説明

扉の防音構造及び防音構造を有する扉ユニット

【課題】防音機能と換気機能との両立を好適に実現することができる扉の防音構造及び当該防音構造を有する扉ユニットを提供すること。
【解決手段】住宅には屋内において空間を仕切るための間仕切壁10が設けられている。間仕切壁10は、居室11と、廊下12とを仕切るようにして設けられている。間仕切壁10には居室11と廊下12との間を出入するための出入口13が形成されており、当該出入口13に対して扉ユニット20が設置されている。扉ユニット20は、扉本体21と、矩形枠状の枠ユニット22とからなる。この場合、枠ユニット22の下枠材26には収納溝51が形成されており、当該収納溝51に対して遮音板52が設けられている。そして、扉本体21の閉鎖状態において遮音板52が突出位置に移動することで、両者の間に空気通路61が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉の防音構造及び防音構造を有する扉ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、住宅などの建物においては、室内外を音響的に遮断したいという要求があり、この要求に対しては部屋の壁、床、窓等を気密構造にすると共に、出入口にも防音扉を用いるのが一般的である。しかし、防音の目的で部屋を気密にする場合には室内の換気を考慮する必要が生じ、そのため、防音性と換気性を併せ持つ各種防音扉の構造が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、一方の空間に対面する第1扉表面及び他方の空間に対面する第2扉表面のそれぞれにて開口され上記各空間を連通させる換気孔が扉本体に形成された構成が示されている。この場合、換気孔にて換気を可能としているとともに、当該換気孔の形状等は防音機能を果たすように形成されている。また、当該特許文献1には、扉本体の閉鎖に伴って、扉本体と床面との間の隙間を閉塞する遮音手段が扉本体に設けられた構成が示されている。
【特許文献1】特開2005−207107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように扉本体に換気孔を形成する構成においては、扉表面に開口が形成されることとなり、外観上好ましくない。また、扉本体に遮音手段が設けられた構成においては、扉本体の閉鎖時において遮音手段と床面とが確実に密接状態となる必要があり、扉本体の組み付け時においては、この密接状態を確保するための建て付け調整を正確に行う必要が生じてしまう。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、防音機能と換気機能との両立を好適に実現することができる扉の防音構造及び当該防音構造を有する扉ユニットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。なお以下では、理解を容易にするため、発明の実施の形態において対応する構成例を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0007】
手段1.空間を仕切る壁体(間仕切壁10等)に設けられた建物開口部(扉用開口27等)と、
当該建物開口部の下縁を規定する床材(下枠材26等)と、
前記建物開口部を開閉するとともに、閉鎖時において自身の下端面と前記床材の床面との間に隙間(隙間46等)が形成されるように設けられた扉本体(扉本体21等)と、
前記床材に設けられ、前記壁体によって仕切られた空間相互の空気の流通を可能とする空気通路(空気通路61等)が前記隙間を用いて閉鎖状態の前記扉本体との間に形成されるように、前記床材の床面から前記扉本体の下端面よりも上方に突出する遮音部材(遮音板52等)と、
を備え、
前記空気通路は、前記隙間を通じた前記壁体の厚み方向の空気の流れが前記遮音部材により遮蔽され、その遮蔽された位置では前記遮音部材と前記扉本体との間の空間により前記遮音部材を迂回するように構成されていることを特徴とする扉の防音構造。
【0008】
手段1によれば、閉鎖状態の扉本体と遮音部材との間に空気通路が形成されることにより、両空間の通気性が確保され、扉本体の閉鎖状態であっても換気を行うことができる。また、当該空気通路は、遮音部材の位置にて壁体の厚み方向の空気の流れが遮蔽され、その遮蔽された位置では遮音部材を迂回するように構成されているため、空気通路を伝搬する音は遮音部材にて反射する又は遮音部材を回り込むようにして回折することとなり、この反射や回折において減衰される。よって、上記のように扉本体の閉鎖状態であっても換気を行うことができるようにした構成において防音性が高められる。
【0009】
特に、本構成では、扉本体と床材との間の隙間及び扉本体と遮音部材との間の空間を用いて空気通路が形成されるため、扉本体に対してその厚み方向に貫通する換気孔を形成しなくとも上記優れた効果を得ることができる。また、遮音部材は扉本体から突出するのではなく、床材から突出するものであり、さらに当該遮音部材は扉本体に対して密接状とする必要がないため、扉本体の建て付け調整の作業性を良好なものとしつつ、上記優れた効果を得ることができる。
【0010】
手段2.前記床材は、前記扉本体が開放された場合に前記遮音部材を収納するための収納部(収納溝51等)を備えており、
前記遮音部材は、閉鎖状態の前記扉本体との間に前記空気通路が形成されるように突出する第1位置と、前記収納部に収納される第2位置とに移動可能に設けられており、
前記第2位置では、前記遮音部材の上縁が前記床材の床面と同じ高さ位置又はそれよりも下方の位置にあることを特徴とする手段1に記載の扉の防音構造。
【0011】
手段2によれば、扉本体が開放された場合に遮音部材が収納部に収納されることで、遮音部材が床材から上方に突出していない状態となる。これにより、上記優れた効果を奏しつつ、建物開口部を人が通過する場合には遮音部材が邪魔にならないようにすることができる。
【0012】
特に、バリアフリー構造を実現すべく、前記床材の床面を壁体により仕切られる両空間の床面と面一となるようにした構成において本手段2を適用することで、バリアフリー構造を確保しつつ、上記優れた効果を得ることができる。
【0013】
手段3.前記遮音部材は、前記扉本体との間に前記空気通路が形成されている状態において上縁が前記扉本体の下端面よりも上方に位置するとともに、当該扉本体に対して前記壁体の厚み方向に対峙するように設けられており、
前記遮音部材における前記扉本体と対峙する箇所又は前記扉本体における前記遮音部材と対峙する箇所の少なくとも一方は、吸音機能を有していることを特徴とする手段1又は2に記載の扉の防音構造。
【0014】
手段3によれば、空気通路を伝搬する音を遮音部材又は扉本体にて吸音することが可能となり、防音性が高められる。
【0015】
手段4.前記遮音部材において少なくとも前記扉本体と対峙する箇所は、可視光線の反射率が低い材料により形成されていることを特徴とする手段3に記載の扉の防音構造。
【0016】
手段4によれば、壁体により仕切られる両空間のうち一方の空間から他方の空間へ、空気通路を介して光が差し込むことを阻止することが可能となる。つまり、遮音部材は、換気性及び防音性の両立を実現する機能だけでなく、遮光性を付与する機能をも有することとなり、遮音部材の多機能化が図られる。
【0017】
手段5.前記遮音部材は、光により前記扉本体の位置を明示するための扉位置明示手段(発光装置53)を有していることを特徴とする手段1乃至4のいずれか1に記載の扉の防音構造。
【0018】
