説明

抗ウイルス剤としての大環状化合物

本発明は、式(I)の大環状化合物


(式中、W、n、m、R、R、R、R、R、R、M、Zおよび環Bは、本明細書で定義されている。)および薬学的に許容されるその塩、これらを含む医薬組成物ならびにC型肝炎ウイルスによる感染症の治療または予防のためのこれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、C型肝炎ウイルス(HCV)NS3プロテアーゼの阻害剤として有用である大環状化合物、これらの合成、およびHCV感染症を治療または予防するためのこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(HCV)感染症は、世界の人口の2−15%と推定されるかなりの数の感染者において、肝硬変および肝細胞癌などの慢性肝疾患に至る重大な健康問題である。世界保健機関によれば、世界に1億7,000万人を超える感染者が存在し、毎年少なくとも300万から400万人が感染している。感染すると、約20%の人がこのウイルスを排除するが、残りの人は、人生の残りにおいてHCVを保菌する。慢性感染者の10から20%が、肝臓を破壊する硬変または癌を最終的に発症する。ウイルス性疾患は、汚染した血液および血液製剤、汚染した針によって非経口的または性的に伝染し、または感染した母親または保菌した母親からこの子供に垂直に感染する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願US2005/0020503
【特許文献2】米国特許出願US2004/0229818
【特許文献3】米国特許出願US2004/00229776
【特許文献4】国際特許出願WO2006/119061
【特許文献5】国際特許出願WO2007/015855
【特許文献6】国際特許出願WO2007/016441
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
HCV感染症に対する現行の治療は、組換えインターフェロンα単独のまたはヌクレオシド類似体リバビリンと組み合わせた免疫療法に限定されており、臨床的有益性が限られている。さらに、HCVに対するワクチンが確立されていない。その結果として、慢性HCV感染症に有効に対処する治療薬の改善が緊急に必要とされている。
【0005】
ウイルスによってコードされるいくつかの酵素は、治療的介入の推定上の標的であり、これらにはメタロプロテアーゼ(NS2−3)、セリンプロテアーゼ(NS3)、ヘリカーゼ(NS3)およびRNA依存性RNAポリメラーゼ(NS5B)などがある。NS3プロテアーゼは、NS3タンパク質のN末端ドメインに位置しており、NS3/4A部位での分子内開裂ならびにNS4A/4B、NS4B/5AおよびNS5A/5B接合部の下流の分子間プロセシングの原因となるので、主要な薬剤標的と考えられる。NS3プロテアーゼを阻害する活性の程度を示した米国特許出願公開US2005/0020503、US2004/0229818およびUS2004/00229776において述べられているヘキサペプチドおよびトリペプチドなど、以前の研究では、ペプチドのクラスが同定されている。本発明の目的は、HCV NS3プロテアーゼに対して活性を示すさらなる化合物を提供することである。
【0006】
HCV NS3プロテアーゼに対して活性を示す大環状化合物は、国際特許出願公開WO2006/119061、WO2007/015855およびWO2007/016441(すべてのメルク社(Merck&Co.,Inc.))においてすでに開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、一態様において、式(I)
【0008】
【化1】

の化合物または薬学的に許容されるその塩
[式中、
mは、1、2、3または4であり;
nは、0、1または2であり;
は、CO、CONRSOまたはCONRSON(Rであり;
は、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アルケニルまたはシクロアルキルは1から3個のハロで場合によって置換されており;
は、(ハロ、OR、SR、N(R、C1−6アルキル、NO、CN、CF、NRSO、SON(R、NHCO、NHCOR、NHCONHR、CO、C(O)RまたはCON(Rにより場合によって置換された)C1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3アリールまたは(CH0−3Hetであり;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、(ハロ、OR、SR、N(R、C1−6アルキル、NO、CN、CFNRSO、SON(R、NHCO、NHCOR、NHCONHR、CO、C(O)RまたはCON(Rにより場合によって置換された)C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3アリールまたはC1−6アルコキシであり;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、(1から8個のハロ、C1−4アルキルまたはN(Rにより場合によって置換された)C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、CN、NO、C3−8シクロアルキル、N(R、アリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは、独立に水素、C1−6アルキルまたはC3−8シクロアルキルであり;
は、水素またはC1−4アルキルであり;
またはRおよびRは、結合して、複素環がC1−4アルキルにより場合によって置換された、1個、2個または3個のN原子を含む5員から7員複素環を形成し;
各Wは、独立にハロ、OR、C1−6アルキル、CN、NO、CF、OCF、OCHF、CO、CON(R、COR、NRC(O)R、アリールまたはヘテロアリールであり;
Zは、結合、−CH−またはC=Oであり;
Mは、(ハロ、C1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキルまたは(CH0−3アリールにより場合によって置換され、O、NR、S、SOまたはSOを場合によって含む)C2−12アルキレンまたはC2−12アルケニレンであり;
環Bは、
【0009】
【化2】

であり;
環Aは、ピリジニル、ピロリジニルまたはピリミジニルである。]が提供される。
【0010】
本発明の一実施形態において、式(Io)
【0011】
【化3】

の化合物または薬学的に許容されるその塩
[式中、
mは、1、2、3または4であり;
nは、0、1または2であり;
は、CO、CONRSOまたはCONRSON(Rであり;
は、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アルケニルまたはシクロアルキルは1から3個のハロで場合によって置換されており;
は、(ハロ、OR、SR、N(R、C1−6アルキル、NO、CN、CF、NRSO、SON(R、NHCO、NHCOR、NHCONHR、CO、C(O)RまたはCON(Rにより場合によって置換された)C1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3アリールまたは(CH0−3Hetであり;
は、水素、(ハロ、OR、SR、N(R、C1−6アルキル、NO、CN、CFNRSO、SON(R、NHCO、NHCOR、NHCONHR、CO、C(O)RまたはCON(Rにより場合によって置換された)C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3アリールまたはC1−6アルコキシであり;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、(1から8個のハロ、C1−4アルキルまたはN(Rにより場合によって置換された)C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、CN、NO、C3−8シクロアルキル、N(R、アリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは、独立に水素、C1−6アルキルまたはC3−8シクロアルキルであり;
は、水素またはC1−4アルキルであり;
またはRおよびRは、結合して、複素環がC1−4アルキルにより場合によって置換された、1個、2個または3個のN原子を含む5員から7員複素環を形成し;
各Wは、独立にハロ、OR、C1−6アルキル、CN、NO、CF、OCF、OCHF、CO、CON(R、COR、NRC(O)R、アリールまたはヘテロアリールであり;
Zは、結合またはC=Oであり;
Mは、(ハロ、C1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキルまたは(CH0−3アリールにより場合によって置換され、O、NR、S、SOまたはSOを場合によって含む)C2−12アルキレンまたはC2−12アルケニレンであり;
環Aは、ピリジニル、ピロリジニルまたはピリミジニルである。]が提供される。
【0012】
本発明の別の実施形態において、mは1または2である。好ましくは、mは1である。
【0013】
本発明の別の実施形態において、nは0または1である。好ましくは、nは0である。
【0014】
別の実施形態において、Rは、CO、CONRSOまたはCONRSON(Rであり、Rはすでに定義した通りである。好ましくは、Rは、COまたはCONRSOであり、Rはすでに定義した通りである。より好ましくは、Rは、COHまたはCONHSOであり、Rはすでに定義した通りである。特に、Rは、COHまたはCONHSO−C3−8シクロアルキルである。より特に、Rは、COHまたはCONHSO−C3−6シクロアルキルである。最も特に、Rは、COHまたはCONHSO−シクロプロピルである。
【0015】
別の実施形態において、RはC1−6アルキルまたはC2−6アルケニルである。好ましくは、Rは、C1−4アルキルまたはC2−4アルケニルである。より好ましくは、Rは、C1−2アルキルまたは−CH=CHである。最も好ましくは、Rは、エチルまたは−CH=CHである。
【0016】
別の実施形態において、Rは、(ハロ、ORまたはC1−6アルキルにより場合によって置換された)C1−6アルキルまたは(CH0−33−8シクロアルキルであり、Rはすでに定義した通りである。好ましくは、Rは、ハロにより場合によって置換されたC1−6アルキルまたは(CH0−33−8シクロアルキルである。より好ましくは、Rは、(フルオロまたはクロロにより場合によって置換された)C1−4アルキルまたはC3−6シクロアルキルである。最も好ましくは、Rは、(フルオロにより場合によって置換された)メチル、プロピル、ブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。特に、Rは、メチル、プロピル、ブチル、CF、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
【0017】
別の実施形態において、Rは、水素またはC1−2アルキルである。好ましくは、Rは、水素またはメチルである。
【0018】
別の実施形態において、RおよびRは、結合して、複素環がC1−4アルキルにより場合によって置換された、1個または2個のN原子を含む5員または6員複素環を形成する。好ましくは、RおよびRは、結合して、複素環がC1−4アルキルにより場合によって置換された、1個のN原子を含む5員または6員複素環を形成する。より好ましくは、RおよびRは、結合して、C1−2アルキルにより場合によって置換されたピロリジニルまたはピペリジニル環を形成する。最も好ましくは、RおよびRは、結合して、メチルにより場合によって置換されたピロリジニル環を形成する。特に、RおよびRは、
【0019】
【化4】

(式中、は、Rが結合した窒素原子を示し、**は、Rが結合した炭素原子を示す。)を形成する。
【0020】
別の実施形態において、Rは、水素、(ハロ、OR、SR、N(R、C1−6アルキル、NOまたはCNにより場合によって置換された)C1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3フェニルまたはC1−6アルコキシであり、Rはすでに定義した通りである。好ましくは、Rは、水素、(ハロまたはORにより場合によって置換された)C1−6アルキルまたはC1−6アルコキシであり、Rはすでに定義した通りである。より好ましくは、Rは、水素または(ハロにより場合によって置換された)C1−6アルキルである。最も好ましくは、Rは、水素または(フルオロまたはクロロにより場合によって置換された)C1−4アルキルである。特に、Rは、水素または(フルオロにより場合によって置換された)C1−2アルキルである。適したR基の例は、水素、メチル、CFおよびCFCFを含む。
【0021】
別の実施形態において、Rは、水素、ハロ、ヒドロキシ、(N(Rにより場合によって置換された)C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである。好ましくは、Rは、水素、(NHRにより場合によって置換された)C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、フェニルまたはチアゾリルである。より好ましくは、Rは、水素、C1−4アルキル、フェニルまたはチアゾリルであり、チアゾリルはNHRにより場合によって置換されている。最も好ましくは、Rは水素、フェニルまたは
【0022】
【化5】

である。
【0023】
は、水素以外である場合、好ましくは、ピリジニル、ピロリジニルまたはピリミジニル部分の窒素原子に隣接した炭素原子に結合している。
【0024】
別の実施形態において、各Wは、独立にハロ、OR、C1−6アルキル、CF、CO、CON(R、CORまたはNRC(O)Rであり、Rはすでに定義した通りである。好ましくは、各Wは、独立にハロ、OR、CF、COまたはCONHRであり、Rはすでに定義した通りである。より好ましくは、各Wは、独立にフルオロ、クロロ、OC1−6アルキルまたはCFである。最も好ましくは、各Wは、独立にOC1−4アルキルまたはCFである。特に、各Wは、独立にOC1−2アルキルである。最も特に、Wは、メトキシである。
【0025】
別の実施形態において、Aがピリジニルまたはピリミジニルである場合、Zは結合である。
【0026】
別の実施形態において、Aがピロリジニルである場合、ZはC=Oである。好ましくは、Zは、ピロリジニル部分の窒素原子に結合している。
【0027】
別の実施形態において、環Bがビフェニルである場合、Zは−CH−である。
【0028】
別の実施形態において、Mは、(ハロ、C1−4アルキルまたはC3−6シクロアルキルにより場合によって置換され、Oを場合によって含む)C2−8アルキレンまたはC2−8アルケニレンである。好ましくは、Mは、(フルオロ、クロロまたはC1−4アルキルにより場合によって置換され、Oを場合によって含む)C4−7アルキレンまたはC4−7アルケニレンである。より好ましくは、Mは、(フルオロまたはメチルにより場合によって置換され、Oを場合によって含む)C5−7アルキレンまたはC5−7アルケニレンである。適したM基の例は、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレンおよび次式を含む。
【0029】
【化6】

【0030】
別の実施形態において、環Aは、ピリジニルまたはピロリジニルである。
【0031】
本発明の別の実施形態において、式(Ia)
【0032】
【化7】

の化合物または薬学的に許容されるその塩
(式中、R、R、R、RおよびMは式(I)に関する定義の通りである。)が提供される。
【0033】
好ましくは、RはC(O)NRSOであり、Rは式(I)に関する定義の通りである。より好ましくは、RはC(O)NHSOであり、Rは式(I)に関する定義の通りである。最も好ましくは、RはC(O)NHSO−C3−6シクロアルキルである。特にRは、C(O)NHSO−シクロプロピルである。
【0034】
好ましくは、RはC2−6アルケニルである。より好ましくは、Rは−CH=CHである。
【0035】
好ましくは、Rは、ハロにより場合によって置換されたC1−6アルキルまたは(CH0−33−8シクロアルキルである。より好ましくは、Rは、(フルオロまたはクロロにより場合によって置換された)C1−4アルキルまたはC3−6シクロアルキルである。最も好ましくは、Rは、フルオロにより場合によって置換されたC1−4アルキルまたはC5−6シクロアルキルである。特に、Rは、プロピル、シクロペンチルまたはCFである。
【0036】
好ましくは、Rは、水素、ハロ、ヒドロキシ、(ハロまたはORにより場合によって置換された)C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキルまたはフェニルであり、Rはすでに定義した通りである。より好ましくは、Rは、水素、(ハロにより場合によって置換された)C1−6アルキルまたはC3−8シクロアルキルである。最も好ましくは、Rは、水素または(フルオロまたはクロロにより場合によって置換された)C1−4アルキルである。特に、Rは、水素または(フルオロにより場合によって置換された)C1−2アルキルである。より特に、Rは水素、メチルまたはCFである。
【0037】
好ましくは、Mは、(ハロまたはC1−6アルキルにより場合によって置換された)C3−12アルキレンまたはC3−12アルケニレンである。より好ましくは、Mは、(フルオロまたはC1−4アルキルにより場合によって置換された)C4−8アルキレンまたはC4−8アルケニレンである。最も好ましくは、Mは、C1−2アルキルにより場合によって置換されたC6−7アルキレンまたはC6−7アルケニレンである。特に、Mは、ヘキシレンまたは
【0038】
【化8】

である。
【0039】
本発明の別の実施形態において、式(Ib)
【0040】
【化9】

の化合物または薬学的に許容されるその塩
(式中、R、R、R、RおよびMは式(I)に関する定義の通りである。)が提供される。
【0041】
好ましくは、Rは、COまたはC(O)NRSOであり、Rは式(I)に関する定義の通りである。より好ましくは、Rは、COまたはC(O)NHSOであり、Rは式(I)に関する定義の通りである。最も好ましくは、Rは、COHまたはC(O)NHSO−C3−6シクロアルキルである。特にRは、COHまたはC(O)NHSO−シクロプロピルである。
【0042】
好ましくは、Rは、C1−4アルキルまたはC2−4アルケニルである。より好ましくは、Rは、C1−2アルキルまたは−CH=CHである。最も好ましくは、Rは、エチルまたは−CH=CHである。
【0043】
好ましくは、Rは、ハロにより場合によって置換されたC1−6アルキルまたは(CH0−33−8シクロアルキルである。より好ましくは、Rは、(フルオロまたはクロロにより場合によって置換された)C1−4アルキルまたはC3−6シクロアルキルである。最も好ましくは、Rは、フルオロにより場合によって置換されたC1−4アルキルまたはC5−6シクロアルキルである。特に、Rはメチル、プロピル、ブチル、CF、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
【0044】
好ましくは、Rは、水素またはC1−2アルキルである。より好ましくは、Rは、水素またはメチルである。
【0045】
好ましくは、RおよびRは、結合して、複素環がC1−4アルキルにより場合によって置換された、1個または2個のN原子を含む5員または6員複素環を形成する。より好ましくは、RおよびRは、結合して、複素環がC1−4アルキルにより場合によって置換された、1個のN原子を含む5員または6員複素環を形成する。最も好ましくは、RおよびRは、結合して、C1−2アルキルにより場合によって置換されたピロリジニルまたはピペリジニル環を形成する。特に、RおよびRは、結合して、メチルにより場合によって置換されたピロリジニル環を形成する。より特に、RおよびRは、
【0046】
【化10】

(式中、は、Rが結合した窒素原子を示し、**は、Rが結合した炭素原子を示す。)を形成する。
【0047】
好ましくは、Rは、水素、ハロ、ヒドロキシ、(ハロまたはORにより場合によって置換された)C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキルまたはフェニルであり、Rはすでに定義した通りである。より好ましくは、Rは、水素、(ハロにより場合によって置換された)C1−6アルキルまたはC3−8シクロアルキルである。最も好ましくは、Rは、水素または(フルオロまたはクロロにより場合によって置換された)C1−4アルキルである。特に、Rは、水素または(フルオロにより場合によって置換された)C1−2アルキルである。より特に、Rは、水素、メチル、CFまたはCFCFである。
【0048】
好ましくは、Mは、(ハロまたはC1−6アルキルにより場合によって置換された)C2−8アルキレンまたはC2−8アルケニレンである。より好ましくは、Mは、(フルオロ、クロロまたはC1−4アルキルにより場合によって置換された)C4−7アルキレンまたはC4−7アルケニレンである。最も好ましくは、Mは、(フルオロまたはC1−2アルキルにより場合によって置換された)C5−7アルキレンまたはC5−7アルケニレンである。特に、Mは、ペンチレン、ヘキシレンまたは
【0049】
【化11】

