投写型映像表示装置
【課題】 投写面上に投写される映像の視認を妨げずに、投写面上に投写される映像とともに付加情報を表示することを可能とする投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】 投写型映像表示装置100は、投写ユニット110によって光を投写可能な投写可能領域410内において、投写領域417の形状を調整する調整部280と、投写可能領域410内において、投写領域417以外の非投写領域418に付加情報を表示する素子制御部260とを備える。
【解決手段】 投写型映像表示装置100は、投写ユニット110によって光を投写可能な投写可能領域410内において、投写領域417の形状を調整する調整部280と、投写可能領域410内において、投写領域417以外の非投写領域418に付加情報を表示する素子制御部260とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子によって変調された光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子によって変調された光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
このような投写型映像表示装置において、投写面上に投写される映像とともに、映像に付加すべき付加情報を表示したいというニーズが存在する。
【0004】
付加情報は、例えば、インタラクティブ操作に用いる情報(例えば、メニュー情報)、TV会議などで用いる情報(例えば、自分方或いは相手方を特定可能な情報)などである。
【0005】
このようなニーズを満たすために、投写面上に投写される映像内に付加情報を追加する投写型映像表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−195661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した投写型映像表示装置では、投写面上に投写される映像内に付加情報が追加されるため、付加情報によって、投写面上に投写される映像の視認が妨げられる。
【0008】
従って、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、投写面上に投写される映像の視認を妨げずに、投写面上に投写される映像とともに付加情報を表示することを可能とする投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置は、光源から出射される光を変調する光変調素子(液晶パネル50)と、前記光変調素子によって変調された映像光を投写面上に投写する投写ユニット(投写ユニット110)とを有する。前記投写面は、前記映像光を投写可能な投写可能領域を有する。前記投写可能領域は、映像信号に基づいて前記映像光が投写される投写領域と、前記投写領域以外の非投写領域とを含む。投写型映像表示装置は、前記投写可能領域内において、前記投写領域の形状を調整する調整部(調整部280)と、前記投写可能領域内において、少なくとも前記非投写領域に付加情報を表示する制御部(素子制御部260)とを備える。
【0010】
第2の特徴に係る投写型映像表示装置は、光源から出射される光を変調する光変調素子(液晶パネル50)と、前記光変調素子によって変調された映像光を投写面上に投写する投写ユニット(投写ユニット110)とを有する。前記光変調素子は、前記光を変調可能な表示可能領域を有する。前記表示可能領域は、映像信号に基づいて前記光を変調する映像領域と、前記映像領域以外の非映像領域とを含む。投写型映像表示装置は、前記表示可能領域内において、前記映像領域の形状を調整する調整部(調整部280)と、前記表示可能領域内において、少なくとも前記非映像領域に付加情報を表示する制御部(素子制御部260)とを備える。
【0011】
第1の特徴又は第2の特徴において、前記制御部は、前記付加情報を表示する表示モードと前記付加情報を表示しない非表示モードとの間でモードを切り替える。
【0012】
第1の特徴又は第2の特徴において、前記制御部は、所定トリガに応じて、前記表示モードと前記非表示モードとを切り替える。
【0013】
第1の特徴又は第2の特徴において、前記制御部は、前記投写面上に投写される映像がテレビ会議に用いられる場合に、前記付加情報としてテレビ会議に用いる情報を表示する。
【0014】
第1の特徴又は第2の特徴において、前記制御部は、前記付加情報としてインタラクティブ操作に用いる情報を表示する。
【0015】
第1の特徴又は第2の特徴において、前記制御部は、前記付加情報の表示位置を変更するためのアシスト情報を表示する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、投写面上に投写される映像の視認を妨げずに、投写面上に投写される映像とともに付加情報を表示することを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図7】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図8】第1実施形態に係る撮像テストパターン画像の一例を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る撮像テストパターン画像の一例を示す図である。
【図10】第1実施形態に係る投写テストパターン画像に含まれる交点を算出する方法を説明するための図である。
【図11】第1実施形態に係る付加情報の表示を説明するための図である。
【図12】第1実施形態に係る付加情報の表示を説明するための図である。
【図13】第1実施形態に係る付加情報の一例を示す図である。
【図14】第1実施形態に係る付加情報の一例を示す図である。
【図15】第1実施形態に係る付加情報の一例を示す図である。
【図16】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0019】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0020】
[実施形態の概要]
実施形態に係る投写型映像表示装置は、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子によって変調された映像光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する。投写面は、映像光を投写可能な投写可能領域を有する。投写可能領域は、映像信号に基づいて映像光が投写される投写領域と、投写領域以外の非投写領域とを含む。光変調素子は、光を変調可能な表示可能領域を有する。表示可能領域は、映像信号に基づいて光を変調する映像領域と、映像領域以外の非映像領域とを含む。
【0021】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置は、投写可能領域内において、投写領域の形状を調整する調整部と、投写可能領域内において、少なくとも非投写領域に付加情報を表示する制御部とを備える。
【0022】
第2の特徴に係る投写型映像表示装置は、表示可能領域内において、映像領域の形状を調整する調整部と、表示可能領域内において、少なくとも非映像領域に付加情報を表示する制御部とを備える。
【0023】
実施形態によれば、制御部は、投写可能領域(表示可能領域)内において、映像以外の領域に付加情報を表示する。従って、投写面上に投写される映像の視認を妨げずに、投写面上に投写される映像とともに付加情報を表示することができる。
【0024】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の概略)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【0025】
図1に示すように、投写型映像表示装置100には、撮像素子300が設けられる。また、投写型映像表示装置100は、投写面400上に映像光を投写する。
【0026】
撮像素子300は、投写面400を撮像するように構成される。すなわち、撮像素子300は、投写型映像表示装置100によって投写面400上に投写された映像光の反射光を検出するように構成される。撮像素子300は、投写型映像表示装置100に対して、撮像画像を所定ラインに沿って出力する。撮像素子300は、投写型映像表示装置100に内蔵されていてもよく、投写型映像表示装置100と併設されていてもよい。
【0027】
投写面400は、スクリーンなどによって構成される。投写型映像表示装置100が映像光を投写可能な領域(投写可能領域410)は、投写面400上に形成される。また、投写面400は、スクリーンの外枠などによって構成される表示枠420を有する。
【0028】
第1実施形態では、投写型映像表示装置100の光軸Nが投写面400の法線Mと一致しないケースについて例示する。例えば、光軸Nと法線Mとが角度θを構成するケースについて例示する。
【0029】
すなわち、第1実施形態では、光軸Nが法線Mと一致しないため、投写可能領域410(投写面400上に表示される映像)が歪んでしまう。第1実施形態では、このような投写可能領域410の歪みを補正する方法について主として説明する。
【0030】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【0031】
図2に示すように、投写型映像表示装置100は、投写ユニット110と、照明装置120とを有する。
【0032】
投写ユニット110は、照明装置120から出射された映像光を投写面(不図示)上などに投写する。
【0033】
第1に、照明装置120は、光源10と、UV/IRカットフィルタ20と、フライアイレンズユニット30と、PBSアレイ40と、複数の液晶パネル50(液晶パネル50R、液晶パネル50G及び液晶パネル50B)と、クロスダイクロイックプリズム60とを有する。
【0034】
光源10は、白色光を発する光源(例えば、UHPランプやキセノンランプ)などである。すなわち、光源10が発する白色光は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを含む。
【0035】
UV/IRカットフィルタ20は、可視光成分(赤成分光R、緑成分光G及び青成分光B)を透過する。UV/IRカットフィルタ20は、赤外光成分や紫外光成分を遮光する。
【0036】
