説明

押出機システム用のフィルターユニットおよびこの種類のフィルターユニットを有する押出機システム用のフィルター構成と関連のふるい交換装置

【課題】押出機システム用のフィルターユニットおよびこの種類のフィルターユニットを有する押出機システム用のフィルター構成と関連のふるい交換装置を提供する。
【解決手段】押出機システム用のフィルタユニット(35)は、中空円筒状でありかつ内部(42)を限定する外側支持体(36)を有する。複数の外側貫通開口部(45)は内部(42)に開口する。外側フィルター要素(37)は、外側貫通開口部(45)の領域の支持体(36)に配置される。複数の内側貫通開口部(67、68)を有する内側支持体(38)は、内部(42)に配置される。内側フィルター要素(39)は、内側貫通開口部(67、68)の領域の内側支持体(38)に配置される。本発明によるフィルターユニット(35)を使用して、外側フィルター要素(37)および内側フィルター要素(39)の両方が対応するフィルター領域を提供するので、濾過されるべきプラスチック材料融液の低い差圧を達成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分(プリアンブル部分、所謂おいて書き部分)による押出機システム用のフィルターユニットに関する。さらに、本発明は、この種類のフィルターユニットを有する押出機システム用のフィルター構成とふるい交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック材料融液を均一に濾過するためのカートリッジフィルターと呼ばれるフィルター装置または複数のフィルターユニットを有するフィルター構成は、特許文献1(特許文献2に対応)から公知である。カートリッジフィルターは、各々の場合に、貫通開口部を有する支持体を有し、この支持体に、フィルター材料が貫通開口部の領域に適用される。フィルター材料は、例えば、ふるい織物、細孔を有する焼結金属または不織布である。濾過されるべきプラスチック材料融液は、フィルター材料と支持体の貫通開口部とを通してそれぞれのカートリッジフィルター内に流れ込み、このように濾過される。このフィルター装置および関連のカートリッジフィルターの不都合は、それらによってプラスチック材料融液の大きな圧力降下または差圧が引き起こされ、これによって、フィルター構成を通したプラスチック材料融液の処理量が制限されることである。
【0003】
外側支持体に配置された外側フィルター要素と、内側支持体に配置された内側フィルター要素とを有するフィルターユニットが特許文献3から公知である。しかし、このフィルターユニットは大きな圧力降下をなお引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第3617370A1号明細書
【特許文献2】米国特許第4849103号明細書
【特許文献3】国際公開第01/47687A2号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、プラスチック材料融液の差圧を容易に低減でき、かつ処理量を相応して増加することができるように、一般型のフィルターユニットを開発する目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有するフィルターユニットによって達成される。フィルターユニットは、プラスチック材料融液が、入口開口部を通して内側支持体の内部に妨げなしに流れ込むことを可能にする。複数の内側貫通開口部を有する内側支持体が外側支持体の内部に配置され、また別の内側フィルター要素が、内側貫通開口部の領域の内側支持体に配置されるので、フィルターユニットのフィルター領域が容易に相当増大され、この結果、従来技術と比較して、フィルターユニットにおけるプラスチック材料融液の差圧が低減される。したがって濾過されるべきプラスチック材料融液は、一方で、外側フィルター要素と外側支持体の外側貫通開口部とを通して、他方で、内側フィルター要素と内側支持体の内側貫通開口部とを通して流れる。差圧を低減することによって、フィルターユニットを通したより高い処理量および/またはフィルター要素のより長い動作寿命を達成することができる。フィルター要素は、一般に、例えばふるい織物または細孔を有する焼結金属体として構成される。内側フィルター要素を有する内側支持体は外側支持体の内部に配置されるので、本発明によるフィルターユニットは、従来技術と比較して設置空間の増大がなく、この結果、フィルターユニットを既存のフィルター構成およびふるい交換装置に使用することができる。
