説明

抗高コレステロール血症化合物

本発明は、式Iのコレステロール吸収阻害剤及び薬学的に許容されるその塩を提供する。該化合物は、血漿コレステロールレベル、特にLDLコレステロールレベルを低下させ、アテローム性動脈硬化症及びアテローム硬化性疾患事象を治療及び予防するのに有用である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換2−アゼチジノン及び薬学的に許容されるその塩及びエステル、並びに高コレステロール血症を治療するための、またアテローム性動脈硬化症及び関連病状及び疾患事象の予防又はこれらの進行を停止又は遅延させるための、単独又は他の薬剤との併用での使用に関する。
【背景技術】
【0002】
上昇した血中コレステロールが、冠動脈性心疾患の主な危険因子であることがこの数十年間で明らかになってきており、多くの研究が、CHD事象の危険が脂質低下療法によって減少することを見出している。1987年より前に、脂質低下用の製品は、基本的に、低飽和脂肪、コレステロール食餌、胆汁酸金属イオン封止剤(コレスチラミン及びコレスチポール)、ニコチン酸(ナイアシン)、フィブラート及びプロブコールに制限されていた。不幸にも、これらの治療の全てには、効果に限度があるか、耐性があるか、又はその両方である。HDL(高密度リポタンパク質)コレステロールの増加に伴って起こるLDL(低密度リポタンパク質)コレステロールの実質的な低下は、ニコチン酸の添加あり又は添加なしにおける脂質低下食餌及び胆汁酸金属イオン封止剤の組み合わせにより実施することができる。しかし、この療法は管理し又は取り扱うのが容易でなく、そのため専門の脂質臨床医を除き失敗する場合があった。フィブラート製品は、HDLコレステロールの増加及びトリグリセリドの実質的な減少に伴って起こるLDLコレステロールの中程度の減少をもたらし、それらはうまく取り扱われるので、これらの薬剤は広く用いられてきた。プロブコール製品はLDLコレステロールのわずかな減少をもたらし、またHDLコレステロールを減少させるが、そのことはHDLコレステロールレベル及びCHDの危険性の間の強い逆相関のため、一般に望ましくないと考えられる。1987年に、処方可能になる最初のHMG−CoA還元酵素の阻害剤であるロバスタチンの導入により、初めて医師はほんのわずかな副作用で血漿コレステロールの大幅な減少を得ることができた。
【0003】
最近の研究は、全てHMG−CoA還元酵素阻害剤クラスのメンバーであるロバスタチン、シンバスタチン及びプラバスタチンが冠状動脈及び頚動脈におけるアテローム性動脈硬化症の進行を遅延させることを明確に証明した。また、シンバスタチン及びプラバスタチンは、冠状動脈性心疾患事象の危険性を減少させることを示し、シンバスタチンの場合には、スカンジナビア人のシンバスタチン生存研究により、冠動脈血栓による死の危険性及び全ての死亡率における非常に顕著な減少が示された。また、この研究は、脳血管事象の減少についてのいくつかの証拠を提供した。シンバスタチンによって得られる冠動脈罹患率の危険性及び死亡率の実質的な低下にもかかわらず、治療される患者においては危険性はいまだに重要である。例えば、スカンジナビア人のシンバスタチン生存研究においては、冠動脈血栓による死の危険性の42%が減少したが、治療された患者の5%が、いまだにこの5年間の研究の過程においてその疾患で死亡するままであった。危険性の更なる減少が明らかに必要である。
【0004】
最近、明らかになった抗高脂質剤のクラスには、コレステロール吸収阻害剤が含まれる。このクラスにおける規制認可を受けた最初の化合物であるエゼチミブは、ZETIA(登録商標)の商品名で米国において現在市販されている。エゼチミブは、下記化学構造
【0005】
【化1】

【0006】
を有し、米国再発行特許第37721号及び米国特許第5,846,966号に開示されている。
【0007】
下記一般構造のグルクロンサン酸抱合類似体を含む糖−置換2−アゼチジノン:
【0008】
【化2】

【0009】
及び、その製造方法が米国特許第5,756,470号明細書に開示され、ここで、Ar及びArが置換されていないか又はアリール基で置換されている。
【0010】
更なるコレステロール吸収阻害剤はWO2002/066464 A1(Kotobuki Pharmaceutical Co.により出願)及び米国特許出願公開第2002/0137689 A1号(Glombik et al.)に開示されている。WO2002/066464 A1には、一般式:
【0011】
【化3】

【0012】
(式中、他の定義の中でA,A及びA
【0013】
【化4】

【0014】
(ここで、Rは−CHOH,−CHOC(O)−R又は−COであり;Rは−OH又は−OC(O)Rであり、Rは−(CH(CH−(k及びiは0又は1以上の整数であり、k+iは10未満の整数である);Rは単結合、−CH=CH−、−OCH−、カルボニル又は−CH(OH)である)であってもよい)の脂質低下剤が開示されている。
【0015】
米国特許出願公開第2002/0137689A1号には、一般式
【0016】
【化5】

【0017】
(式中、他の定義の中で、R、R、R、R、R、Rは互いに独立して(C−C30)−アルキレン−(LAG)であってもよく、アルキレン基の1個以上の炭素原子は、−O−、−(C=O)−、−CH=CH−、−C≡C−、−N((C−C)−アルキル)−、−N((C−C)−アルキルフェニル)又は−NH−で置換されていてもよく;(LAG)は、単糖残基、二糖類残基、三糖類残基、四糖類残基、糖酸又はアミノ糖である)で表わされる脂質低下剤が開示されている。
【発明の開示】
【0018】
高脂質症及びアテローム硬化症の新規治療薬の発見の努力の継続において、本発明は、以下に開示する新規なコレステロール吸収阻害剤を提供する。
発明の概要
【0019】
発明の要旨
本発明の1つの目的は、式I:
【0020】
【化6】

【0021】
の新規なコレステロール吸収阻害剤及び薬学的に許容されるその塩を提供することである。
【0022】
本発明の第二の目的は、治療を必要とする患者に式Iの化合物の治療に有効な量を投与することを含む、コレステロールの吸収阻害方法を提供することである。他の目的は、治療を必要とする患者に式Iの化合物の治療に有効な量を投与することを含む、血中コレステロールレベル、特にLDL−コレステロールレベルを減少する方法、及び高コレステロール血症の治療方法を提供することである。
【0023】
更なる目的として、アテローム性動脈硬化症の発現の危険性にさらされている患者又は既にアテローム性動脈硬化症を患っている患者に、式Iの化合物の予防又は治療に有効な量を必要に応じて投与することを含む、アテローム性動脈硬化症を治療し、又は発現の危険性を減少し、いったん臨床的に明らかになったアテローム性動脈硬化症の進行を停止又は遅延する方法が提供される。本発明の他の目的は、これらの病状の治療、予防又は発現の危険性を減少するのに有用な医薬の製造のための本発明の化合物の使用である。本発明の他の目的は、式Iの化合物の製造方法を提供し、及びこれらの化合物を含む新規な薬学的組成物を提供することである。
【0024】
更に、本発明の化合物、特に式Iの化合物の放射性同位元素は、エゼチミブの作用と同様のメカニズムを有する新規なコレステロール吸収阻害剤を同定するために設計されたアッセイであるスクリーニングアッセイにおいて用いることができる。更なる目的は以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【0025】
発明の詳細な記載
本発明の新規なコレステロール吸収阻害剤には、構造式I
【0026】
【化7】

【0027】
(式中、
Arは、アリール及びR−置換アリールからなる群から選択され;
X、Y及びZは、−CH−、−CH(C1−6アルキル)−及び−C(C1−6アルキル)−からなる群から独立して選択され;
Rは、−OR、−O(CO)R、−O(CO)OR、−O(CO)NR、単糖残基、二糖類残基、三糖類残基及び四糖類残基からなる群から選択され;
は、−H、−C1−6アルキル及びアリールからなる群から選択され、又はR及びRが一緒になってオキソであり;
は、−OR、−O(CO)R、−O(CO)OR及び−O(CO)NRからなる群から選択され;
は、−H、−C1−6アルキル及びアリールからなる群から選択され、又はR及びRが一緒になってオキソであり;
q及びrは、それぞれ独立して0及び1から選択される整数であり、但し、q及びrの少なくとも1個は1であり;
m、n及びpは、それぞれ独立して0、1、2、3及び4から選択される整数であり、但しm、n、p、q及びrの合計は1、2、3、4、5又は6であり;
tは、0、1及び2から選択される整数であり;
は、各出現において独立して、−OR、−O(CO)R、−O(CO)OR、−O−C1−5アルキル−OR、−O(CO)NR、−NR、−NR(CO)R、−NR(CO)OR、−NR(CO)NR、−NRSO、−COOR、−CONR、−COR、−SONR、−S(O)、−O−C1−10アルキル−COOR、−O−C1−10アルキル−CONR及びフルオロからなる群から選択される1個ないし5個の置換基であり;
、R及びRは、各出現において独立して、−H、−C1−6アルキル、アリール及びアリール置換−C1−6アルキルからなる群から選択され;
は、−C1−6アルキル、アリール及びアリール置換−C1−6アルキルからなる群から選択され;
は、クロロ、フルオロ、
−C≡C−C1−6アルキル−NR1011
−(CHCH=CH−C1−6アルキル−NR1011
−C1−8アルキル−NR1011
−C≡C−C1−4アルキル−CH−(CH−NR1011
−(CHCH=CH−C1−4アルキル−CH−(CH−NR1011
−C1−6アルキル−CH−(CH−NR1011
−C≡C−C1−6アルキル−R11a
−(CHCH=CH−C1−6アルキル−R11a
−C1−8アルキル−R11a
−C≡C−C1−6アルキル、
−(CHCH=CH−C1−6アルキル、
−C1−8アルキル、
−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C2−15アルキニル、
−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C2−15アルケニル、
−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C1−15アルキルであり、そしてxは、0、1及び2から選択される整数であり;
10は、各出現において独立して、−H及び−C1−3アルキルからなる群から選択され;
11は、各出現において独立して、−H、−C1−3アルキル、−C(O)−C1−3アルキル、−C(O)−NR1010、−SO−C1−3アルキル及び−SO−フェニルからなる群から選択され;
11aは、−C(O)−NR1010、−SO−C1−3アルキル及び−SO−フェニルからなる群から選択され;
12は、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C2−15アルキニル、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C2−15アルケニル、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C1−15アルキル、からなる群から選択され;
13は、−H及び−OHからなる群から選択され;そして
14は、−COOH、−COOC1−3アルキル及び−C1−3アルキル−OHで置換されていてもよい単糖残基であり、ただし、Rが、−C≡C−(CH1−6NR1011、−CH=CH−(CH1−6NR1011及び−(CH1−8NR1011からなる群から選択される場合、R12は、−OHで一又は多置換されている−C1−15アルキル、−OHで一又は多置換されている−CH=CH−C1−13アルキル、−OHで一又は多置換されている−C≡C−C1−13アルキル、及び
【0028】
【化8】

【0029】
からなる群からは選択されず;そして
(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]アゼチジン−2−オンを除く)の化合物及び薬学的に許容されるその塩が含まれる。
【0030】
本発明の一実施態様は、pが0であり、rが1である場合、m、q及びnの合計は、1、2、3、4又は5である、式Iの化合物である。
【0031】
本発明の他の実施態様は、rが0であり、mが0である、式Iの化合物;すなわち、構造式式Ic:
【0032】
【化9】

【0033】
(式中、変数(Ar、R、R、R、R12、R13、Y、Z、q、n、p)は式Iにおいて定義した通りである)の化合物及び薬学的に許容されるその塩である。
【0034】
本発明の他の実施態様は、構造式Ia
【0035】
【化10】

【0036】
(式中、変数(Ar、R、R、R、R12、R13)は式Iにおいて定義した通りである)を有する式Iの化合物及び薬学的に許容されるその塩である。
【0037】
本発明の他の実施態様は、構造式Ib:
【0038】
【化11】

【0039】
(式中、変数(R、R12、R13)は式Iにおいて定義した通りである)を有する式Iの化合物及び薬学的に許容されるその塩である。
【0040】
本発明の他の実施態様は、Arが、アリール及びR−置換アリールからなる群から選択され、ここでRは、各出現において、−OR、−O(CO)R、−O(CO)OR、−O−C1−5アルキル−OR、−O(CO)NR、−NR、−NR(CO)R、−NR(CO)OR、−NR(CO)NR、−NRSO、−COOR、−CONR、−COR、−SONR、−S(O)、−O−C1−10アルキル−COOR、−O−C1−10アルキル−CONR及びフルオロからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である式I又はIaの化合物である。この実施態様の一クラスにおいては、Arは置換されていないか、一又は二置換フェニルである。一サブクラスにおいては、Arは、フッ素で一置換されたフェニル、特に4−フルオロ−フェニルである。
【0041】
本発明の他の実施態様は、Rが−ORである式I又はIaの化合物であり;この実施態様の一クラスにおいては、Rは−OHである。
【0042】
本発明の他の実施態様は、Rが−Hである式I又はIaの化合物である。
【0043】
本発明の他の実施態様は、Rが−ORである式I又はIaの化合物であり;この実施態様の一クラスにおいては、Rは−OHである。
【0044】
本発明の他の実施態様は、Rが−Hである式I又はIaの化合物である。
【0045】
本発明の他の実施態様は、Rが、−C≡C−C1−6アルキル−NR1011、−(CHCH=CH−C1−4アルキル−NR1011、−C1−8アルキル−NR1011、−C≡C−C1−4アルキル−CH(CH−NR1011、−(CHCH=CH−C1−4アルキル−CH−(CH−NR1011及び−C1−6アルキル−CH−(CH−NR1011からなる群から選択される、式I、Ia又はIbの化合物である。特に、Rは、−C1−8アルキル−NR1011及び−C1−6アルキル−CH−(CH−NR1011からなる群から選択される。この実施態様の一クラスにおいては、R11は、−SO−C1−3アルキル及び−SO−フェニルから選択され、特に−SOCHである。この実施態様の他のクラスにおいては、R12は、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C1−15アルキルである。この実施態様の他のクラスにおいては、R12は、1〜3個の−OH及びR14で置換されている−C3−6アルキルである。
【0046】
本発明の他の実施態様は、Rが、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C2−15アルキニル、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C2−15アルケニル、及び−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C1−15アルキルからなる群から選択される、式I、Ia又はIbの化合物である。特に、Rは、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C1−8アルキル、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−(CHCH=CH−C1−6アルキル、及び−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C≡C−C1−6アルキルからなる群から選択される。この実施態様の一クラスにおいては、R12は、−OHで一、二又は三置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C3−6アルキルである。
【0047】
本発明の他の実施態様は、Rが、−C≡C−C1−6アルキル−R11a、−(CHCH=CH−C1−4アルキル−R11a及び−C1−8アルキル−R11aからなる群から選択される、式I、Ia又はIbの化合物である。この実施態様の一クラスにおいては、R12は、−OHで一、二又は三置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C3−6アルキルである。
【0048】
本発明の他の実施態様は、R12が、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C2−15アルキニル、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C2−15アルケニル、及び−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C1−15アルキルからなる群から選択される、式I、Ia又はIbの化合物である。この実施態様の一クラスにおいては、R12は、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C1−8アルキル、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−(CHCH=CH−C1−6アルキル、及び−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C≡C−C1−6アルキルからなる群から選択される。この実施態様の一サブクラスにおいては、R12は、1、2、3、4又は5個の−OHで置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C1−8アルキルである。
【0049】
本発明の他の実施態様は、R12が、−OHで一又は多置換されている−C2−15アルキニル、−OHで一又は多置換されている−C2−15アルケニル、及び−OHで一又は多置換されている−C1−15アルキルからなる群から選択される、式I、Ia又はIbの化合物である。この実施態様の一クラスにおいては、R12は、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C1−8アルキル、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−(CHCH=CH−C1−6アルキル、及び−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C≡C−C1−6アルキルからなる群から選択される。この実施態様の一サブクラスにおいては、R12は、1、2、3、4又は5個の−OHで置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C1−8アルキルである。
【0050】
本発明の他の実施態様は、R13が−Hである、式I、Ia又はIbの化合物である。
【0051】
本発明の他の実施態様は、R14が、
【0052】
【化12】

【0053】
からなる群から選択される、式I、Ia又はIbの化合物である。
【0054】
本発明の他の実施態様は、更に(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル]−1−[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]アゼチジン−2−オンを除く、式I、Ia又はIcの化合物である。
【0055】
式I、Ia、Ib又はIcの範囲内の化合物には、
【0056】
【化13】

【0057】
1)N−(5−[4−((2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−1−イル)フェニル]−2−{[(メチルスルホニル)アミノ]メチル}ペンチル)メタンスルホンアミド;
【0058】
【化14】

【0059】
2)(3R,4S)−1,4−ビス{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]アゼチジン−2−オン;
【0060】
【化15】

【0061】
3)(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]−フェニル}アゼチジン−2−オン;
【0062】
【化16】

【0063】
4)(3R,4S)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1,4−ビス[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]アゼチジン−2−オン;
【0064】
【化17】

【0065】
5)(3R,4S)−3−[(3S)−)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1,4−ビス[4−(4−ヒドロキシブチル)フェニル]アゼチジン−2−オン;
【0066】
【化18】

【0067】
6)(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−1−[4−(2,3−ジヒドロキシプロピル)フェニル]−3−[(3S−)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]アゼチジン−2−オン;
【0068】
【化19】

【0069】
7)(3R,4S)−1−[4−(1,2−ジヒドロキシエチル)フェニル]−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]アゼチジン−2−オン;
【0070】
【化20】

【0071】
8)(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−(4−プロピルフェニル)アゼチジン−2−オン;
【0072】
【化21】

【0073】
9)(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−{4−[4−(メチルスルホニル)ブチル]フェニル}アゼチジン−2−オン;
【0074】
【化22】

【0075】
10)(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−{4−[6−(メチルスルホニル)ヘキシル]フェニル}アゼチジン−2−オン;
【0076】
【化23】

【0077】
11)メチル(2S,3S,4S,5R)−6−[4−{4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニル}−2−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ブトキシ]−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボキシレート;及び
【0078】
【化24】

【0079】
12)(2S,3S,4S,5R)−6−[4−{4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニル}−2−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ブトキシ]−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸;
並びに薬学的に許容されるそれらの塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
本発明の他の態様には、以下のコレステロール吸収阻害剤化合物:
【0081】
【化25】

【0082】
1)N−[4−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブタ−1−イン−1−イル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)ブタ−3−イン−1−イル]メタンスルホンアミド;
【0083】
【化26】

【0084】
2)N−[5−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブタ−1−イン−1−イル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)ペンタ−4−イン−1−イル]メタンスルホンアミド;
【0085】
【化27】

【0086】
3)N−[4−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)ブチル]メタンスルホンアミド;
【0087】
【化28】

【0088】
4)N−[5−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)ペンチル]メタンスルホンアミド;
【0089】
【化29】

【0090】
5)N−[6−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)ヘキシル]メタンスルホンアミド;
【0091】
【化30】

【0092】
6)N−[4−(4−{(2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−[4−(7−ヒドロキシヘプチル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)ブチル]メタンスルホンアミド;
【0093】
【化31】

