説明

持続放出性ベンラファキシン製剤

即放性ペレットおよび持続放出性ペレットを含む、ベンラファキシンの制御放出性剤形。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤科学の分野に属し、塩酸ベンラファキシンを含む経口制御放出性投与製剤を提供する。
【背景技術】
【0002】
塩酸ベンラファキシンは、ベンラファキシンおよびその類似体の製造を教示し本明細書に参照として組み入れられる米国特許第4535186号、第4761501号、および第6342533号に記載されている。塩酸ベンラファキシンは抗うつ薬として、また全般性不安障害の治療用に販売されている。他の使用には、大うつ病性障害の再発の予防、双極性および躁状障害、心的外傷後ストレス障害、黄体期後期不機嫌性障害、ジルドラトゥーレット症候群、神経性過食症またはシャイドレーガー症候群、注意欠陥障害、パーキンソン病、てんかん、脳機能障害、肥満および体重増加、失調症、痴呆、ならびに関連疾患が含まれる。この薬は選択的なセロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を備えるので、体重増加が問題である場合には好ましい抗うつ薬である。塩酸ベンラファキシンは、他の現在市販されている抗うつ薬(例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、三環系、四環系)とは化学的に関係のないフェニルエチルアミン誘導体である。塩酸ベンラファキシンは、(R/S)−1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール塩酸塩と称され、実験式は、C1727NOHCLである。ベンラファキシンのpKaは9.4であり、水への溶解度は572mg/mLである。
【0003】
この抗うつ作用の神経化学的機序は、中枢神経系(CNS)において神経伝達物質の活性を増強することであると考えられている。ベンラファキシンおよびその活性代謝物であるO−デスメチルベンラファキシン(ODV)は、ニューロンのセロトニンおよびノルエピネフリンの再取り込みの強力な阻害薬であり、ドーパミン再取り込みの弱い阻害薬である。ベンラファキシンは、モノアミンオキシダーゼを阻害せず、ムスカリン性、ヒスタミン性、またはα−1アドレナリン性レセプターに大きな親和性がない。
【0004】
この薬物は、毎日37.5〜375mgの投与量で、抑うつ性情動障害(例えば、大うつ病)の治療に有用である(毎日375mgを超える投与量の持続放出性錠剤は推薦されない)。この薬物は、即放性錠剤(EFFEXOR(登録商標))でも持続放出性カプセル(EFFEXOR(登録商標)XR)でも市販されている。徐放性カプセルは、朝または夕に、毎日だいたい同じ時刻に単回投与量で投与される37.5、75、および150mgのカプセルで市販されている。所望により、治療量の従来の錠剤で治療を受けているうつ病患者は、同等性の最も近い毎日投与量のベンラファキシン持続放出性カプセル(例えば、持続放出性カプセル37.5mg1日2回〜75mg1日1回)に切り替えることができる。胃腸の不耐性を最小にするために、薬物を食物と共に摂取することが推薦されている。しかし、食事も投与時間も、ベンラファキシンまたはその活性代謝物のバイオアベイラビリティに影響を与えないことがわかっている。マスバランス試験によると、ベンラファキシンの1回経口投与量の少なくとも92%が吸収される。絶対バイオアベイラビリティは約45%であり、血漿タンパク質結合は約30%である。ベンラファキシンおよびその活性代謝物であるODVの排泄半減期(T1/2)は、それぞれ5±2および11±2時間である。
【0005】
12時間ごとに75mgの投与量の即放性錠剤を投与すると、ベンラファキシンとODVのCmaxは、それぞれ225ng/mlと290ng/mlになる。ベンラファキシンのTmaxは2時間で、ODVは3時間である。持続放出性カプセルの投与により、即放性錠剤に比べて遅い吸収速度であるが同程度の吸収度がもたらされる。150mgの投与量の持続放出性カプセルのCmaxは、即放性のベンラファキシン錠剤よりも低くなる(ベンラファキシンは150ng/ml、ODVは260ng/ml)。持続放出性カプセルのTmaxは、ベンラファキシンとODVでそれぞれ5.5時間と9時間であった。ベンラファキシンおよびODVの定常状態濃度は、経口複数回投与療法3日以内に達成される。血漿濃度は、肝臓および腎臓の損傷により変更されるが、性別および年齢により変更されることはない。代謝の遅い者、すなわちCYP2D6レベルの低い患者では、代謝の活発な(「正常の」)者よりもベンラファキシンのレベルは増加しODVのレベルは減少する。しかし、曲線下面積(AUC)が類似しているので、投与量を調節する必要はない。市販されている製品は、ベンラファキシンの(+)および(−)の鏡像異性体のラセミ混合物である。代謝物質はすべてラセミ化合物である。
【0006】
持効性または制御放出性薬剤剤を調製するための従来技術には、多くの技術が存在する。当業者によく知られている制御放出性手段または送達デバイスは、例えば、米国特許第3845770号、第3916899号、第3536809号、第3598123号、第4008719号、第5674533号、第5059595号、第5591767号、第5120548号、第5073543号、第5354556号、第5733566号、および第6403120号に記載されており、これらの開示は本明細書に参照として組み入れられる。
【0007】
米国特許第6048547号では、ベンラファキシンおよび微晶質セルロースをポリエチレンオキシド(PEO)と組み合わせ、圧縮して錠剤にした徐放性塩酸ベンラファキシン薬剤組成物を開示している。
【0008】
