説明

扉ロックシステム

【課題】故障等による解錠装置の使用不能時にも確実にマグネットロック装置を解錠することが可能であるとともに、第三者によりマグネットロック装置が解錠されることをより確実に防止する扉ロックシステムを提供する。
【解決手段】受け部32へのロック部材31の進退により扉10の施解錠を行う扉ロック装置30と、電磁石42による金属片(ロックプレート41)の吸着又は解放により扉10の施解錠を行うマグネットロック装置40とを併用し、マグネットロック装置40による施錠を解除する解錠装置50を備えた扉ロックシステムSに、ロック部材31の進退を検知する検知装置と、ロック部材31の受け部32からの退避を検知することで、マグネットロック装置40に解除信号を出力し、所定時間経過後に作動信号をマグネットロック装置40に出力する退避時信号出力手段と、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ロック部材の受け部への進入又は退避により施錠、解錠を行う扉ロック装置と、電磁力による金属片の吸着又は吸着解除により施錠、解錠を行うマグネットロック装置とを併用して、扉の施錠又は解錠を行う扉ロックシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、扉を施錠又は解錠するための装置であるロック装置としては、、所定の鍵により、扉に設けられ外部へ向けて進退可能なロック部材(たとえば、突出片など)を移動させて、扉枠に設けられた受け部にロック部材を進入、又は、受け部からロック部材を退避させることで、施錠又は解錠を行うようなものが知られている。
また、下記の特許文献1に開示されているように、扉又は扉枠のいずれか一方に電磁石を設け、他方に金属片(ロックプレート)を設け、電磁石に磁力が発生することにより当該電磁石が金属片を吸着し、又は、磁力を消失させることにより電磁石が金属片の吸着を解除することで、施錠又は解錠を行うもの(いわゆる、マグネットロック装置)が知られている。
【0003】
なお、これらのロック装置は、単独で使用することもできるし、両者を併用することもできる。
【特許文献1】特表2004−527677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のマグネットロック装置については、磁力により電磁石が金属片を吸着した施錠状態を解除するための解錠装置が設けられているのが一般的である。具体的には、この解錠装置は、所定の操作(たとえば、カードリーダーによる個人認証操作など)が行われることにより、電磁石に発生している磁力を消失させるための解除信号を出力するように形成されている。そして、この解錠装置によって出力された解除信号がマグネットロック装置に入力されることにより、マグネットロック装置の電磁石に発生していた磁力が消失し、扉が解錠状態となる。
しかし、この解錠装置は、たとえば故障等により使用不能となり所定の操作が不能となったときは、マグネットロック装置に対して前記解除信号を出力することができなくなる。このため、マグネットロック装置は、金属片を吸着した施錠状態のままとなり、当該施錠状態を解除することができなくなってしまう。すると、解錠装置の使用不能時には、閉鎖された領域内に人が閉じ込められたり、当該領域内に進入することができなくなったりするおそれがある。
【0005】
したがって、このような危険性を防止すべく、扉の周辺には、故障等により解錠装置が使用不能となったときにも、マグネットロック装置の電磁石に生じている磁力を強制的に解除することが可能な所定の解除スイッチを設けるのが一般的である。
ここで、前記解除スイッチは、上述のようにマグネットロック装置の電磁石に生じている磁力を強制的に解除可能なものである。すなわち、この解除スイッチを操作すれば、誰もが、扉を解錠状態にすることができてしまうこととなる。そのため、この解除スイッチは、限定された者のみが知り得ることができ、第三者により発見されにくい場所に設置する必要がある。
【0006】
しかし、解除スイッチは物理的に設けられるものであるため、第三者が絶対に発見できない場所に設置するということは非常に困難であり、セキュリティが万全でないという問題が生じていた。
そこで、本発明は、上記した事情によりなされたものであり、その目的とするところは次の点にある。
すなわち、請求項1記載の発明は、故障等により解錠装置が使用不能となった場合にも確実にマグネットロック装置を解錠状態とすることが可能であるとともに、第三者によりマグネットロック装置が解錠されることをより確実に防止することができる扉ロックシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項に記載された発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、ロック部材31及びロック部材31が進入可能な受け部32を有し、ロック部材31を受け部32に対して進退させることが可能に形成され、受け部32にロック部材31を進入させることで扉10を施錠状態とする一方、受け部32からロック部材31を退避させることで扉10を解錠状態とする扉ロック装置30と、金属片(ロックプレート41)及び金属片(ロックプレート41)を吸着するための電磁石42を有し、通電又は断電により電磁石42に磁力を発生させ又は磁力を消失させることが可能に形成され、磁力が発生することにより電磁石42が金属片(ロックプレート41)を吸着することで扉10を施錠状態とする一方、磁力の消失により電磁石42が金属片(ロックプレート41)の吸着を解除することで扉10を解錠状態とするマグネットロック装置40と、マグネットロック装置40における電磁石42に磁力が発生しているときに、所定の操作が行われることを契機として、電磁石42の磁力を消失させるための解除信号を出力する一方、前記操作が不能であるときは解除信号が出力不可となる解錠装置50と、を備え、扉10の開閉が所定期間行われない扉不使用状態では、扉ロック装置30及びマグネットロック装置40を併用して扉10の施錠が行われる一方、扉10の開閉が断続的に行われる扉使用状態では、マグネットロック装置40のみを使用して扉10の施錠又は解錠が行われる扉ロックシステムSにおいて、前記扉ロック装置30の受け部32に設けられ、ロック部材31が受け部32へ進入しているか否かを検知するための検知装置60と、検知装置60によりロック部材31が受け部32から退避した旨が検知されたことを契機として、マグネットロック装置40に解除信号を出力するとともに、この解除信号が出力されてから所定時間経過した後に、電磁石42に磁力を発生させるための作動信号をマグネットロック装置40に出力する退避時信号出力手段150と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明は、扉10を施錠又は解錠するための扉ロックシステムSである。具体的には、本請求項に係る扉ロックシステムSは、扉10を施錠又は解錠するための装置として、後述する扉ロック装置30と、後述するマグネットロック装置40とを備えている。そして、これらの装置を使用することで、扉10を施錠状態又は解錠状態とすることができることとなっている。
この扉ロックシステムSの扉10は、扉ロック装置30及びマグネットロック装置40を備えることができれば、その形態等については特に限定されるものではない。たとえば、扉ロックシステムSの扉としては、出入り口としての開口を有する扉枠20に、前記開口を閉塞するように取り付けられた板状扉であって、当該扉の左右いずれか一端がヒンジ等により固定され、このヒンジを中心として他端を前後方向に回転させて開閉を行うスイング式の扉を用いることができる。また、出入り口としての開口を有する扉枠20に、前記開口を閉塞するように併設させて取り付けられた複数枚の板状扉であって、所定のレール上を左右方向に移動させて開閉を行うスライド式の扉(いわゆる引き戸式の扉)を用いることができる。
【0009】
また、この扉ロックシステムSの扉10には、前記扉ロック装置30及びマグネットロック装置40以外の施解錠装置を備えることもできる。