【0094】
7)N−[4−(4−((2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンタ−1−イン−1−イル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−1−イル)フェニル]ブタ−3−イン−1−イル}メタンスルホンアミド;
【0095】
【化32】

【0096】
8)N−[5−(4−((2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンタ−1−イン−1−イル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−1−イル)フェニル]ペンタ−4−イン−1−イル}メタンスルホンアミド;
【0097】
【化33】

【0098】
9)N−{6−[4−((2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンタ−1−イン−1−イル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−1−イル)フェニル]ヘキサ−5−イン−1−イル}メタンスルホンアミド;
【0099】
【化34】

【0100】
10)N−{5−[4−((2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−1−イル)フェニル]ペンチル}メタンスルホンアミド;
【0101】
【化35】

【0102】
11)N−{6−[4−((2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−1−イル)フェニル]ヘキシル}メタンスルホンアミド;
【0103】
【化36】

【0104】
12)N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[1,2−ジヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミド;
【0105】
【化37】

【0106】
13)N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[4,5−ジヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミド;
【0107】
【化38】

【0108】
14)N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[2,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロピル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミド;
【0109】
【化39】

【0110】
15)N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[5,6−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ヘキシル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミド;及び
【0111】
【化40】

【0112】
16)N−{3−[4−((3R,4S)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−オキソ−4−{4−[1,2,5,6−テトラヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ヘキシル]フェニル}アゼチジン−1−イル)フェニル]プロピル}メタンスルホンアミド;並びに薬学的に許容されるそれらの塩が含まれる。
【0113】
下記化合物:
N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミド;(2S,3S,4S,5R,6R)−6−{[(1S)−3−[(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピル]オキシ}−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸;及び(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]アゼチジン−2−オン、並びに薬学的に許容されるそれらの塩;並びに前記化合物の1つと薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物も存在する。
【0114】
式I、Ia及びIbにおける各変数(すなわち、Ar、R、R、R、R12等)についての前述した各実施態様、クラス又はサブクラスは、1種以上の他の変数について前述した1種以上の実施態様、クラス又はサブクラスと組み合わせてもよく、このような全ての亜種の組み合わせは本発明の範囲内に含まれる。例えば、前記変数について前述した1種以上の実施態様、クラス又はサブクラスは、式Icの実施態様(すなわち、rが0であり、mが0である式Iの化合物)と組み合わせてもよい。更なる具体例は、Arが置換されていないか、一又は二置換フェニルであり、Rが−ORであり、R12が1、2、3、4又は5個の−OHで置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C1−8アルキルである、式Iaの化合物からなる亜種である。このような全ての亜種の組み合わせは本発明の範囲内に含まれるが、これらの具体例に限定されない。
【0115】
本明細書で用いられる場合、「アルキル」は、特定数の炭素原子を有する、分岐鎖及び直鎖の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基の具体例には、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル(Pr)、n−ブチル(Bu)、n−ペンチル、n−ヘキシル、及びイソプロピル(i−Pr)、イソブチル(i−Bu)、secブチル(s−Bu)、tertブチル(t−Bu)、1−メチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、イソペンチル、イソヘキシル等の異性体が含まれるが、これらに限定されない。
【0116】
本明細書で定義される特定のアルキル、アルケニル及びアルキニル基は、「−OHで一又は多置換されて」いてもよく、1個以上のヒドロキシル置換基がアルキル基上にあり、アルキル基中の置換のために利用できるそれぞれの炭素原子は独立して置換されていないか、又はヒドロキシルで一置換されていてもよく、少なくとも1個の炭素原子がヒドロキシルで置換されていることを意味する。これは、全ての利用可能な炭素原子がヒドロキシルで一置換されており、利用できる炭素原子のいくつかがヒドロキシルで一置換されているアルキル基を含む。
【0117】
本明細書で用いられる場合、「アリール」は、フェニル(Ph)、ナフチル、インデニル、テトラヒドロナフチル又はインダニルを意味する。フェニルが好ましい。
【0118】
ヒドロキシル保護基は、本発明の範囲内の最終生成物を製造するための合成方法の間の中間体において用いることができる。例えば、R12及びR13におけるような、ヒドロキシル基のための適切な保護基(本明細書において「PG」として示される)には、例えば、ベンジル、アセチル、ベンゾイル、tert−ブチルジフェニルシリル、トリメチルシリル、パラ−メトキシベンジル、ベンジリジン、ジメチルアセタール及びメトキシメチルのようなヒドロキシル保護基として有用であると知られているものが含まれるが、これらに限定されない。このような保護基の選択的な付加及び除去に必要な条件はGreene,T,and Wuts,P.G.M.,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,Inc.,New York,NY,1999等の標準テキストに見出される。
【0119】
式Iの化合物は1個以上の不斉中心を有し、それ故ラセミ体及びラセミ混合物、単一の鏡像異性体、鏡像異性体混合物、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在することができる。式Iで表わされる化合物のこのような全ての異性体形態は、本発明の範囲内に含まれる。更に、本発明の化合物の結晶形態のいくつかが多形として存在し得、本発明に含まれることが意図される。更に、本発明の化合物いくつかは、水又は有機溶媒により溶媒和物を形成することができる。このような水和物及び溶媒和物も本発明の範囲内に含まれる。本明細書に開示される化合物のいくつかは、オレフィン性二重結合を含む。本発明は、E及びZ幾何異性体のいずれをも含む。
【0120】
コレステロール吸収阻害剤としての活性のため、本発明の化合物は、新規なコレステロール吸収阻害剤を特定するために設計されたスクリーニングアッセイにおいて用いることができる。例えば、イオウが「放射性」の−35S−で置換された、特に放射性イオウ同位元素がR部分に組み込まれた式Iの化合物の放射性同位元素はこのようなアッセイにおいて特に有用である。式Iの化合物の全てのこのような放射性同位元素は本発明の範囲内に含まれる。
【0121】
「式I」、「式Ia」及び「式Ib」の化合物としての本発明の化合物への言及は、このような塩及びエステルが可能である場合の薬学的に許容される塩及びエステルを含むこれらの構造式のそれぞれの範囲内の化合物を含むことが意図される。本明細書において、「薬学的に許容される塩」なる用語は、一般的に、フリーの酸を適当な有機又は無機の塩基と反応させることによって調製される、本発明において用いられる化合物の無毒の塩を意味し、特に、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛及びテトラメチルアンモニウムのようなカチオンから製造されるもの、並びにアンモニア、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、1−p−クロロベンジル−2−ピロリジン−1’−イル−メチルベンズイミダゾール、ジエチルアミン、ピペラジン、モルホリン、2,4,4−トリメチル−2−ペンタミン及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンのようなアミンから製造される塩を意味する。
【0122】
本発明の化合物が塩基性である場合、塩は、無機及び有機酸を含む、薬学的許容される無毒の酸から調製することができる。このような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコ酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。特定の好ましい酸は、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸である。
【0123】
また、本発明の化合物中にカルボン酸(−COOH)又はアルコール基が存在する場合、−C1−4アルキル、フェニルで置換された−C1−4アルキル、アセチルアミノ及びピバロイルオキシメチルのようなカルボン酸誘導体、又はO−アセチル、O−ピバロイル、O−ベンゾイル、O−ジメチルアミノ及びO−アミノアシルのようなアルコールのアシル誘導体の薬学的に許容されるエステルを用いることができる。プロドラッグ又は徐放性製剤用途のために、化合物の溶解性又は加水分解特性を修飾するための当該技術分野において公知のエステル及びアシル基が本発明の範囲内に含まれる。
【0124】
「患者」なる用語には、病状の予防又は治療のための本発明の活性成分を用いる哺乳類、特にヒトが含まれる。患者への薬剤の投与には、自己投与及び他人による患者への薬剤の投与の両方が含まれる。患者は、存在する疾患又は病状の治療を必要とするかもしれず、又はコレステロールの吸収阻害によって影響される疾患及び病状を予防又は危険性を減少するための所望の予防的治療を必要とするかもしれない。
【0125】
「治療に有効な量」なる用語は、研究者、獣医師、医師又は他の臨床家によって見出された、組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発する薬物の量を意味することが意図される。「予防に有効な量」なる用語は、研究者、獣医師、医師又は他の臨床家によって、組織、系、動物又はヒト中で予防されることが求められる生物学的又は医学的症状の発現の危険性を予防又は減少する薬物の量を意味することが意図される。特に、患者が受ける投与量は、LDLコレステロールの量の所望の低下を達成するように選択することができる。患者が受ける投与量は、また、目標とするLDLレベルに到達するためにゆっくりと時間をかけて滴定することもできる。本発明の化合物を用いる投薬計画は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性及び病状;治療される病状の重症度;投与すべく選択された化合物の有効性;投与経路;及び患者の腎臓及び肝臓の機能を含む種々の因子に従って選択される。これらの因子の考慮は、病状の進行の予防、対抗又は停止するのに必要な、治療に有効又は予防に有効な投与量を決定する目的のために、熟練した臨床医の範囲内にある。
【0126】
本発明の化合物はコレステロール吸収阻害剤であり、単独で又は抗アテローム性動脈硬化症剤のような他の活性薬剤と、及び特にHMG−CoA還元酵素阻害剤のようなコレステロール生合成阻害剤と組み合わせて用いる場合に、血漿コレステロールレベルを減少するのに有効であり、特に血漿LDLコレステロールレベルを減少するのに有用である。従って、本発明は、治療を必要とするヒトに式Iの化合物の治療に有効な量を投与することを含む、コレステロールの吸収を阻害し、高コレステロール血症を含む脂質障害を治療する方法を提供する。更に、アテローム性動脈硬化症の発現の危険にさらされているか、又はすでにアテローム硬化性疾患を患っている哺乳類に、式Iの化合物の予防又は治療に有効な量を投与することを含む、アテローム性動脈硬化症を予防し、又は発現の危険性を減少し、臨床症状がいったん出現した場合にアテローム硬化性疾患の進行を停止又は遅延する方法が提供される。
【0127】
アテローム性動脈硬化症には、医学の関連分野において開業している医師によって認識され理解されている血管疾患及び病状が含まれる。血管再生に続く再狭窄が含まれるアテローム硬化性心血管疾患、冠動脈性心疾患(冠状動脈疾患又は虚血性心疾患としても知られている)、多発硬化性認知症が含まれる脳血管性疾患及び勃起障害が含まれる末梢血管疾患は、全てアテローム性動脈硬化症の臨床症状であり、従って、「アテローム性動脈硬化症」及び「アテローム硬化性疾患」なる用語によって包含される。
【0128】
式Iの化合物は、冠動脈性心疾患事象、脳血管の症状及び/又は間欠性跛行の発現、又は可能性のある再発の危険性を予防又は減少するために投与してもよい。冠動脈性心疾患事象は、CHD死、心筋梗塞(すなわち心発作)及び冠動脈血管再生術が含まれることを意味する。脳血管事象は、虚血性又は出血性脳卒中(脳血管性偶発症状としても知られる)及び一過性脳虚血発作が含まれることを意味する。間欠性跛行は末梢血管疾患の臨床症状である。本明細書で用いられるように、「アテローム硬化性疾患事象」なる用語は、冠動脈性心疾患事象、脳血管事象及び間欠性跛行を含むことを意味する。非致命的なアテローム硬化性疾患事象を既に1回以上経験した人は、このような症状の再発についての可能性が存在する人である。
【0129】
従って、本発明は、また、このような事象の危険にさらされている患者に、式Iの化合物の予防に有効な量を投与することを含む、アテローム硬化性疾患事象の、最初又はそれに続く発現の危険性を予防又は減少する方法を提供する。患者は、投与の時にアテローム硬化性疾患を患っていても患っていなくてもよく、又は発現の危険性にさらされていてもよい。
【0130】
本発明の療法により治療される人には、アテローム硬化性疾患の発現の危険にさらされている人、アテローム硬化性疾患事象を有する人が含まれる。標準的なアテローム硬化性疾患の危険因子は、医学の関連分野において開業している平均的な医師に公知である。このような公知の危険因子には、高血圧、喫煙、糖尿病、低レベルの高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール及びアテローム硬化性心血管疾患の家族歴が含まれるが、これらに限定されない。アテローム硬化性疾患を発現する危険にさらされている人を特定するための公表されたガイドラインは、Executive Summary of the Third Report of the National Cholesterol Education Program(NCEP)Expert Panel on Detection,Evaluation,and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults(Adult Treatment Panel III),JAMA,2001;285 pp.2486−2497に見出すことができる。前述の危険因子の1種以上を有するとして特定された人は、アテローム硬化性疾患の発現の危険にさらされていると考えられる人の群の中に含まれることを意味する。前述の危険因子の1種以上を有する事象、及び既にアテローム性動脈硬化症であるとして特定された人は、アテローム硬化性疾患事象の危険にさらされていると考えられる人の群の中に含まれることを意味する。
【0131】
式Iの化合物の経口投与量は、約0.1〜約30mg/体重1kg/日であり、好ましくは約0.1〜約15mg/体重1kg/日である。70kgの平均体重について、投与量レベルは、それ故、1日あたり約5mg〜約1000mgである。しかし、投与量は、特定の化合物の効能を含む前述のような因子に依存して変化するであろう。本発明の活性薬剤は、例えば、1日に2〜4回のように、分けて投与することができるが、活性薬剤の毎日1回の投与が好ましい。具体例として、毎日の投与量は、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、40mg、50mg、75mg、80mg、100mg及び200mgから選択されるが、これらに限定されない。
【0132】
本発明の治療法において用いられる活性薬剤は、錠剤、カプセル剤、丸剤、粉末、顆粒剤、エリキシル、チンキ、懸濁剤、シロップ及びエマルジョンの経口用形態で投与することができる。経口製剤、特に錠剤のような固形の経口製剤が好ましい。
【0133】
式Iの化合物について、活性薬剤の投与は、任意の薬学的に許容される経路及び任意の薬学的に許容される剤形によってもよい。これには、通常の急速放出、時間制御放出及び遅延放出(例えば腸溶コーティング)の経口医薬投与形態の使用が含まれる。本発明において用いるのに適した追加の薬学的組成物は薬学の分野における当業者に公知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,PAを参照されたい。
【0134】
本発明の方法においては、活性薬剤は、通常、意図した投与形態に関して適切に選択された適切な薬学的希釈剤、賦形剤又は担体(本明細書において集合的に「担体材料」と呼ばれる)と混合して、すなわち、従来の薬学的実務と一致して、経口錠剤、カプセル、エリキシル、シロップ等で投与される。
【0135】
例えば、錠剤又はカプセルの形態での経口投与については、活性薬剤成分は、乳糖、デンプン、ショ糖、グルコース、修飾糖、修飾デンプン、メチルセルロース及びその誘導体、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール及び他の還元及び非還元糖、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリル、ステアリン酸カルシウムのような無毒の薬学的に許容される不活性の担体と混合することができる。液剤における経口投与については、薬剤成分は、エタノール、グリセロール、水などのような無毒の薬学的に許容される不活性の担体と混合することができる。更に、所望又は必要である場合、適当なバインダー、滑沢剤、崩壊剤及び着色剤及び着香料を混合物に組み入れることもできる。酸化防止剤のような安定剤、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸、メタ重亜硫酸カルシウム、ヒドロキノン及び7−ヒドロキシクマリン、特に、BHA、没食子酸プロピル及びそれらの組み合わせを、投与形態を安定化させるために加えることもできる。式Iの化合物を、シンバスタチンのようなHMG−CoA還元酵素阻害剤と一緒に製剤化する場合、組成物において少なくとも1種の安定剤の使用が好ましい。他の適切な成分には、ゼラチン、甘味料、及びアラビアガム、トラガカントゴム又はアルギン酸のような天然ゴム及び合成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス等が含まれる。
【0136】
また、本発明は、式Iの化合物を薬学的に許容される担体と混合することを含む、薬学的組成物の調製法を含む。式Iで表わされる化合物を薬学的に許容される担体と混合することにより製造された薬学的組成物も含む。
【0137】
1種以上の追加の活性薬剤を式Iの化合物と併用して投与することができ、そのため、本発明の実施態様は医薬の組み合わせを含む。薬剤の組み合わせは、式Iの化合物及び追加の活性薬剤を含む単一の投与製剤、並びに活性薬剤の同時又は連続投与を可能にする、別個の投与製剤中に各々の式Iの化合物及び追加の薬剤の投与を含む。追加の活性薬剤は、脂質修飾剤、特に、HMG−CoA還元酵素阻害剤のようなコレステロール生合成阻害剤、又は他の薬理活性を有する薬剤、又は脂質修飾効果及び他の薬理活性を有する薬剤であってもよい。この目的のために有用なHMG−CoA還元酵素阻害剤の具体例には、ロバスタチン(MEVACOR(登録商標);米国特許第4,342,767号参照);シンバスタチン(ZOCOR(登録商標);米国特許第4,444,784号参照);ジヒドロキシオープン酸型シンバスタチン、特にそのアンモニウム又はカルシウム塩;プラバスタチン、特にそのナトリウム塩(PRAVACOL(登録商標);米国特許第4,346,227号参照);フルバスタチン、特にそのナトリウム塩(LESCOL(登録商標);米国特許第5,354,772号参照);アトルバスタチン、特にそのカルシウム塩(LIPITOR(登録商標);米国特許第5,273,995号参照);ロスバスタチン(CRESTOR(登録商標);米国特許第5,260,440号参照);及びNK−104とも呼ばれるピタバスタチン(PCT国際出願公開WO97/23200参照)が含まれるがこれらに限定されない、ラクトン化又はジヒドロキシオープン酸型スタチン及びそれらの薬学的に許容される塩及びエステルが含まれる。用いることのできる追加の活性薬剤の具体例には、1種以上のFLAP阻害剤;5−リポキシゲナーゼ阻害剤;米国特許再発行特許第37721及び第5,846,966号等に開示されたエゼチミブ(ZETIA(登録商標))のような追加のコレステロール吸収阻害剤;JTT−705及びCP529,414としても知られているトルセトラピブのようなコレステロールエステル転送タンパク質(CETP)阻害剤;HMG−CoAシンターゼ阻害剤;スクアレンエポキシダーゼ阻害剤;スクアレンシンテターゼ阻害剤(スクアレンシンターゼ阻害剤としても知られる);ACAT−1又はACAT−2の選択的阻害剤及びACAT−1及び−2の二重阻害剤を含むアシル補酵素A:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤;ミクロソームのトリグリセリドトランスファタンパク質(MTP)阻害剤;ナイアシン;アシピモックス及びアシフランのようなナイアシン受容体アゴニスト及びナイアシン受容体部分アゴニスト;LDL(低密度リポタンパク質)受容体誘導物質;糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体アンタゴニスト及びアスピリンのような血小板凝集阻害剤;ピオグリタゾン及びロシグリタゾンのような一般にグリタゾンと呼ばれる化合物及びチアゾリジンジオンとして知られる構造的クラスに含まれる化合物、並びにチアゾリジンジオン構造的クラスに入らないPPARγアゴニストを含むヒトペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARγ)アゴニスト;微粉化フェノビブレート及びゲムフィブロジルを含むクロフィブレート、フェノフィブレートのようなPPARαアゴニスト;PPAR二重α/γアゴニスト;ビタミンB(ピリドキシンとしても知られる)及びHCl塩のような薬学的に許容されるその塩;ビタミンB12(シアノコバラミンとしても知られる);葉酸又はナトリウム塩及びメチルグルカミン塩のような薬学的に許容されるその塩又はエステル;ビタミンC及びE及びβカロテンのような抗酸化ビタミン類;β遮断薬;ロサルタンのようなアンギオテンシンIIアンタゴニスト;エナラプリル及びカプトプリルのようなアンギオテンシン変換酵素阻害剤;ニフェジピン及びジルチアザムのようなカルシウムチャンネル遮断薬;エンドセリンアンタゴニスト;ABC1遺伝子発現を増強する薬剤;阻害剤及びアゴニストの両方を含むFXRリガンド;及び、LXRα及びLXRβのような全てのサブタイプの受容体両方を含むLXRリガンド;アレンドロン酸ナトリウムのようなビスホスフォネート化合物;及びエトリコキシブ及びセレコキシブのようなシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0138】
式Iの化合物の治療又は予防に有効な量は、コレステロールの吸収を阻害するのに有用な医薬の調製のため、及びコレステロールの吸収阻害によって影響する疾患及び病状の治療及び危険性を減少し、例えば、脂質障害の治療、アテローム硬化性疾患の発現の危険性の予防や減少、臨床症状を有するアテローム性動脈硬化症の進行を停止又は遅延し、及びアテローム硬化性疾患事象の最初又はその後の発生の危険性の予防又は減少のために用いることができる。例えば、薬物は、約5mg〜約100mgの式Iの化合物を含む。式Iの化合物を含む薬物は、例えば前述したような1種以上の追加の活性薬剤を用いて調製してもよい。
【0139】
化合物は、例えば、ラット又はマウスを用いたアッセイにおいて、コレステロール吸収活性について試験をすることができ、好ましくはここに記載したラットアッセイにおいて試験する。本発明の代表的な化合物について、後述する、ラットにおけるコレステロール吸収アッセイを用いて、コレステロール吸収の阻害を検出した。このアッセイは、ラットにおけるコレステロール吸収を阻害する能力について、試験化合物をエゼチミブと比較することを含む。エゼチミブ及び本発明の試験化合物は、いずれも、試験を行った最も高い濃度において、コレステロール吸収を75%を超えて阻害した。好ましい化合物は、コレステロール吸収を90%を超えて阻害した。試験化合物は10mg/kg未満のID50を有していた。好ましい化合物は、1mg/kg未満のID50を有していた。
【0140】
ラットにおけるコレステロール吸収アッセイ:
5週齢のオスのCDラット(n=5/群)に、試験化合物あり又は試験化合物なし、又はエゼチミブ(0.0003〜1mg/kg)を、0.25%メチルセルロース溶液0.5mLを用いて経口的に投与した。0.5〜16時間後、全てのラットに、ラットあたり5μCi[H]コレステロールを含むINTRALIPID(登録商標)0.5mLを経口的に投与した。5時間後、動物を安楽死させ、肝臓及び血液を集めた。肝臓及び血漿中のコレステロール値を定量し、コレステロール吸収阻害の割合を計算した。
【0141】
下記に記載するように、マウスアッセイを用いてコレステロール吸収活性についても化合物を試験した。マウスにおけるコレステロール吸収アッセイ:10〜14週齢のC57BL/6のオスマウス(n=6/グループ)に、試験化合物あり又はなし、又はエゼチミブ(0.12〜10mg/kg)を、0.25%メチルセルロース溶液0.2mLを用いて経口的に投与した。30分後、全てのマウスに、マウスあたり2μCi[H]コレステロールを含むINTRALIPID(登録商標)0.2mLを経口的に投与した。5時間後、動物を安楽死させ、肝臓及び血液を集めた。肝臓及び血漿中のコレステロール値を定量し、コレステロール吸収阻害の割合を計算した。
【0142】
本発明の構造式Iの化合物は、適切な原料を用いて、以下の手段及び実施例に従って調製することができ、以下の特定の実施例によって更に例示される。更に、本発明に開示された手段を用いて、当業者は本明細書に請求された本発明の更なる化合物を容易に調製することができる。しかし、実施例に例示された化合物は、本発明として考えられる唯一の種類を形成するとは解釈されない。実施例は、本発明の化合物の調製について更に詳細に説明する。当業者は、これらの化合物を調製するために、以下の調製方法の条件及び工程の公知の変形を用いることができることを容易に理解するだろう。
【0143】
本発明の化合物の調製において、種々のクロマトグラフィー技術を用いることができる。これらの技術には、順相、逆相及びキラル相を含む高速液体クロマトグラフィー(HPLC);中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)、超臨界流体クロマトグラフィー、分取用薄層クロマトグラフィー(分取用TLC):シリカゲル又は逆相シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィー;イオン交換クロマトグラフィー及びラジカルクロマトグラフィーが含まれるが、これらに限定されない。全ての温度は特に示さない限り摂氏である。
【0144】
【化41】

