説明

手摺部材連結具及び手摺の取り付け、取り外し方法

【課題】手摺の取り付け、取り外しをねじ等の固定部材を外すことなく行うことができるようにした手摺部材連結具を提供すること。
【解決手段】第1の手摺部材T1の端部に取り付けられる第1の端部部材1と、第1の手摺部材T1と隣接する第2の手摺部材T2の端部に取り付けられる第2の端部部材2とからなり、第1の端部部材1及び第2の端部部材2を介して、第1の手摺部材T1と第2の手摺部材T2とを連結するようにした手摺部材連結具において、第1の端部部材1が、第1の手摺部材T1の端部を収容する筒状部11と、この筒状部11の先端に球面の一部からなる凸部12とを備え、第2の端部部材2が、第2の手摺部材T2の端部を収容する筒状部21と、この筒状部21の先端に第1の端部部材1の凸部12と摺接する凹部22とを備え、第2の端部部材2が、第2の手摺部材T2の軸方向に移動可能に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手摺部材連結具及び手摺の取り付け、取り外し方法に関するもので、特に、手摺の取り付け、取り外しをねじ等の固定部材を外すことなく行うことができるようにした手摺部材連結具及び手摺の取り付け、取り外し方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、隣接する手摺部材の端部に端部部材をそれぞれ配設し、該端部部材を介して隣接する手摺部材のなす角度を調節可能に連結するようにした手摺部材連結具が提案されている(特許文献1〜2参照)。
【0003】
ところで、上記手摺部材連結具は、隣接する手摺部材の端部にそれぞれ配設された端部部材同士が、軸体や連結ピンからなる接続部材を介して接続されているため、端部部材同士を容易に分離することができず、手摺を取り外す場合に手摺の構成部材の分離箇所が増えること等によって、手摺の取り付け、取り外しの作業に手数を要するという問題があった。
特に、一般に、手摺は、階段の壁面等の固定側に手摺取付部材を介してねじ等の固定部材を用いて固定されるが、クロスを貼るときには、ねじ等の固定部材を外して手摺を取り外し、クロスを貼った後、再度取り付けるようにしているが、従来の手摺部材連結具は、上記のように、端部部材同士を容易に分離することができないため、上記の問題が顕著であった。
【0004】
また、手摺を取り外す場合に、ねじ等の固定部材を外してしまうと、取付位置がずれたり、さらに、同じねじ穴やねじ穴の近傍位置に繰り返してねじを着脱すると、ねじ穴が緩くなって固定力が弱くなるという問題があった。
【0005】
なお、手摺の取り付け、取り外しは、クロスを貼る場合(クロスの貼り替えを含む)のほか、大型の物品の搬入、搬出等の場合にも行うことがあり、同様の問題が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−61139号公報
【特許文献2】特開2000−186405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来の手摺部材連結具の有する問題点に鑑み、手摺の取り付け、取り外しをねじ等の固定部材を外すことなく行うことができるようにした手摺部材連結具及び手摺の取り付け、取り外し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の手摺部材連結具は、第1の手摺部材の端部に取り付けられる第1の端部部材と、第1の手摺部材と隣接する第2の手摺部材の端部に取り付けられる第2の端部部材とからなり、第1の端部部材及び第2の端部部材を介して、第1の手摺部材と第2の手摺部材とを連結するようにした手摺部材連結具において、第1の端部部材が、第1の手摺部材の端部を収容する筒状部と、該筒状部の先端に球面の一部からなる凸部とを備え、第2の端部部材が、第2の手摺部材の端部を収容する筒状部と、該筒状部の先端に第1の端部部材の凸部と摺接する凹部とを備え、第1の端部部材及び第2の端部部材の少なくとも一方の端部部材が、手摺部材の軸方向に移動可能に取り付けられてなることを特徴とする。
【0009】
この場合において、第1の端部部材及び第2の端部部材の少なくとも一方の端部部材の筒状部に、端部部材を手摺部材に固定するねじが挿通される、手摺部材の軸方向に延びる長孔及び該長孔と直角に交わる長孔からなるねじ挿通溝を形成してなることができる。
【0010】
