード2eからの上記脱退報告メッセージMG7を夫々受信すると、当該ノード2eとの接続状態を断とし、新たな他の上流ノード2との接続処理(図2参照)を開始する。
【0085】
以上夫々説明した処理により、階層ツリーネットワークTRにおいてノード2eが脱退した後も、その直近下流にあったノード2j及び2kに対するコンテンツの配信が継続されることとなる。
(B)接合マルチキャストネットワークからの脱退処理
次に、接合マルチキャストネットワークIPMNから、例えばその電源スイッチがオフとされたこと等の理由によりそれに属していたノードが脱退する場合について説明する。
【0086】
上述したように、実施形態に係る接合マルチキャストネットワークIPMNではコンテンツの同時配信にマルチキャスト通信方式が用いられているため、接続先紹介サーバ3は当該接合マルチキャストネットワークIPMNにおけるノード2の接続態様を管理していない。よって、接合マルチキャストネットワークIPMNからそれまで参加していたノード2が脱退する場合には、当該脱退するノード2の自由裁量にて脱退が可能である。
【0087】
すなわち、実施形態に係る接合マルチキャストネットワークIPMNからそれに参加していたノード2が脱退する場合、当該脱退するノード2は当該接合マルチキャストネットワークIPMNにおける図示しないゲートウェイ装置に対して脱退する旨の図示しない脱退メッセージを送信し、その後当該ノード2における任意のタイミングで接合ノードとの接続を解除する。
【0088】
なお、一のノード2が接合マルチキャストネットワークIPMNから脱退した後においても、当該接合マルチキャストネットワークIPMNにおいては接合ノードからのコンテンツの配信(放送)は継続されている。更に、接合ノード以外の全てのノード2が接合マルチキャストネットワークIPMNから脱退してしまった場合でも、接合ノードからのコンテンツの配信(放送)は(受信先のノード2が存在しない状態で)継続される。
(C)接合ノードの脱退処理
次に、実施形態に係る配信システムSにおいて階層ツリーネットワークTRと接合マルチキャストネットワークIPMNとの双方に属していることとなる接合ノードが配信システムSから脱退する場合について、図7を用いて説明する。なお図7は、例えばその電源スイッチがオフとされたこと等の理由により配信システムSにおける接合ノードであるノード2fが階層ツリーネットワークTR及び接合マルチキャストネットワークIPMNからが脱退する場合を例示している。また、以下の説明においては、接合ノードであるノード2fを単に接合ノード2fと称する。
【0089】
接合ノード2fは、階層ツリーネットワークTRにおいて階層ツリーに沿ってコンテンツの配信を受けつつ、接合マルチキャストネットワークIPMNにおいてマルチキャストネットアドレスを用いたコンテンツの配信元となっている。よって、当該接合ノード2fが配信システムSから脱退する場合、特に接合マルチキャストネットワークIPMNにおけるコンテンツ配信の途絶を防止すべく、以下に示す特別な処理が配信システムSとして実行される。
【0090】
すなわち、接合ノード2fが階層ツリーネットワークTRから脱退する場合には、元の階層ツリーネットワークTRで接合ノード2fの直近下流側に接続されている他のノード2n又は2oに、接合マルチキャストネットワークIPMNにおけるコンテンツの配信元としての役割を引き継がせる。
【0091】
ここで、当該役割を引き継ぐノード2n又は2oは、マルチキャスト通信方式に対応したゲートウェイ装置と同じネットワークグループに属していることにより、特定ゲートウェイ識別情報と一致するゲートウェイ識別情報を記憶しているものとする。また、接合マルチキャストネットワークIPMNには属しないで、階層ツリーネットワークTRのみに属しており、且つ特定ゲートウェイ識別情報と一致するゲートウェイ識別情報を記憶しているノード2を、単に「予備ノード」と称する。
【0092】
接合ノード2fの脱退処理に関してより具体的には、その直近下流側に接続されている予備ノードたる例えばノード2nに対して、脱退する接合ノード2fは、自らが接続されていた階層ツリー内の位置(具体的には、ノード2bの直近下流側)に接続換えを行う旨を指示した後、脱退する。これに加えて、接合ノード2fは、その脱退時に、置換されるノード2nに対して、接合マルチキャストネットワークIPMNに対して今まで自らが用いていたマルチキャストアドレスを用いてコンテンツの配信を開始することも指示する。
【0093】
更に、ノード2nが接合ノードとなったことに伴い、これまで接合マルチキャストネットワークIPMNに属していたノード2のうちのいずれか一つ(図7に例示する場合はノード2u)を、新たな予備ノードとして、ノード2nが接続されていた階層ツリー内の位置に接続換えを行わせる。
【0094】
以上の図7に示す処理を実行することで、接合マルチキャストネットワークIPMNのコンテンツ配信元たる接合ノード2fが配信システムSから脱退しても、接合マルチキャストネットワークIPMNに対するコンテンツ配信の途絶を防止できることになる。
(IV)実施形態に係る配信システムにおける接続換え処理
次に、実施形態に係る配信システムSにおける接続換え処理について説明する。
(A)階層ツリーネットワークにおける接続換え処理
先ず、階層ツリーネットワークTRにおける接続換え処理について、具体的に図8を用いて説明する。なお、当該階層ツリーネットワークTRにおける接続換え処理は、上流側にあるノード2の脱退に伴う上述(図6参照)した場合の新たな接続処理(当該ノード2からの配信量が短時間でゼロになった場合の新たな接続処理)とは異なる。すなわち、当該接続換え処理は、例えば、上流側にあるノード2との間の通信回線9上に何らかの障害が発生した(図8において△印で示す)等の理由により、当該ノード2からの配信量が段階的に減少していった後にゼロになる場合に対処するための接続換え処理である。
【0095】
より具体的に、図8に例示する実施形態に係る階層ツリーネットワークTRにおいて、各ノード2はそれに対応する直近上流側に接続されているノード2からのコンテンツの配信状態を常時監視しているが、このとき、例えば図8に示すノード2eとノード2mとの間で上記障害等(図8△印参照)が発生したとする。この場合、ノード2mは、当該障害等に起因してノード2k自体への配信量が徐々に低下していくことが認識できる。そして、ノード2mは、当該配信量が、予めノード2m内において記憶されている例えば配信品質パラメータにより示される配信量を下回る配信量となると、ノード2eに対して、当該ノード2eからの離脱要求メッセージMG8を送信する。これと共に、ノード2mは、当該接続換えに係る新たな接続先たる他のノード2の紹介を要求する旨の上流ノード紹介要求メッセージMG9を、接続先紹介サーバ3に対して送信する。
【0096】
そして、当該上流ノード紹介要求メッセージMG9を受信した接続先紹介サーバ3は、ノード2mに対して、新たに直近上流側のノード2となる参加済のノード2(図8に例示する場合はノード2g)の所在情報を含む上流ノード候補メッセージMG10を送信する。これにより、ノード2mは、既参加のノード2(図8に例示する場合はノード2g)に関する情報を得ることができる。次にノード2mはノード2gに対して接続要求メッセージMG11を送信し、その応答メッセージとして当該ノード2(2g)から接続許可応答メッセージMG12を取得することで、ノード2mは、当該ノード2(2g)の直近下流側に接続換えされ、コンテンツの配信が新たに開始又は再開される。
(B)接合マルチキャストネットワークからの接続換え処理
上述したように、実施形態に係る接合マルチキャストネットワークIPMNおけるトポロジは、接続先紹介サーバ3により管理されてはいない。このとき、接合ノードは、当該接合ノードの下流側にどんなノード2が接続されていても、又はノード2が全く接続されていない場合であっても、単純に対応するマルチキャストアドレスを用いたコンテンツの出力を実行している。よって、接合マルチキャストネットワークIPMNにおいては、図8において例示した如き接続換え処理自体が生じ得ない。
(V)実施形態に係るパケット補完方式
次に、実施形態に係る配信システムSにおけるパケットの補完方式について、図9を用いて説明する。
【0097】
例えば上述した特許文献1記載の配信システムSにおいて、いわゆるUDP(User Datagram Protocol)を用いてコンテンツの配信を行う場合、一般に、パケットの一部が伝送途中のノード2中等において損失する可能性がある。そこで、実施形態に係る配信システムSでは、パケットの中継先が階層ツリーネットワークTR内のノード2であるか、或いは接合マルチキャストネットワークIPMN内のノード2であるか、に応じて、上記損失のためのパケット補完方式を切り換える。
【0098】
すなわち、図9に例示するように、階層ツリーネットワークTR内のあるノード2において、パケットの中継先が階層ツリーネットワークTR内のノード2である場合、その際のパケット補完方式として、いわゆるパケット再送補完方式か、又は当該パケット再送補完方式といわゆる前方誤り訂正方式との組み合わせ方式のいずれかを用いてストリームST1を送信する。これに対し、当該パケットの中継先が接合マルチキャストネットワークIPMN内のノード2である場合(すなわち、接合ノード2fにおいてパケット補完方式を切り換えようとする場合)、その際のパケット補完方式として上記前方誤り訂正方式を用いてストリームST2を送信する。
【0099】
そして、階層ツリーネットワークTRに属する各ノード2において、上述した如きパケット補完方式の動的な切換制御を行うことで、配信システムS内の配信経路上の任意の位置で均一な品質のストリームST(パケット)を伝送できる。
【0100】
以上夫々説明した実施形態に係る処理等を実行することで、ユニキャスト通信方式の階層ツリーネットワークTRとマルチキャスト通信方式の接合マルチキャストネットワークIPMNとを有効に共存させることができる。これにより、配信システムSに参加してコンテンツの配信を受け得るノード2の数を、接続先紹介サーバ3や配信システムSにおける頂点付近のノード2等に対して負荷をかけることなく増大させることでき、コンテンツの配信/普及を促進することが可能となる。
【実施例】
【0101】
次に、上記実施形態に係る配信システムSに属する放送局1、各ノード2及び接続先紹介サーバ3夫々の具体的な構成及び処理について、実施例として図10至図18を用いて説明する。なお、図10は実施例に係る放送局1の細部構成を示すブロック図であり、図11は実施例に係る各ノード2の細部構成を共通的に示すブロック図であり、図12は実施例に係る接続先紹介サーバ3の細部構成を示すブロック図である。また図13乃至図16は各ノード2において実行される実施例に係る処理を共通的に夫々示すフローチャートであり、図17は放送局1において実行される実施例に係る処理を示すフローチャートであり、図18は接続先紹介サーバ3において実行される実施例に係る処理を示すフローチャートである。
