説明

感光性着色組成物及びそれを用いたカラーフィルタ

【課題】本発明は、厚膜でありながら高解像度であり、ガラス基板との密着性が良好であり、アルカリ現像液への溶解性と電圧保持率特性に優れ、さらに現像性、特に良好なプロファイル角のパターンを形成できる感光性着色組成物の提供を目的とする。
【解決手段】着色剤(A)と、樹脂(B)と、モノマー(C)と、光重合開始剤(D)とを含む感光性着色組成物であって、前記モノマー(C)が、少なくとも酸性基を有する多官能モノマー(C1)を含み、前記モノマー(C)が、感光性着色組成物の不揮発分100重量%中、20〜50重量%であり、前記光重合開始剤(D)を、アセトフェノン系化合物およびアシルフォスフィンオキサイド系化合物を、アセトフェノン系化合物/アシルフォスフィンオキサイド系化合物=60/40〜90/10の比率で含む感光性着色組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性着色組成物に関するものであり、特にカラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用される感光性着色組成物、特に薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の駆動用基板上に着色層が形成されたフィルタセグメントを具備する、カラーフィルタオンアレイ方式(以下COA方式と略す場合がある)のカラーフィルタに用いられる感光性着色組成物、および該感光性着色組成物を用いて形成されたカラーフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
カラー液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置である。この2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったことから、カラーフィルタに対して高輝度化、高コントラスト化の要求が高まっている。
【0003】
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板、又は薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の上に、着色層を直接あるいは窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を介して形成し、その表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
【0004】
このような液晶表示装置に使用されている液晶は液晶表示装置に内在するカラーフィルタ等の部材の電気的な特性による影響を受けやすく、液晶汚染による液晶の配向乱れやスイッチング性能に悪影響をあたえる等の表示不良が問題となることがある。このような問題を解決するために、カラーフィルタの着色層には絶縁性が求められ、膜厚を厚くして絶縁性を高くしたり、低誘電率の着色膜を形成する必要がある。このような課題を解決するために、Green(緑)画素の色層におけるオーバーコート層を積層した2層の誘電正接を特定の範囲に選択する方法等が検討されている(特許文献1参照)。
【0005】
中でも、最近注目を集めている薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の上に、着色層を直接あるいは窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を介して形成し、この着色層を形成した基板と、液晶を駆動させるための透明電極を蒸着あるいはスパッタリングにより形成した基板とを張り合わせるというCOA方式(特許文献2参照)では、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の上に、直接着色層を形成するために、ピクセル口径比(開口率)が大幅に増大できるため、高輝度化及び低消費電力化を達成することが可能である反面、その機構上、よりカラーフィルタの電気的な特性による影響を受けやすいという問題がある。
【0006】
このような問題を解決するために、カラーフィルタセグメントの膜厚を通常は1.6〜2μm程度形成するのに対し、COA方式では3μm程度の厚膜に形成することやより架橋密度の高い膜を形成することで、カラーフィルタの電気的な特性による影響を低減させる方法で対応していることが多い。さらに絶縁層のかわりに薄膜トランジスター(TFT)の上に厚膜のカラーフィルタセグメントを形成する構造に由来し、透明電極と薄膜トランジスター(TFT)とを繋ぐコンタクトホールをカラーフィルタセグメントに設ける必要がある為、画素を形成する感光性着色組成物は、通常の感光性着色組成物よりも優れた解像性が必要である。感光性着色組成物の解像性は、光重合開始剤および単量体の種類・量で調整する事が一般的であり、感度の低い光重合開始剤および単量体を選択あるいは、量を調整する事で向上できる場合もあるが、その反面、感度の低下から感光性着色組成物とガラス基板との密着性が低下して、パターン剥がれが起きやすくなる。また、感度の高い光重合開始剤では、マスクよりパターンが太る傾向にあり、微小なコンタクトホールを開けるのが難しい。さらにCOA方式では、プロファイル角(=パターン断面が基板となす角度をいう)に対する要求特性が厳しく、従来の感光性着色組成物ではプロファイル角をコントロールするのが難しい。即ち、パターン密着性、コンタクトホールの開孔、プロファイル角の全てを満足させるのが難しい。
【0007】
近年、カラーフィルタに関しては、より一層の高透過性、かつ高濃度が要求されてきている。高濃度のカラーフィルタの製造のためには、使用する着色組成物中の着色材濃度を上げる必要があるが、着色組成物の着色材濃度を上げることによって露光感度及び現像時の溶解性など、画像形成性に寄与する特性が相対的に低下してしまう。結果として現像工程における非露光部の溶解性が悪化し、現像時に非露光部の着色組成物が溶解せずに残留したり、あるいはレジストが未溶解のまま剥離片として基板上に残存したりし、色ずれなどの原因となる可能性がある。その結果、カラーフィルタの品質低下及び生産時の歩留まり低下の原因となる。さらに液晶は極めて絶縁性の高い材料であり、カラーフィルタ用組成物中に残存する極性化合物が液晶セル中に溶出すると、電極間の電圧は低下し、電圧保持率の低下を招き、表示ムラの発生、配向不良等を生じ、液晶表示素子としての性能を低下させる原因となる。そのため、着色組成物には、液晶への非溶解性が求められている(この耐性を電圧保持率特性といい、液晶表示素子(LCD)の表示性能を表す電気特性の指標である。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004-117537号公報
