説明

手摺り装置

【課題】手間のかかる工事が不要で、周囲に壁等の立設する構造物がなくても、所望する場所に備えることができて、また収容時にはコンパクトな状態にでき且つ軽量で、設置場所において極めて容易に組み立てることができる手摺り装置を提供する。
【解決手段】左右のサイドフレーム3の半部4を便器Bの左右両側に配置し、前側のシャフト11に前側連結パイプ7の取付パイプ27を上方から入れて、前側のシャフト11を取付パイプ27に貫入させる。次いで、後側連結パイプ9の取付パイプ27を後側のシャフト11へ上方から入れる。左のサイドフレーム3の半部6の丸穴13へ半部3の取付パイプ27から突出するシャフト11を入れ、また右のサイドフレーム3の半部6の丸穴13へ半部3の取付パイプ27から突出するシャフト11を入れて、手摺り装置1の組み立てが完了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は手摺り装置に係り、特に設置場所に拘わらず備えることができる手摺り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているようにトイレ用手摺りは壁等の立設する構築物に取り付けられている。
しかしながら、建築物を建てた後にトイレ用手摺りを取り付ける場合には比較的手間のかかる工事を行う必要がある。また壁等の構造によっては手摺りを設けるのに強度が不足している等の理由で後付けできないこともある。このような事情はトイレ用の手摺りに限ったことではなく、階段やスロープ等の近傍に備えられる歩行者用の手摺りについても同様である。
また、特にトイレ用の手摺りを壁等に後付けした場合、便器から手摺りまでの距離が遠くて、甚だ使い難いものとなってしまうこともある。
【0003】
近年、地震時等の緊急時に設置する仮設トイレが開発されているが、仮設トイレの便器の周囲には手摺りが設けられていないものが殆どである。特に老人や身体障害者にとっては、このような仮設トイレを使用することは困難である。
一方、仮設トイレ用の手摺りは、緊急時以外のときは倉庫等に収容しておくので、場所をとらないコンパクトな状態にできることが要求され、さらに運搬が容易にできるよう嵩張らないだけでなく、軽量であることも必要である。また、設置場所において極めて容易に組み立てることができることも要求される。
【特許文献1】特開2002−102119公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に着目してなされたものであり、手間のかかる工事が不要で、周囲に壁等の立設する構造物がなくても、所望する場所に備えることができて、また収容時にはコンパクトな状態にでき且つ軽量で、設置場所において極めて容易に組み立てることができる手摺り装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、床に設置されるスタンディングフレームと、前記スタンディングフレームを自立させる自立手段と、前記スタンディングフレームどうしを連結する連結部材とを有する手摺り装置において、前記スタンディングフレームは分割でき、分割されたスタンディングフレームの一方側には嵌合部が固定され、他方側には前記嵌合部が嵌合させる被嵌合部が設けられ、前記嵌合部を前記被嵌合部に嵌合させて、分割されたスタンディングフレームを組み立てることを特徴とする手摺り装置である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載した手摺り装置において、連結部材の端部には被嵌合部が設けられ、前記被嵌合部へ嵌合部を貫入して、且つ嵌合部を被嵌合部に嵌合させ、連結部材をスタンディングフレームに連結することを特徴とする手摺り装置である。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した手摺り装置において、手摺り装置は便器の近傍に備えられるトイレ用であり、スタンディングフレームは一対設けられ、便器の左右両側にそれぞれ配置されて手摺りとなり、前記左右のスタンディングフレームの前端部どうしを連結する連結部材と、前記左右のスタンディングフレームの後端部どうしを連結する連結部材とを備えたことを特徴とする手摺り装置である。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3に記載した手摺り装置おいて、連結部材の少なくとも一方は、一部が下方へ向かって湾曲して床に設置していることを特徴とする手摺り装置である。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載した手摺り装置おいて、スタンディングフレームの高さ寸法を調節する高さ調節手段を具備したことを特徴とする手摺り装である。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかに記載した手摺り装置おいて、スタンディングフレームフレームには人が座ることができる着座部が着脱自在に備えられていることを特徴とする手摺り装置である。