である。
【0050】
本発明の別の実施形態において、式(Ic)
【0051】
【化12】

の化合物または薬学的に許容されるその塩
(式中、R、R、R、RおよびMは式(I)に関する定義の通りである。)が提供される。
【0052】
好ましくは、Rは、C(O)NRSOであり、Rは式(I)に関する定義の通りである。より好ましくは、Rは、C(O)NHSOであり、Rは式(I)に関する定義の通りである。最も好ましくは、Rは、C(O)NHSO−C3−6シクロアルキルである。特にRは、C(O)NHSO−シクロプロピルである。
【0053】
好ましくは、RはC2−6アルケニルである。より好ましくは、Rは−CH=CHである。
【0054】
好ましくは、Rは、ハロにより場合によって置換されたC1−6アルキルまたは(CH0−33−8シクロアルキルである。より好ましくは、Rは、C1−4アルキルまたはC3−6シクロアルキルである。最も好ましくは、Rは、C3−4アルキルまたはC5−6シクロアルキルである。特に、Rは、ブチルまたはシクロヘキシルである。
【0055】
好ましくは、Rは、水素またはC1−6アルキルである。より好ましくは、Rは、水素またはC1−4アルキルである。最も好ましくは、Rは、水素またはC1−2アルキルである。特に、Rは水素である。
【0056】
好ましくは、Mは、(ハロまたはC1−6アルキルにより場合によって置換された)C2−8アルキレンまたはC2−8アルケニレンである。より好ましくは、Mは、C1−4アルキルにより場合によって置換されたC3−7アルキレンまたはC3−7アルケニレンである。最も好ましくは、Mは、C1−2アルキルにより場合によって置換されたC4−6アルケニレンまたはC4−6アルケニレンである。特に、Mは、ペンチレンまたは
【0057】
【化13】

である。
【0058】
本発明の別の実施形態において、式(Id)
【0059】
【化14】

の化合物または薬学的に許容されるその塩
(式中、R、R、R、R、R、MおよびWは式(I)に関する定義の通りである。)が提供される。
【0060】
好ましくは、Rは、C(O)NRSOであり、Rは式(I)に関する定義の通りである。より好ましくは、Rは、C(O)NHSOであり、Rは式(I)に関する定義の通りである。最も好ましくは、RはC(O)NHSO−C3−6シクロアルキルである。特にRはC(O)NHSO−シクロプロピルである。
【0061】
好ましくは、RはC2−6アルケニルである。より好ましくは、Rは−CH=CHである。
【0062】
好ましくは、Rは、ハロにより場合によって置換されたC1−6アルキルまたは(CH0−33−8シクロアルキルである。より好ましくは、Rは、C1−4アルキルまたはC3−6シクロアルキルである。最も好ましくは、Rは、C3−4アルキルまたはC5−6シクロアルキルである。特に、Rはシクロヘキシルである。
【0063】
好ましくは、Rは、水素またはC1−6アルキルである。より好ましくは、Rは、水素またはC1−4アルキルである。最も好ましくは、Rは、水素またはC1−2アルキルである。特に、Rは水素である。
【0064】
好ましくは、Rは、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールである。より好ましくは、Rは、水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキルまたはアリールである。最も好ましくは、Rは、水素、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキルまたはフェニルである。特に、Rは、水素、C1−2アルキル、C5−6シクロアルキルまたはフェニルである。より特に、Rはフェニルである。
【0065】
好ましくは、Wは、ハロ、OR、C1−6アルキル、CF、CO、CON(R、CORまたはNRC(O)Rであり、Rはすでに定義した通りである。より好ましくは、Wは、フルオロ、クロロ、OC1−6アルキル、CF、CO1−6アルキルまたはCONHC1−6アルキルである。最も好ましくは、Wは、フルオロ、クロロ、OC1−4アルキルまたはCFである。特に、WはOC1−2アルキルである。より特に、Wはメトキシである。
【0066】
好ましくは、Mは、(ハロまたはC1−6アルキルにより場合によって置換された)C3−12アルキレンまたはC3−12アルケニレンである。より好ましくは、Mは、(フルオロまたはC1−4アルキルにより場合によって置換された)C4−8アルキレンまたはC4−8アルケニレンである。最も好ましくは、Mは、C1−2アルキルにより場合によって置換されたC6−7アルキレンまたはC6−7アルケニレンである。特に、Mは、ヘキシレン、ヘプチレンまたは
【0067】
【化15】

である。
【0068】
式(I)またはいずれかの置換基において、複数のいずれかの可変因子が発生するならば、各発生についての定義は、他のすべての発生でのその定義とは無関係である。
【0069】
本明細書では、基または基の一部としての「アルキル」という用語は、特定の範囲でいくつかの炭素原子を有している、あらゆる直鎖または分枝鎖のアルキル基を指す。したがって、例えば、「C1−6アルキル」は、ヘキシルアルキルおよびペンチルアルキル異性体のすべてならびにn−、イソ−、s−およびt−ブチル、n−およびイソ−プロピル、エチルならびにメチルを指す。別の例として、「C1−4アルキル」は、n−、イソ−、s−およびt−ブチル、n−およびイソ−プロピル、エチルならびにメチルを指す。
【0070】
「アルコキシ」という用語は、特定の範囲でいくつかの炭素原子を有し、酸素架橋を通して結合した、あらゆる直鎖または分枝鎖のアルキル基を表す。適したアルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、i−ブトキシおよびt−ブトキシを含む。
【0071】
基または基の一部としての「アルケニル」という用語は、鎖に沿ったあらゆる位置で発生する可能性のある少なくとも1つの二重結合を含み、特定の範囲でいくつかの炭素原子を有している、あらゆる直鎖または分枝鎖のアルキル基を指す。EおよびZ形態は、該当する場合、両方とも含まれる。適したアルケニル基の例は、ビニル、アリル、ブテニルおよびペンテニルを含む。
【0072】
「シクロアルキル」という用語は、特定の範囲でいくつかの炭素原子を有している、あらゆる環状アルキル環を指す。適したシクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む。
【0073】
基または基の一部としての「アルキレン」および「アルケニレン」という用語は、これらが二価(すなわち、2個の原子で結合した)であると、それぞれ基「アルキル」および「アルケニル」を指す。
【0074】
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素(あるいは、それぞれフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードと呼ばれる。)を意味する。
【0075】
基または基の一部としての「アリール」という用語は、炭素環式芳香環を意味する。適したアリール基の例は、フェニルおよびナフチルを含む。
【0076】
基または基の一部としての「Het」という用語は、N、OおよびSから選択された1から4個のヘテロ原子を有している、5員から7員の飽和または不飽和の非芳香族環を意味する。
【0077】
基または基の一部としての「ヘテロアリール」という用語は、N、OおよびSから選択された1から4個のヘテロ原子を含む、5員から10員の芳香族複素環系を意味する。そのような基の例は、ピロリル、フラニル、チエニル、ピリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフリル、キノリルおよびイソキノリルを含む。
【0078】
明白に、それとは反対のことが述べられない限り、本明細書に引用されるすべての範囲が含まれる。例えば、「1から3個までのヘテロ原子」を含むと記載されたヘテロアリール環は、1、2または3個のヘテロ原子を含むことができる。
【0079】
化合物または基が「場合によって置換された」と記載されている場合、1種または複数の置換基が存在する可能性がある。さらに、任意の置換基は、これらが直接、または以下の例のアミン、アミド、エステル、エーテル、チオエーテル、スルホンアミド、スルファミド、スルホキシド、尿素、チオ尿素およびウレタンなどの接続基を通してかのいずれかの、さまざまな方法で、これらが置換した化合物または基と結合することができる。必要に応じて、任意の基を、それ自体、別の置換基と任意の置換基を直接接続するか、上記で例証した接続基などの接続基を通して、別の置換基により置換してもよい。
【0080】
本発明の範囲内の特定の化合物は、以下の実施例および表に挙げられる化合物ならびに薬学的に許容されるその塩を含む。
【0081】
薬物における使用のためには、式(I)の化合物の塩は、無毒性の薬学的に許容される塩である。しかし、他の塩は、本発明による化合物または無毒性の薬学的に許容されるこれらの塩の調製に有用であり得る。本発明の化合物の適した薬学的に許容される塩は、例えば、本発明による化合物の溶液と塩酸、フマル酸、p−トルエンスルホン酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸または硫酸などの薬学的に許容される酸の溶液とを混合することにより形成させることができる酸付加塩を含む。また、アミン基の塩は、アミノ窒素原子がアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアラルキル部分などの適した有機基を有する四級アンモニウム塩を含み得る。さらに、本発明の化合物が酸性部分を有する場合、適した薬学的に許容されるその塩は、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩などのアルカリ金属塩;および例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩類などのアルカリ土類金属塩などの金属塩を含み得る。
【0082】
この塩を、溶媒もしくは溶質中(この場合、塩は不溶性である。)においてまたは真空中もしくは凍結乾燥により除去される水などの溶媒中において、生成物の遊離塩基形態を1または複数の当量の適した酸と反応させるあるいは存在している塩の陰イオンを適したイオン交換樹脂で別の陰イオンと交換するなどの従来の方法により形成させることができる。
【0083】
本発明は、本発明の範囲内に上記の式(I)の化合物のプロドラッグを含む。一般に、そのようなプロドラッグは、インビボにおいて、要求の式(I)の化合物に容易に変換可能な式(I)の化合物の機能的誘導体である。適したプロドラッグの誘導体の選択および調製の従来の手順は、例えば、“Design of Prodrugs”,編集.H.Bundgaard,Elsevier,1985に記載されている。
【0084】
プロドラッグは、生物活性物質(「親薬物」または「親分子」)の薬理学的に不活性な誘導体であってよく、これは活性薬物を放出するために体内で変換が必要であり、親薬物分子に対して、送達特性が向上したものである。インビボでの変換は、例えば、カルボン酸、リン酸もしくは硫酸エステルの化学的もしくは酵素的加水分解または感受性官能基の還元もしくは酸化などの何らかの代謝過程の結果であると思われる。
【0085】
本発明は、本発明の範囲内に、例えば、水和物などの式(I)の化合物およびその塩の溶媒和物を含む。
【0086】
また、本発明は、本発明の範囲内に、式(I)の化合物のあらゆるエナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体および互変異性体を含む。すべてのそのような異性体およびその混合物は、本発明の範囲内に含まれることが理解される。
【0087】
本発明の好ましい化合物は、式(Ie)に示すような立体化学を有する。
【0088】
【化16】

【0089】
本発明は、治療における使用のための式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩をさらに提供する。
【0090】
別の態様において、本発明は、ヒトまたは動物におけるC型肝炎ウイルスによる感染症の治療または予防のための薬物を製造するための、上記の定義の式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0091】
本発明のさらなる態様は、上記の定義の式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩を薬学的に許容される担体を伴わせて含む医薬組成物を提供する。この組成物は、目的の投与法によって、いずれかの適した形態であり得る。例えば、経口投与では、錠剤、カプセルもしくは液体の形態、または非経口投与では、溶液もしくは懸濁液の形態であり得る。
【0092】
また、医薬組成物は、抗ウイルス薬または(α−、β−もしくはγ−インターフェロンなどの)免疫調節薬など、ウイルス感染症治療用の1種もしくは複数の他の薬剤を場合によって含む。
【0093】
さらなる態様において、本発明は、C型肝炎ウイルスプロテアーゼを阻害する方法および/またはC型肝炎ウイルスによる疾患を治療もしくは予防する方法を提供し、この方法は、上記の医薬組成物または上記の式(I)の化合物もしくは薬学的に許容されるその塩の治療的または予防的有効量を、状態を患うヒトまたは動物(好ましくは哺乳動物)対象に投与することを含む。「有効量」は、対象に有益性をもたらすためにまたは少なくとも対象の状態に変化を生じさせるために十分な量を意味する。
【0094】
本明細書では、「対象」(あるいは、本明細書では「患者」と呼ぶ。)という用語は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくは治療、観察または実験の対象であるヒトを指す。
【0095】
化合物を投与する投薬速度は、使用する特定の化合物の活性、この化合物の代謝的安定性および作用時間、患者の年齢、体重、全身的健康状態、性別、食事、投与の様式および時間、排出速度、薬剤の組合せ、特定の状態の重症度ならびに治療を受けている宿主などのさまざまな要因によって決まる。適切な用量レベルは、1日あたり約0.02から5または10gであり、経口投与量では、2から5倍高くなる。例えば、1日あたり1から3回までの体重kgあたり化合物10から50mgの投与が望ましいと思われる。適切な値を、ルーチンの検査により選択できる。本化合物は、単独または他の治療と組み合わせて、同時にもしくは連続して投与することができる。例えば、当業者に公知の抗ウイルス薬、免疫調整薬、抗感染薬またはワクチンの有効量と組み合わせて投与することができる。経口、静脈内、皮膚および皮下を含む、いずれかの適切な経路によって投与することができる。適切な部位に直接、または特定の細胞タイプなどの特定の部位を標的にした方法で投与することができる。適切なターゲッティング法がすでに知られている。
【0096】
本発明のさらなる態様は、上記の定義の式(I)の少なくとも1種の化合物または薬学的に許容されるその塩を、1種もしくは複数の薬学的に許容される補助剤、希釈剤もしくは担体および/または1種もしくは複数の他の治療的もしくは予防的に有効な薬剤と混合することを含む、医薬組成物の調製法を提供する。
【0097】
また、前述のように、本発明は、1種または複数の治療薬と組み合わせた本発明の化合物ならびに本発明の化合物とHCV抗ウイルス剤、免疫調節薬および抗感染症薬剤から成る群から選択された1種または複数の治療薬とを含む医薬組成物を用いて、HCV NS3プロテアーゼを阻害する方法、HCV複製を阻害する方法、またはHCV感染症を予防もしくは治療する方法に関する。HCVに対して活性を有するそのような治療薬は、リバビリン、レボビリン、ビラミジン、サイモシンα−1、インターフェロン−β、インターフェロン−α、PEG化インターフェロン−α(PEGインターフェロン−α)、インターフェロン−αとリバビリンの組合せ、PEGインターフェロン−αとリバビリンの組合せ、インターフェロン−αとレボビリンの組合せ、およびPEGインターフェロン−αとレボビリンの組合せを含む。インターフェロン−αは、組換えインターフェロン−α2a(ホフマン−ラロッシュ社(Hoffmann−LaRoche、ニュージャージー州、ナトリー)から入手可能なロフェロン(Roferon)インターフェロンなど)、PEG化インターフェロン−α2a(Pegasys(商標))、インターフェロン−α2b(シェリング社(Schering Corp.、ニュージャージー州、ケニルワース)から入手可能なイントロン(Intron)−Aインターフェロンなど)、PEG化インターフェロン−α2b(Peglntron(商標))、組換えコンセンサスインターフェロン(インターフェロンアルファコン−1など)、および精製インターフェロン−α製品を含む。アムジェンの組換えコンセンサスインターフェロンは、商標名Infergen(登録商標)を有する。レボビリンは、リバビリンと同様の免疫調節性活性を示しているリバビリンのL−エナンチオマーである。ビラミジンは、WO01/60379(ICNファーマシューティカルズ(ICN Pharmaceuticals))に開示のリバビリンの類似体を表す。本発明の方法によれば、組合せの個々の成分は、分割または単一の組合せの形態で、治療の過程における異なる時点で別々に、または同時に投与することができる。
【0098】
HCV感染症の治療において、本発明の化合物は、HCV NS3セリンプロテアーゼの阻害剤である薬剤と組み合わせて投与することもできる。HCV NS3プロテアーゼ阻害剤は、WO98/22496、WO98/46630、WO99/07733、WO99/07734、WO99/38888、WO99/50230、WO99/64442、WO00/09543、WO00/59929、GB−2337262、WO02/48116、WO02/48172および米国特許第6323180号に開示されている。
【0099】
リバビリン、レボビリンおよびビラミジンは、細胞内酵素であるイノシンモノホスフェートデヒドロゲナーゼ(IMPDH)の阻害を介して、グアニンヌクレオチドの細胞内蓄積を調節することによって、抗HCV作用を発揮することができる。したがって、IMPDHの阻害は、HCV複製の阻害剤を発見する上での別の有用な標的を意味するものである。したがって、本発明の化合物は、WO97/41211およびWO01/00622(Vertex)に開示のVX−497などのIMPDH阻害剤;WO00/25780(ブリストル−マイヤーズスクイブ(Bristol−Myers Squibb))に開示のものなどの別のIMPDH阻害剤;またはミコフェノレートモフェチル[A.C.Allison and E.M.Eugui,Agents Action,44(Suppl.):165(1993)参照]と組み合わせて投与することもできる。
【0100】
HCV感染症治療の場合、本発明の化合物を、抗ウイルス剤であるアマンタジン(1−アミノアダマンタン)(J.Kirschbaum,Anal.Profiles Drug Subs.12:1−36(1983)参照)と組み合わせて投与することもできる。
【0101】
また、本発明の化合物は、HCV感染症の治療を目的として、R.E.Harry−O′kuruら、J.Org.Chem.,62:1754−1759(1997);M.S.Wolfeら、Tetrahedron Lett.,36:7611−7614(1995);米国特許第3480613号;WO01/90121;WO01/92282;WO02/32920;WO04/002999;WO04/003000およびWO04/002422に開示の抗ウイルス性2’−C−分岐リボヌクレオシド類と組み合わせることもできる。そのような2’−C−分岐リボヌクレオシド類には、2’−C−メチル−シチジン、2’−C−メチル−ウリジン、2’−C−メチル−アデノシン、2’−C−メチル−グアノシンおよび9−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジアミノプリンならびにリボースC−2’、C−3’およびC−5’ヒドロキシルの対応するアミノ酸エステルならびに5’−リン酸塩誘導体の対応する場合によって置換された環状1,3−プロパンジオールエステルを含む。
【0102】
また、本発明の化合物は、HCV感染症の治療を目的として、WO02/51425(三菱ウェルファーマ社(Mitsubishi Pharma Corp.));WO01/79246、WO02/32920およびWO02/48165(ファーマセット社(Pharmasset,Ltd.));WO01/68663(ICNファーマシューティカルズ);WO99/43691;WO02/18404(ホフマン−ラロッシュ(Hoffmann−LaRoche));US2002/0019363;WO02/100415;WO03/026589;WO03/026675;WO03/093290;US2003/0236216;US2004/0006007;WO04/011478;WO04/013300;US2004/0063658;およびWO04/028481などに開示の抗HCV特性を有する他のヌクレオシドと組み合わせることもできる。
【0103】
HCV感染症治療の場合、本発明の化合物は、HCV NS5Bポリメラーゼの阻害剤である薬剤と組み合わせて投与することもできる。組合せ療法として使用することができるそのようなHCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤は、WO02/057287、US6777395、WO02/057425、US2004/0067901、WO03/068244、WO2004/000858、WO04/003138およびWO2004/007512に開示のものを含む。他のそのようなHCVポリメラーゼ阻害剤は、バロピシタビン(valopicitabine)(NM−283;アイデニクス(Idenix))および2’−F−2’−β−メチルシチジン(ファーマセット社に譲渡されたWO2005/003147も参照)を含む。
【0104】
また、本発明の化合物は、HCV感染症の治療を目的として、WO01/77091(チュラリック社(Tularik,Inc.));WO01/47883(日本たばこ産業社(Japan Tobacco,Inc.));WO02/04425(ベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim));WO02/06246、WO03/062211、WO2004/087714、WO2004/110442、WO2005/034941、WO2005/023819、WO2006/029912、WO2006/008556、WO2006/027628、GB2430621、WO2006/046030、WO2006/046039、WO2006/119975、WO2007/028789およびWO2007/029029(すべてイスチチュートジリセルチェジビオロジアモレコラレP.アンゲレッチ社(Istituto di Ricerche di Biologia Molecolare P.Angeletti S.p.A.));WO02/20497;WO2005/016927(特にJTK003)およびWO2005/080399(日本たばこ産業社);WO2006/020082(ブリストル−マイヤーズスクイブ社);およびHCV−796(バイロファーマ社(Viropharma Inc.))に開示のものなどのHCVポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤と組み合わせることもできる。
【0105】
また、本発明は、式(I)の化合物の調製のプロセスを提供する。
【0106】
一般的プロセス(a)に従って、式(I)の化合物を、式(II)のエステルと式(III)のアミン
【0107】
【化17】

