説明

折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構及び該機構を備えた折畳式の携帯型電子機器

【課題】簡単な構成として、低コストで筐体の開角度を調整する。
【解決手段】電池カバー27の被係止部の凹部に、ストッパ部材の各爪部が嵌め込まれて仮固定(ロック)されたスライド位置で、電池カバー27の前端壁部の突出量が対応した値となり、各突出位置で、最大開角度が変更される。このように、電池カバー27をスライドさせて、所定の位置で仮固定し、上端壁部を上部筐体5の下端面に突き当てて、筐体2の開角度を調整する構成とされているので、電池カバー27を流用し、そのスライド範囲を広げるのみの簡単な構成で、筐体2の開角度を調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構及び該機構を備えた折畳式の携帯型電子機器に係り、例えば、折畳式の携帯電話機の開状態の上部筐体と下部筐体とのなす開角度を調整するための折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構及び該機構を備えた折畳式の携帯型電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、折畳式の携帯電話機101は、図25に示すように、上部ユニット102と下部ユニット103とが、折畳可能なようにヒンジ部104で相互に結合されて構成されている。
上部ユニット102には、折畳可能な筐体を構成する扁平な上部筐体105に、例えば、受話音声を出力する受話部106と、例えば着信時に着信音を出力する音声出力部と、折畳時に内側となる側(内面側)に配設され液晶表示装置からなる表示部とが実装されている。
【0003】
下部ユニット103には、折畳可能な筐体を構成する扁平な下部筐体107に、例えば、内蔵アンテナと、内蔵アンテナを介して無線電波の送受信を行い、通話やデータ通信を行うために用いられる無線通信部と、多数の各種操作キー等からなる操作部と、送話音声を入力するマイクロフォンからなる送話部108と、電池パックを有する電源部109とが実装されている。
なお、電源部109においては、携帯電話機本体に、電池パックが着脱自在に装着され、さらに、電池パックを保護し脱落を防止するために、電池カバー110が、下部筐体107の裏面側に取り付けられている。電池カバー110の内面側の周縁部には、被係止片としての爪部110aが設けられ、電池カバー110を下部筐体107に対してスライド操作することによって、この爪部110aが、下部筐体107の電池格納部の縁部に設けられた係止部に係止されて、電池カバー110が下部筐体107に着脱自在に取り付けられる。
【0004】
しかしながら、折畳み式の携帯電話機は、機種によって、例えば、下部筐体107の上端部が、上部筐体105の下端部に突き当たって、筐体の開角度が一定に保たれるようにされ、送話部108のマイクロフォンと受話部106のスピーカとの距離が固定されているので、操作者の個人差(顔の形や大きさに対応した口と耳との間の距離の個人差)に対応できず、例えば、マイクロフォンの集音性やスピーカの放音性にかかわらず、発声が相手に伝わり難くなったり、聴き取り難くなり、円滑に通話ができないことがあった。
このため、上部筐体の下部と、下部筐体の上部とのうち、一方に突起部を設け、他方に突起部を制止するストッパを設けて、突起部がストッパに突き当たることによって、回動範囲を制限する技術(例えば、特許文献1参照。)や、多段クリック型のヒンジ部を設けて、複数の開角度で保持可能として、マイクロフォンとスピーカとの間の距離を変更する技術(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
【特許文献1】特開2003−110674号公報
【特許文献2】特開2004−120392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、上記従来技術では、専用の部材を追加する必要があったり、ヒンジ部の構造が複雑となってしまい、コストが嵩むという点である。
【0006】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、簡単な構成として、低コストで、筐体の開角度を調整することができる折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構及び該機構を備えた折畳式の携帯型電子機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、ヒンジ手段を介して開閉自在に結合された第1の筐体と第2の筐体とを備えた折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構に係り、上記第1の筐体と上記第2の筐体とのうち、一方の筐体の一部、又は該筐体に取り付けられた部材若しくは部品の一部が、その端部が他方の筐体の所定の被突当部位に突き当たるように変位可能な可動部材とされ、上記第1の筐体と上記第2の筐体とが開状態とされた際に、上記可動部材の端部が上記他方の筐体の上記被突当部位に突き当てられることによって、上記第1の筐体と上記第2の筐体との開角度が制限されると共に、最大の上記開角度は、上記可動部材の変位量に対応していることを特徴としている。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構に係り、上記可動部材を、上記第1の筐体と上記第2の筐体とのうち、一方の筐体に、所定の位置関係で仮固定するための仮固定手段を備えたことを特徴としている。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構に係り、上記仮固定手段は、上記可動部材を、上記一方の筐体本体に対して所定の変位量変位させた状態で仮固定することを特徴としている。