【0011】
請求項7の発明は、請求項6に記載した手摺り装置おいて、人が押すことにより走行可能とする走行手段が着脱自在に備えられていることを特徴とする手摺り装置である。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1または2に記載した手摺り装置において、手摺り装置は階段等に備えられる歩行者用であり、連結部材が手摺りとなるものであることを特徴とする手摺り装置である。
【0013】
請求項9の発明は、請求項8に記載した手摺り装置において、支持フレームには他の部分より下方へ延長された延長部が設けられ、前記延長部が階段等の段部の下段部に、前記支持フレームの他の部分が段部の上段部に配置され、支持フレームを水平に設置できるものであることを特徴とする手摺り装置である。
【0014】
請求項10の発明は、請求項1から9のいずれかに記載した手摺り装置おいて、スタンディングフレームを床に固定する固定手段を具備したことを特徴とする手摺り装置である。
である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の手摺り装置によれば、手間のかかる工事が不要で、周囲に壁等の立設する構造物がなくても、所望する場所に備えることができる。
また収容時にはコンパクトな状態にでき且つ軽量で、設置場所において極めて容易に組み立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1から図3に示す本発明の第1の実施の形態に係る手摺り装置1について説明する。
手摺り装置1はトイレ用であり、洋式の便器Bの近傍に備えられるものであり、一対のスタンディングフレームとしての左右一対のサイドフレーム3、連結部材としての前側連結パイプ7、後側連結パイプ9を主な構成要素としており、これらはいずれもアルミ合金製のパイプ等によって構成されている。
【0017】
サイドフレーム3は上下方向のほぼ中心で二分割することができ、下側の半部4と上側の半部6とに分割できる。
半部4は横パイプ4aとこの横パイプ4aの両端部に縦パイプ4bが連続する「コの字」形に形成されている。半部6は横パイプ6a、この横パイプ6aの後端部に連続する縦パイプ6b並びに横パイプ6aの前端部に連続する傾斜パイプ6c、縦パイプ6dとによってほぼ「コの字」形に形成されている。
半部4の縦パイプ4bの先端部には嵌合部としてのシャフト11が取り付けられている。また、半部6の縦パイプ6bの先端部には、シャフト11が嵌合する被嵌合部としての丸穴13が形成されている。縦パイプ6b、6dの途中部分には、ピン差込穴15、17がそれぞれ形成されており、このピン差込穴15、17は上下方向に並んで配置されている。
【0018】
ピン19はピン差込穴15または17に差し込まれるものであり、先端部に雌ネジが形成されており、この雌ネジにはナット21が取り付けられる。これらピン差込穴15、17、ピン19及びナット21によって高さ調節手段が構成されている。
半部4の横パイプ4aの中央部には、シリコンゴム等の合成樹脂によって構成される滑り止め用の設置部23が2個取り付けられている。また半部6の横パイプ6aの中央部には、発泡ウレタン系等の合成樹脂によって構成される握り部25が取り付けられている。握り部25には暗くても視認し易いように蛍光塗料が塗布されている。
【0019】
前側連結パイプ7と後側連結パイプ9は同一形状なので、前側連結パイプ7を代表例として説明する。前側連結パイプ7は、水平方向へ延びる左右両側部分と、両端部分に連続する傾斜部分と、傾斜部分に連続する中央部分が一体に形成されて構成されている。前側連結パイプ7の左右両端部には被嵌合部としての取付パイプ27が固定され、この取付パイプ27は垂直方向へ延びている。取付パイプ27は短寸法に形成され、直径は左右のサイドフレーム3と同じ寸法に形成されている。また、前側連結パイプ7の中央部分には、滑り止め用の設置部23が取り付けられている。
【0020】
