説明

感度ファイル自動設定装置及びそれを備えた物品の外観検査装置

【課題】熟練者でなくとも物品の外観検査用の感度ファイルが作成できる感度ファイル自動設定装置及びそれを備えた物品の外観検査装置の提供にある。
【解決手段】物品の外観検査のため予め熟練者により設定された感度基準ファイルが記憶された記憶装置13と、入力された物品の外観情報に基づき前記記憶装置から最も近い感度基準ファイルを選択する選択手段12aと、該選択手段により選択された感度基準ファイルにより検査して搬入された物品が予め設定された良品率又は不良品率になるように前記感度基準ファイルのパラメータを自動感度微調整する自動感度微調整手段12cとを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の外観検査のために必要とする感度ファイル、例えば輝度信号を使用する感度、色信号を使用する感度、形状信号を使用する感度等を自動設定する感度ファイル自動設定装置及びそれを備えた物品の外観検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品の外観検査装置の検査感度設定は、調整作業者の経験や実績を基に、予め検査感度の予測を立て、被検査物として良品や不良品のサンプルを用意して、試験的に被検査物を流して検出結果を見て、検査感度を補正しにいくという試行錯誤的な作業によりおこなわれている。
【0003】
例えば、錠剤の外観検査装置の場合を例に取ると、錠剤の欠陥には様々なものがあるため、一つの検出方法で全てをカバーすることができない。このため、不良の各タイプに合わせた形で各種の感度設定が用意されている。
基本的には、不良には何らかの特徴があるので、その特徴を抽出して不良と判断するのであるが、感度を高くするほどより厳しく不良を検出することになる。
【0004】
一般に、錠剤の検査感度の設定は先ず以下の順序でおこなわれている。
(A)新規錠剤の登録、(B)搬入コードの入力、(C)映像信号の選択、(D)映像レベルの合わせ、(E)各感度設定及び検査エリアの合わせ、(F)良品受付率の確認、(G)不良サンプル検出率の確認の順でおこなわれる。
(A)新規錠剤の登録とは、錠剤の品名、ロットナンバー等の錠剤のデータを入力して登録することである。(B)搬入コードの入力とは、錠剤の直径や厚さをデータとして入力することである。また、(C)映像信号の選択とは、R,G,B信号に基づく輝度信号や形状を選択することである。
【0005】
また、(D)映像信号のレベル合わせとしては、つぎのような工程がおこなわれる。(a)外観検査装置を感度設定画面にする。→(b)基本設定画面にする。→(c)カメラの輝度ゲインを調整する。→(d)画像選択スイッチを連続画にして錠剤を流す。→(e)外形ゲイン、スライスを調整する。→(f)入力画の錠剤と形状画の外形が一致するまで(e)をおこなう。→(g)側面の入力画と形状面を比較してマニュアル領域を設定する。→(h)終了。
【0006】
次ぎに、(E)感度設定についてであるが、錠剤の品種毎におこなう必要があるため画像処理に適した設定技術を要し、その作業は経験と実績を有する限られた要員に委ねられており、その作業は以下のように分類しておこなわれている。
E1:輝度信号を使用する感度
汚れ、欠け
E2:色信号を使用する感度
色相、平均色
E3:形状信号を使用する感度
面積、進行方向、走査幅、厚み
【0007】
輝度信号及び色信号を使用する感度は、基本的に濃淡検出の濃度感度と大きさ検出のサイズ感度に分かれる。薄い汚れを検出したい場合には濃度感度を上げるようにしている。
また、小さい汚点を検出したい場合には、サイズ感度を上げるようにしている。感度を上げていくと、割線や刻印を誤検出するようになるので、割線や刻印を誤検出する一歩手前が感度の上限になる。
錠剤の検査をする場合、一般に錠剤中央部は検査しやすく、錠剤縁部は検査し難い傾向にある。そのため、錠剤全体を検査すると錠剤縁部で感度の上限が決まってしまうので、検査する範囲を分離して錠剤中央部を高感度、錠剤縁部を低感度で検査した方が効率よく検査ができることになる。
輝度信号及び色信号を使用する感度は、基本的に検査する範囲を可変することができ、この範囲を検査エリアと呼び、この検査エリアは外形を基に作成している。
このように感度を設定する際、良品を良品と判定し且つ検出したい欠陥を検出できる感度に設定するため、多くの錠剤を装置で検査して感度決定をおこなっている。このようにして、設定された種々の感度の総合を感度ファイルとしている。
【0008】
このような設定方法によって、感度設定をおこなっているのであるが、この設定方法では、顧客錠剤が変わる度に作業者が手作業で各感度の検査パラメータの設定をおこなわなければならず、作業が煩雑になるとともに、実際に被検査物を流して検査作業を開始するまでに多大な時間を要するという問題があった。
【0009】
