説明

折り畳み式構造体

【課題】簡単な開閉又は折り畳み操作で複数の四角錐状の開口部を開閉できるとともに、立体形状の構造体を形成できる造形性の高い折り畳み式構造体を提供する。
【解決手段】折り畳み式構造体91は、3つの基本要素92a〜92cで構成され、各基本要素は、直角不等辺三角形状の4つの平面部材93a〜93d(94a〜94d、95a〜95d)の鋭角三角域を隣接させ、これらの隣接部を第1の連結部材でヒンジ式に接続されており、開閉操作により四角錐状の開口部97a〜97cを形成する。3つの基本要素92a〜92cの稜線部は第2の連結部材でヒンジ式に連結されている。基本要素92a〜92cが遠ざかる方向又は近づく方向に折り畳むと、積層構造の積層体を形成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根、教材、玩具、造形品(造形玩具、造形展示品など)、仮設建造物などとして利用できる折り畳み式構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
造形品、教材、玩具などに利用できる構造体として種々の構造体が提案されている。例えば、特開昭50−77171号公報(特許文献1)には、中空体構成要素主体を、正三角形の外側面体と、この外側面体に連なる外側面体側に屈曲せしめた複数の衝合片部とから構成した中空体構成要素が開示されている。しかし、このような構成要素では、衝合片部の内側面を他の衝合片部の内側面と衝合する必要があるため、中空体の組み立て作業が煩雑である。
【0003】
特開平7−291261号公報(特許文献2)には、多面体を構成する各面の形状を有する基本面とその各辺の各左又は各右半分に舌状突出部を設けた単位シート片に、順次に別の同様のシート片の各突出部を基本面の表側に重ねてすくみあいの状態に組み合わせて固定する多面体の形成方法が開示されている。しかし、この方法でも、舌状突出部を重ねながら組み合わせるため、簡便に組み立てることができない。
【0004】
実開昭52−123034号公報(特許文献3)には、折り線を介して設けた両片の先端に2個の半円状の係止部を設け、これらの2個の係止部の凹部の中間点が、前記折れ線の長さが一辺を構成する正多角形、又は前記折れ線の長さが任意の一辺を構成する二等辺三角形、長方形あるいは菱形の中心点に相当する組立箱用素片が開示されている。この素片でも、互いに隣接する素片において、係止部の一方の半円部を上にし、他方の半円部を下にして絡ませることにより、中空箱を形成できるが、中空箱の組み立て作業が煩雑である。特に、中空箱の面の数が増えるにつれて、半円部の折り重ね可能な空間域が小さくなるため、係止部の係止作業が難しくなる。
【0005】
特開2008−162648号公報(特許文献4)には、偶数面を有する中空多面体の各面を構成する複数の基本要素部材と、これらの基本要素部材のうち、閉じ状態で前記中空多面体の1又は連なる複数の稜線を形成し、かつ開閉可能な少なくとも1つの開口部を形成する開閉要素部材と、これらの開閉要素部材の開口縁を除き、互いに隣接する前記基本要素部材を折り曲げ可能に接続する連結部材とを備えており、前記開閉要素部材が、前記開口部を隔てて互いに対向し、かつ互いに隣接する二対の要素部材で構成されている折り畳み式中空多面体が開示されている。この折り畳み式中空多面体は、開閉操作により中空の多面体を容易に形成できる。しかし、特許文献4に係る発明は多面体を形成することを主眼としており、造形性などを向上させるには制限がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭50−77171号公報(特許請求の範囲、図1)
【特許文献2】特開平7−291261号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】実開昭52−123034号公報(実用新案登録請求の範囲、図1)
【特許文献4】特開2008−162648号公報(特許請求の範囲、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、簡単な開閉又は折り畳み操作で複数の四角錐状の開口部を開閉できるとともに、立体形状の構造体を形成できる造形性の高い折り畳み式構造体を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、折り畳み操作により収容又は収納スペースを小さくできるとともに、容易に立体化できる折り畳み式構造体を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、外観に優れた立体形状の構造体を容易に形成でき、造形品として使用できる折り畳み式構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、隣り合う2つの辺が鋭角三角域を形成する4つの平面部材を隣接させて4つの鋭角三角域を形成し、隣接する平面部材の隣接域を互いにヒンジ式に連結して基本要素とし、複数の基本要素を隣接させて隣接する稜線部を互いにヒンジ式に連結すると、開閉操作に追従して隣接する基本要素が四角錐状に開閉することを見いだし、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明の折り畳み式構造体は、開き状態で四角錐状の開口部を形成する複数の基本要素と、これらの基本要素を接続する連結部材とを備え、開閉可能な折り畳み式構造体であって、前記基本要素が、隣り合う2つの辺が鋭角三角域を形成する4つの平面部材と、これらの4つの平面部材で形成された各鋭角三角域の隣接部を折り曲げ可能に接続する連結部材(第1の連結部材という場合がある)とを備えており、開き状態の複数の基本要素が互いに稜線部で隣接し、この隣接部(又は隣接する稜線部)が連結部材(第2の連結部材という場合がある)で折り曲げ可能に接続されている。
【0012】
このような構造体では、開き操作により、各基本要素を四角錐状に開口できるとともに、閉じ操作により平面状に折り畳むこともできる。すなわち、開き状態の各基本要素において互いに対向する一対の平面部材を互いに近づけることにより、開口部を閉じて折り畳むことができ、折り畳み状態の各基本要素において対向する一対の平面部材を離反させることにより四角錐状の開口部を形成できる。しかも、複数の基本要素が第2の連結部材で接続されているため、各基本要素の開操作により四角錐状の開口部を形成できるとともに閉じ操作により開口部を閉じることができる。
【0013】
前記構造体は、複数の基本要素で構成すればよく、例えば、2〜4つの基本要素で構成してもよい。前記構造体において、複数の基本要素は、対向する一対の稜線部で隣接させ、隣接部を第2の連結部材で折り曲げ可能に接続してもよい。換言すれば、1つの基本要素を基準として、対向する一対の稜線部(基準となる基本要素の対向する一対の稜線部)に、隣接する基本要素の稜線部を隣接させた形態で複数の基本要素を連結してもよい。すなわち、1つの基本要素を基準として複数の基本要素を対向する一対の稜線部の方向(周方向)に連結してもよい。
