説明

抵抗変化層をストレージノードとして備えるメモリ素子の製造方法

【課題】抵抗変化層をストレージノードとして備えるメモリ素子の単位セル面積を4F未満に減らせるメモリ素子の製造方法を提供する。
【解決手段】下部膜上に半導体層44a、46,48、抵抗変化層50及び第1物質層を順次積層し、第1物質層に抵抗変化層50が露出されるストライプ状の第1ホールを形成し、第2物質層で第1ホールの側壁に第1スペーサ58aを形成し、第1ホールを、第1スペーサ58aを覆う第3物質層で満たし、第1物質層を除去し、第1スペーサ58aの側面に第4物質層で第2スペーサ66aを形成し、第3物質層を除去し、第1スペーサ58a及び第2スペーサ66aをマスクとして使用して、抵抗変化層50を含む第2積層物に下部膜が露出されるストライプ状の第2ホール90を形成するメモリ素子の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の製造方法に係り、さらに詳細には、抵抗変化層をストレージノードとして備えるメモリ素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子に対するさらに高い集積度を要求する消費者の要求を充足させるためには、これらメモリ素子の単位セルサイズを、さらに小さくする必要がある。
【0003】
メモリ素子の単位セルサイズを小さくするためには、メモリ素子の製造工程が重要である。したがって、メモリ素子の集積度を高めるための方案のうち一つは、メモリ素子の製造工程を改善することである。また、メモリ素子の単位セルを構成する要素、例えば、実際のビットデータが記録される部分、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)及びSRAM(Static RAM)の場合は、キャパシタ、MRAM(Magnetic RAM)の場合は、MTJ(Magnetic Tunnel Junction)セルのサイズを小さくすることが、メモリ素子の集積度を高める一つの方案となる。
【0004】
このことと関連して、最近、ストレージノードとして抵抗変化物質層が使われたメモリ素子(以下、従来のメモリ素子)が紹介された。
【0005】
図1は、従来のメモリ素子のセルアレイを示す図面である。図1で、2、4、6は、それぞれワードライン、抵抗変化セル、ビットラインを示す。そして、Cは、ワードライン2とビットライン6及び一つの抵抗変化セル4を含む単位メモリセルを表す。ワードライン2とビットライン6とが直交し、両者が接触する部分に抵抗変化セル4が挿入されていることが分かる。
【0006】
図2ないし図14は、図1に示したようなセルアレイを有する従来のメモリ素子の製造方法をステップ別に示す図面である。
【0007】
まず、図2に示すように、順次に積層されたシリコン基板10とシリコン酸化膜12及び第1シリコン層13を含むSOI(Silicon On Insulator)基板A1にn導電性不純物をドーピングする。このとき、ドーピングは、第1シリコン層13を対象とし、ドーズ量は、1020/cm以上とする。
【0008】
図3で、14は、このようにドーピングされたSOI基板A1の第1シリコン層13を示す。図2及び図3の右側図面は、左側の図面の右側面図である。なお、図4ないし図14も、右側図面は左側の図面の右側面図である。
【0009】
図4に示すように、ドーピングされたシリコン層14上に第2シリコン層16をエピテキシャル成長法で成長させる。
【0010】
次に、第2シリコン層16にnドーピングを実施して、図5に示すように、第2シリコン層16の下部層にnドーピング層16aを形成する。
【0011】
次に、第2シリコン層16にp型導電性不純物をイオン注入する。この結果、図6に示すように、第2シリコン層16の上部層にpドーピング層16bが形成される。これにより、第2シリコン層16は、PN接合層、すなわち、ダイオード層となる。
【0012】
次に、第2シリコン層16上に、図7に示すように、抵抗変化層18を形成する。
【0013】
次に、抵抗変化層18上にストライプ状に感光膜パターンを形成した後、それをエッチングマスクとして使用して、抵抗変化層18とその下側に形成された第2シリコン層16、ドーピングされたシリコン層14を順次にエッチングする。このエッチングは、シリコン酸化膜12が露出されるまで実施される。エッチング後、感光膜パターンが除去される。このエッチングによって、ドーピングされたシリコン層14と第2シリコン層16及び抵抗変化層18は、図8に示すように、ストライプ状にパターニングされる。ストライプ状にパターニングされ、ドーピングされたシリコン層14は、ワードラインとして使われる。
【0014】
