説明

抵抗式湿度センサ

【課題】当該抵抗式湿度センサ内部への水滴の浸入に起因する検出精度の低下を抑制することができ、ひいては、車室外であってもこれを搭載することのできる抵抗式湿度センサを提供する。
【解決手段】ケース開口部31が支持基板42の表面に近接して対向した状態で、ケース30を支持部材43によって支持する。また、ケース30内部において、実装基板10上に形成された一対の電極21及び22並びに感湿膜23がケース開口部31に面した状態で、実装基板10を支持する。さらに、感湿膜23に対してケース開口部31が重力方向下方を向いた状態で、当該抵抗式湿度センサ1を設置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿度に応じてインピーダンスが変化する感湿膜を一対の電極間に介在させてなる抵抗式湿度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の抵抗式湿度センサとしては従来、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この技術では、内気センサを収容するケースの外形形状と同一の外形形状を有するケース内に、温度センサ及び抵抗式湿度センサを実装した基板を配設する。また、これら両センサが内部に配設されたケースに、内気取入口から車室内の空気を取込むためのアスピレータホースを接続する。そして、アスピレータホースが接続されたケースを、インスツールメントパネルに形成した内気センサ取付部に嵌め込むことで、温度センサ及び抵抗式湿度センサを車両に搭載している。
【0003】
こうした従来技術でも採用される一般的な抵抗式湿度センサについて、その平面構造を図6(a)に、その断面構造を図6(b)に、それぞれ示す。同図6(a)に示されるように、抵抗式湿度センサ100は、例えばアルミナからなる基板10上の同一平面において、例えば酸化ルテニウムからなる櫛歯状の一対の電極21,22が噛み合う状態で互いに離間して配される。また、図6(a)及び(b)に示すように、これら一対の電極21,22を覆う状態で、例えばアミンポリマー系の材料からなる感湿膜23が形成されている。図7に、抵抗式湿度センサの等価回路を示す。この図7に示されるように、抵抗式湿度センサ100は、一対の電極21,22のオン抵抗及び感湿膜23のインピーダンスをまとめた交流インピーダンス23aと、該交流インピーダンス23aに接続する端子21a,22aとを備えた回路としてみなすことができる。
【0004】
このように構成された当該抵抗式湿度センサ100を取り巻く空気(雰囲気)の相対湿度と、交流インピーダンス23aとの関係を、空気温の別にそれぞれ図8に示す。同図8に示されるように、抵抗式湿度センサ100の温度が5℃〜35℃のいずれの温度であれ、交流インピーダンス23aは、当該抵抗式湿度センサ100の雰囲気の相対湿度が高いほど小さくなり、空気の相対湿度が低いほど大きくなる。このように変化する感湿膜23の交流インピーダンス23aに基づいて、当該抵抗式湿度センサ100の雰囲気の相対湿度を検出する。
【特許文献1】特開2000−351312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば霧の状態に合わせてフォグランプの点消灯を自動で行おうとすると、車外の霧の濃淡、すなわち車外の湿度を検出することが必要となる。そのため、例えばワイパー装置やフォグランプの近傍など、車外の湿度を検出することのできる箇所に、上記抵抗式湿度センサ100を配設することが考えられる。
【0006】
しかしながら、抵抗式湿度センサ100は本来、車室内の湿度を計測する目的で設計されており、車室外に配設されることを想定して設計されていない。そのため、当該抵抗式湿度センサ100が車室外に搭載されると、当該抵抗式湿度センサ100内に水滴が容易に浸入してしまう。抵抗式湿度センサ100は、上述したように、アミンポリマー系の材料からなる感湿膜23を備えて構成されており、この感湿膜23は、水溶性を有している。そのため、図9(a)に示すように、例えば降雨時や洗車時などに当該抵抗式湿度センサ100内に水滴が浸入し、感湿膜23の上表面に水滴Xが付着するようなことがあると、図9(b)に示すように、感湿膜23は、その一部が水滴Xに溶解してしまう。そして、図9(c)に示すように、感湿膜23の水滴Xに溶解した部分は、当該抵抗式湿度センサ100の外部に流出してしまう。そうした場合にあっては、感湿膜23に水滴Xが付着しなかった場合に比べ、導体の体積が減少するため、感湿膜23の交流インピーダンス23aは全体的に大きくなる。したがって、実際には感湿膜23の雰囲気の湿度に変化がなく、かつ、同一の温度であったとしても、感湿膜23の一部が流出した抵抗式湿度センサ100は、実際の相対湿度よりも小さな相対湿度を示してしまう。すなわち、抵抗式湿度センサ100内部への水滴の浸入に起因して、相対湿度の検出精度が低下する可能性がある。
