感圧部材、それを用いた感圧式指紋センサおよび指紋センサモジュール
【課題】 既存の静電容量式指紋センサに適用でき、残留指紋の影響を受けず、指紋検出部の破損を防止できる感圧部材を提供する。また、残留指紋の影響を受けず、指紋検出部の破損を防止できる指紋センサおよび指紋センサモジュールを提供する。
【解決手段】 本発明の感圧部材は、複数の検出電極がマトリクス状に配置されてなる静電容量式指紋センサの基板上に配置される感圧部材であり、前記感圧部材が、感圧領域を有する可撓性フィルムと、該可撓性フィルムの一面側に形成されるとともに前記基板に配置された際に前記検出電極と対向する可撓性電極と、前記基板上に配置された際に前記検出電極と前記可撓性電極とを離間させる支持部材とを備えてなることを特徴とする。
【解決手段】 本発明の感圧部材は、複数の検出電極がマトリクス状に配置されてなる静電容量式指紋センサの基板上に配置される感圧部材であり、前記感圧部材が、感圧領域を有する可撓性フィルムと、該可撓性フィルムの一面側に形成されるとともに前記基板に配置された際に前記検出電極と対向する可撓性電極と、前記基板上に配置された際に前記検出電極と前記可撓性電極とを離間させる支持部材とを備えてなることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧部材に係り、特に指紋センサに用いられる感圧部材に関する。また、この感圧部材を用いた感圧式指紋センサおよび指紋センサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、各種ゲートの入退室管理やコンピュータシステム等の個人認証として、指紋認識技術が利用されている。また、携帯電話やICカードなどに実装される本人確認用の手段として、小型化および薄型化が可能な指紋センサが注目されている。
これらに使用される指紋センサとして、一般に静電容量式指紋センサと感圧式指紋センサとが知られている。静電容量式指紋センサは、被検出物である指の凹凸と検出体に形成された電極との静電容量を測定して、指紋形状を認識しようとするものである。また、感圧式指紋センサは、対向する複数の電極が備えられた検出体に被検出物である指を押圧し、指の凹凸に対応して対向する複数の電極の離間距離を変化させ、指紋形状を認識しようとするものである。
【0003】
上述のような静電容量式指紋センサとしては、以下の特許文献1に記載の指紋入力装置100が知られている。
この特許文献1には、図12に示すように、指101を接触ないし近接させる主平面102の表面上に配列された電極103と、この電極103の各々に接続されるとともにこの電極103の静電容量を検出する回路104とからなる指紋入力装置100が開示されている。
この指紋入力装置100は、前記主平面102に指101を接触ないし近接させたときに検出される電極毎の静電容量が指紋パターンの凹凸に応じて異なることを利用して、静電容量の大小によって指紋の画像パターンを得るというものである。
【0004】
また、上述のような感圧式指紋センサとしては、以下の特許文献2に記載の指紋検出装置110が知られている。
この特許文献2には、図13に示すように、接触面111となる平面に指112が接触した場合にその指紋の凹凸パターンにより生じる圧力に基づいて厚みが変化する形状転写部113と、この形状転写部113の厚みの変化を静電容量の変化として検出し、静電容量の変化に基づいて指紋のパターンを検出する検出駆動回路部114とを有する指紋検出装置110が開示されている。
この形状転写部113は、指紋の凹凸パターンにより生じる圧力に基づいて厚みが変化する絶縁性の変形層115と、変形層115上に形成され、指紋の凹凸パターンにより生じる圧力に基づいて変形自在な可撓性電極116と、可撓性電極116を保護するために可撓性電極116上に形成された変形自在な表面保護層117とから構成されている。
また、検出駆動回路部114は、基板部材119と、その上部に形成された検出電極118と、検出電極118を保護する保護層120とから構成されており、検出駆動回路部114上には形状転写部113が配置されている。
【0005】
この指紋検出装置110においては、指紋の凹凸パターンは、検出駆動回路部114の検出電極118上に絶縁性弾性層または絶縁性流動体層からなる変形層115を介して配置された可撓性電極116に転写される。すなわち、指を可撓性電極116の上から押し当てたとき、指紋の山部では押圧力が作用し、可撓性電極116は変形層115が潰れる方向に凹む。一方、指紋の谷部では押圧力は作用せず、変形層115からの反発力のみを受け、可撓性電極116は膨らむ。このようにして、可撓性電極116には指紋の凹凸パターンが転写され、アレイ状に配置された個々の検出電極118と可撓性電極116との間隔が指紋の凹凸パターンに応じて変化する。このような可撓性電極116の位置の変化は静電容量の変化として検出され、電気信号として出力されることによって、指紋の凹凸の画像パターンを得ている。
【特許文献1】特開平8−305832号公報
【特許文献2】特許第3102395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の特許文献1に記載の指紋入力装置においては、指の表面が乾燥している場合には、指の表面が電極として機能しなくなり、指紋の凹凸に応じた容量を検出できなくなる虞があった。また、指の表面が湿潤な場合には、指紋の凹部が水分で埋まり、指の表面が平坦な電極となってしまい、指紋の凹凸に応じた静電容量を検出できなくなる虞があった。
さらに、指紋検出を行う際に検出電極の表面に被検出物である指を接触ないし近接させることにより、この検出電極の表面に汗や油等の異物が付着してしまい、いわゆる残留指紋を形成してしまう。そのため、新たに指紋を検出しようとした場合には、これらの付着物が検出されてしまい、被検出物である指が載置されていないにも係わらず、残留指紋が新たな指紋として検出されるなどの誤作動が発生する虞があった。
【0007】
また、上記の特許文献2に記載の指紋検出装置においては、指紋検出を行う際に、形状転写部を指で押圧して撓ませて可撓性電極の位置を変化させる必要がある。この場合、指紋の凹凸の認識精度を向上させるために形状転写部を薄膜化することが望ましいが、逆にこれによって形状転写部の強度が低下するという虞があった。
さらに、形状転写部が検出駆動回路と一体に形成されているため、形状転写部の破損により指紋検出装置全体が使用不可能な状態になってしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、既存の静電容量式指紋センサに適用でき、残留指紋の影響を受けず、指紋検出部の破損を防止できる感圧部材を提供することを目的とする。
また、残留指紋の影響を受けず、指紋検出部の破損を防止できる指紋センサおよび指紋センサモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の感圧部材は、複数の検出電極がマトリクス状に配置されてなる静電容量式指紋センサの基板上に配置される感圧部材であり、前記感圧部材が、感圧領域を有する可撓性フィルムと、該可撓性フィルムの一面側に形成されるとともに前記基板に配置された際に前記検出電極と対向する可撓性電極と、前記基板上に配置された際に前記検出電極と前記可撓性電極とを離間させる支持部材とを備えてなることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、可撓性フィルムに指を押圧した際に、可撓性フィルムの一方の面に形成された可撓性電極が指の凹凸に対応して変形される。そのため、このような感圧部材を静電容量式指紋センサの基板上に配置すると、可撓性電極の各領域とマトリクス状に配置された検出電極との離間距離が変化し、指の凹凸を可撓性電極と検出電極との静電容量の大きさに反映させることが可能になる。
