説明

投影装置、投影方法及びプログラム

【課題】光源の熱変動による影響を抑制し、投影画像の質を高い状態で維持する。
【解決手段】複数色の発光素子を各色毎に輝度を調整して発光可能な光源であるLEDアレイ17と、LEDアレイ17からの光を用い、1フレームのカラー画像を色順次方式による色成分毎のフィールド期間単位で光像を形成して投影する投影系13〜16,18〜21と、LEDアレイ17に対する色成分毎の各フィールド期間内の輝度変動を相殺する供給電力波形情報に基づいてLEDアレイ17の各色の発光素子の明るさを調整する光源制御系27〜29,25,22〜24とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード等を光源としたプロジェクタ装置に好適な投影装置、投影方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
色順次方式、あるいはフィールドシーケンシャル方式などと呼称される、複数色の色画像を高速で切換えて連続的に投影することにより、人間の視覚上でカラー画像として認識可能な各種プロジェクタ装置が従来より各種企画され、製品化されている。
【0003】
この種のプロジェクタ装置で、特にLEDを光源としたものでは、光量を確保するためなどの目的により、光源となるR(赤色),G(緑色),B(青色)の各色LEDを複数色同時に点灯させる技術が考えられている。(例えば、特許文献1)
図7は、1画像フレームをRGBの各色画像を投影する3つのフィールドに分割した場合の、赤色LED(以下「R−LED」)の発光輝度を例示する。図7(1)は、投影する光像を形成する素子であるDMD(Digital Micromirror Device)(登録商標)での各色画像の形成タイミング(フィールド)を示すものである。
【0004】
図7(2)は上記R,G,Bの各フィールド毎にR−LEDに流すべく設定されている電流値である。同図(2)に示す如く、RフィールドではR−LEDにフルレベルの電流値が流される一方で、続くGフィールドでもR−LEDにはフルレベルの半値よりも大きいレベルの電流値が流されていることがわかる。
【0005】
これに対して、実際に光源であるR−LEDから出射される赤色光の光量を図7(3)に示す。同図(3)に示すように、Rフィールドの期間ではフルレベルの電流値が流されるためにLEDが発熱し、その影響で発光量が点灯直後から急激に低下し、以後徐々にその低下量が緩やかに減少する。
【0006】
その後のGフィールドでは、設定電流値がフルレベルから大幅に低下するため、フィールド切換直後は発光量が大幅に低下する。その後、設定電流値が低下したことによりR−LEDでの発熱量が減少するにつれて、発光量は徐々に上昇する。
【0007】
続くBフィールドでは、R−LEDの設定電流値が“0(ゼロ)”とされるため、発光量も“0”となる。
【0008】
図示はしないが、光源となる他の緑色(G)LED、及び青色(B)LEDも同様に、設定した電流値に対して発熱の影響で実際の発光量が変動する。
【0009】
この点は、LEDを光源とする場合に限らず、例えば半導体レーザを光源とする場合も同様であり、やはり発熱の影響によって、設定した電流値で駆動しても各フィールドで発光量が変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3781743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した如くLEDや半導体レーザ等を光源とするプロジェクタ装置では、予め設定された電力で光源を駆動しても、光源の発熱の影響により発光量が変動し、結果として投影画像の質を低下させるという不具合がある。
【0012】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、光源の熱変動による影響を抑制し、投影画像の質を高い状態で維持することが可能な投影装置、投影方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1記載の発明は、複数色の発光素子を各色毎に輝度を調整して発光可能な光源と、上記発光素子を、それぞれフィールド期間単位毎に明るさを変えて点灯させた光を用い、1フレームのカラー画像を上記フィールド期間単位毎に光像を形成して色順次方式により投影する投影手段と、上記フィールド期間の切り替え前後における上記発光素子の発熱に基づく輝度の減少を補正するように、該発光素子に供給する電力を調整する光源制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記光源制御手段は、上記投影手段により上記発光素子が上記フィールド期間切り替え前後で明るさが減少するように点灯された場合に、該前のフィールド期間において明るさが徐々に増加するように該発光素子に供給する電力を調整し、該後のフィールド期間において明るさが徐々に減少するように該発光素子に供給する電力を調整することを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明において、上記投影手段は、上記各フィールド期間において、該フィールド期間で形成する光像の色成分の発光素子を点灯させるとともに、該色成分以外の色成分の発光