市販の持続放出性塩酸ベンラファキシンカプセル(EFFEXOR(登録商標)XR)の制御放出性は、楕円体上のコーティング膜を介した拡散によって実現され、pH依存性ではない。EFFEXOR(登録商標)XRは、セルロース、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酸化鉄、および二酸化チタンを含む1日1回の剤形のベンラファキシンで市販されている。
【0009】
即放性製品のように、すなわち制御放出性製剤よりも速くピーク血漿レベルを達成し、その後24時間にわたって徐放する、拍動的な送達システム(即放性に続く徐放性)をもたらす簡単で経済的に生産される薬剤調製物の必要もある。これは結果的に、徐放性プロファイルを設計する際の柔軟性を大きくすることができ、また最高血漿濃度(Cmax)を持続的に減少させることができるが、それに伴う曲線下面積(AUC)の減少はなく、最高血漿濃度が得られる時間(Tmax)は延びないという血漿レベルの改善をもたらす。このような送達剤形には実用的な用途があり、製薬技術分野に価値ある貢献となる。本発明は、このような組成物を提供し、効率的で対費用効果の高い調製方法を提供する。
【0010】
本発明は、上記の問題および他の問題を解決する努力を通して創出され、ベンラファキシン、薬剤として許容されるその塩、およびその活性代謝物であるO−デスメチルベンラファキシン(ODV)の優れたペレット製剤を提供する。
【特許文献1】米国特許第4535186号
【特許文献2】米国特許第4761501号
【特許文献3】米国特許第6342533号
【特許文献4】米国特許第3845770号
【特許文献5】米国特許第3916899号
【特許文献6】米国特許第3536809号
【特許文献7】米国特許第3598123号
【特許文献8】米国特許第4008719号
【特許文献9】米国特許第5674533号
【特許文献10】米国特許第5059595号
【特許文献11】米国特許第5591767号
【特許文献12】米国特許第5120548号
【特許文献13】米国特許第5073543号
【特許文献14】米国特許第5354556号
【特許文献15】米国特許第5733566号
【特許文献16】米国特許第6403120号
【特許文献17】米国特許第6048547号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の一目的は、4時間未満で最高血漿レベルを得る1日1回投与に適する塩酸ベンラファキシンまたはその活性代謝物(ODV)の薬剤製剤を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、うつ病または全般性不安障害の症状の24時間のコントロールをもたらす1日1回の製剤を提供することである。
【0013】
本発明は、以前の特許にも当技術分野のどの文献にも開示されておらず、明らかにされていない新規の血漿レベルをもたらす、新規の徐放性ベンラファキシンまたはその活性代謝物の薬剤組成物に関する。本発明の他の目的、特徴、および利点は、従来技術では教示されていないが、図とともに合わせ読めば以下の明細書から当業者にはより明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の有効成分は、ベンラファキシン、その活性代謝物(ODV)、およびこれらの類似体を含む。この開示および添付の特許請求の範囲では、ベンラファキシンの使用は、遊離塩基および薬剤として許容される塩の形態のベンラファキシン、ラセミ体、およびそれぞれの鏡像異性体、ならびにラセミ体としての、またそれらのそれぞれの鏡像異性体としてのベンラファキシン類似体を含むものと理解されたい。
【0015】
本発明の好ましい一実施形態は、ベンラファキシンおよび結合剤を不活性の球体上に施して即放性ペレットを形成することに関する。その後、水不溶性のフィルム形成用ポリマーで即放性ペレットを被覆して、持続放出性ペレットを形成する。持続放出性ペレットからの薬物の放出速度は、コーティングの厚さおよびコーティングの組成によって制御される。最終の製剤は、即放性ペレットおよび持続放出性ペレットの混合物を含む。最終の製剤の塩酸ベンラファキシンの放出プロファイルは、非コートの即放性ペレットおよび持続放出性ペレットの量を変化させて制御される。即放性ペレットおよび持続放出性ペレットはカプセル中に入れてもよく、従来の錠剤形成技術を用いて錠剤に形成してもよい。
【0016】
一般的に、即放性ペレットと持続放出性ペレットの重量比は、約90:10〜約10:90であるが、約20:80〜約80:20の重量比が好ましい。最も好ましい剤形は、即放性ペレット約25〜50重量%、および持続放出性ペレット約50〜75重量%を含む。
【0017】
好ましい一実施形態では、剤形を1日1回、理想的には食事とともにまたは食後に投与し、1日中薬物の治療レベルをもたらし、ピーク血漿レベルは5時間未満、好ましくは投与後1〜4時間、最も好ましくは2〜3時間で得られる。通常の投与量範囲は、75〜375mgである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、経口投与のための制御放出性ベンラファキシン製剤を提供し、前記製剤は、
(1)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、これらの異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩、
(b)出発材料としての不活性ペレット、および
(c)結合剤
を含む即放性ペレット、ならびに
(2)(i)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、これらの異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩、
(b)出発材料としての不活性ペレット、および
(c)結合剤
を含むコアと、
(ii)(a)水不溶性のフィルム形成用ポリマー
を含むコーティングと、
