拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体を含むエネルギ貯蔵システム
拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体は、内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、拡張可能なアキュムレータとを備える。拡張可能なアキュムレータは、内側層、および内側層を少なくとも部分的に囲む外側層を含む。内側層は、外側層よりも高い破断歪みを含む。アキュムレータは、リザーバ内に少なくとも部分的に配置されると共に内部室内に収容された作動流体に少なくとも部分的に浸される。アキュムレータは、リザーバと作動流体を交換するように構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、車両用のハイブリッド駆動システムに関し、より詳細には車両用のハイブリッド液圧式駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]典型的な車両のハイブリッド液圧式駆動システムは、従来の車両駆動システムから動力を吸収し、従来の車両駆動システムに動力を加え、または従来の車両駆動システムを助けるために可逆ポンプ/電動機を使用する。このシステムは、低圧リザーバから液圧エネルギ貯蔵システムに作動油を汲み出すことによって動力を吸収する。典型的には、この液圧エネルギ貯蔵システムは、1つまたは複数の窒素チャージ液圧アキュムレータを備える。典型的には、ハイブリッド液圧式駆動システムは、可逆ポンプ/電動機を電動機として駆動するために液圧アキュムレータ内に貯蔵された液圧エネルギを利用することによって従来の車両の駆動システムに動力を加える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]一態様では、本発明は、内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、リザーバ内に少なくとも部分的に配置されると共に内部室内に収容された作動流体に少なくとも部分的に浸される拡張可能なアキュムレータとを備える拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体を提供する。アキュムレータは、リザーバと作動流体を交換するように構成される。
【0004】
[0004]別の態様では、本発明は、内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、リザーバに流体連通する可逆ポンプ/電動機と、リザーバ内に少なくとも部分的に配置されると共に内部室内に収容された作動流体に少なくとも部分的に浸される拡張可能なアキュムレータとを備えるエネルギ貯蔵システムを提供する。アキュムレータは作動流体を含み、電動機として動作するときに加圧作動流体を可逆ポンプ/電動機に送達するため、およびポンプとして動作するときに可逆ポンプ/電動機によって排出される加圧作動流体を受け取るために可逆ポンプ/電動機に選択的に流体連通する。
【0005】
[0005]さらに別の態様では、本発明は、エネルギ貯蔵システムを動作させる方法を提供する。この方法は、内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバを用意するステップと、内部室内に拡張可能なアキュムレータを少なくとも部分的に配置するステップと、内部室内に収容された作動流体に拡張可能なアキュムレータを少なくとも部分的に浸すステップと、電動機として動作するときに可逆ポンプ/電動機を用いてリザーバへ作動流体を戻すステップと、可逆ポンプ/電動機がポンプとして動作しているときにリザーバから作動流体を引き出すステップとを含む。
【0006】
[0006]別の態様では、本発明は、内部空間を画定する内側層と、内側層を少なくとも部分的に囲む外側層とを有する本体を含む拡張可能なアキュムレータを提供する。アキュムレータは、内部空間に流体連通する入口/出口ポートも含む。内側層は、外側層よりも高い破断歪みを含む。
【0007】
[0007]さらに別の態様では、本発明は、内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、拡張可能なアキュムレータとを備える拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体を提供する。この拡張可能なアキュムレータは、内側層、およびこの内側層を少なくとも部分的に囲む外側層を備える。内側層は、外側層よりも高い破断歪みを含む。アキュムレータは、リザーバ内に少なくとも部分的に配置されると共に内部室内に収容された作動流体に少なくとも部分的に浸される。アキュムレータは、リザーバと作動流体を交換するように構成される。
【0008】
[0008]別の態様では、本発明は、中心軸、および内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、中心軸と同軸であり、リザーバ内に少なくとも部分的に配置され、内部室内に収容された作動流体に少なくとも部分的に浸される拡張可能なアキュムレータとを備える拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体を提供する。アキュムレータは、リザーバと作動流体を交換するように構成される。組立体は、リザーバと同軸であり、アキュムレータの少なくとも長さにわたって延在する支持体も含む。支持体は、リザーバから加圧作動流体を受け取るとアキュムレータの拡大を制限するようにアキュムレータの外周と係合可能である。
【0009】
[0009]さらに別の態様では、本発明は、内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、リザーバ内に少なくとも部分的に配置され、内部室内に収容された作動流体に少なくとも部分的に浸される単一の拡張可能なアキュムレータとを備える拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体を提供する。アキュムレータは、リザーバと作動流体を交換するように構成される。リザーバは、内部容積を含み、アキュムレータは、アキュムレータ内の作動流体の量に応じてリザーバの内部容積の約40%乃至約70%を占める。
【0010】
[0010]本発明の他の特徴および態様は、以下の詳細な説明および添付図面を検討することによって明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】[0011]リザーバと、リザーバ内に配置される拡張可能なアキュムレータとを示す本発明のエネルギ貯蔵システムの第1の構成の概略図である。
【図2】[0012]ポンプとして動作するときに可逆ポンプ/電動機からの加圧作動流体の受け取りに応じて広げられた構成にあるアキュムレータを示す図1のエネルギ貯蔵システムの概略図である。
【図3】[0013]リザーバおよびリザーバ内に配置される複数のアキュムレータを示す本発明のエネルギ貯蔵システムの第2の構成の概略図である。
【図4】[0014]図1乃至図3の拡張可能なアキュムレータに使用できる多層袋の断面図である。
【図5】[0015]図1乃至図3の拡張可能なアキュムレータに使用できる多層チューブまたは袋の断面図である。
【図6】[0016]非円形の内面を有する図1乃至図3の拡張可能なアキュムレータに使用できるチューブまたは袋の断面図である。
【図7】[0017]リザーバおよび拡張可能なアキュムレータの組立体の斜視図である。
【図8】[0018]拡張可能なアキュムレータのいくつかの構成を示す図7の組立体の分解斜視図である。
【図9】[0019]広げられていない状態にあるアキュムレータを示す線9−9に沿った図7の組立体の断面図である。
【図10】[0020]部分的に広げられた状態にあるアキュムレータを示す図9の組立体の断面図である。
【図11】[0021]完全に広げられた状態にあるアキュムレータを示す図9の組立体の断面図である。
【図12】[0022]広げられていない状態にある袋を示す、アキュムレータが多層袋として構成された図7の組立体の断面図である。
【図13】[0023]部分的に広げられた状態にある袋を示す図12の組立体の断面図である。
【図14】[0024]完全に広げられた状態にある袋を示す図12の組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0025]本発明の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本発明は、本出願における以下の説明に記載または以下の図面に例示された構成の詳細および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実行および実施することができる。また、本明細書に使用される表現および述語は、説明のためのものであり、限定とみなされるべきではないことを理解されたい。
【0013】
[0026]図1は、ハイブリッド車のためのエネルギ貯蔵システム10を示す。しかし、システム10は、他の応用例(例えば、自動車または産業用液圧用途など)に利用されてもよい。具体的には、システム10は、アキュムレータおよびリザーバの組立体14と、この組立体14に動作可能に連結された可逆ポンプ/電動機18とを備える並列液圧式回生駆動システム10として構成される。代替として、システム10は、ポンプ/電動機18が車両の車輪または駆動軸に直接連結される直列液圧式回生駆動システムとして構成されてもよい。さらなる代替形態として、システム10は、2つ以上のポンプ/電動機18を備えてもよい。
【0014】
[0027]組立体14は、リザーバ22と、ポンプ/電動機18を介してリザーバ22に選択的に流体連通するアキュムレータ26とを備える。可逆ポンプ/電動機18は、可変容量形軸方向ピストン斜板設計ポンプ/電動機18、例えば、Bosch Rexrothモデル番号A4VSO可変容量形軸方向ピストン可逆ポンプ/電動機18として構成される。代替として、可変容量形ではなく定容量形を有する可逆ポンプ/電動機18が構成されてもよい。可逆ポンプ/電動機18は、回転シャフト30(例えば、エンジンの出力シャフト、エンジンの補機駆動システム、変速機と軸組立体、車輪または駆動軸などの間の駆動シャフト)に駆動可能に連結される。以下により詳細に説明されるように、ポンプ/電動機18は、電動機として動作するときに回転シャフト30に動力を伝達し、ポンプ/電動機18は、ポンプとして動作するときに回転シャフト30によって駆動される。
【0015】
[0028]引き続き図1を参照すると、リザーバ22は、作動流体(例えば、作動油)を収容し、流体通路34によって可逆ポンプ/電動機18に流体連通する。熱交換器および/または作動流体フィルタ(図示せず)が、作動流体の冷却および濾過を助けるために流体通路34内に置かれてもよい。可逆ポンプ/電動機18は、ポンプとして動作するときにリザーバ22から流体通路34を介して(図2中の矢印Aの方向に)低圧作動流体を引き出すようにリザーバ22に流体連通する。可逆ポンプ/電動機18は、電動機として動作するときに、流体通路34を介してリザーバ22へ(図1中の矢印Bの方向に)低圧作動流体を戻すようにやはりリザーバ22に流体連通する。
【0016】
[0029]可逆ポンプ/電動機18は、ポンプとして動作するときにアキュムレータ26へ(図2中の矢印Aの方向に)加圧作動流体を送達するように流体通路42を介してアキュムレータ26に流体連通する。可逆ポンプ/電動機18は、電動機として動作するときにアキュムレータ26から(図1中の矢印Bの方向に)加圧作動流体を受け取るように流体通路42を介してやはりアキュムレータ26に流体連通する。隔離弁46が、流体通路42内に置かれ、閉じられた構成にあるときに通路42を通じての作動流体の流れを阻止し、開放構成にあるときに通路42を通じての作動流体の流れを可能にする。
【0017】
[0030]引き続き図1を参照すると、リザーバ22は、作動流が収容される内部室50を画定する。エネルギ貯蔵システム10の例示された構成では、アキュムレータ26は、リザーバ22内に配置され、内部室50内に収容された作動流体に少なくとも部分的に浸される。代替として、アキュムレータ26は、図1中のアキュムレータ26の位置に比べてアキュムレータ26がそれほど作動流体に浸されないように、リザーバ22内に少なくとも部分的に配置されるに過ぎなくてもよい。また、エネルギ貯蔵システム10の例示された構成では、アキュムレータ26は、アキュムレータ26をリザーバ22に取り付けるのを助けるためのつば54を備える。いくつかの異なる構造要素(例えば、締結具など)、処理(例えば、溶接、接着など)、または構造要素と処理の組み合わせのいずれかが、つば54を固定、したがってアキュムレータ26をリザーバ22に固定するために用いられてもよい。