素子を明るさを低減して同時点灯させることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至3の何れか記載の発明において、上記輝度変動を減少させる供給電力波形情報を予め記憶した記憶手段をさらに具備し、上記光源制御手段は、上記記憶手段で記憶した供給電力波形情報に基づいて上記光源の各色の発光素子の明るさを調整することを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、上記請求項4記載の発明において、上記光源での色成分毎の各フィールド期間内の輝度変動を測定する測定手段をさらに具備し、上記記憶手段は、上記光源での色成分毎の各フィールド期間内の輝度変動に対応した複数の供給電力波形情報を記憶し、上記光源制御手段は、上記測定手段で測定した上記光源での色成分毎の各フィールド期間内の輝度変動に対応して上記記憶手段から選択的に供給電力波形情報を読出し、読出した供給電力波形情報に基づいて上記光源の各色の発光素子の明るさを調整することを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、上記請求項1乃至5のいずれか記載の発明において、上記各フィールド期間毎に、上記光源の各色毎の発光素子の輝度変動を測定する測定手段をさらに具備し、上記光源制御手段は、上記測定手段によって測定された輝度変動に基づき、当該輝度変動を減少させるように上記光源の各色の発光素子の明るさを調整する供給電力波形情報を算出することを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明は、上記請求項5または6記載の発明において、上記測定手段は、上記投影手段における上記光源からの照度により上記光源での輝度変動を測定することを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の発明は、上記請求項5または6記載の発明において、上記測定手段は、上記光源での温度により輝度変動を測定することを特徴とする。
【0021】
請求項9記載の発明は、上記請求項5乃至8のいずれか記載の発明において、上記測定手段は、所定時間毎に上記輝度変動を測定し、上記光源制御手段は、上記輝度変動が測定される度に、上記光源に供給する上記電力波形情報を再設定し、上記投影手段は、該再設定された上記電力波形情報に基づいて上記光源を点灯させることを特徴とする。
【0022】
請求項10記載の発明は、複数色の発光素子を各色毎に輝度を調整して発光可能な光源と、上記発光素子を、それぞれフィールド期間単位毎に明るさを変えて点灯させた光を用い、1フレームのカラー画像を上記フィールド期間単位毎に光像を形成して色順次方式により投影する投影部とを備えた投影装置での投影方法であって、上記フィールド期間の切り替え前後における上記発光素子の発熱に基づく輝度の減少を補正するように、該発光素子に供給する電力を調整する光源制御工程を有したことを特徴とする。
【0023】
請求項11記載の発明は、複数色の発光素子を各色毎に輝度を調整して発光可能な光源と、上記発光素子を、それぞれフィールド期間単位毎に明るさを変えて点灯させた光を用い、1フレームのカラー画像を上記フィールド期間単位毎に光像を形成して色順次方式により投影する投影部とを備えた投影装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、上記フィールド期間の切り替え前後における上記発光素子の発熱に基づく輝度の減少を補正するように、該発光素子に供給する電力を調整する光源制御ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、光源の熱変動による影響を抑制し、投影画像の質を高い状態で維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデータプロジェクタ装置の機能回路の概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態に係る電流値調整波形の制御原理を示す図。
【図3】同実施形態に係る電流値波形調整を含む投影動作の処理内容を示すフローチャート。
【図4】同実施形態に係る電流値調整波形の制御動作例を示す図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るデータプロジェクタ装置の機能回路の概略構成を示すブロック図。
【図6】同実施形態に係る電流値波形調整を含む投影動作の処理内容を示すフローチャート。
【図7】一般的なLED光源による駆動電流値と発光量との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1の実施形態)
以下本発明をLEDを光源としたデータプロジェクタ装置に適用した場合の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
【0027】
図1は、同実施形態に係るデータプロジェクタ装置10が備える電子回路の概略機能構成を示すブロック図である。
11は入出力コネクタ部であり、例えばピンジャック(RCA)タイプのビデオ入力端子、D−sub15タイプのRGB入力端子、及びUSB(Universal Serial Bus)コネクタを含む。
