説明

投票用紙分類装置

【課題】各分類ポケットの情報を分かりやすくした投票用紙分類装置を提供する。
【解決手段】投票用紙分類装置1は、記載された候補者名をスキャナ13によって読み取られた後、記載された候補者名ごとに投票用紙が収納される4つの分類ポケット14を有している。各分類ポケット14の隣には、小型液晶ディスプレイ15が設けられている。小型液晶ディスプレイ15には、パソコン3に入力された候補者名や、対応する候補者の得票数、対応する分類ポケット14の投票用紙抜き出し情報が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、投票用紙分類装置に係り、特に、投票用紙に記載された候補者名を読み取って各候補者の得票数を集計すると共に、各候補者に対応する各分類ポケットに投票用紙を分類する投票用紙分類装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種紙葉類を、対応する分類ポケットに分類する分類装置が、例えば特許文献1等に記載されている。このような機能を有する従来の投票用紙分類装置では、各分類ポケットに二色のLEDを配置して、各分類ポケットについての情報(投票用紙の有無、投票用紙の抜き取りの可否、投票用紙の抜き取りの勧告等)を表示している。また、各分類ポケットがどの候補者のものであるかを表示するために、候補者名を記載したテープ等を手作業で貼付したりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−334773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、LEDの点灯のみでは、誰が見ても各分類ポケットの情報を正確に認識することができるわけではないといった問題点があった。また、候補者名を記載したテープ等を貼付する作業が面倒であるといった問題点もあった。
【0005】
この発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、各分類ポケットの情報を分かりやすくした投票用紙分類装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る投票用紙分類装置は、投票用紙の束から1枚ずつ投票用紙を送り出す送出手段と、送り出された前記投票用紙に記載された候補者名を読み取る読取手段と、前記候補者名ごとに前記投票用紙を収容する複数の分類ポケットと、前記読取手段によって読み取られた各候補者の得票数を集計すると共に前記投票用紙を各候補者に対応する前記分類ポケットに分類する集計分類手段と、前記分類ポケットのそれぞれの近傍に設けられた複数の表示部と、該表示部のそれぞれに、対応する候補者名を表示させる表示手段とを備える。
前記集計分類手段は、各候補者の得票数を、該候補者名に対応する前記表示部に表示させてもよい。
前記集計分類手段は、各候補者の得票数に基づいて、該候補者に対応する分類ポケット内に収容された投票用紙の枚数が収容可能枚数に達したか否かを判定し、該収容可能枚数に達したと判定した場合には、前記候補者に対応する表示部に、収容された投票用紙の抜き取り情報を表示させてもよい。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、候補者名ごとに投票用紙を収容する複数の分類ポケットのそれぞれの近傍に、対応する候補者名、各候補者の得票数、各候補者名に対応する分類ポケットの抜き取り情報を表示する表示部を設けたので、各分類ポケットの情報を分かりやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態に係る投票用紙分類装置の概略構成図である。
【図2】この実施の形態に係る投票用紙分類装置の表示部の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、投票用紙分類装置1は、投票用紙の束6が置かれるホッパ11と、投票用紙の束6から一枚ずつ投票用紙を搬送通路17に沿って送り出す送出手段である送りローラ12と、送りローラ12よって送り出された投票用紙に記載されている候補者名を読み取る読取手段であるスキャナ13と、投票用紙が収納される4つの分類ポケット14と、各分類ポケット14の隣に設けられた表示部である4つの小型液晶ディスプレイ15とを備えている。各分類ポケット14は、投票用紙分類装置1の正面から、引き出し可能に設けられている。各小型液晶ディスプレイ15は、それらの隣に配置された各分類ポケット14に対応しており、各分類ポケット14についての各種情報を表示するものである。尚、図1において、破線及び一点鎖線で描かれた構成要件は、投票用紙分類装置1の内部に存在するもので、正面からは視認できないものである。
【0010】
また、投票用紙分類装置1には、接続ケーブル2を介して、パソコン3が接続されており、接続ケーブル2を介して、スキャナ13及び小型液晶ディスプレイ15がそれぞれ、パソコン3に電気的に接続されている。これにより、パソコン3に、各小型液晶ディスプレイ15に表示する候補者名を入力すると、図2(a)に示されるように、各小型液晶ディスプレイ15に候補者名が表示されるようになっている。これにより、候補者名を記載したテープ等を手作業で貼付する必要がなくなる。ここで、パソコン3は、各小型液晶ディスプレイ15に対応する候補者名を表示させる表示手段を構成する。
【0011】
