説明

抗酸化組成物及びその製造方法

【課題】穀物グルテンの分解物に由来する抗酸化組成物及びその製造方法の提供。
【解決手段】穀物グルテンを酸分解及びアルカリ分解の少なくとも一方で処理すること、及び、前記処理後の水溶液のpHを3.6〜4.6に調整して沈殿物を形成させた時の水相成分を回収することを含む、抗酸化組成物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗酸化組成物及びその製造方法、該抗酸化組成物を含む多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のエマルション及びドライエマルション並びにそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸を含む油脂は、酸化により、その機能を失ったり、食品中に含まれる場合にはその風味や栄養価を損なったりする。そこで、多価不飽和脂肪酸(高度不飽和脂肪酸)又は該脂肪酸を構成成分とする油脂を含む食品、添加剤、薬剤等の製造においては、それらの不飽和脂肪酸や油脂の酸化を抑制するために抗酸化剤が使用される。食品等に使用される抗酸化剤としては、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール)、エリソルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、クロロゲン酸(コーヒー豆抽出物)、カテキン(緑茶抽出物)、ローズマリー抽出物などが知られている。しかし安全性という観点から、ビタミン類や天然抽出物の活用が望まれるが、抗酸化の対象物や食品によっては適不適性があり、特に魚油のような多価不飽和脂肪酸を多く含有する素材の酸化防止には技術的課題が残されている。最近、食品タンパク質由来の抗酸化ペプチドの存在が知られる(例えば、非特許文献1、特許文献1及び2)ようになり、その機能特性の研究が進められ活用化が提唱されてきている。また、抗酸化ペプチドはビタミン類や天然抽出物などと同様に、生体に吸収されて抗酸化ストレス解消に働き、各種疾病、発がん、老化を抑制することが期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−157291号公報
【特許文献2】特開平11−35599号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】村本光二、「抗酸化ペプチド」、食品加工技術、pp8-11、Vol.25, No.2 (2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、穀物グルテンの分解物に由来する、新たな抗酸化組成物及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、抗酸化組成物の製造方法であって、穀物グルテンを酸分解及びアルカリ分解の少なくとも一方で処理すること、及び、前記処理後の水溶液のpHを3.6〜4.6に調整して沈殿物を形成させた時の水相成分を回収することを含む、抗酸化組成物の製造方法に関する。
【0007】
また、本発明はその他の態様において、穀物グルテンの分解物から分離回収された成分を含む抗酸化組成物であって、前記グルテンを酸分解及びアルカリ分解の少なくとも一方で処理をした後の水溶液のpHを3.6〜4.6に調整したときに水相に含まれる成分の少なくも一部を含み、抗酸化活性を有する組成物に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の抗酸化組成物の製造方法によれば、優れた抗酸化活性を有する組成物を製造できる。また、本発明の抗酸化組成物によれば、例えば、多価不飽和脂肪酸又は油脂のエマルションにおける該多価不飽和脂肪酸又は油脂の酸化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の一実施形態における抗酸化組成物のゲルろ過クロマトグラフィーで得られるクロマトグラムの一例を示す。
【図2】図2は、本発明の抗酸化組成物が多価不飽和脂肪酸又は油脂のエマルションの溶存酸素消費に及ぼす影響を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、グルテンの酸及び/又はアルカリ分解物の回収のために行っている等電点沈殿において、非タンパク質成分とみなされ有効利用されていない上清中に優れた抗酸化活性を示す成分が含まれているという知見に基づく。
【0011】
すなわち、本発明は、一態様として、抗酸化組成物の製造方法(以下、「本発明の抗酸化組成物の製造方法」ともいう。)であって、穀物グルテンを酸分解及びアルカリ分解の少なくとも一方で処理すること、及び、前記処理後の水溶液のpHを3.6〜4.6に調整して沈殿物を形成させた時の水相成分を回収することを含む、抗酸化組成物の製造方法に関する。本発明の抗酸化組成物の製造方法によれば、優れた抗酸化活性を有する組成物を製造できる。