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構に係り、上記仮固定手段は、上記可動部材が取り付けられた上記第1の筐体又は上記第2の筐体に設けられ、上記可動部材を仮固定するための複数の係止部と、上記可動部材に設けられ上記係止部に係止される被係止部とを有することを特徴としている。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1に記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構に係り、上記可動部材は、上記第1の筐体と上記第2の筐体とのうち、一方の筐体の裏面側に、他方の筐体に対して、前進及び後退するようにスライド自在に取り付けられ、その先端部が、他方の上記筐体の上記被突当部位に突き当てられることによって、開状態の上記第1の筐体と上記第2の筐体との開角度が制限されることを特徴としている。
【0012】
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1に記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構に係り、上記可動部材は、上記第1の筐体と上記第2の筐体とのうち、一方の筐体に、スライド自在に取り付けられ、該筐体の少なくとも一部を覆うカバー部材からなることを特徴としている。
【0013】
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構に係り、上記携帯型電子機器は、構成各部に電力を供給するために用いられる電池パックを格納する電池格納部を備え、上記可動部材は、上記第1の筐体と上記第2の筐体とのうち、一方の筐体に取り付けられ、上記ヒンジ手段側にその先端部が突出するようにスライド可能とされ、上記電池格納部を覆う電池カバーからなることを特徴としている。
【0014】
また、請求項8記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1に記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構に係り、上記可動部材は、上記第1の筐体と上記第2の筐体とのうち、一方の筐体に、上記ヒンジ手段側の端部から突出した突出部に該突出部を覆うように螺着され、上記突出部に対して回転させることによって、その先端部が、他方の筐体に対して、前進及び後退するキャップ状部材からなることを特徴としている。
【0015】
また、請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1に記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構に係り、上記第1の筐体と上記第2の筐体とのうち、一方の筐体には受話音声を出力するスピーカが取り付けられ、他方の筐体には、送話音声を入力するマイクロフォンが取り付けられ、上記開角度が調整されることによって、上記スピーカと上記マイクロフォンとの間の距離が調整されることを特徴としている。
【0016】
また、請求項10記載の発明に係る折畳式の携帯型電子機器は、請求項1乃至9のいずれか1に記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
この発明の構成によれば、第1の筐体と第2の筐体とが開状態とされた際に、可動部材の端部が、可動部材が取り付けられていない方の筐体の被突当部位に突き当てられることによって、第1の筐体と第2の筐体との開角度が制限されると共に、最大の開角度は、変位量に対応することとなるので、簡単な構成として、低コストで、筐体の開角度を調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
第1の筐体と第2の筐体とが開状態とされた際に、可動部材の端部が、可動部材が取り付けられていない方の筐体の被突当部位に突き当てられることによって、第1の筐体と第2の筐体との開角度が制限されると共に、最大の開角度は、変位量に対応することとなり、簡単な構成として、低コストで、筐体の開角度を調整するという目的を実現した。
【実施例1】
【0019】
図1は、この発明の第1の実施例である携帯電話機の構成を示す斜視図、図2は、同携帯電話機の構成を分解して示す分解斜視図、図3は、図2のA部を拡大して示す拡大斜視図、図4は、同携帯電話機の下部ユニットの構成を分解して示す分解斜視図、図5は、図4のB部を拡大して示す拡大斜視図、図6は、同携帯電話機の構成を示すブロック図、図7及び図8は、同携帯電話機の動作を説明するための断面図、また、図9乃至図11は、同携帯電話機の動作を説明するための側面図である。
【0020】
この例の携帯電話機1は、図1乃至図4に示すように、上部ユニット2と下部ユニット3とが折り畳み可能なようにヒンジ部4で相互に結合されて構成されている。
上部ユニット2は、図1及び図6に示すように、折畳可能な扁平な筐体2を構成する上部筐体5に、例えば受話音声を出力する受話部6と、例えば着信時に着信音を出力する音声出力部7と、折畳時に内側となる側(内面側)に配設され液晶表示装置からなり例えば機能設定画面や、待受画面等が表示される主表示部8とが実装されて概略構成されている。
【0021】
上部筐体5は、共に例えばABS樹脂等の合成樹脂成形品からなり、内面側を構成するフロントケース11と、外面側を構成するリアケース12とを有し、組み合されたフロントケース11とリアケース12とが嵌合によって、又は雌ねじや雄ねじ等の固定具による締着けによって、受話部6、音声出力部7、表示部8等が内部に収納され、又は取り着けられた状態で、組み立てられてなっている。
【0022】