図9は、エッチング後の結果物に対する斜視図である。図9を参照することによって、ドーピングされ、エッチングされたシリコン層14、第2シリコン層16及び抵抗変化層18の形態変化がさらに明確に分かる。図8の左側図面は、図9を8−8´方向に切開した断面を示し、図8の右側の図面は、図9を右側から見た側面、または図9を8b−8b´方向に切開した断面を示す。
【0015】
エッチング後、図10に示すように、ストライプ状にパターニングされた結果物を覆う第1層間絶縁層22がシリコン酸化膜12上に形成される。
【0016】
図11に示すように、第1層間絶縁層22の表面は、抵抗変化層18が露出されるまで研磨される。この研磨の結果、抵抗変化層18の表面が露出され、第1層間絶縁層22は、ストライプ状の抵抗変化層18の間にのみ残る。これにより、ストライプ状に積層された抵抗変化層18、第2シリコン層16及びドーピングされたシリコン層14は、隣接したストライプ状の積層物と第1層間絶縁層22とによって絶縁される。
【0017】
次に、図12に示すように、第1層間絶縁層22及び抵抗変化層18の露出された全面に導電層24が形成される。導電層24は、ビットラインを形成するためのものである。
【0018】
ビットラインは、ワードライン、すなわち、ドーピングされ、ストライプ状にパターニングされたシリコン層14に直交する方向に形成しなければならないので、図13の右側図面に示したように、導電層24を、ドーピングされたシリコン層14に直交するストライプ状となるようにエッチングする。このエッチングは、導電層24をストライプ状にパターニングするためのものでもあるが、第2シリコン層16と抵抗変化層18とを単位セル状にして、図1に示したセルアレイを形成するためのものである。したがって、導電層24に対するエッチングは、シリコン酸化膜12ではなく、ドーピングされたシリコン層14が露出されるまで実施する。このようなエッチングによってストライプ状のドーピングされたシリコン層14に直交するストライプ状の導電層24、すなわち、ビットラインが形成される。それと共に、ストライプ状のドーピングされたシリコン層14及び導電層24の接触部分にのみ第2シリコン層16と抵抗変化層18とを含む積層物が存在する。
【0019】
導電層24のパターニング後、図14に示すように、ストライプ状の導電層24上に、その間を満たす第2層間絶縁層26が形成される。これにより、図1に示したようなセルアレイが完成される。
【0020】
前述したような製造方法で形成される従来のメモリ素子は、ビットデータの記録のために抵抗変化層を使用することによって、既存のメモリ素子に比べて、メモリ素子の集積度を高めようとしたという点は認められるが、従来のメモリ素子の製造方法では、単位セルの面積を4F(1F:45mm)以下にすることは困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前記従来の技術の問題点を改善するためのものであって、抵抗変化層をストレージノードとして備えるメモリ素子の単位セル面積を4F未満に減らせるメモリ素子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記課題を達成するために、本発明に係るワードラインとビットラインとが交差する部分にデータが保存されるメモリ素子の製造方法は、下部膜上に導電性物質層、ダイオード層、データ保存層を順次に積層する第1ステップと、前記データ保存層上に第1物質層を形成する第2ステップと、前記第1物質層に前記データ保存層が露出されるストライプ状の第1ホールを形成する第3ステップと、第2物質層で前記第1ホールの側壁に第1スペーサを形成する第4ステップと、前記第1ホールを、前記第1スペーサを覆う第3物質層で満たす第5ステップと、前記第1物質層を除去する第6ステップと、前記第1スペーサの側面に第4物質層で第2スペーサを形成する第7ステップと、前記第3物質層を除去する第8ステップと、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサをマスクとして使用して、前記データ保存層を含む第1積層物に前記下部膜が露出されるストライプ状の第2ホールを形成する第9ステップと、を含む。
【0023】
前記下部膜は、順次に積層された半導体基板及びバッファ膜であることが好ましい。
【0024】
前記導電性物質層は、前記バッファ膜上に半導体層を形成するステップと、前記半導体層に所定の導電性不純物をドーピングするステップと、を通じて形成することが好ましい。
【0025】
前記第5ステップは、前記第1物質層上に前記ホールを満たす前記第3物質層を形成するステップと、前記第3物質層の全面を前記第1物質層が露出されるまで平坦化するステップと、をさらに含むことが好ましい。
【0026】