フライアイレンズユニット30は、光源10が発する光を均一化する。具体的には、フライアイレンズユニット30は、フライアイレンズ31及びフライアイレンズ32によって構成される。フライアイレンズ31及びフライアイレンズ32は、それぞれ、複数の微少レンズによって構成される。各微少レンズは、光源10が発する光が液晶パネル50の全面に照射されるように、光源10が発する光を集光する。
【0037】
PBSアレイ40は、フライアイレンズユニット30から出射された光の偏光状態を揃える。例えば、PBSアレイ40は、フライアイレンズユニット30から出射された光をS偏光(又はP偏光)に揃える。
【0038】
液晶パネル50Rは、赤出力信号Routに基づいて赤成分光Rを変調する。液晶パネル50Rに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Rが設けられている。液晶パネル50Rから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Rが設けられている。
【0039】
液晶パネル50Gは、緑出力信号Goutに基づいて緑成分光Gを変調する。液晶パネル50Gに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Gが設けられる。一方で、液晶パネル50Gから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Gが設けられる。
【0040】
液晶パネル50Bは、青出力信号Boutに基づいて青成分光Bを変調する。液晶パネル50Bに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Bが設けられる。一方で、液晶パネル50Bから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Bが設けられる。
【0041】
なお、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutは、映像出力信号を構成する。映像出力信号は、1フレームを構成する複数の画素毎の信号である。
【0042】
ここで、各液晶パネル50には、コントラスト比や透過率を向上させる補償板(不図示)が設けられていてもよい。また、各偏光板は、偏光板に入射する光の光量や熱負担を軽減させるプリ偏光板を有していてもよい。
【0043】
クロスダイクロイックプリズム60は、液晶パネル50R、液晶パネル50G及び液晶パネル50Bから出射される光を合成する色合成部を構成する。クロスダイクロイックプリズム60から出射された合成光は、投写ユニット110に導かれる。
【0044】
第2に、照明装置120は、ミラー群(ミラー71〜ミラー76)及びレンズ群(レンズ81〜レンズ85)を有する。
【0045】
ミラー71は、青成分光Bを透過して、赤成分光R及び緑成分光Gを反射するダイクロイックミラーである。ミラー72は、赤成分光Rを透過して、緑成分光Gを反射するダイクロイックミラーである。ミラー71及びミラー72は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを分離する色分離部を構成する。
【0046】
ミラー73は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを反射して、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bをミラー71側に導く。ミラー74は、青成分光Bを反射して、青成分光Bを液晶パネル50B側に導く。ミラー75及びミラー76は、赤成分光Rを反射して、赤成分光Rを液晶パネル50R側に導く。
【0047】
レンズ81は、PBSアレイ40から出射された光を集光するコンデンサレンズである。レンズ82は、ミラー73で反射された光を集光するコンデンサレンズである。
【0048】
レンズ83Rは、液晶パネル50Rに赤成分光Rが照射されるように、赤成分光Rを略平行光化する。レンズ83Gは、液晶パネル50Gに緑成分光Gが照射されるように、緑成分光Gを略平行光化する。レンズ83Bは、液晶パネル50Bに青成分光Bが照射されるように、青成分光Bを略平行光化する。
【0049】
レンズ84及びレンズ85は、赤成分光Rの拡大を抑制しながら、液晶パネル50R上に赤成分光Rを略結像するリレーレンズである。
【0050】
(制御ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。制御ユニット200は、投写型映像表示装置100に設けられており、投写型映像表示装置100を制御する。
【0051】
なお、制御ユニット200は、映像入力信号を映像出力信号に変換する。映像入力信号は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binによって構成される。映像出力信号は、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutによって構成される。映像入力信号及び映像出力信号は、1フレームを構成する複数の画素毎に入力される信号である。
【0052】
図3に示すように、制御ユニット200は、映像信号受付部210と、記憶部220と、取得部230と、特定部240と、算出部250と、素子制御部260と、投写ユニット制御部270とを有する。
【0053】
映像信号受付部210は、DVD、TVチューナ、携帯電話、パーソナルコンピュータや外部記憶装置(例えば、USBメモリ)などの外部装置(不図示)から映像入力信号を受付ける。
【0054】
記憶部220は、各種情報を記憶する。具体的には、記憶部220は、表示枠420を検出するために用いる枠検出パターン画像、フォーカスを調整するために用いるフォーカス調整画像、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出するために用いるテストパターン画像を記憶する。或いは、記憶部220は、露光値を調整するために用いる露光調整画像を記憶してもよい。さらに、記憶部220は、付加情報も記憶する。
【0055】
テストパターン画像は、3つ以上の交点を構成する3つ以上の線分のそれぞれの少なくとも一部分を構成する画像である。また、3つ以上の線分は、所定ラインに対して傾きを有する。
【0056】
なお、撮像素子300は、上述したように、撮像画像を所定ラインに沿って出力する。例えば、所定ラインは、水平方向の画素列であり、所定ラインの向きは、水平方向である。
【0057】
以下において、テストパターン画像の一例について、図4〜図7を参照しながら説明する。図4〜図7に示すように、テストパターン画像は、4つの交点(Ps1〜Ps4)を構成する4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する画像である。第1実施形態では、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、濃淡或いは明暗の差(エッジ)によって表される。
【0058】
詳細には、図4に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び白抜きの菱形であってもよい。ここで、白抜きの菱形の4辺は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0059】
或いは、図5に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び白抜きの線分であってもよい。白抜きの線分は、図4に示す白抜きの菱形の4辺の一部分を構成する。ここで、白抜きの線分は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0060】
或いは、図6に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び1対の白抜きの三角形であってもよい。ここで、1対の白抜きの三角形の2辺は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0061】
或いは、図7に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び白抜きの線分であってもよい。ここで、白抜きの線分は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。図7に示すように、4つの線分(Ls1〜Ls4)によって構成される4つの交点(Ps1〜Ps4)は、投写可能領域410の外側に設けられてもよい。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0062】
取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力される撮像画像を取得する。例えば、取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力される枠検出パターン画像の撮像画像を取得する。取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力されるフォーカス調整画像の撮像画像を取得する。取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力されるテストパターン画像の撮像画像を取得する。或いは、取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力される露光調整画像の撮像画像を取得してもよい。
【0063】
特定部240は、取得部230によって所定ライン毎に取得される撮像画像に基づいて、撮像画像に含まれる3つの線分を特定する。続いて、特定部240は、撮像画像に含まれる3つの線分に基づいて、撮像画像に含まれる3つ以上の交点を取得する。
【0064】
具体的には、特定部240は、以下の手順によって、撮像画像に含まれる3つ以上の交点を取得する。ここでは、テストパターン画像が図4に示す画像(白抜きの菱形)であるケースについて例示する。
【0065】
第1に、特定部240は、図8に示すように、取得部230によって所定ライン毎に取得される撮像画像に基づいて、濃淡或いは明暗の差(エッジ)を有する点群Pedgeを取得する。すなわち、特定部240は、テストパターン画像の白抜きの菱形の4辺に対応する点群Pedgeを特定する。
【0066】
