説明

成形用ロール装置

【課題】ロール表面全体の弾性撓み力を調整して有効なロール幅を広く確保できるようにする。
【解決手段】軟化した熱可塑性樹脂を、回転している1対の成形ロールの間を通過させて光学シートを成形する成形用ロール装置であって、かつ、前記1対の成形ロールの少なくとも一方の押さえロール5が、ロール端板aを有するロール軸と、両端側がロール端板を介してロール軸に取り付けられてなる可撓性を有した薄肉金属外筒11と、該薄肉金属外筒11との間に冷却流体の流送空間を設けて該薄肉金属外筒11内に同一軸心状に収容された金属内筒14とを備えて二重筒で構成され、流送空間に冷却流体を流通させてなる成形用ロール装置において、薄肉金属外筒11の内周表面に、該薄肉金属外筒11の可撓性がロールの軸方向中央部よりもロール端部の方が大きくなるように調整するロール周方向の溝22を、該薄肉金属外筒の軸方向に沿って複数個設けてなる成形用ロール装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は成形用ロール装置に関するものであり、特に、軟化した熱可塑性樹脂を回転している1対の成形ロール間を通過させて光学シートを成形する成形用ロール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光学シートを製造する場合、押出ダイから軟化した熱可塑性樹脂材が押出され、該熱可塑性樹脂材を回転している1対の金属ロール間に供給し、かつ、該1対の金属ロールにより加圧しながら該熱可塑性樹脂材を通過させて所定の光学シートを製造している。この光学シートの製造方法では、光学的な機能を持ったシートを作る場合、厚さにある程度の均一性を持たせることが要求される。さらに、光学的機能に必要な平滑面や表面形状を該シートに一定の賦形率で転写させることが必要とされる場合もある。
【0003】
また、近年、装置の薄型軽量化を図るために、光学シート自体を軽量化することが求められ、これに伴って光学シートの厚みを薄くすることも要求されている。さらに、光学シートがレンズシートの場合、高精細化(ファインピッチ化)のためにレンズを小さくして焦点距離を短くしたり、他のレンズシート等との干渉によるモアレを回避する必要がある。
【0004】
しかしながら、このような押出し成形による製造方法では、光学的機能を持った形状の薄物シートを、その厚みに高精度を持たせて製造することが困難であった。この理由として、光学シートの厚みを薄くすると、樹脂圧力と金属ロールの加圧力並びに金属ロールの剛性とのバランスが悪化して該金属ロールが撓み、この結果、該金属ロールで薄物シートの中央部分を押すことができなくなり、均―な厚さ分布が得られなくなることがあげられる。
【0005】
そこで、従来、このような問題を解決するために、表面が樹脂圧力に見合った弾性変形を生じさせることができるようにした金属ロール(以下「金属弾性ロール」という)を使用する成形方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
上記特許文献1の金属弾性ロールは、ロール端板を有する軸部材と、両端側が前記ロール端板を介して該軸部材に取り付けてなる可撓性を有した薄肉金属外筒と、該薄肉金属外筒の内面との間に冷却流体の流送空間を設けて該薄肉金属外筒内に同一軸心状に収容された金属内筒とを備えて、二重筒に構成されている。
【特許文献1】特開平11−235747号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら特許文献1に記載の金属ロールのように、両端側がロール端板を介して軸部材に取り付けられてなる可撓性を有した薄肉金属外筒は、外筒そのものの可撓性は軸方向に一定であるが、側板と一体化されているため、構造上変形しにくくなっている。又、ロールの両端近傍で可撓性が低く、有効なロール幅が小さくなっている。このため、可撓性がロールの中央部と両ロール端部とで異なり、これによって光学シートに歪みが付与され、製品精度を低下させるという問題があった。
【0008】