【0018】
[0031]引き続き図1を参照すると、リザーバ22は、流体通路34に流体連通する単一の低圧入口/出口ポート58を備え、作動流体は、この低圧入口/出口ポート58を通過してリザーバ22に出入りする。同様に、アキュムレータ26は、流体通路42に流体連通する単一の高圧入口/出口ポート62を備え、作動流体は、この高圧入口/出口ポート62を通過してアキュムレータ26に出入りする。代替として、リザーバ22は、2つ以上の低圧入口/出口ポート58を備えてもよい。リザーバのそのような構成では、複数の低圧入口/出口ポート58が、それぞれの流体通路34と対にされてもよい。
【0019】
[0032]システム10の例示された構成では、リザーバ22は、実質的に気密であり(すなわち、「閉じられて」おり)、リザーバ22内の空気を大気圧(例えば、ゲージ圧0Pa(0psi gauge))または大気圧より高い圧力に維持することができる。代替として、リザーバ22は、大気に開放していてもよく、空気と大気の交換を可能にするための通気口を備えてもよい。リザーバ22の内部室50は、作動流体上方にアキュムレータ26を囲む空隙66を備える。前述のように、空隙66は、大気圧または大気圧より高い圧力で空気を含むことができる。リザーバ22の加圧(すなわち、空隙66内の空気を大気圧より高い圧力で与えること)は、ポンプ/電動機18の入口(およびリザーバ22の入口/出口ポート58)での作動流体の圧力が、ポンプとして動作するときにポンプ/電動機18の空所発生を実質的に防ぐのに十分な水準で維持されることを実質的に確実にする。
【0020】
[0033]システム10の例示された構成では、リザーバ22は、ほぼ円筒形を有するものとして概略的に例示する。しかし、リザーバ22は、リザーバ22が内部に設置されるハイブリッド車の構造に適合するためのいくつかの異なる形状のいずれかを有するように構成されてもよい。加えて、リザーバ22は、いくつかの異なる材料(例えば、金属、プラスチック、複合材料など)のいずれかから作製することができる。また、システム10の例示された構成では、リザーバ22は、垂直の向きに概略的に示す。しかし、リザーバ22は、システム10を組み込むハイブリッド車内にいくつかの異なる向きのいずれかで配置することができる。例えば、リザーバ22は、車両内で直立(すなわち、垂直)に向けられてもよく、平ら(すなわち、水平)に置かれてもよく、またはリザーバ22の水平向きとリザーバ22の垂直向きとの間の任意の角度で傾けて配置されてもよい。
【0021】
[0034]引き続き図1を参照すると、アキュムレータ26は、アキュムレータ26内に収容された作動流体の量に応じてアキュムレータ26の内部容積または空間が変更可能である拡張可能なアキュムレータ26として構成される。システム10の例示された構成では、アキュムレータ26は、対向した端部74、78を有する拡張可能なチューブ70と、端部74、78の間の内部空間82とを備える。入口/出口ポート62は、(図1に見られるように)チューブ70の上端部74に配置され、クランプ86が、入口/出口ポート62をチューブ70に連結する。クランプ86は、上端部74と入口/出口ポート62との間の作動流体の漏れを実質的に防ぐための封止としても機能する。1つまたは複数の封止(例えば、Oリング、パッキンなど)を利用して、クランプ86を入口/出口ポート62に、およびクランプ86をチューブ70の上端部74に封止することもできる。チューブ70の下端部78を閉じ、下端部78を介してのアキュムレータ26とリザーバ22との間の作動流体の交換を防ぐために、別のクランプ90が、(図1に見られるように)チューブ70の下端部78に連結される。1つまたは複数の封止(例えば、Oリング、パッキンなど)を利用してクランプ90をチューブ70の下端部78に封止することができる。代替として、単一の開放端(すなわち、入口/出口ポート62に隣接した端部)だけを有する袋118が、チューブ70(図4)の代わりに、アキュムレータ26と共に使用されてもよい。
【0022】
[0035]図1を参照すると、アキュムレータ26は、クランプ90に連結されると共にチューブ70の内部空間82に流体連通する脱気弁94を備えてもよい。そのような脱気弁94(例えば、ばね付勢ボール弁)は、アキュムレータ26が加圧されないときにアキュムレータ26からリザーバ22へ同伴空気の放出を可能にするために開放構成を担い、同伴空気は、作動流体を通って空隙66へ上昇することが可能にされる。次いで、脱気弁94は、アキュムレータ26が加圧されるときにアキュムレータ26内の加圧作動流体がリザーバ22に漏れることを防ぐために閉じられた構成を担う。
【0023】
[0036]引き続き図1を参照すると、アキュムレータ26は、加圧作動流体がリザーバ22からアキュムレータ26へ移送されるときにチューブ70が広がり得る範囲を制限するために、チューブ70の外周と係合可能である複数の支持体98を備える。別個の支持体98「スムース・フォーマ(smooth formers)」が、例示されたアキュムレータ26と共に示すが、代替として、単一のかごが、チューブ70の外周の周りに配置されると共に、チューブ70が広がり得る所望の範囲に対応する特定の距離だけチューブ70の外周から間隔をおいて配置されてもよい。そのようなかごは、(例えば、図2に示すアキュムレータ26の広げられた形状まで)アキュムレータ26の広げられた形状を画定および制限するように成形することもできる。
【0024】
[0037]拡張可能なチューブ70または袋は、可逆ポンプ/電動機18がポンプとして動作しているときにアキュムレータ26に送り込まれる加圧作動流体に応じてチューブ70の変形を助けるために、エラストマー材料(例えば、ポリウレタン、天然ゴム、ポリイソプレン、フッ素重合体エラストマー、ニトリルなど)から作製される。具体的には、図2に示すように、チューブ70の中間部分の外径に対応する半径方向寸法Dは、アキュムレータ26を満たすおよびアキュムレータ26から出る加圧作動流体に応じて変わる。しかし、各端部74、78に隣接したチューブ70の外径は、それぞれのクランプ86、90によってほぼ一定に維持される。半径方向寸法Dが、伸ばされていないまたは変形されていないチューブ70(図1参照)に対応する値から増加するにつれて、アキュムレータ26は、圧縮力をチューブ70内の作動流体に及ぼすように動作可能である。言い換えれば、アキュムレータ26に入る加圧作動流体は、図2に示す形状までチューブ70を伸ばすまたは広げるようにチューブ70に作用を実行する。このエネルギが、分子レベルでチューブ70内に貯蔵され、チューブ70が受ける歪みの量に比例する。
【0025】
[0038]出願人は、一様なチューブ70(すなわち、強化用繊維のない単層だけを有するチューブ70)の内部が加圧されるときに、チューブ70内に貯蔵された歪みエネルギの大部分が、チューブ70の内面の近くに集中することを、試験を通じて発見している。出願人は、チューブ70の厚さに沿った半径方向位置を増大させるにつれて、チューブ70内に貯蔵された歪みエネルギの集中が減少することも発見している。言い換えれば、チューブ70の外面近傍の材料は、チューブ70の内面近傍の材料ほど歪みエネルギの貯蔵に寄与しない。チューブ70の厚さに沿った歪みエネルギの分布の均一性を増加させるために、チューブの最内層が最外層よりも高い破断歪み(すなわち、引張試験中に破断が生じる歪み)を含むと共に、最外層が最内層よりも高い剛性を含む多層構成が、使用され得る。そのような多層チューブは、チューブの厚さに沿って歪みエネルギをより効率的に貯蔵することができるので、チューブが取扱うことができる最大内圧も、単層チューブ70に比べて増加させられる。
【0026】
[0039]図4に示すように、袋118は、作動流体が収容される内部空間126を画定する内側層122と、内側層122を囲む外側層130とを含む。同じ構成が、対向した開放端部を有するチューブとして実現されてもよいことも理解されたい。袋118が、アキュムレータと共に使用され、アキュムレータ26が作動流体内に浸されるときに、外側層130は、リザーバ22内の作動流体と接触する。内側層122は、外側層130よりも高い破断歪みを含み、外側層130は、内側層122よりも高い剛性(すなわち、弾性率)を備える。少なくとも200kJの歪みエネルギが、約20.69MPa(約3,000psi)と約41.37MPa(約6,000psi)との間の内圧で貯蔵することができる袋118の構成では、内側層122の破断歪みは、外側層130の破断歪みよりも約30%と約70%との間だけ大きくてもよい。同様に、同じ条件下で、外側層130の剛性は、内側層122の剛性よりも約30%と約70%の間だけ大きくてもよい。
【0027】
[0040]上記の性能特性を実現することに加えて、袋118の内側層122および外側層130を含むこの材料は、各層122、130が、作動流体に耐えることができ、それによって作動流体との長期間の接触後の層122、130のうちのどちらかの劣化が実質的に抑止されるように選択されてもよい。例えば、袋118の内側層122および外側層130は、ニトリル・ブタジエン・ゴム(NBR)、フッ素重合体エラストマー(例えば、VITON)、ポリウレタンポリマー、弾性のある炭化水素ポリマー(例えば、天然ゴム)などを含むエラストマーから作製することができる。内側層122および外側層130のそれぞれは、同じ材料系列内の異なる品位の材料から作製することができる。代替として、内側層122および外側層130は、明らかに異なる化学的性質を有する材料から作製されてもよい。
【0028】
[0041]引き続き図4を参照すると、袋118の内側層122および外側層130は、外側層130の内面が内側層122の外面に適合するように別個に形成および組立されてもよい。外側層130は、(例えば、接着剤などを用いて)内側層122に接合されても、されなくてもよい。代替として、袋118の内側層122および外側層130は、層122、130のそれに続く組立体が必要とされないように一体成形されてもよい。例えば、多層チューブ(図示せず)の同心の内側層および外側層は、同時押出しされたレイヤー・バイ・レイヤー(layer by layer)であってもよい。
【0029】
[0042]図5を参照すると、図1乃至図3のアキュムレータ26に使用できるチューブまたは袋134の別の多層構成が示される。チューブまたは袋134は、4つの層、すなわち、内側層138、外側層142、および2つの内部層146、150を含む。図4の袋118のように、内側層138は、外側層142よりも高い破断歪みを含み、外側層142は、内側層138よりも高い剛性を含む。チューブまたは袋134のいくつかの構成では、層138、146、150、142の破断歪みは、内側層138から外側層142へ次第に減少し得る。例えば、層138、146、150、142の破断歪みは、線形または非線形(例えば、二次、三次など)の関係に従って次第に減少し得る。同様に、層138、146、150、142の剛性は、線形または非線形(例えば、二次、三次など)の関係に従って内側層138から外側層142へ次第に増加し得る。
【0030】
[0043]層138、146、150、142は、図4の袋118に対する上記と同じ材料から作製することができる。しかし、チューブまたは袋134の内側層138および外側層142だけは、アキュムレータ26が作動流体に浸されるときに内部層146、150が作動流体に接触しないので、作動流体に耐える材料から作製されることが必要である。したがって、内部層146、150は、望ましい歪みエネルギ特性を持っている材料から作製することができるが、作動流体に対する抵抗性を欠く。チューブまたは袋134の一構成では、層138、142の厚さは、内部層146、150の厚さに比べて比較的小さいものであり得、内部層146、150は、主としてエネルギ貯蔵のために使用され、一方、内側層138および外側層142は、主として作動流体から内部層146、150を遮蔽するための障壁として使用されるようになっている。そのような構成では、層138、142は、チューブまたは袋134のエネルギ貯蔵能力全体にとても少量またはごく少量寄与し得るものであり、層138、142の破断歪みまたは剛性の値は、内部層146、150の破断歪みまたは剛性の値との関連で選ばれる必要はないようになっている。言い換えれば、「内側」内部層146は、「外側」内部層150よりも高い破断歪みを含み得るが、内側層138は、内部層146よりも高い破断歪みを有する必要はない。
