説明

振動感知タッチ入力装置用ウェイクオンタッチ

【課題】タッチ入力装置においてウェイクオンタッチ感知を行う方法およびシステムを提供する。
【解決手段】タッチ入力装置の基板内を伝播する屈曲波振動が感知される。意図的タッチを示す基板内を伝播する感知振動と非意図的タッチを示す基板内を伝播する感知振動との識別に対応する。意図的タッチを示す基板内を伝播する感知振動に応答して、ウェイクアップ信号が生成される。ウェイクアップ信号はタッチ入力装置の制御システムに通信されて、制御システムを休眠状態から動作状態に移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチ入力装置に関し、特にウェイクオンタッチ感知技術(wake-on-touch sensing technique)を用いた振動感知タッチ入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチ入力機能を用いた電子ディスプレイが携帯またはハンドヘルド装置を始めとする多様な装置内で用いられている。典型的なタッチスクリーンが電子ディスプレイのオーバーレイ(上張り)として構成されている。このタッチスクリーンをタッチセンサとしての透明導電層と外周の周囲に配置された導電性材料で形成された電極のパターンとを有する容量式または抵抗式タッチスクリーンとして構成し得る。代替的にタッチスクリーンはタッチを感知する振動センサを用い得る。タッチ場所はタッチセンサにより生成されたタッチ信号を用いた多様な方法で判定することができる。
【0003】
携帯及びハンドヘルド電子装置への関心の高まりの結果このような装置が増加してきた。この関心はこれに付随して特に所要電力の点で携帯/ハンドヘルド装置の寿命の延長への関心を高めた。タッチ入力装置における電力消費を削減する技術の実施はタッチ入力機能を組み込んだ携帯電子装置の充電または電池交換イベント間の耐用年数を延ばすことができて有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はタッチ入力装置においてウェイクオンタッチ感知を行う方法およびシステムを対象とする。また本発明は振動感知タッチ入力装置などのタッチ入力装置への意図的タッチ(intended touch)と非意図的タッチ(unintended touch)とを識別する方法およびシステムを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の様々な実施形態の状況において、用語「意図的タッチ」とはタッチ入力として解釈されることを意図した検出可能な振動、このような振動を生じるイベント、およびセンサがこのような振動を受けることにより生成される信号を指す。用語「非意図的タッチ」とはタッチ入力として解釈されることを意図しない検出可能な振動、このような振動を生じるイベント、およびセンサがこのような振動を受けることにより生成される信号を指す。非意図的タッチの例には外部ノイズおよび検出された信号内に不可欠なシグネチャ(signature)を生成しないタッチ入力装置に対する振動発生衝撃がある。
【0006】
本発明のウェイクオンタッチ方法の一実施形態によれば、タッチ入力装置の基板内を伝播する屈曲波振動(bending wave vibration)が感知される。この方法は意図的タッチを示す基板内を伝播する感知振動と非意図的タッチを示す基板内を伝播する感知振動とを識別するステップをさらに含む。意図的タッチを示す基板内を伝播する感知振動に応答して、ウェイクアップ信号が生成される。ウェイクアップ信号はタッチ入力装置の制御システムに通信されて制御システムを休眠状態から動作状態に移行する。
【0007】
他の実施形態によれば、タッチ入力装置は、屈曲波振動を支持するように構成された基板と、基板に結合されるとともに、基板内を伝播する振動を感知するように構成された複数のセンサと、を含む。コントローラ電子機器がセンサに結合されるとともに、基板へ通信されたタッチを示す感知振動からの情報を用いてタッチ場所を算出するように構成されている。ウェイクアップ回路がセンサとコントローラ電子機器とに結合されている。ウェイクアップ回路は意図的タッチを示す基板内を伝播する感知振動と非意図的タッチを示す基板内を伝播する感知振動とを識別するように構成されている。ウェイクアップ回路は意図的タッチを示す基板内を伝播する感知振動に応答して、ウェイクアップ信号を生成してウェイクアップ信号をコントローラ電子機器に通信するように構成されている。
【0008】
他の実施形態によれば、タッチ入力装置は、屈曲波振動を支持するように構成された基板と、基板に結合されるとともに、基板内を伝播する振動を感知するように構成された複数のセンサと、を含む。少なくとも1つの励起変換器が基板に結合されている。励起変換器は基板に励起振動を付与する。コントローラ電子機器がセンサに結合されるとともに、基板へ通信されたタッチを示す感知振動からの情報を用いてタッチ場所を算出するように構成されている。ウェイクアップ回路がセンサと、コントローラと、励起変換器とに結合されている。ウェイクアップ回路は基板に付与されたタッチ振動に対する励起振動の応答を検出するとともに、意図的タッチを示す基板内を伝播する感知振動と非意図的タッチを示す基板内を伝播する感知振動とを識別するように構成されている。ウェイクアップ回路は意図的タッチを示す基板内を伝播する感知振動に応答して、ウェイクアップ信号を生成してウェイクアップ信号をコントローラ電子機器に通信するように構成されている。
【0009】
上記の本発明の概要は本発明の各実施形態または各実施を説明しようとするものではない。本発明のより十分な理解に加えて利点と成果とは、添付の図面と併せて以下の詳細な説明と特許請求の範囲とを参照することにより明らかになるとともに理解できよう。
【0010】
本発明は様々な変更例および代替形状に適用可能であるが、その詳細は一例として図面に示したものでありさらに詳細に説明する。しかし本発明を記載の特定の実施形態に限定しようとするものではないことは理解できよう。逆に添付の特許請求の範囲により規定されるように本発明の要旨および範囲内にある変更例、同等物および代替物をすべて網羅しようとするものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態によるウェイクオンタッチ方法に関連する様々な工程を示すフロー図である。
