説明

抗ノロウイルス組成物

【課題】人に対して感染性胃腸炎や食中毒を起こさせるノロウイルスを極めて容易にかつ10秒という短時間で確実に不活化させることができ、しかも、その使用時において人に対して害のない安全性の高い抗ノロウイルス組成物を提供する。
【解決手段】アルカリ電解水を含有すると共に、その全体のpHを8〜14とした抗ノロウイルス組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人に対して感染性胃腸炎や食中毒を起こさせるノロウイルスの感染を防止するための抗ノロウイルス組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒といった大規模な集団感染の発生が大きな社会問題となっていた。
【0003】
このノロウイルスは、例えばカキなどの貝類などの食品に含まれており、これらの食品を人が食することで、感染すると共に、これらの食品を調理した際のまな板や包丁などの調理器具、調理台、食器、ふきんやタオルなどを介して感染するものであった。さらに、感染した患者のふん便や吐ぶつ、及びそれらにより汚染された部分から人の手を介して、もしくはウイルスが空気中に舞い上がるなどして二次感染が起こる可能性があり、その感染力は非常に強く、また、症状が治まったかに見えてもウイルスが長期間体内に残り、排出され続けるため、一旦、感染者がでると、大規模な集団感染へとつながるおそれがあった。そして、感染した人は、激しい下痢や腹痛、嘔吐などが起こり、特に、小さな子供やお年寄りでは重症化するおそれがあった。
【0004】
そこで、従来、ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒を防止するため、まな板や包丁などの調理器具、調理台、食器、ふきんやタオルなどのキッチン周りや、便座、ドアノブなどのトイレ周り、また吐ぶつが付着した衣類やシーツ、カーペットなどに対して、次亜塩素酸ナトリウムを用いる方法が知られていた。これは、まな板や包丁などの調理器具や調理台に、次亜塩素酸ナトリウムを噴きかけてノロウイルスを不活化させて、その感染を抑えるようにし、また、食器、ふきんやタオル、シーツなどの布製品では、希釈した次亜塩素酸ナトリウムの液に浸してノロウイルスを不活化させて、その感染を抑えるようにし、便座やドアノブなどでは、希釈した次亜塩素酸ナトリウムの液に浸したタオルで拭き取ってノロウイルスを取り除くといったことが行なわれていた。
【0005】
一方、感染した患者から二次感染が起こらないようにするため、希釈した次亜塩素酸ナトリウムの液に手を浸し、手を洗うことによって、ノロウイルスへの感染を抑えるようにするといったことも行なわれていた。ノロウイルスは一般的に消毒に用いられている消毒剤が効きにくいため、刺激の強い次亜塩素酸ナトリウムが仕方なく使用されているという実態がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒の防止にあって、調理器具や調理台、食器などにおいて、次亜塩素酸ナトリウムを用いた場合、酸性洗剤等との混合による有毒な塩素ガスの発生といった問題が起きるおそれがあった。また、金属類、特にアルミ製や銅製品の食器などに使用した際には、腐食といった問題が起こるおそれがあり、また、布製品に使用する際には脱色のおそれもある。次亜塩素酸ナトリウムは液と対象物を1〜5分以上接触させることが必要であり、使用性はもとより前記腐食や脱色のことを考慮すると問題点は多い。さらに、摂取による人体への悪影響などを考慮すると、使用後の洗浄を十分に行なう必要があり、このため、次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合には、細心の注意を払う必要があり、また、薄めた状態では性能的に不安定になりやすく、経時的に機能が損なわれる可能性が高いため、実際にウイルス用消毒剤として使用する濃度より高い濃度で販売されていることが多く、その用途によって使用者が濃度を調整する必要がありその取り扱いが極めて面倒なものであった。さらに、次亜塩素酸ナトリウム溶液は残留性がないところが良い点であるが、その欠点として酸化により効果を失いやすく、また、有機物による効果低下も大きいため、汚染度の高い部分には有効とは言い難い。