【0007】
なお、抵抗式湿度センサ100を車両に搭載するにあたり、車室外に配設する場合について説明したが、例えば当該車両の乗員がコップ等の水をこぼし、こぼれた水が内気取入口からアスピレータホースをたどってケース内に浸入するなど、車室内に配設する場合であっても、上述した事態は起こりえる。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、当該抵抗式湿度センサ内部への水滴の浸入に起因する検出精度の低下を抑制することができ、ひいては、車室外であってもこれを搭載することのできる抵抗式湿度センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、実装基板と、前記実装基板上の同一平面に離間して対向配置された一対の電極と、前記一対の電極及び前記一対の電極間を覆うように前記実装基板上に形成され、湿度に応じてインピーダンスが変化する感湿膜と、前記実装基板を内部に収容するとともに、内部に空気を流通させるための開口部であるケース開口部が一面に形成されているケースと、前記実装基板が収容された前記ケースを支持部材によって支持する支持基板とを備え、前記湿度の変化を前記感湿膜のインピーダンスの変化として検出する抵抗式湿度センサとして、前記ケース開口部が前記支持基板の表面に対向した状態で、前記ケースを前記支持部材によって支持することとした。
【0010】
抵抗式湿度センサとはそもそも、当該センサを取り巻く空気の湿度を検出するためのものである。そのため、感湿膜は空気に触れている状態になければならず、また、その空気は当該センサの外気と好適に交換されなければならない。すなわち、空気は、当該センサ内外を好適に流通していなければならない。したがって、前記一対の電極及び前記感湿膜を収容するケースには、該ケース内外に空気を流通させるためのケース開口部が形成されている。ただし、このケース開口部は、検出対象とする空気だけを流通させるだけなく、水滴がケース内部に浸入する要因ともなっている。
【0011】
その点、抵抗式湿度センサとしての上記構成では、前記ケースは、前記ケース開口部が前記支持基板の表面に近接して対向した状態で、前記支持部材によって支持されるようになる。空気は、水滴よりも流動しやすいため、たとえ前記ケース開口部が前記支持基板の表面に近接して対向したとしても、空気は当該センサ内外を好適に流通する。しかしながら、水滴は、前記ケース開口部が前記支持基板の表面に近接して対向すると、その粘性等に起因して、ケース内に浸入しにくくなる。このようにして、前記ケース内に水滴が浸入すること、すなわち、前記感湿膜に水滴が付着することを抑制することができるようになる。ひいては、当該湿度センサ内部への水滴の浸入に起因する検出精度の低下をより抑制することができるようになる。また、例えばワイパーブレードやフォグランプの近傍など、当該抵抗式湿度センサを車室外に搭載することができるようにもなる。
【0012】
このような構成においては、例えば請求項2に記載の発明によるように、前記感湿膜を覆うように保護膜を形成すれば、たとえ当該湿度センサ内部に水滴が浸入しようとも、浸入した水滴は、感湿膜ではなく、保護膜に付着する。そのため、水滴が感湿膜に付着することが抑制されるようになる。すなわち、当該湿度センサ内部への水滴の浸入に起因する検出精度の低下をよりいっそう抑制することができるようになる。なお、こうした感湿膜については、例えば請求項3に記載の発明のように、セルロース系液剤にて形成することが望ましい。
【0013】
また、上記請求項1〜3のいずれかに記載の構成において、例えば請求項4に記載の発明では、前記実装基板を、前記ケース内部において、前記一対の電極及び前記感湿膜の形成された面が前記ケース開口部に面した状態で支持することとした。
【0014】
抵抗式湿度センサとしてのこのような構造では、前記感湿膜が前記ケース開口部に面した状態で前記実装基板に支持されるようになるため、前記感湿膜に容易に水滴が付着することが懸念される。しかしながら、前記支持基板上での前記ケースの支持態様及び前記感湿膜を覆うように形成された保護膜により、水滴が前記ケース内に浸入すること及び前記感湿膜に水滴が付着することがそもそも抑制されているため、そうした懸念は払拭される。むしろ、こうした構造では、流通する空気が前記感湿膜に触れやすくなるため、雰囲気の湿度にかかる検出精度の向上を図る上では、望ましい構造となっている。なお、こうした構造においては、例えば請求項5に記載の発明のように、前記感湿膜に対して前記ケース開口部が重力方向下方を向いた状態で、当該抵抗式湿度センサを設置することがさらに望ましい。
【0015】