【0011】
本発明の感圧部材は、前記感圧部材が前記静電容量式指紋センサに着脱可能に形成されてなることを特徴とする。
かかる構成によれば、静電容量式センサに感圧部材を取り付けるだけで、感圧式指紋センサを容易に構成することができ、また、感圧部材を取り外すことで静電容量式指紋センサとしても使用できる。さらに、感圧部材が損傷または劣化した場合でも、容易に交換を行うことができる。
【0012】
本発明の感圧式指紋センサは、複数の検出電極がマトリクス状に配置されてなる基板を備えた静電容量式指紋センサと、感圧領域を有する可撓性フィルムと該可撓性フィルムの一面側に形成された可撓性電極とからなり、前記可撓性電極を前記検出電極に対向させて前記基板上に配置される感圧部材と、前記可撓性電極と前記検出電極とを離間させる支持部材と、が具備されてなることを特徴とする。
【0013】
かかる構成によれば、静電容量式指紋センサの検出電極に対向した位置に感圧部材を配置することによって感圧式指紋センサとして使用することができる。すなわち、可撓性フィルムに指を押圧した際に、可撓性フィルムの一方の面に形成された可撓性電極が指の凹凸に対応して変形されることで、可撓性電極の各領域とマトリクス状に配置された検出電極との離間距離が変化するので、指の凹凸を可撓性電極と検出電極との静電容量の大きさに反映させることが可能になる。
【0014】
本発明の感圧式指紋センサは、前記感圧部材が前記静電容量式指紋センサに着脱自在に取り付けられてなることを特徴とする。
かかる構成によれば、静電容量式指紋センサの検出電極に対向した位置に感圧部材を配置することによって感圧式指紋センサとして使用することができる。また、静電容量式指紋センサの検出電極に対向した位置から感圧部材を取り外すことによって、静電容量式指紋センサとして使用することができる。さらに、感圧部材が損傷または劣化した場合でも、容易に交換を行うことができる。
【0015】
本発明の感圧式指紋センサは、前記基板を支持する筐体と、該筐体に前記感圧部材を固定する係止部材と、が具備されてなることを特徴とする。
かかる構成によれば、筐体と係止部材の間に感圧部材を配置することで、感圧部材を筐体に固定することができる。
【0016】
本発明の指紋センサモジュールは、複数の検出電極がマトリクス状に配置されてなる基板と、帯状の可撓性フィルムと該可撓性フィルムの一面側に形成された可撓性電極とからなり、少なくとも前記基板上において前記可撓性電極を前記検出電極に対向させて前記基板上に配置される帯状の感圧部材と、前記基板上に前記帯状の感圧部材を順次送り出させる送出機構と、前記可撓性電極と前記基板とを離間させる支持部材と、が具備されてなることを特徴とする。
【0017】
かかる構成によれば、送出機構を駆動させることによって、帯状の感圧部材が検出電極上に順次送り出される。検出電極上の感圧部材には、指紋検出のために指紋が随時付着されるが、感圧部材が順次送り出されるために、指紋の上に更に別の指紋が重なる虞がなく、指紋の重なりによる誤動作の発生が防止される。また、感圧部材が順次送り出されることで、付着された指紋が直ちに送出機構に回収され、指紋情報が写し取られる虞が少なく、指紋情報の悪用を防止することが可能になる。また、検出電極上に送り出された可撓性フィルムは支持部材によって張力が与えられているため、指紋を検出する領域における可撓性フィルムの捩れを防止することができる。
【0018】
本発明の指紋センサモジュールは、前記可撓性フィルムに残された指紋情報の読み取りを不能にする読取防止機構が設けられてなることを特徴とする。
かかる構成によれば、使用済みの可撓性フィルム上に残された指紋情報を読取防止機構によって読み取り不能にすることで、指紋情報の悪用を防止できる。
【発明の効果】
【0019】
以上に説明したように、本発明の感圧部材によれば、既存の静電容量式指紋センサに適用でき、残留指紋の影響を受けず、指紋検出部の破損を防止することができる。
本発明の感圧式指紋センサによれば、残留指紋の影響を受けず、指紋検出部の破損を防止することができる。また、感圧部材の着脱によって、感圧式指紋センサまたは静電容量式指紋センサとして使い分けることができる。
本発明の指紋センサモジュールによれば、残留指紋の影響を受けず、指紋検出部の破損を防止することができる。また、指紋を検出する領域の可撓性フィルムの捩れを防止することができる。さらに、指紋情報を破壊することによって、指紋情報の悪用を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に本実施形態の感圧部材を用いた感圧式指紋センサを示す。この感圧式指紋センサ80は、基板51上に形成された検出電極55を有する静電容量式指紋センサ50と、可撓性フィルム11とこの可撓性フィルム11の一面側に形成された可撓性電極12とからなる感圧部材10と、この感圧部材10の可撓性電極12を検出電極55に離間して配置させる支持部材13とから構成されている。
【0021】
図2に感圧部材10の斜視図を示し、図3には感圧部材10の断面図を示す。
感圧部材10は、可撓性フィルム11とその一方の面に形成された可撓性電極12とから構成されている。可撓性フィルム11は、指紋の凹凸に応じて変形するものであって、一辺が10〜20mmの略正方形状に形成されており、膜厚は3〜30μmの範囲に設定されている。膜厚が3μm未満の場合には、可撓性フィルム11の強度が不足するので好ましくない。また、膜厚が30μmを超える場合には、指紋の凹凸に可撓性フィルムの変形が追従しなくなり、指紋検出が困難になるので好ましくない。膜厚は4〜10μmに設定することがより好ましい。
可撓性フィルム11としては、アラミドフィルムが好適に使用されるが、薄膜状に形成可能な樹脂材料からなるフィルムであれば特に制限なく使用できる。このようなフィルム材料としては、ポリイミド、PEN、PETなどが挙げられる。
【0022】
可撓性電極12は、感圧部材10が静電容量式センサ50に配置されたときに、静電容量検出用の電極となるものであり、一辺が10〜20mmの略正方形状であって、膜厚が10nm〜1μmの範囲になるように金属を薄膜状に形成したものである。膜厚は100〜200nmの範囲であることがより好ましい。電極材料としては、一般的な金属を使用することができ、銅、金、アルミニウム、クロム、チタンなどが好適に利用できる。
【0023】
可撓性フィルム11の可撓性電極12が形成された側には、支持部材となる開口部14を有する枠体13が取り付けられている。枠体13の開口部14に対応する可撓性フィルム11および可撓性電極12の領域は感圧領域15とされ、指紋検出の際に指が押圧される領域である。指紋検出の際に感圧領域15を指で押圧すると、感圧領域15の可撓性フィルム11および可撓性電極12は撓み、枠体13の厚さ方向へ変形される。すなわち、図3において、可撓性フィルム11および可撓性電極12は枠体13の開口部14内に変形される。
枠体13の可撓性フィルム12と反対側には、静電容量式指紋センサ50の基板51に感圧部材10を着脱自在に取り付けるための粘着材16が塗布されている。
【0024】
図4に静電容量式指紋センサ50の構成概略図を示し、図5には本実施形態の感圧部材の第1の使用態様を示す。
この静電容量式指紋センサ50は、シリコン基板51上に、複数の行配線52aからなる行配線群52と複数の列配線53aからなる列配線群53とが格子状に形成され、それぞれの交点には選択用トランジスタ54と静電容量生成用の検出電極55とが配置されている。検出電極55は、指紋の凹凸より小さな面積を有するように形成されている。また、選択用トランジスタ54や検出電極55を傷や汚れから保護するための保護膜59が基板51上に形成されている。
