説明

手指圧マッサージ器

【課題】 従来の一般的なマッサージ器はもちろん、手指圧マッサージによる問題点を解決し、手のひらと手の甲を必要に応じて部分的又は全体的に選択して指圧することができるとともに、ユーザが両手をマッサージ器に入れてマッサージを受ける状態でも、機器の作動を簡単に制御することができる手指圧マッサージ器を提供する。
【解決手段】 本発明は、手指圧マッサージ器に関し、チューブ型からなるケースと、ケースの内部に設けられる上下部エアポケットと、下部エアポケットの上に載置され、手のひらの経穴部位を押すための突起が形成された指圧板と、エアポケットに圧縮空気を供給するエアポンプと、上下部エアポケットに供給される圧縮空気の流れを制御する制御弁と、エアポンプ及び制御弁の作動を制御するコントローラとから構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手指圧マッサージ器に関し、特に2個以上の多数個のエアポケットを利用して手のひらの経穴をユーザの選択によって刺激することができるとともに、ユーザが一人でも安全で且つ便利に作動させることができる手指圧マッサージ器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、マッサージ器は、人の手に代わって人体の固まっている筋肉をほぐしたり、経穴部位をもむことによって、疲労回復を助けるために開発された機器を称する。
このようなマッサージ器には、色々なタイプがあり、大部分のマッサージ器は、腕と足又は背中の筋肉をほぐすようになっている。従来のマッサージ器は、筋肉をねじったり押したりする方式で作動するようになっているたけで、経穴を押す作動を期待することができず、手のひらや手の甲の経穴を押してマッサージするには不適合であるという欠点がある。
また、一般的には、手指圧マッサージ器は、基本的な特性が機器の中に手を入れて使用することにある。したがって、両手を同時にマッサージする場合、手の動作が制限されるため、マッサージ器を使用する途中に、手を使用して機器の作動を制御することが困難であるという根本的な問題点を有し、このような根本的な問題は解決される必要がある。
すなわち、両手をマッサージ器に入れた状態で突発的な状況が発生した場合にも、機器の作動を制御できる条件が備えられる場合のみに安全に使用することができるようにする必要がある。
また、必要に応じて、手の各部分を選択的に指圧し、多様な状態で指圧するようにする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、前述したような従来の一般的なマッサージ器はもちろん、手指圧マッサージに関する問題点を解決し、手のひらと手の甲を必要に応じて部分的又は全体的に選択して指圧することができるとともに、ユーザが両手をマッサージ器に入れてマッサージを受ける状態でも、機器の作動を簡単に制御することができる手指圧マッサージ器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明の手指圧マッサージ器は、チューブ型からなるケースと、前記ケースの内部に設けられる上下部エアポケットと、前記下部エアポケットの上に載置され、手のひらの経穴部位を押すための突起が形成された指圧板と、前記エアポケットに圧縮空気を供給する空気ポンプと、前記上下部エアポケットに供給される圧縮空気の流れを制御する制御システムとから構成されている。
また、前記上下部エアポケットが2個以上の多数個に分割形成され、前記多数個のエアポケットに供給される圧縮空気がモードの選択スイッチによって選択制御されるようにすることができる。
したがって、前記モード選択スイッチの選択によって多数個からなるエアポケットが選択的に作動しながら、手のひら又は手の甲を必要によって多様に指圧し、指圧効果を高めることができる。
また、本発明による手指圧マッサージ器は、前記モード選択スイッチがコントローラに連結されたリミットスイッチを備え、このリミットスイッチがケースの底面に設けられ、ユーザが両手を機器に挿入した状態でも腕を使用して機器を持ち上げたり下ろしたりすれば、コントローラがリミットスイッチのオン時間をカウントし、その作動時間によってモード制御或いはパワーオフ時間の動作を選択的に制御するようになっている。
また、本発明による手指圧マッサージ器は、前記指圧板に多数個の指圧突起が経穴部位に合わせてその大きさが互いに異なるように形成された構造となっていて、重要な穴部位に合わせて経穴効果を高めることができるようになっている。
【発明の効果】
【0005】
