説明

折り処理装置、画像形成装置、印刷指示装置と画像形成システムおよびプログラム

【課題】用紙に対して折り処理を行う場合に、使用者が得たい折り状態を容易に実現する。
【解決手段】領域設定部は、用紙を折り処理した後の状態において外部から見えるようにしたい領域または隠したい領域を設定する。折り処理条件決定部は、領域設定部による設定結果に基づいて、折り位置、折り方向、折り順序からなる折り処理条件を決定する。具体的には、折り処理条件決定部は、用紙先端から、A+C/2の場所に谷折りを行い、A+Cの場所に山折りを行うような折り処理条件を決定する。折り処理装置では、折り処理条件決定部により決定された折り処理条件に基づいて、画像が形成された後の用紙に対して折り処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り処理装置、画像形成装置、印刷指示装置と画像形成システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、設定された折り位置、折り方向及び折り順序に従って搬入された用紙に対して折り処理を行う用紙処理装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−138961号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、用紙に対して折り処理を行う場合に、使用者が得たい折り状態を容易に実現することが可能な折り処理装置、画像形成装置、印刷指示装置と画像形成システムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[折り処理装置]
請求項1に係る本発明は、用紙を折り処理した後の状態において外部から見えるようにしたい領域または隠したい領域を設定する設定手段と、
前記設定手段による設定結果に基づいて、折り処理条件を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された折り処理条件に基づいて、折り処理を実行する実行手段とを有する折り処理装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記決定手段により決定された折り処理条件に基づいて折り処理を行った場合の折り状態を表示する表示手段をさらに有する請求項1記載の折り処理装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、受け付けた修正指示に基づいて、前記決定手段により決定された折り処理条件を修正する修正手段をさらに有する請求項2記載の折り処理装置である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記決定手段が、用紙先端から所定幅だけ見せたい領域が設定された場合、用紙先端から、用紙の搬送方向の全長から該見せたい領域の幅を減じた値の半分の値に該見せたい領域の幅を加算した場所に、谷折りを行うような折り処理条件を決定する請求項1記載の折り処理装置である。
【0009】
請求項5に係る本発明は、前記決定手段が、用紙先端から第1の幅の見せたい領域と、用紙後端から第2の幅の見せたい領域とが設定された場合、用紙先端から、用紙の搬送方向の全長から前記第1の幅および第2の幅を減じた値の半分の値に前記第1の幅を加算した場所に谷折りを行い、用紙の搬送方向の全長から前記第2の幅を減じた値の場所に山折りを行うような折り処理条件を決定する請求項1記載の折り処理装置である。
【0010】
[画像形成装置]
請求項6に係る本発明は、用紙を折り処理した後の状態において外部から見えるようにしたい領域または隠したい領域を設定する設定手段と、
前記設定手段による設定結果に基づいて、折り処理条件を決定する決定手段と、
折り処理が行われる用紙に対して画像を出力する出力手段とを有する画像形成装置である。
【0011】
[印刷指示装置]
請求項7に係る本発明は、用紙を折り処理した後の状態において外部から見えるようにしたい領域または隠したい領域を設定する設定手段と、
前記設定手段による設定結果に基づいて、折り処理条件を決定する決定手段とを有する印刷指示装置である。
【0012】
[画像形成システム]
請求項8に係る本発明は、用紙を折り処理した後の状態において外部から見えるようにしたい領域または隠したい領域を設定する設定手段と、
前記設定手段による設定結果に基づいて、折り処理条件を決定する決定手段と、
折り処理が行われる用紙に対して画像を出力する出力手段と、
前記決定手段により決定された折り処理条件に基づいて、前記出力手段により画像が出力された用紙に対して折り処理を実行する実行手段とを有する画像形成システムである。
【0013】
[プログラム]