前記第7ステップは、前記データ保存層上に、前記第1スペーサ及び前記第3物質層を覆う前記第4物質層を所定の厚さに形成するステップと、前記データ保存層と前記第3物質層とが露出されるまで前記第4物質層の全面を異方性エッチングするステップと、をさらに含むことが好ましい。
【0027】
前記第4ステップは、前記第1物質層上に前記第1ホールの側面及び底面を覆う前記第2物質層を形成するステップと、前記第1物質層が露出されるまで前記第2物質層を異方性エッチングするステップと、をさらに含むことが好ましい。
【0028】
前記第3ステップは、前記第1物質層上にストライプ状であり、1F程度の幅を有する開口部が形成されたハードマスクを形成するステップと、前記第1物質層の前記開口部を通じて露出された領域を前記データ保存層が露出されるまでエッチングするステップと、をさらに含むことが好ましい。
【0029】
前記第4物質層は、1Fより薄く形成することが好ましい。
【0030】
前記第2物質層は、1Fより薄く形成することが好ましい。
【0031】
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサを除去する第10ステップと、前記第2ホールを第1絶縁層で満たす第11ステップと、前記データ保存層に形成され、かつ前記第2ホールを満たす第1絶縁層の全面に導電層を形成する第12ステップと、前記導電層上に前記第2ステップないし第8ステップと同じステップを経て前記第1スペーサ及び前記第2スペーサと同等な第3スペーサ及び第4スペーサを、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサと直交する方向に形成する第13ステップと、前記第3スペーサ及び前記第4スペーサをマスクとして、前記ダイオード層で前記導電層を含む第2積層物に前記導電性物質層が露出される第3ホールを形成する第14ステップと、前記第3スペーサ及び前記第4スペーサを除去する第15ステップと、前記第3ホールを第2絶縁層で満たす第16ステップと、をさらに含むことが好ましい。
【0032】
前記第13ステップで、前記第3スペーサ及び前記第4スペーサを形成するための物質層は、それぞれ1Fより薄く形成することが好ましい。
【0033】
前記導電層上に前記第2絶縁層の全面を覆う他のバッファ膜をさらに形成するステップと、前記他のバッファ膜を前記下部膜として前記第1ステップないし第16ステップを反復するステップと、をさらに含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、自己整列法を利用してストレージノードとスペースとを一体として何れも1Fの面積に形成できる。したがって、本発明を利用すれば、メモリ素子の集積度を大きく向上させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして備えるメモリ素子、例えば、不揮発性メモリ素子の製造方法(以下、「本実施形態に係るメモリ素子の製造方法」という。)を添付した図面を参照して詳細に説明する。この過程で図面に示した層や領域の厚さは、説明の便宜上誇張して示した。添付した各図面において、右側図面は、左側図面の右側面図である。なお、参照する図15から図33は、本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【0036】
図15に示すように、下部膜BLに所定の半導体層43を形成し、半導体層43に所定の導電性不純物、例えば、n導電性不純物をドーピングする。下部膜BLは、半導体基板40とバッファ膜42とを順次に積層して形成する。下部膜BL及び半導体層43は、SOI基板を構成する。半導体基板40は、例えば、シリコン基板である。
【0037】
そして、バッファ膜42は、半導体基板40及び半導体層43の付着を維持し、かつ両者の熱膨張係数の差を緩和させる役割を担う。したがって、バッファ膜42の熱膨張係数は、半導体基板40の熱膨張係数と半導体層44の熱膨張係数の中間程度であることが望ましい。このようなバッファ膜42は、例えば、シリコン酸化膜(SiO)である。半導体層43は、半導体基板40と同じ物質で形成できる、したがって、半導体層43は、例えば、シリコン層である。半導体層43に対するドーピングはnドーピングで、ドーズ量は、1020/cm以上とすることができる。
【0038】
図16は、半導体層に対するnドーピングが完了した後の結果を示す図面である。図16で、44は、n導電性不純物がドーピングされた半導体層を表す。
【0039】
次に、図17に示すように、半導体層44上に第1半導体層46を形成し、第1半導体層46に所定の導電性不純物、例えば、n型導電性不純物をドーピングする。第1半導体層46上に第2半導体層48を形成し、第2半導体層48にも所定の導電性不純物、例えば、p型導電性不純物をドーピングする。これにより、半導体層44上にPNダイオード層Dが形成される。