スキャナ13によって読み取られた投票用紙の画像はパソコン3に伝送され、パソコン3は、どの候補者名が投票用紙に記載されているかを認識し、各候補者の得票数を集計するようになっている。また、パソコン3は、これと同時に、各候補者に対応する分類ポケット14に投票用紙を振り分けるようになっている。ここで、パソコン3は、各候補者の得票数を集計すると共に投票用紙を各候補者に対応する分類ポケット14に分類する集計分類手段も構成する。また、パソコン3には、各分類ポケット14に収容できる投票用紙の枚数(以下、「収容可能枚数」と称する)が設定されている。
【0012】
次に、この実施の形態に係る投票用紙分類装置の動作について説明する。
投票用紙の束6をホッパ11に置き、投票用紙分類装置1を起動させると、送りローラ12が、投票用紙を一枚ずつ投票用紙分類装置1内の搬送通路17に沿って送り出す。送り出された投票用紙は、スキャナ13によって、記載された候補者名を画像として読み取られ、その画像データは、接続ケーブル2を介してパソコン3に伝送される。パソコン3は、公知の画像処理方法により、投票用紙に記載された候補者名を認識し、その候補者の得票数を集計する。また、パソコン3は、これと同時に、スキャナ13を通り越した投票用紙を、搬送通路17に設けられた図示しない公知の振り分け機構を作動させることにより、各候補者に対応する分類ポケット14に振り分ける。
【0013】
図2(b)に示されるように、パソコン3は、集計した各候補者の得票数を、対応する小型液晶ディスプレイ15に表示するようにしてもよい。これにより、集計中における各分類ポケット14に分類された投票用紙の枚数をリアルタイムで表示することができる。小型液晶ディスプレイ15には、図2(a)のような候補者名及び図2(b)のような得票数を表示可能であるが、これらの表示を切り替えるボタン等を設けて、そのボタン等を押すことにより、これらの表示を切り替えるようにしてもよいし、各表示を一定間隔で、繰り返し交互に表示させるようにしてもよい。
【0014】
上記動作を繰り返すことにより、各候補者の得票数が集計されると共に、候補者名を読み取られた投票用紙が、対応する分類ポケット14に振り分けられていくが、パソコン3は、各候補者の得票数が、予め設定されている収容可能枚数に達しているかどうかを常に判定している。各分類ポケット14には、対応する候補者名が記載された投票用紙が収容されていくので、各分類ポケット14に収容されている投票用紙の枚数と、対応する候補者の得票数とは同じになる。そこで、パソコン3は、各候補者の得票数が収容可能枚数に達したと判定したら、図2(c)に示されるように、各候補者に対応する小型液晶ディスプレイ15に、分類ポケット14に収容された投票用紙を抜き出す情報を表示するようにしてもよい。これにより、誰が見ても、投票用紙を抜き出す必要があることを理解することができるので、迅速な対応が可能になる。尚、図2(c)の表示については、各候補者の得票数が収容可能枚数に達したと判定された後は、分類ポケット14から投票用紙が抜き出されるまで表示し続けるようにしてもよいし、図2(a)〜(c)の表示を、一定間隔で、繰り返し交互に表示させるようにしてもよい。
【0015】
このように、候補者名ごとに投票用紙を収容する複数の分類ポケット14のそれぞれの隣に、対応する候補者名、各候補者の得票数、各候補者に対応する分類ポケット14の抜き取り情報を表示する小型液晶ディスプレイ15を設けたので、各分類ポケット14の情報を分かりやすくすることができる。
【0016】
実施の形態では分類ポケットの個数は4つであったが、4つに限定するものではなく、いくつの分類ポケットが設けられていてもよい。また、図1に示される投票用紙分類装置に、分類ポケットが設けられた増設ユニットを取り付けることによって、分類ポケットを増加可能にしてもよい。
【符号の説明】
【0017】
1 投票用紙分類装置、3 パソコン(表示手段、集計分類手段)、6 投票用紙の束、12 送りローラ(送出手段)、13 スキャナ(読取手段)、14 分類ポケット、15 小型液晶ディスプレイ(表示部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投票用紙の束から1枚ずつ投票用紙を送り出す送出手段と、
送り出された前記投票用紙に記載された候補者名を読み取る読取手段と、
前記候補者名ごとに前記投票用紙を収容する複数の分類ポケットと、
前記読取手段によって読み取られた各候補者の得票数を集計すると共に前記投票用紙を各候補者に対応する前記分類ポケットに分類する集計分類手段と、
前記分類ポケットのそれぞれの近傍に設けられた複数の表示部と、
該表示部のそれぞれに、対応する候補者名を表示させる表示手段と
を備える投票用紙分類装置。
【請求項2】
前記集計分類手段は、各候補者の得票数を、該候補者名に対応する前記表示部に表示させる、請求項1に記載の投票用紙分類装置。
【請求項3】
前記集計分類手段は、各候補者の得票数に基づいて、該候補者に対応する分類ポケット内に収容された投票用紙の枚数が収容可能枚数に達したか否かを判定し、該収容可能枚数に達したと判定した場合には、前記候補者に対応する表示部に、収容された投票用紙の抜き取り情報を表示させる、請求項1に記載の投票用紙分類装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−54103(P2011−54103A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204839(P2009−204839)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(592221908)武蔵エンジニアリング株式会社 (30)
【Fターム(参考)】