下部ユニット3は、折畳可能な扁平な筐体を構成する下部筐体14に、図1及び図6に示すように、携帯電話機本体の構成各部を制御する制御部15と、制御部15が実行する処理プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部16と、内蔵アンテナ17と、内蔵アンテナ17を介して無線電波の送受信を行い、所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる無線通信部18と、数字や文字の入力操作等を行うための多数の各種操作キー等からなる操作部19と、送話音声を入力するマイクロフォンからなる送話部21と、電池パックを有する電源部22とが実装されて概略構成されている。
【0023】
下部筐体17は、共に例えばABS樹脂等の合成樹脂成形品からなり、内面側を構成するフロントケース24と、外面側を構成するリアケース25とを有し、組み合されたフロントケース24とリアケース25とが嵌合によって、又は雌ねじや雄ねじ等の固定具による締付けによって、制御部15や、内蔵アンテナ17、無線通信部18、操作部19、送話部21、電源部22等が内部に収納され、又は取り着けられた状態で、組み立てられてなっている。
【0024】
この例の電源部22は、リチウムイオン二次電池等の充電可能な電池からなり、扁平な略直方体形状の電池パックが、リアケース25の裏面側に設けられた電池格納部内に着脱自在に装着され、かつ、電池パックを保護し、脱落を防止するための電池カバー27が、リアケース25にスライド自在に、かつ、複数(この例では、3段階)のスライド位置で仮固定(ロック)されるように、取り着けられて概略構成されている。
ここで、電池カバー27は、リアケース25に仮固定されるスライド方向に沿った各スライド位置では、電池カバー27の上端部は、スライド位置に対応する突出量で、リアケース25の裏面から突出するように、リアケース25に取り付けられる。
【0025】
筐体2が開状態の場合は、突出した電池カバー27の前端壁部35が上部筐体5のリアケース12の下端部37に突き当てられ、上記突出量に応じた所定の最大開角度で、上部筐体5の下部筐体14に対する回転が制止される。
すなわち、各スライド位置に、電池カバー27の突出量と、最大開角度(この例では、突出量の小さい順に、160°、150°、140°)とが対応している。
筐体5は、ヒンジ部4で相互に結合された上部筐体5と下部筐体14とからなり、ヒンジ部4は、上側筐体5と下側筐体14とを回動自在に結合して携帯電話機本体に折畳可能な構造を付与している。
【0026】
この例の筐体開角調整機構29は、両側に複数対(この例では3対)の爪部31a,31b,31cが形成され、電池カバー27を所定の位置で制止して仮固定するための板状のストッパ部材31が、爪部31a,31b,31cがリアケース25の側壁部32に形成された切欠き部32a,32b,32cから露出するようにリアケース25の内部に配置され、電池カバー27が側壁部33の内壁面33sがリアケース25の側壁部32の外壁面32sに対面又は摺動されるように、かつ、爪部31a,31b,31cが電池カバー27の側壁面33sの端部に形成された一対の被係止部34,34を係止することによって、リアケース25に取り付けられると共に、電池カバー27の前端壁部35が、凹部34pと係合する爪部31a(31b,31c)の位置に応じた所定の突出量で突出し、突出した電池カバー27の前端壁部35が上部筐体5のリアケース12の下端部37に突き当てられ(図9乃至図11参照)、上記突出量に応じた所定の開角度で、上部筐体5の下部筐体14に対する回転が制止されるように概略構成されている。
【0027】
この例では、電池カバー27の被係止部34の凹部34pに、ストッパ部材31の爪部31cが嵌め込まれたスライド位置で、電池カバー27の前端壁部35の突出量が最小値となり、凹部34pに爪部31aが嵌め込まれたスライド位置で、前端壁部35の突出量が最大値となり、凹部34pに爪部31bが嵌め込まれたスライド位置で、前端壁部35の突出量が最大値と最小値との間の中間値となる。最小突出位置で、最大開角度が略160°、中間突出位置で、最大開角度が略150°、最大突出位置で、最大開角度が略140°となる。
【0028】
リアケース25の側壁部32には、電池カバー27の側壁部33の内壁面33sに対面又は摺動される外壁面32sが形成されていると共に、ストッパ部材31が、爪部31a,31b,31cを露出されるための切欠き部32a,32b,32cが形成されている。 また、切欠き部32a,32b,32cの縁部(リブ)は、ストッパ部材31が、例えば、撓んだ際に支持する機能を有している。
電池カバー27は、それぞれ、下部筐体11のリアケース25の裏面、側端面、及び上端面(ヒンジ部側)を覆う略矩形状の底板38と、底板38の後端側を除く縁端部(3辺)から立設された側壁部33,33及び前端壁部35とを有し、両側壁部33,33の端部には、リアケース25の側壁部32から突出されたストッパ部材31の爪部31a,31b,31cに係止される被係止部34が形成されている。
被係止部34は、側壁部33の内壁面33sから突設され、中央部にストッパ部材31の爪部31a,31b,31cが嵌め込まれる凹部34pと、平担部34qとが形成された突起部34aを有している。
【0029】
ストッパ部材31は、金属製の板状部材からなり、両側に電池カバー27の凹部34pに嵌め込まれて被係止部34を係止する複数対(この例では3対)の爪部31a,31b,31cと、リアケース25の内壁面32sに当接又は対面される平坦部31pとが形成されている。
爪部31a(31b,31c)が、凹部34pに嵌め込まれると、図7に示すように、被係止部34を係止し、電池カバー27は、リアケース25に対して仮固定状態(ロック状態)となる。また、爪部31a(31b,31c)が平坦部34qに接触している場合は、図8に示すように、先端が潰されるように変形し、被係止部34と係合せず、電池カバー27は、リアケース25に対して非固定状態(非ロック状態)となる。