【0028】
入出力コネクタ部11より入力される各種規格の画像信号は、入出力インタフェース(I/F)12、システムバスSBを介し、一般にスケーラとも称される画像変換部13に入力される。画像変換部13は、入力された画像信号を投影に適した所定のフォーマットの画像信号に統一し、適宜表示用のバッファメモリであるビデオRAM14に記憶した後に、投影画像処理部15へ送る。
【0029】
この際、OSD(On Screen Display)用の各種動作状態を示すシンボル等のデータも必要に応じてビデオRAM14で画像信号に重畳加工され、加工後の画像信号が投影画像処理部15へ送られる。
【0030】
投影画像処理部15は、送られてきた画像信号に応じて、所定のフォーマットに従ったフレームレート、例えば60[フレーム/秒]と色成分の分割数、及び表示階調数を乗算した、より高速な時分割駆動により、空間的光変調素子(SOM)であるマイクロミラー素子16を表示駆動する。
【0031】
このマイクロミラー素子16は、アレイ状に配列された複数、例えばXGA(横1024×縦768ドット)分の微小ミラーの各傾斜角度を個々に高速でオン/オフ動作することでその反射光により光像を形成する。
【0032】
一方で、本データプロジェクタ装置10の光源として、LEDアレイ17を用いる。このLEDアレイ17は、RGBの各色で発光する多数のLEDが規則的に混在するようにアレイ配置して構成される。
【0033】
LEDアレイ17の各色成分毎の時分割発光が、内面全面に反射ミラーを貼設した角錐台状のハウジング18により集光され、インテグレータ19で輝度分布が均一な光束とされた後に、ミラー20で全反射して上記マイクロミラー素子16に照射される。
【0034】
そして、マイクロミラー素子16での反射光で光像が形成され、形成された光像が投影レンズユニット21を介して、投影対象となるここでは図示しないスクリーンに投影表示される。
【0035】
上記LEDアレイ17は、Rドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24によりそれぞれ対応する色のLED群が駆動制御され、RGBの各原色が時分割で発光する。
【0036】
投影光処理部25は、電流制御部25aを備え、投影画像処理部15から与えられる画像データに応じて上記Rドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24による発光タイミングと駆動電流とを制御する。
【0037】
さらに投影光処理部25は、上記マイクロミラー素子16で形成される光像の各色の明るさを色毎に検出する照度センサ26R,26G,26Bから各検出信号を受信する。上記電流制御部25aは、上記照度センサ26R,26G,26Bで検出した明るさに基づいてRドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24に供給する各電流値とその波形を制御する。
【0038】
上記各回路の動作すべてをCPU27が制御する。このCPU27は、メインメモリ28及びプログラムメモリ29と接続される。メインメモリ28は、DRAMで構成され、ワークメモリとして機能する。プログラムメモリ29は、動作プログラムや各種定型データ、後述するLED駆動用の複数の電流波形情報等を記憶した電気的書換可能な不揮発性メモリで構成される。CPU27は、メインメモリ28及びプログラムメモリ29を用いることで、このデータプロジェクタ装置10内全般の制御動作を実行する。
【0039】
上記CPU27は、操作部30からのキー操作信号に応じて各種投影動作を実行する。この操作部30は、データプロジェクタ装置10の本体に設けられるキー操作部と、このデータプロジェクタ装置10専用の図示しないリモートコントローラからの赤外光を受信するレーザ受光部を含む。操作部30は、ユーザが直接またはリモートコントローラを介して操作したキーに基づくキー操作信号をCPU27へ直接出力する。
【0040】
上記CPU27はさらに、上記システムバスSBを介して音声処理部31、及び無線LANインターフェイス(I/F)32と接続される。
【0041】
音声処理部31は、PCM音源等の音源回路を備え、投影動作時に与えられる音声データをアナログ化し、スピーカ部33を駆動して拡声放音させ、あるいは必要によりビープ音等を発生させる。
【0042】
無線LANインターフェイス32は、無線LANアンテナ34を介し、例えばIEEE802.11b/g規格に則って2.4[GHz]帯の電波でパーソナルコンピュータ等の図示しない外部機器とのデータの送受を行なう。
【0043】
次に上記実施形態の動作について説明する。
まず、図2により本実施形態における制御の基本的な概念について説明しておく。
図2は、1画像フレームをRGBの各色画像を投影する3つのフィールドに分割した場合の、LEDアレイ17の一部を構成する赤色LED(以下「R−LED」)の発光輝度を例示する。図2(1)は、マイクロミラー素子16での各色画像の形成タイミング(フィールド)を示すものである。
【0044】
図2(2)は上記R,G,Bの各フィールド毎にR−LEDに流すべく設定されている基準の電流値である。同図(2)に示す如く、RフィールドではR−LEDにフルレベルの電流値が流れる一方で、続くGフィールドでもR−LEDにはフルレベルの半値よりも大きいレベルの電流値が流れることがわかる。
