説明

扁平糸織物の製造方法及び製造装置

【課題】扁平糸のよこ糸挿入時の潰れを防止して、満足なカバーファクターを達成する扁平糸織物の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】ヘルド18によって広げられたたて糸12の開口22内に、扁平糸からなるよこ糸27をレピア24によって挿入して織物を製造する際、よこ糸の糸端とその上流の2箇所を一対の回転自在な回転盤からなる第1把持部36及び第2把持部35でそれぞれ挟み込んで保持し、第1把持部及び第2把持部の少なくとも一方の把持部を移動させて両把持部の間の部分を、レピアの進退経路と交差する給糸位置72に配置し、該給糸位置に到達したレピアに設けた第3把持部55でよこ糸を挟み込み、よこ糸の扁平状態を保持しながら、たて糸開口内に挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扁平糸からなるよこ糸を用いて織物を製造する扁平糸織物の製造方法及び製造装置に関し、更に詳しくは、よこ糸の扁平状態を保持しながら、たて糸開口内に挿入することによって、繊維強化複合材料として優れた特性を発揮する扁平糸織物を製造できるようにした扁平糸織物の製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維織物は、通常、シャトル織機あるいはレピア織機で製織され、特に炭素繊維織物は用いるよこ糸が太い繊度であるためにシャトルではよこ管に巻ける糸長が短く、頻繁に管を交換せねばならない問題がある。レピア織機であればボビンから直接解舒することができ、シャトル織機のように管を頻繁に交換させるようなことがないことから多用されている。
【0003】
炭素繊維織物には限らないが、同じ織機回転数であるならばよこ糸密度が小さい方が生産性が高いのでコストダウンに繋がる。しかし、よこ糸密度の小さい炭素繊維織物で炭素繊維強化プラスチックを成形すると次のような問題が起こる。
【0004】
繊度が比較的に小さい炭素繊維糸をたて糸とよこ糸に使用し、小さい織密度で製織された織物は織糸間に隙間が生じた織物となる。そのような織物で炭素繊維強化プラスチックに成形した場合、前記隙間部は樹脂リッチになり、炭素繊維強化プラスチックに応力が作用した際に、その樹脂リッチ部から破壊が進展し、結果的に強度の低い炭素繊維強化プラスチックとなるのが問題である。
【0005】
一方、繊度の大きい炭素繊維糸をたて糸とよこ糸に使用した織物では必然的に織密度は小さく、高生産性となるが、繊度の大きい炭素繊維糸同士がたて糸とよこ糸が交錯するために織糸のクリンプが大きくなる。そのような織物を基材とした炭素繊維強化プラスチックに応力が作用すると織糸のクリンプ部に応力が集中し、その部分が破壊の起点となって炭素繊維が有する高強度特性を十分に発揮することができないのが問題である。
【0006】
一方、下記特許文献1に提案された炭素繊維扁平糸織物は、繊度の大きい炭素繊維糸であっても小さい織密度で製織されているので、コストダウンに繋がる。また、織糸が扁平状で糸幅が大きいために織糸間の隙間もなく、しかも、たて糸とよこ糸の交錯部においては薄い扁平状の織糸同士の交錯であることから織糸のクリンプが非常に小さい織物基材である。したがって炭素繊維強化プラスチックに成型しても高い強度特性を発揮する特徴がある。
【特許文献1】特開平11−012895号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように優れた特性を発揮する炭素繊維扁平糸織物であるが、実際に製織する際に以下のような問題点があり、改善が要望されている。
【0008】
すなわち、レピア織機におけるよこ糸挿入方法には、織機メーカにより種々の方法が採用されているが、炭素繊維扁平糸の扁平状を安定的に挿入させるために片側レピア織機が多用されている。
【0009】
片側レピア織機における通常のよこ糸給糸方法について説明すると、既に挿入されたよこ糸の筬打のため、筬が織り前に移動した際、よこ糸給糸側の織り前で位置が固定されたよこ糸端把持具により、よこ糸端が把持されるとほぼ同時にそのよこ糸端把持具と織物の耳部の間でカッターが作用し、よこ糸を切断される。
【0010】
次いで、筬が後退するに伴いよこ糸給糸ガイドが後退または上昇し、次のよこ糸給糸に備えて待機する。次いでレピアがたて糸開口部に挿入され、レピア先端が給糸位置に達する寸前又は同時に、よこ糸給糸ガイドの運動によって、よこ糸をレピア先端の引っ掛け部に給糸する方法である。
【0011】