また、この扉ロックシステムSには、マグネットロック装置40や後述する解錠装置50等の作動を制御するための制御装置100を設けることができる。この制御装置100は、CPUやRAM、ROMなどを備えており、前記装置の作動をソフトウェア的に制御することができる。また、この扉ロックシステムSには、制御装置100を設けずに、回路を構成することで、前記装置の作動をハードウェア的に制御することもできる。
前記扉ロック装置30は、ロック部材31及びロック部材31が進入可能な受け部32を有し、ロック部材31を受け部32に対して進退させることが可能に形成され、受け部32にロック部材31を進入させることで扉10を施錠状態とする一方、受け部32からロック部材31を退避させることで扉10を解錠状態とするものである。
【0010】
換言すれば、この扉ロック装置30は、扉10が閉状態となっているときに、所定の突出部材を係脱させることで、扉10を施錠状態又は解錠状態とするものであり、すなわち、物理的な手段により扉10の施錠又は解錠を行うものである。
また、前記ロック部材31及び受け部32は、当該ロック部材31が当該受け部32に対して進退可能であって、当該ロック部材31が当該受け部32に進入することで扉10を施錠状態とすることができれば、その態様等については特に限定されるものではない。
たとえば、扉10の側面に、ロック部材31として、所定操作により直線的に移動して扉枠12方向へ突出可能なカンヌキ状部材を設け、また、扉10が閉状態のときに前記カンヌキ状部材と対応する扉枠20の所定位置に、受け部32として、カンヌキ状部材が進入可能な係止孔を設ける。これにより、扉10が閉状態のときに所定操作を行うことで、ロック部材31としてのカンヌキ状部材が、受け部32としての係止孔に進入し、扉10を施錠状態とすることができる。
【0011】
また、扉10の側面に、ロック部材31として、所定操作により回転移動して扉枠12方向へ突出可能な鉤状部材を設け、また、扉10が閉状態のときに前記鉤状部材と対応する扉枠20の所定位置に、受け部32として、前記鉤状部材を引っ掛けることが可能な係止部を設ける。これにより、扉10が閉状態のときに所定操作を行うことで、ロック部材31としての鉤状部材が、受け部32としての係止部に進入し、この鉤状部材が係止部に引っ掛かり、扉10を施錠状態とすることができる。
また、前記ロック部材31の進退は、手動操作により行われるものであってもよく、電気的操作により行われるものであってもよい。たとえば、扉10に鍵穴12を設け、この鍵穴12に所定の鍵を挿入して回転させることにより、これに連動してロック部材31が進退するように形成することができる。すなわち、手動での鍵操作によりロック部材31が進退するように形成することができる。また、扉10にロック部材31を進退させるための駆動モーター等を設け、所定の条件を満たすことを契機に前記駆動モーターを駆動させて、ロック部材31が進退するように形成することができる。すなわち、電動によりロック部材31が進退するように形成することができる。
【0012】
前記マグネットロック装置40は、金属片(ロックプレート41)及び金属片(ロックプレート41)を吸着するための電磁石42を有し、通電又は断電により電磁石42に磁力を発生させ又は磁力を消失させることが可能に形成され、磁力が発生することにより電磁石42が金属片(ロックプレート41)を吸着することで扉10を施錠状態とする一方、磁力の消失により電磁石42が金属片(ロックプレート41)の吸着を解除することで扉10を解錠状態とするものである。
換言すれば、このマグネットロック装置40は、扉10が閉状態となっているときに、磁力の有無により金属片を吸着又は解放することで、扉10を施錠状態又は解錠状態とするものである。
【0013】
また、前記金属片は、電磁石42に磁力が発生した際に、この電磁石42に吸着されるものであれば、その材質や形状等は特に限定されるものではなく、たとえば、鉄製の板状部材(ロックプレート41)等とすることができる。
また、本発明に係る扉ロックシステムSにおける扉10は、常態において施錠状態となり、所定の解除操作を契機に解錠状態となるように形成するのが望ましい。すなわち、前記電磁石42は、常態において磁力が発生することで金属片(ロックプレート41)を吸着し、所定の解除操作を契機に磁力が消失することで金属片(ロックプレート41)を解放するように、形成されるものとなる。
【0014】
前記解錠装置50は、マグネットロック装置40における電磁石42に磁力が発生しているときに、所定の操作が行われることを契機として、電磁石42の磁力を消失させるための解除信号を出力する一方、前記操作が不能であるときは解除信号が出力不可となるものである。
換言すれば、この解錠装置50は、電磁石42の磁力を消失させて、金属片(ロックプレート41)を解放するためのものである。すなわち、この解錠装置50は、扉10を解錠状態にするためのものである。
また、この解錠装置50の態様は、特に限定されるものではなく、たとえば、アルファベットや数字を入力可能な入力部を設け、予め定められた暗証キーの入力(所定の操作)を条件として、解除信号を出力するような装置として形成することができる。
【0015】
また、所定の認証情報を入力するための認証情報入力部を設け、正規の認証情報の入力(所定の操作)を条件として解除信号を出力するような装置として形成することもできる。より具体的には、所定のカード(磁気カードやICカードなど)に記憶された所定の情報(ユーザーIDなど)を読み取るためのカードリーダー51を設け、このカードリーダー51により読み取られた情報が正規のものであることを条件として解除信号を出力するような装置として形成することができる。また、指紋や網膜パターン等の生体情報を入力するための生体情報入力装置を設け、この生体情報入力装置により入力された情報が正規のものであることを条件として解除信号を出力するような装置として形成することもできる。
【0016】
また、所定の鍵によりスイッチング操作が可能な錠装置を設け、正規の鍵によるスイッチング操作が行われること(所定の操作)を条件として解除信号を出力するような装置として形成することもできる。
また、「前記操作が不能であるとき」とは、解錠装置50が使用不能となっているときを意味するものである。具体的には、解錠装置50に対する電源供給線が切れ解錠装置50が作動しなくなったときや、解錠装置50自体が故障しているときなどが挙げられる。なお、解錠装置50自体は操作可能であっても、解除信号を出力するための信号出力線が断線したような場合も、解除信号が出力不可となることはいうまでもない。
【0017】
また、本発明に係る扉ロックシステムSにおいては、扉10の開閉が所定期間行われない扉不使用状態では、扉ロック装置30及びマグネットロック装置40を併用して扉10の施錠が行われる一方、扉10の開閉が断続的に行われる扉使用状態では、マグネットロック装置40のみを使用して扉10の施錠又は解錠が行われるものとなっている。
換言すれば、本発明に係る扉ロックシステムSでは、扉不使用状態においては、扉ロック装置30により扉10が施錠状態とされるとともに、マグネットロック装置40によっても扉10が施錠状態とされるものとなっている。一方、扉使用状態においては、マグネットロック装置40のみにより扉10が施錠状態とされるものとなっている。
【0018】
さらに換言すれば、扉不使用状態においては、扉ロック装置30における解錠操作、及び、マグネットロック装置40における解錠操作を行うことで、扉10が解錠状態となる。一方、扉使用状態においては、マグネットロック装置40のみ解錠操作を行うことで、扉10が解錠状態となる。
すなわち、扉不使用状態では、扉ロック装置30及びマグネットロック装置40を併用することで、より強固かつ確実に扉10を施錠状態として、セキュリティ性を高めるものとしている。一方、扉使用状態では、マグネットロック装置40のみを使用することで、簡易に扉10の施錠又は解錠を行うことができるものとして、セキュリティ性よりも利便性を高めるものとしている。
【0019】
また、前記扉不使用状態とは、扉10の開閉が所定期間行われない状態であり、たとえば、所定の店舗等において閉店から開店までの状態や、オフィス等において総ての社員が退社してからいずれかの社員が出社するまでの状態などが挙げられる。
