説明

振れ補正機能付き光学ユニット

【課題】可動体の側面と固定体の側面との隙間を利用してフォトリフレクタを設けた場合でも、フォトリフレクタからの出力と可動体の揺動角度との間に適正な相関性を得ることのできる振れ補正機能付き光学ユニットを提供すること。
【解決手段】振れ補正機能付きの光学ユニット100において、振れ補正用駆動機構500によって揺動支点180を中心に可動体3を揺動させて振れを補正する。その際、第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580bを固定体200の側面に設け、可動体3の変位を監視する。ここで、可動体3の側面には、第1フォトリフレクタ580aと対向する領域および第2フォトリフレクタ580bと対向する領域に樹脂テープ、金属シート、コーティング層、板状ガラス、反射板等の平滑層590を積層しておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ付き携帯電話機等に搭載される振れ補正機能付き光学ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機は、撮影用の光学ユニットが搭載された光学機器として構成されている。かかる光学ユニットにおいては、ユーザーの手振れによる撮影画像の乱れを抑制するために、可動体においてレンズの周りに角速度センサ、フォトリフレクタ、振れ補正用駆動機構を互いに隣り合う位置に設け、角速度センサによる振れの検出結果に基づいて、振れ補正用駆動機構を制御するとともに、可動体の位置をフォトリフレクタで監視する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、レンズを保持する可動体側から径方向に張り出した部分に光軸方向で対向するフォトリフレクタを設けた構成も提案されている(特許文献2参照)。さらに、レンズを保持する可動体の側面において、アクチュエーターと反射型のフォトインタラプタ(フォトリフレクタ)とを互いに隣り合う位置に設け、固定体の側面をフォトリフレクタの反射面として利用する構成も提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−207148号公報
【特許文献2】特開2011−65140号公報の図1等
【特許文献2】特開2007−41418号公報の段落[0047]等
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成のように、可動体においてレンズの周りに角速度センサ、フォトリフレクタ、振れ補正用駆動機構を互いに隣り合う位置に設けた構成は、光学ユニットの光軸方向に対して交差する方向におけるサイズが大きい場合にしか適用できないという問題点がある。また、特許文献2に記載の構成のように、可動体側から径方向に張り出した部分に光軸方向で対向するフォトリフレクタを設けた構成では、可動体の周りにフォトリフレクタを設けることができる広い空き空間が存在する場合しか採用できないという問題点ある。
【0005】
これに対して、特許文献3に記載の構成のように、可動体と固定体とにおいて互いに対向する側面を利用してフォトリフレクタを設けた場合には、固定体の側面と固定体の側面との隙間を効率よく利用できるので、光学ユニットを小型化した場合でも、フォトリフレクタを設けることができるという利点がある。
【0006】
しかしながら、可動体の側面と固定体の側面との隙間を利用してフォトリフレクタを設けた場合、図23および図24を参照して以下に説明する問題点がある。例えば、図23(a)、(b)、(c)に平面図、YZ断面図、XZ断面を示すように、可動体3においてY軸方向(第1方向)に位置する第1側面31、およびX軸方向(第2方向)に位置する第2側面32の各々に第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580bを設け、固定体200の第1側面201を第1フォトリフレクタ580aに対する反射面として利用し、固定体200の第2側面202を第2フォトリフレクタ580bに対する反射面として利用したとする。かかる構成を採用した場合、可動体3が揺動支点180を中心に軸線Y0周りに回転すると、第1フォトリフレクタ580aからの出力および第2フォトリフレクタ580bからの出力は各々、図24(a)に実線L1yおよび点線L2yに示すように変化する。また、可動体3が揺動支点180を中心に軸線X0周りに回転すると(図23(d)参照)、第1フォトリフレクタ580aからの出力および第2フォトリフレクタ580bからの出力は各々、図24(b)に実線L1xおよび点線L2xに示すように変化する。但し、可動体3が揺動した際、固定体200において第1フォトリフレクタ580aに対向する位置、および第2フォトリフレクタ580bに対向する位置が大きく移動するため、第1フォトリフレクタ580aに対向する範囲、および第2フォトリフレクタ580bに対向する範囲の一部に傷等が存在すると、第1フォトリフレクタ580aからの出力および第2フォトリフレクタ580bからの出力に不具合が発生する。例えば、可動体3が軸線X0周りに揺動した際に第1フォトリフレクタ580aに対向する位置が移動する範囲の一部にでも、傷299等が存在すると、図24(b)に実線L1xで示すように、第1フォトリフレクタ580aからの出力において可動体3の揺動角度に対するリニアリティが損なわれてしまう。その結果、可動体3の変位を精度よく検出できず、可動体3の揺動を精度よく制御できなくなる。かといって、可動体3が揺動した際に第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580bが対向する領域全体を平滑面としておくには、研磨等の加工を行う必要があるため、コストが嵩む。また、可動体3が揺動した際に第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580bが対向する領域全体を平滑面に加工しておいても、光学ユニット100を組み立てる際、固定体200の第1側面201および第2側面202に傷がつくことを完全に防止することは困難である。
【0007】
なお、上記の問題点等は、固定体200の第1側面201および第2側面202に第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580bを設け、可動体3の第1側面31および第2側面32において第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580bと対向する領域を反射面として利用した場合でも同様に発生する。
【0008】
これに対して、可動体3と固定体200との隙間を利用してフォトリフレクタを設けるにあたって、図25(a)、(b)、(c)に平面図、YZ断面図、XZ断面を示すように、可動体3の底部39(光軸方向後側端部)と固定体200の底部209との隙間を利用した場合、図23よび図24を参照して説明した問題がほとんど問題とならない。すなわち、図25に示すように、可動体3の底部39(光軸方向後側端部)に第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580bを設けた場合、可動体3が揺動しても(図25(d)参照)、第1フォトリフレクタ580aが対向する領域および第2フォトリフレクタ580bが対向する領域の移動は極めて小さいため、第1フォトリフレクタ580aからの出力および第2フォトリフレクタ580bからの出力において、可動体3の揺動角度に対するリニアリティが損なわれることはほとんどない。
【0009】
従って、図23よび図24を参照して説明した問題は、可動体3の側面と固定体200の側面との隙間を利用してフォトリフレクタを設けた場合特有の問題である。但し、図25に示す構成の場合、揺動支点180を設けると、可動体3の底部39と固定体200の底部209との間が広いため、フォトリフレクタの感度が低下する等の問題点がある。また、図25に示す構成の場合、可動体3の底部39と固定体200の底部209との間にフレキシブル配線基板を配置するのに多大な制約が発生するという問題点がある。このため、図23を参照して説明したように、可動体3の側面と固定体200の側面との隙間を利用してフォトリフレクタを設けた構造を採用したうえで、第1フォトリフレクタ580aからの出力および第2フォトリフレクタ580bからの出力におけるリニアリティを改善することが好ましい。
【0010】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、可動体の側面と固定体の側面との隙間を利用してフォトリフレクタを設けた場合でも、フォトリフレクタからの出力と可動体の揺動角度との間に適正な相関性を得ることのできる振れ補正機能付き光学ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る振れ補正機能付き光学ユニットは、固定体と、光学素子を保持する可動体と、当該可動体を光軸方向に交差する第1方向に揺動させるとともに、前記光軸方向および前記第1方向に交差する第2方向に揺動させる振れ補正用駆動機構と、を有する補正機能付き光学ユニットにおいて、前記第1方向で対向する前記固定体の第1側面および前記可動体の第1側面のうちの一方の第1側面で他方の第1側面に向く第1フォトリフレクタと、前記他方の第1側面で前記第1フォトリフレクタに対向する領域に積層された反射性の第1平滑層と、前記第2方向で対向する前記固定体の第2側面および前記可動体の第2側面のうちの一方の第2側面で他方の第2側面に向く第2フォトリフレクタと、前記他方の第2側面で前記第2フォトリフレクタに対向する領域に積層された反射性の第2平滑層と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る振れ補正機能付き光学ユニットでは、可動体を揺動させる振れ補正用駆動機構が設けられているため、光学ユニットに手振れ等の振れが発生した際、かかる振れを相殺するように可動体を揺動させることができる。このため、光学ユニットが振れても光軸の傾きを補正することができる。また、可動体の側面と固定体の側面との間にはフォトリフレクタ(第1フォトリフレクタおよび第2フォトリフレクタ)が設けられているため、フォトリフレクタによって、可動体の変位を監視し、その監視結果に基づいて、振れ補正用駆動機構を制御することができる。ここで、固定体の側面および可動体の側面のうち、フォトリフレクタ(第1フォトリフレクタおよび第2フォトリフレクタ)と対向する領域には、反射性の平滑層(第1平滑層および第2平滑層)が積層されているため、可動体が揺動しても、フォトリフレクタは常に平滑層と対向する。このため、フォトリフレクタと対向する領域に傷等が存在していても、かかる傷は、反射性の平滑層で覆われているので、フォトリフレクタには常に適正な反射光が戻ってくる。それ故、可動体の側面と固定体の側面との隙間を利用してフォトリフレクタを設けた場合でも、フォトリフレクタからの出力と可動体の揺動角度との間に適正な相関性を得ることができ、可動体の揺動を精度よく制御することができる。
【0013】
本発明において、前記第1平滑層および前記第2平滑層は各々、樹脂テープ、金属シート、コーティング層、板状ガラス、および反射板のうちの何れかである構成を採用することができる。かかる構成によれば、光学ユニットの組み立ての途中あるいは最終段階で平滑層を設けることができるので、光学ユニットの組み立ての途中において平滑層に傷等が付くことを防止するができる。
【0014】
本発明において、前記第1平滑層および前記第2平滑層は各々、平面上に積層されていることが好ましい。かかる構成によれば、平滑層を適正に積層することができる。
【0015】
本発明において、前記第1フォトリフレクタおよび前記第2フォトリフレクタは、前記固定体の側に設けられ、前記第1平滑層および前記第2平滑層は、前記可動体の側に設けられている構成を採用することができる。
【0016】
本発明において、前記振れ補正用駆動機構は、前記固定体の第1側面に設けられた第1空芯コイルと、前記可動体の第1側面に設けられた第1磁石と、前記固定体の第2側面に設けられた第2空芯コイルと、前記可動体の第2側面に設けられた第2磁石と、を備え、前記第1フォトリフレクタは、前記第1空芯コイルの内側領域に設けられ、前記第2フォトリフレクタは、前記第2空芯コイルの内側領域に設けられ、前記第1平滑層は、前記第1磁石において前記第1空芯コイルが位置する側の面に積層され、前記第2平滑層は、前記第2磁石において前記第2空芯コイルが位置する側の面に積層されていることが好ましい。かかる構成によれば、第1フォトリフレクタおよび第2フォトリフレクタを、振れ補正用駆動機構に用いた第1空芯コイルの内側領域および第2空芯コイルの内側領域という空きスペースに設けられていることになる。従って、第1フォトリフレクタおよび第2フォトリフレクタを設けた場合でも、光学ユニットの光軸方向および光軸方向に対して交差する方向のサイズの増大を防止することができる。さらに、第1フォトリフレクタおよび第2フォトリフレクタは、第1空芯コイルの内側領域および第2空芯コイルの内側領域に設けられ、第1空芯コイルおよび第2空芯コイルによって囲まれた状態にある。従って、第1空芯コイルおよび第2空芯コイルによって、第1フォトリフレクタおよび第2フォトリフレクタのうちの一方から出射された光が他方のフォトリフレクタに漏れ光として入射することを防止することができる。それ故、漏れ光が原因でフォトリフレクタが誤検出することを防止できるので、光軸の傾きを精度よく補正することができる。