【0014】
さらに、上記のように、対向する一対の稜線部の方向(周方向)に開き状態の複数の基本要素が連なる構造体では、前記対向する一対の稜線部の方向に沿って各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳むことによって面方向に隣接する2n個(nは基本要素の数を示す)の平面部材が2層構造の形態で積層された積層体を形成でき、前記対向する一対の稜線部の方向に沿って各基本要素が互いに近づく方向に折り畳むことよって面方向に隣接する2個の平面部材が2n層構造(nは前記に同じ)の形態で積層された積層体を形成できる。
【0015】
前記平面部材の形状は、鋭角な三角域を形成できる限り特に制限されず、鋭角な三角域を形成する第1辺及び第2辺と異なり、これらの二辺に隣接する第3辺の形状は特に制限されない。平面部材の形状は、三角形状であってもよい。
【0016】
前記基本要素は、平面部材の形状に応じて、種々の態様で構成できる。例えば、基本要素は、(1)隣り合う斜辺と短辺とが角度60°の三角域を形成する4つの直角不等辺三角形状の平面部材と、前記三角域が隣接する隣接部を折り曲げ可能に接続する第1の連結部材とを備えていてもよく、開き状態の各基本要素の斜辺部又は短辺部で形成される稜線部が隣接し、この隣接部が第2の連結部材で折り曲げ可能に接続されていてもよい。基本要素は、(2)隣り合う斜辺と1つの等辺とで角度45°の三角域を形成する4つの直角二等辺三角形状の平面部材と、前記三角域が隣接する隣接部を折り曲げ可能に接続する第1の連結部材とを備えていてもよく、開き状態の各基本要素の斜辺部又は等辺部で形成される稜線部が隣接し、この隣接部が第2の連結部材で折り曲げ可能に接続されていてもよい。さらに、基本要素は、(3)隣り合う2つの辺が角度60°の三角域を形成する4つの正三角形状の平面部材と、前記三角域が隣接する隣接部を折り曲げ可能に接続する第1の連結部材とを備えていてもよく、開き状態の各基本要素の辺で形成される稜線部が隣接し、この隣接部が第2の連結部材で折り曲げ可能に接続されていてもよい。
【0017】
前記構造体において、平面部材は厚みを有する部材で構成してもよい。また、平面部材は、トラス構造を有していてもよい。このような構造の構造体では、平面部材の隣接辺の端面を利用することにより、1つの基本要素の開閉操作により隣接する基本要素を順次開閉可能であってもよい。換言すれば、1つの基本要素の開閉操作に連動して、隣接する基本要素を順次開閉してもよい。
【0018】
前記構造体は、基本要素が互いに遠ざかる方向へ折り畳んで形成された2層構造の積層体の形態において、前記積層体を支持可能な支持部材を備えていてもよい。前記構造体は、各基本要素が連なる方向の一方の端部に位置する基本要素の平面部材及び他方の端部に位置する基本要素の平面部材に支持部材が取り付けられ、前記基本要素が互いに近づく方向に折り畳み可能であってもよい。
【0019】
なお、本明細書において用語「折り畳み式」は「開閉式」と同義に用いる。「開き状態」とは、基本要素が拡げられて開口部を形成した状態を意味し、「折り畳み状態」とは、基本要素の開口部が閉じられた状態を意味する。また、「折り畳み状態」とは、基本要素が折り畳まれて2層積層体又は多層積層体が形成された状態を意味する場合もある。
【発明の効果】
【0020】
本発明の折り畳み式構造体では、鋭角三角域を有する4つの平面部材で開閉可能に連結された複数の基本要素が互いに稜線部で連結されているため、簡単な開閉又は折り畳み操作で複数の四角錐状の開口部を形成できるとともに、立体形状の構造体を形成でき、造形性を高めることができる。また、1つの基本要素を基準として複数の基本要素を対向する一対の稜線部の方向(周方向)に連結することにより、折り畳み操作により収容又は収納スペースが小さくできるとともに、容易に立体化できる。さらに、外観に優れた立体形状の構造体を容易に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は折り畳み式構造体の一例を示す図であり、図1(A)は折り畳み式構造体を各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態を示す平面図であり、図1(B)(C)はそれぞれ構造体を展開した開き状態を示す概略斜視図であり、図1(D)は各基本要素が互いに近づく方向に折り畳んだ状態を示す概略斜視図である。
【図2】図2は他の折り畳み式構造体を示す図であり、図2(A)は折り畳み式構造体を各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態を示す平面図であり、図2(B)(C)はそれぞれ構造体の開き状態を示す概略斜視図であり、図2(D)は各基本要素が互いに近づく方向に折り畳んだ状態を示す概略斜視図である。
【図3】図3はさらに他の折り畳み式構造体を示す図であり、図3(A)は折り畳み式構造体を各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態を示す平面図であり、図3(B)(C)はそれぞれ構造体の開き状態を示す概略斜視図であり、図3(D)は各基本要素が互いに近づく方向に折り畳んだ状態を示す概略斜視図である。
【図4】図4は別の折り畳み式構造体を示す図であり、図4(A)は折り畳み式構造体を各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態を示す平面図であり、図4(B)(C)はそれぞれ構造体の開き状態を示す概略斜視図であり、図4(D)は各基本要素が互いに近づく方向に折り畳んだ状態を示す概略斜視図である。
【図5】図5はさらに別の折り畳み式構造体の折り畳み状態を示す平面図であり、図5(A)は各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態を示す平面図であり、図5(B)(C)はそれぞれ構造体の開き状態を示す概略斜視図であり、図5(D)は各基本要素が互いに近づく方向に折り畳んだ状態を示す概略斜視図である。
【図6】図6は他の折り畳み式構造体を示す図であり、図6(A)は折り畳み式構造体を各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態を示す平面図であり、図6(B)(C)はそれぞれ構造体の開き状態を示す概略斜視図であり、図6(D)は各基本要素が互いに近づく方向に折り畳んだ状態を示す概略斜視図である。
【図7】図7はさらに他の例の折り畳み式構造体の折り畳み状態を示す概略平面図である。
【図8】図8は別の例の折り畳み式構造体の折り畳み状態を示す概略平面図である。
【図9】図9は本発明のさらに別の折り畳み式構造体の例を示す概略平面図である。
【図10】図10は本発明の他の折り畳み式構造体の例を示す概略斜視図である。
