説明

抗菌性1,2,4−トリアゾリル誘導体

本発明は、下に定義する通りの式(I)、(II)および(IV)の新規のトリアゾール化合物、それらを含む農薬および医薬組成物、ならびにそれらの殺菌剤、抗真菌薬、抗ガン薬および抗ウイルス薬としての使用に関する。
【化1】


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IおよびII
【化1】

[式中、
R1は、C1〜C10-アルキル、C1〜C10-ハロアルキル、C2〜C10-アルケニル、C2〜C10-ハロアルケニル、C2〜C10-アルキニル、C2〜C10-ハロアルキニル、C3〜C10-シクロアルキル、C3〜C10-ハロシクロアルキル、C3〜C10-シクロアルキル-C1〜C4-アルキル、C3〜C10-ハロシクロアルキル-C1〜C4-アルキル(ここで、最後に述べた4種の基におけるシクロアルキル部分は、1、2、3または4個の置換基R8を有してもよい)、1、2、3、4または5個の置換基R7を有してもよいフェニル、ならびに環員としてN、O、S、SOおよびSO2より選択される1、2または3個のヘテロ原子またはヘテロ原子含有基を含む飽和、部分的不飽和または完全不飽和3、4、5、6または7員複素環(ここで、複素環は1、2または3個の置換基R7を有してもよい)より選択され;
R2は、水素および保護基より選択され;
R3およびR4は、互いに独立して、かつそれぞれの出現ごとに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C2〜C4-アルケニル、C2〜C4-ハロアルケニル、C2〜C4-アルキニル、C2〜C4-ハロアルキニル、C1〜C4-アルコキシおよびC1〜C4-ハロアルコキシより選択され;
または、R3およびR4は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、飽和、部分的不飽和または完全不飽和3、4、5、6または7員炭素環または複素環(ここで、複素環は、環員としてN、O、S、SOおよびSO2より選択される1、2または3個のヘテロ原子またはヘテロ原子含有基を含む)を形成し;
R5は、C3〜C10-シクロアルキル、C3〜C10-ハロシクロアルキル(ここで、最後に述べた2種の基におけるシクロアルキル部分は、1、2、3または4個の置換基R8を有してもよい)、C3〜C10-シクロアルケニル、C3〜C10-ハロシクロアルケニル(ここで、最後に述べた2種の基におけるシクロアルケニル部分は、1、2、3または4個の置換基R8を有してもよい)、1、2または3個の置換基R9を有してもよいアリール、ならびに環員としてN、O、S、SOおよびSO2より選択される1、2または3個のヘテロ原子またはヘテロ原子含有基を含む飽和、部分的不飽和または完全不飽和3、4、5、6または7員複素環(ここで、複素環は1、2または3個の置換基R10を有してもよい)より選択され;
R6は、水素、C1〜C10-アルキル、C1〜C10-ハロアルキル、C2〜C10-アルケニル、C2〜C10-ハロアルケニル、C2〜C10-アルキニル、C2〜C10-ハロアルキニル、C3〜C10-シクロアルキル、C3〜C10-ハロシクロアルキル、フェニル、フェニル-C1〜C4-アルキル(ここで、最後に述べた2種の基におけるフェニル部分は、1、2、3、4または5個の置換基R11を有してもよい)、ならびに環員としてN、OおよびSより選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む5または6員飽和、部分的不飽和または芳香族複素環(ここで、複素環は1、2または3個の置換基R11を有してもよい)より選択され;または、mが0である場合には、-C(=O)R12、-C(=S)R12、-S(O)2R12、-CN、-P(=Q)R13R14、Mおよび式III
【化2】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびnは式IおよびIIに関して定義された通りであり;
#は分子の残りの部分への結合位置である)
の基より選択されてもよく;
R6aは、水素、C1〜C10-アルキル、C1〜C10-ハロアルキル、C2〜C10-アルケニル、C2〜C10-ハロアルケニル、C2〜C10-アルキニル、C2〜C10-ハロアルキニル、C3〜C10-シクロアルキル、C3〜C10-ハロシクロアルキル、フェニル、フェニル-C1〜C4-アルキル(ここで、最後に述べた2種の基におけるフェニル部分は、1、2、3、4または5個の置換基R11を有してもよい)、環員としてN、OおよびSより選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む5または6員飽和、部分的不飽和または芳香族複素環(ここで、複素環は1、2または3個の置換基R11を有してもよい)、-C(=O)R12、-C(=S)R12、-S(O)2R12、-CN、-P(=Q)R13R14ならびにMより選択され;
それぞれのR7は、ハロゲン、ニトロ、CN、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルコキシおよびNR15R16より独立して選択され;
それぞれのR8は、ニトロ、CN、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルコキシおよびNR15R16より独立して選択され;
それぞれのR9は、ハロゲン、ニトロ、CN、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルコキシおよびNR15R16より独立して選択され;
それぞれのR10は、ハロゲン、ニトロ、CN、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルコキシおよびNR15R16より独立して選択され;
それぞれのR11は、ハロゲン、ニトロ、CN、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルコキシおよびNR15R16より独立して選択され;
R12は、水素、C1〜C10-アルキル、C1〜C10-ハロアルキル、C1〜C10-アルコキシ、C1〜C10-ハロアルコキシ、C1〜C10-アミノアルキル、C3〜C10-シクロアルキル、C3〜C10-ハロシクロアルキル、フェニル、フェニル-C1〜C4-アルキル(ここで、最後に述べた2種の基におけるフェニル部分は1、2、3、4または5個の置換基R11を有してもよい)、環員としてN、OおよびSより選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む5または6員飽和、部分的不飽和または芳香族複素環(ここで、複素環は1、2または3個の置換基R11を有してもよい)、ならびにNR15R16より選択され;
R13およびR14は、互いに独立して、C1〜C10-アルキル、C1〜C10-ハロアルキル、C2〜C10-アルケニル、C2〜C10-ハロアルケニル、C2〜C10-アルキニル、C2〜C10-ハロアルキニル、C3〜C10-シクロアルキル、C3〜C10-ハロシクロアルキル、C1〜C10-アルコキシ、C1〜C10-ハロアルコキシ、C1〜C4-アルコキシ-C1〜C10-アルキル、C1〜C4-アルコキシ-C1〜C10-アルコキシ、C1〜C10-アルキルチオ、C1〜C10-ハロアルキルチオ、C2〜C10-アルケニルオキシ、C2〜C10-アルケニルチオ、C2〜C10-アルキニルオキシ、C2〜C10-アルキニルチオ、C3〜C10-シクロアルコキシ、C3〜C10-シクロアルキルチオ、フェニル、フェニル-C1〜C4-アルキル、フェニルチオ、フェニル-C1〜C4-アルコキシ、およびNR15R16より選択され;
それぞれのR15は、水素およびC1〜C8-アルキルより独立して選択され;
それぞれのR16は、水素、C1〜C8-アルキル、フェニル、およびフェニル-C1〜C4-アルキルより独立して選択され;
またはR15およびR16は、一緒になって、直鎖C4-もしくはC5-アルキレン架橋または基-CH2CH2OCH2CH2-もしくは-CH2CH2NR17CH2CH2-を形成し;
それぞれのR17は、水素およびC1〜C4-アルキルより独立して選択され;
