説明

振動モータ及び2列の脚部を有する乗物、特に振動モータを有する玩具ロボット

乗物、特に玩具ロボット100は、複数の脚部104と、振動駆動部202、210と、を有する。乗物の本体部122と乗物の脚部との間には、空間、特にV字状の凹所があり、脚部は、正立回転中に内方に曲がる及び/または、脚部の列は、振動駆動部の回転軸の側部に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本願は、2009年9月25日に出願した米国仮特許出願第61246023号の優先権の利益を主張し、その全てを参照として本明細書に組み込む。
【0002】
発明の技術分野
本発明は、振動駆動部を有する乗物、特に振動モータ及び複数の脚部を有する玩具ロボットであって、玩具ロボットが小型の生きたほふく運動する動物または昆虫のようである玩具ロボットに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、振動モータを有する乗物は、一般的に「バイブロボット(vibrobot)」として当業者によって指名されたことが知られている。
【0004】
1つの特有の「バイブロボット」の形態は、いわゆる「ブリストルボット(bristlebot)」であり、このブリストルボットは、切り離した歯ブラシ状頭部と、バッテリと、振動モータと、からなる。「ブリストルボット」は、歯ブラシ状頭部の毛部で地面上に支持され、このため、毛部は、ある程度は、「ブリストルボット」の脚部に対応する。バッテリ及び振動モータは、歯ブラシ状頭部上に配置される。振動に起因して、歯ブラシ状頭部全体は、振動し始め、「ブリストルボット」は、前方へ移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第4219957号明細書
【特許文献2】英国特許出願公開第2427529号明細書
【特許文献3】仏国特許出願公開第1564711号明細書
【特許文献4】仏国特許出願公開第2358174号明細書
【特許文献5】米国特許第6899589号明細書
【特許文献6】特開平04−030883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このタイプの「ブリストルボット」の前方運動及び機械的特性は、多くの態様においてかなり不十分である。例えば、「ブリストルボット」は、ユーザまたは別の人の観点から、生きた昆虫のようではなく、その替わりに振動する歯ブラシの頭部であるように見える。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、請求項1にかかるまたは請求項2にかかる乗物に関する。従属請求項は、本発明の有利な構成に関する。
【0008】
本発明の乗物は、複数の脚部と、振動駆動部と、を有する。本発明において、「乗物」は、任意のタイプの移動ロボット、特に一般的に玩具ロボット、及び、昆虫または他の動物、虫もしくは爬虫類の形状を有する玩具ロボットを意味する。
【0009】
本発明の一態様において、乗物の脚部は、角度付けされまたは湾曲され、可撓性を有する。振動モータは、下方を向きかつ乗物が前方に移動するように少なくとも前脚部を反らせるのに適した力(Fv)を発生させる。乗物の脚部は、有利には、垂直からずれた方向に傾いている。このため、脚部の基部は、脚部の先端部に対して乗物においてさらに前方に配置される。特に、前脚部は、振動モータに起因して乗物が振動するときに反るように構成されている。反対に、振動モータは、同様に、上方を向きかつ地面から前脚部を跳躍させるまたは上昇させるのに適した力(Fv)を発生させる。
【0010】
本発明の別の態様において、後脚部の幾何形状は、異なるブレーキまたは引き摺り(dragging)効果を達成するように構成されている。すなわち、後脚部の幾何形状は、振動モータの振動に起因して回転する傾向に対抗するように構成されている。回転する偏心ウェイトは、乗物の長手方向軸に関して、横方向に前脚部を上昇させている間に移動し、対応策が無い場合、乗物は、曲線に沿って移動する。対応策は、さまざまな方法で達成される、すなわち、より多くのウェイトを他の前脚部と比較して1つの前脚部にシフトさせる。後脚部の長さを他の後脚部と比較して増大させる。脚部の剛性を一側において他側と比較して増大させる。後脚部は、他側の他の後脚部と比較して太い構造を有する。1つの後脚部を他の後脚部よりもさらに前方に配置する。
【0011】
本発明の別の態様において、乗物は、振動モータの回転トルクの影響によって回転して自身で正立するように構成されている。これは、例えば、本体部のまたは乗物の重心を振動モータの回転軸に近接してまたは回転軸上に位置付けることで達成される。さらに、乗物の側面及び上面は、振動中に乗物の自己正立を可能とするように構成されている。このため、頂点は、乗物の上面に設けられ、乗物は、完全にその背面に仰向けに反転できない。しかしながら、フィン、プレートまたはフリッパは、同様に、乗物の側面及び/または背面に配置され、これら外側の点は、有利には、仮想的なシリンダに近接してまたは仮想的なシリンダ上に配置される。
【0012】
本発明の他の態様において、脚部は、2列の脚部で配置され、乗物の本体部と乗物の脚部との間には、空間部、特にV字状の凹所があり、脚部は、正立回転中に内方に曲がる。このようにして、乗物の正立運動は、乗物が転倒する場合に単純化される。有利には、脚部は、2列の脚部で、さらに振動モータの回転軸の側方かつ上方に配置される。
【0013】
本発明の別の態様において、乗物は、弾性鼻部または弾性前方部分を有し、乗物は、障害物に衝突すると跳ね返る。弾性鼻部または弾性前方部分は、有利には、ゴムで構成される。さらに、弾性鼻部または弾性前方部分は、有利には、所定点まで延在する構造部を有する。このようにして、乗物は、センサまたは操舵動作のためのいくつかの制御部を用いることなく、障害物をより容易に回避する。
【0014】
本発明の別の態様において、振動駆動部は、モータ及び偏心ウェイトを有し、偏心ウェイトは、前脚部の前方に配置されている。このようにして、前脚部の上昇運動の強化を達成し、後脚部は、可能な限り地面に着いたままである(しかしわずかに跳ね返ってもよい)。特に、偏心ウェイトは、モータの前方に配置される。さらに、バッテリは、有利には、後脚部の重量を増大させるために、乗物の後部分に配置される。バッテリ及びモータの双方は、有利には、脚部間に配置される。モータの回転軸は、乗物の長手方向軸に沿って延在する。