【0040】
第1半導体層46及び第2半導体層48は、エピテキシャル成長法で形成できる。PNダイオード層Dを形成した後、第2半導体層48上に抵抗変化層(データ保存層)50を形成する。抵抗変化層50は、ビットデータが保存されるストレージノードとして使われる。抵抗変化層50は、例えば、ポリマー層、金属酸化物層である。
【0041】
抵抗変化層50がポリマー層である場合、例えば、ポリマーメモリとして使用されるすべての層で形成でき、位相転移RAM、すなわち、PRAM(Phase−transition RAM)で使われるGST(Ge−Sb−Te)層で形成できる。そして、金属酸化物層である場合、SrZrO層、SrTiO層、NiO層、TiO層、NbO層のようなTMO(Transition−Metal−Oxide)層で形成できる。
【0042】
図18に示すように、抵抗変化層50上に第1物質層52を形成する。第1物質層52は、抵抗変化層50に対して十分なエッチング選択比を有する物質で形成できる。第1物質層52は、シリコン酸化膜で形成できる。
【0043】
次に、第1物質層52上に第1物質層52の所定領域が露出される開口部d1を有するハードマスク54を形成する。開口部d1は、幅が1F程度のストライプ状に形成することが望ましい。ハードマスク54は、第1物質層52のエッチング工程でマスクとして使われるため、第1物質層52よりエッチング率が低い物質からなることが望ましい。
【0044】
次に、ハードマスク54の全面を第1物質層52に対するエッチング率の高いエッチング液を使用して異方性エッチングする。このエッチングは、抵抗変化層50が露出されるまで実施する。
【0045】
このようなエッチング結果を示す図19に示すように、このエッチングによってハードマスク54の開口部d1を通じて露出された第1物質層52の所定領域が除去され、第1物質層52に抵抗変化層50の所定領域が露出される第1ホール56が形成される。その後、ハードマスク54を除去する。第1ホール56は、ストライプ状に形成される。
【0046】
次に、図20に示すように、第1物質層52上に第1ホール56の側面と底面とを覆う第2物質層58を所定の厚さに形成する。第1ホール56の幅が図18の開口部d1の幅と同じであることを勘案すれば、第2物質層58は、開口部d1の幅(1F程度)より薄く、例えば、1/3Fの厚さに形成できる。また、第2物質層58は、第1物質層52及び抵抗変化層50に対して所定のエッチング選択比を有することが望ましい。第2物質層58は、例えば、SiNx層のような窒化物層である。第2物質層58を形成した後、その全面に異方性エッチングを行う。異方性エッチングは、第1物質層52と抵抗変化層50とが露出するまで行う。
【0047】
前記異方性エッチングの特性によって、第2物質層58の第1物質層52の上面に形成された部分と第1ホール56の底面に形成された部分とは除去され、図21に示したように、ストライプ状に形成された第1ホール56の側面を覆う第1スペーサ58aが形成される。
【0048】
次に、図22に示すように、第1物質層52上に第1スペーサ58aを覆って第1ホール56を満たす第3物質層62を形成する。第3物質層62は、第1物質層52及び第1スペーサ58aに対して、所定のエッチング選択比を有する物質、例えば、第1物質層52及び第1スペーサ58aよりエッチング率の低い窒化物で形成できる。
【0049】
第3物質層62を形成した後、その全面を第1物質層52が露出されるまで平坦化する。このような平坦化は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)やエッチバック工程を利用して実施できる。平坦化の結果、図23に示したように、側面が第1スペーサ58aで覆われた第1ホール56にのみ第3物質層62が残る。第1ホール56がストライプ状であるので、第1ホール56に残った第3物質層62もストライプ状となる。
【0050】
次に、図23に示すように、平坦化に続いて、第1物質層52の全面を異方性エッチングする。このとき、異方性エッチングは、第1物質層52に対するエッチング率の高いエッチング液を使用して抵抗変化層50が露出するまで実施する。第1ホール56を満たした第3物質層62は、第1物質層52に比べてエッチング率の低い物質であるので、この異方性エッチングでほとんどエッチングされない。第1スペーサ58aは、第3物質層62によって覆われるので、この異方性エッチングにより影響を受けない。
【0051】
この異方性エッチングの結果、図24に示すように、第1スペーサ58aの周りで第1物質層52が除去されて、第1スペーサ58aの周りの抵抗変化層50が露出する。また、第1物質層52が除去されることによって、第1ホール56が消去され、抵抗変化層50上には、第1スペーサ58aとその間を満たす第3物質層62とで構成されるストライプ状の第1積層物100が形成される。
