説明

手持ち式電動工具

【課題】手持ち式でありながらも被加工物に対する加工部の角度を容易に一定に保持することができる手持ち式電動工具を提供する。
【解決手段】回転砥石2よりも前側にチップソー90の台金91に当接して工具本体1を面で支持する支持部30が設けられている。支持部30の下面にチップソー90の台金91に当接する平坦な支持面が形成されている。支持部30の下面に該下面を前後方向に縦断する逃げ部が凹設され、該逃げ部の左右両側に支持面が各々形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持ち式ディスクグラインダ等の手持ち式電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、手持ち式ディスクグラインダでチップソーのチップを研磨する場合、手持ち式ディスクグラインダの工具本体を把持しながらその回転砥石をチップに当てることになる。しかしながら、手で把持しているだけなので、回転砥石のチップに対する角度を一定に保つことが難しい。
【0003】
例えば下記特許文献1では、工具本体の前後方向の略中央付近に工具本体を支持するための支持脚を下方に向けて突出させ、該支持脚の下端のキャスターを被加工物に当接させることが提案されている。しかしながら、支持脚が工具本体の前後方向略中央付近に位置していて回転砥石から後方に離れているために、回転砥石がぶれやすいという問題がある。また、支持脚を支点として工具本体の前部と後部がシーソーのように上下逆向きに動くことになり、後部を把持する手の動きと前部に位置する回転砥石の動きとが上下逆向きとなるので、作業者が回転砥石の動きを直感的に把握しにくく、チップを精度良く研磨しにくい。更には、被加工物にキャスターが当接する構造であるので、被加工物上を容易に移動しやすいという利点があるものの、逆に回転砥石を安定させにくいという欠点がある。
【0004】
また、下記特許文献2では、回転砥石を覆う吸塵カバーの前端部に、被加工物に当接する切断ガイドを設けることが提案されている。しかしながら、この切断ガイドは、被加工物に当接する下面が曲面であるため、被加工物には線で接触することになり、特に工具本体の前後方向の角度、傾きを一定に保つことができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭59−506608号公報
【特許文献2】実開昭58−132652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえに本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、手持ち式でありながらも被加工物に対する加工部の角度を容易に一定に保持することができる手持ち式電動工具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであって、本発明に係る手持ち式電動工具は、被加工物を加工するための加工部よりも前側に、被加工物の平坦な面に当接して工具本体を面で支持する支持部が設けられていることを特徴とする。ここで、「面で支持する」ことには、当接する面が平坦面であって被加工物と面で接触する場合の他、被加工物に3点で当接して該3点が仮想的に面を形成する場合も含まれる。
【0008】
該構成の手持ち式電動工具にあっては、加工部よりも前側に位置する支持部を被加工物に当接させることで、工具本体を容易に支持させることができる。その際、加工部よりも前側に支持部が設けられているので、作業者は工具本体を把持して被加工物に対する加工部の角度を容易に把握することができる。そして、支持部が工具本体を面で支持する構成であるので、加工部の角度を容易に一定に保って加工部で被加工物を加工することができる。
【0009】
特に、加工部が回転砥石である手持ち式ディスクグラインダである場合においては、支持部の下面にチップソーの台金に当接する平坦な支持面が形成され、支持部の下面に該下面を前後方向に縦断する逃げ部が凹設され、該逃げ部の左右両側に支持面が各々形成されていることが好ましい。チップソーのチップは台金よりも厚く突出しているが、支持部の下面に逃げ部を凹設しているので、チップソーのチップの逃げ面を回転砥石で研磨する際において支持面とチップとの干渉が防止される。しかも、逃げ部の左右両側に各々支持面が形成されているので、左右何れか片側のみに形成されている場合に比して回転砥石の角度、特に左右方向の傾きをより一層安定させることができる。
【0010】