【特許文献2】特開2004−94263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、厚膜でありながら高解像度であり、ガラス基板との密着性が良好であり、アルカリ現像液への溶解性と電圧保持率特性に優れ、さらに現像性、特に良好なプロファイル角のパターンを形成できる感光性着色組成物、およびそれを用いたカラーフィルタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、モノマー(C)が、少なくとも酸性基を有する多官能モノマー(C1)を多量に含み、さらに光重合開始剤(D)として、アセトフェノン系化合物およびアシルフォスフィンオキサイド系化合物を、アセトフェノン系化合物/アシルフォスフィンオキサイド系化合物=60/40〜90/10の比率で含むことを特徴とする感光性着色組成物である。
【発明の効果】
【0011】
上記のように構成された感光性着色組成物は、酸性基を有する多官能モノマー(C1)の使用により、ガラス基板との密着性とアルカリ現像液への優れた溶解性と高電圧保持率特性を両立し、酸性基を有する多官能モノマー(C1)の使用量および特定比率の光重合開始剤を使用することで、良好なプロファイル角のパターンを形成できる。
【0012】
本発明の感光性着色組成物によって、厚膜でありながら高解像度であり、ガラス基板との密着性が良好であり、アルカリ現像液への溶解性と高電圧保持率特性に優れ、さらに現像性、特に良好なプロファイル角のパターンを形成できる感光性着色組成物、およびそれを用いたカラーフィルタを得ることができた。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、本発明の感光性着色組成物について説明する。
【0014】
本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)と、樹脂(B)と、モノマー(C)と、光重合開始剤(D)とを含有する。
【0015】
<着色剤(A)>
赤色の着色剤は、例えばC.I.ピグメント レッド 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、166、168、169、176、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、221、242、246、254、255、264、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、又は287等の赤色顔料が用いられる。また赤色を呈する塩基性染料、酸性染料やそれら染料の造塩化合物を使用することもできる。
【0016】
また赤色の着色剤には、C.I.ピグメント オレンジ 36、38、43、71、又は73等の橙色顔料及び/またはC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、又は221等の黄色顔料を併用することができる。また橙色及び/または黄色を呈する塩基性染料、酸性染料やそれら染料の造塩化合物を使用することもできる。
【0017】
緑色の着色剤は、例えばC.I.ピグメント グリーン7、10、36、37、58等が挙げられる。なかでも緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン58を用いることが高い明度を達成する事ができる点で好ましい。C.I.ピグメントグリーン58はその高い酸性度から、他の顔料種と比較して分散安定性を確保するのが困難であるが、本発明の感光性着色組成物を用いることで、塗膜の結晶異物も抑制することが可能である。
【0018】
また緑色の着色剤には、黄色顔料を併用することができる。併用可能な黄色顔料としては、C.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、又は221等の黄色顔料を挙げることができる。また黄色を呈する塩基性染料、酸性染料やそれら染料の造塩化合物を併用することもできる。
【0019】
青色の着色剤は、例えばC.I.ピグメント ブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、又は64等を用いることができる。青色着色組成物には、C.I.ピグメント バイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、又は50等の紫色顔料を併用することができる。また紫色を呈する塩基性染料、酸性染料やそれら染料の造塩化合物を併用することもできる。
【0020】
(顔料の微細化)
本発明で顔料は、ソルトミリング処理を行い微細化することができる。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径としている。
【0021】
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、トリミックス、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
【0022】
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
【0023】
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
【0024】
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
【0025】

<樹脂(B)>
樹脂は、着色剤を分散するものであって、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が好ましい。
樹脂(B)としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
【0026】