【0145】
以下の一般的なスキームは、本発明の化合物の合成方法を示す。全ての置換基及び変数(例えば、R、R、Ar、v、w等)は、特に示さない限り式Iにおいて前述した通りである。
【0146】
スキームIにおいては、I−1を、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)又は[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)等の適切なパラジウム触媒及びヨウ化銅(I)の存在下にタイプI−2の末端アルキンと処理する。反応は、通常、DMF等の不活性有機溶媒中で、室温〜100℃の間の温度で6〜48時間実施し、生成物は構造式I−3の内部アルキンである。アルキンI−2は、I−1との反応により放射標識された対応する付加物を与えるために、35S等の放射性原子を含んでいてもよい。I−3のI−4への変換は、R位における三重結合の水素添加、次いで、メタノール中でのグアニジン及びトリエチルアミンとの処理により、フェノール性アセテートを選択的に除去し、次いで、ジクロロメタン溶媒中、トリエチルアミン又はN,N−ジイソプロピル−N−エチルアミンの存在下に、フェノールをビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノピリジンと処理することによりトリフレートI−4に変換することにより実施することができる。アルキニル−R12a基の導入は、ヒドロキシ保護又は非保護アルキニル−R12a基誘導体I−5のいずれかを用いてトリフレートI−4のパラジウム補助カップリングにより実施される。ヒドロキシル保護基(PG)の具体例には、例えば、初期又は後の化学反応と適合性のあるベンジル、アセテート、アセタール又は他の適切な酸素保護基又はそれらの組み合わせが含まれる。具体例として、R12a基には、−C1−6アルキル−OBn及び
【0147】
【化42】

【0148】
が含まれるが、これらに限定されない。
【0149】
この方法においては、I−4を、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)等の適切なパラジウム触媒及びヨウ化銅(I)及びヨウ化テトラブチルアンモニウム等の開始剤の存在下に、タイプI−5のアルキニル−R12a基と処理する。反応は、通常、DMF等の不活性有機溶媒中で、50℃で1〜5時間実施し、生成物は構造I−6のアルキニル−R12aを有する。三重結合の水素化は、水素雰囲気下、酢酸エチル等の溶媒中で10%パラジウムカーボンを用いた処理により、15〜24時間以上の反応でR12a中に含まれる任意のベンジル保護基の除去と一緒に起こり、I−7を形成する。任意の残りのヒドロキシル保護基の加水分解又は切断は同時に起こってもよく、又は非ベンジル保護基は水素化工程の前に除去することができる。例えば、R12a中に含まれるアセタールとして保護されたジオールは、水性の酸を用いた処理により除去することができる。R12aが1個以上のアセテート基を含む場合、50℃に加熱したメタノール中でシアン化カリウムを用いて1〜2時間脱保護し、フリーのヒドロキシル基を得る。
【0150】
【化43】

【0151】
最終生成物I−12中に2−ヒドロキシフェニル基を有する化合物の調製をスキームIIに要約する。ビス(ベンジルオキシ)中間体I−8をテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)又は[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)等の適切なパラジウム触媒、及びヨウ化銅(I)の存在下、タイプI−2の末端アルキンと処理することができる。反応は通常、DMF等の不活性有機溶媒中で、室温〜100℃の温度で6〜48時間実施し、生成物は構造式I−9の内部アルキレンである。アルキンI−2は、I−8との反応により対応する放射標識された付加物を与えるために、35S等の放射性原子を含んでいてもよい。I−9のI−10への変換は、2位に存在しないベンジルエーテルの選択的加水分解に付随する三重結合の水素化、次いで、ジクロロメタン溶媒中、ピリジンの存在下にトリフリック無水物(無水トリフルオロメタンスルホン酸)との処理による得られたフェノールのトリフレートI−10への変換により実施することができる。残りの工程は、スキームIにおいて記載したように実施することができる。
【0152】
【化44】

【0153】
スキームIIIに示すように、フェニル環へのトリヒドロキシルアルキル基の直接導入は、n=0であるI−14等のアルケニルスタンニル中間体を用いた、トリフレートI−13等の中間体のパラジウム補助カップリングによって実施することができる。反応は、PdCl(PPh又はテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)等のパラジウム触媒の存在下、DMF又はトルエン等の不活性有機溶媒中で、1〜24時間加熱しながら実施することができ、生成物I−15(n=0)を得る。このアルケニルフェニル中間体のジヒドロキシル化は、適切な溶媒中で、トリエチルアミン等の塩基の存在下、N−メチルモルホリンN−オキシド再酸化剤とOsO(触媒)等の標準的条件を用いて実施することができる。存在する場合、例えばベンジル保護基等の任意の保護基の除去は、酢酸エチル等の溶媒中、水素雰囲気下で10%パラジウムカーボンを用いた15〜24時間の処理により実施することができ、式I−16(n=0)の化合物を得る。また、中間体がアセテート等の保護基を含む場合、フリーのヒドロキシル基を得るための脱保護は、前述したようにMeOH中のKCNを用いて実施することができる。フェニル環(n=1)への1−炭素リンカーを有する式I−15及びI−16の生成物は、n=1であるアルケニルスタンニル中間体I−14を用いて、この反応順序に従い、同様に調製することができる。
【0154】
【化45】

【0155】
スキームIVに示すように、機能化された窒素基への2−炭素リンカーを含む化合物は、アルケニル中間体I−17を、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)と処理し、アルキルボレートエステルを形成することによって得ることができ、これはヨウ化物I−18を用いたパラジウム触媒相互カップリングにより、2−炭素結合された窒素機能化基を有するI−19を得る。中間体I−19を脱保護し、次いで、本明細書に開示され、スルホンアミド形成、カルボキサミド形成等のために当業界で公知である手段を用いて機能化された窒素中間体に変換することができる。次いで、スキームI、II及びIIIにおいて前述したのと同様の手段を用いて、後の中間体を本発明の化合物に変換する。
【0156】
【化46】

【0157】
スキームVに示すように、関連する様式において、1個の炭素リンカーを含む化合物は、ヨウ化中間体I−18を、シアン化トリメチルシリル(TMS−CN)等のアリールシアン化試薬及びパラジウム触媒と処理することにより、アリールシアン中間体を得ることによって得ることができる。このシアノ−中間体を、ラネーニッケル触媒の存在下に水素化し、1個の炭素結合窒素基を有する所望のアミノメチル中間体I−19を得ることができる。次いで、この中間体を、本明細書に開示され、スルホンアミド形成、カルボキサミド形成等のために当業界で公知である手段を用いて、機能化された窒素中間体に変換することができる。式I−19で表わされる化合物の更なる操作は、式Iで表わされる化合物を製造するためのスキームI〜IIIに開示された方法と同様の順序によって実施することができる。
【0158】
【化47】

【0159】
以下の実施例は本発明を説明するために提供され、いかなる状況においても本発明の範囲を限定するとして解釈されない。以下の合成実施例において、前の工程からの中間体への言及は、特に示さない限り、同じ実施例においては前の工程において製造された中間体化合物を意味する。以下の意味は、特定の繰り返し用いられる中間体についての実施例において用いられる。
【0160】
N−プロパ−2−イン−1−イルメタンスルホンアミド(i−1)の調製:
【0161】
【化48】

【0162】
0℃で、塩化メタンスルホニル(1.40mL,18.1ミリモル)を、プロパルギルアミン(1.00g,18.1ミリモル)及びジメチルアミノピリジン(44.0mg,0.36ミリモル)の、ピリジン(10mL)中の撹拌溶液に加えた。約15時間熟成させた後、反応混合物を1N HClに注ぎ入れ、酢酸エチルで2回抽出した。一緒にした有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、そして減圧下に濃縮し、標題の化合物i−1を得た。静置して粗i−1を結晶化し、これを更に精製することなく用いた。HNMR(500MHz,CDCl)δ:4.92(br s,1H),3.99(dd,J=2.3,6.2Hz,2H),3.11(s,3H),2.70(br t,J=2.3Hz)。
【0163】
N−メチル−N−プロパ−2−イン−1−イルメタンスルホンアミド(i−2)の調製:
【0164】
【化49】

【0165】
室温で、塩化メタンスルホニル(1.12mL,14.5ミリモル)を、N−メチルプロパルギルアミン(1.22mL,14.5ミリモル)及びジメチルアミノピリジン(35mg,0.30ミリモル)のピリジン(10mL)中の撹拌溶液に加えた。約15時間熟成させた後、反応混合物を酢酸エチルに注ぎ入れ、1N HCl及び食塩水で連続的に洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過し、減圧下に濃縮し、標題の化合物(i−2)を得、これを更に精製することなく用いた。
【0166】
N−プロパ−2−イン−1−イルアセトアミド(i−3)の調製:
【0167】
【化50】

【0168】
0℃で、塩化アセチル(0.52mL,7.3ミリモル)を、プロパルギルアミン(0.5mL,7.3ミリモル)及びジメチルアミノピリジン(18mg,0.14ミリモル)のピリジン(2.5mL)中の撹拌溶液に加え、得られた混合物を室温まで加温した。約15時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N HCl及び食塩水で連続的に洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過し、減圧下に濃縮し、標題の化合物(i−3)を得、これを更に精製することなく用いた。
【0169】
N−プロパ−2−イン−1−イルベンゼンスルホンアミド(i−4)の調製:
【0170】
【化51】

【0171】
室温で、塩化ベンゼンスルホニル(1.16mL,9.1ミリモル)を、プロパルギルアミン(0.62mL,9.1ミリモル)及びジメチルアミノピリジン(22mg,0.18ミリモル)のピリジン(5mL)中の撹拌溶液に加えた。得られた溶液を、約15時間室温で熟成させた。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N HCl及び食塩水で連続的に洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過し、減圧下に濃縮し、標題の化合物(i−4)を得、これを更に精製することなく用いた。
【0172】
N,N−ジメチル−N’−プロパ−2−イン−1−イル尿素(i−5)の調製:
【0173】
【化52】

【0174】
室温で、塩化ジメチルカルバミル(0.84mL,9.1ミリモル)を、プロパルギルアミン(0.62mL,9.1ミリモル)及びジメチルアミノピリジン(22mg,0.18ミリモル)のピリジン(5mL)中の撹拌溶液に加えた。得られた懸濁液を、室温で約15時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N HCl及び食塩水で連続的に洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過し、減圧下に濃縮し、標題の化合物(i−5)を得、これを更に精製することなく用いた。
【0175】
5−エチニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イルアセテート(i−6)の調製:
【0176】
【化53】

【0177】
窒素雰囲気下、乾燥した250mLの丸底フラスコに、0.5Mの臭化エチニルマグネシウムのTHF(115mL、57.7ミリモル)溶液を入れた。得られた溶液を氷浴中で0℃に冷却した。冷却した溶液に、50mLの2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−オン(5g,38.44ミリモル)の無水THF中の溶液をゆっくりと加えた。氷浴を取り除き、得られた反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。飽和NHCl水溶液(50mL)で反応混合物の反応を停止し、次いで酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、ろ過し、減圧下に溶媒を除去し、粗中間体を得た。
【0178】
粗中間体を窒素雰囲気下にCHCl(100mL)に溶解した。得られた溶液に、注射器により、無水酢酸(4.34mL、46ミリモル)及びTEA(6.4mL、46ミリモル)を同時に加えた。反応混合物にDMAP(0.56g,4.6ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、1N HCl水溶液(100mL)を加えることにより反応を停止した。反応混合物を分液ロートに移し、有機層を分離した。有機層をNaHCO(100mL)水溶液、水(50mL)、食塩水で洗浄し、乾燥し、ろ過し、減圧下に溶媒を除去して、標題の化合物(i−6)を得、これを更に精製することなく用いた。HNMR(500MHz,CDCl)δ:4.14(d,J=12.6,2H)4.07(d,J=12.6Hz,2H),2.65(s,1H),2.12(s,3H),1.45(s,3H),1.41(s,3H)。
【0179】
化合物(3R,4S)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヨードフェニル)アゼチジン−2−オン(i−7)及び(i−7a)を、Burnett,D.S.;Caplen,M.A.;Domalski,M.S.;Browne,M.E.;Davis,H.R.Jr.;Clader,J.W.Bioorg.Med.Chem.Lett.(2002),12,311に従って調製した。化合物i−8は、保護基がアセチルであるi−7のジヒドロキシ保護類似体である。
【0180】
【化54】

【0181】
4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(アセチルオキシ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−1−(4−ヨードフェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニルアセテート(i−8)の調製:
【0182】
【化55】

【0183】
窒素雰囲気下、(1S)−1−(4−フルオロフェニル)−3−[(2S,3R)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヨードフェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル]プロピルアセテート(1−7a)(2g,3.58ミリモル)(Burnett,D.S.;Caplen,M.A.;Domalski,M.S.;Browne,M.E.;Davis,H.R.Jr.;Clader,J.W.Bioorg.Med.Chem.Lett.(2002),12,311に従って調製)のCHCl(25mL)中の溶液に、無水酢酸(0.4mL,4.30ミリモル)、トリエチルアミン(0.75mL,5.38ミリモル)及びDMAPを加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、減圧下に溶媒を除去した。残渣をMPLC(シリカカラム)により、段階的な勾配溶出液(溶出液として0〜100%EtOAc/ヘキサン)を用いて精製し、標題の化合物(i−8)を得た。m/z(ES)(M−OAc)HNMR(500MHz,CDCl)δ:7.57(d,J=8.6,1H)7.38−7.26(m,5H),7.22(br d,J=7.1H,2H),7.14(d,J=8.5Hz,1H),7.08−7.02(m,3H),5.74(t,J=6.7Hz,1H),4.62(d,J=2.3Hz,1H),3.10(dt,J=2.3,7.8Hz,1H),2.34(s,3H),2.08(s,3H),2.09−2.03(m,2H),1.94−1.86(m,2H)。
【0184】
実施例に記載されている追加の中間体:
【0185】
【化56】

