挿入部操作装置
【課題】従来の内視鏡挿入装置において、術者は、挿入部に対する操作に対して慣れに時間を要し、操作が繁雑になってしまう虞が生じる。またこのような操作の繁雑さ、患者3の突発的な動きや、偶発的に生じた不可抗力によって、術者2にとっての挿入部10が意図しない動きをしてしまう虞が生じる。
【解決手段】本発明は、術者2が被検体である患者3の管腔内に進退(挿入、または抜去)される、または捻られる挿入部10を患者3に挿入する際に、挿入部10を保持し、挿入部10の挿入量(例えば進退量や捻れ量)を調整する挿入部操作装置本体30と、挿入部操作装置本体30を制御する制御ユニット50とを有し、術者2にとって操作性を損なうこと無く、術者2が挿入部10を意図するように簡易に挿入、抜去、捻ることができる挿入部操作装置1である。
【解決手段】本発明は、術者2が被検体である患者3の管腔内に進退(挿入、または抜去)される、または捻られる挿入部10を患者3に挿入する際に、挿入部10を保持し、挿入部10の挿入量(例えば進退量や捻れ量)を調整する挿入部操作装置本体30と、挿入部操作装置本体30を制御する制御ユニット50とを有し、術者2にとって操作性を損なうこと無く、術者2が挿入部10を意図するように簡易に挿入、抜去、捻ることができる挿入部操作装置1である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管腔内に対して進退動作、捻り動作される挿入部を操作する挿入部操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に例えば医療分野における装置において、内視鏡には、体腔(例えば管腔)に挿入する挿入部が設けられている。この装置は、体腔内に挿入部を挿入することで体腔内の観察や治療を行っている。
【0003】
このような挿入部を設けている内視鏡挿入装置が特許文献1に開示されており、以下に簡単に説明する。
この内視鏡挿入装置には、観察対象部位へ挿入させる挿入部と、挿入部外表面に形成された進退回動識別手段と、挿入部の進退回動識別手段上に進退回動可能に配置された操作部材と、操作部材に設けられ操作部材の挿入部に対する進退回動量を進退回動識別手段に基づいて検知する検知手段と、検知手段の検知信号に基づいて挿入部を進退回動させる駆動手段と、が設けられている。
【0004】
術者は、挿入部を進退させる際に、操作部材を挿入部に対してスライド(進退移動)させる。操作部材に設けられている検知手段は、進退回動識別手段に基づいて操作部材の進退量を検知する。検知手段は、検知したこの検知信号を駆動手段に送信し、駆動手段は、この検知信号に基づいて挿入部を観察対象部位に挿入または抜き出し(進退)させる。
【0005】
また術者は、挿入部を回動させる際に、操作部材を挿入部に対してスライド(回動移動)させる。操作部材に設けられている検知手段は、進退回動識別手段に基づいて操作部材の回動量を検知する。検知手段は、検知したこの検知信号を駆動手段に送信し、駆動手段は、この検知信号に基づいて挿入部を回動させる。
【0006】
このように術者が挿入部を進退移動、または回動させる際に、内視鏡挿入装置は、進退回動識別手段を介して検知手段に操作部材の進退動作、または駆動動作を読み取らせ(検知させ)、この検知結果によって挿入部を進退、または回動させている。
【特許文献1】特開2000−107123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した特許文献1に開示されている内視鏡挿入装置は、操作部材を操作することで間接的に挿入部を進退、または回動させている。これにより術者によっては、操作に対して慣れに時間を要し、実際に手動操作にて挿入させる方法とは操作感が異なるために操作が繁雑になってしまう虞が生じる。
【0008】
そのため本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、簡易な操作機構であり、術者にとっての操作性を損なうことの無い挿入部操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は目的を達成するために、管腔に対して進退される、または捻られる際に操作される内視鏡の挿入部に加えられる操作量を検出する検出部と、前記検出部によって検出された前記操作量に応じて、前記管腔に対する前記挿入部の進退、または捻りの前記操作を制御する制御部と、を具備することを特徴とする挿入部操作装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な操作機構であり、術者にとっての操作性を損なうことの無い挿入部操作装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1乃至図17を参照して第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における挿入部操作装置を使用する際の概略斜視図である。