手摺り装置1を収納したり、搬送したりする場合には、左右のサイドフレーム3の半部4と半部6、前側連結パイプ7及び後側連結パイプ9をばらばらにして、厚み方向に重ねて結束した状態にする。このようにすると手摺り装置1を極めてコンパクトにでき、場所を取らずに倉庫等に収容しておくことが可能である。さらにアルミ合金によって構成されているので軽量であり、搬送時の取り扱いも容易である。
【0021】
次に、手摺り装置1を組み立てる作業について説明する。
まず、左右のサイドフレーム3の半部4を便器Bの左右両側に配置し、そして、左右の半部4の前側のシャフト11に前側連結パイプ7の左右の取付パイプ27を上方から入れて、シャフト11を取付パイプ27に貫入させる。これにより半部4と前側連結パイプ7は床上に自立する状態となる。次いで、後側連結パイプ9の取付パイプ27を後側のシャフト11へ上方から入れる。
左右のサイドフレーム3の各々2本、合計4本のシャフト11の先端部は取付パイプ27からそれぞれ突出した状態となるので、これら4本のシャフト11に左右のサイドフレーム3の半部6の丸穴13を入れて嵌合させ、手摺り装置1の組み立てが完了する。このように手摺り装置1は基本的に6個パーツを組み合わせるだけなので極めて容易に組み立てることができる。
この手摺り装置1は左右のサイドフレーム3の下端部、前側連結パイプ7及び後側連結パイプ9が設置部23を介して床に設置する状態となる。
【0022】
図3に示すように、ピン19を半部6に取り付けずに丸穴13にシャフト11を入れれば、半部4の最も深い位置まで入り込み、半部6が最低位置に保持される。
左右のサイドフレーム3の高さを調節する場合には、半部6のピン差込穴15または17にピン19を差し込み、ピン差込穴15または17から突出するピン19の先端部にナット21を取り付ける。このようにして半部6の丸穴13にシャフト11を入れると、シャフト11の先端面がサイドフレーム3の縦パイプを貫通するピン19に当接し支持されて、半部6が所定の高さで保持される。
図4に示すようにピン19をピン差込穴17に取り付けた状態で、丸穴13にシャフト11を入れれば、シャフト11の先端面が当接することで、半部6が上記した最低位値より高い中位置に保持される。
ピン19をピン差込穴15に取り付けた状態で、丸穴13にシャフト11を入れれば、半部6が最高位置に保持される。このように、サイドフレーム3の高さを三段階に調節することができる。
【0023】
手摺り装置1を便器Bの近傍に配置すれば、人が便座に座る際と便座B1から立ち上がる際に、左右のサイドフレーム3を手摺りとして使用し、握り部25を持って体を支えることができる。従って、老人や身体障害者でも安全且つ楽に、便座B1に対し腰掛けたり、便座B1から立ったりすることができる。握り部25は適度な弾力と滑り止め機能をもつ発泡ウレタン系等の合成樹脂によって構成されているので、握力が弱い者でも確実に把持することができる。
また、シリコンゴム等の合成樹脂によって構成される滑り止め用の設置部23が左右のサイドフレーム3、前側連結パイプ7及び後側連結パイプ9に取り付けられているので、床面がどのような材料によって構成されていても、手摺り装置1が不用意に動いてしまうのを防止することが可能である。
【0024】
図5に示す第2の実施の形態に係る手摺り装置31について説明する。
この手摺り装置31は上記第1の実施の形態の手摺り装置とほぼ同様の構成を有しているので、同様の構成部分については第1の実施の形態と同じ符号を伏して、その説明を省略し、異なる構成部分についてのみ説明する。このことは第3の実施の形態から第8の実施の形態の説明についても適用する。
便器Baの後方にはタンクTが備えられているので、このタンクTを逃げるように後方へ向かって湾曲する形状の後側連結パイプ33が用いられている。後側連結パイプ33には取付パイプ27が固定され、サイドフレーム3に対する取付方法は第1の実施の形態の手摺り装置1と同様である。
【0025】
図6に示す第3の実施の形態に係る手摺り装置41について説明する。
便器Bbの後部には、2本の吸水管Pが接続されているので、この2本の吸水管Pを逃げるように湾曲する後側連結パイプ43が用いられている。後側連結パイプ43には、その中央に上側に向かって湾曲する上側湾曲部45、この上側湾曲部45を挟んで左右両側に下側に向かって湾曲する下側湾曲部47、49が形成されている。そして、上側湾曲部45内に吸水管Pが位置しており、下側湾曲館47、49が床に設置されている。
【0026】
図7に示す第4の実施の形態に係る手摺り装置51について説明する。