【0030】
次に、図9乃至図11を参照してこの例の携帯電話機1の動作について説明する。
電池カバー27の被係止部34の凹部34pに、ストッパ部材31の爪部31cが嵌め込まれたスライド位置で、図9に示すように、電池カバー27の前端壁部35の突出量が最小値となり、この最小突出位置で、最大開角度θcは、略160°となる。
また、凹部34pに爪部31bが嵌め込まれたスライド位置で、図10に示すように、前端壁部35の突出量が中間値となり、この中間突出位置で、最大開角度θbは、略150°となる。
また、凹部34pに爪部31aが嵌め込まれたスライド位置で、図11に示すように、前端壁部35の突出量が最大値となり、この最大突出位置で、最大開角度が略140°となる。
【0031】
この例の構成によれば、電池カバー27をスライドさせて、所定の位置で仮固定(ロック)し、上端壁部35を上部筐体5の下端面に突き当てて、筐体2の開角度を調整する構成とされているので、電池カバー27を流用し、そのスライド範囲を広げるのみの簡単な構成で、筐体2の開角度を調整することができる。
これによって、操作者の個人差(顔の形や大きさに対応した口と耳との間の距離の個人差)に応じて、操作者が、使い勝手に合わせて、任意に筐体2の開角度を調整し、送話部21のマイクロフォンと受話部6のスピーカとの距離を調整することができるので、小型化に寄与しつつ、操作者の個人差に対応させ、使い勝手を向上させることができる。
【実施例2】
【0032】
図12は、この発明の第2の実施例である携帯電話機の下部ユニットのリアケースの構成を示す斜視図である。
この例が上述した第1の実施例と大きく異なるところは、ストッパ部材を廃してリアケースの側壁部にに突起部を形成した点である。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0033】
この例の筐体開角調整機構は、爪部41a,41b,41cが下部ユニットのリアケース41の側壁部42に形成され、電池カバー27が側壁部33の内壁面33sがリアケース41の側壁部42の外壁面42sに対面又は摺動されるように、かつ、爪部41a,41b,41cが電池カバー27の側壁面33sの端部に形成された一対の被係止部34,34を係止することによって、リアケース41に取り付けられると共に、電池カバー27の前端壁部35が、凹部34pに嵌め込まれる爪部41a,41b,41cの位置に応じた所定の突出量で突出し、突出した電池カバー27の上端部が上部筐体5のリアケース12の下端部37に突き当てられ、上記突出量に応じた所定の開角度で、上部筐体5の下部筐体に対する回転が制止されるように概略構成されている。
下部ユニットのリアケース41の側壁部42には、電池カバー27の側壁部33の内壁面33sに対面又は摺動される外壁面32sが形成されていると共に、電池カバー27の凹部34pに嵌め込まれて被係止部34を係止する複数対(この例では3対)の爪部42a,42b,42cが形成されている。
【0034】
この例の構成によれば、上述した第1の実施例と略同様の効果を得ることができる。
加えて、部品点数を減少させることができる。したがって、材料費を低減し、組み立て時の工程数を減少させることができる。
【実施例3】
【0035】
図13は、この発明の第3の実施例である携帯電話機の下部ユニットのリアケースの構成を示す下面図、図14は、同リアケースに取り付けられた電池ケースの構成を示す下面図、図15は、同電池ケースの構成を示す平面図、また、図16及び図17は、同携帯電話機の動作を説明するための断面図である。
この例が上述した第1の実施例と大きく異なるところは、電池ケースを、3対の爪部によって、スライド方向に沿って3箇所で仮固定(ロック)したのに対して、スライド方向に沿って所定の範囲で任意の位置で連続的に(無段階摺動によって)仮固定可能なように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0036】
この例の筐体開角調整機構は、図13乃至図17に示すように、下部筐体のリアケース45の下面(裏面)46に、電池カバー47のスライド方向に沿って一対の溝形リブ48,48が形成され、電池カバー47が、溝形リブ48を一対の脚部51,51が挟み込んで、溝形リブ48に嵌着又は係着されたストッパ部材49を介して、リアケース45に仮固定され、頭部52が押圧されることによって、嵌合状態又は係合状態が解除されて、電池カバー47がリアケース45に対してスライド変位可能とされ、電池カバー47の前端壁部53が、スライド量に応じた所定の突出量で突出し、突出した電池カバー47の前端壁部53が上部筐体5のリアケース12の下端部37に突き当てられ、上記突出量に応じた所定の開角度で、上部筐体5の下部筐体に対する回転が制止されるように概略構成されている。
この例では、電池カバー47は、リアケース45に対して、スライド方向に沿って、所定の範囲で任意の位置で連続的に(無段階摺動によって)仮固定可能とされる。
【0037】
リアケース45の下面46には、スライド方向に沿って所定の領域に配設された長尺な断面溝形の一対の溝形リブ48,48が形成されている。各溝形リブ48の両側部には、ストッパ部材49の脚部51の突起部51aが嵌め込まれる(又はその段差部55に係止される)溝部(凹部)54が形成されている。なお、溝形リブ48は、電池カバー47をスライド方向に沿って案内する機能も有している。
【0038】
電池カバー47は、それぞれ、下部筐体のリアケース45の裏面、側端面、及び上端面(ヒンジ部側)を覆う略矩形状の底板56と、底板56の後端側を除く縁端部(3辺)から立設された側壁部57,57及び前端壁部53とを有し、底板56の上面(リアケースの下面に対面する側の面)の溝形リブ48に対応する部位には、一対の嵌合孔47aが形成され、嵌合孔47aに基部59が嵌め込まれることによって、電池カバー47にストッパ部材49が取り付けられている。さらに、ストッパ部材49を介して、電池カバー47がリアケース45にスライド可能に取り付けられている。