【0045】
このように、本来ならR−LEDを点灯させないG及びBフィールドにおいても電流値を変化させてR−LEDを点灯させることで、高い輝度を得るとともに色彩の調整を可能とすることができる。また、G−LED、B−LEDに関しても同様の点灯制御を行なうものとする。
【0046】
これに対して、Rドライバ22が実際に光源であるR−LEDに供給する電流値の波形を図2(3)に示す。同図(3)で示すように、R−LEDでの発熱により低下するであろう光量を予め勘案して、例えばRフィールドでは前記図2(2)で示した本来の電流値に加えて、該低下光量分だけ電流値を増加させた波形i1となる。
【0047】
続くGフィールドでも、本来の電流値に加えて、該低下光量分だけ電流値を増加した波形i2となるべく電流値を制御する。
【0048】
また、本発明のデータプロジェクタ装置10は、例えば上記R−LEDを上記R、G、Bの各フィールド毎に、電流値を変化させて連続点灯させるため、R、G、B各フィールド毎の発熱量は、それ以前のフィールドで発生した発熱の影響を引き継いでおり、上記図2(3)で示した電流値波形は当該引き継いだ発熱量の影響をも考慮して調整された電流値波形である。
【0049】
これらの電流波形は、予めプログラムメモリ29に記憶されている定型のデータをCPU27が読出し、メインメモリ28に展開して記憶させた後に、投影光処理部25に送出して電流制御部25aにより上記Rドライバ22での駆動電流値で制御させることで実現される。
【0050】
上記のような波形の電流値でR−LEDを駆動する結果、当該R−LEDから出射される実際の赤色光の光量を図2(4)に示す。この同図(4)に示すように、R,G,Bの各フィールド期間においても、発熱による影響を相殺して各期間中一定の光量を維持することができる。
【0051】
このように、LEDの発熱による光量の低下を勘案してそれを相殺するような波形の電流値で駆動することにより、結果として各フィールド期間で安定した光量でLEDを発光駆動することができる。
【0052】
上記した制御は、LEDアレイ17の一部を構成するR−LEDのみならず、当然ながらG(緑色)−LED、及びB(青色)−LEDにおいても同様に実施する。
【0053】
加えて、上記R,G,B各LED用の各電流値波形は、後述する投影カラーモードに応じて異なる。すなわちプログラムメモリ29には、予め複数の投影カラーモード毎の、R,G,BそれぞれのLEDを駆動するための電流値波形の情報がデータ化されて記憶されている。
【0054】
すなわち、例えば色彩を重視する「シアターモード」や、輝度を重視する「プレゼンテーションモード」などの投影カラーモードが予め選択可能に用意される場合には、プログラムメモリ29に記憶される電流値波形は「シアターモード」より「プレゼンテーションモード」の方が高い輝度が得られるように調整されているものである。
【0055】
次に、上記LEDアレイ17を構成するR,G,Bの各LED群の制御を主とした、データプロジェクタ装置10の投影動作について図3により説明する。
【0056】
図3は、データプロジェクタ装置10の電源がオンされた後に、CPU27がプログラムメモリ29に記憶される動作プログラム等を読出し、展開してメインメモリ28に記憶させた上で実行する投影動作の一部を示すものである。
【0057】
その当初には、入力画像の投影を行なう前に、例えば「シアターモード」「プレゼンテーションモード」など、投影画像全体の色彩と輝度との関係を示す各種投影カラーモード名を一覧画像として投影する(ステップS101)。
【0058】
この投影に対して、投影したモードのいずれか1つを選択する操作が操作部30によりなされたか否かを判断し(ステップS102)、操作されていなければ再び上記ステップS101に戻る。こうしてステップS101,S102の処理を繰返し、投影カラーモードの一覧投影を行ないながら、それらモード中の1つが選択されるのを待機する。
【0059】
そして、カラーモードの1つが選択されると、その操作を上記ステップS102で判断し、選択したモードに応じたR,G,B各色LED用の電流値波形の情報を択一的にプログラムメモリ29から読出して展開し(ステップS103)、メインメモリ28に記憶させた上で、Rドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24を制御するべく投影光処理部25の電流制御部25aに設定する(ステップS104)。
【0060】
上述したように、この電流値波形の情報は、投影開始時におけるLEDの発熱に起因する光量低下を相殺するべく予め記憶された値である。
【0061】
該設定後、電流制御部25aに設定した電流値波形にしたがってRドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24によりLEDアレイ17を駆動させながら、入出力コネクタ部11または無線LANアンテナ34を介して入力される画像信号の投影動作を開始する(ステップS105)。
【0062】
ここで、本データプロジェクタ装置10の連続した投影動作を行う場合、上述したように、LED光源の各フィールド毎における発熱量は、それ以前のフィールドの発熱の影響を受けるため投影フレームを経ていくにつれて徐々に蓄積されていく。