【0031】
[0044]個々の層138、146、150、142は、層138、146、150、142の合わせ面が、互いに適合するように別個に形成および組立されてもよい。層138、146、150、142は、共に接合されても、されなくてもよい。代替として、層138、146、150、142は、層138、146、150、142のそれに続く組立体が必要とされないように一体成形されてもよい。例えば、チューブ134として構成されるとき、層138、146、150、142は、同時押出しされたレイヤー・バイ・レイヤーであってもよい。
【0032】
[0045]図6を参照すると、非円形の断面形状を画定する内面158を備える単層を有するチューブまたは袋154の別の構成が示される。特に、チューブまたは袋154の内面158が、チューブまたは袋154の長さに及ぶ交互のピーク162および谷166を(すなわち、図6のページの中の方向に)含む。チューブまたは袋154のそのような構成は、チューブまたは袋154の厚さに沿って歪みエネルギの分布の均一性も増加させることになる。
【0033】
[0046]動作時、システム10が回転シャフト30から運動エネルギを回収するとき、ポンプ/電動機18は、作動流体をリザーバ22から(入口/出口ポート58を介して)矢印Aの方向(図2参照)に引き出し、作動流体を加圧し、加圧作動流体を開放した隔離弁46および入口/出口ポート62を通じてチューブ70の内部空間82の中に送り込むためのポンプとして動作する。アキュムレータ26は、チューブ70に入る加圧作動流体に応じて広がるまたは伸びる。作動流体がアキュムレータ26に送り込まれるにつれて、アキュムレータ26の拡大が、アキュムレータ26の長さに沿ってほぼ一定の圧力で次第に生じる(例えば、図9乃至図11中および図12乃至図13中のアキュムレータ26a、26bの拡大を参照)。
【0034】
[0047]作動流体がリザーバ22から出るとき、作動流体が(図1に示すように)チューブ70の外部から(図2に示すように)チューブ70の内部へ単に移送されるので、作動流体上方の空隙66の容積は、ほぼ変化しない。言い換えれば、アキュムレータ26とリザーバ22の組み合わせは、リザーバ22から出る作動流体の容積がアキュムレータ26に入る作動流体の容積とほぼ等しい制御容量に概ねよく似ている。同様に、アキュムレータ26から出る作動流体の容積は、リザーバ22に戻る作動流体の容積とほぼ等しい。
【0035】
[0048]したがって、システム10の動作中にいつでもアキュムレータ26およびリザーバ22内に保持される作動流体の全容量がほぼ一定である。加えて、空隙66の容積がシステム10の動作中にほぼ一定に維持されるので、作動流体が、気体または空気と大気を交換する(すなわち、大気から交換空気を引き、または空気を大気へ逃す)ことなくリザーバ22から引き出し、リザーバ22に戻すことができる。回転シャフト30の運動エネルギが回収された後、隔離弁46は、閉じられた構成へ作動され、チューブ70は、圧縮力を作動流体に及ぼして作動流体をアキュムレータ26内で高圧に維持する。
【0036】
[0049]ハイブリッド車が推進補助を必要とするとき、隔離弁46は、開放構成へ作動されて、アキュムレータ26から矢印Bの方向(図1参照)に加圧作動流体の流れを可能にする。上述の通り、推進補助に使用されるエネルギは、分子レベルでチューブ70内に貯蔵され、チューブ70が受ける歪みの量に比例する。高圧作動流体は、アキュムレータ26から流体通路42を通じてポンプ/電動機18の中に流れて、シャフト30を駆動するための電動機としてポンプ/電動機18を動作させる。次いで、ポンプ/電動機18は、低圧作動流体を流体通路34および入口/出口ポート58を介してリザーバ22へ戻す。作動流体がリザーバ22に戻されるとき、作動流体が(図2に示すように)チューブ70の内部から(図1に示すように)チューブ70の外部へ単に移送されるので、作動流体上方の空隙66の容積は、ほぼ変化しない。前述のように、アキュムレータ26とリザーバ22の組み合わせは、システム10の動作中にいつでもアキュムレータ26およびリザーバ22内に保持される作動流体の全容量がほぼ一定である制御容量に概ねよく似ている。
【0037】
[0050]図3を参照すると、システム110のエネルギ貯蔵能力を強化するために、デュアルアキュムレータ26をリザーバ22内に配置した組立体114を含むエネルギ貯蔵システム110の第2の構成が示される。同じ構成要素は、同じ参照符号を用いて名付けられ、再度詳細に説明されない。
【0038】
[0051]図7および図8は、図1および図2のシステム10に使用できるアキュムレータおよびリザーバの組立体14aを示す。同じ構成要素は、文字「a」を付した同じ参照符号で名付けられる。リザーバ22aの例示された構成では、つば54aが(すなわち、ボルト168を用いて)リザーバ22aにある対応するつば170に締結されて、内部室50aを封止する(図8)。パッキン174が、つば54aとリザーバ22aとの間に配置されて、つば54aをリザーバ22aに封止するのを助ける。代替として、いくつかの異なる封止(例えば、Oリングなど)のいずれかが、封止を助けるためにつば54aとリザーバ22aとの間に配置されてもよい。代替として、いくつかの異なる締結具またはクイックリリース機構のいずれかを利用してつば54aをリザーバ22aに固定してもよい。
【0039】
[0052]図9を参照すると、拡張可能なアキュムレータ26aは、高圧入口/出口ポート62aに流体連通する開放端182と、閉鎖端186とを有する単層袋178として構成される。代替として、アキュムレータ26aは、上記のような材料特性を有する多層袋190、単層チューブ194、または多層チューブ198として構成されてもよい(図8)。図9を参照すると、組立体14aは、リザーバ22aおよび入口/出口ポート62aの中心軸206(図8)と同軸である支持体またはかご202も備える。組立体14aの例示された構成では、かご202は、袋178の長さに延在する円筒形の硬質チューブとして構成される。つば54aは、かごにある対応するつば210(図8)に(すなわち、ボルト168を用いて)締結されて、リザーバ22aと同軸であるかご202を保持する。クランプ86aも、つば54aに(すなわち、ボルトを用いて)締結されて、リザーバ22aおよびかご202と同軸であるアキュムレータ26aを保持する。図9に示すように組立体14aの例示された構成では、クランプ86aは、クランプ86aとつば54aとの間にアキュムレータ26aの端部または唇部214を固定するように構成される円環として構成される。代替として、クランプ86aは、いくつかの異なるやり方のいずれかでアキュムレータ26aをつば54aに、したがってリザーバ22aに固定するように構成されてもよい。
【0040】
[0053]上記のように、かご202は、袋178が広がり得る所望の範囲に対応する特定の距離だけ袋178の外周から間隔をおいて配置される。低圧入口/出口ポート58a近傍のかご202の端部も、かご202の内部およびかご202の外部の内部室50a内の位置同士の間の作動流体の自由な流れを可能にするのに十分な距離、リザーバ22aの端部から間隔をおいて配置される。図7乃至図9を参照すると、リザーバ22aは、必要なときにリザーバ22aが作動流体で補充されることを可能にするために、内部室50aに流体連通する注入口218を備える。図示しないが、蓋が、リザーバ22aを封止するために注入口218に固定されてもよい。
【0041】
[0054]図9を参照すると、袋178は、変更可能な内部容積222を備え、内部容積222は、作動流体が、比較的一定の圧力で袋178内に受け入れられるにつれて増大する。上記のように、出願人は、袋178内に貯蔵された歪みエネルギの大部分が、袋178の内面の近くに集中することを、試験を通じて発見している。言い換えれば、袋178の内面近傍の材料は、加圧作動流体が袋178内に受け入れられるときに半径方向に外側の方向に圧縮され(図10および図11参照)、袋178の内部容積222を袋178の長さに沿って効果的に次第に増加させる。袋178のいくつかの構成では、変更可能な内部容積222は、袋178の広げられていない状態(図9)に対応する初期の内部容積の約13倍まで増加させられるように構成される。結果として、リザーバ22a内の作動流体の約75%までが、広げられていない状態(図9)から完全に広げられた状態(図11)まで袋178が広げられるときに袋178と交換され得る。組立体14aの例示された構成では、リザーバ22aは、30リットルの作動流体を収容するように構成され、一方、袋178は、図11に示すように袋178が完全に広げられるときに、少なくとも22リットルの作動流体を収容するように構成される。代替として、リザーバ22aは、多かれ少なかれ作動流体を収容するように適切な大きさに作製されてもよい。
【0042】
[0055]図9および図11を参照すると、袋178は、袋178内の作動流体の量に応じてリザーバ22aの(内部室50aによって画定される)内部容積の約40%乃至約70%を占め得る。例えば、図9に示すように、袋178は、袋178が広げられていない状態のときにリザーバ22aの内部容積の約40%を占める。しかし、図11に示すように袋178が作動流体で満たされるときに、袋178は、リザーバ22aの内部容積の約70%を占める。システム圧力約20.69MPa(約3,000psi)で動作するとき、袋178は、図11に示すように作動流体で完全に満たされるときに少なくとも約203kNm(約150,000ft−lbs)のエネルギを貯蔵するように構成され、これは推進補助を2トン車(例えば、自動車またはピックアップトラック)に与えるのに十分である。システム圧力約41.37MPa(約6,000psi)で動作するとき、袋178は、図11に示すように作動流体で完全に満たされるときに、少なくとも約1017kNm(約750,000ft−lbs)のエネルギを貯蔵するように構成され、10トン車(例えば、単一軸の配達用トラック)で推進補助を与えるのに十分である。
【0043】
[0056]一構成では、組立体14aは、空間の約0.10立方メートル(約3.6立方フィート)だけを占める。そのような比較的小さいパッケージが、袋178をリザーバ22a内に配置する結果として、および袋178が加圧作動流体で完全に充填されるときに、袋178がリザーバ22aの内部容積の約70%まで占めることを可能にすることによって可能である。13.79MPa(2,000psi)と41.37MPa(6,000psi)のシステム圧力の間で動作するときの組立体14aの利用可能なエネルギ貯蔵能力に関しては、組立体14aのエネルギ密度(すなわち、貯蔵エネルギを貯蔵装置の占められた空間で割ったもの)は、約41,500ft−lbs/立方フィートと約208,500ft−lbs/立方フィートの間の範囲であり得る。それに対し、気体充填式アキュムレータおよび別個の低圧リザーバを含む従来のハイブリッド液圧式システムのエネルギ密度は、組立体14aのエネルギ密度の約3分の1乃至約5分の1である。組立体14aのエネルギ密度が、気体充填式アキュムレータおよび別個の低圧リザーバを含む従来のハイブリッド液圧式システムのエネルギ密度よりもずっと高いので、組立体14aは、組立体14aが共に使用される車両または他の機械内によりずっと効果的に実装されてもよい。
【0044】
[0057]図12乃至図14は、図1および図2のシステム10に使用できるアキュムレータおよびリザーバの組立体14bの別の構成を示す。同じ構成要素は、文字「b」を付した同じ参照符号で名付けられる。組立体14bは、図7乃至図11の組立体14aと同じであるが、図4に示すおよび上述された袋118などの多層袋190が、単層袋178に取って代わる。袋190は、内側層226および外側層230を備え、袋118に対する上記のような同様のやり方で製造することができる。代替として、図5に示すチューブまたは袋134などの3層以上を有する袋190が、構成されてもよい。
【0045】
[0058]出願人が試験した多層袋190の一構成では、内側層226は、約5.72cm(約2.25インチ)の内径D1と、約26.0cm(約10.25インチ)の外径D2とを含み、外側層230は、約26.0cm(約10.25インチ)の内径D3と、約33.7cm(約13.25インチ)の外径D4とを含む。したがって、内側層226の肉厚T1は、約10.2cm(約4インチ)であり、一方、外側層230の肉厚T2は、約3.81cm(約1.5インチ)である。これらの寸法D1乃至D4、T1、T2の値は、図12に示すような袋190の広げられていない状態に対応する。約34.48MPa(約5,000psi)の圧力で袋190を作動流体で満たした後、出願人は、寸法D1乃至D4のそれぞれの増加、および厚さT1、T2のそれぞれの減少を測定した。特に、出願人は、約47%の厚さT1の減少、および約21%の厚さT2の減少を測定した。寸法T1、T2に関連した厚さの総減少を検討すると、減少された厚さの総量の約85%までが、内側層226に生じる。したがって、減少された厚さの総量の約15%だけが、外側層230内に生じる。そこで、内側層226および外側層230が作製される特定の材料、または同じ材料の複数の品位は、袋190の厚さに沿って歪みエネルギの分布の均一性を増加させるように選択することができ、それによって組立体14bの性能向上およびより予測可能な動作がもたらされる。