【図11】図11はさらに他の折り畳み式構造体を示す図であり、図11(A)は折り畳み式構造体の開き状態を示す概略斜視図であり、図11(B)は図11(A)の構造体を各基本要素が互いに近づく方向に折り畳んだ状態を示す概略斜視図であり、図11(C)は図11(A)の構造体を各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、添付図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。図1(A)は折り畳み式構造体を各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態(2層の積層構造に折り畳んだ状態)を示す平面図であり、図1(B)(C)はそれぞれ折り畳み式構造体を順次展開した開き状態の一例を示す概略斜視図であり、図1(D)は図1(A)の構造体を各基本要素が互いに近づく方向に折り畳んだ状態(多層の積層構造に折り畳んだ状態)を示す概略斜視図である。なお、平面部材の隣接部を接続する連結部材は図示されていない(以下、同じ)。また、図中、破線は第1の連結部材で接続された辺を示し、二重線は第2の連結部材で接続された稜線部を示し、一点鎖線は開口部の開口縁を示す。
【0023】
図1(A)〜(D)に示す折り畳み式構造体1は、展開した開き状態で四角錐状の開口部7a〜7cを形成する第1乃至第3の3つの基本要素(基本要素の数を示すn=3)2a〜2cを備えており、各基本要素2a〜2cは、直角不等辺三角形状(角度が直角、60°及び30°の3つの頂点を有する三角形状)の4つの平面部材3a〜3d(4a〜4d,5a〜5d)で構成されている。すなわち、各平面部材3a〜3d(4a〜4d,5a〜5d)は、隣り合う2つの辺(斜辺及び短辺)で角度60°の鋭角な三角域を形成しており、4つの平面部材3a〜3d(4a〜4d,5a〜5d)は、前記鋭角な三角域を形成する斜辺及び短辺部を交互に隣接させ、各隣接部(隣接する斜辺部及び短辺部)を互いに第1の連結部材(ヒンジ部材)で折り曲げ可能に接続することにより、基本要素2a〜2cを形成している。そのため、各基本要素2a〜2cは、それぞれ4つの平面部材を開放する(拡げる)ことにより基点8を頂点とした四角錐状の開口部7a〜7cが形成される。図1の構造体1の四角錐状の開口部の頂点(基点8)は4つの60°三角域が隣接した形態を有している。
【0024】
一方、各基本要素2a〜2cは、第1の連結部(ヒンジ部)を利用して互いに隣接する一対の平面部材を閉じる操作において、閉じ方向(折り畳み方向)を選択することにより、(a)隣接する最挟角域(角度30°の領域)により形成された頂点域(角度60°の領域)と、隣接する挟角域(角度60°の領域)により形成された頂点域(角度120°の領域)とが対向して位置する変形した四角形状、又は(b)隣接する挟角域(角度60°の領域)により形成された頂点域(角度120°の領域)を有する二等辺三角形状の形態に折り畳み可能である。なお、(a)上記変形した四角形状に折り畳まれた基本要素2a〜2cは、図1(A)を参照しつつ後述するように、複数の基本要素2a〜2cを有する構造体の折り畳みにより、互いに隣接して正三角形状の折り畳まれた積層体を形成する。
【0025】
そして、各基本要素2a〜2cの稜線部のうち、直角不等辺三角形状の平面部材の短辺部で形成された稜線部9a,9b,9cが第2の連結部材で接続され、折り畳み式構造体を形成している。すなわち、基準要素としての第2の基本要素2bの対向する稜線部(短辺部)9bに対して、第1の基本要素2aの稜線部(短辺部)9aと第3の基本要素2cの稜線部(短辺部)9cとがそれぞれ第2の連結部材により折り曲げ可能に接続されており、複数の基本要素2a〜2cは対向する一対の稜線部9a,9b,9cの方向に連なり、各基本要素2a〜2cは前記基点8を中心として開閉(又は伸縮)可能である。
【0026】
なお、隣接する各平面部材3a〜3d(4a〜4d,5a〜5d)は第1の連結部材(例えば、薄肉部)で接続され、ヒンジ式に折り曲げ可能であるとともに、基本要素2a〜2cの稜線部は第2の連結部材(例えば、薄肉部)で接続され、ヒンジ式に折り曲げ可能である。
【0027】
このような構造では、前記対向する一対の稜線部9a,9b,9cの方向(各基本要素が連なる方向)に沿って各基本要素2a〜2cが遠ざかる方向(周方向)に折り畳むと、図1(A)に示されるように、2n=2×3個の平面部材3a,3b(4a,4b)(5a,5b)又は3c,3d(4c,4d)(5c,5d)が面方向に隣接し、かつ2層構造に積層された形態の積層体が形成される。この積層体の平面形状は、図1(A)に示されるように、前記(a)変形した四角形状(不等辺菱形状)の折畳体のうち広角な頂点域(角度120°の領域)を中心として、変形した四角形状(不等辺菱形状)の折畳体を周方向に隣接させた形態を有する。すなわち、積層体の平面形状は、隣接する斜辺部が第1の連結部材で接続された三対の平面部材3a,3b(4a,4b)(5a,5b)及び3c,3d(4c,4d)(5c,5d)で構成された正三角形状であり、基本要素2a,2b,2cの両端部に位置する各一対の平面部材3a,3c(5a,5c)の短辺部は第1の連結部材で接続され、他の稜線部から遊離している。なお、上記正三角形状の積層体の平面形状において、2×3個の直角不等辺三角形状の平面部材は、正三角形を各頂点から対向する各底辺に向けて延びる垂線で区画した形態で配列されている。また、平面部材の最挟角域(角度30°の領域)が正三角形の各頂点域(角度60°の領域)を形成し、平面部材の直角域が正三角形状の各辺の中央部で隣接している。
【0028】
一方、第2の基本要素2bの前記対向する一対の稜線部9a,9b,9cの方向(各基本要素が連なる方向)に沿って各基本要素2a〜2cが互いに近づく方向(周方向)に展開すると、図1(B)(C)に示すように、各基本要素2a〜2cは開口して互いに連なった形態の開口部5a〜5cを形成し、造形性及び装飾性の高い構造体を形成できる。
【0029】
また、前記対向する一対の稜線部の方向に沿って各基本要素2a〜2cがさらに互いに近づく方向(各基本要素を収縮させる方向)に折り畳むと、図1(D)に示されるように、面方向に隣接する2個の平面部材が2n層(2×3層)構造の形態で積層された積層体が形成される。この積層体の平面形状は、図1(D)に示されるように、直角不等辺三角形状の2つの平面部材3a,3cの短辺が互いに隣接して配列され、隣接する短辺部が第1の連結部材で接続された一対の平面部材3c,3d(3a,3b)(4c,3d)…(5a,5b)で構成された二等辺三角形状であり、この二等辺三角形状の底辺の中央部では平面部材の直角域が隣接している。
【0030】
このような折り畳み式構造体1では、基点8を中心として、左右方向に進退動させることにより、各基本要素2a〜2cを四角錐状に開閉できるとともに、閉じ方向(折り畳み方向)を選択することにより、扁平な2層構造又は嵩高な2n層構造の積層体を形成でき、構造体の収容又は収納スペースを小さくできる。
【0031】
本発明では、複数の基本要素を連結する稜線部は、三角域を有する平面部材の形状に応じて選択でき、前記稜線部を選択することにより、各基本要素で形態の異なる開口部を形成できる。
【0032】