【0063】
したがって、ステップS104でLEDの発熱による光量低下を相殺する電流値波形を上記Rドライバ22に設定して各LEDを点灯制御するにもかかわらず、連続した投影動作により各フィールドで発生する発熱量が蓄積していくことに起因して、さらに光量が減少していき、ステップS104で設定した電流値波形をもってしても該光量低下を相殺できなくなる恐れが生じる。
【0064】
そのため、連続した投影動作の進行に応じて、例えば一定時間毎に上記発熱量の蓄積に起因する上記光量のさらなる減少を再調整するような電流値波形を上記電流制御部25aに再設定する必要がある。
【0065】
そこで、投影動作の開始に合わせて、CPU27がメインメモリ28に設定するタイマによる計時のためのカウントを実行させる(ステップS106)。このタイマは、上述のようにLEDアレイ17を構成するR,G,Bの各LED群に生じる投影動作の進行に伴う熱変動の測定間隔として一定時間T、例えば30[分]をカウントするものである。上記タイマのカウントに伴い、カウント値が一定値Tとなったか否かを判断する(ステップS107)。
【0066】
ここでタイマのカウント値が一定値Tに達していない場合には、上記再び上記ステップS106からの処理に戻る。以後、投影動作を実行しながら上記ステップS106,S107を繰返し実行することで、タイマのカウント値が一定値Tとなるのを待機する。
【0067】
そして、タイマのカウント値が一定値Tとなった場合、上記ステップS107でそれを判断して、その時点でのLEDアレイ17を構成するR,G,Bの各LED群毎に照度センサ26R,26G,26Bでその照度を測定する(ステップS108)。
【0068】
この照度測定に際しては、測定のタイミングに合わせて、マイクロミラー素子16で形成する光像を、1フレーム分または2フレーム分だけR,G,Bの各光像共に全画素フル階調となるようにしてもよい。毎秒60フレーム中の1フレーム分または2フレームのみをこのように各フィールド共にフル階調で投影したとしても、人間の目ではほとんど知覚できず、投影画質が低下してしまうような事態にまでは至らない。
【0069】
上記測定した照度の結果、投影光処理部25では設定している照度との間でズレがあるか否かをR,G,B各LED群毎に判断する(ステップS109)。
【0070】
ここでR,G,BいずれのLED群共に両照度間にズレがないと判断した場合には、特に問題がないものとして、そのままタイマのカウント値をクリアした後に(ステップS112)、再び上記ステップS106からの処理に戻る。
【0071】
また上記ステップS109で、測定した結果得た照度と設定した照度とで所定値以上のズレがあると判断した場合には、次いでそのズレを考慮して所望の照度となるような電流値調整波形を算出する(ステップS110)。
【0072】
その後、算出した電流値調整波形に該当する情報をプログラムメモリ29から読出し、投影光処理部25の電流制御部25aに再設定する(ステップS111)。
【0073】
図4は、上記ステップS110,S111の処理前後の画像2フレーム分の期間に渡る、LEDアレイ17の一部を構成する赤色LED(以下「R−LED」)の発光輝度を例示する。図4(1)は、マイクロミラー素子16での各色(R,G,B)画像の形成タイミング(フィールド)を示すものである。
【0074】
図4(2)は2フレームを通して上記R,G,Bの各フィールド毎にR−LEDに流すべく設定されている目標とする光量を得るための基準の電流値である。同図(2)に示す如く、RフィールドではR−LEDにフルレベルの電流値が流れる一方で、続くGフィールドでもR−LEDにはフルレベルの半値よりも大きいレベルの電流値が流れることがわかる。
【0075】
これに対して、Rドライバ22が実際に光源であるR−LEDに供給する電流値の波形を図4(3)に示す。同図(3)の第1フレームでは、R−LEDでの発熱により低下するであろう光量を予め勘案して、例えばRフィールドでは前記図4(2)で示した本来の電流値に加えて、該低下光量分だけ電流値を増加させた波形i1となる。続くGフィールドでも、本来の電流値に加えて、該低下光量分だけ電流値を増加した波形i2となるべく電流値を制御する。
【0076】
この電流波形の情報は、プログラムメモリ29に記憶されている定型のデータをCPU27が読出し、メインメモリ28に展開して記憶させた後に、投影光処理部25に送出する。投影光処理部25の電流制御部25aでは、この波形情報に基づいて上記Rドライバ22での駆動電流値を制御する。
【0077】
さらに、実際に上記照度センサ26Rで得られる照度を図4(4)に示す。同図(4)の第1フレームで測定された該照度を見てみると、Gフィールドにおいて、発熱による光量低下を相殺するべく設定された上記図4(3)で示す電流値波形で点灯したにもかかわらず、上述したように投影動作の進行に伴うLEDの発熱量の蓄積に起因して、目標とする照度よりΔL1だけ低い照度が測定された場合、上記ステップS104で設定した目標照度とのズレがあると判断し、上記ステップS110でそのΔL1の光量低下分をさらに相殺する電流値調整波形i3を算出する。
【0078】