【0046】
[0059]組立体14a、14bのうちのいずれかの動作は、上記のような組立体14の動作とほぼ同様である。
【0047】
[0060]本発明の様々な特徴は、以下の特許請求の範囲に記載されている。
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、車両用のハイブリッド駆動システムに関し、より詳細には車両用のハイブリッド液圧式駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]典型的な車両のハイブリッド液圧式駆動システムは、従来の車両駆動システムから動力を吸収し、従来の車両駆動システムに動力を加え、または従来の車両駆動システムを助けるために可逆ポンプ/電動機を使用する。このシステムは、低圧リザーバから液圧エネルギ貯蔵システムに作動油を汲み出すことによって動力を吸収する。典型的には、この液圧エネルギ貯蔵システムは、1つまたは複数の窒素チャージ液圧アキュムレータを備える。典型的には、ハイブリッド液圧式駆動システムは、可逆ポンプ/電動機を電動機として駆動するために液圧アキュムレータ内に貯蔵された液圧エネルギを利用することによって従来の車両の駆動システムに動力を加える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]一態様では、本発明は、内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、リザーバ内に少なくとも部分的に配置されると共に内部室内に収容された作動流体に少なくとも部分的に浸される拡張可能なアキュムレータとを備える拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体を提供する。アキュムレータは、リザーバと作動流体を交換するように構成される。
【0004】
[0004]別の態様では、本発明は、内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、リザーバに流体連通する可逆ポンプ/電動機と、リザーバ内に少なくとも部分的に配置されると共に内部室内に収容された作動流体に少なくとも部分的に浸される拡張可能なアキュムレータとを備えるエネルギ貯蔵システムを提供する。アキュムレータは作動流体を含み、電動機として動作するときに加圧作動流体を可逆ポンプ/電動機に送達するため、およびポンプとして動作するときに可逆ポンプ/電動機によって排出される加圧作動流体を受け取るために可逆ポンプ/電動機に選択的に流体連通する。
【0005】
[0005]さらに別の態様では、本発明は、エネルギ貯蔵システムを動作させる方法を提供する。この方法は、内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバを用意するステップと、内部室内に拡張可能なアキュムレータを少なくとも部分的に配置するステップと、内部室内に収容された作動流体に拡張可能なアキュムレータを少なくとも部分的に浸すステップと、電動機として動作するときに可逆ポンプ/電動機を用いてリザーバへ作動流体を戻すステップと、可逆ポンプ/電動機がポンプとして動作しているときにリザーバから作動流体を引き出すステップとを含む。
【0006】
[0006]別の態様では、本発明は、内部空間を画定する内側層と、内側層を少なくとも部分的に囲む外側層とを有する本体を含む拡張可能なアキュムレータを提供する。アキュムレータは、内部空間に流体連通する入口/出口ポートも含む。内側層は、外側層よりも高い破断歪みを含む。
【0007】
[0007]さらに別の態様では、本発明は、内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、拡張可能なアキュムレータとを備える拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体を提供する。この拡張可能なアキュムレータは、内側層、およびこの内側層を少なくとも部分的に囲む外側層を備える。内側層は、外側層よりも高い破断歪みを含む。アキュムレータは、リザーバ内に少なくとも部分的に配置されると共に内部室内に収容された作動流体に少なくとも部分的に浸される。アキュムレータは、リザーバと作動流体を交換するように構成される。
【0008】
[0008]別の態様では、本発明は、中心軸、および内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、中心軸と同軸であり、リザーバ内に少なくとも部分的に配置され、内部室内に収容された作動流体に少なくとも部分的に浸される拡張可能なアキュムレータとを備える拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体を提供する。アキュムレータは、リザーバと作動流体を交換するように構成される。組立体は、リザーバと同軸であり、アキュムレータの少なくとも長さにわたって延在する支持体も含む。支持体は、リザーバから加圧作動流体を受け取るとアキュムレータの拡大を制限するようにアキュムレータの外周と係合可能である。
【0009】
[0009]さらに別の態様では、本発明は、内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、リザーバ内に少なくとも部分的に配置され、内部室内に収容された作動流体に少なくとも部分的に浸される単一の拡張可能なアキュムレータとを備える拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体を提供する。アキュムレータは、リザーバと作動流体を交換するように構成される。リザーバは、内部容積を含み、アキュムレータは、アキュムレータ内の作動流体の量に応じてリザーバの内部容積の約40%乃至約70%を占める。
【0010】
[0010]本発明の他の特徴および態様は、以下の詳細な説明および添付図面を検討することによって明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】[0011]リザーバと、リザーバ内に配置される拡張可能なアキュムレータとを示す本発明のエネルギ貯蔵システムの第1の構成の概略図である。
【図2】[0012]ポンプとして動作するときに可逆ポンプ/電動機からの加圧作動流体の受け取りに応じて広げられた構成にあるアキュムレータを示す図1のエネルギ貯蔵システムの概略図である。
【図3】[0013]リザーバおよびリザーバ内に配置される複数のアキュムレータを示す本発明のエネルギ貯蔵システムの第2の構成の概略図である。
【図4】[0014]図1乃至図3の拡張可能なアキュムレータに使用できる多層袋の断面図である。
【図5】[0015]図1乃至図3の拡張可能なアキュムレータに使用できる多層チューブまたは袋の断面図である。
【図6】[0016]非円形の内面を有する図1乃至図3の拡張可能なアキュムレータに使用できるチューブまたは袋の断面図である。
【図7】[0017]リザーバおよび拡張可能なアキュムレータの組立体の斜視図である。
【図8】[0018]拡張可能なアキュムレータのいくつかの構成を示す図7の組立体の分解斜視図である。
【図9】[0019]広げられていない状態にあるアキュムレータを示す線9−9に沿った図7の組立体の断面図である。
【図10】[0020]部分的に広げられた状態にあるアキュムレータを示す図9の組立体の断面図である。
【図11】[0021]完全に広げられた状態にあるアキュムレータを示す図9の組立体の断面図である。
【図12】[0022]広げられていない状態にある袋を示す、アキュムレータが多層袋として構成された図7の組立体の断面図である。
【図13】[0023]部分的に広げられた状態にある袋を示す図12の組立体の断面図である。
【図14】[0024]完全に広げられた状態にある袋を示す図12の組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0025]本発明の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本発明は、本出願における以下の説明に記載または以下の図面に例示された構成の詳細および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実行および実施することができる。また、本明細書に使用される表現および述語は、説明のためのものであり、限定とみなされるべきではないことを理解されたい。
【0013】
[0026]図1は、ハイブリッド車のためのエネルギ貯蔵システム10を示す。しかし、システム10は、他の応用例(例えば、自動車または産業用液圧用途など)に利用されてもよい。具体的には、システム10は、アキュムレータおよびリザーバの組立体14と、この組立体14に動作可能に連結された可逆ポンプ/電動機18とを備える並列液圧式回生駆動システム10として構成される。代替として、システム10は、ポンプ/電動機18が車両の車輪または駆動軸に直接連結される直列液圧式回生駆動システムとして構成されてもよい。さらなる代替形態として、システム10は、2つ以上のポンプ/電動機18を備えてもよい。
【0014】
[0027]組立体14は、リザーバ22と、ポンプ/電動機18を介してリザーバ22に選択的に流体連通するアキュムレータ26とを備える。可逆ポンプ/電動機18は、可変容量形軸方向ピストン斜板設計ポンプ/電動機18、例えば、Bosch Rexrothモデル番号A4VSO可変容量形軸方向ピストン可逆ポンプ/電動機18として構成される。代替として、可変容量形ではなく定容量形を有する可逆ポンプ/電動機18が構成されてもよい。可逆ポンプ/電動機18は、回転シャフト30(例えば、エンジンの出力シャフト、エンジンの補機駆動システム、変速機と軸組立体、車輪または駆動軸などの間の駆動シャフト)に駆動可能に連結される。以下により詳細に説明されるように、ポンプ/電動機18は、電動機として動作するときに回転シャフト30に動力を伝達し、ポンプ/電動機18は、ポンプとして動作するときに回転シャフト30によって駆動される。
【0015】
[0028]引き続き図1を参照すると、リザーバ22は、作動流体(例えば、作動油)を収容し、流体通路34によって可逆ポンプ/電動機18に流体連通する。熱交換器および/または作動流体フィルタ(図示せず)が、作動流体の冷却および濾過を助けるために流体通路34内に置かれてもよい。可逆ポンプ/電動機18は、ポンプとして動作するときにリザーバ22から流体通路34を介して(図2中の矢印Aの方向に)低圧作動流体を引き出すようにリザーバ22に流体連通する。可逆ポンプ/電動機18は、電動機として動作するときに、流体通路34を介してリザーバ22へ(図1中の矢印Bの方向に)低圧作動流体を戻すようにやはりリザーバ22に流体連通する。
【0016】
[0029]可逆ポンプ/電動機18は、ポンプとして動作するときにアキュムレータ26へ(図2中の矢印Aの方向に)加圧作動流体を送達するように流体通路42を介してアキュムレータ26に流体連通する。可逆ポンプ/電動機18は、電動機として動作するときにアキュムレータ26から(図1中の矢印Bの方向に)加圧作動流体を受け取るように流体通路42を介してやはりアキュムレータ26に流体連通する。隔離弁46が、流体通路42内に置かれ、閉じられた構成にあるときに通路42を通じての作動流体の流れを阻止し、開放構成にあるときに通路42を通じての作動流体の流れを可能にする。
【0017】
[0030]引き続き図1を参照すると、リザーバ22は、作動流が収容される内部室50を画定する。エネルギ貯蔵システム10の例示された構成では、アキュムレータ26は、リザーバ22内に配置され、内部室50内に収容された作動流体に少なくとも部分的に浸される。代替として、アキュムレータ26は、図1中のアキュムレータ26の位置に比べてアキュムレータ26がそれほど作動流体に浸されないように、リザーバ22内に少なくとも部分的に配置されるに過ぎなくてもよい。また、エネルギ貯蔵システム10の例示された構成では、アキュムレータ26は、アキュムレータ26をリザーバ22に取り付けるのを助けるためのつば54を備える。いくつかの異なる構造要素(例えば、締結具など)、処理(例えば、溶接、接着など)、または構造要素と処理の組み合わせのいずれかが、つば54を固定、したがってアキュムレータ26をリザーバ22に固定するために用いられてもよい。