図2は、図1に示した挿入部操作装置の概略側面図である。図3は、図1に示した挿入部操作装置の概略正面図である。図4は、図3に示す回動部を回動させた際の挿入部操作装置本体の概略正面図である。図5は、図3に示す回動部を回動させた際の挿入部操作装置本体の概略上面図である。図6は、図3に示す挿入部操作装置本体に挿入部を挿入させた際の挿入部操作装置の概略上面図である(回動部は図示せず)。図7は、保持機構の概略斜視図である。図8は、図6に示す保持機構のA−A概略断面図である。図9は、力センサの概略斜視図である。図10は、図6に示す挿入部操作装置のB−B概略断面図である。図11Aは、挿入部操作装置本体の内部を示す概略斜視図(挿入部、ローラ対、回転量センサ、保持機構対の位置関係を示す)概略斜視図である。図11B、図11Cは、ローラ対の変形例である。図12は、図6に示す挿入部操作装置本体のC−C概略断面図である。図13は、本実施形態の制御機構を概略的に示した制御図である。図14A乃至図14Dは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。図15は、患者から挿入部を抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。図16は、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。図17A乃至図17Cは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【0012】
なお本実施形態において挿入部10が進退(挿入、または抜去)する方向をX軸方向、X軸方向に対して直交する方向(摩擦付勢部材38が挿入部10を付勢する方向)をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直行する方向をZ軸方向する。
【0013】
図1、図2を参照して挿入部操作装置1について説明する。
図1に示すように挿入部操作装置1には、主要部として術者2が挿入対象部である患者3の管腔内に進退(挿入、または抜去)される、または捻れる(回転させる)軟性の挿入体である例えば細長いチューブといった内視鏡の挿入部10を患者3に例えば挿入する際に、挿入部10を保持し、挿入部10の操作量(例えば進退量や捻れ量)に応じて挿入部10の操作(例えば進退や捻れ)を調整する挿入部操作装置本体30と、挿入部操作装置本体30を制御する制御ユニット50が設けられている。また内視鏡の挿入部10の基端(一端)部の手元側には、図示しないスイッチを有する操作部70が設けられている。操作部70の他端は、図示しない光源装置や患者3に挿入された挿入部10によって撮影された画像を表示する図示しないモニタと接続している。
【0014】
挿入部10は、術者2に把持されることで、患者3に対して進退(挿入及び抜去)、捻られる。
【0015】
挿入部操作装置本体30は、挿入部10が挿入される対象である例えば患者3がのせられる第1の配置部材である例えばベッド4の患者3の近傍に移動自在に配置することができる。詳細には、挿入部操作装置本体30は、患者3の近傍、且つベッド4上に配置されていることが好適である。また図1、図2に示すように患者3が、頭部3aを第2の配置部材である枕5に載置している場合、挿入部操作装置本体30は、枕5上、且つ患者3の近傍に配置されていることが好適である。
【0016】
制御ユニット50は、挿入部操作装置本体30とは別体で構成されており、挿入部操作装置本体30と同様にベッド4に配置されていても良いが、図1、図2に示すようにベッド4の脇やベッド4の脚の間のように挿入部操作装置本体30よりも鉛直方向下方に置かれていることが好適である。これにより挿入部操作装置本体30周辺にはより多くにスペースが設けられるために、術者2は、挿入部10に対する操作操作性を確保することができる。
【0017】
なお制御ユニット50は、挿入部操作装置1における制御部であり、後述する第1の検出部である力センサ39、第2の検出部である回転量センサ41、第3の検出部である回転量センサ42、挿入部10を保持する保持機構対31は、挿入部操作装置本体30に含まれる。
【0018】
次に図3乃至図12を参照して挿入部操作装置本体30について詳細に説明する。
図3乃至図6に示すように挿入部操作装置本体30には、挿入部10を保持する保持機構対31(保持機構31a,31b)と、挿入部10が患者3に対して挿入、または抜去される際に、挿入部10に直接接触して回転する回転部であるローラ対32(ローラ32a,32b)と、挿入部10が術者2によって捻られた際に、挿入部10に直接接触して回転する回転部であるローラ対33(ローラ33a,33b)と、挿入部操作装置本体30に対して回動する回動部34が設けられている。また回動部34には、ローラ対33の片方(33b)が設けられている。ローラ対32,33は、挿入部10に直接接触する接触部でもある。