そして、次の上記ステップS111で、図4(3)の第1フレームで供給した電流値に加え、さらなる光量低下分を相殺するべく算出された電流値調整波形を投影光処理部25の電流制御部25aにセットし直してRドライバ22を制御させることで、第2フレーム以降では、上記GフィールドでのΔL1分の照度不足をも解消して、設定通りの照度でLEDアレイ17のR−LEDを点灯させることが可能となる。
【0079】
上記の制御は、LEDアレイ17の一部を構成するR−LEDのみならず、G−LED、B−LEDに関しても同様に実行される。
【0080】
上記ステップS111の処理後、ステップS112でタイマのカウント値をクリアした後に、再び上記ステップS106からの処理に戻る。
【0081】
このように、詳記した如く本実施形態によれば、光源となるLEDアレイ17を構成するR,G,Bの各LED群の熱変動による影響を抑制し、投影レンズユニット21より投影される画像の質を高い状態で維持することが可能となる。
【0082】
加えて本実施形態では、予めプログラムメモリ29に、光源であるLEDアレイ17に対する色成分毎の各フィールド期間内の輝度変動を相殺する投影開始時における電流値調整波形の情報を記憶しておき、投影開始時において読出した上で投影光処理部25の電流制御部25aにセットし、Rドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24によりLEDアレイ17を制御させるものとした。そして、投影動作の進行に応じて、定期的に照度センサ26R,26G,26Bにより各LEDの光量のズレを測定し、ズレが生じた場合はそれを調整する電流値調整波形を算出し、投影光処理部25の電流制御部25aに再セットするものとした。
【0083】
しかし、これに限らず、上記照度センサ26R,26G,26Bにより測定された各LEDの光量のズレに対応した電流値調整波形を、予めプログラムメモリ29に記憶させておき、必要に応じて読出した上で投影光処理部25の電流制御部25aにセットし、Rドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24によりLEDアレイ17を制御させる構成としてもよい。
【0084】
このようにすることでLEDアレイ17を構成するR,G,Bの各LED群が熱変動により光量が変化し易い状況でも、容易、且つきわめて精密に光量を制御することができる。
【0085】
この点で特に上記実施形態では、プログラムメモリ29に予め複数パターンの電流値調整波形の情報を記憶しておき、設定した内容と測定した結果とのズレに応じて適切な電流値調整波形の情報を選択して読出すものとしたため、その都度煩雑な波形の演算等を行なう必要がなく、投影光処理部25での制御をより簡易化することができる。
【0086】
また本実施形態では、光源の光量を測定するにあたって、照度センサ26R,26G,26Bによりマイクロミラー素子16における光源からの照度を測定するものとしたので、マイクロミラー素子16で形成される光像の光量を直接的に測定することにより、投影される画像の質をより正確に制御できる。
【0087】
なお、上記実施形態では、照度センサ26R,26G,26Bがマイクロミラー素子16における光源からの照度を測定するものとして説明したが、本発明はこれに限らず、例えばインテグレータ19の出力部分での光量を測定するものとしても良い。こうすることで、マイクロミラー素子16でR,G,B共に全画素フル階調となるような光像を一時的に形成する必要なく、通常の投影動作時に光量の測定を平行して実施できる。
【0088】
(第2の実施の形態)
以下本発明をLEDを光源としたデータプロジェクタ装置に適用した場合の第2の実施形態について図面を参照して説明する。
【0089】
図5は、同実施形態に係るデータプロジェクタ装置10′が備える電子回路の概略機能構成を示すブロック図であり、基本的には上記図1で示した内容と同様であるため、同一部分には同一符号を用いてその説明を省略する。
【0090】
なお、上記図1の照度センサ26R,26G,26Bはなく、代わりにLEDアレイ17に対して温度センサ41を配設するものとする。この温度センサ41は、LEDアレイ17の温度を測定してその測定結果を上記投影光処理部25へ出力する。
【0091】
次に上記実施形態の動作について説明する。
なおプログラムメモリ29には、予め複数の投影カラーモード毎の、R,G,BそれぞれのLEDを駆動するための電流値波形の情報がデータ化されて記憶されているものとする。
【0092】
図6は、データプロジェクタ装置10′の電源がオンされた後に、CPU27がプログラムメモリ29に記憶される動作プログラム等を読出し、展開してメインメモリ28に記憶させた上で実行する投影動作の一部を示すものである。
【0093】
その当初には、入力画像の投影を行なう前に、例えば「シアターモード」「プレゼンテーションモード」など、投影画像全体の色彩と輝度との関係を示す各種投影カラーモード名を一覧画像として投影する(ステップS201)。
【0094】
この投影に対して、投影したモードのいずれか1つを選択する操作が操作部30によりなされたか否かを判断し(ステップS202)、操作されていなければ再び上記ステップS201に戻る。こうしてステップS201,S202の処理を繰返し、投影カラーモードの一覧投影を行ないながら、それらモード中の1つが選択されるのを待機する。