(式中、m、n、R、R、R、R、R、R、M、W、Zおよび環Bは、式(I)に関する定義の通りであり、Pは、メチルなどのC1−6アルキルである。)を結合させることによって調製することができる。エステル(II)を、最初に、標準の状況下で加水分解し(例えば、THF/水、MeOH/水またはジオキサン/水などの溶媒中の水酸化リチウムなどの基の存在下で)、遊離酸を得る。次に、カップリング反応を、溶媒中のTBTUまたはHATUなどのカップリング試薬、およびジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミンなどの塩基の存在下で都合よく実施する。適した溶媒は、DMFおよびジクロロメタンを含む。場合によって、DMAPなどの脱水剤も使用することができる。
【0108】
式(II)の化合物(式中、Mは、鎖内に4個以上の炭素原子および1つまたは複数の二重結合を有する。)を、式(IV)のジエン内部の閉環によって調製することができる
【0109】
【化18】

(式中、n、R、R、R、R、W、Zおよび環Bは、式(I)に関する定義の通りであり、Pは、式(II)に関する定義の通りであり、M’は、式(II)の群Mの適した前駆体部分であり、添付のスキームおよび実施例に記載の方法または当業者に公知の方法を使用して、閉環中または閉環後にMの対応している部分に変換することができる。)。反応を、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタンなどの適した溶媒中において、ジャン(Zhan)触媒[ジクロロ(5−クロロ−2−イソプロポキシベンジリデン)(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウム]などのメタセシス触媒の存在下で、好ましくは高温またはマイクロ波照射下で、都合よく実施する。結果として得られた環の二重結合を、水素添加し、さらなる式(II)の化合物を得ることができる。水素添加を、好ましくは、メタノールまたはメタノール/酢酸エチル混合物などの適した溶媒中で、パラジウム炭素などの適した触媒の存在下で実施する。
【0110】
式(II)、(III)および(IV)の化合物は、当技術分野で周知である、または、例えば、添付のスキームおよび実施例に記載の方法もしくは容易に考えられる代替法による当業者に周知の従来の方法により調製することができる。
【0111】
適切な手順のさらなる詳細については、添付のスキームおよび実施例で見ることができる。例えば、式(I)の化合物を、当技術分野で周知の合成法を用いて、式(I)の他の化合物に変換することができる。
【0112】
したがって、例えば、式(I)の化合物(式中、Mは、不飽和である。)を、式(I)の化合物に変換することができる(式中、Mは、メタノール/酢酸エチル混合物などの適した溶媒中で、好ましくは、パラジウム炭素などの適した触媒の存在下で、水素添加によって飽和させる。)。
【0113】
さらに、式(I)の化合物(式中、Rは、C1−4アルキルである。)を、アルキル化によって、式(I)の化合物(式中、Rは、水素である。)から調製することができる。反応を、メタノールなどの適した溶媒中で、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの弱塩基、および塩化亜鉛(II)などの触媒の存在下で実施することができる。アルキル源は、ホルムアルデヒドまたはCH(CH0−2CHOである。
【0114】
記載された一連の合成のいずれかの間、関連する分子のいずれかの感受性または反応基を保護することが必要および/または望ましいと思われる。このことは、Protective Groups in Organic Chemistry編、J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973;およびT.W.Greene&P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons,第3編、1999に記載の保護基などの従来の保護基によって達成することができる。保護基は、当業者に公知の方法を使用して、都合よい後の過程で除去することができる。
【0115】
本発明の化合物は、HCVプロテアーゼ(例えば、HCV NS3プロテアーゼ)の阻害およびHCVによる感染症の予防または治療に有用である。例えば、本発明の化合物は、輸血、体液の交換、咬創、偶然の針刺し、または手術中の患者の血液への曝露のような手段による、疑われる過去のHCVへの曝露後、HCVによる感染症を治療するために有用である。
【0116】
本発明の化合物は、抗ウイルス化合物のスクリーニングアッセイの調製および実行に有用である。例えば、本発明の化合物は、より強力な抗ウイルス化合物に対する優れたスクリーニングツールである、酵素変異体の単離に有用である。さらに、本発明の化合物は、例えば、競合阻害によって、HCVプロテアーゼに対する他の抗ウイルス物質の結合部位を確立または判定するために有用である。したがって、本発明の化合物は、これらの目的で売られる市販製品である。
【0117】
本化合物のHCV NS3プロテアーゼ阻害活性を、当技術分野で公知のアッセイを使用して試験することができる。そのようなアッセイの1つは、以下に記載のようなHCV NS3プロテアーゼ時間分解蛍光(time−resolved fluorescence;TRF)アッセイである。
【0118】
HCV NS3プロテアーゼ時間分解蛍光(TRF)アッセイ
NS3プロテアーゼTRFアッセイを、50mM HEPES、pH7.5、150mM NaCl、15%グリセロール、0.15%トリトン(Triton)X−100、10mM DTTおよび0.1%PEG8000を含む、アッセイ緩衝液の最終容量100μl中で実施した。NS3プロテアーゼを、さまざまな濃度の阻害剤で10−30分間予備温置した。アッセイのためのペプチド基質は、Ac−C(Eu)−DDMEE−Abu−[COO]−XSAK(QSY7)−NH2である(Euはユーロピウム標識基であり、Abuは、エステル結合を2−ヒドロキシプロパン酸(X)で結合している1−アミノブタン酸である。)。NS3プロテアーゼ活性による本ペプチドの加水分解は、失活剤からのフルオロフォアの分離を引き起こし、その結果、蛍光の増加を生じる。プロテアーゼの活性を、TRFペプチド基質(最終濃度50−100nM)を加えることによって惹起した。反応を、1時間後に室温で、500mM MES 100μl(pH5.5)でクエンチした。生成物の蛍光を、340nmの励起、および50−400μ秒の遅延での615nmの放射で、ビクター(Victor)V2またはフュージョン(Fusion)蛍光計(パーキンエルマーライフアンドアナリティカルサイエンス(Perkin Emler Life and Analytical Sciences))のいずれかを使用して検出した。異なる酵素形態の濃度の検査を、10−30のバックグラウンド比に対するシグナルにより選択した。阻害定数を、4パラメータの適合性を使用して導き出した。
【0119】
そのようなアッセイの他の例は、例えば、国際特許公報WO2005/046712に記載されている。HCV NS3プロテアーゼ阻害剤として有用な化合物は、Kiが50μM未満、より好ましくは10μM未満、最も好ましくは1μM未満、特に100nM未満およびより特に50nM未満であると思われる。
【実施例】
【0120】
以下のスキームおよび実施例は、本発明およびこの実践を例示するために役立つ。
【0121】
H NMRスペクトルを、ブルーカー(Bruker)AMシリーズ分光計を300から600MHzの(報告)周波数で操作して記録した。非交換性プロトン(および可視である交換性プロトン)に対応するシグナルの化学シフト(δ)を、テトラメチルシランに対する百分率(ppm)で記録し、参照として残留溶媒ピークを用いて測定している。シグナルは、多重度(s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線;b、幅広線、およびその組合せ);ヘルツ(Hz)による結合定数;プロトン数の順序で表にしている。質量スペクトル(MS)のデータは、パーキンエルマー(Perkin Elmer)API 100またはウォーターズマイクロマス(Waters MicroMass)ZQを、陰(ES)または陽(ES)イオン化モードで操作することで得て、結果は、電荷(m/z)に対する質量比として報告した。分取スケール(preparative scale)HPLC分離は、フラクションリンクス(Fraction Linx)ソフトウェアまたは島津(Shimadzu)調製システムの制御下で、2525ポンプモジュール、マイクロマス(MicroMass)ZMD検出器および2767採集モジュールを組み込んだウォーターズマイクロマスシステムで実施した。
【0122】
以下の略号を、実施例、スキームおよび表において使用した。
【0123】
AcOH:酢酸;ジオキサン:1,4−ジオキサン;DIPEAまたはPrNEt:ジイソプロピルエチルアミン;DCE:1,2−ジクロロエタン;DCM:ジクロロメタン;DMAP:4−ジメチルアミノピリジン;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;EDC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド;EtO:ジエチルエーテル;EtOAc:酢酸エチル;eq.:当量;h:時間;HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩;MeCN:アセトニトリル;MeOH:メタノール;min:分;MS:質量スペクトル;MTBE:tert−ブチルメチルエーテル;PCC:クロロクロム酸ピリジニウム;PE:石油エーテル30/60;quant.:量的な;RP−HPLC:逆相高速液体クロマトグラフィー;RP−MS−HPLC:質量誘導逆相高圧液体(mass−guided reversed phase high−pressure liquid)クロマトグラフィー;RT:室温;sat.aq.:飽和水溶液;TBTU:O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸塩;TEA:トリエチルアミン;THF:テトラヒドロフラン。
【0124】
【化19】

【0125】
化合物1:(5R,7S,10S,12RまたはS)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−12−(トリフルオロメチル)−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキサミド
ステップ1:(4S)−4−イソプロピル−2−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン40(R=イソプロピル)
オキサゾリジン40を、Organic Letters 2004,641に記載のように調製したジアステレオ異性体の7:3混合物として得た。
【0126】
ステップ2:(2S)−3−メチル−2−{[(1RまたはS)−1−(トリフルオロメチル)ヘプト−6−エン−1−イル]アミノ}ブタン−1−オール41a(R=イソプロピル)
少量の6−ブロモヘクサ−1−エンの乾燥EtO中溶液(3M)を、屑状マグネシウム(magnesium turning)(1当量)に1滴ずつ加えた。ヨウ素の小さい結晶、続いて残りの臭化物溶液を加えた。反応混合物を、−78℃まで冷却し、EtO(3M)に溶解した(4S)−4−イソプロピル−2−(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン40(1当量)を1滴ずつ加えた。反応混合物を、0℃で1時間撹拌し、次にHCl水溶液(1N)でクエンチした。NaOH水溶液(1N)を、pH=7まで加えた。2層を分離し、水相を鹹水で希釈し、CHClで抽出した。有機層を加え、鹹水で洗浄し、NaSOにより乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(5:95から20:80までのEtOAc/PE勾配)によって精製し、2種のジアステレオ異性体(50%)の混合物として表題化合物を得て、本混合物は、RP−HPLC(固定相:カラムウォーターズシンメトリー(Waters Symmetry prep.)C18、7μm、19×300mm、移動相:0.1%TFAを含むMeCN/HO)によって分離した。純粋ジアステレオ異性体としての所望の化合物を含む画分を混合し、凍結乾燥させて、41a(2番目の溶離)および41b(1番目の溶離)を得た(67%、41a:41b=1:0.14)。
41a)H NMR(300MHz,CDCl,300K)δ5.75(ddt,J 17.0,10.2,6.7,1H)、5.47−5.17(bs,1H)、5.06−4.90(m,2H)、3.96−3.70(m,3H)、3.24−3.09(m,1H)2.13−1.74(m,5H)、1.60−1.34(m,4H)、1.07(d,J 6.9,3H)、1.01(d,J 6.9,3H)。MS(ES)m/z 268(M+H)
【0127】
ステップ3:(2S)−3−メチル−2−{[(1RまたはS)−1−(トリフルオロメチル)ヘプト−6−エン−1−イル]アミノ}ブタン酸42a(R=イソプロピル)
(2S)−3−メチル−2−{[1−(トリフルオロメチル)ヘプト−6−エン−1−イル]アミノ}ブタン−1−オール41aの0℃まで冷却したアセトン中溶液(0.13M)に、ジョーンズ(Jones)試薬(8N)(5当量)を加えた。反応混合物を、0℃で15分間、室温で終夜撹拌し、次に水で希釈し、室温で20分間撹拌した。NaOH水溶液(1N)を、pH=5に達するまで加え、混合物をCHClで抽出した。有機層を、NaSOにより乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、得られた粗生成物をさらなる精製なしに、以下のステップで使用した。MS(ES)m/z 282(M+H)
【0128】
ステップ4:メチルN−[(1RまたはS)−1−(トリフルオロメチル)ヘプト−6−エン−1−イル]−L−バリル−(4R)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}−L−プロリネート44a(R=イソプロピル)
CHCl(0.09M)中の(2S)−3−メチル−2−{[(1RまたはS)−1−(トリフルオロメチル)ヘプト−6−エン−1−イル]アミノ}ブタン酸42aの撹拌した混合物に、iPrEtN(2.4当量)、TBTU(1.2当量)を加え、5分後に(2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}ピロロリジニウムクロライド43(1当量)を加えた。混合物を、室温で終夜撹拌した。HCl水溶液(1N)を加え、有機層を分離し、飽和NaHCO水溶液および鹹水で洗浄し、NaSOにより乾燥させ、濾過した。減圧下の蒸発により得られた残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(5:95から15:85までのEtOAc/PE勾配)によって精製し、白色の泡沫として化合物44aを得た(2つのステップ後に24%)。MS(ES)m/z 580(M+H)
【0129】
ステップ5:メチル(5R,7S,10S,12RまたはS,17E)−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−12−(トリフルオロメチル)−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキシレート45a(R=イソプロピル)
ジャン触媒I(0.15当量)を、DCE(0.016M)中のメチルN−[1−(トリフルオロメチル)ヘプト−6−エン−1−イル]−L−バリル−(4R)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}−L−プロリネート44aに加え、混合物を45分間還流した。揮発性物質を減圧下で蒸発させ、得られた残渣を、さらなる精製なしに以下のステップで使用した。MS(ES)m/z 552(M+H)
【0130】
ステップ6:メチル(5R、7S、10S、12RまたはS)−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−12−(トリフルオロメチル)−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキシレート46a(R=イソプロピル)
メタノール(0.035M)中の10%パラジウム炭素(20%w/w)およびメチル(5R,7S,10S,12RまたはS,17E)−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−12−(トリフルオロメチル)−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキシレート45aを、水素雰囲気下で終夜撹拌した。固体をセライトにより濾過し、得られた溶液を減圧下で蒸発させた。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(1:9から3:7までのEtOAc/PE勾配)によって精製し、白色の泡沫として化合物46aを得た(2つのステップにわたり70%)。MS(ES)m/z 554(M+H)
【0131】
ステップ7:(5R、7S、10S、12RまたはS)−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−12−(トリフルオロメチル)−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボン酸47a(R=イソプロピル)
水酸化リチウム(3当量)を、THFおよび水(2/1 v/v、0.01M)中のメチル(5R、7S、10S、12RまたはS)−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−12−(トリフルオロメチル)−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキシレート46aの撹拌した混合物に加え、混合物を室温で終夜撹拌した。HCl水溶液(1N)を、pH=6に達するまで加え、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、NaSOにより乾燥させ、濾過し、濃縮して得られた粗生成物47aをさらなる精製なしに、以下のステップで使用した。MS(ES)m/z 540(M+H)
【0132】
ステップ8:(5R,7S,10S,12RまたはS)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−12−(トリフルオロメチル)−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキサミド1
CHCl(5mM)中の(5R、7S、10S)−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−12−(トリフルオロメチル)−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボン酸47aの撹拌した混合物に、i−PrEtN(2.4当量)、TBTU(1.2当量)を加え、5分後に(1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロパンアミニウムクロライド48(WO03/099274に記載のように調製した。)(1.2当量)を加えた。混合物を、室温で終夜撹拌した。反応混合物を、HCl水溶液(1N)、飽和NaHCO水溶液および鹹水で抽出し、NaSOにより乾燥させ、濾過した。減圧下の蒸発により残渣を得て、これをDMSOに溶解し、RP−HPLCによって精製した(固定相:カラムシンメトリー(Symmetry)C18、7um、19×300mm。移動相:0.1%TFAで緩衝したMeCN/HO)。純粋な化合物を含む画分を混合し、冷凍乾燥させて、白色の粉末として化合物1を得た(34%)。H NMR(600MHz,DMSO−d,300K)δ10.57(s,1H)、9.22(s,1H)、7.24(t,J 7.5,1H)、7.18(d,J 7.5,1H)、7.11(d,J 7.5,1H)、5.68(ddd,J 17.2,10.0,9.6,1H)、5.42(bt,1H)、5.28(dd,J 17.2,1.5,1H)、5.12(dd,J 10.4,1.7,1H)、4.67−4.56(m,4H)、4.40(dd,J 11.0,6.5,1H)、3.96(d,J 10.3,1H)、3.76(dd,J 11.7,3.1,1H)、3.31(d,J 6.3,1H)、2.92−2.86(m,1H)、2.92−2.30(m,1H)、2.55−2.50(残存DMSOで一部不明確,1H)、2.47−2.40(m,1H)、2.22(dd,J 13.8,6.4,1H)、2.16(q,J 8.8,1H)、2.09−2.02(m,1H)、1.79−1.71(m,2H)、1.57−1.46(m,3H)、1.44−1.18(m,8H)、1.13−1.07(m,1H)、1.06−0.98(m,3H)、0.91(d,J 6.6,3H)、0.83(d,J 6.6,3H)。
13C NMR(600MHz,DMSO−d,300K)δ174.08、172.16、169.17、152.92、137.09、136.23、135.00、133.37、127.93、127.57、126.04、120.32、117.87、73.50、64.83、59.03、58.87、53.23、52.12、50.67、40.79、34.59、33.81、31.42、31.17、30.74、28.90、28.48、26.43、26.02、23.47、22.76、19.09、17.93、5.73、5.36。MS(ES)m/z 752(M+H)
【0133】
【化20】

