説明

手摺の支持構造

【課題】角度調整が容易で強度の向上が図れるようにした手摺の支持構造を提供すること。
【解決手段】支柱2の下端部に固定される回動体10は、支柱が挿入可能な挿入穴11が設けられ、中心部の水平方向に軸孔12が貫通されると共に、軸孔の同心円上及び下方に渡って凹部13が形成される。設置面に固定される支持体20は、ベース部21の上面に起立する固定部22を具備し、固定部には、回動体の凹部に嵌合されると共に、中心部には軸挿通孔23が穿設される凸部24が形成される。回動体の凹部には、開口側に向かって漸次拡開する拡開テーパ面13cが形成され、支持体の凸部には、凹部の拡開テーパ面が摺動自在に接触する狭小テーパ面24cが形成される。回動体の凹部と支持体の凸部とを嵌合した状態で、回動体の軸孔と支持体の軸挿通孔を貫通する連結ボルト31の突出部に連結ナット32を螺合して回動体と支持体とを回動可能に連結して固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、手摺を支持する支柱を設置面に角度調整可能に固定する手摺の支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、玄関先にアプローチ手摺を設けることが多く行われている。このような場所は、階段又はスロープになっており、スロープにおいて手摺を設置する設置面であるコンクリート面は傾斜状に形成されている。
【0003】
コンクリート面を形成する際に手摺も同時に施工する場合は、手摺支柱の下端部の根元部分を埋設状に固定することが多いが、コンクリートが硬化するまでに支柱の角度がずれ内容に細心の注意を要する手間のかかる作業となる。
【0004】
また、手摺を後付する場合は、支柱の下端部にブラケットを設けてアンカーボルトで固定することとなるため、角度調整可能なブラケットが必要である。
【0005】
従来、角度調整可能な手摺として、側面視円弧状の位置決め部を備える位置決め部材に、円弧状の凹曲面を有する回動部を備えた回動部材を被せ、中心を貫通する軸芯にて回動可能に取り付け、回動部材に摺動可能に取り付けられる摺動子に螺合する固定部材を位置決め部材に設けられた複数の受容部に当接して角度調整可能に固定する構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、別の手摺の支持構造として、設置面に固定される定着部材と、定着部材の上で揺動及び固定される可動部材とで構成され、可動部材は、その全体が揺動する際の軸となる揺動軸をその下端に備え、揺動軸を挟んで略対照的に翼状に延出する一対の調整片を備え、調整片の各々に傾斜調整ボルトが挿通する透孔を備えると共に、透孔の上縁部に傾斜調整ボルトと螺合する規制部材により圧せられる座部を備え、定着部材は、可動部材の揺動軸を受ける軸受け部を備えると共に、傾斜調整ボルトを回転不能にその先端が上向きとなるように備え、軸受け部の軸受けが揺動軸の側面に略外接する多角形状の内縁を有した凹状の支持条又は支持面で構成されている傾斜調整取付構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3813545号公報(特許請求の範囲、図2〜図5)
【特許文献2】特開2008−196235号公報(特許請求の範囲、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載のものにおいては、設置面に固定される位置決め部材に、回動部材を被せて軸芯にて回動可能に取り付け、回動部材に取り付けられる摺動子に螺合する固定部材を位置決め部材に設けられた複数の受容部に当接して固定する構造であるため、傾斜角の調整が面倒な上、位置決め部材と回動部材の固定部の強度が十分でなく、手摺に過度の荷重がかかった場合に手摺が傾く懸念があった。
【0009】
また、特許文献2に記載のものにおいては、可動部材に設けられた一対の調整片の各々に傾斜調整ボルトを挿通し、傾斜調整ボルトと螺合する規制部材により固定するため、特許文献1に記載のものに比べて固定部の強度を高めることができるが、2箇所の傾斜調整ボルトに規制部材を螺合して固定するため、傾斜角度の調整作業が面倒であると共に、取付作業に手間がかかるという問題がある。
【0010】
また、特許文献1及び2に記載のものは、いずれも固定手段である固定部材や傾斜調整ボルト及び規制部材は、固定のみを目的としており、外観の美観は考慮されておらず、外部に突出する固定部材や傾斜調整ボルト及び規制部材等を目隠しするためにはカバーが必要となる。