【0018】
[0031]引き続き図1を参照すると、リザーバ22は、流体通路34に流体連通する単一の低圧入口/出口ポート58を備え、作動流体は、この低圧入口/出口ポート58を通過してリザーバ22に出入りする。同様に、アキュムレータ26は、流体通路42に流体連通する単一の高圧入口/出口ポート62を備え、作動流体は、この高圧入口/出口ポート62を通過してアキュムレータ26に出入りする。代替として、リザーバ22は、2つ以上の低圧入口/出口ポート58を備えてもよい。リザーバのそのような構成では、複数の低圧入口/出口ポート58が、それぞれの流体通路34と対にされてもよい。
【0019】
[0032]システム10の例示された構成では、リザーバ22は、実質的に気密であり(すなわち、「閉じられて」おり)、リザーバ22内の空気を大気圧(例えば、ゲージ圧0Pa(0psi gauge))または大気圧より高い圧力に維持することができる。代替として、リザーバ22は、大気に開放していてもよく、空気と大気の交換を可能にするための通気口を備えてもよい。リザーバ22の内部室50は、作動流体上方にアキュムレータ26を囲む空隙66を備える。前述のように、空隙66は、大気圧または大気圧より高い圧力で空気を含むことができる。リザーバ22の加圧(すなわち、空隙66内の空気を大気圧より高い圧力で与えること)は、ポンプ/電動機18の入口(およびリザーバ22の入口/出口ポート58)での作動流体の圧力が、ポンプとして動作するときにポンプ/電動機18の空所発生を実質的に防ぐのに十分な水準で維持されることを実質的に確実にする。
【0020】
[0033]システム10の例示された構成では、リザーバ22は、ほぼ円筒形を有するものとして概略的に例示する。しかし、リザーバ22は、リザーバ22が内部に設置されるハイブリッド車の構造に適合するためのいくつかの異なる形状のいずれかを有するように構成されてもよい。加えて、リザーバ22は、いくつかの異なる材料(例えば、金属、プラスチック、複合材料など)のいずれかから作製することができる。また、システム10の例示された構成では、リザーバ22は、垂直の向きに概略的に示す。しかし、リザーバ22は、システム10を組み込むハイブリッド車内にいくつかの異なる向きのいずれかで配置することができる。例えば、リザーバ22は、車両内で直立(すなわち、垂直)に向けられてもよく、平ら(すなわち、水平)に置かれてもよく、またはリザーバ22の水平向きとリザーバ22の垂直向きとの間の任意の角度で傾けて配置されてもよい。
【0021】
[0034]引き続き図1を参照すると、アキュムレータ26は、アキュムレータ26内に収容された作動流体の量に応じてアキュムレータ26の内部容積または空間が変更可能である拡張可能なアキュムレータ26として構成される。システム10の例示された構成では、アキュムレータ26は、対向した端部74、78を有する拡張可能なチューブ70と、端部74、78の間の内部空間82とを備える。入口/出口ポート62は、(図1に見られるように)チューブ70の上端部74に配置され、クランプ86が、入口/出口ポート62をチューブ70に連結する。クランプ86は、上端部74と入口/出口ポート62との間の作動流体の漏れを実質的に防ぐための封止としても機能する。1つまたは複数の封止(例えば、Oリング、パッキンなど)を利用して、クランプ86を入口/出口ポート62に、およびクランプ86をチューブ70の上端部74に封止することもできる。チューブ70の下端部78を閉じ、下端部78を介してのアキュムレータ26とリザーバ22との間の作動流体の交換を防ぐために、別のクランプ90が、(図1に見られるように)チューブ70の下端部78に連結される。1つまたは複数の封止(例えば、Oリング、パッキンなど)を利用してクランプ90をチューブ70の下端部78に封止することができる。代替として、単一の開放端(すなわち、入口/出口ポート62に隣接した端部)だけを有する袋118が、チューブ70(図4)の代わりに、アキュムレータ26と共に使用されてもよい。
【0022】
[0035]図1を参照すると、アキュムレータ26は、クランプ90に連結されると共にチューブ70の内部空間82に流体連通する脱気弁94を備えてもよい。そのような脱気弁94(例えば、ばね付勢ボール弁)は、アキュムレータ26が加圧されないときにアキュムレータ26からリザーバ22へ同伴空気の放出を可能にするために開放構成を担い、同伴空気は、作動流体を通って空隙66へ上昇することが可能にされる。次いで、脱気弁94は、アキュムレータ26が加圧されるときにアキュムレータ26内の加圧作動流体がリザーバ22に漏れることを防ぐために閉じられた構成を担う。
【0023】
[0036]引き続き図1を参照すると、アキュムレータ26は、加圧作動流体がリザーバ22からアキュムレータ26へ移送されるときにチューブ70が広がり得る範囲を制限するために、チューブ70の外周と係合可能である複数の支持体98を備える。別個の支持体98「スムース・フォーマ(smooth formers)」が、例示されたアキュムレータ26と共に示すが、代替として、単一のかごが、チューブ70の外周の周りに配置されると共に、チューブ70が広がり得る所望の範囲に対応する特定の距離だけチューブ70の外周から間隔をおいて配置されてもよい。そのようなかごは、(例えば、図2に示すアキュムレータ26の広げられた形状まで)アキュムレータ26の広げられた形状を画定および制限するように成形することもできる。
【0024】
[0037]拡張可能なチューブ70または袋は、可逆ポンプ/電動機18がポンプとして動作しているときにアキュムレータ26に送り込まれる加圧作動流体に応じてチューブ70の変形を助けるために、エラストマー材料(例えば、ポリウレタン、天然ゴム、ポリイソプレン、フッ素重合体エラストマー、ニトリルなど)から作製される。具体的には、図2に示すように、チューブ70の中間部分の外径に対応する半径方向寸法Dは、アキュムレータ26を満たすおよびアキュムレータ26から出る加圧作動流体に応じて変わる。しかし、各端部74、78に隣接したチューブ70の外径は、それぞれのクランプ86、90によってほぼ一定に維持される。半径方向寸法Dが、伸ばされていないまたは変形されていないチューブ70(図1参照)に対応する値から増加するにつれて、アキュムレータ26は、圧縮力をチューブ70内の作動流体に及ぼすように動作可能である。言い換えれば、アキュムレータ26に入る加圧作動流体は、図2に示す形状までチューブ70を伸ばすまたは広げるようにチューブ70に作用を実行する。このエネルギが、分子レベルでチューブ70内に貯蔵され、チューブ70が受ける歪みの量に比例する。
【0025】
[0038]出願人は、一様なチューブ70(すなわち、強化用繊維のない単層だけを有するチューブ70)の内部が加圧されるときに、チューブ70内に貯蔵された歪みエネルギの大部分が、チューブ70の内面の近くに集中することを、試験を通じて発見している。出願人は、チューブ70の厚さに沿った半径方向位置を増大させるにつれて、チューブ70内に貯蔵された歪みエネルギの集中が減少することも発見している。言い換えれば、チューブ70の外面近傍の材料は、チューブ70の内面近傍の材料ほど歪みエネルギの貯蔵に寄与しない。チューブ70の厚さに沿った歪みエネルギの分布の均一性を増加させるために、チューブの最内層が最外層よりも高い破断歪み(すなわち、引張試験中に破断が生じる歪み)を含むと共に、最外層が最内層よりも高い剛性を含む多層構成が、使用され得る。そのような多層チューブは、チューブの厚さに沿って歪みエネルギをより効率的に貯蔵することができるので、チューブが取扱うことができる最大内圧も、単層チューブ70に比べて増加させられる。
【0026】
[0039]図4に示すように、袋118は、作動流体が収容される内部空間126を画定する内側層122と、内側層122を囲む外側層130とを含む。同じ構成が、対向した開放端部を有するチューブとして実現されてもよいことも理解されたい。袋118が、アキュムレータと共に使用され、アキュムレータ26が作動流体内に浸されるときに、外側層130は、リザーバ22内の作動流体と接触する。内側層122は、外側層130よりも高い破断歪みを含み、外側層130は、内側層122よりも高い剛性(すなわち、弾性率)を備える。少なくとも200kJの歪みエネルギが、約20.69MPa(約3,000psi)と約41.37MPa(約6,000psi)との間の内圧で貯蔵することができる袋118の構成では、内側層122の破断歪みは、外側層130の破断歪みよりも約30%と約70%との間だけ大きくてもよい。同様に、同じ条件下で、外側層130の剛性は、内側層122の剛性よりも約30%と約70%の間だけ大きくてもよい。
【0027】
[0040]上記の性能特性を実現することに加えて、袋118の内側層122および外側層130を含むこの材料は、各層122、130が、作動流体に耐えることができ、それによって作動流体との長期間の接触後の層122、130のうちのどちらかの劣化が実質的に抑止されるように選択されてもよい。例えば、袋118の内側層122および外側層130は、ニトリル・ブタジエン・ゴム(NBR)、フッ素重合体エラストマー(例えば、VITON)、ポリウレタンポリマー、弾性のある炭化水素ポリマー(例えば、天然ゴム)などを含むエラストマーから作製することができる。内側層122および外側層130のそれぞれは、同じ材料系列内の異なる品位の材料から作製することができる。代替として、内側層122および外側層130は、明らかに異なる化学的性質を有する材料から作製されてもよい。
【0028】
[0041]引き続き図4を参照すると、袋118の内側層122および外側層130は、外側層130の内面が内側層122の外面に適合するように別個に形成および組立されてもよい。外側層130は、(例えば、接着剤などを用いて)内側層122に接合されても、されなくてもよい。代替として、袋118の内側層122および外側層130は、層122、130のそれに続く組立体が必要とされないように一体成形されてもよい。例えば、多層チューブ(図示せず)の同心の内側層および外側層は、同時押出しされたレイヤー・バイ・レイヤー(layer by layer)であってもよい。
【0029】
[0042]図5を参照すると、図1乃至図3のアキュムレータ26に使用できるチューブまたは袋134の別の多層構成が示される。チューブまたは袋134は、4つの層、すなわち、内側層138、外側層142、および2つの内部層146、150を含む。図4の袋118のように、内側層138は、外側層142よりも高い破断歪みを含み、外側層142は、内側層138よりも高い剛性を含む。チューブまたは袋134のいくつかの構成では、層138、146、150、142の破断歪みは、内側層138から外側層142へ次第に減少し得る。例えば、層138、146、150、142の破断歪みは、線形または非線形(例えば、二次、三次など)の関係に従って次第に減少し得る。同様に、層138、146、150、142の剛性は、線形または非線形(例えば、二次、三次など)の関係に従って内側層138から外側層142へ次第に増加し得る。
【0030】
[0043]層138、146、150、142は、図4の袋118に対する上記と同じ材料から作製することができる。しかし、チューブまたは袋134の内側層138および外側層142だけは、アキュムレータ26が作動流体に浸されるときに内部層146、150が作動流体に接触しないので、作動流体に耐える材料から作製されることが必要である。したがって、内部層146、150は、望ましい歪みエネルギ特性を持っている材料から作製することができるが、作動流体に対する抵抗性を欠く。チューブまたは袋134の一構成では、層138、142の厚さは、内部層146、150の厚さに比べて比較的小さいものであり得、内部層146、150は、主としてエネルギ貯蔵のために使用され、一方、内側層138および外側層142は、主として作動流体から内部層146、150を遮蔽するための障壁として使用されるようになっている。そのような構成では、層138、142は、チューブまたは袋134のエネルギ貯蔵能力全体にとても少量またはごく少量寄与し得るものであり、層138、142の破断歪みまたは剛性の値は、内部層146、150の破断歪みまたは剛性の値との関連で選ばれる必要はないようになっている。言い換えれば、「内側」内部層146は、「外側」内部層150よりも高い破断歪みを含み得るが、内側層138は、内部層146よりも高い破断歪みを有する必要はない。