【0134】
【化21】

【0135】
【化22】

【0136】
【化23】

【0137】
【化24】

【0138】
化合物10および25:
10)(5R,7S,10S,12RまたはS)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−10−イソプロピル−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキサミド
25)(5R、7S、10S、12RまたはS)−10−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキサミド
ステップ1:N−メトキシ−N−メチルヘプト−6−エンアミド58
EDC(1.1当量)を、CHCl(0.2M)中のヘプト−6−エン酸、メトキシ(メチル)塩化アンモニウム(1.1当量)およびDMAP(1.1当量)の撹拌した混合物に1.5時間かけて少量ずつ加えた。14時間後に、混合物をCHClで希釈し、塩酸(1M)、NaOH(1M)、鹹水で連続して洗浄し、乾燥させた(NaSO)。溶媒を蒸発させ、無色の油として表題化合物を得た(97%)。H NMR(400MHz,CDCl,300K)δ5.87−5.75(m,1H)、5.01(d,J 17.1,1H)、4.95(d,J 10.1,1H)、3.68(s,3H)、3.18(s,3H)、2.48−2.36(m,2H)、2.13−2.04(m,2H)、1.71−1.60(m,2H)、1.50−1.40(m,2H)。
【0139】
ステップ2:オクト−7−エン−2−オン59
メチルマグネシウム臭化物(エーテル中で3M、3当量)を、0℃に冷却したTHF(0.1M)中のN−メトキシ−N−メチルヘプト−6−エンアミド58の撹拌した混合物に1滴ずつ加えた。0℃で1時間撹拌した後、混合物を飽和NHCl水溶液に注ぎ、EtOAcで希釈した。水層を、EtOAcでさらに抽出し、混合した有機層を鹹水で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。溶媒を30mバールで蒸発させ、無色の油として表題化合物を得た(96%)。H NMR(400MHz,CDCl,300K)δ5.81(ddt,J 17.1,10.3,6.7,1H)、5.02(dd,J 17.1,1.5,1H)、4.97(d,J 10.3,1H)、2.46−2.43(m,2H)、2.15(s,3H)、2.10−2.05(m,2H)、1.65−1.57(m,2H)、1.45−1.37(m,2H)。
【0140】
ステップ3:メチル(2S)−3−メチル−2−{[(1SおよびR)−1−メチルヘプト−6−エン−1−イル]アミノ}ブタノエート60(R=iPr)
NaCNBH(1.2当量)およびZnCl(0.6当量)のメタノール中溶液(NaCNBHに関して0.3M)を、L−バリンメチルエステル塩酸塩(1.1当量)およびオクト−7−エン−2−オン59のメタノール(0.5M)中溶液に1滴ずつ加えた。2日撹拌した後、揮発性物質を減圧下で蒸発させ、残渣をCHClと飽和NaHCO水溶液の間で分配した。有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させ、無色の油として表題化合物を得た(57%)。MS(ES)m/z 242(M+H)
【0141】
ステップ3:メチル(2S)−シクロヘキシル−{[(1RおよびS)−1−メチルヘプト−6−エン−1−イル]アミノ}アセテート60(R=iPr)
NaCNBH(1.2当量)およびZnCl(0.6当量)のメタノール中溶液(NaCNBHに関して0.2M)を、(1S)−1−シクロヘキシル−2−メトキシ−2−オキソエタンアミニウムクロライド(1.1当量)およびオクト−7−エン−2−オン59のメタノール(0.05M)溶液に1滴ずつ加えた。終夜撹拌した後、揮発性物質を減圧下で蒸発させ、残渣をCHClと飽和NaHCO水溶液の間で分配した。有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。表題化合物(7:2の比率で2種のジアステレオ異性体の混合物として得た。)を、さらなる精製なしに以下のステップで使用した。MS(ES)m/z 282(M+H)
【0142】
ステップ4:(2S)−3−メチル−2−{[(1Sおよび1R)−1−メチルヘプト−6−エン−1−イル]アミノ}ブタン酸61(R=iPr)
水酸化リチウム一水和物(3.3当量)を、MeOHおよび水(3/1 v/v、0.03M)中のメチル(2S)−3−メチル−2−{[(1SおよびR)−1−メチルヘプト−6−エン−1−イル]アミノ}ブタノエート60の撹拌した混合物に加え、混合物を還流させながら撹拌した。22時間後、室温まで冷却し、MeOHを減圧下で蒸発させた。1N HClを、pH=5まで加え、水相をCHClで抽出した。有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させ、白色の固体として表題化合物を得た(65%)。MS(ES)m/z 228(M+H)
【0143】
ステップ4:(2RおよびS)−N−[(S)−カルボキシ(シクロヘキシル)メチル]オクト−7−エン−2−アミニウムクロライド61(R=cHex)
水酸化リチウム一水和物(4当量)を、THFおよび水(3/2 v/v、0.1M)中のメチル(2S)−シクロヘキシル−{[(1RおよびS)−1−メチルヘプト−6−エン−1−イル]アミノ}アセテート60の撹拌した混合物に加え、混合物を還流させながら撹拌した。30時間後、混合物を室温まで冷却し、THFを減圧下で蒸発させた。1N HClを、pH=5まで加え、水相をEtOAcで抽出した。ジオキサン(2当量)中のHCl(4N)を、有機層に加えた。NaSOにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、ジアステレオマーの混合物として表題化合物を得て、本化合物をさらなる精製なしに以下のステップで使用した。MS(ES)m/z 268(M+H)
【0144】
ステップ5:(2RおよびS)−N−{(1S)−1−[((2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}ピロリジン−1−イル)カルボニル]−2−メチルプロピル}オクト−7−エン−2−アミニウムトリフルオロアセテート62(R=iPr)
i−PrEtN(4当量)、続いてTBTU(1.2当量)を、CHCl(0.03M)中の(2S)−3−メチル−2−{[(1Sおよび1R)−1−メチルヘプト−6−エン−1−イル]アミノ}ブタン酸61および(2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}ピロロリジニウムクロライド43(1当量)の撹拌した混合物に加え、混合物を室温で撹拌した。3.5時間後、飽和NaHCO水溶液を加え、有機層を分離し、乾燥させた(NaSO)。減圧下の蒸発により得られた残渣を、DMSOに再溶解し、RP−HPLCによって精製した(固定相:カラムシンメトリーC18、7um、19×300mm。移動相:0.1%TFAで緩衝したMeCN/HO)。純粋な化合物を含む画分を混合し、冷凍乾燥させて、白色の粉末として表題化合物を得た(76%)。MS(ES)m/z 526(M+H)
【0145】
ステップ5:(3R,5S)−1−{(2S)−2−シクロヘキシル−2−[((1RおよびS)−1−メチルヘプト−6−エン−1−イル)アミノ]アセチル}−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル−4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート62(R=cHex)
i−PrEtN(5当量)、続いてTBTU(1.2当量)を、CHCl(0.03M)中の(2RおよびS)−N−[(S)−カルボキシ(シクロヘキシル)メチル]オクト−7−エン−2−アミニウムクロライド61および(2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}ピロロリジニウムクロライド43(1当量)の撹拌した混合物に加え、混合物を室温で終夜撹拌した。飽和NaHCO水溶液を加え、有機層を分離し、乾燥させた(NaSO)。減圧下の蒸発により残渣を得て、これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(10/90から35/65までのEtOAc/PE+0.05%TEA勾配)によって精製し、2種のジアステレオマーの混合物として表題化合物を得た(3つのステップにわたり45%)。MS(ES)m/z 566(M+H)
【0146】
ステップ6:(5R,7S,10S,12RまたはS,17E)−10−イソプロピル−7−(メトキシカルボニル)−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート63a(R=iPr)
ジャン触媒I(0.2当量)を、CHCl(0.016M)中の(2RおよびS)−N−{(1S)−1−[((2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}ピロリジン−1−イル)カルボニル]−2−メチルプロピル}オクト−7−エン−2−アミニウムトリフルオロアセテート62に加え、混合物を100℃のマイクロ波照射下で40分間加熱した。不溶解物質を濾過により除去し、得られた溶液を減圧下で蒸発させ、得られた残渣をDMSOで再溶解し、RP−HPLCによって精製した(固定相:カラムシンメトリーC18、7um、19×300mm。移動相:0.1%TFAで緩衝したMeCN/HO。表題化合物63aは、最初に溶離したジアステレオ異性体であった。)。純粋な化合物を含む画分を混合し、冷凍乾燥させて、白色の粉末として表題化合物を得た(37%)。MS(ES)m/z 498(M+H)
【0147】
ステップ6:(5R、7S、10S、12RまたはS)−10−シクロヘキシル−7−(メトキシカルボニル)−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート63a(R=cHex)
ジャン触媒I(0.2当量)を、CHCl(0.02M)中の(3R,5S)−1−{(2S)−2−シクロヘキシル−2−[((1RおよびS)−1−メチルヘプト−6−エン−1−イル)アミノ]アセチル}−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル−4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート62に加え、混合物を100℃のマイクロ波照射下で40分間加熱した。揮発性物質を減圧下で蒸発させ、得られた残渣を、DMSOで再溶解し、RP−HPLCによって精製した(固定相:カラムシンメトリーC18、7um、19×300mm。移動相:0.1%TFAで緩衝したMeCN/HO。)。表題化合物63aは、最初に溶離したジアステレオ異性体であった。純粋な化合物を含む画分を混合し、冷凍乾燥させて、白色の粉末として表題化合物を得た(31%)。63a)H NMR(300MHz,DMSO−d,300K)δ8.60(br s,2H)、7.35−7.15(m,3H)、6.27(d,J 16.4,1H,)、6.07(dt,J 15.8,5.7,1H)、5.42(br s,1H)、4.89−4.54(m,4H)、4.46(d,J 14.8,1H)、4.40−4.31(m,1H)、4.26(d,J 12.2,1H)、3.76−3.60(m,4H)、2.95−2.77(m,1H)、2.47−2.40(残存DMSOで一部不明確,1H)、2.30−2.03(m,3H)、2.01−1.71(m,6H)、1.70−0.97(m,14H)。MS(ES)m/z 538(M+H)
【0148】
ステップ7:(5R、7S、10S、12RまたはS)−10−イソプロピル−7−(メトキシカルボニル)−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート64a(R=iPr)
MeOH(5mM)中のパラジウム炭素(10%Pd、20重量%)および(5R,7S,10S,12RまたはS,17E)−10−イソプロピル−7−(メトキシカルボニル)−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート63aを、水素雰囲気下で撹拌した。2時間後に、固体をセライトでの濾過により除去し、得られた溶液を減圧下で蒸発させ、薄茶色の油として表題化合物を得た(67%)。MS(ES)m/z 500(M+H)
【0149】
ステップ7:(5R、7S、10S、12RまたはS)−10−シクロヘキシル−7−(メトキシカルボニル)−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート64a(R=cHex)
メタノール(0.013M)中のパラジウム炭素(10%Pd、20重量%)および(5R、7S、10S、12RまたはS)−10−シクロヘキシル−7−(メトキシカルボニル)−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート63aを、水素雰囲気下で撹拌した。3時間後に、固体をセライトでの濾過により除去し、得られた溶液を減圧下で蒸発させ、薄茶色の油として表題化合物を得た(88%)。MS(ES)m/z 540(M+H)
【0150】
ステップ8:(5R、7S、10S、12RまたはS)−7−カルボキシ−10−イソプロピル−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート65a(R=iPr)
水酸化リチウム一水和物(12当量)を、MeOHおよび水(3/1 v/v、0.01M)中の(5R、7S、10S、12RまたはS)−10−イソプロピル−7−(メトキシカルボニル)−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート64aの撹拌した混合物に加え、混合物を40℃で撹拌した。6時間後に、混合物を冷却し、TFAをpH=1まで加え、混合物を減圧下で蒸発させ、得られた残渣をDMSOで再溶解し、RP−HPLCによって精製した(固定相:カラムシンメトリーC18、5um、19×100mm。移動相:0.1%TFAで緩衝したMeCN/HO。)。純粋な化合物を含む画分を混合し、冷凍乾燥させて、白色の粉末として表題化合物65aを得た(57%)。MS(ES)m/z 486(M+H)
【0151】
ステップ8:(5R、7S、10S、12RまたはS)−7−カルボキシ−10−シクロヘキシル−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート65a(R=cHex)
水酸化リチウム一水和物(5当量)を、THFおよび水(2/1 v/v、0.01M)中の(5R、7S、10S、12RまたはS)−10−シクロヘキシル−7−(メトキシカルボニル)−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート64aの撹拌した混合物に加え、混合物を40℃で撹拌した。6時間後に、混合物を冷却し、TFAをpH=1まで加え、混合物を減圧下で蒸発させ、得られた残渣をDMSOで再溶解し、RP−HPLCによって精製した(固定相:カラムシンメトリーC18、5um、19×100mm。移動相:0.1%TFAで緩衝したMeCN/HO。)。純粋な化合物を含む画分を混合し、冷凍乾燥させて、白色の粉末として表題化合物を得た(44%)。MS(ES)m/z 526(M+H)
【0152】
ステップ9:(5R,7S,10S,12RまたはS)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−10−イソプロピル−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキサミド10
i−PrEtN(7.5当量)、DMAP(0.5当量)およびTBTU(1.3当量)を、CHCl(0.02M)中の(5R、7S、10S、12RまたはS)−10−イソプロピル−7−(メトキシカルボニル)−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート65aおよび(1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロパンアミニウムクロライド48(WO03/099274に記載のように調製した。)の撹拌した混合物に加え、混合物を室温で撹拌した。13時間後に、混合物を減圧下で蒸発させ、得られた残渣をDMSOで再溶解し、RP−HPLCによって精製した(固定相:カラムシンメトリーC18、7um、19×300mm。移動相:0.1%TFAで緩衝したMeCN/HO。)。純粋な化合物を含む画分を混合し、冷凍乾燥させて、白色の粉末として表題化合物10(TFA塩)を得た(57%)。H NMR(600MHz,DMSO−d,300K)δ10.90(br s,NH)、8.73(br s,NH)、8.50−8.25(m,NH)、7.26(t,J 7.3,1H)、7.18(d,J 7.4,1H)、7.14(d,J 7.4,1H)、5.56(dt,J 17.5,9.5,1H)、5.41(br s,1H)、5.22(d,J 17.5,1H)、5.11(d,J 11.1,1H)、4.67(m,2H)、4.62−4.49(m,3H)、4.40−4.34(m,1H)、4.18(d,J 12.2,1H)、3.74(dd,J 12.2,2.5,1H)、2.94−2.82(m,2H)、2.52−2.43(残存DMSOで不明確,2H)、2.42−2.34(m,1H)、2.23(m,1H)、2.15(q,J 8.7,1H)、2.06(m,1H)、1.74(dd,J 7.6,5.5,1H)、1.71(m,1H)、1.63−1.44(m,3H)、1.41−0.97(m,20H)。MS(ES)m/z 698(M+H)
【0153】
ステップ9:(5R、7S、10S、12RまたはS)−10−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキサミド25
i−PrEtN(6.5当量)、DMAP(0.5当量)およびTBTU(1.3当量)を、CHCl(0.02M)中の(5R、7S、10S、12RまたはS)−7−カルボキシ−10−シクロヘキシル−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート65aおよび(1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロパンアミニウムクロライド(WO03/099274に記載のように調製した。)48の撹拌した混合物に加え、混合物を室温で終夜撹拌した。揮発性物質を減圧下で蒸発させ、得られた残渣を、DMSOで再溶解し、RP−HPLCによって精製した(固定相:カラムシンメトリーC18、7um、19×300mm。移動相:0.1%TFAで緩衝したMeCN/HO。)。純粋な化合物を含む画分を混合し、冷凍乾燥させて、白色の粉末として表題化合物25(TFA塩)を得た(62%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ10.85(br s,1H)、8.73(br s,1H)、8.43(br s,1H)、8.34−8.20(m,1H)、7.26(t,J 7.5,1H,)、7.18(d,J 7.6,1H)、7.14(d,J 7.4,1H)、5.58(dt,J 17.7,9.1,1H)、5.41(br s,1H)、5.21(d,J 17.4,1H)、5.11(d,J 11.4,1H)、4.72−4.45(m,5H)、4.48−4.39(m,1H)、4.17(d,J 12.1,1H)、3.76(dd,J 12.9,2.3,1H)、2.97−2.78(m,2H)、2.47−2.34(残存DMSOで一部不明確,2H)、2.19−2.03(m,2H)、1.99−1.42(m,11H)、1.41−0.93(m,20H)。MS(ES)m/z 738(M+H)
【0154】
【化25】