【0017】
本発明において、前記振れ補正用駆動機構は、前記固定体の第1側面に設けられた第1コイルと、前記可動体の第1側面に設けられた第1磁石と、前記固定体の第2側面に設けられた第2コイルと、前記可動体の第2側面に設けられた第2磁石と、を備え、前記第1フォトリフレクタ、前記第1平滑層、前記第2フォトリフレクタ、および前記第2平滑層は各々、前記第1コイル、前記第1磁石、前記第2コイル、および前記第2磁石より光軸方向において前記可動体の揺動中心が位置する側に設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、十分なトルクをもって可動体を揺動させるという観点からすれば、揺動中心から光軸方向で離間している位置に振れ補正用駆動機構を設けることが好ましい。また、フォトリフレクタは、距離と出力とのリニアリティという観点からすれば、変位量がある程度、小さい条件下で検出を行うことが好ましい。ここに、光軸方向において離間する位置に設けられた振れ補正用駆動機構と揺動中心との間にフォトリフレクタを設ければ、フォトリフレクタは、可動体の変位が比較的小さな位置に設けられたことになる。それ故、光学ユニットのサイズが小さくても、振れ補正用駆動機構およびフォトリフレクタの双方を適正に配置することができる。
【0018】
本発明において、可動体の光軸方向後側端部を支持して当該可動体を前記第1方向および前記第2方向に揺動可能に支持する揺動支点を有していることが好ましい。かかる構成を採用した場合、可動体の光軸方向後側端部と固定体の底部との間が広くなるが、本発明では、可動体の側面と固定体の側面との隙間を利用してフォトリフレクタを設けたため、可動体の光軸方向後側端部と固定体の底部との間にフォトリフレクタを設けた場合に比較して、フォトリフレクタを高い感度で使用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る振れ補正機能付き光学ユニットでは、可動体の側面と固定体の側面との間にはフォトリフレクタ(第1フォトリフレクタおよび第2フォトリフレクタ)が設けられているため、フォトリフレクタによって、可動体の変位を監視し、その監視結果に基づいて、振れ補正用駆動機構を制御することができる。ここで、固定体の側面および可動体の側面のうち、フォトリフレクタ(第1フォトリフレクタおよび第2フォトリフレクタ)と対向する領域には、反射性の平滑層(第1平滑層および第2平滑層)が積層されているため、可動体が揺動しても、フォトリフレクタは常に平滑層と対向する。このため、フォトリフレクタと対向する領域に傷等が存在していても、かかる傷は、反射性の平滑層で覆われているので、フォトリフレクタには常に適正な反射光が戻ってくる。それ故、可動体の側面と固定体の側面との隙間を利用してフォトリフレクタを設けた場合でも、フォトリフレクタからの出力と可動体の揺動角度との間に適正な相関性を得ることができ、可動体の揺動を精度よく制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明を適用した振れ補正機能付きの光学ユニットを携帯電話機等の光学機器に搭載した様子を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明を適用した振れ補正機能付きの光学ユニットにおけるフォトリフレクタの配置位置等を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニットの外観等を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニットの全体構成を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニットに用いたコイルホルダおよびコイルの説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニットにおけるフレキシブル配線基板の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニットに用いた可動体の分解斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニットのYZ断面の構成を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニットの断面の構成を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニットのXY断面図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニットに用いた平滑層の説明図である。
【図12】本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニットに用いた平滑層の反射特性の均一性を示す説明図である。
【図13】本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニットにおいて、可動体を揺動させた際のフォトリフレクタからの出力を示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニットに設けたフォトリフレクタの固定体への固定構造を示す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニットに設けたスペーサー等の説明図である。
【図16】フォトリフレクタと反射面との距離と、フォトリフレクタからの出力電流値との関係を示す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態1の改良例に係る振れ補正機能付きの光学ユニットにおける変位量検出方法を示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態2に係る振れ補正機能付きの光学ユニットの全体構成を示す説明図である。
【図19】本発明の実施の形態2に係る振れ補正機能付きの光学ユニットの要部の分解斜視図である。
【図20】本発明の実施の形態2に係る振れ補正機能付きの光学ユニットの可動体の分解斜視図である。
【図21】本発明の実施の形態2に係る振れ補正機能付きの光学ユニットの断面図である。
【図22】本発明の他の実施の形態に係る振れ補正機能付きの光学ユニットにおけるフォトリフレクタの配置位置等を示す説明図である。
【図23】本発明の参考例に係る振れ補正機能付きの光学ユニットにおけるフォトリフレクタの配置位置等を示す説明図である。
【図24】図23に示す振れ補正機能付きの光学ユニットにおいて、可動体を揺動させた際のフォトリフレクタからの出力を示す説明図である。
【図25】本発明の別の参考例に係る振れ補正機能付きの光学ユニットにおけるフォトリフレクタの配置位置等を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、光学ユニットとして撮像ユニットの手振れを防止するための構成を例示する。また、以下の説明では、互いに直交する3方向を各々X軸、Y軸、Z軸とし、光軸L(レンズ光軸)に沿う方向をZ軸とする。また、以下の説明では、各方向の振れのうち、X軸周りの回転は、いわゆるピッチング(縦揺れ)に相当し、Y軸周りの回転は、いわゆるヨーイング(横揺れ)に相当し、Z軸周りの回転は、いわゆるローリングに相当する。また、X軸の一方側には+Xを付し、他方側には−Xを付し、Y軸の一方側には+Yを付し、他方側には−Yを付し、Z軸の一方側(被写体側とは反対側)には+Zを付し、他方側(被写体側)には−Zを付して説明する。
【0022】
[実施の形態1]
(撮影用の光学ユニットの全体構成)
図1は、本発明を適用した振れ補正機能付きの光学ユニットを携帯電話機等の光学機器に搭載した様子を模式的に示す説明図である。図2は、本発明を適用した振れ補正機能付きの光学ユニットにおけるフォトリフレクタの配置位置等を示す説明図であり、図2(a)、(b)、(c)、(d)は各々、光学ユニットの平面的構成を示す説明図、YZ断面を模式的に示す説明図、XZ断面を模式的に示す説明図、および可動体が揺動した様子を模式的に示す説明図である。なお、図1および図2では、振れ補正用駆動機構の図示を省略してある。
【0023】
図1に示す光学ユニット100(振れ補正機能付き光学ユニット)は、カメラ付き携帯電話機等の光学機器1000に用いられる薄型カメラであって、光学機器1000のシャーシ1100(機器本体)に支持された状態で搭載される。かかる光学ユニット100では、撮影時に光学機器1000に手振れ等の振れが発生すると、撮像画像に乱れが発生する。そこで、本形態の光学ユニット100には、後述するように、撮像ユニット1を備えた可動体3を固定体200内で揺動可能に支持するとともに、光学ユニット100に搭載したジャイロスコープ、あるいは光学機器1000の本体側に搭載したジャイロスコープ等の振れ検出センサによって手振れを検出した結果に基づいて、撮像ユニット1を揺動させる振れ補正用駆動機構(図1では図示せず)が設けられている。
【0024】
また、本形態では、図2(a)、(b)、(c)に示すように、光学ユニット100を揺動させた際の可動体3の変位を監視するフォトリフレクタ580(第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580b)が設けられている。このため、フォトリフレクタ580での監視結果に基づいて、振れ補正用駆動機構を制御する。かかるフォトリフレクタ580を設けるにあたって、本形態では、Y方向(第1方向)で対向する固定体200の第1側面201および可動体3の第1側面31のうちの一方の第1側面に他方の第1側面に向く第1フォトリフレクタ580aが設けられている。また、X方向(第2方向)で対向する固定体200の第2側面202および可動体3の第2側面32のうちの一方の第2側面に他方の第2側面に向く第2フォトリフレクタ580bが設けられている。より具体的には、本形態では、固定体200の第1側面201には第1フォトリフレクタ580aが設けられ、第1フォトリフレクタ580aは可動体3の第1側面31に向いている。また、固定体200の第2側面202には第2フォトリフレクタ580bが設けられ、第2フォトリフレクタ580bは可動体3の第2側面32に向いている。
【0025】
ここで、可動体3の第1側面31において第1フォトリフレクタ580aと対向する領域には、反射性の第1平滑層590aが積層され、可動体3の第2側面32において第2フォトリフレクタ580bと対向する領域には、反射性の第2平滑層590bが積層されている。かかる平滑層590(第1平滑層590aおよび第2平滑層590b)は各々、樹脂テープ、金属シート、コーティング層、板状ガラス、あるいは反射板からなる。より具体的には、平滑層590は、可動体3に粘着材等によって貼付された樹脂テープ、金属シート、板状ガラス、反射板や、可動体3に塗布後、硬化させたコーティング層からなる。
【0026】
このように構成した光学ユニット100において、フォトリフレクタ580と対向する領域は、可動体3の揺動に伴って移動するが、平滑層590は、可動体3が揺動した際にフォトリフレクタ580と対向する領域全体にわたって設けられている。このため、例えば、図2(d)に示すように、可動体3が軸線X0周りに回転した際でも、第1フォトリフレクタ580aは、常に第1平滑層590aと対向し、第2フォトリフレクタ580bは、常に第2平滑層590bと対向する。また、図示を省略するが、可動体3が軸線Y0周りに回転した際も、可動体3が軸線X0周りに回転した際と同様、第1フォトリフレクタ580aは、常に第1平滑層590aと対向し、第2フォトリフレクタ580bは、常に第2平滑層590bと対向する。
【0027】
(光学ユニット100の具体的構成例)
図3は、本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニットの外観等を示す斜視図であり、図3(a)、(b)は、光学ユニットを被写体側からみたときの斜視図、および光学ユニットから撮影ユニットを取り外した状態の斜視図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100の全体構成を示す分解斜視図である。なお、図4では、可動体3については撮像ユニット1の図示を省略し、ケース110のみを図示してある。
【0028】