【0102】
始めに、実施例に係る放送局1の概要構成及び概要動作について、図10を用いて説明する。
【0103】
図10に示すように、実施例に係る放送局1は、制御部11、記憶部12、暗号化用アクセラレータ13、エンコーダ部14、通信部15及び入力部16を備えて構成され、これらの構成要素は、バス17を介して相互に接続されている。
【0104】
このとき、制御部11は、演算機能を有するCPU、作業用RAM(Random Access Memory)並びに各種データ及びプログラム(OS(Operating System)及び各種アプリケーションを含む)を記憶するROM(Read Only Memory)等から構成されている。また、記憶部12は、上記コンテンツを構成するコンテンツデータ(パケット)を記憶保存するためのHDD(Hard Disc Drive)等から構成されている。更に、暗号化用アクセラレータ13は、暗号鍵を用いて上記データを暗号化するために用いられる。
【0105】
一方、エンコーダ部14は、上記データを規定のデータ形式へ変換する。また、通信部15は、通信回線9(図1参照)を介してノード2等との間のコンテンツデータや各種メッセージの通信制御を行う。更に、入力部16は、例えば、キーボード又はマウス等からなり、使用者(オペレータ)からの指示を受け付け当該指示に応じた指示信号を制御部11に対して与える。
【0106】
以上の構成において、制御部11は、CPUが記憶部12等に記憶されたプログラムを実行することにより放送局1全体を統括制御し、後述する実施例に係る放送局1としての各処理を実行する。これに加えて、制御部11は、通常の処理として、記憶部12に記憶保存されたコンテンツデータを、エンコード部14を用いてデータ形式を変換した後、暗号鍵を用いて暗号化用アクセラレータ13により暗号化させる。その後、制御部11は、当該コンテンツデータを所定のデータ量に分割して連続する複数の上記パケットを生成し、これを通信部15を介してノード2(図2乃至図9に示す例ではノード2a及び2b)に対してストリーム配信する。
【0107】
また、制御部11は、当該コンテンツデータの配信先を、記憶部12に記憶された接続態様(トポロジ)テーブルを参照して決定する。このトポロジテーブルには、少なくとも、放送局1と接続されるノード2(換言すれば、コンテンツデータの配信先であるノード2)のIPアドレス及びポート番号が夫々記述されている。
【0108】
次に、実施例に係る各ノード2の概要構成及び概要動作について、図11を用いて説明する。なお、実施例に係る各ノード2は基本的に同一の構成を備える。
【0109】
図11に示すように、実施例に係るノード2は、送信手段、第一参加手段、第二参加手段、配信指示判定手段、配信制御手段、接合部情報処理装置判定手段、下流側判定手段、配信指示情報送信手段、参加指示情報送信手段、参加可能数判定手段、ネットワーク判定手段、同一性判定手段、接続制御手段、指示情報受信判定手段、配信手段、参加指示情報受信判定手段、要求手段及び接続換手段としての制御部21と、記憶手段としての記憶部22と、バッファメモリ23と、復号化アクセラレータ24と、デコーダ部25と、映像処理部26と、表示部27と、音声処理部28と、スピーカ29と、通信部29aと、入力部29bと、ICカードスロット29cと、を備えて構成されている。そして、これらの構成要素はバス29dを介して相互に接続されている。
【0110】
このとき、制御部21は、演算機能を有するCPU、作業用RAM、各種データ及びプログラム(OS及び各種アプリケーションを含む)を記憶するROM等から構成されている。また、記憶部22は、各種データ及びプログラム等を記憶するHDD等から構成されている。更にバッファメモリ23は、受信したコンテンツデータを一時的に蓄積(記憶)する。
【0111】
一方、復号化アクセラレータ24は、バッファメモリ23に蓄積された暗号化されたコンテンツデータを復号鍵を用いて復号化する。また、デコーダ部25は、復号化されたコンテンツデータに含まれるビデオデータ及びオーディオデータ等をデコード(データ伸張等)して再生する。更に、映像処理部26は、当該再生されたビデオデータ等に対して所定の描画処理を施し映像信号として出力する。
【0112】
他方、表示部27は、CRT(Cathode Ray Tube)及び液晶ディスプレイ等からなり、映像処理部26から出力された映像信号に基づき対応する映像を表示する。また、音声処理部28は、上記再生されたオーディオデータをアナログ音声信号にD(Digital)/A(Analog)変換した後これをアンプにより増幅して出力する。更に、スピーカ部29は、当該音声処理部28から出力された音声信号を音波として出力する。
【0113】
また、通信部29aは、通信回線9を介して放送局1や他のノード2等との間の通信制御を行う。更に、入力部29bは、例えば、マウス、キーボード及び操作パネル或いはリモコン等からなり、使用者(視聴者)からの各種指示に対応する指示信号を制御部21に対して出力する。そして、ICカードスロット29cは、ICカード29eに対する情報の読み書きを行う。
【0114】
ここで、ICカード29eは、耐タンパ性があり、例えば、配信システムSの運営者等から各ノード2の使用者に配布されるものである。このとき、当該耐タンパ性とは、非正規な手段による機密データの読み取りを防ぎ、簡単に解析できないようにタンパリング対策が施されていることを言う。このICカード29eは、CPUからなるICカードコントローラ、耐タンパ性のある不揮発性メモリ、例えば、EEPROM(Electrical Erasable and Programmable ROM)等を備えて構成されている。当該不揮発性メモリには、ユーザID、暗号化されたコンテンツデータを復号化するための復号鍵及びデジタル証明書等が記憶されている。ここで、当該デジタル証明書は、ノード2が配信システムSに参加する際に、上述した上流ノード紹介要求メッセージMG1(当該ノード2の所在情報が含まれる)と共に接続先紹介サーバ3に送信される。
【0115】
一方、バッファメモリ23は、例えばFIFO(First In First Out)形式のリングバッファメモリから構成されており、制御部21の制御下、受信ポインタにより示される記憶領域に通信部29aを通じて受信されたコンテンツデータを一時的に蓄積する。
【0116】
このとき、制御部21は、それに含まれるCPUが記憶部22等に記憶されたプログラムを読み出して実行することによりノード2全体を統括制御し、後述する実施例に係るノード2としての各処理を実行する。これに加えて、制御部21は、通常の処理として、上流から配信されてきた複数のパケットを通信部29aを通じて受信してバッファメモリ23に書き込み、且つ、当該バッファメモリ23に蓄積されているパケット(一定時間過去に受信されたパケット)を読み出して通信部29aを通じて下流のノード2に送信(中継)する。一方、バッファメモリ23は、再生ポインタにより示される当該バッファメモリ23の記憶領域に蓄積されているパケットを読み出し、バス29dを介して復号化アクセラレータ24やデコーダ部25に出力する。
【0117】
なお、上記プログラムは、例えば、ネットワーク10上の所定のサーバからダウンロードされるようにしてもよいし、例えば、CD−ROM(Compact disc - ROM)等の記録媒体に記録されて当該記録媒体のドライブを介して読み込まれるようにしてもよい。
【0118】
最後に、実施例に係る接続先紹介サーバ3の概要構成及び概要動作について図12を用いて説明する。
【0119】
図12に示すように、実施例に係る接続先紹介サーバ3は、接続制御手段、参加可否判定手段、第一制御手段、第二制御手段、所属済判定手段及び参加数判定手段としての制御部35と、記憶手段としての記憶部36と、通信部37と、を備えて構成され、これらの構成要素は、バス38を介して相互に接続されている。
【0120】
このとき、制御部35は、演算機能を有するCPU,作業用RAM,各種データ及びプログラム(OS及び各種アプリケーションを含む)を記憶するROM等から構成されている。また、記憶部36は、各種データ等を記憶保存するためのHDD等から構成されている。更に、通信部37は、ネットワーク10を通じてノード2等との間の情報の通信制御を行う。
【0121】
この構成において、記憶部36内には、配信システムSに参加している放送局1及び各ノード2の所在情報と、配信システムSにおける放送局1とノード2及び各ノード2間のトポロジ情報と、が記憶されたデータベースが蓄積・記憶されている。これに加えて、記憶部36には、実施形態に係る上記マルチキャストアドレス情報、特定ゲートウェイ識別情報及びゲートウェイ識別情報が記憶される。
【0122】
そして、制御部35は、それに含まれるCPUが記憶部36等に記憶されたプログラムを実行することにより接続先紹介サーバ3全体を統括制御し、上記記憶されているマルチキャストアドレス情報等を用いつつ、後述する実施例に係る接続先紹介サーバ3としての各処理を実行する。
【0123】
これに加えて、制御部35は、通常の処理として、未参加のノード2、例えば、図3又は図4に例示するノードNから上記上流ノード紹介要求メッセージMG1が送信されてきたとき、上述した認証処理(例えば参加要求に付加されたデジタル証明書の有効性の判定処理等)を行う。そして、当該認証が有効であったならば、当該ノードNの所在情報とデジタル証明書のダイジェストとを、例えば、デジタル証明書を所定のハッシュ関数でハッシュ化したハッシュ値として上記データベースに記憶させる。
【0124】
また、制御部35は、上記認証が有効であった場合に、上記上流ノード紹介要求メッセージMG1を送信してきたノードNに対して、接続先候補となる複数の上流ノード2の所在情報を含む上記上流ノード候補メッセージMG2/MG10を、通信部37を通じて送信する。そして、当該上流ノード候補メッセージMG2/MG10を受信したノードNにおいては、接続先候補となる複数の上流ノード2の配信システムS内でのネットワーク近接度が比較される。これにより、最も近い位置に存在するノード2(上流ノード)が選定されて、当該ノード2との間で上記接続要求メッセージMG3/MG11及び接続許可応答メッセージMG4/MG12の授受が為されて接続が確立される。その後、当該接続が確立された上流ノード2の所在情報が接続先紹介サーバ3に対して送信(返信)される。これに対して、制御部35は、当該ノードNに関するトポロジ情報を上記データベースに記憶する。
【0125】
次に、上述した構成を備えるノード2、放送局1及び接続先紹介サーバ3における実施例に係る処理について、具体的に図13乃至図18を用いて説明する。