【0155】
【化26】

【0156】
化合物19:(5R、7S、10S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキサミド
ステップ1:メチル(2S)−2−(ヘプト−6−エン−1−イルアミノ)−3−メチルブタノエート67(R=iPr)
L−バリン、メチルエステル、塩酸塩の乾燥MeOH中溶液(0.3M)に、ZnCl(1.0当量)、NaCNBH(1.2当量)、ヘプト−6−エナル66(1.2当量)を加え、反応混合物を室温で終夜撹拌した。次に、揮発性物質を減圧下で蒸発させ、残渣をCHClに溶解し、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機層を、NaSOで乾燥させ、減圧下で蒸発させ、淡黄色の油として表題化合物を得た(98%)。H NMR(400MHz,CDCl,300K)δ5.81(ddt,J 17.0,10.1,6.7,1H)、5.00(dd,J 17.0,1.5,1H)、4.94(d,J 10.1,1H)、3.72(s,3H)、2.99(d,J 5.6,1H)、2.60−2.54(m,1H)、2.45−2.39(m,1H)、2.05(dd,J 13.5,6.6,2H)、1.94−1.86(m,1H)、1.53−1.26(m,6H)、0.96(d,J 7.1,3H)、0.93(d,J 6.8,3H)。
【0157】
ステップ2:N−[(1S)−1−カルボキシ−2−メチルプロピル]ヘプト−6−エン−1−アミニウムクロライド68(R=iPr)
ジオキサンおよび水の1:1混合物中のメチル(2S)−2−(ヘプト−6−エン−1−イルアミノ)−3−メチルブタノエート67の溶液(0.4M)に、LiOH(4当量)を加え、反応混合物を24時間還流させながら撹拌した。次に、反応混合物を冷却し、少量ずつHCl(水溶液)6NをpH=2になるまで加えた。白色の沈殿物を濾過し、HOで洗浄し、終夜乾燥させた。白色の沈殿物として表題化合物(71%)を、何もさらなる精製を行わず次のステップで使用した。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ9.80(bs,1H)、8.95(bs,1H)、5.74(ddt,J 17.0,16.9,6.7,1H)、4.95(d,J 17.0,1H)、4.89(d,J 10.2,1H)、3.73−3.70(m,1H)、2.91−2.72(m,2H)、2.43−2.35(m,1H)、1.96(q,J 6.7,2H)、1.78−1.65(m,2H)、1.33−1.24(m,4H)、1.01(d,J 7.1,3H)、0.92(d,J 6.8,3H)。
【0158】
ステップ3:N−{(1S)−1−[((2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}ピロロリジン−1−イル)カルボニル]−2−メチルプロピル}ヘプト−6−エン−1−アミニウムトリフルオロアセテート69(R=iPr)
N−[(1S)−1−カルボキシ−2−メチルプロピル]ヘプト−6−エン−1−アミニウムクロライド68の乾燥CHCl中溶液(0.1M)に、(2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}ピロロリジニウムクロライド43(1.2当量)、i−PrEt(3.2当量)およびTBTU(1.2当量)を加えた。反応混合物を、室温で4時間撹拌し、DCMに溶解し、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機相をNaSOにより乾燥させ、揮発性物質を減圧下で蒸発させた。粗生成物を、0.1%TEAの存在下でPE/EtOAc(7/3)の混合物で溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を収集し、溶媒を蒸発させた。化合物をCHClで可溶化し、1当量のTFAを加えて、トリフルオロ酢酸塩の完全な形成を得た。本手順により、白色の固体として表題化合物を得た(90%)。MS(ES)m/z 512(M+H)
【0159】
ステップ4:N−(5R,7S,10S,17E)−10−イソプロピル−7−(メトキシカルボニル)−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート70(R=iPr)
ジャン触媒I(0.05当量)を、DCE(0.04M)中のN−{(1S)−1−[((2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}ピロロリジン−1−イル)カルボニル]−2−メチルプロピル}ヘプト−6−エン−1−アミニウムトリフルオロアセテート69に加え、混合物を90℃で1時間加熱した。次に、揮発性物質を減圧下で蒸発させ、粗生成物をPE/EtOAc 8/2の混合物より結晶化させた。沈殿物を収集し、終夜乾燥させた。表題化合物(78%)を褐色系の固体として得た。MS(ES)m/z 484(M+H)
【0160】
ステップ5:(5R、7S、10S)−10−イソプロピル−7−(メトキシカルボニル)−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート71(R=iPr)
MeOH(1mM)中のパラジウム炭素(10%Pd、20重量%)およびN−(5R,7S,10S,17E)−10−イソプロピル−7−(メトキシカルボニル)−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート70を、水素雰囲気下で終夜撹拌した。次に、触媒を濾過により除去し、揮発性物質を蒸発させた。表題化合物(95%)を、茶色の固体として回収した。MS(ES)m/z 487(M+H)
【0161】
ステップ6:(5R、7S、10S)−7−カルボキシ−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート72(R=iPr)
水酸化リチウム一水和物(5当量)を、ジオキサンおよびHO(3mM)の1:1混合物(3mM)中の(5R、7S、10S)−10−イソプロピル−7−(メトキシカルボニル)−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート71の撹拌した混合物に加えた。少量ずつのHCl(水溶液)6Nによって、pHを6.5にし、揮発性物質を蒸発させた。粗生成物を、HO:MeCNの95:5混合物に溶解し、固体を吸引により収集した。表題化合物(定量的回収)を、薄灰色の固体として得た。MS(ES)m/z 472(M+H)
【0162】
ステップ7:(5R、7S、10S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキサミド19
i−PrEtN(3.5当量)、DMAP(0.5当量)およびTBTU(1.5当量)を、CHCl(0.06M)中の(5R、7S、10S)−7−カルボキシ−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−11−イウムトリフルオロアセテート72および(1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロパンアミニウムクロライド(WO03/099274に記載のように調製した。)(1.5当量)48の撹拌した混合物(1.5当量)に加え、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させ、得られた残渣をDMSOで再溶解し、RP−HPLCによって精製した(固定相:カラムシンメトリーC18、7um、19×300mm。移動相:0.1%TFAで緩衝したMeCN/HO。)。純粋な化合物を含む画分を混合し、冷凍乾燥させて、白色の固体として表題化合物19(TFA塩)を得た(23%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ10.74(s,1H)、8.74(s,1H)、8.70−8.56(m,2H)、7.25(t,J 7.6,1H)、7.17(d,J 7.8,1H)、7.13(d,J 7.3,1H)、5.56(dt,J 17.1,9.3,1H)、5.39(br s,1H)、5.22(d,J 17.4,1H)、5.11(d,J 11.3,1H)、4.78−4.48(m,5H)、4.27(br s,1H)、3.74(dd,J 11.6,2.5,1H)、2.95−2.89(m,2H)、2.69−2.66(m,1H)、2.38−2.32(残存DMSOで不明確,1H)、2.21−2.06(m,3H)、1.73(dd,J 9.7,6.9,2H)、1.69−1.55(m,4H)、1.32−1.26(m,1H)、4.49−4.62(m,7H)、1.15−1.09(m,1H)、1.04(dd,J 9.7,6.9,9H)。MS(ES)m/z 685(MH)
【0163】
【化27】

【0164】
化合物26:(5R、7S、10S、12RまたはS)−10−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−11,12−ジメチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキサミド
NaCNBH(1.2当量)およびZnCl(0.6当量)のメタノール中溶液(NaCNBHに関して0.04M)を、37%ホルムアルデヒド水溶液(35当量)および(5R、7S、10S、12RまたはS)−10−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−12−メチル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキサミド25のMeOH(0.03M)中溶液に1滴ずつ加えた。終夜撹拌した後、揮発性物質を減圧下で蒸発させた。残渣をDMSOで再溶解し、RP−HPLCによって精製した(固定相:カラムシンメトリーC18、7um、19×300mm。移動相:0.1%TFAで緩衝したMeCN/HO。)。純粋な化合物を含む画分を混合し、冷凍乾燥させて、白色の粉末として表題化合物26(TFA塩)を得た(55%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ10.88(s,1H)、8.73(br s,1H)、8.65(br s,1H)、7.26(t,J 7.5,1H)、7.19(d,J 7.6,1H)、7.13(d,J 7.4,1H)、5.60(dt,J 17.3,9.5,1H)、5.37(br s,1H)、5.20(d,J 17.0,1H)、5.11(d,J 11.1,1H)、4.77−5.55(m,4H)、4.56−4.39(m,2H)、3.92(d,J 12.1,1H)、3.80(dd,J 12.1,2.5,1H)、2.97−2.80(m,2H)、2.62(d,J 4.0,3H)、2.47−2.36(残存DMSOで一部不明確,3H)、2.15(q,J 8.9,1H)、2.10−1.93(m,2H)、1.92−1.41(m,12H)、1.40−1.81(m,11H)、1.17−0.94(m,6H)。MS(ES)m/z 752(M+H)
【0165】
【化28】

【0166】
化合物14:(5R、7S、10S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−13,13−ジフルオロ−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキサミド
ステップ1:メチルN−(2,2−ジフルオロヘプト−6−エン−1−イル)−L−バリネート73
THF(0.09M)に溶解したヘプト−6−エナル59に、ラセミプロリンを加え、続いてN−フルオロ−N−(フェニルスルホニル)ベンゼンスルホンアミドを加えた。混合物を、室温で終夜撹拌した。反応混合物をEtOで希釈し、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。MeOH(0.5M)に再溶解した残渣に、L−バリンメチルエステル塩酸塩(1.1当量)を加え、続いてNaCNBH(1.2当量)およびZnCl(0.6当量)のMeOH溶液(NaCNBHに関して0.3M)を1滴ずつ加えた。終夜撹拌した後、揮発性物質を減圧下で蒸発させ、残渣をCHClと飽和NaHCO水溶液の間で分配した。有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/PE=5:95)によって精製し、黄色の油として表題化合物を得た(25%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ5.86(m,1H)、5.03(d,J 17.2,1H)、5.0(d,J 10.1,1H)、3.65(s,3H)、3.05−2.87(m,2H)、2.76−2.60(m,1H)、2.25−2.15(m,1H)、2.13−1.99(m,2H)、1.97−1.77(m,3H)、1.56−1.40(m,2H)、0.86(d,J 6.8,6H)。MS(ES)m/z 264(M+H)
【0167】
ステップ2:N−(2,2−ジフルオロヘプト−6−エン−1−イル)−L−バリン74
水酸化リチウム一水和物(6当量)を、THFおよび水(2/1 v/v、0.013M)中のメチルN−(2,2−ジフルオロヘプト−6−エン−1−イル)−L−バリネート73の撹拌した混合物に加え、混合物を60℃で撹拌した。1時間後に、室温まで冷却し、THFを減圧下で蒸発させた。1N HCl水溶液を、pH=5まで加え、水相をEtOAcで抽出した。NaSOにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、表題化合物を得て、本化合物をさらなる精製なしに以下のステップで使用した。MS(ES)m/z 250(M+H)
【0168】
ステップ3:メチルN−(2,2−ジフルオロヘプト−6−エン−1−イル)−L−バリル−(4R)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}−L−プロリネート75
i−PrEtN(2.2当量)、続いてTBTU(1.2当量)を、CHCl(0.06M)中のN−(2,2−ジフルオロヘプト−6−エン−1−イル)−L−バリン74および(2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}ピロロリジニウムクロライド(1当量)の撹拌した混合物に加え、混合物を室温で終夜撹拌した。飽和NaHCO水溶液を加え、有機層を分離し、乾燥させた(NaSO)。減圧下の蒸発により残渣を得て、これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:PE=1:9)によって精製した。表題化合物を、黄色の泡沫として得た(39%)。MS(ES)m/z 548(M+H)
【0169】
ステップ4:メチル(5R,7S,10S,17Z)−13,13−ジフルオロ−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキシレート76
ジャン触媒I(0.2当量)を、CHCl(0.02M)中のメチルN−(2,2−ジフルオロヘプト−6−エン−1−イル)−L−バリル−(4R)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}−L−プロリネート75に加え、混合物を100℃のマイクロ波照射下で15分間加熱した。揮発性物質を減圧下で蒸発させ、得られた残渣を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:PE=2:8)によって精製した。表題化合物を、黄色の泡沫として得た(66%)。MS(ES)m/z 520(M+H)
【0170】
ステップ5:メチル−(5R、7S、10S)−13,13−ジフルオロ−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキシレート77
MeOH(0.02M)中のパラジウム炭素(10%Pd、20重量%)およびメチル(5R,7S,10S,17Z)−13,13−ジフルオロ−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキシレート76を、水素雰囲気下で撹拌した。4時間後に、固体をセライトで濾過し、得られた溶液を減圧下で蒸発させ、薄茶色の油として表題化合物を得た。MS(ES)m/z 522(M+H)
【0171】
ステップ6:(5R、7S、10S)−13,13−ジフルオロ−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボン酸79
水酸化リチウム一水和物(3当量)を、THFおよび水(2/1 v/v、0.02M)中のメチル(5R、7S、10S)−13,13−ジフルオロ−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキシレート77の撹拌した混合物に加え、混合物を室温で終夜撹拌した。HCl水溶液(1N)を、pH=5に達するまで加え、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を分離し、NaSOにより乾燥させ、濾過し、濃縮して、得られた粗生成物を、さらなる精製なしに、以下のステップで使用した。MS(ES)m/z 508(M+H)
【0172】
ステップ7:(5R、7S、10S)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−13,13−ジフルオロ−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボキサミド14
i−PrEtN(6.5当量)、DMAP(0.5当量)およびTBTU(1.3当量)を、CHCl(0.02M)中の(5R、7S、10S)−13,13−ジフルオロ−10−イソプロピル−3,9−ジオキソ−6,7,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18−ドデカヒドロ−1H,5H−2,22:5,8−ジメタノ−4,2,8,11−ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−7−カルボン酸78および(1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロパンアミニウムクロライド(WO03/099274に記載のように調製した。)(1.5当量)48の撹拌した混合物(1.5当量)に加え、混合物を室温で撹拌した。13時間後に、混合物を減圧下で蒸発させ、得られた残渣をDMSOで再溶解し、RP−HPLCによって精製した(固定相:カラムシンメトリーC18、7um、19×300mm。移動相:0.1%TFAで緩衝したMeCN/HO。)。純粋な化合物を含む画分を混合し、冷凍乾燥させて、白色の粉末として表題化合物14を得た(3つのステップにわたり15%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ10.66(s,1H)、8.97(br s,1H)、7.25(t,J 7.5,1H)、7.17(d,J 7.3,1H)、7.13(d,J 7.6,1H)、5.61(dt,J 17.3,9.5,1H)、5.38(br s,1H)、5.25(d,J 16.9,1H)、5.11(d,J 11.4,1H)、4.73−4.54(m,4H)、4.45(dd,J 10.1,7.3,1H)、4.04(d,J 12.1,1H)、3.75(dd,J 12.0,3.2,1H)、3.50−3.02(m,3H)、2.96−2.85(m,1H)、2.45−2.34(残存DMSOで一部不明確,3H)、2.24−1.67(m,6H)、1.66−1.48(m,2H)、1.49−1.20(m,5H)、1.14−0.91(m,10H)。MS(ES)m/z 720(M+H)
【0173】
【化29】

【0174】
化合物43:(3R,5S)−5−(メトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル−4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート塩酸塩
ステップ1:1−ブロモ−2,3−ビス(ブロモメチル)ベンゼン80
3−ブロモ−o−キシレン(1.0当量)、N−ブロモスクシンイミド(2.15当量)および過酸化ベンゾイル(1.0当量)のCCl(0.55M)中懸濁液を、窒素下で15時間加熱還流した。反応フラスコの内容物を冷却し、濾過し、濾液を蒸発させた。粗物質を高真空下で蒸留した。主な画分を88℃から152℃の間で蒸留した。純粋な物質を85%の収率で回収した。H NMR(CDCl)δ(ppm)7.56(d,J 8.0,1H)、7.31(d,J 8.0,1H)、7.26(s,1H)、7.16(t,J 8.0,1H)、4.84(s,2H)、4.64(s,2H)。
【0175】
ステップ2:2−ベンジル−4−ブロモイソインドリン81
重炭酸カリウム(2.5当量)を、MeCN(0.17M)に懸濁し、混合物を80℃まで加熱した。1−ブロモ−2,3−ビス(ブロモメチル)ベンゼン80のMeCN(1.64M)中溶液およびベンジルアミン(1.0当量)のMeCN(1.64M)中溶液を、添加漏斗を通して1時間かけて並行して加えた。反応混合物を、77℃で16時間撹拌した。反応フラスコの内容物を冷却し、濾過し、溶媒を蒸発によって除去した。反応物を、1M KCOとEtOAcの間で分配した。有機物を鹹水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:ヘプタンからヘプタン中の10%EtOAc)により、蒸発後にペール油として表題化合物81を得た。H NMR(CDCl)δ(ppm)7.41−7.39(m,2H)、7.37−7.34(m,2H)、7.32−7.27(m,2H)、7.10−7.03(m,2H)、4.02(s,2H)、3.97(s,2H)、3.91(s,2H)。LRMS(ESI)m/z 289(M+H)
【0176】
MTBEを加え、固体を濾過することによってHCl/MeOH中のHCl塩に変換し、対応するHCl塩を得た。
【0177】
ステップ3:2−ベンジル−4−ビニルイソインドリン82
2−ベンジル−4−ブロモイソインドリン81(1.0当量)およびトリブチル(ビニル)スズ(1.2当量)のトルエン(4M)中溶液を、窒素ガスを溶液に通して0.25時間泡立たせることによって脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.02当量)を加え、得られた溶液を、窒素下で、100℃の油浴で24時間加熱した。反応フラスコの内容物を冷却し、蒸発させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーにかけ(ヘキサン/EtOAc 95/5で溶離した。)、蒸発後、ペール油として表題化合物を得た(静置時にピンク色に変色した。)。LRMS(ESI)m/z 236(M+H)
【0178】
ステップ4:4−ビニルイソインドリン83
2−ベンジル−4−ビニルイソインドリン82(1.0当量)のDCE(0.38M)溶液を、窒素下で丸底フラスコに入れた。本フラスコに、1−クロロエチルクロロギ酸エステル(1.2当量)のDCE中溶液を含む添加漏斗を取り付けた。反応フラスコを氷槽で冷却し、添加漏斗の内容物を、内部の反応温度を<5℃に保ちながら、1滴ずつ20分かけて加えた。添加終了後、反応フラスコを室温まで昇温させ、次に45分間加熱して還流させた。反応フラスコの内容物を室温まで冷却し、次に溶媒を蒸発によって除去した。MeOHを加え、反応フラスコの内容物を30分間加熱して還流させた。反応フラスコを冷却し、溶媒を蒸発によって除去した。水を加え、得られた混合物をEtOAcで洗浄した。水層を、2N水酸化ナトリウムで塩基性にし、次にDCMで抽出した(4×250mL)。混合した有機抽出液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を蒸発させた。残った残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにかけた(97/3/0.3から95/5/0.5のDCM/MeOH/水酸化アンモニウムで溶離した。)。画分を蒸発させ、茶色の油として表題化合物83を得た(2つのステップにわたり71%)。LRMS(ESI)m/z 146(M+H)
【0179】
ステップ5:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート84
窒素下の1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレートのDMF(0.5M)中溶液を0℃まで冷却した。固形1,1’−カルボニルジイミダゾール(1.0当量)を反応物に加えた。反応フラスコの内容物を室温まで加熱し、2時間後に、4−ビニルイソインドリン(1.0当量)のDMF(4M)中溶液を加えた。反応物を60℃の油浴で2時間加熱し、次に冷却し、水および5%硫酸水素カリウムに注いだ。得られた混合物をEtOAcで抽出した。混合した有機物を鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 70/30で溶離した。)により白色の泡沫として表題化合物を得た(81%)。LRMS(ESI)m/z 417(M+H)。
【0180】
【化30】