【0007】
フィルターユニットは、閉塞および/または摩耗の場合に、支持体およびこれに配置されたフィルター要素を容易に交換できるので、永続的に低い差圧を保証する。さらに、フィルターユニットは、閉塞および/または摩耗の場合に、支持体およびこれに配置されたフィルター要素の簡単な交換を保証する。
【0008】
請求項2に記載のフィルターユニットは、内側支持体が半径方向に外側支持体から均一に離間し、また濾過されたプラスチック材料融液が、支持体の間に形成された環状中間空間に流れ込み、再び流れ出ることができるので、差圧の均一な低減を保証する。
【0009】
請求項3に記載のフィルターユニットは、外側フィルター長さが最適化されるので、プラスチック材料融液の差圧の最適化を可能にする。
【0010】
請求項4に記載のフィルターユニットは、内側支持要素の直径または半径が、一方で、内側フィルター要素の大きなフィルター領域を可能にするが、他方で、濾過されたプラスチック材料融液が支持体の間の中間空間からよく流れ出ることができる程度に、支持体の間の半径方向の間隔が十分になお大きいので、プラスチック材料融液の低い差圧を保証する。
【0011】
請求項5に記載のフィルターユニットは、内側フィルター長さを増すことにより内側フィルター要素のフィルター領域を増大できるので、プラスチック材料融液の差圧の最適化を可能にする。
【0012】
請求項6に記載のフィルターユニットは、一方で、大きな内側フィルター長さを達成することができるが、他方で、濾過されたプラスチック材料融液が支持体の間の中間空間からよく流れ出ることができるので、プラスチック材料融液の差圧の最適化を可能にする。
【0013】
請求項7に記載のフィルターユニットは、外側フィルター要素の簡単かつ確実な締結を保証する。
【0014】
請求項8に記載のフィルターユニットは、プラスチック材料融液の流れ方向のそれぞれの関連の支持体の前に配置されるので、フィルター要素の確実、コンパクトおよび堅固な構成を保証する。
【0015】
請求項9に記載のフィルターユニットは、プラスチック材料融液が、内側支持体によって限定された入口開口部を通して妨げなしに内部に流れ込むことができ、内側フィルター要素を通してそこから流れることができるので、低い差圧を保証する。
【0016】
請求項10に記載のフィルターユニットは、内側フィルター要素の大きなフィルター領域を可能にする。
【0017】
請求項11に記載のフィルターユニットは、ポット状の構造のため内側フィルター要素が大きなフィルター領域を有するので、プラスチック材料融液の低い差圧を保証する。さらに、プラスチック材料融液が内側フィルター要素を通して軸方向に妨げなしに流れることができるので、プラスチック材料融液の低い差圧が達成される。
【0018】
請求項12に記載のフィルターユニットは、濾過されたプラスチック材料融液が外側支持体の内部からよく流れ出ることができ、フィルターキャリヤのキャリヤ貫通開口部を通して流れることができるので、プラスチック材料融液の低い差圧を保証する。
【0019】
請求項13に記載のフィルター構成は、プラスチック材料融液を濾過するために、多数の本発明によるフィルターユニットを使用できるので、プラスチック材料融液の低い差圧を保証する。従来技術による既存のフィルター構成は、フィルターキャリヤにおける本発明によるフィルターユニットの解放可能な構成のため、本発明によるフィルターユニットと共に後装着することができる。さらに、閉塞したおよび/または摩耗したフィルターユニットを容易に交換し、清掃することができる。
【0020】
請求項14に記載のフィルターユニットは、達成されるべき合計のフィルター領域およびプラスチック材料融液の当該領域に起因する差圧に関し、フィルターユニットの最適な構成である。
【0021】
請求項15に記載のふるい交換装置は、プラスチック材料融液の永続的に低い差圧により、押出機システムにおけるプラスチック材料融液の濾過を可能にする。この結果、押出機システムを通したプラスチック材料融液の処理量を最適化することができる。フィルター構成の一方の整備が必要である場合、整備された第2のフィルター構成が使用されるように摺動要素が従来の方法で変位されることによって、プラスチック材料融液の濾過を中断なしに継続することができる。
【0022】