この手摺り装置51は固定手段としての4つの面ファスナー53を備えている。面ファスナー53の雌側53aは床に貼着され、この上にサイドフレーム3が載せられている。そして面ファスナー53の雄側53bが半部4の横パイプに上方から被さり、雌側53aに連結されている。これにより手摺り装置51は面ファスナー53を介して床に固定される。従って、手摺り装置51が不用意に動くのをより確実に防止することができる。
【0027】
この手摺り装置51には、面ファスナー57によって固定された握り部55が横パイプ6aに取り付けられている。握り部55は展開すると長方形の板状になり、この握り部55の左右の両端部に面ファスナー57の雌側57aと雄側57bがそれぞれ固定されている。そして、握り部55を横パイプ6aに巻き付けて、面ファスナー57の雌側57aと雄側57bとを連結することにより固定する。
【0028】
図8に示す第5の実施の形態に係る手摺り装置61について説明する。
この手摺り装置61は着座部63を備え、椅子としての機能を併せ持つものである。着座部63は板状部65と、この板状部65左右両側部に下端部が固定された4つのフック部67とによって構成されている。フック部67の上端部は左右方向へ湾曲する形状に形成されており、このフック67をサイドフレーム3の横パイプ6aに掛けて板状部65を係止させる。そして、板状部65に腰掛ければ、椅子として用いることができる。
【0029】
この手摺り装置61を介護用の持ち運びができる便器Bcの周囲に配置し、便器を使用する時には着座部63を外して、サイドフレーム3を手摺りとして使用する。そして、便器を使用しない時には上述のように着座部63をサイドフレーム3に取り付けて椅子として使用する。このようにすれば、手摺り装置61に椅子の機能を付加できるだけでなく、病室等に便器Bcを置いたままにしても違和感が生じることはない。
【0030】
図9に示す第6の実施の形態に係る手摺り装置71について説明する。
この手摺り装置71は着座部63、走行手段としてのキャスター73、ステップ75等を備え、車椅子としての機能を併せ持つものである。
着座部63は第5の実施の形態に係る手摺り装置61に備えられたものと同じである。4つのキャスター73はサイドフレーム3の半部4の4本の縦パイプ4bにそれぞれ取り付けられている。
ステップ75はサイドフレーム3の縦パイプ4bに前方へ突出するように取り付けられた支持部材77に係止されている。
【0031】
後側連結パイプ9が2本設けられ、この2本の後側連結パイプ9が上下方向に重なるようにシャフト11に通されている。上側に配置された後側連結パイプ9は湾曲する側を上にして、下側に配置された後側連結パイプ9は湾曲する側を下にしてそれぞれ配置されている。このうち上側の後側連結パイプ9は手摺り装置71を車椅子として使用する場合に背もたれとして機能すると共に手摺り装置71を押すための取っ手として機能する。即ち、着座部63の板状部65に人が腰掛け、上側に配置された後側連結パイプ9を持って押すことにより、手摺り装置61が走行でき、車椅子として使用できる。
【0032】
図10から図12に示す第7の実施の形態に係る手摺り装置81について説明する。
この手摺り装置81は階段やスロープの近傍に備えられるものである。
手摺り装置81ではサイドフレーム3が使用され、半部4の縦パイプ4bと半部6の縦パイプ6bを下側、即ち床に設置される側となる姿勢で配置される。従って、半部4と半部6は水平方向へ並んで備えられる。
符号83は支持フレームを示し、支持フレーム83は前側の半部85と後側の半部87とによって構成されている。半部85と半部87は同一形状なので、半部85を代表例として説明する。半部85は傾斜パイプ89と、この傾斜パイプ89に一体に形成された水平な横パイプ91とを有している。半部85の傾斜パイプ89側の端部には取付パイプ27が備えられており、横パイプ91側の端部は取付パイプ92が備えられている。取付パイプ27、92は傾斜パイプ89及び横パイプ91に直交するように備えられている。取付パイプ92は取付パイプ27より長い寸法に形成されている。
【0033】
符号93は連結部材としての手摺りパイプを示し、この手摺りパイプ93は真っ直ぐな長寸法で、その両端部に取付パイプ27が備えられている。取付パイプ27は手摺りパイプ93に直交するように備えられている。
半部4の上側のシャフト11には半部85の取付パイプ27、手摺りパイプ93の一端側の取付パイプ27及び半部87の取付パイプ27へ通され、また半部4の下側のシャフト11には半部85の取付パイプ92と半部87の取付パイプ92へ通される。そして、半部4の上下のシャフト11は、半部6の丸穴13へ挿入して嵌合する。
【0034】