そこで、ロール表面全体の可撓性を調整して有効なロール幅を広く確保できるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、軟化した熱可塑性樹脂を、回転している1対の成形ロールの間を通過させて光学シートを成形する成形用ロール装置であって、かつ、前記1対の成形ロールの少なくとも一方のロールが、ロール端板を有する軸部材と、両端側が前記ロール端板を介して前記軸部材に取り付けられてなる可撓性を有した薄肉金属外筒と、該薄肉金属外筒との間に冷却流体の流送空間を設けて該薄肉金属外筒内に同一軸心状に収容された金属内筒とを備えて二重筒で構成された成形用ロール装置において、前記薄肉金属外筒の内周表面に、該薄肉金属外筒の可撓性がロール軸方向の中央部よりもロール端部の方が大きくなるように調整するロール周方向の溝を、該薄肉金属外筒の軸方向に沿って複数個設けてなる成形用ロール装置を提供する。
【0010】
この構成によれば、薄肉金属外筒の内周表面に設ける溝により、該薄肉金属外筒の厚み等を変えてロール表面全体の可撓性を調整することができる。なお、前記ロール周方向の溝は、一端から他端に向かってロール周方向に形成された螺旋状の溝も含む。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の成形用ロール装置において、上記溝のピッチを、上記薄肉金属外筒の中央部よりも両端部に近づくほど小さくなるようにして設けてなる成形用ロール装置を提供する。
【0012】
この構成によれば、溝のピッチを薄肉金属外筒の中央部よりも両端部に近づくほど小さくなるようにして形成したことにより、可撓性がロールの中央部から両端部に近づくほど増し、有効なロール幅を広げることができる。さらに、溝のピッチを変えることによって可撓性の調整もできる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の成形用ロール装置において、上記溝の深さを、上記薄肉金属外筒の中央部よりも両端部に近づくほど深くなるようにして設けてなる成形用ロール装置を提供する。
【0014】
この構成によれば、溝の深さを薄肉金属外筒の中央部よりも両端部に近づくほど深くなるようにして形成したことにより、薄肉金属外筒の厚みが中央部から両端部に近づくほど大きくなる。また、このようにして厚みを変えることによって可撓性がロールの中央部から両端部に近づくほど増し、有効なロール幅を広げることができる。さらに、溝の深さを変えることによって可撓性の調整もできる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明は、薄肉金属外筒の内周表面に設けた溝により、ロール表面全体の可撓性を調整して有効なロール幅を広く確保することができるので、光学シートに与える歪みが軽減し、製品精度を向上させることができる。また、溝の形状を変えるとロール表面全体の可撓性の調整を簡単に行うことができる。
【0016】
請求項2記載の発明は、溝のピッチにより薄肉金属外筒におけるロール表面全体の可撓性の調整を行うことができるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、有効なロール幅の確保、及び、ロール表面全体の可撓性の調整をさらに簡単にすることができる。
【0017】
請求項3記載の発明は、溝の深さにより薄肉金属外筒の厚みを変えてロール表面全体の可撓性の調整を行うことができるので、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、有効なロール幅の確保、及び、ロール表面全体の可撓性の調整をより一層簡単にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、ロール表面全体の可撓性を調整して有効なロール幅を広く確保できるようにするという目的を達成するために、軟化した熱可塑性樹脂を、回転している1対の成形ロールの間を通過させて光学シートを成形する成形用ロール装置であって、かつ、前記1対の成形ロールの少なくとも一方のロールが、ロール端板を有する軸部材と、両端側が前記ロール端板を介して前記軸部材に取り付けられてなる可撓性を有した薄肉金属外筒と、該薄肉金属外筒との間に冷却流体の流送空間を設けて該薄肉金属外筒内に同一軸心状に収容された金属内筒とを備えて二重筒で構成された成形用ロール装置において、前記薄肉金属外筒の内周表面に、該薄肉金属外筒の可撓性がロール軸方向の中央部よりもロール端部の方が大きくなるように調整するロール周方向の溝を、該薄肉金属外筒の軸方向に沿って複数個設けたことにより実現した。