【0007】
また、希釈した次亜塩素酸ナトリウムの液によって手を洗う場合でも、洗った手が荒れるといった問題があり、特に皮膚の弱い人では手が赤くなったり、皮膚が剥けたりするおそれがあった。また、先にも述べたように即効性がないため、30秒以上の浸漬が必要であり、手に傷がある場合などには強い刺激となり、使用者に苦痛を与えていた。
【0008】
そこで、本発明は、これらの問題に鑑み、人に対して感染性胃腸炎や食中毒を起こさせるノロウイルスを極めて容易にかつ10秒という短時間で確実に不活化させることができ、しかも、その使用時において人に対して害のない安全性の高い抗ノロウイルス組成物を提供することを、その課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、アルカリ電解水を含有すると共に、その全体のpHを8〜14とした抗ノロウイルス組成物である。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、グレープフルーツ種子抽出物を含有すると共に、このグレープフルーツ種子抽出物の含有量を0.5重量%以上10.0%重量以下とした抗ノロウイルス組成物である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、抗ノロウイルス組成物として、アルカリ電解水を含有すると共に、その全体のpHを8〜14とする、あるいは、この抗ノロウイルス組成物に、グレープフルーツ種子抽出物を含有すると共に、このグレープフルーツ種子抽出物の含有量を0.5重量%以上10.0%重量以下とすることで、ノロウイルスを極めて容易にかつ10秒という短時間で確実に不活化させることができ、その感染を抑えるようにすることができ、これにより、近年、大きな社会問題となっているノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒といった大規模な集団感染の発生を防止することができる。
【0012】
また、この抗ノロウイルス組成物にあっては、アルカリ電解水を含有したもの、あるいは、グレープフルーツ種子抽出物を含有したものであるため、使用時において人に対して無害であり、安全性が極めて高く、また、塩素などを含んでいないため、腐食や脱色などの問題がなく、特に手を洗う場合、手が荒れるといった問題を解消することができ、安全面において極めて優れたものにすることができる。また、希釈などの必要がないため効力が安定しており、また、短時間で効果を発揮するため浸漬などの必要がなく、使用性も非常に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明による抗ノロウイルス組成物としては、アルカリ電解水を含有して、その全体のpHを8〜14としたもので、例えば、アルカリ電解水を含有しつつ、そこにアルコールを混合して、全体のpHを8〜14とする。なお、混合するものは、アルコールに限定されるもではなく、水などの他のものでも良いが、アルコールを混合すると、他の細菌などを排除する殺菌効果も同時に備えることができる。
【0014】
このアルカリ電解水としては、薄食塩水等の電解質水溶液を電気分解した際、陰極側に生成されるものであり、このアルカリ電解水にあっては、通常洗浄用途に使用されるpHが8〜14のものである。このアルカリ電解水は、細菌に対しての殺菌力は遅効性であり、これまで細菌やウイルスの対策品として注目されてこなかった。通常殺菌用途に使用されるpHが7以下の酸性電解水や中性電解水では、液中に次亜塩素酸が含まれるため、殺菌効果が高く、残留性がなく安全性が高いとされていたが、後述するようにノロウイルスを不活化あるいは殺滅させる効果は低かった。また、これらの酸性電解水や中性電解水は経時的な効果の低下が著しく、生成後すぐに使用しないと効果が保てないという欠点がある。
【0015】