【0031】
[0044]個々の層138、146、150、142は、層138、146、150、142の合わせ面が、互いに適合するように別個に形成および組立されてもよい。層138、146、150、142は、共に接合されても、されなくてもよい。代替として、層138、146、150、142は、層138、146、150、142のそれに続く組立体が必要とされないように一体成形されてもよい。例えば、チューブ134として構成されるとき、層138、146、150、142は、同時押出しされたレイヤー・バイ・レイヤーであってもよい。
【0032】
[0045]図6を参照すると、非円形の断面形状を画定する内面158を備える単層を有するチューブまたは袋154の別の構成が示される。特に、チューブまたは袋154の内面158が、チューブまたは袋154の長さに及ぶ交互のピーク162および谷166を(すなわち、図6のページの中の方向に)含む。チューブまたは袋154のそのような構成は、チューブまたは袋154の厚さに沿って歪みエネルギの分布の均一性も増加させることになる。
【0033】
[0046]動作時、システム10が回転シャフト30から運動エネルギを回収するとき、ポンプ/電動機18は、作動流体をリザーバ22から(入口/出口ポート58を介して)矢印Aの方向(図2参照)に引き出し、作動流体を加圧し、加圧作動流体を開放した隔離弁46および入口/出口ポート62を通じてチューブ70の内部空間82の中に送り込むためのポンプとして動作する。アキュムレータ26は、チューブ70に入る加圧作動流体に応じて広がるまたは伸びる。作動流体がアキュムレータ26に送り込まれるにつれて、アキュムレータ26の拡大が、アキュムレータ26の長さに沿ってほぼ一定の圧力で次第に生じる(例えば、図9乃至図11中および図12乃至図13中のアキュムレータ26a、26bの拡大を参照)。
【0034】
[0047]作動流体がリザーバ22から出るとき、作動流体が(図1に示すように)チューブ70の外部から(図2に示すように)チューブ70の内部へ単に移送されるので、作動流体上方の空隙66の容積は、ほぼ変化しない。言い換えれば、アキュムレータ26とリザーバ22の組み合わせは、リザーバ22から出る作動流体の容積がアキュムレータ26に入る作動流体の容積とほぼ等しい制御容量に概ねよく似ている。同様に、アキュムレータ26から出る作動流体の容積は、リザーバ22に戻る作動流体の容積とほぼ等しい。
【0035】
[0048]したがって、システム10の動作中にいつでもアキュムレータ26およびリザーバ22内に保持される作動流体の全容量がほぼ一定である。加えて、空隙66の容積がシステム10の動作中にほぼ一定に維持されるので、作動流体が、気体または空気と大気を交換する(すなわち、大気から交換空気を引き、または空気を大気へ逃す)ことなくリザーバ22から引き出し、リザーバ22に戻すことができる。回転シャフト30の運動エネルギが回収された後、隔離弁46は、閉じられた構成へ作動され、チューブ70は、圧縮力を作動流体に及ぼして作動流体をアキュムレータ26内で高圧に維持する。
【0036】
[0049]ハイブリッド車が推進補助を必要とするとき、隔離弁46は、開放構成へ作動されて、アキュムレータ26から矢印Bの方向(図1参照)に加圧作動流体の流れを可能にする。上述の通り、推進補助に使用されるエネルギは、分子レベルでチューブ70内に貯蔵され、チューブ70が受ける歪みの量に比例する。高圧作動流体は、アキュムレータ26から流体通路42を通じてポンプ/電動機18の中に流れて、シャフト30を駆動するための電動機としてポンプ/電動機18を動作させる。次いで、ポンプ/電動機18は、低圧作動流体を流体通路34および入口/出口ポート58を介してリザーバ22へ戻す。作動流体がリザーバ22に戻されるとき、作動流体が(図2に示すように)チューブ70の内部から(図1に示すように)チューブ70の外部へ単に移送されるので、作動流体上方の空隙66の容積は、ほぼ変化しない。前述のように、アキュムレータ26とリザーバ22の組み合わせは、システム10の動作中にいつでもアキュムレータ26およびリザーバ22内に保持される作動流体の全容量がほぼ一定である制御容量に概ねよく似ている。
【0037】
[0050]図3を参照すると、システム110のエネルギ貯蔵能力を強化するために、デュアルアキュムレータ26をリザーバ22内に配置した組立体114を含むエネルギ貯蔵システム110の第2の構成が示される。同じ構成要素は、同じ参照符号を用いて名付けられ、再度詳細に説明されない。
【0038】
[0051]図7および図8は、図1および図2のシステム10に使用できるアキュムレータおよびリザーバの組立体14aを示す。同じ構成要素は、文字「a」を付した同じ参照符号で名付けられる。リザーバ22aの例示された構成では、つば54aが(すなわち、ボルト168を用いて)リザーバ22aにある対応するつば170に締結されて、内部室50aを封止する(図8)。パッキン174が、つば54aとリザーバ22aとの間に配置されて、つば54aをリザーバ22aに封止するのを助ける。代替として、いくつかの異なる封止(例えば、Oリングなど)のいずれかが、封止を助けるためにつば54aとリザーバ22aとの間に配置されてもよい。代替として、いくつかの異なる締結具またはクイックリリース機構のいずれかを利用してつば54aをリザーバ22aに固定してもよい。
【0039】
[0052]図9を参照すると、拡張可能なアキュムレータ26aは、高圧入口/出口ポート62aに流体連通する開放端182と、閉鎖端186とを有する単層袋178として構成される。代替として、アキュムレータ26aは、上記のような材料特性を有する多層袋190、単層チューブ194、または多層チューブ198として構成されてもよい(図8)。図9を参照すると、組立体14aは、リザーバ22aおよび入口/出口ポート62aの中心軸206(図8)と同軸である支持体またはかご202も備える。組立体14aの例示された構成では、かご202は、袋178の長さに延在する円筒形の硬質チューブとして構成される。つば54aは、かごにある対応するつば210(図8)に(すなわち、ボルト168を用いて)締結されて、リザーバ22aと同軸であるかご202を保持する。クランプ86aも、つば54aに(すなわち、ボルトを用いて)締結されて、リザーバ22aおよびかご202と同軸であるアキュムレータ26aを保持する。図9に示すように組立体14aの例示された構成では、クランプ86aは、クランプ86aとつば54aとの間にアキュムレータ26aの端部または唇部214を固定するように構成される円環として構成される。代替として、クランプ86aは、いくつかの異なるやり方のいずれかでアキュムレータ26aをつば54aに、したがってリザーバ22aに固定するように構成されてもよい。
【0040】
[0053]上記のように、かご202は、袋178が広がり得る所望の範囲に対応する特定の距離だけ袋178の外周から間隔をおいて配置される。低圧入口/出口ポート58a近傍のかご202の端部も、かご202の内部およびかご202の外部の内部室50a内の位置同士の間の作動流体の自由な流れを可能にするのに十分な距離、リザーバ22aの端部から間隔をおいて配置される。図7乃至図9を参照すると、リザーバ22aは、必要なときにリザーバ22aが作動流体で補充されることを可能にするために、内部室50aに流体連通する注入口218を備える。図示しないが、蓋が、リザーバ22aを封止するために注入口218に固定されてもよい。
【0041】
[0054]図9を参照すると、袋178は、変更可能な内部容積222を備え、内部容積222は、作動流体が、比較的一定の圧力で袋178内に受け入れられるにつれて増大する。上記のように、出願人は、袋178内に貯蔵された歪みエネルギの大部分が、袋178の内面の近くに集中することを、試験を通じて発見している。言い換えれば、袋178の内面近傍の材料は、加圧作動流体が袋178内に受け入れられるときに半径方向に外側の方向に圧縮され(図10および図11参照)、袋178の内部容積222を袋178の長さに沿って効果的に次第に増加させる。袋178のいくつかの構成では、変更可能な内部容積222は、袋178の広げられていない状態(図9)に対応する初期の内部容積の約13倍まで増加させられるように構成される。結果として、リザーバ22a内の作動流体の約75%までが、広げられていない状態(図9)から完全に広げられた状態(図11)まで袋178が広げられるときに袋178と交換され得る。組立体14aの例示された構成では、リザーバ22aは、30リットルの作動流体を収容するように構成され、一方、袋178は、図11に示すように袋178が完全に広げられるときに、少なくとも22リットルの作動流体を収容するように構成される。代替として、リザーバ22aは、多かれ少なかれ作動流体を収容するように適切な大きさに作製されてもよい。
【0042】
[0055]図9および図11を参照すると、袋178は、袋178内の作動流体の量に応じてリザーバ22aの(内部室50aによって画定される)内部容積の約40%乃至約70%を占め得る。例えば、図9に示すように、袋178は、袋178が広げられていない状態のときにリザーバ22aの内部容積の約40%を占める。しかし、図11に示すように袋178が作動流体で満たされるときに、袋178は、リザーバ22aの内部容積の約70%を占める。システム圧力約20.69MPa(約3,000psi)で動作するとき、袋178は、図11に示すように作動流体で完全に満たされるときに少なくとも約203kNm(約150,000ft−lbs)のエネルギを貯蔵するように構成され、これは推進補助を2トン車(例えば、自動車またはピックアップトラック)に与えるのに十分である。システム圧力約41.37MPa(約6,000psi)で動作するとき、袋178は、図11に示すように作動流体で完全に満たされるときに、少なくとも約1017kNm(約750,000ft−lbs)のエネルギを貯蔵するように構成され、10トン車(例えば、単一軸の配達用トラック)で推進補助を与えるのに十分である。
【0043】
[0056]一構成では、組立体14aは、空間の約0.10立方メートル(約3.6立方フィート)だけを占める。そのような比較的小さいパッケージが、袋178をリザーバ22a内に配置する結果として、および袋178が加圧作動流体で完全に充填されるときに、袋178がリザーバ22aの内部容積の約70%まで占めることを可能にすることによって可能である。13.79MPa(2,000psi)と41.37MPa(6,000psi)のシステム圧力の間で動作するときの組立体14aの利用可能なエネルギ貯蔵能力に関しては、組立体14aのエネルギ密度(すなわち、貯蔵エネルギを貯蔵装置の占められた空間で割ったもの)は、約41,500ft−lbs/立方フィートと約208,500ft−lbs/立方フィートの間の範囲であり得る。それに対し、気体充填式アキュムレータおよび別個の低圧リザーバを含む従来のハイブリッド液圧式システムのエネルギ密度は、組立体14aのエネルギ密度の約3分の1乃至約5分の1である。組立体14aのエネルギ密度が、気体充填式アキュムレータおよび別個の低圧リザーバを含む従来のハイブリッド液圧式システムのエネルギ密度よりもずっと高いので、組立体14aは、組立体14aが共に使用される車両または他の機械内によりずっと効果的に実装されてもよい。
【0044】
[0057]図12乃至図14は、図1および図2のシステム10に使用できるアキュムレータおよびリザーバの組立体14bの別の構成を示す。同じ構成要素は、文字「b」を付した同じ参照符号で名付けられる。組立体14bは、図7乃至図11の組立体14aと同じであるが、図4に示すおよび上述された袋118などの多層袋190が、単層袋178に取って代わる。袋190は、内側層226および外側層230を備え、袋118に対する上記のような同様のやり方で製造することができる。代替として、図5に示すチューブまたは袋134などの3層以上を有する袋190が、構成されてもよい。
【0045】