手段5によれば、遮音部材にて扉位置を明示する機能が果たされることとなり、遮音部材の多機能化が図られる。
【0019】
手段6.前記遮音部材は、前記壁体によって仕切られた両空間のうち、閉鎖状態の前記扉本体よりも一方の空間側に設けられていることを特徴とする手段1乃至5のいずれか1に記載の扉の防音構造。
【0020】
手段6によれば、遮音部材は壁体によって仕切られた両空間のうち扉本体よりも一方の空間側に位置しているため、遮音部材と扉本体との位置合わせが精度良く行われなかったとしても空気通路を形成することが可能となる。例えば、扉本体の下端面において上方へ凹むようにして形成された凹部内に遮音部材が入り込む構成においては、凹部に遮音部材が接するとその位置にて空気通路が閉塞されてしまうため、上記位置合わせを精度良く行う必要が生じる。そうすると、扉本体の建て付け調整の作業性が低下してしまうおそれがある。これに対して、手段6の構成では、遮音部材に対して扉表面が離間されるように扉本体を設置することで空気通路を形成することができるため、扉本体の建て付け調整の作業性を良好なものとしつつ、上記優れた効果を得ることができる。
【0021】
手段7.手段6において、前記扉本体は前記建物開口部の開放に際して前記両空間のうち一方の空間側に回動されるものであり、
前記遮音部材は、前記両空間のうち前記扉本体の開放側とは逆の空間側に設けられていることを特徴とする手段6に記載の扉の防音構造。
【0022】
手段7によれば、扉本体の開放に際して遮音部材の干渉が発生しないようにすることができる。
【0023】
手段8.前記壁体によって仕切られた両空間のうち一方の室内空間に人が居ることを検知する在室検知手段(人体検知センサ66)と、
閉鎖状態の前記扉本体との間に前記空気通路が形成されるように突出した第1位置及び閉鎖状態の前記扉本体の下端面よりも下方に没した第2位置のそれぞれに前記遮音部材を移動させる駆動手段(駆動装置57)と、
前記扉本体の閉鎖状態であっても前記在室検知手段により人が居ることが検知されていない場合、前記遮音部材の位置が前記第2位置となるように前記駆動手段を制御する駆動制御手段(コントローラ67)と、
をさらに備えていることを特徴とする手段1乃至7のいずれか1に記載の扉の防音構造。
【0024】
手段8によれば、遮音部材が第1位置と第2位置との間で移動可能に設けられているため、閉鎖状態の扉本体との間での空気通路の形成を可能なものとしつつ、例えば扉本体の開放状態においては遮音部材を第2位置に移動させるようにすることで、建物開口部の人の通過に際して遮音部材が邪魔にならないようにすることが可能となる。
【0025】
また、壁体によって仕切られた両空間のうち換気及び防音の対象となっている室内空間に人が居ない場合には、遮音部材は第2位置にあり、空気通路において壁体の厚み方向の空気の流れが遮音部材にて遮蔽されないようになる。当該構成とすることにより、防音性を向上させる必要がない状況では換気効率を高めることが可能となる。
【0026】
手段9.前記扉本体は、前記建物開口部の開放に際して前記両空間のうち一方の空間側に縦軸回動されるように設けられているとともに、前記下端面から上方に凹み且つ下方に開放された凹部(凹部104)を備えており、
前記遮音部材は、閉鎖状態にある場合の前記扉本体の下方に配置されているとともに、閉鎖状態の前記扉本体との間に前記空気通路が形成されるように前記凹部内に突出する第1位置と、前記扉本体の下端面よりも下方に没した第2位置とに移動可能に設けられており、
さらに、前記遮音部材を前記第1位置及び前記第2位置のそれぞれに移動させる駆動手段(駆動装置103)と、
前記扉本体の開放に際して前記遮音部材の位置が前記第2位置となるように前記駆動手段を制御する駆動制御手段(コントローラ125)と、
を備えていることを特徴とする手段1乃至6のいずれか1に記載の扉の防音構造。
【0027】
手段9によれば、閉鎖状態にある場合の扉本体の下方に遮音部材が配置されているため、閉鎖状態の扉本体よりも一方の空間側に遮音部材が配置される構成に比べ、防音構造をコンパクトなものとすることが可能となる。また、当該構成であっても、遮音部材は第1位置において空気通路が形成されるように扉本体の凹部内に突出するため、上記手段1にて説明した効果を奏することができる。
【0028】
また、扉本体の開放に際して遮音部材の位置は第2位置となるため、扉本体の開放動作が遮音部材により阻害されないようにすることができる。その一方、遮音部材の位置が第1位置である場合、扉本体の開放動作が阻害されることとなるため、遮音部材を扉本体の施錠用の部材として兼用することが可能となる。この場合、遮音部材の多機能化が図られる。
【0029】
手段10.施解錠操作に基づいて、閉鎖状態の前記扉本体を施錠状態又は解錠状態のいずれかに切り換えるための施解錠切換手段(箱錠87)を備えており、
前記駆動制御手段は、前記施解状態では前記遮音部材の位置が前記第1位置となるように前記駆動手段を制御する施錠時制御手段(コントローラ125)を備えていることを特徴とする手段9に記載の扉の防音構造。
【0030】
手段10によれば、施錠状態では、遮音部材が第1位置に移動し、当該遮音部材にて換気性及び防音性の両立が実現されるだけでなく、扉本体を施錠する機能をも果たされる。これにより、遮音部材の多機能化が図られる。
【0031】
手段11.前記施錠時制御手段は、前記解錠状態であっても前記扉本体が閉鎖状態である場合には前記遮音部材の位置が前記第1位置となるように前記駆動手段を制御するものであり、
前記駆動制御手段は、前記扉本体の閉鎖状態であって前記解錠状態において前記扉本体の扉用ノブが操作された場合に、前記遮音部材の位置が前記第2位置となるように前記駆動手段を制御するノブ対応制御手段(コントローラ125においてステップS25の処理を実行する機能)をさらに備え、
当該ノブ対応制御手段は、前記施錠状態において前記扉用ノブが操作されたとしても前記遮音部材を前記第1位置から前記第2位置に移動させる制御を実行しないものであることを特徴とする手段10に記載の扉の防音構造。
【0032】
手段11によれば、解錠状態であっても扉本体の閉鎖状態においては遮音部材が第1位置にあり、換気性及び防音性の両立が図られる。また、当該構成であっても、解錠状態において扉用ノブが操作されることにより遮音部材が第2位置に移動するため、扉本体の開放に際して遮音部材が干渉してしまうことはなく、扉本体の開放操作を良好に行うことができる。さらには、施錠状態においては扉用ノブが操作されたとしても、遮音部材は第1位置に維持されるため、上記手段10にて説明した効果は確実に発揮される。
【0033】
手段12.前記施錠時制御手段は、前記解錠状態であっても前記扉本体が閉鎖状態である場合には前記遮音部材の位置が前記第1位置となるように前記駆動手段を制御するものであり、
前記駆動制御手段は、前記扉本体の閉鎖状態であって前記解錠状態において前記扉本体の周囲にて人が検知された場合に、前記遮音部材の位置が前記第2位置となるように前記駆動手段を制御する人感対応制御手段(コントローラ125においてステップS24の処理を実行する機能)をさらに備え、
当該人感対応制御手段は、前記施錠状態において前記扉本体の周囲にて人が検知されたとしても前記遮音部材を前記第1位置から前記第2位置に移動させる制御を実行しないものであることを特徴とする手段10又は11に記載の扉の防音構造。
【0034】
