説明

振動式部品供給方法およびその装置

【課題】従来の振動式溶接ナット供給装置は溶接ナットの寸法が変更された場合でも専用の振動ボールしか使用できなかった。
【解決手段】パーツフィーダの振動ボール2の内壁に配置された部品搬送トラック3の上に溶接ナットを乗せて順次整列しながら前記トラックの上昇終端の部品排出口から目的個所に正常姿勢の溶接ナットを選別して送り出す場合に,振動ボール2の部品排出口の近傍に,正常姿勢の溶接ナットのみ通過させるための部品選別ユニット70を振動ボールの遠心方向に振動が伝わるボール壁の円周曲面形状にそって着脱可能に取り付け,これによって寸法変更に伴う溶接ナット選別に部品選別ユニット70のみ交換又は該ユニット部品を調整することで即対応できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,抵抗スポット・プロジェクション溶接機に付設して使用されるパーツフィーダ(振動式部品供給装置)の分野に関し,さらに詳しくはプロジェクション(溶接用突起)を四角ナット,六角ナット又はT形ナットの隅部に形成されたプロジェクション溶接ナット及びその他の類似の溶接小物部品(以下 溶接ナットという)の裏表(正・逆方向)を判別又は選別する部品供給方法及びその組み込み式部品選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
溶接ナットは相手板にプロジェクション溶接又はスポット溶接して使用される。一般に鋼製の溶接ナットの種類は日本工業規格(JIS)B1196により規定されているように六角溶接ナット,四角溶接ナット,T形溶接ナットに分かれており,外形,溶接突起部の寸法によりそれぞれM4,M5,M6,M8,M10,M12の6種がある。
【0003】
従来はたとえば四角溶接ナットを溶接位置に供給する場合は,四隅に溶接用突起Pを設けた溶接ナットNを振動ボール30の有底部から螺旋状に上昇した搬送トラック31を通して連続的に整列・送給する。この場合搬送トラック31に沿って溶接ナットが上昇する途中で溶接用突起の向きが下向きか上向きかを方向選別して溶接用突起が下向きのナット(正常姿勢の部品)と溶接用突起が上向きのナット(異常姿勢の部品)とを刃型トラック34を通過させることで裏表を選別して正常姿勢の部品のみを抵抗スポット溶接機に取り付けられたフィーダユニット(ナット供給ヘッド)に送り出すナット供給方法と装置が一般的に知られている(図14,図15参照)。
【0004】
従来の部品表裏選別方法及び装置は,たとえば前記搬送トラック31の上昇終端部位に数条の刃型(断面がほぼ鋸歯状の刃型)を部品進行方向に形成された選別用の刃型トラック34が部品進行方向へ形成された搬送トラックが連続的に接続されている。
【0005】
この場合,正常部品は大小の金属製丸棒のガイドレール32,33に沿って移動し,次の刃型トラック34を渡るとき溶接ナットNの突起Pが刃型に引っかかった状態で一方向に前進し部品搬出口へ送り出される(図13,図14参照)。
【0006】
一方,溶接用突起が逆向き(上向き)の場合はナット上部の平坦面35は刃型溝36には引っかからず刃先先端の上に乗っかった状態で振動ボール内にすべり落ち回収される(図15参照)。そして再び搬送トラック31にそって上昇移動する。
【0007】
図では省略したが,正常に選別・整列された溶接ナットはボール外側に引き出されたレールに搬出され,途中で分離装置によって一つ一つ分離される。分離された溶接ナットはエアノズルから噴出される圧縮エアによって供給ホースの中を勢いよく吹き飛ばされてフィーダユニットに送給される。
【0008】
フィーダユニットへ送られてきた溶接ナットはフィーダユニット内のストパ位置で一旦停止する。停止した溶接ナットはフィーダユニットから溶接ナット供給用のスピンドルを前進駆動することによってスピンドルの先端に保持される。スピンドルに保持された溶接ナットはスピンドルの前進でストッパ位置から離脱してスピンドルの前進到達位置で下部電極のワークセット位置に供給される。
【0009】
供給された溶接ナットは下部電極にセットされたワークと共に上部電極の加圧動作で挟みつけ,必要な電極加圧力を与えると共に溶接電流を前記ナットの突起に集中的に流して相手ワークと共にジュール熱により加熱・溶融して接合される。
【0010】
従来の振動式溶接ナット供給装置には,溶接ナットの方向性を選別するための装置として刃型トラックや大小の細長い金属製丸棒のガイドレールなど各種の選別方法が採用されてきた。
【0011】
本件出願人が前述した先行技術文献を調査したところではたとえば特許文献1−4に開示されているように溶接ナットの表裏を選別する機構または選別機能をもった振動式溶接ナット供給装置が知られている。またパーツフィーダの振動ボール内に設けられた螺旋状の部品搬送トラックの上にナットを乗せて順次整列しながら前記トラックの上昇終端部位の部品排出口から目的個所に部品を送り出す振動式部品供給方法において,前記ボールの部品排出口の近傍にナット部品選別ユニットを着脱可能に取り付け,前記部品選別ユニットを交換又は前記ユニットの部品調整することによって異なる部品選別に対応できるようにした振動式パーツフィーダの部品選別システムがたとえば特許文献5により公開されている。
【特許文献1】実開昭60−151821号公報
【特許文献2】実開昭62−074617号公報