ところで、上記よこ糸給糸ガイドは、確実に給糸を行うために、通常は円形孔のガイドである。しかし、例えば僅かなサイジング剤で形態保持された炭素繊維扁平糸をよこ糸として用いた場合には、上記ガイドの給糸運動により、よこ糸が屈曲を受ける。また、よこ糸挿入時にガイドの円形孔内をよこ糸が通過するため、扁平糸が円形孔で擦られてその扁平状が潰され、丸まった断面形状で挿入されることになる。そのようにして得られた織物は、織糸間の隙間が大きく、いわゆるメッシュ状となり、補強用織物としは不向きな基材になってしまうという問題があった。
【0012】
そこで、本発明者らは、上記問題点を解決するため、円形孔のよこ糸給糸ガイドを使わず、よこ糸はフリーな状態でよこ糸挿入させ、挿入が完了した時点でよこ糸給糸ガイドで把持しておき、レピアへの給糸時に移動してよこ糸を給糸させる方法を検討した。この方法であれば、よこ糸挿入時に円形孔のガイドで擦られて扁平状が潰されるようなことは無かった。
【0013】
しかしながら、よこ糸給糸ガイドがレピアへの給糸運動をする際に、扁平状のよこ糸が至近距離でよこ糸給糸ガイドとよこ糸端把持具で把持されて扁平面の面方向(糸幅方向)に屈曲されるため、扁平状が潰されて糸幅が収束した状態でレピアに給糸されることがわかった。
【0014】
そのような状態でよこ糸を挿入させると、レピア把持部近傍の扁平糸は、挿入時の張力によって扁平糸の両端側の繊維には内向きの力も作用するので、レピアの把持部から約20〜50cmの長さに渡って糸幅が収束し、よこ糸給糸側と反対側の織物端が目空きした不均一な織物となるという問題が生じた。
【0015】
また、炭素繊維扁平糸は、補強材として用いた際の樹脂含浸性を良好にするため、前述したように僅かなサイジング剤で固定されていることが多く、その扁平状を保持しながら製織し、満足なカバーファクターを有する扁平糸織物を得る技術開発が望まれている。ここで、カバーファクターとは織物を平面で見た際、その平面の面積に対する織糸の繊維が被覆する面積の割合である。
【0016】
したがって、本発明の目的は、上述した従来技術の問題点を解消し、扁平糸のよこ糸挿入時の潰れを防止して、満足なカバーファクターを達成する扁平糸織物の製造方法及び製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の扁平糸織物の製造方法は、ヘルドによって広げられたたて糸の開口内に、扁平糸からなるよこ糸をレピアによって挿入して織物を製造する扁平糸織物の製造方法において、前記よこ糸の糸端とその上流の2箇所を一対の回転自在な回転盤からなる第1把持部及び第2把持部でそれぞれ挟み込んで保持し、第1把持部及び第2把持部の少なくとも一方の把持部を移動させて両把持部の間の部分を、前記レピアの進退経路と交差する給糸位置に配置し、該給糸位置に到達した前記レピアに設けた第3把持部で前記よこ糸を挟み込み、前記よこ糸の扁平状態を保持しながら、たて糸開口内に挿入することを特徴とする。
【0018】
本発明の扁平糸織物の製造方法によれば、よこ糸の糸端とその上流の2箇所を一対の回転自在な回転盤からなる第1把持部及び第2把持部でそれぞれ挟み込んで保持し、第1把持部及び第2把持部の少なくとも一方の把持部を移動させて両把持部の間の部分を、レピアの進退経路と交差する給糸位置に配置するようにしたので、扁平糸からなるよこ糸を扁平状態のまま挟み込むことできると共に、少なくとも一方の把持部を移動させて両把持部の間の部分を、レピアの進退経路と交差する給糸位置に配置する際に、回転自在な回転盤が回転して扁平糸からなるよこ糸が捩れることが防止される。したがって、レピアに設けた第3把持部でよこ糸を挟んで、たて糸開口内に挿入する際のよこ糸の扁平状態が良好に保持され、扁平状態のままたて糸に挿入されるので、カバーファクターの高い扁平糸織物を得ることができる。
【0019】
本発明の扁平糸織物の製造方法において、前記レピアに設けた第3把持部は、固定板と挟み板とを有し、固定板に対して挟み板を開いた状態で、よこ糸を固定板と挟み板間に一旦通過させ、レピアが戻る際に、固定板に対して挟み板を閉じて、固定板と挟み板間によこ糸を挟み込むことが好ましい。これによれば、第1把持部及び第2把持部で扁平状に保持されたよこ糸は、レピアに設けた第3把持部の固定板及び挟み板に擦られることなくその間を一旦通過して、レピアが戻る際に第3把持部の固定板及び挟み板の間に扁平状態のまま把持されるので、扁平状が潰されるようなことがなく、たて糸開口内に挿入する際のよこ糸の扁平状態を更に良好に保持することができる。
【0020】