【0186】
[(ヘキサ−5−イン−1−イルオキシ)メチル]ベンゼン又はベンジルヘキサ−5−イン−1−イルエーテル(i−11)の調製
【0187】
【化57】

【0188】
窒素雰囲気下、5−ヘキシン−1−オール(1.17g,11.88ミリモル)の無水DMF(100mL)中の溶液に、TBAI(0.87g,2.38ミリモル)、次いで油中の60%NaH分散物(0.55g,14.26ミリモル)を0.5時間かけて一部ずつ加えた。反応混合物を0.5時間撹拌し、臭化ベンジル(2.44g、14.26ミリモル)を注射器により加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、飽和NHCl水溶液(100mL)を加えることにより反応を停止した。反応混合物を分液ロートに移し、エーテルで抽出した(3×75mL)。一緒にした有機層を水(50mL)、食塩水(75mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過し、減圧下に溶媒を除去した。残渣をMPLC(シリカカラム)により、段階的な勾配溶出液(溶出液として0〜60%EtOAc/ヘキサン)を用いて精製し、標題の化合物(i−11)を得た。
【0189】
(1S)−3−[(2S,3R)−2−[2,4−ビス(ベンジルオキシ)フェニル]−1−(4−ヨードフェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテート(i−12)を、Vaccaro,W.D.et al.,Bioorg.Med.Chem.,vol.6(1998),1429−1437に記載された方法を用いて、2,4−ビスベンジルオキシアセトアルデヒド及び4−ヨードアニリンから調製した。
【0190】
【化58】

【0191】
4−(メチルスルホニル)ブタ−1−インの調製
【0192】
【化59】

【0193】
3−ブテン−1−オール(1000mg;14.27ミリモル)及び塩化メタンスルホニル(1.63g,14.27ミリモル)のジクロロメタン(35mL)中の溶液を浴中で0℃に冷却し、この溶液に、ジクロロメタン(5mL)中のトリエチルアミン(2.09mL,14.98ミリモル)を約5分かけて1滴ずつ加えた。得られた反応混合物を0℃で0.5時間激しく撹拌し、次いで、室温で撹拌を更に0.5時間続けた。減圧下、ロータリーエバポレータで揮発性成分を除去し、残った残渣をジエチルエーテル(2×50mL)及び1N塩酸(50mL)で分配した。一緒にしたエーテル抽出物を無水硫酸マグネシウム粉末で乾燥し、ろ過し、得られたろ液を減圧下に濃縮し、ブタ−3−イン−1−イルメタンスルホネートエステルである淡黄色の流動性液体が残った。
【0194】
粗製のブタ−3−イン−1−イルメタンスルホネート(0.5g,3.37ミリモル)のエタノール(7.5mL)中の溶液に、ナトリウムチオメトキシド(248mg,3.54ミリモル)の粉末を約5分かけて少しずつ加え、得られた混合物を、不活性雰囲気中、室温で12時間撹拌した。数滴の蒸留水を加え、曇った溶液を溶解し、淡い黄色の均一な溶液を得た。0℃で、30%過酸化水素水溶液(3mL)、酢酸(5mL)及び3滴の濃硫酸から過酢酸溶液を作製した。この過酸溶液の一部(3mL)をエタノール溶液に慎重に加え、反応混合物を室温で8時間撹拌し、次いで、ロータリーエバポレータで濃縮し、得られた油状の残渣をジクロロメタン(3×25mL)及び水で分配した。一緒にしたジクロロメタン抽出物を、酸を中和するために(pH試験紙で試験)、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、過剰の酸化物を除去するために飽和亜硫酸ナトリウム溶液で洗浄した(ヨウ化デンプン試験紙が陰性になるまで)。ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウム粉末で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。残留した油状物質を分取用tlcプレート(ジクロロメタン:メタノール(97:3v/v)で溶出)で精製し、生成物4−(メチルスルホニル)ブタ−1−イン(139.2mg)を流動性液体として得た。H−NMR(400MHz,CDOD)δ:3.19(t,J=7Hz,2H),2.98(s,3H),2.74(dt,J=7,2.5Hz,2H),2.13(t,J=2.5Hz,1H)。
【0195】
【化60】

【0196】
種々の鎖長の前述したものに関連する中間体を、前述した方法を用いて適切な出発原料から調製することができる。
【0197】
実施例1
N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミド
工程A:4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(アセチルオキシ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロパ−1−イン−1−イル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニルアセテート(R10が−Hであるi−9)の調製
【0198】
【化61】

【0199】
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1.27g,1.68ミリモル)及びヨウ化銅(I)(632mg,3.32ミリモル)を、i−8(10.0g,16.6ミリモル)及びi−1(3.34g,25.0ミリモル)のトリエチルアミン(16.2mL,116.34ミリモル)及びDMF(150mL)中の溶液に加えた。反応混合物を窒素で飽和し、室温で撹拌した。2時間後、反応混合物を、400mLのEtOAc及び250mLの水に分配した。有機層を水(150mL)、食塩水(150mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、減圧下に濃縮した。段階的な勾配溶出液(溶出液として0〜100%EtOAc/ヘキサン)を用いたMPLC(シリカカラム)により粗残渣を精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)629(M+Na),547(M−OAc)HNMR(500MHz,CDCl)δ:7.35(d,J=8.4Hz,1H),7.28(dd,J=6.4,8.4Hz,1H),7.19(d,J=8.5Hz,1H),7.12(d,J=8.5Hz,1H),7.08(d,J=8.3Hz,1H),7.02(dd,J=6.5,8.6Hz,1H),5.72(t,6.6Hz,1H),4.60(d,J=2.3Hz,1H),4.21−4.16(m,1H),4.15(overlapped dd,J=7.1,11Hz,1H),3.15−3.12(m,2H),3.09−3.04(m,1H),2.96(s,3H),2.58(t,7.6Hz,2H),2.30(s,3H),2.07(overlapped s,3H),2.09−2.03(m,2H),1.90−1.83(m,4H)。
【0200】
工程B:4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(アセチルオキシ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニルアセテート(R10が−Hであるi−10a)の調製
【0201】
【化62】

【0202】
工程A由来の中間体(8.5g,14ミリモル)及び10%パラジウム活性炭(2.2g)のエタノール(100mL)及びEtOAc(150mL)中の混合物を大気圧下で水素化した。15時間後、反応混合物をMgSO及びろ過助剤でろ過し、ろ過した触媒をEtOAcで数回洗浄した。ろ液を減圧下に濃縮し、標題の化合物を得、これを更に精製することなく用いた。m/z(ES)663(M+Na),551(M−OAc)
【0203】
工程C:(1S)−1−(4−フルオロフェニル)−3−[(3R,4S)−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−2−オキソ−4−(4−{[(トリフルオロメチル)−スルホニル]オキシ}フェニル)アゼチジン−3−イル]プロピルアセテート(R10が−Hであるi−10b)の調製
【0204】
【化63】

【0205】
塩酸グアニジン(1.34g,13.93ミリモル)を、工程B由来の中間体(8.5g,13.93ミリモル)及びトリエチルアミン(1.95mL,13.93ミリモル)のメタノール(150mL)中の混合物に加えた。3時間後、減圧下に溶媒を除去し、残渣を、EtOAc(200mL)/水(100mL)及び2NHCl水溶液に溶解した。混合物を分液ロートに移し、層を分離した。有機層を食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、減圧下に濃縮し、透明な油状物質を得た。
【0206】
粗中間体を塩化メチレン(100mL)に溶解し、この溶液に、(ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノピリジン(8.14g,13.93ミリモル)、トリエチルアミン(1.95mL,13.93ミリモル)、DMAP(〜100mg,触媒量)を加えた。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。1N HCl水溶液で反応を停止し、有機層を分離した。有機抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下に濃縮した。段階的な勾配溶出液(溶出液として0〜100%EtOAc/ヘキサン)を用いたMPLC(シリカカラム)により粗残渣を精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)723(M+Na),641(M−OAc)
【0207】
工程D:(1S)−3−[(2S,3R)−2−(4−{[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]エチニル}フェニル)−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製:
【0208】
【化64】

【0209】
オーブンで乾燥した250mLのフラスコに、CuI(300mg,1.44ミリモル)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(TBAI,1.58g,4.28ミリモル)を加えた。装填したフラスコを窒素雰囲気下にセットし、工程C由来の中間体の30mLの無水DMF中の溶液(3.5g,4.28ミリモル)をフラスコに加えた。5−エチニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イルアセテート(i−6)(1.70g,8.56ミリモル)のDMF(20mL)中の溶液を混合物に加えた。次いで、フラスコにコンデンサを装備し、混合物を排出し、窒素下に数回セットし、溶媒を脱気した。次いで、固体のPd(PPh(3.32g,3ミリモル)、次いで、TEA(4.2mL,30ミリモル)を反応物に加えた。反応混合物を70℃に2時間加熱し、反応混合物は暗褐色になった。加熱浴から反応物を除去し、冷却し、EtOAc(250mL)及び1N HCl水溶液(100mL)で分配した。有機層を水(100mL)、食塩水(75mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。残渣を、段階的な勾配溶出液(溶出液として0〜100%EtOAc/ヘキサン)を用いたMPLC(シリカカラム)により精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)689(M−OAc)HNMR(500MHz,CDOD)δ:7.44(d,J=8.3Hz,1H),7.38−7.32(m,4H),7.16(d,J=8.5Hz,2H),7.10(d,J=8.5Hz,2H),7.06(t,J=8.6Hz,2H),5.70(app t,6.3Hz,1H4.20(s,3H),3.10−3.05(m,1H),3.02(d,J=7.0Hz,2H),2.89(s,3H),2.60(t,7.4Hz,2H),2.10(s,3H),2.04(s,3H),1.78(t,J=7.6,3H),1.47(s,3H),1.39(s,3H)。
【0210】
工程E:(1S)−3−[(2S,3R)−2−(4−{2−[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]エチル}フェニル)−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製:
【0211】
【化65】

【0212】
丸底フラスコに、10%Pd−C(500mg)及び300mgの20%Pd(OH)−Cを入れた。EtOAc(〜2mL)を加え、固体の触媒混合物を覆った。この混合物に、工程D由来の中間体(1.5g,2.0ミリモル)のエタノール(40mL)及び酢酸エチル(2mL)中の溶液を加えた。得られた懸濁液を水素雰囲気下にセットし、1時間激しく撹拌した。触媒をろ過し、固体をエタノールで洗浄し、減圧下に溶媒を除去し、部分的に水素化された中間体を得た。反応工程を前述のように繰り返した。丸底フラスコに、10%Pd−C(500mg)及び300mgの20%Pd(OH)−Cを入れた。EtOAc(〜2mL)を加え、固体の触媒混合物を覆った。この混合物に、前記由来の中間体のエタノール(40mL)及び酢酸エチル(2mL)中の溶液を加えた。得られた懸濁液を水素雰囲気下にセットし、2時間激しく撹拌した。触媒をフィルター助剤及びMgSOでろ過し、EtOH/EtOAcで洗浄した。ろ液を減圧下に濃縮し、標題の化合物を得、これを更に精製することなく用いた。m/z(ES)692(M−OAc)HNMR(500MHz,CDOD)δ:7.31−7.24(m,6H),7.21−7.17(m,3H),7.08−7.02(m,3H),5.72(app t,6.7Hz,1H)4.60(d,J=2.1Hz,1H),4.20(app t,J=6.5,1H),4.02(d,J=12.4Hz,2H),3.90(d,J=12.2Hz,2H),3.13(q,J=6.7Hz,2H),3.06(dt,J=2.2,7.6Hz,1H),2.94(s,3H),2.60(app q,7.4Hz,4H),2.35−2.29(m,2H),2.08(s,3H),2.03(s,3H),1.83−1.90(m,3H),1.45(s,3H),1.40(s,3H)。
【0213】
工程F:3−{4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(アセチルオキシ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニル}−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)プロピルアセテートの調製
【0214】
【化66】

【0215】
工程Eの中間体(1.5g,2ミリモル)のTHF/水(16mL/4mL)中の溶液に、TFA(1mL)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物に100mLのトルエンを加え、40℃の温度の水浴を用いて減圧下に水を除去した。残渣を100mLのトルエンで2回処理し、次いで、水を共沸除去した。減圧下に溶媒を完全に除去した。粗生成物を、段階的な勾配溶出液(溶出液として50〜100%EtOAc/ヘキサン)を用いたMPLC(シリカカラム)により精製した。また、混合した画分を、CHCl/MeOH(95/5)で溶出する分取用TLCにより更に精製した。精製した画分を一緒にし、標題の化合物を得た。m/z(ES)653(M−OAc)
【0216】
工程G:N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミドの調製:
【0217】
【化67】

【0218】
工程F由来の中間体(1.05g,1.47ミリモル)のメタノール(2.5mL)中の溶液に、シアン化カリウム(100mg,1.58ミリモル)を加え、得られた溶液を50℃で2時間撹拌した。溶液を濃縮し、残渣を、メタノール/ジクロロメタン(10/90)で溶出する分取用TLCプレートにより精製し、標題の化合物を得た。この生成物を、段階的な勾配溶出液;(溶出液として5〜10%EtOH/EtOAc)を用いたMPLC(シリカカラム)により更に精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)611(M−OAc) and 651(M+Na)HNMR(500MHz,CDOD)δ:7.35−7.31(m,2H),7.28−7.234(m,4H),7.18(d,J=8.5Hz,2H),7.10(d,J=8.6Hz,2H),7.03(app,t,J=8.6Hz,2H),4.79(br d,J=2.1Hz,1H),4.60(br dd,J=5.1,6.60Hz,1H),3.53(s,4H),3.09−3.03(m,1H),3.02(t,J=6.8Hz,2H),2.88(s,3H),2.73−2.67(m,2H),2.61(t,7.6Hz,2H),1.97−1.83(m,3H),1.81−1.73(m,3H)。
【0219】
実施例2
N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[1,2−ジヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミド
工程A:トリメチル{[2−(トリブチルスタンニル)プロパ−2−エン−1−イル]オキシ}シランの調製
【0220】
【化68】

【0221】
トリメチルシリルプロピン(1g,7.80ミリモル)の無水THF(35mL)中の溶液に、ジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(44mg,0.06ミリモル)を加え、得られた溶液を窒素雰囲気下にセットし、氷/水浴を用いて0℃に冷却した。いったん、内部温度が0℃になったら、トリブチルスズ(3.10mL,11.70ミリモル)を、シリンジを通して滴下して加え、得られた混合物を0℃で45分間撹拌した。減圧下に溶媒を蒸発させ、残渣を、99/1ヘキサン/トリエチルアミンで溶出するフラスコカラムにより精製し、標題の化合物を得た。HNMR(500MHz,CDCl)δ:5.91(dd,J=1.8,3.9Hz,1H),5.27(dd,J=1.6,2.1Hz,1H),4.31(br s,2H),1.60−1.44(m,8H),1.39−1.1.31(m,8H),0.99−0.94(m,20H)。
【0222】
工程B:(1S)−1−(4−フルオロフェニル)−3−[(2S,3R)−2−{4−[1−(ヒドロキシメチル)ビニル]フェニル−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル}プロピルアセテートの調製
【0223】
【化69】

【0224】
オーブンで乾燥した50mLの丸底フラスコに、塩化リチウム(35mg,0.84ミリモル)を入れ、減圧下にセットし、塩から微量の水を除去した。10分後、窒素雰囲気を導入し、次いで、パラジウムテトラキス(16mg,0.014ミリモル)及び塩化銅(69mg,0.705ミリモル)をフラスコに加えた。次いで、原料を窒素で3回パージすることにより脱気した。DMSO(ジメチルスルホキシド)(1mL)、次いで、中間体(R10が−Hであるi−10b)(100mg,0.14ミリモル)及び工程A由来のスズ試薬(71mg,0.17ミリモル)を加えた。得られた混合物を60℃で3時間加熱し、次いで、冷却した。溶液を酢酸エチルで希釈し、水(2×2mL)及び食塩水(2mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、次いで、減圧下に濃縮した。70%酢酸エチル/30%ヘキサンで溶出する分取用プレートによる精製により、標題の化合物を得た。反応の間にTMS保護基は除去された。m/z(ES)609(M+H),549(M−OAc)
【0225】
工程C:(1S)−3−[(2S,3R)−2−{4−[1,2−ジヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]フェニル−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル}1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0226】
【化70】

【0227】
工程B由来の中間体(35mg,0.057ミリモル)の8:1アセトン/水(1mL)中の溶液に、N−メチルモルホリン−N−オキシド(12mg,0.114ミリモル)、次いで、OsO(イソプロパノール中2.5%溶液,50μL,0.001ミリモル)を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。溶液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、1N HCl(3mL)、次いで、水(3mL)及び食塩水(3mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。5%メタノール/95%ジクロロメタンで溶出する分取用プレートによる精製により、標題の化合物を得た。m/z(ES)665(M+Na),583(M−OAc)
【0228】
工程D:N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[1,2−ジヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミドの調製
【0229】
【化71】

【0230】
工程C由来の中間体(25mg,0.039ミリモル)のメタノール(1mL)中の溶液に、シアン化カリウム(2mg,0.035ミリモル)を加え、得られた溶液を50℃で2時間撹拌した。溶液を濃縮し、残渣をメタノール/ジクロロメタン(10/90)で溶出する分取用TLCプレートにより精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)623(M+Na),583(M−OH)HNMR(500MHz,CDOD)δ:7.56(d,J=8.3Hz,2H),7.37(d,J=8.3Hz,2H),7.32(dd,J=5.5,8.4Hz,2H),7.208(d,J=8.5Hz,2H),7.10(d,J=8.4Hz,2H),7.04(app,t,J=8.7Hz,2H),4.86(br d,J=2.3Hz,1H),4.61(br appt,J=6.6Hz,1H),3.76(br s,4H),3.08−3.04(m,1H),3.02(t,J=6.8Hz,2H),2.88(s,3H),2.60(t,7.6Hz,2H),1.98−1.84(m,3H),1.81−1.75(m,3H)。
【0231】
実施例3
N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[2,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロピル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミド
工程A:2−[(トリブチルスタンニル)メチル]プロパ−2−エン−1−オールの調製
【0232】
【化72】

【0233】
オーブンで乾燥した250mLの丸底フラスコに、10M n−ブチルリチウム(6.1mL)を加え、溶液を窒素雰囲気下にセットした。ブチルリチウムをエーテル(34mL)で希釈し、氷/水浴を用いて溶液を0℃に冷却した。TMEDA(11.2mL)及び2−メチル−2−プロペニル−1−オール(2g)を、シリンジを通して溶液に加え、得られた混合物を0℃で20分間撹拌した。THF(24mL)をスラリーに加え、一晩撹拌しながら室温まで加温した。塩化トリブチルスズ(8.3mL)を溶液に加え、得られた溶液を45分間撹拌した。溶液は曇った。飽和塩化アンモニウム溶液で溶液の反応を停止し、エーテル(100mL)で抽出した。次いで、有機層を水、食塩水で洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層をろ過し、減圧下に濃縮した。残渣を、0〜50%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカゲルを用いたフラッシュカラム精製により精製し、標題の化合物を得た。HNMR(500MHz,CDCl)δ:4.79−4.74(m,1H),4.68−4.64(m,1H),4.00(dd,J=4.7,10.9Hz,2H),1.70−1.62(m,2H),1.54−1.45(m,6H),1.40−1.1.29(m,10H),0.96−0.87(m,20H)。
【0234】
工程B:(1S)−1−(4−フルオロフェニル)−3−[(2S,3R)−2−{4−[2−(ヒドロキシメチル)プロパ−2−エン−1−イル]フェニル−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル]プロピルアセテートの調製
【0235】
【化73】

【0236】
実施例2、工程Bの方法に従い、2−[(トリブチルスタンニル)メチル]プロパ−2−エン−1−オール(R10が−Hであるi−10b)を用い、標題の化合物を調製した。m/z(ES)645(M+Na),563(M−OAc)
【0237】
工程C:(1S)−3−[(2S,3R)−2−{4−[2,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロピル]フェニル−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル}1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0238】
【化74】

