説明

抗菌及び抗腫瘍特性を有する新規マクロライド化合物

本発明は、微生物感染、特に薬剤耐性ブドウ球菌を含む感染症、並びにヒト及び動物の癌の治療に用いられる医薬及び農薬の少なくとも一方として有用な抗菌活性及び抗腫瘍活性を有する一般式Iの新規マクロライド化合物に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌活性及び抗腫瘍活性を有する新規化合物WBI−3001の提供に関する。また、本発明は、微生物ゼノラブダス(Xenorhabdus)種を培養することを含んで構成されるWBI−3001系の製造方法の提供に関する。更に、本発明は、WBI−3001又はその塩を含有する抗菌及び抗腫瘍組成物の提供と、本発明の化合物を抗菌及び抗腫瘍剤として用いる方法の提供とに関する。
【0002】
下図は、新規化合物群であるWBI‐3001系の構造式を示している。
【0003】
【化16】

【0004】
[ここで、R、R、R、R、R、R’、R、R’、R、R’、R、R’、R及びR’は、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ニトロ、CN、ヒドロキシル、アミノ、COR10、NR1112、S(O)NR1112、S(O)11、n=0〜2、OR13、及び複素環基からなる群より選択される。但し、R及びR’、R及びR’、R及びR’、R及びR’、R及びR’は、それぞれ同時に、ニトロ、CN、ヒドロキシル、アミノ、COR10、NR1112、S(O)NR1112を表さない。R10は、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アリール、又は、アラルキル、又は、NR1112、又はOR11からなる群より選択され、R11及びR12は、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アリール、及びアラルキルからなる群より選択され、R13は、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、及びアシルからなる群より選択される。]
【背景技術】
【0005】
人、家畜及び作物の害虫及び病気などの問題は、かつて、合成殺虫剤や化学療法剤の使用により防除されるところとなったが、近年、社会的、法的、生物学的変化によりこの問題が世界各地で再燃していることが次第に明らかとなってきている。医療及び農林業では共に、多種の微生物において殺虫剤や化学療法薬に対する耐性が発現してきていることにより、問題が人類にとって徐々により困難なものになりつつある。同様に、人及び動物の腫瘍性疾患の治療は、依然として大きな課題を抱えている。したがって、病気を効果的に防除できる新規農薬及び新規医薬の開発が急務となっている。新規薬剤及び農薬発見の慣例的なソースは、土壌に生息する微生物による微生物生産物の多様性である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
最近の成果の1つには、害虫に対する生物学的防除剤としての線虫‐細菌の組み合わせを製品化したことが挙げられる。この生物防除剤の極めて重要な特徴は、線虫の共生細菌(ゼノラブダス種(Xenorhabdus spp.)又はホトルハブダス種(Photorhabdus spp.))が、抗菌物質を含む広範な生物活性代謝産物を産生し、この代謝産物が細菌、真菌類及び酵母の成長を阻害することである(Webster et al., 2002)。
【0007】
この点についてゼノラブダス種及びホトルハブダス種の生態に関して刊行された出版物の数は限られているものの、生物活性物質がこれらの細菌から産生されることは認められてきている。その特異的な化合物の幾つかは、単離同定され、その構造も解明されている(Forst及びNealson, 1996)。近年、ゼノラブダス種及びホトルハブダス発光細菌の無細胞培養ブロスが、農業及び医薬において重要な真菌類の多くに対して陽性であることが見出された(Chen et al., 1994)。これらの細菌培地からは、2つの新規な抗菌物質のクラス、つまりネマトフィン(nematophin)(Webster et al.、米国特許第5569668号)及びゼノルキサイド(xenorxide)(Webster et al.、米国特許第6316476号)が発見された。同様に、ゼノルキサイドが、極めて強力な抗腫瘍活性を有することも明らかにされている(Webster et al.、米国特許第6020360号)。これらの細菌に関する進行中の研究の一端として、WBI‐3001系、つまり新規化学物質群が、極めて効力の強い抗菌活性及び抗腫瘍活性を有することが発見された。本発明はこの化合物群に関するものである。尚、従来技術文献には、WBI‐3001の存在は示されておらず、WBI‐3001の使用又は抗生物質製剤又は抗腫瘍剤としての実施可能な如何なる態様も示されていない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
