説明

振動型圧縮機の制御方法及び制御装置

【課題】DC/DCコンバータを用いることなく、小型、高効率の振動型圧縮機の制御方法及び制御装置を得る。
【解決手段】マイクロプロセッサユニット(MPU)で基本周期とPWM信号を生成し、フルブリッジタイプのインバータを作動させて振動型圧縮機の電磁コイルを駆動する。インバータの入力電圧の変動をPWMパルス幅で制御するとともに、電磁コイルに誘起される電圧のゼロクロスポイントの検出に基づいて基本周期を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫等の冷媒を往復駆動で圧縮する振動型圧縮機の制御方法及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載又は、携帯用の冷蔵庫等の冷媒を圧縮する圧縮機は小型・高効率等の市場要求に鑑み、振動型圧縮機が搭載される場合がある。当該振動型圧縮機の駆動装置としては、図6に示されるような制御装置が知られている(特開2001−178149号公報参照)。直流電源として、12V系(主に普通乗用車)又は24V系(主にバス、トラック等の大型車)のバッテリ101をDC/DCコンバータ102により一定の直流電圧に変換した第1の電源と、AC商用電源103をAC/DCコンバータ104により一定の直流電圧に変換した第2の電源とをダイオード105又は106を介して接続し、インバータ108により交流電圧に変換して振動型圧縮機107に供給される。インバータ108は、第1のトランジスタ109と第2のトランジスタ110とを備えており、これらトランジスタ109、110が交互にオンとなって交流電圧を発生させる。
【0003】
インバータ制御部111は、周波数追従回路112により、振動型圧縮機107の機械的共振周波数に追従する周波数に制御するように、抵抗rで検出したインバータ電流に基づき、発振回路113、及び駆動制御回路114を介して第1及び第2のトランジスタ109、110が交互にオンするよう制御している。
【0004】
インバータ108から振動型圧縮機107には直列接続のコンデンサ115を介し、直流分をカットして電流が供給される。コンデンサ115の両端には一定の直流電圧を取り出すことができるのを利用して、コンデンサ115両端に直流ファンモータ116を接続して、冷蔵庫の放熱器冷却用として利用している。
【0005】
しかし、このような制御装置は、バッテリ101が12V系(主に普通乗用車)と24V系(主にバス、トラック等の大型車)に対応するためのDC/DCコンバータ102が必要であり、市場の更なる小型化、効率化に応えるための技術開発が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−178149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる課題を解決するため、交流商用電源を直流変換した電源入力系と、異なる電圧(12Vと24V)のバッテリが接続可能な直流電源入力系を両立させたうえで、DC/DCコンバータを介さずに振動型圧縮機を駆動できる制御方法及び制御装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電磁コイルをフルブリッジタイプのインバータでPWM駆動し、入力電圧の変動をPWMパルス幅で制御するとともに、電磁コイルに誘起される電圧のゼロクロスポイントの検出に基づいて基本周期を補正することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の振動型圧縮機の制御方法及び制御装置は、PWM信号でスイッチング素子をH形に配置したフルブリッジタイプのインバータで駆動コイルに交番電圧を供給するため、DC/DCコンバータを介さずに振動型圧縮機を駆動できるので、制御装置の小型化及び消費電力の効率化に寄与できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明を適用する振動型圧縮機の制御装置の一例を示す概略ブロック図である。
【図2】図2は本発明の制御方法を示した説明図(タイミングチャート)である。
【図3】図3は本発明の振動型圧縮機の制御方法における説明図である。
【図4】図4は本発明の制御方法を示すフローチャートである。
【図5】図5は本発明を適用する振動型圧縮機の構造の一例を示す説明図である。