そこで、特許文献1には、検査パラメータを自動で設定する発明が開示されている。この発明は、「不良箇所の画像データに対して予め設定された複数の2値化レベル毎に画像処理する画像処理手段と、前記画像処理手段で画像処理された画像データの濃淡値から特定の濃淡値を判定値として抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記判定値を基に正常箇所の画像データを分析して良不良を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果から不良検出回数を算出する算出手段と、前記算出手段で算出された前記不良検出回数を基に前記複数の2値化レベルのうちの一つと前記抽出手段によって抽出された前記判定値とを検査パラメータとして設定する設定手段を有する外観検査装置。」である。
この発明は、半田付けの外観検査工数の削減を目的としたものである。
【0010】
また、特許文献2にも検査パラメータを自動で設定する発明が開示されている。この発明は、異物検査装置に関するもので、第2の実施の形態として、異物混入の無い良品サンプルをベルトコンベア上に流し、予め設定した所定のレベル表示になるまで感度を自動調整するようにしたものである。
【0011】
【特許文献1】特開平5−128235号公報
【特許文献2】特開2002−181736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
先に示したように、新たに物品の外観検査をおこなう時に、作業者が一旦検査感度の各パラメータを設定して、物品を流してみては検査感度のパラメータを調整していくのは非常に煩雑で、かつ時間がかかり(錠剤検査の場合では1日がかりになる。)問題がある。
また、特許文献1の技術では、予め設定した複数の2値化レベル毎に実際に装置で画像処理をおこなって最適レベルを求めるものであって、従来からの手法としての熟練者が最適と思われる感度を入力し、その前後の感度と比較して感度決定する手法と時間的に大きな差異を得られるものとは考えにくい。特に、被検査物の多岐に渡る感度パラメータを自動的に設定するには、何度も物品を装置に流して、一種類ずつ感度を設定することになり感度を設定するには大幅に時間がかかることが想定される。
また、特許文献2の場合のように、予め設定した閾値になるように検査感度を自動調整する方法は特に目新しいものではなく、多岐に渡る感度パラメータを調整する必要がある物品、例えば錠剤等の外観検査に良好な結果を得るには、熟練者による閾値設定が不可欠となる。
【0013】
本発明の課題は、上述した問題点を鑑みて、熟練者でなくとも物品の外観検査用の感度ファイルが作成できる感度ファイル自動設定装置及びそれを備えた物品の外観検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1記載の感度ファイル自動設定装置は、物品の外観検査のため予め熟練者により設定された感度基準ファイルが記憶された記憶装置と、入力された物品の外観情報に基づき前記記憶装置から最も近い感度基準ファイルを選択する選択手段と、該選択手段により選択された感度基準ファイルにより検査して搬入された物品が予め設定された良品率又は不良品率になるように前記感度基準ファイルのパラメータを自動感度微調整する自動感度微調整手段とを備えたことを特徴としている。
なお、入力された物品の外観情報とは、物品の種類、物品色、物品の特徴、物品の直径、物品の厚み等についてである。
【0015】
次ぎに、請求項2記載の感度ファイル自動設定装置は、物品の外観検査のため予め熟練者により設定された感度基準ファイルが記憶された記憶装置と、入力された物品の外観情報に基づき前記記憶装置から最も近い感度基準ファイルを選択する選択手段と、該選択手段により選択された感度基準ファイルにより測定して搬入された物品が予め設定された輝度やスライスレベルになるように自動調整する光量調整手段と、該光量調整手段により自動調整された輝度やスライスレベルに基づき搬入された物品が予め設定された良品率又は不良品率になるように前記感度基準ファイルのパラメータを自動感度微調整する自動感度微調整手段とを備えたことを特徴としている。
【0016】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の感度ファイル自動設定装置において、更に搬入された物品の外観画像を取得する画像取得手段と、前記選択手段により選択された感度基準ファイルに基づき前記画像取得手段により取得された外観画像のスライスレベルや前記感度基準ファイルのパラメータを微調整できるシミュレーション処理手段を備えたことを特徴としている。