図2(A)は他の折り畳み式構造体を各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態(2層の積層構造に折り畳んだ状態)を示す平面図であり、図2(B)(C)はそれぞれ図2(A)の構造体を展開した開き状態を示す概略斜視図であり、図2(D)は図2(A)の構造体を各基本要素が互いに近づく方向に折り畳んだ状態(多層の積層構造に折り畳んだ状態)を示す概略斜視図である。
【0033】
この例の構造体は、図1に示すのと同様の平面部材で構成された複数の基本要素が、短辺部ではなく斜辺部で稜線部を形成し、これらの稜線部で互いに連結されている点を除き、前記図1の構造体と同様の構造を有している。
【0034】
すなわち、図2に示す構造体11の各基本要素12a〜12cは、図1に示すのと同様の直角不等辺三角形状の4つの平面部材13a〜13d(14a〜14d,15a〜15d)で構成され、隣り合う2つの辺(底辺及び斜辺)で角度30°の鋭角な三角域を形成する斜辺及び短辺部を交互に隣接させ、各隣接部(隣接する斜辺部及び短辺部)を互いに第1の連結部材(ヒンジ部材)で折り曲げ可能(ヒンジ式)に接続することにより、図1の構造体1の基本要素と同様に構成されている。そのため、各基本要素12a〜12cは、それぞれ4つの平面部材を開放する(拡げる)ことにより基点18を頂点とした四角錐状の開口部17a〜17cを形成する。図2の構造体1の四角錐状の開口部の頂点(基点18)は、図1と同様に、60°三角域が隣接した形態を有している。
【0035】
また、第2の基本要素12bの対向する稜線部(斜辺部)19bに対して、隣接する第1及び第3の基本要素12a,12cの稜線部(斜辺部)19a,19cが第2の連結部材により連なった形態で折り曲げ可能(ヒンジ式)に接続され、各基本要素12a〜12cが前記基点18を中心として開閉(伸縮又は開閉)可能な折り畳み式構造体を形成している。
【0036】
そして、各基本要素12a〜12cが遠ざかる方向(周方向)に折り畳むと、図2(A)に示すように、2層構造に積層された平面正三角形状の形態の積層体(2n=2×3個の平面部材13a,13b(14a,14b)(15a,15b)又は13c,13d(14c,14d)(15c,15d)が面方向に隣接し、かつ2層構造の積層体)が形成される。一方、図2(A)に示す折り畳み状態から、前記対向する一対の稜線部の方向に沿って各基本要素12a〜12cが互いに近づく方向(各基本要素を収縮させる方向)に次第に折り畳むと、図2(B)(C)に示すように、各基本要素12a〜12cが次第に開口して開口部17a〜17cが形成される。一方、各基本要素12a〜12cがさらに互いに近づく方向(各基本要素を収縮させる方向)に折り畳むと、図2(D)に示されるように、面方向に隣接する2個の平面部材が2n層(2×3層)構造の形態で積層された積層体(平面形状が不等辺菱形状の積層体)が形成される。
【0037】
本発明では、基本要素を形成する4つの平面部材の形状及び複数の基本要素の数と配列状態を調整することにより、種々の形態の折り畳み式構造体を形成できる。
【0038】
図3(A)はさらに他の折り畳み式構造体を各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態(2層の積層構造に折り畳んだ状態)を示す平面図であり、図3(B)(C)はそれぞれ構造体の開き状態を示す概略斜視図であり、図3(D)は図3(A)の構造体を各基本要素が互いに近づく方向に折り畳んだ状態(多層の積層構造に折り畳んだ状態)を示す概略斜視図である。
【0039】
この例では、直角不等辺三角形状の平面部材に代えて直角二等辺三角形状(角度90°、45°及び45°の3つの頂点からなる三角形状)の平面部材を用いている点、3つの基本要素に代えて4つの基本要素を接続している点を除き、前記図1〜図2に示す構造体と同様の構造を有している。
【0040】
より詳細には、前記構造体21を構成する4つの基本要素(n=4)22a〜22dは、それぞれ、直角二等辺三角形状の4つの平面部材23a〜23d(24a〜24d,25a〜25d,26a〜26d)と、これらの平面部材の鋭角な角度45°の三角域(斜辺及び1つの等辺により形成された鋭角三角域)の隣接部(斜辺部及び等辺部)を折り曲げ可能に接続する第1の連結部材とで構成され、各基本要素は、展開操作により基点28を頂点とした四角錐状の開口部27a〜27dを形成する。図3の構造体21において、開口部の頂点(基点28)は4つの45°三角域が隣接した形態を有している。
【0041】
各基本要素22a〜22dは、基準要素としての第2及び第3の基本要素22b,22cにおいてそれぞれ対向する一対の稜線部(等辺部で形成される稜線部)に対して、第1の基本要素22a及び第4の基本要素22dの稜線部が隣接して連なり、これらの隣接部は互いに第2の連結部材で折り曲げ可能に接続されている。
【0042】
そして、構造体21(n=4)を前記対向する一対の稜線部の方向(各基本要素が連なる方向)に沿って各基本要素22a〜22cが遠ざかる方向(周方向)に折り畳むと、図3(A)に示されるように、平面形状が正四角形状であり、2n=2×4個の平面部材23a,23b(24a,24b)(25a,25b)又は23c,23d(24c,24d)(25c,25d)が面方向に隣接し、かつ2層構造の積層体を形成する。また、前記対向する一対の稜線部の方向に沿って各基本要素22a〜22dを互いに近づけると、図3(B)(C)に示されるように、各基本要素22a〜22dが開口し、四角錐状の開口部27a〜27dが連なった形態の構造体を形成できる。さらに、前記対向する一対の稜線部の方向に沿って各基本要素22a〜22dが互いに近づく方向(各基本要素を収縮させる方向)に折り畳むと、図3(D)に示されるように、面方向に隣接する2個の平面部材により2n層(2×4層)構造の形態で積層され、平面形状が直角二等辺三角形状の積層体が形成される。
【0043】
図4(A)は別の折り畳み式構造体を各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態(2層の積層構造に折り畳んだ状態)を示す平面図であり、図4(B)(C)はそれぞれ構造体の開き状態を示す概略斜視図であり、図4(D)は図4(A)の構造体を各基本要素が互いに近づく方向に折り畳んだ状態(多層の積層構造に折り畳んだ状態)を示す概略斜視図である。
【0044】
この例では、複数の基本要素の稜線部が、図3に示すのと同様の平面部材(直角二等辺三角形状の平面部材)の等辺部ではなく斜辺部で形成され、これらの稜線部を互いに連結している点を除き、前記図3の構造体と同様の構造を有している。
【0045】
すなわち、図4に示す構造体31を構成する各基本要素32a〜32dは、それぞれ、直角二等辺三角形状の4つの平面部材33a〜33d(34a〜34d,35a〜35d,36a〜36d)の鋭角な三角域を隣接させ、これらの隣接部を第1の連結部材で連結することにより形成されている。また、4つの基本要素32a〜32dにおいて斜辺部で形成される稜線部が隣接し、これらの隣接部が互いに第2の連結部材で折り曲げ可能に接続され又は連なっている。各基本要素32a〜32dは、基点38を中心として開閉可能であり、展開操作により各開口部37a〜37dを形成する。