【0239】
実施例2、工程Cの手段に従い、工程Bの中間体から標題の化合物を得た。m/z(ES)679(M+Na),597(M−OAc)
【0240】
工程D:N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[2,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロピル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミドの調製
【0241】
【化75】

【0242】
実施例2、工程Dの手段に従い、中間体Cの中間体から標題の化合物を調製した。m/z(ES)615(M+H),597(M−OH)
【0243】
実施例4
N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[4,5−ジヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミド
工程A:2,2−ジメチル−5−プロパ−2−イン−1−イル−1,3−ジオキサン−5−イルアセテートの調製
【0244】
【化76】

【0245】
100mLの丸底フラスコに、削り屑状マグネシウム(164mg,6.73ミリモル)及び塩化水銀(II)(2.8mg)を入れ、窒素雰囲気下にセットした。固体にエーテル(1mL)を加え、氷/水浴を用い、懸濁液を0℃に冷却した。臭化プロパルギル(1mL,6.73ミリモル)を、内部温度を5℃に維持しながらシリンジを通して滴下して加えた。添加が完了した後、溶液を0℃で1時間撹拌した。冷却浴を取り除き、溶液を室温まで加温した。
【0246】
グリニャール反応が完了したかどうかを確認した後(一定量の少量のアセトンのクエンチ及びグリニャールがアセトンと反応することを見るための質量スペクトル分析)、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−オン(500mg,3.84ミリモル)をシリンジを通して滴下して加え、混合物を2時間撹拌した。飽和NHCl水溶液(25mL)で反応混合物の反応を停止し、次いで、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、ろ過し、減圧下に溶媒を除去し、粗中間体を得た。
【0247】
窒素雰囲気下、粗中間体をCHCl(10mL)に溶解した。得られた溶液に、無水酢酸(434μL,4.60ミリモル)及びTEA(640μL,4.60ミリモル)を、シリンジにより同時に加えた。反応混合物にDMAP(56mg,0.46ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、1N HCl水溶液(10mL)を加えることにより、反応を停止した。反応混合物を分液ロートに移動し、有機層を分離した。有機層を、NaHCO水溶液(10mL)、水(5mL)、食塩水で洗浄し、乾燥し、ろ過し、減圧下に溶媒を除去し、標題の化合物を得、これを更に精製することなく用いた。HNMR(500MHz,CDCl)δ:4.15(d,J=12.6Hz,2H),4.03(J=12.6Hz,2H),2.98(s,1H),2.10(s,3H),1.88(s,2H),1.47(s,3H),1.42(s,3H)。
【0248】
工程B:(1S)−3−[(2S,3R)−2−(4−{3−[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]プロパ−1−イン−1−イル}フェニル)−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製:
【0249】
【化77】

【0250】
実施例1、工程Dの方法に従い、工程Aの中間体及び中間体(R10が−Hであるi−10b)から標題の化合物を調製した。m/z(ES)703(M−OAc)
【0251】
工程C:(1S)−3−[(2S,3R)−2−(4−{3−[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]プロピル}フェニル)−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製:
【0252】
【化78】

【0253】
丸底フラスコに、10%Pd−C(50mg)及び30mgの20%Pd(OH)−Cを入れた。EtOAc(〜1mL)を加え、固体触媒混合物を覆った。この混合物に、工程B由来の中間体(80mg,0.11ミリモル)のエタノール(3mL)中の溶液を加えた。得られた懸濁液を水素雰囲気下にセットし、1時間激しく撹拌した。触媒をろ過し、固体をエタノールで洗浄し、減圧下に溶媒を除去し、部分的に水素化された中間体を得た。前記のように、反応工程を繰り返した。丸底フラスコに、10%Pd−C(50mg)及び30mgの20%Pd(OH)−Cを入れた。EtOAc(〜1mL)を加え、固体触媒混合物を覆った。この混合物に、前記由来の中間体のエタノール(3mL)中の溶液を加えた。得られた懸濁液を水素雰囲気下にセットし、2時間激しく撹拌した。ろ過助剤及びMgSOを通して触媒をろ過し、EtOH/EtOAcで洗浄した。ろ液を減圧下に濃縮し、標題の化合物を得、これを更に精製することなく用いた。m/z(ES)707(M−OAc)
【0254】
工程D:4−{4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(アセチルオキシ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニル}−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)ブチルアセテートの調製
【0255】
【化79】

【0256】
実施例1、工程Fの方法に従い、工程Cの中間体から標題の化合物を調製した。m/z(ES)667(M−OAc)
【0257】
工程E:N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[4,5−ジヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミドの調製
【0258】
【化80】

【0259】
実施例1、工程Gの方法に従い、工程Dの中間体から標題の化合物を調製した。m/z(ES)625(M−OH)及び665(M+Na)HNMR(500MHz,CDOD)δ:7.35−7.31(m,2H),7.27(d,J=8.1Hz,2H),7.24(d,J=8.1Hz,2H),7.18(d,J=8.5Hz,2H),7.10(d,J=8.5Hz,2H),7.03(app,t,J=8.6Hz,2H),4.79(br d,J=2.1Hz,1H),4.60(br dd,J=5.1,6.6Hz,1H),3.33−3.31(m,4H)),3.08−3.03(m,1H),3.02(t,J=6.8Hz,2H),2.89(s,3H),2.64−2.58(m,3H),1.99−1.83(m,4H),1.82−1.74(m,2H),1.74−1.66(m,2H),1.55−1.50(m,2H)。
【0260】
実施例5
N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[5,6−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ヘキシル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミド
工程A:(1S)−1−(4−フルオロフェニル)−3−[(3R,4S)−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−フェニル)−2−オキソ−4−(4−ビニルフェニル)アゼチジン−3−イル]プロピルアセテート(R10が−Hであるi−10c)の調製
【0261】
【化81】

【0262】
10が−Hであり、R18がビニルであるi−10b(200mg,0.26ミリモル)の無水ジオキサン(4mL)中の溶液に、塩化リチウム(33mg,0.78ミリモル)及びジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(30mg,0.03ミリモル)を加え、得られた溶液を窒素雰囲気下にセットした。次いで、ビニルトリブチルスズ(100μL,0.312mmol)を、シリンジを通して溶液に加え、得られた混合物を90℃で4時間加熱した。室温まで冷却した後、減圧下に溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチル(10mL)に溶解した。有機層を水(5mL)、食塩水(5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。40%酢酸エチル/60%ヘキサンで溶出する分取用プレート精製により、標題の化合物を得た。m/z(ES)519(M−OAc)及び579(M+H)HNMR(500MHz,CDCl)δ:7.44(d,J=8.2Hz,2H),7.32−7.28(m,4H),7.21(d,J=8.5Hz,2H),7.07−7.03(m,4H),6.73(dd,J=11.0,17.6,1H),5.79(d,J=17.6,1H),5.73(t,J=6.6,1H),5.30(d,J=11.0,1H),6.61(d,J=2.3,1H),4.30(t,J=5.9,1H),3.15−3.07(m,3H),2.94(s,3H),2.63(t,J=7.3,2H),2.08−2.03(m,5H),1.92−1.82(m,4H)。
【0263】
工程B:5−ブタ−3−エン−1−イル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イルアセテートの調製
【0264】
【化82】

【0265】
窒素雰囲気下、乾燥した100mLの丸底フラスコに、0.5Mの臭化エチニルマグネシウムのTHF中の溶液(11.5mL,5.77ミリモル)を入れた。得られた溶液を、氷浴中、0℃まで冷却した。冷却した溶液に、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−オン(500mg,3.84ミリモル)の5mLの無水THF中の溶液をゆっくりと加えた。氷浴を取り除き、得られた反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。飽和NHCl水溶液(5mL)で反応混合物の反応を停止し、次いで、酢酸エチル(10mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、ろ過し、減圧下に溶媒を除去し、粗中間体を得た。
【0266】
窒素雰囲気下、粗中間体をCHCl(10mL)に溶解した。得られた溶液に、無水酢酸(434μL,4.60ミリモル)及びTEA(640μL,4.60ミリモル)をシリンジにより同時に加えた。反応混合物にDMAP(56mg,0.46ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、この時に、1N HCl水溶液(10mL)を加えることにより、反応を停止した。反応混合物を分液ロートに移し、有機層を分離した。有機層をNaHCO水溶液、水(5mL)、食塩水で洗浄し、乾燥し、ろ過し、減圧下に溶媒を除去し、標題の化合物を得、これを更に精製することなく用いた。HNMR(500MHz,CDCl)δ:5.86−5.76(m,1H),5.06(dd,J=1.4,17.0Hz,1H),5.00(dd,J=1.4,10.3Hz,1H),4.03(d,J=12.3Hz,2H),3.87(d,J=12.3Hz,2H),2.09(s,3H),2.08−2.05(m,4H),1.44(s,3H),1.41(s,3H)。
【0267】
工程C:(1S)−3−[(2S,3R)−2−(4−{(1E)−4−[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]ブタ−1−エン−1−イル}フェニル)−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0268】
【化83】

【0269】
窒素雰囲気下、工程A由来の中間体(100mg,0.17ミリモル)及び工程B由来の中間体(48mg,0.20ミリモル)の無水ジクロロメタン(1mL)中の溶液に、Zhan触媒(13mg,0.20ミリモル)を加え、得られた混合物を40℃で2時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、減圧下に濃縮した。30%酢酸エチル/70%ヘキサンで溶出する分取用プレートにより精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)719(M−OAc)
【0270】
工程D:(1S)−3−[(2S,3R)−2−(4−{4−[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]ブチル}フェニル)−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0271】
【化84】

【0272】
実施例1、工程Eの方法に従い、工程Cの中間体から標題の化合物を調製した。m/z(ES)721(M−OAc)
【0273】
工程E:5−{4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(アセチルオキシ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニル}−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)ペンチルアセテートの調製
【0274】
【化85】

【0275】
実施例1、工程Fの方法に従い、工程Dの中間体から標題の化合物を調製した。m/z(ES)681(M−OAc)
【0276】
工程F:N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[5,6−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ヘキシル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミドの調製
【0277】
【化86】

【0278】
実施例1、工程Gの方法に従い、工程Eの中間体から標題の化合物を調製した。m/z(ES)639(M−OH)及び679(M+Na)HNMR(500MHz,CDOD)δ:7.35−7.31(m,2H),7.27(d,J=8.1Hz,2H),7.24(d,J=8.1Hz,2H),7.18(d,J=8.5Hz,2H),7.10(d,J=8.5Hz,2H),7.03(app,t,J=8.6Hz,2H),4.79(br d,J=2.1Hz,1H),4.60(br dd,J=5.1,6.6Hz,1H),3.33−3.31(m,4H)),3.08−3.03(m,1H),3.02(t,J=6.8Hz,2H),2.89(s,3H),2.64−2.58(m,3H),1.99−1.83(m,4H),1.82−1.74(m,2H),1.74−1.66(m,2H),1.55−1.50(m,2H)。
【0279】
実施例6
N−{3,[4−((3R,4S)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−オキソ−4−{4−[1,2,5,6−テトラヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ヘキシル]フェニル}アゼチジン−1−イル)フェニル]プロピル}メタンスルホンアミド
工程A:(1S)−3−[(2S,3R)−2−(4−{4−[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]−1,2−ジヒドロキシブチル}フェニル)−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0280】
【化87】

【0281】
(1S)−3−[(2S,3R)−2−(4−{(1E)−4−[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]ブタ−1−エン−1−イル}フェニル)−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテート(実施例5、工程C参照)(35mg,0.045ミリモル)の8:1アセトン/水(1mL)中の溶液に、N−メチルモルホリン−N−オキシド(9mg,0.090ミリモル)、次いで、OsO(イソプロパノール中、2.5%溶液,40μL,0.001ミリモル)を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。溶液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、1N HCl(3mL)、次いで、水(3mL)及び食塩水(3mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。5%メタノール/95%ジクロロメタンで溶出する分取用プレートにより精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)835(M+Na),753(M−OAc)
【0282】
工程B:5−{4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(アセチルオキシ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニル}−4,5−ジヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)ペンチルアセテートの調製
【0283】
【化88】

【0284】
実施例1、工程Fの方法に従い、工程Aの中間体から標題の化合物を調製した。m/z(ES)713(M−OAc)
【0285】
工程C:N−{3,[4−((3R,4S)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−オキソ−4−{4−[1,2,5,6−テトラヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ヘキシル]フェニル}アゼチジン−1−イル)フェニル]プロピル}メタンスルホンアミドの調製
【0286】
【化89】

【0287】
実施例1、工程Gの方法に従い、工程Bの中間体から標題の化合物を調製した。m/z(ES)711(M+Na),671(M−OH)
【0288】
実施例7
N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミド
工程A:N−{3−[4−((2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−{4−[2−(5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)エチル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−1−イル)フェニル]プロピル}メタンスルホンアミドの調製
【0289】
【化90】

【0290】
実施例1、工程Gの方法に従い、中間体(1S)−3−[(2S,3R)−2−(4−{2−[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]エチル}フェニル)−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテート(実施例1、工程E参照)(100mg,0.133ミリモル)から標題の化合物を調製した。m/z(ES)651(M−OH)
【0291】
工程B:N−{3−[4−((2S,3R)−3−[3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル]−2−{4−[2−(5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)エチル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−1−イル)フェニル]プロピル}メタンスルホンアミドの調製
【0292】
【化91】

【0293】
工程Aにおける中間体(71mg,0.12ミリモル)のジクロロメタン(1mL)中の溶液に、デス−マーチン試薬(CHCl中、15%溶液,690μL,0.24ミリモル)をシリンジを通して加え、得られた溶液を室温で2時間撹拌した。90%酢酸エチル/10%ヘキサンで溶出する分取用プレートにより精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)667(M+H)
【0294】
工程C:N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミドの調製
【0295】
【化92】

【0296】
実施例1、工程Fの方法に従い、工程Bの中間体から標題の化合物を調製した。m/z(ES)627(M+H)HNMR(500MHz,CDCl)δ:8.02(dd,J=5.3,8.7Hz,2H),7.28(d,J=8.3Hz,2H),7.22(dd,J=4.1,8.1Hz,4H),7.158(app t,J=8.7Hz,2H),7.07(d,J=8.5Hz,2H),4.72(br d,J=2.2Hz,1H),4.23(br t,J=6.6Hz,1H),3.73(br d,J=10.5Hz,2H),3.65(br d,J=10.5Hz,2H),3.35−3.27(m,1H),3.22−3.15(m,2H),3.13(dd,J=6.6,13.3Hz,2H),2.94(s,3H),2.74−2.69(m,2H),2.63(t,J=7.4Hz,2H),2.43(hept,7.1Hz,1H),2.34−2.22(m,3H),1.86(pent,7.1Hz,2H),1.80−1.75(m,2H)。
【0297】
実施例8
(2S,3S,4S,5R,6R)−6−[4−{4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニル}−2−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ブトキシ]−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸
工程A:メチル(2S,3S,4S,5R,6R)−3,4,5−トリス(アセチルオキシ)−6−[2−(アセチルオキシ)−4−{4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(アセチルオキシ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニル}−2−(ヒドロキシメチル)ブトキシ]テトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボキシレートの調製
【0298】
【化93】

【0299】
窒素雰囲気下、3−{4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(アセチルオキシ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニル}−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)プロピルアセテート(実施例1、工程F;100mg,0.140ミリモル)及び2,3,4−トリ−O−アセチル−α−D−グルクロン酸メチルエステル、トリクロロアセトイミデート(70mg,0.145ミリモル)のジクロロメタン(3mL)中の溶液に、BF−エーテル(4μL,0.028ミリモル)を加え、得られた溶液を室温で2時間撹拌した。追加のBF−エーテル(4μL,0.028ミリモル)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を水(2mL)で洗浄し、有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。5%MeOH/95%ジクロロメタンで溶出する分取用プレートにより精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)653(M−OAc及びグルコシド),970(M−OAc),及び1051(M+Na)
【0300】
工程B:メチル(2S,3S,4S,5R,6R)−6−[4−{4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニル}−2−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ブトキシ]−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボキシレートの調製
【0301】
【化94】

【0302】
実施例1、工程Gの方法に従い、工程Aの中間体(36mg,0.035ミリモル)から標題の化合物を調製した。m/z(ES)611(M−OH及びグルコシド)及び841(M+Na)
【0303】
工程C:(2S,3S,4S,5R,6R)−6−[4−{4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニル}−2−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ブトキシ]−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸の調製
【0304】
【化95】

【0305】
工程B由来の中間体(7.0mg,0.086ミリモル)のメタノール/水(4:1)中の溶液に、トリエチルアミン(120μL,0.086ミリモル)を加え、得られた溶液を室温で3時間撹拌した。水(0.1%TFAで緩衝)中0〜100%アセトニトリルの勾配溶出を用いたマスダイレクト(Mass−directed)HPLCにより精製し、標題の化合物を得た。(m/z(ES)611(M−OH及びグルコシド)及び827(M+Na)HNMR(500MHz,CDOD)δ:7.38−7.30(m,2H),7.28−7.22(m,4H),7.18(d,J=8.4Hz,2H),7.11(d,J=8.4Hz,2H),7.03(app,t,J=8.5Hz,2H),4.80(br d,J=2.0Hz,1H),4.60(br dd,J=5.2,6.6Hz,1H),4.38(d,J=8.6Hz,1H)3.92−3.85(m,1H)3.75(s,2H),3.71(s,2H),3.60−3.50(m,3H),3.09−3.02(m,1H),3.01(t,J=6.9Hz,2H),2.89(s,3H),2.75−2.67(m,2H),2.62(t,7.5Hz,2H),1.97−1.82(m,3H),1.81−1.73(m,3H)。
【0306】
実施例9
(2S,3S,4S,5R,6R)−6−{[(1S)−3−[(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン −3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピル]オキシ}−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸
【0307】
【化96】

【0308】
HNMR(500MHz,CDCl)δ:7.40(dd,J=5.3,8.7Hz,2H),7.27(d,J=8.3Hz,2H),7.24(d,J=8.1Hz,2H),7.18(d,J=8.5Hz,2H),7.09(d,J=8.5Hz,2H),7.03(app,t,J=8.6Hz,2H),5.01(br dd,J=5.2,6.6Hz,1H),4.78(br d,J=2.1Hz,1H),3.99(d,J=8.6Hz,1H)3.53(s,4H),3.07−3.04(m,1H),3.00(t,J=6.8Hz,2H),2.87(s,3H),2.72−2.65(m,2H),2.59(t,7.6Hz,2H),1.97−1.83(m,3H),1.80−1.74(m,3H)。
【0309】
実施例10
(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]アゼチジン−2−オン
工程A:(1S)−1−(4−フルオロフェニル)−3−[(3R,4S)−1−(4−ヨードフェニル)−2−オキソ−4−(4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}フェニル)アゼチジン−3−イル]プロピルアセテートの調製
【0310】
【化97】