手段12によれば、解錠状態であっても扉本体の閉鎖状態においては遮音部材が第1位置にあり、換気性及び防音性の両立が図られる。また、当該構成であっても、解錠状態において扉本体の周囲にて人が検知された場合には遮音部材が第2位置に移動するため、扉本体の開放に際して遮音部材が干渉してしまうことはなく、扉本体の開放操作を良好に行うことができる。さらには、施錠状態においては扉本体の周囲にて人が検知されたとしても、遮音部材は第1位置に維持されるため、上記手段10にて説明した効果は確実に発揮される。
【0035】
手段13.手段1乃至12のいずれか1に記載の扉の防音構造を有し、
前記建物開口部を形成するとともに前記床材を下枠材として有する矩形枠状の枠ユニットに、前記扉本体が取り付けられてなることを特徴とする扉ユニット。
【0036】
手段13によれば、遮音部材が設けられた下枠に対して、縦枠材、上枠材及び扉本体の汎用品を組み合せることにより、上記手段1等における優れた効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は住宅の間仕切壁10に設けられた扉ユニット20の正面図、図2は図1のA―A線断面を説明するための説明図である。
【0038】
図1及び図2に示すように、住宅には屋内において空間を仕切るための間仕切壁10が設けられている。間仕切壁10は、図2に示すように、第1屋内空間としての居室(居住スペース)11と、第2屋内空間としての廊下(移動スペース)12とを仕切るようにして設けられている。間仕切壁10には居室11と廊下12との間を出入するための出入口13が形成されており、当該出入口13に対して扉ユニット20が設置されている。
【0039】
扉ユニット20は、図1に示すように、扉本体21と、矩形枠状の枠ユニット22とからなる。枠ユニット22は上枠材23、左右両側の縦枠材24,25及び下枠材26により構成されており、各枠材23〜26は間仕切壁10に形成された出入口13に沿って配置され、同出入口13の内周面にそれぞれ固定されている。当該構成の枠ユニット22により形成される扉用開口27内に扉本体21が設けられている。
【0040】
扉本体21の右側部及びそれに隣接する縦枠材25には、扉本体21を開閉自在に連結する2個のヒンジ31が上下に離間された位置にて取り付けられている。これにより、扉本体21は枠ユニット22に対して片開き可能に支持されている。ちなみに、扉本体21は、図2に示すように、閉鎖時において枠ユニット22に設けられた戸当り32により閉鎖位置に規定されるとともに、当該閉鎖位置から廊下12側に開放可能となっている。また、扉本体21には、図1に示すように、空錠33が設けられており、レバーハンドル34を回動させることにより扉本体21の左側面からラッチボルト35が出没するようになっている。扉本体21の閉鎖状態においては、ラッチボルト35は左側の縦枠材24に設けられたラッチボルト収容部36内に挿入され、扉本体21の自由な開閉が制限されるようになっている。なお、ラッチボルト35がラッチボルト収容部36内に挿入されている状態では、扉本体21が戸当り21に当接した状態が維持される。
【0041】
扉ユニット20は、所謂バリアフリー構造を実現すべく、出入口13において段差が生じないように設置されている。詳細には、図2に示すように、居室11及び廊下12の床は、ALC(軽量気泡コンクリート)41上に各種床下地材42,43が配置され、さらにその上に床仕上げ材44が配置されて構成されている。居室11及び廊下12の床面はそれぞれの床仕上げ材44の上面によって構成されており、居室11及び廊下12の床面は同一の高さ位置にある。当該構成において出入口13には床下地材42,43及び床仕上げ材44が設けられておらず、当該箇所には底面がALC41により規定された凹部45が形成されている。そして、当該凹部45内に下枠材26が収容されるようにして扉ユニット20が設置されており、下枠材26の上面は居室11及び廊下12の床面と面一となっている。これにより、出入口13においてバリアフリー構造が実現されている。
【0042】
なお、住宅の施工時には、床下地材42,43及び床仕上げ材44を設置する前の段階において、一体化された扉ユニット20がALC41上に設置される。これにより、上記構成の扉ユニット20の設置を一体的に行うことができ、扉ユニット20の設置作業を効率良く行うことができる。但し、これに限定されることはなく、例えば、下枠材26を他の枠材23〜25や扉本体21とは別に設置するようにしてもよく、この場合、床下地材42,43及び床仕上げ材44の設置工程後に、扉ユニット20の設置工程を行うようにしてもよい。
【0043】
次に、扉ユニット20の防音構造50について説明する。なお、以下の説明では図1及び図2だけでなく図3も参照する。図3(a),(b)は防音構造を説明するための説明図である。
【0044】
上記のようにバリアフリー構造が実現された構成においては下枠材26に、くつずり及び戸当りが不具備となるため、図2に示すように、下枠材26の上面と扉本体21の下端面との間に下辺全体に亘って隙間46が生じている。この隙間46の縦寸法は扉ユニット20によって異なるが、例えば1cm程度となっている。隙間46は居室11の換気面からは好ましいものであるが、居室11の防音面からは好ましくない。これに対して、本住宅では換気性を維持しながら防音性を高めるための防音構造50が設けられている。
【0045】
防音構造50は下枠材26に搭載されている。詳細には、図1に示すように、下枠材26は左右の縦枠材24,25における内側の側面間の寸法よりも大きな長さ寸法を有しており、図2に示すように、当該下枠材26には縦方向(鉛直方向)に凹ませて収納溝51が形成されている。収納溝51は枠ユニット22における扉用開口27の下辺の全体に亘って延びており、この収納溝51が形成された位置は、図2に示すように、閉鎖状態の扉本体21よりも当該扉本体21の反開放方向側となっている。
【0046】
収納溝51に対して遮音板52が設けられている。遮音板52は吸音性を有する材料により形成されている。具体的には、気泡を有する多孔質体である発泡ウレタン、発泡スチレン等により形成されている。また、遮音板52は可視光線の反射率が低くなるように、暗色の材料又は暗色に着色された材料により形成されている。ちなみに、遮音板52において一方の板面側にはLED等の発光体やLED基板などが内蔵された発光装置53が搭載されている。但し、当該発光装置53に代えて又は加えて、遮音板52に蓄光体を搭載してもよく、これら発光装置53や蓄光体を不具備としてもよい。
【0047】
遮音板52は上記隙間46の縦方向の寸法よりも大きな高さ寸法を有している。また、遮音板52は収納溝51の長さ寸法と同一の長さ寸法を有している。遮音板52は縦方向に移動可能な状態で収納溝51に設置されており、駆動機構により駆動されて扉用開口27内に突出した突出位置と収納溝51内に収納された収納位置とに切換配置される。
【0048】
駆動機構について詳細には、遮音板52の底面と収納溝51の底面との間には、付勢手段としてのバネ54が圧縮状態で設けられており、遮音板52には常に突出位置に向けた付勢力が付与されている。但し、遮音板52の下端部に外方に張出した張出し部55が設けられているとともに、収納溝51の上端部に抜け防止材56が設けられており、図3(a)に示すように、遮音板52の抜けが防止されている。
【0049】