[0058]出願人が試験した多層袋190の一構成では、内側層226は、約5.72cm(約2.25インチ)の内径D1と、約26.0cm(約10.25インチ)の外径D2とを含み、外側層230は、約26.0cm(約10.25インチ)の内径D3と、約33.7cm(約13.25インチ)の外径D4とを含む。したがって、内側層226の肉厚T1は、約10.2cm(約4インチ)であり、一方、外側層230の肉厚T2は、約3.81cm(約1.5インチ)である。これらの寸法D1乃至D4、T1、T2の値は、図12に示すような袋190の広げられていない状態に対応する。約34.48MPa(約5,000psi)の圧力で袋190を作動流体で満たした後、出願人は、寸法D1乃至D4のそれぞれの増加、および厚さT1、T2のそれぞれの減少を測定した。特に、出願人は、約47%の厚さT1の減少、および約21%の厚さT2の減少を測定した。寸法T1、T2に関連した厚さの総減少を検討すると、減少された厚さの総量の約85%までが、内側層226に生じる。したがって、減少された厚さの総量の約15%だけが、外側層230内に生じる。そこで、内側層226および外側層230が作製される特定の材料、または同じ材料の複数の品位は、袋190の厚さに沿って歪みエネルギの分布の均一性を増加させるように選択することができ、それによって組立体14bの性能向上およびより予測可能な動作がもたらされる。
【0046】
[0059]組立体14a、14bのうちのいずれかの動作は、上記のような組立体14の動作とほぼ同様である。
【0047】
[0060]本発明の様々な特徴は、以下の特許請求の範囲に記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体において、
内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、
内側層、および
前記内側層を少なくとも部分的に囲む外側層
を含む拡張可能なアキュムレータとを備え、
前記内側層は、前記外側層よりも高い破断歪みを含み、前記アキュムレータは、前記リザーバ内に少なくとも部分的に配置されると共に前記内部室内に収容された前記作動流体に少なくとも部分的に浸され、前記アキュムレータが、前記リザーバと作動流体を交換するように構成された、
拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項2】
前記リザーバと前記アキュムレータとの間で作動流体の交換中に、前記リザーバから取り除かれた作動流体の容積は、前記アキュムレータによって受け入れられる前記作動流体の容積とほぼ等しい、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項3】
前記アキュムレータと前記リザーバとの間で作動流体の交換中に、前記アキュムレータから排出される作動流体の容積は、前記リザーバに戻された前記作動流体の容積とほぼ等しい、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項4】
前記アキュムレータは第1のアキュムレータであり、前記組立体は、前記リザーバ内に少なくとも部分的に配置されると共に前記内部室内に収容された前記作動流体に少なくとも部分的に浸された第2の拡張可能なアキュムレータをさらに備えた、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項5】
前記外側層は、前記リザーバ内の前記作動流体と接触する、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項6】
前記外側層は、前記内側層よりも高い剛性を含む、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項7】
前記内側層および前記外側層は、前記作動流体に耐え、前記作動流体との長期間の接触後の前記内側層および前記外側層の劣化は、実質的に抑止されるようになっている、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項8】
前記アキュムレータは、前記内側層と前記外側層との間に中間層を含み、前記中間層は、前記作動流体に耐える必要がない、請求項7に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項9】
前記外側層は、前記内側層と同時押出しされる、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項10】
前記拡張可能なアキュムレータは、
チューブおよび袋のうちの1つと、
前記チューブおよび袋のうちの前記1つで加圧作動流体を受け取ると前記チューブおよび袋のうちの前記1つの拡大を制限するように前記チューブおよび前記袋のうちの前記1つの外周と係合可能な支持体と
を備えた、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項11】
少なくとも1つの前記支持体は、前記チューブおよび袋のうちの前記1つを実質的に囲むかごとして構成された、請求項10に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項12】
前記拡張可能なアキュムレータは、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部及び前記第2の端部との間の内部空間とを画定する拡張可能なチューブと、
前記内部空間に流体連通すると共に、前記チューブの前記第1の端部の近傍に配置された入口/出口ポートと、
前記内部空間に流体連通すると共に、前記チューブの前記第2の端部の近傍に配置された脱気弁と
を備えた、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項13】
前記拡張可能なアキュムレータの前記内側層および前記外側層は、弾性であり、前記アキュムレータ単体で圧縮力を前記アキュムレータ内の加圧作動流体に及ぼすように構成された、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項14】
前記アキュムレータは、気体と大気を対応する交換をすることなく、作動流体を前記リザーバと交換するように構成された、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項15】
前記拡張可能なアキュムレータは、単一の袋および単一のチューブのうちの1つとして構成され、前記単一の袋およびチューブのうちの前記1つは、少なくとも約203kNm(約150,000ft−lbs)のエネルギを貯蔵するように構成された、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項16】
前記リザーバは内部容積を含み、前記アキュムレータは前記アキュムレータ内の作動流体の量に応じて前記リザーバの前記内部容積の約40%乃至約70%を占める、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項17】
前記内側層の破断歪みは、前記外側層の破断歪みよりも約30%乃至約70%大きい、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項18】
前記外側層の剛性は、前記内側層の剛性よりも約30%乃至約70%大きい、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項19】
前記リザーバ内の前記作動流体の約75%までは、前記アキュムレータと交換可能である、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項20】
前記内側層および前記外側層のそれぞれは、非繊維質性である、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項21】
前記内側層は第1の厚さを備え、前記外側層は第2の厚さを備え、少なくとも約34.48MPa(約5,000psi)の圧力で前記アキュムレータが作動流体で満たされたときに、前記第1の厚さは少なくとも約40%だけ減少する、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項22】
前記内側層は第1の厚さを備え、前記外側層は第2の厚さを備え、少なくとも約34.48MPa(約5,000psi)の圧力で前記アキュムレータが作動流体で満たされたときに、前記第2の厚さは少なくとも約20%だけ減少する、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項23】
少なくとも約34.48MPa(約5,000psi)の圧力で前記アキュムレータが作動流体で満たされたときに、前記第1の厚さは少なくとも約40%だけ減少する、請求項22に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項24】
前記内側層は第1の非圧縮厚さを備え、前記外側層は第2の非圧縮厚さを備え、少なくとも約34.48MPa(約5,000psi)の圧力で前記アキュムレータが作動流体で満たされたときに、前記第1の非圧縮厚さおよび第2の非圧縮厚さは、総量だけ減少させられ、減少された厚さの前記総量の約85%までが、前記内側層に生じる、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項25】
前記内側層は第1の非圧縮厚さを備え、前記外側層は第2の非圧縮厚さを備え、少なくとも約34.48MPa(約5,000psi)の圧力で前記アキュムレータが作動流体で満たされたときに、前記第1の非圧縮厚さおよび前記第2の非圧縮厚さは、総量だけ減少させられ、減少された厚さの前記総量の約15%までが、前記外側層に生じる、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項26】
前記アキュムレータは変更可能な内部容積を含み、前記変更可能な内部容積は前記アキュムレータの広げられていない状態に対応する初期の内部容積の約13倍まで増加させられるように構成された、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項27】
拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体において、
中心軸、および内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、
前記中心軸と同軸であり、前記リザーバ内に少なくとも部分的に配置され、前記内部室内に収容された前記作動流体に少なくとも部分的に浸され、作動流体を前記リザーバと交換するように構成された拡張可能なアキュムレータと、
前記リザーバと同軸であり、前記アキュムレータの少なくとも長さにわたって延在する支持体とを備え、前記支持体は、前記リザーバから加圧作動流体を受け取ると前記アキュムレータの拡大を制限するように前記アキュムレータの外周と係合可能である、拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項28】
前記支持体は、円筒形の硬質チューブとして構成された、請求項27に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項29】
拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体において、
内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、
前記リザーバ内に少なくとも部分的に配置され、前記内部室内に収容された前記作動流体に少なくとも部分的に浸される単一の拡張可能なアキュムレータとを備え、
前記アキュムレータは、作動流体を前記リザーバと交換するように構成され、前記リザーバは内部容積を含み、前記アキュムレータは前記アキュムレータ内の作動流体の量に応じて前記リザーバの前記内部容積の約40%乃至約70%を占める、拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項30】
前記リザーバ内の前記作動流体の約75%までが、前記アキュムレータと交換可能である、請求項29に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項31】
前記単一の拡張可能なアキュムレータは、前記アキュムレータの材料内に少なくとも約203kNm(約150,000ft−lbs)のエネルギを貯蔵するように構成された、請求項29に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項32】
前記アキュムレータは変更可能な内部容積を含み、前記変更可能な内部容積は前記アキュムレータの広げられていない状態に対応する初期の内部容積の約13倍まで増加させられるように構成された、請求項29に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項33】