【0046】
また、構造体31(n=4)を各基本要素が連なる方向に沿って各基本要素32a〜32cが遠ざかる方向(周方向)に折り畳むと、図4(A)に示されるように、平面形状が正四角形状であり、2n=2×4個の平面部材33a,33b(34a,34b)(35a,35b)又は33c,33d(34c,34d)(35c,35d)が面方向に隣接し、かつ2層構造の積層体を形成する。一方、前記対向する一対の稜線部の方向に沿って各基本要素32a〜32dを互いに近づけると、図4(B)(C)に示されるように、各基本要素32a〜32dが開口し、四角錐状の開口部37a〜37dが連なった形態の構造体を形成できる。さらに、各基本要素32a〜32dが互いに近づく方向(各基本要素を収縮させる方向)に折り畳むと、図4(D)に示されるように、面方向に隣接する2個の平面部材により2n層(2×4層)構造の形態で積層され、平面形状が正四角形状の積層体が形成される。
【0047】
図5(A)はさらに別の折り畳み式構造体を各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態(2層の積層構造に折り畳んだ状態)を示す平面図であり、図5(B)(C)はそれぞれ構造体の開き状態を示す概略斜視図であり、図5(D)は図5(A)の構造体を各基本要素が互いに近づく方向に折り畳んだ状態(多層の積層構造に折り畳んだ状態)を示す概略斜視図である。
【0048】
図5に示す例では平面部材として正三角形状の平面部材が利用されている。すなわち、構造体41は、3つの基本要素42a〜42c(n=3)で構成され、各基本要素は、4つの平面部材43a〜43d(44a〜44d,45a〜45d)の60°三角域(鋭角三角域)が隣接し、各隣接部は、図1の例と同様に、互いに第1の連結部材で折り曲げ可能に接続されている。各基本要素42a〜42cは、展開操作により基点48を頂点とした四角錐状の開口部47a〜47cを形成する。開口部47a〜47cは4つの60°の三角域が隣接した四角錐状の形態を有している。
【0049】
構造体41は、図1に示す例と同様に、第2の基本要素42bを基準として、第2の基本要素42bの対向する稜線部に対して、第1及び第3の基本要素42a,42cの稜線部が第2の連結部材により折り曲げ可能(ヒンジ式に)に接続されている。
【0050】
このような折り畳み式構造体41では、図5(A)に示す正六角形状の折り畳み状態(2n=2×3個の平面部材が面方向に隣接した2層構造の積層体)から各基本要素42a〜42cが遠ざかる方向に折り畳むと、図5(B)及び図5(C)に示すように、基点48を中心として、各基本要素42a〜42cが四角錐状の形態の開口部47a〜47cを形成し、さらに閉じ操作(折り畳み操作)により、図5(D)に示す菱形状の折り畳み状態(2n層(2×3層)構造の層積層体)が形成される。
【0051】
図6(A)は他の例の折り畳み式構造体を各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態(2層の積層構造に折り畳んだ状態)を示す平面図であり、図6(B)(C)はそれぞれ構造体の開き状態を示す概略斜視図であり、図6(D)は図6(A)の構造体を各基本要素が互いに近づく方向に折り畳んだ状態(多層の積層構造に折り畳んだ状態)を示す概略斜視図である。
【0052】
図6に示す例では、構造体を4つの基本要素に代えて2つの基本要素で構成する点を除いて、前記図3に示す構造体と同様の構造を有している。すなわち、図6の構造体51を構成する2つの基本要素52a,52b(n=2)は、4つの直角二等辺三角形状の平面部材52a〜52d(53a〜53d)と、これらの平面部材の鋭角な角度45°の三角域の隣接部(斜辺部及び等辺部)を折り曲げ可能に接続する第1の連結部材とで構成され、各基本要素は、展開操作により基点58を頂点とした四角錐状の開口部57a,57bを形成する。
【0053】
そして、構造体51(n=2)を各基本要素52a,52bが連なる方向に沿って各基本要素が遠ざかる方向に展開(又は折り畳む)と、図6(A)に示されるように、2n=2×2個の平面部材52a,52b,53a,53b(52c,52d,53c,53d)が面方向に隣接し、かつ2層構造の積層体を形成する。この積層体は、一対の直角二等辺三角形状の平面部材52a,52b(52c,52d)の斜辺又は底辺が隣接した正四角形状の形態と、他の一対の直角二等辺三角形状の平面部材53a,53b(53c,53d)の斜辺又は底辺が隣接した正四角形状の形態とが隣接し、平面形状が長方形状である。逆に各基本要素52a,52bを互いに近づけると、図6(B)(C)に示されるように、各基本要素52a,52bが次第に開口し、四角錐状の開口部57a,57bが連なった形態の構造体を形成できる。さらに、各基本要素52a,52bが互いに近づく方向(各基本要素を収縮させる方向)に折り畳むと、図6(D)に示されるように、面方向に隣接する2個の平面部材により2n層(2×2層)構造の形態で積層され、平面形状が直角二等辺三角形状の積層体が形成される。
【0054】
なお、前記の例では、三角形状の平面部材を利用しているが、本発明において、鋭角な三角域を形成できる限り、種々の形状の平面部材が利用できる。図7は他の例の折り畳み式構造体の折り畳み状態(各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態(2層の積層構造に折り畳んだ状態))を示す概略平面図である。
【0055】
この例では、図5の構造体41の正三角形状の平面部材に代えて菱形状の平面部材を用いている点を除き、前記図5の構造体と同様の構造を有している。すなわち、平面部材として、一対の正三角形の一辺を共有又は隣接させた菱形状の平面部材63a〜63d(64a〜64d、65a〜65d)を用いている。そのため、各基本要素62a〜62cは、展開状態では、基点68を中心として開放(開口)し、前記図5(B)(C)に示す開口部の端縁から三角形状の延出辺が延出した形態を示す。
【0056】
図8は本発明のさらに他の例の折り畳み式構造体の折り畳み状態(各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態(2層の積層構造に折り畳んだ状態))を示す概略平面図である。
【0057】
この例では、図5の構造体41の正三角形状の平面部材に代えて鋭角な三角域を有する扇形状の平面部材を用いている点を除いて前記図5と同様の構造を有している。すなわち、平面部材として、正三角形状の平面部材において斜辺を外方向に膨出した湾曲辺とし、他の2つの辺で鋭角三角域を形成した扇形状の平面部材73a〜73d(74a〜74d、75a〜75d)を用いている。そのため、各基本要素72a〜72cは、展開状態では、基点78を中心として開放(開口)し、前記図5(B)(C)に示す開口部の端縁から湾曲辺が延出した形態を示す。
【0058】