【0012】
また、本発明はその他の態様において、穀物グルテンの分解物から分離回収された成分を含む抗酸化組成物(以下、「本発明の抗酸化組成物」ともいう。)であって、前記グルテンを酸分解及びアルカリ分解の少なくとも一方で処理をした後の水溶液のpHを3.6〜4.6に調整したときに水相に含まれる成分の少なくも一部を含み、抗酸化活性を有する組成物に関する。
【0013】
また、本発明はさらにその他の態様において、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のエマルションの製造方法であって、乳化剤と本発明の抗酸化組成物とを用いて前記不飽和脂肪酸又は油脂を乳化することを含む、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のエマルションの製造方法に関する。
【0014】
本発明はさらにその他の態様において、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のドライエマルションの製造方法であって、乳化剤と、動物性若しくは植物性タンパク質、動物性若しくは植物性ペプチド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質と、本発明の抗酸化組成物とを用いて前記不飽和脂肪酸又は油脂を乳化すること、並びに、前記乳化により得られたエマルションを乾燥することを含む、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のドライエマルションの製造方法に関する。
【0015】
本発明はさらにその他の態様において、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のエマルション組成物又はドライエマルション組成物に関する。前記エマルション組成物は、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂と乳化剤と本発明の抗酸化組成物とを含み、前記ドライエマルションは、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂と、乳化剤と、本発明の抗酸化組成物と、動物性若しくは植物性タンパク質、動物性若しくは植物性ペプチド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質とを含む。
【0016】
本明細書において「活性酸素」とは、酸素が化学的に活性になった化学種のことであり、非常に不安定で強い酸化力を示すものをいう。「活性酸素」にはフリーラジカルとそうでないものがあり、スーパーオキシドラジカルや「ヒドロキシラジカル」はフリーラジカルである。本明細書において「ヒドロキシラジカル」とは、最も反応性が高い活性酸素をいう。「ヒトロキシラジカル」は、スーパーオキシドラジカルの二次生産物でもあり、酸化力が強くて脂質、糖質、タンパク質、核酸などの成分と急激に反応し、食品だけでなく生体にも悪影響をもたらす。本明細書において「抗酸化活性」の1つの指標は、「ヒドロキシラジカル」を消去する活性であり、これは、脂質の酸化を抑制する活性を裏付けるものである。ヒドロキシラジカル消去活性は、フェントン反応により過酸化水素から発生した活性酸素をルミノール発光で捉える測定方法を利用することができ、具体的には実施例に記載の方法で評価できる。また本明細書において「抗酸化活性」のもう1つの指標は、多価不飽和脂肪酸及び該脂肪酸を構成成分とする油脂の初期酸化についての溶存酸素消費率の測定結果から評価するものであって、具体的には実施例に記載の方法で評価できる。なお、本明細書において初期酸化とは、酸素分子(O2)によって行われる酸化をいう。
【0017】
本明細書において「穀物のグルテン」とは、穀物の胚乳から生成されるタンパク質をいう。例えば、小麦グルテンは胚乳内のグルテニンとグリアジンの2つのタンパク質から生成され、トウモロコシグルテンは、ゼインを主成分として含む。穀物としては、麦類(例えば、小麦)、とうもろこし類、及び豆類(例えば、大豆)などが挙げられる。これらのグルテンはいずれも公知であり、穀物から常法、すなわち分離や抽出により得ることができる。穀物のグルテンは、抗酸化組成物の収率及び抗酸化活性の向上の点から、生グルテンであることが好ましい。本明細書において「生グルテン」とは、水分を含むペースト状グルテンをいい、その水分含有量は、好ましくは60〜70重量%である。
【0018】
[抗酸化組成物の製造方法]
本発明の抗酸化組成物の製造方法は、穀物グルテンの酸及び/又はアルカリ分解工程(A)と等電点沈殿工程(B)の工程を含む。
【0019】