【0052】
図25に示すように、抵抗変化層50の露出された領域上に第3物質層62及び第1スペーサ58a(以下適宜「第1積層物100」という。)を覆う第4物質層66を所定の厚さで形成する。第4物質層66は、第1スペーサ58aを形成した第2物質層58と同じ物質層で形成することが望ましいが、第2物質層58と同等な特性を有する他の物質層で形成してもよい。第4物質層66は、1F未満に形成することが望ましく、1/3F程度の厚さに形成することがさらに望ましい。
【0053】
このように、第4物質層66を形成した後、第4物質層66の全面を第4物質層66に対するエッチング率の高いエッチング液を利用して抵抗変化層50が露出されるまで異方性エッチングする。異方性エッチングの特性によって、図26に示したように、第1積層物100の側面を覆う、すなわち、第1スペーサ58aと接触する第2スペーサ66aが形成され、第2スペーサ66aの間に抵抗変化層50が露出される。
【0054】
次に、第1積層物100で第3物質層62を除去すれば、図27に示すように、第1スペーサ58a及び第2スペーサ66aで構成された第1マスクパターンM1が抵抗変化層50の所定領域上に形成される。
【0055】
第1マスクパターンM1を構成する第1スペーサ58a及び第2スペーサ66aのそれぞれの幅は、1/3F程度であるので、第1マスクパターンM1の幅w1は、2/3F程度となる。第1マスクパターンM1は、正方形に形成されるメモリ素子の単位セルの一幅を決定するので、単位セルの一幅は、結局、2/3Fとなる。
【0056】
また、第2物質層58及び第4物質層66の厚さが1/3Fであることを勘案するとき、第1スペーサ58a間の幅と第2スペーサ66a間の幅、すなわち、第1マスクパターンM1間の幅w2は、1/3F程度となる。したがって、第1マスクパターンM1を利用して、その下部の物質層をエッチングすることによって、2/3F程度の幅を有するワードラインを形成でき、ワードライン間に1/3F程度の幅を有するスペースを確保できる。ビットラインもワードラインと同じ方式で形成されるので、結局、1Fの面積にワードラインとビットライン及びスペースを何れも有する単位セルを形成できる。
【0057】
次に、第1マスクパターンM1の形成以後の工程を説明する。第1マスクパターンM1をエッチングマスクとして使用して抵抗変化層50の露出された部分を異方性エッチングする。異方性エッチングは、図28に示すように、バッファ膜42が露出されるまで実施する。したがって、第1スペーサ58a及び第2スペーサ66aのもとの物質層である第2物質層58及び第4物質層66は、エッチング率が、抵抗変化層50はもとより、第1半導体層46及び第2半導体層48とドーピングされた半導体層44のエッチング率より低い物質層で形成されたことが望ましい。
【0058】
次に、図28に示すように、第1マスクパターンM1をエッチングマスクとして使用した前記異方性エッチングによってドーピングされた半導体層44、第1半導体層46、第2半導体層48及び抵抗変化層50からなる第2積層物200にバッファ膜42が露出されるストライプ状の第2ホール90が形成される。
【0059】
第2積層物200に第2ホール90が形成されつつは、ストライプ状の第1積層物パターン200aに分割され、第1積層物パターン200aに含まれたドーピングされた半導体層パターン44aは、ワードラインとなる。ストライプ状の第2ホール90を形成した後、第1マスクパターンM1を除去する。
【0060】
次に、図29に示すように、第2積層物200上に第2ホール90を満たす第1層間絶縁層(第1絶縁層)70を形成する。次に、第1層間絶縁層70の全面を抵抗変化層50が露出されるまで平坦化する。この平坦化は、CMPを利用できるが、エッチバックのような他の平坦化技術を利用してもよい。これにより、第1層間絶縁層70は、第2ホール90にのみ存在する。
【0061】
次に、図30に示すように、第1層間絶縁層70の平坦化工程によって露出された抵抗変化層50上に導電層72を形成する。導電層72は、抵抗変化層50の露出された全面に形成することが望ましい。
【0062】
導電層72を形成した後、ビットラインを形成するための導電層72のパターニング工程を行う。
【0063】
具体的に、図31に示すように、第1半導体層46、第2半導体層48、抵抗変化層50及び導電層72からなる第3積層物300上に第2マスクパターンM2を形成する。第2マスクパターンM2は、ワードラインの形成時に使われた第1マスクパターンM1を形成するときと同じ過程を経て形成できる。そして、第2マスクパターンM2は、第1マスクパターンM1と同じ諸元を有するように形成できる。したがって、第3スペーサ98a及び第4スペーサ98bを形成する物質層はそれぞれ1Fより薄いことが望ましい。