(iii)場合により、
(a)水不溶性の第2のフィルム形成用ポリマー
を含む第2のコーティングと
を含む持続放出性ペレット
を含む。
【0019】
本発明の製剤は、約15メッシュ〜約60メッシュ、好ましくは約20〜約40メッシュの範囲の直径を有するデンプン、砂糖、微晶質セルロース、ガラス、植物ガム、またはロウなどの、通常知られるペレット出発材料のいずれかを含むコアを有する有効ペレットを主成分とすることが好ましい。好ましいペレット出発材料は、砂糖球、すなわちショ糖を約62.5%以上約91.5%以下含むNFである。不活性ペレットの主要な特徴は、ベンラファキシン、ペレット中の他の可能な賦形剤、または最終的にペレットを摂取する患者と有害反応をしないことである。さらに、球のかさ密度が一定で、破砕性が低く、粉塵の発生が低い性質でなければならない。
【0020】
ベンラファキシンおよび結合剤を含む懸濁液または溶液を噴霧することにより、不活性ペレット上に有効薬物の層を施す。結合剤は、砂糖のコアとベンラファキシン粒子が確実によく接着するために、高い接着性と適度な粘度を備えているフィルム形成用ポリマーが好ましい。使用する結合剤は、当技術分野で通常知られているあらゆるフィルム形成用結合剤、例えば、セルロースエーテル(例えば、エチルセルロース)、ポリオキシド、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびポリビニルピロリドンでよい。前記の結合剤の混合物も、使用することができる。本発明の好ましい一実施形態では、フィルム形成用結合剤は、エチルセルロースなど水不溶性のポリマーである。本発明の第2の実施形態では、水溶性のフィルム形成用結合剤を水不溶性の結合剤と組み合わせる。好ましい水溶性のフィルム形成用結合剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)またはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0021】
本発明の有効ペレットは、以下の成分を含むことが好ましい。
成分 好ましい 最も好ましい
ベンラファキシン 30〜80% 45〜70%
結合剤 1〜20% 2〜15%
出発ペレット 20〜70% 30〜50%
【0022】
上記の表のパーセント値はすべて、有効ペレットの全重量に対するものである。水不溶性の結合剤と水溶性の結合剤の組合せを用いる場合は、水不溶性の結合剤は全結合剤の50%未満、好ましくは40%未満、最も好ましくは35%未満でなければならない。
【0023】
有効薬物層は、流動床コーティング、ローター造粒、またはパンコーティングなどの当業界で周知の積層技術のいずれかを用いて、不活性ペレット上に施す。不活性ペレット上に有効層を施す好ましい方法は、従来の流動床コーティング装置であり、これは底部が通気性である垂直のシリンダーから単純に構成される。シリンダーに被覆される不活性のペレットを充填し、シリンダーの底部を通して十分な体積の空気を吸引して不活性ペレットの塊を浮遊させ、施すべき液体を不活性ペレット上に噴霧する。流動化された空気の温度を噴霧速度と釣り合わせて、有効コーティングを形成する間、不活性ペレットの水分および粘着性を望ましいレベルに維持する。
【0024】
有効薬物層を不活性ペレット上に施した後、製品は即放性ペレットまたは有効ペレットと呼ばれる。
【0025】
即放性ペレットを、水不溶性のポリマー(好ましくはポリメタクリレート)、および界面活性剤、粘着防止剤、可塑剤など従来の加工助剤を含む持続放出性コーティング組成物で被覆して、有効ペレット上に持続放出性コーティングを形成する。持続放出性ペレットからの薬物の放出は、ポリマーコーティングを通した薬物の拡散によって主に制御される。持続放出性ペレットは、最終投与製剤における全ペレットの約20〜約90重量%、好ましくは約40〜約80重量%、最も好ましくは約60〜約75重量%を占めることが好ましい。
【0026】
水不溶性のポリマーは、ポリメタクリレート、メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸エステルコポリマー、アクリル酸、またはこれらの混合物が好ましい。Eudragit(登録商標)NE 30Dが本発明に適するポリマーであることが見出された。他の好ましい水不溶性のポリマーには、セルロースエステル、セルロースエーテル、またはセルロースエステルエーテル、例えば、エチルセルロース、セルロースアシレート、セルロースデアシレート、セルローストリアシレート、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、モノ、ジ、およびトリセルロースアリレートなどがある。外側のコーティングを形成するための水不溶性のさらなるポリマーには、セルロースアセトアルデヒド、ジメチルアセテート、酢酸セルロースエチルカルバメート、酢酸セルロースメチルカーボネート、ジメチルアミノ酢酸セルロース、半透性ポリアミド、ポリビニル酢酸、半透性ポリウレタン、半透性スルホン化ポリスチレン、陰イオンと陽イオンの共沈により形成された架橋された選択的に半透性のポリマーが含まれる。
【0027】
水不溶性のポリマーは、持続放出性コーティングを約40〜約90%、好ましくは約50〜約90%、最も好ましくは約60〜約85%含まなければならない。
【0028】
本発明の代替の一実施形態では、2種の持続放出性コーティングを即放性ペレットに施す。第1の持続放出性コーティングは、ポリメタクリレート、メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸エステルコポリマー、アクリル酸、またはこれらの混合物を含み、第2の持続放出性コーティングは、セルロースエステル、セルロースエーテル、またはセルロースエステルエーテルを含む。
【0029】