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の成形用ロール装置について、好適な実施例をあげて説明する。図1は本発明を適用した成形用ロール装置の一実施例を示す側面図である。同図において、成形用ロール装置1は、互いに並行に配設された主ロール4と押さえロール5との間に、押出成型機2から押出ダイ3を介して軟化した熱可塑性樹脂材6(以下、「溶融樹脂6」という)が供給される。また、該供給された溶融樹脂6は、回転している両ロール4,5に挟圧されて後方に送出されて行く。そして、挟圧時に該溶融樹脂6が正確な厚みのシートに伸延されるとともに、該溶融樹脂6にロール4,5の外周表面に設けられている鏡面またはエンボス模様が該シートに転写されて所定の光学シートが形成されるように構成されている。
【0020】
これら前記ロール4,5は、多くの場合、径が200〜600mmで、また内部の中空部に水やオイル等の冷却流体が供給されてロール4,5の外周表面を適正な温度に保持し、軟化している溶融樹脂6を適正な温度に冷却するように構成されている。また、前記主ロール4は高剛性の金属ロールであって、かつ、前記押さえロール5はロール表面が弾性変形可能な金属弾性ロールにて形成されている。
【0021】
図2は前記押さえロール5の軸方向断面図あり、図3(a),(b)は該押さえロール5における薄肉金属外筒の側面図で、同図(a)は図2の端部Eの拡大図、同図(b)は図2の中央部Cの拡大図である。
【0022】
同図において、該押さえロール5は、可撓性を有する継目無し炭素鋼製の薄肉金属外筒11と、該薄肉金属外筒11との間に冷却流体(例えば、水やオイル)12用の流送空間13を設けて、該薄肉金属外筒11内に同一心状に収容された炭素鋼製の金属内筒14とからなる二重筒の前記弾性ロールとして構成されている。
【0023】
さらに詳述すると、前記押さえロール5は、ロール軸15a,15bと、該ロール軸15a,15bに同心状に取り付けられた円盤状のロール端板16a,16bとでなる軸部材17を有している。また、ロール端板16a,16bには、それぞれ前記薄肉金属外筒11が取り付けられる大径外周部18aと該大径外周部18aよりも内側に位置して前記金属内筒14が取り付けられる小径外周部18bが設けられている。さらに、ロール軸15aとロール端板16aの軸心部には流体供給通路17aが設けられ、ロール軸15bとロール端板16bの軸心部には流体排出通路17bが設けられている。
【0024】
そして、前記薄肉金属外筒11は、該薄肉金属外筒11の両端側の開口部に前記両ロール端板16a,16bの大径外周部18a,18aをそれぞれ嵌合させて、該両ロール端板16a,16b間に該薄肉金属外筒11の両側開口部が各々閉塞された状態で取り付けられている。
【0025】
また、薄肉金属外筒11の内周表面には、図3に示すように、該薄肉金属外筒11の可撓性を調整するためのロール周方向の溝22が、該薄肉金属外筒11の軸方向に沿って複数個設けられている。該溝22は断面略逆U字状であって、かつ、ピッチPが同図(a)に示す前記薄肉金属外筒11の中央部Cから同図(b)に示す端部Eに近づくほど小さくなるようにして形成されている。すなわち、該溝22のピッチPの違いにより、該薄肉金属外筒11は、端部Eの方が中央部Cよりも可撓性が大きく得られる構造になっている。
【0026】
一方、金属内筒14は、該金属内筒14の両端側の開口部に両ロール端板16a,16bの小径外周部18b,18bをそれぞれ嵌合させ、該金属内筒14の両側開口部が該両ロール端板16a,16bにより閉塞された状態で該両ロール端板16a,16b間に取り付けられている。
【0027】