【0311】
フェノール1−7a(500mg;0.894ミリモル)をCHCl(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(143μL)及びN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(350mg;0.983ミリモル)を加え、室温で一緒に2時間撹拌した。反応混合物からの揮発性成分を減圧下に除去し、残渣を、2N−塩酸(50mL)及びジエチルエーテル(2×50mL)で分配した。エーテル抽出物を一緒にし、無水MgSO粉末で乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗生成物を得、これをEtOAc及びヘキサン(1:1)を用いて溶出するシリカゲル分取用プレートにより精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)714(M+Na),632(M−OAc)
【0312】
工程B:(1S)−3−[(3R,4S)−1−[4−(3,3−ジエトキシプロパ−1−イン−1−イル)フェニル]−2−オキソ −4−(4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}フェニル)アゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0313】
【化98】

【0314】
工程A由来のヨードトリフレート(210mg;0.304ミリモル)、プロピオルアルデヒドジエチルアセタール(97.3mg;0.759ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(17.4mg;0.015ミリモル)、ヨウ化銅(I)(2.9mg;0.015ミリモル)及びトリエチルアミン(1ml)の溶液を無水CHClに溶解した。窒素ガスを、約5分間ゆっくりと溶液に吹き込み、窒素雰囲気下、反応容器を密閉し、室温で4時間撹拌した。減圧下に、反応生成物から揮発性成分を除去した。生成物を、CHCl及びMeOH(98:2v/v)で溶出するシリカゲル分取用プレートにより精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)714(M+Na),632(M−OAc)
【0315】
工程C:(1S)−3−{(2S,3R)−2−(4−{[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]エチニル}フェニル)−1−[4−(3,3−ジエトキシプロパ−1−イン−1−イル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−3−イル}−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0316】
【化99】

【0317】
工程B由来のトリフレート(750mg;1.084ミリモル)及び5−エチニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イルアセテート(i−6)(236mg;1.193ミリモル)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(20mg;0.054ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(62.6mg;0.054ミリモル)、ヨウ化銅(I)(10.3mg;0.054ミリモル)を、DMF(2.5mL)及びトリエチルアミン(2.5mL)に溶解した。窒素ガスを、約5分間ゆっくりと溶液に吹き込み、次いで、反応容器を窒素雰囲気下に密封し、内容物を70℃にセットした浴中で4時間加熱した。反応混合物を減圧下に濃縮し、揮発性成分を除去した。得られた生成物を、ジクロロメタン及びMeOH(97:3v/v)で溶出するシリカゲル分取用プレートにより精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)680(M−OAc)
【0318】
工程D:(1S)−3−{(2S,3R)−2−(4−{2−[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]エチル}フェニル)−1−[4−(3,3−ジエトキシプロピル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−3−イル}−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0319】
【化100】

【0320】
工程C由来のビス−アセチレン化合物(300mg)をエタノール(15mL)に溶解し、20%水酸化パラジウムカーボン(50mg)をエタノール溶液に加えた。真空にし、次いで水素で流すことを3回行った後、lc−msにより反応が基本的に完了したと判断された時までバルーン容器内に含まれる水素ガスを用いて大気圧及び室温でエタノール溶液を3時間水素化した。0.45ミクロンのAcrodiskシリンジフィルターを通してろ過することにより使用済みの水素化触媒を取り除き、得られたろ液を濃縮した。ジクロロメタン及びMeOH(97:3v/v)で溶出するシリカゲル分取用プレートにより生成物を精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)770(M+Na),688(M−OAc)
【0321】
工程E:(1S)−3−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−1−[4−(3,3−ジヒドロキシプロピル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−3−イル}−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0322】
【化101】

【0323】
工程D由来のジエチルアセタール(100mg)をTHF(1mL)に溶解し、20%TFA水(1mL)を加えた。パスツールピペットを用いて、追加のTHFを加え、溶液を均一に維持した。反応物を室温で22時間撹拌し、次いで、加温した水浴を備えたロータリーエバポレータを用いて揮発性成分を蒸発させ、トルエンと3回共沸し、水を除去した。このようにして得られた粗反応生成物をMeCNに溶解し、得られた溶液をろ過し、ろ液を逆相分取用lc−msにより精製し、m/z=532を集めた。生成物を含む適切な画分を一緒にし、減圧下に凍結乾燥し、標題の化合物を得た。m/z(ES)592(MH),532(M−OAc)
【0324】
工程F:(1S)−3−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−1−[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−3−イル}−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0325】
【化102】

【0326】
工程Eで得られたアルデヒド水和物(10mg)をエタノール(1mL)に溶解し、粉末の水素化ホウ素ナトリウムをアルコール溶液に加えた。合計3mgの還元剤を加えるまで、追加の水素化ホウ素ナトリウムを加えた。反応の進行は、分析用lc−msにより監視した。希釈した2N 塩酸をパスツールピペットから加えて反応を停止し、エタノール水溶液をpH試験紙によりpH=約5になるまで調整した。次いで、少量の水を加え、粗反応混合物を5mLのCHClで2回、次いでEtOAcの5mL部分で2回分配した。一緒にした有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、得られたろ液を減圧下に濃縮した。粗生成物をMeCN(2mL)に溶解し、ろ過し、分取用lc−msにより、他の副生成物からこの溶液を精製し、m/z=533.2を集めた。精製した水性アセトニトリル生成物画分を減圧下に濃縮し、所望の化合物を得た。m/z(ES)616(M+Na),534(M−OAc)
【0327】
工程G:(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]アゼチジン−2−オンの調製
【0328】
【化103】

【0329】
前記工程F由来のアセテート(3mg)をシアン化カリウム(0.5mg)と一緒にエタノール(1mL)に溶解し、反応混合物を、50℃にセットした加熱浴中で約0.75時間加温した。反応物を室温まで冷却し、溶液を、逆相分取用lc−msにより精製し、m/z=533を集めた。水性アセトニトリル生成物画分を減圧下に濃縮し、所望の化合物を得た。m/z(ES)574(M+Na),534(M−OH)H−NMR(400MHz,CDOD)δ:7.24−7.35(complex,6H),7.18(d,J=8Hz,2H),7.10(d,J=8Hz,2H),7.04(t,J=8Hz,2H),4.80(br s,1H),4.61(br app t,J=5.5Hz,1H),3.53(br s,4H),3.52(t,J=6Hz,2H);3.08(m,1H),2.71(t,J=8.5Hz,2H),2.60(t,7.6Hz,2H),1.98−1.84(m,3H),1.81−1.75(m,3H)。
【0330】
実施例11
3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロパン酸
工程A:4−(4−{(2S,3R)−3−[(3S)−3−(アセチルオキシ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−1−[4−(3,3−ジヒドロキシプロピル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−2−イル}フェニル)−2−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ブチルアセテートの調製
【0331】
【化104】

【0332】
(1S)−3−{(2S,3R)−2−(4−{2−[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]エチル}フェニル)−1−[4−(3,3−ジエトキシプロピル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−3−イル}−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテート(実施例10、工程D参照)ジエチルアセタール(100mg)をTHF(2mL)に溶解し、20%TFA水(2mL)を加えた。パスツールピペットを用いて追加のTHFを加え、溶液を均一に維持した。反応物を室温で16時間撹拌し、次いで、加温した水浴を備えたロータリーエバポレータを用いて揮発性成分を蒸発させた。このようにして得られた粗反応生成物をMeCNに溶解し、得られた溶液をろ過し、ろ液を逆相分取用lc−msにより精製し、m/z=634.2及び573.2を集めた。水性アセトニトリル生成物画分を減圧下に濃縮し、所望の化合物を得た。m/z(ES)657(M+Na),573(M−OAc)
【0333】
工程B:3−[4−((2S,3R)−3−[(3S)−3−(アセチルオキシ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−2−{4−[4−(アセチルオキシ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−1−イル)フェニル]プロパン酸の調製
【0334】
【化105】

【0335】
酸化反応の実施の約15分前に、スルファミン酸(0.5mLの水中に3.5mg)及び亜塩素酸ナトリウム(0.5mLの水中に3.5mg)の水溶液を調製した。工程A由来の生成物(7.5mg;0.0015ミリモル)のTHF中の溶液を調製し、室温で撹拌した。アルデヒド水和物のTHF溶液に、スルファミン酸の水溶液、次いで、亜塩素酸ナトリウムの溶液を加え、反応溶液の色が淡黄色になった。約20分後、少量の反応物を取り出し、lc−msにより分析し、出発原料が消費され、生成物が生成されたかどうかを検出した。反応物を亜硫酸ナトリウム水溶液で処理し、過剰の酸化剤を分解し、次いで、反応容器中の物質を、CHCl(2×5mL)及びEtOAc(2×5mL)で抽出した。有機層を一緒にし、NaSO粉末で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。蒸発からの残渣をEtOH(5mL)で粉砕し、エタノール溶液を0.45ミクロンのAcrodiskシリンジフィルターでろ過した。溶液を濃縮し、後述する工程Cにおいて記載されるアセテート脱保護工程において用いた。
【0336】
工程C:3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロパン酸の調製
【0337】
【化106】

【0338】
工程B由来の粗原料(〜3mg)をエタノール(1.5mL)に溶解し、シアン化カリウム(1.5mg)粉末をエタノール溶液に加えた。反応をlc−msにより監視した。4時間後、反応が完了したと判定した。反応溶液を0.45ミクロンのAcrodiskシリンジフィルターによりろ過し、このようにして得られた溶液を逆相分取用lc−msにより精製し、m/z=548.2を集めた。分取用lc−msからの水性アセトニトリル生成物画分を減圧下に濃縮し、所望の化合物を得た。m/z(ES)588(M+Na);548(M−OH)H−NMR(400MHz,CDOD)δ:7.20−7.31(complex,6H),7.16(d,J=8.5Hz,2H)7.09(d,J=8.5Hz,2H),7.01(t,J=8.5Hz,2H),4.77(d,J=2Hz,1H),4.58(t,J=5Hz,1H),3.51(br s,4H),3.03(br,1H),2.80(t,J=8Hz,2H),2.68(complex,2H),2.51(t,8Hz,2H),1.78−1.95(complex,4H),1.74(complex,2H)。
【0339】
実施例12
3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロパン酸
工程A:(3R,4S)−1−[4−(3,3−ジエトキシプロピル)フェニル]−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−{4−[2−(5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)エチル]フェニル}アゼチジン−2−オンの調製
【0340】
【化107】

【0341】
(1S)−3−{(2S,3R)−2−(4−{2−[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]エチル}フェニル)−1−[4−(3,3−ジエトキシプロピル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−3−イル}−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテート(実施例10、工程D参照)、ジアセテート(34mg;0.045ミリモル)をメタノールに溶解し、シアン化カリウム(3mg)を加え、得られた溶液を、50℃にセットした加熱浴中で6時間撹拌した。lc−msの判断により、出発原料は基本的に消費された。減圧下に反応混合物を濃縮してメタノールを除去し、残留した生成物を、ジクロロメタン:メタノール(95:5v/v)で溶出するシリカゲル分取用プレートにより精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)686(M+Na);646(M−OH)
【0342】
工程B:(3R,4S)−1−[4−(3,3−ジエトキシプロピル)フェニル]−3−[3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル]−4−{4−[2−(5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル)エチル]フェニル}アゼチジン−2−オンの調製
【0343】
【化108】

【0344】
前記工程A由来のジオール(16mg;0.024ミリモル)をCHClに溶解し、デス−マーチンペルヨージナン酸化剤(13.3mg;0.031ミリモル)を溶液に加え、得られた反応混合物を室温で撹拌した。1時間後、出発原料は消費された。数滴の飽和硫酸ナトリウム水溶液を反応物に加え、5分間撹拌し、過剰の酸化剤を分解した。反応物を、水及びCHCl(3×5mL)に分配し、一緒にした塩化メチレン抽出物を無水NaSO粉末で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。蒸発後に残留した生成物を、CHCl及びメタノール(95:5v/v)で溶出する分取用シリカプレートで精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)684(M+Na);644(M−OH)
【0345】
工程C:(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−1−[4−(3,3−ジヒドロキシプロピル)フェニル]−3−[3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル]アゼチジン−2−オンの調製
【0346】
【化109】

【0347】
本実施例の工程C由来のケトン(8mg)をTHF(0.5mL)に溶解し、0.25mLの20%TFA水溶液を加えた。パスツールピペットから追加のTHFを加え、反応混合物を均一に維持した。反応物を、50℃にセットした加熱浴中で約2.5時間加温し、次いで、減圧下に揮発性成分を除去し、残渣をトルエンと共沸した(3回)。粗生成物を逆相lc−msにより精製し、m/z=548.2を集めた。分取用lc−msからの水性アセトニトリル生成物画分を減圧下に濃縮し、所望の化合物を得た。m/z(ES)570(M+Na);530(M−OH)
【0348】
工程D:3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロパン酸の調製
【0349】
【化110】

【0350】
スルファミン酸(2.5mg、0.5mLの水中)及び亜塩素酸ナトリウム(2.5mg、0.5mLの水中)の水溶液を、酸化反応の約15分前に調製した。工程C由来の生成物(5mg;0.009ミリモル)のTHF中の溶液を調製し、室温で撹拌した。スルファミン酸の水溶液、次いで、亜塩素酸ナトリウムの溶液をアルデヒド水和物のTHF溶液に加えた。約15分後、少量の反応物を取り出し、lc−msで分析し、出発原料が消費され生成物が生成されたことを確認した。反応物を数滴の亜硫酸ナトリウム水溶液で処理し、過剰の酸化剤を分解し、反応容器中の原料を、CHCl(3×2mL)及びEtOAc(3×2mL)及びジエチルエーテル(3×2mL)で抽出した。有機層を一緒にし、NaSO粉末で乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。濃縮により得られた残渣をEtOH(mL)で粉砕し、エタノール溶液を0.45ミクロンのAcrodiskシリンジフィルターで濾過し、逆相分取用lc−msにより精製し、m/z=546.2を集めた。分取用lc−msからの水性アセトニトリル生成物画分を減圧下に濃縮して所望の化合物を得た。m/z(ES)586(M+Na);545(M−OH)H−NMR(400MHz,CDOD)δ:8.05(complex,2H),7.05−7.30(complex,10H),4.86(br s,1H),3.51(s,4H),3.25(m,2H),3.15(m,1H),2.67(complex,2H),2.60(t,7Hz,2H),2.30(q,J=7.5Hz,2H),1.81−1.74(complex,4H)。
【0351】
実施例13
(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル]−1−[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]アゼチジン−2−オン
工程A:4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−(4−ヨードフェニル)−4−オキソアゼチジン−1−イル]フェニルトリフルオロメタンスルホネートの調製
【0352】
【化111】

【0353】
(3R,4S)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−ヨードフェニル)アゼチジン−2−オン(2g;3.866ミリモル)をCHCl(40mL)に溶解し、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(1.45g;4.059ミリモル)、次いで、トリエチルアミン(593μL;3.658ミリモル)を加え、反応混合物を2時間撹拌した。所望の生成物の生成を、分析用lc−msにより時間とともに監視した。塩化メチレン反応溶媒を減圧下に蒸発させ、得られた残渣を、1N塩酸(25mL)及びジエチルエーテル(3×25mL)に分配した。エーテル抽出物を一緒にし、2N水酸化ナトリウム(10mL)及び食塩水(50mL)で洗浄した。エーテル溶液を無水MgSO粉末で乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧下に濃縮し、黄色の油状物質を得た。EtOAc:ヘキサン(3:2v/v)で溶出する分取用シリカゲルプレートにより油状物質を精製し、所望のトリフレート化合物の回収を行った。m/z(ES)672(M+Na);650(MH);632(M−OH)
【0354】
工程B:4−[(2S,3R)−3−[3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル]−2−(4−ヨードフェニル)−4−オキソアゼチジン−1−イル]フェニルトリフルオロメタンスルホネートの調製
【0355】
【化112】

【0356】
工程A由来のアルコール(500mg;0.770ミリモル)を無水CHCl(7.5mL)に溶解し、少量のバッチでデス−マーチンペルヨージネート(408.2mg;0.962ミリモル)を3分間かけて加え、得られた反応混合物を室温で3時間撹拌した。飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(5mL)で反応混合物の反応を停止し、5分間撹拌し、次いで、水(50mL)及びジエチルエーテル(3×50mL)で分配した。エーテル抽出物を一緒にし、食塩水で洗浄し、無水MgSO粉末で乾燥し、次いで、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、黄色の油状物質を得た。シリカゲルプレートによる分取用tlcにより分離し、標題の化合物を得た。m/z(ES)670(M+Na);648(MH)
【0357】
工程C:5−({4−[(2S,3R)−3−[3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル]−4−オキソ−1−(4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}フェニル)アゼチジン−2−イル]フェニル}エチニル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イルアセテートの調製
【0358】
【化113】

【0359】
工程B由来のケトン(350mg;0.541ミリモル)及び前記由来の5−エチニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イルアセテート(i−6)(161mg;0.811ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(31.2mg;0.027ミリモル)、ヨウ化銅(I)(5.1mg;0.027ミリモル)を、CHCl(2mL)及びトリエチルアミン(2mL)に溶解した。窒素ガスを、約5分間、ゆっくりと溶液に吹き込んだ。反応混合物を、フラスコ内で窒素雰囲気下に密閉し、室温で4時間撹拌した。次いで、粗反応混合物由来の揮発性成分を、減圧下、反応生成物から除去し、濃い黄色の油状残渣を得た。EtOAc及びヘキサン(1:1v/v)で溶出するシリカゲルプレートによる分取用tlcによる精製により、所望のアセチレンカップリング生成物を得た。m/z(ES)658(M−OAc)
【0360】
工程D:5−[(4−{(2S,3R)−1−{4−[3−(ベンジルオキシ)プロパ−1−イン−1−イル]フェニル}−3−[3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル]−4−オキソアゼチジン−2−イル}フェニル)エチニル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イルアセテートの調製
【0361】
【化114】

【0362】
トリフレート(300mg;0.418ミリモル)及びベンジルプロパルギルエーテル(244mg;1.672ミリモル)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(7.7mg;0.021ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(24.2mg;0.021ミリモル)、ヨウ化銅(I)(4mg;0.021ミリモル)を、DMF(1.5mL)及びトリエチルアミン(1.5mL)の混合物に溶解した。窒素ガスを、3分間ゆっくりと溶液に吹き込み、反応混合物を窒素雰囲気下に密閉し、内容物を70℃にセットした浴中で5時間加熱した。反応混合物を減圧下に濃縮し揮発性成分を除去した。濃縮後、黒色の油状物質が残留した。EtOAc及びヘキサン(1:1v/v)で溶出するシリカゲルプレートによる分取用tlcにより黒色の油状物質を精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)736(M+Na);654(M−OAc)
【0363】
工程E:5−[2−(4−{(2S,3R)−3−[3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル]−1−[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−2−イル}フェニル)エチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イルアセテートの調製
【0364】
【化115】

【0365】
工程D由来のビス−アセチレン化合物(75mg)をエタノール(15mL)に溶解し、20%水酸化パラジウムカーボン(5mg)及び10%パラジウムカーボン(15mg)をエタノール溶液に加えた。真空にし、水素で流すことを3回行った後、lc−msにより反応が基本的に完了したと判断された時までバルーン容器内に含まれる水素ガスを用いて、大気圧及び室温でエタノール溶液を4時間かけて水素化した。0.45ミクロンのAcrodiskシリンジフィルターを通してろ過することにより使用済みの水素化触媒を取り除き、得られたろ液を濃縮して黄色の油状物質を得た。逆相lc−msによる油状物質の精製を実施した。所望の水素化生成物(m/z=624.2を集める)の精製による回収は、エピマー混合物として25mgの過還元された生成物5−[2−(4−{(2S,3R)−3−[3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−2−イル}フェニル)エチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イルアセテート(m/z=626.2を集める)を含む18mgであった。m/z(ES)573(M−OAc)
【0366】
工程F:(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピル]−1−[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]アゼチジン−2−オンの調製
【0367】
【化116】