第2に、特定部240は、図9に示すように、点群Pedgeに基づいて、撮像画像に含まれる4つの線分(Lt1〜Lt4)を特定する。すなわち、特定部240は、テストパターン画像に含まれる4つの線分(Ls1〜Ls4)に対応する4つの線分(Lt1〜Lt4)を特定する。
【0067】
第3に、特定部240は、図9に示すように、4つの線分(Lt1〜Lt4)に基づいて、撮像画像に含まれる4つの交点(Pt1〜Pt4)を特定する。すなわち、特定部240は、テストパターン画像に含まれる4つの交点(Ps1〜Ps4)に対応する4つの交点(Pt1〜Pt4)を特定する。
【0068】
算出部250は、テストパターン画像に含まれる3つ以上の交点(例えば、Ps1〜Ps4)及び撮像画像に含まれる3つの交点(例えば、Pt1〜Pt4)に基づいて、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出する。具体的には、算出部250は、投写型映像表示装置100(投写ユニット110)の光軸Nと投写面400の法線Mとのずれ量を算出する。
【0069】
なお、以下においては、記憶部220に記憶されたテストパターン画像を記憶テストパターン画像と称する。撮像画像に含まれるテストパターン画像を撮像テストパターン画像と称する。投写面400に投写されたテストパターン画像を投写テストパターン画像と称する。
【0070】
第1に、算出部250は、投写テストパターン画像に含まれる4つの交点(Pu1〜Pu4)の座標を算出する。ここでは、記憶テストパターン画像の交点Ps1、撮像テストパターン画像の交点Pt1、投写テストパターン画像の交点Pu1を例に挙げて説明する。交点Ps1、交点Pt1及び交点Pu1は、互いに対応する交点である。
【0071】
以下において、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)の算出方法について、図10を参照しながら説明する。交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)は、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における座標であることに留意すべきである。
【0072】
(1)算出部250は、記憶テストパターン画像の2次元平面における交点Ps1の座標(xs1,ys1)について、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)に変換する。具体的には、交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)は、以下の式によって表される。
【0073】
【数1】
【0074】
なお、Asは、3×3の変換行列であり、キャリブレーション等の前処理によって予め取得することが可能である。すなわち、Asは、既知のパラメータである。
【0075】
ここでは、投写型映像表示装置100の光軸方向に垂直な面がXs軸及びYs軸で表されており、投写型映像表示装置100の光軸方向がZs軸で表されている。
【0076】
同様に、算出部250は、撮像テストパターン画像の2次元平面における交点Pt1の座標(xt1,yt1)について、撮像素子300の焦点Otを原点とする3次元空間における交点Pt1の座標(Xt1,Yt1,Zt1)に変換する。
【0077】
【数2】
【0078】
なお、Atは、3×3の変換行列であり、キャリブレーション等の前処理によって予め取得することが可能である。すなわち、Atは、既知のパラメータである。
【0079】
ここでは、撮像素子300の光軸方向に垂直な面がXt軸及びYt軸で表されており、撮像素子300の向き(撮像方向)がZt軸で表されている。このような座標空間において、撮像素子300の向き(撮像方向)の傾き(ベクトル)は既知であることに留意すべきである。
【0080】
(2)算出部250は、交点Ps1と交点Pu1とを結ぶ直線Lvの式を算出する。同様に、算出部250は、交点Pt1と交点Pu1とを結ぶ直線Lwの式を算出する。なお、直線Lv及び直線Lwの式は、以下のように表される。
【0081】
【数3】
【0082】
但し、Ks及びKt=媒介変数
【0083】
(3)算出部250は、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における直線Lw’に直線Lwを変換する。直線Lw’は、以下の式によって表される。
【0084】
【数4】
【0085】
なお、投写型映像表示装置100の光軸及び撮像素子300の向き(撮像方向)は既知であるため、回転成分を示すパラメータRは既知である。同様に、投写型映像表示装置100及び撮像素子300の相対位置が既知であるため、並進成分を示すパラメータTも既知である。
【0086】
(4)算出部250は、式(3)及び式(5)に基づいて、直線Lv及び直線Lw’の交点(すなわち、交点Pu1)における媒介変数Ks及びKtを算出する。続いて、算出部250は、交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)及びKsに基づいて、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)の座標を算出する。或いは、算出部250は、交点Pt1の座標(Xt1,Yt1,Zt1)及びKtに基づいて、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)の座標を算出する。
【0087】
これによって、算出部250は、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)を算出する。同様に、算出部250は、交点Pu2の座標(Xu2,Yu2,Zu2)、交点Pu3の座標(Xu3,Yu3,Zu3)、交点Pu4の座標(Xu4,Yu4,Zu4)を算出する。
【0088】
第2に、算出部250は、投写面400の法線Mのベクトルを算出する。具体的には、算出部250は、交点Pu1〜交点Pu4のうち、少なくとも3つの交点の座標を用いて、投写面400の法線Mのベクトルを算出する。投写面400の式は、以下の式によって表され、パラメータk1、k2、k3は、投写面400の法線Mのベクトルを表している。
【0089】
【数5】
【0090】
但し、k1、k2、k3、k4=所定係数
【0091】
これによって、算出部250は、投写型映像表示装置100の光軸Nと投写面400の法線Mとのずれ量を算出することができる。すなわち、算出部250は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出することができる。
【0092】
なお、第1実施形態では、特定部240及び算出部250を別々に説明したが、特定部240及び算出部250は、1つの構成と考えてもよい。例えば、特定部240の機能を算出部250が有していてもよい。
【0093】
図3に戻って、素子制御部260は、映像入力信号を映像出力信号に変換して、映像出力信号に基づいて、液晶パネル50を制御する。また、素子制御部260は、以下に示す機能を有する。
【0094】
具体的には、素子制御部260は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、投写面400上に投写された映像の形状の自動補正を行う機能を有する(形状調整)。すなわち、素子制御部260は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、自動的に台形補正を行う機能を有する。
【0095】
或いは、素子制御部260は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、投写面上に投写される映像のズームを調整する(ズーム調整)。
【0096】
投写ユニット制御部270は、投写ユニット110に設けられるレンズ群を制御する。例えば、投写ユニット制御部270は、投写ユニット110に設けられるレンズ群のシフトによって、投写面400上に投写される映像のフォーカスを調整する(フォーカス調整)。投写ユニット制御部270は、レンズ群のシフトによって、投写面400上に投写される映像のズームを調整してもよい。
【0097】
なお、素子制御部260及び投写ユニット制御部270は、投写面400に投写された映像を調整する調整部280を構成する。
【0098】
(付加情報の表示)
以下において、第1実施形態に係る付加情報の表示について、図面を参照しながら説明する。第1実施形態では、上述した素子制御部260は、液晶パネル50に付加情報を表示するために液晶パネル50を制御する。
【0099】
第1に、素子制御部260は、液晶パネル50によって映像を表示可能な表示可能領域56内において、液晶パネル50上に表示される映像の形状を調整する(形状調整)。第2に、素子制御部260は、液晶パネル50上に表示される映像以外の領域に、付加情報を表示する。このように、素子制御部260は、形状調整に伴って生じる領域を用いて、付加情報を表示する。
【0100】
具体的には、図11に示すように、液晶パネル50は、表示可能領域56と、映像領域57と、非映像領域58とを有する。表示可能領域56は、複数の画素によって構成される領域であり、液晶パネル50が光を変調可能な領域である。映像領域57は、映像信号に基づいて光を変調する領域である。映像領域57は、形状調整後において、実際に映像の表示に用いられる領域である。非映像領域58は、表示可能領域56のうち、映像領域57以外の領域である。
【0101】
ここで、素子制御部260は、形状補正後において、映像領域57以外の非映像領域58に、付加情報を表示する。
【0102】
一方で、投写面400から見た場合には、投写可能領域410は、投写領域417と、非投写領域418とを有する。投写可能領域410は、表示可能領域56から出射される映像光を投写可能な領域である。投写領域417は、映像信号に基づいて映像光が投写される領域である。投写領域417は、映像領域57から出射される光が投写される領域であり、実際に映像の表示に用いられる領域である。非投写領域418は、非映像領域58から出射される光が投写される領域であり、投写可能領域410のうち、投写領域417以外の領域である。
【0103】
このように、素子制御部260は、非映像領域58に付加情報を表示することによって、投写領域417以外の非投写領域418に、投写領域417に表示される映像に付加すべき付加情報が表示される。
【0104】