バネ54により突出位置に付勢された遮音板52は、図3(b)に示すように、電磁式ソレノイドからなる駆動装置57により駆動されて突出位置から収納位置に移動する。駆動装置57は、図1に示すように、下枠材26において左右の両端部に内蔵されており、図3(b)に示すように、プランジャ58が上方へと突出するように設置されている。また、駆動装置57と遮音板52との間には、中央部分が軸支されてシーソー式に設けられたリンク59が介在しており、当該リンク59は駆動装置57においてプランジャ58の先端部に接続されているとともに遮音板52において側面の下端部に接続されている。そして、プランジャ58は駆動装置57の非励磁状態では上記バネ54及び自身に内蔵されたバネの付勢力により引っ込んだ位置にあり、駆動装置57が励磁状態となることで上記バネ54及び自身に内蔵されたバネの付勢力に抗して上方へ突出し、このプランジャ58の上方への移動に伴って遮音板52が収納位置に移動する。なお、リンク59の両端には長孔が形成されており、これら長孔に対して遮音板52及びプランジャ58の一部が遊挿されていることにより、当該リンク59の円方向の動きが遮音板52及びプランジャ58の縦方向の動きへと円滑に変換される。
【0050】
次に、遮音板52が突出位置にある場合の様子について、図3(a)等を用いて詳細に説明する。
【0051】
駆動装置57の非励磁状態では、閉鎖状態の扉本体21よりも当該扉本体21の反開放方向側の位置にて、遮音板52が収納溝51から上方に突出した状態となる。この場合、遮音板52の下端部は長さ方向の全体に亘って収納溝51内に入り込んだ状態となっているとともに、遮音板52の上端部は長さ方向の全体に亘って扉本体21の下端面よりも上方にある。また、遮音板52の板面は扉本体21における居室11側の扉表面に対して、居室11側に離間された位置にて対峙している。
【0052】
上記のように遮音板52が突出位置にある場合、図3(a)に示すように、下枠材26の上面と扉本体21の下端面との間に形成されている隙間46を含めて空気通路61が形成されている。この空気通路61は、間仕切壁10によって仕切られた空間相互の空気の流通を可能とするものである。但し、当該空気通路61は、隙間46を通じた間仕切壁10の厚み方向の空気の流れが遮音板52により遮蔽され、その遮蔽された位置では遮音板52の板面と扉本体21の扉表面との間の空間により迂回通路62が形成されている。
【0053】
空気通路61が上記のように形成されていることにより、扉本体21の閉鎖状態において、居室11の換気性及び防音性の両方を向上させることができる。防音性について詳細には、廊下12側から空気通路61に入り込んだ音は、居室11側に向けて隙間46を通じて伝搬した後に遮音板52の板面に入射する。この場合、既に説明したように遮音板52は吸音材料により形成されているため、その入射した音を遮音板52にて吸音することができる。また、遮音板52にて吸音されない場合、当該音は遮音板52の板面等における反射により廊下12側へ戻っていくか、回折により迂回通路62を迂回する過程における遮音板52及び扉本体21との反射により減衰される。
【0054】
ちなみに、遮音板52が突出位置にある場合、居室11側からは遮音板52に搭載された発光装置53が視認可能である。これにより、居室11が暗室状態である状況であっても発光装置53における光により扉本体21の位置が明示されることとなる。
【0055】
次に、遮音板52が収納位置にある場合の様子について、図3(b)を用いて詳細に説明する。
【0056】
駆動装置57の励磁状態では、遮音板52が収納溝51に収納された状態となる。ここで、収納溝51の深さ寸法は、遮音板52の高さ寸法と、遮音板52が収納位置に移動した場合におけるバネ54の高さ寸法とを合わせた寸法よりも大きくなるように設定されており、遮音板52は収納位置にてその全体が収納溝51に収納されている。これにより、扉本体21の開放状態では遮音板52が収納位置となることで、バリアフリーの状態が維持される。
【0057】
次に、遮音板52の駆動制御に関する構成について説明する。
【0058】
図2に示すように、枠ユニット22の上枠材23には、扉本体21が閉鎖状態であることを検知するための閉鎖検知センサ(閉鎖検知手段)65が内蔵されている。当該閉鎖検知センサ65としては、フォトセンサが用いられているが、扉本体21が閉鎖状態であることを検知することができるのであれば検知方式は任意である。また、上枠材23には、居室11に人が在室していることを検知するための人体検知センサ(在室検知手段)66が設けられている。当該人体検知センサ66としては、焦電型赤外線センサが用いられているが、居室11に人が在室していることを検知することができるのであれば検知方式は任意である。
【0059】
上記閉鎖検知センサ65及び人体検知センサ66は居室11に設けられたコントローラ67に対して電気的に接続されている。コントローラ67には演算素子としてのCPUや記憶素子としてのROM及びRAMなどが搭載されており、当該コントローラ67の出力側には上記駆動装置57が電気的に接続されている。そして、コントローラ67にて、駆動装置57への駆動信号の出力及びその出力の停止が実行されることにより、遮音板52が上記のとおり動作する。
【0060】
ここで、コントローラ67における防音処理について図4のフローチャートを参照しながら説明する。なお、防音処理は予め定められた周期にて定期的に起動される。
【0061】
防音処理では先ず閉鎖検知センサ65から入力した検知結果に基づいて扉本体21が閉鎖状態であるか否かを判定する(ステップS11)。扉本体21が開放状態である場合には収納時処理(ステップS12)を実行した後に本防音処理を終了する。収納時処理では、駆動装置57へ駆動信号を出力している状態であるか否かを判定し、駆動信号を出力している状態では、駆動装置57が励磁状態にあり遮音板52が収納位置にあるため、その状態を維持する。一方、駆動信号を出力していない状態においては、駆動信号の出力を開始することで、駆動装置57を励磁状態に切り換え、遮音板52を突出位置から収納位置に移動させる。
【0062】
一方、扉本体21が閉鎖状態である場合には、人体検知センサ66から入力した検知結果に基づいて居室11に人が在室しているか否かを判定する(ステップS13)。人が在室していない場合には、上記の収納時処理(ステップS12)を実行した後に本防音処理を終了する。つまり、扉本体21が閉鎖状態であっても換気及び防音の対象である居室11が在室状態でない場合には、遮音板52は突出位置ではなく収納位置にある。このように遮音板52が収納位置にあることで、空気通路61における間仕切壁10の厚み方向が遮音板52にて遮蔽されることはなく、遮音板52が突出位置にある場合に比べ、換気効率が向上する。そして、居室11が在室状態でない場合には防音を行う必要はなく、本構成によれば、このような防音を行う必要がない状況では扉本体21が閉鎖状態であっても換気を優先させることができる。
【0063】
一方、居室11が在室状態である場合には突出時処理(ステップS14)を実行した後に本防音処理を終了する。突出時処理では、駆動装置57へ駆動信号を出力している状態であるか否かを判定し、駆動信号を出力していない状態では、駆動装置57が非励磁状態にあり遮音板52が突出位置にあるため、その状態を維持する。一方、駆動信号を出力している状態においては、駆動信号の出力を停止することで、駆動装置57を非励磁状態に切り換え、遮音板52を収納位置から突出位置に移動させる。これにより、既に説明したように、居室11において換気性を確保しつつ防音性の向上が図られる。
【0064】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0065】
扉本体21の閉鎖状態において遮音板52が突出位置となり空気通路61が形成されることにより、既に説明したように、扉本体21の閉鎖状態において居室11の換気性及び防音性の両方を向上させることができる。
【0066】