【図2】本発明の他の実施形態によるウェイクオンタッチ方法に関連する様々な工程を示すフロー図である。
【図3】本発明の実施形態によるタッチ入力パネルの平面および上面を示す図である。
【図4】本発明の実施形態によるタッチ入力パネルの平面および上面を示す図である。
【図5A】本発明の実施形態によるウェイクオンタッチ方法を実施するコントローラ電子機器に結合されたタッチ入力パネルを示す図である。
【図5B】本発明の他の実施形態によるウェイクオンタッチ方法を実施するコントローラ電子機器に結合されたタッチ入力パネルを示す図である。
【図6】本発明の実施形態によるウェイクオンタッチ回路を示す図である。
【図7】本発明の他の実施形態によるウェイクオンタッチ回路を示す図である。
【図8】本発明のさらなる実施形態によるウェイクオンタッチ回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の図示の実施形態の説明において、その一部分をなすとともに本発明を実行する様々な実施形態を図示を目的として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態を用い得るとともに本発明の範囲から逸脱することなく構造的変形をなし得ることは理解できよう。
【0013】
本発明は例えば圧電デバイスなどの多数のタッチセンサにより感知するタッチ基板を伝播する振動を感知するタッチ起動ユーザ入力装置に関する。特に本発明はタッチ基板に付与された屈曲波振動を感知することおよび、このような波振動がタッチ基板への意図的タッチによるものであるか非意図的タッチによるものであるかを判断することに関する。またタッチ基板へのいくつかのタッチを異なるタッチ器具または異なるタッチ力を用いて行われた他のタッチと区別することができるため、ある意図的タッチのみがウェイクオンタッチ信号として検出される。本発明はさらにウェイクオンタッチ回路および関連する、タッチ入力装置により感知された意図的タッチと非意図的タッチとの識別に応答して振動感知タッチ入力装置のコントローラ電子機器を休眠状態(sleep state)から動作状態(operational state)に移行させる方法に関する。
【0014】
圧電センサを含む振動感知タッチ入力装置において、例えばタッチパネルプレートの平面内を伝播する振動は圧電センサに応力をかけ、センサの両端間に検出可能な電圧降下を生じる。受信される信号は直接タッチ入力の衝撃に直接起因する振動により、または存在する振動に影響を与えるタッチ入力により、例えば振動の減衰により生じ得る。また受信される信号はタッチ入力装置のユーザ取り扱いまたは取り扱いミスによる、あるいはタッチ入力装置の外部ではあるが感知される環境要因によるタッチ入力などの非意図的タッチ入力により生じ得る。
【0015】
一タッチ感知手法によれば例えば直接タッチを示す信号を受け取ると、同じ信号を各センサにおいて受け取る時間差を用いてタッチ入力の場所を推定することができる。国際公開第2003−005292号パンフレットおよび同第0148684号パンフレット、ならびに代理人整理番号第58760US002号により出願された同一人所有の「振動感知タッチ入力装置(Vibration Sensing Touch Input Device)」と題された米国特許出願に開示されているように、伝播媒体(propagation medium)が分散性媒体(dispersive medium)である場合、複数の周波数で構成される振動波パケットは伝播するにつれて広がるとともに減衰するため信号の解読が困難になる。そのため受け取った信号を非分散性媒体(non-dispersive medium)内を伝播したかのように解読できるように変換することが提案されてきた。このような技術は屈曲波振動を検出するシステムに特に適している。
【0016】
屈曲波振動からタッチ位置を検出および判断するのに特に適した振動感知タッチ入力装置が上記した公開および出願に開示されておりこれらの全体を本明細書に援用する。このような屈曲波感知タッチ入力装置において、通例ユニモルフおよびバイモルフ圧電センサを始めとする圧電センサが用いられる。圧電センサは例えば良好な感度、比較的低コスト、適正な頑健性、場合によっては小さい形状因子、適正な安定性、および応答線形性を始めとする多数の有利な特徴利点を提供する。振動感知タッチ入力装置に用いることができる他のセンサには特に電気歪み方式、磁気歪み方式、圧電抵抗方式、音響方式および可動コイル装置がある。
【0017】
またタッチ入力装置を採用した多数の用途はタッチ装置を介して情報を表示するために電子ディスプレイを用いている。ディスプレイは通例矩形であるので、矩形のタッチ装置を使用するのが通例であり便利である。このようにセンサが貼付されたタッチ基板は通例矩形形状である。本発明の一タッチ入力装置の実施形態によれば、振動センサをタッチ基板の角部付近に配置することができる。多数の用途がタッチ入力装置を介して視認されるディスプレイを必要としているため、センサをタッチ基板の縁部付近に配置して不所望に視認ディスプレイエリアに侵入しないようにすることが望ましい。センサをタッチ基板の角部に配置することでパネル縁部からの反射の影響を減少させることもできる。
【0018】
消費電力はタッチ入力装置を組み込んだ多くの装置、特に携帯またはハンドヘルド装置にとって設計および動作問題である。そのような装置において全体の消費電力を削減して電池交換または充電イベント間の装置使用期間を延長ことは一般に望ましい。タッチ入力装置を組み込んだ多くの装置はメインプロセッサを用いており、メインプロセッサは完全に機能すると大量の電力を消費する。このような装置はメインプロセッサ加えて、様々なシステムと周辺構成要素との間、例えばタッチ入力装置とタッチ入力装置が協働するディスプレイを支援する電子システム(例えばコンピュータシステム)との間、のI/O信号伝達およびデータ交換を調整する入出力(I/O)インターフェースプロセッサをさらに用いている場合がある。
【0019】
