説明

折り畳み式支保工

【課題】本願発明の課題は、支保工を構成する立面のうち折り畳み可能な立面を簡易な構造とし、製造・組立が容易な折り畳み式支保工を提供することにある。また、基礎材のボルト孔間隔にも簡単に対応できるように、工場製作時や現場にて支柱間の幅を容易に調整し得る折り畳み式支保工を提供することも本願発明の課題である。
【解決手段】固定面と2面の折り畳み面を備え、固定面は、複数の支柱と固定水平材と斜材を有しこれら支柱間が斜材及び固定水平材で連結される構造であり、折り畳み面は、2本の支柱と屈折水平材を有しこれら支柱間が斜材を設けずに屈折水平材で連結される構造であり、屈折水平材は2つの分割水平材からなり、分割水平材の一端が支柱に回転自在に連結されるとともに、2つの分割水平材がそれぞれ軸方向に突き合わせられて回転自在に連結されることで折り畳み面を折り畳み可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、橋梁の桁を架設する際、一時的に桁をあずけるために使用するなど、重量物の仮受けに用いられる支保工に関するものであり、より詳しくは折り畳むことによって小型化することのできる折り畳み式支保工に関するものである。
【背景技術】
【0002】
支保工は部品として現場に搬入され、現場で組み立てて完成させることが多く、高所での危険な作業が必要であった。そのため、あらかじめ工場で完成(あるいはほぼ完成)した状態で現場まで搬送することができれば、現場での高所作業を少なくし、事故を減らし安全性を高めることになる。一方で、組み立てた状態の支保工は、支柱、水平材や斜材を主とする骨組み構造であって、内部はほとんど空間となっており、組立て状態の支保工を搬送、あるいは不使用時に収納・管理する場合、内部空間を含めた支保工の収容空間を必要とするため、効率的に搬送または収納することができなかった。
【0003】
そこで例えば特許文献1のように、搬送時や収納時には折り畳んで小型化することのできる支保工が提案されるようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3700950号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、支保工は、大きな荷重を支持することから剛性の高い部材が用いられ、鉛直方向の力のほか水平方向の力にも対向するため水平材や斜材が密に配置されている。特許文献1の支保工も、4本の支柱と水平材及び斜材で構成されており、4本の支柱で形成される4つの鉛直面(立面)全てに水平材と斜材が配置されている。すなわち、折り畳まれる立面にも水平材と斜材が配置されており、折り畳むために水平材及び斜材の両方に工夫がなされている。これにより構造が複雑となり、製造や組み立てが煩雑であるという問題を抱えていた。
【0006】
また、従来の支保工では次のような問題も抱えていた。現場における支保工の設置作業は、まず基礎材と呼ばれるH形鋼を2列敷き並べ、1列の基礎材に対して2本ずつ支柱を載せ、支柱の下端にあるベースプレートと基礎材を連結することで行われる。このとき、この基礎材に所定間隔で設けられたボルト孔と、支柱のベースプレートに設けられたボルト孔とを位置合わせしたうえで、基礎材の上に支柱をボルト固定する。この基礎材は様々な支保工に共通して用いられるが、支保工そのものは別途個別に工場製作されるので、支柱ベースプレートのボルト孔と基礎材のボルト孔の位置が合うように、支柱間の幅(すなわちベースプレートの間隔)を慎重に調整しながら製作する必要があった。それでもなお現場では、支保工の支柱2本分のベースプレートのボルト孔と、基礎材のボルト孔の位置が合わない(一方の支柱は合わせられても他方が合わない)ことがあり、この場合、支柱間の幅を調整するため、現場において支保工を一部解体して再度組み立てなおすなど、余分な手間が生じていた。
【0007】
本願発明の課題は、上記のような問題点を解決し、支保工を構成する立面のうち折り畳み可能な立面を簡易な構造とし、製造・組立が容易な折り畳み式支保工を提供することにある。また、基礎材のボルト孔間隔にも簡単に対応できるように、工場製作時や現場にて支柱間の幅を容易に調整し得る折り畳み式支保工を提供することも本願発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
橋桁の架設工事で支保工を用いる場合を考えると、橋桁の一端が橋台もしくは橋脚に載せられた状態で橋桁が支保工に受けられることから、橋桁は橋軸方向に安定している。つまり、実際には支保工が橋軸方向の力を受けることはほとんどない。本願発明はこの点に着目し、支保工を構成する立面のうち橋軸方向に向く立面には斜材を省略することが可能であるという、従来にはなかった発想に基づいてなされたものである。
【0009】
