説明

成形シミュレーション装置及び成形シミュレーション方法

【課題】 有限差分法による成形型内の融解した成形材料の流動解析において高い精度を有する成形シミュレーション装置及び成形シミュレーション方法を提供する。
【解決手段】内部空間要素と型要素と注入口要素とに分類された要素情報のうち互いに隣接する内部空間要素及び型要素の組に係る内部空間要素及び型要素の少なくとも一方である仮定対象要素を抽出し、仮定対象要素が内部空間要素である場合に該内部空間要素を流速仮定内部空間要素とし、仮定対象要素が型要素である場合に該型要素に隣接する内部空間要素を流速仮定内部空間要素とし、流速仮定内部空間要素と該流速仮定内部空間要素に隣接する型要素との間の境界面に対して垂直な該流速仮定内部空間要素のいずれかの部分における該融解した成形材料の流速を、該型要素とは反対側の該流速仮定内部空間要素の境界面を横切る該融解した成形材料の流速に基づき仮定する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
融解した成形材料を成形型の内部空間に注入し該内部空間にて冷却固化させて成形品を成形することをシミュレートする成形シミュレーション装置であって、
該内部空間と、該内部空間を包囲する成形型内壁部分と、該内部空間に該融解した成形材料を注入する成形型内壁部分に形成された注入口と、を含む成形型の部分である成形部分を直方体形状に分割した複数の要素に関する情報であって、該複数の要素各々が該内部空間に属する内部空間要素と、成形型内壁部分に属する型要素と、注入口に属する注入口要素と、のいずれかに分類された要素情報を受け付ける要素情報受付手段と、
要素情報受付手段に受け付けられた要素情報のうち互いに隣接する内部空間要素及び型要素の組のうちの少なくとも一部の組に係る内部空間要素及び型要素の少なくとも一方である仮定対象要素を抽出する抽出手段と、
抽出手段により抽出された仮定対象要素が内部空間要素である場合に該内部空間要素を流速仮定内部空間要素とし、該抽出された仮定対象要素が型要素である場合に該型要素に隣接する内部空間要素を流速仮定内部空間要素とし、流速仮定内部空間要素と該流速仮定内部空間要素に隣接する型要素との間の境界面に対して垂直な該流速仮定内部空間要素のいずれかの部分における該融解した成形材料の流速を、該型要素とは反対側の該流速仮定内部空間要素の境界面を横切る該融解した成形材料の流速に基づき仮定する流速仮定手段と、
流速仮定内部空間要素のいずれかの部分における流速仮定手段により仮定された該融解した成形材料の流速を用いて、内部空間要素それぞれについて該融解した成形材料の充填解析を経時的に行う充填解析手段と、
を備えてなる、成形シミュレーション装置。
【請求項2】
抽出手段が、要素情報受付手段に受け付けられた要素情報のうち内部空間要素が有する複数の境界面のうち第1の所定数以上の境界面が型要素に接している要素の少なくとも一部である段差内部空間要素を仮定対象要素とし、そして型要素が有する複数の境界面のうち第2の所定数以上の境界面が内部空間要素に接している要素の少なくとも一部である段差型要素を仮定対象要素として抽出し、
流速仮定手段が、仮定対象要素が段差内部空間要素である場合に該段差内部空間要素を流速仮定内部空間要素とし、仮定対象要素が段差型要素である場合に該段差型要素に隣接する内部空間要素を流速仮定内部空間要素とするものである、請求項1に記載の成形シミュレーション装置。
【請求項3】
抽出手段が、要素情報受付手段に受け付けられた要素情報のうち内部空間要素が有する複数の境界面のうち第1の所定数以上の境界面が型要素に接している要素を段差内部空間要素候補とし、そして型要素が有する複数の境界面のうち第2の所定数以上の境界面が内部空間要素に接している要素を段差型要素候補として抽出する第1抽出手段と、第1抽出手段により抽出された段差内部空間要素候補のうち段差型要素候補に接するものを段差内部空間要素として選出し、段差型要素候補のうち段差内部空間要素候補に接するものを段差型要素として選出する第2抽出手段と、を有してなる、請求項2に記載の成形シミュレーション装置。
【請求項4】
前記第1の所定数と前記第2の所定数とが等しいものである、請求項2又は3に記載の成形シミュレーション装置。
【請求項5】
前記流速仮定内部空間要素のいずれかの部分における該融解した成形材料の流速が、前記流速仮定内部空間要素の中心における前記融解した成形材料の流速である、請求項1乃至4のいずれか1に記載の成形シミュレーション装置。