なお、従来のレピアへの給糸方法によれば、よこ糸をレピア尖端に設けた引っ掛け爪の外表面に沿って接触させながら移動させ、引っ掛け爪の内側に落とし込み、レピアを反転させることによって、よこ糸を爪と押え具からなる楔形状の隙間に食い込ませて、把持させるようにしていた。しかし、上記従来の給糸方法では、よこ糸がレピアの尖端及び引っ掛け爪などに接触しながら給糸されることになり、扁平状態が乱れたり、糸幅が収束するという問題があった。また、よこ糸の把持においても、引っ掛け部に形成された楔型の隙間によこ糸を押し込んで把持する機構であるから、扁平糸などは引っ掛け部で簡単に収束して扁平状態が潰されるという問題があった。更に、よこ糸は挿入後に楔型の隙間が開いてよこ糸の把持は開放されるが、よこ糸端は引っ掛け部の爪に擦られながら開放されるため、糸端の糸幅は更に収束されるという問題があった。
【0021】
また、本発明の扁平糸織物の製造方法においては、前記レピアの第3把持部の挟み板の開閉動作を、織機回転と同期する回転カムに連動させて行わせることが好ましい。これによれば、前記レピアの第3把持部の挟み板の開閉動作を、ほとんど衝撃なく静かに行わせることができ、レピアの寿命を長期化させることができる。
【0022】
なお、従来のレピアにおいては、作動レバーがレピアの往復動に従って織機に固定されたカムの作用面を摺動しながら作動するようにしていたので、レピアに設けた作動レバーがカムから瞬時に離れ、挟み板が閉じることになるので衝撃が激しく、その騒音だけでなく、レピアの破壊に繋がるという問題があった。
【0023】
更に、本発明の扁平糸織物の製造方法においては、前記よこ糸が炭素繊維からなる扁平糸であることが好ましい。これによれば、繊維強化複合材料として優れた特性を発揮する扁平糸織物を提供することができる。
【0024】
一方、本発明の扁平糸織物の製造装置は、扁平糸からなるよこ糸の糸端とその上流の2箇所をそれぞれ把持する第1把持部及び第2把持部と、ヘルドによって広げられたたて糸の開口内に進退動作し、前記第1把持部及び第2把持部の間に保持されたよこ糸を把持してたて糸の開口内に挿入する第3把持部が設けられたレピアとを備えた扁平糸織物の製造装置において、前記第1把持部及び前記第2把持部が、開閉可能な一対の回転自在な回転盤からなることを特徴とする。
【0025】
本発明の扁平糸織物の製造装置によれば、扁平糸からなるよこ糸の糸端とその上流の2箇所を第1把持部及び第2把持部でそれぞれ把持することにより、扁平糸からなるよこ糸を扁平状態のまま挟み込むことできると共に、少なくとも一方の把持部を移動させて両把持部の間の部分を、レピアの進退経路と交差する給糸位置に配置する際に、回転自在な回転盤が回転して扁平糸からなるよこ糸が捩れることが防止される。したがって、レピアに設けた第3把持部でよこ糸を挟んで、たて糸開口内に挿入する際のよこ糸の扁平状態が良好に保持され、扁平状態のままたて糸に挿入されるので、カバーファクターの高い扁平糸織物を得ることができる。
【0026】
本発明の扁平糸織物の製造装置において、前記レピアに設けられた第3把持部は、固定板と該固定板に対して開閉可能な挟み板とを有し、固定板に対して挟み板を開いた状態で、よこ糸を固定板と挟み板間に一旦通過させ、レピアが戻る際に、固定板に対して挟み板を閉じて、固定板と挟み板間によこ糸を挟み込むように構成されていることが好ましい。これによれば、第1把持部及び第2把持部で保持された扁平糸からなるよこ糸を、レピアに設けた第3把持部で扁平状態のまま把持することができるので、たて糸開口内に挿入する際のよこ糸の扁平状態を更に良好に保持することができる。
【0027】
また、前記レピアの第3把持部の挟み板の開閉機構は、織機回転と同期する回転カムに連動する機構であることが好ましい。これによれば、前述したように、レピアの第3把持部の挟み板の開閉動作を、ほとんど衝撃なく静かに行わせることができ、レピアの寿命を長期化させることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、扁平糸からなるよこ糸の糸端とその上流の2箇所を、一対の回転自在な回転盤からなる第1把持部及び第2把持部でそれぞれ挟み込んで保持することにより、扁平糸からなるよこ糸を扁平状態のまま挟み込むことできると共に、少なくとも一方の把持部を移動させて両把持部の間の部分を、レピアの進退経路と交差する給糸位置に配置する際に、回転自在な回転盤が回転して扁平糸からなるよこ糸が捩れることが防止され、レピアに設けた第3把持部でよこ糸を挟んで、たて糸開口内に扁平状態のまま挿入されるので、カバーファクターの高い扁平糸織物を得ることができる。したがって、よこ糸の扁平状態を潰すことなくよこ糸を挿入させることができ、繊度の大きい炭素繊維扁平糸を用いて非常に薄くて繊維分散が均一な補強用織物を安定して得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明に用いる糸種としては、例えばガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などの補強用繊維が挙げられるが、なかでも比強度・比弾性率の高い炭素繊維が好ましい。