また、工具本体から腕部が延設され、該腕部の前部に支持部が形成されており、該腕部は、回転砥石がチップを研磨する箇所を作業者が上側から視認できるように構成されていることが好ましく、作業性が向上する。尚、視認できる構成としては、回転砥石がチップを研磨する箇所の上側位置を迂回するように腕部の形状を形成する他、腕部に透明部を設けて視認できるようにしてもよい。
【0011】
また、回転砥石の回転軸線の方向から見た側面視において、回転砥石の回転中心と支持面とが略同一線上に位置していることが好ましい。回転砥石の回転中心に対して上側あるいは下側に支持面がオフセットされている構成に比して、より一層正確に研磨することができる。尚、略同一線上に位置するとは、少なくともチップの厚さの範囲内に回転砥石の回転中心と支持面とが位置することを意味するものである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明に係る手持ち式電動工具にあっては、被加工物の平坦な面に当接して工具本体を面で支持する支持部が加工部よりも前側に設けられているので、手持ち式であっても、被加工物に対する加工部の角度を容易に一定に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態における手持ち式ディスクグラインダを示す平面図。
【図2】同手持ち式ディスクグラインダを回転砥石の回転軸線の方向から見た要部拡大図。
【図3】同手持ち式ディスクグラインダを前側から見た図。
【図4】図1のA−A断面図。
【図5】図4のB−B断面図。
【図6】同手持ち式ディスクグラインダの支持部材をその軸線方向から見た図。
【図7】同手持ち式ディスクグラインダの支持部材の底面図。
【図8】同手持ち式ディスクグラインダでチップソーのチップのすくい面を研磨している状態を示す図1のC部拡大図。
【図9】同手持ち式ディスクグラインダでチップソーのチップの逃げ面を研磨している状態を示す要部拡大図。
【図10】同手持ち式ディスクグラインダにおいて支持部材を取り外した状態を示す断面図。
【図11】同手持ち式ディスクグラインダを手持ち式ベルトサンダに変更した状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態にかかる手持ち式ディスクグラインダについて、図1〜図10を参酌しつつ、被加工物としてのチップソー90をその軸線(台金91の法線)が上下方向となるようにセットして研磨する場合について説明する。尚、図面に示すように矢印Fが前側、矢印REが後側、矢印Lが左側、矢印Rが右側として以下説明する。
【0015】
図1に示すように、手持ち式ディスクグラインダは、前後方向の軸線を有する工具本体1と、該工具本体1の前部に回転自在に取り付けられた加工部としての回転砥石2と、該回転砥石2でチップソー90のチップ92を研磨する際にチップソー90の台金91に当接して工具本体1を支持するための支持部30を有する支持部材3とを備えている。
【0016】
工具本体1は、前後方向に沿った軸線を有する筒状のハウジング10a,10bを備え、該ハウジング10a,10bは例えば左右二つ割りの構成であってその内部には駆動部としてのモータ4(図10参照)が内蔵されている。該ハウジング10a,10bの略中央から後部領域が把持部11とされていて、作業者は把持部11を主として右手で把持して操作することになる。尚、符号12はオンオフスイッチで、符号13は回転砥石2の回転スピードを調節するための速度調節ダイヤルであり、オンオフスイッチ12は把持部11の前側に、速度調節ダイヤル13は把持部11の後側にそれぞれ位置している。
【0017】
工具本体1の前部の左側部に回転砥石2が交換可能に取り付けられている。該回転砥石2は、図4にも示しているように左右方向の回転軸線まわりに回転する。即ち、工具本体1の前部には、左右方向の回転軸線を有する駆動軸14が回転自在に支持されており、該駆動軸14にギヤ15(傘歯車)を介してモータ4からの駆動力が伝達される。詳細には、ハウジング10a,10bの内側に軸受け16が取り付けられ、該軸受け16を介して駆動軸14がハウジング10a,10bに回転自在に支持されている。該駆動軸14の左端部に砥石ホルダーとしてのプーリ17がナット5により取り付けられており、該プーリ17を介して回転砥石2が駆動軸14に取り付け固定されて、回転砥石2は駆動軸14と一体となって回転する。回転砥石2は、その基端部がプーリ17の内周面に螺着され、該基端部から先端部に向けて徐々にラッパ状に広がっていく形状とされている。