本願発明の折り畳み式支保工は、4本以上の支柱とこれら支柱間を連結する水平材を有し、折り畳みが可能である折り畳み式支保工において、固定面と2面の折り畳み面と、を備え、前記固定面は、複数の支柱と固定水平材と斜材を有し、これら支柱間が斜材及び固定水平材で連結される構造であり、前記折り畳み面は、2本の支柱と屈折水平材を有し、これら支柱間が斜材を設けずに屈折水平材で連結される構造であり、前記屈折水平材は、2つの分割水平材からなり、前記分割水平材の一端が支柱に回転自在に連結されるとともに、2つの分割水平材がそれぞれ軸方向に突き合わせられて回転自在に連結されることによって、前記折り畳み面が折り畳み可能なものである。
【0010】
本願発明の折り畳み式支保工は、分割水平材と支柱との連結構造、及び一方の分割水平材と他方の分割水平材との連結構造が、支柱の軸方向と略平行するピンを用いたピン結合であり、分割水平材と支柱との連結構造、及び両方の分割水平材の連結構造が、支柱の軸方向に略垂直する面内で回転自在なものとすることもできる。
【0011】
本願発明の折り畳み式支保工は、分割水平材の支柱側端部に設けられたピン挿入孔と、支柱に連結されるブラケットに設けられたピン挿入孔に、ピンを挿入することで分割水平材と支柱が回転自在に連結され、前記ブラケットは、前記支柱に固定された装着具にボルト固定され、前記ブラケットに設けられたボルト挿入用のボルト孔と、前記装着具に設けられたボルト挿入用のボルト孔の、どちらか一方のボルト孔、又は双方のボルト孔を長孔とすることによって、折り畳み面を構成する2本の支柱間幅を調整可能なものとすることもできる。
【0012】
本願発明の折り畳み式支保工は、折り畳み面に、2段以上の水平材が配置されたものとすることもできる。
【0013】
本願発明の折り畳み式支保工は、2面の分割面から構成される足場面を備え、前記分割面の一辺が固定面内に回転自在に連結されるとともに、2つの分割面がそれぞれ略同一面上となるように突き合わせられて回転自在に連結されることによって、前記足場面が折り畳み可能となり、折り畳み面が折り畳み可能なものとすることもできる。
【発明の効果】
【0014】
本願発明の折り畳み式支保工には、次のような効果がある。
(1)2面の折り畳み面を備えているので、折り畳むことによって不使用時の小型化が可能で、効率的に搬送・収納できる。
(2)工場で組み立てられた支保工は、高所作業を少なくすることができて、現場での事故を減らし作業の安全性を高めることができる。
(3)折り畳み面には斜材が設けられていないので、構造が簡潔であり、製造や組み立てが容易である。
(4)橋桁の架設に使用する際、基本的には折り畳み面を座屈させる水平方向の力が作用しないので、折り畳み面内に斜材がなくても支保工は安定する。
(5)ブラケットのボルト孔と装着具のボルト孔、少なくともどちらか一方のボルト孔が長孔となっているので、折り畳み面を構成する2本の支柱間幅の調整が可能であり、共通利用される基礎材にも容易に対応することができる。
(6)折り畳み面には2段以上の屈折水平材を設けることができるので、種々の高さの折り畳み式支保工を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本願発明の折り畳み式支保工が立設した状態を示す斜視図。
【図2】折り畳み式支保工が折り畳まれた状態を示す斜視図。
【図3】(a)は折り畳み式支保工の使用状態を示す平面図、(b)は折り畳み式支保工の折り畳み状態を示す平面図。
【図4】折り畳み式支保工を固定面から見た側面図。
【図5】折り畳み式支保工を折り畳み面から見た側面図。
【図6】(a)は分割水平材の詳細を示すための側面図、(b)は分割水平材の詳細を示すための平面図、(c)は接合部の詳細断面図、(d)は(a)におけるA−A矢視の側面図とB−B矢視の側面図。
【図7】取合ブラケットについて説明する平面図。
【図8】取合ブラケットの詳細を説明するための詳細図で、(a)は取合ブラケット示す平面図、(b)は平面図におけるC−C矢視の正面図、(c)は正面図におけるD−D矢視の側面図。
【図9】支柱に固定される装着具を示す側面図。
【図10】屈折水平材と取合ブラケットの連結部を詳細に説明するための部分詳細図。
【図11】(a)は足場を示すための平面図、(b)は足場を示すための部分側面図、(c)は分割足場面の連結部を示す部分詳細図。
【図12】(a)は支柱に固定された足場用取付具を示す断面図、(b)は支柱に固定された足場用取付具を示す側面図。
【図13】基礎材を示すための平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態)
本願発明の折り畳み式支保工1の実施形態を図に基づいて説明する。図1は、本願発明の折り畳み式支保工1が立設した状態を示す斜視図である。
【0017】
(全体構造)
折り畳み式支保工1は、4本の支柱2(支柱2a、支柱2b、支柱2c、支柱2d)を備え、これら支柱間を固定水平材3、斜材4、屈折水平材5で連結した構造である。それぞれの支柱2の両端(図では上下端)にはベースプレートが取り付けられており、折り畳み式支保工1を現地の基礎材上(後に説明する)に立設する際、あるいは折り畳み式支保工1同士を上下に連結する際に、このベースプレート6が利用される。
【0018】