特に、空気通路61は扉本体21と下枠材26との間の隙間46を用いて形成されるため、扉本体21に対してその厚み方向に貫通する換気孔を形成しなくとも上記優れた効果を得ることができる。また、遮音板52は扉本体21から突出するのではなく、下枠材26から突出するものであり、さらに当該遮音板52は扉本体21に対して密接状となる必要がないため、扉本体21の建て付け調整の作業性を良好なものとしつつ、上記優れた効果を得ることができる。
【0067】
遮音板52が扉本体21の閉鎖位置よりも居室11側に離間させて設置されていることにより、遮音板52と扉本体21との位置合わせが精度良く行われなかったとしても空気通路61を形成することが可能となる。例えば、扉本体21の下端面において上方へ凹むようにして形成された凹部内に遮音板52が入り込む構成においては、凹部に遮音板52が接するとその位置にて空気通路61が閉塞されてしまうため、上記位置合わせを精度良く行う必要が生じる。そうすると、扉本体21の建て付け調整の作業性が低下してしまうおそれがある。これに対して、遮音板52に対して扉表面が離間されるように扉本体21を設置することで空気通路61を形成することができるため、扉本体21の建て付け調整の作業性を良好なものとしつつ、上記優れた効果を得ることができる。
【0068】
また、遮音板52の位置は、扉本体21の閉鎖位置に対して当該扉本体21の反開放方向側となっているため、扉本体21の開放に際して遮音板52が干渉することはなく、扉本体21の開放操作に弊害を与えることなく、上記優れた効果を得ることができる。
【0069】
なお、遮音板52が可視光線の反射率が低い材料により形成されていることにより、廊下12の光が空気通路61を通じて居室11に差し込むことを阻止することができる。
【0070】
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、防音構造を有する扉ユニットが、共同住宅や寮などにおいて共用空間に接する個室の出入口に対して設けられている。そして、これに対応して、防音構造の構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下にこの相違する構成について説明する。図5は本実施の形態における防音構造100を説明するための扉ユニット80の正面図、図6は図5のB−B線断面を説明するための説明図である。
【0071】
住宅には共用空間71と個室72とを仕切るようにして間仕切壁70が設けられており、当該間仕切壁70には出入口73が形成されている。また、出入口73には扉ユニット80が設置されている。扉ユニット80は、扉本体81と枠ユニット82とからなり、枠ユニット82は上枠材83、左右両側の縦枠材84,85及び下枠材86により構成されている。扉本体81は枠ユニット82に対して片開き可能に支持されている。なお、扉本体81は共用空間71側に開放されるように設けられているが、これに限定されることはなく個室72側に開放される構成としてもよい。
【0072】
扉本体81には箱錠87が設けられている。箱錠87には、上記第1の実施の形態における空錠33と同様に、ラッチボルト88が設けられている。また、箱錠87には、デッドボルト89が設けられている。デッドボルト89は、扉本体81において共用空間71側に設けられたキー挿入部90へのキー操作により、又は扉本体81において個室72側に設けられた図示しないサムターンノブの手動操作により、扉本体81の左側面から出没する。そして、扉本体81の閉鎖状態において、左側の縦枠材84に設けられた凹状のストライク91内にデッドボルト89が挿入されることで、扉本体81が枠ユニット82に対して施錠状態となる。
【0073】
扉ユニット80は、バリアフリー構造を実現すべく、出入口73において段差が生じないように設置されている。この具体的な構成については、上記第1の実施の形態と同様である。また、このようにバリアフリー構造が実現された構成においては、図6に示すように、下枠材86の上面と閉鎖状態の扉本体81の下端面との間には下辺全体に亘って隙間92が生じている。当該構成において、扉ユニット80には防音構造100が設けられている。
【0074】
防音構造100について詳細には、下枠材86には上記第1の実施の形態における下枠材26と同様に、収納溝101が形成されている。収納溝101には遮音板102が設けられており、上記第1の実施の形態と同様に、当該遮音板102は駆動機構により駆動されて収納位置と突出位置とに切換配置される。なお、図6においては、駆動機構の構成を簡略に示すが、具体的な構成は上記第1の実施の形態と同様である。また、図6において、符号103は駆動装置を示す。
【0075】
ここで、収納溝101が形成された位置は、上記第1の実施の形態における収納溝51と異なっており、閉鎖状態にある扉本体81と上下に並ぶ位置となっている。また、扉本体81の下端面において閉鎖状態に収納溝101の上方に位置する箇所には、当該下端面から上方に凹み且つ下方に向けて開放された凹部104が形成されている。ちなみに、凹部104の表面全体には、発泡ウレタンや発泡スチレン等により形成された吸音層105が設けられている。
【0076】
扉本体81の閉鎖状態において遮音板102が突出位置にある場合、図6の実線で示すように、遮音板102は収納溝101から上方に突出し、さらにはその上端側が扉本体81の凹部104内に入り込んでいる。但し、遮音板102は凹部104の表面と一切当接しておらず、遮音板102と凹部104との間には、共用空間71及び個室72の両空間に連通される迂回通路108が形成されている。
【0077】
つまり、本実施の形態であっても、扉本体81の閉鎖状態において遮音板102が突出位置にある場合、隙間92を用いて空気通路107が形成されている。また、当該空気通路107は、隙間92を通じた間仕切壁70の厚み方向の空気の流れが遮音板102により遮蔽され、その遮蔽された位置では遮音板102と扉本体81との間の迂回通路108により遮音板102を迂回するように構成されている。これにより、上記第1の実施の形態と同様に、扉本体81の閉鎖状態において、個室72の換気性及び防音性の両方を向上させることができる。なお、迂回通路108を伝搬する音は、遮音板102及び凹部104の吸音層105の両方にて吸音されるため、吸音効率が高められている。
【0078】
また、上記のように遮音板102が凹部104に入り込む構成とすることにより、上記第1の実施の形態に比べ、収納溝101及び遮音板102の位置が扉本体81の閉鎖位置側に集約される。よって、防音構造100のコンパクト化が図られる。また、本構成においては、遮音板102が突出位置にある場合には扉本体81を開放させようとしても、それが遮音板102と凹部104との当接により規制される。つまり、本構成によれば、遮音板102により扉本体81の施錠機能が果たされる。
【0079】
ここで、施錠機能を有する防音構造100の構成は、上記のものに限定されることはなく図7に示す構成としてもよい。詳細には、遮音板111の上端には鉤状突起112が設けられており、これに対応させて扉本体113の凹部114には突起収容溝115が形成されている。そして、遮音板111が突出位置にある場合には遮音板111の鉤状突起112が凹部114の突起収容溝115内に入り込む。これにより、上記図6における構成よりも、遮音板111における施錠を強固に行うことができる。また、当該構成においても、扉本体113の閉鎖状態では、迂回通路116を含む空気通路117が形成され、個室118の換気性及び防音性の両方が向上されることとなる。なお、遮音板111の駆動機構119は、突出位置において鉤状突起112が突起収容溝115内に入り込むのであれば具体的な構成は任意であるが、例えば遮音板111を縦方向に移動させる駆動機構と、突出位置にある遮音板111を間仕切壁の厚み方向に移動させる駆動機構とを備えることで実現可能である。