また、本発明の手摺の取り付け、取り外し方法は、上記の手摺部材連結具を用いて第1の手摺部材と第2の手摺部材とを連結するようにした手摺の取り付け、取り外し方法であって、手摺部材の軸方向に移動可能に取り付けられた端部部材を手摺部材の先端側に移動させ、第1の端部部材の凸部と第2の端部部材の凹部とを摺接させた状態で、手摺部材を手摺取付部材を介して固定側に取り付け、手摺部材の軸方向に移動可能に取り付けられた端部部材を手摺部材の先端側から反対に移動させ、第1の端部部材の凸部と第2の端部部材の凹部とを離脱させた状態で、手摺部材を手摺取付部材ごと固定側から取り外し、その後、前記状態の手摺部材を手摺取付部材ごと手摺取付部材を介して固定側に取り付け、手摺部材の軸方向に移動可能に取り付けられた端部部材を手摺部材の先端側に移動させ、第1の端部部材の凸部と第2の端部部材の凹部とを摺接させた状態にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の手摺部材連結具によれば、第1の端部部材が、第1の手摺部材の端部を収容する筒状部と、該筒状部の先端に球面の一部からなる凸部とを備え、第2の端部部材が、第2の手摺部材の端部を収容する筒状部と、該筒状部の先端に第1の端部部材の凸部と摺接する凹部とを備え、第1の端部部材及び第2の端部部材の少なくとも一方の端部部材が、手摺部材の軸方向に移動可能に取り付けられてなるようにすることにより、手摺部材の軸方向に移動可能に取り付けられた端部部材を手摺部材の先端側から反対に移動させ、第1の端部部材の凸部と第2の端部部材の凹部とを離脱させることができ、第1の手摺部材と第2の手摺部材とをねじ等の固定部材を外すことなく分離することができ、手摺の取り付け、取り外しの作業を簡単に行うことができる。
【0012】
また、第1の端部部材及び第2の端部部材の少なくとも一方の端部部材の筒状部に、端部部材を手摺部材に固定するねじが挿通される、手摺部材の軸方向に延びる長孔及び該長孔と直角に交わる長孔からなるねじ挿通溝を形成してなることにより、端部部材を、ねじを外すことなく(緩めるだけで)、手摺部材の軸方向に移動可能に、かつ、手摺部材の軸方向の所定位置に、簡単に取り付けることができる。
【0013】
また、本発明の手摺の取り付け、取り外し方法によれば、手摺部材の軸方向に移動可能に取り付けられた端部部材を手摺部材の先端側に移動させ、第1の端部部材の凸部と第2の端部部材の凹部とを摺接させた状態で、手摺部材を手摺取付部材を介して固定側に取り付け、手摺部材の軸方向に移動可能に取り付けられた端部部材を手摺部材の先端側から反対に移動させ、第1の端部部材の凸部と第2の端部部材の凹部とを離脱させた状態で、手摺部材を手摺取付部材ごと固定側から取り外し、その後、前記状態の手摺部材を手摺取付部材ごと手摺取付部材を介して固定側に取り付け、手摺部材の軸方向に移動可能に取り付けられた端部部材を手摺部材の先端側に移動させ、第1の端部部材の凸部と第2の端部部材の凹部とを摺接させた状態にすることにより、第1の手摺部材と第2の手摺部材とをねじ等の固定部材を外すことなく分離することができ、手摺の取り付け、取り外しの作業を簡単に行うことができる。
また、手摺を取り外す場合に、ねじ等の固定部材を外してしまうことによって生じる取付位置のずれやねじ穴が緩くなって固定力が弱くなるという問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の手摺部材連結具の一実施例を示し、(a)はその説明図、(b)は手摺部材連結具を介して手摺部材を連結した状態を示す説明図である。
【図2】同手摺部材連結具の第1の端部部材を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のX−X線の断面図である。
【図3】同手摺部材連結具の第2の端部部材を示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は(b)のY−Y線断面図である。
【図4】本発明の手摺の取り付け、取り外し方法の一実施例を示す説明図である。
【図5】同手摺の取り付け、取り外し方法によって設置した手摺の説明図である。
【図6】手摺部材連結具を介して手摺部材を連結した状態を示す説明図で、(a)は第1の端部部材の凸部と第2の端部部材の凹部とを摺接させた状態を、(b)は第1の端部部材の凸部と第2の端部部材の凹部とを離脱させた状態を示す。
【図7】手摺取付部材の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の手摺部材連結具及び手摺の取り付け、取り外し方法の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図3に、本発明の手摺部材連結具の一実施例を示す。