(I)実施例に係るノードの動作
配信システムSに係るノード2における実施例に係る動作について、図13乃至図16を用いて説明する。ここで、実施例に係る各ノード2においては、全て、図13乃至図16に示す処理と同一の処理が夫々に実行されている。
【0126】
先ず、図13において、実施例に係る各ノード2において実行される上記参加処理(ステップS1乃至S8(図3乃至図5参照))から、受信したパケットの中継処理及び再生処理(ステップS9乃至S18)までを説明する。
【0127】
図13に示すように、実施例に係るいずれかのノード2(以下、図13乃至図16を用いてその処理を説明するノード2を、対象ノード2と称する)において、その電源スイッチがオンとされて対象ノード2における主電源及び補助電源がオンとされると、最初に対象ノード2内に記憶されているプログラムや各構成部材夫々が制御部21によって初期化される(ステップS1)。なお、上記補助電源は、上記主電源がオフとされた後において最終的に対象ノード2に対する電源供給が全て断とされるまでオンとされている電源である。
【0128】
そして、当該初期化が完了すると、次に、対象ノード2の制御部21は、当該対象ノード2自体において、参加要求操作(図3乃至図5参照)又は後述する接続換え処理(図8参照)の要求のいずれかが生起したか否かを確認する(ステップS2)。このとき、当該参加要求操作とは、配信システムSにその対象ノード2自体が新たに参加する旨(すなわち、当該選択されたチャンネルに相当するコンテンツデータの受信を希望する旨)の入力部29bにおける操作である。また、当該参加要求操作の有無の確認は、対象ノード2の制御部21が、例えば視聴を希望する放送局1に相当するチャンネルを選択する操作がそのユーザにより実行されたか否かを確認することにより実行される。
【0129】
そして、参加要求操作が実行されたか又は接続換え処理の要求が生起したときは(ステップS2;YES)、制御部21は、実際に配信システムSに参加する、又は新たな接続先を発見するための上流ノード紹介要求メッセージMG1、MG9又はMG15を接続先紹介サーバ3に送信する(ステップS3)。
【0130】
その後は、制御部21は、対象ノード2における上記電源スイッチがオフとされたか否かを確認し(ステップS4)、オフとされていないときは(ステップS4;NO)、制御部21は、上記ステップS2に戻って上述してきた一連の処理を繰り返す。一方、ステップS4の判定において、電源スイッチがオフとされたときは(ステップS4;YES)、上記主電源をオフとし、それまで参加していた配信システムSから脱退する処理を実行した後に上記補助電源もオフとして(ステップS5)、対象ノード2としての処理を終了する。
【0131】
他方、上記ステップS2の判定において、上記参加の旨の操作又は接続換え処理要求の生起が元々発生していないか、又は一度当該参加の旨の操作又は接続換え処理要求の生起が発生し(上記ステップS2;YES参照)、それに対応するステップS3の判定として上流ノード紹介要求メッセージMG1、MG9又はMG15を接続先紹介サーバ3へ送信後であるときは(ステップS3→ステップS4;NO→ステップS2;NO)、制御部21は、当該上流ノード紹介要求メッセージMG1、MG9又はMG15に対する応答としての上記上流ノード候補メッセージMG2又はMG10を接続先紹介サーバ3から受信したか否かを確認する(ステップS6)。
【0132】
そして、当該上流ノード候補メッセージMG2又はMG10を受信しているときは(ステップS6;YES)、制御部21は、上流ノード候補メッセージMG2又はMG10の中から接続対象となる他のノード2を選択し、その選択したノード2に対していわゆるNAT(Network Address Translation)越え処理を実行する(ステップS7)。
【0133】
ここで、当該NAT越え処理とは、通常、いわゆるエッジルータにおいてWAN(Wide Area Network)側からLAN(Local Area Network)側へ未知のパケットを通過させるときに用いられる処理のことを指し、より具体的には、例えば、「UDP Hole Punching」や「UPnP(Universal Plug and Play)」といった技術により実現される処理である。
【0134】
当該NAT越え処理が完了したら、制御部21は、実際のパケットの配信を受けるべく、当該NAT越え処理の対象となったノード2に対して、上記接続要求メッセージMG3又はMG11を送信し(ステップS8)、その後、上記ステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0135】
一方、上記ステップS6の判定において、上流ノード候補メッセージMG2又はMG10を受信していないときは(ステップS6;NO)、制御部21は、次に上流ノード紹介要求メッセージMG15に対する応答としての上記マルチキャスト情報を上記含む参加許可メッセージMG16を接続先紹介サーバ3から受信したか否かを確認する(ステップS9)。そして、当該参加許可メッセージMG16を受信したときは(ステップS9;YES)、制御部21は対象ノード2が接合マルチキャストネットワークIPMNに参加するものと判断する。これにより、制御部21は、受信したマルチキャストアドレス情報を用いて接合マルチキャストネットワークIPMNへの参加処理を実行する(ステップS10。図5参照)。この参加処理として具体的には、制御部21はマルチキャストアドレスを使って上記UDPパケットを受信するためのポートを開設する。
【0136】
そして、当該処理後、制御部21は上記マルチキャストアドレス情報により示されるマルチキャストアドレスを用いて接合ノード2fから送信されて来るマルチキャストパケットを受信する(ステップS11)。その後、更に制御部21は、自らの動作モードを示す制御部21内の図示しない接続モードフラグを「マルチキャストモード」を示す値に更新し(ステップS12)、その後、上記ステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0137】
他方、上記ステップS9の判定において、参加許可メッセージMG16も受信していないときは(ステップS9;NO)、次に制御部21は、上流側のノード2からコンテンツパケットを受信したか否かを確認する(ステップS13)。このときのパケット供給元たるノード2とは、対象ノード2が階層ツリーネットワークTRに参加した場合はその直近上流側のノード2となり、一方対象ノード2が接合マルチキャストネットワークIPMNに参加した場合は接合ノード2fとなる。
【0138】
そして、当該いずれのノード2からもパケットを受信していない場合(ステップS13;NO)、制御部21は、後述の図14に示す処理に移行する。一方、いずれかのノード2からパケットを受信した場合には(ステップS13;YES)、そのパケットの受信態様に基づいて、記憶部22及び制御部21において管理している受信品質統計情報を更新する(ステップS14)。
【0139】
ここで、受信品質統計情報とは、具体的には、各ノード2が受信したパケットの量等に基づいて算出された、例えば過去一分間の平均パケットレート又は平均パケット損失率である。そして、この受信品質統計情報としての平均パケットレート又は平均パケット損失率が悪化してくると、それは即ち当該ノード2に対するコンテンツの配信状態が悪化したものと見なすことができる(図8△印参照)。
【0140】
次に、制御部21は、上記接続モードフラグが現在「階層ツリーモード」に設定されているか否か、すなわち、対象ノード2が現在階層ツリーネットワークTRに属しているか否かを確認する(ステップS15)。そして、接続ノードフラグが階層ツリーモードであるときは(ステップS15;YES)、当該対象ノード2に対して下流側に接続されている他のノード2が存在しているか否かを確認する(ステップS16)。これにより、当該下流側のノード2が存在している場合は(ステップS16;YES)、制御部21は、当該下流側のノード2に対して必要なパケットを中継しつつ(ステップS17)、受信したパケットを自らのデコーダ部25へ出力し、復号したコンテンツを映像処理部26及び音声処理部28を用いて再生し(ステップS18)、その後上記ステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0141】
なお、上記ステップS15の判定において、接続ノードフラグが階層ツリーモードでないときは(ステップS15;NO)、制御部21は、受信したパケットが上記マルチキャストパケットであるとして、そのまま上記ステップS18の処理に移行してそのパケットの再生処理を行う(ステップS18)。
【0142】
また、上記ステップS16の判定において、下流側のノード2が存在していない場合は(ステップS16;NO)、制御部21は、そのまま上記ステップS18に移行して自らにおける再生処理を実行する。
【0143】
次に、上記ステップS13の処理において、いずれのノード2からもパケットを受信していない場合(ステップS13;NO)以降の処理について、図14を用いて説明する。なお、図14においては、実施例に係る対象ノード2において実行される上記脱退処理等(ステップS20乃至S33)及び当該対象ノード2の下流側において新たに参加する他のノード2の当該参加処理又は接続換え処理(ステップS34乃至S42)について夫々説明する。
【0144】
図13に示すステップS13の判定において、いずれのノード2からもパケットを受信していないときは(ステップS13;NO)、制御部21は、図14に示すように、パケット受信待ちの状態で対象ノード2において配信システムSから脱退する旨の操作が為されたか否かを確認する(ステップS20)。
【0145】
ステップS20の監視処理中において当該脱退する旨の操作が為されたときは(ステップS20;YES)、制御部21は、次に対象ノード2における上記接続モードフラグが現在「階層ツリーモード」を示す値に設定されており、対象ノード2が現在階層ツリーネットワークTRに属しているか否かを確認する(ステップS21)。そして、対象ノード2における上記接続モードフラグが現在「階層ツリーモード」を示す値に設定されていない、すなわち、対象ノード2が接合マルチキャストネットワークIPMNに属している時は(ステップS21;NO)、制御部21は、当該接合マルチキャストネットワークIPMNから脱退する(ステップS22)。その後更に制御部21は、上記接続モードフラグを「非接続状態」を示す値に更新し(ステップS23)、その後、上記ステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0146】
