説明

手動式小物部品ディスペンサ

【課題】低コストの手動式小物部品ディスペンサを提供する。
【解決手段】上記課題は、小物部品Sを多数貯留するとともに下端に開口2aを有し、この開口2aから小物部品Sを供給する貯留容器2と、前記開口2aに挿通され、作業者の操作によって前記貯留容器2内を往復移動可能なロッド7と、前記貯留容器2内に収納されるとともに、前記ロッド7に取付けられ、その往復移動に伴って開口2aを開閉する開閉部材8とを備える手動式小物部品ディスペンサ1によって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動で小物部品を作業者の手元へ定量供給するためのディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、手動式小物部品ディスペンサ(以下、手動式ディスペンサという。)としては、特許文献1に示すものがある。この手動式ディスペンサは、小物部品の一例であるねじを多数貯留するとともに、これを撹拌する回転ドラムと、回転ドラム内で撹拌されて落下するねじを吊下し、これを整列搬送する搬送レールとを備えている。また、搬送レールの搬送最終端にはセンサが設けられており、所定量のねじを搬送最終端に貯留するよう構成されている。さらに、搬送最終端には作業者によって手動で開閉可能なゲートが設けられており、当該ゲートを開放することによって所定量のねじが作業者の手元へ供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−179013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記手動式ディスペンサにおいては、装置の部品点数が多く、コスト面に問題があった。しかも、装置が大きく、これを作業者の近辺に設置すると十分な作業スペースを確保することができないため、作業性および安全性にも問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の手動式小物部品ディスペンサは、上記課題に鑑みて創成されたものであり、小物部品を多数貯留するとともに下端に開口を有し、この開口から小物部品を供給する貯留容器と、前記開口に挿通され、作業者の操作によって前記貯留容器内を往復移動可能なロッドと、前記貯留容器内に収納されるとともに、前記ロッドに取付けられ、その往復移動に伴って開口を開閉する開閉部材とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の手動式小物部品ディスペンサによれば、部品点数が少なく、かつ簡単な構成でありながら、作業者の手元へ小物部品を供給可能なディスペンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の手動式小物部品ディスペンサの縦断面図である。
【図2】本発明の手動式小物部品ディスペンサの横断面図である。
【図3】本発明の手動式小物部品ディスペンサの動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は手動式小物部品ディスペンサ(以下、単にディスペンサという)であり、小物部品の一例であるねじSを多数貯留可能な貯留容器2を有する。この貯留容器2は、口径の異なる開口2a,2bを上端および下端に有するペットボトル型を成しており、立設した支柱3に固定された取付台4に支持されている。また、この取付台4は、その中央近傍に前記貯留容器2の小口径の開口2aを支持する支持穴を有しており、当該開口2aを支持穴に挿入することで貯留容器2が支持されるように構成されている。
【0009】
一方、貯留容器2の大口径の開口2bには蓋体5が被せられており、図2に示すように、前記取付台4に立設した三本の支持棒6a,6b,6cに支持されている。また、この蓋体5には、挿入口5aが設けてあり、この挿入口5aからねじSを供給することで貯留容器2にねじSを貯留するように構成されている。
【0010】
また、前記貯留容器2の小径の開口2aには、前記蓋体5を貫くようにしてロッド7が挿入されており、貯留容器2内を往復移動可能に構成されている。しかも、このロッド7には、前記貯留容器2の内部に収納するようにして開閉部材8が取付けられている。この開閉部材8は、開口2aよりも大径を成しており、ロッド7の往復移動に伴って当該開口2aを開閉するように構成されている。
【0011】
以下、本発明のディスペンサ1の動作を説明する。通常、開閉部材8は、重力により、貯留容器2の開口2aを閉止するよう位置している。ここで、図3に示すように、作業者が手のひらでロッド7を下方から押上げると、これに伴って開閉部材8も押上げられ、開口2aが開放される。すると、貯留容器2内のねじSが開口2aを通り抜け、手のひらへ滑落する。所望の個数のねじSが手のひらへ滑落した後、作業者がロッド7から手を離すと、再びロッド7は通常位置に戻り、開口2aが開閉部材8によって閉止されてねじSの供給が停止する。
【0012】
以上のように、本発明のディスペンサ1においては、部品点数が少なく、かつ簡単な構成でありながら、作業者の手元へねじSを供給可能なディスペンサを提供することができる。また、蓋体5を取り外すだけで、取付台4から貯留容器2を容易に着脱することができる。そのため、貯留容器2の交換作業も手軽になり、作業性が向上する。しかも、貯留容器2がペットボトル型を成しているので、家庭で不要となったペットボトルを当該貯留容器2に代用することも可能であり、リサイクル性にも優れている。
【0013】
1 手動式小物部品ディスペンサ
2 貯留容器
2a,2b 開口
3 支柱
4 取付台
5 蓋体
5a 挿入口
6a,6b,6c 支持棒
7 ロッド
8 開閉部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小物部品を多数貯留するとともに下端に開口を有し、この開口から小物部品を供給する貯留容器と、
前記開口に挿通され、作業者の操作によって前記貯留容器内を往復移動可能なロッドと、
前記貯留容器内に収納されるとともに、前記ロッドに取付けられ、その往復移動に伴って開口を開閉する開閉部材と
を備えることを特徴とする手動式小物部品ディスペンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−236048(P2011−236048A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111526(P2010−111526)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(000227467)日東精工株式会社 (263)
【Fターム(参考)】