【図6】図6は従来技術の振動型圧縮機の駆動装置の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
振動型圧縮機を駆動するインバータは、スイッチング素子をH形に配置したフルブリッジタイプにし、マイクロプロセッサで生成したPWM信号で前記スイッチング素子を作動させて振動型圧縮機の電磁コイルを正負の両極性で駆動するとともに、正負に切り換る際に前記電磁コイルに誘起される電圧に基づいて振動型圧縮機の周期を制御する方法を採用することにより、DC/DCコンバータを介することなく振動型圧縮機の制御を実現した。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明を適用する振動型圧縮機の制御装置の一例を示す概略ブロック図である。当該振動型圧縮機の構造については後述するが、1は振動型圧縮機の電磁コイル、2a及び2bは電磁コイルと実質的に一体化されたピストン34を機械的振動系として振動可能に支持する一対のバネである。3は電磁コイル1を駆動する制御回路部、4は12V系(主に普通乗用車)又は24V系(主にバス、トラック等の大型車)のバッテリ入力、5は100V又は200Vの交流商用電源を直流変換した電源であるところのAC/DC入力である。
【0013】
制御回路部3の内部構成を説明すると、6はマイクロプロセッサユニット(MPU)、7〜10はスイッチング素子で、これらをH形のフルブリッジタイプに配置してインバータ3aを構成し、電磁コイル1を電気的に駆動する。11はインバータ3aの入力直流電圧を保持するコンデンサ、12及び13は一方の電源であるバッテリ入力の導通制御をする第1及び第2の電源スイッチング素子(12D及び13Dは素子内部のダイオード)、14及び15は第1及び第2の電源スイッチング素子のゲート抵抗、16の抵抗と17のツェナーダイオードの両素子はバッテリ入力の電圧を定電圧化し第1及び第2の電源スイッチング素子のゲート電圧を生成するものである。なお、スイッチング素子7〜10は、望ましくはエンハンスメント形MOS−FETを用いるが、バイポーラトランジスタ、IGBTを使用してもよい。なお、第1及び第2の電源スイッチング素子12、13、及び後述する第3の電源スイッチング素子25についてはエンハンスメント形MOS−FETを用いる。
【0014】
18a及び18bは、18aの発光ダイオード部と18bの受光トランジスタ部が一体となって一つのフォトカプラを構成する公知のものである。また、19a及び19bも同様な一つのフォトカプラである。20はフォトカプラ18aと19aの入力信号用の抵抗、21はフォトカプラの受光トランジスタ部19bの負荷抵抗、22はコンデンサである。
【0015】
23は振動型圧縮機の電磁コイル1に誘起される電圧検出用のコンパレータ、24はコンパレータ23の出力とマイクロプロセッサユニット(MPU)6の出力端子(M)とを入力として、論理アンド出力をマイクロプロセッサユニット(MPU)6の出力端子(S)に出力するアンド回路である。
【0016】
25は他方の電源であるAC/DC入力の導通制御をする第3のスイッチング素子(25Dは素子内部のダイオード)、26は第3のスイッチング素子のゲート抵抗、27及び28はマイクロプロセッサユニット(MPU)6の出力端子(G)の信号を受けて第3のスイッチング素子25をオンオフさせるためのゲート分圧抵抗である。
【0017】
スイッチング素子7〜10をH形に配置してフルブリッジタイプに構成したインバータ3aの入力側はコンデンサ11の両端に蓄えられる直流電圧である。この直流電圧値、即ちコンデンサ11の両端の電圧値はマイクロプロセッサユニット(MPU)6の入力端子(R)から取り込まれて直流電圧値として検出される。
【0018】
29は温度検出素子であり、マイクロプロセッサユニット(MPU)6の入力端子(Q)に接続される。なお、温度検出素子29について具体的にはサーミスタ、熱電対等の温度によりその抵抗値、電圧等の物理量が変化するものが用いられる。
【0019】
次に、振動型圧縮機の制御について説明する。図1を参照してマイクロプロセッサユニット(MPU)6には、出力ポートa、b、c、dを有しており、図示しないドライブユニットを介して、スイッチング素子7、8、9、10の各々ゲート端子a、b、c、dに接続されている。マイクロプロセッサユニット(MPU)6の出力ポートa、b、c、dは、H(ハイレベル)又はL(ローレベル)が出力され、その信号に応じてスイッチング素子7、8、9、10がオン又はオフするようにされている。