本発明のさらなる特徴、利点および詳細は、実施形態の次の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】押出機と、プラスチック材料融液を濾過するための下流側のふるい交換装置とを有する押出機システムの概略図である。
【図2】図1に示した押出機の断面図である。
【図3】図1のふるい交換装置の斜視図である。
【図4】2つの離間したフィルター構成およびこれに配置されたフィルターユニットを有する図3のふるい交換装置の部分断面図である。
【図5】図4のフィルター構成の1つの軸方向概略平面図である。
【図6】関連のフィルター要素なしの図4のフィルターユニットの第1の斜視図である。
【図7】図6のフィルターユニットの第2の斜視図である。
【図8】関連のフィルター要素を含む図6のフィルターユニットの軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
プラスチック材料を加工するために、押出機システム1は、従来の方法で構成される2軸押出機2を有する。押出機2は、2つのウォーム軸3、3’を有する。これらは、ハウジング5の対応する孔4、4’に配置される。ウォーム軸3、3’は、近接して噛合して、同一の方向に回転するように構成される。ウォーム軸3、3’は、ハウジング5がフランジ接続される減速および配分ギアユニット7によって、電気モータ6によって駆動される。
【0025】
ギアユニット7に隣接して、言い換えれば、押出機2の上流側端部において、給送漏斗8がハウジング5に開口する。ハウジング5には、漏斗8の後の搬送方向9に加熱器10が設けられる。これに続き、搬送方向9に連続して、ハウジング5から開口する2つの脱気開口部11、12が設けられ、脱気開口部は各々の場合に真空ポンプ13、14に接続される。各々の脱気開口部11、12の前に、言い換えれば上流側に、ウォーム軸3、3’の搬送方向9に、搬送方向9に対抗して搬送するウォーム部の形態の堰止め機構15、16が設けられる。
【0026】
押出機1は、搬送方向9の下流側の押出機の端部において始動バルブ17に開口し、始動バルブの下流側に歯車ポンプ19が搬送方向9に配置される。歯車ポンプ19は、ふるい交換装置18に開口する。記載した構成要素は基部20に配置される。
【0027】
ふるい交換装置18はハウジング21を有し、このハウジングに、押出機2に生成されたプラスチック材料融液用の搬送方向9に延びる融液通路22が形成される。さらに、搬送方向9に対して横方向に延びかつ融液通路22を交差する案内孔23がハウジング21に形成される。プレート状の摺動要素24が案内孔23に配置され、摺動要素は、作動駆動部25によって搬送方向9に対して横方向に変位させることができる。作動駆動部25は、例えば油圧式または電気機械的であり、図3にのみ示されている。フィルター構成28、29が各々の場合に取り付けられる2つの連続的な受容開口部26、27は、摺動要素24に構成される。受容開口部26、27は、それぞれの他方のフィルター構成28、29が融液通路22に配置されるときに、フィルター構成28、29の一方が各々の場合にハウジング21の外側に配置されるように、搬送方向9に対して横方向に離間している。
【0028】
フィルター構成28、29は同一に構成されるので、フィルター構成28のみについて以下に詳細に説明する。フィルター構成28は、断面が円形のフィルターキャリヤ30を有し、キャリヤ中心長手方向軸線31は搬送方向9に延びる。キャリヤ中心長手方向軸線31の方向に延びる複数のキャリヤ貫通開口部32、33、34は、フィルターキャリヤ30に形成される。第1のキャリヤ貫通開口部32は、キャリヤ中心長手方向軸線31に対して同心に配置される。6個の第2のキャリヤ貫通開口部33の群は、第1の円Kに沿って配置され、第1の円はキャリヤ中心長手方向軸線31に対して同心に配置される。第2のキャリヤ貫通開口部33は、円Kに沿って均一に分布される。12個の第3のキャリヤ貫通開口部34の別の群は、第2の円Kに沿って配置され、第2の円はキャリヤ中心長手方向軸線31に対して同心に配置され、第1の円Kを取り囲む。第3のキャリヤ貫通開口部34は、円Kに沿って均一に分布される。
【0029】
フィルターユニット35は、各々の場合に、キャリヤ貫通開口部32、33、34の領域のフィルターキャリヤ30に解放可能に締結される。フィルターユニット35は、搬送方向9においてフィルターキャリヤ30の前に配置される。
【0030】