Qは、OまたはSであり;
Mは、等価の金属カチオンまたは式(NRaRbRcRd)+(式中、Ra、Rb、RcおよびRdは、互いに独立して、水素、C1〜C10-アルキル、フェニルおよびベンジルより選択され、ここで、最後に述べた2種の基におけるフェニル部分は、ハロゲン、CN、ニトロ、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルコキシおよびNR15R16より独立して選択される1、2または3個の置換基を有してもよい)のアンモニウムカチオンであり;
mは、0、1、2または3であり;
nは、2、3、4、5、6または7である]
のトリアゾール化合物およびその農業上許容される塩。
【請求項2】
R1が、C1〜C6-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C3〜C6-シクロアルキル、C3〜C6-ハロシクロアルキル、C3〜C6-シクロアルキル-C1〜C2-アルキル、C3〜C6-ハロシクロアルキル-C1〜C2-アルキル(ここで、最後に述べた4種の基におけるシクロアルキル部分はメチル、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルより選択される1または2個の置換基を有してもよい)、1、2、3、4または5個の置換基R7を有してもよいフェニル、ならびに環員としてN、OおよびSより選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む5または6員芳香族複素環(ここで、芳香族複素環は1、2または3個の置換基R7を有してもよい)より選択される、請求項1に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項3】
R1が、tert-ブチル、フェニル、シクロプロピル、1-メチルシクロプロピル、1-クロロシクロプロピルおよび1-シクロプロピルエチルより選択され、好ましくはtert-ブチルである、請求項2に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項4】
R2の定義における保護基が、C1〜C6-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C4-ハロアルケニル、C1〜C4-アルキルカルボニル、C1〜C4-ハロアルキルカルボニル、C1〜C4-アルコキシカルボニル、C1〜C4-ハロアルコキシカルボニル、C1〜C4-アルキルアミノカルボニル、およびジ-(C1〜C4-アルキル)-アミノカルボニルより選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項5】
R2が水素である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項6】
R3およびR4が、互いに独立して、かつそれぞれの出現ごとに独立して、水素、ハロゲンおよびC1〜C4-アルキルより選択され、好ましくは水素、F、Cl、メチルおよびエチルより選択され、より好ましくはR3およびR4のうちの1つがメチルであり、残りの基R3およびR4がすべて水素であるか、すべての基R3およびR4が水素である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項7】
R5が、1、2または3個の置換基R9を有してもよいフェニル、ならびに環員としてN、OおよびSより選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む5または6員芳香族複素環(ここで、芳香族複素環は1、2または3個の置換基R10を有してもよい)より選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項8】
R5が、1、2または3個の置換基R9を有してもよいフェニルである、請求項7に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項9】
R9が、ハロゲン、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシより選択され、好ましくはハロゲンより選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項10】
R5が、1個のフッ素置換基を有するフェニルである、請求項8に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項11】
R5が、ニトロ、CN、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルコキシおよびNR15R16より選択される1、2または3個の置換基R9を有してもよいフェニルである、請求項8に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項12】
R5が、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシおよびC1〜C4-ハロアルコキシより選択される1、2または3個の置換基R9を有してもよいフェニルである、請求項11に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項13】
R5が、メチルおよびトリフルオロメチルより選択される1、2または3個の置換基R9を有してもよいフェニルである、請求項12に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項14】
R5が、ハロゲン、ニトロ、CN、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルコキシおよびNR15R16より選択される2または3個の置換基を有するフェニルである、請求項8に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項15】
少なくとも1個の置換基がフッ素である、請求項14に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項16】
R5が、分子の残りの部分へのフェニル環の結合位置を1位とした場合に、2-Cl、3-Cl、2,3-Cl2、2,4-Cl2、2,5-Cl2、3,4-Cl2および3,5-Cl2より選択される1または2個の置換基を有するフェニルである、請求項8に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項17】
R12が、C1〜C4-アルキル、C1〜C2-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C2-ハロアルコキシ、フェニル、フェノキシおよびNR15R16(ここで、R15は水素であり、R16は、水素、C1〜C4-アルキルおよびフェニルより選択され、またはR15およびR16の2つがC1〜C4-アルキルである)より選択される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項18】
R6が、水素、C1〜C4-アルキル、-C(=O)R12、-S(O)2R12、-CN、Mおよび式IIIの基より選択され、好ましくは水素、CN、-C(=O)CH3、-C(=O)OCH3およびメチルより選択される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項19】
R6aが、水素、C1〜C4-アルキルおよび-C(=O)R12より選択される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項20】
mが0である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項21】
nが2、3、4、5または6、好ましくは3、4または5である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項22】
nが4または5である、請求項21に記載の式IおよびIIの化合物。
【請求項23】
式IV
【化3】