手摺りパイプ93の他端側も上記と同様にして、支持フレーム83を連結する(図10参照)。そして、図12に示すように階段Kの上と下に支持フレーム83を設置し、支持フレーム83を面ファスナー53によって床Yに固定する。このようにすれば、手摺りフレーム93が階段Kを上り下りする際に使用する手摺りとして機能する。
手摺り装置81によれば、どのような場所でも工事を行うことなく、階段に手摺りを備えることが可能である。
なお、図11に示す立ち上がり部94aを有する手摺りパイプ94を、手摺りパイプ93に代えて使用すれば、手摺りの高さ位置を立ち上がり部の寸法分高くすることが可能である。
【0035】
図13、図14に示す第8の実施の形態に係る手摺り装置101について説明する。
手摺り装置101は、第7の実施の形態に係る手摺り装置81と、構成を同様とするので、その相違点についてのみ説明し、同じ構成部分については第7の実施の形態と同じ符号を付して説明を省略する。
図13に示すように階段Kの踏板Kaの前後方向の幅寸法が小さく、一段分の踏み面Kaに支持フレーム83を載せることができない場合には、図14に示すように、支持フレーム103は前側の半部105と後側の半部87とによって構成し、これに対応することができるようにする。
【0036】
半部105は傾斜パイプ107、傾斜パイプ107の下端部に連続して形成された水平な横パイプ109、この横パイプ109に連続して形成され、斜め上方へ向かって延びる傾斜パイプ111、さらに傾斜パイプ111の上端部に連続し水平方向へ延びて、一端部が傾斜パイプ107の途中部分に連結される渡しパイプ113とによって構成されている。そして、渡しパイプ113の他端部に取付パイプ92が備えられている。半部105の長さ寸法は半部87のそれより渡しパイプ113より下側の寸法分長く、渡しパイプ113より下側の部分が延長部となっている。半部105の渡しパイプ113より下側の長さ寸法は階段Kの蹴込Kbの高さと同じ寸法に設定されている。
【0037】
従って、この手摺り装置101は図13に示すように、支持フレーム103の半部87を階段Kの上段部の一枚の踏板Kaに設置し、半部105を一段下の下段部の踏板Kaに設置することができる。よって、踏板Kaの前後方向の幅寸法が小さい階段にも適用することが可能である。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、サイドフレーム、支持フレーム及び連結部材をアルミニウム合金製のパイプによって製作したが、本発明はこれに限定されず、アルミニウム合金以外の金属、或いはプラスチック等によって構成してもよい。
また、上記実施の形態において、後側連結パイプの形状を種々変えることにより便器の後側に配置されるタンクを逃げる構成としたが、この他、後側連結パイプの高さ位置を変更できる構成としてもよい。例えば、後側連結パイプをU字状に形成して、左右のサイドフレームに後側連結パイプを貫入できる筒状体を設け、この筒状体にU字状の後側連結パイプの湾曲方向を上側にして貫入し、任意の位置で後側連結パイプを固定できる固定手段を設ける構成としてもよい。固定手段は例えば筒状体と後側連結パイプの縦パイプにラジアル方向の穴を形成し、この穴にボルトを差し込み、さらに上記穴から突出する部分に形成された雌ネジにナットを取り付けるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る手摺り装置の斜視図である。
【図2】図1の手摺り装置の分解斜視図である。
【図3】図1の手摺り装置の高さ寸法の調節方法を説明するための図である。
【図4】図1の手摺り装置の高さ寸法の調節方法を説明するための図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る手摺り装置の斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る手摺り装置の斜視図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る手摺り装置の斜視図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係る手摺り装置の斜視図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態に係る手摺り装置の斜視図である。
【図10】本発明の第7の実施の形態に係る手摺り装置の斜視図である。
【図11】図10の手摺り装置の一部分解斜視図である。
【図12】図10の手摺り装置を階段に設置した状態を示す図である。