【0017】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の感度ファイル自動設定装置に置いて、画像取得手段により取得した外観画像を外部出力する出力端子及び外部でシミュレーションした感度ファイルを入力する入力端子を備えたことを特徴としている。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1または2記載の感度ファイル自動設定装置において、自動感度微調整手段によって最終的に設定された感度ファイルを熟練者により設定された感度基準ファイルとして記憶装置に取り込むようにしたことを特徴としている。
【0019】
また、請求項6記載の発明は、請求項3記載の感度ファイル自動設定装置において、シミュレーション処理手段によって最終的に設定された感度ファイルを熟練者により設定された感度基準ファイルとして記憶装置に取り込むようにしたことを特徴としている。この場合も、請求項5記載の発明と同様、装置の機能を高めていくことができることになる。
【0020】
更に、請求項7記載の物品の外観検査装置は、物品の外観情報を入力するためのタッチパネル型入力手段と、請求項1〜6の何れか1項記載の感度ファイル自動設定装置と、搬入された物品を前記感度ファイル自動設定装置により設定された感度ファイルで外観検査し選別仕分けする選別仕分け手段とを備えたことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1または2記載の発明の場合、従来、物品の品種毎におこなう感度設定は、画像処理に適した設定技術を要し、その作業は経験と実績が必要であり、限られた要員に委ねられていたものを、一般の作業者(顧客を含む。)でも簡単に作成することが可能となる。また、作成に要する時間を大幅に短縮することができ、作業の効率化及び作成した感度の精度向上を図ることができる。
【0022】
請求項3記載の発明によれば、最終の微調整をおこなう際に、1〜数個の物品を流し、物品の画像を取得しておき、装置の処理アルゴリズムと同等の処理をソフト上でおこなう(シミュレーションする)ことにより、ゲイン及びスライスレベルの微調整をおこなうことも可能である。
このシミュレーション機能を使用することにより、数個の物品を流すだけで、選択した感度基準ファイルとの比較をおこなうことが可能となる。この感度をフィードバックすることで自動感度設定及び必要な微調整をより簡易に設定することが可能となる。
【0023】
請求項4記載の発明によれば、出力された画像を記録した媒体を外部に設置されているパソコン等でシミュレーションして、その結果を感度ファイル自動設定装置に戻して、物品検査用の感度ファイルを最終的に作成することができる。このため、遠方に設置された外観検査装置の感度ファイル設定に対応することが容易となる。
【0024】
請求項5または6記載の発明によれば、新たに設定(作成)した感度ファイルを、熟練者の感度基準ファイルとして記憶させていく学習機能を設けたので、装置の機能を高めていくことができることになる。
【0025】
請求項7記載の発明によれば、感度ファイル自動設定装置による各感度パラメータの設定が自動化され設定の時間短縮がなされるので、物品の外観検査に要する時間短縮が図れるとともに、熟練者でなくても感度設定がおこなえるので、作業性が向上する。また、シミュレーション機能を利用すると、遠方へ設置された外観検査装置の検査感度の調整も例えばネットを用いた情報提供により素早く行うことができ、コスト削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施の形態を図1乃至図3を用いて説明する。
本発明に係る物品の外観検査装置の実施の形態について、錠剤の外観検査を例として説明する。なお、本発明に係る感度ファイル自動設定装置は、物品の外観検査装置の主要部となるので、同時に説明する。
【0027】
本実施の形態に係る物品の外観検査装置10を図1に示す。図中、符号11aは物品の外観情報等を入力するためのタッチパネル型入力手段で操作部11の中にある。このタッチパネル型入力手段11aにて、入力できる情報としては、
生産情報の設定:例えば品名、ロットナンバー、不良率リミット、生産数等、
感度設定:輝度信号、色信号、形状信号を使用する感度
搬送設定・光量設定:排出タイミング、光量の設定
品種設定:品種の設定と登録
表示エリア選択:特殊表裏機能の表示エリアの選択
自動感度設定:自動感度設定に関する情報を入力
等がある。
【0028】
符号12は制御部で、感度基準ファイルを選択するための選択手段12aと、該選択手段12aにより選択された感度基準ファイルで測定して搬入された物品が予め設定された輝度やスライスレベルになるように自動調整するようにした光量調整手段12bと、該光量調整手段により自動調整された輝度やスライスレベルに基づきベルトコンベア上に搬入された物品が予め設定された良品率又は不良品率になるように前記感度基準ファイルのパラメータを自動感度微調整する自動感度微調整手段12cとを備えている。
【0029】