【0064】
第2マスクパターンM2を構成する第3スペーサ98a及び第4スペーサ98bは、第1マスクパターンM1を構成する第1スペーサ58a及び第2スペーサ66aと同等な役割を担う。但し、マスクパターンM2は、第1マスクパターンM1に直交する方向に、すなわち、ワードラインとして使われるドーピングされた半導体層パターン44aに直交する方向に形成する。
【0065】
図32に示すように、第2積層物200に第2ホール90を形成するときと同じ方法で、第2マスクパターンM2をエッチングマスクとして使用して第1半導体層46、第2半導体層48、抵抗変化層50及び導電層72からなる第3積層物300に、ドーピングされ、ストライプ状にパターニングされた半導体層パターン44aが露出される第3ホール76を形成する。なお、第3積層物300が特許請求の範囲に記載の第2積層物に該当する。第3ホール76の幅w3は、第2ホール90の幅w2と同じであることが望ましい。すなわち、第3ホール76の幅w3は、1/3F程度であることが望ましい。
【0066】
このように、第3ホール76を形成した後、第2マスクパターンM2を除去する。第3積層物300に第3ホール76が形成されることによって、第3積層物300は、第2積層物パターン300a(図33を参照)に分割される。積層物パターン300に属するストライプ状の導電層パターン72aは、ワードラインのドーピングされた半導体層パターン44aに直交し、ビットラインとして使われる。
【0067】
ストライプ状の第2積層物パターン300a(図33を参照)が形成されることによって、ワードライン形成時にストライプ状に形成された第2積層物200は、ドーピングされた半導体層パターン44aの長手方向に第3ホール76の幅w3ほど分割される。これにより、ドーピングされた半導体層パターン44aと導電層パターン72aとが交差する部分にのみ抵抗変化層50と第1半導体層46及び第2半導体層48が存在する。
【0068】
図33に示すように、400は、抵抗変化層50、第1半導体層46及び第2半導体層48を含む第4積層物を表す。第4積層物400は、横縦それぞれ2/3Fの正方形となる。
【0069】
第3ホール76を形成した後には、図33に示すように、第2積層物パターン300a上に第3ホール76を満たす第2層間絶縁層(第2絶縁層)78を形成する。
【0070】
一方、図33に示した結果物上に、図33に示したような不揮発性メモリ素子を少なくとももう一つ形成できる。
【0071】
図34は、本実施形態に係る不揮発性メモリ素子の製造方法を多層に積層したメモリ素子の製造方法に適用した例を示す断面図である。
【0072】
図34に示すように、図33の結果物について、第2層間絶縁層78の全面を導電層パターン72aが露出されるまで平坦化する。以後、導電層パターン72aが露出される平坦化された表面上にドーピングされた半導体層パターン44aで導電層パターン72aを含む積層物S1を前述した過程を経て形成する。この過程を所望のマルチビットメモリ素子が形成されるまで反復する。そして、最上層に形成される積層物Snは、導電層パターン72a上に第3ホール76を満たす層間絶縁層78が存在するように形成する。
【0073】
前記説明で多くの事項を具体的に記述したが、そのような技術は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、望ましい実施形態の例示として解釈しなければならない。例えば、当業者ならば、PNダイオード層の代わりに同等な役割を担う物質層または他の部材を利用できる。または、積層される順序を逆にして、ビットラインを先に形成し、ワードラインをビットラインの次に形成してもよい。したがって、本発明の技術的範囲は、説明された実施形態によって決定されず、特許請求の範囲に記載された技術的思想によって決定しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、メモリチップが使われるすべての電子装置、例えば、コンピュータ、メモリスチック、携帯電話、カムコーダ、デジタルカメラ、GPS、PDA、MP3、TV、冷蔵庫、洗濯機、各種の衛星航法装置、事務用電子装置に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子のセルアレイを示す斜視図である。
【図2】図1に示したようなセルアレイを有する従来のメモリ素子の製造方法をステップ別に示す図面である。
【図3】図1に示したようなセルアレイを有する従来のメモリ素子の製造方法をステップ別に示す図面である。
【図4】図1に示したようなセルアレイを有する従来のメモリ素子の製造方法をステップ別に示す図面である。