フィルターユニット35は同一に構成されるので、1つのみフィルターユニット35について以下に詳細に説明する。フィルターユニット35は、関連の外側フィルター要素37を有する外側支持体36と、関連の内側フィルター要素39を有する内側支持体38と、支持体36、38を接続するための締結リング40とを備える。外側支持体36は、中空円筒状であり、搬送方向9の方向に延びる中心長手方向軸線41を有する。外側支持体36は内部42を限定し、この内部に、第1の開口部43が支持体36の上流側において開口し、第2の開口部44が支持体36の下流側において開口する。さらに、外側支持体36に形成された多数の外側貫通開口部45は内部42に開口し、前記貫通開口部は、中心長手方向軸線41に対して半径方向に延び、外側支持体36の周辺にわたって均一に分布される。
【0031】
外側フィルター要素37は、同様に中空円筒状であり、外側支持体36の外側貫通開口部45の領域の内側支持体38から遠い側に位置する。下流側において、外側支持体36は、外側フィルター要素37の第1のストッパ46を形成するので、外側フィルター要素を第1のストッパ46まで外側支持体36に対して容易に押圧することができる。下流側において、外側支持体36は、搬送方向9においてストッパ46の下流側に配置される雄ねじ47をさらに有する。外側支持体36は、雄ねじ47によって関連の雌ねじ48内にねじ留めされ、雌ねじは、フィルターキャリヤ30のキャリヤ貫通開口部32、33、34の1つの領域に形成される。このように、フィルターユニット35はフィルターキャリヤ30に解放可能に配置される。
【0032】
内側支持体38は、締結リング40によって内部42に実質的に部分的に配置される。このため、外側支持体36は、第1の開口部43の領域の上流側に雌ねじ49を有する。締結リング40は、関連の雄ねじ50によってこの雌ねじ49に解放可能に締結される。雄ねじ50は、締結リング40の第1の環状部51に形成され、締結リングは、締結された状態で第1の開口部43を通して内部42に延在する。より大きな直径を有する第2の部分52は、締結リング40のねじ留め状態で外側支持体36に対して端面に位置し、第1の部分51に隣接する。第2の部分52は、外側支持体36にわたって半径方向に突出し、中心長手方向軸線41の方向に延びる環状突出部53を有するので、外側フィルター要素37が内部に延在する環状空間54が、突出部53と外側支持体36との間に形成される。第2の部分52は、軸方向の外側フィルター要素37用の第2のストッパ55を形成する。
【0033】
内側支持体38は、締結リング40または外側支持体36に解放可能に締結される。このため、直径が段付きであり、かつ第1の孔部57と、より大きい直径の第2の孔部58とを有する貫通孔56が、締結リング40に形成される。孔部58の領域に、締結リング40は、第3のストッパ60まで延在する雌ねじ59を有する。内側支持体38は、雄ねじ61によって雌ねじ59内にねじ留めされ、したがって、締結リング40に解放可能に接続される。
【0034】
内側支持体38は、中空円筒状の第1の壁部62と、これに配置された中空円筒状の第2の壁部63とを有し、第2の壁部は、第1の壁部62と比較してより小さな内径および外径を有する。第1の壁部62は、内側支持要素38の上流側に配置され、当該壁部の外側に雄ねじ61を有する。第1の壁部62は、支持体38の締結された状態で、ストッパ60に位置する。さらに、内側支持体38の上流側の第1の壁部62は、入口開口部64を形成し、この入口開口部を通して、プラスチック材料融液は内側支持体38によって限定された内部65に流れ込むことができる。入口開口部64の反対側に、言い換えれば、内側支持体38の下流側に、内側支持体は、中心長手方向軸線41に対して横方向に延びかつ第2の壁部63に接続される基部66を有する。
【0035】
内側支持体38は、中心長手方向軸線41に対して同心に配置され、第2の壁部63および基部66と共に外側支持体36の内部42に延在する。多数の内側貫通開口部67、68は、第2の壁部63および基部66に形成される。第2の壁部63に形成された貫通開口部67は、中心長手方向軸線41に対して半径方向に延び、これに対し、基部66に形成された貫通開口部68は、中心長手方向軸線41に対して平行に延びる。
【0036】