列配線53aは、選択用トランジスタ54のゲートに接続され、高電位のときに選択用トランジスタ54を導通させる選択線であり、列配線駆動部56によって1本ずつ順次高電位とすることにより、全面を走査する。
行配線52aは、選択された列配線53a上の検出電極55と容量検出回路57とを電気的に接続する信号読み出し線である。
【0025】
容量検出回路57の機能は例えば次のようにすれば実現できる。
初めに、すべての列配線53aを低電位として行配線52aを高電位にプリチャージする。次に、列配線53aの1本を高電位とし選択用トランジスタ54を導通すると、感圧部材10の可撓性電極12と検出電極55の静電容量によって行配線52aの電位は低下する。この電圧変化量は検出電極55の静電容量と行配線52aの静電容量との結合容量で決まるので、容量検出回路57で増幅すれば検出電極55の静電容量として求めることができる。
【0026】
次に、感圧式指紋センサの動作を説明する。図5に示すように、指紋の凹凸の検出に際して、予め、支持部材となる枠体13に取り付けられた感圧部材10を静電容量式指紋センサ50の基板51に粘着剤を用いて取り付けておく。
初めに、すべての列配線53aを高電位にして選択用トランジスタ54を導通し、すべての検出電極55を放電する。次に、可撓性フィルム11を指で押圧することによって、可撓性フィルム11および可撓性電極12を基板51側へ撓ませ、変形させる。これにより、可撓性電極12と各検出電極55との離間距離は、指紋の凹凸に対応して変化したことになり、可撓性電極12と検出電極55との間には空気コンデンサ58が生じた状態となる。
【0027】
次に、行配線52aを高電位にプリチャージし、続いて1番目の列配線53aを高電位にして、行配線52aの電圧低下を容量検出回路57で検出・増幅する。このとき、検出電極55上が指紋の凸部であれば、静電容量Cは大きく、行配線52aの電圧低下も大きい。一方、検出電極55上が指紋の凹部や指の外周部であれば、静電容量Cは小さく、行配線52aの電圧低下も小さい。それらの結果は、容量検出回路57より外部に読み出し、1番目の列配線52aに沿った凹凸パターンとして画像メモリに蓄える。
続いて、行配線52aを再びプリチャージし、2番目の列配線53aを高電位にして、静電容量を検出する。
これらの動作を全ての列配線53aに対して行うことによって、指紋全面の凹凸に対応した静電容量の分布パターンを画像メモリに蓄えることができる。
【0028】
以上のように、静電容量式指紋センサ50の基板51に感圧部材10を取り付けることによって、静電容量式指紋センサを感圧式指紋センサとして使用することができる。
また、本実施形態の感圧部材10は、静電容量式指紋センサに取り付けられることによって静電容量式指紋センサを感圧式指紋センサとして使用可能にするものであり、このように構成した感圧式指紋センサから感圧部材10を取り外すことによって、静電容量式指紋センサとして使用できることは言うまでも無い。すなわち、本実施形態の感圧部材10は、その着脱によって静電容量式指紋センサや感圧式指紋センサとして使い分けて使用することができるものである。
尚、感圧部材10の着脱とは、物理的に静電容量式指紋センサから取り外すということだけではなく、基板51の検出電極55と感圧部材10の可撓性電極12が対向しない状態に配置することをも意味する。
【0029】
次に、感圧部材10の他の使用態様について、図6および図7を用いて説明する。
筐体20は略直方体形状をしており、上部中央には平面視略正方形状の凹部21が形成されている。筐体20の上面であって凹部21の一辺の外側には、2つの係合孔22が形成されており、対向する他辺の外側には、係止部材30がヒンジ32によって筐体20に連結されている。係止部材30は、平板状に形成されており、中央部には略正方形状の開口部33が形成されている。係止部材30の一端は、ヒンジ32により筺体20に回動自在に連結されており、他端には筐体20の係合孔22に係合する2つのフック31が形成されている。筐体20の凹部21には、静電容量式指紋センサ50の基板51が配置されており、その基板51上には前述の感圧部材10が載置される。基板51上に感圧部材10を載置後、係止部材30のフック31を筐体20の係合孔22に係合することによって、感圧部材10が筐体20に固定され、感圧式指紋センサ81が構成される。
【0030】
この状態で、係止部材30側から感圧部材10に指を押圧すると、可撓性フィルム11および可撓性電極12は、基板51側へ変形する。その際、指の凸部に対応する感圧部材10の押圧領域15は大きく撓み、指の凹部に対応する感圧部材10の押圧領域15は撓まない。ここで、上述のように、列配線駆動部56および容量検出回路57を駆動させることにより、指の凹凸を静電容量の変化として検出することができる。
尚、フック31を解除し、ヒンジ32にて係止部材30を回動した後、感圧部材10を基板21から取り外すことによって、静電容量式指紋センサとしても使用することができる。
【0031】
次に、感圧部材10のその他の使用態様について、図8を用いて説明する。
この使用態様においては、前述の使用態様と同様の構成の筐体20および係止部材30を有しているが、感圧部材10が係止部材30に取り付けられている点が、前述の使用態様と異なる。すなわち、図8に示すように、係止部材30の下面には、可撓性フィルム11と可撓性電極12とからなる感圧部材10と、支持部材13とが取り付けられている。係止部材30のフック31を筐体20の係合孔22に係合することによって、感圧部材10が基板51の上部に配置され、筐体20に固定され、感圧式指紋センサ82が構成される。
【0032】
この状態で、係止部材30側から感圧部材10に指を押圧すると、可撓性フィルム11および可撓性電極12は、基板51側へ変形する。その際、指の凸部に対応する感圧部材10の押圧領域15は大きく撓み、指の凹部に対応する感圧部材10の押圧領域15は撓まない。ここで、上述のように、列配線駆動部56および容量検出回路57を駆動させることにより、指の凹凸を静電容量の変化として検出することができる。
尚、フック31を解除し、ヒンジ32にて係止部材30を回動することによって、感圧部材10は基板51から取り外された状態になり、静電容量式センサとしても使用することができる。
【0033】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図9および図10を用いて説明する。
この感圧部材40は、第1実施形態の感圧部材10と同様に可撓性フィルム11とその一面側に形成された可撓性電極12とから構成されている。第2の感圧部材40は帯状に形成されており、使用前の状態においてはロール状に巻回されている。一対の支持体41,42から構成される支持部材は、感圧部材40を支持および巻き取るためのものである。支持体41,42は一面に開口部46を有する略直方体状に形成されるとともに、図示略の回転機能を備えるリール機構が設けられている。支持体41,42の下部には、それぞれ2つずつのフック43が形成されており、このフック43によって支持体41,42は筐体22に取り付けられている。ロール状に巻回された感圧部材40は第1支持体41のリール機構の軸部44に回転可能に取り付けられているとともに、その一端は第2支持体42のリール機構の軸部45に回転可能に取り付けられている。
【0034】
筐体20の上部中央には凹部21が形成されており、凹部21には上述の静電容量式指紋センサ50の基板51が配置されている。筐体22の上面には、凹部21を挟むように2つの孔からなる第1係合孔47と第2係合孔48が設けられている。また、第1係合孔47の外側には2つの固定孔49が設けられている。第1支持体41のフック43を筐体22の固定孔49に係合し、第2支持体42のフック43を第2係合孔48に係合することによって、感圧部材40が筐体22の凹部21に配置された基板51に対向して配置され、感圧式指紋センサ83が構成される。