【特許文献3】特開2000−219314号公報
【特許文献4】特開2001−072233号公報
【特許文献5】米国特許第6129200号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決する課題は従来の振動式溶接ナット供給方式及び装置(特許文献1−4)では溶接ナットの外形寸法が例えば大きさが異なるM6用ナットからM8用ナットに変更された場合,溶接ナットの大きさ毎に専用の振動ボールを必要とし,コストカットと納期短縮ができなかったこと。従来の溶接ナットの表裏選別装置では大小の細長い金属製丸棒のガイドレールをトラック沿線に合わせて溶接するのに熟練と経験を必要とし標準化製品を実現出来なかったこと。
【0013】
また一方で部品選別ユニットの交換又はユニット部品調整のみで共通ボールによる供給部品の形状寸法の変更に対応する選別方式(特許文献5)では部品選別ユニットが前記ボールの部品排出口から直線上に長く配置されている関係上,駆動源からボール遠心方向に働く振動により溶接ナットを直線方向に駆動するため部品の追従作用を効率よく得るには十分とはいえない。またこの種の部品方向付けユニットは四角溶接ナット,六角溶接ナット又はT形溶接ナットのような隅部に複数の突起をもった特殊部品の裏表の選別精度を確定するには十分対応できないためこの課題を解決するにはまだまだ開発すべき余地が残されていた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は上記の問題を解決するために開発されたもので,第一発明ではパーツフィーダの振動ボールの内壁に沿って螺旋状に配置された部品搬送トラック上に溶接ナットを乗せて順次整列しながら前記トラックの上昇終端の部品排出口から目的個所に向けて溶接ナットを送り出す場合,前記ボールの部品排出口の近傍に,溶接ナットの正常姿勢および異常姿勢を判別するための部品選別ユニットを着脱可能に取り付けることにより,使用する溶接ナットの種類及び/又は大きさに応じて前記部品選別ユニットのみを交換自在とし, 前記ボールの部品排出口の近傍に着脱自在に取り付けられる部品選別ユニットが,異常姿勢の溶接ナットを部品搬送トラック外に排出するとともに,正常姿勢の溶接ナットのみを通過させて目的箇所に向けて送り出すようにした振動式部品供給方法において,前記部品選別ユニットは,溶接ナットを案内する選別板と,該選別板の溶接ナット進行方向に設けられた選別レールと,前記レールとの部品走路間隔を規制する幅寄せ板とからなり,該幅寄せ板を部品溶接ナットの大きさに応じて前記レール方向に移動調整可能とした振動式部品供給方法を提供する。
【0015】
第二発明は前記溶接ナットとパネルワークとを抵抗スポット溶接機の上部電極と下部電極により加圧溶接するために,溶接ナットをパネルワーク上に供給するためのパーツフィーダであって,該パーツフィーダは前記溶接ナットを収容する振動ボールと,該振動ボール内の溶接ナットをボール振動に乗せて順次整列しながら前記ボールの部品排出口に向けて連続的に移送させるための,前記振動ボールの内壁に沿って螺旋状に配置された部品搬送トラックと,前記ボールの部品排出口の近傍に着脱自在に取り付けられた,前記溶接ナットの正常姿勢および異常姿勢を選別するための部品選別ユニットとからなる振動式部品供給装置において,前記ボールの部品排出口の近傍に着脱自在に取り付けられた部品選別ユニットは,前記溶接ナットを案内する選別板と,該選別板に沿って設けられ,正常姿勢の溶接ナットのみ,前記溶接ナットに有する溶接突起部と前記トラックの搬送面との間に形成された間隙により通過を許す選別レールと,該選別レールの上方にあって正常姿勢の溶接ナットのみ高さで通過を許す押え板とからなる振動式部品供給装置を提供する。
【0016】
また第三発明では,溶接用突起を有した溶接ナットとパネルワークとを抵抗スポット溶接機の上部電極と下部電極により加圧溶接するために,溶接ナットをパネルワーク上に供給するためのパーツフィーダであって,該パーツフィーダは前記した溶接ナットを収容する振動ボールと,該振動ボール内の前記溶接ナットを前記ボール振動に乗せて順次整列しながら前記ボールの部品排出口に向けて連続的に移送させるための,前記振動ボールの内壁に沿って螺旋状に配置された部品搬送トラックと,前記ボールの部品排出口の近傍に着脱自在に取り付けられた前記溶接ナットの正常姿勢および異常姿勢を選別するための部品選別ユニットとからなる振動式部品供給装置において,前記部品選別ユニットは,前記部品搬送トラックより進行方向に前記振動ボールの内壁を切り欠きした開口箇所に着脱自在に取り付けられ,かつ前記ボールの曲面と略適合した湾曲面が前記ボール内壁の一部を構成するベース板と,該ベース板の外側曲面の法線方向に向かって次第に内側が低くなるように傾斜させかつ前記部品搬送トラックの延長上に配置させた刃型選別板と,前記刃型選別板の上方にあって正常姿勢と異常姿勢との高さ寸法差により正常に規定された溶接ナットのみ通過を許すワイパーとからなる振動式部品供給装置を提供する。
【発明の効果】
【0017】
第一発明の方法は,溶接ナットの外形寸法を大きさの異なるM6からM8に変更した場合でも一つの部品選別ユニットを交換又は調整するだけで,M6用の振動ボールがそのまま使用可能となる。供給部品は寸法の大きさにかかわらず,振動ボール内の搬送トラックにそって上昇するだけであるから,溶接ナットの外形寸法が変更しても共通の振動ボールが使用できる。