【0368】
本実施例の工程E由来のケトン生成物(15mg)をTHF(0.5mL)に溶解し、0.25mLの20%TFA水溶液を加えた。追加の数滴のTHFをパスツールピペットから加え、反応混合物を均一にした。反応物を、50℃にセットした加熱浴中で約2.5時間加温し、次いで、減圧下に揮発性成分を除去し、残渣をトルエンで共沸した(3回)。粗生成物を逆相lc−mcにより精製し、m/z=591.2及び531.2を有する画分を集めた。画分を含む生成物を濃縮し、8.6mgの生成物を得た。この8.6mgの原料をエタノール(0.5mL)に溶解し、分析用lc−msによる反応が完了したと判断されるまでカリウムトリメチルシラノエート(2.5mg)と室温で45分間撹拌した。アルコール溶液をろ過し、このようにして得られたろ液を、分析用逆相lc−msにより精製し、m/z=549.2及び531.2を集めた。分取用lc−msからの水性アセトニトリル生成物画分を減圧下に濃縮し、所望の化合物を得た。m/z(ES)572(M+Na);532(M−OH)H−NMR(400MHz,CDOD)δ:8.03(complex,2H),7.27(d,J=8Hz,2H),7.19(complex,6H),),7.09(d,J=8Hz,2H),4.88(br d,J=2Hz,1H),3.51(br s,4H),3.25(m,2H),3.15(dt,J=7.5,2Hz),2.67(complex,2H),2.59(t,J=7Hz,2H),2.27(q,7.5Hz,2H),1.69−1.80(complex,4H)。
【0369】
実施例14
(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−{4,[4−(メチルスルホニル)ブチル]フェニル}アゼチジン−2−オン
工程A:2−[(アセチルオキシ)メチル]−2−ヒドロキシブタ−3−イン−1−イルアセテートの調製
【0370】
【化117】

【0371】
窒素雰囲気下、1,3−ジアセトキシアセトン(17.5g,100.0ミリモル)の50mlの無水THF中の冷却した溶液(0℃)に、0.5Mの臭化エチルマグネシウムのTHF(200mL,100.0ミリモル)中の溶液をシリンジを通してゆっくりと加え、得られた混合物を10分間撹拌した。次いで、氷浴を取り除き、得られた反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。飽和NHCl水溶液(100ml)で反応混合物の反応を停止し、次いで、酢酸エチル(200ml)で抽出した。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。残渣を、ヘキサン中、0〜20%酢酸エチルで勾配溶出で溶出するHorizon MPLCにより精製し、標題の化合物を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ:4.28(d,J=11.5Hz,2H),4.22(J=11.5Hz,2H),3.26(s,1H),2.55(s,1H),2.13(s,6H)。
【0372】
工程B:(1S)−3−[(2S,3R)−2−(4−{4−(アセチルオキシ)−3−[(アセチルオキシ)メチル}−3−ヒドロキシブタ−1−イン−1−イル}フェニル)−4−オキソ−1−(4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}フェニル)アゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0373】
【化118】

【0374】
窒素雰囲気下、4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−(4−ヨードフェニル)−4−オキソアゼチジン−1−イル]フェニルトリフルオロメタンスルホネート(2g,3.08ミリモル;実施例13,工程A参照)のCHCl(25mL)中の溶液に、無水酢酸(0.4mL,4.30ミリモル)、トリエチルアミン(0.75mL,5.38ミリモル)及びDMAPを加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、減圧下に溶媒を除去した。残渣を、段階的な勾配溶出:(溶出液として0〜100%EtOAc/ヘキサン)を用いたMPLC(シリカカラム)により精製し、アセテート中間体(i−14)を得た。
【0375】
窒素雰囲気下、2−[(アセチルオキシ)メチル]−2−ヒドロキシブタ−3−イン−1−イルアセテート(5.2g;26.0ミリモル)及びアセテート中間体i−14(10.5グラム,15.2ミリモル)のDMF(150mL)中の溶液に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.10g;1.5ミリモル)、ヨウ化銅(I)(580mg;3.0ミリモル)及びトリエチルアミン(14.8mL,106.4ミリモル)を加え、得られた溶液を室温で3時間撹拌した。反応物を冷却し、1N HCl(150mL)で反応を停止し、300mLの酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、水(100mL)及び食塩水(100mL)で洗浄した。次いで、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。0〜50%酢酸エチル/ヘキサンの勾配システムを用いて溶出するHorizon MPLCによる精製により、標題の化合物を得た。m/z(ES)704(M−OAc)
【0376】
工程C:(1S)−3−((2S,3R)−2−(4−[4−(アセチルオキシ)−3−[(アセチルオキシ)メチル]−3−ヒドロキシブタ−1−イン−1−イル}フェニル)−1−{4−[4−(メチルスルホニル)ブタ−1−イン−1−イル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0377】
【化119】

【0378】
工程B由来のトリフレート(110mg;0.14ミリモル)及び4−(メチルスルホニル)ブタ−1−イン(i−13)(28mg;0.21ミリモル)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(52mg;0.14ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(106mg;0.09ミリモル)及びヨウ化銅(I)(9mg;0.04ミリモル)を、DMF(3mL)及びトリエチルアミン(0.137mL)の混合物に溶解した。窒素ガスを、3分間ゆっくりと溶液に吹き込み、次いで、反応混合物を窒素雰囲気下に密閉し、内容物を70℃にセットした浴中で3時間加熱した。反応混合物を減圧下に濃縮し、揮発性成分を除去した。得られた生成物をEtOAc/ヘキサン(1:1v/v)で溶出する分取用シリカゲルプレートにより精製し、標題の化合物を分離した。m/z(ES)746(M+H)
【0379】
工程D:(1S)−3−((2S,3R)−2−(4−[4−(アセチルオキシ)−3−[(アセチルオキシ)メチル]−3−ヒドロキシブチル}フェニル)−1−{4−[4−(メチルスルホニル)ブチル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0380】
【化120】

【0381】
実施例1、工程Eの方法に従い、工程Cの生成物から標題の化合物を調製した。m/z(ES)754(M+H)
【0382】
工程E:(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−{4−[4−(メチルスルホニル)ブチル]フェニル}アゼチジン−2−オンの調製
【0383】
【化121】

【0384】
実施例1、工程Gの方法に従い、工程Dの生成物から標題の化合物を調製した。m/z(ES)629(M+H)
【0385】
実施例15
(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−{4,[6−(メチルスルホニル)ヘキシル]フェニル}アゼチジン−2−オン
工程A:(1S)−3−((2S,3R)−2−(4−[4−(アセチルオキシ)−3−[(アセチルオキシ)メチル]−3−ヒドロキシブタ−1−イン−1−イル}フェニル)−1−{4−[6−(メチルスルホニル)ヘキサ−1−イン−1−イル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0386】
【化122】

【0387】
実施例14、工程B由来のトリフレート(150mg;0.20ミリモル)及び6−(メチルスルホニル)ヘキサ−1−イン(i−13c)(64mg;0.40ミリモル)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(74mg;0.20ミリモル)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(145mg;0.16ミリモル)及びヨウ化銅(I)(13mg;0.06ミリモル)を、DMF(3mL)及びトリエチルアミン(0.20mL)の混合物に溶解した。窒素ガスを、3分間ゆっくりと溶液に吹き込み、次いで、反応混合物を窒素雰囲気下に密閉し、内容物を70℃にセットした浴中で3時間加熱した。反応混合物を減圧下に濃縮し、揮発性成分を除去した。EtOAc及びヘキサン(1:1v/v)で溶出する分取用シリカゲルプレートにより、得られた生成物を精製し、標題の化合物を分離した。m/z(ES)774(M+H)
【0388】
工程B:(1S)−3−((2S,3R)−2−(4−[4−(アセチルオキシ)−3−[(アセチルオキシ)メチル]−3−ヒドロキシブチル}フェニル)−1−{4−[6−(メチルスルホニル)ヘキシル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0389】
【化123】

【0390】
実施例1、工程Eの方法に従い、工程Aの生成物から標題の化合物を調製した。m/z(ES)782(M+H)
【0391】
工程C:(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−{4−[6−(メチルスルホニル)ヘキシル]フェニル}アゼチジン−2−オンの調製
【0392】
【化124】

【0393】
実施例1、工程Gの方法に従い、工程Bの生成物から標題の化合物を調製した。m/z(ES)656(M+H)
【0394】
実施例16
工程A:(1S)−3−[(2S,3R)−2−(4−{4−(アセチルオキシ)−3−[(アセチルオキシ)メチル}−3−ヒドロキシブチル}フェニル)−4−オキソ−1−(4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}フェニル)アゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0395】
【化125】

【0396】
丸底フラスコに10%Pd−C(500mg)を入れ、EtOAc(〜2mL)を加え、触媒を覆った。この懸濁液に、実施例14、工程B由来の中間体(2.0,2.6ミリモル)の酢酸エチル(40mL)中の溶液を加え、得られた懸濁液を水素雰囲気下にセットし、1時間、激しく撹拌した。触媒をろ過し、固体を酢酸エチルで洗浄し、減圧下に溶媒を除去し、部分的に水素化された中間体を得た。前記のように反応工程を再度繰り返した。触媒をろ過助剤及びMgSOでろ過し、EtOH/EtOAcで洗浄した。ろ液を減圧下に濃縮し、ヘキサン中の10〜70%酢酸エチルの直線勾配溶出で溶出するHorizon MPLCにより精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)709(M−OAc)
【0397】
工程B:(1S)−3−[(2S,3R)−2−(4−{4−(アセチルオキシ)−3−[(アセチルオキシ)メチル}−3−ヒドロキシブチル}フェニル)−4−オキソ−1−(4−ビニルフェニル)アゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0398】
【化126】

【0399】
工程A由来の中間体(200mg,0.26ミリモル)の無水ジオキサン(4mL)中の溶液に、塩化リチウム(33mg,0.78ミリモル)及びジクロロ−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(30mg,0.03ミリモル)を加え、得られた溶液を窒素雰囲気下にセットした。次いで、ビニルトリブチルスズ(100μL,0.312ミリモル)を、シリンジを通して溶液に加え、得られた混合物を90℃で4時間加熱した。室温まで冷却した後、減圧下に溶液を蒸発させ、残渣を酢酸エチル(10mL)に溶解した。有機層を水(5mL)、食塩水(5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。60%酢酸エチル/40%ヘキサンで溶出する分取用プレートにより精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)586(M−OAc)及び646(M+H)
【0400】
工程C:(1S)−3−[(2S,3R)−2−(4−{4−(アセチルオキシ)−3−[(アセチルオキシ)メチル}−3−ヒドロキシブチル}フェニル)−1−[4−(1,2−ジヒドロキシエチル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−3−イル}−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0401】
【化127】

【0402】
工程Bの中間体(40mg,0.06ミリモル)のアセトン/水の8:1溶液に、N−メチルモルホリン−N−オキシド(14mg,0.12ミリモル)、次いで、OsOの2.5%イソプロパノール溶液(60μL,0.0006ミリモル)を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、1N HCl(5mL)、次いで、食塩水(5mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮した。100%酢酸エチルで溶出する分取用プレートにより精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)620(M−OAc),及び680(M+H)
【0403】
工程D:(3R,4S)−1−[4−(1,2−ジヒドロキシエチル)フェニル]−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]アゼチジン−2−オンの調製
【0404】
【化128】

【0405】
実施例1、工程Gの方法に従い、工程Cの中間体から標題の化合物を調製した。m/z(ES)554(M+H),及び536(MH−HO)
【0406】
実施例17
工程A:(1S)−3−[(2S,3R)−2−(4−{4−(アセチルオキシ)−3−[(アセチルオキシ)メチル}−3−ヒドロキシブチル}フェニル)−4−オキソ−1−(4−エチルフェニル)アゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0407】
【化129】

【0408】
実施例1、工程Eの方法に従い、(1S)−3−[(2S,3R)−2−(4−{4−(アセチルオキシ)−3−[(アセチルオキシ)メチル}−3−ヒドロキシブチル}フェニル)−4−オキソ−1−(4−ビニルフェニル)アゼチジン−3−イル]−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテート(実施例16、工程B)から標題の化合物を調製した。m/z(ES)554(M+H),及び536(MH−HO)
【0409】
工程B:
【0410】
【化130】

【0411】
実施例1、工程Gの方法に従い、工程Aの中間体から最終生成物を調製した。m/z(ES)522(M+H),及び504(MH−HO)
【0412】
実施例16に記載したのと同様の方法を用いて、表4中の以下の化合物を適切な出発原料から調製した:
【0413】
【表1】

【0414】
実施例17に記載したのと同様の方法を用いて、表5中の以下の化合物を、適切な出発原料から調製した:
【0415】
【表2】

【0416】
実施例22
(3R,4S)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1,4−ビス[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]アゼチジン−2−オン
工程A:(1S)−3−((2S,3R)−1,2−ビス{4−[3−(ベンジルオキシ)プロパ−1−イン−1−イル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−3−イル)−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0417】
【化131】

【0418】
実施例1、工程Dの方法に従い、実施例10、工程Aの生成物及びベンジルプロパルギルエーテルから標題の化合物を調製した。m/z(ES)706.1(M+Na),646.2(M−OAc)
【0419】
工程B:(1S)−3−{(2S,3R)−1,2−ビス[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−3−イル}−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0420】
【化132】

【0421】
(1S)−3−((2S,3R)−1,2−ビス{4−[3−(ベンジルオキシ)プロパ−1−イン−1−イル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−3−イル)−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテート(20mg)をエタノール(3mL)及び酢酸エチル(3mL)に溶解し、10%パラジウムカーボン(7mg)を溶液に加えた。真空、次いで水素を流すことを3回行った後、バルーン容器内に含まれる水素ガスを用いて、大気圧及び室温でエタノール溶液を水素化した。水素化の6.5時間後、基本的にlc−msにより反応を判断した。0.45ミクロンのAcrodiskシリンジフィルターを通してろ過することにより使用済みの水素化触媒を取り除き、得られたろ液を濃縮した。この粗生成物を次の工程で用いた。m/z(ES)556.3(M+Na),496.3(M−OAc)
【0422】
工程C:(3R,4S)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1,4−ビス[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]アゼチジン−2−オンの調製
【0423】
【化133】

【0424】
工程B由来の(1S)−3−{(2S,3R)−1,2−ビス[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−3−イル}−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテート(5mg;0.0089ミリモル)をエタノール(0.5mL)に溶解し、カリウムトリメチルシラノエート(1.7mg;0.0134ミリモル)を加え、反応混合物を室温で約8時間撹拌した。反応混合物を、逆相分取用lc−msにより精製し、m/z=514.3を集めた。所望の生成物を含む水性アセトニトリル生成物画分を濃縮し、標題の化合物を得た。H−NMR(400MHz,CDOD)δ:1.72−2.10(complex,8H),2.60(t,J=8Hz,2H),2.69(t,J=8Hz,2H),3.06(broad m,1H),3.52(t,J=6.5Hz,2H),3.56(t,J=6.5Hz,2H),4.61(broad t,J=6Hz,1H),4.81(d,J=1.5Hz,1H),7.00−7.35(complex,12H)。m/z(ES)514.3(M+Na)
【0425】
実施例23
(3R,4S)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1,4−ビス[4−(4−ヒドロキシブチル)フェニル]アゼチジン−2−オン
【0426】
【化134】

【0427】
実施例22に記載された方法を用い、適切な出発原料から標題の化合物を調製した。m/z(ES)542.3(M+Na)
【0428】
実施例24
(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル}アゼチジン−2−オン
工程A:2−プロパ−2−イン−1−イルプロパン−1,3−ジオールの調製
【0429】
【化135】

【0430】
窒素雰囲気下、50℃で、ジメチルプロパ−2−イン−1−イルマロネート(1g;5.877ミリモル)のTHF(5mL)中の溶液を、水素化リチウムアルミニウム(LAH)(560mg)の無水THF(5mL)の撹拌懸濁液に徐々に加えた。反応混合物を24時間撹拌し、LAHの1MのTHF溶液(6mL)を加え、反応物を50℃で更に6.5時間撹拌した。反応混合物を静置し、室温まで冷却し、次いで、飽和NaSO水溶液を加えることにより、過剰のLAHを分解した。スラリーを濃厚にして湿気のある固体とするために、セライト(登録商標)及び硫酸ナトリウムの両方を加えた。塊をブフナー漏斗に移し、生成物の固体をジエチルエーテルで洗浄した。エーテルのろ液を、ロータリーエバポレータにより減圧下に濃縮し、粗生成物を得た。粗ジオールを、CHCl/MeOH(9:1v/v)で溶出するシリカゲルプレートによる分取用tlcにより精製し、標題の化合物を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ:2.00(m.,1H),2.02(t,J=2.5Hz,1H),2.34(dd,J=2.5&7Hz,2H),3.83(ABqの2重項,J=11&6Hz,4H)。
【0431】
工程B:(1S)−1−(4−フルオロフェニル)−3−[(3R,4S)−1−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンタ−1−イン−1−イル]フェニル}−2−オキソ−4−(4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}フェニル)アゼチジン−3−イル]プロピルアセテートの調製
【0432】
【化136】

【0433】
実施例1、工程Aの方法に従い、(1S)−1−(4−フルオロフェニル)−3−[(3R,4S)−1−(4−ヨードフェニル)−2−オキソ−4−(4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}フェニル)アゼチジン−3−イル]プロピルアセテート(実施例10、工程A参照)及び2−プロパ−2−イン−1−イルプロパン−1,3−ジオールから標題の化合物を調製した。m/z(ES)700.2(M+Na),618.3(M−OAc)
【0434】
工程C:(1S)−3−((2S,3R)−2−(4−{[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]エチニル}フェニル)−1−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンタ−1−イン−1−イル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−3−イル)−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0435】
【化137】

【0436】
実施例1、工程Dの方法に従い、(1S)−1−(4−フルオロフェニル)−3−[(3R,4S)−1−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンタ−1−イン−1−イル]フェニル}−2−オキソ−4−(4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}フェニル)アゼチジン−3−イル]プロピルアセテート(工程B由来)及び5−エチニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イルアセテート(i−6)から標題の化合物を調製した。m/z(ES)666.3(M−OAc)
【0437】
工程D:(1S)−3−((2S,3R)−2−(4−{2−[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]エチル}フェニル)−1−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−3−イル)−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテートの調製
【0438】
【化138】

【0439】
実施例22、工程Bの方法に従い、(1S)−3−((2S,3R)−2−(4−{[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]エチニル}フェニル)−1−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンタ−1−イン−1−イル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−3−イル)−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテート(工程C由来)から標題の化合物を調製した。m/z(ES)774.4(M−OAc)
【0440】
工程E:(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル}アゼチジン−2−オンの調製
【0441】
【化139】