内側フィルター要素39は、フィルターインサートとして形成され、ポット状の形状を有する。内側フィルター要素39は、内側支持体38に従って、中空円筒状のフィルター壁部69とフィルター基部70とを有し、これらは、内側フィルター要素39の下流側において互いに接続される。フィルター基部70に対向するフィルター要素39の端部において、フィルター基部はフィルター入口開口部71を形成する。フィルター壁部69は、フィルター入口開口部71の領域で、上に配置された強化リング72によって強化される。挿入された状態で、内側フィルター要素39は、内側支持体38に支えられ、強化リング72は、壁部63によって形成された内側支持体38のストッパ73に支えられる。したがって、内側フィルター要素39は、外側支持体36から遠い内側支持体38の側に配置される。したがって、内側フィルター要素39は、内側貫通開口部67、68の領域の内側支持体38に位置する。
【0037】
フィルター要素37、39は、従来の方法で、例えばふるい織物または細孔を有する焼結金属体として構成される。フィルター要素37、39は、濾過されるべきプラスチック材料融液に応じて、特定のふるいメッシュ寸法または細孔寸法を有することが可能である。
【0038】
内側支持体38は、半径方向に外側支持体36から間隔aを有し、この間隔aに対し、中心長手方向軸線41から外側支持体36の半径方向間隔Aに基づいて、0.2≦a/A≦0.8、特に0.3≦a/A≦0.7および特に0.4≦a/A≦0.6が適用される。
【0039】
さらに、中心長手方向軸線41の方向の外側貫通開口部45は、外側フィルター長さFを規定し、内側貫通開口部67は、対応して、内側フィルター長さFを規定し、この場合、F/F≧0.5、特にF/F≧0.6および特にF/F≧0.7が適用される。さらに、F/F≦1.0、特にF/F≦0.9および特にF/F≦0.8が適用される。基部66は、特に、内部42の外側貫通開口部45の領域に配置される。
【0040】
加工されるべきプラスチック材料は、漏斗8を通して押出機2に導入され、そこで溶融される。押出機2を離れるプラスチック材料融液は、始動バルブ17を通して流れ、さらに歯車ポンプ19によって運搬され、次にふるい交換装置18に到着し、ここで、プラスチック材料融液内の不純物が濾過される。
【0041】
ふるい交換装置18では、プラスチック材料融液は、融液通路22に配置されたフィルター構成28または29を通して流れる。このように、プラスチック材料融液は、各々のフィルターユニット35において、一方で、第1の融液流れ方向74に、外側フィルター要素37と外側支持体36の貫通開口部45とを通して内部42に通過し、このように濾過される。他方、プラスチック材料融液は、フィルター入口開口部71を通して内部65に通過し、そこから第2の融液流れ方向75に、内側フィルター要素39と内側支持体38の貫通開口部67、68とを通して流れ、このように濾過される。外側フィルター要素37および内側フィルター要素39の両方はフィルター領域を設けるので、フィルター構成28または29は、プラスチック材料融液の比較的低い差圧Δp=p−pを生じるに過ぎない。ここで、pは、フィルター構成28、29の前のプラスチック材料融液の圧力であり、pは、フィルター構成28または29の後のプラスチック材料融液の圧力である。さらに、フィルター構成28または29は、したがって比較的低い差圧Δpを生じるが、この理由は、プラスチック材料融液がフィルター入口開口部71を通して内部65に流れ込み、そこから、一方で、半径方向の融液流れ方向75にフィルター壁部69を通して、また軸方向の融液流れ方向75に内側フィルター要素39および内側支持体38のフィルター基部70を通して流れ、したがって、低い流れ抵抗が達成されるからである。内側支持体38は、このため、一方で、内側フィルター要素39のフィルター領域が十分に大きく、他方で、支持体36、38の間に形成された中間空間が、プラスチック材料融液の流出が損なわれるほどに小さくないように、外側支持体36に対する直径を有する。したがって、プラスチック材料融液に対する応力を低減することができおよび/またはより高い処理量を達成することができる。より低い差圧のため、フィルター要素37、39の動作寿命をさらに延ばすことができる。
【0042】
フィルターユニット35を完全に分解することができるので、フィルターユニット35を簡単に保守することができる。したがって、フィルター構成28、29の一方の保守が必要であるとき、ふるい交換装置18によってフィルター構成28、29の他方を使用でき、保守すべきフィルター構成28、29が保守のために利用可能であるので、押出機システム1の操作を中断する必要はない。
【符号の説明】
【0043】
1 押出機システム
2 2軸押出機
3、3’ 2つのウォーム軸