また、前記扉使用状態とは、扉10の開閉が断続的に行われる状態であり、たとえば、所定の店舗等における開店中の状態(すなわち、開店から閉店までの状態、営業時間中の状態)や、オフィス等において社員の勤務時間中の状態(すなわち、いずれかの社員が出社してから総ての社員が退社するまでの状態)などが挙げられる。
また、扉使用状態、及び、扉不使用状態の切り換えは人的に行われるものであってもよく、自動的に行われるものであってもよい。
【0020】
具体的には、たとえば、マグネットロック装置40は、扉不使用状態又は扉使用状態に拘らず、所定の操作が行われた時以外は常に、扉10を施錠状態とするように設定しておく。そして、人的に扉不使用状態になったと判断された場合には、扉ロック装置30の施錠操作を行い、マグネットロック装置40及び扉ロック装置30により扉10を施錠状態とする一方、人的に扉使用状態になったと判断された場合には、扉ロック装置30の解錠操作を行い、マグネットロック装置40のみにより扉10を施錠状態とすることができる。なお、扉ロック装置30として、電気的操作により施錠が行われる電気錠が用いられている場合には、扉ロック装置30による施錠操作を行うためのスイッチを設け、人的に扉不使用状態になったと判断された場合には、このスイッチを操作することで、扉ロック装置30の施錠操作を行うことができるようにしてもよい。
【0021】
また、たとえば、現在時刻を計測するためのタイマー、及び、このタイマーが所定時刻に達したことを契機として、扉不使用状態又は扉使用状態になったと判断する扉状態判定手段を設ける。そして、扉状態判定手段により扉不使用状態又は扉使用状態になったと判定された場合に、自動的に、扉ロック装置30の施錠操作又は解錠操作が行われるようにしてもよい。
前記検知装置60は、前記扉ロック装置30の受け部32に設けられ、ロック部材31が受け部32へ進入しているか否かを検知するためのものである。
換言すれば、この検知装置60は、ロック部材31が受け部32へ進入したか、又は、ロック部材31が受け部32から退避されたかを検知するためのものである。
【0022】
この検知装置60は、ロック部材31の受け部32への進入の可否を検知することができれば、その態様については特に限定されるものではない。
たとえば、この検知装置60としては、電気的に接続された接点62と導通板61とからなり、接点62に導通板61が接触することにより所定の信号を出力する接触型スイッチセンサーを用いることができる。具体的には、ロック部材31が受け部32から退避しているときは、導通板61が接点62に接触しないが、ロック部材31が受け部32へ進入したときは、このロック部材31により導通板61が押されることで、導通板61が接点62に接触するように形成する。これにより、前記信号の出力の有無で、ロック部材31の受け部32への進入の可否を検知することができる。
【0023】
また、この検知装置60としては、間隙を挟んで相対向する受光部及び発光部を有し、発光部から発せられる光を受光部により感知又は感知しないことで所定の信号を出力するフォトセンサーを用いることができる。具体的には、ロック部材31が受け部32から退避しているときは、発光部からの光を受光部が感知するが、ロック部材31が受け部32へ進入したときは、このロック部材31により発光部から光が遮断されることで、発光部からの光を受光部が感知しないように形成する。これにより、前記信号の出力の有無で、ロック部材31の受け部32への進入の可否を検知することができる。
また、検知装置60としては、磁性体が近づくことによりこれを感知して所定の信号を出力する磁気センサーを用いることもできる。
【0024】
前記退避時信号出力手段150は、検知装置60によりロック部材31が受け部32から退避した旨が検知されたことを契機として、マグネットロック装置40に解除信号を出力するとともに、この解除信号が出力されてから所定時間経過した後に、電磁石42に磁力を発生させるための作動信号をマグネットロック装置40に出力するためのものである。
換言すれば、この退避時信号出力手段150は、前記解錠装置50が使用不能となっていることによりマグネットロック装置40の解錠操作を行うことができない場合も含めて、扉ロック装置30の解錠操作が行われたことを契機として、併せてマグネットロック装置40の解錠操作も行うものである。また、この退避時信号出力手段150は、扉ロック装置30の解錠操作に併せてマグネットロック装置40の解錠操作が行われた際、当該解錠操作から所定時間経過した後に、マグネットロック装置40の施錠操作を行うものである。
【0025】
また、退避時信号出力手段150を、上述のように機能させるためには、扉ロックシステムSに、マグネットロック装置40に解除信号が出力された後の所定時間を計測するための計時手段140等を設ける必要がある。
(作用)
本発明に係る扉ロックシステムSは、ロック部材31の受け部32への進退により扉10の施錠又は解錠を行う扉ロック装置30、電磁石42の磁力により扉10の施錠又は解錠を行うマグネットロック装置40、及び、マグネットロック装置40による扉10の施錠を解除するための解錠装置50を備えている。また、本発明に係る扉ロックシステムSでは、扉不使用状態においては、扉ロック装置30及びマグネットロック装置40を併用して、扉10の施錠が行われ、扉使用状態においては、マグネットロック装置40のみを使用して、扉10の施錠又は解錠が行われる。また、扉ロック装置30の受け部32には、ロック部材31が受け部32へ進入しているか否かを検知するための検知装置60が設けられている。そして、検知装置60によりロック部材31が受け部32から退避した旨が検知されたことを契機として、退避時信号出力手段150により、マグネットロック装置40に対して電磁石42の磁力を消失させるための解除信号が出力される。
【0026】
すなわち、本発明においては、解錠装置50が操作不能であるためにマグネットロック装置40による扉10の施錠を解錠装置50によって解除できない場合であっても、扉ロック装置30における解錠操作(ロック部材31を受け部32から退避)を行うことで、マグネットロック装置40による扉10の施錠を解除することができることとなる。
これにより、故障等で解錠装置50が使用不能となった場合にも、マグネットロック装置40を確実に解錠状態とすることができる。
また、本発明によれば、扉ロック装置30が、解錠装置50が使用不能となった際にマグネットロック装置40の施錠を強制的に解除するための解除スイッチとして機能するものとなっている。
【0027】
このため、扉10の周辺に別個に解除スイッチを設ける必要は無く、解錠装置50が使用不能の場合には、扉ロック装置30の解錠操作を行うことができる者のみがマグネットロック装置40による扉10の施錠を解除することができる。
これにより、第三者によりマグネットロック装置40が解錠されることをより確実に防止することができ、セキュリティ性を高めることができることとなる。
また、本発明によれば、扉ロック装置30における解錠操作が行われることで解除信号が出力されてから所定時間経過後に、前記退避時信号出力手段150により、マグネットロック装置40に対して電磁石42の磁力を発生させるための作動信号が出力される。
【0028】
したがって、扉ロック装置30の解錠操作に伴ってマグネットロック装置40による扉10の施錠が解除された場合にも、特別なオペレーションを必要とせずに、再度、マグネットロック装置40が作動して扉10を施錠状態とすることができることとなる。
また、ロック部材31及び受け部32からなる扉ロック装置30は、一般的な扉10には標準的に設けられているものであり、また、扉ロック装置30を解除スイッチとして機能させるための施工は比較的容易であるため、より経済的にセキュリティ性を高めることができることとなる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、故障等により解錠装置が使用不能となった場合にも確実にマグネットロック装置を解錠状態とすることが可能であるとともに、第三者によりマグネットロック装置が解錠されることをより確実に防止することができる扉ロックシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