【0030】
本発明においては、少なくともよこ糸は、単繊維が扁平状に集合した扁平糸であり、たて糸も扁平糸であることが好ましい。織糸に扁平糸を用いることにより、製造コストが安価である繊度の大きい織糸で薄くて織物内で均一に繊維分散した織物を得ることができ、補強用織物として有用かつ安価な基材を提供することができる。
【0031】
織糸が炭素繊維の場合、単繊維が6000本以上の繊度の大きい糸を用いることにより前記効果がより一層発揮される。しかし、単繊維本数があまりにも多い炭素繊維糸で薄い織物を得ようとすると扁平糸の糸幅が非常に大きくなり、製織が困難となる問題があり、好ましい範囲としては6000〜48000本である。また、扁平糸の糸幅としては、用いる繊度に関係するが、5〜15mm幅であることが好ましい。
【0032】
また、炭素繊維の断面形状を扁平状に保持する方法としては、硬化剤を含まないエポキシ系の樹脂を主成分とするサイジング剤を0.5〜2重量%付着させることが好ましい。形態保持の点からはサイジング剤を沢山付着させる方が好ましいが、沢山付着させると製織中に脱落し、ガイド類にサイジング剤が付着するなど工程通過性に悪影響を及ぼすことから、付着量は前記0.5〜2%が好ましい範囲である。
【0033】
なお、本発明において、扁平糸織物の織り方は、特に限定されず、例えば平織り、綾織り、朱子織りなどを採用できるが、特に平織りが好ましい。
【0034】
次に、図面を参照して、本発明の扁平糸織物の製造装置の一実施形態を説明する。
【0035】
図1に示すように、この扁平糸織物の製造装置10は、図示しないクリール台に設置された複数のたて糸ボビン11を有し、各たて糸ボビン11からたて糸12が引き出されるようになっている。たて糸12は、特に限定されないが、扁平糸であることが好ましい。
【0036】
たて糸12の走行方向のたて糸ボビン11より下流側には、まず後ろ筬(ウシロオサ)13が配置されている。更にその下流側には、複数のテンションロール14が配置され、走行するたて糸12に適度なテンションを付与している。
【0037】
更にその下流側には、ミドルバー15を介して、第1ヘルドフレーム16と第2ヘルドフレーム17とが配置されている。各ヘルドフレーム16,17は、たて糸12を通すヘルド18を有し、第1ヘルドフレーム16のヘルド18と、第2ヘルドフレーム17のヘルド18とは、幅方向に半ピッチずつずれて配列されており、並列したたて糸12が、第1ヘルドフレーム16のヘルド18と、第2ヘルドフレーム17のヘルド18とに、交互に挿入されるようになっている。
【0038】
第1ヘルドフレーム16及び第2ヘルドフレーム17は、ヘルドフレーム駆動機構19に、ワイヤ20を介して、それぞれ連結されている。ワイヤ20は、プーリ21を介してヘルドフレーム駆動機構19の駆動部に連結され、ヘルドフレーム駆動機構19の作動によって、第1ヘルドフレーム16と第2ヘルドフレーム17とが、所定のタイミングで、それぞれ互いに反対方向に上下動するようになっている。すなわち、第1ヘルドフレーム16が上昇するとき、第2ヘルドフレーム17は下降し、第1ヘルドフレーム16が下降するとき、第2ヘルドフレーム17は上昇する。その結果、各ヘルドフレーム16,17のヘルド18に通されたたて糸12は、並列方向に沿って交互に上下に開き、たて糸12間にたて糸開口22が形成されるようになっている。
【0039】
第2ヘルドフレーム17の更に下流側には、前筬(マエオサ)23が配置されており、前筬23は、図示しない駆動機構により前後移動し、たて糸開口22に挿入されたよこ糸27を筬打により前方(製造される扁平糸織物の方向)に詰め寄せるようになっている。
【0040】
前筬23の下流側には、よこ糸27をたて糸開口22に挿入するためのレピア24が、たて糸12の走行方向に対して交差するように、進退可能に配置されている。このレピア24の構造については、後に更に詳しく説明することにする。また、レピア24の下流側には、挿入されたよこ糸27を切断するためのカッター25が配置されている。
【0041】
次に、よこ糸27の走行経路に沿って説明すると、よこ糸27は、よこ糸ボビン26から引き出され、第1ガイドローラ群28を経て、フィードローラ29に導入されるようになっている。フィードローラ29は、駆動ローラ30とニップローラ31とからなり、よこ糸27を走行方向に所定速度で送り出すようになっている。
【0042】
フィードローラ29の下流側には、プーリングパイプ32が配置され、プーリングパイプ32内は、ブロア33によって吸引されており、よこ糸27をプーリングパイプ32内に引き込んで、よこ糸27に適度なテンションを付与し、よこ糸挿入に必要な糸長を貯留する。