図1、図3および図4に示すように、光学ユニット100には、撮像ユニット1や振れ補正用駆動機構への給電等行うためのフレキシブル配線基板410、490が引き出されており、かかるフレキシブル配線基板410、490は、光学機器1000の本体側に設けられた上位の制御部等に電気的に接続されている。また、フレキシブル配線基板410は、撮像ユニット1から信号を出力する機能も担っている。
【0029】
図3および図4において、光学ユニット100は、まず、固定体200と、ケース110内に撮像ユニット1が収容された可動体3と、可動体3が固定体200に対して変位可能に支持された状態とするバネ部材600と、可動体3と固定体200との間で可動体3を固定体200に対して相対変位させる磁気駆動力を発生させる振れ補正用駆動機構500とを有している。
【0030】
(固定体200の構成)
図5は、本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100に用いたコイルホルダおよびコイルの説明図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100におけるフレキシブル配線基板490の説明図である。
【0031】
図3および図4に示すように、固定体200は、上カバー250、コイルホルダ260および下カバー270を備えており、上カバー250は、可動体3の周りを囲む角筒状胴部210と、角筒状胴部210の被写体側の開口部を塞ぐ端板部220とを備えている。端板部220には、被写体からの光が入射する窓220aが形成されている。上カバー250において、角筒状胴部210は、被写体側(光軸Lが延在している側)とは反対側(+Z側)の端部が開放端になっている。上カバー250の角筒状胴部210において、4つの側板部211のうち、Y軸方向の一方側+Yに位置する側板部211aには切り欠き217が形成されている。かかる切り欠き217は、フレキシブル配線基板410、490を外部に引き出すのに利用されている。
【0032】
下カバー270は、金属板に対するプレス加工品であり、略矩形の底板部271と、底板部271の外周縁のうち、X軸方向で対向する2辺、およびY軸方向の他方側−Yで対向する3つの側板部272とを備えており、側板部272は、上カバー250の角筒状胴部210の内面に固定される。
【0033】
下カバー270において光軸方向前側に向く上面の中央には受け板181が固定されている一方、可動体3の底部(光軸方向後側端部)には、半球状の突部182が固定されている。かかる突部182は、可動体3を揺動可能に支持する揺動支点180を構成しており、可動体3は、Z軸の一方側+Z(光軸方向後側)に位置する端部(揺動支点180)を中心に揺動可能である。このため、可動体3は、光軸方向における中心よりも光軸方向後側(Z軸方向の+Z側)を中心に揺動可能である。なお、揺動支点180を構成するには、下カバー270の側に半球状突起を設けた構成や、下カバー270と可動体3との間に鋼球を配置した構造を採用することもできる。
【0034】
図5に示すように、コイルホルダ260は、4つの角部分の各々で光軸方向に延在する横断面L字形状の縦枠部分265と、隣り合う縦枠部分265を光軸方向前側で繋ぐ上枠部分266と、隣り合う縦枠部分265を光軸方向後側で繋ぐ下枠部分267とを備えた角形状を有している。縦枠部分265は、上枠部分266の外周縁、および下枠部分267の外周縁よりもわずかに内側に位置する。かかるコイルホルダ260には、隣り合う縦枠部分265の間が開口部268となった側面264が構成されている。
【0035】
コイルホルダ260の周りには、図5および図6に示すフレキシブル配線基板490の帯状部分460が矩形に折り曲げられた状態で保持され、かかる帯状部分460の内面には、長手方向で離間する4か所の各々に空芯コイル560が実装されている。空芯コイル560は、四角形の枠状に形成されており、光軸方向で対向する上下の長辺部分568、569が有効辺として利用される。かかる帯状部分460は、コイルホルダ260の周りに沿って矩形に折り曲げられ、光軸方向において上枠部分266と下枠部分267との間に収容された状態でコイルホルダ260に保持される。この状態で、4つの空芯コイル560の上下の長辺部分568、569は、コイルホルダ260の開口部268から内側に露出した状態となる。
【0036】
かかる4つの空芯コイル560については、以下、光軸周りに配置されている順に、第1空芯コイル560a、第2空芯コイル560b、第3空芯コイル560cおよび第4空芯コイル560dとする。また、コイルホルダ260の4つの側面264については、以下、光軸周りに配置されている順に、側面264a、264b、264c、264dとする。かかる側面のうち、側面264aは固定体200の第1側面201に相当し、側面264bは固定体200の第2側面202に相当する。
【0037】
フレキシブル配線基板490において帯状部分460の付け根部分には、光軸方向に折り曲げられた折り曲げ部分495が設けられており、かかる折り曲げ部分495は、上カバー250の切欠き211a(図4参照)を塞ぐように配置される。また、折り曲げ部分495の外側には金属板からなる基板カバー280が被せられ、かかる基板カバー280の両端部分は、上カバー250の側板部211aに固定されている。
【0038】
なお、詳しくは後述するように、図5および図6に示すフレキシブル配線基板490の帯状部分460には、光軸方向に交差する2方向に向くようにフォトリフレクタ580(第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580b)が実装されている。フォトリフレクタ580は、固定体200の側に保持されており、可動体3の変位を検出し、後述する振れ補正用駆動機構500を制御する。
【0039】
(可動体3の構成)
図7は、本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100に用いた可動体3の分解斜視図である。なお、図7では、撮像ユニット1の図示を省略してある。
【0040】
図7に示すように、可動体3は、図3に示す撮像ユニット1を内側に保持するケース110を有しており、ケース110は、可動体3の外周部分を構成している。ケース110は、撮像ユニット1の周りを覆う筒状ケース120と、撮像ユニット1の光軸方向前側を覆う上ケース130とからなる。筒状ケース120は金属板のプレス加工品であり、本形態において、筒状ケース120は、角筒部123と底部121とを備えている、筒状ケース120において、角筒部123は可動体3の側面部を構成している。本形態において、可動体3は直方体であり、筒状ケース120は角筒形状を有している。上ケース130は略四角形である。上ケース130は、筒状ケース120を光軸方向前側で覆う上板部131と、上板部131の外周縁から光軸方向後側に突出した側板部132とを備えており、上板部131には、被写体側からの光を通す穴130aが形成されている。また、側板部132は、光軸方向後側に向けてL字形状に屈曲しており、筒状ケース120の内側に嵌って上ケース130と筒状ケース120とを結合させる。
【0041】
筒状ケース120にはバネ部材600が接続されている。バネ部材600は、固定体200のコイルホルダ260の下端部に固定される固定体側連結部620と、可動体3に連結される可動体側連結部610と、可動体側連結部610と固定体側連結部620の間で延在する複数本のアーム部630とを備えた板状バネ部材であり、アーム部630の両端は各々、可動体側連結部610および固定体側連結部620に繋がっている。バネ部材600は、ベリリウム銅や非磁性のSUS系鋼材等といった非磁性の金属製であり、所定厚の薄板に対するプレス加工、あるいはフォトリソグラフィ技術を用いたエッチング加工により形成した板バネ状である。本形態において、可動体側連結部610および固定体側連結部620は矩形枠状に形成されており、固定体側連結部620は、全周にわたって固定体200のコイルホルダ260の下枠部分267の下面に固定されている。また、可動体側連結部610は、全周にわたって可動体3の筒状ケース120の外周面に固定されている。但し、可動体側連結部610および固定体側連結部620は、アーム部630毎に分割されている構成を採用してもよい。
【0042】
筒状ケース120の4つの側面126の各々には、図4、図5および図6を参照して説明した空芯コイル560と振れ補正用駆動機構500を構成する磁石520が固着されている。磁石520は、外面側および内面側が異なる極に着磁されている。また、磁石520は、光軸方向で隣接する2枚の磁石片(第1磁石片521および第2磁石片522)からなり、2枚の磁石片は、内側の面が互いに異なる極を向けている。
【0043】
かかる4つの磁石520については、以下、光軸周りに配置されている順に、第1磁石520a、第2磁石520b、第3磁石520cおよび第4磁石520dとする。また、筒状ケース120の4つの側面126については、以下、光軸周りに配置されている順に、側面126a、126b、126c、126dとする。これらの側面のうち、側面126aは可動体3の第1側面31に相当し、側面126bは可動体3の第2側面32に相当する。
【0044】
(バネ部材600の可動体3への固定構造)
図8は、本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100のYZ断面の構成を示す説明図であり、図8(a)、(b)は、揺動支点180を通る位置で光学ユニット100を切断したときのYZ断面図、およびその一部を拡大して示す断面図である。図9は、本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100のZX断面の構成を示す説明図であり、図9(a)、(b)は、揺動支点180を通る位置で光学ユニット100を切断したときのZX断面図、およびその一部を拡大して示す断面図である。なお、図8および図9では、可動体3については撮像ユニット1および上ケース130の図示を省略し、筒状ケース120のみを図示してある。また、バネ部材600は負荷が加わっていない状態では、平面状であるが、固定体200に可動体3を組み込むと、可動体3は、揺動支点180で光軸方向前側に押し出される。その結果、バネ部材600が変形するが、かかる変形したバネ部材600の形状については模式的に示してある。
【0045】
図7、図8および図9に示すように、バネ部材600の可動体側連結部610を全周にわたって可動体3の側面部(筒状ケース120)に固定するにあたって、筒状ケース120の外周面には矩形枠状の連結部材150が固定され、かかる連結部材150にバネ部材600が固定されている。より具体的には、筒状ケース120の角筒部123には、光軸方向の途中位置に矩形枠状の連結部材150が固定されており、バネ部材600の可動体側連結部610は、連結部材150に固定されている。本形態において、連結部材150は筒状ケース120に接着剤により全周にわたって固定され、バネ部材600の可動体側連結部610は、連結部材150に接着剤により全周にわたって固定されている。
【0046】
また、本形態では、連結部材150を利用して、可動体3が光軸方向において被写体側に変位したときの可動範囲を規定するストッパ機構が構成されている。より具体的には、図5を参照して説明したコイルホルダ260において、縦枠部分265の光軸方向後側の端部は、連結部材150に対して隙間を介して光軸方向前側で対向し、可動体3の4つの隅部分の各々においてストッパ機構を構成している。このため、外部からの衝撃等によって可動体3が光軸方向前側に変位した場合でも、連結部材150がコイルホルダ260の縦枠部分265の光軸方向後側の端部に当接し、可動体3はそれ以上変位することはない。
【0047】
(フレキシブル配線基板410の構成)
図7に示すように、光学ユニット100は、可動体3に接続されたフレキシブル配線基板410を備えており、フレキシブル配線基板410において、可動体3の筒状ケース120内に位置する部分に、図3に示す撮像ユニット1に接続されている。ここで、可動体3を揺動させた際にフレキシブル配線基板410が可動体3に負荷を印加すると、可動体3を適正に揺動させるのに支障がある。そこで、フレキシブル配線基板410は、可動体3に接続されているY軸方向の一方側+Yの部分412から他方側−Yに向けて延在した後、一方側+Yに向けて折り返されて外部に引き出されている。このため、フレキシブル配線基板410は、可動体3に接続されている部分から外部に引き出されている部分までの間に折り返し部分413が設けられている分、寸法が長い。従って、フレキシブル配線基板410は、可動体3の振れにスムーズに追従するので、大きな負荷を可動体3に印加することがない。
【0048】
また、フレキシブル配線基板410は、長さ方向の途中部分に、延在方向(Y軸方向)に沿って延在する幅広のスリット418が形成されており、分割部分416、417に2分割されている。このため、フレキシブル配線基板410の剛性が緩和されている。従って、フレキシブル配線基板410は、可動体3の振れにスムーズに追従するので、大きな負荷を可動体3に印加することがない。また、フレキシブル配線基板410は、可動体3に対して光軸方向で重なっているが、揺動支点180と重なる部分は、スリット418になっている。このため、フレキシブル配線基板410を可動体3に対して光軸方向で重なる位置に配置しても、揺動支点180を設けるのに支障がない。