【0039】
ストッパ部材49は、例えば、合成樹脂成形品からなり、嵌合孔47aに嵌め込まれる矩形状の基部59と、基部59からのリアケース45へ向けて略垂直に突設され、リアケース45の下面46に形成された溝形リブ48を挟み込む一対の脚部51,51と、基部59に嵌合孔47aから露出するように形成された頭部52とを有している。
各脚部51の先端側には、溝部54に嵌め込まれる(又は溝部54の段差部55に係止される)突起部51aが内側に向けて突設されるように形成されている。なお、各脚部51の先端面51bは、リアケース45の下面46に当接されている。
【0040】
両脚部51,51は、互いに近づく向きに、溝部48を両側から挟み込むように付勢されて、嵌合状態(又は係合状態)とされ、電池カバー47は、リアケース45に対して、仮固定状態(ロック状態)となる。
また、頭部52が押圧されて両脚部51,51が撓むことにより、嵌合状態(又は係合状態)が解除されて、すなわち、仮固定状態(ロック状態)が解除されて、電池カバー47は、リアケース45に対してスライド可能となる。
【0041】
両脚部51,51は、溝部48を両側から挟み込むと、図16に示すように、脚部51の突起部51aが溝部(凹部)54に嵌め込まれ(又はその段差部55に係止され)、電池カバー47は、リアケース45に対して仮固定状態(ロック状態)となる。
また、頭部52が押圧されると、図17に示すように、両脚部51,51が撓むことにより、嵌合状態(又は係合状態)が解除されて、すなわち、仮固定状態(ロック状態)が解除されて、電池カバー47は、リアケース45に対してスライド可能となる。
【0042】
次に、図17及び図18を参照してこの例の携帯電話機の動作について説明する。
ストッパ部材49の両脚部51,51は、溝部54を両側から挟み込むと、図16に示すように、脚部51の突起部51aが溝部(凹部)54に嵌め込まれ(又はその段差部55に係止され)、電池カバー47は、リアケース45に対して仮固定状態(ロック状態)となる。
また、頭部52が押圧されると、図17に示すように、両脚部51,51が撓むことにより、嵌合状態(又は係合状態)が解除されて、すなわち、仮固定状態(ロック状態)が解除されて、電池カバー47は、リアケース45に対してスライド可能となる。
【0043】
電池カバー47の前端壁部53が、スライド量に応じた所定の突出量で突出し、突出した電池カバー47の前端壁部53が上部筐体5のリアケース12の下端部37に突き当てられる。こうして、スライド方向に沿って所定の範囲で任意の位置で連続的に(無段階摺動によって)仮固定可能とされる。
これによって、上記突出量に応じた所定の開角度で、上部筐体5の下部筐体に対する回転が制止される。
【0044】
この例の構成によれば、上述した第1の実施例と略同様の効果を得ることができる。
加えて、電池ケース47を、リアケース45に対して、スライド方向に沿って所定の範囲で任意の位置で連続的に仮固定することができるので、筐体の開角度の調整を精細にかつ円滑に行うことができる。
【実施例4】
【0045】
図18は、この発明の第4の実施例である携帯電話機のアンテナ部の構成を示す断面図である。
この例が上述した第1の実施例と大きく異なるところは、電池カバーを変位させて、筐体の開度を調整していたのに対して、固定アンテナのキャップ部材に可動部材を兼ねさせて、筐体の開度を調整するように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0046】
この例では、図18に示すように、下部筐体61の上部(ヒンジ部側)に、伸張機能のない固定式のアンテナ62が取り付けられ、アンテナ62の先端部が上部筐体の下端面に突き当てられるように構成されている。
この固定式のアンテナ62は、ヘリカルアンテナ素子63が格納されたコイル部64と、コイル部64を保護する円筒形状のキャップ部65と、筐体61に取り付けられる軸部66と有し、さらに、キャップ部65には、円筒形状の外装部材67が回転によってその先端が長さ方向に沿って変位可能なように、かつ、キャップ部65を覆うように螺着されている。
筐体が開状態では、外装部材67の先端が上部筐体の下端部又は裏面のヒンジ部近傍の部位に突き当てられて、筐体の開度を制限する。
【0047】
アンテナ62は、軸部66が筐体61の上端部に形成された挿通孔61aから筐体61内に挿通され、軸部66に形成された環状溝66aに金属製のEリング68が嵌着されることによって、筐体61に固定され、このEリング68が筐体61の内壁の挿通孔61aの縁部に当接して、アンテナ62を軸部66の軸方向に沿って引く抜こうとする力に抗して、アンテナ62の軸方向に沿った変位を制止している。
キャップ部65は、円筒形状のキャップ状の外形を呈し、内部にコイル部63が収納可能な凹部を有し、外壁面の所定の部位には、外装部材67の内壁面に形成された雌ねじ部67aと螺合する雄ねじ部65bが螺設されている。
外装部材67の内壁面の所定の部位には、キャップ部65の雄ねじ部65bと螺合する雌ねじ部67aが形成され、その先端部67bは、筐体が開状態で、上部筐体の下端部又は裏面のヒンジ部近傍の部位に突き当てられる。
Eリング68は、軸部66を挿通孔61aから筐体61内に挿通した後、専用の取着治具を用いて把持され、アンテナ62の軸部66に形成された環状溝66aに圧入される。Eリング68は、軸部66の周面を中心(軸)に向けて押圧した状態で軸部66に固着される。
【0048】
この例の構成によれば、上述した第1の実施例と略同様の効果を得ることができる。
加えて、仮固定手段としてのストッパ部材等が不要となるので、部品点数を低減させることができる。
【実施例5】
【0049】
図19は、この発明の第5の実施例である携帯電話機の構成を分解して示す分解斜視図、また、図20は、同携帯電話機の構成を示す断面図である。