【0181】
化合物50:(2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−[(7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]ピロリジニウムクロライド
ステップ1:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(7−ブロモイソキノリン−1−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート85
トランス4−ヒドロキシL−BOC−プロリン(1当量)の室温のDMSO中(0.2M)溶液に、1回分でBuOK(3当量)に加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、10℃まで冷却し、7−ブロモ−1−クロロイソキノリンを加えた(1当量)。得られた混合物を室温まで昇温させ、終夜撹拌した。有機層をクエン酸10%溶液、水および鹹水で洗浄し、水相をEtOAcで逆抽出した。混合した有機相を乾燥させ(NaSO)、溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた暗色の固体をMeOHに溶解した。撹拌した溶液に、ヘキサン(4.0当量)中のトリメチルシリルジアゾメタン2.0Mを15℃で1滴ずつ加えた。得られた混合物を、ガス発生が中断した後に、15分間撹拌した。揮発性物質を回転蒸発によって除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(ホライズン(Horizon)システム、カラムSiO、溶離剤:PE:EtOAc(EtOAcが60から80%まで))、固体として表題生成物85を得た(71%)。MS(ES)m/z 452(M+H)。
【0182】
ステップ2:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート86
臭化アリール85(1.0当量)をトルエン(0.2M)に溶解し、トリブチルビニルチン(1.5当量)および[PhP]Pd(0)(0.1当量)で処理した。反応混合物を、N雰囲気下の80℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物をEtOAcに注ぎ、鹹水で洗浄した。有機相を分離し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(ホライズンシステム、カラムSiO、溶離剤:PE:EtOAc(EtOAcが20から40%まで))、粘性油として表題生成物86を得た(74%)。MS(ES)m/z 399(M+H)。
【0183】
ステップ3:(2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−[(7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]ピロリジニウムクロライド50
カルバメート86を4.0M HClのジオキサン中溶液に溶解した。得られた混合物を、室温で0.5時間撹拌し、その間に、生成物を沈殿させた。表題化合物50を濾過し、ヘキサン/EtOAc 1/1 v/v(96%)で洗浄した。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ8.30(s,1H)、8.01−7.98(m,2H)、7.89(d,J 8.5,1H)、7.43(d,J 5.8,1H)、6.93(dd,J 17.6,10.9,1H)、6.07(d,J 17.6,1H)、5.85(bs,1H)、5.43(d,J 11.0,1H)、4.86(dd,J 10.4,7.7,1H)、3.81(s,3H)、3.78−3.74(m,1H)、3.60(d,J 12.8,1H)、2.71−2.66(m,1H)、2.57−2.50(m,残存DMSOで一部不明確,1H)。MS(ES)m/z 299(M+H)。
【0184】
【化31】

【0185】
化合物49:(1R,2S)−1−アミノ−N−(シクロプロピルスルホニル)アミノ−2−エチルシクロプロパンカルボキサミド塩酸塩
ステップ1:tert−ブチル((1R,2R)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エチルシクロプロピル)カルバメート88
水素添加器をtert−ブチル((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)カルバメート87(WO03/099274に記載のように調製した。)のMeOH中溶液、続いてRu/C(7.5重量%)で満たした。水素添加器をN下(20psig)に置き、残留酸素を除去するために、3回大気圧に排気した。次に、水素添加器をH下(50psig)に置き、反応をH消費に基づいて<5時間で終了させた。20時間後に、水素添加器を大気圧に排気した。次に、反応物スラリーを濾過し、蒸発させ、得られた黄色の油をさらなる精製なしに以下のステップで用いた。MS(ES)m/z 333(M+H)。
【0186】
ステップ2:(1R,2S)−1−アミノ−N−(シクロプロピルスルホニル)アミノ−2−エチルシクロプロパンカルボキサミド塩酸塩49
カルバメートの0.33Mの4N HCl/ジオキサン中溶液を、室温で12時間撹拌した。次に、揮発性物質を減圧下で除去し、淡黄色の固体として表題化合物49を得て、本化合物を次のステップで直接使用した。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ8.83(bs,2H)、3.03(m,1H)、1.71−1.37(m,5H)、1.16−1.09(m,4H)、0.97(t,J 7.3,3H)。
【0187】
【化32】

【0188】
【化33】

【0189】
【化34】

【0190】
化合物142:(9R,11S,14S)−14−tert−ブチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−13−オキソ−8−オキサ−12,15−ジアザテトラシクロ[20.3.1.12,6.19,12]オクタコサ−1(26),2(28),3,5,22,24−ヘキサエン−11−カルボキサミド
ステップ1:(3’−ブロモビフェニル−3−イル)メタノール94
[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]ボロン酸の0.2M DME中溶液に、1−ブロモ−3−ヨードベンゼン(0.83当量)および2M NaCO(3.0当量)溶液を連続して加えた。反応混合物を脱気し、トランス−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(0.01当量)を加え、80℃で6時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO水溶液、1N HClおよび鹹水で洗浄した。残渣を乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させて、得られた油をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(SiO、PE:EtOAc=8.2)、油として表題化合物94を得た(80%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ7.87(s,1H)、7.71(d,J 7.7,1H)、7.66(bs,1H)、7.59(t,J 6.8,2H)、7.47(t,J 7.7,2H)、7.39(d,J 7.7,1H)、4.61(s,2H)。
【0191】
ステップ2:3−ブロモ−3’−(ブロモメチル)ビフェニル95
(3’−ブロモビフェニル−3−イル)メタノール94の0.5M DCM中溶液を、トリフェニルホスフィン樹脂(1.6当量)、Br(1.6当量)および0.25Mイミダゾール(1.7当量)のDCM溶液の10分間予め撹拌した懸濁液に加えた。反応混合物を、室温で3時間静かに撹拌した。次に、樹脂を濾過し、DCMで洗浄し、濾液を蒸発乾固し、茶色の油として表題化合物95を得た(78%粗生成物)。本物質を、さらなる精製なしに以下のステップで使用した。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ7.90(s,1H)、7.86−7.82(m,1H)、7.76−7.70(m,1H)、7.70−7.65(m,1H)、7.65−7.60(m,1H)、7.55−7.49(m,2H)、7.47(d,J 7.8,1H)、4.81(s,2H)。
【0192】
ステップ3:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(3’−ブロモビフェニル−3−イル)メトキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート96
DMF中の(4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシ−L−プロリン(1.0当量)を、18−クラウン−6(0.1当量)およびNaH(3.0当量)の0℃に冷却したDMF中懸濁液(0.5Mの最終濃度)に加えた。反応混合物を室温まで昇温させ、1時間撹拌した。3−ブロモ−3’−(ブロモメチル)ビフェニル95(1.0当量)の0.5M DMF溶液を、1滴ずつ加え、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、0℃のHCl(1N)水溶液でクエンチし、EtOAcで希釈した。有機層を分離し、HCl(1N)水溶液および鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、固体になるまで蒸発させた。MS(ES)m/z 498、500(M+Na)。トルエン:MeOH(2:1)の混合物中の粗物質の0.5M溶液を0℃まで冷却し、TMS−ジアゾメタン(1.5当量)で1滴ずつ処理した。反応混合物を室温まで昇温させ、1時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(SiO、PE:EtOAc=8:2)、黄色い油として表題生成物96を得た(78%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ7.90−7.86(m,1H)、7.71(d,J 7.7,1H)、7.69−7.58(m,3H)、7.54−7.44(m,2H)、7.40(d,J 7.7,1H)、4.66−4.55(m,2H)、4.31−4.21(m,2H)、3.74−3.65(m,3H)、3.60−3.45(m,2H)、2.51−2.37(m,1H)、2.10−2.00(m,1H)、1.44−1.31(m,9H)。MS(ES)m/z 512、514(M+Na)
【0193】
ステップ4:(2S,4R)−4−[(3’−ブロモビフェニル−3−イル)メトキシ]−2−(メトキシカルボニル)ピロリジニウムクロライド97
1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(3’−ブロモビフェニル−3−イル)メトキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート96(1.0当量)を、0℃のHClのジオキサン(3.0当量)中溶液(4M)に溶解し、1.0M溶液を得た。反応混合物を、室温で2時間撹拌し、次に溶媒を減圧下で蒸発させ、白色の泡沫として表題化合物97を得た(96%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ10.33−9.33(bs,1H)、7.89(s,1H)、7.77−7.71(m,2H)、7.67(d,J 7.7,1H)、7.62(d,J 7.7,1H)、7.54−7.43(m,3H)、4.63(s,2H)、4.55(dd,J 10.7,7.4 Hz,1H)、4.41(bs,1H)、3.81(s,3H)、3.51−3.40(m,2H)、2.59−2.51(m,1H)、2.27−2.16(m,1H)。MS(ES)m/z 390、392(M+H)
【0194】
ステップ5:メチルN−ヘキサ−5−エン−1−イル−3−メチル−L−バリネート99
ヘキサ−5−エナル98(PCC酸化を通してヘキサ−5−エン−1−オールから得た。)(0.95当量)を、室温で(2S)−1−メトキシ−3,3−ジメチル−1−オキソブタン−2−アミニウムクロライド(1.0当量)およびTEA(1.0当量)の0.11M DCE中溶液に加えた。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.0当量)を、1回分加え、反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、DCM/飽和NaHCO水溶液で希釈した。相を分離させ;有機層を鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、短い(short path)シリカゲル(PE:EtOAc=9:1)を通して濾過し、淡黄色の液体として表題化合物99を得た(72%)。H NMR(300MHz,CDCl,300K)δ5.89−5.71(m,1H)、5.07−4.88(m,2H)、3.71(s,3H)、2.88(s,1H)、2.62−2.48(m,1H)、2.45−2.31(m,1H)、2.33−1.98(m,2H)、1.67−1.54(m,1H)、1.53−1.35(m,4H)、0.95(s,9H)。
【0195】
ステップ6:N−ヘキサ−5−エン−1−イル−3−メチル−L−バリン100
MeOH:水(3:1)の混合物中のメチルN−ヘキサ−5−エン−1−イル−3−メチル−L−バリネート99の0.25M溶液を、室温でLiOH(3.0当量)で処理した。反応混合物を70℃で3時間撹拌した。有機溶剤を減圧下で除去し、残渣をHCl(1N)水溶液で酸性化した。水相をEtOAcで繰り返し抽出し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮し、得られた粗生成物を、さらなる精製なしに以下のステップで使用した。MS(ES)m/z 214(M+H)
【0196】
ステップ7:メチルN−ヘキサ−5−エン−1−イル−3−メチル−L−バリル−(4R)−4−[(3’−ブロモビフェニル−3−イル)メトキシ]−L−プロリネート101
N−ヘキサ−5−エン−1−イル−3−メチル−L−バリン(1.2当量)、DIPEA(3.7当量)およびHATU(1.2当量)を、(2S,4R)−4−[(3’−ブロモビフェニル−3−イル)メトキシ]−2−(メトキシカルボニル)ピロリジニウムクロライドの0.10M DMF中溶液に連続して加えた。反応混合物を、室温で終夜撹拌し、次にHO/EtOAcで希釈し、抽出した。収集した有機層を鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(SiO、PE:EtOAc(EtOAcが30から100%まで))、固体として表題生成物101を得た(50%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ7.85(bs,1H)、7.69(d,J 7.8,1H)、7.66−7.58(m,3H)、7.51−7.43(m,2H)、7.37(d,J 7.8,1H)、5.76−5.64(m,1H)、4.97−4.87(m,2H)、4.63(s,2H)、4.45(t,J 8.6,1H)、4.31(bs,1H)、4.07(d,J 11.7,1H)、3.66(s,3H)、3.73−3.55(m,2H)、2.50−2.41(m,1H)、2.40−2.32(m,1H)、2.31−2.23(m,1H)、2.08−1.96(m,1H)、1.94−1.85(m,2H)、1.34−1.18(m,3H)、0.96(s,9H)、0.94−0.85(m,2H)。MS(ES)m/z 585、587(M+H)
【0197】
ステップ8:メチルN−ヘキサ−5−エン−1−イル−3−メチル−L−バリル−(4R)−4−[(3’−ビニルビフェニル−3−イル)メトキシ]−L−プロリネート102
ビニルトリ−n−ブチルスズ(1.5当量)を、トルエン中のメチルN−ヘキサ−5−エン−1−イル−3−メチル−L−バリル−(4R)−4−[(3’−ブロモビフェニル−3−イル)メトキシ]−L−プロリネート101の0.08M 脱気溶液に加えた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.15当量)を加え、反応混合物を予め加熱した油浴(100℃)で2時間撹拌した。粗混合物を室温まで冷却し、減圧下で蒸発させ、得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(SiO、PE:EtOAc=7:3)、黄色の油として表題生成物102を得た(38%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ7.74(bs,1H)、7.69−7.60(m,2H)、7.57(d,J 7.7,1H)、7.52(t,J 7.7,1H)、7.50−7.44(m,2H)、7.34(d,J 7.7,1H)、6.86(dd,J 17.7,10.9,1H)、5.97(d,J 17.7,1H)、5.76−5.64(m,1H)、5.36(d,J 10.9,1H)、4.97−4.86(m,2H)、4.63(s,2H)、4.46(t,J 8.6,1H)、4.31(bs,1H)、3.74−3.55(m,2H)、3.66(s,3H)、2.50−2.41(m,1H)、2.40−2.31(m,1H)、2.31−2.23(m,1H)、1.94−1.85(m,2H)、1.70−1.53(m,3H)、1.41−1.30(m,4H)、1.00−0.85(m,8H)、0.96(s,9H)。MS(ES)m/z 533(M+H)
【0198】
ステップ9:メチル(9R,11S,14S,20E)−14−tert−ブチル−13−オキソ−8−オキサ−12,15−ジアザテトラシクロ[20.3.1.12,6.19,12]オクタコサ−1(26),2(28),3,5,20,22,24−ヘプタエン−11−カルボキシレート103
ジャン触媒I(0.15当量)を、トリフルオロ酢酸(1.3当量)を含むDCM中にメチルN−ヘキサ−5−エン−1−イル−3−メチル−L−バリル−(4R)−4−[(3’−ビニルビフェニル−3−イル)メトキシ]−L−プロリネート102の0.01M溶液に加えた。反応混合物を、100℃のマイクロ波照射下で20分間撹拌した。粗物質を減圧下で蒸発させ、得られた黒色の残渣をさらなる精製なしに使用した。MS(ES)m/z 505(M+H)
【0199】
ステップ10:メチル(9R,11S,14S)−14−tert−ブチル−13−オキソ−8−オキサ−12,15−ジアザテトラシクロ[20.3.1.12,6.19,12]オクタコサ−1(26),2(28),3,5,20,22,24−ヘキサエン−11−カルボキシレート104
Pd/C 10%(20% w/w)を、トリフルオロ酢酸(1.0当量)を含むMeOH中のメチル(9R,11S,14S,20E)−14−tert−ブチル−13−オキソ−8−オキサ−12,15−ジアザテトラシクロ[20.3.1.12,6.19,12]オクタコサ−1(26),2(28),3,5,20,22,24−ヘプタエン−11−カルボキシレート103の0.025M溶液に加えた。反応混合物を、水素雰囲気下で6時間撹拌した。固体を濾過し、得られた溶液を減圧下で蒸発させた。残渣をさらなる精製なしに以下のステップで使用した。MS(ES)m/z 507(M+H)
【0200】
ステップ11:(9R,11S,14S)−14−tert−ブチル−13−オキソ−8−オキサ−12,15−ジアザテトラシクロ[20.3.1.12,6.19,12]オクタコサ−1(26),2(28),3,5,22,24−ヘキサエン−11−カルボン酸105
LiOH(3.0当量)を、THF:EtOH:HO(2:1:1)の混合物中のメチル(9R,11S,14S)−14−tert−ブチル−13−オキソ−8−オキサ−12,15−ジアザテトラシクロ[20.3.1.12,6.19,12]オクタコサ−1(26),2(28),3,5,22,24−ヘキサエン−11−カルボキシレート104の0.05M溶液に加えた。反応混合物を40℃で2時間撹拌し、次に溶媒を減圧下で蒸発させた。HCl水溶液(1N)を、pH=6に達するまで加え、混合物を蒸発乾固させ、得られた暗色の固体をさらなる精製なしに使用した。MS(ES)m/z 493(M+H)
【0201】
ステップ12:(9R,11S,14S)−14−tert−ブチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−13−オキソ−8−オキサ−12,15−ジアザテトラシクロ[20.3.1.12,6.19,12]オクタコサ−1(26),2(28),3,5,22,24−ヘキサエン−11−カルボキサミド142
(1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロパンアミニウムクロライド48(WO03/099274に記載のように調製した。)(1.2当量)およびHATU(1.2当量)を、DIPEA(4.0当量)を含むDMF中の(9R,11S,14S)−14−tert−ブチル−13−オキソ−8−オキサ−12,15−ジアザテトラシクロ[20.3.1.12,6.19,12]オクタコサ−1(26),2(28),3,5,22,24−ヘキサエン−11−カルボン酸105の0.1M溶液を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を乾燥するまで濃縮し、DMSOに溶解し、RP−HPLCによって精製した(固定相:カラムウォーターズエクステラ(Waters XTerra)C18、5um、19×150。移動相:14分間でMeCNが30%から90%までの、0.1%TFAで緩衝したMeCN/HO、実行時間18分)。純粋な化合物を含む画分を混合し、冷凍乾燥させて、灰色がかった白色の固体として表題化合物142(TFA塩)を得た(4つのステップにわたり30%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ10.65(s,1H)、8.89(s,1H)、8.65−8.49(bs,1H)、8.25−8.11(bs,1H)、7.62−7.56(m,2H)、7.51−7.38(m,4H)、7.31(d,J 7.3,1H)、7.24(d,J 7.3,1H)、5.69−5.53(m,1H)、5.24(d,J 17.2,1H)、5.14(d,J 1 1.9,1H)、4.71(d,J 12.4,1H)、4.61(d,J 12.4,1H)、4.31(bt,1H)、4.37(bs,1H)、4.16(d,J 8.8,1H)、4.04(d,J 11.9,1H)、3.79(dd,J 11.5,3.9,1H)、3.00−2.91(m,1H)、2.91−2.81(m,1H)、2.80−2.68(m,2H)、2.22(q,J 17.5,8.8,1H)、2.02−1.91(m,1H)、1.83−1.69(m,2H)、1.68−1.56(m,2H)、1.41−1.24(m,5H)、1.22−1.02(m,13H)、0.91(t,J 7.3,4H)。MS(ES)m/z 705(M+H)
【0202】
【化35】