【0049】
また、図8(a)に示すように、フレキシブル配線基板410の折り返し部分413は、揺動支点180における可動体3の揺動中心(受け板181と半球状の突部182との接触部分)と略同一の高さ位置にある。このため、可動体3が揺動した際のフレキシブル配線基板410の変位を小さく抑えることができる。従って、フレキシブル配線基板410が可動体3に及ぼす影響を低減することができるので、可動体3を精度よく揺動させることができる。
【0050】
(振れ補正用駆動機構500等の構成および基本動作)
図10は、本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100のXY断面図である。なお、図10では、可動体3については撮像ユニット1および上ケース130等の図示を省略し、筒状ケース120のみを図示してある。また、図10では、フォトリフレクタ580の背面側に位置する剛性基板やスペーサーや、フレキシブル配線基板490の図示を省略してある。
【0051】
図7および図8に示すように、上述した固定体200の内部に可動体3を組み込むと、可動体3の突部182に、下カバー270に固定した受け板181が当接し、揺動支点180が構成される。その際、バネ部材600において、可動体側連結部610は固定体側連結部620よりも被写体側に押し上げられた状態となり、バネ部材600のアーム部630は、可動体3を光軸方向後側に付勢する。従って、可動体3側の突部182は、下カバー270側に弾性をもって当接し、可動体3は、揺動支点180によって揺動可能な状態に固定体200に支持された状態となる。
【0052】
また、図8(a)、(b)および図10に示すように、可動体3側の磁石520、および固定体200側の空芯コイル560のうち、揺動支点180を通ってY軸方向に延在する軸線Y0上において可動体3をY軸方向の両側で挟む2箇所には、磁石520(第1磁石520aおよび第3磁石520c)および空芯コイル560(第1空芯コイル560aおよび第3空芯コイル560c)が位置し、かかる磁石520および空芯コイル560はY側振れ補正用駆動機構500y(振れ補正用駆動機構500)を構成する。かかるY側振れ補正用駆動機構500yは、揺動支点180を通ってX軸方向に延在する軸線X0を中心にして可動体3を揺動させる。
【0053】
これに対して、図9(a)、(b)および図10に示すように、揺動支点180を通ってX軸方向に延在する軸線X0上において可動体3をX軸方向の両側で挟む2箇所には、磁石520(第2磁石520bおよび第4磁石520d)および空芯コイル560(第2空芯コイル560bおよび第4空芯コイル560d)が位置し、磁石520および空芯コイル560は、X側振れ補正用駆動機構500x(振れ補正用駆動機構500)を構成する。かかるX側振れ補正用駆動機構500xは、揺動支点180を通ってY軸方向に延在する軸線Y0を中心にして可動体3を揺動させる。
【0054】
従って、本形態の光学ユニット100において、図1に示す光学機器1000が振れると、かかる振れはジャイロスコープ等によって検出され、制御用IC(図示せず)は、振れ補正用駆動機構500を制御する。すなわち、ジャイロスコープで検出した振れを打ち消すような駆動電流を空芯コイル560に供給する。その結果、X側振れ補正用駆動機構500xは、揺動支点180を中心に撮像ユニット1をY軸周りに揺動させる。また、Y側振れ補正用駆動機構500yは、揺動支点180を中心に撮像ユニット1をX軸周りに揺動させる。また、可動体3のX軸周りの揺動、およびY軸周りの揺動を合成すれば、XY面全体に対して可動体3を変位させることができる。それ故、光学ユニット100で想定される全ての振れを確実に補正することができる。その際、第2フォトリフレクタ580bおよび第1フォトリフレクタ580aは、可動体3との距離(変位)を検出し、振れ補正用駆動機構500は、第2フォトリフレクタ580bおよび第1フォトリフレクタ580aでの検出結果に基づいて制御される。
【0055】
(フォトリフレクタ580の構成)
図7〜図10等を参照して説明したように、本形態の光学ユニット100では、振れ補正用駆動機構500を構成するにあたって、固定体200のコイルホルダ260の4つの側面264の各々に空芯コイル560(第1空芯コイル560a、第2空芯コイル560b、第3空芯コイル560cおよび第4空芯コイル560d)が設けられている。また、可動体3(筒状ケース120)の4つの側面126(側面126a、126b、126c、126d)の各々に磁石520(第1磁石520a、第2磁石520b、第3磁石520cおよび第4磁石520d)が設けられている。
【0056】
かかる光学ユニット100に対して、2つのフォトリフレクタ580(第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580b)を設けるにあたって、本形態では、空芯コイル560の内側領域561を利用する。
【0057】
より具体的には、図6に示すように、フレキシブル配線基板490の帯状部分460において、第1空芯コイル560aの内側領域561に面実装タイプの第1フォトリフレクタ580aが実装され、第2空芯コイル560bの内側領域561に面実装タイプの第2フォトリフレクタ580bが実装されている。このため、光学ユニット100を組み立てると、図8〜図10に示すように、Y軸方向の一方側+Yにおいて他方側−Yを向く側面264aでは、第1空芯コイル560aの内側領域561において軸線Y0に対してZ軸方向で重なる位置に第1フォトリフレクタ580aが設けられ、X軸方向の一方側+Xにおいて他方側−Xを向く側面264bでは、第2空芯コイル560bの内側領域561において軸線X0に対してZ軸方向で重なる位置に第2フォトリフレクタ580bが設けられる。
【0058】
この状態で、第1フォトリフレクタ580aは、発光部および受光部がY軸方向で第1磁石520aに対向し、第2フォトリフレクタ580bは、発光部および受光部がX軸方向で第2磁石520bに対向する。
【0059】
(平滑層590の構成)
図11は、本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100に用いた平滑層590の説明図であり、図11(a)、(b)、(c)、(d)は、磁石520の表面に平滑層590を積層した様子を示す説明図、平滑層590の表面粗さを測定した結果を示す説明図、磁石520の表面の様子を示す説明図、磁石520の表面粗さを測定した結果を示す説明図である。図12は、本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100に用いた平滑層590の反射特性の均一性を示す説明図であり、図12(a)、(b)は、平滑層590の反射特性の均一性を測定する方法を示す説明図、および平滑層590の反射特性の均一性の測定結果を示す説明図である。図13は、本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100において、可動体3を揺動させた際のフォトリフレクタ580からの出力を示す説明図であり、図13(a)、(b)は、可動体3を軸線X0周りに揺動させた際のフォトリフレクタ580からの出力を示す説明図、および可動体3を軸線Y0周りに揺動させた際のフォトリフレクタ580からの出力を示す説明図である。
【0060】
本形態では、図4、図7、図8、図9、図10に示すように、第1磁石520aにおいて第1フォトリフレクタ580aが位置する側の面には、図2を参照して説明した反射性の第1平滑層590aが積層され、第2磁石520bにおいて第2フォトリフレクタ580bが位置する側の面には、図2を参照して説明した反射性の第2平滑層590bが積層されている。かかる平滑層590(第1平滑層590aおよび第2平滑層590b)は各々、樹脂テープ、金属シート、コーティング層、板状ガラス、あるいは反射板からなる。本形態では、平滑層590として、厚さは50μm程度のポリアミド系樹脂テープが用いられており、その色相は、黄色等の明色系である。
【0061】
また、平滑層590は、可動体3が揺動した際にフォトリフレクタ580と対向する領域全体にわたって設けられている。このため、可動体3が揺動した場合でも、第1フォトリフレクタ580aは、常に、発光部および受光部がY軸方向で第1平滑層590aに対向し、第2フォトリフレクタ580bは、常に、発光部および受光部がX軸方向で第2平滑層590bに対向する。従って、可動体3が揺動した場合でも、第1フォトリフレクタ580aの発光部から出射された光は、常に、第1平滑層590aで反射して第1フォトリフレクタ580aの受光部で受光され、第2フォトリフレクタ580bの発光部から出射された光は、常に、第2平滑層590bで反射して第2フォトリフレクタ580bの受光部で受光される。
【0062】
ここで、磁石520は焼結磁石であり、図11(c)に示すように、表面は平面になっているが、図11(d)に示すように、表面に微小な凹凸が分布し、7.5μm程度の粗さを有している。これに対して、平滑層590は、図11(a)に示すように、表面が平面になっているだけでなく、図11(b)に示すように、表面全体が平滑であり、0.5μm程度の粗さを有している。従って、図12(a)に示すように、磁石520、あるいは磁石520の表面に平滑層590を積層したものを反射体とし、フォトリフレクタ580から1mm離間した位置から反射体を移動させながらフォトリフレクタ580からの出力を測定すると、図12(b)に示す結果となる。図12(b)において、白丸および実線L590で示す結果は、磁石520の表面に平滑層590を積層したものを反射体とした場合の結果であり、移動体が移動しても、フォトリフレクタ580からの出力は略一定である。これに対して、図12(b)において、白丸および実線L590で示す結果以外の結果は、磁石520の表面に平滑層590を積層しないもの(磁石520単体)を反射体とした場合の結果であり、移動体が移動すると、フォトリフレクタ580からの出力は大きく変動する。
【0063】
それ故、本形態の光学ユニット100において、可動体3が揺動支点180を中心に軸線Y0周りに回転すると、第1フォトリフレクタ580aからの出力および第2フォトリフレクタ580bからの出力は各々、図13(a)に実線L1yおよび点線L2yに示すように変化する。図13(a)から分かるように、第1フォトリフレクタ580aからの出力は略一定であり、第2フォトリフレクタ580bからの出力は、可動体3の揺動角度に対してリニアに変化する。また、本形態の光学ユニット100において、可動体3が揺動支点180を中心に軸線X0周りに回転すると、第1フォトリフレクタ580aからの出力および第2フォトリフレクタ580bからの出力は各々、図13(b)に実線L1xおよび点線L2xに示すように変化する。図13(b)から分かるように、第2フォトリフレクタ580bからの出力は略一定であり、第1フォトリフレクタ580aからの出力は、可動体3の揺動角度に対してリニアに変化する。
【0064】
従って、第1フォトリフレクタ580aでの検出結果によれば、可動体3がY側振れ補正用駆動機構500yにより駆動されて軸線X0周りに回転した際の可動体3との距離が分かるので、可動体3のY軸方向への変位を監視することができる。また、第2フォトリフレクタ580bでの検出結果によれば、可動体3がX側振れ補正用駆動機構500xにより駆動されて軸線Y0周りに回転した際の可動体3との距離が分かるので、X軸方向への変位を監視することができる。それ故、可動体3の軸線X0周りに回転した際の変位、および軸線Y0周りに回転した際の変位を独立して監視することができるので、可動体3の軸線X0周りの回転、および軸線Y0周りの回転を独立して制御することができる。
【0065】
(フォトリフレクタ580周辺の構成)
図14は、本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100に設けたフォトリフレクタ580の固定体200(コイルホルダ260)への固定構造を示す説明図であり、図14(a)、(b)、(c)は、コイルホルダ260に第1フォトリフレクタ580aを搭載した様子をコイルホルダ260の内側からみた様子を示す説明図、第2フォトリフレクタ580bを実装したフレキシブル配線基板490の帯状部分460を内側からみた様子を示す説明図、およびフレキシブル配線基板490の帯状部分460から空芯コイル560を外した状態を内側からみた様子を示す説明図である。図15は、本発明の実施の形態1に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100に設けたスペーサー等の説明図であり、図15(a)、(b)はいずれも、第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580bにスペーサーを設ける様子を示す説明図である。図16は、フォトリフレクタ580と反射面(平滑面590)との距離と、フォトリフレクタ580からの出力電流値との関係を示す説明図である。