通常動作中メインプロセッサ動作および/またはI/O信号伝達/データ送信を支援するために必要なプロセッサおよび関連する回路により消費される電力が、全体のシステム所要電力の大部分に相当することは容易に理解されよう。また非使用または休止期間中のシステムの電力使用を削減することにより大幅な電力節約を達成可能であることも容易に理解されよう。電力節約技術が多様な電子装置で通常用いられているが、このような技術はタッチ場所を判定するための振動感知、特に屈曲波振動感知などある感知技術を用いたタッチ入力装置での使用に容易には適応しない。
【0020】
さらにまた従来の電力節約手法は意図的タッチによる振動を非意図的タッチによる振動と識別可能な振動感知方法に容易には適応しない。本発明は本明細書で以下により詳細に説明するようにタッチ入力装置における電力節約、特に振動感知タッチ入力技術を用いたタッチ入力装置における電力節約に対処することを対象とする。また本発明は振動感知タッチ入力装置への意図的タッチと非意図的タッチとを識別する回路および技術を対象とする。
【実施例】
【0021】
図1は本発明の実施形態による振動感知タッチ入力装置に対するウェイクオンタッチ電力節約方法に関連する様々な工程を示すフロー図である。対象のタッチ入力装置は1つまたは複数のプロセッサ(例えばメインプロセッサ、信号プロセッサ、I/Oバスプロセッサ等)と、意図的タッチの検出に応答してウェイクアップ信号を生成するウェイクオンタッチ回路と、を含むこととする。さらにウェイクアップ信号の受信に応答してプロセッサのうちの1つまたは複数が、休眠状態(例えば低減または最低消費電力モード)から動作状態(例えば完全または通常動作に関連するいくつかのまたはすべての機能を行うのに必要な休眠状態に比べて高消費電力モード)に移行することとする。
【0022】
この手法によればタッチ入力装置のタッチ感知面との接触によるあるいは付加される屈曲波振動が感知される20。感知された振動は解析または評価され、その感知された振動がユーザによる意図的タッチの結果であるかまたはタッチ入力装置への非意図的タッチの結果であるかを判定する22。タッチ入力装置へのタッチが意図的だったという判定に応答してウェイクアップ信号が生成される24。一方タッチ入力装置へのタッチが非意図的だったという判定である場合には、ウェイクアップ信号は生成されない26。
【0023】
図2は本発明の他の実施形態による振動感知タッチ入力装置のためのウェイクオンタッチ電力節約方法に関連する様々な工程を示すフロー図である。図1を参照して上記した実施形態と同様に、対象のタッチ入力装置は1つまたは複数のプロセッサと、意図的タッチの検出に応答してウェイクアップ信号を生成するウェイクオンタッチ回路を含むこととする。
【0024】
図2に示すようにタッチ入力装置のタッチ感知面との接触によるあるいは付加される屈曲波振動が感知される50。感知された振動は解析または評価され、その感知された振動がユーザによる意図的タッチの結果であるかまたはタッチ入力装置への非意図的タッチの結果であるかを判定する。感知された屈曲波振動は処理されて、意図的タッチと非意図的タッチとの識別を容易にするように設定された閾値またはプロファイルと比較される52。以下により詳細に説明するように意図的タッチと非意図的タッチとの間の識別は、例えば閾値とのタッチ信号振幅比較、閾値とのフィルタリングされたタッチ信号比較、時間領域評価(例えば信号特徴相関分析)、および周波数領域評価(例えば離散型フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)解析)を始めとする多数の方法で達成することができる。
【0025】
評価54が感知された振動が意図的タッチを表わしていないということを示す場合には、ウェイクアップ信号は生成されず56、1つまたは複数のプロセッサ(例えばメインプロセッサおよびI/Oバスプロセッサ)は休眠状態または他のタイプの電力節約モードのままである。評価54が感知された振動が意図的タッチを表わしているということを示す場合には、ウェイクアップ信号が生成される58。ウェイクアップ信号はタッチ入力装置の制御システムの少なくとも1つのプロセッサまたは回路あるいは電子装置に通信される60。
【0026】
一手法ではウェイクアップ信号が1つのプロセッサに通信され、このプロセッサが1つまたは複数のウェイクアップ信号をタッチ入力装置の他のプロセッサ、構成要素または装置に通信する。他の手法では複数のウェイクアップ信号をタッチ入力装置の複数のプロセッサ、構成要素または装置に通信することができる。ウェイクアップ信号の受信に応答して受信構成要素は休眠状態から活動状態へ移行する62。
【0027】
図3および4は本発明のウェイクオンタッチ方法を含むタッチ入力装置での使用に適したタッチパネル100の描写である。この実施形態によればタッチパネル100は基板102と、基板102の上面105に結合された振動センサ104と、を含む。この図示例において上面105はタッチ感知面を規定している。センサ104は上面105に結合されて示されているが、代替的にはセンサをタッチパネル100の下面103に結合することができる。他の実施形態において1つまたは複数のセンサを上面105に結合する一方で1つまたは複数の他のセンサを下面103に結合し得る。
【0028】
基板102は対象の振動、例えば屈曲波振動を支持する基板であればよい。例示的基板にはアクリルまたはポリカーボネートなどのプラスチック類、ガラス、または他の好適な材料がある。基板102は透明または不透明でもよく、場合によっては他の層を含むまたは組み込むあるいはさらなる機能性を支持することができる。例えば基板102は耐引掻性、耐汚染性、ぎらつき防止、反射防止性、方向性または守秘用光制御、フィルタリング、偏光、光学補償、摩擦構造化、着色、グラフィカルイメージ等を提供することができる。
【0029】
一般にタッチパネル100は2次元のタッチ入力の位置を決定するためには少なくとも3つのセンサ104を含み、国際公開第2003−005292号パンフレットおよび同第0148684号パンフレットに説明されているように、いくつかの実施形態では4つのセンサ104が望ましい。本発明ではセンサ104は基板102へのタッチ入力を示す振動を感知することができる圧電センサである。例示的な圧電デバイスはPZT結晶を用いている。
【0030】