【図5】図1に示したようなセルアレイを有する従来のメモリ素子の製造方法をステップ別に示す図面である。
【図6】図1に示したようなセルアレイを有する従来のメモリ素子の製造方法をステップ別に示す図面である。
【図7】図1に示したようなセルアレイを有する従来のメモリ素子の製造方法をステップ別に示す図面である。
【図8】図1に示したようなセルアレイを有する従来のメモリ素子の製造方法をステップ別に示す図面である。
【図9】図1に示したようなセルアレイを有する従来のメモリ素子の製造方法をステップ別に示す図面である。
【図10】図1に示したようなセルアレイを有する従来のメモリ素子の製造方法をステップ別に示す図面である。
【図11】図1に示したようなセルアレイを有する従来のメモリ素子の製造方法をステップ別に示す図面である。
【図12】図1に示したようなセルアレイを有する従来のメモリ素子の製造方法をステップ別に示す図面である。
【図13】図1に示したようなセルアレイを有する従来のメモリ素子の製造方法をステップ別に示す図面である。
【図14】図1に示したようなセルアレイを有する従来のメモリ素子の製造方法をステップ別に示す図面である。
【図15】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図16】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図17】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図18】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図19】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図20】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図21】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図22】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図23】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図24】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図25】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図26】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図27】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図28】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図29】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図30】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図31】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図32】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図33】本実施形態に係る抵抗変化層をストレージノードとして利用するメモリ素子の製造方法をステップ別に示す断面図である。
【図34】本実施形態に係る不揮発性メモリ素子の製造方法を多層に積層したメモリ素子の製造方法に適用した例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0076】
40 半導体基板
42 バッファ膜
43 半導体層
44a 半導体層パターン
46 第1半導体層
48 第2半導体層
50 抵抗変化層
70 第1層間絶縁層
72a 導電層パターン
76 第3ホール
78 第2層間絶縁層
90 第2ホール
300a 第2積層物パターン
400 第4積層物
BL 下部膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワードラインとビットラインとが交差する部分にデータが保存されるメモリ素子の製造方法において、
下部膜上に導電性物質層、ダイオード層、データ保存層を順次に積層する第1ステップと、
前記データ保存層上に第1物質層を形成する第2ステップと、
前記第1物質層に前記データ保存層が露出されるストライプ状の第1ホールを形成する第3ステップと、
第2物質層で前記第1ホールの側壁に第1スペーサを形成する第4ステップと、