【0066】
図6、図14および図15に示すように、フォトリフレクタ580(第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580b)は、空芯コイル560(第1空芯コイル560aおよび第2空芯コイル560b)と共通のフレキシブル配線基板490に実装されている。但し、図8〜図10に示すように、フォトリフレクタ580(第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580b)は、空芯コイル560の内側領域561において空芯コイル560の背面より磁石520(第1磁石520aおよび第2磁石520b)が位置する側にずれた位置に設けられ、かつ、フォトリフレクタ580の厚さ寸法は、空芯コイル560の厚さ寸法より小である。このため、フォトリフレクタ580(第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580b)は、空芯コイル560(第1空芯コイル560aおよび第2空芯コイル560b)の厚さ方向の略中央に配置されている。従って、フォトリフレクタ580(第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580b)と、磁石520(第1磁石520aおよび第2磁石520b)との距離が短くなっている。かかる構成によれば、図16を参照して以下に説明するように、フォトリフレクタ580(第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580b)の感度を向上することができる。
【0067】
フォトリフレクタ580と反射面としての平滑層590との離間距離と、フォトリフレクタ580からの出力電流とは、図16に示す関係がある。図16から分かるように、フォトリフレクタ580と反射面としての平滑層590との離間距離が短い方がフォトリフレクタ580からの出力電流が大であり、フォトリフレクタ580と平滑層590との距離が長くなるに伴い、フォトリフレクタ580からの出力電流が曲線的に低下する。すなわち、フォトリフレクタ580と平滑層590との離間距離が長くなると、フォトリフレクタ580からの出力電流は、急激に低下した後、徐々に低下していく。このため、例えば、フォトリフレクタ580と平滑層590との離間距離が3mmの場合と1mmの場合とを比較すると、可動体3(磁石520)が0.5mm変位した場合、離間距離が3mmの場合では、ΔC3で示す変化しか発生しないのに対して、離間距離が1mmの場合では、ΔC1で示す変化(ΔC1>ΔC3)が発生する。従って、フォトリフレクタ580と平滑層590との離間距離は短い方が高い感度を得ることができる。
【0068】
かかる構成を実現するにあたって、本形態では、まず、図14および図15に示すように、フレキシブル配線基板490の帯状部分460において、第1空芯コイル560aおよび第2空芯コイル560bが実装されている領域では、フォトリフレクタ580が実装される部分の周りが三方向で切り抜かれており、フォトリフレクタ580が実装されている部分は細幅部分465(第1細幅部分465aおよび第2細幅部分465b)になっている。また、細幅部分465は、帯状部分460に比して可動体3が位置する側に折り曲げられており、帯状部分460には矩形の穴469が空いている。
【0069】
細幅部分465を可動体3が位置する側に折り曲げるにあたって、本形態では、細幅部分465(第1細幅部分465aおよび第2細幅部分465b)の背後には、補強用の剛性基板480(第1剛性基板480aおよび第2剛性基板480b)が接着されている。ここで、剛性基板480は穴469よりも小さい。また、剛性基板480の背後には板状のスペーサー470(第1スペーサー470aおよび第2スペーサー470b)が配置されており、スペーサー470は、剛性基板480より大きい。かかるスペーサー470は、穴469より大きくて帯状部分460の外側に位置する板状本体部471と、板状本体部471から可動体3の側に向けて突出した突部472とを備えている。突部472は、板状本体部471および穴469よりも小さい。このため、スペーサー470の板状本体部471は帯状部分460の外面において穴469を光軸方向の両側で挟む2か所で接着され、この状態で、突部472は、剛性基板480を背後から可動体3が位置する側に押圧する。従って、フレキシブル配線基板490の帯状部分460において、フォトリフレクタ580が実装された細幅部分465は、空芯コイル560の内側領域561に向けて折り曲げられる。従って、フォトリフレクタ580は、空芯コイル560と共通のフレキシブル配線基板490に実装されているが、空芯コイル560の内側領域561において空芯コイル560の背面より磁石520が位置する側にずれた位置に設けられ、空芯コイル560の厚さ方向の略中央位置に配置されることになる。
【0070】
ここで、2つのフォトリフレクタ580のうち、第1フォトリフレクタ580aの背後には、折り曲げ部分495が位置するため、折り曲げ部分495と第1スペーサー470aとの間には剛性基板480が配置されており、かかる剛性基板480は、折り曲げ部分495に接着されている。
【0071】
なお、フォトリフレクタ580は、長方形の平面形状を有しており、短辺および長辺を備えている。また、フォトリフレクタは、長手方向の一方側に発光部の中心を備え、他方側に受光部の中心を備えている。また、フォトリフレクタ580では、発光部と受光部との間に遮光部が形成されている。かかる構成のフォトリフレクタ580を配置するにあたって、フォトリフレクタ580は、長手方向を光軸周りの方向に向けている。すなわち、第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580bは、発光部の中心および受光部の中心が光軸周りの方向で並ぶ向きに配置されている。また、第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580bは、互いの受光部同士(受光部の中心)が離間するように逆向きに配置されている。従って、第1フォトリフレクタ580aから出射された光が迷光として第2フォトリフレクタ580bで受光されにくく、第2フォトリフレクタ580bから出射された光が迷光として第1フォトリフレクタ580aで受光されにくい。
【0072】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学ユニット100(振れ補正機能付き光学ユニット)では、振れ補正用駆動機構500を作動させれば、揺動支点180を中心に可動体3を揺動させることができる。従って、手振れ等に起因して光学ユニット100に振れが生じた場合でも、可動体3を揺動させることによって、振れを補正することができる。また、本形態では、光軸方向に交差する2つの方向において、第1空芯コイル560aの内側領域に第1フォトリフレクタ580aが設けられ、第2空芯コイル560bの内側領域に第2フォトリフレクタ580bが設けられている。このため、2つの方向毎の可動体3の変位を監視し、その監視結果に基づいて、振れ補正用駆動機構500を制御することができる。
【0073】
また、固定体200および可動体3のうち、フォトリフレクタ580(第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580b)と対向する領域には、反射性の平滑層590(第1平滑層590aおよび第2平滑層590b)が積層されているため、可動体3が揺動しても、フォトリフレクタ580は常に平滑層590と対向する。このため、フォトリフレクタ580と対向する領域に傷等が存在していても、かかる傷は、反射性の平滑層590で覆われているので、フォトリフレクタ580には常に適正な反射光が戻ってくる。それ故、可動体3の側面と固定体200の側面との隙間を利用してフォトリフレクタ580を設けた場合でも、フォトリフレクタ580からの出力と可動体3の揺動角度との間に適正な相関性を得ることができ、可動体3の揺動を精度よく監視することができる。それ故、可動体3の揺動を精度よく制御することができる。
【0074】
また、平滑層590は磁石520の表面(平面)に積層されているため、平滑層590を磁石520の表面に積層するだけで平滑層590は平坦に積層される。
【0075】
また、フォトリフレクタ580は、振れ補正用駆動機構500に用いた空芯コイル560の内側領域561という空きスペースに設けられている。従って、フォトリフレクタ580を設けた場合でも、光学ユニット100の光軸方向および光軸方向に対して交差する方向のサイズの増大を防止することができる。フォトリフレクタ580は、空芯コイル560の内側領域561に設けられているため、空芯コイル560によって囲まれた状態にある。従って、空芯コイル560によって、2つのフォトリフレクタ580のうちの一方から出射された光が他方のフォトリフレクタに漏れ光として入射することを防止することができる。それ故、漏れ光が原因でフォトリフレクタ580が誤検出することを防止できるので、光軸の傾きを精度よく補正することができる。
【0076】
また、フォトリフレクタ580は、空芯コイル560の内側領域561において空芯コイル560の背面より磁石520が位置する側にずれた位置に設けられているので、その分、フォトリフレクタ580と平滑層590との離間距離が短い。さらに、磁石520の表面に平滑層590が積層されているため、フォトリフレクタ580と反射面との離間距離が短い。従って、図16を参照して説明したように、フォトリフレクタ580の感度が高いという利点がある。
【0077】
本形態において、空芯コイル560およびフォトリフレクタ580は、固定体200側に設けられ、振れ補正用駆動機構500は、可動体3を可動体3の光軸方向中心位置より光軸方向後側に設けられた揺動支点180を中心に揺動させる。従って、可動体3側に空芯コイル560およびフォトリフレクタ580を設けた構成に比して、可動体3側の側に空芯コイル560およびフォトリフレクタ580に対する配線部材を接続する必要がないという利点がある。
【0078】
(実施の形態1に対する改良例)
図17は、本発明の実施の形態1の改良例に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100における変位量検出方法を示す説明図であり、図17(a)、(b)は、振れ補正機能付きの光学ユニット100のXY断面図、および差動検出回路の説明図である。
【0079】
上記実施の形態では、第1空芯コイル560aの内側領域561に第1フォトリフレクタ580aを設け、第2空芯コイル560bの内側領域561に第2フォトリフレクタ580bを設けたが、図17(a)に示すように、さらに、第3空芯コイル560cの内側領域561に第3フォトリフレクタ580cを設け、第4空芯コイル560dの内側領域561に第4フォトリフレクタ580dを設けてもよい。より具体的には、Y軸方向の他方側−Yにおいて一方側+Yを向く側面264cでは、第3空芯コイル560cの内側領域561において軸線Y0に対してZ軸方向で重なる位置に第3フォトリフレクタ580cが設けられ、X軸方向の他方側−Xにおいて一方側+Xを向く側面264dでは、第4空芯コイル560dの内側領域561において軸線X0に対してZ軸方向で重なる位置に第4フォトリフレクタ580dが設けられている。かかる構成の場合も、第1フォトリフレクタ580a、第2フォトリフレクタ580b、第3フォトリフレクタ580cおよび第4フォトリフレクタ580dに対向する位置には平滑層590が設けられている。
【0080】
かかる構成を採用した場合、図17(b)に示すように、第1フォトリフレクタ580aおよび第3フォトリフレクタ580cからの出力を差動増幅回路551(差動増幅アンプ)に入力すれば、可動体3の軸線X0周りの揺動をより高い感度で得ることができる。また、第2フォトリフレクタ580bおよび第4フォトリフレクタ580dからの出力を差動増幅回路552(差動増幅アンプ)に入力すれば、可動体3の軸線Y0周りの揺動をより高い感度で得ることができる。
【0081】
[実施の形態2]
(光学ユニットの全体構成)
図18は、本発明の実施の形態2に係る振れ補正機能付きの光学ユニットの全体構成を示す説明図であり、図18(a)、(b)は、光学ユニットを被写体側(光軸方向前側)からみたときの斜視図、およびその分解斜視図である。図19は、本発明の実施の形態2に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100の要部の分解斜視図であり、図19(a)、(b)は、X軸方向およびY軸方向において互いに逆方向からみた分解斜視図である。なお、本形態の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0082】