一方、上記目的を達成するため、例えば請求項6に記載の発明のように、実装基板と、前記実装基板上の同一平面に離間して対向配置された一対の電極と、前記一対の電極及び前記一対の電極間を覆うように前記実装基板上に形成され、湿度に応じてインピーダンスが変化する感湿膜と、前記実装基板を内部に収容するとともに、内部に空気を流通させるための開口部であるケース開口部が一面に形成されているケースと、前記実装基板が収容された前記ケースを支持部材によって支持する支持基板と、前記支持基板と前記ケースとを内部に収容するとともに、内部に空気を流通させるための開口部である筐体開口部が形成されている筐体と、を備え、前記湿度の変化を前記感湿膜のインピーダンスの変化として検出する抵抗式湿度センサとして、前記筐体開口部に、筐体外部から内部に向かって斜め上方に傾斜する空気流通路を形成するルーバーを配設するとよい。
【0016】
あるいは、上記目的を達成するため、例えば請求項7に記載の発明のように、上記請求項1〜5のいずれかに記載の抵抗式湿度センサを内部に収容するとともに、内部に空気を流通させるための開口部である筐体開口部が形成されている筐体を備え、前記筐体開口部に、当該筐体外部から内部に向かって斜め上方に傾斜する空気流通路を形成するルーバーを配設するとよい。
【0017】
またあるいは、上記目的を達成するため、例えば請求項8に記載の発明のように、実装基板と、前記実装基板上の同一平面に離間して対向配置された一対の電極と、前記一対の電極及び前記一対の電極間を覆うように前記実装基板上に形成され、湿度に応じてインピーダンスが変化する感湿膜と、前記実装基板を内部に収容するとともに、内部に空気を流通させるための開口部であるケース開口部が一面に形成されているケースと、前記実装基板が収容された前記ケースを支持部材によって支持する支持基板と、前記支持基板と前記ケースとを内部に収容するとともに、内部に空気を流通させるための開口部である筐体開口部が形成されている筐体と、を備え、前記湿度の変化を前記感湿膜のインピーダンスの変化として検出する抵抗式湿度センサとして、前記筐体開口部に、当該開口部の下方部を閉塞する防水壁を配設するとよい。
【0018】
さらには、上記目的を達成するため、例えば請求項9に記載の発明のように、上記請求項1〜5のいずれかに記載の抵抗式湿度センサを内部に収容するとともに、内部に空気を流通させるための開口部である筐体開口部が形成されている筐体を備え、前記筐体開口部に、当該開口部の下方部を閉塞する防水壁を配設するとよい。
【0019】
上述の通り、抵抗式湿度センサとは、当該センサの雰囲気の湿度を検出するためのものであって、感湿膜は空気に触れている状態になければならず、またその空気は、当該センサ内外を好適に流通していなければならない。そのため、前記ケースには、該ケース内外に空気を流通させるケース開口部が形成されていることはもちろんのこと、前記筐体にも、該筐体内外に空気を流通させる筐体開口部が形成されていなければならない。ただし、やはりこれも上述の通り、これら筐体開口部及びケース開口部は、検出対象とする空気だけを流通させるだけでなく、水滴が筐体内部に浸入する、ひいては、水滴がケース内部に浸入する要因ともなる。
【0020】
その点、抵抗式湿度センサとしての上記構成(上記請求項6〜9に記載の構成)では、前記筐体開口部に前記ルーバーあるいは前記防水壁が配設されることとなる。空気は、水滴よりも流動しやすいため、たとえ前記筐体開口部に前記ルーバーあるいは壁が配設されていても、空気は、該ルーバーを構成する羽板の間隙あるいは防水壁によって狭くなった開口部を介して当該センサ内外を好適に流通する。しかしながら、水滴は、前記筐体開口部にルーバーあるいは壁が配設されると、該ルーバーを構成する羽板あるいは防水壁により、筐体内に浸入しにくくなる。このようにして、前記筐体内に水滴が浸入することを抑制することができるようになる。そしてひいては、当該湿度センサ内部への水滴の浸入に起因する検出精度の低下をより抑制することができるようになる。
【0021】
また、こうした構成において、例えば請求項10に記載の発明のように、前記ケース開口部をメッシュ状に形成することもできる。さらに、例えば請求項11に記載の発明のように、当該抵抗式湿度センサを車両の車室外に配設し、車両周囲の湿度を検出することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施の形態)
以下、本発明にかかる抵抗式湿度センサの第1の実施の形態について、図1及び図2を参照して説明する。なお、本実施の形態の抵抗式湿度センサは、以下に詳述するように、ケース開口部が支持基板の表面に近接して対向した状態で、ケースを支持部材によって支持するとともに、ケース内部において実装基板上に形成された一対の電極並びに感湿膜がケース開口部に面する状態で、実装基板を支持している。さらに、感湿膜に対してケース開口部が重力方向下方を向いた状態で、当該抵抗式湿度センサを設置している。これにより、当該抵抗式湿度センサ内部への水滴の浸入に起因する検出精度の低下を抑制し、さらには、車室外であってもこれを搭載することができるようにしている。