請求項9に係る本発明は、用紙を折り処理した後の状態において外部から見えるようにしたい領域または隠したい領域を設定する設定ステップと、
前記設定ステップにおいて設定された設定結果に基づいて、折り処理条件を決定する決定ステップと、
前記決定ステップにおいて決定された折り処理条件に基づいて、折り処理を実行する実行ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0014】
請求項10に係る本発明は、用紙を折り処理した後の状態において外部から見えるようにしたい領域または隠したい領域を設定する設定ステップと、
前記設定ステップにおいて設定された設定結果に基づいて、折り処理条件を決定する決定ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る本発明によれば、使用者が折り処理条件を指定する場合と比較して、使用者が得たい折り状態を容易に実現することが可能な折り処理装置を提供することができる。
【0016】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1により得られる効果に加えて、使用者が、設定された折り処理条件に基づく折り状態を把握することが可能な折り処理装置を提供することができる。
【0017】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1により得られる効果に加えて、設定された折り処理条件に基づく折り状態を修正することが可能な折り処理装置を提供することができる。
【0018】
請求項4に係る本発明によれば、用紙先端部分から所定幅だけ見せたい領域が設定された場合に、使用者が折り処理条件を指定する場合と比較して、使用者が得たい折り状態を容易に実現することが可能な折り処理装置を提供することができる。
【0019】
請求項5に係る本発明によれば、用紙先端部分から所定幅と用紙後端から所定幅を見せたい領域として設定された場合に、使用者が折り処理条件を指定する場合と比較して、使用者が得たい折り状態を容易に実現することが可能な折り処理装置を提供することができる。
【0020】
請求項6に係る本発明によれば、使用者が折り処理条件を指定する場合と比較して、使用者が得たい折り状態を容易に実現することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0021】
請求項7に係る本発明によれば、使用者が折り処理条件を指定する場合と比較して、使用者が得たい折り状態を容易に実現することが可能な印刷指示装置を提供することができる。
【0022】
請求項8に係る本発明によれば、使用者が折り処理条件を指定する場合と比較して、使用者が得たい折り状態を容易に実現することが可能な画像形成システムを提供することができる。
【0023】
請求項9に係る本発明によれば、使用者が折り処理条件を指定する場合と比較して、使用者が得たい折り状態を容易に実現することが可能なプログラムを提供することができる。
【0024】
請求項10に係る本発明によれば、使用者が折り処理条件を指定する場合と比較して、使用者が得たい折り状態を容易に実現することが可能なプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の画像形成システムの構成を示す図である。
【0027】
本実施形態の画像形成システムは、図1に示されるように、ネットワーク40により相互に接続された画像形成装置10、折り処理装置20および端末装置30により構成される。端末装置30は、印刷データを生成して、ネットワーク40経由にて画像形成装置10に対して送信する印刷指示装置として機能する。画像形成装置10は、端末装置30から送信された印刷データを受け付けて、印刷データに応じた画像を用紙上に出力する。折り処理装置20は、画像形成装置10から出力された用紙に対して折り処理を実施する。なお、画像形成装置10は、印刷(プリント)機能、スキャン機能、複写(コピー)機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。
【0028】
次に、本実施形態の画像形成システムにおける画像形成装置10のハードウェア構成を図2に示す。
画像形成装置10は、図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置13、ネットワーク40を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UI)装置15、スキャナ16、プリントエンジン17を有する。これらの構成要素は、制御バス18を介して互いに接続されている。
【0029】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置10の動作を制御する。
なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0030】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される画像形成装置10および折処理装置20の機能構成を示すブロック図である。
【0031】
本実施形態の画像形成装置10は、図3に示されるように、出力画像表示部31と、画像出力部32と、領域設定部33と、折り処理条件決定部34とを有する。また、折り処理装置20は、折り処理実行部21を有する。
【0032】
出力画像表示部31は、端末装置30から送信されてきた印刷データを印刷した場合の出力画像であるプレビュー画像を表示装置に表示する。
【0033】
画像出力部32は、折り処理装置20により折り処理が行われる用紙に対して、端末装置30から送信されてきた印刷データに基づいた画像を出力する。
【0034】
領域設定部33は、用紙を折り処理した後の状態において外部から見えるようにしたい領域または隠したい領域を設定する。ここで、外部から見えるようにしたい領域とは、折り処理をした後の状態でも外部から内容を視認可能なようにしたい領域であり、例えば折り処理が行なわれた結果、表面に現れることによって外から見えるような領域を意味している。また、隠したい領域とは、外部から内容が視認不可能なようにしたい領域であり、例えば折り処理が行なわれた結果、内側になることによって外から見えなくなるような領域を意味している。また、領域設定部33により外部から見えるようにしたい領域が設定された場合、残りの領域は隠したい領域であり、領域設定部33により隠したい領域が設定された場合、残りの領域は外部から見えるようにしたい領域である。
【0035】
折り処理条件決定部34は、領域設定部33による設定結果に基づいて、折り位置、折り方向、折り順序からなる折り処理条件を決定する。
【0036】
また、出力画像表示部31は、折り処理条件決定部34により決定された折り処理条件に基づいて折り処理を行った場合の折り状態をプレビュー表示として表示する。
【0037】
そして、折り処理条件決定部34は、出力画像表示部31によるプレビュー表示を参照した使用者から、UI装置15を介して受け付けた修正指示に基づいて、折り処理条件決定部34により決定された折り処理条件を修正する修正手段としての機能を有する。
【0038】
折り処理実行部21は、折り処理条件決定部34により決定された折り処理条件を画像形成装置10から受け取り、この折処理条件に基づいて、画像形成装置10により画像が形成された後の用紙に対して折り処理を実行する。
【0039】
本実施形態の画像形成システムでは、画像形成装置10において印刷した後の用紙、複写された後の用紙等の各種用紙に対して折り処理を行うことが可能である。
【0040】
次に、折り処理実行部21を実現するための具体的な折り処理機構を図4に示す。
【0041】
折り処理実行部21は、図4に示されるように、受け入れロール41と、排出ロール42と、折りロール43〜45と、Z折りストッパ46と、2折りストッパ47と、2折り用紙搬送ロール48と、受け入れロール41と排出ロール42との間に設けられた折り部主搬送路51と、2折り処理した用紙を搬送するための2折り搬送路52と、Z折り処理した用紙を搬送するためのZ折り搬送路53とを備えている。
【0042】
折り部主搬送路51の途中に設けられた2折りストッパ47は、2折り処理およびZ折り処理する場合に、折り部搬送路51を搬送されてくる用紙を停止させる。2折り搬送路52の途中に設けられたZ折りストッパ46は、Z折り処理する場合に、2折り搬送路52を搬送されてくる用紙を停止させる。そして、2折りストッパ47およびZ折りストッパ46の位置は、折りを入れる場所により変化可能なように構成されており、2折りストッパ47およびZ折りストッパ46の位置を変化させることにより、所望の場所に折りを入れることが可能となっている。
【0043】
このように構成された折り処理実行部21による折り処理動作を図5〜図8を参照して説明する。
【0044】
先ず、用紙の2折り処理を行う場合について説明する。2折り処理が行われる場合、2折りストッパ47が折り部主搬送路51を閉鎖するため、折り部主搬送路51を搬送されてきた用紙は、図5に示すように、先端部分が2折りストッパ47により停止される。そして、2折りストッパ47により停止された用紙は、図6に示すように、折りロール43、45に押し込まれるような形で引き込まれて2折りされる。このように2折りされた用紙は、2折り用紙搬送ロール48により2折り搬送路52を搬送され、折り部主搬送路51に合流し、排出ロール42により折り処理実行部21から排出される。
【0045】