図18に示す光学ユニット100も、実施の形態1と同様、図1に示す光学機器1000に用いられる薄型カメラであって、光学機器1000のシャーシ1100(機器本体)に支持された状態で搭載される。図18に示すように、光学ユニット100には、撮像ユニット1や振れ補正用駆動機構への給電等行うためのフレキシブル配線基板400、410、450が引き出されており、かかるフレキシブル配線基板400、410、450は、コネクタ(図示せず)等を介して光学機器1000の本体側に設けられた上位の制御部等に電気的に接続されている。また、フレキシブル配線基板410は、撮像ユニット1から信号を出力する機能も担っている。このため、フレキシブル配線基板410は、配線数が多いので、フレキシブル配線基板410としては、比較的幅広のものが使用されている。
【0083】
可動体3において、撮像ユニット1は、鋼板等の強磁性板からなる矩形箱状の筒状ケース120を有しており、かかる筒状ケース120の内側には、レンズ1aを保持するホルダ、ホルダを保持する円筒状のスリーブ、レンズ1aをフォーカシング方向に駆動するレンズ駆動機構、光軸方向の後側に配置された撮像素子、撮像素子を保持する素子ホルダ等が設けられている。かかる撮像ユニット1の外周部分は筒状ケース120からなる。
【0084】
図18および図19において、光学ユニット100は、固定体200と、撮像ユニット1を備えた可動体3と、可動体3が固定体200に対して変位可能に支持された状態とする揺動支点180と、可動体3と固定体200との間で可動体3を固定体200に対して相対変位させる磁気駆動力を発生させる振れ補正用駆動機構500とを有している。また、光学ユニット100は、可動体3を揺動支点180に向けて付勢するバネ部材600を有している。
【0085】
固定体200は上カバー250および下カバー270等を備えており、上カバー250は、撮像ユニット1の周りを囲む角筒状胴部210と、角筒状胴部210の被写体側の開口部を塞ぐ端板部220とを備えている。端板部220には、被写体からの光が入射する窓220aが形成されている。上カバー250において、角筒状胴部210は、被写体側(光軸Lが延在している側)とは反対側(+Z側)の端部が開放端になっている。また、角筒状胴部210において、X軸方向で対向する2つの側面には切り欠き219が形成され、Y軸方向で対向する2つの側面には切り欠き218が形成されている。かかる切り欠き218、219のうち、Y軸方向の一方側+Yに位置する切り欠き218は、フレキシブル配線基板410等を外部に引き出すのに利用され、他の切り欠き218、219は、上カバー250と下カバー270とを接着や溶接等により結合するのに利用されている。
【0086】
下カバー270は、金属板に対するプレス加工品であり、略矩形の底板部271と、底板部271の外周縁から被写体側に向けて起立する3つの側板部272とを備えており、側板部272が形成されていない側は、フレキシブル配線基板400等を外部に引き出すのに利用されている。下カバー270の底板部271にはその中央位置に揺動支点180が構成されており、かかる揺動支点180は、可動体3の光軸方向後側端部に当接することにより可動体3を揺動可能に支持している。
【0087】
(可動体3の構成)
図20は、本発明の実施の形態2に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100の可動体3の分解斜視図である。図18、図19および図20に示すように、可動体3は、撮像ユニット1と、撮像ユニット1の筒状ケース120の外周面を囲む矩形枠状のホルダ7と、ストッパ部材8とを備えており、ストッパ部材8はホルダ7の光軸方向後側の面に溶接等の方法で固定されている。ホルダ7は、光軸方向前側に位置する矩形枠状の第1ホルダ部材71と、光軸方向後側で第1ホルダ部材71に対向する矩形枠状の第2ホルダ部材72とからなる。本形態において、第1ホルダ部材71と第2ホルダ部材72との間には、振れ補正用駆動機構500に用いた平板状の磁石520が保持されている。より具体的には、磁石520において光軸方向前側の面には第1ホルダ部材71が固定され、磁石520において光軸方向後側の面には第2ホルダ部材72が固定されており、磁石520、第1ホルダ部材71および第2ホルダ部材72によって角筒状の磁石アセンブリ75が構成されている。このため、角筒状の磁石アセンブリ75の内側に撮像ユニット1を挿入した後、撮像ユニット1の筒状ケース120の外周面と、磁石アセンブリ75の内周面(磁石520の内面)とを接着剤73(図21(b)、(c)参照)等により固定すれば、磁石520、第1ホルダ部材71、第2ホルダ部材72、ストッパ部材8および撮像ユニット1を一体化して可動体3を構成することができる。
【0088】
ここで、第2ホルダ部材72は、側板部72aを備えた角筒状であり、X軸方向の一方側+Xに位置する側板部72aの光軸方向後側の端部、およびY軸方向の一方側+Yに位置する側板部72aの光軸方向後側の端部には切り欠き72c、72dが形成されている。かかる切り欠き72c、72dは、後述するフォトリフレクタ580(第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580b)の光路の一部として利用される。
【0089】
(バネ部材600の構成)
バネ部材600は、固定体200側に連結される矩形枠状の固定体側連結部620と、可動体3側に連結される可動体側連結部610と、可動体側連結部610と固定体側連結部620の間で延在する複数本のアーム部630とを備えた板状バネ部材であり、アーム部630の両端は各々、可動体側連結部610および固定体側連結部620に繋がっている。ここで、固定体側連結部620は、矩形枠状の本体部分621と、本体部分621の辺部分の中央位置で外側に向けて突出した凸部622とを備えている。
【0090】
かかるバネ部材600を可動体3と固定体200とに接続するにあたって、本形態では、可動体側連結部610がストッパ部材8の光軸方向後側端面に溶接等の方法で固定されている。また、固定体側連結部620は、凸部622が上カバー250の切り欠き218、219内に嵌った状態で、下カバー270の側板部272の上端部に溶接等の方法で固定されている。かかるバネ部材600は、ベリリウム銅や非磁性のSUS系鋼材等といった非磁性の金属製であり、所定厚の薄板に対するプレス加工、あるいはフォトリソグラフィ技術を用いたエッチング加工により形成したものである。
【0091】
ここで、バネ部材600の可動体側連結部610を可動体3に連結する一方、固定体側連結部620を固定体200に固定すると、可動体3は、揺動支点180によって光軸方向前側に押し上げられた状態となる。このため、バネ部材600において、可動体側連結部610は固定体側連結部620よりも光軸方向前側に押し上げられた状態となり、バネ部材600のアーム部630は、可動体3を光軸方向後側に付勢する。従って、可動体3は、バネ部材600によって揺動支点180に向けて付勢された状態になり、可動体3は、揺動支点180によって揺動可能な状態に固定体200に支持された状態となる。
【0092】
(振れ補正用駆動機構の構成)
図21は、本発明の実施の形態2に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100の断面図であり、図21(a)、(b)、(c)は、フォトリフレクタ580を通る位置で光学ユニットを切断したときのXY断面図、YZ断面図およびXZ断面図である。なお、図21では、撮像ユニットの内部についてはレンズホルダ等の図示を省略してある。
【0093】
図19、図20および図21に示すように、本形態の光学ユニット100では、コイル部560sと、コイル部560sに鎖交する磁界を発生させる磁石520とによって、振れ補正用駆動機構500が構成されている。より具体的には、可動体3において筒状ケース120の4つの側面120a、120b、120c、120dには平板状の磁石520が各々固定されており、上カバー250の角筒状胴部210の内面にはコイル部560s配置されている。磁石520は、外面側および内面側が異なる極に着磁されている。また、磁石520は、光軸L方向に配置された2つの磁石片からなり、かかる磁石片は、コイル部560sと対向する側の面が光軸方向で異なる極に着磁されている。また、コイル部560sは、四角形の枠状に形成されており、上下の長辺部分が有効辺として利用される。
【0094】
これらの磁石520およびコイル部560sのうち、可動体3をY軸方向の両側で挟む2箇所に配置された磁石520およびコイル部560sはY側振れ補正用駆動機構500yを構成しており、図21(b)に矢印X1、X2で示すように、揺動支点180を通ってX軸方向に延在する軸線X0を中心にして可動体3を揺動させる。また、撮像ユニット1をX軸方向の両側で挟む2箇所に配置された磁石520およびコイル部560sはX側振れ補正用駆動機構500xを構成しており、図21(c)に矢印Y1、Y2で示すように、揺動支点180を通ってY軸方向に延在する軸線Y0を中心にして可動体3を揺動させる。
【0095】
かかるY側振れ補正用駆動機構500yおよびX側振れ補正用駆動機構500xを構成するにあたって、本形態では、上カバー250の4つの内面に沿って延在するシート状コイル体550が用いられており、シート状コイル体550では、4つのコイル部560sが所定の間隔を空けて一体に形成されている。また、シート状コイル体550は展開したときに帯状に延在する形状を備えており、上カバー250の4つの内面に沿うように折り曲げた状態で上カバー250の内面に面接着等の方法で固定されている。
【0096】
かかるシート状コイル体550は、導電配線技術を利用して微細な銅配線からなるコイル部560sをプリント基板上に形成した構造を有しており、複数層の銅配線(コイル部560s)が絶縁膜を介して多層に形成されている。また、銅配線(コイル部560s)の表面も絶縁膜で覆われている。かかるシート状コイル体550としては、例えば、旭化成エレクトロニクス株式会社製のFPコイル(ファインパターンコイル(登録商標))を挙げることができる。
【0097】
図19(a)に示すように、矩形に折り曲げられたシート状コイル体550の4つの面556〜559のうちの1つの面557には、4つのコイル部560sから延在する導電層によって複数の端子部565が形成されている。本形態において、端子部565は、シート状コイル体550において磁石520と対向する内側とは反対側の外側に向いている。ここで、端子部565は、シート状コイル体550の面557に対して外側で重なるように配置されたフレキシブル配線基板450に電気的に接続されており、フレキシブル配線基板450を介して給電される。
【0098】
このように本形態では、シート状コイル体550が用いられているため、単体の空芯コイルを用いた場合に比して、撮像ユニット1と固定体200との間隔を狭めることができるので、光学ユニット100のサイズを小さくすることができる。また、シート状コイル体550の場合、複数のコイル部560sが端子部565と一体に設けられているため、光軸L周りの複数個所にコイル部560sを配置する場合でも、シート状コイル体550を光軸L周りに延在させればよい。従って、単体の空芯コイルを用いた場合と違って、光軸L周りの複数個所の各々に単体の空芯コイルを配置する必要がないとともに、複数の単体の空芯コイルの各々に電気的な接続を行なう必要がないので、本形態によれば、組立工数が少なく済む。また、シート状コイル体550において、端子部565は、磁石520と対向する側とは反対側の外側に向いているため、コイル部560sに対する電気的接続、すなわち、端子部565へのフレキシブル配線基板450の接続を容易に行なうことができる。
【0099】
(フォトリフレクタの構成)
図19に示すように、矩形に折り曲げられたシート状コイル体550の外側には、フレキシブル配線基板450が重ねて配置されている。フレキシブル配線基板450は、シート状コイル体550のX軸方向の一方側+Xの面556およびY軸方向の一方側+Yの面557に外側で重なるように直角に折り曲げられた第1部分451と第2部分452を備えており、第2部分452の光軸方向後側端部で折れ曲がった端部453は、外部でフレキシブル配線基板400に接続されている。
【0100】
ここで、シート状コイル体550は、4つの面556〜559のいずれにも光軸方向後側端部に切り欠き556a、557a、558a、559aが形成されている。また、X軸方向の一方側+Xの面556およびX軸方向の一方側+Xの面557に形成された切り欠き556a、557aは、辺方向の中央部分で他の面558、559の切り欠き558a、559aより光軸方向前側に向けて深く切り込まれている。
【0101】
また、フレキシブル配線基板450において、シート状コイル体550のY軸方向の一方側+Yの面557に外側で重なる第2部分452の内側、およびシート状コイル体550のX軸方向の一方側+Xの面556に外側で重なる第1部分451の内側には、フォトリフレクタ580(第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580b)が面実装されており、かかるフォトリフレクタ580は各々、シート状コイル体550の切り欠き556a、557a内に位置する。