前記アキュムレータは、非円形の断面形状を画定する内面を有する単層を含む、請求項29に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項1】
拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体において、
内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、
内側層、および
前記内側層を少なくとも部分的に囲む外側層
を含む拡張可能なアキュムレータとを備え、
前記内側層は、前記外側層よりも高い破断歪みを含み、前記アキュムレータは、前記リザーバ内に少なくとも部分的に配置されると共に前記内部室内に収容された前記作動流体に少なくとも部分的に浸され、前記アキュムレータが、前記リザーバと作動流体を交換するように構成された、
拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項2】
前記リザーバと前記アキュムレータとの間で作動流体の交換中に、前記リザーバから取り除かれた作動流体の容積は、前記アキュムレータによって受け入れられる前記作動流体の容積とほぼ等しい、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項3】
前記アキュムレータと前記リザーバとの間で作動流体の交換中に、前記アキュムレータから排出される作動流体の容積は、前記リザーバに戻された前記作動流体の容積とほぼ等しい、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項4】
前記アキュムレータは第1のアキュムレータであり、前記組立体は、前記リザーバ内に少なくとも部分的に配置されると共に前記内部室内に収容された前記作動流体に少なくとも部分的に浸された第2の拡張可能なアキュムレータをさらに備えた、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項5】
前記外側層は、前記リザーバ内の前記作動流体と接触する、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項6】
前記外側層は、前記内側層よりも高い剛性を含む、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項7】
前記内側層および前記外側層は、前記作動流体に耐え、前記作動流体との長期間の接触後の前記内側層および前記外側層の劣化は、実質的に抑止されるようになっている、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項8】
前記アキュムレータは、前記内側層と前記外側層との間に中間層を含み、前記中間層は、前記作動流体に耐える必要がない、請求項7に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項9】
前記外側層は、前記内側層と同時押出しされる、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項10】
前記拡張可能なアキュムレータは、
チューブおよび袋のうちの1つと、
前記チューブおよび袋のうちの前記1つで加圧作動流体を受け取ると前記チューブおよび袋のうちの前記1つの拡大を制限するように前記チューブおよび前記袋のうちの前記1つの外周と係合可能な支持体と
を備えた、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項11】
少なくとも1つの前記支持体は、前記チューブおよび袋のうちの前記1つを実質的に囲むかごとして構成された、請求項10に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項12】
前記拡張可能なアキュムレータは、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部及び前記第2の端部との間の内部空間とを画定する拡張可能なチューブと、
前記内部空間に流体連通すると共に、前記チューブの前記第1の端部の近傍に配置された入口/出口ポートと、
前記内部空間に流体連通すると共に、前記チューブの前記第2の端部の近傍に配置された脱気弁と
を備えた、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項13】
前記拡張可能なアキュムレータの前記内側層および前記外側層は、弾性であり、前記アキュムレータ単体で圧縮力を前記アキュムレータ内の加圧作動流体に及ぼすように構成された、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項14】
前記アキュムレータは、気体と大気を対応する交換をすることなく、作動流体を前記リザーバと交換するように構成された、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項15】
前記拡張可能なアキュムレータは、単一の袋および単一のチューブのうちの1つとして構成され、前記単一の袋およびチューブのうちの前記1つは、少なくとも約203kNm(約150,000ft−lbs)のエネルギを貯蔵するように構成された、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項16】
前記リザーバは内部容積を含み、前記アキュムレータは前記アキュムレータ内の作動流体の量に応じて前記リザーバの前記内部容積の約40%乃至約70%を占める、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項17】
前記内側層の破断歪みは、前記外側層の破断歪みよりも約30%乃至約70%大きい、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項18】
前記外側層の剛性は、前記内側層の剛性よりも約30%乃至約70%大きい、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項19】
前記リザーバ内の前記作動流体の約75%までは、前記アキュムレータと交換可能である、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項20】
前記内側層および前記外側層のそれぞれは、非繊維質性である、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項21】
前記内側層は第1の厚さを備え、前記外側層は第2の厚さを備え、少なくとも約34.48MPa(約5,000psi)の圧力で前記アキュムレータが作動流体で満たされたときに、前記第1の厚さは少なくとも約40%だけ減少する、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項22】
前記内側層は第1の厚さを備え、前記外側層は第2の厚さを備え、少なくとも約34.48MPa(約5,000psi)の圧力で前記アキュムレータが作動流体で満たされたときに、前記第2の厚さは少なくとも約20%だけ減少する、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項23】
少なくとも約34.48MPa(約5,000psi)の圧力で前記アキュムレータが作動流体で満たされたときに、前記第1の厚さは少なくとも約40%だけ減少する、請求項22に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項24】
前記内側層は第1の非圧縮厚さを備え、前記外側層は第2の非圧縮厚さを備え、少なくとも約34.48MPa(約5,000psi)の圧力で前記アキュムレータが作動流体で満たされたときに、前記第1の非圧縮厚さおよび第2の非圧縮厚さは、総量だけ減少させられ、減少された厚さの前記総量の約85%までが、前記内側層に生じる、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項25】
前記内側層は第1の非圧縮厚さを備え、前記外側層は第2の非圧縮厚さを備え、少なくとも約34.48MPa(約5,000psi)の圧力で前記アキュムレータが作動流体で満たされたときに、前記第1の非圧縮厚さおよび前記第2の非圧縮厚さは、総量だけ減少させられ、減少された厚さの前記総量の約15%までが、前記外側層に生じる、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項26】
前記アキュムレータは変更可能な内部容積を含み、前記変更可能な内部容積は前記アキュムレータの広げられていない状態に対応する初期の内部容積の約13倍まで増加させられるように構成された、請求項1に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項27】
拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体において、
中心軸、および内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、
前記中心軸と同軸であり、前記リザーバ内に少なくとも部分的に配置され、前記内部室内に収容された前記作動流体に少なくとも部分的に浸され、作動流体を前記リザーバと交換するように構成された拡張可能なアキュムレータと、
前記リザーバと同軸であり、前記アキュムレータの少なくとも長さにわたって延在する支持体とを備え、前記支持体は、前記リザーバから加圧作動流体を受け取ると前記アキュムレータの拡大を制限するように前記アキュムレータの外周と係合可能である、拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項28】
前記支持体は、円筒形の硬質チューブとして構成された、請求項27に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項29】
拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体において、
内部に作動流体を収容する内部室を画定するリザーバと、
前記リザーバ内に少なくとも部分的に配置され、前記内部室内に収容された前記作動流体に少なくとも部分的に浸される単一の拡張可能なアキュムレータとを備え、
前記アキュムレータは、作動流体を前記リザーバと交換するように構成され、前記リザーバは内部容積を含み、前記アキュムレータは前記アキュムレータ内の作動流体の量に応じて前記リザーバの前記内部容積の約40%乃至約70%を占める、拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項30】
前記リザーバ内の前記作動流体の約75%までが、前記アキュムレータと交換可能である、請求項29に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項31】
前記単一の拡張可能なアキュムレータは、前記アキュムレータの材料内に少なくとも約203kNm(約150,000ft−lbs)のエネルギを貯蔵するように構成された、請求項29に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項32】
前記アキュムレータは変更可能な内部容積を含み、前記変更可能な内部容積は前記アキュムレータの広げられていない状態に対応する初期の内部容積の約13倍まで増加させられるように構成された、請求項29に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【請求項33】
前記アキュムレータは、非円形の断面形状を画定する内面を有する単層を含む、請求項29に記載の拡張可能なアキュムレータおよびリザーバの組立体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2013−506803(P2013−506803A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532387(P2012−532387)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/051323
【国際公開番号】WO2011/044042
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/051323
【国際公開番号】WO2011/044042
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]