一実施形態においてセンサ104はすべて基板102内の振動を感知するように構成されている。他の実施形態ではセンサ104のうちの1つまたは複数をエミッタ装置として用いて信号を発してその信号を他のセンサ104によって感知して基準信号として用いることが可能であり、またはタッチ入力を受けると変化する振動を生成してその変化した振動をセンサ104によって感知してタッチの位置を判定することができる。電気的力学的変換器を好適なエミッタ装置として用い得る。さらにまたセンサ104のうちの1つまたは複数を感知および励起変換器として構成することができる。センサ104を接着剤の使用によるなど任意の適当な手段により基板102に貼付または接着することができる。
【0031】
図3に図示した実施形態では、随意のディスプレイ装置106がタッチパネル100に近接配置して示されている。ディスプレイ装置106は通例タッチパネル100を介して視認者位置に向けて情報を表示するために用いられる。ディスプレイ装置106は任意の好適な電子ディスプレイ、例えば液晶ディスプレイ、エレクトロルミネセントディスプレイ、冷陰極管ディスプレイ、プラズマディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ等でもよい。ディスプレイ装置106は追加的にまたは代替的に永久または交換可能な静止画像を含み得る。
【0032】
図5Aはタッチパネル100に通信可能に結合されたコントローラ電子機器200の実施形態を示す。コントローラ電子機器200は通例タッチパネル100も含むタッチ入力装置内に組み込まれているが、特定の設計で望ましい場合にはコントローラ電子機器200のいくつかのまたはすべての要素をタッチパネル筐体の外部に組み込み得る。インターフェース202はタッチパネル100をコントローラ電子機器200に通信可能に結合する。コントローラ電子機器200はメインプロセッサ206と、ウェイクオンタッチ回路210と、を含む。図5Aに示した構成によればウェイクオンタッチ回路210はメインプロセッサ206とインターフェース202とに結合されている。
【0033】
この構成においてメインプロセッサ206はタッチ位置特定計算、較正、および他の関連機能の実行を担当する。またメインプロセッサ206はインターフェース202を介するタッチパネル100とコントローラ電子機器200との間、およびバス209を介するコントローラ電子機器200と外部システムまたは周辺機器との間の信号送信も管理する。メインプロセッサ206はデジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)を組み込んでおり好適である。バス209はメインプロセッサ206を、図5Aのタッチ入力装置と協働するコンピュータまたはディスプレイシステムなどの他のシステムまたは装置と通信可能に結合する。
【0034】
タッチパネル100からコントローラ電子機器200に通信された信号は通例、タッチセンサ104により生成されたアナログ電流信号であり、アナログ電流信号をタッチパネル100とコントローラ電子機器200との間に設けられた回路によって、またはメインプロセッサ206の回路によってアナログまたはデジタル電圧信号に変換できることは理解されよう。また1つまたは複数のエミッタまたはエミッタ/センサがタッチパネル100の基板102上に設けられている場合、励起信号をコントローラ電子機器200からタッチパネル100に通信することができる。
【0035】
ウェイクオンタッチ回路210がセンサ104により生成されたタッチ(意図的または非意図的)入力信号を感知する目的でインターフェース202に結合して示されている。ウェイクオンタッチ回路210は通例、インターフェース202を介するタッチパネル100とコントローラ電子機器200との間の感知信号の送信に悪影響を与えないように高入力インピーダンスを有するように構成されている。
【0036】
他の構成ではウェイクオンタッチ回路210をインターフェース202とメインプロセッサ206との間に結合できる。上記の構成と同様にウェイクオンタッチ回路210はタッチパネル100により生成された信号を感知してウェイクオンタッチ評価をするが、タッチパネル100とコントローラ電子機器200との間の感知信号および他の信号またはデータの送信に悪影響を与えないように好適に構成されている。
【0037】
タッチパネル100への意図的タッチの検出に応答してウェイクオンタッチ回路210はウェイクアップ信号を生成し、そのウェイクアップ信号はメインプロセッサ206に送信される。メインプロセッサ206はウェイクオンタッチ回路210からのウェイクアップ信号の受信に応答して休眠モードから活動モードへ移行する。休眠モードから活動モードへ移行すると、メインプロセッサ206はタッチ特定計算の実行を始めとする通常の動作を再開する。
【0038】
図5Bはタッチパネル100に通信可能に結合されたコントローラ電子機器200の他の実施形態を示す。本実施形態によればコントローラ電子機器200はバス208を介してメインプロセッサ206に結合されたI/Oプロセッサ204を含む。本実施形態ではI/Oプロセッサ204を用いてバス209を介するコントローラ電子機器200と外部のシステムまたは装置との間のI/O信号伝達を管理している。
【0039】
一構成においてI/Oプロセッサ204はシリアルインターフェースまたはバスなどの高速インターフェース209での信号伝達を管理するように実施される。一例としてバス209はUSB(ユニバーサル・シリアル・バス(Universal Serial Bus))アーキテクチャなどの高速シリアル・バス・アーキテクチャに適合し得るとともに、I/Oプロセッサ204をシリアルバス209での信号伝達を調整するように実施することができる。現在のUSB仕様に準じてI/Oプロセッサ204は、いかに多くの装置が使用されていても1つのIRQ(割込み要求:interrupt)のみを用いたシリアルバス209での信号伝達を管理することができる。バス209をUSB仕様に従って構成することで、すばやいプラグアンドプレイ(plug and play)接続を提供する。このようにコントローラ電子機器200は接続に関して悪い結果を招くことなく、いつでも異なるポートにプラグを挿入およびプラグを抜くことができる。現在毎秒480メガバイトまでのUSBデータ速度(例えば、USB2.0)が実現できる。
【0040】