樹脂(B)の重量平均分子量(以下、Mwともいう)は、着色剤(A)を好ましく分散させるためには、10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(以下、Mnともいう)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
【0027】
また、顔料分散性、現像性、及び耐熱性の観点から、顔料吸着基及び現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、顔料担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料分散性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪化し、微細パターン形成するのが困難である場合がある。一方、300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残存しない場合がある。
【0028】
樹脂(B)は、成膜性および諸耐性の観点から、着色剤(A)100重量部に対し、30重量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500重量部以下の量で用いることが好ましく、さらに40重量部以上、300重量部以下が好ましい。
【0029】
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
【0030】
酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
【0031】
エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(a)や(b)の方法により不飽和エチレン性二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
【0032】
<方法(a)>
方法(a)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
【0033】
エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0034】
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
【0035】
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、不飽和エチレン性二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更に不飽和エチレン性二重結合を増やすことができる。
【0036】
方法(a)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
<方法(b)>
方法(b)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
【0037】
水酸基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
【0038】
イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
【0039】
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。
【0040】
<モノマー(C)>
本発明のモノマー(C)には、少なくとも酸性基を有する多官能モノマー(C1)を含むことが重要である。この酸性基を有する多官能モノマー(C1)を使用することで、ガラス基板との密着性とアルカリ現像液への優れた溶解性と高電圧保持率特性を両立できるため重要である。本発明においてモノマー(C)は、さらに紫外線や熱などにより反応可能なモノマーに加えてオリゴマーも含むものであり、多官能のモノマー・オリゴマーであることが好ましい。さらに酸性基を有さないモノマー・オリゴマーも併用することも好ましい。
【0041】
モノマー(C)の配合量は、該着色組成物の不揮発分100重量%中、20〜50重量%であることが好ましく、光硬化性、解像度およびフリンジ形状の観点から30〜45重量%であることがより好ましい。
【0042】
(酸基を有する多官能モノマー(C1))
酸基を有する多官能モノマー(C1)としては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等が好ましい。具体例としては、例えばトリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレートまたはモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノヒドロキシモノアクリレートまたはモノヒドロキシモノメタクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等を挙げることができる。
また、酸基を有する多官能モノマー(C1)として、下記一般式(1)により表わされる化合物も好ましい。一般式(1)の化合物を使用することで、本発明の感光性着色組成物のアルカリ現像液に対する溶解性が向上し、製造ラインでの現像工程において、現像液との不溶物の発生を防ぐことでフィルターの詰まりを防ぐことができる。
【0043】
一般式(1):
(H2C=C(R1)COO)m−X−(OCOCH(R1)CH2S(R2)COOH)n
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1〜12の炭化水素基、Xは(m+n)価の炭素数3〜60 の有機基、mは2〜18の整数、nは1〜3の整数を示す。)
【0044】
ここで、一般式(1)で表される化合物は、例えば、以下の方法により容易に得ることができる。
(1)Xで表される有機基を与える化合物をアクリル酸とエステル化してアクリル化させた後、得られた化合物にメルカプト化合物を付加させる方法・
(2)Xで表される有機基を与える化合物をポリイソシアネート化合物で変性させた後、得られた化合物に水酸基を有するアクリレート化合物でアクリル化させた後、得られた化合物にメルカプト化合物を付加させる方法。
(3)Xで表される有機基を与える化合物をアクリル酸とエステル化してアクリル化させた後、ポリイソシアネート化合物で変性させ、得られた化合物にメルカプト化合物を付加させる方法。