【0080】
次に、遮音板102の駆動制御に関する構成について説明する。
【0081】
図5に示すように、枠ユニット82の上枠材83には、個室72側において扉ユニット80の周囲に人がいることを検知するための人体検知センサ(人体検知手段)121が内蔵されている。当該人体検知センサ121としては、焦電型赤外線センサが用いられているが、個室72側において扉ユニット80の周囲に人がいることを検知することができるのであれば検知方式は任意である。また、枠ユニット82の左側の縦枠材84には、扉本体81が閉鎖状態であることを検知するための閉鎖検知センサ(閉鎖検知手段)122が内蔵されているとともに、扉本体81が箱錠87による施錠状態であることを検知するための施錠検知センサ(施錠検知手段)123が内蔵されている。これらセンサ122,123としては、フォトセンサが用いられており、それぞれラッチボルト88又はデッドボルト89の出没を検知するように設けられているが、それぞれの事象を検知することができるのであれば検知方式は任意である。また、扉本体81には、共用空間71側のレバーハンドル81aが操作されていることを検知するための操作検知センサ(操作検知手段)124が内蔵されている。当該操作検知センサ124としては、周知のタッチセンサが用いられているが、レバーハンドル81aが操作されていることを検知することができるのであれば検知方式は任意である。なお、操作検知センサ124を不具備とし、閉鎖検知センサ122にてラッチボルト88の没入方向への動きを検知することで、両空間71,72におけるレバーハンドルの操作を検知するようにしてもよい。
【0082】
上記各センサ121〜124は個室72に設けられたコントローラ125に対して電気的に接続されている。コントローラ125の出力側には駆動装置103が電気的に接続されており、コントローラ125にて駆動装置103への駆動信号の出力及びその出力の停止が実行されることにより、遮音板102が上記のとおり動作する。
【0083】
ここで、コントローラ125における防音処理について図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0084】
防音処理では先ず閉鎖検知センサ122から入力した検知結果に基づいて扉本体81が閉鎖状態であるか否かを判定する(ステップS21)。扉本体81が開放状態である場合には収納時処理(ステップS26)を実行した後に本防音処理を終了する。収納時処理の内容は上記第1の実施の形態にて説明したとおりである。当該収納時処理が実行されることにより、扉本体81の開放状態では遮音板102は収納位置にあり、この状態では出入口73においてバリアフリー構造が維持される。
【0085】
扉本体81が閉鎖状態である場合には、施錠検知センサ123から入力した検知結果に基づいて扉本体81が施錠状態であるか否かを判定する(ステップS22)。施錠状態である場合には突出時処理(ステップS23)を実行した後に本防音処理を終了する。突出時処理の内容は上記第1の実施の形態にて説明したとおりである。当該突出時処理が実行されることにより、扉本体81の施錠状態では遮音板102は突出位置にあり、個室72において換気性を確保しつつ防音性の向上が図られる。また、既に説明したように遮音板102にて施錠機能が果たされ、防犯性の向上をも図られる。
【0086】
扉本体81が解錠状態である場合には、人体検知センサ121から入力した検知結果に基づいて個室72側において扉ユニット80の周囲に人がいるか否かを判定する(ステップS24)。その結果、人がいない場合には、続いて、操作検知センサ124から入力した検知結果に基づいて共用空間71側においてレバーハンドル81aが操作されているか否かを判定する(ステップS25)。
【0087】
個室72側において扉ユニット80の周囲に人がおらず、且つ共用空間71側においてレバーハンドル81aが操作されていない場合には、突出時処理(ステップS23)を実行した後に本防音処理を終了する。一方、個室72側において扉ユニット80の周囲に人がいる又は共用空間71側においてレバーハンドル81aが操作されている場合には、収納時処理(ステップS26)を実行した後に本防音処理を終了する。
【0088】
以上詳述した本実施の形態によれば、遮音板102が閉鎖状態の扉本体81の下方に配置されているため、上記第1の実施の形態に比べ、下枠材86をコンパクトなものとすることができ、結果的に防音構造100をコンパクトなものとすることができる。また、本構成によれば、遮音板102にて扉本体81の施錠機能をも果たされる。
【0089】
また、扉本体81が閉鎖状態であって解錠状態である場合には、遮音板102は基本的に突出位置にあり、個室72側において扉ユニット80の周囲に人がいる場合又は共用空間71側においてレバーハンドル81aが操作されている場合に、遮音板102は収納位置に移動する。当該構成とすることにより、上記のように遮音板102に防犯機能を持たせた構成において、住人による扉本体81の開放操作時には、その開放操作が遮音板102にて阻害されないようにすることができる。また、当該構成であっても、箱錠87の施錠状態においては、個室72側において扉ユニット80の周囲に人がいる場合及び共用空間71側においてレバーハンドル81aが操作されている場合のいずれの状況であっても遮音板102は突出位置に維持されるため、上記防犯性の効果は確実に発揮される。
【0090】
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、遮音板137の駆動方式が第1の実施の形態と異なっており、遮音板137は収納位置と突出位置との間の移動が非電動式で行われる。そこで、当該防音構造130について図9を用いて説明する。図9(a)は扉本体132が開放状態の場合の防音構造130を説明するための説明図、図9(b)は扉本体132が閉鎖状態の場合の防音構造130を説明するための説明図である。
【0091】
図9(a)に示すように、枠ユニット131において扉本体132の自由端側には、下枠材133及び縦枠材134の両方に亘って単一の内部空間135が形成されている。下枠材133には上記第1の実施の形態と同様に収納溝136が形成されており、収納溝136は上記内部空間135に連通されている。当該収納溝136に対して遮音板137が設置されており、遮音板137の側部は内部空間135に入り込んでいる。この場合、縦枠材134において扉用開口の周縁を規定する壁部138には収納溝136に対応させて開口部139が形成されており、当該開口部139により、上記のように遮音板137の側部が内部空間135に入り込んだ構成において、遮音板137の収納位置から突出位置への移動が縦枠材134により阻害されないようになっている。
【0092】
遮音板137に対しては当該遮音板137を収納位置に向けて常時付勢するようにバネが設けられており(図示略)、当該バネの付勢力以外の外力が加わっていない状態では遮音板137は収納位置にある。この遮音板137は、内部空間135内に収容されたリンク部材141に連結されており、扉本体132が閉鎖状態となった場合にはリンク部材141の動作に伴って突出位置に移動する。
【0093】