【0019】
図4に示すように回動部34は、支点34aを中心に回動する。回動部34が回動し、接点35が接地部36から離れた際に、保持機構対31の両対間の空間とローラ対32の両対間の空間が上方に向けて連通するため挿入部10がローラ対33の一方(ローラ33a)に載置される。これにより挿入部10は、保持機構対31の両対に挟まれた空間に配置され、ローラ32a及びローラ32bに挟まれる。また回動部34が回動し、接点35が接地部36に接地すると、挿入部10は、さらにローラ33a及びローラ33bに挟まれる。挿入部10は、X軸方向を中心に捻り可能、X軸方向に沿って進退可能である。挿入部10が、保持機構対31に挟まれた際の状態については後述する。
【0020】
次に図7、図8を参照して保持機構対31について説明する。
ここでは保持機構31aと保持機構31bの構成は同様であるために保持機構31bについてのみ説明する。
保持機構31bには、モータ37と、モータ37が駆動した際に回転するネジ部40と、ネジ部40のヘッド部48に配置されている第1の検出部である力センサ39と、力センサ39に当接している摩擦付勢部材38が設けられている。
【0021】
ネジ部40のヘッド部48は図示しないが回転方向の動きを規制されており、ネジ部40が回転する際には、ネジ部40の軸に沿って進退する。モータ37が駆動した際に、ネジ部40が回転し、ヘッド部48がネジ部40の軸に沿って進退することにより力センサ39と、摩擦付勢部材38は、Y軸方向に沿って移動する。移動した際に、摩擦付勢部材38は、挿入部10に直接接触して付勢する。このように摩擦付勢部材38は、挿入部10に直接接触する接触部でもある。
【0022】
保持機構対31は、モータ37を駆動させ、摩擦付勢部材38を挿入部10に付勢させることで挿入部10を保持する。摩擦付勢部材38は、モータ37によって挿入部10を付勢する力が調整される。
【0023】
力センサ39は、摩擦付勢部材38が挿入部10を付勢する際の付勢力を検出し、付勢した際に挿入部10が進退、または捻られた際に挿入部10と摩擦付勢部材38に生じる摩擦力から挿入部10が挿入された際に生じる挿入力、挿入部10が抜去された際に生じる抜去力、挿入部10が回転された際に生じる回転力(捻り力)を検出する。
【0024】
挿入力、抜去力、捻り力は、挿入部10に直接加えられる操作量に応じて異なる。そのため力センサ39は、挿入力、抜去力、捻り力から挿入部10に直接加えられる操作量を検出する。このように力センサ39は、摩擦付勢部材38を介して間接的に挿入部10に接触して操作量を検出する。
【0025】
図9に示すように挿入部10の進退方向(X軸方向)に挿入力、抜去力が生じ、摩擦付勢部材38が挿入部10を付勢する方向(Y軸方向)に付勢力が生じ、挿入部10を捻る方向に捻り力が生じる。
【0026】
また図10乃至図12に示すようにローラ対32において、ローラ32a,32bのどちらか一方には、ローラの回転量(例えば回転速度、回転角度、角加速度)を検出する第2の検出部である回転量センサ41が設けられている。本実施形態ではローラ32aと同軸上に回転量センサ41が設けられている。また図11Aに示すようにローラ対33において、ローラ33a,33bのどちらかには一方には、ローラ対33の回転量を検出する第3の検出部である回転量センサ42が設けられている。本実施形態ではローラ33aと同軸上に回転量センサ42が設けられている。
【0027】
また図11Aに示すようにローラ33a、回転量センサ42は、支持部材47によって支持されている。なお図示はしていないがローラ33b、保持機構対31も支持部材47によって支持されている。
【0028】
なおローラ対32の外周面には、軸方向(Z軸方向)に平行に溝28が形成されている。またローラ対33の外周面には、軸方向(X軸方向)に平行に溝29が形成されている。これにより軸方向の摩擦よりも周方向の摩擦が大きくなる。挿入部10が進退する際、ローラ対32の周方向の摩擦により大きな進退力が挿入部10に与えることができる。またローラ対33において、溝29は進退方向に対して平行に形成されている。よって進退方向において、ローラ対33と挿入部10には、大きな摩擦力を発生せず、進退時の障害にはならない。捻る際は逆になる。なお溝28、溝29は、他の図においては図示せずに省略している。
【0029】
なお本実施形態ではローラ対32,33の表面に溝28,29を設けたがこれに限定する必要は無い。例えばローラ33bには、図11Bに示すように軸方向(X軸方向)に平行な複数の突起部26を設けても良い。またローラ33bには、例えば図11Cに示すように軸方向(X軸方向)に平行な複数の凸凹部27を設けても良い。もちろんこれらを組み合わせても良い。このように挿入部10が進退、または捻られる際に、大きな摩擦力を発生せず、障害にならず、大きな進退力、又は捻り力が挿入部10に与えることができればローラ対32,33に設けられる部材は、限定はされない。