【0035】
この状態で、感圧部材40を基板51側へ指で押圧すると、可撓性フィルム11および可撓性電極12は、基板51側へ変形する。このとき、指の凸部に対応する感圧部材40の感圧領域15は大きく撓み、指の凹部に対応する感圧部材40の感圧領域15は撓まない。ここで、上述のように、列配線駆動部56および容量検出回路57を駆動させることにより、指の凹凸を静電容量の変化として検出することができる。
指紋を検出した後、図示略のリール機構によって感圧部材40の指紋が付着した領域を巻き取り、指紋が付着していない領域を基板51に対向する位置に移動させることによって、再び指紋検出を行うことができる。このとき、感圧部材40の指紋が付着した領域は、第2支持体42の中に巻回されるため、指紋が外部から読み取られる虞はない。
尚、第2支持体42のフック43を第2係合孔48から取り外し、第1係合孔47に取り付けることによって、感圧部材40を基板51に対向した位置から取り除くことができ、静電容量式指紋センサとしても使用することが可能になる。
【0036】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態である指紋センサモジュールについて、図11を用いて説明する。
本実施形態の指紋センサモジュール60は、静電容量式指紋センサ50の基板51が載置されるとともに感圧部材61を支持する突出部62が形成された支持部材となる支持台63と、その感圧部材61を基板51上に順次送り出すためにその支持台63を挟むように配置された一対のリール64,65からなる送出機構66と、使用済みの感圧部材61を読み取り不能にする読取不能手段67が設けられている。
【0037】
一対のリール64,65は、図示略の回動機構の軸受68,69によって筐体70に回動自在に取り付けられている。一対のリール64,65には、帯状の可撓性フィルム11とその一面側に形成された可撓性電極12とからなる帯状の感圧部材61が巻回されており、一対のリール64,65が回転することによって、感圧部材61が第1リール64から第2リール65に送り出される。基板51に対向して配置された感圧部材61は、支持台63の端部に形成されている1対の突出部62および一対のリール64,65によって基板51側とは反対側に張力が与えられている。支持台63と第2リール65の間には、パンチング機構67からなる読取防止機構が設けられており、使用済みの感圧部材61の一部に穴を開けて、感圧部材61に付着した指紋情報を読み取り不能にする。
【0038】
指紋センサモジュール60を使用する場合には、上述のように指紋センサモジュール60を構成し、指で感圧部材61を押圧することによって、感圧部材61の可撓性電極12と基板51に設けられた検出電極55との離間距離を指の凹凸に伴って変化させる。次に、上述の通り、列配線駆動部56および容量検出回路57を駆動させることにより、指の凹凸を静電容量の変化として検出することができる。
また、指紋検出後には一対のリール64,65を回動し、感圧部材61の指紋が付着していない領域を基板51に対向する位置に送り出すことによって次の指紋検出が可能な状態になるとともに、感圧部材61の移動に伴って、感圧部材61の指紋が付着した領域は第2リール65に巻回されて、外部からの読み取りが不能な状態にされる。尚、第2リール65に巻回させる前に、パンチング機構70によって感圧部材61の指紋が付着した領域に穴を開けることによって、より確実に指紋情報を読取不能な状態にできる。
【0039】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、読取防止機構は、感圧部材に付着した指紋情報を読取不能にできればよく、薬品などで指紋情報を破壊してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態の指紋センサを示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の感圧部材を示す斜視図である。
【図3】図2のA−A’断面図である。
【図4】本発明のアクティブマトリクス型センサの構成概略図である。
【図5】本発明の第1実施形態の感圧式指紋センサの動作を説明する概略図である。
【図6】本発明の第1実施形態の感圧部材の他の使用態様を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態の感圧部材の他の使用態様を示す断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態の感圧部材のその他の使用態様を示す断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態の感圧部材を示す斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態の感圧部材の使用態様を示す断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態の指紋センサモジュールを示す断面図である。
【図12】従来の静電容量式指紋センサを示す概略図である。
【図13】従来の加圧式指紋センサを示す概略図である。
【符号の説明】
【0041】
10・・・感圧部材、11・・・可撓性フィルム、12・・・可撓性電極、13・・・枠体(支持部材)、15・・・感圧領域、20・・・筐体、41,42・・・支持体(支持部材)、50・・・静電容量式指紋センサ、51・・・基板、55・・・検出電極、60・・・指紋センサモジュール、63・・・支持台(支持部材)、64,65・・・リール、67・・・パンチング機構、80,81,82,83・・・感圧式指紋センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧部材に係り、特に指紋センサに用いられる感圧部材に関する。また、この感圧部材を用いた感圧式指紋センサおよび指紋センサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、各種ゲートの入退室管理やコンピュータシステム等の個人認証として、指紋認識技術が利用されている。また、携帯電話やICカードなどに実装される本人確認用の手段として、小型化および薄型化が可能な指紋センサが注目されている。
これらに使用される指紋センサとして、一般に静電容量式指紋センサと感圧式指紋センサとが知られている。静電容量式指紋センサは、被検出物である指の凹凸と検出体に形成された電極との静電容量を測定して、指紋形状を認識しようとするものである。また、感圧式指紋センサは、対向する複数の電極が備えられた検出体に被検出物である指を押圧し、指の凹凸に対応して対向する複数の電極の離間距離を変化させ、指紋形状を認識しようとするものである。
【0003】
上述のような静電容量式指紋センサとしては、以下の特許文献1に記載の指紋入力装置100が知られている。
この特許文献1には、図12に示すように、指101を接触ないし近接させる主平面102の表面上に配列された電極103と、この電極103の各々に接続されるとともにこの電極103の静電容量を検出する回路104とからなる指紋入力装置100が開示されている。
この指紋入力装置100は、前記主平面102に指101を接触ないし近接させたときに検出される電極毎の静電容量が指紋パターンの凹凸に応じて異なることを利用して、静電容量の大小によって指紋の画像パターンを得るというものである。
【0004】