次に、用紙のZ折り処理を行う場合について説明する。Z折り処理が行われる場合、2折りストッパ47に加えてZ折りストッパ46も閉鎖される。Z折りが行われる場合、先ず図5、図6と同様な工程により2折り処理がされる。そして、Z折り処理が行われる場合にはZ折りストッパ46が閉鎖されているため、2折り搬送路52に引き込まれた用紙は、図7に示すように、Z折りストッパ46により停止される。そして、Z折りストッパ46により停止された用紙は、図8に示すように、折りロール44、45に押し込まれるような形で引き込まれてZ折りされる。このようにZ折りされた用紙は、Z折り搬送路53を搬送され、折り部主搬送路51に合流し、排出ロール42により折り処理実行部21から排出される。
【0046】
このように折り処理実行部21では、上記で説明した2折りストッパ47およびZ折りストッパ46の位置を変化させることにより、折り処理条件決定部34により決定された折処理条件に基づいて折り処理を実行することが可能となる。
【0047】
次に、本実施形態の画像形成システムにおける折処理を図9のフローチャートを参照して説明する。
【0048】
端末装置30において印刷データが生成され、この印刷データが画像形成装置10に転送されてくると、画像形成装置10はこの印刷データを受信する(ステップS101)。すると、画像形成装置10の出力画像表示部31は、受信した印刷データに基づいた画像を表示部等に表示する(ステップS102)。使用者(ユーザ)がこの表示を参照して、外部から隠したい領域、または外部に見えるようにしたい領域を領域設定部33により設定すると(ステップS103)、折り処理条件決定部34は、領域設定部33における設定結果を実現するような折り方向、折り位置、順序からなる折り処理条件を設定する(ステップS104)。そして、折り処理条件決定部34により決定された折処理条件は画像形成装置10から折り処理装置20に転送される。
【0049】
画像形成装置10の画像出力部32では、端末装置30からの印刷データに基づいた画像を用紙に出力する(ステップS105)。折処理装置20の折り処理実行部21では、画像形成装置10から出力された用紙に対して、折り処理条件設定部34により設定された折処理条件に基づいて折り処理が実行される(ステップS106)。
【0050】
次に、領域設定部33により設定された領域に基づいて、折り処理条件決定部34が折り処理条件を決定する具体的な例を図面を参照して説明する。
【0051】
図10は、領域設定部33による領域設定の際に表示される画面の一例を示す図である。この図10は、用紙先端のヘッダ部分において見せたい領域を設定する場合の表示例である。図10に示す例では、用紙先端から幅Aの部分が見せたい領域として設定されている。
【0052】
このように用紙先端から所定幅だけ見せたい領域が設定された場合、折り処理条件決定部34は、用紙先端から、用紙の搬送方向の全長から見せたい領域の幅を減じた値(B)の半分の値に該見せたい領域の幅(A)を加算した場所に、谷折りを行うような折り処理条件を決定する。具体的には、折り処理条件決定部34は、用紙先端からA+B/2の距離の場所に谷折りを行うような折り処理条件を決定する。このように用紙先端から、A+B/2の位置を折り位置として、この折り位置で谷折りをすることで、見せたい領域が外部から視認可能となり、その他の領域は外部から隠されることとなる。
【0053】
本実施形態における折り処理条件決定部34の各折り処理条件決定の際に、用紙の搬送方向の全長から見せたい領域の幅を減じた値(B)の半分の値に該見せたい領域の幅(A)を加算した場所に折り位置を設定しているが、折り位置の決定に際して厳密に上記Bの値の半分の値を加算することが重要とは限らず、見せたい領域を設定した場合には当該領域が視認可能であればよく、逆に隠したい領域を設定した場合には当該領域が隠されていればいいのは言うまでもない。
【0054】
そして、図10に示す表示例では、このように設定された折り処理条件に基づいて折り処理を行った場合の用紙状態が折り処理結果プレビュー表示として示されている。
【0055】
本実施形態の画像形成装置10では、見せたい領域を複数の場所に設定することが可能となっている。図11は、用紙先端のヘッダ部分と用紙後端のフッタ部分の2箇所に見せたい領域を設定する場合の表示例である。図11に示す例では、用紙先端から幅Aの部分が見せたい領域として設定され、用紙先端からA+Cの幅よりも後ろの部分も見せたい領域として設定されている。
【0056】
