説明

折り畳み自転車及び折り畳み自転車用ハンドル連結部材

【課題】 ハンドルの形態や位置を、市販されているパーツの組み合わせで、所望の物とすることができる折り畳み自転車を提供する。
【解決手段】 対面する鍔板11,12の一側部分をヒンジ機構13とし、他側部分に連結固定機構14を設けると共に、上部鍔板11には、ハンドルステム61を装着するのに必要とする充分な高さの短尺上部ポスト15を固着し、下部鍔板12には、挿入固定機構17を付設した下部ポスト16を設けてなる連結部材を使用して、ヘッドチューブ直上位置を折り畳み箇所となし、且つ当該箇所の折り畳み連結部材の短尺上部ポストに、前記短尺上部ポストに基部を連結する所望形状のハンドルステム61と、前記ハンドルステム61の先部に連結する所望形状のハンドルバー62を組み合わせて構成するハンドル部6を装着してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み自転車及び折り畳み自転車用ハンドル連結部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
折り畳み自転車の一般的構造は、前輪部と後輪部を連結するメインフレームの中間部分と、前輪フォークステムと連結されるハンドルポスト部分に、折り畳み部を設けている。この折り畳み部は、折り畳み箇所の各々に固定した鍔板を対面させると共に、対面する鍔板一側部分を枢結し他側部分に連結固定機構を設けたものである。
【0003】
そして特にコンパクトに折り畳むために、ハンドル部の折り畳み箇所は、ヘッドチューブの直上位置で、且つヘッドチューブが短く形成されている(特許文献1,2,3)。
【0004】
【特許文献1】特許3562805号公報、図24。
【特許文献2】特開2001−1974号公報。
【特許文献3】特表2002−529317号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のヘッドチューブが短い自転車においては、フレームデザインが限定されてしまい、また長いハンドルポストについてはコストダウンの点から上下伸縮機構を備えているものもあるが、ハンドルポストの上端にハンドルバーを溶接固定している場合が多いので、ハンドルの形状選択、装着位置選択の余地がない。
【0006】
そこで本発明は、新規な折り畳み自転車用ハンドル部材及び前記部材を採用した折り畳み自転車を提案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る折り畳み自転車用ハンドル連結部材は、対面する鍔板の一側部分をヒンジ機構とし、他側部分に連結固定機構を設けると共に、上部鍔板には、ハンドルステムを装着するのに必要とする充分な高さの短尺上部ポストを固着し、下部鍔板には、挿入固定機構を付設した下部ポストを設けてなることを特徴とするものである。
【0008】
また本発明に係る折り畳み自転車は、ヘッドチューブ直上位置を折り畳み箇所とし、且つ当該箇所の折り畳み連結部材の短尺上部ポストに、前記短尺上部ポストに基部を連結する所望形状のハンドルステムと、前記ハンドルステムの先部に連結する所望形状のハンドルバーを組み合わせて構成するハンドル部を装着してなることを特徴とするものである。
【0009】
従って前記折り畳み自転車は、ヘッドチューブを長くすることができるので、メインフレームのデザイン設定の許容範囲が広くなり、またハンドルの位置やデザインが購入者の要望によって任意に設定できる。
【0010】
また連結部材を、そのまま従前の非折り畳み自転車のハンドルポストとして採用することで、非折り畳み自転車においても、容易にハンドル部分を折り畳み構造とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上記連結部材を採用した折り畳み自転車で、短いヘッドチューブを採用していた従前の折り畳み自転車に対して、特にメインフレームのデザイン可能範囲を拡大したものであり、またハンドル部についても、購入者の希望に合うように、市販の種々形態のハンドル部材(ハンドルステムとハンドルバー)を選択することで、所望の位置及び形態のハンドルを備えた折り畳み自転車を提供できるものである。
【0012】