(図面の説明)
図1から図6までは、本発明の実施の形態を示すものである。
図1は、扉ロックシステムSの概要図、及び、閉状態における扉10の外観正面図である。図2は、扉10を開いた状態を示す外観正面図である。図3は、扉ロック装置30におけるロック部材31が受け部32へ進退する状態を示した正面図である。図4は、扉ロックシステムSにおける制御装置100の入力及び出力の概略を示すブロック図である。図5及び図6は、マグネットロック装置40の施解錠処理の概略を示すフローである。
【0031】
また、図7は、本発明の実施の形態の変形例を示すものであり、扉ロックシステムSを示す回路図である。
なお、本実施の形態において、「正面」又は「前」とは、後述する所定領域の出入口に扉10が設置された状態において、当該扉10における、所定領域の外側に位置する面が向く方向を意味するものである。また、「背面」又は「後」とは、「正面」又は「前」と反対の方向、すなわち、前記扉10における、所定領域の内側に位置する面が向く方向を意味するものである。
(扉ロックシステムS)
本実施の形態に係る扉ロックシステムSは、建物、施設、部屋等の所定領域へ出入りするための出入口に設置された扉10に適用されるものであって、この扉10の解錠又は施錠を行うためのものである。
【0032】
具体的には、前記扉ロックシステムSは、大きく分けて、ロック部材31の係脱(進退)により扉10の施錠又は解錠を行う扉ロック装置30と、電磁石42の磁力により扉10の施錠又は解錠を行うマグネットロック装置40と、所定の操作を行うことを契機としてマグネットロック装置40による扉10の施錠状態を解除する解錠装置50としてのカードリーダー51と、これらの装置を制御するための制御装置100と、から構成されている。
(扉10)
本実施の形態では、図1に示すように、所定領域の出入口に、中央が開口した四角枠状の扉枠20が設置されている。そして、この扉枠20に、前記開口を閉塞可能な長方形板状の扉10が、開閉可能に固定されている。
【0033】
具体的には、扉10は、図1に示すように、その正面左端部においてヒンジ13により扉枠20に固定されており、この正面左端部を中心として前後方向に回転させて、すなわちスイングさせて開閉することができるものとなっている。
また、扉10の正面右端部中央付近には、図1に示すように、扉10の開閉動作を行うためのノブ11が設けられている。
また、扉10の内部における、前記ノブ11よりもやや下方の位置には、特に図示していないが、後述する扉ロック装置30のロック部材31を収納するための空隙である収納部が形成されている。換言すれば、この収納部は、扉10の右側面に開口し、この開口から扉10の内部に至る横穴となっている。そして、この収納部(特に図示しておらず)には、前記ロック部材31が前記収納部の開口から外部方向へ出没可能に収納されている。
【0034】
また、扉10の正面における、前記収納部と対応する位置には、図1に示すように、所定の鍵を挿入可能な鍵穴12が設けられている。また、扉10の背面における、前記収納部と対応する位置には、図2に示すように、回転操作可能なサムターン14が設けられている。そして、前記ロック部材31は、前記鍵により所定の操作を行うことで、又は、サムターン14を回転させることで、前記収納部の開口から外部に出没可能となるように形成されている。
また、扉10の背面右上端部には、図1及び図2に示すように、後述するマグネットロック装置40を構成する金属片としてのロックプレート41が固定されている。
【0035】
(扉枠20)
前記扉枠20における、扉10を閉めた際に前記収納部の開口と対応する位置には、図1及び図2に示すように、前記ロック部材31が進入可能な受け部32が形成されている。換言すれば、この受け部32は、扉枠20の側面に開口し、この開口から扉枠20の内部に至る横穴となっている。
そして、扉10に設けられたロック部材31、及び、扉枠20に形成された受け部32により、後述する扉ロック装置30が構成されるものとなっている。扉ロック装置30については、後程詳述する。
【0036】
また、前記扉枠20における、扉10を閉めた際に前記ロックプレート41と対応する位置には、このロックプレート41を吸着するための電磁石42が設けられている。
そして、扉10に固定されたロックプレート41、及び、扉枠20に設けられた電磁石42により、後述するマグネットロック装置40が構成されるものとなっている。マグネットロック装置40については、後程詳述する。
また、扉10及び扉枠20の近傍には、図1及び図2に示すように、後述するマグネットロック装置40による扉10の施錠を解除するための解錠装置50として、ロック解除用のデータを記憶したカードを読むためのカードリーダー51が設けられている。このカードリーダー51は、所定領域の外側及び所定領域の内側(特に図示しておらず)にそれぞれ設けられている。この解錠装置50としてのカードリーダー51については、後程詳述する。
【0037】
(扉ロック装置30)
扉ロック装置30は、ロック部材31及びロック部材31が進入可能な受け部32を有し、ロック部材31を受け部32に対して進退させることが可能に形成され、受け部32にロック部材31を進入させることで扉10を施錠状態とする一方、受け部32からロック部材31を退避させることで扉10を解錠状態とするものである。
本実施の形態に係るロック部材31は、直方体形状のカンヌキ状部材であって、上述の如く、扉10の内部に形成された収納部(図示しておらず)に収納されるものとなっている(図1参照)。
【0038】
また、このロック部材31は、上述の如く、扉10の正面に設けられた鍵穴12に所定の鍵を挿入して所定の操作を行うことにより、又は、扉10の背面に設けられたサムターン14を回転させることにより、前記収納部から扉10の外部方向へ出没可能となるように形成されている。具体的には、前記鍵穴12に所定の鍵を挿入して所定方向(たとえば、時計回り)へ回転させるか、又は、サムターン14を所定方向へ回転させると、前記ロック部材31は収納部の開口から外部へ突出する。また、前記鍵を前記所定方向と反対方向(たとえば、反時計回り)へ回転させるか、又は、サムターン14を前記所定方向と反対方向へ回転させると、前記ロック部材31は収納部へ引っ込む。
【0039】
また、本実施の形態に係る受け部32は、上述の如く、扉枠20の側面の、扉10を閉めた際に前記収納部の開口と対応する位置に形成された横穴となっている(図1及び図2参照)。
ここで、扉10を閉めると(すなわち、扉10が扉枠12の開口を閉塞した状態になると)、図3(a)に示すように、扉10に形成された収納部の開口、及び、扉枠12に形成された受け部32が互いに向き合うこととなる。
したがって、この状態において、前記鍵による所定操作、又は、サムターン14の回転操作を行うことで、前記収納部に収納されたロック部材31を外部方向へ移動させると、図3(b)に示すように、ロック部材31が受け部32の内部へ進入することとなる。そして、図3(b)に示すように、ロック部材31の先端が、受け部32の奥端部まで達することとなる。これにより、ロック部材31が、扉10の前後方向への回転を妨げることとなるため、ひいては、扉10の開閉が阻止されることとなる。すなわち、ロック部材31を受け部32に進入させることで扉10を施錠状態とすることができる。
【0040】
一方、前記鍵による所定操作、又は、サムターン14の回転操作を行うことで、前記ロック部材31を収納部へ引っ込ませると、図3(a)に示すように、ロック部材31が受け部32から退避することとなる。これにより、ロック部材31が、扉10の前後方向への回転を妨げることはないため、扉10の開閉を行うことができることとなる。すなわち、ロック部材31を受け部32から退避させることで扉10を解錠状態とすることができる。
なお、本実施の形態における扉ロック装置30では、いわゆる、手動による鍵操作でロック部材31を移動させて扉10を施錠状態とするように形成されていたが、たとえば、この扉ロック装置30を所定の電気錠として、電気的に(すなわち、自動的に)ロック部材31を移動させて扉10を施錠状態とするように形成することもできる。たとえば、扉10の開閉を検知するための所定のセンサーを設けておき、扉10を閉めたことを前記センサーが検知したことを契機に、所定の駆動装置(駆動モーター等)が作動して前記ロック部材31を受け部32に進入させるように形成することができる。