【0045】
Xで表される有機基を与える化合物としては、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールのカプロラクトン変性物、ペンタエリスリトールのポリイソシアネート変性物、及びジペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン変性物、ジペンタエリスリトールのポリイソシアネート変性物を挙げることができる。
【0046】
メルカプト化合物としては、例えば、メルカプト酢酸、2-メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、o−メルカプト安息香酸、2−メルカプトニコチン酸、メルカプトコハク酸などが挙げられる。
前記酸基を有する多官能性モノマー(C1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。本発明における酸基を有する多官能性モノマー(C1)の使用量は、感光性着色組成物の不揮発分100重量%中、20〜50重量%、好ましくは30〜45%である。この場合、酸基を有する多官能性モノマーの使用量が5重量部未満では、画素強度あるいは画素表面の平滑性が低下する傾向があり、一方500重量部を超えると、例えば、アルカリ現像性が低下したり、画素が形成される部分以外の領域での地汚れや膜残りが発生しやすくなる傾向がある。
【0047】
本発明におけるモノマー(C)は、上記酸性基を有する多官能性モノマー(C1)を含み、さらに酸性基を有しない多官能性モノマーあるいは単官能性モノマーを含むこともできる。
【0048】
(多官能モノマー)
多官能モノマーとしては、例えばポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0049】
(単官能モノマー)
単官能モノマーとしては、例えばω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート、2−アクリロイルオキシエチルこはく酸、2−メタクリロイルオキシエチルこはく酸、2−アクリロイルオキシプロピルこはく酸、2−メタクリロイルオキシプロピルこはく酸、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレートや、市販品として、2−アクリロイロキシエチルこはく酸(商品名M−5300)等を挙げることができる。
【0050】
酸基を有する多官能性モノマー(C1)と、他のモノマーとを併用して使用する場合、これらの他のモノマーは、1種でまたは2種以上の複数で混合して使用することができる。その場合、他のモノマーの使用量は、全モノマー量である酸基を有する多官能性モノマー(C1)との合計100重量部に対して、通常、0〜90重量部、好ましくは0〜50重量部である。
【0051】
なお、本発明において原料として電圧保持率の観点からラプロラクトンを使用しないモノマーを使用することが好ましい。
【0052】
<光重合開始剤(D)>
本発明において光重合開始剤(D)は、アセトフェノン系化合物およびアシルフォスフィンオキサイド系化合物を併用し、さらにアセトフェノン系化合物/アシルフォスフィンオキサイド系化合物=60/40〜90/10の比率で使用することが重要である。前記の光重合開始剤と酸基を有する多官能性モノマー(C1)との組み合わせにより良好なパターン形成が可能になる。
【0053】
アセトフェノン系化合物は、例えば4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。
【0054】
アシルフォスフィンオキサイド系化合物は、例えばビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0055】
光重合開始剤(D)は、アセトフェノン系化合物およびアシルフォスフィンオキサイド系化合物以外の光重合開始剤をさらに使用することもできる。具体的には、例えば1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシム系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メチルフェニル)ビイミダゾール、等のイミダゾール系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられる。これらの光重合開始剤は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0056】
本発明では光重合開始剤(D)を多量に使用することで密着性を向上できる。具体的には感光性着色組成物の不揮発分100重量%中、3〜20重量%が好ましく、8〜13重量%がより好ましい。感光性着色組成物をCOA用に用いる場合の特性として、プロファイル角は35〜65°が好ましく、さらに好ましくは40〜60°であり、また、テーパー長さが7μm以下であることが好ましい。そのためモノマー量、かつ、開始剤量が上記範囲内にあることで、プロファイル角およびテーパー長さを要求値にコントロールでき、COA方式に適したカラーフィルタが製造できる。
【0057】
<溶剤>
本発明の感光性着色組成物には、溶剤を含有させることができる。これにより着色剤を充分に感光性着色組成物中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.5〜5.0μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にすることができる。
【0058】
溶剤としては、例えば乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
【0059】
中でも、本発明の着色組成物の保存安定性の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
溶剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。また溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤(A)100重量部に対し、800〜4000重量部の量で用いることが好ましい。
【0060】
<感光性着色組成物の製造>