【0043】
プーリングパイプ32の下流側には、第2ローラ群34を介して、第2把持部35と、第1把持部36とが順次配置されている。第1把持部36は、よこ糸27の糸端を開閉可能に把持し、第2把持部35は、その上流側を開閉可能に把持するようになっており、第1把持部36と第2把持部35とで保持された間の部分が、後述する給糸位置72に配置されるようになっている。
【0044】
次に、図2,3を併せて参照して、第2把持部35の支持開閉構造について説明する。前筬23には、その一側方にガイド棒37が延出されており、このガイド棒37にスライドブロック38が摺動可能に装着されている。一方、装置フレーム39には、連結アーム40が取付けられ、この連結アーム40にリンク41の基端が枢着されている。また、リンク41の先端は、上記スライドブロック38に枢着され、図2(b)に示すように、前筬23が前後に移動する際、スライドブロック38がリンク41によって定められる回転半径で、ガイド棒37に沿って摺動しながら前後移動するようになっている。なお、リンク41の連結アーム40への枢着部近傍に、前記第1把持部36が配置されており、上記スライドブロック38に後述する態様で装着された第2把持部35は、第1把持部36に対する距離をほぼ一定に保った状態で、前筬23の前後移動に伴って前後移動するようになっている。
【0045】
スライドブロック38の下部には、連結板42が取付けられ、連結板42の下面には、一対の支軸43が平行に延出されている。この支軸43の外周にはスプリング44が装着されており、支軸43の下端部は、スライド板45を貫通して、固定板46に連結されている。したがって、スライド板45は、スプリング44により、固定板46に向けて常時下方に付勢されている。
【0046】
連結板42には、スライドブロック38を貫通して挿入されたガイド管47が取付けられており、このガイド管47内にはワイヤ48が挿入されている。ワイヤ48の先端は、連結板42を貫通してスライド板45に連結されている。ワイヤ48の基端は、図示しない駆動機構に連結されており、該駆動機構によりワイヤ48を引張ることにより、スライド板45がスプリング44の付勢力に抗して上昇し、図3の矢印で示すように、上下動するように構成されている。
【0047】
スライド板49及び固定板46には、それぞれ支軸49を介して回転盤50が装着されており、スライド板49の上下動によって、上下一対の回転盤50が開閉動作するようになっている。回転盤50は、好ましくは円盤からなり、図示を省略したが、スラストベアリング等を介して、比較的軽い力でフリー回転するようになっている。
【0048】
なお、第1把持部36は、リンク41の連結アーム40への枢着部近傍に固定配置されており、上記第2把持部35と同様な駆動機構により、上下に開閉動作する一対の回転盤50を有している。
【0049】
次に、図4,5を参照して、レピア24の構造について説明する。レピア24は、長尺な形状の本体フレーム51を有し、この本体フレーム51は、前筬23よりも下流側で、たて糸開口22が形成される部分に、図示しない駆動機構によって、たて糸12の走行方向に対してほぼ直交する方向に進退動作するように装着されている。本体フレーム51の先端部には、固定板52が取付けられており、固定板52の先端部分52aは、外方に僅かに湾曲して、レピア24が前進するとき、よこ糸27を固定板52の内側に導入できるようになっている。
【0050】
本体フレーム51の先端部の内側には、上記固定板52に対向して、回転支軸53によって支持された挟み板54が配置されている。そして、固定板52と挟み板54とによって、本発明における第3把持部55が構成されている。挟み板54は、回転支軸53の回動により、図4(c)の実線及び想像線で示すように回動動作し、固定板52との間でよこ糸27を挟み込むようになっている。挟み板54の押え面54aは、滑らかな曲面状をなし、固定板52に当接した状態で、その周囲に僅かな隙間56が形成されるようになっており、後述するよこ糸27のたて糸開口22への挿入操作の際、よこ糸27がこの隙間56を通して固定板52と挟み板54との間に扁平状態のまま挟み込まれるようになっている。
【0051】
挟み板54を支持する回転支軸53は、本体フレーム51の基端部に内蔵されたバネ57によって、挟み板54の押え面54aを、固定板52に向けて常時押付けるように、回動付勢されている。
【0052】