【0041】
(マグネットロック装置40)
マグネットロック装置40は、金属片及び金属片を吸着するための電磁石42を有し、通電又は断電により電磁石42に磁力を発生させ又は磁力を消失させることが可能に形成され、磁力が発生することにより電磁石42が金属片を吸着することで扉10を施錠状態とする一方、磁力の消失により電磁石42が金属片の吸着を解除することで扉10を解錠状態とするものである。
本実施の形態に係る金属片は、上述の如く、鉄製の板状部材であるロックプレート41であって、上述の如く、扉10の背面右上端部に固定されるものとなっている(図1及び図2参照)。
【0042】
また、本実施の形態に係る電磁石42は、上述の如く、扉枠20の、扉10を閉めた際に前記ロックプレート41と対応する位置に設けられている(図1及び図2参照)。
また、前記電磁石42は、前記扉10の近傍の所定箇所に備えられた電源装置(特に図示しておらず)と結線されている。そして、この電源装置から電力が供給されて通電することにより磁力が発生する一方、電力が供給されずに断電することにより磁力が消失するように形成されている。
また、本実施の形態では、常態において前記電源装置から電磁石42に電力が供給されて通電状態となっている。すなわち、本実施の形態では、常態においては電磁石42に磁力が発生することとなる。そして、後述するように、解錠装置50による操作が行われることにより断電して、磁力が消失するものとなっている。
【0043】
ここで、扉10を閉めると(すなわち、扉10が扉枠12の開口を閉塞した状態になると)、図1に示すように、扉10に固定されたロックプレート41、及び、扉枠12に設けられた電磁石42が互いに向き合うこととなる。そして、上述の如く、常態においては、電磁石42には、前記電源装置から電力が供給され、磁力が発生することとなっている。したがって、磁力により、前記電磁石42がロックプレート41を吸着することとなる。これにより、扉10の前後方向への回転が妨げられることとなるため、ひいては、扉10の開閉が阻止されることとなる。すなわち、電磁石42に磁力が発生していることにより、この電磁石42がロックプレート41を吸着することで扉10を施錠状態とすることができる。
【0044】
一方、電源装置からの電力の供給が絶たれると、電磁石42に発生していた磁力が消失するため、電磁石42がロックプレート41の吸着を解除することとなる。これにより、ロックプレート41が電磁石42から解放され、扉10の前後方向への回転が妨げられることはないため、扉10の開閉を行うことができることとなる。すなわち、電磁石42に発生していた磁力が消失することにより、この電磁石42がロックプレート41の吸着を解除することで扉10を解錠状態とすることができる。
(解錠装置50(カードリーダー51))
解錠装置50は、マグネットロック装置40における電磁石42に磁力が発生しているときに、所定の操作が行われることを契機として、電磁石42の磁力を消失させるための解除信号を出力する一方、前記操作が不能であるときは解除信号が出力不可となるものである。
【0045】
本実施の形態に係る解錠装置50は、上述の如く、ロック解錠用のデータを記憶したカードを読むためのカードリーダー51であって、所定領域の外側(図1及び図2参照)、及び、所定領域の内側(特に図示しておらず)にそれぞれ設けられている。
また、この解錠装置50としてのカードリーダー51は、特に図示していないが、カードに記憶した情報を読み取るための読み取り手段、読み取られた情報が正規のものであるか否かを判定(認証)するための判定手段、判定結果を後述する制御装置100に送信するための通信手段等を備えることができる。
このカードリーダー51によれば、前記読み取り手段によりカードに記憶した情報が読み取られると、前記判定手段により、この読み取られた情報が正規のものであるか否かの判定が行われ、前記判定手段により情報が正規であると判定された場合に、電磁石42に対して磁力を消失させるための解除信号が出力されるものとなっている。すなわち、この解除信号が出力されることにより、電源装置(特に図示しておらず)からの電力供給が絶たれることとなり、マグネットロック装置40の電磁石42に発生していた磁力が消失することとなる。そして、これにより、扉10が解錠状態となる。
【0046】
また、このカードリーダー51は、前記操作が不能であるとき、すなわち、カードの読み取りができないときは、前記解除信号が出力されないものとなっている。具体的には、たとえば、カードリーダー51自体を作動させるためのバッテリー等の不良により、カードリーダー51が作動しなくなってしまったとき、カードリーダー51の前記読み取り手段が故障してしまったとき、が挙げられる。また、前記読み取り手段によりカードの読み取りは可能であるものの解除信号を出力するための信号出力線が断線したときも含まれる。
(検知装置60)
検知装置60は、扉ロック装置30の受け部32に設けられ、ロック部材31が受け部32へ進入しているか否かを検知するためのものである。換言すれば、この検知装置60は、ロック部材31の受け部32への進入、又は、ロック部材31の受け部32からの退避を検知するためのものである。
【0047】
本実施の形態における検知装置60は、図3に示すように、いわゆる接触型スイッチセンサーである。
具体的には、この検知装置60は、受け部32の奥端に設けられ、所定の電源と電気的に接続された接点62と、受け部32の奥端に設けられ、前記接点62と接触することで通電する金属板である導通板61と、から構成されている。そして、導通板61が接点62に接触して通電することにより、所定の信号を出力するものとなっている。
また、前記導通板61は、図3に示すように、ロック部材31が受け部32から退避しているときは当該導通板61が接点62に接触しないものの、また、ロック部材31が受け部32に進入しロック部材31の先端が受け部32の奥端部まで達したときは、当該導通板61がロック部材31の先端に押されて接点62に接触するように、形成されている。
【0048】
これにより、ロック部材31が受け部32から退避しているときは、導通板61が接点62に接触しないため通電せず、前記信号は出力されない。これに対して、ロック部材31が受け部32に進入してロック部材31の先端が受け部32の奥端部まで達したときは、導通板61が接点62に接触して通電するため、前記信号は出力される。
そして、検知装置60は、この信号の出力の有無により、ロック部材31の受け部32への進入、又は、ロック部材31の受け部32からの退避を検知することができる。
(制御装置100)
本実施の形態における扉ロックシステムSは、図1に示すように、マグネットロック装置40、カードリーダー51(解錠装置50)、検知装置60等の各種装置を制御するための制御装置100を備えている。この制御装置100には、CPU、ROM、RAM、及び、I/O等の種々の電子部品等が備えられている。そして、この制御装置100には、当該制御装置100に対して各種信号等を入力するための入力手段、入力手段による入力等に基づいた制御の結果を出力可能な出力手段が備えられている。また、制御装置100は、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種制御手段として機能する。
【0049】
具体的には、この制御装置100の入力手段としては、図4に示すように、上述のカードリーダー51、検知装置60等が接続されている。なお、入力手段としては、これらに限定されるものではない。
また、この制御装置100の出力手段としては、図4に示すように、上述のマグネットロック装置40等が接続されている。なお、出力手段としては、これらに限定されるものではない。
(制御装置100の制御手段)
また、制御装置100は、図4に示すように、大別して、次の(1)から(5)までの制御手段として機能する。
【0050】
(1)解除信号出力手段110
(2)施錠信号出力手段120
(3)進退判定手段130
(4)計時手段140
(5)退避時信号出力手段150