本発明の感光性着色組成物は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物は、一般的には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は感光性樹脂である樹脂と、光重合性単量体と、光重合開始剤と、溶剤とを含有する組成物中に顔料を分散させたものである。
【0061】
本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)と、樹脂(B)と、必要に応じて、分散助剤、溶剤、及び添加剤等を混合して、三本ロールミル、二本ロールミル、ニーダー、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等で分散することにより、顔料を樹脂溶液に分散せしめてなる顔料分散体を調製し、次いで、前記顔料分散体と、光重合性単量体(C)と、光重合開始剤(D)と、必要に応じて溶剤、その他の分散助剤、及び添加剤等を混合して調整することができる。
【0062】
光重合開始剤(D)は、感光性着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した感光性着色組成物に後から加えてもよい。
【0063】
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を顔料担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
【0064】
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられる。
本発明においては、中でも顔料誘導体が好ましく、その構造は、下記一般式(2)で示される化合物である。
【0065】
P−Ln 一般式(2)
(ただし、P:有機顔料残基、アントラキノン残基、アクリドン残基またはトリアジン残基、L:塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基、n:1〜4の整数である)
【0066】
Pの有機顔料残基を構成する有機顔料としては、例えば、ジケトピロロピロール系顔料;アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料;銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料;キナクリドン系顔料;ジオキサジン系顔料;ペリノン系顔料;ペリレン系顔料;チオインジゴ系顔料;イソインドリン系顔料;イソインドリノン系顔料;キノフタロン系顔料;スレン系顔料;金属錯体系顔料等が挙げられる。
【0067】
色素誘導体としては、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
【0068】
色素誘導体の配合量は、分散性向上の点から、着色剤(A)100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、着色剤(A)100重量部に対し、好ましくは40重量部以下、最も好ましくは35重量部以下である。
【0069】
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0070】
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
【0071】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0072】
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、着色剤100重量部に対し、好ましくは0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
【0073】
<レベリング剤>
本発明の感光性着色組成物には、透明基板上での感光性着色組成物のレベリング性を改善するため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、感光性着色組成物100重量%中、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
【0074】
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
【0075】
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0076】
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
【0077】
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0078】
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
【0079】
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明の感光性着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
【0080】
<その他の添加剤成分>
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
【0081】
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
【0082】
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色剤(A)100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
【0083】
<粗大粒子の除去>
本発明の感光性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明の感光性着色組成物を用いたカラーフィルタ、およびカラーフィルタの製造方法について説明する。
【0084】
本発明のカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備する。前記フィルタセグメントは、スピンコート方式あるいはダイコート方式によって本発明の感光性着色組成物を塗布することにより、基材上に形成される。
【0085】
