説明

抗IL−TIF抗体および炎症において使用する方法

【課題】IL-TIFポリペプチド特異的抗体による炎症誘発活性の阻害方法。
【解決手段】IL-TIFは、炎症プロセスおよびヒト疾患に関与するサイトカインである。IL-TIFに対する抗体を産生する方法、及びその使用に関し、抗IL-TIF抗体および結合パートナー、並びに、IL-TIFに関連するヒト炎症性疾患においてこのような抗体および結合パートナーを使用してIL-TIFをアンタゴナイズする。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリペプチドに対する抗体を産生する方法であって:
以下の群に由来するポリペプチドを動物に接種する段階であって、該ポリペプチドは、動物の免疫応答を誘発して抗体を産生させる、段階:
(a)30〜144のアミノ酸を有するポリペプチドであって、配列番号:3のアミノ酸番号23(Gly)〜アミノ酸番号779(Thr)までの連続するアミノ酸の配列と同一であるポリペプチド;
(b)配列番号:3のアミノ酸番号23(Pro)〜アミノ酸番号167(Ile)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(c)配列番号:3のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号167(Ile)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(d)配列番号:2のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号179(Ile)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(e)配列番号:3のアミノ酸番号29(Arg)〜アミノ酸番号34(Asn)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(f)配列番号:3のアミノ酸番号121(His)〜アミノ酸番号126(Asp)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(g)配列番号:3のアミノ酸番号134(Gln)〜アミノ酸番号139(Thr)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(h)配列番号:3のアミノ酸番号137(Lys)〜アミノ酸番号142(Lys)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(i)配列番号:3のアミノ酸番号145(Glu)〜アミノ酸番号150(Lys)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(j)配列番号:3のアミノ酸番号41(Thr)〜アミノ酸番号53(Leu)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(k)配列番号:3のアミノ酸番号80(Met)〜アミノ酸番号91(Val)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(l)配列番号:3のアミノ酸番号103(Met)〜アミノ酸番号116(Arg)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(m)配列番号:3のアミノ酸番号149(Ile)〜アミノ酸番号162(Leu)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(n)配列番号:3のアミノ酸番号28(Cys)〜アミノ酸番号35(Phe)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;および
(o)配列番号:3のアミノ酸番号52(Ser)または55(Asp)〜アミノ酸番号59(Asp)または62(Leu)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(p)配列番号:3のアミノ酸番号94(Pro)または95(Gln)〜アミノ酸番号100(Gln)または103(Met)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(q)配列番号:3のアミノ酸番号113(Leu)〜アミノ酸番号118(Ser)または119(Thr)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(r)配列番号:3のアミノ酸番号123(Glu)〜アミノ酸番号126(Asp)または128(His)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(s)配列番号:3のアミノ酸番号134(Gln)または144(Gly)〜アミノ酸番号147(Gly)のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(t)配列番号:34のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(u)配列番号:35のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(v)配列番号:36のアミノ酸配列を有するポリペプチド;ならびに、
動物から抗体を単離する段階;を含み、
該抗体は、特異的にIL-TIFポリペプチドに結合し;かつ配列番号:2または配列番号:3のポリペプチドの炎症誘発性の活性を阻害する、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法によって産生される抗体であって、配列番号:2または配列番号:3のポリペプチドに結合する抗体。