当該構成について詳細には、リンク部材141は内部空間135において間仕切壁の厚み方向に延びており、その延びる方向の中央部分にて軸支されてシーソー式に設けられている。リンク部材141の各両端側には長孔142,143が形成されとており、一方の長孔142に対しては遮音板137の下端部に設けられた第1ピン144が離脱不能に挿通されている。当該第1ピン144は長孔142に沿って移動可能となっている。また、リンク部材141の他方の長孔143には、縦枠材134の壁部138に斜め方向に延びるように形成されたスライド孔146を通じて、扉用開口側から内部空間135内に入り込んだ第2ピン145が離脱不能に挿通されている。当該第2ピン145は、スライド孔146に沿って移動可能であるとともに、長孔143に沿って移動可能となっている。
【0094】
上記構成において扉本体132が開放状態の場合には、図9(a)に示すように遮音板137は収納位置にある。一方、開放状態にある扉本体132が閉鎖されることにより、第2ピン145において扉用開口側に突出した部位が扉本体132により押される。この場合、扉本体132から第2ピン145に対して横方向の押圧力が加えられるが、スライド孔146に沿って第2ピン145がスライドすることで、第2ピン145は斜め下方に向けて移動する。
【0095】
第2ピン145が斜め下方に移動することで、図9(b)に示すように、シーソー式のリンク部材141は、第2ピン145側の端部が下方に移動するとともに第1ピン144側の端部が上方に移動するように回動する。これにより、第1ピン144が上方に移動し、それに伴って遮音板137が突出位置に移動する。そして、この状態は、第2ピン145の斜め上方への移動が扉本体132により規制されることで維持され、扉本体132が再度、開放状態となることで、図9(a)の状態に復帰する。なお、上記のとおり各ピン144,145は長孔142,143内において移動可能となっているため、各ピン144,145及びリンク部材141に連動した遮音板137の移動が円滑に行われる。
【0096】
以上詳述した本実施の形態によれば、電気的な構成を要することなく、上記第1の実施の形態にて説明したような優れた効果を奏することができる。
【0097】
(他の実施の形態)
本発明は上記各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
【0098】
(1)上記第1の実施の形態において、人体検知センサ66を不具備とするとともに、閉鎖検知センサ65及びコントローラ67を下枠材26に搭載してもよい。この場合、防音構造が下枠材26に集約されるため、当該下枠材26に対して、汎用的な上枠材23、左右の縦枠材24,25及び扉本体21を組み付けることにより、扉ユニット20への防音構造の設置が完了する。つまり、防音構造としての機能を付与するための専用品を下枠材26のみとすることが可能となり、住宅メーカなどにおいて部材管理の好適化が図られる。
【0099】
(2)上記各実施の形態において、間仕切壁によって仕切られた空間相互の空気の流通を可能としさらには遮音部材により防音性の向上が図られる空気通路が形成されるのであれば、突出位置において遮音部材の一部が扉本体と接する構成としてもよい。また、バリアフリー構造に対して適用しないのであれば、遮音部材が収納位置において収納溝から突出している構成としてもよい。
【0100】
(3)上記第1の実施の形態において、枠ユニット22に、居室11側及び廊下12側の両方におけるレバーハンドルの操作を検知するように操作検知センサを設けてもよい。また、枠ユニット22に、居室11側及び廊下12側の両方において扉本体21の周囲に人が居るか否かを検知するように人体検知センサを設けてもよい。これらの場合、扉本体21が閉鎖位置から開放方向に移動する前の段階で遮音板52を突出位置から収納位置に移動させることが可能となる。
【0101】
(4)上記第1の実施の形態において、扉本体21の開放方向を居室11側としてもよい。この場合、遮音板52は、扉本体21の閉鎖位置に対して当該扉本体21の開放方向側に位置していることとなり、遮音板52が突出位置にある場合には扉本体21の開放操作が規制される。つまり、遮音板52にて施錠機能が果たされることとなる。また、扉本体21を挟んだ両側にそれぞれ遮音板52を設けてもよい。この場合、防音性がより高められるとともに、遮音板52にて扉本体21の施錠機能が果たされる。但し、これらの構成においては、遮音板52の収納条件を、扉本体21の正規の開放に際して当該扉本体21の開放操作が遮音板52にて阻害されないように設定する必要がある。
【0102】
(5)上記第1の実施の形態において、吸音性を有する材料により遮音板52を形成するのではなく、遮音板52を非吸音性の材料により形成しておき、突出位置にて扉本体21と対峙する箇所にのみ吸音層を付与する構成としてもよい。また、遮音板52を非吸音性の材料により形成するとともに、上記吸音層を付与しない構成としてもよい。当該構成であっても、空気通路61を伝播する音は遮音板52にて反射する又は遮音板52を回り込むようにして回折することとなり、この反射や回折において減衰される。よって、扉本体21の閉鎖状態であっても換気を行うことができるようにした構成において防音性が高められる。また、扉本体21の周面全体に吸音層を付与してもよく、突出位置の遮音板52と対峙する箇所にのみ吸音層を付与してもよい。
【0103】
(6)上記第2の実施の形態において人体検知センサ121及び操作検知センサ124のうちいずれか一方のみを備えた構成としてもよい。例えば人体検知センサ121のみを備えた構成とするとともに、当該人体検知センサ121により個室側及び共用空間側の両方において扉本体81の周囲に人が居るか否かを検知するようにしてもよい。また、操作検知センサ124のみを備えた構成とするとともに、当該操作検知センサ124により個室側及び共用空間側の両方におけるレバーハンドルの操作を検知するようにしてもよい。
【0104】
(7)上記第2の実施の形態において、施解錠切換手段としての箱錠87を不具備とし、扉本体81の施錠機能が遮音板102のみにより果たされる構成としてもよい。当該構成について具体的には、個室72側及び共用空間側の両方に施解錠切換手段としての施解錠設定装置を設け、当該施解錠設定装置に予め定められた信号を送信する又は施解錠設定装置のテンキー操作部により予め定められたID番号を入力することにより、施錠状態及び解錠状態の切り換えが行われるようにする。そして、施錠状態においては扉本体81のレバーハンドルが操作されたこと及び扉本体81の周囲に人が居ることが検知されたとしても遮音板102が突出位置にて保持されるようにするとともに、解錠状態においては扉本体81のレバーハンドルが操作されたこと又は扉本体81の周囲に人が居ることが検知された場合に遮音板102が収納位置に移動するようにする。
【0105】
(8)換気性及び防音性の両立が図られる空気通路の構成を、扉ユニットにおける下枠部分に加え、左側の縦枠部分、右側の縦枠部分又は上枠部分の少なくとも一箇所に対して適用してもよい。
【0106】
(9)上記各実施の形態における防音構造の構成を、フラットアーチ状(門形)の枠ユニットを有する扉ユニットに対して適用してもよい。この場合、防音構造は枠ユニットに搭載されるのではなく、その出入口を構成する床部分に搭載されることとなる。また、両開き式の扉、方引き式の扉又は引違い式の扉などに適用してもよく、自動式の扉に適用してもよい。また、居室及び廊下間の出入口に設けられた扉ユニットではなく、居室及び居室間の出入口に設けられた扉ユニットに適用してもよい。また、遮音板が突出位置と収納位置との間を移動するのではなく、突出位置に固定されたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】第1の実施の形態における扉ユニットの構成を示す正面図。