図9はさらに他の例の折り畳み式構造体の折り畳み状態(各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳んだ状態(2層の積層構造に折り畳んだ状態))を示す概略平面図である。
【0059】
この例では、図4の構造体31の隣接する2つの直角二等辺三角形状の平面部材に代えて直角な三角域を有する扇形状の平面部材を用いている点を除いて前記図4と同様の構造を有している。すなわち、隣接する2つの直角二等辺三角形状の平面部材で形成された直角二等辺三角形において斜辺を外方向に膨出した湾曲辺とし、他の2つの辺で直角三角域を形成した扇形状の隣接する2つの平面部材83a〜83d(84a〜84d、85a〜85d、86a〜86d)を用いている。そのため、各基本要素82a〜82dは、展開状態では、基点88を中心として開放(開口)し、前記図4(B)(C)に示す開口部の端縁から湾曲辺が延出した形態を示す。図9の構造体は、図8の構造体に比べ、小さく折り畳むことができるため、収容又は収納スペースを低減できる。
【0060】
前記構造体において、平面部材は厚みを有する部材で構成してもよく、例えば、面を構成する骨組み又は梁部材で構成してもよい。また、平面部材は連結部材によりヒンジ式に連結されていてもよく、平面部材は、トラス構造を有していてもよい。このような構造の構造体では、平面部材の隣接辺の端面を利用することにより、1つの基本要素の開閉操作により隣接する基本要素を順次開閉可能であってもよい。換言すれば、1つの基本要素の開閉操作に連動して、隣接する基本要素を順次開閉してもよい。
【0061】
図10は本発明のさらに他の折り畳み式構造体の例を示す概略斜視図である。この例の構造体は、各平面部材がトラス構造(又は橋桁構造)を有している点を除き、図1に示す折り畳み式構造体に対応する形状を有しており、図10には図1(C)に対応する構造が図示されている。すなわち、構造体91は3つの各基本要素92a〜92cで構成され、各基本要素は、それぞれ4つの平面部材93a〜93d(94a〜94d,95a〜95d)で構成されている。前記各平面部材は、各部材の辺に対応する三角枠状の区画フレーム99と、これらの区画フレーム間に架設された架設フレーム100とで構成されたトラス構造(橋桁構造)を有しており、互いに隣接する区画フレーム99はヒンジ式に連結されている。なお、各平面部材の高さ(又は厚み)の側面も前記トラス構造で構成されている。また、平面部材93a〜93d(94a〜94d,95a〜95d)はヒンジ式に折り曲げ可能に接続されており、各基本要素92a〜92cの稜線部もヒンジ式に折り曲げ可能に接続されている。
【0062】
このようなトラス構造を有する構造体91では、各基本要素92a〜92cを近づける方向に折り畳むと、基点98を中心として展開し、四角錐状の開口部97a〜97cが形成される。また、開閉操作により、折り畳み状態と立体形状(開き状態)の構造体を形成できる。さらに、各平面部材がフレーム99,100で構成されているため、外観特性を向上でき、美観を高めることができる。特に、前記トラス構造を利用して1つの基本要素の開閉動作を隣接する基本要素に伝達できるため、1つの基本要素の開閉操作に連動して、隣接する基本要素を順次開閉(展開又は収縮)できる。
【0063】
前記構造体は、屋外施設用の屋根、建造物(仮設建造物など)などの構造体を形成するのに有用である。
【0064】
図11は本発明のさらに他の折り畳み式構造体の例を示す概略斜視図である。図11(A)は折り畳み式構造体の開き状態を示す概略斜視図であり、図11(B)は図11(A)の構造体を各基本要素が互いに近づく方向(矢印Aの方向)に折り畳んだ状態(多層の積層構造に折り畳んだ状態)を示す概略斜視図であり、図11(C)は図11(A)の構造体を各基本要素が互いに遠ざかる方向(矢印Bの方向)に折り畳んだ状態(2層の積層構造に折り畳んだ状態)を示す概略斜視図である。
【0065】
この例の構造体は、図3に示す構造体21と同様の構造を有しており、前記構造体101を構成する4つの基本要素(n=4)102a〜102dは、それぞれ、直角二等辺三角形状の4つの平面部材103a〜103d(104a〜104d,105a〜105d,106a〜106d)と、これらの平面部材の鋭角な角度45°の三角域の隣接部(斜辺部及び等辺部)を折り曲げ可能に接続する第1の連結部材とで構成され、各基本要素は、展開操作により基点108を頂点とした四角錐状の開口部107a〜107dを形成する。
【0066】
構造体を展開状態で支持するため、各基本要素102a〜102dが遠ざかる方向に折り畳んだ正方形状の2層構造の積層体の形態(図11(C))において、各基本要素が連なる方向の両端部及び中間部に位置する平面部材には、それぞれ第1の支持部材、第2の支持部材、及び中間支持部材が折り曲げ可能に取り付けられている。すなわち、一方の端部に位置する基本要素の平面部材106bには、床、地面などのベースに固定な支持部材109a(第1の支持部材)が取り付けられ、他方の端部に位置する平面部材103aには、支持部材111a(第2の支持部材)が折り曲げ可能に取り付けられ、中間部に位置する平面部材105aには、隣接する基本要素102b,102cの一方の隣接部に沿って、支持部材110a(中間支持部材)が折り曲げ可能に取り付けられている。2層の積層構造に折り畳んでも、第1の支持部材109aと第2の支持部材111aとが重なり合うことなく折り畳むため、第1の支持部材109aは、鋭角な三角域側の稜線部に取り付けられ、第2の支持部材111aは、開口部の開口縁側の稜線部に取り付けられている。中間支持部材110aは、積層体を各基本要素が近づく方向にコンパクトに折り畳んだ形態を維持するため、中間支持部材110aと隣接する平面部材104bと当接(又は接触)する部分の厚みが薄く形成されている。第2の支持部材111aを各基本要素が互いに遠ざかる方向に動かすと、基本要素102aの開放(開口)により隣接する基本要素を順次開放できる。
【0067】
第1の支持部材109a、第2の支持部材111a、及び中間支持部材110aは、それぞれ長手方向に沿って、各支持部材を補強するため、補強部材を備えている。すなわち、この例では、第1の支持部材109aは、両側部(対向する側部)に補強部材109b,109cを備え、第2の支持部材111a及び中間支持部材110aは、一方の側部に補強部材111b,110bを備えている。
【0068】
2層構造の積層体を安定に支持するため、第2の支持部材111a及び中間支持部材110aのベース側の端部には、ベースに対する接地面積の大きな保持部材111c,110cを備えている。
【0069】
このような構造体101は、各基本要素が互いに遠ざかる方向に展開して広げ、支持部材により立体構造を形成でき、使用しないときは、各基本要素が互いに近づく方向に収縮するという簡単な操作で収容スペースを小さくできる。
【0070】