即放性ペレットに施される持続放出性コーティングは、場合により界面活性剤を含むことができる。この界面活性剤は、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレングリセロール、ポリオキシエチレンステリルエーテル、プロポキシ−エトキシコポリマー、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、エトキシ化水素化ヒマシ油、およびブトキシ化水素化ヒマシ油を含めて、陰イオン性、陽イオン性、両イオン性、および非イオン性界面活性剤から選択される。好ましい界面活性剤は、ポリソルベート80(Tween80)である。持続放出性コーティングに界面活性剤を用いる場合には、持続放出性コーティングの全重量に対して30重量%以下の濃度で用いるべきである。界面活性剤の好ましい量は、持続放出性コーティングの約0.01〜約20%、最も好ましくは約0.1〜約10%である。
【0030】
持続放出性コーティングは、場合により粘着防止剤も含むことができる。粘着防止剤は、アルカリ土類金属のステアリン酸塩、モノステアリン酸グリセロール、またはタルクからなる群から選択されるものなど既知の物質のあらゆるものから選択することができる。好ましい粘着防止剤は、タルクおよびステアリン酸マグネシウムである。粘着防止剤は、持続放出性コーティングに用いる場合には、持続放出性コーティングの全重量に対して約1〜約15%、最も好ましくは約2〜約10%を占めるべきである。本発明に、タルクとステアリン酸マグネシウムなどの粘着防止剤の組合せを用いることができる。
【0031】
持続放出性コーティングは、コーティングの光沢を減少させるために、場合により可塑剤も含むことができる。用いることのできる可塑剤には、酢酸セルロースと相溶性のある当業者には既知のあらゆるものを含み、クエン酸アセチルトリブチル、トリアセチン、クエン酸アセチルトリエチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、およびこれらの混合物が含まれるがそれだけに限定されない。好ましい可塑剤はトリアセチンである。持続放出性コーティングに可塑剤を用いる場合、用いる量は、持続放出性コーティングの全重量に対して約0.01〜約30%、好ましくは持続放出性コーティングの約0.1〜約15%の範囲であるべきである。
【0032】
持続放出性コーティングは、アセトン、イソプロピルアルコール、または水などの溶剤にそれぞれのポリマーと加工助剤の溶液または懸濁液を形成し、流動床コーティング、ローター造粒、またはパンコーティングなどの当業者には既知の適用技術のいずれかを使用して、有効ペレットに施される。好ましい方法は流動床である。混合時間、装置、ふるいおよび他の操作条件の選択は、通常技術で扱える問題であり、当業者の判断による。持続放出性ペレットは、乾燥機で約60℃で約40時間乾燥する。
【0033】
水不溶性のポリマー、粘着防止剤、および可塑剤を含む持続放出性ペレットに、第2のコーティングを加えることができる。これらの添加剤の例は、上記に記載してある。好ましくは、水不溶性のポリマーは酢酸セルロースであり、粘着防止剤はタルクであり、可塑剤はトリアセチンである。コーティングは、上記の持続放出性ペレットの調製に用いたのと同じ装置および手順を用いて施される。
【0034】
第2の持続放出性コーティングを用いる場合、これは持続放出性ペレットの約2〜10重量%、好ましくは3〜7重量%を占めるべきであり、第1の持続放出性コーティングは、持続放出性ペレットの全重量の約10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%を占めるべきである。
【0035】
最終の剤形は、ゼラチンカプセル中に入れられた即放性ペレットと持続放出性ペレットの混合物またはブレンドを含む。この2種のペレットの比率を変えることにより、新規の溶解プロファイルおよび血漿プロファイルを得ることができる。あるいは、即放性ペレットと持続放出性ペレットを、従来の錠剤の賦形剤とさらに混合し錠剤に形成することができる。
【0036】
薬物は、最終剤形から拍動的に放出され、一部分は即時に放出され、一部分は最高24時間の長時間徐々に絶え間なく放出される。ベンラファキシンの放出速度は、USP26の標準手順に従って、タイプ2装置を用い37℃の蒸留水で50rpmで測定した。本発明に従って調製した制御放出性剤形は、上記に記載した手順に従って試験する場合、以下の溶解プロファイルを示さなければならない。
時間(時間) 好ましい 最も好ましい
1 0〜55% 20〜40%
4 20〜60% 30〜50%
8 25〜80% 35〜70%
12 30%以上 35%以上
24 50%以上 60%以上
【0037】
以下の実施例は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限しようとするものではない。
【実施例1】
【0038】
本発明によるHClベンラファキシン制御放出性経口剤形を、まず以下の組成を有する即放性ペレットを形成することにより調製する。
I 即放性ペレット
全重量に対する%
HCLベンラファキシン 60%
30/35砂糖球 35%
エチルセルロース(EC 10Cps) 5%
【0039】
エチルセルロース(EC 10Cps)をイソプロピルアルコール中に溶解し、このエチルセルロース溶液にHClベンラファキシンを懸濁して固体含量25%の懸濁液を作成することにより、HClベンラファキシンの即放性ペレットを形成する。次いで、Wuster挿入部を備えた流動床プロセッサーで、シードが均一に被覆されて望ましい薬物の効力になるまで、有効薬物の懸濁液を30/35砂糖球上に噴霧する。次いで、乾燥減量で測定して水分レベルが2%未満になるまで、即放性ペレットを流動床プロセッサーで乾燥する。次いで、即放性ペレットを14メッシュのふるいおよび25メッシュのふるいに通し、14メッシュから25メッシュの間の大きさに分粒されたペレットを回収する。