【0015】
このため、本発明の原理において、乗物は、振動モータを有して構成され、前進速度、前進運動の安定性、歩き回る傾向、自身で正立する能力及び/または特性と共に、生来の生命体、特に、生きている昆虫または他の小動物を複製する。
【0016】
本発明は、デバイス、特に1以上の以下の目的を達成しようとする振動駆動部を有する乗物または玩具ロボットである。
1.可撓性を有する脚部の構造が変化する振動モータを有する乗物。
2.乗物の速度を最大化すること。
3.乗物の優位な運動方向を変更すること。
4.乗物の横転を防止すること。
5.自身で正立する乗物の製造。
6.生きている動物、特に昆虫、虫、爬虫類または他の小動物のようである運動を発生させること。
7.多くの異なる乗物タイプを提供するために、乗物がそれらの運動において異なるように複数の運動モードを発生させること。
【0017】
これら態様及びこれらを達成する方法は、図面と併せて以下の詳細な説明において詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1a】本発明の第1実施形態における乗物すなわち玩具ロボットを示す図である。
【図1b】本発明の第1実施形態における乗物すなわち玩具ロボットを示す図である。
【図2a】本発明の一実施形態における乗物すなわち玩具ロボットに一様に作用する全体力を示す図である。
【図2b】本発明の一実施形態における乗物すなわち玩具ロボットに一様に作用する全体力を示す図である。
【図2c】本発明の一実施形態における乗物すなわち玩具ロボットに一様に作用する全体力を(前方から)示す図である。
【図2d】本発明の一実施形態における乗物すなわち玩具ロボットに一様に作用する全体力を示す図である。
【図2e】本発明の一実施形態における乗物すなわち玩具ロボットに一様に作用する全体力を示す図である。
【図2f】本発明の一実施形態における乗物すなわち玩具ロボットに一様に作用する全体力を示す図である。
【図3a】本発明のさまざまな他の実施形態における乗物すなわち玩具ロボットであって脚部の構造を変更した乗物すなわち玩具ロボットを示す図である。
【図3b】本発明のさまざまな他の実施形態における乗物すなわち玩具ロボットであって脚部の構造を変更した乗物すなわち玩具ロボットを示す図である。
【図3c】本発明のさまざまな他の実施形態における乗物すなわち玩具ロボットであって脚部の構造を変更した乗物すなわち玩具ロボットを示す図である。
【図4a】本発明の別の実施形態における乗物すなわち玩具ロボットであって後脚部が調整可能である乗物すなわち玩具ロボットを示す図である。
【図4b】本発明の別の実施形態における乗物すなわち玩具ロボットであって後脚部が調整可能である乗物すなわち玩具ロボットを示す図である。
【図5】本発明の別の実施形態における乗物すなわち玩具ロボットであって可撓性鼻部を有する乗物すなわち玩具ロボットを示す図である。
【図6a】第1実施形態における乗物すなわち玩具ロボットを示す図である。
【図6b】第1実施形態における乗物すなわち玩具ロボットを示す図である。
【図7】本発明の別の実施形態における乗物すなわち玩具ロボットであって追加のフィン、プレートまたはフリッパを配置した乗物すなわち玩具ロボットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1a及び図1bは、本発明の第1実施形態における乗物すなわち玩具ロボットを示す。
【0020】
振動駆動型の例えば模型玩具ロボットのような乗物100は、2以上の脚部104を有する本体部を有し、この脚部は、乗物がある方向に移動するという傾向を結果としてもたらす方法で乗物が振動すると曲がるように構成されている。例えば、脚部は、乗物からいくらかずれた方向で曲がるまたは傾けられ、曲げられるまたは反らせることが可能な材料で形成される。乗物の本体部は、振動を発生させるためにモータを有し、比較的低い重心を有する。本体部の頂面は、振動している間に乗物が自己正立することを単純化するために、突出する。後を追う(すなわち後の)脚部の幾何形状は、モータの振動に起因して回転する傾向に対抗するまたはある方向で回転する傾向を引き起こすために、(例えば、脚部の長さまたは太さに関して)異なるブレーキまたは引き摺り効果を実現するように構成されている。複数の脚部を使用する場合、一部の脚部(例えば前方の「駆動」脚部及び後方の「引き摺り」脚部の間に配置された脚部)は、さらなるブレーキまたは引き摺り効果を防止するために、いくらか短い構造を有する。
【0021】
図2aから図2fは、概して本発明の一実施形態における乗物すなわち玩具ロボットに作用する全体力を示す(図2cは、正面図を示す)。
【0022】
モータは、図2aから図2dに示すようなトルク及び力ベクトルを発生させる偏心ウェイトを回転させる。垂直力Fvが負である(すなわち下方を向く)場合、これは、角度付けした及び/または湾曲した脚部を反らせ、表面に接触する脚セクションに至るまで乗物の本体部を前方に移動させる効果がある。垂直力Fvが正である(すなわち上方を向く)場合、これは、乗物が跳躍し始め、前脚部が地面から上昇されて(すなわち、外力の影響によってさらに曲げることなく)脚部がそれらの標準的な幾何形状まで戻される効果がある。この運動中に、一部の脚部、特に2つの後脚部は、その後にのみスライドし、跳躍しない。振動する偏心ウェイトは、1秒当たり数百回回転し、乗物は、振動してほぼ前方に向けた方向に移動する。
【0023】
同様に、モータを回転させると、側方を向く垂直力Fhを引き起こし(図2b及び図2c参照)、この垂直力Fhは、乗物の鼻部を起こした場合に一方向(右か左か)を向き、乗物の鼻部を下方に押し付けた場合に、他方を向く。力Fhは、乗物の鼻部を起こした場合にさらに回転させる傾向を引き起こすまたは有する。この現象は、回転運動を引き起こし、さらに、異なる運動特性、特に速度、運動の主要な方向、傾き及び自己正立処理を操作する。
【0024】