符号13は記憶装置で、錠剤の外観検査のため予め熟練者により設定された感度基準ファイルがデーターベースとして記憶されている。例えば、錠剤の種類として、素錠、FC錠、糖衣錠、異形錠、トローチなどがあり、これらについて錠剤の色、形状の特徴、色合い、大きさ、厚さに等分類し、それぞれの検査時における感度パラメータを熟練者が実践的に定めて感度基準ファイルとして記憶されている。
【0030】
符号14は画像処理部で、選択された感度基準ファイルにより測定したカメラからの画像情報を制御部12との間でやりとりし、搬入された物品が予め設定された輝度やスライスレベルになるようにするとともに、最終設定された感度ファイルに基づいて取得したカメラ画像を制御部12に送り、選別仕分け部15を作動させるようにしたものである。
【0031】
選別仕分け部15では、制御部12からの情報に基づき、コンベアベルト上を流した錠剤の良否を判定して仕分けする機能を有するとともに、その良否率を制御部12にフィードバックする。制御部12ではこの情報に基づき自動感度微調整手段12cが予め顧客等が設定した良品率又は不良品率になるように、選択された感度基準ファイルの感度パラメータを微調整して最適の感度ファイルを設定する。
【0032】
この外観検査装置による錠剤外観検査の操作は、本発明の主要な部分となるところであるが、タッチパネル入力手段11において、上述した中の自動感度設定をタッチ入力すると、錠剤の種類(素錠、FC錠、糖衣錠、トローチ、異形錠等)の画面が表示され、図3に示すように、検査に該当する錠剤をタッチ入力する。次ぎに、錠剤色を表すカラーパレットが表示されるので、該当する錠剤の色を選択してタッチ入力する。続いて、錠剤特徴1の画面として、特徴無し、片面印刷、両面印刷、片面刻印、両面刻印が表示さされるので、該当する錠剤の形状をタッチ入力する。次ぎに、錠剤特徴2の画面として、平、隅角、R付が表示されるので該当するものをタッチ入力する。続いて、錠剤特徴3の画面として、色合いの特徴が表示され、統一色、斑、肌荒れ、光沢から選択する。最後に、錠剤の直径と厚みを入力する画面が表示されるので、画面に表示されたテンキーから数値を入力する。
【0033】
制御部12では、上記の各条件でデータテーブルを作成し、記憶装置13内をサーチして最も近い条件に該当する感度基準ファイルを選択し、一次感度ファイルとして設定する。なお、記憶装置13内には、熟練者が過去に作成した種々の錠剤検査に関する錠剤の種類、錠剤色、錠剤特徴、厚さ、直径等が記憶されており、その条件に対する感度基準ファイルも記憶されている。
【0034】
設定された一次感度ファイルに基づき、数十個の錠剤を流してみて、カメラで取得した錠剤画像の輝度やスライスレベルが予め設定してある値になるか否かが制御部12で判定し、設定値になるように光源の光量やスライスレベルを自動補正する。
次ぎに、自動感度微調整手段によって、流した錠剤が予め設定された所定の良品率又は不良品率になるように一次感度ファイルのパラメータを自動微調整する。例えば、流した錠剤が全て良品だとして、良品受付率を99.5%に設定してあれば、選別仕分け部15からの状況のフィードバックによって良品受付率99.5%に極めて近づくように一次感度ファイルのパラメータを微調整する。逆に、ヒットさせたい不良のある不良品錠剤を流してみる場合についても同様である。
【0035】
上記のように微調整が完了した感度ファイル最終感度ファイルとなり、この感度ファイルによって、錠剤の外観検査をおこなうことになる。ここで作成された最終感度ファイルは、必要とする場合には新たに熟練者による感度基準ファイルとして記憶装置13に記憶させることができる。この学習機能により、装置の機能を高めていくことができることになる。
【0036】
次ぎに、本実施の形態に係る物品の外観検査装置10のシミュレーション機能について説明する。図2及び図3に示すように、シミュレーション機能を利用する場合、一次感度ファイルの設定までの工程は上述した工程と同一であるが、その後、1〜数個の錠剤を流してカメラにより画像を取得し、仮想処理部16内の画像記録手段16aに記録させておき、先に示したような装置内の自動感度微調整や光量調整等のROM等に記憶させた処理アルゴリズムにはよらず、それと同等の処理をシミュレーションソフト(シミュレーション処理手段)16b上で画像をシミュレーションすることにより一次感度ファイルの各パラメータの設定をするようにしたものである。この結果を最終感度ファイルとすることができる。
このシミュレーション機能を使用することにより、数個の錠剤を流すだけで、選択した感度基準ファイルとの比較をおこなうことが可能となる。この感度をフィードバックすることで自動感度設定及び必要な微調整をより簡易に設定することができる。
【0037】
また、このシミュレーション機能は、パソコン等に収納することができるので、遠方へ設置された外観検査装置の検査感度の調整も、例えば取得した画像を記録媒体に出力し、あるいはネットを用いた情報提供によりパソコン等にてシミュレーションして外観検査装置にデータとして戻せば、容易に感度ファイルの設定ができ、コスト削減を図ることができる。