なお、付加情報は、非投写領域418のうち、表示枠420と重複する領域に表示されることが好ましい。このようなケースでは、素子制御部260は、表示枠420の検出結果に基づいて、非映像領域58の一部に付加情報を表示する。
【0105】
(付加情報の一例)
以下において、第1実施形態に係る付加情報の一例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、投写面400から見たケースを用いて、付加情報の一例について説明する。
【0106】
図13に示すように、素子制御部260は、付加情報としてインタラクティブ操作に用いる情報(例えば、描画ツールバー)を表示する。すなわち、投写領域417以外の非投写領域418に、付加情報(例えば、描画ツールバー)が表示される。
【0107】
このようなケースにおいて、素子制御部260は、付加情報を表示する表示モードと付加情報を表示しない非表示モードとの間でモードを切り替えてもよい。例えば、素子制御部260は、投写面400にユーザが近接したことが検出された場合に、非表示モードから表示モードにモードを切り替えて、付加情報を表示してもよい。
【0108】
図14に示すように、素子制御部260は、付加情報として文字入力可能な領域をガイドする情報(例えば、“ここに入力可能”といった文字列)を表示する。すなわち、投写領域417以外の非投写領域418に、付加情報(例えば、“ここに入力可能”といった文字列)が表示される。
【0109】
このようなケースにおいて、素子制御部260は、付加情報を表示する表示モードと付加情報を表示しない非表示モードとの間でモードを切り替えてもよい。例えば、素子制御部260は、投写面400にユーザが近接したことが検出された場合に、非表示モードから表示モードにモードを切り替えて、付加情報を表示してもよい。
【0110】
図15に示すように、素子制御部260は、投写領域417上に投写される映像がテレビ会議に用いられる場合に、付加情報としてテレビ会議に用いる情報(例えば、自分方或いは相手方の画像)を表示する。すなわち、投写領域417以外の非投写領域418に、付加情報(例えば、自分方或いは相手方の画像)が表示される。
【0111】
このようなケースにおいて、素子制御部260は、付加情報を表示する表示モードと付加情報を表示しない非表示モードとの間でモードを切り替えてもよい。例えば、素子制御部260は、ユーザ操作に応じて、非表示モードから表示モードにモードを切り替えて、付加情報を表示してもよい。
【0112】
(投写型映像表示装置の動作)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置(制御ユニット)の動作について、図面を参照しながら説明する。図16は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100(制御ユニット200)の動作を示すフロー図である。
【0113】
図16に示すように、ステップ10において、投写型映像表示装置100は、投写面400上に枠検出パターン画像を表示(投写)する。枠検出パターン画像は、例えば、白画像などである。
【0114】
ステップ20において、投写型映像表示装置100に設けられた撮像素子300は、投写面400を撮像する。すなわち、撮像素子300は、投写面400上に投写された枠検出パターン画像を撮像する。続いて、投写型映像表示装置100は、枠検出パターン画像の撮像画像に基づいて、投写面400上に設けられる表示枠420を検出する。
【0115】
ステップ30において、投写型映像表示装置100は、投写面400上にテストパターン画像を表示(投写)する。テストパターン画像は、例えば、黒の背景及び白抜きの菱形である。
【0116】
ステップ40において、投写型映像表示装置100は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、投写面400上に投写される映像の形状を調整する(形状調整)。
【0117】
ステップ50において、投写型映像表示装置100は、映像領域57に映像を表示するとともに、映像領域57以外の非映像領域58に付加情報を表示する。この結果、投写領域417に映像が表示され、投写領域417以外の非投写領域418に付加情報が表示される。
【0118】
(作用及び効果)
第1実施形態では、素子制御部260は、投写可能領域410(表示可能領域56)内において、投写領域417(映像領域57)以外の非投写領域418(非映像領域58)に付加情報を表示する。従って、投写面400上に投写される映像の視認を妨げずに、投写面400上に投写される映像とともに付加情報を表示することができる。
【0119】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0120】
上述した実施形態では、光源として、白色光源を例示した。しかしながら、光源は、LED(Light Emitting Diode)、EL(Electro Luminescence)やLD(Laser Diode)であってもよい。
【0121】
上述した実施形態では、光変調素子として、透過型の液晶パネルについて例示した。しかしながら、光変調素子は、反射型の液晶パネルやDMD(Digital Micromirror Device)であってもよい。
【0122】
上述した実施形態では特に触れていないが、素子制御部260は、表示枠420が検出されてから、テストパターン画像が表示されるまで、映像を表示しないように液晶パネル50を制御することが好ましい。
【0123】
上述した実施形態では特に触れていないが、素子制御部260は、撮像テストパターン画像に含まれる3つ以上の交点が取得されてから、投写面400上に投写される映像の形状が補正されるまで、映像を表示しないように液晶パネル50を制御することが好ましい。
【0124】
上述した実施形態では特に触れていないが、素子制御部260は、付加情報の表示位置を変更するためのアシスト情報を表示してもよい。アシスト情報は、例えば、付加情報を表示可能な位置を示す情報、付加情報を移動可能な方向を示す情報などである。
【0125】
上述した実施形態では特に触れていないが、素子制御部260は、所定トリガに応じて、表示モードと非表示モードとを切り替えてもよい。所定トリガは、投写面400にユーザが近接したことが検出されること、投写面400上に投写される映像の形状の調整が完了したこと、インタラクティブ操作が検出されたこと、リモートコントローラの操作、投写型映像表示装置100の操作、投写型映像表示装置100の配置が所定時間に亘って不変であること、投写面400上に投写される映像が切り替わったこと(例えば、資料映像のスライドが切り替わったこと)などである。
【0126】
付加情報は、例えば、各種のメニュー情報、サブ画面、サムネイル、字幕、資料映像の前スライド、投写型映像表示装置100の操作指示情報、音声認識結果、投写型映像表示装置100のアラーム情報、データ放送、ニュース、日時情報、カレンダー、映像の視聴時間などであってもよい。また、付加情報は、図15のように、映像領域57(投写領域417)の一部を含んだ領域に表示されてもよい。
【0127】
投写面400上に投写される映像を付加情報として利用する場合には、映像信号受付部210は、必要な映像信号を記憶部220に送信してもよい。記憶部220は、映像信号受付部210から送信される映像信号を記憶する。例えば、サムネイルを表示する場合には、映像信号受付部210は、サムネイルを表示するために必要な映像信号を記憶部220に送信する。記憶部220は、サムネイルを表示するために必要な映像信号を記憶する。
【0128】
制御ユニット200は、映像信号受付部210とは別に、付加情報に利用する映像を取得するための映像信号受付部をさらにもうけてもよい。このとき、映像信号受付部210とは別に設けられる映像信号受付部は、付加情報の表示に必要な映像信号を記憶部220に送信する。
【0129】
上述した実施形態では、付加情報は、非投写領域418において、1つの場所に表示される。或いは、付加情報は、図13に示すように、非投写領域418において、1つの場所に纏まって表示される。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、付加情報は、非投写領域418において、複数の場所に分かれて表示されてもよい。
【符号の説明】
【0130】
10…光源、20…UV/IRカットフィルタ、30…フライアイレンズユニット、40…PBSアレイ、50…液晶パネル、52、53…偏光板、56…表示可能領域、57…映像領域、58…非映像領域、60…クロスダイクロイックキューブ、71〜76…ミラー、81〜85…レンズ、100…投写型映像表示装置、110…投写ユニット、120…照明ユニット、200…制御ユニット、210…映像信号受付部、220…記憶部、230…取得部、240…特定部、250…算出部、260…素子制御部、270…投写ユニット制御部、280…調整部、300…撮像素子、400…投写面、410…投写可能領域、417…投写領域、418…非投写領域、420…表示枠
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子によって変調された光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子によって変調された光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
このような投写型映像表示装置において、投写面上に投写される映像とともに、映像に付加すべき付加情報を表示したいというニーズが存在する。
【0004】
付加情報は、例えば、インタラクティブ操作に用いる情報(例えば、メニュー情報)、TV会議などで用いる情報(例えば、自分方或いは相手方を特定可能な情報)などである。
【0005】
このようなニーズを満たすために、投写面上に投写される映像内に付加情報を追加する投写型映像表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−195661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した投写型映像表示装置では、投写面上に投写される映像内に付加情報が追加されるため、付加情報によって、投写面上に投写される映像の視認が妨げられる。
【0008】