なお、本発明の構造体を形成する前記平面部材の形状は、隣り合う2つの辺により鋭角な三角域を形成できる限り特に制限されず、鋭角な三角域を形成する第1辺及び第2辺と異なり、これらの二辺に隣接する第3辺の形状は直線状であってもよく、多角形状(三角形状など)、山形状、湾曲状などの形態で直線的又は非直線的に突出又は膨出していてもよく、凹状などの形態で直線的又は非直線的に切り欠かれていてもよい。例えば、平面部材の形状は、前記のように、扇形状、菱形状などの他、前記第3辺がV字状又はU字状に切り欠かれた矢じり状などであってもよい。平面部材の形状は、三角形状(例えば、直角不等辺三角形状、直角二等辺三角形状、正三角形状)である場合が多い。
【0071】
平面部材は、平面状の部材(例えば、シート、プレート若しくはボードなど)で構成してもよく、梁又は骨組み部材で構成してもよく、平面状の部材と梁又は骨組み部材とを組み合わせて構成してもよい。また、平面部材の材質は、紙、木材、プラスチック、金属、セラミックスなどであってもよい。さらに、各部材には、補強性を付与するため、リブ(直線状、格子状などのリブ)を形成してもよい。
【0072】
梁又は骨組み部材は、縦方向、横方向、斜め方向などに規則的又は不規則的に配して各平面部材を構成でき、交差方向(縦横方向など)に配設して各平面部材を構成してもよい。平面部材は、通常、フレームで構成でき、例えば、各平面部材の少なくとも1つの辺に対応する区画フレーム(特に、全ての辺(扇形状の平面部材の場合、全ての直線部及び円弧部)に対応する区画フレーム、又は隣接する平面部材の隣接辺に対応する区画フレーム)と、これらの区画フレームのうち対向する平面部材間を連結する架設フレームとで構成できる。区画フレームは各平面部材に対応する枠体(又は枠状フレーム)を構成する場合が多く、架設フレームは、区画フレームのうち少なくとも1つの対向方向(縦方向及び/又は横方向、格子状)に配設する場合が多い。さらに、全ての平面部材が前記フレーム構造を有している必要はなく、平面部材のうち少なくとも1つの部材はトラス構造又は橋桁構造を有していてもよく、このような平面部材は、例えば、連結部材によりヒンジ式に連結してもよい。なお、連結部材は、互いに隣接する平面部材において、一方の平面部材の区画フレームと他方の平面部材の区画フレームとを連結してもよく、一方の平面部材の区画フレームと他方の平面部材の架設フレームの端部とを連結してもよく、一方の平面部材の架設フレームの端部と他方の平面部材の架設フレームの端部とを連結してもよい。フレームが構成された平面部材には、和紙などの紙を貼り合わせてもよく、パネルやボードなどを取り付けてもよい。
【0073】
さらに、各平面部材は厚板状又は側面を介して梁又は骨組み部材で形成されたフレーム構造(特に、トラス構造)を有していてもよく、側面もフレーム構造(特に、トラス構造)を有していてもよい。なお、平面部材が、厚板状、トラス構造などの厚みを有する部材又は構造である場合、隣接する4つの平面部材の端縁を隣接させて第1の連結部材でヒンジ式に接続するとともに、各基本要素の稜線部を形成する辺の端縁を隣接させて第2の連結部材でヒンジ式に接続するのが好ましい。特に、四角錐状に開口する基本要素の内壁で平面部材の端縁の隣接部を第1の連結部材でヒンジ式に接続し、基本要素の外壁で各基本要素の稜線部を形成する辺の端縁の隣接部を第2の連結部材でヒンジ式に接続するのが好ましい。このような形態で各平面部材及び各基本要素を接続すると、1つの基本要素の開き操作により隣接する複数の基本要素を順次開放することができ、閉じ操作により隣接する平面部材の端面を隣接させて折り畳むことができる。
【0074】
本発明の構造体を構成する基本要素は、4つの平面部材の各鋭角三角域を隣接させ、これらの隣接部を折り曲げ可能に連結部材で接続することにより形成でき、開き状態で四角錐状の開口部を形成すればよい。平面部材の鋭角三角域は、折り畳み可能な形態で1つの平面部材を接続するため、例えば、20〜70°(特に、30〜60°)程度の角度を形成するのが好ましい。また、本発明の構造体は、複数の基本要素を形成する4n個の平面部材(nは基本要素の数を示し、2以上の整数である)で構成でき、通常、8、12、16又は20個(特に、8、12又は16個)の平面部材で構成できる。
【0075】
本発明の構造体において、基本要素の数は特に制限されず、例えば、2〜5(例えば、2〜4)個程度の基本要素で構成してもよい。基本要素の連結方式は、開き状態の各基本要素の少なくとも1つの稜線部が隣接し、隣接部が互いに連結部材で折り曲げ可能に接続される方式であれば特に制限されない。例えば、前記の例に示されるように、基準となる1又は複数の基本要素の対向する一対の稜線部と隣接する基本要素の1つの稜線部とを連結部材で接続してもよく、基準となる基本要素であってもよい基本要素の4つの稜線部のうち、非対向位置の稜線部(例えば、図1では、斜辺部及び短辺部)で、隣接する基本要素の稜線部を連結部材で接続してもよい。好ましい態様では、複数の基本要素が、対向する一対の稜線部(例えば、基準となる1又は複数の基本要素の対向する一対の稜線部)で隣接し、隣接部が連結部材で折り曲げ可能に接続されている。なお、第2の連結部材で接続される基本要素の稜線部は、平面部材の形状に応じて、鋭角三角域を形成する平面部材の少なくとも1つの辺で形成できる。例えば、第2の連結部材で接続される基本要素の稜線部は、三角形状の平面部材の短辺、斜辺(二等辺三角形では等辺又は斜辺、正三角形ではいずれかの辺)などの種々の辺で形成できる。
【0076】
構造体は、折り畳み状態において平面形状である必要はないが、通常、収容又は収納スペースを低減するため、折り畳み状態において平面形状であるのが好ましい。構造体の平面形状(折り畳み状態の形状)は特に制限されず多角形状(三角形状、四角形状など)、円形状などであってもよい。折り畳み状態の構造体の平面形状は、中心線を基準として非対称であってもよいが、通常、収納又は収容スペースを低減するため、対称の平面形状である場合が多い。このような構造体は、平面形状に折り畳むことができるとともに、開閉操作により開口部を開口させて立体形状を形成できる。好ましい態様では、対向する一対の稜線部の方向に複数の基本要素が連なる形態の構造体を形成し、前記対向する一対の稜線部の方向に沿って各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳むことにより、面方向に隣接する2n個(nは基本要素の数を示す)の平面部材が2層構造の形態で積層された積層体を形成する。また、前記対向する一対の稜線部の方向に沿って各基本要素が互いに近づく方向に折り畳む(収縮させる)ことより、面方向に隣接する2個の平面部材が2n層構造(nは前記に同じ)の形態で積層された積層体を形成する構造体が好ましい。
【0077】
なお、構造体において、互いに隣接する前記平面部材は連結部材(ヒンジ部材)により折り曲げ可能に接続できる。連結部材(ヒンジ部材)は平面部材の隣接辺の少なくとも一部(1又は複数箇所で)を接続すればよく、隣接辺を全体に亘り接続してもよい。
【0078】
構造体は、基本要素が互いに遠ざかる方向へ折り畳んで形成された2層構造の積層体の形態で、前記積層体をベースに対して支持可能な支持部材を備えていてもよい。前記支持部材の形態は、通常、支柱などの柱状である。また、支持部材の構造は、各基本要素が近づく方向に構造体を折り畳み可能であればよく、必ずしも薄肉部を形成する必要はない。