脚部の幾何形状の1つの重要な特徴は、脚部の「基部」(すなわち、本体部に取り付けられる脚部の部分、したがって、特定の範囲に関して、「股関節」)の脚部の先端部(すなわち地面に接触する脚部の他端部)に対する相対的な位置である。可撓性脚部の構造を変化させることにより、乗物の運動挙動を変化させる。
【0025】
乗物は、脚部の先端部の位置の前方に配置された脚部の基部の位置にしたがって移動する。垂直力が負である場合、乗物の本体部は、下方に押し付けられる。したがって、本体部は、傾けられ、脚部の基部は、脚部の先端部回りで表面に向けて回転し、本体部は、今度は脚部の先端部から脚部の基部に向けて移動する。逆に、脚部の基部を脚部の先端部の垂直上方に配置した場合、乗物は、単に跳躍し、ほぼ(垂直)方向で移動しない。
【0026】
脚部の湾曲構造は、直線状の脚部と比較して脚部の反りを増大させることにより、前方への運動を強調する。
【0027】
乗物の速度は、さまざまな方法で最大化される。乗物の速度を増大させることは、生きた生物のように実際に機能するように昆虫、虫または爬虫類のようである製品の視覚認知を改善することに重要である。速度に影響を及ぼすファクタは、振動周波数及び強度、脚部の材料(例えば後脚部の摩擦が小さいとより速い速度を引き起こす)、脚部の長さ、脚部が反る特性、別の脚部に対する1つの脚部の幾何形状並びに脚部の数である。
【0028】
振動周波数(すなわちモータの回転速度)及び乗物の速度は、直接的に比例する。すなわち、モータの振動周波数が増大し他のファクタを一定のままとすると、乗物は、より迅速に移動する。
【0029】
脚部の材料は、速度に寄与するいくつかの特性を有する。脚部の摩擦特性は、乗物に作用するブレーキまたは引き摺り力への寄与を決定する。脚部の材料が表面に対する摩擦係数を増大させるので、乗物のブレーキまたは引き摺り力を増大させると、乗物は、遅くなる。したがって、脚部の、特に後脚部の摩擦係数が低い材料を選択することが重要である。例えば、デュロメータ値が約65であるポリスチレン−ブタジエン−スチレンが適切である。また、脚部に関する材料の特性は、脚部の太さ及び脚部の長さの関数として、剛性に寄与し、この剛性は、乗物が何回跳躍を見せるかを最終的に決定する。脚部の全体的な剛性が増大すると、乗物の速度は、同様に高くなる。逆に、長く細い脚部は、脚部の剛性を低減し、乗物の速度は、遅くなる。
【0030】
−上述した指標に対応する−後脚部のブレーキまたは引き摺り力(またはブレーキ/引き摺り係数)を特に前方のすなわち駆動脚部と比較して今度は低減すると、後脚部がブレーキまたは引き摺り力を発達させるので、速度は、大幅に増大する。
【0031】
乗物の動作の主要な方向は、さまざまな方法で影響を受ける。特に、運動の方向は、ある脚部への重量負荷、脚部の数、脚部の配置、脚部の剛性及び対応するブレーキまたは引き摺り係数により調整される。
【0032】
本来の横方向に作用する力Fhは、乗物を回転させる(図2b、図2c及び図2d参照)。乗物が前方に直進する場合、この力を相殺しなければならない。これは、脚部の幾何形状によって及び脚部に関する材料を適切に選択することによって達成される。
【0033】
図2c及び図2dに示すように、その偏心回転するウェイトを用いて、モータは、(いくらか斜めを向く)速度ベクトルVmotorを発生させ、この速度ベクトルVmotorの横方向成分は、横方向に作用する力Fhに含まれる(図2cは、乗物の前方から見た力の影響を示す)。この運動方向を変化させる場合、脚部に作用する1以上の反力F1からF4(図2d参照)は、異なる速度ベクトルを含まなければならない。これは、以下の方法(単独にまたは組み合わせて)によって達成される。
(1)速度ベクトルVmotorを相殺するために、駆動脚部の駆動ベクトルF1またはF2に影響を与える。図2dに示す状況の場合において、速度ベクトルF2を増大させてこれにより速度ベクトルVmotorに横方向に反作用するために、より多くのウェイトを右前脚部に配置する(逆方向に回転するモータであって速度ベクトルが右側へ斜めを指すに至るモータについては、逆に、より多くのウェイトを左前脚部に配置する)。
(2)速度ベクトルVmotorを相殺するために、ブレーキまたは引き摺りベクトルF3またはF4に影響を与える。これは、図2dに示す速度ベクトルVmotorを増大させるために右後脚部の長さを増大させることによって、または、右後脚部のブレーキまたは引き摺り係数を増大させることによって、達成される(逆方向に回転するモータであって速度ベクトルが右側へ斜めを指すに至るモータについては、逆に、左後脚部を適宜変更しなければならない)。
(3)図2dに示す速度ベクトルF2及びF4を増大させるために、(例えば脚部の太さを増大させることによって)右側の脚部の剛性を増大させる(逆方向に回転するモータであって速度ベクトルが右側へ斜めを指すに至るモータについては、逆に、左側の脚部の剛性を適宜増大させなければならない)。
(4)ブレーキまたは引き摺りベクトルが速度ベクトルと同一方向で指すように後脚部の相対位置を変更する。図2dに示す速度ベクトルVmotorの場合、右後脚部を左後脚部よりも前方に遠く配置しなければならない(逆方向に回転するモータであって速度ベクトルが右側へ斜めを指すに至るモータについては、逆に、左後脚部を右後脚部よりも前方に遠く配置しなければならない)。
【0034】
乗物の横転を防止するためまたは横転する危険性(これは従来技術の「バイブロボット」において非常に大きい)を低減するために、別の指標を使用してもよい。
【0035】
本発明における乗物は、有利には、図2eに示すように、本体部における可能な限り低い重心(すなわち重心)を有する。さらに、脚部、特に右列の脚部と左列の脚部とは、互いに比較的開いている。本発明において、脚部または脚部の列は、乗物の側方に、特にモータの回転軸の側方に配置されている。特に、脚部または脚部の列は、重心の上方において乗物の本体部に取り付けられている(図2c、図2e及び図2f参照)、すなわち、脚部の基部すなわち吊下点は、それぞれ重心の上方において乗物の本体部に取り付けられている(図1参照)。モータの回転軸に関して、脚部は、この回転軸の側方かつ上方に取り付けられまたは吊り下げられている(図2c及び図2e参照)。これにより、モータ及びバッテリ(並びに状況に応じてスイッチ)を脚部間に配置することが可能となる。このようにして、本体部の重心は、乗物が横転することを防止するためまたは横転する危険性を低減するために、地面に非常に近接して配置される。