【0030】
図12に示すようにローラ32a、ローラ32bは、それぞれ支持部材44によって支持されている。この支持部材44には、付勢部材である例えばバネ43が設けられている。このバネ43は、挿入部操作装置本体30に取り付けられている。バネ43は、支持部材44を付勢する。これによりローラ32aと、ローラ32bは、バネ43によって生じる付勢力によって挿入部10を狭持する。なおバネ43は他図では簡略化のために図示を省略している。
【0031】
ローラ32a,33aの回転量は、挿入部10に直接加えられる操作量に応じて異なる。そのため回転量センサ41,42は、ローラ32a,33aの回転量から挿入部10に直接加えられる操作量を検出する。このように回転量センサ41,42は、ローラ32a,33aを介して間接的に挿入部10に接触して操作量を検出する。
次に図13を参照して本実施形態の制御機構について説明する。
制御ユニット50には、制御コントローラ51と、入出力ボード52、第1のアンプ53、エンコーダ54が設けられている。
制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37の駆動を制御する。
【0032】
入出力ボード52には、挿入部10が進退移動した際に、回転量センサ41によって検出されたローラ対32の回転量と、挿入部10が捻られた際に、回転量センサ42によって検出されたローラ対33の回転量と、モータ37が回転した際に、エンコーダ54によって検出されたモータ37の回転量(エンコーダ値)と、力センサ39によって検出された摩擦付勢部材38による付勢力と、力センサ39によって検出された挿入部10の挿入力と抜去力と捻り力が入力される。入出力ボード52に入力されたこれら回転量、付勢力、挿入力、抜去力、捻り力は、制御コントローラ51に入力される。
【0033】
なお制御コントローラ51は、上述したようにローラ対32の回転量から挿入部10の進退量と、ローラ対33の回転量から挿入部10の捻れ量を算出する。
【0034】
制御コントローラ51は、モータ37のエンコーダ値を参照しながら矢印にて示す摩擦付勢部材38に付勢力が一定になるように入出力ボード52を介して第1のアンプ53によって回転信号を増減幅させて、上述したようにモータ37の駆動を制御する。これにより一定の付勢力によって挿入部10が保持機構対31によって保持される。なお矢印にてしめす付勢力は、上述したように力センサ39によって検出され、制御コントローラ51に入力される。
【0035】
また制御コントローラ51には、判別部55(詳細については後述する)、所定の範囲である第1の設定値α、第2の設定値βを予め設定する設定部56が設けられている。第1の設定値α、第2の設定値βは、任意に設定可能である。
【0036】
次に図14A、図14B、図14C、図14Dを参照して患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作について説明する。
上述したように回動部34が回動し、接点35が接地部36から離れた際に、挿入部操作装置本体30は、開口するために上方より挿入部10がローラ33aに載置される。これにより挿入部10は、保持機構対31に挟まれて保持され、ローラ対32に挟まれる。また回動部34が回動し、接点35が接地部36に接地すると、挿入部10は、さらにローラ対33に挟まれる。その際、制御コントローラ51は、保持動作を制御する。つまり制御コントローラ51は、上述したように付勢力が一定になるようにモータ37を駆動させ、摩擦付勢部材38を挿入部10に付勢(締め付け)させる。これにより制御コントローラ51は、保持機構対31に挿入部10を保持させる(挿入部10は、一定の付勢力によって挿入部操作装置本体30に保持される)。
【0037】
この状態で図14Aに示すように術者2が、挿入部10を患者3に挿入させると、保持機構対31と挿入部10の間には挿入力が生じる。力センサ39は、この挿入力を検出する。検出された挿入力は、入出力ボード52に出力される。挿入力が第1の設定値αに達するまでは、摩擦付勢部材38によって挿入部10は、付勢されている。
【0038】
術者2が、挿入部10を患者3にさらに挿入させることで、挿入力が設定部56によって予め設定された第1の設定値αを越えた場合、制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させる。これにより制御コントローラ51は、図14Bに示すように摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)を開放する。術者2が、挿入部10を患者3にさらに挿入させると、挿入部10が患者3に向かって容易に進む。