【0442】
実施例1、工程F及びGの方法に従い、(1S)−3−((2S,3R)−2−(4−{2−[5−(アセチルオキシ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イル]エチル}フェニル)−1−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−3−イル)−1−(4−フルオロフェニル)プロピルアセテート(工程D由来)から標題の化合物を調製した。m/z(ES)592.4(M−OH),532.4(M+Na)
【0443】
実施例25
(3R,4S)−1,4−ビス{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]アゼチジン−2−オン
工程A:{(2S,3R)−3−[(3S)−3−(アセチルオキシ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−4−オキソアゼチジン−1,2−ジイル}ビス(4,1−フェニレンエチン−2,1−ジイル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5,5−ジイル)ジアセテートの調製
【0444】
【化140】

【0445】
実施例1、工程Dの方法に従い、(1S)−1−(4−フルオロフェニル)−3−[(3R,4S)−1−(4−ヨードフェニル)−2−オキソ−4−(4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}フェニル)アゼチジン−3−イル]プロピルアセテート(実施例10、工程A参照)及び5−エチニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5−イルアセテート(i−6)から標題の化合物を調製した。m/z(ES)833.3(M+Na),750.4(M−OAc)
【0446】
工程B:{(2S,3R)−3−[(3S)−3−(アセチルオキシ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−4−オキソアゼチジン−1,2−ジイル}ビス(4,1−フェニレンエタン−2,1−ジイル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5,5−ジイル)ジアセテートの調製
【0447】
【化141】

【0448】
実施例25、工程A由来のビス−アセチレン化合物(310mg)をエタノール(10mL)に溶解し、20%水酸化パラジウムカーボン(30mg)を溶液に加えた。真空にし、次いで水素を流すことを3回行った後、バルーンに含まれる水素ガスを用いて、大気圧及び室温でエタノール溶液を水素化した。水素化の10時間後、基本的にlc−msにより反応を判断した。0.45ミクロンのAcrodiskシリンジフィルターを通してろ過することにより、使用済みの水素化触媒を取り除き、得られたろ液を濃縮した。粗生成物を、CHCl及びMeOH(97:3v/v)で溶出するシリカゲルプレートによる分取用tlcにより精製し、標題の化合物を得た。m/z(ES)758.4(M−OAc)
【0449】
工程C:(3R,4S)−1,4−ビス{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]アゼチジン−2−オンの調製
【0450】
【化142】

【0451】
実施例1、工程F及びGの方法に従い、({(2S,3R)−3−[(3S)−3−(アセチルオキシ)−3−(4−フルオロフェニル)プロピル]−4−オキソアゼチジン−1,2−ジイル}ビス(4,1−フェニレンエタン−2,1−ジイル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−5,5−ジイル)ジアセテート(実施例25、工程B)から標題の化合物を調製した。H−NMR(400MHz,CDOD)δ:1.67(complex,2H),1.75(complex,2H),1.93(complex,2H)2.63(t,J=7.5Hz,2H),2.71(t,J=7.5Hz,2H),3.05(broad m,1H),3.53(s,4H),3.57(s,4H),4.62(broaden t,J=6Hz,1H),4.80(d,J=2Hz,1H),7.00−7.37(complex,12H)。m/z(ES)m/z=634.4(M+Na);771.8(M−OH)
【0452】
実施例26
N,N’−[2−[3−[4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−[4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル]−4−オキソ−1−アゼチジニル]フェニル]プロピル]−1,3−プロパンジイル]ビス−メタンスルホンアミド
工程A:tert−ブチル(メチルスルホニル)カルバメートの調製
【0453】
【化143】

【0454】
メタンスルホンアミド(4.4g;46.26ミリモル)、トリエチルアミン(7.1mL;50.88ミリモル)及びDMAP(565mg;4.626ミリモル)を無水CHCl(50mL)に溶解し、室温で撹拌した。ジ−tert−ブチルジカルボネート(11.61g;53.196ミリモル)の無水CHCl(100mL)中の溶液を10分間かけて1滴ずつゆっくりと加えた。添加が完了した後、反応混合物を更に1時間撹拌し、次いで、減圧下に揮発性成分を除去した。残渣を、慎重に2N塩酸(150mL)及びジエチルエーテル(2×150mL)で分配した。エーテル抽出物を一緒にし、食塩水(150mL)で洗浄し、抽出物を無水MgSO粉末で乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧下に濃縮した。濃縮により得られた固体残渣をヘキサンで粉砕し、ヘキサン層をろ過して捨てた。残留した固体をヘキサン及びジエチルエーテルから結晶化し、標題の化合物を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ:1.53(s,9H),3.28(s.,3H)。
【0455】
工程B:N,N’−[2−(2−プロピニル)−1,3−プロパンジイル]ビス−メタンスルホンアミドの調製
【0456】
【化144】

【0457】
ジオールである2−プロパ−2−イン−1−イルプロパン−1,3−ジオール(0.5g;4.381ミリモル)(実施例24、工程A)、トリフェニルホスフィン(2.53g;9.637ミリモル)及びtert−ブチル(メチルスルホニル)カルバメート(1.8g;9.199ミリモル)を含む無水CHCl(30mL)中の溶液を、氷−水浴中、0℃で撹拌した。ニート状のジ−イソプロピルアゾジカルボキシレート(2.16mL;10.951ミリモル)を、10分間かけて溶液に1滴ずつ加え、反応混合物を4時間撹拌し、この間に氷−水浴は溶け、室温に上昇した。反応の進行をlc−ms(m/z=491.1M+Na)により調べた。次いで、反応溶液を、ロータリーエバポレータにより減圧下、蒸発させた。粗生成物を、EtOAc/Hex1:4v/vで溶出するシリカゲルプレートによる分取用tlcにより精製し、油状物質を得た。NMRにより、生成物には、まだジ−イソプロピルヒドラジン−1,2−ジカルボキシレートが混入していた。油状物質をEtOAc/Hex(5:95v/v)で粉末化し、スクラッチにより結晶化を誘導した。大量の白色沈殿が現れた。固体をろ過し、このようにして得られたろ液(所望のビス−メタンスルホネート及びヒドラジン−1,2−ジカルボキシレートの混合物(約1:1))を減圧下に濃縮し、残渣を脱保護工程において用いた。油状物質を無水CHCl(5mL)に溶解し、アニソール(1mL)、次いで、トリフルオロ酢酸(5mL)を加えた。反応混合物を、溶液として室温で一晩撹拌した。18時間後、減圧下、ロータリーエバポレータにより揮発性成分を除去し、油状物質を得た。油状物質を、1N 水酸化ナトリウム水溶液(50mL)及びエーテル(2×50mL)で分配した。エーテル抽出物を一緒にし、無水MgSO粉末で乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧下に濃縮した。濃縮により得られた油状の残渣を、EtOAc/ヘキサン(1:3v/v)で溶出するシリカゲルプレートによる分取用tlcにより精製し、標題の化合物を得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ:2.08(complex.,2H),2.30(dd,J=2.5Hz及び7Hz2H),2.99(s,6H),3.25(m,2H),3.34(m,2H),4.90(broad t,2H)。
【0458】
工程C:(1S)−1−(4−フルオロフェニル)−3−[(3R,4S)−1−[4−(5−[(メチルスルホニル)アミノ]−4−{[(メチルスルホニル)アミノ]メチル}ペンタ−1−イン−1−イル)フェニル]−2−オキソ−4−(4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}フェニル)アゼチジン−3−イル]プロピルアセテート
【0459】
【化145】

【0460】
実施例1、工程Aの方法に従い、工程Bの生成物及び(1S)−1−(4−フルオロフェニル)−3−[(3R,4S)−1−(4−ヨードフェニル)−2−オキソ−4−(4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}フェニル)アゼチジン−3−イル]プロピルアセテート(実施例10、工程A参照)から標題の化合物を調製した。m/z(ES)m/z=771.8(M−OAc)
【0461】
工程D:(1S)−1−(4−フルオロフェニル)−3−{(2S,3R)−2−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンタ−1−イン−1−イル]フェニル}−1−[4−(5−[(メチルスルホニル)アミノ]−4−{[(メチルスルホニル)アミノ]メチル}ペンタ−1−イン−1−イル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−3−イル}プロピルアセテート
【0462】
【化146】

【0463】
実施例1、工程Dの方法に従い、工程C由来の生成物及び2−プロパ−2−イン−1−イルプロパン−1,3−ジオール(実施例24、工程A参照)から標題の化合物を調製した。m/z=736.1(M−OAc)
【0464】
工程E:(1S)−1−(4−フルオロフェニル)−3−{(2S,3R)−2−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル}−1−[4−(5−[(メチルスルホニル)アミノ]−4−{[(メチルスルホニル)アミノ]メチル}ペンチル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−3−イル}プロピルアセテート
【0465】
【化147】

【0466】
実施例25、工程Bの方法に従い、工程Dの生成物から標題の化合物を調製した。m/z(ES)744.1(M−OAc)
【0467】
工程F:N,N’−[2−[3−[4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−[4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル]−4−オキソ−1−アゼチジニル]フェニル]プロピル]−1,3−プロパンジイル]ビス−メタンスルホンアミド
【0468】
【化148】

【0469】
実施例1、工程Gの方法に従い、工程Eの生成物から標題の化合物を調製した。H−NMR(500MHz,CDOD)δ:1.39(complex,4H),1.65(complex,6H),1.89(complex,4H),2.53(t,J=7.5Hz,2H),2.60(t,J=7.5Hz,2H),2.88(broad s,6H),3.02(d,J=2Hz,4H),3.53(d,J=6Hz,4H),4.59(broad t,J=6Hz,1H),4.77(d,J=2Hz,1H),6.90−7.32(complex,12H)。m/z(ES)744.2(M−OAc)
【0470】
実施例26に記載したのと同様の方法を用いて、以下の表6中の化合物を適切な出発原料から調製した:
【0471】
【表3】

【0472】
特定の実施態様を参照して本発明を説明したが、当業者は、種々の変形、修正及び置換が、本発明の精神及び範囲を逸脱せずになされることを認識するであろう。例えば、本明細書に示される特定の用量以外の有効な用量は、前述したような本発明において用いられる活性薬剤についての任意の適応に治療される哺乳類の応答性における変度の結果として適用可能である。同様に、観察された特定の薬理学的応答は、選択された特定の活性化合物、又は薬学担体が存在するかどうか、並びに用いられる製剤のタイプによって変化し、結果におけるこのような予想される変形又は相違は、本発明の目的及び実践に従って意図される。従って、本発明は付随する請求項の範囲によって定義され、そのような請求項は、合理的である限り広く解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式Ia:
【化1】

(式中、
Arは、アリール及びR−置換アリールからなる群から選択され;
Rは、−OR、−O(CO)R、−O(CO)OR、−O(CO)NR、単糖残基、二糖類残基、三糖類残基及び四糖類残基からなる群から選択され;
は、−H、−C1−6アルキル及びアリールからなる群から選択され;
は、各出現において独立して、−OR、−O(CO)R、−O(CO)OR、−O−C1−5アルキル−OR、−O(CO)NR、−NR、−NR(CO)R、−NR(CO)OR、−NR(CO)NR、−NRSO、−COOR、−CONR、−COR、−SONR、−S(O)、−O−C1−10アルキル−COOR、−O−C1−10アルキル−CONR及びフルオロからなる群から独立して選択される1ないし5個の置換基であり;
tは、0、1及び2から選択される整数であり;
、R及びRは、各出現において独立して、−H、−C1−6アルキル、アリール及びアリール置換−C1−6アルキルからなる群から選択され;
は、−C1−6アルキル、アリール及びアリール置換−C1−6アルキルからなる群から選択され;
は、クロロ、フルオロ、
−C≡C−C1−6アルキル−NR1011
−(CHCH=CH−C1−6アルキル−NR1011
−C1−8アルキル−NR1011
−C≡C−C1−4アルキル−CH−(CH−NR1011
−(CHCH=CH−C1−4アルキル−CH−(CH−NR1011
−C1−6アルキル−CH−(CH−NR1011
−C≡C−C1−6アルキル−R11a
−(CHCH=CH−C1−6アルキル−R11a
−C1−8アルキル−R11a
−C≡C−C1−6アルキル、
−(CHCH=CH−C1−6アルキル、
−C1−8アルキル、
−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C2−15アルキニル、
−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C2−15アルケニル、
−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C1−15アルキルからなる群から選択され、そしてxは、0、1及び2から選択される整数であり;
10は、各出現において独立して、−H及び−C1−3アルキルからなる群から選択され;
11は、各出現において独立して、−H、−C1−3アルキル、−C(O)−C1−3アルキル、−C(O)−NR1010、−SO−C1−3アルキル及び−SO−フェニルからなる群から選択され;
11aは、−C(O)−NR1010、−SO−C1−3アルキル及び−SO−フェニルからなる群から選択され;
12は、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C2−15アルキニル、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C2−15アルケニル、−OHで一又は多置換され、場合によりR14で置換されていてもよい−C1−15アルキル、
からなる群から選択され;
13は、−H及び−OHからなる群から選択され;そして
14は、−COOH、−COOC1−3アルキル及び−C1−3アルキル−OHで置換されていてもよい単糖残基であり;
ただし、Rが、−C≡C−(CH1−6−NR1011、−CH=CH−(CH1−6NR1011及び−(CH1−8NR1011からなる群から選択される場合、R12は、−OHで一又は多置換されている−C1−15アルキル、−OHで一又は多置換されている−CH=CH−C1−13アルキル、−OHで一又は多置換されている−C≡C−C1−13アルキル、及び
【化2】

からなる群から選択されることはなく;
そして(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]アゼチジン−2−オンを除く)の化合物及び薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
Arが、アリール及びR−置換アリールからなる群から選択され;ここでRは、各出現において独立して、−OR、−O(CO)R、−O(CO)OR、−O−C1−5アルキル−OR、−O(CO)NR、−NR、−NR(CO)R、−NR(CO)OR、−NR(CO)NR、−NRSO、−COOR、−CONR、−COR、−SONR、−S(O)、−O−C1−10アルキル−COOR、−O−C1−10アルキル−CONR及びフルオロから選択される1ないし2個の置換基である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Rが−ORであり、Rが−Hである、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
構造式Ib:
【化3】

を有する、請求項1記載の化合物及び薬学的に許容されるその塩。
【請求項5】
1)N−(5−[4−((2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−1−イル)フェニル]−2−{[(メチルスルホニル)アミノ]メチル}ペンチル)メタンスルホンアミド;
2)(3R,4S)−1,4−ビス{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]アゼチジン−2−オン;
3)(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]−フェニル}アゼチジン−2−オン;
4)(3R,4S)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1,4−ビス[4−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]アゼチジン−2−オン;
5)(3R,4S)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1,4−ビス[4−(4−ヒドロキシブチル)フェニル]アゼチジン−2−オン;
6)(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−1−[4−(2,3−ジヒドロキシプロピル)フェニル]−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]アゼチジン−2−オン;
7)(3R,4S)−1−[4−(1,2−ジヒドロキシエチル)フェニル]−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]アゼチジン−2−オン;
8)(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−(4−プロピルフェニル)アゼチジン−2−オン;
9)(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−{4−[4−(メチルスルホニル)ブチル]フェニル}アゼチジン−2−オン;
10)(3R,4S)−4−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−{4−[6−(メチルスルホニル)ヘキシル]フェニル}アゼチジン−2−オン;
11)メチル(2S,3S,4S,5R)−6−[4−{4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニル}−2−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ブトキシ]−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボキシレート、及び
12)(2S,3S,4S,5R)−6−[4−{4−[(2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−1−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}フェニル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]フェニル}−2−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ブトキシ]−3,4,5−トリヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸;
及び薬学的に許容するそれらの塩からなる群から選択される、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
治療を必要とする患者に請求項1記載の化合物の治療に有効な量を投与することを含む、血漿LDL−コレステロールレベルの減少方法。
【請求項7】
治療を必要とする患者に請求項1記載の化合物の治療に有効な量を、コレステロール生合成阻害剤の治療に有効な量と組み合わせて投与する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
治療を必要とする患者に請求項1記載の化合物の治療に有効な量を投与することを含む、高コレステロール血症の治療方法。
【請求項9】
治療を必要とする患者に請求項1記載の化合物の治療に有効な量を投与することを含む、アテローム性動脈硬化を治療する又は発現の危険性を減少する方法。
【請求項10】
症状の危険にさらされている患者に請求項1記載の化合物の予防に有効な量を投与することを含む、アテローム性動脈硬化症事象を有する危険性を減少する方法。
【請求項11】
請求項1記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物。
【請求項12】
コレステロール生合成阻害剤の治療に有効な量を更に含む、請求項11記載の薬学的組成物。
【請求項13】
1)N−[4−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブタ−1−イン−1−イル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)ブタ−3−イン−1−イル]メタンスルホンアミド;
2)N−[5−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブタ−1−イン−1−イル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)ペンタ−4−イン−1−イル]メタンスルホンアミド;
3)N−[4−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)ブチル]メタンスルホンアミド;
4)N−[5−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)ペンチル]メタンスルホンアミド;
5)N−[6−(4−{(2S,3R)−2−{4−[3,4−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ブチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)ヘキシル]メタンスルホンアミド;
6)N−[4−(4−{(2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−[4−(7−ヒドロキシヘプチル)フェニル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)ブチル]メタンスルホンアミド;
7)N−[4−(4−((2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンタ−1−イン−1−イル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−1−イル)フェニル]ブタ−3−イン−1−イル}メタンスルホンアミド;
8)N−[5−(4−((2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンタ−1−イン−1−イル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−1−イル)フェニル]ペンタ−4−イン−1−イル}メタンスルホンアミド;
9)N−{6−[4−((2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンタ−1−イン−1−イル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−1−イル)フェニル]ヘキサ−5−イン−1−イル}メタンスルホンアミド;
10)N−{5−[4−((2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−1−イル)フェニル]ペンチル}メタンスルホンアミド;
11)N−{6−[4−((2S,3R)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−{4−[5−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル}−4−オキソアゼチジン−1−イル)フェニル]ヘキシル}メタンスルホンアミド;
12)N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[1,2−ジヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミド;
13)N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[4,5−ジヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ペンチル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミド;
14)N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[2,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロピル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミド;
15)N−[3−(4−{(2S,3R)−2−{4−[5,6−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ヘキシル]フェニル}−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}フェニル)プロピル]メタンスルホンアミド、及び
16)N−{3−[4−((3R,4S)−3−[(3S)−3−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]−2−オキソ−4−{4−[1,2,5,6−テトラヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ヘキシル]フェニル}アゼチジン−1−イル)フェニル]プロピル}メタンスルホンアミド;及び薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される化合物。
【請求項14】
請求項13記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物。
【請求項15】
コレステロール生合成阻害剤の治療に有効な量を更に含む、請求項14記載の薬学的組成物。
【請求項16】
治療を必要とする患者に請求項13記載の化合物の治療に有効な量を投与することを含む、血漿LDL−コレステロールレベルの減少方法。
【請求項17】
治療を必要とする患者に請求項13記載の化合物の治療に有効な量を、コレステロール生合成阻害剤の治療に有効な量と組み合わせて投与する、請求項16記載の方法。

【公表番号】特表2010−513485(P2010−513485A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542822(P2009−542822)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/025638
【国際公開番号】WO2008/085300
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】