折り畳み式支保工1には、作業用の足場7、作業者の安全のための手すり8、作業者が昇降するためのタラップ9を設けることもできる。なお、固定水平材3と屈折水平材5の設置段数は支柱2の高さに応じて設計されるものであり、図1では固定水平材3、屈折水平材5ともに3段としているが、支柱2が図1よりも高い場合は4段以上の固定水平材3や屈折水平材5を設置することも、支柱2が図1よりも低い場合は2段の固定水平材3や屈折水平材5を設置することもできる。斜材4は2本交差させたものを1組としており、この1組の斜材4の設置段数は固定水平材3の設置段数に応じて設計されるものであり、図1のように固定水平材3を3段設置する場合には斜材4を2段とし、例えば、固定水平材3を2段だけ設置する場合には斜材4を1段で設置することができる。また、必要に応じて、リブやスティフナーといった補強材を適宜配置することができるのはいうまでもない。
【0019】
屈折水平材5は、分割水平材5aと分割水平材5bを同軸上でつないだものであり、そのつないだ箇所が中折れすることによって屈折水平材5が折り畳まれ、結果的に折り畳み式支保工1も折り畳まれる。すなわち、図1に示す使用状態の折り畳み式支保工1を折り畳むと、図2のように小型化される。これを平面図で見ると、図3(a)に示すような使用状態の平面形状が、折り畳まれることで図3(b)のような小型化された形状となる。
【0020】
以下、折り畳み式支保工1を構成する種々の要素について詳述する。なおこの説明にあたっては便宜上、立設した状態(つまり使用状態)の折り畳み式支保工1の姿勢において3軸(X軸、Y軸、Z軸)を設ける。図1に示すようにX軸は、折り畳まれない面(以下、「固定面A」という。)を構成する2本の支柱2aと2b(2cと2d)を結んだ方向であり、Y軸は、折り畳まれる面(以下、「折り畳み面B」という。)を構成する2本の支柱2aと2c(2bと2d)を結んだ方向であり、Z軸は、支柱2の立設方向(つまり鉛直方向)である。よって、以下説明する固定面AはX軸と略平行しており、折り畳み面BはY軸と略平行している。
【0021】
(固定面)
図1に示すように折り畳み式支保工1は、4面の立設面で構成されており、その内訳は支柱2a−支柱2b間及び支柱2c−支柱2d間で形成される2面の固定面Aと、支柱2a−支柱2c間及び支柱2b−支柱2d間で形成される2面の折り畳み面Bである。図4に示すように固定面Aは、立設する2本の支柱2(支柱2a−支柱2b、又は支柱2c−支柱2d)と、支柱2間を水平方向に連結する複数段(図4では3段)の固定水平材3と、固定水平材3間に設置される斜材4で構成される。
【0022】
固定水平材3は、屈折水平材5とは異なり部材中央付近で中折れする必要がないので、通常は1段当たり1本の独立材が用いられる。屈折水平材5に用いられるのは通常鋼材であり、例えばCT形鋼(カットティー)、H形鋼、溝形鋼、など設計上の強度が確保できるものであれば種々採用することができる。また、屈折水平材5の両端はそれぞれ支柱2に固定されており、その固定手段としてはボルト固定や溶接固定など従来から用いられている手段を利用することができる。
【0023】
斜材4は、固定面Aのうち上下の固定水平材3の間であって、支柱2と固定水平材3で囲まれる四辺形の対角線を描くように配置される。図1では、2本の斜材4がクロスしてアルファベットX字状を呈しているが、2本の斜材4を交差部で更に分割して4本の斜材4をX字状に配置してもよい。斜材4は、筋交い、あるいはブレスともいわれ、固定面Aを補強する機能を有し、特にX軸方向やZ軸方向の外力に対して補強効果を発揮する。なお斜材4には、設計上の強度が確保できるものであれば、例えば山形鋼、平鋼、溝形鋼、など種々の鋼材を採用することができる。
【0024】
(折り畳み面)
図5に示すように折り畳み面Bは、立設する2本の支柱2(支柱2a−支柱2c、又は支柱2b−支柱2d)と、支柱2間を水平方向に連結する複数段(図1では3段)の屈折水平材5で構成される。折り畳み式支保工1が橋桁の架設に利用される場合、折り畳み面Bが橋軸方向と平行するように折り畳み式支保工1は配置される。通常、橋桁を架設する際、橋桁の一端が橋台(もしくは橋脚)に載せられた状態で、折り畳み式支保工1に載せられる。そのため、折り畳み式支保工1に載せられた橋桁が橋軸方向に挙動することは考えにくく、すなわち橋桁によって折り畳み面BがY軸方向の力を受けることは考えにくく、斜材を配置してもその補強効果は大きくない。よって折り畳み面B内では、固定面Aとは異なり、斜材4を設けていない。斜材4が無いため、折り畳み面Bの構成はシンプルであり、折り畳み作業も極めて容易となる。
【0025】
折り畳み面B内に複数段(図5では3段)設置される屈折水平材5は、すべて折り畳むことが可能であり、屈折水平材5の中間付近で中折りすることで支柱2a−支柱2cの間、及び支柱2b−支柱2dの間を接近させ、図2や図3(b)に示すように折り畳み式支保工1を押しつぶしたように平たくすることができる。なお、図2では屈折水平材5が折り畳み式支保工1の内側に折り畳まれて収納されているが、折り畳み式支保工1の外側に屈折水平材5を折り畳んで、折り畳み式支保工1の折り畳み寸法を更に(屈折水平材5の部材圧厚分だけ)薄くすることもできる。この折り畳み式支保工1の折り畳み作業は、固定面Aのどちらか一方が下側になるように折り畳み式支保工1を寝かせて接地し、折り畳み式支保工1の自重を利用して折り畳んでいけば容易に行うことができる。