また、上述のような感圧式指紋センサとしては、以下の特許文献2に記載の指紋検出装置110が知られている。
この特許文献2には、図13に示すように、接触面111となる平面に指112が接触した場合にその指紋の凹凸パターンにより生じる圧力に基づいて厚みが変化する形状転写部113と、この形状転写部113の厚みの変化を静電容量の変化として検出し、静電容量の変化に基づいて指紋のパターンを検出する検出駆動回路部114とを有する指紋検出装置110が開示されている。
この形状転写部113は、指紋の凹凸パターンにより生じる圧力に基づいて厚みが変化する絶縁性の変形層115と、変形層115上に形成され、指紋の凹凸パターンにより生じる圧力に基づいて変形自在な可撓性電極116と、可撓性電極116を保護するために可撓性電極116上に形成された変形自在な表面保護層117とから構成されている。
また、検出駆動回路部114は、基板部材119と、その上部に形成された検出電極118と、検出電極118を保護する保護層120とから構成されており、検出駆動回路部114上には形状転写部113が配置されている。
【0005】
この指紋検出装置110においては、指紋の凹凸パターンは、検出駆動回路部114の検出電極118上に絶縁性弾性層または絶縁性流動体層からなる変形層115を介して配置された可撓性電極116に転写される。すなわち、指を可撓性電極116の上から押し当てたとき、指紋の山部では押圧力が作用し、可撓性電極116は変形層115が潰れる方向に凹む。一方、指紋の谷部では押圧力は作用せず、変形層115からの反発力のみを受け、可撓性電極116は膨らむ。このようにして、可撓性電極116には指紋の凹凸パターンが転写され、アレイ状に配置された個々の検出電極118と可撓性電極116との間隔が指紋の凹凸パターンに応じて変化する。このような可撓性電極116の位置の変化は静電容量の変化として検出され、電気信号として出力されることによって、指紋の凹凸の画像パターンを得ている。
【特許文献1】特開平8−305832号公報
【特許文献2】特許第3102395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の特許文献1に記載の指紋入力装置においては、指の表面が乾燥している場合には、指の表面が電極として機能しなくなり、指紋の凹凸に応じた容量を検出できなくなる虞があった。また、指の表面が湿潤な場合には、指紋の凹部が水分で埋まり、指の表面が平坦な電極となってしまい、指紋の凹凸に応じた静電容量を検出できなくなる虞があった。
さらに、指紋検出を行う際に検出電極の表面に被検出物である指を接触ないし近接させることにより、この検出電極の表面に汗や油等の異物が付着してしまい、いわゆる残留指紋を形成してしまう。そのため、新たに指紋を検出しようとした場合には、これらの付着物が検出されてしまい、被検出物である指が載置されていないにも係わらず、残留指紋が新たな指紋として検出されるなどの誤作動が発生する虞があった。
【0007】
また、上記の特許文献2に記載の指紋検出装置においては、指紋検出を行う際に、形状転写部を指で押圧して撓ませて可撓性電極の位置を変化させる必要がある。この場合、指紋の凹凸の認識精度を向上させるために形状転写部を薄膜化することが望ましいが、逆にこれによって形状転写部の強度が低下するという虞があった。
さらに、形状転写部が検出駆動回路と一体に形成されているため、形状転写部の破損により指紋検出装置全体が使用不可能な状態になってしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、既存の静電容量式指紋センサに適用でき、残留指紋の影響を受けず、指紋検出部の破損を防止できる感圧部材を提供することを目的とする。
また、残留指紋の影響を受けず、指紋検出部の破損を防止できる指紋センサおよび指紋センサモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の感圧部材は、複数の検出電極がマトリクス状に配置されてなる静電容量式指紋センサの基板上に配置される感圧部材であり、前記感圧部材が、感圧領域を有する可撓性フィルムと、該可撓性フィルムの一面側に形成されるとともに前記基板に配置された際に前記検出電極と対向する可撓性電極と、前記基板上に配置された際に前記検出電極と前記可撓性電極とを離間させる支持部材とを備えてなることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、可撓性フィルムに指を押圧した際に、可撓性フィルムの一方の面に形成された可撓性電極が指の凹凸に対応して変形される。そのため、このような感圧部材を静電容量式指紋センサの基板上に配置すると、可撓性電極の各領域とマトリクス状に配置された検出電極との離間距離が変化し、指の凹凸を可撓性電極と検出電極との静電容量の大きさに反映させることが可能になる。
【0011】
本発明の感圧部材は、前記感圧部材が前記静電容量式指紋センサに着脱可能に形成されてなることを特徴とする。
かかる構成によれば、静電容量式センサに感圧部材を取り付けるだけで、感圧式指紋センサを容易に構成することができ、また、感圧部材を取り外すことで静電容量式指紋センサとしても使用できる。さらに、感圧部材が損傷または劣化した場合でも、容易に交換を行うことができる。
【0012】
本発明の感圧式指紋センサは、複数の検出電極がマトリクス状に配置されてなる基板を備えた静電容量式指紋センサと、感圧領域を有する可撓性フィルムと該可撓性フィルムの一面側に形成された可撓性電極とからなり、前記可撓性電極を前記検出電極に対向させて前記基板上に配置される感圧部材と、前記可撓性電極と前記検出電極とを離間させる支持部材と、が具備されてなることを特徴とする。
【0013】
かかる構成によれば、静電容量式指紋センサの検出電極に対向した位置に感圧部材を配置することによって感圧式指紋センサとして使用することができる。すなわち、可撓性フィルムに指を押圧した際に、可撓性フィルムの一方の面に形成された可撓性電極が指の凹凸に対応して変形されることで、可撓性電極の各領域とマトリクス状に配置された検出電極との離間距離が変化するので、指の凹凸を可撓性電極と検出電極との静電容量の大きさに反映させることが可能になる。
【0014】
本発明の感圧式指紋センサは、前記感圧部材が前記静電容量式指紋センサに着脱自在に取り付けられてなることを特徴とする。
かかる構成によれば、静電容量式指紋センサの検出電極に対向した位置に感圧部材を配置することによって感圧式指紋センサとして使用することができる。また、静電容量式指紋センサの検出電極に対向した位置から感圧部材を取り外すことによって、静電容量式指紋センサとして使用することができる。さらに、感圧部材が損傷または劣化した場合でも、容易に交換を行うことができる。
【0015】
本発明の感圧式指紋センサは、前記基板を支持する筐体と、該筐体に前記感圧部材を固定する係止部材と、が具備されてなることを特徴とする。
かかる構成によれば、筐体と係止部材の間に感圧部材を配置することで、感圧部材を筐体に固定することができる。
【0016】
本発明の指紋センサモジュールは、複数の検出電極がマトリクス状に配置されてなる基板と、帯状の可撓性フィルムと該可撓性フィルムの一面側に形成された可撓性電極とからなり、少なくとも前記基板上において前記可撓性電極を前記検出電極に対向させて前記基板上に配置される帯状の感圧部材と、前記基板上に前記帯状の感圧部材を順次送り出させる送出機構と、前記可撓性電極と前記基板とを離間させる支持部材と、が具備されてなることを特徴とする。
【0017】