この手摺部材連結具は、第1の手摺部材T1の端部に取り付けられる第1の端部部材1と、第1の手摺部材T1と隣接する第2の手摺部材T2の端部に取り付けられる第2の端部部材2とからなり、第1の端部部材1及び第2の端部部材2を介して、第1の手摺部材T1と第2の手摺部材T2とを連結するようにした手摺部材連結具において、第1の端部部材1が、第1の手摺部材T1の端部を収容する筒状部11と、この筒状部11の先端に球面の一部からなる凸部12とを備え、第2の端部部材2が、第2の手摺部材T2の端部を収容する筒状部21と、この筒状部21の先端に第1の端部部材1の凸部12と摺接する凹部22(球面の一部からなる凸部12と略同一の半径の凹部22)とを備え、第2の端部部材2が、第2の手摺部材T2の軸方向に移動可能に取り付けられるようにしている。
【0017】
この場合において、第1の端部部材1及び第2の端部部材2は、亜鉛、アルミニウム、ステンレススチール、マグネシウム等の金属や合成樹脂により形成することができる。
【0018】
そして、本実施例においては、第1の端部部材1の筒状部11に、第1の端部部材1を第1の手摺部材T1に固定するねじが挿通されるねじ挿通孔13を、また、第2の端部部材2の筒状部21に、第2の端部部材2を第2の手摺部材T2に固定するねじが挿通される、第2の手摺部材T2の軸方向に延びる長孔23a及びこの長孔23aの第2の端部部材2の基端側に位置し、長孔23aと直角に交わり長孔23bからなるねじ挿通溝23を、それぞれ形成するようにしている。
なお、ねじ挿通溝23の形状は、本実施例に示すL字状のほか、T字状等の任意の形状とすることができる。
これにより、第2の端部部材2を、ねじを外すことなく(緩めるだけで)、第2の手摺部材T2の軸方向に移動可能に、かつ、第2の手摺部材T2の軸方向の所定位置に、簡単に取り付けることができる。
なお、第2の端部部材2の凹部22の中心に、必要に応じて、小孔24を形成し、この小孔24に、第1の端部部材1の凸部12と第2の端部部材2の凹部22とを摺接させた状態にしたときに、凹部22の面上に位置することによって、凸部12の面間に介在し、両者が直接接触することによって傷が付いたり、軋み音が発生することを防止する、例えば、合成樹脂からなる保護部材(図示省略)の脚部を挿入することにより、当該保護部材を装着するようにすることができる。また、この保護部材は、小孔24に挿入した脚部によって、後述、第2の端部部材2を第2の手摺部材T2の先端側に向けて付勢するばね部材(図示省略)を保持するようにすることもできる。
【0019】
この手摺部材連結具は、第1の端部部材1の凸部12と第2の端部部材2の凹部22とが摺接した状態で、第1の端部部材1と第2の端部部材2とがなす角度、すなわち、第1の手摺部材T1と第2の手摺部材T2とがなす角度を、全方向に自由に、具体的には、直線上に位置する状態から略90度をなす範囲で任意に設定することができる。
【0020】
なお、本実施例においては、第2の端部部材2を、第2の手摺部材T2の軸方向に移動可能に取り付けるようにしたが、第1の端部部材1を、第1の手摺部材T1の軸方向に移動可能に取り付けるようにしたり、第1の端部部材1及び第2の端部部材2の両方を、第1の手摺部材T1及び第2の手摺部材T2の軸方向に移動可能に取り付けるようにすることもできる。
【0021】
また、手摺部材の軸方向に移動可能に取り付けるようにした端部部材、本実施例においては、第2の手摺部材T2の軸方向に移動可能に取り付けるようにした第2の端部部材2の筒状部21内の第2の手摺部材T2の端面間に、第2の端部部材2を第2の手摺部材T2の先端側に向けて付勢するばね部材(図示省略)を配設することができる。
これにより、第1の端部部材1の凸部12と第2の端部部材2の凹部22とを確実に摺接させ、第1の端部部材1と第2の端部部材2との間に隙間が生じることを防止することができる。
【0022】
次に、上記の第1の端部部材1及び第2の端部部材2からなる手摺部材連結具を用いた本発明の手摺の取り付け、取り外し方法の一実施例を、図4〜図7を用いて説明する。
【0023】
まず、図4(a)に示すように、手摺を取り付ける階段Sの壁面等の固定側Wに、手摺の取付位置を決定するために墨出し(建築測量)を行う。
【0024】
次に、図4(b)に示すように、階段Sの壁面等の固定側Wに、墨出しした手摺の取付位置に沿って、手摺取付部材3、3Aを取り付ける。