【0026】
(屈折水平材)
折り畳み面B内に配置される屈折水平材5は、2本の分割水平材5aと分割水平材5bで構成されている。この分割水平材5aと分割水平材5bは、図6(a)に示すように軸方向に並べられ、それぞれ端部同士が図6(b)に示す接合部Fで連結される。この接合部Fをピン結合とすることによって、分割水平材5aと分割水平材5bは回転自在に連結されることとなる。
【0027】
図6(a)は分割水平材5a、5bの詳細を示すための側面図で、図6(b)は分割水平材5a、5bの詳細を示すための平面図である。以下、分割水平材5a、5bを構成する要素部材について説明するが、これら要素部材を説明するために付けた符号の添え字aは分割水平材5aを構成する部材を意味し、添え字bは分割水平材5bを構成する部材を意味する。図6(a)に示すように分割水平材5a(5b)は、主材51a(51b)に、接合側接続板52a(52b)と支柱側接続板53a(53b)を取り付けて形成される。この主材51a(51b)としては、H形鋼が適しているが、I形鋼や溝形鋼、その他専用品として製作した部材を用いてもよい。
【0028】
主材51a(51b)の端部のうち接合部Fを構成する端部には、上下2箇所に接合側接続板52a(52b)が取り付けられる。図6(a)では主材51a(51b)にH形鋼が用いられているので、接合側接続板52a(52b)はH形鋼のフランジに取り付けられている。
【0029】
(分割水平材同士の連結)
図6(b)、(c)に示すように、接合側接続板52a(52b)には、それぞれピン57を挿入するためのピン挿入孔54a、54bが設けられており、このピン挿入孔54aとピン挿入孔54bの孔中心を合わせてピン57を挿入することで、接合部Fがピン結合となる。ピン57を貫通させる必要から、接合側接続板52a(52b)は、ピン挿入孔54a(54b)を避けた部分でフランジに溶接固定される。つまり図6(b)に示すように接合側接続板52a(52b)は、そのピン挿入孔54a(54b)の位置が平面視で主材51a(51b)から外れた位置となるように、主材51a(51b)のフランジに溶接固定される。また分割水平材5a、5bは、接合側接続板52a(52b)に設けられたピン挿入孔54a(54b)を中心として回転することから、ピン挿入孔54a(54b)の位置は、平面視でH形鋼の中心(ウェブ位置)よりも側方に離れている。さらに、分割水平材5a、5bの回転を円滑にするために、主材51a(51b)の端部(接合部F側)のうち前記ピン挿入孔側(図6(b)では上側)のフランジは一部切欠かれている。
【0030】
図6(a)に示すように、分割水平材5aの接合側接続板52aは主材51aのフランジ外側(図では上フランジの上側、下フランジの下側)に固定され、分割水平材5bの接合側接続板52bは主材51bのフランジ内側(図では上フランジの下側、下フランジの上側)に固定されている。これは、接合部Fの詳細断面図である図6(c)から分かるように、主材51aのフランジと主材51aのフランジを突き合わせたときに、接合側接続板52a(52b)が妨げとならないよう上下にかわすためである。
【0031】
図6(d)は、図6(a)におけるA−A矢視の側面図とB−B矢視の側面図である。この図で示すように、主材51a(51b)の接合部F側端部には、補強用のスティフナー55a、55bを配置することができる。このスティフナー55a(55b)にボルト孔を設けることによって、分割水平材5aと分割水平材5bを突き合わせたときに、ボルト孔にボルトを挿通して固定することができる。もちろん、このスティフナー55a、55b同士のボルト固定は、折り畳み式支保工1の使用時のみ行われ、折り畳み時にはこのボルト固定は解除される。
【0032】
(支柱側接続板)
主材51a(51b)の端部のうち支柱2に取り付ける側の端部には、上下2箇所に支柱側接続板53a(53b)が取り付けられる。主材51a(51b)にH形鋼が用いられた場合、支柱側接続板53a(53b)はH形鋼のフランジに取り付けられる。図6(a)では、支柱側接続板53a(53b)がH形鋼のフランジの外側に取り付けられているが、接合部Fとは異なりフランジを突き合わせる必要がないので、取り付け位置はフランジの内側でも外側でも任意に選択できる。また、支柱側接続板53a(53b)は溶接等によって主材51a(51b)に固定される。また、図6(b)に示すように、支柱側接続板53a(53b)には、それぞれピンを挿入するためのピン挿入孔56a、56bが設けられている。
【0033】
(取合ブラケット)
図7は、分割水平材5a(5b)と支柱2を連結するために用いられる取合ブラケット10について説明する平面図である。図に示すように取合ブラケット10は、折り畳み面B内(Y軸方向と平行する面)であって、支柱2のうち隣接する支柱2と向かい合う面に取り付けられる。