一方、アルコールとしては、エタノール(エチルアルコール)やイソプロピルアルコール等が挙げられる。このエタノールには、糖蜜、サトウキビ等の糖質やトウモロコシ、サツマイモ、ジャガイモ等のでんぷん質を原料として作られる発酵アルコールと、エチレンに水を付加させる等して製造される合成アルコールとがある。
【0016】
さらに、前記のアルカリ電解水を含有して、その全体のpHを8〜14としたものに、グレープフルーツ種子抽出物を含有させる。具体的には、前述したアルカリ電解水を含有しつつ、そこにアルコールを混合して、全体のpHを8〜14としたものに、グレープフルーツ種子抽出物を混合して、その全体のpHを8〜14としたものである。そして、このグレープフルーツ種子抽出物の含有量としては、0.5重量%以上10.0%重量以下とするのが効果的である。さらに、このグレープフルーツ種子抽出物の含有量を0.5重量%以上2.0%重量以下とするのが、効果的にも、かつ、使用性にも優れている。
【0017】
このグレープフルーツ種子抽出物としては、グレープフルーツの果実の種子から抽出精製されたものであって、一般に食品添加物として認められたものである。
【0018】
このような抗ノロウイルス組成物にあっては、アルカリ電解水を含有しつつ、そこにアルコールを混合して、全体のpHを8〜14とする、さらには、このアルカリ電解水を含有しつつ、そこにアルコールを混合して、全体のpHを8〜14としたものに、グレープフルーツ種子抽出物を混合して、その全体のpHを8〜14とすることで、ノロウイルスを極めて容易にかつ10秒という短時間で確実に不活化させることができ、その感染を抑えるようにすることができると共に、この抗ノロウイルス組成物にあっては、アルコールにアルカリ電解水、あるいは、グレープフルーツ種子抽出物を含有させたものであるため、使用時において人に対して無害であり、安全性が極めて高く、また、塩素などを含んでいないため、、腐食や脱色などの問題をなくし、特に手を洗う場合、手が荒れてしまうといった問題を解消することができる。
【0019】
次に、この抗ノロウイルス組成物の実際の使用状態を説明する。例えば、噴霧用レバーを操作することによって噴霧口より前方に内容物が噴霧される噴霧機構付き容器を用いて、この噴霧機構付き容器の内部に当該抗ノロウイルス組成物を収容する。ただし、これは一例であって、手に使用するときなどは手押しポンプ式の容器を用いて、置いて使えるようにしたり、あるいは、その他の使用場所に応じた各種の容器を使用することができる。
【0020】
そして、この噴霧機構付き容器の内部に収容した抗ノロウイルス組成物を、噴霧口より噴霧し、例えば、まな板や包丁などの調理器具、調理台、食器、ふきんやタオルなどに直接噴きかける。これによって、たとえまな板や包丁などの調理器具、調理台、食器、ふきんやタオルなどにノロウイルスが付着していても、このノロウイルスを不活化させることができ、感染を抑えることができる。
【0021】
また、手を洗う場合でも、噴霧機構付き容器を用いて、内部に収容した抗ノロウイルス組成物を手に噴霧することで、ノロウイルスを不活化させることができ、感染を抑えることができる。
【0022】
さらに、感染した患者が収容された病院などにあっては、患者に接する医師や看護士などが手を洗う際に手に噴きかけたり、あるいは、その患者の周囲、具体的にはベッドや室内などの手摺り、トイレ内などに、抗ノロウイルス組成物を噴霧することにより、これらの場所に存在しているノロウイルスを不活化あるいは殺滅させて、二次感染が起こらないようにすることができる。なお、病院に限らず、各家庭内での手洗いに使用するのは勿論である。
【0023】
また、この抗ノロウイルス組成物にあっては、調理器具、調理台、食器、ふきんやタオルなどに直接噴きかける、または、手に噴きかけたりして、ノロウイルスを不活化あるいは殺滅させて、感染を抑えるようにするが、使用状況としては、これに限定されるものではなく、例えば、食品自体に直接噴きかけたり、調理器具や食品に浸漬したりして、ノロウイルスの不活化あるいは殺滅させるようにしても良い。
【0024】
次に、本発明による抗ノロウイルス組成物についての各種の試験を行なったので、これらについて説明する。
【0025】
・試験例1:ウイルスの感染価測定試験