【0036】
さらに、乗物がその背面に仰向けになるまたは一側面に横になると乗物が自動的に自身で再び正立するように、さまざまな指標を使用してもよい。これは、横転を防止するための指標にもかかわらず、乗物がその背面へまたは側面へひっくり返ることが起こるためである。
【0037】
本発明において、モータのトルクを使用して乗物を回転させそれを再び正立させてもよい。これは、本体部の重心(すなわち重心)を回転軸に近接して位置付ける(図2f参照)ことで達成される。したがって、乗物は、この軸回りで本体部全体を回転させる傾向を有する。本体部のまたは乗物の回転は、本明細書において、モータの回転とは逆方向で起こる。
【0038】
また、回転する傾向をこれら構造的な指標によって達成される場合に、乗物がその背面に仰向けになるまたは一側面に横になるときのみ本体部またはモータの回転軸回りの回転が起こるように、乗物の外形を調整してもよい。
【0039】
したがって、例えばフィン、プレートまたはフリッパ902(図7参照)などの頂点120(図1参照)は、頂面に、すなわち乗物の背面に配置され、乗物は、完全には横転しない、すなわち、180°回転しない。また、例えばフィン、プレートまたはフリッパ904a、904b(図7参照)などの突出部は、乗物の側面に配置され、乗物は、側面を背にした状態からその通常の正立位置まで容易に回転する。このようにして、主として水平方向に作用する力Fh及び主として垂直方向に作用するFvが乗物の横転状態において重力方向と平行に作用しないことを達成する。これにより、力FhまたはFvは、乗物に対して正立効果を有する。
【0040】
すでに述べたように、脚部におけるまたは脚部の列における互いの距離は、可能な限り広いべきであり、横転は、可能な限り防止される。ここで、2列の脚部は、図2c及び図2eに示すように、頂部から底部に向けてそれらの距離を増大させる、すなわち、2列の脚部における脚部の吊下点(または脚部の基部)は、脚部の端部(または脚部の先端部)よりも、互いの間の距離が小さくなる。逆に、空間404(図2e参照)は、脚部が側方から内方に向けて曲がるように設けられるべきである。有利には、乗物の本体部と脚部との間に設けられたこの空間404は、V字状の凹所の形状を有する、すなわち、乗物の本体部は、図2eに示すように、頂部から底部に向けてテーパ状となっている。この空間404は、側面位置から安定的な直立した通常位置までの可能な限り最もスムーズな移行を実現するために、脚部が正立させる回転中に内側に反ることを可能とする。
【0041】
本発明における乗物は、乗物が可能な限り生きた動物、特に昆虫、虫、爬虫類または他の小動物ようであるように移動するべきである。
【0042】
生きた小動物という意味で乗物の運動を最も生きているような可能性のある外観を達成するため、乗物は、蛇のようなパターンで歩き回るまたはぶらつくような傾向を有するべきである。これは、単一方向のみに沿って運動することがユーザまたは第三者に生きているように見えないためである。
【0043】
運動の恣意性またはランダム性は、一方では、脚部の剛性、脚部の材料及び/または偏心質量の慣性を変更することによって達成される。脚部の剛性を増大させると、跳躍量は、減少し、ランダムな運動は、低減する。反対に、乗物は、脚部の剛性が特に前方の駆動脚部を後脚部に対して低い場合、ランダムな方向で移動される。脚部の材料が脚部の剛性に影響を及ぼす一方で、材料の選択は、さらに別の効果を有する。これは、脚部の先端部に塵埃を引き付けるように脚部の材料を選択し、地面に対する付着摩擦が変更されることに起因して異なる方向でランダムに回転するまたは移動するためである。偏心質量の慣性は、同様に、運動パターンのランダム性に影響を及ぼす。これは、より大きい慣性に関して、乗物が大きい大きさで跳躍し、地面に対する他の相対位置に衝撃与えられることを引き起こすためである。
【0044】
運動の恣意性またはランダム性は、他方では、乗物の弾性鼻部または前方部分108(図1及び図5参照)によって達成される。これは、乗物が他の物体に衝突すると、乗物がランダムな方向に跳ね返るためである。このため、乗物は、障害物に常に立ち向かおうと試みず、替わりに、跳ね返ることに起因してその運動方向を変更し、これにより障害物を迂回する。ここで、センサを必要とせず、外見上のインテリジェント挙動は、替わりに、純粋に機械的な手段によって達成される。
【0045】
乗物の鼻部または前方部分108は、弾性特性を有し、特に、摩擦係数が低い軟性材料から製造される。デュロメータ値が65(以下)であるゴムは、比較的容易に押圧される可撓性鼻部を得るために、本明細書で使用されてもよい。さらに、鼻部または前方部分108は、所定位置まで延在する構造を有し、鼻部は、より容易に押圧され、このため、跳ね返ることを促進し、乗物の先端部は、新たな衝撃として側方衝突を形成する。このため、乗物は、鼻部の形状によって異なる方向へ反らされる。
【0046】
さらに、脚部の特性は、同様に、障害物に衝突する間に影響を与える。これは、衝撃があると垂直軸回りでわずかに乗物が回転するように脚部を構成すると、障害物を迂回する運動がより迅速に達成されるためである。
【0047】
最後に、乗物の速度は、同様に、障害物に衝突するときの反る挙動に関して重要である。これは、高速において、跳ね返る効果が大きく、このために乗物が異なる角度で衝突して迂回する可能性が増大するためである。
【0048】
異なる脚部の構造を図3aから図3cに示す。前方への運動は、全ての図において右側を示す。
【0049】
図3aの上左側の図において、脚部は、補強部に接続されている。補強部は、長い脚部の外観を維持しながら脚部の剛性を増大させるために使用される。補強部は、脚部の高さに沿って適宜配置される。異なる補強部の設定、特に、左側の補強部の反対側にある右側の補強部は、脚部の長さを変更する必要なく脚部の特性を変更するために使用される。このようにして、選択可能性は、操舵を修正するために形成される。
【0050】
図3aの上右側の図は、複数の湾曲した脚部を有する全体的な実施形態を示す。ここで注意することは、中央の、すなわち、2本の前脚部から離間しかつ2本の後脚部から離間する全ての他の脚部が、地面と接触しないように構成されてもよいことである。このようにして、運動挙動の設定に関して中央脚部を考慮から除外するので、脚部の製造がより容易になる。