【0203】
化合物146:(9R,11S,14S,20E)−14−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−13−オキソ−8−オキサ−12,15−ジアザテトラシクロ[20.3.1.12,6.19,12]オクタコサ−1(26),2(28),3,5,20,22,24−ヘプタエン−11−カルボキサミド
ステップ1:メチル(4R)−4−[(3’−ブロモビフェニル−3−イル)メトキシ]−1−{(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−シクロヘキシルアセチル}−L−プロリネート106
(2S)−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ](シクロヘキシル)酢酸(1.05当量)、DIPEA(3.2当量)およびTBTU(1.1当量)を、メチル(4R)−4−[(3’−ブロモビフェニル−3−イル)メトキシ]−L−プロリネート塩酸塩97の0.12M DMF中溶液に加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次にEtOAc:HOで希釈し、HCl水溶液(1N)で酸性化した。相を分離し、有機層をHCl水溶液(1N)、NaOH水溶液(2N)および鹹水で連続して洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させ、淡黄色の泡沫としての表題化合物106(95%粗生成物)を得て、本化合物をさらなる精製なしに使用した。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ7.86(s,1H)、7.70(d,J 7.8,1H)、7.66−7.57(m,3H)、7.54−7.33(m,3H)、6.94(d,J 8.6,1H)、4.65(d,J 11.6,1H)、4.58(d,J 11.6,1H)、4.36(t,J 8.5,1H)、4.32(bs,1H)、4.19(d,J 11.1,1H)、4.11(t,J 11.1,1H)、3.74−3.66(m,1H)、3.65(s,3H)、2.48−2.35(m,1H)、2.08−1.97(m,1H)、1.83−1.55(m,6H)、1.44−1.37(m,1H)、1.34(s,9H)、1.22−1.09(m,2H)、1.08−0.93(m,2H)。MS(ES)m/z 629、631(M+H)
【0204】
ステップ2:メチル(4R)−1−{(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−シクロヘキシルアセチル}−4−[(3’−ビニルビフェニル−3−イル)メトキシ]−L−プロリネート107
カリウムビニルトリフルオロボレート(2.0当量)、EtN(2.0当量)およびPdCl(dppf)−DCM付加物(0.05当量)を、メチル(4R)−4−[(3’−ブロモビフェニル−3−イル)メトキシ]−1−{(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−シクロヘキシルアセチル}−L−プロリネート106の0.12M EtOH中溶液に連続して加えた。反応混合物を、加熱還流させながら3時間撹拌し、次に室温まで冷却し、HO:EtOAcで希釈した。相を分離し、有機層を鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(SiO、PE:EtOAc=8:2)、泡沫として表題生成物107を得た(72%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ7.75(s,1H)、7.71−7.61(m,2H)、7.59(d,J 7.3,1H)、7.56−4.43(m,3H)、7.39(d,J 7.3,1H)、6.94(d,J 8.6,1H)、6.86(dd,J 17.7,10.9,1H)、5.98(d,J 17.7,1H)、5.36(d,J 10.9,1H)、4.66(d,J 11.7,1H)、4.58(d,J 11.7,1H)、4.36(t,J 8.6,1H)、4.32(bs,1H)、4.19(d,J 10.9,1H)、4.15−4.07(m,1H)、3.73−3.66(m,1H)、3.65(s,3H)、2.46−2.35(m,1H)、2.07−1.98(m,1H)、1.82−1.57(m,6H)、1.42−1.36(m,1H)、1.34(s,9H)、1.20−1.12(m,2H)、1.07−0.94(m,2H)。MS(ES)m/z 577(M+H)
【0205】
ステップ3:メチル(4R)−1−[(2S)−2−アミノ−2−シクロヘキシルアセチル]−4−[(3’−ビニルビフェニル−3−イル)メトキシ]−L−プロリネート塩酸塩108
メチル(4R)−1−{(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−シクロヘキシルアセチル}−4−[(3’−ビニルビフェニル−3−イル)メトキシ]−L−プロリネート107を、HClの4Mジオキサン(最終濃度1.3M)中溶液に懸濁し、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をEtOで溶解し、蒸発乾固し、白色の泡沫として表題化合物108を得た(95%粗生成物)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ8.15(bs,3H)、7.46(s,1H)、7.72−7.64(m,2H)、7.60(d,J 7.6,1H)、7.57−7.46(m,3H)、7.40(d,J 7.6,1H)、6.87(dd,J 17.7,11.1,1H)、5.98(d,J 17.7,1H)、5.37(d,J 11.1,1H)、4.65(s,2H)、4.46(t,J 8.5,1H)、4.36(bs,1H)、4.25−4.18(m,1H)、4.10(d,J 11.4,1H)、3.72−3.65(m,1H)、3.68(s,3H)、2.60−2.55(m,残存DMSO−d6で一部不明確,1H)、2.11−2.00(m,1H)、1.89−1.61(m,6H)、1.32−1.02(m,5H)。MS(ES)m/z 477(M+H)
【0206】
ステップ4:メチル(4R)−1−[(2S)−2−シクロヘキシル−2−(ヘキサ−5−エン−1−イルアミノ)アセチル]−4−[(3’−ビニルビフェニル−3−イル)メトキシ]−L−プロリネート109
EtN(2.0当量)、ヘキサ−5−エナル(1.0当量)(PCC酸化を通してヘキサ−5−1−オールから得られた。)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.3当量)を、メチル(4R)−1−[(2S)−2−アミノ−2−シクロヘキシルアセチル]−4−[(3’−ビニルビフェニル−3−イル)メトキシ]−L−プロリネート塩酸塩108の0.07M DCE中溶液に連続して加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次にDCM、飽和NaHCO水溶液で希釈し、抽出した。収集した有機層を鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させて、得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(SiO、PE:EtOAc=7:3)、無色の油として表題生成物109を得た(67%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ7.74(s,1H)、7.70−7.43(m,7H)、7.35(d,J 7.6,1H)、6.86(dd,J 17.7,10.9,1H)、5.97(d,J 17.7,1H)、5.79−5.76(m,1H)、5.36(d,J 10.9,1H)、4.99−4.87(m,2H)、4.64(s,2H)、4.43(t,J 8.3,1H)、4.32(bs,1H)、4.00(d,J 11.4,1H)、3.64(s,3H)、3.64−3.57(m,1H)、3.21−3.13(m,1H)、2.49−2.34(m,2H)、2.33−2.22(m,1H)、2.06−1.97(m,1H)、1.97−1.83(m,3H)、1.75−1.57(m,5H)、1.34−1.06(m,9H)。MS(ES)m/z 559(M+H)
【0207】
ステップ5:メチル(9R,11S,14S,20E)−14−シクロヘキシル−13−オキソ−8−オキサ−12,15−ジアザテトラシクロ[20.3.1.12,6.19,12]オクタコサ−1(26),2(28),3,5,20,22,24−ヘプタエン−11−カルボキシレート110
メチル(4R)−1−[(2S)−シクロヘキシル−2−(ヘキサ−5−エン−1−イルアミノ)アセチル]−4−[(3’−ビニルビフェニル−3−イル)メトキシ]−L−プロリネート109の0.01M DCM中溶液に、TFA(1.3当量)およびジャンI(0.15当量)を加えた。反応混合物を、100℃のマイクロ波照射下で20分間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗物質を、さらなる精製なしに以下のステップで使用した。MS(ES)m/z 531(M+H)
【0208】
ステップ6:(9R,11S,14S,20E)−14−シクロヘキシル−13−オキソ−8−オキサ−12,15−ジアザテトラシクロ[20.3.1.12,6.19,12]オクタコサ−1(26),2(28),3,5,20,22,24−ヘプタエン−11−カルボン酸111
LiOH(3.0当量)を、THF:EtOH:HO(2:1:1)の混合物中のメチル(9R,11S,14S,20E)−14−シクロヘキシル−13−オキソ−8−オキサ−12,15−ジアザテトラシクロ[20.3.1.12,6.19,12]オクタコサ−1(26),2(28),3,5,20,22,24−ヘプタエン−11−カルボキシレート110の0.04M中溶液に加え、反応混合物を40℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をEtOAc/HOに懸濁し、HCl水溶液(1N)を酸性pHまで加え、相を分離した。収集された有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させて、得られた残渣をさらなる精製なしに使用した。MS(ES)m/z 517(M+H)
【0209】
ステップ7:(9R,11S,14S,20E)−14−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−13−オキソ−8−オキサ−12,15−ジアザテトラシクロ[20.3.1.12,6.19,12]オクタコサ−1(26),2(28),3,5,20,22,24−ヘプタエン−11−カルボキサミド146
化合物48(1.2当量)およびHATU(1.2当量)を、DIPEA(4.0当量)を含むDMF中の(9R,11S,14S,20E)−14−シクロヘキシル−13−オキソ−8−オキサ−12,15−ジアザテトラシクロ[20.3.1.12,6.19,12]オクタコサ−1(26),2(28),3,5,20,22,24−ヘプタエン−11−カルボン酸111の0.12M溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、次に乾燥するまで濃縮し、残渣をDMSOに溶解し、RP−HPLCによって精製した(固定相:カラムウォーターズエクスブリッジ(Waters XBridge)19×150mm、5um。移動相:14分間でMeCNが50%から90%までの、0.1%TFAで緩衝したMeCN/HO、実行時間18分)。純粋な化合物を含む画分を混合し、冷凍乾燥させて、灰色がかった白色の固体として表題化合物146(TFA塩)を得た(3つのステップにわたり4.0%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ10.73(s,1H)、8.83(s,1H)、8.80−8.68(m,1H)、8.58−8.42(m,1H)、7.92(s,2H)、7.68(d,J 7.6,1H)、7.62(d,J 7.6,1H)、7.51−7.40(m,2H)、7.29(t,J 8.1,2H)、6.58(d,J 15.7,1H)、6.49−6.37(m,1H)、5.68−5.54(m,1H)、5.27(d,J 16.9,1H)、5.16(d,J 11.6,1H)、4.74(d,J 11.9,1H)、4.60(d,J 11.9,1H)、4.50−4.33(m,3H)、4.19(d,J 11.1,1H)、3.86(dd,J 11.1,3.8,1H)、3.18−2.91(m,3H)、2.60−2.46(m,残存DMSO−d6で一部不明確,1H)、2.43−2.24(m,2H)、2.19(q,J 8.8,1H)、2.09−1.97(m,1H)、1.92−1.65(m,9H)、1.64−1.52(m,1H)、1.38−1.02(m,11H)。MS(ES)m/z 729(M+H)
【0210】
【化36】

【0211】
化合物138:(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−23−メトキシ−6−オキソ−20−フェニル−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド−[3,4−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−4−カルボキサミド
(2S)−シクロヘキシル−(ヘプト−6−エン−1−イルアミノ)酢酸68(R=cHex)
上記の化合物19、ステップ1−2の手順に従って、ヘプト−6−エナルによるシクロヘキシルグリシンtert−ブチルエステル塩酸塩の処理から、油として表題化合物68を得た(76%)。MS(ES)m/z 254(M+H)
【0212】
エチル3−(メチルアミノ)−3−フェニルアクリレート(112)
エチルベンゾイルアセテートおよびメチルアミン(THF中に2M、8当量)のEtOH(1M)中溶液に、酢酸(8当量)を加えた。反応混合物を、加熱還流し、3日間撹拌した。反応混合物を濃縮し、DCMと1N HClの間で分配した。層を分離し、有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、得られた表題化合物112(20%)をさらなる精製なしで使用した。
【0213】
ステップ1:エチル3−[(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)アミノ]−3−フェニルアクリレート113
化合物112および4−ブロモ−3−メトキシアニリン(1当量)のDCM(0.15M)中溶液に、PPTS(1当量)を加えた。混合物を加熱還流し、1日撹拌した。混合物を冷却し、固体を濾過により除去し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製し(SiO、PE:EtOAc(EtOAcが1から15%まで))、表題化合物113を得た(80%)。H NMR(CDCl)δ(ppm)10.32(br s,1H)、7.32(m,5H)、7.20(d,J 8.5,1H)、6.19(dd,J 8.5,2.5,1H)、6.11(d,J 2.5,1H)、5.03(s,1H)、4.21(q,J 7.0,2H)、3.50(s,3H)、1.32(t,J 7.0,3H)。
【0214】
ステップ2:6−ブロモ−7−メトキシ−2−フェニルキノリン−4−(1H)−オン114
ダウサーム(Dowtherm)A(0.19M)を加熱還流させた(約300℃)。ダウサームA(2.5M)中の生成物113の混合物を、加熱したダウサームA溶液に部分的に加えた。添加終了後、混合物を還流させながら1時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、濾過し、固体をヘキサンで洗浄して表題化合物114を得た(86%)。H NMR(DMSO−d)δ(ppm)11.69(s,1H)、8.19(s,1H)、7.82(m,2H)、7.59(m,3H)、7.35(s,1H)、6.33(s,1H)、3.96(s,3H)。
【0215】
1−tert−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−{[(4−ブロモフェニル)スルホニル]オキシ}ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート115
0℃の1−tert−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレートおよびDABCO(1.6当量)のトルエン(0.20M)中溶液に、塩化ブロシル(3.14g、12.3mmol)のトルエン(0.41M)溶液を加え、室温で撹拌を続けた。EtOAを加え、白色の沈殿物が形成し、反応混合物を20分間撹拌し、濾過した。濾液をEtOAcと2.5%NaHCO水溶液の間で分配した。層を分離し、有機層を5%硫酸水素カリウム水溶液および鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。得られた油をヘキサン/エーテルで摩砕し、得られた白色の固体を濾過によって回収して表題化合物115(67%)を得て、次に本化合物をさらなる精製なしに使用した。MS(ES)m/z 464および466(M+H)
【0216】
ステップ3:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(6−ブロモ−7−メトキシ−2−フェニルキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート116
化合物115および114のN−メチルピロリジン(0.36M)中溶液に、炭酸セシウム(2当量)を加えた。反応混合物を、50℃まで加熱し、3時間撹拌し、冷却した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、飽和NaHCO水溶液、水および鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過および濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製し(SiO、PE:EtOAc(EtOAcが1から60%まで))、淡黄色の固体として表題化合物116を得た(99%)。MS(ES)m/z 557および559(M+H)
【0217】
ステップ4:メチル(4R)−4−[(7−メトキシ−2−フェニル−6−ビニルキノリン−4−イル)オキシ]−L−プロリネート塩酸塩117
トリブチルビニルスタンナン(1.15当量)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.07当量)を、化合物116のトルエン(0.09M)中溶液に加え、反応混合物を100℃で加熱した。20時間後、揮発性物質を真空中で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製し(SiO、PE:EtOAc(EtOAcが1から60%まで))、得られた淡黄色の固体をHClの4Nジオキサン溶液(0.31M)に溶解した。反応混合物を1時間撹拌し、得られた白色の固体を濾過により回収し、EtOAc/石油エーテルで洗浄して淡黄色の固体として表題化合物117を得た(99%)。MS(ES)m/z 405(M+H)
【0218】
ステップ5:(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−23−メトキシ−4−(メトキシカルボニル)−6−オキソ−20−フェニル−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[3,4−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−8−イウムトリフルオロアセテート118(R=cHex)
化合物19ステップ3に記載の手順に従って、TBTUおよびDIPEAによる化合物117および68の処理により、油としてメチル(4R)−1−[(2S)−2−シクロヘキシル−2−(ヘプト−6−エン−1−イルアミノ)アセチル]−4−[(7−メトキシ−2−フェニル−6−ビニルキノリン−4−イル)オキシ]−L−プロリネート(35%)を得た。MS(ES)m/z 640(M+H)。化合物19ステップ4に記載のような本物質の処理により、固体として表題化合物118を得た(65%)。
【0219】
ステップ6:(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−23−メトキシ−6−オキソ−20−フェニル−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[3,4−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−4−カルボキサミド138
化合物19ステップ6−7に記載のような化合物118の処理により、白色の固体として表題化合物138を得た(54%、TFA塩)。MS(ES)m/z 810(M+H)
【0220】
化合物139:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−23−メトキシ−6−オキソ−20−フェニル−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15−ドデカヒドロ−2H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[3,4−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−4−カルボキサミド
化合物19ステップ5−7に記載のような化合物118の処理により、白色の固体として表題化合物139を得た(38%、TFA塩)。MS(ES)m/z 812(M+H)
【0221】
化合物140:(2R,4S,7S,15E)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−24−メトキシ−6−オキソ−21−フェニル−3,4,7,8,9,10,11,12,13,14−デカヒドロ−2H,6H−17,19−エテノ−2,5−メタノピリド[3,4−s][1,5,8]オキサジアザシクロイコシン−4−カルボキサミド
N−[(S)−カルボキシ(シクロヘキシル)メチル]オクト−7−エン−1−アミニウムトリフルオロアセテート(68a)
上記の化合物19、ステップ1−2の手順に従って、オクト−7−エナルによるシクロヘキシルグリシンtert−ブチルエステル塩酸塩の処理により、白色の固体としての表題化合物68aを得た(19%)。MS(ES)m/z 268(M+H)
【0222】
ステップ5:(2R,4S,7S,15E)−7−シクロヘキシル−24−メトキシ−4−(メトキシカルボニル)−6−オキソ−21−フェニル−3,4,7,8,9,10,11,12,13,14−デカヒドロ−2H,6H−17,19−エテノ−2,5−メタノピリド[3,4−s][1,5,8]オキサジアザシクロイコシン−8−イウムトリフルオロアセテート118a(n=2,R=cHex)
化合物118に記載の手順に従って、化合物68aおよび117の処理により、油としての表題化合物118a(19%)を得た。MS(ES)m/z 626(M+H)
【0223】
ステップ6:(2R,4S,7S,15E)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−24−メトキシ−6−オキソ−21−フェニル−3,4,7,8,9,10,11,12,13,14−デカヒドロ−2H,6H−17,19−エテノ−2,5−メタノピリド[3,4−s][1,5,8]オキサジアザシクロイコシン−4−カルボキサミド140
化合物138に記載のような化合物118aの処理により、固体としての表題化合物140を得た(43%、TFA塩)。MS(ES)m/z 824(M+H)
【0224】
化合物141:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−24−メトキシ−6−オキソ−21−フェニル−3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16−ドデカヒドロ−2H,6H−17,19−エテノ−2,5−メタノピリド[3,4−s][1,5,8]オキサジアザシクロイコシン−4−カルボキサミド
化合物19ステップ5−7に記載のような化合物118aの処理により、白色の固体として表題化合物141を得た(47%、TFA塩)。MS(ES)m/z 826(M+H)
【0225】
化合物147:(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6−オキソ−20−フェニル−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[3,4−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−4−カルボキサミド
(2S)−シクロヘキシル−[(4,4−ジメチルヘプト−6−エン−1−イル)アミノ]酢酸68b
上記の化合物19ステップ1−2に記載の手順に従って、4,4−ジメチルヘプト−6−エナルによるシクロヘキシルグリシンメチルエステル塩酸塩の処理により、固体として表題化合物68bを得た(56%)。H NMR(CDOD)δ(ppm)5.84(m,1H)、5.06−4.99(m,2H)、3.28(d,J 4.3,1H)、2.98−2.83(m,2H)、1.99(m,2H)、1.88−1.65(m,8H)、1.36−1.16(m,7H)、1.99(s,6H)。MS(ES)m/z 282(M+H)
【0226】
ステップ5:(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−23−メトキシ−4−(メトキシカルボニル)−12,12−ジメチル−6−オキソ−20−フェニル−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[3,4−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−8−イウムトリフルオロアセテート118bおよび(2R,4S,7S,14Z)−7−シクロヘキシル−23−メトキシ−4−(メトキシカルボニル)−12,12−ジメチル−6−オキソ−20−フェニル−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[3,4−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−8−イウムトリフルオロアセテート118c
化合物118に記載の手順に従って、化合物117および68bの処理により、クロマトグラフィー後に、油として化合物118b(80%)および118c(2%)を得た。MS(ES)m/z 640(M+H)
【0227】
ステップ6:(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6−オキソ−20−フェニル−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[3,4−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−4−カルボキサミド147
化合物138のステップ6に従った化合物118bの処理により、固体として表題化合物147を得た(41%、TFA塩)。H NMR(DMSO−d6)δ(ppm)10.78(br s,1H)、8.93−8.68(br m,2H)、8.66(s,1H)、8.30−8.20(m,2H)、8.11(s,1H)、7.67−7.54(m,5H)、7.47(s,1H)、6.76(d,J 15.7,1H)、6.33−6.23(m,1H)、5.76(br s,1H)、5.56(dt,J 17.1,9.5,1H)、5.18(d,J 17.1,1H)、5.09(d,J 11.9,1H)、4.63(d,J 11.9,1H)、4.50−4.40(m,2H)、4.00(s,3H)、4.01−3.90(m,1H)、3.23−3.12(m,1H)、2.90(m,1H)、2.81−2.68(m,2H)、2.26−2.06(m,4H)、2.00−1.66(m,8H)、1.32−0.95(m,12H)、0.93(s,3H)、0.91(s,3H)。MS(ES)m/z 838(M+H)
【0228】
化合物148:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6−オキソ−20−フェニル−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15−ドデカヒドロ−2H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[3,4−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−4−カルボキサミド
化合物19ステップ5−7に記載のような化合物118cの処理により、白色の固体として表題化合物148を得た(37%、TFA塩)。H NMR(DMSO−d6)δ(ppm)10.83(br s,1H)、8.79(s,1H)、8.65−8.55(br s,1H)、8.51−8.41(br s,1H)、8.28−8.20(m,2H)、7.83(s,1H)、7.67−7.54(m,5H)、7.47(s,1H)、5.85(br s,1H)、5.58(dt,J 16.7,9.5,1H)、5.22(d,J 16.7,1H)、5.12(d,J 11.6,1H)、4.63(dd,J 9.2,8.2,1H)、4.41(d,J 12.1,1H)、4.38−4.31(br m,1H)、3.98(s,3H)、4.01−3.89(m,1H)、2.97−2.84(m,3H)、2.80−2.73(m,1H)、2.68−2.57(m,2H)、2.35−2.25(m,1H)、2.14(q,J 8.7,1H)、2.01−1.90(m,1H)、1.81−0.99(m,22H)、0.85(s,3H)、0.77(s,3H)。MS(ES)m/z 840(M+H)
【0229】
化合物149:(2R,4S,7S,14Z)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6−オキソ−20−フェニル−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[3,4−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−4−カルボキサミド
化合物19ステップ6−7に記載のような化合物118cの処理により、白色の固体として表題化合物149を得た(24%、TFA塩)。MS(ES)m/z 838(M+H)
【0230】
【化37】