【0023】
図1は、本実施の形態の抵抗式湿度センサの全体構造を示す斜視図であり、図2は、同実施の形態の内部構造を示す断面図である。これら図1及び図2を併せ参照して、本実施の形態について説明する。
【0024】
図1に示されるように、本実施の形態の抵抗式湿度センサ1は、例えばABS樹脂からなる略直方体に形成された筐体40の内部に、同じく略直方体に形成されたケース30を収容して構成されている。また、この筐体40には、内部に空気を流通させるための開口である筐体開口部41が形成されている。
【0025】
詳しくは、図2に示されるように、抵抗式湿度センサ1は、基本的に、例えばアルミナからなる実装基板10、該実装基板10上の同一平面において、噛み合う状態で互いに離間して配される例えば酸化ルテニウムからなる櫛歯状の一対の電極21及び22、並びに、一対の電極21及び22とこれら電極間とを覆う状態で実装基板10上に形成される、例えばアミンポリマー系の材料からなる感湿膜23等々をケース30内部に収容して構成されている。なお、実装基板10、一対の電極21及び22、感湿膜23、並びにこれらを用いた抵抗式湿度センサの検出原理については、一対の電極21及び22並びに感湿膜23が実装基板10表面側に設けられるか裏面側に設けられるかの差異、より端的に言えば、ケース30内において、従来の抵抗式湿度センサの構造を反転させて支持した点を除き、先の図6を用いて示した従来の技術でも採用される一般的な抵抗式湿度センサに準じた構成及び原理となっている。これら構造及び原理については、背景技術の欄において既に説明したため、ここでの重複する説明を割愛する。
【0026】
ケース30は、その形成材料として、例えばポリプロピレンが用いられており、図1及び図2に示されるように、略直方体形状に形成されている。ただし、先の筐体40と同様に、ケース30の図2中下方の面には、内部に空気を流通させるための開口であるケース開口部31が形成されている。そしてこのケース開口部31には、図2に示されるように、例えばポリアミドが用いられて形成されるメッシュ32が配設されている。また、ケース30は、図2に示されるように、ケース開口部31が支持基板42の表面に近接して対向した状態で、支持部材43によって支持されている。この支持基板42には、図示を割愛するが、実際には、ケース30内に収容される一対の電極21及び22から取り出される電気信号を適宜に処理する処理回路が配設されている。また、支持部材43は、そうした処理回路とケース30内に収容される一対の電極21及び22とを電気的に接続するための配線等も配設されている。
【0027】
ところで、湿度センサは、当該センサを取り巻く空気(雰囲気)の湿度を検出するためのものである。そのため、感湿膜23は常に空気に触れている状態でなければならず、また、その空気は、外気と好適に交換されなければならない。すなわち、空気は、当該抵抗式湿度センサ1内外を好適に流通していなければならない。そのため、空気を流通させるべく、筐体40には筐体開口部41が、ケース30にはケース開口部31が、それぞれ形成されている。しかしながら、本実施の形態の抵抗式湿度センサ1は、例えば車両のワイパー装置やフォグランプの近傍など、車室外に配設されるため、そうした筐体開口部41及びケース開口部31は、検出対象とする空気を流通させるだけでなく、水滴を当該抵抗式湿度センサ1内部に浸入させてしまう。
【0028】
なお、当該抵抗式湿度センサ1内に水滴が浸入する、さらには、感湿膜23に水滴が付着するようなことがあると、課題の欄にも記載したように、感湿膜23は、水溶性であるため、その一部が付着した水滴に溶解し、感湿膜23の水滴に溶解した部分が当該抵抗式湿度センサ1の外部に流出してしまう。そうした場合にあっては、感湿膜23に水滴が付着しなかった場合に比べ、導体の体積が減少するため、感湿膜23のインピーダンスは全体的に大きくなる。したがって、実際には、感湿膜23の雰囲気の湿度に変化がなく、かつ、同一の温度であったとしても、感湿膜23の一部が流出した抵抗式湿度センサ1は、実際の相対湿度よりも小さな相対湿度を示してしまうこととなる。すなわち、抵抗式湿度センサ1内部への水滴の浸入に起因して、相対湿度の検出精度が低下する可能性がある。
【0029】
そこで、本実施の形態では、まず、図2に示されるように、ケース開口部31と支持基板42表面とが例えば所定間隔「h1」を隔てて対向するように支持部材43によってケース30を支持するとともに、ケース30内部において、実装基板10上に形成された一対の電極21及び22並びに感湿膜23がケース開口部31に対向するように、実装基板10を支持している。さらに、感湿膜23に対してケース開口部31が重力方向下方を向いた状態で、当該抵抗式湿度センサ1を設置している。