【0020】
図2を併せて参照して、振動型圧縮機の電磁コイル1に印加される電圧Vは、繰り返し周期Tとした交番電圧であり、繰り返し周期Tは正のPWM通電期間T1、正から負への休止期間T2、負のPWM通電期間T3、負から正への休止期間T4の和である。PWMとはパルス幅変調のことであり、T1の通電期間内では、繰り返し周期Tを例えば256個に分割した周期で正方向でオンオフされており、そのオンの幅はT1の中央を境に、T1の初期から徐々に増加し、中央からT2に向かい徐々に減少する。
【0021】
同様に、T3の通電期間内では、繰り返し周期TをT1と同じ256個に分割した周期で負方向でオンオフされており、そのオンの幅はT3の中央を境に、T3の初期から徐々に増加し、中央からT4に向かい徐々に減少する。T2の期間は、スイッチング素子7、8、9をオフ、スイッチング素子10のみオンに制御される。また、T4の期間は、スイッチング素子7、9、10はオフ、スイッチング素子8のみオンに制御される。上記T2とT4の期間内で、後述するように電磁コイル1には誘起電圧が発生するため、誘起電圧を検出するコンパレータ23が電磁コイル1の両端に接続されている。コンパレータ23は電磁コイル1の誘起電圧が正から負に切り換るゼロクロスポイントをとらえて、L(ローレベル)からH(ハイレベル)に状態遷移するように設定され、アンド回路24の一方の入力端子に信号が伝達される。
【0022】
前記のPWM通電期間であるT1及びT3の期間内において、コンパレータ23が電圧Vのオンオフの影響を受けても制御に影響を与えないよう、マイクロプロセッサユニット(MPU)6の出力端子(M)から、T2及びT4の期間内のみH(ハイレベル)を出力して(図2のMの遷移状態参照)、アンド回路24の他方の入力端子に信号を与える。アンド回路24は上記の一方及び他方の入力レベルを判定して、その論理出力結果をマイクロプロセッサユニット(MPU)6の入力ポートSに伝達する(図2のSの遷移状態参照)。
【0023】
図2及び図3を参照しつつ、電磁コイル1に誘起電圧が発生するメカニズムを説明する。
【0024】
初めにT1の期間では、スイッチング素子7及び10をオフ、スイッチング素子8をオンし、スイッチング素子9を前述のPWM信号でオンオフさせる。電流は図3のi1の向きに流れ、電磁力により電磁コイル1はF1の方向に移動する。電磁コイル1の移動に伴ってバネ2aは圧縮され、同時にバネ2bは伸展して力が貯えられ、それによりF2の方向に力が作用されつつスイッチング素子9のPWM信号の正方向の電圧幅を徐々に減らしていくと、やがてF1とF2が平衡して電磁コイル1の移動が停止する。
【0025】
次にT2の期間では、スイッチング素子7、8、9はオフに制御され、スイッチング素子10のみオンに制御される。インバータ3aから電流を遮断され、電磁力を失った電磁コイル1は、バネ2a及びバネ2bに蓄えられたエネルギーによりF2方向に移動する。その結果、磁束密度により電磁コイル1にはV0の矢印側を正とする誘起電圧が発生し、発生した電圧により電流はi2方向にスイッチング素子10及びスイッチング素子8の内部に存在する図示しない逆方向ダイオードを介して流れるため、V0で示す電圧の方向は正から負の電圧に切り換る。
【0026】
更に、T3の期間では、スイッチング素子8及び9をオフ、スイッチング素子10をオンし、スイッチング素子7を前述のPWM信号でオンオフさせると、T1の期間とは反対のF2の方向に電磁コイル1が移動し始める。バネ2aは圧縮から伸展へ、同時にバネ2bは伸展から圧縮され力が貯えられていく。それによりF1の方向に力が作用されつつPWM信号を負方向の電圧幅を徐々に減らしていくと、やがてF2とF1が平衡して電磁コイル1の移動が停止する。
【0027】
最後にT4の期間では、スイッチング素子7、9、10はオフに制御され、スイッチング素子8のみオンに制御される。インバータ3aから電流を遮断され、電磁力を失った電磁コイル1は、バネ2a及びバネ2bに蓄えられたエネルギーによりF1方向に移動する。その結果、磁束密度により電磁コイル1にはV0の矢印側を負とする誘起電圧が発生し、発生した電圧により電流はi1方向にスイッチング素子8及びスイッチング素子10の内部に存在する図示しない逆方向ダイオードを介して流れるため、V0で示す電圧の方向は負から正の電圧に切り換る。連続したT1、T2、T3、T4の期間をひとつの繰り返し周期Tとなって、次の繰り返し周期Tに移行していく。