一方、上記ステップS21の判定において、対象ノード2における上記接続モードフラグが現在「階層ツリーモード」を示す値に設定されている時は(ステップS21;YES)、制御部21は次に、その時点で接続されている直近上流のノード2に対してデータ送信停止要求メッセージMG5及び接続解除要求メッセージMG6を夫々送信する(ステップS24、S25。図6参照)。そして、制御部21は、接続先紹介サーバ3に対して配信システムSのトポロジから脱退した旨の図示しない脱退報告メッセージを送信し(ステップS26)、更に上記接続モードフラグを「非接続状態」を示す値に更新する(ステップS27)。
【0147】
次に、制御部21は、対象ノード2が接合ノード2f又は予備ノードであった場合の処理(ステップS28乃至S33。図7参照)を行う。すなわち、脱退報告メッセージを送信した対象ノード2の制御部21は、先ず対象ノード2が、特定ゲートウェイ識別情報と一致するゲートウェイ識別情報を記憶しており且つ階層ツリーネットワークTRによりコンテンツの配信を受けていたか否かを確認する(ステップS28)。このステップS28の処理は、脱落する対象ノード2が接合ノード2f又は予備ノードのいずれかであったか否かを制御部21が確認する処理である。
【0148】
そして、対象ノード2が、特定ゲートウェイ識別情報と一致するゲートウェイ識別情報を記憶しており且つ階層ツリーネットワークTRによりコンテンツの配信を受けていた場合(ステップS28;YES)、次に制御部21は、対象ノード2が接合ノード2fであったか否かを確認する(ステップS29)。このステップS29の判定は、脱退前において対象ノード2がマルチキャストパケットの配信を行っていたか否かを制御部21が確認することにより判定される。
【0149】
これにより、対象ノード2が接合ノード2fであった場合(ステップS29;YES)、制御部21は次に、上記予備ノードがその直近下流側に接続されているか否かを確認する(ステップS30)。そして、当該予備ノードが接続されている時は(ステップS30;YES)、対象ノード2の制御部21は、当該いずれか一つの予備ノードに対して、接合マルチキャストネットワークIPMNに対応するマルチキャストアドレスを用いてコンテンツの配信を開始すべき旨のマルチキャスト配信開始指示メッセージを送信する(ステップS31)。この処理により、その予備ノードのうちのいずれか一つが次の接合ノードとしての機能を発起させることとなる。
【0150】
その後、制御部21は、対象ノード2の階層ツリーネットワークTRにおける直近下流側に接続されている予備ノードの数が、配信システムSにおいて常時確保しておくべき予備ノードの数として予め設定されている閾値以上であるか否かを確認する(ステップS32)。このステップS32の処理は、対象ノード2が脱退した後の接合ノードの補充処理(ステップS31参照)により予備ノード数が減少することに対応するためのものである。そして、対象ノード2脱退後の予備ノード数が上記閾値以上である場合は(ステップS32;YES)、制御部21は、その後上記ステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0151】
一方、上記ステップS28の判定において対象ノード2が特定ゲートウェイ識別情報と一致しないゲートウェイ識別情報を記憶しており且つ階層ツリーネットワークTRによりコンテンツの配信を受けていた場合(ステップS28;NO)、又は上記ステップS29の判定において対象ノード2が接合ノード2fでなかった場合(ステップS29;NO)、制御部21は、その後上記ステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0152】
他方、上記ステップS30の判定において予備ノードが接続されていない場合(ステップS30;NO)、又は上記ステップS32の判定において対象ノード2脱退後の予備ノード数が上記閾値以上でない場合は(ステップS32;NO)、対象ノード2の制御部21は、いずれも、接合マルチキャストネットワークIPMN内に現在接続されているノード2のいずれかに対して、階層ツリーネットワークTRの方に接続換えをする旨の階層ツリー参加指示メッセージを送信する(ステップS33。図7ノード2u参照)。その後、制御部21は、上記ステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0153】
次に、上記ステップS20の判定において、上記脱退する旨の操作が為されないときは(ステップS20;NO)、次に制御部21は、当該操作の監視中において配信システムSに新規参加する外部のノードNから新たな接続要求メッセージMG3が送信されて来ているか否かを確認する(ステップS34)。
【0154】
そして、当該接続要求メッセージMG3が送信されて来ていない場合(ステップS34;NO)、制御部21は、後述の図15に示す処理に移行する。一方、当該接続要求メッセージMG3が送信されて来ているときは(ステップS34;YES)、制御部21は、現在対象ノード2の下流側に接続されている他のノード2の数が当該対象ノード2としての接続可能数に達しているか否かを確認する(ステップS35)。ここで、制御部21は、対象ノード2の記憶部22に記憶されているノード管理情報に基づいて当該確認処理を実行する。
【0155】
上記接続可能数については、対象ノード2として予め設定されている接続可能数であり、例えば、図2乃至図9に例示する配信システムSの場合は「2」となる。
【0156】
そして、対象ノード2に現在接続されている下流ノード数が上記接続可能数に達している場合は(ステップS35;YES)、下流側にもはや新たな他のノード2を接続できないこととなる。よって、制御部21は次に、対象ノード2が特定ゲートウェイ識別情報に一致するゲートウェイ識別情報を記憶しており、且つ接続要求メッセージMG3を送信して来たノードNのゲートウェイ識別情報が対象ノード2のゲートウェイ識別情報と一致しており、更に階層ツリーネットワークTRにおいて対象ノード2の直近下流側に接続されているノードのゲートウェイ識別情報が対象ノード2のゲートウェイ識別情報と一致していないことを確認する(ステップS36)。これにより、上記ステップS36としての三つの要件が全て満たされているときは(ステップS36;YES)、上記図4に例示したノードNの参加態様とすべく、制御部21は、当該直近下流側に接続されているノード(図4に例示する場合のノード2n)に対して接続換え処理要求メッセージMG20を送信して当該下流ノードにおいて接続換え処理を実行させる(図3参照)。
【0157】
次に、制御部21は、上記接続要求メッセージMG3に対応して当該ノードNの所在情報等を記憶部22に記憶されているノード管理情報内に追加(登録)すると共に、元の直近下流側に接続されていたノードの所在情報等を当該ノード管理情報内から削除する(ステップS38)。その後、制御部21は、当該ノードNに対して上記接続許可応答メッセージMG4を送信し、当該ノードNとの間における接続処理を実行する(ステップS39。図4参照)。そして、制御部21は、図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0158】
一方、上記ステップS36の判定において、当該ステップS36としての三つの要件のいずれかでも満たされていないときは(ステップS36;NO)、ステップS34の判定において接続要求メッセージMG3を送信して来たノードNに対し当該接続要求を拒否する旨の接続拒否メッセージを送信して(ステップS40)、当該ノードNの対象ノード2に対する接続を拒否する。その後、制御部21は、図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0159】
次に、上記ステップS35の判定において、対象ノード2に現在接続されている下流ノード数が上記接続可能数に達していない場合は(ステップS35;NO)、制御部21は、送信されて来た接続要求メッセージMG3に対応して当該ノードNの所在情報を記憶部22に記憶されているノード管理情報内に追加(登録)する(ステップS41)。その後、制御部21は、当該ノードNに対して上記接続許可応答メッセージMG4を送信し、当該ノードNとの間における接続処理を実行する(ステップS42)。そして、制御部21は、図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0160】
次に、上記ステップS34の処理において、接続要求メッセージMG3が送信されて来ていないとき(ステップS34;NO)以降の処理について、図15を用いて説明する。なお、図15においては、実施例に係る対象ノード2において実行される上記参加処理等(ステップS45乃至S53)及び当該対象ノード2の下流側に接続される他のノード2との間における種々の処理(ステップS54乃至S59)について夫々説明する。
【0161】
図14に示すステップS34の判定において、接続要求メッセージMG3が送信されて来ていないときは(ステップS34;NO)、制御部21は、図15に示すように、階層ツリーネットワークTRにおける直近上流側の他のノード2から接続許可応答メッセージMG4又はMG12を受信したか否かを確認する(ステップS45)。そして、当該接続許可応答メッセージMG4又はMG12を受信したときは(ステップS45;YES)、制御部21は、更に実際にコンテンツデータの配信を受けるべく、その旨の図示しないデータ送信開始要求メッセージを上流側の他のノード2に向けて送信する(ステップS46)。このとき、当該データ送信開始要求メッセージには、例えばLAN(Local Area Network)におけるゲートウェイのMAC(Media Access Control)アドレスと、当該対象ノード2がパケットを受信する際に用いられる暗号通信方式に関する情報等がセキュリティ情報として添付されている。
【0162】
その後、制御部21は、接続先紹介サーバ3に対して配信システムSのトポロジに対する参加報告メッセージを送信し(ステップS47)、次に、上記接続モードフラグを「階層ツリーモード」を示す値に更新する(ステップS48)。
【0163】
次に、制御部21は、例えば接続先紹介サーバ3に問い合わせる等の方法により、対象ノード2が特定ゲートウェイ識別情報と一致するゲートウェイ識別情報を有し、且つ当該ゲートウェイ識別情報を持つ最初の参加ノードであるか否か(すなわち、接合ノードであるか否か)を確認する(ステップS49)。そして、対象ノード2が接合ノードでないときは(ステップS49;NO)、図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。一方、対象ノード2が接合ノードであるときは(ステップS49;YES)、制御部21は、接合マルチキャストネットワークIPMN内に対してマルチキャストパケットの送信を開始する(ステップS50)。この場合のマルチキャストパケットの送信には、上記接続先紹介サーバ3への問い合わせに対する応答として受信していた上記マルチキャストアドレス情報により示されるマルチキャストアドレスが用いられる。