【0051】
図3aの下(左及び右)の図は、乗物に生きているような外観を与えるべき追加の付属品または突出部を示す。これら付属品または突出部は、乗物が移動するときに共に振動する。付属品または突出部を調整することは、同様に、運動挙動において増大した恣意性を生成するために、所望の運動挙動または所望の共振挙動を生成するために使用される。
【0052】
さらなる脚部の構造を図3bに示す。上側(左側及び右側)の図は、本体部にある脚部の接続が図3に示す脚部の接続と比較して別の位置にあることを示す。外観上の差異に加えて、本体部への脚部のより高い接続は、ここでは本体部の重心(すなわち、重心)を上げること無く脚部がより長い構造を有するように使用される。さらに、長い脚部は、剛性が低減しており、これは、他の特性に加えて跳躍の増大を導く。図3bの下側の図は、2つの脚部を互いに接続した後脚部の別の実施形態を示す。
【0053】
さらなる脚部の構造を図3cに示す。左上のダイアグラムは、最小数の脚部を有する、すなわち1本の後脚部と2本の前脚部とを有する実施形態を示す。後脚部を左側にまたは右側に位置付けることは、舵を変更するように機能し、このため、後脚部は、乗物の方向を制御するために使用される。後脚部に低摩擦係数の材料を用いる場合、乗物の速度は、上述のように、増大する。
【0054】
図3cの左下のダイアグラムは、3本の脚部を有する実施形態を示し、1本の前脚部と2本の後脚部とが設けられている。制御は、一方の後脚部を他方の後脚部の前方に配置した後脚部を用いて設定される。
【0055】
図3cの右上のダイアグラムは、後脚部を著しく変更した乗物を示し、この後脚部は、バッタのような外観を有する。後脚部は、地面に対する摩擦を同様に低減するように、これらの底側面で地面上に位置している。さらに、このため、乗物は、地面にある凹凸または穴部による影響を受けにくい。このため、乗物は、地面にある凹凸または穴部を超えて容易にスライドする。
【0056】
図3cの右下のダイアグラムは、中間脚部を前及び後脚部に対して起こした乗物を示す。このため、中間脚部は、初期的には審美的な目的を有する。しかし、これらは、同様に、転倒挙動に影響を与えるために使用される。さらに、乗物の跳躍挙動は、同様に、その重量を用いて調整される。
【0057】
図4a及び図4bは、本発明の別の実施形態における乗物すなわち玩具ロボットを示し、この乗物すなわち玩具ロボットにおいて、後脚部は、互いに独立して高さが調整される。後脚部は、固い及び/または可撓性のあるワイヤからまたは例えばプラスチックなど別の適切な材料から製造されてもよい。調整可能な後脚部は、ユーザが乗物の運動挙動を調整するように使用される。特に、運動方向は、例えば左曲がりから直線運動を経て右曲がりまで調整される。
【0058】
図7は、本発明の別の実施形態における乗物すなわち玩具ロボットを示し、この乗物すなわち玩具ロボットにおいて、追加のフィン、プレートまたはフリッパ902、904a、904bを配置する。フィン、プレートまたはフリッパは、乗物の転倒挙動に影響を与えるために、符号902の上方に及び側部904a、904bに配置されてもよい。特に、フィン、プレートまたはフリッパ902、904a、904bは、外側の点が仮想的なシリンダに近接してまたは仮想的なシリンダ上に位置するように構成されてもよい。このようにして、乗物は、乗物がその背面に仰向けになるまたは一側面に横になると、シリンダのように回転する。このため、乗物は、比較的迅速にそれ自身で再び正立する。
【符号の説明】
【0059】
100 乗物、104 脚部、108 鼻部,前方部分、120 頂点、404 空間、902、904a、904b フィン,プレート,フリッパ
【図1A】

【図1B】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図2D】

【図2E】

【図2F】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図4A】

【図4B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物、特に玩具ロボットであって、
複数の脚部と、振動駆動部と、を備え、
前記脚部が、2列の脚部で配置され、
空間、特にV字状の凹所が、当該乗物の本体部と当該乗物の前記脚部との間に設けられ、前記脚部が、正立回転中に内方に反ることを特徴とする乗物。
【請求項2】
乗物、特に玩具ロボットであって、
複数の脚部と、振動駆動部と、を備え、
前記脚部が、2列の脚部で、前記振動駆動部の回転軸の側方に配置されることを特徴とする乗物。
【請求項3】
空間、特にV字状の凹所が、当該乗物の本体部と当該乗物の脚部との間に設けられ、前記脚部が、正立回転中に内方に反ることを特徴とする乗物。
【請求項4】
前記脚部が、重心の上方において当該乗物に取り付けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項5】
前記脚部が、前記振動駆動部の回転軸の側方かつ上方に取り付けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項6】
2、3、4、5または6の前記脚部が、前記脚部の各列に設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項7】
前記振動駆動部が、下方を向きかつ前記前脚部を反らせて当該乗物が前方に移動するのに適した力(Fv)を発生させることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項8】
当該乗物の前記脚部が、湾曲しかつ可撓性を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項9】
当該乗物の前記脚部が、垂直からずれた方向に傾いていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項10】