【0028】
次に、図4のフローチャートを参照して、振動型圧縮機の制御方法について説明する。マイクロプロセッサユニット(MPU)6の内部には、種々のソフトウェアが組み込まれているが、ここでは本発明にかかる振動型圧縮機の制御方法のフローを示す。
【0029】
本制御を開始したら、記憶装置(ソフトウェア内部の記憶領域を含む)に予め設定されているマップから基準タイミングKを読み込む。基準タイミングKの要素としては、図2に示される繰り返し周期T、正のPWM通電期間T1、正から負への休止期間T2、負のPWM通電期間T3、負から正への休止期間T4、PWM通電期間内での各パルス幅であり、基本周波数を発生する(ステップS0,基本波形発生ステップ)。
【0030】
上記PWM通電期間内での各パルス幅を、入力端子(R)から読み込まれたインバータ3a入力側の直流電圧値と、及び入力端子(Q)から読み込まれた温度検出素子29で検出された周囲温度との二つの条件に基づいて演算し、パラメータとして基準タイミングKを内部メモリにセットする(ステップS1,PWMパルス幅演算ステップ)。インバータ3a入力側の直流電圧については、直流電圧値が低い時にはパルス幅が広げられ、高い時には狭められるよう演算され、また、周囲温度については温度が高い時ほどパルス幅を広げるよう演算される。これは振動型圧縮機が冷蔵庫に搭載された場合に、外気温が高い時ほど振動型圧縮機に電力を加えて冷蔵庫の庫内温度を早く所望の温度にするよう制御したいためである。
【0031】
電磁コイル1がバネ2a,2b、及び圧縮機としての吸入・吐出条件と相まった共振周波数に追従するよう、T2の期間内で電磁コイル1に誘起される電圧が正から負になるゼロクロスポイントを検出する。これは図2に示すり返し周期Tの開始点から入力ポートSがL(ローレベル)からH(ハイレベル)に状態遷移した点までの期間をマイクロプロセッサユニット(MPU)6のクロック信号を利用して読み込み、このパラメータを検出信号タイミングAとして内部メモリにセットする(ステップS2,ゼロクロスポイント検出ステップ)。
【0032】
検出信号タイミングAの内部メモリ値と基準タイミングKの内部メモリ値を比較して値の大小を判定する(ステップS3,タイミング判定ステップ)。
【0033】
A<Kの場合は、繰り返し周期Tの値を減少させ、次のサイクルで繰り返し周期Tを短くする。また、A<Kの関係が成立しない場合には、繰り返し周期Tの値を増加させ、次の周期を長くする(ステップS4,周波数補正ステップ)。
【0034】
これで制御ループの一サイクルは完了しするので「Z」に戻る(リターン)。このサイクルを繰り返すことにより振動型圧縮機の電磁コイル1に供給する交番電圧の大きさと周波数を制御する。
【0035】
一方の電源であるバッテリ入力4と他方の電源であるAC/DC入力5の動作について説明する。バッテリ入力4とAC/DC入力5を選択的に使用するため、バッテリ入力4は第1の電源スイッチング素子12及び第2の電源スイッチング素子13を抵抗16とツェナーダイオード17及びゲート抵抗14、15で作動させフォトカプラ(18a,18b)で制御する。AC/DC入力5は、抵抗20とフォトカプラ(19a,19b)の信号を受けて抵抗21とコンデンサ22に接続されるマイクロプロセッサユニット(MPU)6の入力端子(P)に伝達され判断された結果を、第3のスイッチング素子25をマイクロプロセッサユニット(MPU)6の出力端子(G)の信号を受けて、ゲート抵抗26、ゲート分圧抵抗27及び28で制御する。
【0036】
図5を参照して振動型圧縮機の構造を説明する。密閉容器30の中に有底円筒状の外部鉄心31、外部鉄心31と共に磁路を構成する内部鉄心32(コアポール)、その磁路の内部鉄心32に配設された永久磁石33、及び永久磁石33と外部鉄心31とで形成される環状の間隙に配置され機械的振動系に振動可能に支えられた電磁コイル1、電磁コイル1に連結されたピストン34、およびピストン34を収納するシリンダ・ブロック35を備え、電磁コイル1に交番電流を供給して前記電磁コイル1に連結されたピストン34を振動させ、密閉容器30内に低圧の冷媒を流入し圧縮された高圧の冷媒を吐出するもので、自動車や携帯形などに搭載されている冷蔵庫に応用されるものである。
【0037】