酸及び/又はアルカリ分解工程(A)における酸分解及びアルカリ分解は、それぞれ、通常グルテンに対して行われる条件で行うことができる。酸分解は、例えば、pHが0.1〜5.0の範囲で、温度が50〜100℃の範囲で、時間が15〜180分の範囲で行うことが挙げられる。アルカリ分解は、pHが9〜13の範囲で、温度が40〜90℃の範囲で、時間が15〜180分の範囲で行うことが挙げられる。酸分解とアルカリ分解はいずれか一方でもよく、あるいは、酸分解とアルカリ分解を両方行ってもよい。また、分解処理の回数は1回でもよく、複数回でもよい。
【0020】
酸及び/又はアルカリ分解工程(A)の後に、等電点沈殿工程(B)を行う。等電点沈殿工程(B)では、沈殿を形成させた後、水相を回収する。本明細書において、等電点沈殿処理とは、工程(A)における酸又はアルカリ分解処理の後の水溶液のpHを所定の範囲に調整して沈殿物を形成させることをいう。等電点沈殿におけるpHは、抗酸化組成物の収率及び抗酸化活性の向上の点から、3.6〜4.6であって、3.9〜4.3が好ましく、4.0〜4.2がより好ましく、4.1がさらに好ましい。
【0021】
上述のように沈殿を形成させた後に水相を回収する。この水相を本発明の抗酸化組成物の一実施形態とすることができる。一方、この水相をさらに脱塩処理して本発明の抗酸化組成物の一実施形態としてもよい。脱塩処理は、透析、脱塩カラム、脱塩ナノフィルター等により行うことができる。また、回収した前記水相の成分を濃縮して本発明の抗酸化組成物の一実施形態としてもよい。さらに、回収した前記水相及び/又は脱塩処理した水相を凍結乾燥又は噴霧乾燥したものを本発明の抗酸化組成物の一実施形態としてもよい。したがって、本発明の抗酸化組成物の製造方法は、一実施形態において、水相の回収後に、脱塩処理をすること、濃縮すること、及び/又は、凍結乾燥又は噴霧乾燥処理をすることを含んでもよい。
【0022】
さらに、凍結乾燥又は噴霧乾燥処理物を熱アルコール抽出することで、より活性の高い抗酸化活性を有する組成物を得ることができる。したがって、本発明の抗酸化組成物の製造方法は、一実施形態において、さらに、熱アルコール抽出処理することを含んでもよい。熱アルコール抽出は、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類を室温から沸点以下までの温度範囲に加温しておき、凍結乾燥又は噴霧乾燥処理物1重量部に対して2〜20重量部添加して抗酸化成分を抽出する操作を2〜3回繰り返し行い、合わせたアルコール抽出液のアルコールを減圧加熱乾燥などによって留去する操作の条件で行うことが挙げられる。
【0023】
穀物グルテンの酸及び/又はアルカリ分解並びに等電点沈殿は、乳化剤の製造工程としても行われうる(例えば、特開平1−14274参照)。したがって、本発明の抗酸化組成物の製造方法は、乳化剤の製造方法と並行して行うことができる。また、本発明の抗酸化組成物の製造方法は、好ましくは、乳化剤の製造方法において従来有効利用されていなかった等電点沈殿の上清を有効利用できる。
【0024】
[抗酸化組成物]
本発明の抗酸化組成物は、穀物のグルテンの分解物から分離回収された成分を含む抗酸化組成物であって、前記グルテンを酸分解及びアルカリ分解の少なくとも一方で処理をした後の水溶液のpHを3.6〜4.6に調整したときに水相に含まれる成分の少なくとも一部を含み、抗酸化活性を有する組成物である。
【0025】
前記pHは等電点沈殿のpHを示し、抗酸化組成物の収率及び抗酸化活性の向上の点から、3.9〜4.3が好ましく、4.0〜4.2がより好ましく、4.1がさらに好ましい。
【0026】
本発明の抗酸化組成物は、一実施形態において、ゲルろ過カラムクロマトグラフィーによって図1のような3つのピークを示すパターンを示す。具体的なゲルろ過カラムクロマトグラフィーの条件は実施例のとおりである。この3つのピークのフラクションを溶出順にFr.1、Fr.2、Fr.3と呼ぶこととする。Fr.1は、void volume に近い部分のフラクションであって、分子量で10,000付近になる。よって、Fr.2及び3の分子量は10,000よりも小さい。また、抗酸化活性は、Fr.1よりもFr.2及び3が上回る。したがって、本発明の抗酸化組成物は、その他の実施形態において、Fr.2及び3を含む分子量10,000未満の抗酸化組成物である。すなわち、本発明の抗酸化組成物は、その他の実施形態において、ゲルろ過カラムで測定される分子量が10,000未満である物質が抗酸化活性を発揮する抗酸化組成物であり、好ましくはゲルろ過カラムで測定される分子量が10,000未満である物質からなる抗酸化組成物である。
【0027】
Fr.1、Fr.2及びFr.3の混合物を熱アルコール抽出すると、Fr.2及びFr.3を主成分とする成分を分離抽出できる。熱アルコール抽出の条件は上述のとおりである。また、抗酸化活性は、Fr.1よりもFr.2が上回り、さらにFr.2よりもFr.3が上回る。
【0028】
[多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のエマルション]