この場合、手摺部材(本実施例においては、第2の手摺部材T2)の自由端に位置する手摺取付部材3Aには、必要に応じて、手摺部材の端部を挿入するカバー部を備えた手摺取付部材を使用することができる。
【0025】
次に、図4(c)に示すように、第1の手摺部材T1の端部に第1の端部部材1を取り付けるとともに、この第1の手摺部材T1と隣接する第2の手摺部材T2の端部に第2の端部部材2を取り付けるようにする。
この場合、第1の手摺部材T1の端部を第1の端部部材1の筒状部11に収容して、ねじ挿通孔13に挿通されるねじを締めることによって、第1の手摺部材T1と第1の端部部材1とを固定する。
また、第2の手摺部材T2の端部を第2の端部部材2の筒状部21に収容して、ねじ挿通溝23に挿通されるねじによって、第2の手摺部材T2と第2の端部部材2とを、第2の端部部材2が第2の手摺部材T2の軸方向に移動可能に取り付ける。ここで、第2の端部部材2を第2の手摺部材T2の先端側に移動させ、ねじ挿通溝23に挿通されたねじを第2の手摺部材T2の軸方向に延びる長孔23aと直角に交わる長孔23bに位置させた状態(図6(a)参照)で、当該ねじを締めることによって、第2の手摺部材T2と第2の端部部材2とを固定する。
なお、本実施例においては、第1の手摺部材T1の他端側の端部には、第2の端部部材2を取り付け、自由端となる第2の手摺部材T2の他端側の端部は、そのままとし、手摺を取り付ける際に手摺取付部材3Aに備えたカバー部に当該端部を挿入するようにする。
【0026】
そして、図5に示すように、第1の端部部材1の凸部12と第2の端部部材2の凹部22とを摺接させた状態で、第1の手摺部材T1及び第2の手摺部材T2を、ねじ等の固定部材(図示省略)を介して、階段Sの壁面等の固定側Wに取り付けられている手摺取付部材3、3Aに取り付けるようにする。
なお、この際、第1の端部部材1のねじ挿通孔13及び第2の端部部材2のねじ挿通溝23が、外観(意匠性)及び作業性の観点から、上方や固定側Wを向かないように、好ましくは、下方を向くようにして、第1の手摺部材T1及び第2の手摺部材T2を手摺取付部材3、3Aに取り付けるようにする。
これによって、第1の手摺部材T1と第2の手摺部材T2とが、第1の端部部材1及び第2の端部部材2からなる手摺部材連結具によって実質的に連結された状態となり、手摺の取り付けを完了する。
【0027】
一方、手摺を一旦取り外す場合には、第2の手摺部材T2と第2の端部部材2とを固定しているねじを緩め、第2の端部部材2を回転させるとともに、第2の端部部材2を第2の手摺部材T2の先端側から反対に移動させ、ねじ挿通溝23に挿通されたねじを第2の手摺部材T2の軸方向に延びる長孔23aに位置させた状態(図6(b)参照)で、当該ねじを締めることによって、第2の手摺部材T2と第2の端部部材2とを固定する。
これによって、第1の端部部材1の凸部12から、第2の端部部材2の凹部22を離脱させることができる。
この状態で、第2の手摺部材T2を手摺取付部材3、3Aごと固定側Wから取り外すようにする。
【0028】
この場合において、第2の手摺部材T2を手摺取付部材3、3Aごと固定側Wから取り外すに際しては、図7(a)に示すように、手摺取付部材3(3A)を固定側Wに固定しているねじ32を緩め、次に、図7(b)に示すように、手摺取付部材3(3A)を若干持ち上げることによって、ねじ32を手摺取付部材3(3A)に形成したねじ挿通孔31のねじ32の軸部が挿通し頭部が係合する小径部からねじ頭部が挿通する大径部に位置させ、次に、図7(c)に示すように、手摺取付部材3(3A)を若干前方(固定側Wの反対側)に引き出すことによって、ねじ32を外すことなく、第2の手摺部材T2を手摺取付部材3、3Aごと固定側Wから取り外すことができる。
ここで、手摺取付部材3(3A)には、ねじ挿通孔31のほかに、通常のねじ挿通孔33を形成し、ねじ32に加え、他のねじによって補助的に固定するようにすることもできる。
なお、同様にして、第1の手摺部材T1を手摺取付部材3ごと固定側Wから取り外すことができる。
【0029】
このように、手摺を取り外す場合に、ねじ32を外さず(緩めるだけで)、固定側Wにそのまま残すことにより、例えば、クロスを貼った後に、元のねじ穴の位置がクロスで隠れて判らなくなり、手摺の取付位置がずれたり、さらに、同じねじ穴やねじ穴の近傍位置に繰り返してねじを着脱すると、ねじ穴が緩くなって固定力が弱くなるという問題を解消することができる。
【0030】