【0018】
したがって,従来の部品選別方法と比較し,選別部品の形状変更ごとに専用の振動ボールが必要であったのを,本発明方法によって振動ボールの標準化を実現することができ,従来に見られるような搬送トラックの部品走路への選別レールの溶接加工やその溶接熟練および経験則は全く必要がなくなる。選別機能を一箇所にユニット化して設けたので,振動ボールの構造が簡単で耐久性向上を図ると共に製作工数も大幅に削減できる。
【0019】
また第二発明の装置は,刃型トラックを使用しない場合に有用であって,搬送トラックの部品排出口部位に部品選別ユニットのみ交換又は調整するだけであるから,刃型トラックの繋ぎや刃型溝への乗り移り際のガイドレールの調整などは一切不要となる。したがって,従来装置と比べて刃型トラックにそって必要とされるガイドレール用の細長い金属製丸棒がなくなる分,製作に手間が掛からず,部品選別ユニット及び振動ボールの標準化が可能となり大幅なコスト削減が可能となる。
【0020】
また第二発明の装置によれば,選別部品の外形寸法に合わせて通路の高さ又は間隔を容易に調整することができ選別能力アップを実現する。
【0021】
また,発明装置によれば,前記選別板の選別レールと幅寄せ板との間隔を前記ナット又は突起の形状,大きさに応じて前記幅寄せ板を前記部品走路の板幅方向に容易に移動調整することができ,また,前記選別板はガイドと選別レールとの固定間隔が供給部品の寸法に合わない場合に交換できるようにしたので,部品選別ユニット交換が必要最小限の選定ですむから,部品選別ユニットの用意する種類が少なくてよい。
【0022】
第二発明によればレール入り選別板に幅寄せ板,押え板を組み合わせた部品選別ユニットをコンパクトにしかも選別距離を短く構成したものであるから,構造簡単で幅寄せ板,押え板を溶接ナットの溶接突起の形状寸法に応じて容易に調整することもでき部品選別ユニット単体製品として別外の振動ボールに利用することも容易である。
【0023】
第三発明によれば部品選別ユニットの取り付け角度が前記ボール壁と同一円周上にそって配置されるため,振動源から前記ボールの遠心方向に働く振動により溶接ナットを移動するための追従性が効率よく作用し安定した輸送が得られる。さらに部品選別ユニットがコンパクトになりその分振動ボールへの取り付けスペースが半減し,M4〜M12までの大きな部品を通過させることができ,溶接ナットの大きさ毎に各種部品選別ユニットを用意することで共通の振動ボールを使用することができる。たとえばM4からM10の溶接ナットに変更する場合も部品サイズに応じた部品選別ユニットを交換するだけで即対応することができる。
【0024】
第三発明によれば上記の機能向上から第二発明と比較し,より大きな溶接ナットサイズの選別が可能になるほか,部品点数を少なくすることができる分コンパクトで部品の調整も簡単なうえ,製作工数及びコストの削減が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は専用の振動ボールを要していた旧来の溶接ナット供給方式と対比し,溶接ナットの外形寸法が変更された場合でも交換式部品選別ユニットのみを振動ボールの部品搬出部位で交換又は部品調整するだけで,直ちに対応できる振動式部品供給装置の標準製品化を実現する。
【実施例1】
【0026】
図1は本願の第一発明を溶接ナット供給用の振動ボールに設置された搬送トラックに実施した場合の代表例を示す平面図である。図2は本発明の部品選別ユニットの詳細な平面図である。図3は図2のA矢視図である。図4は図3のB矢視図である。図5は本発明部品選別ユニットのボール本体取り付け,ユニト部品の組み付け構造,部品走行路を示す概略断面図である。
【0027】
符号1は溶接ナットを選別する振動式パーツフィーダである。2は溶接ナットを収納する振動ボールである。3は前記ボールの分離底4から振動を受けた多数の溶接ナットNをボール壁5にそってランダムに上昇させ,整列して外側に送り出す螺旋状の部品搬送トラックである(図1参照)。
【0028】
6は部品搬送トラックの上方でボール壁5から内側に向かって突き出した第一ワイパーである。このワイパー6は搬送トラック3の部品走路幅を前記ボールの内側に向かって絞り込み規定幅の部品走路を通過させるもので,部品搬送トラックに乗って裏表関係なくランダムに搬出される溶接ナットNの搬送量を規制し過剰部品を排除して整列・搬送する(図1,図12参照)。
【0029】
7は組み込み式の選別装置でユニット構造である(以下 部品選別ユニットともいう)。詳細図は図2から図4に示す。8は部品選別ユニットを構成する選別板である。この選別板8は振動ボール内に設けた部品搬送トラック3の上昇終端部位9の部品排出口近傍に,ボール外側に延長した固定支持板10にボルトB1によって着脱自在に取り付けられる(図5,図10,図11参照)。
【0030】
選別板8は前記トラックの終端と連続する部品走路の外側(ボール壁側)を高く、内側(ボール中心側)を低くなるように傾斜させたもので,該選別板の内側には正常姿勢この場合溶接用突起が重力方向(下向き)に向いている場合の溶接ナットの高さより0.5mmないし1.0mm程度高くしたガイド11(側板)が設けられている。そしてこのガイド11にはその途中から異常姿勢(この場合不良姿勢とも言い溶接用突起の向きが重力方向とは逆方向つまり上向きのもの)の溶接ナットのみ排除する部品除去手段としてたとえばガイド11の途中側板が切り欠きされた除外切り欠き部16が設けられている(図6,図9,図10参照)。