【0095】
そして、カラーモードの1つが選択されると、その操作を上記ステップS202で判断し、選択したモードに応じたR,G,B各色LED用の電流値波形の情報を択一的にプログラムメモリ29から読出して展開し(ステップS203)、メインメモリ28に記憶させた上で、Rドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24を制御するべく投影光処理部25の電流制御部25aに設定する(ステップS204)。
【0096】
該設定後、電流制御部25aに設定した電流値波形にしたがってRドライバ22、Gドライバ23、及びBドライバ24によりLEDアレイ17を駆動させながら、入出力コネクタ部11または無線LANアンテナ34を介して入力される画像信号の投影動作を開始する(ステップS205)。
【0097】
これと合わせて、CPU27がメインメモリ28に設定するタイマによる計時のためのカウントを実行させる(ステップS206)。このタイマは、LEDアレイ17を構成するR,G,Bの各LED群に生じる熱変動の測定間隔として一定時間T、例えば30[分]をカウントするものである。上記タイマのカウントに伴い、カウント値が一定値Tとなったか否かを判断する(ステップS207)。
【0098】
ここでタイマのカウント値が一定値Tに達していない場合には、上記再び上記ステップS206からの処理に戻る。以後、投影動作を実行しながら上記ステップS206,S207を繰返し実行することで、タイマのカウント値が一定値Tとなるのを待機する。
【0099】
そして、タイマのカウント値が一定値Tとなった場合、上記ステップS207でそれを判断して、その時点でのLEDアレイ17の温度を温度センサ41により測定する(ステップS208)。
【0100】
上記測定した温度の結果、投影光処理部25では予め設定しているLEDアレイ17の温度との間でズレがあるか否かを判断する(ステップS209)。
【0101】
ここで両温度間にズレがないと判断した場合には、特に問題がないものとして、そのままタイマのカウント値をクリアした後に(ステップS212)、再び上記ステップS206からの処理に戻る。
【0102】
また上記ステップS209で、測定した結果の温度と設定した温度とで所定値以上のズレがあると判断した場合には、次いでそのズレを考慮してLEDアレイ17を構成するR,G,Bの各LED群が所望の照度となるような電流値調整波形を算出する(ステップS210)。
【0103】
その後、算出した電流値調整波形に該当する情報をプログラムメモリ29から読出し、投影光処理部25の電流制御部25aに再設定する(ステップS211)。
この電流値調整波形の投影光処理部25の電流制御部25aへの再設定により、LEDアレイ17での熱変動に伴う照度の低下を解消して、設定通りの照度でLEDアレイ17のR,G,Bの各LED群を点灯させることが可能となる。
【0104】
上記ステップS211の処理後、ステップS212でタイマのカウント値をクリアした後に、再び上記ステップS206からの処理に戻る。
【0105】
このように、詳記した如く本実施形態によれば、光源の光量を測定するにあたって、温度センサ41によりLEDアレイ17の温度を測定し、予め設定した温度とのズレによってLEDアレイ17を構成するR,G,Bの各LED群の熱変動に伴う発光量の低下を推定するものとした。
これにより、光源の発光量の変化を比較的簡易な構成で間接的に測定しながらも、投影される画像の質を高い状態に維持するよう制御できる。
【0106】
なお、上記第1及び第2の実施形態は、R,G,B3色の各LED群を有するLEDアレイを光源とした場合について説明したが、本発明はこれに限ることなく、熱変動等による光量の低下が懸念される他の光源、例えば半導体レーザを用いるものについても同様に適用することが可能である。
【0107】
また、上述の実施形態においては、各色フィールドにおいて、当該フィールドに対応した色以外の他の色成分のLEDを、電流値を低下させて同時に点灯する構成としたが、これは投影動作中にLEDが全フィールドで点灯し続けることにより、各フィールド間において最も発熱の影響を及ぼしあう実施形態であるため、本発明のLEDの発熱による画像の質の低下を抑制するという効果を最大限発揮できるからである。
【0108】
したがって、当然ながらこれ以外の実施形態であっても本発明の効果は発揮できるものである。例えばR、G、B各フィールドにおいて、それぞれR、G、B−LEDのみを点灯させる場合や、R、G、B各フィールドにおいて対応する色以外の色のLEDもパルス点灯させる場合などにおいても本発明を実施することができる。
【0109】
その他本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件による適宜の組み合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0110】