【0011】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、角度調整が容易で強度の向上が図れるようにした手摺の支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、手摺を支持する支柱を設置面に角度調整可能に固定する手摺の支持構造であって、 上記支柱の下端部に固定される回動体と、設置面に固定されると共に、上記回動体を回動可能に支持する支持体と、上記回動体と支持体とを回動可能に連結するボルトとナットとからなる連結部材と、を具備し、 上記回動体は、上端部に上記支柱が挿入可能な挿入穴が設けられ、中心部の水平方向に軸孔が貫通されると共に、上記軸孔の同心円上及び下方に渡って凹部が形成され、 上記支持体は、設置面に固定されるベース部と、このベース部の上面に起立する固定部とを具備し、上記固定部には、上記回動体の凹部に嵌合されると共に、中心部には軸挿通孔が穿設される凸部が形成され、 上記回動体の凹部は、開口側に向かって漸次拡開する拡開テーパ面が形成され、 上記支持体の凸部は、上記凹部の上記拡開テーパ面が摺動自在に接触する狭小テーパ面が形成され、 上記回動体の凹部と上記支持体の凸部とを嵌合した状態で、上記回動体の軸孔と上記支持体の軸挿通孔を貫通する上記連結部材のボルトの突出部に上記ナットを螺合して回動体と支持体とを固定する、ことを特徴とする。この場合、上記回動体を、上記挿入穴を構成する半円状の穴部と上記凹部及び軸孔を有する一対の回動半体にて形成し、各回動半体には、両回動半体を貫通して固定する固定ボルトとナットの収容凹所を設ける方が好ましい(請求項2)。
【0013】
このように構成することにより、支柱の下端部に固定される回動体に設けられた拡開テーパ面を有する凹部と、設置面に固定される支持体に設けられた狭小テーパ面を有する凸部とを摺動接触可能に嵌合して支柱の傾斜角度を調整することができ、角度調整した状態で回動体の軸孔と支持体の軸挿通孔を貫通する連結部材のボルトの突出部にナットを螺合して回動体と支持体とを固定することで、凹部と凸部の摩擦接触によって回動体と支持体とを強固に固定することができる。この場合、上記回動体を、上記挿入穴を構成する半円状の穴部と上記凹部及び軸孔を有する一対の回動半体にて形成し、各回動半体には、両回動半体を貫通して固定する固定ボルトとナットの収容凹所を設けることにより、支柱への回動体の取付作業を容易にすることができると共に、固定ボルトとナットの外部への露出をなくすことができる(請求項2)。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の手摺の支持構造において、 上記回動体の下端部には、該回動体の回動方向に沿って連続する複数の凹凸部が形成され、 上記支持体における上記回動体の回動方向と直交する部分には、位置固定ナットを回転不能に係止する係止凹所を有するボルト挿通溝が形成され、 上記係止凹所内に係止された上記位置固定ナットに螺合される位置固定ボルトの先端を上記凹凸部に押圧して固定する、ことを特徴とする。
【0015】
このように構成することにより、支持体に設けられたボルト挿通溝の係止凹所内に係止された固定ナットに螺合される固定ボルトの先端を、回動体に設けられた凹凸部に押圧して固定することができ、連結部材によって固定される回動体と支持体の固定を更に強固にすることができる。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の手摺の支持構造において、上記回動体を略球形状に形成し、上記支持体の固定部には、上記回動体の球面に対応した球面受け部を設けると共に、固定部の外側を、上記回動体の球面に連なる球面状に形成してなる、ことを特徴とする。
【0017】
このように構成することにより、支柱の傾斜角度に関係なく、回動体と支持体との隙間を少なくすることができると共に、回動体と支持体とに段差がなく回動体と支持体とを略球形状に形成することができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、上記のように構成されているので、以下のような優れた効果が得られる。
【0019】
(1)請求項1記載の発明によれば、回動体に設けられた拡開テーパ面を有する凹部と、支持体に設けられた狭小テーパ面を有する凸部とを摺動接触可能に嵌合して固定するので、手摺の支柱の角度調整を容易にすることができる。また、凹部と凸部の摩擦接触によって回動体と支持体とを固定することにより、強度の向上が図れる。