【0031】
前記選別板8の部品通路には断面凸状の選別レール12が溶接ナットの進行する長手方向に形成されている。正常姿勢の溶接ナットは溶接ナットの四隅に位置する溶接突起P間で前記選別レールの上方を跨ぐような状態で通過することができる(図6参照)。が,前記突起が上向き不良姿勢ナットの場合は,内側に傾斜した選別レール12の上を溶接ナットNがすべり落ちボール内に収納される(図7参照)。
【0032】
正常姿勢の溶接ナットの走行を許す選別レール12の両側の部品走路幅A1とA2とは一方の内側走路幅A1は固定であり,もう一方の外側の走路幅A2は幅方向に形成された長穴Sの許容範囲内で調整可能とする幅寄せ板13によって調整される(図2,図9参照)。
【0033】
この場合,幅寄せ板13は選別板8に2本のボルトB2により取り付けられている。幅寄せ板13と選別レール12との部品走路間隔A2は溶接ナットの突起の形状寸法a2に対し0.5mmないし1.0mmの範囲内で幅方向への位置調整が可能なように幅寄せ板13に形成された長穴SにボルトB2を通して選別板8側に組み込まれている(図2,図8参照)。
【0034】
前記選別レール12の上方には押え板14が,正常姿勢のナット高さのみ通過を許す高さに合ったカラー15を挿入してボルトB3によって取り付けられる。 この場合,前記カラー15は正常姿勢の溶接ナットの高さhより0.5mm高い寸法HのものがボルトB3の数により用意され,選別レール12からの高さを調整するべく押え板14と選別板8との間に前記カラー15を挿入してボルトB3によって取り付けられる(図9参照)。
【0035】
ガイド11は部品進行方向の途中に形成された除外切り欠き部16を除き押え板14の下側に正常ナットの高さhより僅かに高く構成されている(図6,図9参照)。
【0036】
前記部品選別ユニットの各寸法は図8,図9に示すように,供給ナットの各寸法に対応することになる。すなわち,A1−a1,A2−a2,B−b,H−h,M−mとなる。なお,選別板8のA1,B,Mの各寸法は固定であるため,供給ナットの寸法と合わない仕様のときは選別板8のみ交換することになる。
【0037】
前記ガイド11にそって進行する前記選別板8の部品走路の先端には,支持板22に固定された搬出用口金17が選別板8に固定された支持板23の前面にボルトB4を介して取り付けられている。前記搬出用口金17には柔軟性及び透明度を有する材質からなる部品供給チューブ18(ビニール材又はウレタンゴム材からなるホース又は角チューブを含む)が連結されている(図1から図4参照)。
【0038】
前記供給チューブ18の先端は図面では省略した抵抗スポット溶接機に組み込まれたフィーダユニットに連結されている。前記搬出用口金17にはエア吹き出し口20を供給チューブに向けたエアノズル19が取り付けられている。前記エアノズル19のエア吹き出し口20からは圧縮エアが噴射される。圧縮エアが噴射された瞬間に正常ナットは前記口金から部品供給チューブの中に吹き飛ばされ,スポット溶接機に付設されたフィーダユニットに送られる。
【0039】
前記エアノズル19のエア吹き出し口20の取り付け角度は放出される圧縮エアが渦巻いたりせずスムースに流れるように配慮がなされており,前述した取り付け位置以外に前記二つのカラー15の間から放出するか,あるいは前記押え板14から搬出用口金17に向けて配置してもよい。
【0040】
21は第二ワイパーを示す。搬送トラック最終部位9の押え板14の近くで搬送トラック3の部品通路幅を前記ボールの内側に向かって次第に絞り込むことで,選別板8の中央付近を通過した溶接ナットN群を押え板14の下側通路に入る手前側で一定の向きに最終選別・整列するものである(図10参照)。
【0041】
この場合,図6に示すように溶接用突起Pが下向きの正規の溶接ナットNのみ第二ワイパー21の下側をスムースに通過するが,溶接用突起Pが上向きの溶接ナットは第二ワイパー21に阻まれ除外切り欠き部16から落下する(図7参照)。
【0042】
そして正常姿勢の溶接ナットNは除外切り欠き部16を通過し図9に示すように押え板14の下に進入し,正常ナットの高さ寸法より高いガイド11にそって進行する。溶接ナットNはそのまま進行し前記搬出用口金17に送られると,エア吹き出し口20から圧縮エアが噴射された瞬間に矢印方向に部品供給チューブ18の中を流れスポット溶接機に付設されたフィーダユニットに供給される(図1参照)。
【0043】
フィーダユニットからはエアシリンダによるスピンドルの前進運動で下部電極のガイドピンにセットされたワークに供給され溶接が行われる。
【0044】
本発明は溶接ナットの表裏を選別する方法および装置を単体品としてユニット化したもので,振動ボール本体を共通化し前記部品選別ユニット7のみを振動ボールの一部を容易に交換自在又は部品調節可能にすることにより簡単な構造で供給部品の寸法変更に対応した。
【0045】
なお,前記選別板8はガイド11と選別レール12との間隔A1が供給部品の寸法に合わない場合に別外の選別板8を用意し交換できるようにすれば,規定外の部品選別も可能になる。
【実施例2】
【0046】