この例が上述した第1の実施例と大きく異なるところは、電池カバーを変位させて、筐体の開度を制限していたのに対して、携帯電話機本体に、加飾カバーを着脱自在に装着し、この加飾カバーに可動部材を兼ねさせて、加飾カバーを変位させて、筐体の開度を制限するように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0050】
この例の携帯電話機1Aは、図19に示すように、折畳可能な筐体71を備えた携帯電話機本体72に、所定の模様が施された平板状の透明部材からなる加飾カバー73が着脱自在に装着されて概略構成されている。
携帯電話機本体72は、上部ユニット74と下部ユニット75とが、互いに開閉自在にヒンジ部76で相互に結合されて構成されている。
【0051】
この例の筐体開角調整機構は、図19及び図20に示すように、加飾カバー73が、上部ユニット74のリアケース76の外表面76aに載せられた状態で、外表面76a上を、その両側部が、一対の案内溝76b,76bに挿入されて、リアケース76の長さ方向に沿って、摺動可能なようにリアケース76に取り付けられ、かつ、裏面73aに形成された凹部73bが突起部77と係合して、所定の位置で仮固定され、下端部73cが、凹部73bに嵌め込まれる突起部77の位置に応じた所定の突出量でヒンジ部75側に突出し、突出した加飾カバー73の下端部73cが下部筐体75のリアケース78の上端部78aに突き当てられ、上記突出量に応じた所定の開角度で、上部筐体74の下部筐体75に対する回転が制止されるように概略構成されている。
【0052】
加飾カバー73は、その裏面73aが、上部ユニット73のリアケース76の外表面76aに載せられた状態で、外表面76a上を、その両側部が、一対の案内溝76b,76bに挿入されて、リアケース76の長さ方向に沿って、摺動可能なようにリアケース76に取り付けられ、裏面73aには、リアケース76の載置面76aの所定の部位に形成された複数対(この例では3対)の突起部77によって係合される凹部73bが形成されている。
上部ユニット73のリアケース76の外表面76aの所定の部位には、凹部73bに嵌め込まれる複数対(この例では3対)の突起部77が配設されている。
【0053】
突起部77は、ばね性を有する断面略くの字形に成形された弾性部材からなり、裏面73aによって押圧されている場合は内部側に後退し、凹部73bが上方に配置されると、所定の大きさの復元力によって突出して、凹部73b内に嵌り込み、加飾カバー73を仮固定(ロック)する。
リアケース76の外表面76aの両側端部からは、加飾カバー73の側端部が挿入され、加飾カバー73を、リアケース76の長さ方向に沿って案内するための一対の案内溝76b,76bが形成されている。
【0054】
この例の構成によれば、上述した第1の実施例と略同様の効果を得ることができる。
【実施例6】
【0055】
図21は、この発明の第6の実施例である携帯電話機の下部ユニットの構成を分解して示す分解斜視図、また、図22及び図23は、同下部ユニットの構成を示す断面図である。
この例が上述した第1の実施例と大きく異なるところは、電池カバーを変位させて、開度を制限していたのに対して、電池パックに摺動可能な可動部材を設けて、可動部材によって、筐体の開度を制限するように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0056】
この例の携帯電話機の電源部81は、図21に示すように、扁平な略直方体形状の電池パック82が下部筐体83の裏面側に設けられた格納部84内に着脱自在に装着されて概略構成されている。
この例の筐体開角調整機構は、図21乃至図23に示すように、電池パック82が格納部84に格納された状態で、挿通孔92a,92aからスライド自在の腕部87,87がその先端部が突出し、腕部87が、その凹部87bがストッパ部材88の突起部88aと係合することによって、所定の位置で仮固定され、腕部87の先端が、凹部87に嵌め込まれた突起部88aの位置に応じた所定の突出量でヒンジ部91側に突出し、突出した腕部87が上部筐体のリアケースの上端部に突き当てられ、上記突出量に応じた所定の開角度で、上部筐体の下部筐体83に対する回転が制止されるように概略構成されている。
【0057】
電池パック82は、図21乃至図23に示すように、リチウムイオン二次電池等の充電可能な電池が格納されると共にその側壁部に長尺な小型基板が配設された電池パック本体85と、電池パック本体85と携帯電話機本体とを電気的に接続するための端子接続部材と、端子接続部材が取り付けられた電池パック本体85を保護する外装体86とを有し、さらに、外装体86の内面側の端子接続部材が配設されていない部位には、一対の平板状の腕部87,87がスライド自在に取り付けられている。
【0058】
腕部87の外表面87aの所定の部位には、外装体86の内面側の端部に取り付けられたストッパ部材88の突起部88aが嵌め込まれる凹部87bが形成されている。
電池パック82は、格納部84に形成された挿通孔92a,92aから腕部87,87がの先端部が突出するように、格納部84内に格納される。ここで、電池パック82は、挿通孔84a近傍では、シール部材89を介して、格納部84のヒンジ部91側の壁部(リアケース83の側壁部)92の内壁面92cに、押し付けられる。
【0059】
格納部84のヒンジ部91側の壁部92には、腕部87を挿通するためのスリット状の挿通孔92aと、シール部材89が配置される凹部92bとが形成されている。凹部92bに配置されたシール部材89は、電池パック82が格納部84に格納された状態で、電池パック82の側壁面によって押圧されて圧縮変形される。
ストッパ部材88は、所定の部位に突起部88aが形成された外形帯状の弾性部材からなり、突起部88aが外表面87aに接触している場合は、突起部88aの先端は外表面87aに押圧されて後退するように全体が変形し、凹部87bが側方に配置されると、所定の大きさの復元力によって突出して、凹部87b内に嵌り込み、腕部87を仮固定(ロック)する。