【0030】
ここで、この所定間隔「h1」とは、次の条件を満足する値のうちの最小値に設定されている。まず、風速が「0.6m/秒」、温度が「25℃」、相対湿度が「10%RH」である雰囲気中に、当該抵抗式湿度センサ1を「30分」以上、放置する。次に、「5秒」以内に、当該湿度センサの雰囲気の風速及び温度をそのまま維持し、相対湿度のみを「90%RH」に変更する。このように雰囲気の条件が変更されてから当該抵抗式湿度センサ1の出力が「60%RH」に達するまでの時間が「30秒」以内となる値の中で最も小さな値に、上記所定間隔「h1」は設定されている。このように、上記「30秒」以内という条件を満足することから、空気の流通性、ひいては、当該抵抗式湿度センサ1の応答性を担保することができるようになる。さらに、上記所定間隔「h1」を、上記条件を満足する値の中で最小値に設定することから、水滴がケース開口部31を介してケース30内に浸入することを可能な限り抑制することができるようになる。
【0031】
以上のように構成された抵抗式湿度センサ1にあって、例えば図1に矢指するように、筐体開口部41から空気が流入するとともに、筐体開口部41から水滴Xが浸入したとする。このとき、空気は、図2において例えば矢印A1〜A3にて矢指するように、ケース30と支持基板42との間隙を経てケース30内部に流入する。また、図2において例えば矢印A4〜A6にて矢指するように、ケース30と支持基板42との間隙を経てケース30外部へ流出することとなる。すなわち、空気は好適に流通している。
【0032】
一方、筐体40内部に浸入した水滴Xは、図2に示すように、ケース30と支持基板42との間隙には至らず、ケース30内部へ浸入しない。すなわち、水滴がケース30内部へ浸入することが好適に抑制されている。
【0033】
なお、上記第1の実施の形態は、例えば以下のような形態として実施することもできる。
【0034】
先の図2に対応する図として図3に示すように、感湿膜23上に、該感湿膜23の表面を覆うように、例えばセルロース系液剤を用いて、保護膜24を形成してもよい。これにより、たとえ筐体開口部41から筐体内に浸入した水滴Xがケース30内部に浸入したとしても、感湿膜23は保護膜24によって保護されているため、水滴Xが感湿膜23に直接付着することが抑制される。すなわち、感湿膜23に水滴Xが付着することが抑制されるため、当該抵抗式湿度センサ1a内部への水滴Xの浸入に起因する検出精度の低下を抑制することができるようになる。ひいては、車室外であっても、当該抵抗式湿度センサ1aを搭載することができるようにもなる。また、そうした保護膜24の形成材料はセルロース系液剤に限られず任意である。
【0035】
上記第1の実施の形態(変形例を含む)では、感湿膜23に対してケース開口部31が重力方向下方を向いた状態で、当該抵抗式湿度センサ1及び1aを設置していたが、これに限られない。
【0036】
上記第1の実施の形態(変形例を含む)では、ケース30内において、実装基板10の実装面がケース開口部31に面するように、この実装基板10を支持するようにしていたが、これに限られない。他にも、ケース30内において、実装基板10の実装面と反対の面がケース開口部31に面するように、この実装基板10を支持することとしてもよい。要は、上述した「30秒以内」なる条件が満足されている限り、ケース30内における実装基板の支持姿勢は任意である。
【0037】
(第2の実施の形態)
次に、本発明にかかる抵抗式湿度センサの第2の実施の形態について、図4(a)及び(b)を参照しつつ説明する。また、この図4において、先の図1〜図3に示した要素と同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示しており、それら各要素についての重複する説明は割愛する。
【0038】
図4(a)は、本実施の形態の全体構造を示す斜視図であり、図4(b)は、本実施の形態の内部構造を示す断面図である。この図4に示されるように、本実施の形態では、筐体開口部に、筐体外部から内部に向かって斜め上方に傾斜する空気流通路を形成するルーバーを配設するようにしている。これにより、当該抵抗式湿度センサ内部への水滴の浸入に起因する検出精度の低下を抑制し、さらには、車室外であってもこれを搭載できるようにしている。
【0039】
図4(a)に示されるように、本実施の形態の抵抗式湿度センサ1bは、例えばABS樹脂からなる略直方体に形成された筐体40bの内部に、同じく略直方体に形成されたケース30(図4(a)では図示略)を収容して構成されている。
【0040】