前記脚部の基部が、当該脚部の先端部に対して当該乗物においてさらに前方に配置されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項11】
2以上の前記脚部、特に前記前脚部が、前記振動駆動部に起因して当該乗物が振動するときに曲がるように構成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項12】
前記振動駆動部が、上方を向きかつ当該乗物を地面から跳躍させるまたは前記前脚部を上昇させるのに適した力(Fv)を発生させることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項13】
前記振動駆動部が、当該乗物の鼻部を上昇させると、側方を向きかつ当該乗物を回転させる傾向を発生させる力(Fh)を発生させることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項14】
当該乗物が、当該乗物の後脚部のみが後方に沿ってスライドするが跳躍しないように構成されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項15】
後脚部の幾何形状が、異なるブレーキまたは引き摺り効果を達成するように構成されていることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項16】
後脚部の幾何形状が、前記振動駆動部の振動に起因して回転する傾向に対抗するように構成されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項17】
より多くのウェイトが、他の前記前脚部と比較して1つの前記前脚部に配置されることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項18】
1つの後脚部の長さが、他の後脚部と比較して増大されていることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項19】
一側にある前記脚部の剛性が、他側と比較して増大されていることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項20】
1つの後脚部が、他側にある他の後脚部と比較して太い構造を有することを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項21】
1つの後脚部が、他の後脚部よりもさらに前方に配置されていることを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項22】
前記脚部が、当該脚部の剛性を増大させるために補強部を用いて互いに接続されていることを特徴とする請求項1から21のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項23】
後脚部が、互いに独立して高さが調整されるように設けられていることを特徴とする請求項1から22のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項24】
前記前脚部の剛性が、後脚部の剛性と比較して低いことを特徴とする請求項1から23のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項25】
後脚部のブレーキまたは引き摺り力が、前方の、すなわち駆動脚部と比較して低減されていることを特徴とする請求項1から24のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項26】
当該乗物が、その背面に仰向けになるまたは一側面に横になると自身で再度正立することを特徴とする請求項1から25のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項27】
当該乗物が、前記振動駆動部のトルクの効果に起因して、回転して自身で正立するように構成されていることを特徴とする請求項1から26のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項28】
本体部の重心または当該乗物の重心が、前記振動駆動部の回転軸に近接してまたは回転軸上に位置することを特徴とする請求項1から27のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項29】
当該乗物の頂面が、振動中に当該乗物の自己正立を単純化するために突出することを特徴とする請求項1から28のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項30】
頂点を当該乗物の頂面に設け、当該乗物が、完全にはその背面に仰向けにならないことを特徴とする請求項1から29のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項31】
フィン、プレートまたはフリッパをその背面に配置することを特徴とする請求項1から30のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項32】
フィン、プレートまたはフリッパを当該乗物の側面に配置することを特徴とする請求項1から31のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項33】
フィン、プレートまたはフリッパが、それらの外側の点が仮想的なシリンダに近接してまたは仮想的なシリンダ上に位置するように構成されていることを特徴とする請求項28または29に記載の乗物。
【請求項34】
当該乗物が、弾性鼻部または弾性前方部分を有し、当該乗物が、障害物に衝突すると跳ね返ることを特徴とする請求項1から33のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項35】
前記弾性鼻部または前記弾性前方部分が、ゴムから形成されることを特徴とする請求項34に記載の乗物。
【請求項36】
前記弾性鼻部または前記弾性前方部分が、所定点まで延在する構造部を有することを特徴とする請求項34または35に記載の乗物。
【請求項37】