微生物
本研究に用いたゼノラブダス・ボビエニ(Xenorhabdus bovienii、以下、X.bovienii)及びその共生線虫であるスタイナーネマ・フェルティアエ(Steinernema feltiae)は、カナダ、ブリティッシュコロンビアの土壌より採取し、J. M. Webster博士の研究室(Department of Biological Sciences, Simon FraserUniversity, Burnaby, B.C., CanadaV5A 1S6)で培養して維持した。概略的には、ハチノスツヅリガ(Greater Wax Moth、Galleria mellonella)の終齢幼虫に、X.bovieniiA21株を保持した感染性幼虫(infective juvenile、IJ)線虫を、1幼虫あたり25IJの割合で感染させた。24〜48時間後、死亡した昆虫幼虫を95%エタノールに浸漬し点火して表面を殺菌した。その死体を無菌的に解剖した後、血リンパを寒天培地上で画線培養し、暗所室温でインキュベートした。本発明の化合物が単離される菌株は、ブダペスト条約の下、アメリカ培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection, Rochville, Md.)に受託番号ATCC55743で寄託した。菌株の単離方法及び特徴は、Websterらの米国特許第6583171号に詳述されている。
【0009】
WBI‐3001の製造
微生物X.bovieniiの培養により、新規物質であるWBI‐3001が産生される。WBI‐3001を得るために、X.bovieniiを、例えば、約25℃液中好気条件下で、同化可能炭素(炭水化物)及び窒素源を含む水性栄養培地で、WBI‐3001による抗菌活性が培地に与えられるまで、培養(発酵)する。発酵は、その発酵期間の終わりに抗生物質であるWBI‐3001が産生されるよう所定期間(例えば、約48〜96時間)行って、発酵培地から分離精製する。
【0010】
発酵完了後、発酵したブロスを、ろ過又は遠心分離し、ろ液のpHを、塩酸添加により約7.0に調整するか又はそのままとする。その後、このろ液を、不水溶性有機溶媒(例えば、酢酸エチル又はクロロホルム)で、抽出する。混合有機層(例えば、酢酸エチル又はクロロホルム混合抽出物)を、真空下で濃縮して(例えば、約30℃)、油状の残渣(「シロップ」)を得る。この油状残渣を、少量の有機溶媒と混合して、シリカゲルカラムでクロマトグラフィーを行う。試料の導入後、クロロホルム又は他の有機溶媒を用いて、生物活性画分を溶出する。得られた生物活性画分を、有機溶媒又は水溶液を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で更に精製する。
【0011】
本発明の化合物は、WBI-3001及びその塩を含有する。本明細書において、用語「塩」は、無機又は有機の酸及び塩基で形成された酸性塩及び塩基性塩の少なくとも一方を意味する。適切な酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、ベンゼンスルホン酸、酢酸、マレイン酸、酒石酸、及びその他製薬学的に許容される酸が含まれる。特に本発明の化合物を医薬として用いる場合は製薬学的に許容される塩が好ましいが、例えば、本発明の化合物を加工するにあたって又は非医薬用途が予定されているときには、他の塩も採用可能である。
【0012】
WBI‐3001とその使用
WBI-3001が、動植物に対して病原性を持つ微生物に対して抗菌活性を有するため、そのような生物による感染、とりわけ抗生物質耐性菌、例えば、ブドウ球菌属の細菌による感染の治療及び予防に用いることができる。治療可能な宿主には、植物並びに動物、特に哺乳類、例えば、イヌ、ネコ及び他の家畜、並びに、特に、ヒトが含まれる。
【0013】
更に、WBI‐3001は、ヒト癌細胞株の幾種かに対して強力な抗腫瘍活性を有する。何より重要なことに、WBI‐3001は、ヒト肺癌の成長並びにヒト子宮頸癌及び乳癌の成長を阻害することが認められた。
【0014】