詳しくは、図4(b)に示されるように、抵抗式湿度センサ1bは、基本的に、先の図2に示した抵抗式湿度センサ1aに準じた構造となっている。すなわち、ケース開口部31が支持基板42表面と反対方向を向くように、換言すれば、図4(b)において重力方向上方に向けて開口するように支持部材43によって支持されている。さらに端的に言えば、先の図6に示した従来の抵抗式湿度センサに準じた構造となっている。また、ケース30内部において、実装基板10上に形成された一対の電極21及び22並びに感湿膜23がケース開口部31に面した状態で、実装基板10が支持されている。このように、ケース開口部31がケース30の重力方向上方に向けて形成されているため、空気がより好適に流通するようになる。
【0041】
しかしながら、空気がより好適に流通するようになるものの、筐体開口部41bから浸入した水滴Xがケース30内部に浸入しやすくなり、さらには、浸入した水滴Xが感湿膜23に付着することが懸念される。
【0042】
そこで、本実施の形態では、図4(a)及び(b)に示されるように、筐体40b内部に空気を流通させるための開口である筐体開口部41bに、ルーバー44が配設されている。詳しくは、ルーバー44は、図4(a)及び(b)に示されるように、複数(本実施の形態では5枚)の羽板44aを有して構成されている。羽板44aは、図4(b)に示されるように、支持基板42と略平行に、重力方向上方から下方にかけて、筐体開口部41bに配列されている。ただし、支持基板42と略平行とはいえ、羽板44aは、筐体40b内の斜め上方に向けて、また、筐体40b外の斜め下方に向けて、僅かに傾斜されている。これにより、筐体開口部41bから筐体40b内に水滴Xが浸入することがほとんどなくなり、たとえ筐体開口部41bから筐体40b内に水滴Xが浸入したとしても、図4(b)に示すように、筐体開口部41bの近傍に僅かに侵入するだけである。したがって、従来の抵抗式湿度センサに準じた構造としても、感湿膜23に水滴Xが付着することは十分に抑制されている。また、当該抵抗式湿度センサ1b内部への水滴Xの浸入に起因する検出精度の低下を抑制することができるようになり、ひいては、車室外であっても、当該抵抗式湿度センサ1bを搭載することができるようになる。なお、本実施の形態の抵抗式湿度センサ1bも、第1の実施の形態の説明において記載した、上記「30秒」以内という条件を満足している。
【0043】
以上のように構成された抵抗式湿度センサ1bにあって、例えば図4(a)に矢指するように、筐体開口部41bから空気が流入するとともに、筐体開口部41bから水滴Xが浸入したとする。このとき、空気は、図4(a)において例えば矢印C1〜C3にて矢指するように、ルーバー44を介して筐体40b内部に流入する。そして空気は、図4(b)において例えば矢印C4及びC5にて矢指するように、ケース開口部31を介してケース30内部に上方から流入する。また、空気は、図4(b)において矢印C6及びC7にて矢指するように、ケース開口部31を介してケース30内部の上方へ流出することとなる。すなわち、空気は好適に流通している。
【0044】
一方、水滴Xは、筐体40b内にほとんど浸入しない。たとえ筐体開口部41bから筐体40b内に水滴Xが浸入したとしても、図4(b)に示すように、また、上述したように、筐体開口部41bの近傍に僅かに侵入するだけである。
【0045】
(第3の実施の形態)
次に、本発明にかかる抵抗式湿度センサの第3の実施の形態について、図5(a)及び(b)を参照して、先の第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。また、これら図5(a)及び(b)において、先の図1〜図4に示した要素と同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示しており、それら各要素についての重複する説明は割愛する。
【0046】
図5(a)は、本実施の形態の全体構造を示す斜視図であり、図5(b)は、本実施の形態の内部構造を示す断面図である。図5(a)及び(b)に示されるように、本実施の形態の抵抗式湿度センサも、基本的には、先の第2の実施の形態に準じた構造となっている。ただし、以下に詳述するように、本実施の形態では、筐体開口部に、該筐体開口部の重力方向下方を閉塞する防水壁を配設するようにしている。これにより、当該抵抗式湿度センサ内部への水滴の浸入に起因する検出精度の低下を抑制し、さらには、車室外であってもこれを搭載できるようにしている。
【0047】