図16以降は第三発明の実施例を示したものである。この実施例では溶接ナット供給用の振動ボールに設置された部品選別ユニットに刃型トラックを使用した場合を示す。図16は本発明の平面図である。図17は本発明の実施例に係る部品選別ユニットの組立て構成部品を示す外観図である。図18は本発明にかかる実施例の部品選別ユニットを振動ボールに組み付けた場合の外観図である。
【0047】
図19は正常姿勢の溶接ナットが刃型トラックに乗って第二ワイパー(以下 単にワイパーともいう)の下側を通過する際の概略図である。図20は異常姿勢の溶接ナットが刃型選別板に乗って第二ワイパーの下側で溶接用突起がガイドされ前記トラックの走路からボール内に排除される際の概略図である。21図は第三発明の他の実施例を示す部品選別ユニットの外観図である。
【0048】
なお,図16〜図20の本発明の実施例において,図中の符号は本発明の実施例1で使用した記号と同一の機能及び構成を有する部品については同一番号を併用する。
【0049】
図16に示す振動式パーツフィーダ1は溶接ナットを収納する振動ボール2の振動が発せられると,分離底4から多数の溶接ナットNがランダムに移動を始め遠心方向に振動を受けながらボール壁5にそって螺旋状の部品搬送トラック3を上昇し,途中で部品の裏表が選別され整列して目的箇所に順次送り出すものである。
【0050】
部品搬送トラック3の途中上方にはボール壁5から内側に向かって突き出した第一ワイパー6が配置されていて,このワイパー6は搬送トラック3の部品走路幅を前記ボールの内側に向かって絞込み,かつ部品同士の重なりをならし一定の高さ寸法により部品走路を通過させるもので,溶接ナットNは部品搬送トラック3に乗って裏表関係なくランダムに搬出される。また部品同士が重なり合って搬出される過剰部品は図12に示すように第一ワイパー6に引っかかって導かれ走路から排除される。
【0051】
実施例1では前記ボール内に配置された部品搬送トラック3の上昇端から部品選別ユニット7を部品排出口付近で直線上に配置したのに対し,実施例2の交換式部品選別ユニット70は図16から図18の詳細図に示すように,ボール壁5と同一円周上に配置したものである。
【0052】
すなわち図17−18に示すように,前記ボール壁の部品排出口近傍の一部を凹型に切り欠きして設けた開口部位73に,前記ボール壁の円周曲面と適合する曲面形状をもつベース板71が着脱自在に組み付けられるようにしたものである。
【0053】
この場合,第三発明にかかる部品選別ユニット70はベース板71と刃型選別板72(刃型トラックともいう)と第二ワイパー21を基準とする3個の主要な部品から構成される。前記ベース板71は開口部位73の一部に,前記ボール壁の外側から3個のボルトB5で着脱自在に取り付けられる。また前記ベース板71はボール円周方向(図18の左右矢印方向)へ位置調整ができるように,たとえば前記ベース板71側の三箇所に設けられたボルト穴が前記ボール壁の円周方向に延びる楕円形の長孔S1に形成されている。
【0054】
上記ベース板71はこの長穴S1の許容範囲によって位置調整ができる。前記ベース板71は前記ボール壁側の所定位置に設けられたタップ穴に前記ベース板71の長穴S1からボルトB5を挿入して取り付けられる。
【0055】
前記ベース板71の取り付け側と反対側の開口部位のボール壁には開口73を閉じるための閉じ板74が取り付けられている。この閉じ板74にはボールの開口73を閉じる方向に移動調整ができるように,閉じ板74のボルト孔がボール円周方向に延びる楕円形の長穴S2に形成されている。前記閉じ板74はボール壁のタップ孔に閉じ板74の長穴S2からボルトB6を挿入して取り付けられる。
【0056】
前記刃型選別板72は前記ベース板71の内側曲面に沿って曲げられた平板状のもので,トラック面の断面形状が鋸刃状に形成されている。この場合の刃型は五枚刃の刃型溝が部品進行方向に長く形成され,しかも前記ベース板71の外側曲面に対し直角に交わる法線方向に向けて次第に内側が低くなるようにいわゆる傾斜トラックにしてある。これにより正常な向きの溶接ナットはこの刃型溝に入り込んだ溶接用突起がガイドされて搬送され,逆向きの溶接ナットは溶接用突起は刃型溝に引っかからず内側傾斜トラックからボール内に落下する。
【0057】
前記刃型選別板72は刃型トラック面の先端が前記部品搬送トラック3の延長上で前記トラックの終端の高さより低くなるように,上下方向へ位置調節ができるようにボルトB7により取り付けられている。また刃型選別板のトラック面内側には刃型選別板の先端部に固定された支持板78に直径が5mmないし7mm程度,長さが10mmないし20mm程度の短いガイドレール77が部品進行方向に向かって固定されている。かかるガイドレールによって搬送トラック3から送られてきた溶接ナットが前記ガイドレール77にそって案内され刃型選別板72のトラック面に受け渡される。
【0058】
前記刃型選別板72の刃型溝の(凹凸の)寸法は溶接ナットの種類や供給部品の形状大きさに応じて異なるが,供給部品の形状大きさに応じて刃型選別板72を取り替えることで対応できる。刃型選別板72は一般に機械構造用炭素鋼鋼材から作られた部品であって走路は磨耗を少なくするため硬度の焼き入れが施されている。またこの刃型選別板72は標準刃型を使用することでロッド生産により安価に製作することができる。
【0059】