【0040】
II.持続放出性ペレット
上記のステップIから得た即放性ペレットの約3分の2を用いて、以下の組成の持続放出性ペレットを調製する。
即放性ペレット(上記ステップIから得たもの) 63.38%
タルク 4.58%
ステアリン酸マグネシウム 4.58%
Tween 80 0.05%
Eudragit NE 30D 27.41%
【0041】
まず、タルクを精製水中に懸濁する。別の容器で、Tween 80をイソプロピルアルコールに加え、次いでステアリン酸マグネシウムを加える。タルク懸濁液を、ステアリン酸マグネシウム懸濁液に加える。次いで、タルク−ステアリン酸マグネシウム懸濁液を、Eudragit NE 30D懸濁液に加える。次いで、この懸濁液を、Wuster挿入部を備えた流動床プロセッサーで即放性ペレット上に噴霧して、コーティングレベルが約36%である持続放出性ペレットを形成する。LOD(乾燥減量)が1%未満になるまで、持続放出性ペレットを流動床プロセッサーで乾燥する。持続放出性ペレットを2%(w/w)タルクと10分間混合し、続けて約40時間、60℃±5℃で硬化する。硬化したペレットを、14メッシュおよび25メッシュのふるいに通す。25メッシュのふるい上に保持されたペレットを製剤に用いる。
【0042】
ステップIで調製した即放性ペレットおよびステップIIで調製した持続放出性ペレットを、カプセル化する。最終のカプセル化された剤形は、ベンラファキシン塩基150mgを含み、即放性ペレットはベンラファキシン塩基55.5mgを含み、持続放出性ペレットはベンラファキシン塩基94.5mgを含む。
【0043】
得られたベンラファキシンカプセルを、次いで、USP26溶解性試験(タイプ2)に従って50rpmで蒸留水中37℃で試験し、以下の放出プロファイルを有することが見出された。
【0044】
(表1)
表1
時間 (時間) 放出%
0.25 37
0.5 37
1 37
2 37
4 37
6 37
8 38
12 42
20 60
24 68
【0045】
実施例1で製造したベンラファキシンカプセルをヒト患者に投与した。投与約15分後に、血漿中にベンラファキシンが初めて検出され、24時間にわたる徐放性が示された。オープン無作為化クロスオーバー単回投与絶食試験において、この実施例で調製されたベンラファキシン製剤またはEFFEXOR(登録商標)XR150mgのいずれかを投与された無作為に選択された2群の患者が試験に関与した。血液サンプルを72時間にわたって回収し、ベンラファキシン濃度を分析した。EFFEXOR(登録商標)XRは対照の製品であり、HClベンラファキシンを含む市販の薬剤製品である。結果を表2に示す。
【0046】
(表2)
表2
絶食 (N=5)

試験物質における平均値 対照における平均値 G平均比
Cmax (ng/ml) 50.810 67.799 0.718
AUCTLQC (ng時間/ml) 633.699 882.542 0.749
Tmax (時間) 1.827 6.359 0.287

食事あり (N=5)

試験物質における平均値 対照における平均値 G平均比
Cmax (ng/ml) 83.92 96.44 0.866
AUCTLQC (ng時間/ml) 1476.69 1458.26 1.01
Tmax (時間) 3.292 6.403 0.514
【実施例2】
【0047】
本発明によるベンラファキシン制御放出性製剤を、まず以下の組成を有する即放性ペレットに形成することにより調製する。
I.即放性ペレット
全重量に対する%
塩酸ベンラファキシン 60.0
砂糖球 34.0
PVP(K−30) 4.0
EC 10cps 2.0
【0048】
エチルセルロース(EC 10cps)とPVP(K−30)をイソプロピルアルコール中に溶解し、HClベンラファキシンをエチルセルロース/PVP溶液中に懸濁して、固体含量30%の懸濁液を作成することにより、HClベンラファキシンの即放性ペレットを形成する。次いで、Wuster挿入部を備えた流動床プロセッサーで、シードが均一に被覆され望ましい薬物の効力になるまで、有効薬物の懸濁液を30/35砂糖球上に噴霧する。次いで、乾燥減量で測定して水分レベルが2%未満になるまで、即放性ペレットを流動床プロセッサーで乾燥する。次いで、即放性ペレットを14メッシュおよび25メッシュのふるいに通し、14メッシュから25メッシュの間の大きさに分粒されたペレットを回収する。
【0049】
II.持続放出性ペレット
本発明による持続放出性ペレットを、上記ステップIで調製した即放性ペレットの一部分を用いて調製する。持続放出性ペレットは以下の組成を有する。
全重量に対する%
即放性ペレット(ステップI) 79.37
タルク 2.58
ステアリン酸マグネシウム 2.58
tween 80 0.03
Eudragit NE 30D 15.44
【0050】
22%の理論的コーティングレベルが得られるまで即放性ビーズを被覆すること以外は、実施例1に記載した手順に従って持続放出性ペレットを調製する。
【0051】
カプセル化された最終の製品の濃度はベンラファキシン塩基150mgであり、即放性ペレットはベンラファキシン塩基55.5mgを含み、持続放出性ペレットはベンラファキシン塩基94.5mgを含む。
【0052】
得られたベンラファキシンカプセルを、次いで、USP26溶解試験(タイプ2)に従って、50rpmで蒸留水中37℃で試験し、以下の放出プロファイルを有することが見出された。
【0053】
(表3)
表3
時間 (時間) 放出%
0.25 35
0.50 36
1 36
2 36
4 37
8 63
12 86
20 99
24 101
【0054】
この実施例で製造したベンラファキシンカプセルをヒト患者に投与した。ベンラファキシンの24時間にわたる徐放性が示された。提供されたin vivoの結果を表4と5に示す。
【0055】
(表4)