【0034】
図8は取合ブラケット10の詳細を説明するための詳細図であって、図8(a)は平面図、図8(b)は平面図におけるC−C矢視の正面図、図8(c)は正面図におけるD−D矢視の側面図である。これら図に示すように、取合ブラケット10は、山形鋼を用いた取合ブラケット底板10aの両側に、2枚の取合ブラケット側板10bを取り付けて形成される。
【0035】
(取合ブラケットの支柱への固定)
図7に示すように、支柱2には取合ブラケット10を取り付けるための装着具11が、溶接等により固定されている。この装着具11は、支柱2の内側に固定される装着具11(内側)と、支柱2の外側に固定される装着具11(外側)の2枚で1組となっている。これら装着具11には、図9の側面図に示すように、それぞれ1枚当たりに2箇所のボルト孔11aが設けられている。一方、2枚の取合ブラケット側板10bには、図8(c)の側面図に示すように、ボルトを挿入するためのボルト孔10cが2箇所ずつ設けられている。装着具11(内側)のボルト孔11aと、取合ブラケット側板10b(内側)のボルト孔10cが位置合わせされ、同じく装着具11(外側)のボルト孔11aと、取合ブラケット側板10b(外側)のボルト孔10cが位置合わせされて、それぞれ(図では計4か所)でボルト固定される。なお、図8(c)に示す予備孔10dは、予備として設けられる孔であり、台風時など設計外の荷重が作用する際に必要に応じて斜材を配置するためのものである。
【0036】
図5に示すように、分割水平材5a(5b)を支柱2に取り付けるためには、分割水平材5a(5b)1本あたり2個の取合ブラケット10が支柱2に取り付けられる。この2個の取合ブラケット10によって、分割水平材5a(5b)を上下から挟んで支持するわけである。すなわち、図5のように折り畳み面B内に3段の屈折水平材5を設置する場合、6本の分割水平材5a(5b)が支柱2に取り付けられることとなり、12個の取合ブラケット10が支柱2に取り付けられる。また、装着具11は6組12枚(内側6枚、外側6枚)が支柱に固定されることとなる。
【0037】
なお、取合ブラケット側板10bのボルト孔10cはすべて、図8(c)で示すように、折り畳み面B方向(Y軸方向)に長い「長孔」となっている。これにより、取合ブラケット10を装着具11にボルト固定する際、すなわち取合ブラケット10を支柱2にボルト固定する際、Y軸方向に移動調整することができるので、折り畳み面Bを構成する支柱2a−2c間(2b−2d間)の距離を調整することができる。本実施形態では、取合ブラケット側板10bのボルト孔10cをY軸方向に長い「長孔」としているが、これに代えて(あるいは加えて)装着具11のボルト孔11aをY軸方向に長い「長孔」とすることもできる。
【0038】
(屈折水平材と取合ブラケットの連結)
図8(a)の平面図に示すように、取合ブラケット底板10aのうち底面を形成する部分には、ピンを挿入するためのピン挿入孔10eが設けられている。このピン挿入孔10eは、分割水平材5a(5b)の支柱側接続板53a(53b)に設けられたピン挿入孔56a(56b)と孔中心が合わせられ、これらのピン挿入孔にピン12を挿入することで、屈折水平材5と取合ブラケット10、すなわち屈折水平材5と支柱2をピン結合とすることができる。
【0039】
図10は、屈折水平材5と取合ブラケット10の連結部を詳細に説明するための部分詳細図である。この図を基に、屈折水平材5と取合ブラケット10を連結する手順を説明する。まず、上下に所定間隔をあけて支柱2(装着具11)にボルト固定された2個の取合ブラケット10の間に、分割水平材5a(5b)の主材51a(51b)端部に溶接固定された上下の支柱側接続板53a(53b)を挿入していく。次に、取合ブラケット底板10aのピン挿入孔10eの位置と、支柱側接続板53a(53b)のピン挿入孔56a(56b)の位置合わせを行い、その状態でピン12を挿入する。ピン12には上下両端に小孔が設けられており、ここに小ピンを挿入してピン12の抜け落ちを防止する。なお、支柱側接続板53a(53b)と取合ブラケット底板10aの間には適宜ワッシャ等を介在させることもできる。
【0040】
以上説明した構造とすることで、分割水平材5aと分割水平材5bの連結、及び屈折水平材5と取合ブラケット10の連結が、それぞれピン結合となり、この結果、屈折水平材5は折り畳み可能となる。なお、本実施形態における屈折水平材5の折り畳み方向は、支柱2の軸方向に対して略垂直な面内(折り畳み式支保工1の使用時における水平面内、つまりX−Y平面内)である。本願発明の折り畳み式支保工1は、この実施形態に限らず、ピン12(支柱2でのピン結合)及びピン57(接合部Fでのピン結合)を水平姿勢で挿入することにより、折り畳み式支保工1の使用時における鉛直面内(つまりY−Z平面内)で屈折水平材5を折り畳むことも可能である。
【0041】
(作業用足場)