図5(a)及び(b)に示されるように、筐体40c内部に空気を流通させるための開口である筐体開口部41cに、防水壁45が配設されている。詳しくは、防水壁45は、図5(b)に示されるように、筐体開口部41cの近傍に、筐体40cの内壁の下面を基準として、重力方向上方に向けて所定高さ「h2」にて形成されている。ここで、この所定高さ「h2」とは、先の第1の実施の形態で説明した「30秒」という条件を満足する値のうちの最大値に設定されている。すなわち、まず、風速が「0.6m/秒」、温度が「25℃」、相対湿度が「10%RH」である雰囲気中に、当該抵抗式湿度センサ1を「30分」以上、放置する。次に、「5秒」以内に、当該湿度センサの雰囲気の風速及び温度をそのまま維持し、相対湿度のみを「90%RH」に変更する。このように雰囲気の条件が変更されてから当該抵抗式湿度センサ1cの出力が「60%RH」に達するまでの時間が「30秒」以内となる値の中で最も大きな値に、上記所定高さ「h2」は設定されている。これにより、筐体開口部41cから筐体40c内に水滴Xが浸入することはほとんどなくなり、たとえ筐体開口部41cから筐体40c内に水滴Xが浸入したとしても、図5(b)に示すように、筐体開口部41cの近傍に僅かに侵入するだけである。
【0048】
以上のように構成された抵抗式湿度センサ1cにあって、例えば図5(a)に矢指するように、筐体開口部41cから空気が流入するとともに、筐体開口部41cから水滴Xが浸入したとする。このとき、空気は、図5(a)において例えば矢印D1及びD2にて矢指するように、防水壁45によって開口面積の狭められた筐体開口部41cから筐体40c内部に流入する。そして空気は、図5(b)において例えば矢印D3及びD4にて矢指するように、ケース開口部31を介してケース30内部に上方から流入する。また、空気は、図5(b)において矢印D5及びD6にて矢指するように、ケース開口部31を介してケース30内部の上方へ流出することとなる。すなわち、空気は好適に流通している。
【0049】
一方、水滴Xは、筐体40c内にほとんど浸入しない。たとえ筐体開口部41cから筐体40c内に水滴Xが浸入したとしても、図5(b)に示すように、また、上述したように、筐体開口部41cの近傍に僅かに侵入するだけである。
【0050】
(他の実施の形態)
なお、本発明にかかる抵抗式湿度センサは、上記各実施の形態にて例示した構造に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施することもできる。
【0051】
上記第2あるいは第3の実施の形態においては、先の図4(b)あるいは図5(b)に示したように、図6に示した従来の抵抗式湿度センサに準じた構造の抵抗式湿度センサを、筐体40bあるいは40c内部に収容していたが、内部に収容する抵抗式湿度センサは、この構造に限られない。他にも、先の図2に示した上記第1の実施の形態あるいはその変形例として図3に示した構造の抵抗式湿度センサを、筐体40bあるいは40c内部に収容してもよい。
【0052】
上記各実施の形態(変形例を含む)において、ケース開口部31をメッシュ32を配設していたが、このメッシュ32の材料もポリアミドに限られず、材料は任意である。要は、ケース開口部31がメッシュ状に形成されていればよい。また、そうしたメッシュ32の配設や、ケース開口部31をメッシュ状に形成すること自体を割愛した構成としてもよい。
【0053】
上記各実施の形態(変形例を含む)では、当該抵抗式湿度センサ1〜1cを、車両のワイパーブレードやフォグランプの近傍に搭載することとしたが、搭載位置もこれに限られない。車室外であれ、車室内であれ、いずれにも搭載することができる。また、車両にも限られない。その他、電車や飛行機など、その適用範囲は広く、様々な移動体に搭載して有効である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明にかかる抵抗式湿度センサの第1の実施の形態について、全体構造を示す斜視図。
【図2】同第1の実施の形態の断面構造を示す断面図。
【図3】同第1の実施の形態の変形例の断面構造を示す断面図。
【図4】本発明にかかる抵抗式湿度センサの第2の実施の形態について、(a)は、その全体構造を示す斜視図。(b)は、その断面構造を示す断面図。
【図5】本発明にかかる抵抗式湿度センサの第3の実施の形態について、(a)は、その全体構造を示す斜視図。(b)は、その断面構造を示す断面図。
【図6】一般的な抵抗式湿度センサについて、(a)は、その平面構造を示す平面図。(b)は、その断面構造を示す断面図。
【図7】一般的な抵抗式湿度センサの等価回路図。
【図8】当該抵抗式湿度センサを取り巻く空気の相対湿度と感湿膜の交流インピーダンスとの関係を、空気温の別に、それぞれ示すグラフ。
【図9】(a)は、感湿膜に水滴が付着した状態を示す模式図。(b)は、付着した水滴に感湿膜が溶解した状態を示す模式図。(c)は、溶解した感湿膜の流出後の状態を示す模式図。
【符号の説明】
【0055】
1、1a、1b、1c、100…抵抗式湿度センサ、10…実装基板、21、22…電極、21a、22a…端子、23…感湿膜、23a…交流インピーダンス、24…保護膜、30…ケース、31…ケース開口部、32…メッシュ、40、40b、40c…筐体、41、41b、41c…筐体開口部、42…支持基板、43…支持部材、44…ルーバー、44a…羽板、45…防水壁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装基板と、