本発明の抗酸化組成物は、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のエマルションの製造に使用できる。本明細書において、「多価不飽和脂肪酸」とは、高度不飽和脂肪酸のことであって、炭素鎖において二重結合が2つ以上ある脂肪酸をいう。また、本明細書において「該脂肪酸を構成成分とする油脂」とは、少なくとも一種類の多価不飽和脂肪酸を構成成分として含む油脂をいう。本発明の抗酸化組成物は、エマルション/ドライエマルションの製造時に添加されることで、これらの多価不飽和脂肪酸及び油脂の酸化を抑制することができる。多価不飽和脂肪酸としては、n-3系としてα-リノレン酸(ALA)、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)など、n-6系としてリノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸などが挙げられる。また、該多価不飽和脂肪酸を構成成分とする油脂としては、n-3系として、しその実油、えごま種子油、食用亜麻仁種子油、まいわし・かたくちいわし・アンチョビー油、まぐろ・かつお・ぶり油、ハープシール油など、n-6系として、サフラワー油・大豆油・コーン油、月見草油・黒スグル油・ボラージ油、あんこう油・さば油などが挙げられる。なお、多価不飽和脂肪酸及び油脂は、単一種類、又は複数種類混合して使用できる。
【0029】
したがって、本発明はその他の態様として、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のエマルションの製造方法(以下、「本発明のエマルションの製造方法」ともいう。)であって、乳化剤と本発明の抗酸化組成物とを用いて前記不飽和脂肪酸又は油脂を乳化することを含む製造方法に関する。本発明のエマルションの製造方法における乳化剤としては、食用乳化剤として使用可能なものであれば特定されるものではないが、小麦由来の高乳化性タンパク質として市販の商品名「グルパール」(片山化学工業研究所製)などが好適に使用できる。その他、卵黄又は大豆に由来するレシチン、ポリグリセリン酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルも乳化剤として使用できる。本発明のエマルションの製造方法によれば、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂の酸化を抑制できるエマルションを製造できる。
【0030】
乳化において使用する乳化剤及び本発明の抗酸化組成物の量は、抗酸化に優れるエマルションを得る観点から、油相1gに対して、それぞれ、40〜1000mg及び60〜1500mgが好ましく、100〜750mg及び100〜750mgがより好ましい。
【0031】
また、本発明のエマルションの製造方法における乳化は、特に制限されず、例えばホモジナイザーやソニケーターなどを含む通常の乳化器などの製剤学上通常用いられる方法が使用できる。ホモジナイザーなどの条件(速度、時間、温度等)は、乳化剤の濃度、油相の濃度、pHなどに応じて適宜調整して行うことができる。この乳化により、水中油型のエマルションを得ることができる。
【0032】
よって、本発明はさらにその他の態様として、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のエマルション組成物(以下、「本発明のエマルション組成物」ともいう。)であって、前記多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂と、乳化剤と、本発明の抗酸化組成物とを含むエマルション組成物に関する。本発明のエマルション組成物は、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂の酸化を抑制できる。本発明のエマルション組成物は、本発明のエマルションの製造方法によって製造されうる。
【0033】
[多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のドライエマルション]
本発明の抗酸化組成物は、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のドライエマルションの製造に使用できる。すなわち、本発明はその他の態様として、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のドライエマルションの製造方法(以下、「本発明のドライエマルションの製造方法」ともいう。)であって、乳化剤と、動物性若しくは植物性タンパク質、動物性若しくは植物性ペプチド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質と、本発明の抗酸化組成物とを用いて前記不飽和脂肪酸又は油脂を乳化すること、並びに、前記乳化により得られたエマルションを乾燥することを含む製造方法に関する。
【0034】