また、金属内筒14の両端内側には、該金属内筒14内の両端側にそれぞれ前記ロール端板16a,16bと共に流送空間19,19を形成している隔壁20,20が、該金属内筒14内を各々前後に仕切るようにして取り付けられている。
【0028】
なお、該金属内筒14の両端部には、それぞれ該金属内筒14内の流通空間19に対応して、該流通空間19と前記流通空間13を連通するための冷却流体通過孔21が円周方向に沿って複数設けられている。
【0029】
次に、このように構成された押さえロール5の作用を説明する。冷却流体12は、ロータリージョイント(図示せず)を介して流体供給通路17aに供給される。該流体供給通路17aに供給された冷却流体12は、ロール端板16aと隔壁20の間の流送空間19に送られ、さらに冷却流体通過孔21,21…を通過して薄肉金属外筒11と金属内筒14との間の流送空間13内に送られる。
【0030】
該流送空間13内では、冷却流体12がロール端板16b側に向かって流れ、薄肉金属外筒11の内周面全体に接触し、該薄肉金属外筒11におけるロール表面の温度が均一になるように調整する。これにより、ロール表面における温度調整が行われる。
【0031】
また、流送空間13内を通過した冷却流体12は、ロール端板16b側の冷却流体通過孔21,21…を通過して薄肉金属外筒11と金属内筒14との間の流送空間13内に送られ、さらに流体排出通路17bを通って外部に排出される系路で循環する。
【0032】
そして、本実施例における該押さえロール5では、薄肉金属外筒11の可撓性がロールの軸方向中央部Cより両端部Eの方が大きくなるように調整し、この調整で有効なロール幅を大きく確保しているので、光学シートに与える歪みが軽減され、製品精度を向上させることができる。また、薄肉金属外筒11の可撓性の調整は、該薄肉金属外筒11の内周表面にロール周方向の溝22を軸方向に沿って複数個設けるだけでよいので簡単に行うことができる。
【0033】
なお、上記実施例では、薄肉金属外筒11に設けられる溝22の断面をU字状にした構造を開示したが、例えば図5の端部E、中間部S、中央部Cの各拡大図として、図6(a)、(b)、(c)にそれぞれ示すように、溝22の断面形状をV字状にし、かつ、該溝22のピッチ及び深さを同図(c)に示す中央部Cから同図(b)に示す中間部S、同図(a)に示す端部Eの順に、中央部Cから端部Eに近づくほど小さくなるようにして形成してもよい。ただし、曲げ応力が溝22の先端部に集中して該薄肉金属外筒11が破損しないようにするためにU字状に形成することが好ましい。
【0034】
また、本発明を実施するに当たって、より好ましい形態を図2及び図3,図4を用いて説明すると、押さえロール5の全幅W:600mm、押さえロール5の外径D:300mm、薄肉金属外筒11の厚みT:5mmとした場合、前記溝22の幅f及びピッチP並びに深さd等の各寸法は次のようにして決定するのが好ましい。
【0035】
(1)薄肉金属外筒11の厚みTは0.1mm以上、10.0mm以下であることが好ましい。これより薄いと該薄肉金属外筒11の強度に問題が生じ、逆に厚いと該薄肉金属外筒11の可撓性が不足する。最も好ましいのは0.2mm以上、8mm以下である。
【0036】
(2)本発明の溝22は切削バイトを使用し、旋盤切削によって形成することができる。旋盤切削によって溝22を形成する場合は、薄肉金属外筒11の厚みTが薄いとその剛性が不足する恐れがあるため、lmm以上であることが好ましい。
【0037】
(3)薄肉金属外筒11の材質は、例えば鋼を用いることができる。該薄肉金属外筒11の厚みTがlcm以下の場合、剛性が不足する恐れがあるため、ニッケル鉄合金、クロム鉄合金等を用いることが好ましい。
【0038】
(4)薄肉金属外筒11に設けられる溝22の深さは、例えば薄肉金属外筒11の最大厚みTに対して2%〜30%程度が好ましい。これより小さい場合、該溝22を設けることによる可撓性が不十分となる場合がある。また、これよりも大きい場合は該薄肉金属外筒11の外筒表面を研磨あるいは切削する際、溝ピッチ配列に応じた撓みムラによって表面の平坦性に問題が生じることがある。