【0102】
従って、光学ユニット100を組み立てた際、第1フォトリフレクタ580aは、揺動支点180を通ってY軸方向に延在する軸線Y0に対してZ軸方向で重なる位置において上カバー250のY軸方向の一方側+Yの面に保持され、第1フォトリフレクタ580aの発光部および受光部は、可動体3の第1側面31(筒状ケース120の側面120a)に第2ホルダ部材72の切り欠き72dを介して対向することになる。また、第1フォトリフレクタ580aは、光軸方向において、振れ補正用駆動機構500(X側振れ補正用駆動機構500xおよびY側振れ補正用駆動機構500y)と揺動支点180との間に配置される。より具体的には、第1フォトリフレクタ580aは、光軸方向において、振れ補正用駆動機構500(X側振れ補正用駆動機構500xおよびY側振れ補正用駆動機構500y)とバネ部材600との間に配置される。また、第1フォトリフレクタ580aは、シート状コイル体550より厚く、第1フォトリフレクタ580aの発光部および受光部は、可動体3の第1側面31(筒状ケース120の側面120a)に1mm程度の距離を介して対向することになる。
【0103】
また、第2フォトリフレクタ580bは、揺動支点180を通ってX軸方向に延在する軸線X0に対してZ軸方向で重なる位置において上カバー250のX軸方向の一方側+Xに位置する面に保持され、第2フォトリフレクタ580bの発光部および受光部は、可動体3の第2側面32(筒状ケース120の側面120b)に第2ホルダ部材72の切り欠き72cを介して対向することになる。また、第2フォトリフレクタ580bは、光軸方向において、振れ補正用駆動機構500(X側振れ補正用駆動機構500xおよびY側振れ補正用駆動機構500y)と揺動支点180との間に配置される。より具体的には、第2フォトリフレクタ580bは、光軸方向において、振れ補正用駆動機構500(X側振れ補正用駆動機構500xおよびY側振れ補正用駆動機構500y)とバネ部材600との間に配置される。また、第2フォトリフレクタ580bは、シート状コイル体550より厚く、第2フォトリフレクタ580bの発光部および受光部は、可動体3の第2側面32(筒状ケース120の側面120b)に1mm程度の距離を介して対向することになる。
【0104】
(平滑層590の構成)
ここで、可動体3の第1側面31において第1フォトリフレクタ580aと対向する領域には、反射性の第1平滑層590aが積層され、可動体3の第2側面32において第2フォトリフレクタ580bと対向する領域には、反射性の第2平滑層590bが積層されている。かかる平滑層590(第1平滑層590aおよび第2平滑層590b)は各々、樹脂テープ、金属シート、コーティング層、板状ガラス、あるいは反射板からなる。より具体的には、平滑層590は、可動体3に粘着材等によって貼付された樹脂テープ、金属シート、板状ガラス、反射板や、可動体3に塗布後、硬化させたコーティング層からなる。
【0105】
ここで、フォトリフレクタ580と平滑層590との距離と、フォトリフレクタ580からの出力電流とは、図16を参照して説明した関係がある。従って、本形態によれば、フォトリフレクタ580と平滑層590との距離が1mm程度であるため、フォトリフレクタ580は高い感度を発揮する。
【0106】
また、フォトリフレクタ580と反射面との離間距離が1mm程度であれば、フォトリフレクタ580と反射面との離間距離の変化が小さい間、距離の変化量に対してフォトリフレクタ580からの出力電流が略リニアに変化する。それ故、フォトリフレクタ580からの出力電流に基づいて、振れ補正用駆動機構500(X側振れ補正用駆動機構500xおよびY側振れ補正用駆動機構500y)を制御する際、制御が容易である。
【0107】
なお、フォトリフレクタ580は、長方形の平面形状を有しており、短辺および長辺を備えている。また、フォトリフレクタ580は、長手方向の一方側に発光部の中心を備え、他方側に受光部の中心を備えている。また、フォトリフレクタ580では、発光部と受光部との間に遮光部が形成されている。かかる構成のフォトリフレクタを配置するにあたって、フォトリフレクタは、長手方向を光軸周りの方向に向けている。すなわち、第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580bは、発光部の中心および受光部の中心が光軸周りの方向で並ぶ向きに配置されている。また、第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580bは、互いの受光部同士(受光部の中心)が離間するように逆向きに配置されている。従って、第1フォトリフレクタ580aから出射された光が迷光として第2フォトリフレクタ580bで受光されにくく、第2フォトリフレクタ580bから出射された光が迷光として第1フォトリフレクタ580aで受光されにくい。
【0108】
(ストッパ機構の構成)
本形態の光学ユニット100において、可動体3は、揺動支点180によって揺動可能な状態に固定体200に支持された状態にある。従って、外部から大きな力が加わって可動体3が大きく変位すると、バネ部材600のアーム部630が塑性変形するおそれがある。そこで、本形態では、以下に説明するストッパ機構が設けられている。
【0109】
まず、本形態では、図20等を参照して説明したように、可動体3では、ホルダ7の光軸方向後側端面に矩形枠状のストッパ部材8が溶接等の方法により固定されている。ストッパ部材8は、矩形枠状の本体部分80と、本体部分80から外側に向けて突出した凸部81とを備えており、かかる凸部81は、磁石520より外側に突出している。本形態において、凸部81は、本体部分80の4つの辺部分の各々に形成されている。また、凸部81は、本体部分80の4つの辺部分の各々において辺の延在方向で離間する2個所に設けられ、本形態において、凸部81は、本体部分80の4つの辺部分の両端付近(本体部分80の角付近)に設けられている。
【0110】
ここで、凸部81は、X軸方向の両側およびY軸方向の両側において、固定体200の側に設けられたシート状コイル体550の下端部分555(図19参照)と狭い隙間G1(図21(b)、(c)参照)を介して対向している。従って、凸部81およびシート状コイル体550は、光軸方向における振れ補正用駆動機構500と揺動支点180との間において、可動体3が光軸方向に直交する方向に変位した際の可動範囲を規定するストッパ機構810を構成している。より具体的には、凸部81およびシート状コイル体550は、光軸方向における振れ補正用駆動機構500と揺動支点180との間のうち、振れ補正用駆動機構500とバネ部材600との間において、可動体3が光軸方向に直交する方向に変位した際の可動範囲を規定するストッパ機構810を構成している。
【0111】
ここで、シート状コイル体550の場合、空芯コイルと違って、磁石520と当接しても巻線が解けることがない。従って、凸部81が当接する箇所は、シート状コイル体550のうち、コイル部560sが構成されている箇所、およびコイル部560sが構成されていない箇所のいずれでもよいが、本形態では、凸部81が当接する箇所は、シート状コイル体550のうち、コイル部560sが構成されていない箇所に設定されている。
【0112】
また、シート状コイル体550と磁石520とは狭い隙間G2を介して対向し、かかる隙間G2は、凸部81とシート状コイル体550との隙間G1よりわずかに大である。従って、シート状コイル体550と磁石520とは可動体3が揺動した際の揺動範囲を規定するストッパ機構820を構成している。なお、磁石520が当接する箇所は、シート状コイル体550のうち、コイル部560sが構成されている箇所、およびコイル部560sが構成されていない箇所のいずれでもよいが、本形態では、磁石520が当接する箇所は、シート状コイル体550のうち、コイル部560sが構成されている箇所に設定されている。このようなストッパ機構820によれば、可動体3の揺動範囲を精度よく設定することができる。すなわち、振れ補正用駆動機構500ではシート状コイル体550と磁石520との間隔は精度よく設定されるので、シート状コイル体550と磁石520とを利用してストッパ機構820を構成すれば、可動体3の揺動範囲を精度よく設定することができる。
【0113】
以上説明したように、本形態では、固定体200および可動体3のうちの一方側から突出した凸部81が他方側に当接することにより可動体3が光軸方向に直交する方向に変位した際の可動範囲を規定するストッパ機構810が設けられている、より具体的には、本形態では、可動体3から突出した凸部81が固定体200の側に当接することにより可動体3が光軸方向に直交する方向に変位した際の可動範囲を規定するストッパ機構810が設けられている。このため、可動体3に衝撃が加わって、可動体3が光軸方向に直交する方向に変位したときにでも、可動体3の可動範囲が制限されている。従って、バネ部材600が塑性変形して損傷することがない。また、凸部81(ストッパ機構810)は、光軸方向において振れ補正用駆動機構500と揺動支点180との間に設けられているので、可動体3の少ない変位でストッパ機構810が作動するので、バネ部材600の塑性変形を確実に防止することができる。また、凸部81(ストッパ機構810)は、光軸方向における振れ補正用駆動機構500とバネ部材600との間に設けられている。このため、可動体3が光軸方向に直交する方向に変位する際の可動範囲をより狭く制限することができるので、バネ部材600の塑性変形をより確実に防止することができる。
【0114】
また、凸部81は、可動体3から磁石520よりシート状コイル体550側に向けて突出してシート状コイル体550に当接する。このため、可動体3が光軸方向に直交する方向に変位する際の可動範囲を精度よく設定することができるので、可動体3の揺動を妨げることなく、可動体3が光軸方向に直交する方向に変位する際の可動範囲を制限することができる。すなわち、振れ補正用駆動機構500ではシート状コイル体550と磁石520との間隔は精度よく設定されるので、凸部81がシート状コイル体550に当接するように構成すれば、凸部81とシート状コイル体550との間隔も精度よく設定されることになる。それ故、可動体3が光軸方向に直交する方向に変位する際の可動範囲を精度よく設定することができる。
【0115】
また、可動体3は、磁石520を保持する枠状のホルダ7と、凸部81をもってホルダ7の光軸方向後側端面に固定された枠状のストッパ部材8とを備えている。このため、磁石520をホルダ7に固定した状態で着磁することができ、磁石520の取り扱いが容易である。また、ホルダ7とストッパ部材8とが別部材であるため、ホルダ7にストッパ部材8を固定する前の状態で着磁工程を行うことができるので、着磁工程の際、ストッパ機構810を構成する凸部81が邪魔にならないという利点がある。
【0116】
また、バネ部材600の可動体3側への接続部分は、ストッパ部材8である。このため、精度よく固定されたストッパ部材8にバネ部材600が接続されるので、バネ部材600のバネ定数を精度よく設定することができる。
【0117】
また、凸部81は、四角形状の4つの辺の各々において互いに離間する2個所に設けられている。このため、ストッパ機構810が作動した際、可動体3に捩じれ方向の力が加わらないので、バネ部材600に捩じれ方向の塑性変形が発生することを防止することができる。
【0118】
(振れ補正動作)
本形態の光学ユニット100において、図1に示す光学機器1000が振れると、かかる振れはジャイロスコープによって検出されるとともに、上位の制御部では、ジャイロスコープでの検出に基づいて、振れ補正用駆動機構500を制御する。すなわち、ジャイロスコープで検出した振れを打ち消すような駆動電流をフレキシブル配線基板400およびフレキシブル配線基板450を介してシート状コイル体550のコイル部560sに供給する。その結果、X側振れ補正用駆動機構500xは、揺動支点180を中心に撮像ユニット1を軸線Y0周りに揺動させる。また、Y側振れ補正用駆動機構500yは、揺動支点180を中心に撮像ユニット1を軸線X0周りに揺動させる。また、撮像ユニット1の軸線X0周りの揺動、および軸線Y0周りの揺動を合成すれば、XY面全体に対して撮像ユニット1を変位させることができる。それ故、光学ユニット100で想定される全ての振れを確実に補正することができる。
【0119】
かかる撮像ユニット1に対する駆動の際、撮像ユニット1の変位は、図21に示すフォトリフレクタ580によって監視される。その際、本形態でも、実施の形態1と同様、固定体200および可動体3のうち、フォトリフレクタ580(第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580b)と対向する領域には、反射性の平滑層590(第1平滑層590aおよび第2平滑層590b)が積層されているため、可動体3が揺動しても、フォトリフレクタ580は常に平滑層590と対向する。このため、フォトリフレクタ580と対向する領域に傷等が存在していても、かかる傷は、反射性の平滑層590で覆われているので、フォトリフレクタ580には常に適正な反射光が戻ってくる。それ故、可動体3の側面と固定体200の側面との隙間を利用してフォトリフレクタ580を設けた場合でも、フォトリフレクタ580からの出力と可動体3の揺動角度との間に適正な相関性を得ることができ、可動体3の揺動を精度よく監視することができる。それ故、可動体3の揺動を精度よく制御することができる。