かかる構成によれば、送出機構を駆動させることによって、帯状の感圧部材が検出電極上に順次送り出される。検出電極上の感圧部材には、指紋検出のために指紋が随時付着されるが、感圧部材が順次送り出されるために、指紋の上に更に別の指紋が重なる虞がなく、指紋の重なりによる誤動作の発生が防止される。また、感圧部材が順次送り出されることで、付着された指紋が直ちに送出機構に回収され、指紋情報が写し取られる虞が少なく、指紋情報の悪用を防止することが可能になる。また、検出電極上に送り出された可撓性フィルムは支持部材によって張力が与えられているため、指紋を検出する領域における可撓性フィルムの捩れを防止することができる。
【0018】
本発明の指紋センサモジュールは、前記可撓性フィルムに残された指紋情報の読み取りを不能にする読取防止機構が設けられてなることを特徴とする。
かかる構成によれば、使用済みの可撓性フィルム上に残された指紋情報を読取防止機構によって読み取り不能にすることで、指紋情報の悪用を防止できる。
【発明の効果】
【0019】
以上に説明したように、本発明の感圧部材によれば、既存の静電容量式指紋センサに適用でき、残留指紋の影響を受けず、指紋検出部の破損を防止することができる。
本発明の感圧式指紋センサによれば、残留指紋の影響を受けず、指紋検出部の破損を防止することができる。また、感圧部材の着脱によって、感圧式指紋センサまたは静電容量式指紋センサとして使い分けることができる。
本発明の指紋センサモジュールによれば、残留指紋の影響を受けず、指紋検出部の破損を防止することができる。また、指紋を検出する領域の可撓性フィルムの捩れを防止することができる。さらに、指紋情報を破壊することによって、指紋情報の悪用を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に本実施形態の感圧部材を用いた感圧式指紋センサを示す。この感圧式指紋センサ80は、基板51上に形成された検出電極55を有する静電容量式指紋センサ50と、可撓性フィルム11とこの可撓性フィルム11の一面側に形成された可撓性電極12とからなる感圧部材10と、この感圧部材10の可撓性電極12を検出電極55に離間して配置させる支持部材13とから構成されている。
【0021】
図2に感圧部材10の斜視図を示し、図3には感圧部材10の断面図を示す。
感圧部材10は、可撓性フィルム11とその一方の面に形成された可撓性電極12とから構成されている。可撓性フィルム11は、指紋の凹凸に応じて変形するものであって、一辺が10〜20mmの略正方形状に形成されており、膜厚は3〜30μmの範囲に設定されている。膜厚が3μm未満の場合には、可撓性フィルム11の強度が不足するので好ましくない。また、膜厚が30μmを超える場合には、指紋の凹凸に可撓性フィルムの変形が追従しなくなり、指紋検出が困難になるので好ましくない。膜厚は4〜10μmに設定することがより好ましい。
可撓性フィルム11としては、アラミドフィルムが好適に使用されるが、薄膜状に形成可能な樹脂材料からなるフィルムであれば特に制限なく使用できる。このようなフィルム材料としては、ポリイミド、PEN、PETなどが挙げられる。
【0022】
可撓性電極12は、感圧部材10が静電容量式センサ50に配置されたときに、静電容量検出用の電極となるものであり、一辺が10〜20mmの略正方形状であって、膜厚が10nm〜1μmの範囲になるように金属を薄膜状に形成したものである。膜厚は100〜200nmの範囲であることがより好ましい。電極材料としては、一般的な金属を使用することができ、銅、金、アルミニウム、クロム、チタンなどが好適に利用できる。
【0023】
可撓性フィルム11の可撓性電極12が形成された側には、支持部材となる開口部14を有する枠体13が取り付けられている。枠体13の開口部14に対応する可撓性フィルム11および可撓性電極12の領域は感圧領域15とされ、指紋検出の際に指が押圧される領域である。指紋検出の際に感圧領域15を指で押圧すると、感圧領域15の可撓性フィルム11および可撓性電極12は撓み、枠体13の厚さ方向へ変形される。すなわち、図3において、可撓性フィルム11および可撓性電極12は枠体13の開口部14内に変形される。
枠体13の可撓性フィルム12と反対側には、静電容量式指紋センサ50の基板51に感圧部材10を着脱自在に取り付けるための粘着材16が塗布されている。
【0024】
図4に静電容量式指紋センサ50の構成概略図を示し、図5には本実施形態の感圧部材の第1の使用態様を示す。
この静電容量式指紋センサ50は、シリコン基板51上に、複数の行配線52aからなる行配線群52と複数の列配線53aからなる列配線群53とが格子状に形成され、それぞれの交点には選択用トランジスタ54と静電容量生成用の検出電極55とが配置されている。検出電極55は、指紋の凹凸より小さな面積を有するように形成されている。また、選択用トランジスタ54や検出電極55を傷や汚れから保護するための保護膜59が基板51上に形成されている。
列配線53aは、選択用トランジスタ54のゲートに接続され、高電位のときに選択用トランジスタ54を導通させる選択線であり、列配線駆動部56によって1本ずつ順次高電位とすることにより、全面を走査する。
行配線52aは、選択された列配線53a上の検出電極55と容量検出回路57とを電気的に接続する信号読み出し線である。
【0025】
容量検出回路57の機能は例えば次のようにすれば実現できる。
初めに、すべての列配線53aを低電位として行配線52aを高電位にプリチャージする。次に、列配線53aの1本を高電位とし選択用トランジスタ54を導通すると、感圧部材10の可撓性電極12と検出電極55の静電容量によって行配線52aの電位は低下する。この電圧変化量は検出電極55の静電容量と行配線52aの静電容量との結合容量で決まるので、容量検出回路57で増幅すれば検出電極55の静電容量として求めることができる。
【0026】
次に、感圧式指紋センサの動作を説明する。図5に示すように、指紋の凹凸の検出に際して、予め、支持部材となる枠体13に取り付けられた感圧部材10を静電容量式指紋センサ50の基板51に粘着剤を用いて取り付けておく。
初めに、すべての列配線53aを高電位にして選択用トランジスタ54を導通し、すべての検出電極55を放電する。次に、可撓性フィルム11を指で押圧することによって、可撓性フィルム11および可撓性電極12を基板51側へ撓ませ、変形させる。これにより、可撓性電極12と各検出電極55との離間距離は、指紋の凹凸に対応して変化したことになり、可撓性電極12と検出電極55との間には空気コンデンサ58が生じた状態となる。
【0027】
次に、行配線52aを高電位にプリチャージし、続いて1番目の列配線53aを高電位にして、行配線52aの電圧低下を容量検出回路57で検出・増幅する。このとき、検出電極55上が指紋の凸部であれば、静電容量Cは大きく、行配線52aの電圧低下も大きい。一方、検出電極55上が指紋の凹部や指の外周部であれば、静電容量Cは小さく、行配線52aの電圧低下も小さい。それらの結果は、容量検出回路57より外部に読み出し、1番目の列配線52aに沿った凹凸パターンとして画像メモリに蓄える。
続いて、行配線52aを再びプリチャージし、2番目の列配線53aを高電位にして、静電容量を検出する。
これらの動作を全ての列配線53aに対して行うことによって、指紋全面の凹凸に対応した静電容量の分布パターンを画像メモリに蓄えることができる。
【0028】
以上のように、静電容量式指紋センサ50の基板51に感圧部材10を取り付けることによって、静電容量式指紋センサを感圧式指紋センサとして使用することができる。
また、本実施形態の感圧部材10は、静電容量式指紋センサに取り付けられることによって静電容量式指紋センサを感圧式指紋センサとして使用可能にするものであり、このように構成した感圧式指紋センサから感圧部材10を取り外すことによって、静電容量式指紋センサとして使用できることは言うまでも無い。すなわち、本実施形態の感圧部材10は、その着脱によって静電容量式指紋センサや感圧式指紋センサとして使い分けて使用することができるものである。