従って、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、投写面上に投写される映像の視認を妨げずに、投写面上に投写される映像とともに付加情報を表示することを可能とする投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置は、光源から出射される光を変調する光変調素子(液晶パネル50)と、前記光変調素子によって変調された映像光を投写面上に投写する投写ユニット(投写ユニット110)とを有する。前記投写面は、前記映像光を投写可能な投写可能領域を有する。前記投写可能領域は、映像信号に基づいて前記映像光が投写される投写領域と、前記投写領域以外の非投写領域とを含む。投写型映像表示装置は、前記投写可能領域内において、前記投写領域の形状を調整する調整部(調整部280)と、前記投写可能領域内において、少なくとも前記非投写領域に付加情報を表示する制御部(素子制御部260)とを備える。
【0010】
第2の特徴に係る投写型映像表示装置は、光源から出射される光を変調する光変調素子(液晶パネル50)と、前記光変調素子によって変調された映像光を投写面上に投写する投写ユニット(投写ユニット110)とを有する。前記光変調素子は、前記光を変調可能な表示可能領域を有する。前記表示可能領域は、映像信号に基づいて前記光を変調する映像領域と、前記映像領域以外の非映像領域とを含む。投写型映像表示装置は、前記表示可能領域内において、前記映像領域の形状を調整する調整部(調整部280)と、前記表示可能領域内において、少なくとも前記非映像領域に付加情報を表示する制御部(素子制御部260)とを備える。
【0011】
第1の特徴又は第2の特徴において、前記制御部は、前記付加情報を表示する表示モードと前記付加情報を表示しない非表示モードとの間でモードを切り替える。
【0012】
第1の特徴又は第2の特徴において、前記制御部は、所定トリガに応じて、前記表示モードと前記非表示モードとを切り替える。
【0013】
第1の特徴又は第2の特徴において、前記制御部は、前記投写面上に投写される映像がテレビ会議に用いられる場合に、前記付加情報としてテレビ会議に用いる情報を表示する。
【0014】
第1の特徴又は第2の特徴において、前記制御部は、前記付加情報としてインタラクティブ操作に用いる情報を表示する。
【0015】
第1の特徴又は第2の特徴において、前記制御部は、前記付加情報の表示位置を変更するためのアシスト情報を表示する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、投写面上に投写される映像の視認を妨げずに、投写面上に投写される映像とともに付加情報を表示することを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図7】第1実施形態に係る記憶テストパターン画像の一例を示す図である。
【図8】第1実施形態に係る撮像テストパターン画像の一例を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る撮像テストパターン画像の一例を示す図である。
【図10】第1実施形態に係る投写テストパターン画像に含まれる交点を算出する方法を説明するための図である。
【図11】第1実施形態に係る付加情報の表示を説明するための図である。
【図12】第1実施形態に係る付加情報の表示を説明するための図である。
【図13】第1実施形態に係る付加情報の一例を示す図である。
【図14】第1実施形態に係る付加情報の一例を示す図である。
【図15】第1実施形態に係る付加情報の一例を示す図である。
【図16】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0019】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0020】
[実施形態の概要]
実施形態に係る投写型映像表示装置は、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子によって変調された映像光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する。投写面は、映像光を投写可能な投写可能領域を有する。投写可能領域は、映像信号に基づいて映像光が投写される投写領域と、投写領域以外の非投写領域とを含む。光変調素子は、光を変調可能な表示可能領域を有する。表示可能領域は、映像信号に基づいて光を変調する映像領域と、映像領域以外の非映像領域とを含む。
【0021】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置は、投写可能領域内において、投写領域の形状を調整する調整部と、投写可能領域内において、少なくとも非投写領域に付加情報を表示する制御部とを備える。
【0022】
第2の特徴に係る投写型映像表示装置は、表示可能領域内において、映像領域の形状を調整する調整部と、表示可能領域内において、少なくとも非映像領域に付加情報を表示する制御部とを備える。
【0023】
実施形態によれば、制御部は、投写可能領域(表示可能領域)内において、映像以外の領域に付加情報を表示する。従って、投写面上に投写される映像の視認を妨げずに、投写面上に投写される映像とともに付加情報を表示することができる。
【0024】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の概略)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【0025】
図1に示すように、投写型映像表示装置100には、撮像素子300が設けられる。また、投写型映像表示装置100は、投写面400上に映像光を投写する。
【0026】
撮像素子300は、投写面400を撮像するように構成される。すなわち、撮像素子300は、投写型映像表示装置100によって投写面400上に投写された映像光の反射光を検出するように構成される。撮像素子300は、投写型映像表示装置100に対して、撮像画像を所定ラインに沿って出力する。撮像素子300は、投写型映像表示装置100に内蔵されていてもよく、投写型映像表示装置100と併設されていてもよい。
【0027】
投写面400は、スクリーンなどによって構成される。投写型映像表示装置100が映像光を投写可能な領域(投写可能領域410)は、投写面400上に形成される。また、投写面400は、スクリーンの外枠などによって構成される表示枠420を有する。
【0028】
第1実施形態では、投写型映像表示装置100の光軸Nが投写面400の法線Mと一致しないケースについて例示する。例えば、光軸Nと法線Mとが角度θを構成するケースについて例示する。
【0029】
すなわち、第1実施形態では、光軸Nが法線Mと一致しないため、投写可能領域410(投写面400上に表示される映像)が歪んでしまう。第1実施形態では、このような投写可能領域410の歪みを補正する方法について主として説明する。
【0030】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【0031】
図2に示すように、投写型映像表示装置100は、投写ユニット110と、照明装置120とを有する。
【0032】
投写ユニット110は、照明装置120から出射された映像光を投写面(不図示)上などに投写する。
【0033】
第1に、照明装置120は、光源10と、UV/IRカットフィルタ20と、フライアイレンズユニット30と、PBSアレイ40と、複数の液晶パネル50(液晶パネル50R、液晶パネル50G及び液晶パネル50B)と、クロスダイクロイックプリズム60とを有する。
【0034】
光源10は、白色光を発する光源(例えば、UHPランプやキセノンランプ)などである。すなわち、光源10が発する白色光は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを含む。
【0035】
UV/IRカットフィルタ20は、可視光成分(赤成分光R、緑成分光G及び青成分光B)を透過する。UV/IRカットフィルタ20は、赤外光成分や紫外光成分を遮光する。
【0036】
フライアイレンズユニット30は、光源10が発する光を均一化する。具体的には、フライアイレンズユニット30は、フライアイレンズ31及びフライアイレンズ32によって構成される。フライアイレンズ31及びフライアイレンズ32は、それぞれ、複数の微少レンズによって構成される。各微少レンズは、光源10が発する光が液晶パネル50の全面に照射されるように、光源10が発する光を集光する。
【0037】
PBSアレイ40は、フライアイレンズユニット30から出射された光の偏光状態を揃える。例えば、PBSアレイ40は、フライアイレンズユニット30から出射された光をS偏光(又はP偏光)に揃える。
【0038】
液晶パネル50Rは、赤出力信号Routに基づいて赤成分光Rを変調する。液晶パネル50Rに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Rが設けられている。液晶パネル50Rから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Rが設けられている。
【0039】
液晶パネル50Gは、緑出力信号Goutに基づいて緑成分光Gを変調する。液晶パネル50Gに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Gが設けられる。一方で、液晶パネル50Gから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Gが設けられる。
【0040】
液晶パネル50Bは、青出力信号Boutに基づいて青成分光Bを変調する。液晶パネル50Bに光が入射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板52Bが設けられる。一方で、液晶パネル50Bから光が出射する側には、一の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過する出射側偏光板53Bが設けられる。
【0041】
なお、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutは、映像出力信号を構成する。映像出力信号は、1フレームを構成する複数の画素毎の信号である。
【0042】
ここで、各液晶パネル50には、コントラスト比や透過率を向上させる補償板(不図示)が設けられていてもよい。また、各偏光板は、偏光板に入射する光の光量や熱負担を軽減させるプリ偏光板を有していてもよい。