【0060】
この例の構成によれば、上述した第1の実施例と略同様の効果を得ることができる。
【0061】
以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、上述した実施例では、単に開閉のみ可能な折畳式の携帯電話機について述べたが、これに限らず、2軸ヒンジで、上部ユニットと下部ユニットとが、互いに開閉自在で、かつ、開閉を行うための回動軸に直交する回動軸の周りにも一方のユニットが他方のユニットに対して回動自在に相互に結合された携帯電話機にも適用できる。この直交する回動軸は、一方の筐体の主面に平行であっても、垂直であっても良い。
また、筐体の長さ方向に限らず、幅方向に沿ってスライド可能なように構成しても良い。
【0062】
また、電池カバーやアンテナ、加飾カバーに限らず、他の部材を利用しても良いし、他の部材と兼用する場合だけでなく、可動部材を有する専用の開度調整機構を設けるようにしても良い。
また、相手の筐体に、可動部材の先端を係止する係止部を形成するようにしても良い。
【0063】
また、第1の実施例で、リアケースの側部に電池カバーを案内する案内溝を形成するようにしても良い。また、爪部を電池カバー側に設けても良いし、この爪部にばね性をもたせても良い。
また、ストッパ部材は、板状部材に限らず、枠状部材としても良く、枠状部材の場合、閉じていても開いていても良い。また、ストッパ部材は、板状の場合、金属製に限らず、弾性部材を用いて作製しても良い。また、板状として、中央部に切込み部を設けて、弾性的な変形を助けるようにしても良い。
また、爪部は、3対に限らず、2対でも良いし、4対以上としても良い。
また、下端部(側壁部)に突き当てる場合について述べたが、裏面に突き当てるようにしても良い。この場合、裏面に、先端を係止する複数の突起を設けるようにしても良い。
【0064】
また、第4の実施例で、キャップ部の先端をヒンジ部に突き当てるようにしても良いし、交換可能なようにしても良い。この場合、マイナスドライバや、プラスドライバ、六角レンチ等以外の専用ドライバによって、取付け及び取外し可能なようにする。ここで、ユーザに適した開度となるように、最適なキャップ部に交換するようにしても良い。
ここで、キャップ部のみ伸縮自在としても良いし、例えば、長さが異なるキャップ部から選択して交換可能としても良い。
また、キャップ部の外壁部には、必要に応じて、意匠上の又は識別のための模様を施すようにしても良い。
また、アンテナを筐体の側部に配置するようにしても良い。
【0065】
また、第5の実施例で、スライドさせて突出量を調節して、開度を変えても良いし、スライドさせずに、予め用意された複数の加飾カバーのなかから、ユーザに適した加飾カバーを選択するようにしても良い。
また、スライド操作に限らず、図24に示すように、嵌着によって、後端部(ヒンジ部側)に突当部94aが延設された加飾カバー94を着脱自在に携帯電話機本体95の上部筐体96に取り付けるようにしても良い。筐体が開状態では、突当部94aの先端は、下部筐体97の上端部に突き当たって、筐体の開角度を制限する。ここで、予め用意された複数の加飾カバーのなかから、ユーザに適した加飾カバーを選択するようにしても良い。
また、加飾カバーをねじ止めで筐体に取り付けるようにしても良い。また、加飾カバーと電池カバーとを併用しても良い。
また、第6の実施例で、貫通孔に限らず、切欠きを設けて腕部を貫通させるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0066】
携帯型電子機器としては、携帯電話機のほか、簡易型携帯電話(PHS)端末や、携帯情報端末(PDA)、携帯型のコンピュータに対して適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】この発明の第1の実施例である携帯電話機の構成を示す斜視図である。
【図2】同携帯電話機の構成を分解して示す分解斜視図である。
【図3】図2のA部を拡大して示す拡大斜視図である。
【図4】同携帯電話機の下部ユニットの構成を分解して示す分解斜視図である。
【図5】図4のB部を拡大して示す拡大斜視図である。
【図6】同携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図7】同携帯電話機の動作を説明するための断面図である。
【図8】同携帯電話機の動作を説明するための断面図である。
【図9】同携帯電話機の動作を説明するための側面図である。
【図10】同携帯電話機の動作を説明するための側面図である。
【図11】同携帯電話機の動作を説明するための側面図である。
【図12】この発明の第2の実施例である携帯電話機の下部ユニットのリアケースの構成を示す斜視図である。
【図13】この発明の第3の実施例である携帯電話機の下部ユニットのリアケースの構成を示す下面図である。
【図14】同リアケースに取り付けられた電池ケースの構成を示す下面図である。
【図15】同電池ケースの構成を示す平面図である。
【図16】同携帯電話機の動作を説明するための断面図である。
【図17】同携帯電話機の動作を説明するための断面図である。
【図18】この発明の第4の実施例である携帯電話機のアンテナ部の構成を示す断面図である。
【図19】この発明の第5の実施例である携帯電話機の構成を分解して示す分解斜視図である。
【図20】同携帯電話機の構成を示す断面図である。
【図21】この発明の第6の実施例である携帯電話機の下部ユニットの構成を分解して示す分解斜視図である。
【図22】同下部ユニットの構成を示す断面図である。
【図23】同下部ユニットの構成を示す断面図である。
【図24】この発明の第5の実施例の変形例である携帯電話機の構成を分解して示す分解斜視図である。