4、4’ 孔
5 ハウジング
6 電気モータ
7 配分ギアユニット
8 給送漏斗
9 搬送方向
10 加熱器
11、12 脱気開口部
13、14 真空ポンプ
15、16 堰止め機構
17 始動バルブ
18 ふるい交換装置
19 歯車ポンプ
20 基部
21 ハウジング
22 融液通路
23 案内孔
24 摺動要素
25 作動駆動部
26、27 受容開口部
28、29 フィルター構成
30 フィルターキャリヤ
31 キャリヤ中心長手方向軸線
32、33、34 キャリヤ貫通開口部
35 フィルターユニット
36 外側支持体
37 外側フィルター要素
38 内側支持体
39 内側フィルター要素
40 締結リング
41 中心長手方向軸線
42 内部
43 第1の開口部
44 第2の開口部
45 多数の外側貫通開口部
46 第1のストッパ
47 雄ねじ
48 雌ねじ
49 雌ねじ
50 雄ねじ
51 第1の環状部
52 第2の部分
53 環状突出部
54 環状空間
55 第2のストッパ
56 貫通孔
57 第1の孔部
58 第2の孔部
59 雌ねじ
60 第3のストッパ
61 雄ねじ
62 第1の壁部
63 第2の壁部
64 入口開口部
65 内部
66 基部
67、68 内側貫通開口部
69 フィルター壁部
70 フィルター基部
71 フィルター入口開口部
72 強化リング
73 ストッパ
74 第1の融液流れ方向
75 第2の融液流れ方向
a 間隔
A 半径方向間隔
外側フィルター長さ
内側フィルター長さ
第1の円
第2の円
プラスチック材料融液の圧力
プラスチック材料融液の圧力
ΔP 差圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出機システム用のフィルターユニットであって、外側支持体(36)と外側フィルター要素(37)と内側支持体(38)と内側フィルター要素(39)とを有し、
前記外側支持体(36)が中空円筒状であり、中心長手方向軸線(41)を有し、内部(42)を限定し、かつ前記内部に開口する複数の外側貫通開口部(45)を有しており、
前記外側フィルター要素(37)が前記外側貫通開口部(45)の領域にて前記外側支持体(36)に配置されており、
前記内側支持体(38)が、前記内部(42)に配置された複数の内側貫通開口部(67、68)を備えており、
前記内側フィルター要素(39)が前記内側貫通開口部(67、68)の領域にて前記内側支持体(38)に配置されている、
フィルターユニットにおいて、
前記内側支持体(38)が、前記外側支持体(36)に解放可能に締結される締結リング(40)に解放可能に締結され、前記内側支持体(38)が、雄ねじ(61)によって前記締結リング(40)の雌ねじ(59)内にねじ留めされることを特徴とするフィルターユニット。
【請求項2】
前記外側支持体(36)および前記内側支持体(38)が、前記中心長手方向軸線(41)に対して同心に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のフィルターユニット。
【請求項3】
前記外側支持体(36)が雌ねじ(49)を有し、前記締結リング(40)が、付随する雄ねじ(50)によって前記雌ねじ(49)に解放可能に締結されることを特徴とする、請求項1または2に記載のフィルターユニット。
【請求項4】
前記内側支持体(38)と前記外側支持体(36)との間の半径方向間隔aに関し、前記中心長手方向軸線(41)からの外側支持体(36)の半径方向間隔Aに基づいて、0.2≦a/A≦0.8、特に0.3≦a/A≦0.7および特に0.4≦a/A≦0.6が適用されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルターユニット。
【請求項5】
前記中心長手方向軸線(41)の方向の前記外側貫通開口部(45)が、外側フィルター長さFを規定し、前記中心長手方向軸線(41)の方向の前記内側貫通開口部(67)が、内側フィルター長さFを規定し、F/F≧0.5、特にF/F≧0.6および特にF/F≧0.7が適用されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルターユニット。
【請求項6】
前記中心長手方向軸線(41)の方向の前記外側貫通開口部(45)が、外側フィルター長さFを規定し、前記中心長手方向軸線(41)の方向の前記内側貫通開口部(67)が、内側フィルター長さFを規定し、F/F≦1.0、特にF/F≦0.9および特にF/F≦0.8が適用されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルターユニット。