【0043】
クロスダイクロイックプリズム60は、液晶パネル50R、液晶パネル50G及び液晶パネル50Bから出射される光を合成する色合成部を構成する。クロスダイクロイックプリズム60から出射された合成光は、投写ユニット110に導かれる。
【0044】
第2に、照明装置120は、ミラー群(ミラー71〜ミラー76)及びレンズ群(レンズ81〜レンズ85)を有する。
【0045】
ミラー71は、青成分光Bを透過して、赤成分光R及び緑成分光Gを反射するダイクロイックミラーである。ミラー72は、赤成分光Rを透過して、緑成分光Gを反射するダイクロイックミラーである。ミラー71及びミラー72は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを分離する色分離部を構成する。
【0046】
ミラー73は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを反射して、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bをミラー71側に導く。ミラー74は、青成分光Bを反射して、青成分光Bを液晶パネル50B側に導く。ミラー75及びミラー76は、赤成分光Rを反射して、赤成分光Rを液晶パネル50R側に導く。
【0047】
レンズ81は、PBSアレイ40から出射された光を集光するコンデンサレンズである。レンズ82は、ミラー73で反射された光を集光するコンデンサレンズである。
【0048】
レンズ83Rは、液晶パネル50Rに赤成分光Rが照射されるように、赤成分光Rを略平行光化する。レンズ83Gは、液晶パネル50Gに緑成分光Gが照射されるように、緑成分光Gを略平行光化する。レンズ83Bは、液晶パネル50Bに青成分光Bが照射されるように、青成分光Bを略平行光化する。
【0049】
レンズ84及びレンズ85は、赤成分光Rの拡大を抑制しながら、液晶パネル50R上に赤成分光Rを略結像するリレーレンズである。
【0050】
(制御ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。制御ユニット200は、投写型映像表示装置100に設けられており、投写型映像表示装置100を制御する。
【0051】
なお、制御ユニット200は、映像入力信号を映像出力信号に変換する。映像入力信号は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binによって構成される。映像出力信号は、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutによって構成される。映像入力信号及び映像出力信号は、1フレームを構成する複数の画素毎に入力される信号である。
【0052】
図3に示すように、制御ユニット200は、映像信号受付部210と、記憶部220と、取得部230と、特定部240と、算出部250と、素子制御部260と、投写ユニット制御部270とを有する。
【0053】
映像信号受付部210は、DVD、TVチューナ、携帯電話、パーソナルコンピュータや外部記憶装置(例えば、USBメモリ)などの外部装置(不図示)から映像入力信号を受付ける。
【0054】
記憶部220は、各種情報を記憶する。具体的には、記憶部220は、表示枠420を検出するために用いる枠検出パターン画像、フォーカスを調整するために用いるフォーカス調整画像、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出するために用いるテストパターン画像を記憶する。或いは、記憶部220は、露光値を調整するために用いる露光調整画像を記憶してもよい。さらに、記憶部220は、付加情報も記憶する。
【0055】
テストパターン画像は、3つ以上の交点を構成する3つ以上の線分のそれぞれの少なくとも一部分を構成する画像である。また、3つ以上の線分は、所定ラインに対して傾きを有する。
【0056】
なお、撮像素子300は、上述したように、撮像画像を所定ラインに沿って出力する。例えば、所定ラインは、水平方向の画素列であり、所定ラインの向きは、水平方向である。
【0057】
以下において、テストパターン画像の一例について、図4〜図7を参照しながら説明する。図4〜図7に示すように、テストパターン画像は、4つの交点(Ps1〜Ps4)を構成する4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する画像である。第1実施形態では、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、濃淡或いは明暗の差(エッジ)によって表される。
【0058】
詳細には、図4に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び白抜きの菱形であってもよい。ここで、白抜きの菱形の4辺は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0059】
或いは、図5に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び白抜きの線分であってもよい。白抜きの線分は、図4に示す白抜きの菱形の4辺の一部分を構成する。ここで、白抜きの線分は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0060】
或いは、図6に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び1対の白抜きの三角形であってもよい。ここで、1対の白抜きの三角形の2辺は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0061】
或いは、図7に示すように、テストパターン画像は、黒の背景及び白抜きの線分であってもよい。ここで、白抜きの線分は、4つの線分(Ls1〜Ls4)の少なくとも一部分を構成する。図7に示すように、4つの線分(Ls1〜Ls4)によって構成される4つの交点(Ps1〜Ps4)は、投写可能領域410の外側に設けられてもよい。なお、4つの線分(Ls1〜Ls4)は、所定ライン(水平方向)に対して傾きを有する。
【0062】
取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力される撮像画像を取得する。例えば、取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力される枠検出パターン画像の撮像画像を取得する。取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力されるフォーカス調整画像の撮像画像を取得する。取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力されるテストパターン画像の撮像画像を取得する。或いは、取得部230は、撮像素子300から所定ラインに沿って出力される露光調整画像の撮像画像を取得してもよい。
【0063】
特定部240は、取得部230によって所定ライン毎に取得される撮像画像に基づいて、撮像画像に含まれる3つの線分を特定する。続いて、特定部240は、撮像画像に含まれる3つの線分に基づいて、撮像画像に含まれる3つ以上の交点を取得する。
【0064】
具体的には、特定部240は、以下の手順によって、撮像画像に含まれる3つ以上の交点を取得する。ここでは、テストパターン画像が図4に示す画像(白抜きの菱形)であるケースについて例示する。
【0065】
第1に、特定部240は、図8に示すように、取得部230によって所定ライン毎に取得される撮像画像に基づいて、濃淡或いは明暗の差(エッジ)を有する点群Pedgeを取得する。すなわち、特定部240は、テストパターン画像の白抜きの菱形の4辺に対応する点群Pedgeを特定する。
【0066】
第2に、特定部240は、図9に示すように、点群Pedgeに基づいて、撮像画像に含まれる4つの線分(Lt1〜Lt4)を特定する。すなわち、特定部240は、テストパターン画像に含まれる4つの線分(Ls1〜Ls4)に対応する4つの線分(Lt1〜Lt4)を特定する。
【0067】
第3に、特定部240は、図9に示すように、4つの線分(Lt1〜Lt4)に基づいて、撮像画像に含まれる4つの交点(Pt1〜Pt4)を特定する。すなわち、特定部240は、テストパターン画像に含まれる4つの交点(Ps1〜Ps4)に対応する4つの交点(Pt1〜Pt4)を特定する。
【0068】
算出部250は、テストパターン画像に含まれる3つ以上の交点(例えば、Ps1〜Ps4)及び撮像画像に含まれる3つの交点(例えば、Pt1〜Pt4)に基づいて、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出する。具体的には、算出部250は、投写型映像表示装置100(投写ユニット110)の光軸Nと投写面400の法線Mとのずれ量を算出する。
【0069】
なお、以下においては、記憶部220に記憶されたテストパターン画像を記憶テストパターン画像と称する。撮像画像に含まれるテストパターン画像を撮像テストパターン画像と称する。投写面400に投写されたテストパターン画像を投写テストパターン画像と称する。
【0070】
第1に、算出部250は、投写テストパターン画像に含まれる4つの交点(Pu1〜Pu4)の座標を算出する。ここでは、記憶テストパターン画像の交点Ps1、撮像テストパターン画像の交点Pt1、投写テストパターン画像の交点Pu1を例に挙げて説明する。交点Ps1、交点Pt1及び交点Pu1は、互いに対応する交点である。
【0071】
以下において、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)の算出方法について、図10を参照しながら説明する。交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)は、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における座標であることに留意すべきである。
【0072】
(1)算出部250は、記憶テストパターン画像の2次元平面における交点Ps1の座標(xs1,ys1)について、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)に変換する。具体的には、交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)は、以下の式によって表される。