このように用紙先端から所定幅の見せたい領域と、用紙後端から所定幅の見せたい領域とが設定された場合、折り処理条件決定部34は、用紙先端から、用紙の搬送方向の全長からヘッダ部分の見せたい領域の幅およびフッタ部分の見せたい領域の幅を減じた値(C)の半分の値にヘッダ部分の見せたい領域の幅(A)を加算した場所に谷折りを行い、用紙の搬送方向の全長からフッタ部分の見せたい領域の幅を減じた値(A+C)の場所に山折りを行うような折り処理条件を決定する。具体的には、折り処理条件決定部34は、用紙先端からA+C/2の距離の場所に谷折りを行い、A+Cの場所に山折りを行うような折り処理条件を決定する。そして、このように設定された折り処理条件に基づいて折り処理を行った場合の用紙状態が折り処理結果プレビュー表示として示される。
【0057】
なお、本実施形態における折り処理条件決定部34の各折り処理条件決定にあたり、折り位置の決定のために、折りを行う位置を算出するうえで上記各値に対して半分の値を算出したり加減算処理を行った場合で説明したが、折り位置の決定に際して厳密に上記各値の半分の値を加減算することが重要とは限らず、見せたい領域を設定した場合には当該領域が視認可能であればよく、逆に隠したい領域を設定した場合には当該領域が隠されていればいいのは言うまでもない。
【0058】
図12は、隠したい領域を設定する場合の表示例である。図12では、図11に示したのと同様な設定を行いたい場合に、見せたい領域ではなく、外部から隠したい領域を設定する場合が示されている。このように設定した場合でも、図11に示した場合と同様な折り処理条件が折り処理条件決定部34により決定されることとなる。なぜならば、領域設定部33により外部から見えるようにしたい領域が設定された場合、残りの領域は隠したい領域であり、領域設定部33により隠したい領域が設定された場合、残りの領域は外部から見えるようにしたい領域となるからである。
【0059】
次に、折り処理を行った後の結果のプレビュー画像を確認しつつ、見せたい領域または隠したい領域を設定するようにした場合の表示例を図13〜図18を参照して説明する。
【0060】
このような方法により領域設定を行う場合、図13に示されるように、折り処理を行おうとする画像が表示された状態で、見せたい領域を設定するのか隠したい領域を設定するのかを選択する。なお、ここでは見せたい領域を設定することを選択したものとして説明する。
【0061】
このように見せたい領域を設定することが選択された場合、図14に示すように、2折り処理が行われたことにより全ての領域が隠された状態となっている画像が表示される。
【0062】
見せたい領域の設定を行う使用者は、図15に示すように、見せたい領域を画面中で確認しつつ折り返された用紙下端部の位置をドラッグによって調整する。そして、この調整が終了し使用者が実行ボタンを押下することにより、見せたい領域の範囲が確定する。
【0063】
ここで、使用者が領域追加ボタンを押下した場合、図16に示すように用紙下端部に新たに見せたい領域が追加される。
【0064】
そして、図17に示すように、使用者は、用紙下端部における見せたい領域を画面中で確認しつつ折り返された用紙下端部の位置をドラッグによって調整する。そして、図18に示すように、この調整が終了し使用者が実行ボタンを押下することにより、見せたい領域の範囲が確定する。なお、用紙下端部の見せたい領域の範囲を調整する場合でも、先に設定した用紙先端部の見せたい領域の範囲は変化しない。ただし、図17に示す画面においても、用紙下端部の見せたい領域の上側がドラッグされた場合、用紙先端部の見せたい領域の範囲が調整されるようにしても良い。
【0065】
さらに、折り処理条件が確定した後に、設定された折処理条件を実行した場合にどの部分に折りが発生するかを示すような展開図を画面表示するようにしてもよい。
【0066】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の折り処理装置20aについて説明する。
本実施形態における折り処理装置20aは、図19に示されるように、折り処理実行部21と、領域設定部33と、折り処理条件決定部34とを有している。図19において、図3中の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略するものとする。
【0067】
本実施形態における折り処理装置20aは、図3に示した第1の実施形態の画像形成システムにおいて、折り処理装置20に対して、領域設定部33と、折り処理条件決定部34を設けるようにしたものである。
【0068】
このような構成としたことにより、本実施形態における折り処理装置20a単体において、見せたい領域または隠したい領域の設定および、折り処理条件の決定を行うことが可能となる。
【0069】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態の画像形成システムについて説明する。
【0070】
本実施形態における画像形成システムは、図20に示されるように、端末装置30bと、画像形成装置10bと、折り処理装置20とから構成されている。図20において、図3中の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略するものとする。