本願発明の折り畳み式支保工1は、作業用の足場7を設けることができる。この足場7は図11(a)の足場平面図に示すように、折り畳み式支保工1に対応するため2枚の足場面(分割足場面7aと分割足場面7b)に分かれている。分割足場面7a、分割足場面7bは、それぞれ平面形状が略矩形であり、外周を構成するフレーム材の上にエキスパンドメタルが張り付けられたものである。分割足場面7aは、その平面外周を形成するうちの一辺(図では左辺)が、固定面Aを構成する支柱2aと支柱2bに回転自在に取り付けられている。同様に、分割足場面7bは、その平面外周を形成するうちの一辺(図では右辺)が、固定面Aを構成する支柱2cと支柱2dに回転自在に取り付けられている。さらに、分割足場面7aと分割足場面7bは、それぞれ略同一平面となるように突き合わされて回転自在に連結されている。なお、これらの回転方向は、いずれも水平軸(X軸)回りの回転である。
【0042】
分割足場面7a(7b)は、支柱2に溶接固定された足場用取付具13に回転自在に連結される。この足場用取付具13は、図12(a)の断面図に示すように支柱2の外周に溶接等によって固定され、図12(b)の側面図に示すようにピン挿入孔13aを備えている。この足場用取付具13のピン挿入孔13aと、分割足場面7a(7b)に設けられたピン挿入孔(図示しない)にピンを挿入することで、分割足場面7a(7b)と足場用取付具13は回転自在なピン結合となる。なお、足場用取付具13は支柱2の内側に固定され、例えば、図12(a)の支柱2bの場合であれば支柱2bのうち支柱2a側に固定される。
【0043】
図11(c)に示すように、分割足場面7a(7b)にはそれぞれ連結具71a、連結具71bが備えられており、これら連結具71a、71bにはピン挿入孔72a、72bが設けられている。分割足場面7a、7bを略同一面となるように突き合わせたうえで、連結具71aのピン挿入孔72aと、連結具71bのピン挿入孔72bの位置合わせを行い、ピンを挿入することによって、分割足場面7aと分割足場面7bは回転自在なピン結合となる。
【0044】
なお図11(b)に示すように、使用時には鉛直材14によって直上の屈折水平材5に足場7を吊下げることもできる。この図に示すように、鉛直材14の一端は、足場7の直上の屈折水平材5に設けられた鉛直材取付金具58(図6(a)に取り付けられ、鉛直材14の他端は、連結具71aのピン挿入孔72a、71bに取り付けられる。これによって、足場7に載荷できる重量も増加するので好適である。
【0045】
また、図1や図11(a)に示すように、タラップ9を設置する場合には、分割足場面7a(又は分割足場面7b)に作業者の昇降用の開口部15が設けられる。
【0046】
(手すり)
図1に示すように、作業者の安全のため足場7の直上の屈折水平材5に、手すり8を設置することもできる。この場合も、折り畳み式支保工1を折り畳むため、手すり8は2分割されてそれぞれ分割水平材5aと分割水平材5bの上に取り付けられる。すなわち、これら分割された手すり8は、分割水平材5a(5b)の動きに追随して折り畳まれることとなる。
【0047】
(基礎材)
折り畳み式支保工1が現地にて立設される際には、図13に示す基礎材16の上に設置される。この基礎材16にはH形鋼が用いられ、フランジ部分には多数のボルト孔が設けられている。橋桁の架設に折り畳み式支保工1を使用する場合、2列の基礎材16を橋軸方向(つまりY軸方向)に、かつ折り畳み式支保工1の固定面Aの幅(つまり支柱2a−支柱2b、支柱2c−支柱2dの間隔)で敷き並べ、折り畳み式支保工1を折り畳み面Bが橋軸方向に向く姿勢とした状態で、4本の支柱2を基礎材16の上に載せる。
【0048】
図1に示すように、支柱2の下端にはベースプレート6が固定されており、このベースプレート6にも複数(図では4箇所)のボルト孔が設けられている。このベースプレート6のボルト孔と、基礎材16フランジ部分のボルト孔とを位置合わせし、ボルト固定することで、折り畳み式支保工1は基礎材16の上に立設される。
【0049】
支柱2のベースプレート6に設けられるボルト孔は、工場で加工される。一方、基礎材16フランジ部分のボルト孔も工場(あるいは現場)で加工されるが、この基礎材16は種々の支保工に共通して利用されるので、特定の折り畳み式支保工1のために寸法を調整してボルト孔が加工されるわけではない。よって基礎材16を工場製作する際に、2本の支柱2間におけるボルト孔の孔間隔を、基礎材16フランジ部分のボルト孔の孔間隔と合うように寸法調整する必要がある。従来、この繊細な寸法調整には著しい手間と時間を要していた。一方、本願発明の折り畳み式支保工1では、取合ブラケット側板10bのボルト孔10c(装着具11のボルト孔11a)が折り畳み面B方向(Y軸方向)に長い「長孔」となっているので、折り畳み面Bの幅を容易に調整することができる。つまり、2本の支柱2間におけるボルト孔の孔間隔を容易に寸法調整することができるので、従来に比して工場製作における手間と時間を大きく削減できる。また、工場で寸法調整してもなお、支保工の支柱2本分のベースプレートのボルト孔と、基礎材のボルト孔の位置が合わないことがあり、この場合従来では、現場にてボルト孔を拡げたり、新たにボルト孔を設けたり、場合によっては支保工の一部を解体して組み立て直したり、様々な対応を余儀なくされていた。しかしながら、本願発明の折り畳み式支保工1は、折り畳み面Bの幅を容易に調整することができるので、2本の支柱2間におけるボルト孔の孔間隔と、基礎材16フランジ部分のボルト孔の孔間隔が一致しない場合であっても、折り畳み面Bの幅すなわち基礎材16の上に配置される支柱2の間隔(支柱2a−2cの間隔、2b−2dの間隔)を容易に調整することができる。つまり本願発明の折り畳み式支保工1の場合、ベースプレート6のボルト孔の位置と、基礎材16のボルト孔の位置を容易に合わせることができるので、折り畳み式支保工1の設置作業にかかる手間が従来に比べ著しく改善される。