まず、ノロウイルスについては、現在でも培養方法が確立されていないため、直接感染力を評価する方法がない。そこで、これらの試験には、エンベロープがなくノロウイルスとよく似た構造を持ち、培養方法が確立されているネコカリシウイルスを代替ウイルスとして用いた。
【0026】
試験品として、本発明による抗ノロウイルス組成物、具体的には、アルコール60%重量とアルカリ電解水40%重量とで混合し、その全体のpHを13.3としたもの、濃度60%アルコール(残りは水)、pH12.6としたアルカリ電解水、pH11.5としたアルカリ電解水、さらに、水のみをそれぞれ用意する。
【0027】
これらの各試験品における処理前後のウイルス感染価測定試験を行なう。このウイルス感染価測定試験は、細胞増殖培地を用いて、細胞を細胞培養用マイクロプレート(96穴)内で単層培養した後、細胞増殖培地を除いて、細胞維持培地を加える。次に、この細胞維持培地に、ネコカリシウイルスを培養した希釈したウイルス浮遊液を接種させ、37℃±1℃の炭酸ガスインキュベーター(CO濃度:5%)内で4〜7日間培養する。そして、倒立位相差顕微鏡を用いて、処理前後の細胞の形態変化(細胞変性効果)を観察し、Reed−Muench法により50%組織培養感染量(TCID50)を算出し、ウイルスの感染価に換算するものであり、この換算した値が低いほど感染力は低い。
その結果を、以下の表1に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
表1から明らかなように、濃度60%アルコール、水のみと比較して、本発明による抗ノロウイルス組成物、pH12.6のアルカリ電解水、pH11.5のアルカリ電解水は、TCID50の値が非常に低く、ウイルスの感染力を低下させていることがわかる。しかも、処理後10秒という短時間でその効果が現れている。
【0030】
・試験例2:ウイルスの感染価測定試験
ノロウイルスに対して不活化効果が得られると予想される試験品を各種用意する。試験品としては、重曹、アルコール、次亜塩素酸ナトリウム、強酸性電解水、そして、本発明による抗ノロウイルス組成物である。この本発明による抗ノロウイルス組成物は、アルカリ電解水にアルコールを混合し、全体のpHを8〜14としたものである。また、その他の試験品については、配合などの条件を異ならせて複数用意したものもある。
【0031】
なお、この試験もノロウイルスの代替ウイルスであるネコカリシウイルスを用いた。
【0032】
そして、ネコカリシウイルスを培養したウイルス浮遊液に、上記の各種の試験品をそれぞれ添加して、その後のウイルスの不活化効果、具体的には試験例1と同様、ウイルスの感染価を測定する。処理前と処理後の数値の差を対数減少係数とし、その力価を比較した。なお、対数減少係数とは、その数値が高い程、不活化の効果が高いものである。
その結果を、以下の表2に示す。
【0033】
【表2】

【0034】
表2から明らかなように、本発明による抗ノロウイルス組成物は、反応時間が10秒、対数減少係数が5.2であり、他の試験品と比べて、ネコカリシウイルスの不活化効果が極めて即効的で、効果が高いことがわかる。
【0035】
・試験例3:抗ノロウイルス組成物におけるグレープフルーツ種子抽出物の含有量の比較試験
本発明による抗ノロウイルス組成物であって、その含有するグレープフルーツ種子抽出物について、その含有量を異ならせて、ノロウイルスのRNAの分解・消失を確認する。試験方法としては、RT−PCR試験方法であって、これは、患者由来のノロウイルス浮遊液に、上記の各種の抗ノロウイルス組成物をそれぞれ添加し、攪拌し、所定時間静置した後、RNA抽出、Dnase処理、RT−PCR(逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応)、最終PCR、2.5%アガロースゲル電気泳動を行なって、その結果を解析するものである。
【0036】
なお、抗ノロウイルス組成物は、アルコール、アルカリ電解水、グレープフルーツ種子抽出物をそれぞれ含有したもので、グレープフルーツ種子抽出物については、その含有量を0重量%、0.3重量%、0.5重量%、1.0重量%としたものである。また、塩素濃度200ppmとした次亜塩素酸ナトリウムを比較例とする。