【0164】
その後、制御部21は、図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0165】
一方、ステップS45の判定において、接続許可応答メッセージMG4又はMG12を受信していないときは(ステップS45;NO)、制御部21は、次に、上流側の他のノード2から接続拒否メッセージ(図14ステップS40参照)を受信したか否かを確認する(ステップS51)。そして、当該接続拒否メッセージが送信されて来た時(ステップS51;YES)、制御部21は、次に対象ノード2における上記接続モードフラグが現在「マルチキャストモード」を示す値に設定されているか否かを確認する(ステップS52)。そして、対象ノード2の上記接続モードフラグが現在「マルチキャストモード」を示す値に設定されているときは(ステップS52;YES)、他のマルチキャストネットワークへ参加する(ステップS53)。その後、制御部21は、図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0166】
他方、ステップS52の判定において、対象ノード2の接続モードフラグが現在「マルチキャストモード」を示す値に設定されていない時は(ステップS52;NO)、制御部21は、階層ツリーネットワークTRとしての新たな接続先を探索すべく、上流ノード紹介要求メッセージMG9を接続先紹介サーバ3に送信する(ステップS54)。その後、制御部21は、図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0167】
他方、ステップS51の判定において、接続拒否メッセージも送信されて来ていない時は(ステップS51;NO)、制御部21は次に、下流側に接続されている他のノード2から新たな接続解除要求メッセージMG6を受信しているか否かを確認する(ステップS55)。そして、当該接続解除要求メッセージMG6を受信したときは(ステップS55;YES)、制御部21は、当該接続解除要求メッセージMG6に対応してメッセージ送信元のノード2(下流ノード)の所在情報を上記ノード管理情報から削除する(ステップS56)、図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0168】
一方、ステップS55の判定において、新たな接続解除要求メッセージMG6も受信していないときは(ステップS55;NO)、制御部21は、下流側に接続されている他のノード2から上記データ送信開始要求メッセージを受信しているか否かを確認する(ステップS46参照。ステップS57)。
【0169】
そして、当該データ送信開始要求メッセージを受信しているときは(ステップS57;YES)、制御部21は、当該データ送信開始要求メッセージに応答して通常のコンテンツデータとしてのパケットを下流ノード2に送信し(ステップS58)、図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0170】
他方、ステップS57の判定において、データ送信開始要求メッセージを受信していないときは(ステップS44;NO)、制御部21は、下流側の他のノード2から上記データ送信停止要求メッセージMG5を受信しているか否かを確認する(ステップS59)。そして、当該データ送信停止要求メッセージMG5も受信していないときは(ステップS59;NO)、制御部21は、後述の図16に示す処理に移行する。
【0171】
一方、当該データ送信停止要求メッセージMG5を受信した場合には(ステップS59;YES)、制御部21は、下流側の他のノード2に対するコンテンツデータとしてのパケットの送信を停止し(ステップS59−1)、図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0172】
次に、上記ステップS59の判定においてデータ送信停止要求メッセージMG5も受信していない場合(ステップS59;NO)以降の処理について、図16を用いて説明する。
【0173】
図15に示すステップS59の判定において、データ送信停止要求メッセージMG5も受信していないときは(ステップS59;NO)、制御部21は、図16に示すように、対象ノード2において、上流側のノード2からのコンテンツの配信状態が悪化したか否かを確認する(ステップS60)。このステップS60における判定方法は、具体的には、その時点で対象ノード2の記憶部22に上記受信品質統計情報として記憶されている閾値との比較等において、対象ノード2への実際の配信量が低下したか否かを確認する。
【0174】
ステップS60の確認処理において、当該配信状態が悪化した(実際の配信量が低下した)と確認された場合(ステップS60;YES)、制御部21は次に、対象ノード2における上記接続モードフラグが現在「階層ツリーモード」を示す値に設定されており、対象ノード2が現在階層ツリーネットワークTRに属しているか否かを確認する(ステップS61)。そして、対象ノード2における上記接続モードフラグが現在「階層ツリーモード」を示す値に設定されていないときは(ステップS61;NO)、接合マルチキャストネットワークIPMNにおいて配信状態が悪化していることとなるので、制御部21は、図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返すことで接続換え処理等を実行する。一方、ステップS61の判定において、対象ノード2における上記接続モードフラグが現在「階層ツリーモード」を示す値に設定されているときは(ステップS61;YES)、その時点から階層ツリーネットワークTRとしての接続換え処理を開始する。より具体的には、制御部21は、その時点で接続されている直近上流のノード2に対してデータ送信停止要求メッセージMG5及び接続解除要求メッセージMG6を夫々送信する(ステップS62、S63。図6参照)。そして、制御部21は、接続先紹介サーバ3に対して配信システムSのトポロジから脱退した旨の図示しない脱退報告メッセージを送信し(ステップS64)、その後、図8に示した接続換え処理を実行する(ステップS65)。その後は、制御部21は、図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0175】
一方、上記ステップS60の判定において、配信状態が悪化していないときは(ステップS60;NO)、制御部21は、上流側のノード2から上記マルチキャスト配信開始指示メッセージを受信したか否かを確認する(図14ステップS31参照。ステップS66)。そして、当該マルチキャスト配信開始指示メッセージを受信しているときは(ステップS66;YES)、対象ノード2が接合ノードであることになるので、制御部21は、当該マルチキャスト配信開始指示メッセージに含まれているマルチキャストアドレス情報により示されるマルチキャストアドレスを用いてマルチキャストパケットの送信を開始する(ステップS67)。その後、制御部21は、図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0176】
他方、ステップS66の判定において、マルチキャスト配信開始指示メッセージを受信していないときは(ステップS66;No)、制御部21は次に、現在対象ノード2が接合マルチキャストネットワークIPMNに属しており且つ上記階層ツリー参加指示メッセージを受信しているか否かを確認する(図14ステップS33参照。ステップS68)。そして、当該接合マルチキャストネットワークIPMNに属しており且つ階層ツリー参加指示メッセージを受信しているときは(ステップS68;YES)、制御部21は、現在属している接合マルチキャストネットワークIPMNから脱退する処理を実行する(ステップS69)。次に制御部21は、接合マルチキャストネットワークIPMNから階層ツリーネットワークTRへの接続換え(図7ノード2u参照)のための接続換え処理実行し(ステップS70)する。その後、制御部21は、図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0177】
一方、ステップS68の判定において、対象ノード2が接合マルチキャストネットワークIPMNに属しておらず且つ階層ツリー参加指示メッセージも受信していないときは(ステップS68;NO)、制御部21は次に、上流側のノード2から上記接続換え処理要求メッセージMG20を受信したか否かを確認する(図4ノード2n参照。ステップS71)。そして、接続換え処理要求メッセージMG20を受信していないときは(ステップS71;NO)、その後制御部21は、図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
【0178】
一方、ステップS71の判定において、接続換え処理要求メッセージMG20を受信しているときは(ステップS71;YES)、制御部21は、対応する接続換え処理を実行し(ステップS72)、その後図13に示すステップS4の処理に移行して上述した一連の処理を繰り返す。
(II)実施例に係る放送局の動作
次に、実施例に係る放送局1における動作について、具体的に図17を用いて説明する。
【0179】
当該実施例に係る放送局1においては、図17に示すように、放送局1としての電源スイッチがオンとされると、制御部11は、最初に放送局1内に記憶されているプログラムや各構成部材夫々を初期化し、各ノード2に対するコンテンツの送信や接続先紹介サーバ3からのメッセージ等の受信を可能とする(ステップS75)。
【0180】
次に、当該初期化が完了すると、制御部11は、配信システムSの(即ち放送局1の)管理者により、配信システムSとしてのコンテンツの配信を開始又は停止する旨の操作が当該放送局1の入力部16において実行されたか否かを確認する(ステップS76)。そして、制御部11は、当該操作が為されていると判断したときは(ステップS76;YES)、当該操作に基づいて対応するコンテンツのパケットの配信システムS内への配信を開始又は停止する(ステップS77)。
【0181】
その後、制御部11は、放送局1における上記電源スイッチがオフとされたか否かを確認する(ステップS78)。そして、オフとされていないときは(ステップS78;NO)、制御部11は、上記ステップS76に戻って上述してきた一連の処理を繰り返す。一方、ステップS78の判定において、電源スイッチがオフとされたときは(ステップS78;YES)、制御部11は、放送局1としての主電源をオフとし、放送局1としての処理を終了する。
【0182】
一方、ステップS76の判定において、コンテンツの配信を開始又は停止する旨の操作が為されていると判断されないときは(ステップS76;NO)、制御部11は、次に、各ノード2からの上記接続要求メッセージMG3又はMG11或いは接続解除要求メッセージMG6が送信されて来ているか否かを確認する(ステップS79)。