図5Bに示すように、ウェイクオンタッチ回路210はI/Oプロセッサ204とインターフェース202とに結合され、場合によってはメインプロセッサ206に動作結合されている。他の構成においてウェイクオンタッチ回路210をI/Oプロセッサ204の前端に結合できるとともに、I/Oプロセッサ204とバス202との間のインターフェースとして組み込むことができる。上記の構成と同様にウェイクオンタッチ回路210はタッチパネル100から感知信号を受け取るが、タッチパネル100とコントローラ電子機器200との間の感知信号および他の信号またはデータの送信に悪影響を与えないように好適に構成されている。
【0041】
図5Bに示した一構成によれば、ウェイクオンタッチ回路210をI/Oプロセッサ204に結合して、ウェイクオンタッチ回路210により生成されたウェイクアップ信号をライン222を介してI/Oプロセッサ204に送信するようにすることができる。この構成ではI/Oプロセッサはウェイクアップ信号に応答して休眠モードから活動モードへ移行する。休眠から活動モードへの移行後I/Oプロセッサ204は他の構成要素、例えばタッチパネル100を組み込んだ携帯装置のコントローラ電子機器200のメインプロセッサ206または他の構成要素および/または制御システムが起動が必要かどうかを判断し得る。代替的にはI/Oプロセッサ204は第2のウェイクアップ信号を生成し、この信号はライン226を介してメインプロセッサ206にバス208を介して送信される。他の構成においてウェイクオンタッチ回路210はウェイクアップ信号を生成するとともにウェイクアップ信号をI/Oプロセッサ204(ライン222を介して)およびメインプロセッサ206(ライン224を介して)の両方に送信できる。
【0042】
本発明のウェイクオンタッチ方法がタッチ入力装置、特に携帯およびハンドヘルドタッチ入力装置の消費電力を大幅に削減できることは容易に理解されよう。例えばメインプロセッサ206およびI/Oプロセッサ204の各々は通常動作中、数百万ミリアンペアの電流を必要とする場合がある。本発明のウェイクオンタッチ回路210を用いて、メインプロセッサ206およびI/Oプロセッサ204の回路の大部分をオフして休眠モードにすることにより、所要電力をかなり削減して完全動作に必要な所要電力のごく一部分にする。
【0043】
ウェイクオンタッチ回路210は動作に非常にわずかな電力しか必要としない。例えばウェイクオンタッチ回路210を休眠モード中、5VDC源から数百マイクロアンペア未満(例えば500μA未満)を使用するように実施することができる。このようにウェイクオンタッチ回路210がアクティブな状態の休眠モードにおいてコントローラ電子機器200のための全体の電流使用は例えば100μA未満であり得る。
【0044】
ここで図6を参照すると、本発明によるウェイクオンタッチ回路210の実施形態が図示されている。本実施形態によればウェイクオンタッチ回路210は各々それぞれのセンサ104に結合された数個のピーク検出器または整流器302、304、306、308を含む。ピーク検出器302、304、306、308はタッチパネル100とコントローラ電子機器200との間の感知信号送信に悪影響を与えないように十分に高い入力インピーダンスを有しているため好適である。ピーク検出器302、304、306、308または他の上流回路はセンサ104により展開された電流感知信号を対応する電圧感知信号に変換する。
【0045】
ピーク検出器302、304、306、308から出力されたピーク電圧信号は加算装置424に入力される。加算電圧信号は加算装置424からコンパレータなどの電圧解析装置320に通信される。電圧解析装置320は所定電圧閾値322を加算電圧信号と比較して入力装置100に付与された意図的タッチと非意図的タッチとを識別する。つまり電圧解析装置320は所定電圧閾値322を加算電圧信号と比較し、加算電圧信号が所定電圧閾値322を超えている場合には、加算電圧信号は意図的タッチを示す。このような判定に応答して解析装置320はウェイクアップ信号330を生成する。
【0046】
他の構成によれば、ピーク検出器302、304、306、308は意図的/非意図的タッチ識別を容易にする周波数応答を有するフィルタを含むように実施することができる。例えば特定のタッチ入力装置に利用可能な意図的タッチを、非意図的タッチのものと区別可能なある周波数成分を有するように特徴付け得る。例えばタッチ基板への意図的タップを比較的高い周波数成分と関連する比較的短い期間のイベントとして特徴付け得る。タッチ基板への非意図的タッチ、例えばタッチ基板上に手の平を載せることによるタッチを、意図的タッチイベントと比べて比較的低い周波数成分と関連する比較的長い期間のイベントとして特徴付け得る。他のタップ/タッチ特徴付けを行うことができるとともに、それに従って周波数成分を意図的および非意図的タッチと関連付けることができる。一構成において例えばピーク検出器302、304、306、308の各々を、特定のタッチ入力装置に対して意図的タッチと非意図的タッチとを識別するように調整された高域フィルタまたは帯域フィルタを含むように実施することができる。
【0047】
図7は本発明によるウェイクオンタッチ回路210の他の実施形態を示す。本実施形態によればウェイクオンタッチ回路210は意図的/非意図的タッチ識別を行う時間領域解析装置420を含む。時間領域解析装置420はいくつかの異なる評価技術により変換された感知信号を評価するように実施し得る。
【0048】
例えば感知信号の1つまたは複数の特徴を評価するとともに、閾値またはプロファイルと比較して意図的タッチと非意図的タッチとを識別することができる。このような特徴の非包括的な一覧には振幅、期間、形状、エリア、幅、立ち上がり時間、減衰時間および傾き(例えば立ち上がりまたは減衰時間の変化率)がある。閾値またはプロファイルをこのような特徴に対して設定することができるとともに、時間領域解析装置420で用いてタッチ識別を行うことができる。解析は複数の感知信号特徴の評価を含み得るとともに、段階的または重み付け評価技術を用い得る。
【0049】