【図13】本発明の第8の実施の形態に係る手摺り装置を階段に設置した状態を示す図である。
【図14】図13の手摺り装置の一部分解斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1、31、41、51、61、71、81、101 手摺り装置
3 サイドフレーム
4 サイドフレームの半部 6 サイドフレームの半部
4a 横パイプ 4b 縦パイプ
6a 横パイプ 6b 縦パイプ
6c 傾斜パイプ 6d 縦パイプ
7 前側連結パイプ 9 後側連結パイプ
11 シャフト 13 丸穴 15、17 ピン差込穴
19 ピン 21 ナット 23 滑り止め用の設置部
25 握り部 27 取付パイプ
53 面ファスナー 53a 面ファスナーの雌側
53b 面ファスナーの雄側
57 面ファスナー 57a 面ファスナーの雌側
57b 面ファスナーの雄側
63 着座部 65 板状部 67 フック部
73 キャスター 75 ステップ 77 支持部材
83、103 支持フレーム 85 前側の半部
87 後側の半部 89 傾斜パイプ
91 横パイプ 92 取付パイプ 93 手摺りパイプ
105 前側の半部 107 傾斜パイプ
109 横パイプ 111 傾斜パイプ
B、Ba、Bb 便器 B1 便座 P給水管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床に設置されるスタンディングフレームと、前記スタンディングフレームを自立させる自立手段と、前記スタンディングフレームどうしを連結する連結部材とを有する手摺り装置において、前記スタンディングフレームは分割でき、分割されたスタンディングフレームの一方側には嵌合部が固定され、他方側には前記嵌合部が嵌合させる被嵌合部が設けられ、前記嵌合部を前記被嵌合部に嵌合させて、分割されたスタンディングフレームを組み立てることを特徴とする手摺り装置。
【請求項2】
請求項1に記載した手摺り装置において、連結部材の端部には被嵌合部が設けられ、前記被嵌合部へ嵌合部を貫入して、且つ嵌合部を被嵌合部に嵌合させ、連結部材をスタンディングフレームに連結することを特徴とする手摺り装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載した手摺り装置において、手摺り装置は便器の近傍に備えられるトイレ用であり、スタンディングフレームは一対設けられ、便器の左右両側にそれぞれ配置されて手摺りとなり、前記左右のスタンディングフレームの前端部どうしを連結する連結部材と、前記左右のスタンディングフレームの後端部どうしを連結する連結部材とを備えたことを特徴とする手摺り装置。
【請求項4】
請求項3に記載した手摺り装置おいて、連結部材の少なくとも一方は、一部が下方へ向かって湾曲して床に設置していることを特徴とする手摺り装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載した手摺り装置おいて、スタンディングフレームの高さ寸法を調節する高さ調節手段を具備したことを特徴とする手摺り装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載した手摺り装置おいて、スタンディングフレームフレームには人が座ることができる着座部が着脱自在に備えられていることを特徴とする手摺り装置。
【請求項7】
請求項6に記載した手摺り装置おいて、人が押すことにより走行可能とする走行手段が着脱自在に備えられていることを特徴とする手摺り装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載した手摺り装置において、手摺り装置は階段等に備えられる歩行者用であり、連結部材が手摺りとなるものであることを特徴とする手摺り装置。
【請求項9】
請求項8に記載した手摺り装置において、支持フレームには他の部分より下方へ延長された延長部が設けられ、前記延長部が階段等の段部の下段部に、前記支持フレームの他の部分が段部の上段部に配置され、支持フレームを水平に設置できるものであることを特徴とする手摺り装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載した手摺り装置おいて、スタンディングフレームを床に固定する固定手段を具備したことを特徴とする手摺り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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