尚、感圧部材10の着脱とは、物理的に静電容量式指紋センサから取り外すということだけではなく、基板51の検出電極55と感圧部材10の可撓性電極12が対向しない状態に配置することをも意味する。
【0029】
次に、感圧部材10の他の使用態様について、図6および図7を用いて説明する。
筐体20は略直方体形状をしており、上部中央には平面視略正方形状の凹部21が形成されている。筐体20の上面であって凹部21の一辺の外側には、2つの係合孔22が形成されており、対向する他辺の外側には、係止部材30がヒンジ32によって筐体20に連結されている。係止部材30は、平板状に形成されており、中央部には略正方形状の開口部33が形成されている。係止部材30の一端は、ヒンジ32により筺体20に回動自在に連結されており、他端には筐体20の係合孔22に係合する2つのフック31が形成されている。筐体20の凹部21には、静電容量式指紋センサ50の基板51が配置されており、その基板51上には前述の感圧部材10が載置される。基板51上に感圧部材10を載置後、係止部材30のフック31を筐体20の係合孔22に係合することによって、感圧部材10が筐体20に固定され、感圧式指紋センサ81が構成される。
【0030】
この状態で、係止部材30側から感圧部材10に指を押圧すると、可撓性フィルム11および可撓性電極12は、基板51側へ変形する。その際、指の凸部に対応する感圧部材10の押圧領域15は大きく撓み、指の凹部に対応する感圧部材10の押圧領域15は撓まない。ここで、上述のように、列配線駆動部56および容量検出回路57を駆動させることにより、指の凹凸を静電容量の変化として検出することができる。
尚、フック31を解除し、ヒンジ32にて係止部材30を回動した後、感圧部材10を基板21から取り外すことによって、静電容量式指紋センサとしても使用することができる。
【0031】
次に、感圧部材10のその他の使用態様について、図8を用いて説明する。
この使用態様においては、前述の使用態様と同様の構成の筐体20および係止部材30を有しているが、感圧部材10が係止部材30に取り付けられている点が、前述の使用態様と異なる。すなわち、図8に示すように、係止部材30の下面には、可撓性フィルム11と可撓性電極12とからなる感圧部材10と、支持部材13とが取り付けられている。係止部材30のフック31を筐体20の係合孔22に係合することによって、感圧部材10が基板51の上部に配置され、筐体20に固定され、感圧式指紋センサ82が構成される。
【0032】
この状態で、係止部材30側から感圧部材10に指を押圧すると、可撓性フィルム11および可撓性電極12は、基板51側へ変形する。その際、指の凸部に対応する感圧部材10の押圧領域15は大きく撓み、指の凹部に対応する感圧部材10の押圧領域15は撓まない。ここで、上述のように、列配線駆動部56および容量検出回路57を駆動させることにより、指の凹凸を静電容量の変化として検出することができる。
尚、フック31を解除し、ヒンジ32にて係止部材30を回動することによって、感圧部材10は基板51から取り外された状態になり、静電容量式センサとしても使用することができる。
【0033】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図9および図10を用いて説明する。
この感圧部材40は、第1実施形態の感圧部材10と同様に可撓性フィルム11とその一面側に形成された可撓性電極12とから構成されている。第2の感圧部材40は帯状に形成されており、使用前の状態においてはロール状に巻回されている。一対の支持体41,42から構成される支持部材は、感圧部材40を支持および巻き取るためのものである。支持体41,42は一面に開口部46を有する略直方体状に形成されるとともに、図示略の回転機能を備えるリール機構が設けられている。支持体41,42の下部には、それぞれ2つずつのフック43が形成されており、このフック43によって支持体41,42は筐体22に取り付けられている。ロール状に巻回された感圧部材40は第1支持体41のリール機構の軸部44に回転可能に取り付けられているとともに、その一端は第2支持体42のリール機構の軸部45に回転可能に取り付けられている。
【0034】
筐体20の上部中央には凹部21が形成されており、凹部21には上述の静電容量式指紋センサ50の基板51が配置されている。筐体22の上面には、凹部21を挟むように2つの孔からなる第1係合孔47と第2係合孔48が設けられている。また、第1係合孔47の外側には2つの固定孔49が設けられている。第1支持体41のフック43を筐体22の固定孔49に係合し、第2支持体42のフック43を第2係合孔48に係合することによって、感圧部材40が筐体22の凹部21に配置された基板51に対向して配置され、感圧式指紋センサ83が構成される。
【0035】
この状態で、感圧部材40を基板51側へ指で押圧すると、可撓性フィルム11および可撓性電極12は、基板51側へ変形する。このとき、指の凸部に対応する感圧部材40の感圧領域15は大きく撓み、指の凹部に対応する感圧部材40の感圧領域15は撓まない。ここで、上述のように、列配線駆動部56および容量検出回路57を駆動させることにより、指の凹凸を静電容量の変化として検出することができる。
指紋を検出した後、図示略のリール機構によって感圧部材40の指紋が付着した領域を巻き取り、指紋が付着していない領域を基板51に対向する位置に移動させることによって、再び指紋検出を行うことができる。このとき、感圧部材40の指紋が付着した領域は、第2支持体42の中に巻回されるため、指紋が外部から読み取られる虞はない。
尚、第2支持体42のフック43を第2係合孔48から取り外し、第1係合孔47に取り付けることによって、感圧部材40を基板51に対向した位置から取り除くことができ、静電容量式指紋センサとしても使用することが可能になる。
【0036】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態である指紋センサモジュールについて、図11を用いて説明する。
本実施形態の指紋センサモジュール60は、静電容量式指紋センサ50の基板51が載置されるとともに感圧部材61を支持する突出部62が形成された支持部材となる支持台63と、その感圧部材61を基板51上に順次送り出すためにその支持台63を挟むように配置された一対のリール64,65からなる送出機構66と、使用済みの感圧部材61を読み取り不能にする読取不能手段67が設けられている。
【0037】
一対のリール64,65は、図示略の回動機構の軸受68,69によって筐体70に回動自在に取り付けられている。一対のリール64,65には、帯状の可撓性フィルム11とその一面側に形成された可撓性電極12とからなる帯状の感圧部材61が巻回されており、一対のリール64,65が回転することによって、感圧部材61が第1リール64から第2リール65に送り出される。基板51に対向して配置された感圧部材61は、支持台63の端部に形成されている1対の突出部62および一対のリール64,65によって基板51側とは反対側に張力が与えられている。支持台63と第2リール65の間には、パンチング機構67からなる読取防止機構が設けられており、使用済みの感圧部材61の一部に穴を開けて、感圧部材61に付着した指紋情報を読み取り不能にする。
【0038】
指紋センサモジュール60を使用する場合には、上述のように指紋センサモジュール60を構成し、指で感圧部材61を押圧することによって、感圧部材61の可撓性電極12と基板51に設けられた検出電極55との離間距離を指の凹凸に伴って変化させる。次に、上述の通り、列配線駆動部56および容量検出回路57を駆動させることにより、指の凹凸を静電容量の変化として検出することができる。