【0020】
(2)請求項2記載の発明によれば、支柱への回動体の取付作業を容易にすることができると共に、固定ボルトとナットの外部への露出をなくすことができるので、上記(1)に加えて更に美観の向上が図れる。
【0021】
(3)請求項3記載の発明によれば、支持体に設けられたボルト挿通溝の係止凹所内に係止された固定ナットに螺合される固定ボルトの先端を、回動体に設けられた凹凸部に押圧して固定することができるので、上記(1),(2)に加えて更に回動体と支持体の固定を強固にすることができ、手摺に過度の荷重が加わっても手摺の変形を防止することができる。
【0022】
(4)請求項4記載の発明によれば、支柱の傾斜角度に関係なく、回動体と支持体との隙間を少なくすることができると共に、回動体と支持体とを略球形状に形成することができるので、上記(1)〜(3)に加えて、更に支持部の美観の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明に係る手摺の支持構造の一例を示す側面図である。
【図2】この発明に係る手摺の支持構造の要部を示す側面図である。
【図3】上記手摺の支持構造の横断面図である。
【図4】図3のI−I線に沿う断面図である。
【図5】傾斜状態の一部を断面で示す側面図である。
【図6】上記手摺の支持構造の要部を示す斜視図である。
【図7】この発明における回動体、支持体、連結部材及び固定部材を示す分解斜視図である。
【図8】この発明における支柱に固定された回動体を支持体に取り付ける状態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、この発明に係る手摺の支持構造の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
この発明に係る支持構造を有する手摺は、図1ないし図6に示すように、例えば、玄関先のアプローチの設置面1に固定される支持体20と、支柱2の下端部に固定される回動体10と、回動体10と支持体20とを回動可能に連結する連結ボルト31と連結ナット32とからなる連結部材30と、支柱2の上端部に固定される手摺用ブラケット3によって支持される屈曲変形可能な手摺体4と、を具備している。なお、支持体20と回動体10の固定部にはカバー5が被着されている。
【0026】
上記回動体10は略球形状に形成されており、上端部に支柱2が挿入可能な挿入穴11が設けられ、中心部の水平方向に軸孔12が貫通されると共に、軸孔12の同心円上及び下方に渡って凹部13が形成されている。凹部13は、軸孔12と同心円となる円形凹部13aと、この円形凹部13aの下端に連なる直状凹部13bとからなる。なお、円形凹部13aには、開口側に向かって漸次拡開する拡開テーパ面13cが形成されている。
【0027】
また、回動体10は、挿入穴11を構成する半円状の穴部11aと凹部13及び軸孔12を有する一対のアルミニウムダイキャスト製の回動半体10a,10bからなり、固定ボルト14と袋ナット15とによって固定されている。この場合、各回動半体10a,10bには、両回動半体10a,10bを固定する固定ボルト14の貫通孔16が左右2箇所に設けられており、各貫通孔16の開口部には、固定ボルト14の頭部14aと袋ナット15が収容可能な収容凹所17a,17bが設けられている。すなわち、図3に示すように、一方の回動半体10aには、固定ボルト14を挿通する貫通孔16と、この貫通孔16の開口部側に固定ボルト14の頭部14aを収容する収容凹所17aが設けられている。また、他方の回動半体10bには、固定ボルト14を挿通する貫通孔16と、この貫通孔16の開口部側に袋ナット15を収容する収容凹所17bが設けられている。なお、固定ボルト14の頭部14aの先端には六角穴14bが形成されている。
【0028】
また、両回動半体10a,10bの下端部には、回動体10の回動方向に沿って連続する複数の例えば鋸歯状の凹凸部18が形成されている。なお、凹凸部18の形状は必ずしも鋸歯状である必要はなく、複数の連続する凹凸状であれば任意の形状でよい。
【0029】
一方、上記支持体20は、設置面に固定されるベース部21と、このベース部21の上面に起立する固定部22とを具備する一対のアルミニウムダイキャスト製部材にて形成されている。この場合、ベース部21は半円形状に形成され、その両側には設置面1に螺入されるアンカーボルト6が挿通可能な挿通孔21aが穿設されている。