【請求項3】
請求項2記載の抗体であって、以下の群より選択される抗体:(a)ポリクローナル抗体、(b)マウスのモノクローナル抗体、(c)(b)に由来するヒト化抗体、(d)抗体断片、および(e)ヒト・モノクローナル抗体。
【請求項4】
(a)配列番号:3のアミノ酸番号23(Pro)〜アミノ酸番号167(Ile)で示されるアミノ酸配列;
(b)配列番号:3のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号167(Ile)で示されるアミノ酸配列;および、
(c)配列番号:2のアミノ酸番号1(Met)〜アミノ酸番号179(Ile)で示されるアミノ酸配列
の群より選択されるアミノ酸残基の配列を含むポリペプチドに特異的に結合し、且つ
配列番号:2もしくは配列番号:3のIL-TIFポリペプチドの炎症誘発性の活性を阻害する、減弱させる、または中和する、抗体または抗体断片。
【請求項5】
放射性核種、酵素、基質、補因子、蛍光マーカー、化学発光マーカー、ペプチド・タグ、磁性粒子、薬物、または毒素をさらに含む、請求項2記載の抗体。
【請求項6】
造血細胞および造血細胞前駆体のIL-TIFで誘導される増殖または分化を阻害するための方法であって、骨髄または末梢血細胞を、可溶性サイトカイン受容体の非存在下で培養した骨髄または末梢血細胞と比較して、骨髄または末梢血細胞中の造血細胞の増殖または分化を減少させるために十分な請求項2記載の抗体の量を含む組成物と共に培養する段階を含む、方法。
【請求項7】
造血細胞および造血細胞前駆体がリンパ球様細胞である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
リンパ球様細胞がマクロファージまたはT細胞である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
IL-TIFで誘導される炎症を減少させる方法であって、炎症を有する哺乳動物に、炎症を減少させるのに十分な量の請求項2記載の抗体の組成物を投与する段階を含む、方法。
【請求項10】
以下の段階を含む、炎症を有する哺乳動物の炎症反応を抑制する方法:
(1)血清アミロイドAタンパク質のレベルを測定する段階;
(2)許容される薬学的媒介物中に請求項2記載の抗体を含む組成物を投与する段階;
(3)血清アミロイドAタンパク質の投与後レベルを測定する段階;
(4)段階(3)の血清アミロイドAタンパク質のレベルと、段階(1)の血清アミロイドAタンパク質のレベルを比較する段階であって、該血清アミロイドAタンパク質レベルの増加または減少が無いことにより、炎症反応の抑制が示される段階。
【請求項11】
放射性核種、酵素、基質、補因子、蛍光マーカー、化学発光マーカー、ペプチド・タグ、磁性粒子、薬物、または毒素をさらに含む、請求項4記載の抗体。
【請求項12】
IL-TIFで誘導される造血細胞および造血細胞前駆体の増殖または分化を阻害するための方法であって、骨髄または末梢血細胞を、可溶性サイトカイン受容体の非存在下で培養した骨髄または末梢血細胞と比較して骨髄または末梢血細胞中の造血細胞の増殖または分化を減少させるのに十分な量の請求項4記載の抗体を含む組成物と共に培養する段階を含む、方法。
【請求項13】
造血細胞および造血細胞前駆体がリンパ球様細胞である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
リンパ球様細胞がマクロファージまたはT細胞である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
IL-TIFで誘導される炎症を減少させる方法であって、炎症を有する哺乳動物に、炎症を減少させるのに十分な量の請求項4記載の抗体の組成物を投与する段階を含む、方法。
【請求項16】
以下の段階を含む、炎症を有する哺乳動物の炎症反応を抑制する方法:
(1)血清アミロイドAタンパク質のレベルを測定する段階;
(2)許容される薬学的媒介物中に請求項4記載の抗体を含む組成物を投与する段階;
(3)血清アミロイドAタンパク質の投与後レベルを測定する段階;
(4)段階(3)の血清アミロイドAタンパク質のレベルと、段階(1)の血清アミロイドAタンパク質のレベルとを比較する段階であって、該血清アミロイドAタンパク質レベルの増加または減少が無いことにより、炎症反応の抑制が示される、段階。
【請求項17】
患者の癌を検出するための方法であって:
患者から組織または生体試料を得る段階;
請求項1記載の抗体と組織または生体試料を、該抗体が組織または生体試料中のその相補的ポリペプチドに結合する条件下でインキュベートする段階;
組織または生体試料中の結合した抗体を視覚化する段階;および、
患者からの組織または生体試料中の結合した抗体のレベルを正常な対照組織または生体試料と比較する段階を含み、
正常対照組織または生体試料と比較して、患者の組織または生体試料に結合した抗体のレベルが増大していることにより、患者の癌が示される、方法。
【請求項18】
以下の段階を含む、IL-TIFまたは血清アミロイドAが役割を果たす炎症性疾患に罹患している哺乳動物を治療する方法:
炎症が減少されるように、該哺乳動物にIL-TIFまたは血清アミロイドAのアンタゴニストを投与する段階であって、該アンタゴニストが、IL-TIFのポリペプチドまたはポリペプチド断片(配列番号:3)に特異的に結合する抗体または結合ポリペプチドの群より選択される段階。
【請求項19】
疾患が慢性の炎症性疾患である、請求項18記載の方法。
【請求項20】
疾患が以下の群より選択される慢性の炎症性疾患である、請求項19記載の方法:
(a)炎症性腸疾患;
(b)潰瘍性大腸炎;
(c)クローン病;
(d)関節炎;および
(e)乾癬。
【請求項21】
疾患が急性の炎症性疾患である、請求項18記載の方法。