【0183】
これにより、当該接続要求メッセージMG3又はMG11或いは接続解除要求メッセージMG6のいずれかが送信されてきていると判断したとき(ステップS79;YES)、制御部11は、先ず接続要求メッセージMG3又はMG11が送信されて来ているときは、当該接続要求メッセージMG3又はMG11に対応して当該下流側の他のノード2の所在情報を記憶部12に記憶されているノード管理情報内に追加(登録)することで当該下流側の他のノード2に対する接続処理を実行する(ステップS80)。一方、接続解除要求メッセージMG6を受信しているとき、制御部11は、当該接続解除要求メッセージMG6に対応して下流側の他のノード2の所在情報を記憶部11内の上記ノード管理情報から削除することで当該下流側の他のノード2の削除処理を実行する(ステップS80)。その後、制御部11は、上記ステップS78の処理に移行して当該処理を繰り返す。
【0184】
他方、ステップS79の判定において、接続要求メッセージMG3又はMG11或いは接続解除要求メッセージMG6のいずれも受信していないときは(ステップS79;NO)、制御部11は、下流側に接続されているいずれかのノード2から上記データ送信開始要求メッセージ又は上記データ送信停止要求メッセージMG5を受信しているか否かを確認する(ステップS81)。
【0185】
そして、当該データ送信開始要求メッセージ又はデータ送信停止要求メッセージMG5を受信しているとき(ステップS81;YES)、制御部11は、先ずデータ送信開始要求メッセージを受信しているときは、当該データ送信開始要求メッセージに応答して通常のコンテンツデータとしてのパケットを下流側の他のノード2に送信する(ステップS82)。一方、データ送信停止要求メッセージMG5を受信しているとき、制御部11は、下流側の他のノード2に対するコンテンツデータとしてのパケットの送信を停止する(ステップS82)。その後、制御部11は、上記ステップS68の処理に移行して当該処理を繰り返す。
【0186】
最後に、ステップS81の判定において、データ送信開始要求メッセージ又はデータ送信停止要求メッセージMG5のいずれも受信していないときは(ステップS71;NO)、制御部11は、上記ステップS68の処理に移行して当該処理を繰り返す。
(III)実施例に係る接続先紹介サーバの動作
最後に、実施例に係る接続先紹介サーバ3における動作について、具体的に図18を用いて説明する。
【0187】
実施例に係る接続先紹介サーバ3においては、先ず、図18に示すように、接続先紹介サーバ3としての電源スイッチがオンとされると、制御部35は、接続先紹介サーバ3内に記憶されているプログラムや各構成部材夫々を初期化し、各ノード2や放送局1からのメッセージの受信を可能とする(ステップS85)。
【0188】
そして、当該初期化が完了すると、制御部35は、新たな放送局1からの登録要求メッセージ又は配信システムS内に既存の放送局1からの削除要求メッセージを受信したか否かを確認する(ステップS86)。これらのいずれかを受信すると(ステップS86;YES)、制御部35は、新たな放送局1の登録の場合はその所在情報を上記データベース内に登録し、更に新しいチャンネルの情報等をトポロジのデータベース内に登録する。また、既存の放送局1の削除の場合は、制御部35は、当該放送局1の所在情報等を上記データベース内から削除し、更に該当するチャンネル情報をトポロジのデータベース内から削除する(ステップS87、S88)。
【0189】
その後、制御部35は、接続先紹介サーバ3としてのサービスを停止するか否かを確認する(ステップS89)。ステップS89の確認において、停止する場合は(ステップS89;YES)、制御部35は、そのまま接続先紹介サーバ3の電源をオフとして処理を終了する。一方、ステップS89の確認において、引き続き当該サービスを継続する場合は(ステップS89;NO)、制御部35は、上記ステップS86に戻って上述した一連の処理を繰り返す。
【0190】
他方、上記ステップS86の判定において、放送局1からの登録要求メッセージ及び削除要求メッセージのいずれも受信していないときは(ステップS86;NO)、制御部35は、新たに配信システムSに参加するノード2からの上記上流ノード紹介要求メッセージMG1(図13ステップS3参照)又は接続換え処理が実行されるノード2からの上記上流ノード紹介要求メッセージMG9(図15ステップS54又は図16ステップS65、S40又はS72参照)を受信したか否かを制御部35において確認する(ステップS90)。なお、以下の説明において、上記上流ノード紹介要求メッセージMG1又はMG9を送信して来たノード2を、以下単に要求元ノード2と称する。
【0191】
これにより、当該上流ノード紹介要求メッセージMG1又はMG9を受信しているときは(ステップS90;YES)、制御部35は、当該上流ノード紹介要求メッセージMG1又はMG9に含まれているゲートウエイ識別情報が、記憶部36に記憶されているいずれかの特定ゲートウエイ識別情報と一致するか否かを確認する(ステップS91)。そして、いずれの特定ゲートウエイ識別情報とも一致しないときは(ステップS91;NO)、制御部35は、要求元ノード2が当該配信システムSとしてはマルチキャストネットワークIPRに属していないものとして、これを階層ツリーネットワークTRに参加させる(ステップS97、S98)。すなわち、制御部35は、記憶部36内に蓄積されているトポロジのデータベースから要求元ノード2をその下流側に接続することが可能なノード2(例えば、図3(図8)の例ではノード2b(2e))の候補を検索する(ステップS97)。その後、制御部35は、検索された候補に該当するノード2の所在情報等を、上記上流ノード候補メッセージMG2又はMG10として要求元ノード2へ返信し(ステップS98)、上記ステップS89の処理に移行する。
【0192】
一方、ステップS91の判定において、上流ノード紹介要求メッセージMG1又はMG9に含まれているゲートウエイ識別情報が、記憶部36に記憶されているいずれかの特定ゲートウエイ識別情報と一致したときは(ステップS91;YES)、制御部35は次に、現在の接合マルチキャストネットワークIPMNに係る予備ノード(図7ノード2n又は2o参照)の数が上記閾値(図14ステップS32参照)以上であるか否かを、上記トポロジのデータベースを参照して確認する(ステップS92)。
【0193】
そして、現在の予備ノード数が閾値以上であるとき(ステップS92;YES)、制御部35は、要求元ノード2を接合マルチキャストネットワークIPMNに参加させるべく、対応するマルチキャストアドレスを含むマルチキャストアドレス情報を当該ノード2に送信する(ステップS93)。その後、制御部35は上記ステップS89の処理に移行する。
【0194】
他方、ステップS92の判定において、現在の予備ノード数が閾値以上でないとき(ステップS92;NO)、制御部35は、接合ノード又は新たな予備ノードを確保すべく、先ず記憶部36内に蓄積されているトポロジのデータベースから要求元ノード2をその下流側に接続することが可能なノード2の候補を検索する(ステップS94)。次に制御部35は、要求元ノード2が、当該要求元ノード2が属するマルチキャストネットワークにおいて最初の参加者であるか否かを確認する(ステップS95)。
【0195】
そして、いずれかのノード2が参加済である、すなわち少なくとも接合ノード2が存在しているときは(ステップS95;NO)、制御部35は、当該ノード2を階層ツリーネットワークTRに参加させるべく、検索された(ステップS94参照)候補に該当するノード2の所在情報等を上記上流ノード候補メッセージMG2又はMG10として要求元ノード2へ返信し(ステップS98)、上記ステップS89の処理に移行する。
【0196】
一方、ステップS95の判定において、要求元ノード2が属しているマルチキャストネットワークIPRには階層ツリーネットワークTRに属しているいずれのノード2も参加していないときは(ステップS95;YES)、制御部35は、検索された(ステップS94参照)候補に該当するノード2の所在情報等を上記上流ノード候補メッセージMG2又はMG10として要求元ノード2へ返信する。これに加えて制御部35は、要求元ノード2を、それが属しているマルチキャストネットワークIPRにおける接合ノードとして機能させるべく、上記マルチキャスト配信開始指示メッセージを対応するマルチキャストアドレス情報と共に送信する(ステップS96)。その後、制御部35は上記ステップS89の処理に移行する。
【0197】
次に、上記ステップS90の判定において、上流ノード紹介要求メッセージMG1又はMG9のいずれも受信していないときは(ステップS90;NO)、制御部35は、いずれかのノード2から上記参加報告メッセージ(図15ステップS47参照)又は脱退報告メッセージ(図14ステップS26参照)を受信したか否かを確認する(ステップS99)。
【0198】
そして、当該参加報告メッセージ又は脱退報告メッセージを受信したときは(ステップS99;YES)、制御部35は、当該受信した報告メッセージの内容に基づいてトポロジの変更があったと判断し、夫々の当該内容に基づいてトポロジのデータベースを更新し(ステップS100)、上記ステップS89の処理に移行する。
【0199】
最後に、上記ステップS99の判定において、参加報告メッセージ又は脱退報告メッセージのいずれも受信していないときは(ステップS99;NO)、制御部35は上記ステップS89の処理に移行する。
【0200】
以上夫々説明したように、実施形態及び実施例に係る配信システムSの動作によれば、新規参加のノードNが特定ゲートウェイ識別情報に一致するゲートウェイ識別情報を記憶しているか否かに応じて当該新規参加のノードNを階層ツリーネットワークTR又は接合マルチキャストネットワークIPMNのいずれかに参加させるので、ユニキャスト通信方式でコンテンツの配信が行われる階層ツリーネットワークTRと、当該階層ツリーネットワークTRに参加している接合ノード2fからマルチキャスト通信方式によりコンテンツの配信が行われる接合マルチキャストネットワークIPMNと、で構成される配信システムSを容易に形成することができる。
【0201】
また、結果として、階層ツリーネットワークTRと接合マルチキャストネットワークIPMNに分散させて新規参加のノードNを配信システムSに参加させることができるので、階層ツリーネットワークTRに含まれるノード2間のトポロジの制御に必要となる接続先紹介サーバ3の負担が少なくなり、配信システムSとしてのいわゆるスケーラビリティ(すなわち、参加しているノード2の数が増えた場合における配信能力の追随性)を向上させることができる。
【0202】