本発明のドライエマルションの製造方法において、動物性若しくは植物性タンパク質、及び/又は、動物性若しくは植物性ペプチドは、エマルションの安定化と酸化抑制という機能を有する。したがって、本発明のドライエマルションの製造方法によれば、多価不飽和脂肪酸又は油脂の酸化を抑制でき、保存安定性が向上し流通させやすく、かつ水分散性が良好で各種食品への利用適性がよいドライエマルションを製造できる。
【0035】
〔動物性又は植物性タンパク質〕
本発明のドライエマルションの製造方法で使用する動物性又は植物性タンパク質は、ドライエマルション粉末における油染みを防ぎ、水分散性を向上させることに優れるドライエマルションを得る観点から、水溶性であることが好ましい。また、安全性の点からヒトを含む生体に対して害がないか或いは少ないタンパク質であることが好ましい。
【0036】
動物性タンパク質としては、ドライエマルションにおける油染みを防ぎ、水分散性を向上させる観点から、乳ホエイタンパク質、乳カゼイン、魚肉タンパク質が好ましく、乳ホエイタンパク質がより好ましい。これらの動物性タンパク質は、公知の方法で調製でき、或いは、市販のものを使用できる。
【0037】
植物性タンパク質としては、ドライエマルションにおける油染みを防ぎ、水分散性を向上させる観点から、大豆タンパク質、小麦タンパク質、米タンパク質が好ましく、大豆タンパク質がより好ましい。これらの植物性タンパク質は、公知の方法で調製でき、或いは、市販のものを使用できる。
【0038】
〔動物性又は植物性ペプチド〕
本発明のドライエマルションの製造方法で使用する動物性又は植物性ペプチドは、ドライエマルションにおける油染みを防ぎ、水分散性を向上させる観点から、水溶性であることが好ましい。また、安全性の点からヒトを含む生体に対して害がないか或いは少ないペプチドであることが好ましい。
【0039】
動物性ペプチドとしては、ドライエマルションにおける油染みを防ぎ、水分散性を向上させる観点から、乳ペプチド、魚肉ペプチドが好ましく、乳ペプチドがより好ましい。これらの動物性ペプチドは、公知の方法で調製でき、或いは、市販のものを使用できる。
【0040】
植物性ペプチドとしては、ドライエマルションにおける油染みを防ぎ、水分散性を向上させる観点から、大豆ペプチド、小麦ペプチド、米ペプチドが好ましく、大豆ペプチドがより好ましい。これらの植物性ペプチドは、公知の方法で調製でき、或いは、市販のものを使用できる。なお、本明細書において「植物性ペプチド」は、本発明の抗酸化組成物に含まれる成分とは異なるペプチドをいう。
【0041】
〔タンパク質とペプチドとの組み合わせ〕
本発明のドライエマルション製造方法においてドライエマルションにおける油染みを防ぎ、水分散性を向上させる観点から、動物性又は植物性タンパク質と動物性又は植物性ペプチドとを組み合わせて使用することが好ましく、具体的には、乳ホエイタンパク質と乳ペプチドの組み合わせ、大豆タンパク質と大豆ペプチドの組み合わせ、乳ホエイタンパク質と小麦ペプチドの組み合わせ、大豆タンパク質と小麦ペプチドの組み合わせなどがより好ましい。
【0042】
動物性又は植物性タンパク質と動物性又は植物性ペプチドとを組み合わせて使用する場合、本発明における乳化において使用する前記タンパク質は、ドライエマルションにおける油染みを防ぎ、水分散性を向上させる観点から、乳化剤1mgに対して、0.1〜1.5mgが好ましく、0.5〜1.0mgがより好ましい。また、動物性又は植物性タンパク質と動物性又は植物性ペプチドとを組み合わせて使用する場合、本発明における乳化において使用する前記ペプチドは、エマルションの安定化と酸化抑制効果に優れるドライエマルションを得る観点から、乳化剤1mgに対して、0.1〜5.0mgが好ましく、0.5〜2.0mgがより好ましい。
【0043】
乳化において使用する乳化剤及び本発明の抗酸化組成物の量は、抗酸化に優れるエマルションを得る観点から、油相1gに対して、それぞれ、40〜1000mg及び60〜1500mgが好ましく、100〜750mg及び100〜750mgがさらに好ましい。
【0044】
よって、本発明はさらにその他の態様として、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のドライエマルション組成物(以下、「本発明のドライエマルション組成物」ともいう。)であって前記多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂と、乳化剤と、動物性若しくは植物性タンパク質、動物性若しくは植物性ペプチド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質と、本発明の抗酸化組成物とを含むドライエマルション組成物に関する。本発明のドライエマルション組成物は、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂の酸化を抑制できる。本発明のドライエマルション組成物は、本発明のドライエマルションの製造方法によって製造されうる。