[式中、R1、R2、R3、R4、R5およびnは、請求項1〜16、21および22のいずれか1項において定義された通りであり、ただし、R5が1以上の塩素原子により場合により置換されたフェニルであり、R1がtert-ブチルである場合、nは3ではない]
の化合物。
【請求項24】
式IV
【化4】

[式中、R1、R2、R3、R4、R5は、請求項1〜16のいずれか1項において定義された通りであり、nは4、5、6または7である]
の化合物。
【請求項25】
少なくとも1種の請求項1〜24のいずれか1項において定義された通りの式I、IIおよび/もしくはIVの化合物またはその農業上許容される塩ならびに液体または固体の担体を含む農薬組成物。
【請求項26】
有害な菌類を防除するための、請求項1〜24のいずれか1項において定義された通りの式I、IIおよび/またはIVの化合物の使用。
【請求項27】
菌類、それらの生育環境または菌類の攻撃から保護すべき材料もしくは植物、または土壌もしくは繁殖材料を、有効量の、少なくとも請求項1〜24のいずれか1項において定義された通りの式I、IIおよび/またはIVの化合物により処理する、有害な菌類を防除する方法。
【請求項28】
少なくとも請求項1〜24のいずれか1項において定義された通りの式I、IIおよび/またはIVの化合物を、種子100 kgあたり0.1 g〜10 kgの量で含む種子。
【請求項29】
少なくとも1種の請求項1〜24のいずれか1項において定義された通りの式I、IIおよび/もしくはIVの化合物またはその製薬上許容される塩ならびに少なくとも1種の製薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項30】
癌またはウイルス感染の治療のための医薬品を調製するための、または抗真菌薬を調製するための、請求項1〜24のいずれか1項において定義された通りの式I、IIもしくはIVの化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
【請求項31】
癌またはウイルス感染を治療するための、または動物病原性もしくは人病原性の菌類を防除するための方法であって、それを必要とする個体を、少なくとも1種の請求項1〜24のいずれか1項において定義された通りの式I、IIおよび/もしくはIVの化合物により、少なくとも1種のその製薬上許容される塩により、または請求項29において定義された通りの医薬組成物により処理することを含む、前記方法。

【公表番号】特表2012−530110(P2012−530110A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515492(P2012−515492)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058536
【国際公開番号】WO2010/146112
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】