その結果を、以下の表3に示す。
【0037】
【表3】

【0038】
表3から明らかなように、グレープフルーツ種子抽出物の含有量が、0.5重量%以上となると、ウイルスのRNAの分解・消失が10分程度で起こるようになり、1.0重量%となると、ウイルスのRNAの分解・消失が2分程度で起こり、これは次亜塩素酸ナトリウムと比較しても極めて良い結果である。これは、アルカリ電解水及びグレープフルーツ種子抽出物がウイルスの核酸自体に作用し、分解・消滅させた結果であり、ノロウイルスを完全に殺滅させた結果であると予想される。なお、グレープフルーツ種子抽出物の含有量は、多ければ効果は高くなるものと予想されるが、使用後のベタツキなどが残りやすくなることから、10.0重量%以下が好ましい。
【0039】
・試験例4:性能比較
従来ノロウイルス対策として一般的に用いられていた次亜塩素酸ナトリウムと、本発明による抗ノロウイルス組成物の性能を比較した。なお、本発明による抗ノロウイルス組成物は、上記の試験例3で用いられたものと同様のものである。
その結果を、以下の表4に示す。
【0040】
【表4】

【0041】
表4から明らかなように、本発明による抗ノロウイルス組成物では、ウイルスの不活化効果が高く、さらにはその他の問題点の発生がないのに対し、次亜塩素酸ナトリウムでは、腐食、脱色、有機物による分解、有毒ガスの発生、汚染、経時的効力の低下といった問題がある。
【0042】
・試験例5:抗ノロウイルス組成物における全体のpHの比較試験
本発明による抗ノロウイルス組成物であって、その全体のpHについて試験する。これは、pHが1から7以下の酸性電解水や中性電解水を用いたものと、アルカリ性の電解水を用いて全体のpHが8〜14となるものとを、上記の試験例2で行なった不活化効果試験と同じ試験を行なって、ウイルスの不活化効果を調べた。
【0043】
その結果、アルカリ電解水を用いて、全体のpHが8〜14となったものは、ウイルスの不活化効果が高いのに対し、pHが1から7以下の酸性電解水や中性電解水を用いたものでは、ウイルスの不活化効果が低いという結果がでた。これについては、アルカリにおける強力なタンパク変性作用により、これがウイルスのカプシドに作用して、ウイルスを感染できない状態にする、要するに、ウイルスを不活化させていると考えられる。よって、アルカリ電解水を用いて、その全体のpHを8〜14としたものが良い。
【0044】
なお、前述した抗ノロウイルス組成物、すなわち、アルカリ電解水を含有して、その全体のpHを8〜14としたもの、さらには、このアルカリ電解水にグレープフルーツ種子抽出物を含有して、その全体のpHを8〜14としたものは、それぞれの相互作用により、ウイルスの中でも薬剤耐性が強いとされるノロウイルス、ロタウイルスなどのエンベロープを持たないウイルスは勿論のこと、他の細菌やウイルスに対しても極めて強力な効果を示す。また、その効果は、ノロウイルス、ロタウイルスなどのエンベロープを持たないウイルスに対して、ウイルスの不活化のみならず、ウイルス核酸自体を分解・消失でき、これにより、ウイルスを確実に殺滅させることができる。しかも、その使用時において安全性が高く、対象物を腐食、脱色せず、短時間で効果を発揮するため、その使用性が非常に良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ電解水を含有すると共に、その全体のpHを8〜14としたことを特徴とする抗ノロウイルス組成物。
【請求項2】
グレープフルーツ種子抽出物を含有すると共に、このグレープフルーツ種子抽出物の含有量を0.5重量%以上10.0%重量以下としたことを特徴とする請求項1記載の抗ノロウイルス組成物。

【公開番号】特開2009−292736(P2009−292736A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144739(P2008−144739)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(000112853)フマキラー株式会社 (155)
【Fターム(参考)】