【0050】
(使用例)
本願発明の折り畳み式支保工1の使用例について、以下説明する。
工場にて、折り畳み式支保工1を製作する。すなわち、4本の支柱2a、支柱2b、支柱2c、支柱2dに、固定面Aを構成する固定水平材3と斜材4を取付ける。なお、支柱2の両端には、所定位置及び所定箇所数のボルト孔を加工したベースプレート6が固定される。
支柱2の所定位置に装着具11を溶接固定し、この装着具11に取合ブラケット10をボルト固定し、取合ブラケット10に折り畳み面Bを構成する分割水平材5aと分割水平材5bをピン結合する。このとき、分割水平材5aと分割水平材5bも付き合わされてピン結合される。ただし、分割水平材5a、5bの接合部Fに設けられたスティフナー55a、55b同士のボルト固定は行わない。最上段の分割水平材5aと分割水平材5bにはそれぞれ2分割された手すり8を取り付けておく。
支柱2の所定位置に足場用取付具13を溶接固定し、この足場用取付具13に分割足場面7aと足場面7bをピン結合し、分割足場面7aと足場面7bも付き合わされてピン結合される。足場場面7aに設けられた開口部15の中にタラップ9を挿入して設置し、折り畳み式支保工1を完成させる。
以上工場で製作された折り畳み式支保工1は、固定面Aのどちらか一方が下側になるように折り畳み式支保工1を寝かせた状態で折り畳んでおき、出荷時には、折り畳まれた状態のまま吊り上げられ、輸送車に載せられて工場から出荷される。
橋桁架設の現場では、折り畳み式支保工1の搬入前に、2列の基礎材16を橋軸方向に、かつ折り畳み式支保工1の固定面Aの幅で敷き並べておく。現場に搬入された折り畳み式支保工1は、寝かせた状態で輸送車から吊り上げられ、寝かせた状態のまま、かつ固定面Aのどちらか一方が下側になるように、一旦仮置き場に降ろされる。
接地していない方の固定面Aを揚重機により吊り上げ、屈折水平材5を折り畳み状態から次第に伸ばしていく。屈折水平材5が伸びきった状態で、分割水平材5a、5bのスティフナー55a、55b同士のボルト固定を行うことで屈折水平材5の折り畳みを制限し、鉛直材14によって屈折水平材5と足場7を連結することによって折り畳み式支保工1を立設姿勢としたときに足場7が直上の屈折水平材5に吊下げられるようにする。さらに持ち手を変えて、揚重機により折り畳み式支保工1を吊り上げ、折り畳み面Bが橋軸方向(基礎材16の軸方向)に向く姿勢とした状態のまま、基礎材16の上に載せる。基礎材16上で折り畳み式支保工1を移動させながら、支柱2のベースプレート6に設けられたボルト孔の孔間隔と、基礎材16フランジ部分のボルト孔の孔間隔を合わせてボルト固定し、折り畳み式支保工1の設置作業を終える。この時、必要に応じて、取合ブラケット10bとのボルト孔10cと装着具11のボルト孔11aの位置をずらすことで、折り畳み面Bを構成する支柱2の間隔を調整することもできる。
橋桁の架設作業が終わると、折り畳み式支保工1の組み立て時とは逆の手順で折り畳んでいく。具体的には、揚重機によりに折り畳み式支保工1を吊り上げ、固定面Aのどちらか一方が下側になるように折り畳み式支保工1を寝かせて接地し、まだ揚重機に自重を預けた状態で足場7から鉛直材14を外し、スティフナー55a、55b同士のボルト固定を解除し、基礎材16とベースプレート6とのボルト固定を解除する。その後、折り畳み式支保工1の自重を利用して徐々に上側の固定面Aを降ろしていきながら折り畳んでいく。折り畳まれた状態の折り畳み式支保工1は、輸送車に載せられて倉庫や工場に戻す。
【0051】
(その他の実施形態)
実施形態1では、固定面Aを構成する支柱2(支柱2a−支柱2b、又は支柱2c−支柱2d)が2本の場合で説明したが、これに限らず、3本以上の支柱2で固定面Aを構成することもできる。この場合、支柱2の本数に合わせて固定水平材3と斜材4も増え、例えば、固定面Aを構成する支柱2を3本、固定水平材3の設置段数を3段とした場合、固定水平材3は6本、斜材4は4組配置されることとなる。
【0052】