前記振動駆動部が、モータと、偏心ウェイトと、を有することを特徴とする請求項1から36のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項38】
前記偏心ウェイトが、前記モータの前方に配置されていることを特徴とする請求項37に記載の乗物。
【請求項39】
前記偏心ウェイトが、前脚部の前方に配置されていることを特徴とする請求項37または38に記載の乗物。
【請求項40】
前記モータの回転軸が、当該乗物の長手方向軸に沿って延在することを特徴とする請求項37から39のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項41】
バッテリが、当該乗物の後方部分に配置されていることを特徴とする請求項37から40のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項42】
前記バッテリ及び前記モータの双方が、前記脚部間に配置されていることを特徴とする請求項41に記載の乗物。
【請求項43】
スイッチが、前記モータとバッテリとの間に配置されていることを特徴とする請求項37から42のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項44】
当該乗物が、昆虫、虫、爬虫類または他の動物の形状を有することを特徴とする請求項1から43のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項45】
乗物、特に玩具ロボットであって、
複数の脚部と、振動駆動部と、を備え、
当該乗物の前記脚部が、湾曲しかつ可撓性を有することを特徴とする乗物。
【請求項46】
乗物、特に玩具ロボットであって、
複数の脚部と、振動駆動部と、を備え、
前記振動駆動部が、下方を向きかつ前記前脚部を反らせて当該乗物が前方に移動するのに適した力(Fv)を発生させることを特徴とする乗物。
【請求項47】
当該乗物の前記脚部が、湾曲しかつ可撓性を有することを特徴とする請求項46に記載の乗物。
【請求項48】
当該乗物の前記脚部が、垂直からずれた方向に傾いていることを特徴とする請求項1から47のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項49】
前記脚部の基部が、当該脚部の先端部に対して当該乗物においてさらに前方に配置されていることを特徴とする請求項1から48のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項50】
2以上の前記脚部、特に前記前脚部が、前記振動駆動部に起因して当該乗物が振動するときに曲がるように構成されていることを特徴とする請求項1から49のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項51】
前記振動駆動部が、上方を向きかつ当該乗物を地面から跳躍させるまたは前記前脚部を上昇させるのに適した力(Fv)を発生させることを特徴とする請求項1から50のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項52】
前記振動駆動部が、当該乗物の鼻部を上昇させると、側方を向きかつ当該乗物を回転させる傾向を発生させる力(Fh)を発生させることを特徴とする請求項1から51のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項53】
当該乗物が、当該乗物の後脚部のみが後方に沿ってスライドするが跳躍しないように構成されていることを特徴とする請求項1から52のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項54】
後脚部の幾何形状が、異なるブレーキまたは引き摺り効果を達成するように構成されていることを特徴とする請求項1から53のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項55】
後脚部の幾何形状が、前記振動駆動部の振動に起因して回転する傾向に対抗するように構成されていることを特徴とする請求項1から54のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項56】
より多くのウェイトが、他の前記前脚部と比較して1つの前記前脚部に配置されることを特徴とする請求項1から55のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項57】
1つの後脚部の長さが、他の後脚部と比較して増大されていることを特徴とする請求項1から56のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項58】
一側にある前記脚部の剛性が、他側と比較して増大されていることを特徴とする請求項1から57のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項59】
1つの後脚部が、他側にある他の後脚部と比較して太い構造を有することを特徴とする請求項1から58のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項60】
1つの後脚部が、他の後脚部よりもさらに前方に配置されていることを特徴とする請求項1から59のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項61】
前記脚部が、2列の脚部で配置されていることを特徴とする請求項1から60のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項62】
2、3、4、5または6の前記脚部が、前記脚部の各列に設けられていることを特徴とする請求項61に記載の乗物。
【請求項63】
前記脚部が、当該脚部の剛性を増大させるために補強部を用いて互いに接続されていることを特徴とする請求項1から62のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項64】
後脚部が、互いに独立して高さが調整されるように設けられていることを特徴とする請求項1から63のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項65】