剤形及び投与方法並びに投与量は、熟練当業者により選択されることとしてもよい。一例としては、ヒト成人の1日投与量は、約2.5mg〜約2000mg/日である。哺乳類宿主への投与は、例えば、経口、非経口又は局所投与としてもよい。植物宿主への投与は、例えば、種子、葉若しくは他の植物部位、又は、土壌に施用することにより達成してもよい。
【0015】
WBI‐3001又はその塩を治療に用いる場合、それらは、単独で、又は、活性成分に加えて1種以上の一般的に用いられる担体を含有する製薬学的に適当な製剤で、投与可能である。本発明の組成物は、疾患又は投与経路の性質に応じて、既知の手段により調製可能である。
【0016】
医薬組成物の例には、経口、局所、非経口投与に適した任意の固体(錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等)又は液体(液剤、懸濁剤又は乳剤)の組成物が含まれ、この医薬組成物は、純粋な化合物若しくはその塩又は任意の担体若しくは他の製薬学的に活性のある化合物との組み合わせを含有してもよい。この組成物は、非経口で投与する場合に、滅菌操作を必要としてもよい。
【0017】
投与量は、病気の同一性、関係宿主のタイプ(年齢、健康状態、体重等を含む)、併用療法の場合にはその種類、並びに治療の頻度及び治癒比、に応じて決定される。一例としては、投与される活性成分の投与量レベルは、宿主の体重あたり、0.1〜約200mg/kg(静脈内投与)、1〜約500mg/kg(筋肉内投与)、5〜約1000mg/kg(経口投与)、5〜約1000mg/kg(点鼻)、及び5〜約1000mg/kg(エアロゾル投与)である。濃度で言えば、皮膚、鼻腔内、咽頭、気管支、膣内、直腸内又は眼に局所的に使用される本発明の組成物中に、活性成分は、組成物の約0.01〜約50%w/w、好ましくは約1〜約20%w/wの濃度で含むことができる。また、非経口用途と同様に、本発明は、組成物の約0.05〜約50%w/v、好ましくは約5〜20%w/vの濃度で使用可能である。動物及びヒトの病気を治療するための抗生物質製剤及び抗腫瘍剤の少なくとも一方に用いられる活性成分として使用されるWBI‐3001又はその塩は、当業的に入手可能で且つ既に確立された方法により調製可能な製薬材料を用いて、このような単位剤形(unit dosage form)に容易に調製することができる。適当な固体又は液体の賦形剤又は希釈剤を選択してもよく、本発明の組成物は、熟練当業者に知られた方法により調製されてもよい。
【0018】
農業での利用では、抗生物質組成物を、複数在る活性成分の1つと不活性担体とを用いて形成してもよい。固体として調製する場合、活性成分を、例えば、フラー土、カオリン粘土、シリカ又は他の水和(wettable)無機希釈剤等の典型的な担体と混合してもよい。また、乾燥活性成分と、例えば、滑石、キースラガー、葉ろう石、クレー、珪藻土等の微粉固体とを組み合わせた、流動性(Free-flowing)粉剤を利用してもよい。
【0019】
また、この粉剤を、液体担体における溶解度に応じて、懸濁液又は溶液として用いてもよい。加圧スプレー、代表的にはエアロゾルを、低沸点分散剤溶液担体に分散させた活性成分と共に用いてもよい。重量パーセントは、組成物の用途及び使用される剤形に応じて変化させてもよい。代表的には、活性成分は、抗生物質組成物中に重量で0.005%〜95%の活性成分を含有する。抗生物質組成物を、成長調節剤、殺虫剤、肥料等を含む他の添加物と共に用いてもよい。活性成分を、適用性を補い、取扱いを容易にし、化学的安定性を維持し、有効性を高めるように調製するために、種々の物質を添加する必要が生じてもよい。溶媒は、活性成分の溶解度、火災危険度及び引火点、乳化性、比重並びに経済的な諸考慮への影響を基に選択してもよい。また、活性成分を増強するために補助剤を添加してもよく、この補助剤には、陰イオン、陽イオン又は非イオン性界面活性剤が含まれる。更に、安定剤及び不凍剤化合物により、保管を長期化させることができる。加えて、市販製剤の取扱適性を向上させるために、共力剤、粘着剤、展着剤及び脱臭剤化合物を添加することもできる。或いは、活性成分を、不活性担体(例えば、炭酸カルシウム)と併用することもでき、一定量の活性成分を送達することを目的とした丸剤又は他の消耗送達デバイス(放出制御デバイスを含む)に形成することもできる。
【0020】
更に、本発明の化合物を、生きている宿主の表面又は外側の培地に存在する微生物の増殖を阻害する上で又は微生物を死滅させる上で有用な抗生物質剤として用いてもよい。例えば、本発明の化合物又はその塩を、微生物の増殖に影響されやすい種々の固体及び液体培地用の消毒薬として用いることもできる。本発明の化合物の適当な量は、熟練当業者に知られた方法により決定することができる。