【請求項7】
前記中心長手方向軸線(41)の方向の前記締結リング(40)が、前記外側フィルター要素(37)用のストッパ(55)を形成することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルターユニット。
【請求項8】
前記外側フィルター要素(37)が、前記内側支持体(38)から遠い前記外側支持体(36)の側に配置され、前記内側フィルター要素(39)が、前記外側支持体(36)から遠い前記内側支持体(38)の側に配置されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィルターユニット。
【請求項9】
前記内側支持体(38)が、少なくとも1つの中空円筒状壁部(62、63)と、前記中空円筒状壁部に接続された基部(66)とを有し、前記基部(66)と反対側の前記少なくとも1つの壁部(62、63)が、入口開口部(64)を形成することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のフィルターユニット。
【請求項10】
前記内側貫通開口部(67、68)が、前記壁部(63)および前記基部(66)に形成されることを特徴とする、請求項9に記載のフィルターユニット。
【請求項11】
前記内側フィルター要素(39)がポット状であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のフィルターユニット。
【請求項12】
前記基部(66)が、前記内部(42)における前記外側貫通開口部(45)の領域に配置されることを特徴とする、請求項9または10に記載のフィルターユニット。
【請求項13】
押出機システム用のフィルター構成であって、キャリヤ中心長手方向軸線(31)と、前記キャリヤ中心長手方向軸線(31)の方向に延びる複数のキャリヤ貫通開口部(32、33、34)とを有するフィルターキャリヤ(30)を備えるフィルター構成において、
請求項1〜12のいずれか一項に記載のフィルターユニット(35)が、夫々、前記キャリヤ貫通開口部(32、33、34)の領域の前記フィルターキャリヤ(30)に解放可能に締結されることを特徴とするフィルター構成。
【請求項14】
第1のキャリヤ貫通開口部(32)が、前記キャリヤ中心長手方向軸線(31)に対して同心に配置され、少なくとも6個の第2のキャリヤ貫通開口部(33)が、前記キャリヤ中心長手方向軸線(31)に対して同心に配置される第1の円(K)に沿って配置され、少なくとも12個の第3のキャリヤ貫通開口部(34)が、第2の円(K)に沿って配置され、前記第2の円が、前記キャリヤ中心長手方向軸線(31)に対して同心に配置され、かつ前記第1の円(K)を取り囲むことを特徴とする、請求項13に記載のフィルター構成。
【請求項15】
押出機システム用のふるい交換装置であって、ハウジング(21)と、前記ハウジング(21)に延びる融液通路(22)と、前記ハウジング(21)内で前記融液通路(22)に対して横方向にかつ前記融液通路を通って延びる案内孔(23)と、前記案内孔(23)に配置された摺動要素(24)と、前記摺動要素(24)に離間して取り付けられた2つのフィルター構成(28、29)とを備えるふるい交換装置にして、各々のフィルター構成(28、29)が、キャリヤ中心長手方向軸線(31)を備えるフィルターキャリヤ(30)と、前記キャリヤ中心長手方向軸線(31)の方向に延びる複数のキャリヤ貫通開口部(32、33、34)とを有する、ふるい交換装置において、
請求項1〜12のいずれか一項に記載のフィルターユニット(35)が、夫々、前記キャリヤ貫通開口部(32、33、34)の領域にて付随するフィルターキャリヤ(30)に解放可能に締結されることを特徴とするふるい交換装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−22962(P2013−22962A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160334(P2012−160334)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【出願人】(501164665)コペリオン ゲーエムベーハー (20)
【Fターム(参考)】