第二ワイパー21(請求項では単位にワイパーという)は図17,図19―21に示すように刃型選別板72の上方にあって前記ベース板71に二つのボルトB10によって取り付けられている。該ワイパーは取り付け位置から先はトラック面を横切る方向に屈折し,該ワイパーの下側を通過する正常部品と,そうでない異常部品とに部品寸法差により選別するものである。前記ワイパー21は上下方向に長く明けた長孔S4により位置調整ができるものである。
【0060】
前記選別板72の部品走路の先端には,支持板75に固定された搬出用口金17が振動ボール壁に固定されたベース板71にボルトB8によって取り付けられている。その口金の入り側には前記トラック面に略5mmないし10mm程度延出したガイド板81が溶接によって取り付けられている。
【0061】
前記口金17は図17−18に示すように刃型選別板72に対し上下矢印方向へ位置(高さ)調整ができるように,前記支持板75には前記ベース板71側の先端に形成されたL型切り欠き部位の口金取り付け板76に明けられた二つのタップ孔bに対応したボルト穴が設けられていて,このボルト孔は上下方向に延びる楕円形の長孔S3に形成されている。
【0062】
上記口金17は刃型選別板72の先端に容易に位置調節,位置合わせができるように前記支持板75の長穴S3を前記取り付け板76のタップ孔に合わせてボルトB8を挿入し取り付けられている。
【0063】
前記搬出用口金17には実施例1と同様,図16に示すように柔軟性及び透明度を有する材質からなる部品供給チューブ18(ビニール材又はウレタンゴム材からなるホース又は角チューブを含む)が連結されている。
【0064】
前記供給チューブ18の先端には実施例1と同様に図面では省略したが抵抗スポット溶接機に組み込まれたフィーダユニットに連結されている。前記搬出用口金17にはエア吹き出し口を供給チューブ18に向けたエアノズル19が取り付けられている。前記エアノズル19のエア吹き出し口からは圧縮エアが噴射される。圧縮エアが噴射された瞬間に正常ナットは前記口金から部品供給チューブ18の中に吹き飛ばされ,スポット溶接機に付設されたフィーダユニットに送られる。
【0065】
第三発明は部品選別ユニット単体の構成部品の一つに刃型トラックが組み込まれており,当該刃型トラック72はボール壁5の開口部位73に取り付け取り外しができるボール壁5の曲面形状に対応したベース板71の内側曲面にそって取り付けられている。
【0066】
前記ベース板71には刃型トラック72の上を輸送される溶接ナットのうち逆向きナットのみ高さ寸法差で選別する第二ワイパー21が取り付けられており,該ワイパー21の下側を通過した正規ナットのみ刃型トラック72の先端に連結された搬出用口金17から前記チューブ18を通して圧縮エアで送り出す。
【0067】
かくして振動ホッパの部品搬出口付近で刃型トラックを直線上に配置した従来型の場合は正常姿勢の溶接ナットも突起Pが刃型溝に掛かる具合によっては刃型トラックから振動で落下する場合があり,刃型による選別方式は選別能力を低下させる要因の一つとなっていたが,第三発明によれば刃型トラック72の部品選別ユニット70をホッパの振動方向と同一円周上に設置したことにより刃型トラック72の遠心方向に伝わる振動方向に対し溶接ナットへ作用する駆動方向が一致するため追随よく部品搬送トラックから連続した安定した動きで輸送でき選別精度を飛躍的に向上させることができる。
【0068】
図21は第三発明にかかる部品選別ユニット70の他の実施態様を示す斜視図である。この場合,部品選別ユニット70はベース板71と刃型選別板72(刃型トラックともいう)と第二ワイパー21を基準とする3個の主要な部品のほかに押え板79とから構成される。
【0069】
この押え板79は実施例1で示す選別レールの上方に配置された押え板14に相当するもので,本実施例2では必須とする部品ではないので省略することがある。溶接ナットの大きさに応じて第二ワイパー21の選別機能又は耐久性を補助的に補う場合に,前記押え板79がベース板に取り付けられた前記第二ワイパー21と搬出用口金17との間に配置される。
【0070】
この場合,押え板79は前記ベース板71の内壁に対し略直角に交わる形態でしかもボール内側に傾斜した刃型選別板72の走路面に対し前記ワイパーを通過した正常の溶接ナットのみの通過を許す高さ位置で略平行に配置される。
【0071】
押え板79に対し略直角に交わる取り付け板80が溶接によって固定されていて,この取り付け板80には上下方向に楕円状に長く明けられた長孔(図省略)を前記ベース板71に設けたタップ孔に合わせてボルトB9を挿入して取り付けられる。押え板79は前記ボルトB9の長孔の許容範囲により刃型トラック面に対し上下方向に高さ調節することができる。
【0072】
刃型選別板72と前記押え板79の先端には搬出用口金が連結されていてその口金の入り側には前記トラック面に5mmないし10mm程度延出したガイド板81が溶接によって取り付けられている。このガイド板81は正常な溶接ナットを刃型選別板の終端より手前から搬送用口金の入り側へ導くための,刃型トラック面より5mmないし10mm程度高くしてガイドするものである。
【0073】