カラーフィルタの基材としては、可視光に対して透過率の高いソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラス等のガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板といった透明基板又は反射基板が挙げられる。これらの基板には、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。又、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫等からなる透明電極が形成されていてもよい。
【0086】
これらの透明基板又は反射基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成しておくと、液晶表示パネルのコントラストを一層高めることができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウム等の無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。又、前記の透明基板又は反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成した、薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の駆動用基板にしておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントを形成することにより、液晶表示パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
【0087】
ここで、TFT基板上に着色層を形成する方法について説明する。まず、TFT基板の表面上、あるいは該駆動基板の表面に窒化けい素膜等のパッシベーション膜を形成した基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するように遮光層を形成し、この基板上に、感光性着色組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶剤を蒸発させて、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去し、その後ポストベークすることにより、画素パターンが所定の配列で配置された画素アレイを形成する。その際に使用されるフォトマスクには、画素を形成するためのパターンのほか、スルーホールあるいはコの字型の窪みを形成するためのパターンも設けられている。
【0088】
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。又、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
【0089】
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。中でも、良好なプロファイル角とコンタクとホールの開孔の両立の観点から、シャワー現像法またはスプレー現像法が好ましい。
【0090】
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記感光性着色組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできるが、重合阻害を防止したため感度が高すぎるとコンタクトホールを開けにくくなることから、樹脂等を着色組成物の塗膜上に塗布するのは好ましくない。
【0091】
透明基板又は反射基板上にフィルタセグメントを形成するときの塗布厚さは、乾燥膜厚が、好ましくは、0.1〜5μm、より好ましくは0.5〜3μmである。
【0092】
また、特に本発明の着色組成物をCOA方式に用いる場合には、ゲート電極/透明電極間で起こるクロストークを防止するために絶縁性が要求され、厚膜であることが好ましくそのため乾燥膜厚0.1〜10μm、より好ましくは0.5〜5μmといった膜厚で用いることが好ましい。
【0093】
カラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜等が形成される。
【0094】
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
【0095】
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
【実施例】
【0096】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は、「重量部」を、「%」は、「重量%」を表す。
【0097】
また、アクリル樹脂の重合平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
【0098】
(酸価の測定法)
樹脂溶液0.5〜1部に、アセトン80ml及び水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の不揮発分濃度から、樹脂の不揮発分あたりの酸価を算出した。
【0099】
まず実施例および比較例に用いたアクリル樹脂溶液の製造方法、樹脂型分散剤溶液の調製方法、顔料分散体の製造方法を説明する。
【0100】
<アクリル樹脂溶液の製造方法>
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
【0101】
<樹脂型分散剤溶液の調製方法>
市販の樹脂型分散剤である、チバ・ジャパン社製「EFKA4300」と、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて不揮発分40重量%溶液に調整し、樹脂型分散剤溶液として使用した。
【0102】
<顔料分散体の製造方法>
(青色顔料分散体の作製)
ε型銅フタロシアニン顔料(C.I. Pigment Blue 15:6) (BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)9.7部、ジオキサジンバイオレット顔料(C.I. Pigment Violet 23) (Clariant社製「Fast Violet RL」)1.1部、上記樹脂型分散剤溶液8.3部、上記アクリル樹脂溶液を18.9部、及びエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート62.0部の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し青色顔料分散体を作製した。