表4
絶食 (N=5)

試験物質における平均値 対照における平均値 G平均比
Cmax (ng/ml) 108.30 89.32 1.21
AUCTLQC (ng時間/ml) 1486.68 1211.56 1.23
Tmax (時間) 4.458 6.00 0.743
【0056】
(表5)
表5
食事あり (N=6)

試験物質における平均値 対照における平均値 G平均比
Cmax (ng/ml) 119.06 94.74 1.26
AUCTLQC (ng時間/ml) 1624.90 1358.30 1.20
Tmax (時間) 5.00 4.83 1.03
【実施例3】
【0057】
本発明によるベンラファキシン制御放出性製剤を、まず以下の組成を有する即放性ペレットに形成することにより調製する。
I 即放性ペレット
全重量に対する%
塩酸ベンラファキシン 60.0
砂糖球 35.0
EC 10cps 5.0
【0058】
実施例1に記載した手順に従って、即放性ペレットを調製する。
【0059】
II.持続放出性ペレット
上記のステップIで調製した即放性ペレットの一部分を用いて、本発明による持続放出性ペレットを調製する。持続放出性ペレットは以下の組成を有する。
全重量に対する%
即放性ペレット(ステップI) 71.00
タルク 3.62
ステアリン酸マグネシウム 3.62
tween 80 0.04
Eudragit NE 30D 21.71
【0060】
実施例1で記載した手順に従って、持続放出性ペレットを調製する。
【0061】
第2の持続放出性コーティングを、ステップIIで調製した持続放出性ペレットに施す。この場合、第2の被覆をされた持続放出性ペレットは以下の組成を有する。
【0062】
III.第2のコーティング
全重量に対する%
ベンラファキシン持続ペレット(ステップII) 96.0
酢酸セルロース 2.42
タルク 1.21
トリアセチン 0.36
【0063】
第2のコーティングを、持続放出性ペレットの調製に用いたのと同じ装置および手順を用いて、ステップIIで調製した持続放出性ペレットに施す。#14および#25のメッシュの間の大きさに分粒されたペレットを回収する。次いで、即放性ペレット108mgおよび持続放出性ペレット258.2mgをカプセル化してベンラファキシン塩基約150mgを含む最終剤形を得る。
【0064】
得られたベンラファキシンカプセルを、次いで、USP26溶解試験(タイプ2)に従って50rpmで37℃蒸留水中で試験し、以下の放出プロファイルを有することが見出された。
【0065】
(表6)
表6
時間 (時間) 放出%
0.25 36
0.50 37
1 37
2 38
4 39
6 44
8 51
12 65
20 83
24 89
【0066】
この実施例で製造したベンラファキシンカプセルを、実施例1で記載した手順に従ってヒト患者に投与した。提供された結果を表7に示す。
【0067】
(表7)
表7
絶食 (N=8)

試験物質における平均値 対照における平均値 G平均比
(CV) (CV)
Cmax(ng/ml) 61.962 67.799 0.914
AUC0-48 (ng時間/ml) 788.170 882.542 0.893
Tmax (時間) 1.938 6.359 0.305
【0068】
本発明を開示する目的で本発明のある種の好ましい代替の実施形態を述べてきたが、当業者には開示された実施形態に対する修正が思いつくかもしれない。したがって、この明細書は、本発明の精神および範囲から逸脱しない本発明のすべての実施形態およびその修正を包含することを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩、
(b)不活性ペレット、および
(c)結合剤
を含む即放性ペレット、ならびに
(2)(i)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩、
(b)不活性ペレット、および
(c)結合剤
を含むコアと、
(ii)(a)水不溶性のポリマー
を含む、コアを包囲するコーティングと
を含む持続放出性ペレット
を含む経口投与のための制御放出性組成物。
【請求項2】
ベンラファキシンのヒトにおける最高血漿濃度が4時間未満で得られる、請求項1に記載の制御放出性組成物。
【請求項3】
ベンラファキシンの最高血漿濃度が約1〜約4時間で得られる、請求項2に記載の制御放出性組成物。
【請求項4】
(1)即放性ペレットが、
(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩30〜80%、
(b)不活性ペレット20〜70%、および
(c)結合剤1〜20%
を含み、
(2)持続放出性ペレットが、
(i)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩30〜80%、
(b)不活性ペレット20〜70%、および
(c)結合剤1〜20%
を含むコアと、
(ii)(a)水不溶性のポリマー40〜99%、
(b)界面活性剤0〜20%、
(c)粘着防止剤0〜15%、および
(d)可塑剤0〜30%
を含むコーティング、および場合により使用する場合には第2のコーティング
を含む請求項1に記載の制御放出性組成物。
【請求項5】
(1)即放性ペレットが、
(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容される塩45〜70%、
(b)不活性ペレット30〜50%、および
(c)結合剤2〜15%
を含み、
(2)持続放出性ペレットが、
(i)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容される塩50〜70%、
(b)不活性ペレット30〜50%、および
(c)結合剤2〜15%
を含むコアと、
(ii)(a)水不溶性のポリマー50〜90%、
(b)界面活性剤0.1〜10%、