図19−20に示すように第二ワイパー21の下側を通した正常の溶接ナットNのみ押え板79の下側をスムースに通過し刃型トラック72の先端に連結された搬出用口金17から前記チューブ18を通して圧縮エアで送り出す。溶接用突起Pが逆向きの溶接ナットNは第二ワイパー21に阻まれ前記刃型選別板72から離脱することになる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の実施例では抵抗溶接分野において溶接用突起を有する溶接ナットの表裏選別について言及したが,本発明の部品選別ユニット交換方式は供給部品の形状大きさに応じて各種組立て加工部品の供給装置の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】第一発明の方法を実施するための振動式溶接ナット供給装置の実施例1を示す概略平面図である。
【図2】第二発明の溶接ナット表裏部品選別ユニットの実施例を示すもので,詳細構造を具体的に示す平面図である。
【図3】第二発明の上記部品選別ユニットの実施例において図2のA矢視図である。
【図4】第二発明の上記部品選別ユニットの実施例において図3のB矢視図である。
【図5】第二発明の部品選別ユニットのボール本体取り付け,ユニト部品の組み付け構造,部品走行路を示す概略断面図である。
【図6】第二発明の部品選別ユニットを通過中の,正常姿勢の溶接ナットが第二ワイパー21を通過する形態を示す断面図及び図10のD矢視図である。
【図7】第二発明部品選別ユニットを通過中の,異常姿勢の溶接ナットが第二ワイパーに阻まれ落下する形態を示す断面図である。
【図8】第二発明の部品選別ユニットに含む選別レール入り選別板8の構造と,溶接ナットの外形寸法と部品走行路の間隔を調整するための幅寄せ板13との関係を示す断面図である。
【図9】第二発明の部品選別ユニットに含む選別レール入り選別板8の構造と,溶接ナットの外形寸法と部品走行路の高さ調整するための押え板14との関係を示す断面図である。
【図10】第二発明装置の部品選別ユニットを通過する溶接ナットを拡大して示す概略平面図である。
【図11】図10のC−C矢視図である。
【図12】第一ワイパー6にて溶接ナット搬送量を規制する形態を示すが概略図である。
【図13】従来装置の搬送トラック構造を示すもので,前記トラック上に配置された大小二本の金属製丸棒のガイドレールに沿って進行する正常姿勢の溶接ナットを示す概略断面図である。
【図14】従来装置の部品選別方式を示すもので,細長い丸棒のガイドレールから刃型トラックを移行して渡る正常姿勢の溶接ナットを示す概略断面図である。
【図15】従来装置の部品選別方式を示すもので,異常姿勢の溶接ナットが刃型トラックから除外され落下する形態を示す概略断面図である。
【図16】第三発明の実施例を示す平面図である
【図17】第三発明の実施例に係る部品選別ユニットの組立て構成部品を示す外観図である。
【図18】第三発明にかかる実施例の部品選別ユニットを振動ボールに組み付けた場合の外観図である。
【図19】正常姿勢の溶接ナットが刃型トラックに乗って第二ワイパー(以下 単にワイパーともいう)の下側を通過する際の概略図である。
【図20】異常姿勢の溶接ナットが刃型選別板に乗って第二ワイパーの下側で溶接用突起がガイドされ前記トラック走路からボール内に排除される際の概略図である。
【図21】第三発明にかかる他の実施例を示す部品選別ユニットの斜視図である。
【符号の説明】
【0076】
1 振動式パーツフィーダ 2 振動ボール
3 搬送トラック 4 分離底
5 ボール壁 6 第一ワイパー
7 部品選別ユニット 8 選別板
9 上昇終端部位 10 固定支持板
11 ガイド 12 選別レール
13 幅寄せ板 14 押え板
15 カラー 16 部品除去手段(除外切り欠き部)
17 搬出用口金 18 供給チューブ
19 エアノズル 20 エア吹き出し口
21 第二ワイパー N 溶接ナット
70 部品選別ユニット 71 ベース板
72 刃型選別板(刃型トラック) 73 開口部位
74 閉じ板 75 支持板
76 口金取り付け板 77 ガイドレール
78 支持板 79 押え板
80 取り付け板 81 ガイド板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーツフィーダの振動ボールの内壁に沿って螺旋状に配置された部品搬送トラック上に溶接ナットを乗せて順次整列しながら前記トラックの上昇終端の部品排出口から目的個所に向けて溶接ナットを送り出す場合,前記ボールの部品排出口の近傍に,溶接ナットの正常姿勢および異常姿勢を判別するための部品選別ユニットを着脱可能に取り付けることにより,使用する溶接ナットの種類及び/又は大きさに応じて前記選別ユニットのみを交換自在とし前記ボールの部品排出口の近傍に着脱自在に取り付けられる部品選別ユニットが異常姿勢の溶接ナットを部品搬送トラック外に排出するとともに,正常姿勢の溶接ナットのみを通過させて目的箇所に向けて送り出すようにした振動式部品供給方法において,前記部品選別ユニットは,前記溶接ナットを案内する選別板と,該選別板の溶接ナット進行方向に設けられた選別レールと,前記選別レールとの部品走路間隔を規制する幅寄せ板とからなり,該幅寄せ板を溶接ナットの大きさに応じて前記選別レール方向に移動調整可能とした振動式部品供給方法。
【請求項2】