前記実装基板上の同一平面に離間して対向配置された一対の電極と、
前記一対の電極及び前記一対の電極間を覆うように前記実装基板上に形成され、湿度に応じてインピーダンスが変化する感湿膜と、
前記実装基板を内部に収容するとともに、内部に空気を流通させるための開口部であるケース開口部が一面に形成されているケースと、
前記実装基板が収容された前記ケースを支持部材によって支持する支持基板と、を備え、
前記湿度の変化を前記感湿膜のインピーダンスの変化として検出する抵抗式湿度センサであって、
前記ケースは、前記ケース開口部が前記支持基板の表面に対向した状態で、前記支持部材によって支持されていることを特徴とする抵抗式湿度センサ。
【請求項2】
前記感湿膜を覆うように保護膜が形成されている請求項1に記載の抵抗式湿度センサ。
【請求項3】
前記保護膜は、セルロース系液剤で形成されている請求項2に記載の抵抗式湿度センサ。
【請求項4】
前記実装基板は、前記ケース内部において、前記一対の電極及び前記感湿膜の形成された面が前記ケース開口部に面した状態で支持されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の抵抗式湿度センサ。
【請求項5】
前記感湿膜に対して前記ケース開口部が重力方向下方を向いた状態で、当該抵抗式湿度センサが設置される請求項4に記載の抵抗式湿度センサ。
【請求項6】
実装基板と、
前記実装基板上の同一平面に離間して対向配置された一対の電極と、
前記一対の電極及び前記一対の電極間を覆うように前記実装基板上に形成され、湿度に応じてインピーダンスが変化する感湿膜と、
前記実装基板を内部に収容するとともに、内部に空気を流通させるための開口部であるケース開口部が一面に形成されているケースと、
前記実装基板が収容された前記ケースを支持部材によって支持する支持基板と、
前記支持基板と前記ケースとを内部に収容するとともに、内部に空気を流通させるための開口部である筐体開口部が形成されている筐体と、を備え、
前記湿度の変化を前記感湿膜のインピーダンスの変化として検出する抵抗式湿度センサであって、
前記筐体開口部には、筐体外部から内部に向かって斜め上方に傾斜する空気流通路を形成するルーバーが配設されていることを特徴とする抵抗式湿度センサ。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の抵抗式湿度センサを内部に収容するとともに、内部に空気を流通させるための開口部である筐体開口部が形成されている筐体を備え、
前記筐体開口部には、当該筐体外部から内部に向かって斜め上方に傾斜する空気流通路を形成するルーバーが配設されていることを特徴とする抵抗式湿度センサ。
【請求項8】
実装基板と、
前記実装基板上の同一平面に離間して対向配置された一対の電極と、
前記一対の電極及び前記一対の電極間を覆うように前記実装基板上に形成され、湿度に応じてインピーダンスが変化する感湿膜と、
前記実装基板を内部に収容するとともに、内部に空気を流通させるための開口部であるケース開口部が一面に形成されているケースと、
前記実装基板が収容された前記ケースを支持部材によって支持する支持基板と、
前記支持基板と前記ケースとを内部に収容するとともに、内部に空気を流通させるための開口部である筐体開口部が形成されている筐体と、を備え、
前記湿度の変化を前記感湿膜のインピーダンスの変化として検出する抵抗式湿度センサであって、
前記筐体開口部には、当該開口部の下方部を閉塞する防水壁が配設されていることを特徴とする抵抗式湿度センサ。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の抵抗式湿度センサを内部に収容するとともに、内部に空気を流通させるための開口部である筐体開口部が形成されている筐体を備え、
前記筐体開口部には、当該開口部の下方部を閉塞する防水壁が配設されていることを特徴とする抵抗式湿度センサ。
【請求項10】
前記ケース開口部は、メッシュ状に形成されている請求項1〜9のいずれか一項に記載の抵抗式湿度センサ。
【請求項11】
当該抵抗式湿度センサは、車両において、車室外に配設され、車両周囲の湿度を検出するものである請求項1〜10のいずれか一項に記載の抵抗式湿度センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−64616(P2008−64616A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243032(P2006−243032)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】