また、図5に示すように、回動支軸53の基端部にはレバー58が取付けられている。このレバー58に関連して、装置フレームには、基端部を支点60で回動可能に支持された回動アーム59が設置されており、この回動アーム59の先端部に、上記レバー58に接離するプッシャ板61が取付けられている。回動アーム59の中間部には、連結軸62を介して支軸63の基端が枢着されている。そして、支軸63と装置フレーム64との間に引張りコイルバネ65が介装され、引張りコイルバネ65は、支軸63並びに回動アーム59を常時上方(レバー58から離れる方向)に付勢している。
【0053】
更に、支軸63の先端部(下端部)には、枠体66が連設されており、この枠体66には上下に伸びる長孔66aが形成されている。そして、この長孔66aに、図示しない織機回転機構と同期回転する回転軸68が挿通されており、この回転軸68に回転カム69が装着されている。回転カム69は、ほぼ円板形状をなすと共に、その外周の一箇所に突部70が形成されている。また、枠体66には、この回転カム69の外周に当接するカムフォロア67が取付けられている。
【0054】
したがって、図示しない織機回転機構と同期して回転軸68及び回転カム69が回転すると、回転カム69が一周する毎に、回転カム69の突部70がカムフォロア67を下方に押し下げ、引張りコイルバネ65の付勢力に抗して、枠体66、支軸63及び回動アーム59が下方に押し下げられる。その結果、回動アーム59の先端に装着されたプッシャ板61がレバー58を押し、回転支軸53をバネ57(図4(a)参照)の付勢力に抗して回動させ、図4(c)に示すように、固定板52に対して挟み板54を開かせるようになっている。この固定板52に対する挟み板54の開閉動作は、後述するレピア24の進退動作に同期してなされるようになっている。
【0055】
次に、上記扁平糸織物の製造装置10を用いた、本発明による扁平糸織物の製造方法の一実施形態を、図6〜13を参照して説明する。
【0056】
図6は、レピア24によって、よこ糸27をたて糸開口22に挿入し、前筬23を前方に移動させて、挿入したよこ糸27を前方に詰め寄せた状態を示している。このとき、同図(b)に示すように、第1把持部36及び第2把持部35は、よこ糸27のライン上に並び、それぞれの回転盤50は開いた状態になっており、よこ糸27は回転盤50の間を通過している。また、第1把持部36に隣接して、カッター25が配置されている。なお、たて糸12は、巻き取りロール71に巻き取られるようになっている。
【0057】
上記の状態で、図7に示すように、第1把持部36及び第2把持部35の各回転盤50が閉じると共に、カッター25がよこ糸27を第1把持部36の側方でカットする。その結果、第1把持部36はよこ糸27の糸端を保持し、第2把持部35はその上流側を保持した状態となる。扁平糸からなるよこ糸27は、その扁平面を上下方向に向けて配置されており、各把持部36,35の回転盤50は、よこ糸27を扁平状態のまま上下方向から把持することになる。
【0058】
次に、図8に示すように、前筬23が後方に移動すると共に、第2把持部35も後方に移動して、よこ糸27の第1把持部36と第2把持部35とで保持された部分が、斜めになってレピア24に対する給糸位置72に配置される。このとき、図2(b)で示したように、スライドブロック38がリンク41によって定められる回転半径で、ガイド棒37に沿って摺動しながら前後移動することにより、第2把持部35は、第1把持部36に対する距離をほぼ一定に保った状態で、前筬23の前後移動に伴って前後移動する。その結果、よこ糸27の第1把持部36と第2把持部35とで保持された部分が引っ張られたり、たるんだりすることが防止できる。
【0059】
また、上記第2把持部35の移動の際に、よこ糸27は、第1把持部36及び第2把持部36の把持部において、平面方向に沿った回転ねじり力を受けることになるが、両把持部36,35が、回転盤50によってよこ糸27を把持しているので、回転盤50の回転により、よこ糸27が捩れて細くなってしまうことが防止される。このことは、例えば扁平糸の代わりに紙テープで考えてみると容易に理解できる。すなわち紙テープの両端を指先で強く把持し、どちらか一方を紙テープ面と平行な方向に回転移動させると紙テープは波打ちながら捩れて細くなってしまうが、指先での把持力を和らげて行うと紙テープは指先との接点で回転し、紙テープが捩れたりするようなことなく回転させることができる。
【0060】
次いで、図9に示すように、レピア24が前進し、たて糸開口部22に挿入される。このとき、図5に示した回転カム69の突部70がカムフォロア67を押し下げ、プッシャ板61がレバー58を押すため、回転支軸53が回動して、図4(c)に示すように、挟み板54が固定板52から離れて両者の間に隙間が形成される。その結果、図9(b)に示すように、よこ糸27は、固定板52の外方に湾曲した先端部分52aに案内されて、挟み板54と固定板52との間を通過する。