回転砥石2の内部は空洞であり、従って、回転砥石2は所定の厚さに形成されている。該回転砥石2の先端部の端面2aは回転軸線と直交する平坦面とされていて、該先端部の端面2aでチップ92の逃げ面92aを研磨する(図9参照)。また、回転砥石2の外周面2bは図4に示すように回転軸線の方向に沿った縦断面視において回転軸線に対して所定の角度で傾斜した先拡がり形状となっており、該外周面2bでチップ92のすくい面92bを研磨する(図1及び図8参照)。尚、図2のように、回転砥石2の回転軸線の方向から見て、回転砥石2の中心は工具本体1(ハウジング10a,10b)の中心線と略同一線上に位置している。
【0018】
駆動軸14の右端部付近を支持するための軸受け16を内蔵するハウジング10bの部分は、回転砥石2の回転軸線をその軸線とする筒状部18とされていて側方(右側)に向かって所定長さ突出している。そして、筒状部18の外周面に支持部材3が回転可能に取り付けられている。即ち、支持部材3は、回転砥石2の回転軸線まわりに、つまり前後方向に所定角度範囲で回動でき、該支持部材3の回動を止めて所定の角度姿勢で支持部材3を固定するための固定手段としてカムレバー19が設けられている。
【0019】
支持部材3は、工具本体1に対して着脱可能に構成されており、図6及び図7に工具本体1から取り外した支持部材3を示し、図10には支持部材3を取り外した状態の工具本体1を示している。図6並びに図5にも示しているように、支持部材3の工具本体1に対する取付部31は、略U字状に形成され、その両端部同士を貫通するようにボルト20が取り付けられ、該ボルト20の一端部にカムレバー19が回動可能に支持されている。カムレバー19は本実施形態において上下方向に回動する構成であって筒状部18の前側に配置され、その基端部の外面にはカム面が形成されている。該カム面が取付部31の一端部を他端部側に押圧することで取付部31の内面がハウジング10bの筒状部18にしっかりと密着し、支持部材3の回転が阻止されて支持部材3を任意の角度で固定することができる。カムレバー19を図5の固定位置から上側に回動させるとカムレバー19による支持部材3の締結固定状態が解除されて支持部材3はハウジング10bの筒状部18に対して相対的に回転可能となる。尚、その状態、あるいは更にその状態からナット21を緩めることで、カムレバー19と共に支持部材3を工具本体1から取り外すことができる。
【0020】
上述したように支持部材3は回転砥石2の回転軸線まわりに所定角度範囲内で回動可能に構成されているが、図2や図3に示された状態は支持部30が最も上側に位置するように支持部材3を回動させた状態であって支持部材3の一方の回動限界点である。この状態が作業基準位置でもあるので、以下の説明はこの状態を前提にして説明する。
【0021】
図1に示すように、支持部材3の取付部31は回転砥石2が位置している左側部とは反対側である右側部に位置しているが、支持部材3の支持部30は回転砥石2の前側であって且つ回転砥石2と同様に工具本体1の左側に位置している。即ち、工具本体1の左右方向の中心を基準にすると、支持部材3の取付部31は右側に位置し、回転砥石2と支持部材3の支持部30は共に左側に位置している。そのため、支持部材3は、取付部31と支持部30との間を結ぶ腕部32を備えている。該腕部32は、取付部31の上端部から左側に向かって伸びて、更に工具本体1の上側から前側へと図2のように回転砥石2の回転軸線を中心とした円弧を描きながら伸びて支持部30に達する。尚、腕部32は、工具本体1の上側から支持部30に向かって降下していく途中で、図1のように平面視において回転砥石2がチップ92を研磨する箇所が上方から視認できるように、当該箇所の上方位置を右側に迂回する形状となっている。
【0022】
支持部30はその下面にチップソー90の台金91に当接する平坦な支持面33を有している。該支持面33は、上述した作業基準位置において、図2のように回転砥石2の回転中心と略同一線上に位置する。回転砥石2の回転中心は工具本体1の把持部11の中心とも略一致しているので、支持面33と回転砥石2の回転中心と工具本体1の把持部11の中心は略一直線に並ぶことになる。
【0023】