前記第1ホールを、前記第1スペーサを覆う第3物質層で満たす第5ステップと、
前記第1物質層を除去する第6ステップと、
前記第1スペーサの側面に第4物質層で第2スペーサを形成する第7ステップと、
前記第3物質層を除去する第8ステップと、
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサをマスクとして使用して、前記データ保存層を含む第1積層物に前記下部膜が露出されるストライプ状の第2ホールを形成する第9ステップと、
を含むことを特徴とするメモリ素子の製造方法。
【請求項2】
前記下部膜は、順次に積層された半導体基板及びバッファ膜であることを特徴とする請求項1に記載のメモリ素子の製造方法。
【請求項3】
前記導電性物質層は、
前記バッファ膜上に半導体層を形成するステップと、
前記半導体層に所定の導電性不純物をドーピングするステップと、
を通じて形成されることを特徴とする請求項2に記載のメモリ素子の製造方法。
【請求項4】
前記第5ステップは、
前記第1物質層上に前記ホールを満たす前記第3物質層を形成するステップと、
前記第3物質層の全面を前記第1物質層が露出されるまで平坦化するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のメモリ素子の製造方法。
【請求項5】
前記第7ステップは、
前記データ保存層上に、前記第1スペーサ及び前記第3物質層を覆う前記第4物質層を所定の厚さに形成するステップと、
前記データ保存層と前記第3物質層とが露出されるまで前記第4物質層の全面を異方性エッチングするステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のメモリ素子の製造方法。
【請求項6】
前記第4ステップは、
前記第1物質層上に前記第1ホールの側面及び底面を覆う前記第2物質層を形成するステップと、
前記第1物質層が露出されるまで前記第2物質層を異方性エッチングするステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のメモリ素子の製造方法。
【請求項7】
前記第3ステップは、
前記第1物質層上にストライプ状であり、1F程度の幅を有する開口部が形成されたハードマスクを形成するステップと、
前記第1物質層の前記開口部を通じて露出された領域を前記データ保存層が露出されるまでエッチングするステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のメモリ素子の製造方法。
【請求項8】
前記第4物質層は、1Fより薄く形成することを特徴とする請求項5に記載のメモリ素子の製造方法。
【請求項9】
前記第2物質層は、1Fより薄く形成することを特徴とする請求項6に記載のメモリ素子の製造方法。
【請求項10】
前記第1スペーサ及び前記第2スペーサを除去する第10ステップと、
前記第2ホールを第1絶縁層で満たす第11ステップと、
前記データ保存層に形成され、かつ前記第2ホールを満たす第1絶縁層の全面に導電層を形成する第12ステップと、
前記導電層上に前記第2ステップないし第8ステップと同じステップを経て前記第1スペーサ及び前記第2スペーサと同等な第3スペーサ及び第4スペーサを、前記第1スペーサ及び前記第2スペーサと直交する方向に形成する第13ステップと、
前記第3スペーサ及び前記第4スペーサをマスクとして、前記ダイオード層で前記導電層を含む第2積層物に前記導電性物質層が露出される第3ホールを形成する第14ステップと、
前記第3スペーサ及び前記第4スペーサを除去する第15ステップと、
前記第3ホールを第2絶縁層で満たす第16ステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のメモリ素子の製造方法。
【請求項11】
前記第13ステップで、前記第3スペーサ及び前記第4スペーサを形成するための物質層は、それぞれ1Fより薄く形成することを特徴とする請求項10に記載のメモリ素子の製造方法。
【請求項12】
前記導電層上に前記第2絶縁層の全面を覆う他のバッファ膜をさらに形成するステップと、
前記他のバッファ膜を前記下部膜として前記第1ステップないし第16ステップを反復するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のメモリ素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2006−140491(P2006−140491A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326082(P2005−326082)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】