【0073】
【数1】
【0074】
なお、Asは、3×3の変換行列であり、キャリブレーション等の前処理によって予め取得することが可能である。すなわち、Asは、既知のパラメータである。
【0075】
ここでは、投写型映像表示装置100の光軸方向に垂直な面がXs軸及びYs軸で表されており、投写型映像表示装置100の光軸方向がZs軸で表されている。
【0076】
同様に、算出部250は、撮像テストパターン画像の2次元平面における交点Pt1の座標(xt1,yt1)について、撮像素子300の焦点Otを原点とする3次元空間における交点Pt1の座標(Xt1,Yt1,Zt1)に変換する。
【0077】
【数2】
【0078】
なお、Atは、3×3の変換行列であり、キャリブレーション等の前処理によって予め取得することが可能である。すなわち、Atは、既知のパラメータである。
【0079】
ここでは、撮像素子300の光軸方向に垂直な面がXt軸及びYt軸で表されており、撮像素子300の向き(撮像方向)がZt軸で表されている。このような座標空間において、撮像素子300の向き(撮像方向)の傾き(ベクトル)は既知であることに留意すべきである。
【0080】
(2)算出部250は、交点Ps1と交点Pu1とを結ぶ直線Lvの式を算出する。同様に、算出部250は、交点Pt1と交点Pu1とを結ぶ直線Lwの式を算出する。なお、直線Lv及び直線Lwの式は、以下のように表される。
【0081】
【数3】
【0082】
但し、Ks及びKt=媒介変数
【0083】
(3)算出部250は、投写型映像表示装置100の焦点Osを原点とする3次元空間における直線Lw’に直線Lwを変換する。直線Lw’は、以下の式によって表される。
【0084】
【数4】
【0085】
なお、投写型映像表示装置100の光軸及び撮像素子300の向き(撮像方向)は既知であるため、回転成分を示すパラメータRは既知である。同様に、投写型映像表示装置100及び撮像素子300の相対位置が既知であるため、並進成分を示すパラメータTも既知である。
【0086】
(4)算出部250は、式(3)及び式(5)に基づいて、直線Lv及び直線Lw’の交点(すなわち、交点Pu1)における媒介変数Ks及びKtを算出する。続いて、算出部250は、交点Ps1の座標(Xs1,Ys1,Zs1)及びKsに基づいて、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)の座標を算出する。或いは、算出部250は、交点Pt1の座標(Xt1,Yt1,Zt1)及びKtに基づいて、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)の座標を算出する。
【0087】
これによって、算出部250は、交点Pu1の座標(Xu1,Yu1,Zu1)を算出する。同様に、算出部250は、交点Pu2の座標(Xu2,Yu2,Zu2)、交点Pu3の座標(Xu3,Yu3,Zu3)、交点Pu4の座標(Xu4,Yu4,Zu4)を算出する。
【0088】
第2に、算出部250は、投写面400の法線Mのベクトルを算出する。具体的には、算出部250は、交点Pu1〜交点Pu4のうち、少なくとも3つの交点の座標を用いて、投写面400の法線Mのベクトルを算出する。投写面400の式は、以下の式によって表され、パラメータk1、k2、k3は、投写面400の法線Mのベクトルを表している。
【0089】
【数5】
【0090】
但し、k1、k2、k3、k4=所定係数
【0091】
これによって、算出部250は、投写型映像表示装置100の光軸Nと投写面400の法線Mとのずれ量を算出することができる。すなわち、算出部250は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係を算出することができる。
【0092】
なお、第1実施形態では、特定部240及び算出部250を別々に説明したが、特定部240及び算出部250は、1つの構成と考えてもよい。例えば、特定部240の機能を算出部250が有していてもよい。
【0093】
図3に戻って、素子制御部260は、映像入力信号を映像出力信号に変換して、映像出力信号に基づいて、液晶パネル50を制御する。また、素子制御部260は、以下に示す機能を有する。
【0094】
具体的には、素子制御部260は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、投写面400上に投写された映像の形状の自動補正を行う機能を有する(形状調整)。すなわち、素子制御部260は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、自動的に台形補正を行う機能を有する。
【0095】
或いは、素子制御部260は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、投写面上に投写される映像のズームを調整する(ズーム調整)。
【0096】
投写ユニット制御部270は、投写ユニット110に設けられるレンズ群を制御する。例えば、投写ユニット制御部270は、投写ユニット110に設けられるレンズ群のシフトによって、投写面400上に投写される映像のフォーカスを調整する(フォーカス調整)。投写ユニット制御部270は、レンズ群のシフトによって、投写面400上に投写される映像のズームを調整してもよい。
【0097】
なお、素子制御部260及び投写ユニット制御部270は、投写面400に投写された映像を調整する調整部280を構成する。
【0098】
(付加情報の表示)
以下において、第1実施形態に係る付加情報の表示について、図面を参照しながら説明する。第1実施形態では、上述した素子制御部260は、液晶パネル50に付加情報を表示するために液晶パネル50を制御する。
【0099】
第1に、素子制御部260は、液晶パネル50によって映像を表示可能な表示可能領域56内において、液晶パネル50上に表示される映像の形状を調整する(形状調整)。第2に、素子制御部260は、液晶パネル50上に表示される映像以外の領域に、付加情報を表示する。このように、素子制御部260は、形状調整に伴って生じる領域を用いて、付加情報を表示する。
【0100】
具体的には、図11に示すように、液晶パネル50は、表示可能領域56と、映像領域57と、非映像領域58とを有する。表示可能領域56は、複数の画素によって構成される領域であり、液晶パネル50が光を変調可能な領域である。映像領域57は、映像信号に基づいて光を変調する領域である。映像領域57は、形状調整後において、実際に映像の表示に用いられる領域である。非映像領域58は、表示可能領域56のうち、映像領域57以外の領域である。
【0101】
ここで、素子制御部260は、形状補正後において、映像領域57以外の非映像領域58に、付加情報を表示する。
【0102】
一方で、投写面400から見た場合には、投写可能領域410は、投写領域417と、非投写領域418とを有する。投写可能領域410は、表示可能領域56から出射される映像光を投写可能な領域である。投写領域417は、映像信号に基づいて映像光が投写される領域である。投写領域417は、映像領域57から出射される光が投写される領域であり、実際に映像の表示に用いられる領域である。非投写領域418は、非映像領域58から出射される光が投写される領域であり、投写可能領域410のうち、投写領域417以外の領域である。
【0103】
このように、素子制御部260は、非映像領域58に付加情報を表示することによって、投写領域417以外の非投写領域418に、投写領域417に表示される映像に付加すべき付加情報が表示される。
【0104】
なお、付加情報は、非投写領域418のうち、表示枠420と重複する領域に表示されることが好ましい。このようなケースでは、素子制御部260は、表示枠420の検出結果に基づいて、非映像領域58の一部に付加情報を表示する。
【0105】
(付加情報の一例)
以下において、第1実施形態に係る付加情報の一例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、投写面400から見たケースを用いて、付加情報の一例について説明する。
【0106】
図13に示すように、素子制御部260は、付加情報としてインタラクティブ操作に用いる情報(例えば、描画ツールバー)を表示する。すなわち、投写領域417以外の非投写領域418に、付加情報(例えば、描画ツールバー)が表示される。
【0107】
このようなケースにおいて、素子制御部260は、付加情報を表示する表示モードと付加情報を表示しない非表示モードとの間でモードを切り替えてもよい。例えば、素子制御部260は、投写面400にユーザが近接したことが検出された場合に、非表示モードから表示モードにモードを切り替えて、付加情報を表示してもよい。
【0108】
図14に示すように、素子制御部260は、付加情報として文字入力可能な領域をガイドする情報(例えば、“ここに入力可能”といった文字列)を表示する。すなわち、投写領域417以外の非投写領域418に、付加情報(例えば、“ここに入力可能”といった文字列)が表示される。
【0109】
このようなケースにおいて、素子制御部260は、付加情報を表示する表示モードと付加情報を表示しない非表示モードとの間でモードを切り替えてもよい。例えば、素子制御部260は、投写面400にユーザが近接したことが検出された場合に、非表示モードから表示モードにモードを切り替えて、付加情報を表示してもよい。
【0110】
図15に示すように、素子制御部260は、投写領域417上に投写される映像がテレビ会議に用いられる場合に、付加情報としてテレビ会議に用いる情報(例えば、自分方或いは相手方の画像)を表示する。すなわち、投写領域417以外の非投写領域418に、付加情報(例えば、自分方或いは相手方の画像)が表示される。
【0111】
このようなケースにおいて、素子制御部260は、付加情報を表示する表示モードと付加情報を表示しない非表示モードとの間でモードを切り替えてもよい。例えば、素子制御部260は、ユーザ操作に応じて、非表示モードから表示モードにモードを切り替えて、付加情報を表示してもよい。
【0112】
(投写型映像表示装置の動作)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置(制御ユニット)の動作について、図面を参照しながら説明する。図16は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100(制御ユニット200)の動作を示すフロー図である。