該支持面33は、中央の逃げ部34を挟んで左右にそれぞれ形成されている。左側の支持面33aと右側の支持面33bは図7にも示しているように何れも前後方向に長い縦長の長方形状である。図1及び図9のように、左側の支持面33aは回転砥石2がチップ92を研磨する箇所に対して左側にオフセットして位置しており、右側の支持面33bは回転砥石2がチップ92を研磨する箇所に対して右側にオフセットして位置している。即ち、左右の支持面33の間に位置する逃げ部34は、回転砥石2がチップ92を研磨する箇所の前側に位置していて、支持部30の下面を前後方向に縦断するように凹設されている。従って、特に、図9のようにチップ92の逃げ面92aを研磨する際において、研磨しているチップ92よりも前側に位置するチップ92が左右の支持面33a,33bの間に位置して支持面33a,33bとチップ92とが干渉しないように構成されている。また、右側の支持面33bは左側の支持面33aよりも前後方向の長さが短く、左右方向の長さ(幅)も短い。この意味において、左側の支持面33aが主たる支持面33として右側の支持面33bが従たる支持面33として機能する。また、右側の支持面33bの後端は左側の支持面33aの後端よりも前側に位置しており、図1のようにチップ92のすくい面92bを研磨する際に、研磨しているチップ92よりも前側に位置するチップ92が右側の支持面33bと干渉しないように構成されている。更に、支持部30の前端部は左右二股に分岐しており、略中央には後側に向けて切欠部35が形成されている。該切欠部35は平面視略矩形であって、逃げ部34と同じ位置に同幅にて形成されている。従って、切欠部35は逃げ部34と一体となっており、切欠部35によって支持部30の前端部の上側が開放されることから、該切欠部35によって逃げ部34の位置を把握でき、また左右の支持面33a,33bの位置を把握できる。
【0024】
また、支持部材3は、回転砥石2の主として後側をカバーする保護カバー部36を備えている。図1に示すように、腕部32から分岐するように架橋部37が左側斜め後方に向けて伸び、回転砥石2の上側位置において架橋部37から保護カバー部36が後側に向けて伸びている。保護カバー部36は、工具本体1の左側に位置すると共に、図2のように、回転砥石2の回転軸線を中心とした円弧を描くようにして回転砥石2の上側位置から下側斜め後方位置まで90度〜180度の中心角にて形成されている。尚、図2のように回転砥石2の回転軸線の方向に見た側面視において、腕部32と保護カバー部36は回転砥石2の回転中心を中心とした同一円上にある。
【0025】
尚、作業基準位置において、支持部材3の所定箇所が工具本体1に当接してそれ以上後側には回動しないようになっている。具体的には、腕部32と保護カバー部36とを架橋する架橋部37が図1において符号38で示しているストッパポイントにおいて工具本体1のハウジング10aに当接する。このように支持部材3が作業基準位置においてハウジング10aに当接するので、特に腕部32の付け根部近傍の変形が防止されて、作業時に支持部30が安定すると共に支持部材3の破損や変形も防止できて耐久性も向上する。尚、架橋部37が平面視において直線状ではなく円弧状に形成されているので、架橋部37においても応力集中の発生が抑制されている。
【0026】
以上のように構成された手持ち式ディスクグラインダにあっては、支持面33がチップソー90の台金91に当接して工具本体1を面で支持するので、チップ92を安定して精度良く研磨することができる。また、作業者は、支持面33が台金91に面で当接していることを確認しながら把持部11を把持して作業を行うことができる。更に、回転砥石2の前側に支持面33が位置しているので、仮に支持面33が台金91に対して傾いたとしても容易に調整することができる。しかも、支持面33が逃げ部34を挟んでその左右両側に分かれて位置しているので、支持部30の大きさを確保しつつも逃げ部34によってチップ92との干渉を防止することができる。また、回転砥石2がチップ92を研磨する箇所に対して左側の支持面33aが左側に位置し右側の支持面33bが右側に位置して、回転砥石2が左右方向において左右の支持面33a,33bの間に位置することとなるので、回転砥石2の左右方向の傾きを容易に安定化させることができ、チップ92のすくい面92bを高精度に研磨することができる。
【0027】
また、支持部30の前端部に切欠部35を設けて逃げ部34の位置や左右の支持面33の位置を切欠部35を介して作業者が上方から容易に確認することができるので、チップ92と支持面33との干渉を容易に防止することができる。
【0028】
更に、チップ92を研磨している箇所が上方から視認できるので、チップ92への回転砥石2の当たり具合を目視確認しながら研磨作業を行うことができる。
【0029】