前記前脚部の剛性が、後脚部の剛性と比較して低いことを特徴とする請求項1から64のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項66】
後脚部のブレーキまたは引き摺り力が、前方の、すなわち駆動脚部と比較して低減されていることを特徴とする請求項1から65のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項67】
当該乗物が、その背面に仰向けになるまたは一側面に横になると自身で再度正立することを特徴とする請求項1から66のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項68】
当該乗物が、前記振動駆動部のトルクの効果によって、回転して自身で正立するように構成されていることを特徴とする請求項1から67のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項69】
本体部の重心または当該乗物の重心が、前記振動駆動部の回転軸に近接してまたは回転軸上に位置することを特徴とする請求項1から68のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項70】
当該乗物の頂面が、振動中に当該乗物の自己正立を単純化するために突出することを特徴とする請求項1から69のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項71】
頂点を当該乗物の頂面に設け、当該乗物が、完全にはその背面に仰向けにならないことを特徴とする請求項1から70のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項72】
フィン、プレートまたはフリッパをその背面に配置することを特徴とする請求項1から71のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項73】
フィン、プレートまたはフリッパを当該乗物の側面に配置することを特徴とする請求項1から72のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項74】
フィン、プレートまたはフリッパが、それらの外側の点が仮想的なシリンダに近接してまたは仮想的なシリンダ上に位置するように構成されていることを特徴とする請求項72または73に記載の乗物。
【請求項75】
空間部、特にV字状の凹所が、当該乗物の本体部と当該乗物の脚部との間に設けられ、前記脚部が、正立回転中に内方に反ることを特徴とする請求項1から74のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項76】
前記脚部が、乗物に、特に前記振動駆動部の回転軸の側部に配置されることを特徴とする請求項1から75のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項77】
前記脚部が、重心の上方で当該乗物に取り付けられていることを特徴とする請求項1から76のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項78】
前記脚部が、前記振動駆動部の回転軸の側部かつ上方に取り付けられていることを特徴とする請求項1から77のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項79】
当該乗物が、弾性鼻部または弾性前方部分を有し、当該乗物が、障害物に衝突すると跳ね返ることを特徴とする請求項1から78のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項80】
前記弾性鼻部または前記弾性前方部分が、ゴムから形成されることを特徴とする請求項79に記載の乗物。
【請求項81】
前記弾性鼻部または前記弾性前方部分が、所定点まで延在する構造部を有することを特徴とする請求項79または80に記載の乗物。
【請求項82】
前記振動駆動部が、モータと、偏心ウェイトと、を有することを特徴とする請求項1から81のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項83】
前記偏心ウェイトが、前記モータの前方に配置されていることを特徴とする請求項38に記載の乗物。
【請求項84】
前記偏心ウェイトが、前脚部の前方に配置されていることを特徴とする請求項82または83に記載の乗物。
【請求項85】
前記モータの回転軸が、当該乗物の長手方向軸に沿って延在することを特徴とする請求項82から84のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項86】
バッテリが、当該乗物の後方部分に配置されていることを特徴とする請求項82から85のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項87】
前記バッテリ及び前記モータの双方が、前記脚部間に配置されていることを特徴とする請求項86に記載の乗物。
【請求項88】
スイッチが、前記モータとバッテリとの間に配置されていることを特徴とする請求項82から87のいずれか1項に記載の乗物。
【請求項89】
当該乗物が、昆虫、虫、爬虫類または他の動物の形状を有することを特徴とする請求項1から87のいずれか1項に記載の乗物。

【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−505790(P2013−505790A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531081(P2012−531081)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/050281
【国際公開番号】WO2011/038281
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(512071112)イノヴェーション・ファースト・インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】