更に、接合マルチキャストネットワークIPMNではユニキャスト通信方式ではなくマルチキャスト通信方式を優先して利用するので、階層的にノード2が接続された配信システムSにおける頂点付近のノード2等における負荷を削減できる。
【0203】
従って、配信システムSに参加してコンテンツの配信を受け得るノード2の数を、接続先紹介サーバ3や配信システムSにおける頂点付近のノード2等に対して負荷をかけることなく増大させることで、コンテンツの配信/普及を促進することが可能となる。
【0204】
なお、図13乃至図16に夫々示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又はインターネット等を介して取得して記録しておき、これらを汎用のコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを実施例に係るノード2内の制御部21として活用することも可能である。
【0205】
また、図17に示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又はインターネット等を介して取得して記録しておき、これらを汎用のコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを実施例に係る放送局1内の制御部11として活用することも可能である。
【0206】
更に、図18に示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又はインターネット等を介して取得して記録しておき、これらを汎用のコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを第1実施例に係る接続先紹介サーバ3内の制御部35として活用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0207】
以上夫々説明したように、本発明はツリー構造を記憶している配信システムを用いたコンテンツの配信の分野に利用することが可能であり、特に接続先紹介サーバ3等における負担増加を抑制しつつコンテンツの配信先を増大させる場合に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0208】
【図1】実施形態に係る配信システムの概要構成を示す図である。
【図2】実施形態に係る配信システム全体の構成を例示する図である。
【図3】実施形態に係る階層ツリーネットワークにおける参加処理を示す図(I)である。
【図4】実施形態に係る階層ツリーネットワークにおける参加処理を示す図(II)である。
【図5】実施形態に係る接合マルチキャストネットワークにおける参加処理を示す図である。
【図6】実施形態に係る階層ツリーネットワークにおける脱退処理を示す図であり、(a)はタイムアウト式による脱退処理を示す図であり、(b)はイベント通知方式による脱退処理を示す図である。
【図7】実施形態に係る階層ツリーネットワークにおける接合ノードの脱退処理を示す図である。
【図8】実施形態に係る階層ツリーネットワークにおける接続換え処理を示す図である。
【図9】実施形態に係る配信システムにおけるパケット補完処理を示す図である。
【図10】実施形態に係る放送局の概要構成を示すブロック図である。
【図11】実施形態に係るノードの概要構成を示すブロック図である。
【図12】実施形態に係る接続先紹介サーバの概要構成を示すブロック図である。
【図13】実施例に係るノードにおける処理を示すフローチャート(I)である。
【図14】実施例に係るノードにおける処理を示すフローチャート(II)である。
【図15】実施例に係るノードにおける処理を示すフローチャート(III)である。
【図16】実施例に係るノードにおける処理を示すフローチャート(IV)である。
【図17】実施例に係る放送局における処理を示すフローチャートである。
【図18】実施例に係る接続先紹介サーバにおける処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0209】
1 放送局
2、2a、2b、2c、2d、2e、2g、2h、2i、2j、2k、2m、2n、2o、2p、2q、2r、2s、2u、2v、2w、2x、2y、2z、2aa、2ab、2ac、2ad、2ae、2af、2ag、2ah、2ai、2aj、2ak、2am、2an、N ノード
2f 接合ノード
3 接続先紹介サーバ
5 IX
6 ISP
7 DSL回線事業者
8 FTTH回線事業者
9 通信回線
10 物理ネットワーク
11、21、35 制御部
12、22、36 記憶部
13 暗号化用アクセラレータ
14 エンコーダ部
15、29a、37 通信部
16、29b 入力部
17、29d、38 バス
23 バッファメモリ
24 復号化アクセラレータ
25 デコーダ部
26 映像処理部
27 表示部
28 音声処理部
29 スピーカ
29e ICカード
29c ICカードスロット
S 配信システム
TR 階層ツリーネットワーク
IPR、IPR1、IPR2 マルチキャストネットワーク
IPMN 接合マルチキャストネットワーク
ST、ST1、ST2 ストリーム
MG1、MG9 上流ノード紹介要求メッセージ
MG2、MG10 上流ノード候補メッセージ
MG3、MG11 接続要求メッセージ
MG4、MG12 接続許可応答メッセージ
MG5 データ送信停止要求メッセージ
MG6 接続解除要求メッセージ
MG7 脱退報告メッセージ
MG8 離脱要求メッセージ
MG15 上流ノード紹介要求メッセージ
MG16 参加許可メッセージ
MG20 接続換え処理要求メッセージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理装置が一のネットワークを介して階層ツリー状に且つ脱退可能に接続されてなり、更にいずれかの前記情報処理装置に対して前記階層ツリーに沿ってユニキャスト通信方式により配信情報が配信される第一グループと、
複数の前記情報処理装置を含む第二グループであって、前記第一グループに含まれるいずれかの前記情報処理装置である接合部情報処理装置から当該第二グループに属する複数の前記情報処理装置に対してマルチキャスト通信方式により前記配信情報が配信される第二グループと、
により構成される情報配信システムであって、
新たに当該情報配信システムに参加する前記情報処理装置である新規参加情報処理装置内に、当該新規参加情報処理装置が属しているネットワークグループを識別するためのグループ識別情報であって、前記マルチキャスト通信方式による前記配信情報の配信が可能なネットワークグループを識別するための特定グループ識別情報と一致する当該グループ識別情報が記憶されている場合、当該新規参加情報処理装置を前記第一グループ又は前記第二グループのいずれか一方に参加させ、
前記新規参加情報処理装置内に前記特定グループ識別情報と一致しない前記グループ識別情報が記憶されている場合、当該新規参加情報処理装置を前記第一グループに参加させる接続制御を行う接続制御手段を備える接続先紹介装置を備えることを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
複数の情報処理装置が一のネットワークを介して階層ツリー状に且つ脱退可能に接続されてなり、更にいずれかの前記情報処理装置に対して前記階層ツリーに沿ってユニキャスト通信方式により配信情報が配信される第一グループと、複数の前記情報処理装置を含む第二グループであって、前記第一グループに含まれるいずれかの前記情報処理装置である接合部情報処理装置から当該第二グループに属する複数の前記情報処理装置に対してマルチキャスト通信方式により前記配信情報が配信される第二グループと、により構成される情報配信システムに含まれ、前記第一グループに含まれる各前記情報処理装置間の接続態様を制御する接続先紹介装置であって、
前記マルチキャスト通信方式による前記配信情報の配信が可能なネットワークグループを識別するための特定グループ識別情報を記憶する記憶手段と、
前記情報配信システムに新規に参加する前記情報処理装置である新規参加情報処理装置が当該新規参加の際に送信して来たグループ識別情報であって当該新規参加情報処理装置が属しているネットワークグループを識別するためのグループ識別情報が前記記憶されている特定グループ識別情報と一致しており、且つ前記接続態様が予め設定された特定条件を満足しているとき、前記新規参加情報処理装置が前記第二グループにも参加可能であると判定する参加可否判定手段と、
前記新規参加情報処理装置が前記第二グループに参加不可能であると判定されたとき前記新規参加情報処理装置を前記第一グループに参加させる第一参加処理を行う第一制御手段と、
前記新規参加情報処理装置が前記第二グループに参加可能であるとき、当該新規参加情報処理装置を前記第二グループに参加させる第二参加処理又は前記第一参加処理のいずれか一方を行う第二制御手段と、
を備えることを特徴とする接続先紹介装置。
【請求項3】
請求項2に記載の接続先紹介装置において、
前記第一グループに属するいずれかの前記情報処理装置が前記接合部情報処理装置として前記第一グループ及び前記第二グループに同時に属しているか否かを判定する所属済判定手段を更に備え、
前記新規参加情報処理装置が前記第二グループに参加可能であると判定され、且つ現在前記第一グループに属するいずれの前記情報処理装置も前記第二グループに属していないと判定されたとき、前記第二制御手段は、前記第一グループに属するいずれかの前記情報処理装置を当該第一グループにおける接続先として示す接続先情報と、前記接合部情報処理装置となる旨を指示する配信指示情報と、前記マルチキャスト通信方式に用いられ且つ前記第二グループに属する前記情報処理装置に共通する共通識別情報と、を前記新規参加情報処理装置に送信することを特徴とする接続先紹介装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の接続先紹介装置において、
前記第一グループ及び前記第二グループに同時に属している前記接合部情報処理装置と、当該接合部情報処理装置と同一の前記特定グループ識別情報を記憶しており且つ前記第一グループのみに参加している前記情報処理装置と、の合計数が予め設定された閾値未満であるか否かを判定する参加数判定手段を更に備え、
前記第二制御手段は、
前記新規参加情報処理装置に前記接合部情報処理装置と同一の前記特定グループ識別情報が記憶されており且つ前記合計数が前記閾値未満であると判定されたとき前記第一参加処理を実行し、
前記新規参加情報処理装置に前記接合部情報処理装置と同一の前記特定グループ識別情報が記憶されており且つ前記合計数が前記閾値以上であると判定されたとき前記第二参加処理を実行することを特徴とする接続先紹介装置。
【請求項5】