【0061】
次いで、図10に示すように、レピア24が後退し始める。このとき、図5に示した回転カム69の突部70がカムフォロア67を通り越し、プッシャ板61がレバー58から離れるので、図4(a)に示すバネ57の付勢力により、挟み板54が同図(c)の想像線で示すように、固定板52に圧接される。その結果、給糸位置72に配置されたよこ糸27は、挟み板54と固定板52との隙間56を通して、両者の間に挟み込まれる。この挟み込みは、挟み板54と固定板52との面間でバネ57の付勢力により弾性的になされるので、よこ糸27を扁平状態のまま保持させることができる。こうして、レピア24の第3把持部55がよこ糸27を把持する。
【0062】
次いで、図11に示すように、第1把持部36及び第2把持部35の回転盤50がそれぞれ開き、レピア24がよこ糸27を引張りながら後退し、レピア24の第3把持部55に把持されたよこ糸27が、たて糸開口22に挿入される。そして、前筬23が再び前進して、挿入されたよこ糸27を筬打することにより、図6に示す状態に戻る。
【0063】
上記操作を繰り返すことにより、たて糸12をヘルドフレーム16,17の上下移動に伴って、隣接するもの同士で交互に上下に開き、その都度形成されるたて糸開口22によこ糸27を挿入して、図12に示すように、扁平糸織物73を形成することができる。こうして形成された扁平糸織物73は、巻き取りロール71に巻き取られる。
【0064】
図13は、こうして形成された扁平糸織物73の外観図を示しており、この実施形態の場合は、たて糸12とよこ糸27とが平織りされて構成されている。そして、たて糸12とよこ糸27との間には、隙間74が形成されることがあるが、本発明によれば、よこ糸27が、レピア24の第3把持部55で把持された端部に至るまで、扁平状態のまま挿入されるので、上記隙間74をできるだけ小さくして、カバーファクターを向上させることができる。なお、本発明において、カバーファクターは、下記測定方法により求めることができる。
【0065】
すなわち、織物から幅20cm×長さ25cmのサンプル3枚を織物幅方向においてほぼ均等な位置から採取し、そのサンプルをコピー機で200%に拡大させて、たて糸およびよこ糸15本分の間隔から平均糸間隔(Lwarp、Lweft)とそれぞれの糸幅を小数点第一位までノギスで測定した平均糸幅(Wwarp、Wweft)を求め、これらの値から以下の計算式で求めることができる。
【0066】
【数1】

【実施例】
【0067】
本発明の効果を明らかにするため、第1把持部及び第2把持部が、よこ糸を単にクランプする機構からなり、レピアの第3把持部がよこ糸をフックによって引き掛けるタイプの従来装置を用いて製造した扁平糸織物と、上記実施形態に示される本発明の装置を用いて製造した扁平糸織物について、前記測定方法に従ってカバーファクターを求めた。この結果を下記表1に示す。
【0068】
【表1】

【0069】
表1から明らかなように、従来装置による織物のカバーファクターは織物幅方向において給糸側部から中央部にかけては本発明による織物と大差ないが、よこ糸給糸側と反対側のカバーファクターが非常に低いという問題がある。一方、本発明による織物のカバーファクターは織物幅方向において均一である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明による扁平糸織物の製造装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】同製造装置における第2把持部を示し、(a)は概略斜視図、(b)はその移動機構を示す説明図である。
【図3】同製造装置における第2把持部の駆動機構を示す説明図である。
【図4】同製造装置におけるレピアを示し、(a)は全体説明図、(b)は先端部の拡大説明図、(c)は(b)のC−C矢示線に沿った断面図である。
【図5】同レピアの第3把持部の開閉駆動機構を示す斜視説明図である。
【図6】同製造装置を用い、レピアによって、よこ糸をたて糸開口に挿入し、前筬を前方に移動させて、挿入したよこ糸を筬打した状態を示し、(a)は全体説明図、(b)は要部説明図である。
【図7】図6の状態から第1把持部及び第2把持部により、よこ糸を保持した状態を示し、(a)は全体説明図、(b)は要部説明図である。
【図8】図7の状態から第2把持部を移動させて、よこ糸を給糸位置に配置した状態を示し、(a)は全体説明図、(b)は要部説明図である。
【図9】図8の状態からレピアを前進させて、たて糸開口に挿入した状態を示し、(a)は全体説明図、(b)は要部説明図である。
【図10】図9の状態から、レピアを更に前進させた後、後退させて、よこ糸を保持する状態を示し、(a)は全体説明図、(b)は要部説明図である。