【0021】
尚、以下に示す実施例は、本発明を更に説明するために記載するものであって、本発明の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0022】
実施例1.X.bovienii培養ブロスからのWBI‐3001の製造及び単離
X.bovieniiの初期形態を維持しつつ、14日インターバルで継代培養した。1白金耳量の培養菌を100mL容エルレンマイアーフラスコ中のトリプティックソイブロス(TSB)50mLに添加して、初期形態の接種菌液を作成した。培養物は、Eberbachジャイロロータリーシェーカーで、120rpm、25℃で24時間振とうした。得られた細菌培養物100mLを、2000mL容フラスコ内でTSB900mLに添加して細菌発酵を開始した。このフラスコを、Eberbachジャイロロータリーシェーカーを用いて暗所25℃でインキュベートした。96時間後、培養物をまず遠心分離し(12000xg、20分、4℃)、細菌性細胞を分離した。培地20Lに、X.bovieniiを接種した。接種培地を37℃で3日間インキュベートした。その後、培地を酢酸エチル20Lで3回にわたって粉砕抽出した。抽出物を一纏めにし、真空下で蒸発させた。蒸発後、約20gの油状物質を得た。この油状物質に、ヘキサン100mLを加え、得られた混合物を30分間撹拌した。この処理により、固体沈殿物が生じた。ろ過により、約10gの固体を回収した。この固体を、クロロホルム20mLに再溶解し、シリカゲルカラムに導入してクロマトグラフィーにより分離した。溶出液にはクロロホルム/メタノール(9:1)混合物を用いた。化学成分毎の分離はTLCで確認した。クロマトグラフィーにより精製した化学成分で、抗菌活性試験を行った。特異的な抗菌活性を有する化学成分が1種確認され、NMR及びMSにより同定した。この化学成分の構造を以下に示す。
【0023】
実施例2.WBI‐3001の同定
NMRスペクトルは、BrukerWM600分光計でCで記録した。低分解能MSは、Hewlett−Packard5985B GC/MSシステム(70eV、ダイレクトプローブ使用)で得た。CIMSスペクトルは、上述したものと同一の装置を用いイソブタンで得た。高分解能MSは、KratosMS80装置で記録した。HPLC及びUV分析は、Waters2695及びWaters996PDA検出器で行った。
【0024】
H NMR(C5D5N)(600Hz)δ0.87(dd,6H,J=7.2Hz),1.42(mult.,1H),1.83(mult.,2H),1.92(mult.,2H),2.21(mult.,1H),2.35(mult,1H),2.94(dd,1H,J=16Hz,J=3Hz),3.21(dd,1H,J=16Hz,J=13Hz),3.41(mult.,1H),4.40(mult.,1H),4.66(mult.,1H),4.72(dd.,1H,J=16Hz,J=3Hz),4.88(d,1H,J=6Hz),5.02(dd,1H,J=6Hz,J=3Hz),6.62(d,1H,J=7Hz),6.97(d,1H,J=8Hz),7.35(t,1H,J=8Hz),8.78(d,1H,J=9Hz).
【0025】
13C NMR(C5D5N)(600Hz)δ21.76(C−1),23.41(C−1’),24.70(C−8),24.94(C−2),25.91(C−7),30.10(C−6),39.93(C−3),45.53(C−12),49.39(C−4),62.46(C−9),71.78(C−11),74.16(C−10),81.77(C−5),109.07(C−18),115.95(C−20),118.67(C−19),136.50(C−17),140.78(C−15),162.40(C−16),17O.O1(C−13),173.99(C−14).
MS:408(CI)(M+1)
UV(CHCN:HO=2:8):Dmax(logε)314.8nm(3.7).
【0026】
実施例3.抗生物質剤としてのWBI‐3001
以下に記載する実験は、WBI‐3001の抗菌特性を示すために行った。WBI‐3001の最小阻止濃度(MIC)を測定するために、標準希釈法(standard dilution method)を用いた。この試験は、35℃で行い、MICは24時間のインキュベーション後に測定した。
【0027】
表1は、各化合物について各微生物に対して測定したMICを示している。結論として、ゼノラブダスから単離したWBI‐3001は、特に幾つかの抗生物質耐性ブドウ球菌株に対して、強力な抗菌特性を有していることが示されている。
【0028】
【表1】