【0045】
また、本発明はさらにその他の態様として、乳化剤と、動物性若しくは植物性タンパク質、動物性若しくは植物性ペプチド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質と、本発明の抗酸化組成物とを含む乳化用組成物に関する。本発明の乳化用組成物は、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のエマルションの乳化に使用でき、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂の酸化が抑制されたエマルションを製造できる。さらに、本発明の乳化用組成物であれば、ドライエマルション粉末における油染みを防ぎ、水分散性を向上させることに優れ、酸化が抑制された多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のドライエマルションの製造に使用できる。本発明の乳化用組成物における、乳化剤、動物性若しくは植物性タンパク質、動物性若しくは植物性ペプチド、及び、本発明の抗酸化組成物は上述のとおりであり、その配合比も上述を参照できる。
【0046】
本発明のドライエマルションは、油染みがなく水分散性が良好で酸化抑制効果に優れるという効果を奏しうる。したがって、本発明は、さらにその他の態様において、本発明のドライエマルションを溶媒に懸濁することを含む多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のエマルションの製造方法に関する。前記溶媒としては、水性溶媒であって、水、緩衝液、水溶液等が挙げられる。
【0047】
本発明のエマルション組成物及びドライエマルション組成物は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの合成又は半合成高分子物質や、アラビアゴム、トラガントゴム、ゼラチンなどの天然高分子物質、粉末乳糖、カゼイン、微結晶セルロース、澱粉、小麦粉、デキストリン、二酸化硅素などの適当な増量剤を加え、噴霧乾燥、混練造粒、凍結乾燥など常法により、錠剤もしくはハードカプセル剤などの製剤の形態をとすることができる。これらの形態の製剤も本発明に含まれうる。
【実施例】
【0048】
[抗酸化組成物の製造](実施例1〜3、比較例1〜7)
小麦生グルテン(長田産業株式会社製)100gと水90gと35%HCl5gとを混合し、90℃70分加熱撹拌してグルテンの酸分解を行った(pH=1.1)。酸分解後、NaOHをゆっくり添加しpHを4.1に調整すること東電点沈殿を行い、沈殿の上清を回収し、実施例1の抗酸化組成物とした。
【0049】
また、実施例2〜3の抗酸化組成物を下記1の条件で製造した。また、比較例1〜7の抗酸化組成物として、魚肉ペプチド(魚肉ペプチド:株式会社マリンサプリ製)、フィッシュコラーゲンペプチド(マリンコラーゲンペプチド:井原水産株式会社製)、カルノシン・アンセリン含有チキンエキス(チキンエキスパウダーCBEX-P:日本ハム株式会社製)、レモン絞り汁、みかん絞り汁、ほうれん草絞り汁、及びトマト絞り汁をそれぞれ準備した。なお、比較例4〜7の青果物の絞り汁は、材料15gを0.1Mリン酸緩衝液(pH7.8)35mL中ですり潰して調製した。
【0050】
[抗酸化活性の測定]
調製した実施例1〜3、比較例1〜7の抗酸化組成物について、ヒドロキシラジカル消去活性を下記の条件で測定し、IC50値を求めた。その結果を下記表1に示す。なお、IC50値とは、一定の活性酸素存在条件下において50%の活性酸素を消滅させるために必要な抗酸化組成物の濃度を示す。したがって、この数値が低いほど抗酸化活性が高いことを示す。
【0051】
〔ヒドロキシラジカル消去活性測定方法〕
実施例1〜3及び比較例1〜7の試料を蒸留水に溶解して所定濃度の試料液を調製した。測定に際して、市販の抗酸化能測定キット「ラジカルキャッチ(商品名、アロカ株式会社製)」と生物・化学発光測定装置「AccFLEX Lumi 400(製品名、アロカ株式会社製)」を用いた。上記測定キットの溶液C(過酸化水素溶液)10μLを蒸留水10mLで希釈した。専用の測定試験管に上記測定キットの試薬A(コバルト溶液)及び試薬B(ルミノール溶液)の各50μLと試料液20μLを入れて、測定装置に設置して5分間、37℃でインキュベートした。ついで、溶液Cを希釈して得られた水溶液を50μL加えた後、活性酸素(ヒドロキシラジカル)量に依存して生じる発光量を計測した。試料中に存在する抗酸化成分により活性酸素が消去される量に比例して発光量が減少することを利用して、あらかじめ各濃度に調製した試料液の測定結果をもとに、活性酸素(発光量)を50%消去するために必要な試料濃度を算出して、抗酸化活性(ヒドロキシラジカル消去活性)値IC50値(%)を求めた。
【0052】
【表1】

【0053】