【請求項22】
疾患が以下の群より選択される急性の炎症性疾患である、請求項21記載の方法:
(a)内毒血症;
(b)敗血症;
(c)毒素ショック症候群;および
(d)感染症。
【請求項23】
抗体が、放射性核種、酵素、基質、補因子、蛍光マーカー、化学発光マーカー、ペプチド・タグ、磁性粒子、薬物、または毒素をさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項24】
以下の群より選択されるヒトIL-TIF(配列番号:3)のエピトープに結合するモノクローナル抗体を含む抗体であって、配列番号:2または配列番号:3のヒトIL-TIFポリペプチドの炎症誘発性の活性を中和する抗体:
(a)配列番号:3のアミノ酸番号28(Cys)〜アミノ酸番号35(Phe)のアミノ酸配列を有するエピトープ;
(b)配列番号:3のアミノ酸番号52(Ser)または55(Asp)〜アミノ酸番号59(Asp)または62(Leu)のアミノ酸配列を有するエピトープ;
(d)配列番号:3のアミノ酸番号113(Leu)〜アミノ酸番号118(Ser)または119(Thr)のアミノ酸配列を有するエピトープ;
(e)配列番号:3のアミノ酸番号123(Glu)〜アミノ酸番号126(Asp)または128(His)のアミノ酸配列を有するエピトープ;
(f)配列番号:3のアミノ酸番号134(Gln)または144(Gly)〜アミノ酸番号147(Gly)のアミノ酸配列を有するエピトープ;
(g)配列番号:3のアミノ酸番号49(Lys)〜アミノ酸番号77(Cys)のアミノ酸配列を有するエピトープ;
(h)配列番号:3のアミノ酸番号89(Glu)〜アミノ酸番号101(Pro)のアミノ酸配列を有し、N末端またはC末端にCysをさらに含むエピトープ;および、
(i)配列番号:3のアミノ酸番号132(Asn)〜アミノ酸番号145(Glu)のアミノ酸配列を有し、N末端またはC末端にCysをさらに含むエピトープ。
【請求項25】
放射性核種、酵素、基質、補因子、蛍光マーカー、化学発光マーカー、ペプチド・タグ、磁性粒子、薬物、または毒素をさらに含む、請求項24記載の抗体。
【請求項26】
以下の群より選択される請求項24記載の抗体:(a)マウスのモノクローナル抗体、(b)(a)に由来するヒト化抗体、(c)抗体断片、および(d)ヒト・モノクローナル抗体。
【請求項27】
以下の群より選択されるハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体を含む抗体:
(a)ハイブリドーマクローン266.16.1.4.4.1(ATCC [#######]);
(b)ハイブリドーマクローン266.5.1.2.2.3 (ATCC [#######]);
(c)ハイブリドーマクローン267.17.1.1.4.1 (ATCC [#######]);
(d)ハイブリドーマクローン267.4.1.1.4.1(ATCC [#######]);
(e)ハイブリドーマクローン266.12.6.1.3.2.1(ATCC [#######]);および
(f)ハイブリドーマクローン266.19.1.10.5.2 (ATCC [#######])。
【請求項28】
放射性核種、酵素、基質、補因子、蛍光マーカー、化学発光マーカー、ペプチド・タグ、磁性粒子、薬物、または毒素をさらに含む、請求項27記載の抗体。
【請求項29】
以下の群より選択される請求項27記載の抗体:(a)マウスのモノクローナル抗体、(b)(a)に由来するヒト化抗体、および(c)抗体断片。
【請求項30】
IL-TIF活性に関連する被検者の病的症状を治療する方法であって、請求項27記載の抗体の有効な量を投与する段階を含み、これにより該病的症状を治療する方法。
【請求項31】
病的症状が慢性の炎症性症状である、請求項30記載の方法。
【請求項32】
慢性の炎症性症状が以下の群より選択される、請求項31記載の方法:
(a)炎症性腸疾患;
(b)潰瘍性大腸炎;
(c)クローン病;
(d)関節炎;および
(e)乾癬。
【請求項33】
病的症状が急性の炎症性症状である、請求項30記載の方法。
【請求項34】
急性の炎症性症状が以下の群より選択される、請求項33記載の方法:
(a)内毒血症;
(b)敗血症;
(c)毒素ショック症候群;および
(d)感染症。
【請求項35】
IL-TIF活性に関連する被検者の病的症状を治療する方法であって、請求項24記載の抗体の有効な量を投与する段階を含み、これにより該病的症状を治療する方法。
【請求項36】
病的症状が慢性の炎症性症状である、請求項35記載の方法。
【請求項37】
慢性の炎症性症状が以下の群より選択される、請求項36記載の方法:
(f)炎症性腸疾患;
(g)潰瘍性大腸炎;
(h)クローン病;
(i)関節炎;および
(j)乾癬。
【請求項38】
病的症状が急性の炎症性症状である、請求項35記載の方法。
【請求項39】
急性の炎症性症状が以下の群より選択される、請求項38記載の方法:
(e)内毒血症;
(f)敗血症;
(g)毒素ショック症候群;および
(h)感染症。

【図1】
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【公開番号】特開2010−220612(P2010−220612A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51579(P2010−51579)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【分割の表示】特願2003−580498(P2003−580498)の分割
【原出願日】平成15年3月24日(2003.3.24)
【出願人】(505222646)ザイモジェネティクス, インコーポレイテッド (72)
【Fターム(参考)】