【請求項6】
前記流速仮定内部空間要素のいずれかの部分における該融解した成形材料の流速が、前記流速仮定内部空間要素に隣接する前記型要素と前記流速仮定内部空間要素との間の境界面を横切る前記融解した成形材料の流速である、請求項1乃至4のいずれか1に記載の成形シミュレーション装置。
【請求項7】
流速仮定手段が、前記流速仮定内部空間要素のいずれかの部分における該融解した成形材料の流速を、前記型要素とは反対側の前記流速仮定内部空間要素の境界面を横切る前記融解した成形材料の流速に所定の定数を乗じ算出し仮定するものである、請求項1乃至6のいずれか1に記載の成形シミュレーション装置。
【請求項8】
前記所定の定数が、前記流速仮定内部空間要素に隣接する前記型要素とは反対側の該流速仮定内部空間要素の境界面を横切る前記融解した成形材料の方向によって異なる2の値を用いるものである、請求項7に記載の成形シミュレーション装置。
【請求項9】
前記内部空間と前記成形型内壁部分とを少なくとも含む成形型の部分に関する情報である成形型情報を受け付ける成形型情報受付手段と、
成形型情報受付手段により受け付けられた成形型情報に基づく成形型の部分を座標系における直方体形状の前記複数の要素に分割する分割手段と、
分割手段により分割された前記複数の要素各々が前記内部空間要素と前記型要素とのいずれに属するかを分類する分類手段と、
分割手段により分割された前記複数の要素のいずれの要素に前記注入口が位置するかに関する注入口位置情報を受け付ける注入口位置情報受付手段と、
分類手段による分類と該注入口位置情報とに基づき、分割手段により分割された前記複数の要素各々が前記内部空間要素と前記型要素と前記注入口要素とのいずれに属するかを示す前記要素情報を生成する要素情報生成手段と、をさらに備えてなり、
要素情報生成手段により生成された前記要素情報を、前記要素情報受付手段が受け付けるものである、請求項1乃至8のいずれか1に記載の成形シミュレーション装置。
【請求項10】
前記成形材料が金属材料であると共に前記成形型が鋳造型であり、前記成形品が鋳物である、請求項1乃至9のいずれか1に記載の成形シミュレーション装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1に記載の成形シミュレーション装置をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれか1に記載の成形シミュレーション装置をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記憶媒体。
【請求項13】
融解した成形材料を成形型の内部空間に注入し該内部空間にて冷却固化させて成形品を成形することをシミュレートする成形シミュレーション方法であって、
該内部空間と、該内部空間を包囲する成形型内壁部分と、該内部空間に該融解した成形材料を注入する成形型内壁部分に形成された注入口と、を含む成形型の部分である成形部分を直方体形状に分割した複数の要素に関する情報であって、該複数の要素各々が該内部空間に属する内部空間要素と、成形型内壁部分に属する型要素と、注入口に属する注入口要素と、のいずれかに分類された要素情報を受け付ける要素情報受付ステップと、
要素情報受付ステップにおいて受け付けられた要素情報のうち互いに隣接する内部空間要素及び型要素の組のうちの少なくとも一部の組に係る内部空間要素及び型要素の少なくとも一方である仮定対象要素を抽出する抽出ステップと、
抽出ステップにより抽出された仮定対象要素が内部空間要素である場合に該内部空間要素を流速仮定内部空間要素とし、該抽出された仮定対象要素が型要素である場合に該型要素に隣接する内部空間要素を流速仮定内部空間要素とし、流速仮定内部空間要素と該流速仮定内部空間要素に隣接する型要素との間の境界面に対して垂直な該流速仮定内部空間要素のいずれかの部分における該融解した成形材料の流速を、該型要素とは反対側の該流速仮定内部空間要素の境界面を横切る該融解した成形材料の流速に基づき仮定する流速仮定ステップと、
流速仮定内部空間要素のいずれかの部分における流速仮定ステップにより仮定された該融解した成形材料の流速を用いて、内部空間要素それぞれについて該融解した成形材料の充填解析を経時的に行う充填解析ステップと、
を備えてなる、成形シミュレーション方法。
【請求項14】