【0030】
また、固定部22には、回動体10の凹部13に嵌合されると共に、中心部には、連結ボルト31が挿通可能な軸挿通孔23が穿設される凸部24が形成されている。なお、軸挿通孔23の開口部には、連結ボルト31の頭部31aを収容する収容凹部25a又は連結ナット32を収容する収容凹部25bが形成されている。なお、連結ナット32は袋ナットにて形成されている。
【0031】
また凸部24は、回動体10の凹部13の一部を形成する円形凹部13aに嵌合する円形凸部24aと、この円形凸部24aの下端に連なり、凹部13の直状凹部13b内に隙間をおいて遊嵌される直状凸部24bとからなる。直状凹部13bと直状凸部24bとの間に設けられた隙間によって、回動体10の回動すなわち支柱2の傾斜が可能となる。なお、支柱2の傾斜角は例えば15°以内に設定可能になっている。なお、円形凸部24aには、円形凹部13aの拡開テーパ面13cが摺動自在に接触する狭小テーパ面24cが形成されている。
【0032】
また、支持体20における回動体10の回動方向と直交する部分には、位置固定ナット40を回転不能に係止する係止凹所26を有するボルト挿通溝27が形成されている。この場合、係止凹所26は矩形状に形成されており、この係止凹所26内に回転不能に係止される位置固定ナット40は矩形状に形成されている。このように形成される位置固定ナット40に螺合される位置固定ボルト41の先端を凹凸部18に押圧することで、回動体10と支持体20とを固定する。なおこの場合、位置固定ボルト41は先端に六角穴41aが設けられた押しねじにて形成されている。また、位置固定ナット40と位置固定ボルト41による固定は、回動体10及び支持体20の対向する2箇所で行われている。
【0033】
また、支持体20の固定部22には、回動体10の球面に対応した球面受け部28が設けると共に、固定部22の外側は、回動体10の球面に連なる曲面状に形成されている。
【0034】
上記のように形成された回動体10の凹部13における円形凹部13aと、支持体20の凸部24における円形凸部24aとを嵌合した状態で、回動体10の軸孔12と支持体20の軸挿通孔23及び支柱2の下端部に設けられた貫通孔2aを貫通する連結ボルト31の突出部に連結ナット32を螺合して回動体10と支持体20とが固定される。この際、連結ボルト31と連結ナット32を緩く螺合した状態で、回動体10を所定角度例えば15度以内に回動させた後、連結ボルト31と連結ナット32を螺合して回動体10と支持体20とを固定する。この固定状態においては、円形凹部13aの拡開テーパ面13cと、円形凸部24aの狭小テーパ面24cとの摩擦接触によって回動体10と支持体20とが強固に連結(固定)される。
【0035】
なお、カバー5は、例えばステンレス鋼製部材にて形成されており、上端に回動体10が回動可能に接触する円形開口5aを有する截頭円錐状のカバー本体5bの下端部に、支持体20のベース部21の外周縁に嵌合可能な円筒基部5cを形成してなる。
【0036】
上記のように形成されるカバー5を回動体10と支持体20の固定部に被着することにより、回動体10が回動され支柱2が傾斜された状態においても、回動体10とカバー5の円形開口5aとが接触しているので、回動体10と支持体20の固定部を外部から目隠しすることができる。
【0037】
次に、手摺を設置する手順について説明する。まず、支柱2の下端部を回動体10の挿入穴11に嵌挿して固定する。回動体10を固定するには、回動半体10a,10bの穴部11aに支柱2の下端部を挿入し、回動半体10a,10bに設けられた軸孔12と支柱2に設けられた貫通孔2aとを合致させた状態で、回動半体10a,10bに設けられた貫通孔16に固定ボルト14を挿通して突出部に袋ナット15を螺合して、支柱2の下端部を回動半体10a,10bで挟持した状態で回動体10を固定する(図8参照)。
【0038】
上記のようにして支柱2の下端部に回動体10を固定した後、一方の支持体20のボルト挿通溝27の係止凹所26内に、位置固定ボルト41を貫通状に螺合した位置固定ナット40を係止した状態で、両支持体20の凸部24を回動体10の凹部13に嵌合すると共に、支持体20の軸挿通孔23と回動体10の軸孔12及び支柱2の貫通孔2aに連結ボルト31を挿通して突出部に連結ナット32を緩く螺合、すなわち支持体20に対して回動体10が回動可能な状態にする。そして、回動体10を回動して支柱2を所定角度傾けた状態で連結ボルト31と連結ナット32を強く螺合して回動体10と支持体20とを固定する。