また、指紋検出後には一対のリール64,65を回動し、感圧部材61の指紋が付着していない領域を基板51に対向する位置に送り出すことによって次の指紋検出が可能な状態になるとともに、感圧部材61の移動に伴って、感圧部材61の指紋が付着した領域は第2リール65に巻回されて、外部からの読み取りが不能な状態にされる。尚、第2リール65に巻回させる前に、パンチング機構70によって感圧部材61の指紋が付着した領域に穴を開けることによって、より確実に指紋情報を読取不能な状態にできる。
【0039】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、読取防止機構は、感圧部材に付着した指紋情報を読取不能にできればよく、薬品などで指紋情報を破壊してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態の指紋センサを示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の感圧部材を示す斜視図である。
【図3】図2のA−A’断面図である。
【図4】本発明のアクティブマトリクス型センサの構成概略図である。
【図5】本発明の第1実施形態の感圧式指紋センサの動作を説明する概略図である。
【図6】本発明の第1実施形態の感圧部材の他の使用態様を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態の感圧部材の他の使用態様を示す断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態の感圧部材のその他の使用態様を示す断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態の感圧部材を示す斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態の感圧部材の使用態様を示す断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態の指紋センサモジュールを示す断面図である。
【図12】従来の静電容量式指紋センサを示す概略図である。
【図13】従来の加圧式指紋センサを示す概略図である。
【符号の説明】
【0041】
10・・・感圧部材、11・・・可撓性フィルム、12・・・可撓性電極、13・・・枠体(支持部材)、15・・・感圧領域、20・・・筐体、41,42・・・支持体(支持部材)、50・・・静電容量式指紋センサ、51・・・基板、55・・・検出電極、60・・・指紋センサモジュール、63・・・支持台(支持部材)、64,65・・・リール、67・・・パンチング機構、80,81,82,83・・・感圧式指紋センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の検出電極がマトリクス状に配置されてなる静電容量式指紋センサの基板上に配置される感圧部材であり、
前記感圧部材が、感圧領域を有する可撓性フィルムと、該可撓性フィルムの一面側に形成されるとともに前記基板に配置された際に前記検出電極と対向する可撓性電極と、前記基板上に配置された際に前記検出電極と前記可撓性電極とを離間させる支持部材と、を備えてなることを特徴とする感圧部材。
【請求項2】
前記感圧部材が前記静電容量式指紋センサに着脱可能に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の感圧部材。
【請求項3】
複数の検出電極がマトリクス状に配置されてなる基板を備えた静電容量式指紋センサと、
感圧領域を有する可撓性フィルムと該可撓性フィルムの一面側に形成された可撓性電極とからなり、前記可撓性電極を前記検出電極に対向させて前記基板上に配置される感圧部材と、
前記可撓性電極と前記検出電極とを離間させる支持部材と、が具備されてなることを特徴とする感圧式指紋センサ。
【請求項4】
前記感圧部材が前記静電容量式指紋センサに着脱自在に取り付けられてなることを特徴とする請求項3に記載の感圧式指紋センサ。
【請求項5】
前記基板を支持する筐体と、該筐体に前記感圧部材を固定する係止部材と、が具備されてなることを特徴とする請求項3または4に記載の感圧式指紋センサ。
【請求項6】
複数の検出電極がマトリクス状に配置されてなる基板と、
帯状の可撓性フィルムと該可撓性フィルムの一面側に形成された可撓性電極とからなり、少なくとも前記基板上において前記可撓性電極を前記検出電極に対向させて前記基板上に配置される帯状の感圧部材と、
前記基板上に前記帯状の感圧部材を順次送り出させる送出機構と、
前記可撓性電極と前記基板とを離間させる支持部材と、が具備されてなることを特徴とする指紋センサモジュール。
【請求項7】
前記可撓性フィルムに残された指紋情報の読み取りを不能にする読取防止機構が設けられてなることを特徴とする請求項6に記載の指紋センサモジュール。
【請求項1】
複数の検出電極がマトリクス状に配置されてなる静電容量式指紋センサの基板上に配置される感圧部材であり、
前記感圧部材が、感圧領域を有する可撓性フィルムと、該可撓性フィルムの一面側に形成されるとともに前記基板に配置された際に前記検出電極と対向する可撓性電極と、前記基板上に配置された際に前記検出電極と前記可撓性電極とを離間させる支持部材と、を備えてなることを特徴とする感圧部材。
【請求項2】
前記感圧部材が前記静電容量式指紋センサに着脱可能に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の感圧部材。
【請求項3】
複数の検出電極がマトリクス状に配置されてなる基板を備えた静電容量式指紋センサと、
感圧領域を有する可撓性フィルムと該可撓性フィルムの一面側に形成された可撓性電極とからなり、前記可撓性電極を前記検出電極に対向させて前記基板上に配置される感圧部材と、
前記可撓性電極と前記検出電極とを離間させる支持部材と、が具備されてなることを特徴とする感圧式指紋センサ。
【請求項4】
前記感圧部材が前記静電容量式指紋センサに着脱自在に取り付けられてなることを特徴とする請求項3に記載の感圧式指紋センサ。
【請求項5】
前記基板を支持する筐体と、該筐体に前記感圧部材を固定する係止部材と、が具備されてなることを特徴とする請求項3または4に記載の感圧式指紋センサ。
【請求項6】
複数の検出電極がマトリクス状に配置されてなる基板と、
帯状の可撓性フィルムと該可撓性フィルムの一面側に形成された可撓性電極とからなり、少なくとも前記基板上において前記可撓性電極を前記検出電極に対向させて前記基板上に配置される帯状の感圧部材と、
前記基板上に前記帯状の感圧部材を順次送り出させる送出機構と、
前記可撓性電極と前記基板とを離間させる支持部材と、が具備されてなることを特徴とする指紋センサモジュール。
【請求項7】
前記可撓性フィルムに残された指紋情報の読み取りを不能にする読取防止機構が設けられてなることを特徴とする請求項6に記載の指紋センサモジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−320484(P2006−320484A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−145492(P2005−145492)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
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