抽出ステップが、要素情報受付ステップにおいて受け付けられた要素情報のうち内部空間要素が有する複数の境界面のうち第1の所定数以上の境界面が型要素に接している要素の少なくとも一部である段差内部空間要素を仮定対象要素とし、そして型要素が有する複数の境界面のうち第2の所定数以上の境界面が内部空間要素に接している要素の少なくとも一部である段差型要素を仮定対象要素として抽出し、
流速仮定ステップが、仮定対象要素が段差内部空間要素である場合に該段差内部空間要素を流速仮定内部空間要素とし、仮定対象要素が段差型要素である場合に該段差型要素に隣接する内部空間要素を流速仮定内部空間要素とするものである、請求項13に記載の成形シミュレーション方法。
【請求項15】
抽出ステップが、要素情報受付ステップにおいて受け付けられた要素情報のうち内部空間要素が有する複数の境界面のうち第1の所定数以上の境界面が型要素に接している要素を段差内部空間要素候補とし、そして型要素が有する複数の境界面のうち第2の所定数以上の境界面が内部空間要素に接している要素を段差型要素候補として抽出する第1抽出ステップと、第1抽出ステップにより抽出された段差内部空間要素候補のうち段差型要素候補に接するものを段差内部空間要素として選出し、段差型要素候補のうち段差内部空間要素候補に接するものを段差型要素として選出する第2抽出ステップと、を有してなる、請求項14に記載の成形シミュレーション方法。
【請求項16】
前記第1の所定数と前記第2の所定数とが等しいものである、請求項14又は15に記載の成形シミュレーション方法。
【請求項17】
前記流速仮定内部空間要素のいずれかの部分における該融解した成形材料の流速が、前記流速仮定内部空間要素の中心における前記融解した成形材料の流速である、請求項13乃至16のいずれか1に記載の成形シミュレーション方法。
【請求項18】
前記流速仮定内部空間要素のいずれかの部分における該融解した成形材料の流速が、前記流速仮定内部空間要素に隣接する前記型要素と前記流速仮定内部空間要素との間の境界面を横切る前記融解した成形材料の流速である、請求項13乃至16のいずれか1に記載の成形シミュレーション方法。
【請求項19】
流速仮定ステップが、前記流速仮定内部空間要素のいずれかの部分における該融解した成形材料の流速を、前記型要素とは反対側の前記流速仮定内部空間要素の境界面を横切る該融解した成形材料の流速に所定の定数を乗じ算出し仮定するものである、請求項13乃至18のいずれか1に記載の成形シミュレーション方法。
【請求項20】
前記所定の定数が、前記流速仮定内部空間要素に隣接する前記型要素とは反対側の該流速仮定内部空間要素の境界面を横切る前記融解した成形材料の方向によって異なる2の値を用いるものである、請求項19に記載の成形シミュレーション方法。
【請求項21】
前記内部空間と前記成形型内壁部分とを少なくとも含む成形型の部分に関する情報である成形型情報を受け付ける成形型情報受付ステップと、
成形型情報受付ステップにより受け付けられた成形型情報に基づく成形型の部分を座標系における直方体形状の前記複数の要素に分割する分割ステップと、
分割ステップにより分割された前記複数の要素各々が前記内部空間要素と前記型要素とのいずれに属するかを分類する分類ステップと、
分割ステップにより分割された前記複数の要素のいずれの要素に前記注入口が位置するかに関する注入口位置情報を受け付ける注入口位置情報受付ステップと、
分類ステップによる分類と該注入口位置情報とに基づき、分割ステップにより分割された前記複数の要素各々が前記内部空間要素と前記型要素と前記注入口要素とのいずれに属するかを示す前記要素情報を生成する要素情報生成ステップと、をさらに備えてなり、
要素情報生成ステップにより生成された前記要素情報を、前記要素情報受付ステップにおいて受け付けるものである、請求項13乃至20のいずれか1に記載の成形シミュレーション方法。
【請求項22】
前記成形材料が金属材料であると共に前記成形型が鋳造型であり、前記成形品が鋳物である、請求項13乃至21のいずれか1に記載の成形シミュレーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−58136(P2010−58136A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224358(P2008−224358)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(806000011)財団法人岡山県産業振興財団 (12)
【Fターム(参考)】