さらなる例として、特定のタッチ入力装置への実際的/意図的タッチを表わす1つまたは複数のタッチ信号プロファイルを展開することができる。1つまたは複数の所定タッチ信号プロファイルを候補タッチ信号と比較して、候補タッチ信号がタッチ信号プロファイルに十分に類似しているかまたは異なるかを判定することができる。十分に類似している場合には時間領域解析装置420は候補タッチ信号が意図的タッチを表わしていると考えることができる。十分に異なる場合には候補タッチ信号は非意図的タッチを表わすと考えられる。
【0050】
他の手法によれば、タッチ信号の上記に列挙した特徴の1つまたは複数の点における意図的または非意図的タッチ信号データを時間の関数として特徴付けるタッチ信号プロファイルを展開することができる。例えば候補タッチ信号の振幅値を時間の関数としてプロットすることができるとともに、このプロットの特徴を選択することができる。1つまたは複数のタッチ信号プロファイルに対して同様な一組の特徴を選択することができる。候補タッチ信号の特徴およびタッチ信号プロファイルの特徴に対して相互の関係付けを行って相関係数を生成することができる。算出された相関係数を閾値(例えば80%)と比較して意図的タッチと非意図的タッチとを識別することができる。
【0051】
図8は本発明によるウェイクオンタッチ回路210の他の実施形態を示す。本実施形態によればウェイクオンタッチ回路210は意図的/非意図的タッチ識別を行う周波数領域解析装置520を含む。周波数領域解析装置520はいくつかの異なる評価技術により変換された感知信号の周波数成分を評価するように実施し得る。
【0052】
周波数領域解析装置520は電圧対時間表示を大きさ対周波数および位相対周波数表示に変換し得るが、大きさ対周波数表示は特別な対象の場合である。この周波数領域解析装置520は例えば感知電圧信号に高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)などの離散フーリエ変換(DFT)を行い得る。変換された候補タッチ信号データを周波数領域解析装置520により所定タッチ信号プロファイルデータ(例えば周波数対振幅、電力またはエネルギー成分)と比較して、候補タッチ信号が意図的タッチまたは非意図的タッチを表わしているかを判定することができる。
【0053】
例えばある周波数における特徴的振幅成分の点でこれらのタッチタイプを特徴付ける意図的および/または非意図的タッチプロファイルを展開することができる。周波数領域解析装置520は例えば候補タッチ信号に離散コサイン変換を行って、一組の減少検出特徴を得ることができる。そして周波数領域解析装置520は適当な意図的および/または非意図的タッチプロファイルと候補タッチ信号変換とを用いてパターン認識手順を行い得る。候補タッチ信号変換特徴と1つまたは複数の意図的および/または非意図的タッチプロファイルの特徴とが十分に一致することで意図的タッチまたは非意図的タッチの検出を示すことができる。
【0054】
タッチ信号の周波数スペクトル、特に振幅スペクトルを周波数領域解析装置520によって用いて意図的/非意図的タッチ識別を行えることは理解されよう。例えば候補タッチ信号の振幅スペクトル密度またはエネルギースペクトル密度を所与のタッチ信号プロファイルの密度と比べて解析することができる。候補タッチ信号の周波数とタッチ信号プロファイルの周波数との間の曲線下の面積を比較してこれらの間の類似または非類似度を判定することができる。周波数領域解析装置520により一致基準を設定して用いることにより、タッチ入力装置に付与された意図的タッチと非意図的タッチとを識別することができる。
【0055】
本明細書に説明した多くのタッチ識別技術が、電力節約が望ましいウェイクオンタッチ用途での使用に容易に適合可能であることは理解されよう。また本明細書に説明したあるタッチ識別技術は他よりも多くの計算能力を必要とするとともに、電力節約の点で相当量のゲインを提供しないことも理解されよう。しかしこのようなタッチ識別技術には振動感知タッチ入力装置における意図的/非意図的タッチ識別に対する高度な手法としての別の実用性があることは確信されよう。
【0056】
本発明の様々な実施形態の上記の説明を図示および説明の目的で提示した。これは包括的であることまたは本発明を開示した厳密な形状に限定しようとするものではない。上記の教示を鑑みれば多数の変更例および変形例が可能である。例えば本明細書に開示したタッチ識別技術は電力節約に関連するものとは別の実用性を有することができる。このように意図的/非意図的タッチ識別技術を単独でまたは電力節約技術と組み合わせて用いる実施形態が考えられる。本発明の範囲はこの詳細な説明ではなく本明細書に添付の特許請求の範囲により限定されることを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲波振動を支持するように構成された基板と、
前記基板に結合されるとともに、前記基板内を伝播する振動を感知するように構成された複数のセンサと、
前記センサに結合されるとともに、前記基板へ通信されたタッチを示す感知振動からの情報を用いてタッチ場所を算出するように構成されたコントローラ電子機器と、
前記センサと前記コントローラ電子機器とに結合されたウェイクアップ回路であって、意図的タッチを示す前記基板内を伝播する感知振動と非意図的タッチを示す前記基板内を伝播する感知振動とを識別するように構成され、前記意図的タッチを示す前記基板内を伝播する感知振動に応答して、ウェイクアップ信号を生成して前記ウェイクアップ信号を前記コントローラ電子機器に通信するように構成されたウェイクアップ回路と、を備えるタッチ入力装置。
【請求項2】