このような構造を有する本発明の手指圧マッサージ器は、手の甲と手のひらに多数個のエアポケットが配置され、所望のモードに選択作動するようにするとともに、手のひらの位置によって指圧突起の高さが互いに異なるよう構成されているので、手のひらと手の甲を効果的に指圧することができる。
また、エアポケットの作動モード選択スイッチがケースの外部に設けられているので、ユーザがエアポケットの中に両手を入れた状態でもユーザがケース自体を両腕で持ち上げたり下ろしたりしながらリミットスイッチを作動させて、制御モードを変更させるか、またはパワーをオフすることができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明による手指圧マッサージ器の斜視図である。
【図2】本発明による手指圧マッサージ器の作動過程を示すケースの断面図である。
【図3】本発明による手指圧マッサージ器に設けられるエアポケットの配置構造の例を示す概略的平面図である。
【図4】本発明による手指圧マッサージ器の構成を説明するためのブロック図である。
【図5】本発明による手指圧マッサージ器に設けられる指圧板の概略的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付の図面を参照して本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明による手指圧マッサージ器の構造を示す概略的斜視図であり、図2は、本発明による手指圧マッサージ器の作動過程を示すマッサージ器のケース構造を示す断面図であり、図3は、本発明による手指圧マッサージ器に設けられるエアポケットの配置構造の例を示す概略平面図である。
【0008】
図1に示す如く、本発明による手指圧マッサージ器は、チューブ型からなるケース(1)と、ケース(1)の内部に設けられ、圧縮空気によって収縮及び膨脹する上下部エアポケット(2、3)と、下部エアポケット(2、3)上に載置され、手のひらの経穴部位を押すための突起(4)が形成された指圧板(5)とから構成される。
ケース(1)は、様々な形態からなることができる。本発明の図1では、四角形ボックスの形態で示したが、必ずしもこのような四角形ボックスの形態に限定されるものではなく、様々な他の形態に構成することもでき、表面を柔らかい布地などで取り囲むことによって、柔らかい形状で構成してもよい。
【0009】
また、エアポケット(2、3)は、図1及び図2に示すように、左右両手を同時に指圧することができるようにするために左右の2対で構成されるが、必要に応じて一対だけを備えて一方の手だけを指圧するようにすることもできる。各々のエアポケット(2、3)は、ケース(1)の内部に設けられる別途の設置台(6、7)に内蔵して装着される。
エアポケット(2、3)は、布地やビニルのような柔らかい材質からなり、圧縮空気の供給によって収縮膨脹することができるようになっている。また、エアポケット(2、3)は、設置台(6、7)の上下壁面にそれぞれ1つずつ固設され、圧縮空気の供給によって上部エアポケット(2)は下側へ膨脹し、下部エアポケット(3)は、上側へ膨脹するようになっている。
【0010】
一方、本発明による手指圧マッサージ器は、上部エアポケット(2)または下部エアポケット(3)のそれぞれが、図3に示すように、多数個の分割エアポケット(a,b,c,d)で構成されることができる。例えば、図3(a)及び(b)に示すように、2個の分割エアポケット(a,b)を上下または左右に配列したり、図3(c)及び(d)に示すように、上部に2つの分割エアポケット(a,b)を配列し、下部に1つのエアポケット(c)を配列したりすることもできる。また、これと反対に、上部に1つの分割エアポケット(a)を配列し、下部に2つのエアポケット(b,c)を配列した構造で製作することができる。
また、図3(e)に示すように、4個のエアポケット(a,b,c,d)を上下左右にそれぞれ2つずつ配列した構造にすることもできる。
このように多数個のエアポケット(a,b,c,d)を上下左右に配列し、1つの上部エアポケット(2)または下部エアポケット(3)を構成することによって、必要に応じて分割エアポケット(a,b,c,d)を部分的にまたは全体を同時に膨脹または収縮作動するようにして、上下部エアポケット(2、3)の間に挟持された手の上面と下面を部分的に押圧することによって、所要の部分を効果的に指圧することができる。
【0011】
このように所要の部分を部分的に押圧することができるようにすることによって、手の経穴を効果的に刺激し、手の経穴刺激を用いた治療の効果をさらに高めることができる。
一方、上述の分割エアポケット(a,b,c,d)は、部分的に作動するだけでなく、空気の供給状態によって部分的に強弱を調節しながら膨脹及び収縮作動するようにして、手の経穴刺激効果をさらに増大させることができる。