【0039】
回動体10と支持体20とを固定した後、位置固定ナット40に螺合されている位置固定ボルト41をねじ込んで位置固定ボルト41の先端を回動体10の下端部に設けられた凹凸部18に押圧して固定する。
【0040】
次に、支持体20のベース部21に設けられた挿通孔23にアンカーボルト6を挿通し、アンカーボルト6を設置面1に螺入して支柱2を設置面1に固定する。その後、支柱2の上部側からカバー5を移動させて、カバー5の円筒基部5cをベース部21の外周縁に嵌合して、回動体10と支持体20の固定部を外部から目隠しする。
【0041】
なお、上記実施形態では、カバー5によって回動体10と支持体20の固定部を外部から目隠しする場合について説明したが、カバー5を用いずに回動体10と支持体20の固定部を外部に露呈してもよい。この場合においても、回動体10と支持体20とを略球形状に形成することができるので、手摺の支持部の美観の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 設置面
2 支柱
10 回動体
10a,10b 回動半体
11 挿入穴
11a 穴部
12 軸孔
13 凹部
13a 円形凹部
13c 拡開テーパ面
18 凹凸部
20 支持体
21 ベース部
22 固定部
23 軸挿通孔
24 凸部
24a 円形凸部
24c 狭小テーパ面
26 係止凹所
27 ボルト挿通溝
28 球面受け部
30 連結部材
31 連結ボルト
32 連結ナット
40 位置固定ナット
41 位置固定ボルト



【特許請求の範囲】
【請求項1】
手摺を支持する支柱を設置面に角度調整可能に固定する手摺の支持構造であって、
上記支柱の下端部に固定される回動体と、設置面に固定されると共に、上記回動体を回動可能に支持する支持体と、上記回動体と支持体とを回動可能に連結するボルトとナットとからなる連結部材と、を具備し、
上記回動体は、上端部に上記支柱が挿入可能な挿入穴が設けられ、中心部の水平方向に軸孔が貫通されると共に、上記軸孔の同心円上及び下方に渡って凹部が形成され、
上記支持体は、設置面に固定されるベース部と、このベース部の上面に起立する固定部とを具備し、上記固定部には、上記回動体の凹部に嵌合されると共に、中心部には軸挿通孔が穿設される凸部が形成され、
上記回動体の凹部は、開口側に向かって漸次拡開する拡開テーパ面が形成され、
上記支持体の凸部は、上記凹部の上記拡開テーパ面が摺動自在に接触する狭小テーパ面が形成され、
上記回動体の凹部と上記支持体の凸部とを嵌合した状態で、上記回動体の軸孔と上記支持体の軸挿通孔を貫通する上記連結部材のボルトの突出部に上記ナットを螺合して回動体と支持体とを固定する、
ことを特徴とする手摺の支持構造。
【請求項2】
請求項1記載の手摺の支持構造において、
上記回動体は、上記挿入穴を構成する半円状の穴部と上記凹部及び軸孔を有する一対の回動半体からなり、各回動半体には、両回動半体を貫通して固定する固定ボルトとナットの収容凹所が設けられている、ことを特徴とする手摺の支持構造。
【請求項3】
請求項1又は2記載の手摺の支持構造において、
上記回動体の下端部には、該回動体の回動方向に沿って連続する複数の凹凸部が形成され、
上記支持体における上記回動体の回動方向と直交する部分には、位置固定ナットを回転不能に係止する係止凹所を有するボルト挿通溝が形成され、
上記係止凹所内に係止された上記位置固定ナットに螺合される位置固定ボルトの先端を上記凹凸部に押圧して固定する、ことを特徴とする手摺の支持構造。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の手摺の支持構造において、
上記回動体を略球形状に形成し、上記支持体の固定部には、上記回動体の球面に対応した球面受け部を設けると共に、固定部の外側を、上記回動体の球面に連なる球面状に形成してなる、ことを特徴とする手摺の支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−189964(P2010−189964A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36721(P2009−36721)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000110479)ナカ工業株式会社 (125)
【Fターム(参考)】