なお、この場合も設定された最終感度ファイルは、必要とする場合には新たに熟練者による感度基準ファイルとして記憶装置13に記憶させることができる。
【0038】
上述した説明のうち、感度ファイル自動設定装置を構成するものは、符号11〜16を付したもの及びカメラの全てあるいはこれらの一部の組合せによるものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、錠剤の外観検査に限らず、他の物品の外観検査や物品の一部分の外観検査に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る物品の外観検査装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示す物品の外観検査装置の他の機能部分を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明に係る物品の外観検査装置の実施の形態のうち感度ファイル自動設定装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
10 物品の外観検査装置
11 操作部
11a タッチパネル型入力手段
12 制御部
12a 感度基準ファイル選択手段
12b 光量調整手段
12c 自動感度微調整手段
13 記憶装置
14 画像処理部
15 選別仕分け部
16 仮想処理部
16a 画像記録手段
16b シミュレーション処理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の外観検査のため予め熟練者により設定された感度基準ファイルが記憶された記憶装置と、入力された物品の外観情報に基づき前記記憶装置から最も近い感度基準ファイルを選択する選択手段と、該選択手段により選択された感度基準ファイルにより検査して搬入された物品が予め設定された良品率又は不良品率になるように前記感度基準ファイルのパラメータを自動感度微調整する自動感度微調整手段とを備えたことを特徴とする感度ファイル自動設定装置。
【請求項2】
物品の外観検査のため予め熟練者により設定された感度基準ファイルが記憶された記憶装置と、入力された物品の外観情報に基づき前記記憶装置から最も近い感度基準ファイルを選択する選択手段と、該選択手段により選択された感度基準ファイルにより測定して搬入された物品が予め設定された輝度やスライスレベルになるように自動調整する光量調整手段と、該光量調整手段により自動調整された輝度やスライスレベルに基づき搬入された物品が予め設定された良品率又は不良品率になるように前記感度基準ファイルのパラメータを自動感度微調整する自動感度微調整手段とを備えたことを特徴とする感度ファイル自動設定装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の感度ファイル自動設定装置において、更に搬入された物品の外観画像を取得する画像取得手段と、前記選択手段により選択された感度基準ファイルに基づき前記画像取得手段により取得された外観画像のスライスレベルや前記感度基準ファイルのパラメータを微調整できるシミュレーション処理手段を備えたことを特徴とする感度ファイル自動設定装置。
【請求項4】
前記画像取得手段により取得した外観画像を外部出力する出力端子及び外部でシミュレーションした感度ファイルを入力する入力端子を備えたことを特徴とする請求項3記載の感度ファイル自動設定装置。
【請求項5】
前記自動感度微調整手段によって最終的に設定された感度ファイルを熟練者により設定された感度基準ファイルとして前記記憶装置に取り込むようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の感度ファイル自動設定装置。
【請求項6】
前記シミュレーション処理手段によって最終的に設定された感度ファイルを熟練者により設定された感度基準ファイルとして前記記憶装置に取り込むようにしたことを特徴とする請求項3記載の感度ファイル自動設定装置。
【請求項7】
物品の外観情報を入力するためのタッチパネル型入力手段と、請求項1〜6の何れか1項記載の感度ファイル自動設定装置と、搬入された物品を前記感度ファイル自動設定装置により設定された感度ファイルで外観検査し選別仕分けする選別仕分け手段とを備えたことを特徴とする物品の外観検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−303992(P2007−303992A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−133771(P2006−133771)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(000209751)池上通信機株式会社 (123)
【Fターム(参考)】