上記表1に示すとおり、実施例1〜3の抗酸化組成物は、比較例1〜7の抗酸化組成物に比べて高い抗酸化活性を示した。
【0054】
[抗酸化組成物の分析]
実施例1の抗酸化組成物に含まれる成分の分子量を下記条件のゲルろ過カラムで分析した。その結果を図1に示す。図1に示すとおり、3つのピークが検出された。この3つのピークのフラクションを、溶出順にFr.1、Fr.2、及びFr.3と呼ぶことにする(図1)。Fr.1は、ボイドボリューム付近のフラクションであり分子量が10,000程度に相当するフラクションである。したがってFr.2及びFr.3は、分子量10,000未満のフラクションとなる。実施例2〜3の抗酸化組成物についても同様のクロマトグラムが得られた。
【0055】
実施例1の抗酸化組成物のFr.1、Fr.2、及びFr.3のそれぞれについて、上述と同様にヒドロキシラジカル消去活性測定を行い、IC50値を求め、さらに、各フラクションについて紫外線吸収最大波長を下記条件で測定した。その結果を下記表2に示す。
【0056】
〔ゲルろ過クロマトグラフィーの条件〕
クロマト用ガラス製カラム(内径20mm)にあらかじめ蒸留水に懸濁した Sephadex G−25 を高さ370mmまで充填して、約100mg/mLの濃度に調製した実施例1の試料液3mLについてゲルろ過クロマトグラフィーを行った。溶出液は3gずつ分画して試験管に取り、220〜340nmまでの間の紫外線吸収波長における吸光度を測定した。
【0057】
〔紫外線吸収最大波長の条件〕
溶出液を280nmの波長における吸光度を測定して、Fr.1〜Fr.3の3つの大きな画分を得た。これらの画分の溶出液を各々集めて、紫外部における吸収極大波長を測定した。また同試料液について、繰り返しゲルろ過クロマトグラフィーを行って各Frを回収蓄積したのち、凍結乾燥することによって抗酸化活性IC50値を測定するための試料を得た。
【0058】
【表2】

【0059】
上記表2に示すとおり、抗酸化活性は、Fr.3が最も高く、Fr.2及びFr.1の順で良好であった。
【0060】
[DHAのエマルションの製造]
実施例1の抗酸化組成物を用いて、DHAのエマルションを製造し、該DHAエマルションの溶存酸素消費に関する実施例1の抗酸化組成物の影響を確認した。
【0061】
下記表3に示す組成の5種類のDHAエマルションを製造した。まず、水100gに乳化剤(商品名グルパール−19S、片山化学工業研究所製)0.2g、及び、実施例1の抗酸化剤組成物0〜0.3gを含む水相を調製した(下記表4)。次に、氷冷下で前記水相に1.0gのDHA(ドコサヘキサエン酸、商品名:DHA70G、日本化学試料社製)を加えながら超音波処理によって乳化を行い、DHAエマルションを製造した。
【0062】
製造した5種類のDHAエマルションについてDHAエマルションにおける溶存酸素消費量を下記条件で測定した。その結果を図2に示し、溶存酸素が無くなるまでの時間を下記表4に示す。
【0063】
〔DHAエマルションの溶存酸素消費量測定方法〕
調製したDHAエマルション液3mLを分取し、生物用酸素モニター(YSImodel5300:Yellow Spring Instrument Co.,Inc.,OH,USA)のサンプルチャンバーに注入した。その後、37℃にて、付属のマグネチックスターラーで連続撹拌しながら、クラーク型ポーラログラフィック電極(5331スタンダード酸素プローブ:Yellow Spring Instrument Co.,Inc.,OH,USA)にて溶存酸素濃度(%)を経時的に測定した。
【0064】
【表3】

【0065】
【表4】

【0066】
上記表4が示すとおり、実施例1の抗酸化組成物が乳化剤に対して等量比まで添加されることにより、溶存酸素が消費され尽きるまでの時間が延長することから溶存酸素の消費速度が抑制された。すなわち、水中に存在する酸素によるDHAの初期酸化が抑制された。
【0067】
[DHAのドライエマルションの製造]
実施例1の抗酸化組成物を用いて、DHA乳化用の製剤を製造し、この製剤品を乳化剤として用い、DHAを乳化してドライエマルションを製造した。
【0068】
まず、水60gに乳化剤(商品名グルパール−19S、片山化学工業研究所製)3g、及び、実施例1の抗酸化剤組成物4g、大豆タンパク質(不二製油株式会社製)4g、大豆ペプチド(不二製油株式会社製)2gを含む水相を調製し凍結乾燥することによって、予めDHA乳化用製剤を得た。この乳化用製剤3gを水60gに加えた後、氷冷下で1.0gのDHA(ドコサヘキサエン酸、商品名:DHA70G、日本化学試料社製)を加えながら高速ホモジナイザー処理(12,000回転、15分間)によって乳化を行い、これを凍結乾燥してDHA70Gとして25%含有するドライエマルションを得た。該ドライエマルションは、DHAを高含有するにも関わらず油染みがなく、水分散性が良好であり、DHAの臭みが極めて少ないドライエマルションであった。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、例えば、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂を含有する医薬、栄養補助剤、飲料等の分野に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗酸化組成物の製造方法であって、穀物のグルテンを酸分解及びアルカリ分解の少なくとも一方で処理すること、及び、前記処理後の水溶液のpHを3.6〜4.6に調整して沈殿物を形成させた時の水相成分を回収することを含む、抗酸化組成物の製造方法。