このような振動型圧縮機の制御装置の構成と制御方法を採用したので、PWM信号でスイッチング素子をH形に配置したフルブリッジタイプのインバータ3aで駆動コイルに交番電圧を供給して共振周波数追従の制御を行い振動型圧縮機を駆動できるので、DC/DCコンバータを介さずに制御装置を実現でき、小型化及び消費電力の効率化に寄与できる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
振動型圧縮機の制御装置にフルブリッジタイプのインバータとPWM制御で電磁コイルを駆動でき、電磁コイルの誘起電圧から駆動する周期を補正できるので、入力電源として使用できる電圧幅が広がり多様な電源による車載又は携帯用冷蔵庫に搭載できる。
【符号の説明】
【0039】
1 電磁コイル
2a,2b バネ
3 制御回路部
3a インバータ
4 バッテリ入力
5 AC/DC入力
6 マイクロプロセッサユニット(MPU)
7〜10 スイッチング素子
11 コンデンサ
12 第1のスイッチング素子
13 第2のスイッチング素子
14,15 ゲート抵抗
16 抵抗
17 ツェナーダイオード
18a,18b 第1のフォトカプラの発光ダイオード部,受光トランジスタ部
19a,19b 第2のフォトカプラの発光ダイオード部,受光トランジスタ部
20 抵抗
21 負荷抵抗
22 コンデンサ
23 コンパレータ
24 アンド回路
25 第3のスイッチング素子
26 ゲート抵抗
27,28 ゲート分圧抵抗
29 温度検出素子
30 密閉容器
31 外部鉄心
32 内部鉄心
33 永久磁石
34 ピストン
35 シリンダ・ブロック
S0 基本波形発生ステップ
S1 PWMパルス幅演算ステップ
S2 ゼロクロスポイント検出ステップ
S3 タイミング判定ステップ
S4 周波数補正ステップ
101 バッテリ
102 DC/DCコンバータ
103 AC商用電源
104 AC/DCコンバータ
105,106 ダイオード
107 振動型圧縮機
108 インバータ
109 第1のトランジスタ
110 第2のトランジスタ
111 インバータ制御部
112 周波数追従回路
113 発振回路
114 駆動制御回路
115 コンデンサ
116 直流ファンモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を収容する密閉容器と、該密閉容器内を往復動して該冷媒を圧縮するピストンと、該ピストンを駆動する電磁コイルと、該電磁コイルに特定周期の交番電圧を供給するインバータと、該交番電圧を制御する制御部とを備える振動型圧縮機の制御方法であって、前記制御部は、記憶装置に予め記憶されたマップに基づいて基本周期を生成する基本周期発生手段と、PWM制御のパルス幅を演算する手段と、前記電磁コイルに誘起される電圧を検出しゼロクロスポイントを測定する期間測定手段と、該電圧のゼロクロスポイントの測定結果に基づいて前記電磁コイルに交番電圧を供給する基本周期を補正する周期補正手段とを備え、該基本周期発生手段により、前記特定周期の交番電圧を生成するための基本波形発生ステップと、前記パルス幅演算手段により、前記交番電圧の大きさを決定するPWMパルス幅演算ステップと、前記期間測定手段により、前記特定周期の一周期内の始めからゼロクロスポイントまでの期間を求めるゼロクロスポイント検出ステップと、該ゼロクロスポイントまでの期間を判定するタイミング判定ステップと、該判定ステップの結果に基づいて前記周期補正手段で基本周期を補正する周期補正ステップとを有することを特徴とする振動型圧縮機の制御方法。
【請求項2】
冷媒を収容する密閉容器と、該密閉容器内を往復動して該冷媒を圧縮するピストンと、該ピストンを駆動する電磁コイルとを備える振動型圧縮機を駆動する制御装置において、スイッチング素子をH形に配置したフルブリッジタイプのインバータと、基本周期とPWM信号を生成するマイクロプロセッサと、前記振動型圧縮機における電磁コイルの誘起電圧のゼロクロスポイントを検出するゼロクロスポイント検出手段と、該ゼロクロスポイントから前記基本周期を補正する演算手段を備え、補正後の周期で前記インバータを駆動することを特徴とする振動型圧縮機の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−169249(P2011−169249A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34355(P2010−34355)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000253075)澤藤電機株式会社 (31)
【Fターム(参考)】