前記ボールの部品排出口の近傍に着脱自在に取り付けられた部品選別ユニットは,溶接ナットを案内する選別板と,該選別板に沿って設けられ,正常姿勢の溶接ナットの両側に位置する溶接突起部分が跨ぐことが可能な選別レールと,該選別レールの上方であって,正常姿勢の溶接ナットのみ通過を許す高さに設けられた押え板とからなり,該押え板は溶接ナットの大きさに応じて前記選別レールからの高さ調整を可能とした請求項1に記載の振動式部品供給方法。
【請求項3】
溶接ナットとパネルワークとを抵抗スポット溶接機の上部電極と下部電極により加圧溶接するために,溶接ナットをパネルワーク上に供給するためのパーツフィーダであって,該パーツフィーダは前記溶接ナットを収容する振動ボールと,該振動ボール内の溶接ナットをボール振動に乗せて順次整列しながら前記ボールの部品排出口に向けて連続的に移送させるための,前記振動ボールの内壁に沿って螺旋状に配置された部品搬送トラックと,前記ボールの部品排出口の近傍に着脱自在に取り付けられた前記溶接ナットの正常姿勢および異常姿勢を選別するための部品選別ユニットとからなる振動式部品供給装置において,前記ボールの部品排出口の近傍に着脱自在に取り付けられた部品選別ユニットは前記溶接ナットを案内する選別板と,該選別板に沿って設けられ,正常姿勢の溶接ナットのみ前記溶接ナットに有する溶接突起部と前記トラックの搬送面との間に形成された間隙により通過を許す選別レールと,該選別レールの上方にあって正常姿勢の溶接ナットのみ高さ寸法差で通過を許す押え板とからなる振動式部品供給装置。
【請求項4】
前記部品選別ユニットは,部品走路の少なくとも一部に,前記ボールの内壁からボール内側に向かって低く傾斜させて異常姿勢の溶接ナットのみ走路外に落下させるようにした除外部を有する選別板と,該選別板に沿って設けられ,正常姿勢の溶接ナットの両側に位置する溶接突起部分が跨ぐことが可能な選別レールと,該選別レールの上方であって,正常姿勢の溶接ナットのみ通過を許す高さに設けられた押え板とからなる請求項3に記載の振動式部品供給装置。
【請求項5】
前記部品選別ユニットは,溶接ナットを案内する選別板と,該選別板の溶接ナット進行方向に設けられた選別レールと,前記レールとの部品走行間隔を規制する幅寄せ板とからなり,該幅寄せ板を溶接ナットの大きさに応じて前記レール方向に移動調整可能とした請求項3又は4に記載の振動式部品供給装置。
【請求項6】
前記部品選別ユニットは,溶接ナットを案内する選別板と,該選別板に沿って設けられ,正常姿勢の溶接ナットの両側に位置する溶接突起部分が跨ぐことが可能な選別レールと,該選別レールの上方であって,正常姿勢の溶接ナットのみ通過を許す高さに設けられた押え板とからなり,該押え板は溶接ナットの大きさに応じて前記選別レールからの高さを調整可能にした請求項3,4又は5に記載の振動式部品供給装置。
【請求項7】
溶接用突起を有した溶接ナットとパネルワークとを抵抗スポット溶接機の上部電極と下部電極により加圧溶接するために,溶接ナットをパネルワーク上に供給するためのパーツフィーダであって,該パーツフィーダは前記した溶接ナットを収容する振動ボールと,該振動ボール内の前記溶接ナットを前記ボール振動に乗せて順次整列しながら前記ボールの部品排出口に向けて連続的に移送させるための,前記振動ボールの内壁に沿って螺旋状に配置された部品搬送トラックと,前記ボールの部品排出口の近傍に着脱自在に取り付けられた前記溶接ナットの正常姿勢および異常姿勢を選別するための部品選別ユニットとからなる振動式部品供給装置において,前記部品選別ユニットは,前記部品搬送トラックより進行方向に前記振動ボールの内壁を切り欠きした開口箇所に着脱自在に取り付けられ,かつ前記ボールの曲面と略適合した湾曲面が前記ボール内壁の一部を構成するベース板と,該ベース板の外側曲面の法線方向に向かって次第に内側が低くなるように傾斜させかつ前記部品搬送トラックの延長上に配置させた刃型選別板と,前記刃型選別板の上方にあって正常姿勢と異常姿勢との高さ寸法差により正常に規定された溶接ナットのみ通過を許すワイパーとからなる振動式部品供給装置。
【請求項8】
前記刃型選別板のトラック面は断面形状が刃型溝を有する請求項7に記載の振動式部品供給装置。
【請求項9】
前記選別板の先端に搬出用口金が配置され,前記選別板のトラック上で分けられた正規の溶接ナットは搬出用口金から部品供給チューブを介してそのチューブ先端に接続されたフィーダユニットにエアーブローで供給される請求項7又は8に記載の振動式部品供給装置。
【請求項10】
前記搬出用口金は前記ベース板側に支持板を介して位置調整が可能なように取り付けられている請求項7,8又は9の振動式部品供給装置。
【請求項11】
前記ベース板に取り付けられたワイパーと前記搬出用口金との間に押え板が配置され,該押え板は前記ベース板の内壁に対し略直角に交わる形態でしかもボール内側に傾斜した刃型選別板のトラック面に対し前記ワイパーを通過した正常の溶接ナットのみの通過を許す高さ位置で略平行に配置されている請求項7から10の何れか一つの振動式部品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−240791(P2006−240791A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−56666(P2005−56666)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【出願人】(000151070)株式会社電元社製作所 (23)
【Fターム(参考)】