【0103】
(赤色顔料分散体の作製)
上記青色顔料分散体の作製における顔料分として、ジケトピロロピロール系顔料(C.I. Pigment Red 254) (チバ・ジャパン社製「イルガフォーレッドB−CF」)7.9部、ニッケルアゾ錯体系顔料(C.I. Pigment Yellow 150)3.0部に置き換えた以外は同様にして、赤色顔料分散体を作製した。
【0104】
(緑色顔料分散体の作製)
上記青色顔料分散体の作製における顔料分として、ハロゲン化亜鉛フタロシアニングリーン顔料(C.I. Pigment Green 58)7.9部、ニッケルアゾ錯体系顔料(C.I. Pigment Yellow 150) (ランクセス社製「E4GN」)3.0部に置き換えた以外は同様にして、緑色顔料分散体を作製した。
【0105】
[実施例1]
光重合開始剤:2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン1.53重量部とビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド0.27重量部を溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル53.35重量部に溶解させた後、アクリル樹脂溶液13.45重量部、モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2.7重量部およびペンタエリスリトールトリアクリレートとジペンタエリスリトールトリアクリレートの混合物の無水コハク酸付加体2.7重量部、さらに上記顔料分散体26.0重量部を混合し、ディスパーで30分撹拌してした後、1μmのフィルタで濾過して赤色着色組成物を得た。
【0106】
[実施例2〜17および比較例1〜11]
各原料を表1〜4の種類および量に変更した以外は、実施例1と同様に行い青色、赤色または緑色の着色組成物を得た。
【0107】
【表1】

【0108】
【表2】

【0109】
【表3】

【0110】
【表4】

【0111】
表1〜4中の略語について下記に示す。
・モノマー1:カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製「KAYARAD DPCA−30」)
・モノマー2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製「アロニックス M−402」)
・モノマー3:カルボキシル基含有多官能性モノマー(C1−1):ペンタエリスリトールトリアクリレートとジペンタエリスリトールトリアクリレートの混合物の無水コハク酸付加体(東亞合成社製「アロニックス M−520」酸価:30mgKOH/g)
・モノマー4:カルボキシル基含有多官能性モノマー(C1−2):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物とジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸誘導体の混合物(東亞合成(株)製「TO−1382」酸価:29mgKOH/g)
・モノマー5:カルボキシル基含有多官能性モノマー(C1−3):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物とジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸誘導体の混合物(東亞合成(株)製「TO−2349」酸価:68mgKOH/g)
・光重合開始剤1:アセトフェノン系:2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン(BASF社製 「IRGACURE 379」)
・光重合開始剤2:アシルフォスフィンオキサイド系:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製 「IRGACURE 819」)
・光重合開始剤3:アセトフェノン系:2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(BASF社製 「IRGACURE 907」)
・光重合開始剤4:オキシムエステル系:1.2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)](BASF社製 「IRGACURE OXE 01」)
・溶剤1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
・溶剤2:3−エトキシプロピオン酸エチル
【0112】
<密着性・解像性・プロファイル角・テーパー長さ>
実施例及び比較例で得られたカラーフィルタ用着色組成物を、100mm×100mm、0.7mm厚のTFT方式液晶駆動用基板の表面に窒化ケイ素膜を形成した基板上に、スピンコーターを用いて乾燥後の膜厚が3.0μmの厚みになる回転数で塗布し、減圧乾燥後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して積算光量50mJ、照度20mWで紫外線露光を行った。その後、0.2重量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として用い、現像液圧0.1mPaでシャワー現像法にて塗膜の未硬化部分を除去して直径30μmの正八角形スルーホールと線幅50μmの細線を含むパターンを形成させた。その後、230℃で赤:60分、緑:40分、青:20分ポストベークし評価基板を作成した。
作製した基板を用いて、下記の基準で密着性・解像性・断面形状評価を行った。
また、密着性が悪いものについては、解像性・断面形状評価を行わなかった。
結果を表5に示す。
【0113】
(密着性)
目視により下記の基準で3段階評価した。なお△○は実用レベルである。
○:パターンハガレが全く認められない
△:パターンハガレがわずかに認められる
×:パターンハガレが認められる
【0114】
(解像性)