なお、制御装置100としては、上記した(1)から(5)までの制御手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
(解除信号出力手段110)
解除信号出力手段110は、解錠装置50としてのカードリーダー51によりカードの読み取りが行われた際、読み取られた情報が正規のものであると判定されたことを契機として、マグネットロック装置40に対して、電磁石42の磁力を消失させるための解除信号を出力するためのものである。そして、解除信号出力手段110により解除信号が出力されると、この解除信号に基づいて、断電されることとなり、電磁石42の磁力が消失する。そして、これにより、電磁石42に吸着されていたロックプレート41が解放され、扉10が解錠状態となり、扉10の開閉を行うことができるようになる。
【0051】
(施錠信号出力手段120)
施錠信号出力手段110は、前記解除信号出力手段110により解除信号が出力された後、所定条件を満たすことを契機として、電磁石42に磁力を発生させるための作動信号を出力するためのものである。そして、施錠信号出力手段120により作動信号が出力されると、この作動信号に基づいて、通電されることとなり、電磁石42に磁力が発生する。そして、これにより、電磁石42がロックプレート41を吸着し、扉10が施錠状態となり、扉10の開閉を行うことができなくなる。
なお、施錠信号出力手段110が作動信号を出力するための契機は、特に限定されるものではない。たとえば、解除信号出力手段110により解除信号が出力された後、所定時間が経過したことを契機として、施錠信号出力手段110が作動信号を出力するように形成することができる。具体的には、後述のように計時手段140を設け、解除信号が出力されることを契機として計時手段140による時間の計測を開始し、この計測された時間が所定の時間に達したときに、施錠信号出力手段120が作動信号を出力するように形成することができる。
【0052】
また、解除信号出力手段110により解除信号が出力され、扉10が開かれたことが検知された後、再度、この扉10が閉じられたことが検知されたことを契機として、施錠信号出力手段110が作動信号を出力するように形成することができる。具体的には、扉10の開閉を検知するための検知手段を設け、扉10が開かれたことが前記検知手段により検知されてから、再度、扉10が閉じられたことが前記検知手段により検知されたときに、施錠信号出力手段120が作動信号を出力するように形成することができる。
(進退判定手段130)
進退判定手段130は、前記検知装置60による信号の出力に基づいて、扉ロック装置30におけるロック部材31の受け部32への進入、又は、ロック部材31の受け部32からの退避を判定するためのものである。
【0053】
具体的には、上述の如く、ロック部材31が受け部32に進入してロック部材31の先端が受け部32の奥端部まで達したときは、導通板61が接点62に接触して通電し、前記検知装置60により所定の信号が出力される。そして、この信号の出力に基づいて、進退判定手段130によりロック部材31が受け部32に進入したと判定されることとなる。
また、上述の如く、ロック部材31が受け部32から退避したときは、導通板61が接点62から離れるため通電が絶たれ(すなわち、断電し)、前記信号の出力が終了する。そして、この信号の出力の終了に基づいて、進退判定手段130によりロック部材31が受け部32から退避したと判定されることとなる。
【0054】
(計時手段140)
計時手段140は、所定の時間の計測を行うためのものであり、所定の条件を契機として、時間の計測を開始するとともに、また他の条件を契機として、時間の計測を終了するためのものである。また、時間の計測が終了すると、計測された時間がクリアされるものとなっている。
たとえば、上述の如く、解除信号出力手段110による解除信号の出力後、所定時間が経過したことを契機として、施錠信号出力手段120による作動信号の出力が行われるように形成されている場合、この計時手段140は、解除信号出力手段110により解除信号が出力されたことを契機として、前記所定時間の計測を開始することとなる。そして、計時手段140により計測された時間が前記所定時間に達したことを契機として、時間の計測を終了する。
【0055】
(退避時信号出力手段150)
退避時信号出力手段150は、検知装置60によりロック部材31が受け部32から退避した旨が検知されたことを契機として、マグネットロック装置40に解除信号を出力するとともに、この解除信号が出力されてから所定時間経過した後に、電磁石42に磁力を発生させるための作動信号をマグネットロック装置40に出力するためのものである。
すなわち、この退避時信号出力手段150は、扉ロック装置30による扉10の施錠状態が解除されたとき(すなわち、扉ロック装置30の解錠操作が行われたとき)に、マグネットロック装置40についての解錠操作も行うものである。
【0056】
また、この退避時信号出力手段150は、扉ロック装置30による扉10の施錠状態の解除と併せて、マグネットロック装置40についての解錠操作が行われた際、当該解錠操作から所定時間経過した後に、マグネットロック装置40の施錠操作を行うものである。
具体的には、検知装置60による所定信号の出力の終了に基づいて、前記進退判定手段130により、ロック部材31が受け部32から退避したと判定されることを契機として、退避時信号出力手段150は、マグネットロック装置40に解除信号を出力する。そして、この解除信号の出力に基づいて、電磁石42が断電されることとなり、電磁石42の磁力が消失する。そして、これにより、電磁石42に吸着されていたロックプレート41が解放され、扉10が解錠状態となり、扉10の開閉を行うことができるようになる。
【0057】
また、退避時信号出力手段150により解除信号が出力されたことを契機として、前記計時手段140が時間の計測を開始する。そして、この計測された時間が所定の時間に達したときに、退避時信号出力手段150は、マグネットロック装置40に作動信号を出力する。そして、退避時信号出力手段150により作動信号が出力されると、この作動信号に基づいて、通電されることとなり、電磁石42に磁力が発生する。そして、これにより、電磁石42がロックプレート41を吸着し、扉10が施錠状態となり、扉10の開閉を行うことができなくなる。
なお、本実施の形態においては、前記解除信号出力手段110、前記施錠信号出力手段120、及び、退避時信号出力手段150はそれぞれ別個の手段として備えられているが、これに限定されるものではなく、前記総ての手段の機能を有する信号出力手段を1つのみ備えるようにしてもよい。
【0058】
(本実施の形態の扉ロックシステムSにおける扉10の施解錠方法)
本実施の形態に係る扉ロックシステムSでは、扉10の開閉が所定期間行われない扉不使用状態においては、扉ロック装置30及びマグネットロック装置40を併用して、扉10の施錠が行われるものとなっている。
換言すれば、扉不使用状態においては、扉ロック装置30により扉10が施錠状態とされるとともに、マグネットロック装置40によっても扉10が施錠状態とされるものとなっている。
すなわち、扉不使用状態では、扉ロック装置30及びマグネットロック装置40を併用することで、より強固かつ確実に扉10を施錠状態として、セキュリティ性を高めるものとしている。
【0059】
たとえば、所定領域への出入りが行われない夜間については、扉不使用状態として、扉ロック装置30及びマグネットロック装置40を併用して、扉10の施錠を行うことができる。
一方、扉10の開閉が断続的に行われる扉使用状態においては、マグネットロック装置40のみを使用して扉10の施錠又は解錠が行われるものとなっている。
換言すれば、扉使用状態においては、マグネットロック装置40のみにより扉10が施錠状態とされるものとなっている。
すなわち、扉使用状態では、マグネットロック装置40のみを使用することで、簡易に扉10の施錠又は解錠を行うことができるものとして、セキュリティ性よりも利便性を高めるものとしている。
【0060】
たとえば、所定領域への出入りが頻繁に行われる昼間については、扉使用状態として、マグネットロック装置40のみを使用して、扉10の施錠又は解錠を行うことができる。