また、本願発明の折り畳み式支保工1は、実施形態1に示すように1体を単独で利用することもできるが、2体以上の折り畳み式支保工1を1組のユニットとして利用することもできる。このユニットの組み合わせは、2以上の折り畳み式支保工1を横方向(X軸方向やY軸方向)に並べて連結してもよいし、2以上の折り畳み式支保工1を縦方向(Z軸方向)に並べて連結してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本願発明の折り畳み式支保工は、橋桁の架設に限らず、構造物スラブのコンクリート打設等に利用することが可能であり、同様の構造で折り畳み式足場としても応用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 折り畳み式支保工
2 支柱
2a (第1の)支柱
2b (第2の)支柱
2c (第3の)支柱
2d (第4の)支柱
3 固定水平材
4 斜材
5 屈折水平材
5a (第1の)分割水平材
5b (第2の)分割水平材
51a(分割水平材の)主材
51b(分割水平材の)主材
52a(分割水平材の)接合側接続板
52b(分割水平材の)接合側接続板
53a(分割水平材の)支柱側接続板
53b(分割水平材の)支柱側接続板
54a(接合側接続板の)ピン挿入孔
54b(接合側接続板の)ピン挿入孔
55a(接合部の)スティフナー
55b(接合部の)スティフナー
56a(ボルト孔支柱側接続板の)ピン挿入孔
56b(ボルト孔支柱側接続板の)ピン挿入孔
57 (接合部Fでの)ピン
58 鉛直材取付金具
6 ベースプレート
7 足場
7a (第1の)分割足場面
7b (第2の)分割足場面
71a(分割足場面の)連結具
71b(分割足場面の)連結具
72a(連結具の)ピン挿入孔
72b(連結具の)ピン挿入孔
8 手すり
9 タラップ
10 取合ブラケット
10a 取合ブラケット底板
10b 取合ブラケット側板
10c (取合ブラケット側板の)ボルト孔
10d (取合ブラケット側板の)予備孔
10e (取合ブラケット底板の)ピン挿入孔
11 装着具
11a (取合ブラケット側板の)ボルト孔
12 (取合ブラケットでの)ピン
13 足場用取付具
13a(足場用取付具の)ピン挿入孔
14 (足場を吊る)鉛直材
15 (足場の)開口部
16 基礎材
A 固定面
B 折り畳み面
F (分割水平材の)接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4本以上の支柱とこれら支柱間を連結する水平材を有し、折り畳みが可能である折り畳み式支保工において、
固定面と、2面の折り畳み面と、を備え、
前記固定面は、複数の支柱と固定水平材と斜材を有し、これら支柱間が斜材及び固定水平材で連結される構造であり、
前記折り畳み面は、2本の支柱と屈折水平材を有し、これら支柱間が斜材を設けずに屈折水平材で連結される構造であり、
前記屈折水平材は、2つの分割水平材からなり、
前記分割水平材の一端が支柱に回転自在に連結されるとともに、2つの分割水平材がそれぞれ軸方向に突き合わせられて回転自在に連結されることによって、前記折り畳み面が折り畳み可能であることを特徴とする折り畳み式支保工。
【請求項2】
請求項1記載の折り畳み式支保工において、
分割水平材と支柱との連結構造、及び一方の分割水平材と他方の分割水平材との連結構造が、支柱の軸方向と略平行するピンを用いたピン結合であり、
分割水平材と支柱との連結構造、及び両方の分割水平材の連結構造が、支柱の軸方向に略垂直する面内で回転自在であることを特徴とする折り畳み式支保工。
【請求項3】
請求項2記載の折り畳み式支保工において、
分割水平材の支柱端部に設けられたピン挿入孔と、支柱に連結されるブラケットに設けられたピン挿入孔に、ピンを挿入することで分割水平材と支柱が回転自在に連結され、
前記ブラケットは、前記支柱に固定された装着具にボルト固定され、
前記ブラケットに設けられたボルト挿入用のボルト孔と、前記装着具に設けられたボルト挿入用のボルト孔の、どちらか一方のボルト孔、又は双方のボルト孔を長孔とすることによって、折り畳み面を構成する2本の支柱間幅を調整可能としたことを特徴とする折り畳み式支保工。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の折り畳み式支保工において、
折り畳み面に、2段以上の水平材が配置されたことを特徴とする折り畳み式支保工。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の折り畳み式支保工において、
2面の分割面から構成される足場面を備え、
前記分割面の一辺が固定面内に回転自在に連結されるとともに、2つの分割面がそれぞれ略同一面上となるように突き合わせられて回転自在に連結されることによって、前記足場面が折り畳み可能となり、折り畳み面が折り畳み可能であることを特徴とする折り畳み式支保工。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−1997(P2012−1997A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139099(P2010−139099)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(592173135)横河工事株式会社 (20)
【Fターム(参考)】