【0113】
図16に示すように、ステップ10において、投写型映像表示装置100は、投写面400上に枠検出パターン画像を表示(投写)する。枠検出パターン画像は、例えば、白画像などである。
【0114】
ステップ20において、投写型映像表示装置100に設けられた撮像素子300は、投写面400を撮像する。すなわち、撮像素子300は、投写面400上に投写された枠検出パターン画像を撮像する。続いて、投写型映像表示装置100は、枠検出パターン画像の撮像画像に基づいて、投写面400上に設けられる表示枠420を検出する。
【0115】
ステップ30において、投写型映像表示装置100は、投写面400上にテストパターン画像を表示(投写)する。テストパターン画像は、例えば、黒の背景及び白抜きの菱形である。
【0116】
ステップ40において、投写型映像表示装置100は、投写型映像表示装置100と投写面400との位置関係に基づいて、投写面400上に投写される映像の形状を調整する(形状調整)。
【0117】
ステップ50において、投写型映像表示装置100は、映像領域57に映像を表示するとともに、映像領域57以外の非映像領域58に付加情報を表示する。この結果、投写領域417に映像が表示され、投写領域417以外の非投写領域418に付加情報が表示される。
【0118】
(作用及び効果)
第1実施形態では、素子制御部260は、投写可能領域410(表示可能領域56)内において、投写領域417(映像領域57)以外の非投写領域418(非映像領域58)に付加情報を表示する。従って、投写面400上に投写される映像の視認を妨げずに、投写面400上に投写される映像とともに付加情報を表示することができる。
【0119】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0120】
上述した実施形態では、光源として、白色光源を例示した。しかしながら、光源は、LED(Light Emitting Diode)、EL(Electro Luminescence)やLD(Laser Diode)であってもよい。
【0121】
上述した実施形態では、光変調素子として、透過型の液晶パネルについて例示した。しかしながら、光変調素子は、反射型の液晶パネルやDMD(Digital Micromirror Device)であってもよい。
【0122】
上述した実施形態では特に触れていないが、素子制御部260は、表示枠420が検出されてから、テストパターン画像が表示されるまで、映像を表示しないように液晶パネル50を制御することが好ましい。
【0123】
上述した実施形態では特に触れていないが、素子制御部260は、撮像テストパターン画像に含まれる3つ以上の交点が取得されてから、投写面400上に投写される映像の形状が補正されるまで、映像を表示しないように液晶パネル50を制御することが好ましい。
【0124】
上述した実施形態では特に触れていないが、素子制御部260は、付加情報の表示位置を変更するためのアシスト情報を表示してもよい。アシスト情報は、例えば、付加情報を表示可能な位置を示す情報、付加情報を移動可能な方向を示す情報などである。
【0125】
上述した実施形態では特に触れていないが、素子制御部260は、所定トリガに応じて、表示モードと非表示モードとを切り替えてもよい。所定トリガは、投写面400にユーザが近接したことが検出されること、投写面400上に投写される映像の形状の調整が完了したこと、インタラクティブ操作が検出されたこと、リモートコントローラの操作、投写型映像表示装置100の操作、投写型映像表示装置100の配置が所定時間に亘って不変であること、投写面400上に投写される映像が切り替わったこと(例えば、資料映像のスライドが切り替わったこと)などである。
【0126】
付加情報は、例えば、各種のメニュー情報、サブ画面、サムネイル、字幕、資料映像の前スライド、投写型映像表示装置100の操作指示情報、音声認識結果、投写型映像表示装置100のアラーム情報、データ放送、ニュース、日時情報、カレンダー、映像の視聴時間などであってもよい。また、付加情報は、図15のように、映像領域57(投写領域417)の一部を含んだ領域に表示されてもよい。
【0127】
投写面400上に投写される映像を付加情報として利用する場合には、映像信号受付部210は、必要な映像信号を記憶部220に送信してもよい。記憶部220は、映像信号受付部210から送信される映像信号を記憶する。例えば、サムネイルを表示する場合には、映像信号受付部210は、サムネイルを表示するために必要な映像信号を記憶部220に送信する。記憶部220は、サムネイルを表示するために必要な映像信号を記憶する。
【0128】
制御ユニット200は、映像信号受付部210とは別に、付加情報に利用する映像を取得するための映像信号受付部をさらにもうけてもよい。このとき、映像信号受付部210とは別に設けられる映像信号受付部は、付加情報の表示に必要な映像信号を記憶部220に送信する。
【0129】
上述した実施形態では、付加情報は、非投写領域418において、1つの場所に表示される。或いは、付加情報は、図13に示すように、非投写領域418において、1つの場所に纏まって表示される。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、付加情報は、非投写領域418において、複数の場所に分かれて表示されてもよい。
【符号の説明】
【0130】
10…光源、20…UV/IRカットフィルタ、30…フライアイレンズユニット、40…PBSアレイ、50…液晶パネル、52、53…偏光板、56…表示可能領域、57…映像領域、58…非映像領域、60…クロスダイクロイックキューブ、71〜76…ミラー、81〜85…レンズ、100…投写型映像表示装置、110…投写ユニット、120…照明ユニット、200…制御ユニット、210…映像信号受付部、220…記憶部、230…取得部、240…特定部、250…算出部、260…素子制御部、270…投写ユニット制御部、280…調整部、300…撮像素子、400…投写面、410…投写可能領域、417…投写領域、418…非投写領域、420…表示枠
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調された映像光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置であって、
前記投写面は、前記映像光を投写可能な投写可能領域を有し、
前記投写可能領域は、映像信号に基づいて前記映像光が投写される投写領域と、前記投写領域以外の非投写領域とを含み、
前記投写可能領域内において、前記投写領域の形状を調整する調整部と、
前記投写可能領域内において、少なくとも前記非投写領域に付加情報を表示する制御部とを備えることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調された映像光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置であって、
前記光変調素子は、前記光を変調可能な表示可能領域を有し、
前記表示可能領域は、映像信号に基づいて前記光を変調する映像領域と、前記映像領域以外の非映像領域とを含み、
前記表示可能領域内において、前記映像領域の形状を調整する調整部と、
前記表示可能領域内において、少なくとも前記非映像領域に付加情報を表示する制御部とを備えることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記付加情報を表示する表示モードと前記付加情報を表示しない非表示モードとの間でモードを切り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、所定トリガに応じて、前記表示モードと前記非表示モードとを切り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の投写型映像表示装置。
【請求項1】
光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調された映像光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置であって、
前記投写面は、前記映像光を投写可能な投写可能領域を有し、
前記投写可能領域は、映像信号に基づいて前記映像光が投写される投写領域と、前記投写領域以外の非投写領域とを含み、
前記投写可能領域内において、前記投写領域の形状を調整する調整部と、
前記投写可能領域内において、少なくとも前記非投写領域に付加情報を表示する制御部とを備えることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調された映像光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置であって、
前記光変調素子は、前記光を変調可能な表示可能領域を有し、
前記表示可能領域は、映像信号に基づいて前記光を変調する映像領域と、前記映像領域以外の非映像領域とを含み、
前記表示可能領域内において、前記映像領域の形状を調整する調整部と、
前記表示可能領域内において、少なくとも前記非映像領域に付加情報を表示する制御部とを備えることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記付加情報を表示する表示モードと前記付加情報を表示しない非表示モードとの間でモードを切り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、所定トリガに応じて、前記表示モードと前記非表示モードとを切り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の投写型映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−53227(P2012−53227A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195055(P2010−195055)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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