【0029】
実施例4.抗腫瘍剤としてのWBI‐3001
WBI‐3001の抗腫瘍活性を、ヒト肺癌H460、乳癌MCF‐7及び子宮頸癌Helaの細胞培養液においてインビトロで測定した。この試験は、Skehanら(1990)による方法を用いて行った。WBI‐3001は、これらの癌細胞に対して極めて強い抗腫瘍活性を示している。
【0030】
【表2】

【0031】
以上、具体的な記載が多く含まれているが、これは本発明の範囲を限定するものとしてではなく、好ましい実施形態の例示であると解釈されるべきものである。したがって、本発明の範囲は、ここに記載した実施形態により決定されるものではなく、特許請求の範囲及びその法的均等物により決定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

で示される化合物又はその塩。
[ここで、
、R、R及びRは、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ニトロ、CN、ヒドロキシル、アミノ、COR、NR10、S(O)NR10、S(O)、n=0〜2、OR11、及び複素環基からなる群より選択される。
及びRは、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ニトロ、CN、ヒドロキシル、アミノ、COR、及びNR10からなる群より選択される。
は、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、及び複素環基からなる群より選択される。
は、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アリール、及びアラルキルからなる群より選択される。
及びR10は、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アリール、及びアラルキルからなる群より選択される。
11は、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、及びアシルからなる群より選択される。
‐(X‐Z)‐は、式
【化2】

に示される構造を有する。
12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ニトロ、CN、ヒドロキシル、アミノ、COR、NR10、S(O)NR10、S(O)、n=0〜2、OR11、及び複素環基からなる群より選択される。]
【請求項2】
は、ヒドロキシルであり、
、R、及びRは、Hである、
請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
は、ヒドロキシルであり、
は、イソブチルである、
請求項2に記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
12及びR13は、ヒドロキシルであり、
14及びR15は、Hである
請求項3に記載の化合物又はその塩。
【請求項5】
‐(X‐Z)‐は、‐(CHR16‐CHR17)‐である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
[ここで、R16及びR17は、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、及びアラルキルからなる群より選択される。]
【請求項6】
‐(X‐Z)‐は、式
【化3】

で示される構造を有する、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項7】
‐(X‐Z)‐は、式
【化4】

で示される構造を有する、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項8】
‐(X‐Z)‐は、式
【化5】