(マグネットロック装置40の施解錠動作の概略)
ここで、上記構成を備えた扉ロックシステムSにおけるマグネットロック装置40の施解錠の動作の概略について、図5及び図6に示したフローを用いて説明する。
まず、カードリーダー51(解錠装置50)によるマグネットロック装置40の施解錠処理について説明する。
ステップ100において、カードリーダー51によるカードの読み取りが行われたか否かが判定される。そして、カードリーダー51によるカードの読み取りが行われたと判定された場合、次のステップ101に進む。一方、カードリーダー51によるカードの読み取りが行われていないと判定された場合、ステップ100に戻る。
【0061】
ステップ101において、カードリーダー51により読み取られた情報は正規のものであるか否かが判定される。そして、カードリーダー51により読み取られた情報が正規のものであると判定された場合、ステップ102に進む。一方、カードリーダー51により読み取られた情報が正規のものでないと判定された場合、ステップ100に戻る。
ステップ102において、解除信号出力手段110により、マグネットロック装置40に解除信号が出力される。これにより、電磁石42の磁力が消失し、電磁石42によるロックプレート41の吸着が解除される。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、所定の検知手段により、扉10が開かれた後、再度、扉10が閉じられたか否かが判定される。そして、再度、扉10が閉じられたと判定された場合、次のステップ104に進む。一方、扉10が閉じられていないと判定された場合、ステップ103に戻る。
【0062】
ステップ104において、施錠信号出力手段120により、マグネットロック装置40に作動信号が出力される。これにより、電磁石42に磁力が発生し、電磁石42がロックプレート41を吸着する。そして、カードリーダー51によるマグネットロック装置40の施解錠が終了する。
次に、扉ロック装置30におけるロック部材31の受け部32からの退避によるマグネットロック装置40の施解錠処理について説明する。
ステップ200において、検知装置60により、ロック部材31が受け部32から退避したか否かが判定される。そして、ロック部材31が受け部32から退避したと判定された場合、次のステップ201に進む。一方、ロック部材31が受け部32から退避していないと判定された場合、ステップ200に戻る。
【0063】
ステップ201において、退避時信号出力手段150により、マグネットロック装置40に解除信号が出力される。これにより、電磁石42の磁力が消失し、電磁石42によるロックプレート41の吸着が解除される。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、計時手段140により、時間の計測が開始される。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、計時手段140により計測された時間が所定時間に達したか否かが判定される。そして、計測された時間が所定時間に達したと判定された場合、次のステップ204に進む。一方、計測された時間が所定時間に達していないと判定された場合、ステップ203に戻る。
【0064】
ステップ204において、退避時信号出力手段150により、マグネットロック装置40に作動信号が出力される。これにより、電磁石42に磁力が発生し、電磁石42がロックプレート41を吸着する。そして、ロック部材31の受け部32からの退避によるマグネットロック装置40の施解錠が終了する。
(総括)
本実施の形態に係る扉ロックシステムSは、ロック部材31の受け部32への進退により扉10の施錠又は解錠を行う扉ロック装置30、電磁石42の磁力により扉10の施錠又は解錠を行うマグネットロック装置40、及び、マグネットロック装置40による扉10の施錠を解除するためのカードリーダー51(解錠装置50)を備えている。また、本実施の形態に係る扉ロックシステムSでは、扉不使用状態においては、扉ロック装置30及びマグネットロック装置40を併用して、扉10の施錠が行われ、扉使用状態においては、マグネットロック装置40のみを使用して、扉10の施錠又は解錠が行われる。また、扉ロック装置30の受け部32には、ロック部材31が受け部32へ進入しているか否かを検知するための検知装置60が設けられている。そして、検知装置60によりロック部材31が受け部32から退避した旨が検知されたことを契機として、退避時信号出力手段150により、マグネットロック装置40に対して電磁石42の磁力を消失させるための解除信号が出力される。
【0065】
すなわち、本実施の形態においては、カードリーダー51が操作不能であるためにマグネットロック装置40による扉10の施錠をカードリーダー51によって解除できない場合であっても、扉ロック装置30における解錠操作(ロック部材31を受け部32から退避)を行うことで、マグネットロック装置40による扉10の施錠を解除することができることとなる。
これにより、故障等でカードリーダー51が使用不能となった場合にも、マグネットロック装置40を確実に解錠状態とすることができる。
また、本実施の形態においては、扉ロック装置30が、カードリーダー51が使用不能となった際にマグネットロック装置40の施錠を強制的に解除するための解除スイッチとして機能するものとなっている。
【0066】
このため、扉10の周辺に別個に解除スイッチを設ける必要は無く、カードリーダー51が使用不能の場合には、扉ロック装置30の解錠操作を行うことができる者のみがマグネットロック装置40による扉10の施錠を解除することができる。
これにより、第三者によりマグネットロック装置40が解錠されることをより確実に防止することができ、セキュリティ性を高めることができることとなる。
また、本実施の形態においては、扉ロック装置30における解錠操作が行われることで解除信号が出力されてから所定時間経過後に、前記退避時信号出力手段150により、マグネットロック装置40に対して電磁石42の磁力を発生させるための作動信号が出力される。
【0067】
したがって、扉ロック装置30の解錠操作に伴ってマグネットロック装置40による扉10の施錠が解除された場合にも、特別なオペレーションを必要とせずに、再度、マグネットロック装置40が作動して扉10を施錠状態とすることができることとなる。
また、ロック部材31及び受け部32からなる扉ロック装置30は、一般的な扉10には標準的に設けられているものであり、また、扉ロック装置30を解除スイッチとして機能させるための施工は比較的容易であるため、より経済的にセキュリティ性を高めることができることとなる。
(変形例)
上記実施の形態における扉ロックシステムSでは、マグネットロック装置40、カードリーダー51(解錠装置50)、検知装置60等の各種装置を制御するための制御装置100を備えていたが、制御装置100を設けるのではなく、図7に示すように、一般的なリレー回路やタイマーリレー回路等を設け、これらを組み合わせて構成した制御回路によりマグネットロック装置40等が制御されるようにしてもよい。
【0068】
具体的には、図7に示すように、電源を供給するための電源装置に、所定の接続線により、扉ロック装置30の受け部32に設けられた検知装置60としての第1スイッチ180(導通板61、接点62により構成される接触型スイッチ)が接続され、さらに、この第1スイッチ180を介して、リレー回路160及びタイマ−リレー回路170が接続されている。さらに、リレー回路160における、第1スイッチ180との接続端部と反対側の端部には、第2スイッチ190が接続されている。
また、前記電源装置には、前記接続線とは別の接続線により、第3スイッチ200が接続され、さらに、この第3スイッチ200を介して、マグネットロック装置40が接続されている。
【0069】
また、本変形例における扉ロックシステムSでは、図7(a)及び(b)に示すように、扉ロック装置30のロック部材31が受け部32に進入した状態、すなわち、扉ロック装置30による扉10の施錠状態において、検知装置60としての第1スイッチ180はオープンとなり、また、扉ロック装置30のロック部材31が受け部32から退避した状態、すなわち、扉ロック装置30による扉10の解錠状態において、前記第1スイッチ180はクローズとなるように、形成されている。