前記ウェイクアップ回路が、前記タッチ振動を閾値と比較することにより、前記意図的タッチ振動と前記非意図的タッチ振動とを識別するように構成されている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ウェイクアップ回路が、前記タッチ振動に関連する振幅を閾値と比較することにより、前記意図的タッチ振動と前記非意図的タッチ振動とを識別するように構成されている請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記閾値が、前記意図的タッチ振動に関連する振幅の数分の一を表わす請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ウェイクアップ回路が、前記タッチ振動に関連するピーク振幅を閾値と比較することにより、前記意図的タッチ振動と前記非意図的タッチ振動とを識別するように構成されている請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ウェイクアップ回路が、それぞれ前記センサから取得したピーク振幅の合計を閾値と比較することにより、前記意図的タッチ振動と前記非意図的タッチ振動とを識別するように構成されている請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ウェイクアップ回路が、前記タッチ振動に関連する周波数応答を周波数シグネチャと比較することにより、前記意図的タッチ振動と前記非意図的タッチ振動とを識別するように構成されている請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記周波数シグネチャが、前記意図的タッチ振動を示すタッチ振動に関連する周波数の帯域を備える請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記センサが、音響センサを備える請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記センサが、圧電センサを備える請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記コントローラ電子機器が、バスコントローラとプライマリ・プロセッサとを備え、前記ウェイクアップ回路が、前記バスコントローラに結合されている請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記バスコントローラが、プラグアンドプレイ・バスコントローラを備え、前記プライマリ・プロセッサが、デジタル信号プロセッサ(DSP)を備える請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記バスコントローラが、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)コントローラを備え、前記プライマリ・プロセッサが、デジタル信号プロセッサ(DSP)を備える請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記コントローラ電子機器が、バスコントローラとプライマリ・プロセッサとを備え、前記ウェイクアップ回路が、前記意図的タッチを示す前記基板内を伝播する振動に応答して、前記ウェイクアップ信号を前記バスコントローラに通信し、前記バスコントローラが応答して休眠状態から動作状態に移行する請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記バスコントローラが休眠状態から動作状態に移行後、ウェイクアップ信号を前記プライマリ・プロセッサに通信し、前記プライマリ・プロセッサが応答して休眠状態から動作状態に移行する請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記タッチ入力装置が、受動タッチ入力装置を規定する請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記タッチ入力装置に結合されたディスプレイと、
前記ディスプレイと前記タッチ入力装置とに結合されたホストプロセッサと、をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項18】
屈曲波振動を支持するように構成された基板と、
前記基板に結合されるとともに、前記基板内を伝播する振動を感知するように構成された複数のセンサと、
前記センサに結合されるとともに、前記基板へ通信されたタッチを示す感知振動からの情報を用いてタッチ場所を算出するように構成されたコントローラ電子機器と、
前記基板に結合される励起変換器であって、前記基板に励起振動を付与する少なくとも1つの励起変換器と、
前記センサと、前記コントローラと、前記励起変換器とに結合されたウェイクアップ回路であって、前記基板に付与されたタッチ振動に対する励起振動の応答を検出するとともに、意図的タッチを示す前記基板内を伝播する感知振動と非意図的タッチを示す前記基板内を伝播する感知振動とを識別するように構成され、前記意図的タッチを示す前記基板内を伝播する感知振動に応答して、ウェイクアップ信号を生成して前記ウェイクアップ信号を前記コントローラ電子機器に通信するように構成されたウェイクアップ回路と、を備えるタッチ入力装置。
【請求項19】
前記励起変換器が、曲げ変換器を備える請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記励起変換器が、慣性変換器を備える請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記複数のセンサのうちの少なくとも1つが、感知・励起変換器を規定する請求項18に記載の装置。
【請求項22】
前記複数のセンサが、少なくとも1つの励起変換器を備える請求項18に記載の装置。
【請求項23】
前記励起変換器が、圧電変換器を備える請求項18に記載の装置。
【請求項24】
前記励起変換器が、電気力学的変換器を備える請求項18に記載の装置。
【請求項25】
前記センサが、音響センサを備える請求項18に記載の装置。
【請求項26】
前記センサが、圧電センサを備える請求項18に記載の装置。
【請求項27】
前記コントローラ電子機器が、バスコントローラとプライマリ・プロセッサとを備え、前記ウェイクアップ回路が、前記バスコントローラに結合されている請求項18に記載の装置。
【請求項28】
前記バスコントローラが、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)コントローラを備え、前記プライマリ・プロセッサが、デジタル信号プロセッサ(DSP)を備える請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記コントローラ電子機器が、バスコントローラとプライマリ・プロセッサとを備え、前記ウェイクアップ回路が、前記意図的タッチを示す前記基板内を伝播する振動に応答して、前記ウェイクアップ信号を前記バスコントローラに通信し、前記バスコントローラが応答して休眠状態から動作状態に移行する請求項18に記載の装置。