【0012】
上述の指圧板(5)は、図5に示すように、下部エアポケット(3)に固設され、且つ多数個の突起(5a、5b)が一定の間隔をもって配置されている。また、図3に示すように、突起(5a、5b)のうち、手のひらの経穴が位置する部分の突起(5a)は、上側に凸設されるように大きく形成され、経穴が位置しない部分の突起(5b)は、小さく形成されていて、手のひらの経穴を効果的に押すようになっている。
【0013】
前述の如く構成された本発明のエアポケット(2、3)は、図4に示すような構成を有する制御機システムによって制御される。この制御システムは、それぞれの分割エアポケット(a,b,c,d)にエアを供給するエアポンプ(8)と、このエアポンプ(8)で供給されるエアの供給方向を制御する制御弁(9)と、エアポンプ(8)及び制御弁(9)の作動を制御するコントローラ(10)とから構成される。
【0014】
上述のそれぞれの分割エアポケット(a,b,c,d)は、エアポンプ(8)で供給されるエアが制御弁(9)によって分割供給されることによって、選択的に膨脹収縮するようになる。
エアポンプ(8)は、全体機器を制御するコントローラ(10)に直接連結され、制御弁(9)は、モード選択スイッチ(11)を介してコントローラ(10)に連結されている。
したがって、コントローラ(10)から信号を伝達されて稼動されるのは、エアポンプ(8)だけでなく、モード選択スイッチ(11)と制御弁(9)もコントローラ(10)から信号を伝達されて稼動される。
また、エアポンプ(8)が稼動されることによって発生するエアは、弁ユニット(9)によってそれぞれの分割エアポケット(a,b,c,d)に伝達される。この時、上述のモード選択弁(11)が、制御弁(9)の作動を制御することによって、分割エアポケット(a,b,c,d)の一部または全部に選択的にエアが注入されるようにする。
【0015】
一方、上述のコントローラ(10)には、メインパワースイッチ(12)を用いたパワートランス(13)と、補助スイッチの役目をするパワー制御スイッチ(14)と、ヒーター制御スイッチ(15)によって稼動されるヒーター(16)と、リミットスイッチ(17)及びUVランプ(18)が連結されている。
更に、コントローラ(10)には、作動状態を示すディスプレイ(19)が連結されている。
【0016】
上記のリミットスイッチ(17)は、ケース(1)の下側に突設され、ケース(1)が地面から浮かぶなどの場合のように、地面に接触しない場合に作動するようになっている。
リミットスイッチ(17)は、地面から浮かぶと、オンとなるようにし、地面に接触すれば、オフとなるようにして、上述のコントローラ(10)がリミットスイッチ(17)のオン時間をカウントし、リミットスイッチ(17)が1秒以内にオンとされれば、選択モードスイッチ(11)を制御し、リミットスイッチ(17)が3秒以上オンとされれば、パワーオフ動作を行うようになっている。
【0017】
このような構造を有する本発明の手指圧マッサージ器の使用形態について説明する。
まず、機器を底が偏平な所に配置し、電源プラグを差した後、機器の裏面に設けられたメイン電源スイッチ(12)をオンとする。
次に、機器の上部に設けられたパワー制御スイッチ(14)をオンとすると、タイム表示窓が表示され、作動ランプが点灯するとともに、エアポンプ(8)が最小の圧力状態で稼動される。
この時、ユーザが左右エアポケット(2、3)の間に手を入れると、エアポケット(2、3)が伸縮しつつマッサージが始まる。
使用中にエアポケット(2、3)の圧力強度を変更しようとする場合は、2つの方法で変更することができる。1つは、機器の上部に設けられたモード選択スイッチ(11)を直接押して変更することができ、他の1つは、上記で説明したように、リミットスイッチ(17)が1秒以内にオン作動するように機器の前方部を軽く持ち上げてから下ろすと、コントローラ(10)がこれを感知し、モード選択スイッチ(11)を作動させて、分割エアポケット(a,b,c,d)の作動を選択制御するようになる。
すなわち、ケース(1)を1秒以内に持ち上げてから下ろしたりすれば、コントローラ(10)がこれを感知し、分割エアポケット(a,b,c,d)の作動状態を選択して作動させることができる。
この時、分割エアポケット(a,b,c,d)の作動状態は、マイクロプロセッサーであるコントローラ(10)に入力されたプログラムによって決定されるようになる。
【0018】
このような過程で本発明による手指圧マッサージ器を使用している途中で、稼動を中止しようとする場合は、次のような3つの方法がある。