【0039】
(5)薄肉金属外筒11に設けられる溝22のピッチPは特に制限は無いが、例えば、ピッチPが溝22の最大幅と一致する場合、該ピッチPが溝22の最大幅の1/10程度の場合、あるいはピッチPが溝22の最大幅の2倍から10倍等とする場合などが考えられる。また、ロール中央部Cでは溝22を設けなくてもよい。又、ピッチPが溝22の最大幅より小さくなった場合(図6(a))、溝深さはベースラインからの深さとする。
【0040】
また、上記薄肉金属外筒11の可撓性を調整するには、ロール幅方向で溝22の深さあるいは該溝22のピッチPのいずれか一方を変化させるか、または図6に示すように、溝22の深さ及びピッチPの両方を変化させてもよい。この場合、溝22の形状を一定とし、該溝22のピッチPを変化させる場合は切削が容易である。可撓性を大きく変化させたい場合は溝22の深さを変化させることが好ましく、該可撓性をさらに大きく変化させたい場合は該溝22の深さとピッチPの両方を変化させることが好ましい。
【0041】
さらに、上記薄肉金属外筒11の外径は一定であっても良いが、ロールの圧力をより均一にするためには、中央ほど径が大きいクラウンロールであることが好ましい。
【0042】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施例に係る成形用ロール装置の概略側面図。
【図2】同上成形用ロール装置における押さえロールの断面図。
【図3】同上押さえロールにおける薄肉金属外筒の側面図で、(a)は図2の端部Eにおける拡大図、(b)は図2の中央部Cにおける拡大図。
【図4】薄肉金属外筒の部分拡大断面図。
【図5】同上薄肉金属外筒の一変形例を示す断面図。
【図6】同上薄肉金属外筒の部分拡大断面図で、(a)は図5の端部Eにおけ拡大図、(b)は図5の中間部Sにおける拡大図、(c)は図5の中央部Cにおける拡大図。
【符号の説明】
【0044】
1 成形用ロール装置
2 押出成型機
3 Tダイ
4 主ロール
5 押さえロール
6 溶融樹脂
11 薄肉金属外筒
12 冷却流体
13 流送空間
14 金属内筒
15a ロール軸(軸部材)
15b ロール軸(軸部材)
16a ロール端板
16b ロール端板
17 軸部材
17a 流体供給通路
17b 流体排出通路
18a 大径外周部
18b 小径外周部
19 流送空間
20 隔壁
21 冷却流体通過孔
22 ロール周方向の溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟化した熱可塑性樹脂を、回転している1対の成形ロールの間を通過させて光学シートを成形する成形用ロール装置であって、かつ、前記1対の成形ロールの少なくとも一方のロールが、ロール端板を有する軸部材と、両端側が前記ロール端板を介して前記軸部材に取り付けられてなる可撓性を有した薄肉金属外筒と、該薄肉金属外筒との間に冷却流体の流送空間を設けて該薄肉金属外筒内に同一軸心状に収容された金属内筒とを備えて二重筒で構成された成形用ロール装置において、
前記薄肉金属外筒の内周表面に、該薄肉金属外筒の可撓性がロール軸方向の中央部よりもロール端部の方が大きくなるように調整するロール周方向の溝を、該薄肉金属外筒の軸方向に沿って複数個設けてなることを特徴とする成形用ロール装置。
【請求項2】
上記溝のピッチを、上記薄肉金属外筒の中央部よりも両端部に近づくほど小さくなるようにして設けてなることを特徴とする請求項1記載の成形用ロール装置。
【請求項3】
上記溝の深さを、上記薄肉金属外筒の中央部よりも両端部に近づくほど深くなるようにして設けてなることを特徴とする請求項1または2記載の成形用ロール装置。

【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−156405(P2010−156405A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334944(P2008−334944)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】