【0231】
化合物143:(2R,4S,7S,14Z)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−23−メトキシ−6−オキソ−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[3,2−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−4−カルボキサミド
(2E)−3−(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)アクリル酸119
1−ブロモ−4−ヨード−2−メトキシベンゼン(L.A.Hasvoldら、US2004/0254159)のMeCN(1.1M)中溶液に、アクリル酸(1.24当量)、TEA(2.5当量)および酢酸パラジウム(0.03当量)を加えた。反応混合物を90℃まで40分間加熱し、室温まで冷却し、1N HClに注いだ。30分間撹拌した後、固体を濾過し、EtOH(2.3M)中で加熱還流し、室温まで放冷し、終夜撹拌した。固体を濾過し、1:1 EtOH:ヘキサンで洗浄し、所望の生成物119を得た。LRMS ESI(M+H)257.0。
【0232】
ステップ1:7−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−1(2H)−オン120
化合物119をベンゼンと共沸させ、TEA(1.4当量)とベンゼン(0.5M)に懸濁し、ジフェニルホスホリルアジド(1当量)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を、シリカのパッドを通して濾過し、トルエンで溶離し、揮発性物質を蒸発させ、残渣をジフェニルメタン(0.5M)に再懸濁し、混合物を3時間加熱還流した(内部温度250℃)。反応混合物を室温まで放冷し、終夜撹拌し、濾過し、固体をヘキサンで洗浄して黄褐色の固体を得た(60%)。LRMS ESI(M+H)254.1。
【0233】
ステップ2:7−ブロモ−1−クロロ−6−メトキシイソキノリン121
オキシ塩化リン(0.6M)中の化合物120の混合物を2時間加熱還流し、室温まで冷却し、揮発性静物を蒸発させ、残渣を3N NaOHとDCMの間で分配した。有機相を乾燥させ(NaSO)、溶媒を蒸発させ、固体をEtOで摩砕し、濾過し固体を得た(74%)。LRMS ESI(M+H)274.0。
【0234】
ステップ3:(4R)−4−[(7−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−1−イル)オキシ]−1−(tert−ブトキシカルボニル)−L−プロリン122
室温のトランス4−ヒドロキシL−BOC−プロリンのDMSO(0.23M)中溶液に、カリウムt−ブトキシド(3当量)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、15℃まで冷却し、化合物121(1当量)を、DMSO(0.9M)溶液として加え、反応混合物を室温まで昇温させ、30分間撹拌した。反応混合物を氷冷の10%クエン酸溶液でクエンチし、EtOAcで分配した。有機層をクエン酸水溶液、水および鹹水で洗浄し、水相をEtOAcで逆抽出した。混合した有機相を乾燥させ(NaSO)、溶媒を蒸発させた。LRMS ESI(M+H−tBu)411.2。
【0235】
ステップ4:(2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−[(6−メトキシ−7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]ピロリジニウムクロライド123
化合物122のMeOH(0.1M)中溶液に、TMS−ジアゾメタン(4.2当量)を加え、混合物を室温で20分間撹拌した。揮発性物質を蒸発させ、粗生成物をクロマトグラフィーによって精製し、淡いオレンジ色の泡沫として1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(7−ブロモ−6−メトキシイソキノリン−1−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを得た(79%)。トルエン(0.1M)に溶解した先行の化合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(0.1当量)および、ビニルトリ−N−ブチルスズ(1当量)を加え、混合物を100℃で20時間加熱した。揮発性物質を蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーによって精製し、淡黄色の泡沫として1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(6−メトキシ−7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを得て(45%)、これを室温でジオキサン(26当量)中のHCl 4Nで処理した。30分後に、揮発性物質を蒸発させ、計量可能な収量の表題化合物123を得た。MS(ES)m/z 329(M+H)
【0236】
ステップ5:(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−23−メトキシ−4−(メトキシカルボニル)−6−オキソ−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[3,2−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−8−イウムトリフルオロアセテート124a(11%収率)および(2R,4S,7S,14Z)−7−シクロヘキシル−23−メトキシ−4−(メトキシカルボニル)−6−オキソ−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[3,2−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−8−イウムトリフルオロアセテート124b
化合物19ステップ3に記載の手順に従って、TBTUおよびDIPEAによる化合物123および68(R=cHex)の処理により、油としてメチル(4R)−1−[(2S)−2−シクロヘキシル−2−(ヘプト−6−エン−1−イルアミノ)アセチル]−4−[(6−メトキシ−7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]−L−プロリネート(57%)を得た。化合物19ステップ4に記載のような本物質の処理により、分取RP−HPLCによって精製した後(固定相:カラムウォーターズエクスブリッジC18、19×100mm、移動相:0.1%TFAで緩衝したMeCN/水)、2種の表題化合物:124a(最初の溶離、収率59%)および124b(2番目の溶離、収率11%)を得た。MS(ES)m/z 536(M+H)
【0237】
ステップ6:(2R,4S,7S,14Z)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−23−メトキシ−6−オキソ−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[3,2−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−4−カルボキサミド143
化合物138ステップ6に記載のような化合物124bの処理により、固体として表題化合物143を得た(23%、TFA塩)。MS(ES)m/z 734(M+H)
【0238】
化合物144:(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−23−メトキシ−6−オキソ−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[3,2−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−4−カルボキサミド
化合物138ステップ6に記載のような((2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−23−メトキシ−4−(メトキシカルボニル)−6−オキソ−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[3,2−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−8−イウムトリフルオロアセテートの処理により、固体として表題化合物144を得た(25%、TFA塩)。MS(ES)m/z 734(M+H)
【0239】
化合物145:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−23−メトキシ−6−オキソ−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15−ドデカヒドロ−2H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[3,2−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−4−カルボキサミド
化合物19ステップ5−7に記載のような化合物124aの処理により、白色の固体として表題化合物145を得た(25%、TFA塩)。MS(ES)m/z 736(M+H)
【0240】
化合物150:(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6−オキソ−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノピリド[3,2−r][1,5,8]オキサジアザシクロノンアデシン−4−カルボキサミド
化合物143ステップ5−6に記載の手順に従って、化合物68bによる(2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−[(6−メトキシ−7−ビニルイソキノリン−1−イル)オキシ]ピロリジニウムクロライドの処理により、白色の固体として表題化合物150を得た(14%、TFA塩)。MS(ES)m/z 762(M+H)
【0241】
化合物134:(3S,3aR,6S,8R)−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−3−メチル−4,10−ジオキソ−2,3,3a,4,7,8,12,17,18,19,20,21,22,23−テトラデカヒドロ−1H,6H−5,8:11,13−ジメタノピロロ[2,1−j][4,2,8,11]ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−6−カルボキサミド
(3S)−1−ヘプト−6−エン−1−イル−3−メチル−L−プロリン125
上記の化合物19ステップ1−2の手順に従って、ヘプト−6−エナルによるメチル(3S)−3−メチル−L−プロリネートの処理により油として表題化合物125を得た(80%)。H NMR(400MHz,DMSO−d,300K)δ5.78(m,1H)、5.03−4.92(m,2H)、3.58−3.48(m,2H)、3.19−3.01(m,2H)、3.07−2.95(m,1H)、2.34−2.22(m,1H)、2.12−2.00(m,3H)、1.69−1.55(m,3H)、1.41−1.22(m,4H)、1.18(d,J 8.8,3H)。
【0242】
(3S,3aS,6S,8R)−6−{[((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)アミノ]カルボニル}−3−メチル−4,10−ジオキソ−2,3,3a,4,7,8,12,17,18,19,20,21,22,23−テトラデカヒドロ−1H,6H−5,8:11,13−ジメタノピロロ[2,1−j][4,2,8,11]ベンゾオキサトリアザシクロイコシン−24−イウムトリフルオロアセテート
化合物19ステップ3−7に記載の手順に従って、(2S,4R)−2−(メトキシカルボニル)−4−{[(4−ビニル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)カルボニル]オキシ}ピロロリジニウムクロライドによる化合物125の処理により、固体として表題化合物134を得た(24%、TFA塩)。MS(ES)m/z 696(M+H)
【0243】
表1は、実験のセクションに記載した化合物を含む本発明の特定の化合物を一覧表示している。表は、各化合物の構造および名称ならびに質量分析(ES−MS)を通して測定されたこの分子イオンの質量+1(M+1)を提供している。化合物を調製するために使用される構成スキームを、最後の欄に示している。
【0244】
【表1】












【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化38】

の化合物または薬学的に許容されるその塩
[式中、
mは、1、2、3または4であり;
nは、0、1または2であり;
は、CO、CONRSOまたはCONRSON(Rであり;
は、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アルケニルまたはシクロアルキルは1から3個のハロで場合によって置換されており;
は、(ハロ、OR、SR、N(R、C1−6アルキル、NO、CN、CF、NRSO、SON(R、NHCO、NHCOR、NHCONHR、CO、C(O)RまたはCON(Rにより場合によって置換された)C1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3アリールまたは(CH0−3Hetであり;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、(ハロ、OR、SR、N(R、C1−6アルキル、NO、CN、CFNRSO、SON(R、NHCO、NHCOR、NHCONHR、CO、C(O)RまたはCON(Rにより場合によって置換された)C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3アリールまたはC1−6アルコキシであり;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、(1から8個のハロ、C1−4アルキルまたはN(Rにより場合によって置換された)C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、CN、NO、C3−8シクロアルキル、N(R、アリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは、独立に水素、C1−6アルキルまたはC3−8シクロアルキルであり;
は、水素またはC1−4アルキルであり;
またはRおよびRは、結合して、複素環がC1−4アルキルにより場合によって置換された、1個、2個または3個のN原子を含む5員から7員複素環を形成し;
各Wは、独立にハロ、OR、C1−6アルキル、CN、NO、CF、OCF、OCHF、CO、CON(R、COR、NRC(O)R、アリールまたはヘテロアリールであり;
Zは、結合、−CH−またはC=Oであり;
Mは、(ハロ、C1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキルまたは(CH0−3アリールにより場合によって置換され、O、NR、S、SOまたはSOを場合によって含む)C2−12アルキレンまたはC2−12アルケニレンであり;
環Bは、
【化39】

であり;
環Aは、ピリジニル、ピロリジニルまたはピリミジニルである。]。
【請求項2】
式(Io)
【化40】

の、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩 [式中、
mは、1、2、3または4であり;
nは、0、1または2であり;
は、CO、CONRSOまたはCONRSON(Rであり;
は、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アルケニルまたはシクロアルキルは1から3個のハロで場合によって置換されており;
は、(ハロ、OR、SR、N(R、C1−6アルキル、NO、CN、CF、NRSO、SON(R、NHCO、NHCOR、NHCONHR、CO、C(O)RまたはCON(Rにより場合によって置換された)C1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3アリールまたは(CH0−3Hetであり;
は、水素、(ハロ、OR、SR、N(R、C1−6アルキル、NO、CN、CFNRSO、SON(R、NHCO、NHCOR、NHCONHR、CO、C(O)RまたはCON(Rにより場合によって置換された)C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3アリールまたはC1−6アルコキシであり;
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、(1から8個のハロ、C1−4アルキルまたはN(Rにより場合によって置換された)C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、CN、NO、C3−8シクロアルキル、N(R、アリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは、独立に水素、C1−6アルキルまたはC3−8シクロアルキルであり;
は、水素またはC1−4アルキルであり;
またはRおよびRは、結合して、複素環がC1−4アルキルにより場合によって置換された、1個、2個または3個のN原子を含む5員から7員複素環を形成し;
各Wは、独立にハロ、OR、C1−6アルキル、CN、NO、CF、OCF、OCHF、CO、CON(R、COR、NRC(O)R、アリールまたはヘテロアリールであり;
Zは、結合またはC=Oであり;
Mは、(ハロ、C1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキルまたは(CH0−3アリールにより場合によって置換され、O、NR、S、SOまたはSOを場合によって含む)C2−12アルキレンまたはC2−12アルケニレンであり;
環Aは、ピリジニル、ピロリジニルまたはピリミジニルである。]。
【請求項3】
mが1または2である、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
nが0または1である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が、CO、CONRSOまたはCONRSON(Rであり、Rが請求項1に定義の通りである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
がC1−6アルキルまたはC2−6アルケニルである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
が、(ハロ、ORまたはC1−6アルキルにより場合によって置換された)C1−6アルキルまたは(CH0−33−8シクロアルキルであり、Rが請求項1に定義の通りである、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
が水素またはC1−2アルキルである、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
およびRが結合して、複素環がC1−4アルキルにより場合によって置換された、1個または2個のN原子を含む5員または6員複素環を形成している、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
が、水素、(ハロ、OR、SR、N(R、C1−6アルキル、NOまたはCNにより場合によって置換された)C1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3フェニルまたはC1−6アルコキシであり、Rが請求項1の定義の通りである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
が、水素、ハロ、ヒドロキシ、(N(Rにより場合によって置換された)C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、Rが請求項1に定義の通りである、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
各Wが、独立にハロ、OR、C1−6アルキル、CF、CO、CON(R、CORまたはNRC(O)Rであり、Rが請求項1の定義の通りである、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
Mが、(ハロ、C1−4アルキルまたはC3−6シクロアルキルにより場合によって置換され、Oを場合によって含む)C2−8アルキレンまたはC2−8アルケニレンである、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
環Aがピリジニルまたはピロリジニルである、請求項2から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
式(Ia)
【化41】

の、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩
(式中、R、R、R、RおよびMは、請求項1における定義の通りである。)。
【請求項16】
式(Ib)
【化42】

の請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩
(式中、R、R、R、RおよびMは、請求項1における定義の通りである。)。
【請求項17】
式(Ic)
【化43】

の請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩
(式中、R、R、R、RおよびMは、請求項1に定義されている。)。
【請求項18】
式(Id)
【化44】

の請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩
(式中、R、R、R、R、R、MおよびWは、請求項1に定義されている。)。
【請求項19】
以下から選択される請求項1に記載の化合物
【表2】







または薬学的に許容されるその塩。
【請求項20】
治療に使用するための請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項21】
ヒトまたは動物におけるC型肝炎ウイルスによる感染症の治療または予防のための薬物を製造するための、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項22】
請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を薬学的に許容される担体を伴って含む医薬組成物。
【請求項23】
抗ウイルス薬または(α−、β−もしくはγ−インターフェロンなどの)免疫調節薬などウイルス感染症治療用の1種または複数の他の薬剤をさらに含む、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
請求項22もしくは請求項23に記載の医薬組成物、または請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物もしくは薬学的に許容されるその塩の治療的または予防的有効量を、状態を患うヒトまたは動物対象に投与することを含む、C型肝炎ウイルスプロテアーゼを阻害する方法および/またはC型肝炎ウイルスによる疾患を治療もしくは予防する方法。

【公表番号】特表2009−541293(P2009−541293A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515966(P2009−515966)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際出願番号】PCT/GB2007/050346
【国際公開番号】WO2007/148135
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(501209427)イステイチユート・デイ・リチエルケ・デイ・ビオロジア・モレコラーレ・ピ・アンジエレツテイ・エツセ・ピー・アー (90)
【Fターム(参考)】