【0079】
支持部材の数は、基本要素の数nに応じて適宜選択でき、1個又は複数(例えば、2個以上、好ましくは2〜6個、さらに好ましくは2〜4個程度)であってもよい。支持部材は、基本要素が連なる方向において、一方の端部に位置する基本要素の平面部材に取り付けられていてもよく、好ましくは一方の端部に位置する基本要素の平面部材と、他方の端部に位置する基本要素の平面部材とに取り付けられていてもよい。また、基本要素の数nが3以上の場合は、一方の端部に位置する基本要素の平面部材と、他方の端部に位置する基本要素の平面部材と、中間の基本要素の平面部材とに取り付けられていてもよい。また、支持部材は、平面部材に対して着脱可能であってもよい。
【0080】
前記支持部材の補強部材は、必ずしも必要ではなく、通常、支持部材の長手方向に沿って形成される。
【0081】
支持部材のベース側の端部は、支持部材の長手方向と垂直方向に、2層構造の積層体を安定に保持するための保持部材を備えていてもよいが、必ずしも保持部材は必要ではない。
【0082】
構造体は、2層構造の積層体の形態を維持するための係止部を備えていてもよい。係止部は、2層構造の積層体の展開状態を維持するために、基本要素が連なる方向の一方の端部と、他方の端部とを係合する形態であってもよく、各基本要素が開口するのを防止するために、基本要素の開口部の対向する開口縁を係合する形態であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明では、種々の形状を有する平面部材を用いることにより、多様な開口部を有する構造体を形成できる。そのため、本発明の折り畳み式構造体は、各基本要素において四角錐状の開口部が形成された屋外施設用の屋根、教材、玩具、建造物(仮設建造物など)、造形品などの構造体を形成するのに有効である。
【符号の説明】
【0084】
1,11,21,31,41,51,91,101…折り畳み式構造体
2a〜2c,12a〜12c,22a〜22d,32a〜32d,42a〜42d,52a,52b,62a〜62c,72a〜72c,92a〜92c,102a〜102d…基本要素
3a〜3d,4a〜4d,5a〜5d,13a〜13d,14a〜14d,15a〜15d,23a〜23d,24a〜24d,25a〜25d,26a〜26d,33a〜33d,34a〜34d,35a〜35d,36a〜36d,43a〜43d,44a〜44d,45a〜45d,53a〜53d,54a〜54d,63a〜63d,64a〜64d,65a〜65d,73a〜73d,74a〜74d,75a〜75d,93a〜93d,94a〜94d,95a〜95d,103a〜103d,104a〜104d,105a〜105d,106a〜106d…平面部材
7a〜7c,17a〜17c,27a〜27d,37a〜37d,47a〜47d,57a,57b,97a〜97c,107a〜107d…開口部
8,18,28,38,48,58,68,78,98,108…基点
9a〜9d,19a〜19d…稜線部
99,100…フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開き状態で四角錐状の開口部を形成する複数の基本要素と、これらの基本要素を接続する連結部材とを備え、開閉可能な折り畳み式構造体であって、前記基本要素が、隣り合う2つの辺が鋭角三角域を形成する4つの平面部材と、これらの4つの平面部材で形成された各鋭角三角域の隣接部を折り曲げ可能に接続する連結部材とを備えており、開き状態の複数の基本要素が互いに稜線部で隣接し、この隣接部が連結部材で折り曲げ可能に接続されている折り畳み式構造体。
【請求項2】
複数の基本要素が、対向する一対の稜線部で隣接し、この隣接部が連結部材で折り曲げ可能に接続されている請求項1記載の折り畳み式構造体。
【請求項3】
対向する一対の稜線部の方向に開き状態の複数の基本要素が連なる構造体であって、前記対向する一対の稜線部の方向に沿って各基本要素が互いに遠ざかる方向に折り畳むことによって面方向に隣接する2n個(nは基本要素の数を示す)の平面部材が2層構造の形態で積層された積層体が形成され、前記対向する一対の稜線部の方向に沿って各基本要素が互いに近づく方向に折り畳むことよって面方向に隣接する2個の平面部材が2n層構造(nは前記に同じ)の形態で積層された積層体が形成される請求項1又は2記載の折り畳み式構造体。
【請求項4】
平面部材が三角形状である請求項1〜3のいずれかに記載の折り畳み式構造体。
【請求項5】
基本要素が、隣り合う斜辺と短辺とが角度60°の三角域を形成する4つの直角不等辺三角形状の平面部材と、前記三角域が隣接する隣接部を折り曲げ可能に接続する連結部材とを備えており、開き状態の各基本要素の斜辺部又は短辺部で形成される稜線部が隣接し、この隣接部が連結部材で折り曲げ可能に接続されている請求項1〜4のいずれかに記載の折り畳み式構造体。
【請求項6】
基本要素が、隣り合う斜辺と1つの等辺とで角度45°の三角域を形成する4つの直角二等辺三角形状の平面部材と、前記三角域が隣接する隣接部を折り曲げ可能に接続する連結部材とを備えており、開き状態の各基本要素の斜辺部又は等辺部で形成される稜線部が隣接し、この隣接部が連結部材で折り曲げ可能に接続されている請求項1〜4のいずれかに記載の折り畳み式構造体。
【請求項7】
基本要素が、隣り合う2つの辺が角度60°の三角域を形成する4つの正三角形状の平面部材と、前記三角域が隣接する隣接部を折り曲げ可能に接続する連結部材とを備えており、開き状態の各基本要素の辺で形成される稜線部が隣接し、この隣接部が連結部材で折り曲げ可能に接続されている請求項1〜4のいずれかに記載の折り畳み式構造体。
【請求項8】
2〜4つの基本要素を備えている請求項1〜7のいずれかに記載の折り畳み式構造体。
【請求項9】
平面部材が厚みを有する部材であり、1つの基本要素の開閉操作により隣接する基本要素が順次開閉可能である請求項1〜8のいずれかに記載の折り畳み式構造体。
【請求項10】
平面部材が、トラス構造を有している請求項1〜9のいずれかに記載の折り畳み式構造体。
【請求項11】
各基本要素が互いに遠ざかる方向へ折り畳んで形成された2層構造の積層体の形態で、前記積層体を支持可能な支持部材を備えている請求項1〜10のいずれかに記載の折り畳み式構造体。
【請求項12】
各基本要素が連なる方向の一方の端部に位置する基本要素の平面部材及び他方の端部に位置する基本要素の平面部材に支持部材が取り付けられ、前記基本要素が互いに近づく方向に折り畳み可能である請求項11記載の折り畳み式構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−222849(P2010−222849A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71642(P2009−71642)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(507002424)
【Fターム(参考)】