また、前記タイマーリレー回路170は、図7(a)及び(b)に示すように、第1スイッチ180がクローズとなることにより導通し、この導通から所定時間経過すると非導通となるように形成されている。すなわち、このタイマーリレー回路170は、上記実施の形態における計時手段140に該当するものである。
【0070】
また、図7(a)及び(b)に示すように、前記タイマーリレー回路170が導通することにより所定の信号を出力することで、前記第2スイッチ190はクローズとなり、また、前記タイマーリレー回路170が非導通となることにより所定の信号を出力することで、前記第2スイッチ190はオープンとなるように形成されている。
また、前記リレー回路160は、図7(a)、(b)及び(c)に示すように、第1スイッチ180及び第2スイッチ190いずれもがクローズとなることにより導通し、第1スイッチ180又は第2スイッチ190の少なくともいずれか一方がオープンとなることにより非導通となるように形成されている。
【0071】
また、図7(a)及び(b)に示すように、前記リレー回路160が導通することにより所定の信号(解除信号)を出力することで、第3スイッチ200はオープンとなる。そして、第3スイッチ200がオープンとなることで、マグネットロック装置40は非導通となるように形成されている。また、図7(c)に示すように、前記リレー回路160が非導通となることにより所定の信号(作動信号)を出力することで、第3スイッチ200はクローズとなる。そして、第3スイッチ200がクローズとなることで、マグネットロック装置40が導通するように形成されている。
換言すれば、リレー回路160が導通することにより所定の信号が出力され、マグネットロック装置40による扉10の施錠状態が解除されるとともに、リレー回路160が非導通となることにより所定の信号が出力され、マグネットロック装置40により扉10が施錠状態となる。すなわち、このリレー回路160は、上記実施の形態における退避時信号出力手段150に該当することとなる。
【0072】
そして、本変形例における扉ロック装置Sでは、扉ロック装置30による扉10の施錠状態(ロック部材31が受け部32に進入した状態)においては、図7(a)に示すように、第1スイッチ180がオープン、第2スイッチ190がオープン、及び、第3スイッチ200がクローズとなっており、扉ロック装置30及びマグネットロック装置40の双方により、扉10が施錠された状態となっている。
そして、前記状態から、扉ロック装置30による扉10の施錠状態を解除すると、すなわち、所定の鍵操作によりロック部材31を受け部32から退避されると、図7(b)に示すように、第1スイッチ180がクローズとなることでタイマーリレー回路170が導通する。そして、タイマーリレー回路170の導通により第2スイッチ190がクローズとなる。そして、第2スイッチ190がクローズとなることでリレー回路160が導通する。そして、リレー回路160の導通により第3スイッチ200がオープンとなる。これにより、マグネットロック装置40が非導通となり、マグネットロック装置40による扉10の施錠状態が解除されることとなる。
【0073】
そして、前記解除状態から所定時間経過すると、タイマーリレー回路170が非導通となる。そして、タイマーリレー回路170が非導通となることにより第2スイッチ190がオープンとなる。そして、第2スイッチ190がオープンとなることでリレー回路160が非導通となる。そして、リレー回路160が非導通となることにより第3スイッチ200がクローズとなる。これにより、マグネットロック装置40が導通し、マグネットロック装置40により扉10が施錠された状態となる。
そして、このような変形例においても、上記実施の形態と同様の作用、効果を奏することとなる。なお、本変形例においては、図7(d)に示すように、検知装置60としての第1スイッチ180のチャタリング防止のために、第1スイッチ180を介さずに、電源装置とタイマーリレー回路170とを接続するためのチャタリング防止スイッチを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態であって、扉ロックシステムの概要図、及び、閉状態における扉の外観正面図である。
【図2】本発明の実施の形態であって、扉を開いた状態を示す外観正面図である。
【図3】本発明の実施の形態であって、扉ロック装置におけるロック部材が受け部へ進退する状態を示した正面図である。
【図4】本発明の実施の形態であって、扉ロックシステムにおける制御装置の入力及び出力の概略を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態であって、カードリーダーによるマグネットロック装置の解解錠処理の概略を示すフローである。
【図6】本発明の実施の形態であって、扉ロック装置におけるロック部材の受け部からの退避によるマグネットロック装置の施解錠処理の概略を示すフローである。
【図7】本発明の実施の形態の変形例であって、扉ロックシステムを示す回路図である。
【符号の説明】
【0075】
S 扉ロックシステム
10 扉
11 ノブ 12 鍵穴
13 ヒンジ 14 サムターン
20 扉枠
30 扉ロック装置
31 ロック部材 32 受け部
40 マグネットロック装置
41 ロックプレート(金属片)
42 電磁石
50 解錠装置
51 カードリーダー
60 検知装置
61 導通板 62 接点
100 制御装置 110 施錠信号出力手段
120 解除信号出力手段 130 進退判定手段
140 計時手段 150 退避時信号出力手段
160 リレー回路 170 タイマーリレー回路
180 第1スイッチ 190 第2スイッチ
200 第3スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック部材及びロック部材が進入可能な受け部を有し、ロック部材を受け部に対して進退させることが可能に形成され、受け部にロック部材を進入させることで扉を施錠状態とする一方、受け部からロック部材を退避させることで扉を解錠状態とする扉ロック装置と、
金属片及び金属片を吸着するための電磁石を有し、通電又は断電により電磁石に磁力を発生させ又は磁力を消失させることが可能に形成され、磁力が発生することにより電磁石が金属片を吸着することで扉を施錠状態とする一方、磁力の消失により電磁石が金属片の吸着を解除することで扉を解錠状態とするマグネットロック装置と、
マグネットロック装置における電磁石に磁力が発生しているときに、所定の操作が行われることを契機として、電磁石の磁力を消失させるための解除信号を出力する一方、前記操作が不能であるときは解除信号が出力不可となる解錠装置と、を備え、
扉の開閉が所定期間行われない扉不使用状態では、扉ロック装置及びマグネットロック装置を併用して扉の施錠が行われる一方、扉の開閉が断続的に行われる扉使用状態では、マグネットロック装置のみを使用して扉の施錠又は解錠が行われる扉ロックシステムにおいて、
前記扉ロック装置の受け部に設けられ、ロック部材が受け部へ進入しているか否かを検知するための検知装置と、
検知装置によりロック部材が受け部から退避した旨が検知されたことを契機として、マグネットロック装置に解除信号を出力するとともに、この解除信号が出力されてから所定時間経過した後に、電磁石に磁力を発生させるための作動信号をマグネットロック装置に出力する退避時信号出力手段と、を備えていることを特徴とする扉ロックシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−24329(P2009−24329A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185347(P2007−185347)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(500548622)アラコム株式会社 (1)
【出願人】(500383252)株式会社ソルティオ (4)
【Fターム(参考)】