【請求項30】
前記バスコントローラが休眠状態から動作状態に移行後、ウェイクアップ信号を前記プライマリ・プロセッサに通信し、前記プライマリ・プロセッサが応答して休眠状態から動作状態に移行する請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記ウェイクアップ回路が前記検出された応答を閾値と比較して、前記基板に付与された前記意図的タッチ振動と前記非意図的タッチ振動とを識別する請求項18に記載の装置。
【請求項32】
前記閾値が、前記意図的タッチ振動および前記非意図的タッチ振動の一方または両方に関連する周波数応答を表わす請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記閾値が、前記意図的タッチ振動および前記非意図的タッチ振動の一方または両方に関連する周波数の帯域を表わす請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記閾値が、前記意図的タッチ振動および前記非意図的タッチ振動の一方または両方に関連する振幅プロファイルを表わす請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記タッチ入力装置に結合されたディスプレイと、
前記ディスプレイと前記タッチ入力装置とに結合されたホストプロセッサと、をさらに備える請求項18に記載の装置。
【請求項36】
タッチ入力装置の基板内を伝播する屈曲波振動を感知し、
意図的タッチを示す前記基板内を伝播する感知振動と非意図的タッチを示す前記基板内を伝播する感知振動とを識別し、
前記意図的タッチを示す前記基板内を伝播する感知振動に応答して、ウェイクアップ信号を生成し、そして、
制御システムを休眠状態から動作状態に移行するために、前記ウェイクアップ信号を前記制御システムに通信するのを備える方法。
【請求項37】
前記制御システムがバスコントローラを備え、前記バスコントローラを休眠状態から動作状態に移行するために、前記ウェイクアップ信号が前記バスコントローラへ通信される請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記制御システムがバスコントローラとプライマリ・プロセッサとを備え、
前記バスコントローラを休眠状態から動作状態に移行するために、第1のウェイクアップ信号が前記バスコントローラに通信され、
前記プライマリ・プロセッサを休眠状態から動作状態に移行するために、第2のウェイクアップ信号が前記バスコントローラから前記プライマリ・プロセッサに通信される
請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記屈曲波振動を感知するステップが、受動的に行われる請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記屈曲波振動を感知するステップが、能動的に行われる請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記方法が、さらに前記基板に励起振動を付与するのを備え、前記屈曲波振動を感知するのが、前記基板に付与されたタッチ振動に対する前記励起振動の応答を検出するのを備える請求項36に記載の方法。
【請求項42】
意図的タッチ振動と非意図的タッチ振動とを識別するのが、前記感知された屈曲波振動を閾値と比較するのを備える請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記閾値が、前記意図的タッチ振動および前記非意図的タッチ振動の一方または両方に関連する周波数応答を表わす請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記閾値が、前記意図的タッチ振動および前記非意図的タッチ振動の一方または両方に関連する周波数の帯域を表わす請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記閾値が、前記意図的タッチ振動および前記非意図的タッチ振動の一方または両方に関連する振幅プロファイルを表わす請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記閾値が、前記意図的タッチ振動に関連する振幅の数分の一を表わす請求項42に記載の方法。
【請求項47】
意図的タッチ振動と非意図的タッチ振動とを識別するのが、前記タッチ振動に関連するピーク振幅を閾値と比較するのを備える請求項36に記載の方法。
【請求項48】
意図的タッチ振動と非意図的タッチ振動とを識別するのが、ピーク感知振幅の合計を閾値と比較するのを備える請求項36に記載の方法。
【請求項49】
前記屈曲波振動を感知するのが、前記屈曲波振動を音響的に感知するのを備える請求項36に記載の方法。
【請求項50】
前記屈曲波振動を感知するのが、前記屈曲波振動を圧電的に感知するのを備える請求項36に記載の方法。
【請求項51】
タッチ入力装置の基板内を伝播する屈曲波振動を感知する手段と、
意図的タッチを示す前記基板内を伝播する感知振動と非意図的タッチを示す前記基板内を伝播する感知振動とを識別する手段と、
前記意図的タッチを示す前記基板内を伝播する感知振動に応答して、ウェイクアップ信号を生成する手段と、
前記ウェイクアップ信号を制御システムに通信する手段であって、それにより前記制御システムが前記ウェイクアップ信号に応答して休眠状態から動作状態に移行するものと、を備えるタッチ入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−187076(P2011−187076A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−106372(P2011−106372)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【分割の表示】特願2006−533930(P2006−533930)の分割
【原出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】