10,10′…データプロジェクタ装置、11…入出力コネクタ部、12…入出力インタフェース(I/F)、13…画像変換部(スケーラ)、14…ビデオRAM、15…投影画像処理部、16…マイクロミラー素子(SOM)、17…LEDアレイ、18…ハウジング、19…インテグレータ、20…ミラー、21…投影レンズユニット、22…Rドライバ、23…Gドライバ、24…Bドライバ、25…投影光処理部、25a…電流制御部、26R,26G,26B…照度センサ、27…CPU、28…メインメモリ、29…プログラムメモリ、30…操作部、31…音声処理部、32…無線LANインターフェイス(I/F)、33…スピーカ部、34…無線LANアンテナ、41…温度センサ、SB…システムバス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数色の発光素子を各色毎に輝度を調整して発光可能な光源と、
上記発光素子を、それぞれフィールド期間単位毎に明るさを変えて点灯させた光を用い、1フレームのカラー画像を上記フィールド期間単位毎に光像を形成して色順次方式により投影する投影手段と、
上記フィールド期間の切り替え前後における上記発光素子の発熱に基づく輝度の減少を補正するように、該発光素子に供給する電力を調整する光源制御手段と
を具備したことを特徴とする投影装置。
【請求項2】
上記光源制御手段は、上記投影手段により上記発光素子が上記フィールド期間切り替え前後で明るさが減少するように点灯された場合に、該前のフィールド期間において明るさが徐々に増加するように該発光素子に供給する電力を調整し、該後のフィールド期間において明るさが徐々に減少するように該発光素子に供給する電力を調整することを特徴とする請求項1記載の投影装置。
【請求項3】
上記投影手段は、上記各フィールド期間において、該フィールド期間で形成する光像の色成分の発光素子を点灯させるとともに、該色成分以外の色成分の発光素子を明るさを低減して同時点灯させることを特徴とする請求項1または2記載の投影装置。
【請求項4】
上記輝度変動を減少させる供給電力波形情報を予め記憶した記憶手段をさらに具備し、
上記光源制御手段は、上記記憶手段で記憶した供給電力波形情報に基づいて上記光源の各色の発光素子の明るさを調整する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の投影装置。
【請求項5】
上記光源での色成分毎の各フィールド期間内の輝度変動を測定する測定手段をさらに具備し、
上記記憶手段は、上記光源での色成分毎の各フィールド期間内の輝度変動に対応した複数の供給電力波形情報を記憶し、
上記光源制御手段は、上記測定手段で測定した上記光源での色成分毎の各フィールド期間内の輝度変動に対応して上記記憶手段から選択的に供給電力波形情報を読出し、読出した供給電力波形情報に基づいて上記光源の各色の発光素子の明るさを調整する
ことを特徴とする請求項4記載の投影装置。
【請求項6】
上記各フィールド期間毎に、上記光源の各色毎の発光素子の輝度変動を測定する測定手段をさらに具備し、
上記光源制御手段は、上記測定手段によって測定された輝度変動に基づき、当該輝度変動を減少させるように上記光源の各色の発光素子の明るさを調整する供給電力波形情報を算出する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の投影装置。
【請求項7】
上記測定手段は、上記投影手段における上記光源からの照度により上記光源での輝度変動を測定することを特徴とする請求項5または6記載の投影装置。
【請求項8】
上記測定手段は、上記光源での温度により輝度変動を測定することを特徴とする請求項5または6記載の投影装置。
【請求項9】
上記測定手段は、所定時間毎に上記輝度変動を測定し、
上記光源制御手段は、上記輝度変動が測定される度に、上記光源に供給する上記電力波形情報を再設定し、
上記投影手段は、該再設定された上記電力波形情報に基づいて上記光源を点灯させる
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか記載の投影装置。
【請求項10】
複数色の発光素子を各色毎に輝度を調整して発光可能な光源と、上記発光素子を、それぞれフィールド期間単位毎に明るさを変えて点灯させた光を用い、1フレームのカラー画像を上記フィールド期間単位毎に光像を形成して色順次方式により投影する投影部とを備えた投影装置での投影方法であって、
上記フィールド期間の切り替え前後における上記発光素子の発熱に基づく輝度の減少を補正するように、該発光素子に供給する電力を調整する光源制御工程を有したことを特徴とする投影方法。
【請求項11】
複数色の発光素子を各色毎に輝度を調整して発光可能な光源と、上記発光素子を、それぞれフィールド期間単位毎に明るさを変えて点灯させた光を用い、1フレームのカラー画像を上記フィールド期間単位毎に光像を形成して色順次方式により投影する投影部とを備えた投影装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、
上記フィールド期間の切り替え前後における上記発光素子の発熱に基づく輝度の減少を補正するように、該発光素子に供給する電力を調整する光源制御ステップをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−211134(P2010−211134A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−59672(P2009−59672)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】