また更に、支持部材3に保護カバー部36が設けられているので、安全に作業を行うことができると共に支持部材3とは別に保護カバーを取り付けたりする必要もない。
【0030】
また、作業基準位置において支持面33が回転砥石2の回転中心と略同一線上に位置するので、支持面33が回転砥石2の回転中心に対して上側あるいは下側にオフセットしている場合に比してチップ92への回転砥石2の当たり具合が良好となって高精度に研磨することができる。しかも、支持面33と回転砥石2の回転中心と把持部11の中心とが略一直線状に並ぶことにもなるので、把持部11を把持する手と回転砥石2及び支持面33が一体となって作業をしやすく、チップ92の研磨精度がより一層向上する。そして、その作業基準位置は、支持部材3を図2において時計回りに回動させて支持部材3の所定箇所即ち架橋部37がハウジング10a,10bに当接する位置であるので、作業基準位置へのセッティングが極めて容易であり、且つ、作業中の支持部材3の姿勢変化も防止できる。更に、支持部材3は回動可能であるので、作業基準位置以外の角度にも容易にセッティングできる。また、支持部材3が不要である場合には工具本体1から支持部材3を容易に取り外して保管等することもでき、図10のように支持部材3が存在しない状態の工具本体1を用いて研磨等を行うこともできる。更に、ハウジング10bの筒状部18の外周面を利用して支持部材3を回動可能に支持したり着脱したりする構成としているので、ハウジング10a,10bに別途の取付部を形成する必要もない。更に、筒状部18の軸線が回転砥石2の回転軸線となっているので、支持部30の回転砥石2に対する位置決めも容易である。
【0031】
尚、回転砥石2を駆動軸14に取り付けるための砥石ホルダーをプーリ17としているので、該プーリ17を用いて手持ち式ベルトサンダとして使用することもできる。具体的には、図10のように支持部材3を取り外し、更に回転砥石2もプーリ17から取り外す。その後、図11のように筒状部18にアーム6を取り付ける。該アーム6の取り付け構造としては例えば上述したカムレバーと同様の機構を採用できる。該アーム6の先端部には従動側のプーリ7が設けられており、該プーリ7と駆動軸14の駆動側のプーリ17との間に無端のサンダベルト8を巻回させる。
【0032】
尚、本実施形態では支持部材3を回動可能に取り付ける構成について説明したが、回動不能に取り付けられる構成であってもよい。また、支持部材3の取り付け箇所や取り付け構造も任意である。更に、支持部材3が工具本体1とは別部材でなく一体の構成としてもよい。支持部材3に保護カバー部36を設けていたが、これを省略しても無論よい。
【符号の説明】
【0033】
1 工具本体
2 回転砥石
2a 端面
2b 外周面
3 支持部材
4 モータ
5 ナット
6 アーム
7 プーリ
8 サンダベルト
10a ハウジング
10b ハウジング
11 把持部
12 オンオフスイッチ
13 速度調節ダイヤル
14 駆動軸
15 ギヤ
16 軸受け
17 プーリ
18 筒状部
19 カムレバー
20 ボルト
21 ナット
30 支持部
31 取付部
32 腕部
33 支持面
33a 支持面
33b 支持面
34 逃げ部
35 切欠部
36 保護カバー部
37 架橋部
38 ストッパポイント
90 チップソー
91 台金
92 チップ
92a 逃げ面
92b すくい面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を加工するための加工部よりも前側に、被加工物の平坦な面に当接して工具本体を面で支持する支持部が設けられていることを特徴とする手持ち式電動工具。
【請求項2】
加工部が回転砥石である手持ち式ディスクグラインダであり、支持部の下面にはチップソーの台金に当接する平坦な支持面が形成され、支持部の下面には該下面を前後方向に縦断する逃げ部が凹設され、該逃げ部の左右両側に支持面が各々形成されている請求項1記載の手持ち式電動工具。
【請求項3】
工具本体から腕部が延設され、該腕部の前部に支持部が形成されており、該腕部は、回転砥石がチップを研磨する箇所を作業者が上側から視認できるように構成されている請求項2記載の手持ち式電動工具。
【請求項4】
回転砥石の回転軸線の方向から見た側面視において、回転砥石の回転中心と支持面とが略同一線上に位置している請求項2又は3記載の手持ち式電動工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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