(c)粘着防止剤2〜10%、および
(d)可塑剤0.1〜15%
を含むコーティング、および場合により使用する場合には第2のコーティング
を含む請求項4に記載の制御放出性組成物。
【請求項6】
前記不活性ペレットが、デンプン球、砂糖、微晶質セルロース、ガラス、植物ガム、およびロウからなる群から選択され、前記不活性ペレットの出発材料が、約15〜約60メッシュの範囲の直径を有する、請求項1に記載の制御放出性組成物。
【請求項7】
持続放出性ペレットが全薬物の約40〜80%を占める、請求項1に記載の制御放出性組成物。
【請求項8】
持続放出性ペレットが全薬物の60〜75%を占める、請求項7に記載の制御放出性組成物。
【請求項9】
結合剤が、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリオキシド、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、および前記の混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の制御放出性組成物。
【請求項10】
結合剤が水不溶性のポリマーである、請求項1に記載の制御放出性組成物。
【請求項11】
結合剤がエチルセルロースである、請求項10に記載の制御放出性組成物。
【請求項12】
結合剤が水不溶性のポリマーと水溶性のポリマーの混合物である、請求項1に記載の制御放出性組成物。
【請求項13】
結合剤がエチルセルロースとポリビニルピロリドンの混合物である、請求項12に記載の制御放出性組成物。
【請求項14】
水不溶性のポリマーが、ポリメタクリレート、メタクリル酸コポリマー、メタクリレートエステルコポリマー、アクリル酸、セルロースエステル、セルロースエーテル、セルロースエステル−エーテル、またはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の制御放出性組成物。
【請求項15】
水不溶性のポリマーが、ポリメタクリレート、メタクリル酸コポリマー、メタクリレートエステルコポリマー、アクリル酸である、請求項1に記載の制御放出性組成物。
【請求項16】
第2のコーティングが任意ではない、請求項1に記載の制御放出性組成物。
【請求項17】
第1の水不溶性のポリマーが、ポリメタクリレート、メタクリル酸コポリマー、メタクリレートエステルコポリマー、またはアクリル酸である、請求項1に記載の制御放出性組成物。
【請求項18】
USP26に従って、タイプ2の装置で37℃の蒸留水中50rpmで試験する場合、以下の溶解性プロファイル:
1時間後に0〜55%のベンラファキシンが放出され、
4時間後に20〜60%のベンラファキシンが放出され、
8時間後に25〜80%のベンラファキシンが放出され、
24時間後に50%以上のベンラファキシンが放出される
を示す、請求項1に記載の制御放出性組成物。
【請求項19】
USP26に従って、タイプ2の装置で37℃の蒸留水中50rpmで試験する場合、以下の溶解性プロファイル:
1時間後に10〜40%のベンラファキシンが放出され、
4時間後に30〜50%のベンラファキシンが放出され、
8時間後に35〜70%のベンラファキシンが放出され、
24時間後に60%以上のベンラファキシンが放出される
を有する、請求項18に記載の制御放出性組成物。
【請求項20】
ベンラファキシンのピーク血漿レベルが4時間未満で得られる制御放出性製剤を、ベンラファキシンを必要とする患者に経口投与することを含む、24時間にわたりベンラファキシンの治療的血漿濃度を提供する方法。
【請求項21】
ベンラファキシンのピーク血漿レベルが約1〜約4時間で得られる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物が錠剤またはカプセル剤の形態である、請求項1に記載の制御放出性組成物。
【請求項23】
(1)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩30〜80%、
(b)不活性ペレット20〜70%、および
(c)結合剤1〜20%
から本質的になる即放性ペレット、ならびに
(2)(i)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩30〜80%、
(b)不活性ペレット20〜70%、および
(c)結合剤1〜20%、
から本質的になるコアと、
(ii)(a)水不溶性のポリマー40〜99%、
(b)界面活性剤0〜30%、
(c)粘着防止剤0〜15%、および
(d)可塑剤0〜30%
から本質的になるコーティングと
から本質的になる持続放出性ペレット
から本質的になり、
ベンラファキシンのピーク血漿濃度が4時間未満で得られ、持続放出性ペレットが全薬物の約40〜80%を占める制御放出性組成物。
【請求項24】
(1)即放性ペレットが、
(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩45〜70%、
(b)不活性ペレット30〜50%、および
(c)結合剤2〜15%
から本質的になり、
(2)持続放出性ペレットが、
(i)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩45〜70%、
(b)不活性ペレット30〜50%、および
(c)結合剤2〜15%
から本質的になるコアと、
(ii)(a)水不溶性のポリマー50〜90%、
(b)界面活性剤0.1〜10%、
(c)粘着防止剤2〜10%、および
(d)可塑剤0.1〜15%
から本質的になるコーティングと
から本質的になり、
ベンラファキシンのピーク血漿濃度が5時間未満で得られ、持続放出性ペレットが全薬物の約60〜75%を占める、請求項23に記載の制御放出性組成物。
【請求項25】
ベンラファキシンの最高血漿濃度が4時間未満で得られる、請求項24に記載の制御放出性組成物。