【0120】
(フレキシブル配線基板410の構成)
図18等に示すように、本形態の光学ユニット100において、可動体3の撮像ユニット1には、フレキシブル配線基板410の一方の端部が接続されており、可動体3を揺動させた際にフレキシブル配線基板410が可動体3に負荷を印加すると、可動体3を適正に揺動させるのに支障がある。
【0121】
そこで、フレキシブル配線基板410は、光学ユニット100の外部に位置する本体部分は広幅になっているが、光学ユニット100の内側に位置する部分は、幅寸法の狭い2本の帯状部分になっている。このため、揺動支点180を可動体3と当接させるのに支障がない。また、フレキシブル配線基板410は、光学ユニット100の内側に位置する部分が、幅寸法の狭い2本の帯状部分になっているため、剛性が緩和されている。従って、フレキシブル配線基板410の帯状部分は、可動体3の振れにスムーズに追従するので、大きな負荷を可動体3に印加することがない。
【0122】
また、図21(b)に示すように、フレキシブル配線基板410は、可動体3と下カバー270との間において、Y軸方向の一方側+Yから他方側−Yに向けて延在した後、一方側+Yに向けて折り返され、その後、端部が可動体3に固定されている。このため、フレキシブル配線基板410は、外部から可動体3に固定にされている部分までの間に折り返し部分413が設けられている分、寸法が長い。従って、フレキシブル配線基板410の帯状部分は、撮像ユニット1の振れにスムーズに追従するので、大きな負荷を可動体3に印加することがない。また、フレキシブル配線基板410の折り返し部分413は、揺動支点180における可動体3の揺動中心と略同一の高さ位置にある。このため、可動体3が揺動した際のフレキシブル配線基板410の変位を小さく抑えることができる。従って、フレキシブル配線基板410が可動体3に及ぼす影響を低減することができるので、可動体3を精度よく揺動させることができる。
【0123】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学ユニット100(振れ補正機能付き光学ユニット)では、可動体3が固定体200の揺動支点180によって揺動可能に支持されているため、振れ補正用駆動機構500を作動させれば、揺動支点180を中心に可動体3を揺動させることができる。従って、手振れ等に起因して光学ユニット100に振れが生じた場合でも、可動体3を揺動させることによって、振れを補正することができる。
【0124】
また、固定体200および可動体3のうち、フォトリフレクタ580(第1フォトリフレクタ580aおよび第2フォトリフレクタ580b)と対向する領域には、反射性の平滑層590(第1平滑層590aおよび第2平滑層590b)が積層されているため、可動体3が揺動しても、フォトリフレクタ580は常に平滑層590と対向する。このため、フォトリフレクタ580と対向する領域に傷等が存在していても、かかる傷は、反射性の平滑層590で覆われているので、フォトリフレクタ580には常に適正な反射光が戻ってくる。それ故、可動体3の側面と固定体200の側面との隙間を利用してフォトリフレクタ580を設けた場合でも、フォトリフレクタ580からの出力と可動体3の揺動角度との間に適正な相関性を得ることができ、可動体3の揺動を精度よく監視することができる。それ故、可動体3の揺動を精度よく制御することができる。
【0125】
また、平滑層590は、可動体3の平坦な側面(平面)に積層されているため、平滑層590を磁石520の表面に積層するだけで平滑層590は平坦に積層される。
【0126】
ここで、振れ補正用駆動機構500は、可動体3を十分なトルクをもって揺動させるという観点からすれば、揺動支点180から光軸方向で離間している方がよく、フォトリフレクタ580は、距離と出力とのリニアリティという観点からすれば、変位量がある程度、小さい条件下で検出を行うことが好ましい。ここに本形態は、光軸方向において離間する位置に設けられた振れ補正用駆動機構500と揺動支点180との間にフォトリフレクタ580を設けたため、振れ補正用駆動機構500を揺動支点180から光軸方向で離間している位置に設けることができ、フォトリフレクタ580は、可動体3の変位が比較的小さな位置に設けることができる。それ故、本形態によれば、光学ユニット100のサイズが小さい場合でも、振れ補正用駆動機構500およびフォトリフレクタ580の双方を適正に配置することができる。
【0127】
[他の実施の形態]
図22は、本発明の他の実施の形態に係る振れ補正機能付きの光学ユニット100におけるフォトリフレクタ580の配置位置等を示す説明図であり、図22(a)、(b)、(c)、(d)は各々、光学ユニット100の平面的構成を示す説明図、YZ断面を模式的に示す説明図、XZ断面を模式的に示す説明図、および可動体3が揺動した様子を模式的に示す説明図である。なお、図22は、図2に対応する図であり、振れ補正用駆動機構の図示を省略してある。また、上記実施の形態と基本的な構成が同一であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0128】
上記実施の形態1、2では、固定体200の側にフォトリフレクタ580を設けたが、図22に示すように、可動体3の側にフォトリフレクタ580を設けてもよい。この場合、固定体200の側に平滑層590を設けることになる。
【0129】
[光学ユニット100の別の構成例]
上記実施の形態では、カメラ付き携帯電話機に用いる光学ユニット100に本発明を適用した例を説明したが、薄型のデジタルカメラ等に用いる光学ユニット100に本発明を適用してもよい。また、上記形態では、撮像ユニット1にレンズ駆動機構等が構成されている例を説明したが、撮像ユニット1にレンズ駆動機構が搭載されていない固定焦点タイプの光学ユニットに本発明を適用してもよい。
【0130】
さらに、本発明を適用した振れ補正機能付きの光学ユニット100は、携帯電話機やデジタルカメラ等の他、冷蔵庫等、一定間隔で振動を有する装置内に固定し、遠隔操作可能にしておくことで、外出先、たとえば買い物の際に、冷蔵庫内部の情報を得ることができるサービスに用いることもできる。かかるサービスでは、姿勢安定化装置付きのカメラシステムであるため、冷蔵庫の振動があっても安定な画像を送信可能である。また、本装置を児童、学生のカバン、ランドセルあるいは帽子等の、通学時に装着するデバイスに固定してもよい。この場合、一定間隔で、周囲の様子を撮影し、あらかじめ定めたサーバへ画像を転送すると、この画像を保護者等が、遠隔地において観察することで、子供の安全を確保することができる。かかる用途では、カメラを意識することなく移動時の振動があっても鮮明な画像を撮影することができる。また、カメラモジュールのほかにGPSを搭載すれば、対象者の位置を同時に取得することも可能となり、万が一の事故の発生時には、場所と状況の確認が瞬時に行える。さらに、本発明を適用した振れ補正機能付き光学ユニット100を自動車において前方が撮影可能な位置に搭載すれば、ドライブレコーダーとして用いることができる。また、本発明を適用した振れ補正機能付き光学ユニット100を自動車において前方が撮影可能な位置に搭載して、一定間隔で自動的に周辺の画像を撮影し、決められたサーバに自動転送してもよい。また、カーナビゲーションのVICS(Vehicle Information and Communication System/道路交通情報通信システム)等の渋滞情報と連動させて、この画像を配信することで、渋滞の状況をより詳細に提供することができる。かかるサービスによれば、自動車搭載のドライブレコーダーと同様に事故発生時等の状況を、意図せずに通りがかった第三者が記録し状況の検分に役立てることも可能である。また、自動車の振動に影響されることなく鮮明な画像を取得できる。かかる用途の場合、電源をオンにすると、制御部に指令信号が出力され、かかる指令信号に基づいて、振れ制御が開始される。
【0131】
また、本発明を適用した振れ補正機能付きの光学ユニット100は、レーザポインタ、携帯用や車載用の投射表示装置や直視型表示装置等、光を出射する光学機器の振れ補正に適用してもよい。また、天体望遠鏡システムあるいは双眼鏡システム等、高倍率での観察において三脚等の補助固定装置を用いることなく観察するのに用いてもよい。また、狙撃用のライフル、あるいは戦車等の砲筒とすることで、トリガ時の振動に対して姿勢の安定化が図れるので、命中精度を高めることができる。
【符号の説明】
【0132】
3 可動体
31 可動体の第1側面
32 可動体の第2側面
100 光学ユニット
180 揺動支点
200 固定体
201 固定体の第1側面
202 固定体の第2側面
520 磁石
560 空芯コイル
560s コイル部
580 フォトリフレクタ
580a 第1フォトリフレクタ
580b 第2フォトリフレクタ
590 平滑層
590a 第1平滑層
590b 第2平滑層
600 バネ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定体と、
光学素子を保持する可動体と、
当該可動体を光軸方向に交差する第1方向に揺動させるとともに、前記光軸方向および前記第1方向に交差する第2方向に揺動させる振れ補正用駆動機構と、
を有する振れ補正機能付き光学ユニットにおいて、
前記第1方向で対向する前記固定体の第1側面および前記可動体の第1側面のうちの一方の第1側面で他方の第1側面に向く第1フォトリフレクタと、
前記他方の第1側面で前記第1フォトリフレクタに対向する領域に積層された反射性の第1平滑層と、
前記第2方向で対向する前記固定体の第2側面および前記可動体の第2側面のうちの一方の第2側面で他方の第2側面に向く第2フォトリフレクタと、
前記他方の第2側面で前記第2フォトリフレクタに対向する領域に積層された反射性の第2平滑層と、
を有することを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項2】
前記第1平滑層および前記第2平滑層は各々、樹脂テープ、金属シート、コーティング層、板状ガラス、および反射板のうちの何れかであることを特徴とする請求項1に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項3】
前記第1平滑層および前記第2平滑層は各々、平面上に積層されていることを特徴とする請求項1または2に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項4】
前記第1フォトリフレクタおよび前記第2フォトリフレクタは、前記固定体の側に設けられ、
前記第1平滑層および前記第2平滑層は、前記可動体の側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項5】
前記振れ補正用駆動機構は、前記固定体の第1側面に設けられた第1空芯コイルと、前記可動体の第1側面に設けられた第1磁石と、前記固定体の第2側面に設けられた第2空芯コイルと、前記可動体の第2側面に設けられた第2磁石と、を備え、
前記第1フォトリフレクタは、前記第1空芯コイルの内側領域に設けられ、
前記第2フォトリフレクタは、前記第2空芯コイルの内側領域に設けられ、
前記第1平滑層は、前記第1磁石において前記第1空芯コイルが位置する側の面に積層され、
前記第2平滑層は、前記第2磁石において前記第2空芯コイルが位置する側の面に積層されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項6】
前記振れ補正用駆動機構は、前記固定体の第1側面に設けられた第1コイルと、前記可動体の第1側面に設けられた第1磁石と、前記固定体の第2側面に設けられた第2コイルと、前記可動体の第2側面に設けられた第2磁石と、を備え、
前記第1フォトリフレクタ、前記第1平滑層、前記第2フォトリフレクタ、および前記第2平滑層は各々、前記第1コイル、前記第1磁石、前記第2コイル、および前記第2磁石より光軸方向において前記可動体の揺動中心が位置する側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項7】
可動体の光軸方向後側端部を支持して当該可動体を前記第1方向および前記第2方向に揺動可能に支持する揺動支点を有していることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−220785(P2012−220785A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87613(P2011−87613)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】