複数の情報処理装置が一のネットワークを介して階層ツリー状に且つ脱退可能に接続されてなり、更にいずれかの前記情報処理装置に対して前記階層ツリーに沿ってユニキャスト通信方式により配信情報が配信される第一グループ、又は、複数の前記情報処理装置を含む第二グループであって、前記第一グループに含まれるいずれかの前記情報処理装置である接合部情報処理装置から当該第二グループに属する複数の前記情報処理装置に対してマルチキャスト通信方式により前記配信情報が配信される第二グループ、のいずれか一方に参加することにより、前記第一グループ及び前記第二グループを含む情報配信システムに参加する前記情報処理装置であって、
当該情報処理装置が属するネットワークグループを識別するためのグループ識別情報を記憶する記憶手段と、
前記情報配信システムへの参加に当たり、当該参加を制御する接続先紹介装置に対して、前記記憶されているグループ識別情報を送信する送信手段と、
前記送信したグループ識別情報に対応して、前記第一グループに属しているいずれかの前記情報処理装置を示す接続先情報を前記接続先紹介装置から受信したとき、当該接続先情報により示される前記情報処理装置に接続して前記第一グループに参加する第一参加手段と、
前記送信したグループ識別情報に対応して、前記接続先紹介装置から前記第二グループに参加するための参加情報を受信したとき、当該参加情報に対応する前記第二グループに参加する第二参加手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置において、
前記接続先紹介装置から前記接続先情報を受信したとき、前記接合部情報処理装置となる旨を指示する配信指示情報と、前記マルチキャスト通信方式に用いられ且つ前記第二グループに属する前記情報処理装置に共通する共通識別情報と、を前記接続先紹介装置から更に受信しているか否かを判定する配信指示判定手段と、
前記配信指示情報及び前記共通識別情報を受信しているとき、前記第一グループへの参加後において、前記共通識別情報を用いた前記第二グループに属する前記情報処理装置に対する前記配信情報の配信を開始する配信制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の情報配信システムにおける前記第一グループに所属済みの前記情報処理装置であって、
当該情報処理装置が前記情報配信システムから脱退するとき、当該情報処理装置が前記接合部情報処理装置であるか否かを判定する接合部情報処理装置判定手段と、
当該情報処理装置が前記接合部情報処理装置であると判定されたとき、当該情報処理装置の前記階層ツリーにおける下流側に、当該接合部情報処理装置と同一の前記グループ識別情報が記憶されている他の前記情報処理装置である予備情報処理装置が接続されているか否かを判定する下流側判定手段と、
当該情報処理装置が前記接合部情報処理装置であり、且つ前記下流側に前記予備情報処理装置が接続されていると判定されたとき、当該予備情報処理装置に対して、新たな前記接合部情報処理装置となる旨を指示する配信指示情報を、前記マルチキャスト通信方式に用いられ且つ前記第二グループに属する前記情報処理装置に共通する共通識別情報と共に送信する配信指示情報送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置において、
当該情報処理装置が前記接合部情報処理装置であり、且つ前記下流側に前記予備情報処理装置が接続されていないと判定されたとき、前記第二グループに現在属している前記情報処理装置のいずれかに対して、前記第一グループに参加することを指示する参加指示情報を送信する参加指示情報送信手段を更に備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項7に記載の情報処理装置において、
前記配信指示情報の送信後において、前記下流側に接続されている前記予備情報処理装置の数が予め設定されている閾値未満であるか否かを判定する参加可能数判定手段と、
前記下流側に接続されている前記予備情報処理装置の数が前記閾値未満であるとき、前記第二グループに現在属している前記情報処理装置のいずれかに対して、前記第一グループに参加することを指示する参加指示情報を送信する参加指示情報送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項7から9のいずれか一項に記載の情報処理装置であって前記マルチキャスト通信方式による前記配信情報の配信が可能なネットワークグループを識別するための特定グループ識別情報と一致する前記グループ識別情報を記憶している情報処理装置において、
前記第一グループに新規に参加する前記情報処理装置である新規参加情報処理装置からの接続要求があったとき、当該新規参加情報処理装置が前記特定グループ識別情報と一致する前記グループ識別情報を記憶しているか否かを判定するネットワーク判定手段と、
前記接合部情報処理装置の前記下流側に現在接続されている前記情報処理装置に記憶されている前記グループ識別情報が前記特定グループ識別情報と同一であるか否かを判定する同一性判定手段と、
当該新規参加情報処理装置が前記特定グループ識別情報と一致する前記グループ識別情報を記憶しており、且つ前記接合部情報処理装置の前記下流側に現在接続されている前記情報処理装置に記憶されているグループ識別情報が前記特定グループ識別情報と同一でないと判定されたとき、現在前記下流側に接続されている前記情報処理装置に代えて、前記新規参加情報処理装置を当該下流側に接続させる接続制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
請求項5又は6に記載のネットワークシステムにおける前記第一グループに所属済みの前記情報処理装置であって、
当該情報処理装置の前記階層ツリーにおける上流側に接続されている他の前記情報処理装置から、前記接合部情報処理装置となる旨を指示する配信指示情報を、前記マルチキャスト通信方式に用いられ且つ前記第二グループに属する前記情報処理装置に共通する共通識別情報と共に受信したか否かを判定する指示情報受信判定手段と、
前記配信指示情報を前記共通識別情報と共に受信したとき、現在の前記第一グループにおける前記階層ツリーにおいて上流側に接続されている前記情報処理装置が変更された後、前記第二グループに参加している前記情報処理装置に対して、前記共通識別情報を用いた前記配信情報の配信を開始する配信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
請求項5又は6に記載のネットワークシステムにおける前記第二グループに所属済みの前記情報処理装置であって、
前記第一グループに参加することを指示する参加指示情報を前記接合部情報処理装置から受信したか否かを判定する参加指示情報受信判定手段と、
前記参加指示情報を受信したとき、前記接続先紹介装置に対して、前記第一グループに属しているいずれかの前記情報処理装置を示す新たな前記接続先情報の送信を要求する要求手段と、
新たな前記接続先情報に基づいて、前記第二グループから、当該接続先情報により示される前記第一グループ内の新たな前記情報処理装置に対する接続換え処理を実行する接続換手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
請求項1に記載の前記情報配信システムを構成し且つ前記第一グループに含まれる前記情報処理装置間の接続態様を維持管理する接続先紹介装置において実行される情報処理方法であって、
前記情報配信システムに新規に参加する前記情報処理装置である新規参加情報処理装置が当該新規参加の際に送信して来た前記グループ識別情報が、前記接続先紹介装置内に予め記憶されている前記特定グループ識別情報と一致しており、且つ前記接続態様が予め設定された特定条件を満足しているときに前記新規参加情報処理装置が前記第二グループに参加可能であると判定する参加可否判定工程と、
前記新規参加情報処理装置が前記第二グループに参加不可能であると判定されたとき前記新規参加情報処理装置を前記第一グループに参加させる第一参加処理を行う第一制御工程と、
前記新規参加情報処理装置が前記第二グループに参加可能であるとき、当該新規参加情報処理装置を前記第二グループに参加させる第二参加処理又は前記第一参加処理のいずれか一方を行う第二制御工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
複数の情報処理装置が一のネットワークを介して階層ツリー状に且つ脱退可能に接続されてなり、更にいずれかの前記情報処理装置に対して前記階層ツリーに沿ってユニキャスト通信方式により配信情報が配信される第一グループ、又は、複数の前記情報処理装置を含む第二グループであって、前記第一グループに含まれるいずれかの前記情報処理装置である接合部情報処理装置から当該第二グループに属する複数の前記情報処理装置に対してマルチキャスト通信方式により前記配信情報が配信される第二グループ、のいずれか一方に参加することにより、前記第一グループ及び前記第二グループを含む情報配信システムに参加する前記情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
当該情報処理装置は、当該情報処理装置が属するネットワークグループを識別するためのグループ識別情報を記憶する記憶手段を備えており、
前記情報配信システムへ参加する際に、当該参加を制御する接続先紹介装置に対して、前記記憶されているグループ識別情報を送信する送信工程と、
前記送信したグループ識別情報に対応して、前記第一グループに属しているいずれかの前記情報処理装置を示す接続先情報を前記接続先紹介装置から受信したとき、当該接続先情報により示される前記情報処理装置に接続して前記第一グループに参加する第一参加工程と、
前記送信したグループ識別情報に対応して、前記接続先紹介装置から前記第二グループに参加するための参加情報を受信したとき、当該参加情報に対応する前記第二グループに参加する第二参加工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項15】
コンピュータを、請求項2から4のいずれか一項に記載の接続先紹介装置として機能させることを特徴とする接続先紹介装置用プログラム。
【請求項16】
コンピュータを、請求項5から12のいずれか一項に記載の情報処理装置として機能させることを特徴とする情報処理装置用プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2009−177536(P2009−177536A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14251(P2008−14251)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】