また前記連結部材は、既存の非折り畳み自転車において、ハンドルポストとして採用することで、ハンドルバーが邪魔になって自転車の収納空間を広く取る必要があった非折り畳み自転車のコンパクト収納が容易に実現するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に本発明の実施形態について説明する。実施形態に示した連結部材1は、基本的に従前の折り畳み自転車の折り畳み箇所に採用されている連結部材と同様に、対面する鍔板11,12の一側部分をヒンジ機構13とし、他側部分に連結固定機構14を設けると共に、上下鍔板11,12に上下ポストを各々設けたものである。
【0014】
特に上部鍔板11には、後述するハンドルステム61を装着するのに必要とする充分な高さの短尺上部ポスト15を固着し、下部鍔板12には、引き上げ螺棒171と、前記引き上げ螺棒171に螺装したウエッジ型引上げ臼(斜臼)172からなる挿入固定機構17を付設した下部ポスト16を設けたものである。
【0015】
実施形態に示した折り畳み自転車は、図4に例示した通り、基本的には従前の折り畳み自転車と同様に、フレーム2と前後輪3,4と前輪フォーク部5とハンドル部6を備えてなり、フレーム2は、先端にヘッドチューブ21を連結したメインフレーム22と、メインフレーム22の後方に設けた後輪フォーク23及びサドル部24を備え、メインフレーム22の中間部分に折り畳み部7を設けている。
【0016】
本発明は、ハンドルの装着構造に特徴を有するもので、前輪フォーク部5のフォークステム51は、ヘッドチューブ21内に回動自在に保持されており、ヘッドチューブ21の上方から前記連結部材1の下部ポスト16を挿入し、引き上げ螺棒171を回動して連結部材1をフォークステム51に連結固定する。
【0017】
ハンドル部6は、ハンドルステム61とハンドルバー62で構成される。ハンドルステム61は、腕部611の両端にハンドルポスト連結部612と、ハンドルバー連結部613を備えたもので、ハンドルポスト連結部612と、ハンドルバー連結部613が規格化され、腕部611が種々の形態(長さ、方向)のものがサイクルパーツとして市販されている。またハンドルバー62も種々の形態のものがパーツとして市販されている。
【0018】
そして連結部材1の短尺上部ポスト15に、所望の形態のハンドルステム61及びハンドルバー62で構成されるハンドル部6を装着するものである。
【0019】
従って前記の折り畳み自転車は、メインフレーム22の中間部分及びヘッドチューブ21の直上位置で折り畳みができ、自転車全体の折り畳みが可能であると共に、ハンドルステム61の選択によって、任意の位置(使用者に合わせた位置)にハンドルバーを配置できるものでる。
【0020】
尚連結部材1の鍔板の固定機構は任意に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の連結部材の実施形態の全体斜視図。
【図2】同使用状態の説明図(斜視図)。
【図3】同使用状態の説明図(断面図)。
【図4】本発明の折り畳み自転車の実施形態の全体斜視図。
【符号の説明】
【0022】
1 連結部材
11 上部鍔板
12 下部鍔板
13 ヒンジ機構
14 連結固定機構
15 短尺上部ポスト
16 下部ポスト
17 挿入固定機構
171 引き上げ螺棒
172 ウエッジ型引上げ臼(斜臼)
2 フレーム
21 ヘッドチューブ
22 メインフレーム
23 後輪フォーク
24 サドル部
3 前輪
4 後輪
5 前輪フォーク部
51 フォークステム
6 ハンドル部
61 ハンドルステム
611 腕部
612 ハンドルポスト連結部
613 ハンドルバー連結部
62 ハンドルバー
7 折り畳み部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対面する鍔板の一側部分をヒンジ機構とし、他側部分に連結固定機構を設けると共に、上部鍔板には、ハンドルステムを装着するのに必要とする充分な高さの短尺上部ポストを固着し、下部鍔板には、挿入固定機構を付設した下部ポストを設けてなることを特徴とする折り畳み自転車用ハンドル連結部材。
【請求項2】
請求項1記載の連結部材の下部ポストをヘッドチューブ内のフォークステムに装着して、ヘッドチューブ直上位置を折り畳み箇所とし、前記連結部材の短尺上部ポストに基部を連結する所望形状のハンドルステムと、前記ハンドルステムの先部に連結する所望形状のハンドルバーを選択して組み合わせてハンドル部としてなることを特徴とする折り畳み自転車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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