で示される構造を有する、請求項1に記載の化合物又はその塩。
[ここで、R14、R15、R16及びR17は、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ニトロ、CN、ヒドロキシル、アミノ、COR、NR10、S(O)NR10、S(O)、n=0〜2、OR11、及び複素環基からなる群より選択される。]
【請求項9】
一般式I:
【化6】

で示される化合物又はその塩を含有する薬剤組成物。
[ここで、
、R、R及びRは、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ニトロ、CN、ヒドロキシル、アミノ、COR、NR10、S(O)NR10、S(O)、n=0〜2、OR11、及び複素環基からなる群より選択される。
及びRは、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ニトロ、CN、ヒドロキシル、アミノ、COR、及びNR10からなる群より選択される。
は、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、及び複素環基からなる群より選択される。
は、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アリール、及びアラルキルからなる群より選択される。
及びR10は、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アリール、及びアラルキルからなる群より選択される。
11は、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、及びアシルからなる群より選択される。
‐(X‐Z)‐は、式
【化7】

に示される構造を有する。
12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ニトロ、CN、ヒドロキシル、アミノ、COR、NR10、S(O)NR10、S(O)、n=0〜2、OR11、及び複素環基からなる群より選択される。]
【請求項10】
‐(X‐Z)‐は、‐(CHR16‐CHR17)‐であり、
16及びR17は、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、及びアラルキルからなる群より選択される、
請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
‐(X‐Z)‐は、式
【化8】

で示される構造を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
‐(X‐Z)‐は、式
【化9】

で示される構造を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
‐(X‐Z)‐は、式
【化10】

で示される構造を有する、請求項9に記載の組成物。
[ここで、R14、R15、R16及びR17は、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ニトロ、CN、ヒドロキシル、アミノ、COR、NR10、S(O)NR10、S(O)、n=0〜2、OR11、及び複素環基からなる群より選択される。]
【請求項14】
微生物感染及び腫瘍性疾患を含んで構成される疾患を治療するための薬剤の調製における、一般式I
【化11】

で示される化合物及びその塩の使用。
[ここで、
、R、R及びRは、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ニトロ、CN、ヒドロキシル、アミノ、COR、NR10、S(O)NR10、S(O)、n=0〜2、OR11、及び複素環基からなる群より選択される。
及びRは、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ニトロ、CN、ヒドロキシル、アミノ、COR、及びNR10からなる群より選択される。
は、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、及び複素環基からなる群より選択される。
は、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アリール、及びアラルキルからなる群より選択される。
及びR10は、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アリール、及びアラルキルからなる群より選択される。
11は、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、及びアシルからなる群より選択される。
‐(X‐Z)‐は、式
【化12】

に示される構造を有し、
12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ニトロ、CN、ヒドロキシル、アミノ、COR、NR10、S(O)NR10、S(O)、n=0〜2、OR11、及び複素環基からなる群より選択される。]
【請求項15】
‐(X‐Z)‐は、‐(CHR16‐CHR17)‐であり、
16及びR17は、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、及びアラルキルからなる群より選択される、
請求項14に記載の使用。
【請求項16】
‐(X‐Z)‐は、式
【化13】

で示される構造を有する、請求項14に記載の使用。
【請求項17】
‐(X‐Z)‐は、式
【化14】

で示される構造を有する、請求項14に記載の使用。
【請求項18】
‐(X‐Z)‐は、式
【化15】

で示される構造を有し、
14、R15、R16及びR17は、それぞれ独立に、H、非置換又は置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ニトロ、CN、ヒドロキシル、アミノ、COR、NR10、S(O)NR10、S(O)、n=0〜2、OR11、及び複素環基からなる群より選択される、
請求項14に記載の使用。

【公表番号】特表2009−519252(P2009−519252A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544720(P2008−544720)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【国際出願番号】PCT/CA2006/001934
【国際公開番号】WO2007/068084
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(508259663)ワイへ ファーマシューティカル カンパニー リミテッド ユイシー シティー ユンナン プロビンス (1)
【Fターム(参考)】