光学顕微鏡を用いた解析ソフト((株)プラネトロン製Image−Pro)でホール径を測定し、下記の基準で3段階評価した。なお△○は実用レベルである。
○:マスクホール径30μmに対し25μm以上のホールが形成できる
△:マスクホール径30μmに対し15μm以上〜25μm未満のホールが形成できる
×:マスクホール径30μmに対し15μm以上のホールが形成できない
【0115】
(プロファイル角)
パターンの細線部分を基板とともに切断し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、倍率10000倍にて基板切断面方向からパターン断面写真を撮影し、画像解析ソフトにて基板とパターンエッジ部分とでなす角度(θ)を評価した。(パターン断面が湾曲している場合には、外接点と基板接点を結んだ直線と基板とでなす角度とする)
【0116】
(テーパー長さ)
パターンの細線部分を基板とともに切断し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、倍率10000倍にて基板切断面方向からパターン断面写真を撮影し、画像解析ソフトにてパターンエッジ部分とパターンの肩部分から基板方向へ垂直に下した際の基板との交点との距離を評価した。
○:上記距離が7μm未満
△:上記距離が7μm以上、10μm未満
×:上記距離が10μm以上
【0117】
<現像液溶解性>
得られたカラーフィルタ用着色組成物について、スピンコーターを用いて、10cm×10cmのガラス基板に、膜厚が3.0μmとなるように塗布基板を4枚作製し、減圧乾燥した基板を0.2重量%炭酸ナトリウム水溶液からなる現像液50gに溶解させた。その溶液を静置し、1日後の沈殿物の有無を確認した。
○:1日静置しても、沈殿物なし
×:1日静置で、沈殿物あり
【0118】
<電圧保持率(VHR)>
各アルカリ現像型緑色レジスト材をスピンコーターにてガラス基板(10cm×10cm)に、乾燥皮膜の膜厚が1.8μmになるように塗布し、50mJ/cm2の露光量で露光した後、23℃の0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて30 秒間スプレー現像し、オーブンにて230℃で焼成することで、それぞれのレジスト材の塗布基板を得た。得られた塗布基板からレジスト塗膜を0.05部削り取った後、液晶1.5部(メルク(株) 製、MLC −2041)に浸漬して、120℃オーブンにて60分間エージングし、4000rpmにて15分間遠心分離後、上澄み液を採取することにより、レジスト抽出液晶サンプル液を作製した。
【0119】
一方、有効電極サイズ10mm×10mmのITO透明電極を有するガラス基板2枚を、ITO透明電極面同士が向かい合うように対向配置し、セルギャップが9μmになるようにシール剤を用いて小型セルを作製した。この小型セルにレジスト抽出液晶サンプル液をセルギャップ間に注入して、60℃において、電圧5Vで60μ秒間電圧を印加し、電圧解放後16.67m秒経過後のセル電圧[V1]を、東陽テクニカ製VHR-1Sにて測定した。測定は、5回繰り返して行ない、測定されたセル電圧を平均化した。そして、得られたセル電圧を用いて、下記式より電圧保持率(%)を求めた。
【0120】
電圧保持率(%)=([V1]/5)×100
電圧保持率(%)の評価基準は以下の通り。なお△〜◎は実用レベルである。
◎:95%以上
○:90%以上95%未満
△:85%以上90%未満
×:85%未満
評価結果を表5に示す。
【0121】
【表5】

【0122】
実施例1〜17の感光性着色組成物により形成したカラーフィルタは、比較例より評価結果が良好であり、各特性を両立できた。また、プロファイル角も最適な範囲であり、COA方式に適したカラーフィルタが得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤(A)と、樹脂(B)と、モノマー(C)と、光重合開始剤(D)とを含む感光性着色組成物であって、
前記モノマー(C)が、少なくとも酸性基を有する多官能モノマー(C1)を含み、
前記モノマー(C)が、感光性着色組成物の不揮発分100重量%中、20〜50重量%であり、前記光重合開始剤(D)を、アセトフェノン系化合物およびアシルフォスフィンオキサイド系化合物を、アセトフェノン系化合物/アシルフォスフィンオキサイド系化合物=60/40〜90/10の比率で含むことを特徴とする感光性着色組成物。
【請求項2】
アセトフェノン系化合物およびアシルフォスフィンオキサイド系化合物を、感光性着色組成物の不揮発分100重量%中、3〜20重量%含有することを特徴とする請求項1記載の感光性着色組成物。
【請求項3】
酸性基を有する多官能モノマー(C1)を、モノマー(C)100重量%中、30〜60重量%含有することを特徴とする請求項1または2記載の感光性着色組成物。
【請求項4】
酸性基を有する多官能モノマー(C1)が、下記一般式(1)で示される化合物であることを特徴とする請求項1から3いずれか記載の感光性着色組成物。
一般式(1)
(H2C=C(R1)COO)m−X−(OCOCH(R1)CH2S(R2)COOH)n
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1〜12の炭化水素基、Xは(m+n)価の炭素数3〜60の有機基、mは2〜18の整数、nは1〜3の整数を示す。)
【請求項5】
請求項1〜4いずれか記載の感光性着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
【請求項6】
請求項1〜4いずれか記載の感光性着色組成物を用いて薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の駆動用基板上に着色層が形成されたフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。

【公開番号】特開2012−211976(P2012−211976A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77030(P2011−77030)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000222118)東洋インキSCホールディングス株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】