【請求項2】
さらに、前記水相成分を熱アルコール抽出して抽出成分を回収することを含む、請求項1記載の抗酸化組成物の製造方法。
【請求項3】
穀物のグルテンの分解物から分離回収された成分を含む抗酸化組成物であって、前記グルテンを酸分解及びアルカリ分解の少なくとも一方で処理をした後の水溶液のpHを3.6〜4.6に調整したときに水相に含まれる成分の少なくも一部を含み、抗酸化活性を有する組成物。
【請求項4】
ゲルろ過カラムで測定される分子量が10,000未満である物質からなる、請求項3記載の抗酸化組成物。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の抗酸化組成物から熱アルコール抽出して得られうる、抗酸化活性を有する組成物。
【請求項6】
多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のエマルションの製造方法であって、乳化剤と請求項3から5のいずれかに記載の組成物とを用いて前記多価不飽和脂肪酸又は油脂を乳化することを含む、多価不飽和脂肪酸又は油脂のエマルションの製造方法。
【請求項7】
多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のドライエマルションの製造方法であって、乳化剤と、動物性若しくは植物性タンパク質、動物性若しくは植物性ペプチド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質と、請求項3から5のいずれかに記載の組成物とを用いて前記不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂を乳化すること、並びに、前記乳化により得られたエマルションを乾燥することを含む、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のドライエマルションの製造方法。
【請求項8】
多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のエマルション組成物であって、前記多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂と、乳化剤と、請求項3から5のいずれかに記載の組成物とを含む、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のエマルション組成物。
【請求項9】
請求項6記載の製造方法により製造されうる、請求項8記載の多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のエマルション組成物。
【請求項10】
多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のドライエマルション組成物であって、前記多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂と、乳化剤と、動物性若しくは植物性タンパク質、動物性若しくは植物性ペプチド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質と、請求項3から5のいずれかに記載の組成物とを含む、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のドライエマルション組成物。
【請求項11】
請求項7記載の製造方法により製造されうる、請求項10記載の多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のドライエマルション組成物。
【請求項12】
請求項10又は11に記載のドライエマルションを溶媒に懸濁することを含む、多価不飽和脂肪酸又は該脂肪酸を構成成分とする油脂のエマルションの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−1640(P2012−1640A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−138471(P2010−138471)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(000154727)株式会社片山化学工業研究所 (82)
【Fターム(参考)】