【図2】図1のA―A線断面を説明するための説明図。
【図3】(a)扉本体が閉鎖状態の場合の防音構造を説明するための説明図、(b)扉本体が開放状態の場合の防音構造を説明するための説明図。
【図4】コントローラにて実行される防音処理を説明するためのフローチャート。
【図5】第2の実施の形態における扉ユニットの構成を示す正面図。
【図6】図5のB―B線断面を説明するための説明図。
【図7】別の防音構造を説明するための説明図。
【図8】コントローラにて実行される防音処理を説明するためのフローチャート。
【図9】(a)第3の実施の形態における扉本体が開放状態の場合の防音構造を説明するための説明図、(b)扉本体が閉鎖状態の場合の防音構造を説明するための説明図。
【符号の説明】
【0108】
10…間仕切壁、21…扉本体、26…下枠材、27…扉用開口、46…隙間、51…収納溝、52…遮音板、53…発光装置、57…駆動装置、61…空気通路、66…人体検知センサ、67…コントローラ、70…間仕切壁、81…扉本体、86…下枠材、87…施解錠切換手段としての箱錠、92…隙間、101…収納溝、102…遮音板、103…駆動装置、107…空気通路、125…コントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を仕切る壁体に設けられた建物開口部と、
当該建物開口部の下縁を規定する床材と、
前記建物開口部を開閉するとともに、閉鎖時において自身の下端面と前記床材の床面との間に隙間が形成されるように設けられた扉本体と、
前記床材に設けられ、前記壁体によって仕切られた空間相互の空気の流通を可能とする空気通路が前記隙間を用いて閉鎖状態の前記扉本体との間に形成されるように、前記床材の床面から前記扉本体の下端面よりも上方に突出する遮音部材と、
を備え、
前記空気通路は、前記隙間を通じた前記壁体の厚み方向の空気の流れが前記遮音部材により遮蔽され、その遮蔽された位置では前記遮音部材と前記扉本体との間の空間により前記遮音部材を迂回するように構成されていることを特徴とする扉の防音構造。
【請求項2】
前記床材は、前記扉本体が開放された場合に前記遮音部材を収納するための収納部を備えており、
前記遮音部材は、閉鎖状態の前記扉本体との間に前記空気通路が形成されるように突出する第1位置と、前記収納部に収納される第2位置とに移動可能に設けられており、
前記第2位置では、前記遮音部材の上縁が前記床材の床面と同じ高さ位置又はそれよりも下方の位置にあることを特徴とする請求項1に記載の扉の防音構造。
【請求項3】
前記遮音部材は、前記扉本体との間に前記空気通路が形成されている状態において上縁が前記扉本体の下端面よりも上方に位置するとともに、当該扉本体に対して前記壁体の厚み方向に対峙するように設けられており、
前記遮音部材における前記扉本体と対峙する箇所又は前記扉本体における前記遮音部材と対峙する箇所の少なくとも一方は、吸音機能を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の扉の防音構造。
【請求項4】
前記遮音部材は、前記壁体によって仕切られた両空間のうち、閉鎖状態の前記扉本体よりも一方の空間側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の扉の防音構造。
【請求項5】
前記扉本体は前記建物開口部の開放に際して前記両空間のうち一方の空間側に回動されるものであり、
前記遮音部材は、前記両空間のうち前記扉本体の開放側とは逆の空間側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の扉の防音構造。
【請求項6】
前記壁体によって仕切られた両空間のうち一方の室内空間に人が居ることを検知する在室検知手段と、
閉鎖状態の前記扉本体との間に前記空気通路が形成されるように突出した第1位置及び閉鎖状態の前記扉本体の下端面よりも下方に没した第2位置のそれぞれに前記遮音部材を移動させる駆動手段と、
前記扉本体の閉鎖状態であっても前記在室検知手段により人が居ることが検知されていない場合、前記遮音部材の位置が前記第2位置となるように前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の扉の防音構造。
【請求項7】
前記扉本体は、前記建物開口部の開放に際して前記両空間のうち一方の空間側に縦軸回動されるように設けられているとともに、前記下端面から上方に凹み且つ下方に開放された凹部を備えており、
前記遮音部材は、閉鎖状態にある場合の前記扉本体の下方に配置されているとともに、閉鎖状態の前記扉本体との間に前記空気通路が形成されるように前記凹部内に突出する第1位置と、前記扉本体の下端面よりも下方に没した第2位置とに移動可能に設けられており、
さらに、前記遮音部材を前記第1位置及び前記第2位置のそれぞれに移動させる駆動手段と、
前記扉本体の開放に際して前記遮音部材の位置が前記第2位置となるように前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の扉の防音構造。
【請求項8】
施解錠操作に基づいて、閉鎖状態の前記扉本体を施錠状態又は解錠状態のいずれかに切り換えるための施解錠切換手段を備えており、
前記駆動制御手段は、前記施解状態では前記遮音部材の位置が前記第1位置となるように前記駆動手段を制御する施錠時制御手段を備えていることを特徴とする請求項7に記載の扉の防音構造。
【請求項9】
前記施錠時制御手段は、前記解錠状態であっても前記扉本体が閉鎖状態である場合には前記遮音部材の位置が前記第1位置となるように前記駆動手段を制御するものであり、
前記駆動制御手段は、前記扉本体の閉鎖状態であって前記解錠状態において前記扉本体の扉用ノブが操作された場合に、前記遮音部材の位置が前記第2位置となるように前記駆動手段を制御するノブ対応制御手段をさらに備え、
当該ノブ対応制御手段は、前記施錠状態において前記扉用ノブが操作されたとしても前記遮音部材を前記第1位置から前記第2位置に移動させる制御を実行しないものであることを特徴とする請求項8に記載の扉の防音構造。
【請求項10】
前記施錠時制御手段は、前記解錠状態であっても前記扉本体が閉鎖状態である場合には前記遮音部材の位置が前記第1位置となるように前記駆動手段を制御するものであり、
前記駆動制御手段は、前記扉本体の閉鎖状態であって前記解錠状態において前記扉本体の周囲にて人が検知された場合に、前記遮音部材の位置が前記第2位置となるように前記駆動手段を制御する人感対応制御手段をさらに備え、
当該人感対応制御手段は、前記施錠状態において前記扉本体の周囲にて人が検知されたとしても前記遮音部材を前記第1位置から前記第2位置に移動させる制御を実行しないものであることを特徴とする請求項8又は9に記載の扉の防音構造。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1に記載の扉の防音構造を有し、
前記建物開口部を形成するとともに前記床材を下枠材として有する矩形枠状の枠ユニットに、前記扉本体が取り付けられてなることを特徴とする扉ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−114765(P2009−114765A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−290403(P2007−290403)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】