【図11】図10の状態から、レピアを後退させて、よこ糸をたて糸開口に挿入した状態を示す全体説明図である。
【図12】図6〜図11の操作を繰り返すことにより、扁平糸織物を製造した状態を示す全体説明図である。
【図13】製造された扁平糸織物の外観を示し、(a)は全体図、(b)は部分拡大図である。
【符号の説明】
【0071】
10 扁平糸織物の製造装置
11 たて糸ボビン
12 たて糸
13 後ろ筬
14 テンションロール
15 ミドルバー
16 第1ヘルドフレーム
17 第2ヘルドフレーム
18 ヘルド
19 ヘルドフレーム駆動機構
20 ワイヤ
21 プーリ
22 たて糸開口
23 前筬
24 レピア
25 カッター
26 よこ糸ボビン
27 よこ糸
28 第1ガイドローラ群
29 フィードローラ
30 駆動ローラ
31 ニップローラ
32 プーリングパイプ
33 ブロア
34 第2ガイドローラ群
35 第2把持部
36 第1把持部
37 ガイド棒
38 スライドブロック
39 装置フレーム
40 連結アーム
41 リンク
42 連結板
43 支軸
44 スプリング
45 スライド板
46 固定板
47 ガイド管
48 ワイヤ
49 支軸
50 回転盤
51 本体フレーム
52 固定板
53 回転支軸
54 挟み板
54a 押え面
55 第3把持部
56 隙間
57 バネ
58 レバー
59 回転アーム
60 支点
61 プッシャ板
62 連結軸
63 支軸
64 装置フレーム
65 引張りコイルバネ
66 枠体
67 カムフォロア
68 回転軸
69 回転カム
70 突部
71 巻き取りロール
72 給糸装置
73 扁平糸織物
74 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルドによって広げられたたて糸の開口内に、扁平糸からなるよこ糸をレピアによって挿入して織物を製造する扁平糸織物の製造方法において、前記よこ糸の糸端とその上流の2箇所を一対の回転自在な回転盤からなる第1把持部及び第2把持部でそれぞれ挟み込んで保持し、第1把持部及び第2把持部の少なくとも一方の把持部を移動させて両把持部の間の部分を、前記レピアの進退経路と交差する給糸位置に配置し、該給糸位置に到達した前記レピアに設けた第3把持部で前記よこ糸を挟み込み、前記よこ糸の扁平状態を保持しながら、たて糸開口内に挿入することを特徴とする扁平糸織物の製造方法。
【請求項2】
前記レピアに設けた第3把持部は、固定板と挟み板とを有し、固定板に対して挟み板を開いた状態で、よこ糸を固定板と挟み板間に一旦通過させ、レピアが戻る際に、固定板に対して挟み板を閉じて、固定板と挟み板間によこ糸を挟み込むことを特徴とする請求項1記載の扁平糸織物の製造方法。
【請求項3】
前記レピアの第3把持部の挟み板の開閉動作を、織機回転と同期する回転カムに連動させて行わせることを特徴とする請求項1又は2記載の扁平糸織物の製造方法。
【請求項4】
前記よこ糸が炭素繊維からなる扁平糸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の扁平糸織物の製造方法。
【請求項5】
扁平糸からなるよこ糸の糸端とその上流の2箇所をそれぞれ把持する第1把持部及び第2把持部と、ヘルドによって広げられたたて糸の開口内に進退動作し、前記第1把持部及び第2把持部の間に保持されたよこ糸を把持してたて糸の開口内に挿入する第3把持部が設けられたレピアとを備えた扁平糸織物の製造装置において、前記第1把持部及び前記第2把持部が、開閉可能な一対の回転自在な回転盤からなることを特徴とする扁平糸織物の製造装置。
【請求項6】
前記レピアに設けられた第3把持部は、固定板と該固定板に対して開閉可能な挟み板とを有し、固定板に対して挟み板を開いた状態で、よこ糸を固定板と挟み板間に一旦通過させ、レピアが戻る際に、固定板に対して挟み板を閉じて、固定板と挟み板間によこ糸を挟み込むように構成されていることを特徴とする請求項5記載の扁平糸織物の製造装置。
【請求項7】
前記レピアの第3把持部の挟み板の開閉機構は、織機回転と同期する回転カムに連動する機構であることを特徴とする請求項6記載の扁平糸織物の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−263799(P2009−263799A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110863(P2008−110863)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(000105899)サカイ・コンポジット株式会社 (11)
【Fターム(参考)】