【0071】
本実施形態における端末装置30bは、領域設定部33、折り処理条件決定部34、印刷データ生成部35、表示部36を備えている。また、画像形成装置10bは、画像出力部32を有する。
【0072】
印刷データ生成部35は、画像形成装置10bに対して送信するための印刷データを生成する。また、表示部36は、印刷データ生成部35により生成された印刷データに基づいた画像を表示する。
【0073】
本実施形態における端末装置30bは、画像形成装置10bに対する印刷指示を行う印刷指示装置として機能するとともに、折り処理後の見せたい領域または隠したい領域の設定および折り処理条件の決定を行う機能を有する。折り処理条件決定部34により決定された折処理条件は、画像形成装置10bを経由して折り処理装置20に転送されるようにしてもよいし、直接折り処理装置20に転送されるようにしてもよい。
【0074】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態の画像形成装置について説明する。
本実施形態における画像形成装置10cは、図21に示すように、図3に示した第1の実施形態の画像形成装置10に対して、折り処理実行部21が設けられた構成となっている。図21において、図3中の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略するものとする。本実施形態の画像形成装置10cは、折り処理機構が備えられた画像形成装置に対して本発明を適用したものである。
【0075】
本実施形態では、折り処理後の見せたい領域または隠したい領域の設定、折り処理条件の決定、折り処理の実行が、画像形成装置10c単体で実行されることとなる。
【0076】
[変形例]
上記実施形態では、用紙の中間で谷折りを行う2折り処理および用紙の中間で谷折りと山折りを行うZ折り処理を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の折り処理方法により外部から見えるようにしたい領域または隠したい領域を実現することができる場合でも同様に本発明を適用することができるものである。
【0077】
なお、上記実施形態では、折り処理機能を有する折り処理装置20を含む画像形成システムを用いて説明したが、折り処理機能とともにステープル処理、ブック処理、穴あけ処理等の他の処理機能を有する後処理装置を用いた画像形成システムについても本発明は同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1の実施形態の画像形成システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における画像形成装置10のハードウェア構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における画像形成装置10の機能構成図である。
【図4】図3中の折り処理実行部21を実現するための具体的な折り処理機構を示す図である。
【図5】折り処理実行部21による2折り処理の動作を説明するための図である。
【図6】折り処理実行部21による2折り処理の動作を説明するための図である。
【図7】折り処理実行部21によるZ折り処理の動作を説明するための図である。
【図8】折り処理実行部21によるZ折り処理の動作を説明するための図である。
【図9】本発明の第1の実施形態の画像形成システムにおける折処理を示すフローチャートである。
【図10】領域設定部33による領域設定の際に表示される画面の一例を示す図である。
【図11】領域設定部33による領域設定の際に表示される画面の他の例を示す図である。
【図12】領域設定部33による領域設定の際に表示される画面の他の例を示す図である。
【図13】折り処理を行った後の結果のプレビュー画像を確認しつつ領域設定を行う場合の表示例を示す図である。
【図14】折り処理を行った後の結果のプレビュー画像を確認しつつ領域設定を行う場合の表示例を示す図である。
【図15】折り処理を行った後の結果のプレビュー画像を確認しつつ領域設定を行う場合の表示例を示す図である。
【図16】折り処理を行った後の結果のプレビュー画像を確認しつつ領域設定を行う場合の表示例を示す図である。
【図17】折り処理を行った後の結果のプレビュー画像を確認しつつ領域設定を行う場合の表示例を示す図である。