【請求項26】
ベンラファキシンの最高血漿濃度が約1〜約4時間で得られる、請求項25に記載の制御放出性組成物。
【請求項27】
(1)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩、
(b)不活性ペレット、および
(c)結合剤
を含む即放性ペレット、ならびに
(2)(i)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩、
(b)不活性ペレット、および
(c)結合剤
を含むコアと、
(ii)(a)水不溶性のポリマー
を含む、コアを包囲するコーティングと、
(iii)(a)水不溶性のポリマー、
(b)粘着防止剤、および
(c)可塑剤
を含む第2のコーティングと
を含む持続放出性ペレット
を含む、請求項1に記載の経口投与のための制御放出性組成物。
【請求項28】
(1)即放性ペレットが、
(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩30〜80%、
(b)不活性ペレット20〜70%、および
(c)結合剤1〜20%
を含み、
(2)持続放出性ペレットが、
(i)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩30〜80%、
(b)不活性ペレット20〜70%、および
(c)結合剤1〜20%
を含むコアと、
(ii)(a)水不溶性のポリマー40〜99%、
(b)界面活性剤0〜20%、
(c)粘着防止剤0〜15%、および
(d)可塑剤0〜30%
を含む第1のコーティングと、
(iii)(a)水不溶性のポリマー30〜90%、
(b)粘着防止剤5〜50%、および
(c)可塑剤1〜20%
を含む第2のコーティングと
を含む、請求項27に記載の制御放出性組成物。
【請求項29】
(1)即放性ペレットが、
(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩45〜70%、
(b)不活性ペレット30〜50%、および
(c)結合剤2〜15%
を含み、
(2)持続放出性ペレットが、
(i)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容される塩50〜70%、
(b)不活性ペレット30〜50%、および
(c)結合剤2〜15%
を含むコアと、
(ii)(a)水不溶性のポリマー50〜90%、
(b)界面活性剤0.1〜10%、
(c)粘着防止剤2〜10%、および
(d)可塑剤0.1〜15%
を含む第1のコーティングと、
(iii)(a)水不溶性のポリマー45〜70%、
(b)粘着防止剤20〜40%、および
(c)可塑剤5〜15%
含む第2のコーティングと
を含む、請求項28に記載の制御放出性組成物。
【請求項30】
(1)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩30〜80%、
(b)不活性ペレット20〜70%、および
(c)結合剤1〜20%
から本質的になる即放性ペレット、ならびに
(2)(i)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩30〜80%、
(b)不活性ペレット20〜70%、および
(c)結合剤1〜20%
から本質的になるコアと、
(ii)(a)水不溶性のポリマー40〜99%、
(b)界面活性剤0〜30%、
(c)粘着防止剤0〜15%、および
(d)可塑剤0〜30%
から本質的になるコーティングと、
(iii)(a)水不溶性のポリマー30〜90%、
(b)粘着防止剤5〜50%、および
(c)可塑剤1〜20%
を含む第2のコーティングと
から本質的になる持続放出性ペレット
から本質的になり、
ベンラファキシンのピーク血漿濃度が4時間未満で得られ、持続放出性ペレットが全薬物の約40〜80%を占める制御放出性組成物。
【請求項31】
ベンラファキシンの最高血漿濃度が約1〜約4時間で得られる、請求項30に記載の制御放出性組成物。
【請求項32】
(1)即放性ペレットが、
(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩45〜70%、
(b)不活性ペレット30〜50%、および
(c)結合剤2〜15%
から本質的になり、
(2)持続放出性ペレットが、
(i)(a)ベンラファキシン、その活性代謝物、異性体、または薬剤として許容されるこれらの塩45〜70%、
(b)不活性ペレット30〜50%、および
(c)結合剤2〜15%
から本質的になるコアと、
(ii)(a)水不溶性のポリマー50〜90%、
(b)界面活性剤0.1〜10%、
(c)粘着防止剤2〜10%、および
(d)可塑剤0.1〜15%
から本質的になる第1のコーティングと、
(iii)(a)水不溶性のポリマー45〜70%、
(b)粉剤20〜40%、および
(c)可塑剤5〜15%
を含む第2のコーティングと
から本質的になり、
ベンラファキシンのピーク血漿濃度が4時間未満で得られ、持続放出性ペレットが全薬物の約60〜75%を占める、請求項30に記載の制御放出性組成物。

【公表番号】特表2007−511510(P2007−511510A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539571(P2006−539571)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/036083
【国際公開番号】WO2005/048923
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(506107254)アンドルックス ファーマスーティカルズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (2)
【Fターム(参考)】