【図25】従来技術を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0068】
1,1A 携帯電話機(携帯型電子機器)
4 ヒンジ部(ヒンジ手段)
5 上部筐体(第1の筐体又は第2の筐体)
14 下部筐体(第2の筐体又は第1の筐体)
27 電池カバー(可動部材、カバー部材)
29 筐体開角度調整機構
35 前端壁部(端部)
37 下端部被(突当部位)
31a,31b,31c 爪部(仮固定手段の一部、係止部)
34 被係止部(仮固定手段の一部)
41a,41b,41c 爪部(仮固定手段の一部、係止部)
48 溝形リブ(仮固定手段の一部、係止部)
49 ストッパ部材(仮固定手段の一部、被係止部)
65 キャップ部(突出部)
67 外装部材(可動部材、キャップ状部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジ手段を介して開閉自在に結合された第1の筐体と第2の筐体とを備えた折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構であって、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とのうち、一方の筐体の一部、又は該筐体に取り付けられた部材若しくは部品の一部が、その端部が他方の筐体の所定の被突当部位に突き当たるように変位可能な可動部材とされ、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが開状態とされた際に、前記可動部材の端部が前記他方の筐体の前記被突当部位に突き当てられることによって、前記第1の筐体と前記第2の筐体との開角度が制限されると共に、最大の前記開角度は、前記可動部材の変位量に対応している
ことを特徴とする折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構。
【請求項2】
前記可動部材を、前記第1の筐体と前記第2の筐体とのうち、一方の筐体に、所定の位置関係で仮固定するための仮固定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構。
【請求項3】
前記仮固定手段は、前記可動部材を、前記一方の筐体本体に対して所定の変位量変位させた状態で仮固定することを特徴とする請求項2記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構。
【請求項4】
前記仮固定手段は、前記可動部材が取り付けられた前記第1の筐体又は前記第2の筐体に設けられ、前記可動部材を仮固定するための複数の係止部と、前記可動部材に設けられ前記係止部に係止される被係止部とを有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構。
【請求項5】
前記可動部材は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とのうち、一方の筐体の裏面側に、他方の筐体に対して、前進及び後退するようにスライド自在に取り付けられ、その先端部が、他方の前記筐体の前記被突当部位に突き当てられることによって、開状態の前記第1の筐体と前記第2の筐体との開角度が制限されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構。
【請求項6】
前記可動部材は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とのうち、一方の筐体に、スライド自在に取り付けられ、該筐体の少なくとも一部を覆うカバー部材からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構。
【請求項7】
前記携帯型電子機器は、構成各部に電力を供給するために用いられる電池パックを格納する電池格納部を備え、
前記可動部材は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とのうち、一方の筐体に取り付けられ、前記ヒンジ手段側にその先端部が突出するようにスライド可能とされ、前記電池格納部を覆う電池カバーからなることを特徴とする請求項6記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構。
【請求項8】
前記可動部材は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とのうち、一方の筐体に、前記ヒンジ手段側の端部から突出した突出部に該突出部を覆うように螺着され、前記突出部に対して回転させることによって、その先端部が、他方の筐体に対して、前進及び後退するキャップ状部材からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構。
【請求項9】
前記第1の筐体と前記第2の筐体とのうち、一方の筐体には受話音声を出力するスピーカが取り付けられ、他方の筐体には、送話音声を入力するマイクロフォンが取り付けられ、前記開角度が調整されることによって、前記スピーカと前記マイクロフォンとの間の距離が調整されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1に記載の折畳式の携帯型電子機器における筐体開角度調整機構を備えたことを特徴とする折畳式の携帯型電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2007−104612(P2007−104612A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295788(P2005−295788)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】