【図18】折り処理を行った後の結果のプレビュー画像を確認しつつ領域設定を行う場合の表示例を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施形態の折り処理装置20aの構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の第3の実施形態の画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図21】本発明の第4の実施形態の画像形成装置10cの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0079】
10、10b、10c 画像形成装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース(IF)
15 ユーザインタフェース(UI)装置
16 スキャナ
17 プリントエンジン
18 制御バス
20、20a 折り処理装置
21 折り処理実行部
30、30b 端末装置
31 出力画像表示部
32 画像出力部
33 領域設定部
34 折り処理条件決定部
35 印刷データ生成部
36 表示部
40 ネットワーク
41 受け入れロール
42 排出ロール
43〜45 折りロール
46 Z折りストッパ
47 2折りストッパ
48 2折り用紙搬送ロール
51 折り部主搬送路
52 2折り搬送路
53 Z折り搬送路
S101〜S106 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を折り処理した後の状態において外部から見えるようにしたい領域または隠したい領域を設定する設定手段と、
前記設定手段による設定結果に基づいて、折り処理条件を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された折り処理条件に基づいて、折り処理を実行する実行手段と、
を有する折り処理装置。
【請求項2】
前記決定手段により決定された折り処理条件に基づいて折り処理を行った場合の折り状態を表示する表示手段をさらに有する請求項1記載の折り処理装置。
【請求項3】
受け付けた修正指示に基づいて、前記決定手段により決定された折り処理条件を修正する修正手段をさらに有する請求項2記載の折り処理装置。
【請求項4】
前記決定手段は、用紙先端から所定幅だけ見せたい領域が設定された場合、用紙先端から、用紙の搬送方向の全長から該見せたい領域の幅を減じた値の半分の値に該見せたい領域の幅を加算した場所に、谷折りを行うような折り処理条件を決定する請求項1から3いずれか1項記載の折り処理装置。
【請求項5】
前記決定手段は、用紙先端から第1の幅の見せたい領域と、用紙後端から第2の幅の見せたい領域とが設定された場合、用紙先端から、用紙の搬送方向の全長から前記第1の幅および第2の幅を減じた値の半分の値に前記第1の幅を加算した場所に谷折りを行い、用紙の搬送方向の全長から前記第2の幅を減じた値の場所に山折りを行うような折り処理条件を決定する請求項1から3いずれか1項記載の折り処理装置。
【請求項6】
用紙を折り処理した後の状態において外部から見えるようにしたい領域または隠したい領域を設定する設定手段と、
前記設定手段による設定結果に基づいて、折り処理条件を決定する決定手段と、
折り処理が行われる用紙に対して画像を出力する出力手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項7】
用紙を折り処理した後の状態において外部から見えるようにしたい領域または隠したい領域を設定する設定手段と、
前記設定手段による設定結果に基づいて、折り処理条件を決定する決定手段と、
を有する印刷指示装置。
【請求項8】
用紙を折り処理した後の状態において外部から見えるようにしたい領域または隠したい領域を設定する設定手段と、
前記設定手段による設定結果に基づいて、折り処理条件を決定する決定手段と、
折り処理が行われる用紙に対して画像を出力する出力手段と、
前記決定手段により決定された折り処理条件に基づいて、前記出力手段により画像が出力された用紙に対して折り処理を実行する実行手段と、
を有する画像形成システム。
【請求項9】
用紙を折り処理した後の状態において外部から見えるようにしたい領域または隠したい領域を設定する設定ステップと、
前記設定ステップにおいて設定された設定結果に基づいて、折り処理条件を決定する決定ステップと、
前記決定ステップにおいて決定された折り処理条件に基づいて、折り処理を実行する実行ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
用紙を折り処理した後の状態において外部から見えるようにしたい領域または隠したい領域を設定する設定ステップと、
前記設定ステップにおいて設定された設定結果に基づいて、折り処理条件を決定する決定ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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