その後、例えば、クロスを貼った後に、手摺を再度取り付ける場合には、取り外しの場合とは逆の手順で、第1の手摺部材T1及び第2の手摺部材T2を手摺取付部材3、3Aごと固定側Wに取り付け、第2の手摺部材T2の軸方向に移動可能に取り付けられた第2の端部部材2を第2の手摺部材T2の先端側に移動させ、第1の端部部材1の凸部12と第2の端部部材2の凹部22とを摺接させた状態にする。
これによって、第1の手摺部材T1と第2の手摺部材T2とが、第1の端部部材1及び第2の端部部材2からなる手摺部材連結具によって実質的に連結された状態となり、手摺の取り付けを完了する。
【0031】
このように、第1の端部部材1及び第2の端部部材2からなる手摺部材連結具を用いることによって、手摺の取り付け、取り外しに際して、第1の手摺部材T1と第2の手摺部材T2とをねじ等の固定部材を外すことなく分離することができ、手摺の取り付け、取り外しの作業を簡単に行うことができ、また、手摺を取り外す場合に、ねじ等の固定部材を外してしまうことによって生じる取付位置のずれやねじ穴が緩くなって固定力が弱くなるという問題を解消することができる。
【0032】
以上、本発明の手摺部材連結具及び手摺の取り付け、取り外し方法について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の手摺部材連結具及び手摺の取り付け、取り外し方法は、手摺の取り付け、取り外しをねじ等の固定部材を外すことなく行うことができるという特性を有していることから、手摺の取り付け、取り外しを行うことが多い住宅等の手摺の用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 第1の端部部材
11 筒状部
12 凸部
13 ねじ挿通孔
2 第2の端部部材
21 筒状部
22 凹部
23 ねじ挿通溝
23a 長孔
23b 長孔
3 手摺取付部材
3A 手摺取付部材
S 階段
T1 第1の手摺部材
T2 第2の手摺部材
W 固定側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の手摺部材の端部に取り付けられる第1の端部部材と、第1の手摺部材と隣接する第2の手摺部材の端部に取り付けられる第2の端部部材とからなり、第1の端部部材及び第2の端部部材を介して、第1の手摺部材と第2の手摺部材とを連結するようにした手摺部材連結具において、第1の端部部材が、第1の手摺部材の端部を収容する筒状部と、該筒状部の先端に球面の一部からなる凸部とを備え、第2の端部部材が、第2の手摺部材の端部を収容する筒状部と、該筒状部の先端に第1の端部部材の凸部と摺接する凹部とを備え、第1の端部部材及び第2の端部部材の少なくとも一方の端部部材が、手摺部材の軸方向に移動可能に取り付けられてなることを特徴とする手摺部材連結具。
【請求項2】
第1の端部部材及び第2の端部部材の少なくとも一方の端部部材の筒状部に、端部部材を手摺部材に固定するねじが挿通される、手摺部材の軸方向に延びる長孔及び該長孔と直角に交わる長孔からなるねじ挿通溝を形成してなることを特徴とする請求項1記載の手摺部材連結具。
【請求項3】
請求項1又は2記載の手摺部材連結具を用いて第1の手摺部材と第2の手摺部材とを連結するようにした手摺の取り付け、取り外し方法であって、手摺部材の軸方向に移動可能に取り付けられた端部部材を手摺部材の先端側に移動させ、第1の端部部材の凸部と第2の端部部材の凹部とを摺接させた状態で、手摺部材を手摺取付部材を介して固定側に取り付け、手摺部材の軸方向に移動可能に取り付けられた端部部材を手摺部材の先端側から反対に移動させ、第1の端部部材の凸部と第2の端部部材の凹部とを離脱させた状態で、手摺部材を手摺取付部材ごと固定側から取り外し、その後、前記状態の手摺部材を手摺取付部材ごと手摺取付部材を介して固定側に取り付け、手摺部材の軸方向に移動可能に取り付けられた端部部材を手摺部材の先端側に移動させ、第1の端部部材の凸部と第2の端部部材の凹部とを摺接させた状態にすることを特徴とする手摺の取り付け、取り外し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−6990(P2011−6990A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153742(P2009−153742)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000113779)マツ六株式会社 (68)
【出願人】(000205476)大阪金具株式会社 (20)
【Fターム(参考)】