第一に、機器の裏面に設けられたメイン電源スイッチ(12)をオフとする。第二に、機器の上部に設けられた制御スイッチ(14)を押してオフとする。第三に、機器の前方部を軽く持ち上げて3秒以上浮かんだ状態を維持すれば、コントローラ(10)がこれを感知し、電源スイッチ(14)を強制的にオフとするようになる。
【0019】
本発明による手指圧マッサージ器に備えられているUVランプ(18)は、エアポケット(2、3)を消毒処理するためのものであって、エアポンプ(2、3)が稼動された後に作動が終了したら、コントローラ(10)がこれを感知し、3〜4分間待機した後、UVランプ(18)を3分間稼動させて殺菌消毒をするようにする。
一方、上述のコントローラ(10)に連結されたモード選択スイッチ(11)を稼動状態に切り替えれば、エアポンプ(8)が作動しながらエアポケット(2、3)に圧縮空気を供給するようになる。エアポケット(2、3)に圧縮空気が供給されると、図2に示す如く、上下部エアポケット(2、3)の間に位置する手(13)を上下で押圧するようになる。
このように上下部エアポケット(2、3)が手(20)を押して押圧すると、下部エアポケット(3)上に設けられた指圧板(5)の突起(5a)が手のひらと指を押して指圧するようになる。
この時、上下部エアポケット(2、3)の分割エアポケット(a,b,c,d)に供給される空気の供給を、上記で説明したようにモード選択スイッチ(11)の選択位置によって多様な方法で選択制御することによって、上下部エアポケット(2、3)の間に入れた手の指圧効果を異なるものに変更させることができることは勿論、指圧効果をさらに高めることができる。
また、上下部エアポケット(2、3)を通じて手のひらに直接的に指圧を行う指圧板(5)は、図5に示す如く、手のひらの経穴位置に合わせて多数個の互いに高さが異なる指圧突起(5a、5b)を形成することによって、指圧効果をさらに高めることができるようになる。
【符号の説明】
【0020】
1・・・・・ケース
2・・・・・エアポケット
3・・・・・エアポケット
4・・・・・突起
5・・・・・指圧板
6・・・・・設置台
7・・・・・設置台
8・・・・・空気ポンプ
9・・・・・制御弁
10・・・・コントローラ
11・・・・モード選択スイッチ
12・・・・メインパワースイッチ
13・・・・パワートランス
14・・・・パワー制御スイッチ
15・・・・ヒータスイッチ
16・・・・ヒータ
17・・・・リミットスイッチ
18・・・・UVランプ
19・・・・ディスプレイ
20・・・・手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ型からなるケースと、
該ケースの内部に設けられる上下部エアポケットと、
前記下部エアポケットの上に載置され、手のひらの経穴部位を押すための突起が形成された指圧板と、
前記エアポケットに圧縮空気を供給する空気ポンプと、
前記上下部エアポケットに供給される圧縮空気の流れを制御する制御弁と、
前記エアポンプ及び前記制御弁の作動を調節するコントローラとから構成されることを特徴とする手指圧マッサージ器。
【請求項2】
前記上下部エアポケット各々が2個以上の多数個の分割エアポケットからなることを特徴とする請求項1に記載の手指圧マッサージ器
【請求項3】
前記分割エアポケットに圧縮空気を供給するエアポンプ及び圧縮空気の流れを制御する制御弁がマイクロプロセッサーであるコントローラに連結され、また、前記リミットスイッチがコントローラに連結されてなることを特徴とする請求項1に記載の手指圧マッサージ器。
【請求項4】
前記リミットスイッチが1秒以内にオン作動すれば、コントローラがこれを感知し、作動モードが変更されるようにし、3秒以上作動すれば、パワーがオフとなるようにすることを特徴とする請求項3に記載の手指圧マッサージ器。
【請求項5】
前記指圧板に多数個の指圧突起が経穴部位に合わせてその大きさが互いに異なるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の手指圧マッサージ器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−125317(P2010−125317A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24207(P2009−24207)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(509035347)トレヴィ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】