【0039】
このとき、ローラ対32は、挿入部10との摩擦により回転する。回転しているローラ32aの同軸に設けられている回転量センサ41は、ローラ32aの回転量を入出力ボード52を介して制御コントローラ51に出力する。この回転量とは、上述したように例えば回転速度、回転角度、角加速度である。判別部55は、この回転量を検出することで、挿入部10の進退状態を判別することができる。詳細には、図14Bに示すように本実施形態ではローラ32aが時計回り、ローラ32bが反時計回りに回った際には、挿入部10が挿入されている(以下、挿入部10が挿入される際にローラ32a,32bが回転する方向を正回転とする)と判別部55は、判別する。また本実施形態ではローラ32aが反時計回り、ローラ32bが時計回りに回った際には、挿入部10が抜去されている(以下、挿入部10が抜去される際にローラ32a,32bが回転する方向を負回転とする)と判別部55は、判別する。これにより上述したように制御コントローラ51は、回転量から挿入部10の進退量を算出することも可能である。またローラ32aの回転量(例えば回転速度θ)が、第2の設定値βを超えている場合、上述したように摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)状態は、開放した状態を維持している。
【0040】
術者2が、患者3に対する挿入部10の挿入を止める(挿入力が0になる)と、図14Cに示すようにローラ32aの回転量(例えば回転速度θ)が、低下する。このローラ32aの回転量が第2の設定値βを下回ったと判別部55が判別した場合、判別結果を受けて制御コントローラ51は、挿入部10の挿入力が0になったとみなす。その際、制御コントローラ51は、保持動作を制御する。つまり制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させて、摩擦付勢部材38を挿入部10に付勢(締め付け)させる。
【0041】
図14Dに示すように図14Aと同様に挿入部10は、再び摩擦付勢部材38によって付勢(締め付け)され、保持機構対31によって挟まれて保持される。これにより制御コントローラ51は、保持機構対31に挿入部10を保持させ、保持機構対31による挿入部10の保持状態が維持される。
【0042】
なお術者2が、挿入部10を患者3から抜去させる場合、挿入時と同様に、図15に示すように保持機構対31と挿入部10の間には抜去力が生じる。力センサ39は、この抜去力を検出する。検出された抜去力は、入出力ボード52に出力される。この場合も挿入する時と同様に抜去力が第1の設定値αに達するまでは、摩擦付勢部材38によって挿入部10は、付勢されている。
【0043】
術者2が、挿入部10を患者3からさらに抜去させることで抜去力が第1の設定値αを越えた場合、制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させる。これにより制御コントローラ51は、図14Bに示すように摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)を開放する。また術者2が、挿入部10を患者3にさらに抜去させると、挿入部10が患者3から容易に抜き出される。
【0044】
術者2が、患者3に対する挿入部10の抜去を止めた後の動作は、上述した術者2が、患者3に対する挿入部10の挿入を止めた後の動作と同一のためここでは省略する。
【0045】
次に患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作について図16に示すフローチャートを参照して説明する。
判別部55は、挿入力が第1の設定値αを越えたか否かを判別する(Step1)。挿入力が第1の設定値αを越えていると、判別部55が判別した場合(Step1:Yes)、制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させる。これにより摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)が開放され、保持機構対31による挿入部10の保持状態が開放される(Step2)。この状態において、上述したようにローラ対32は、挿入部10との摩擦により回転する。回転量センサ41は、ローラ32aの回転量(例えば回転速度θ)を入出力ボード52を介して制御コントローラ51に出力する。その際、判別部55は、回転量が第2の設定値βを越えたか否かを判別する(Step3)。この回転量が第2の設定値βを越えていると、判別部55が判別した場合(Step3:Yes)、挿入部10が挿入されているとみなし、Step2に戻り、摩擦付勢部材38による挿入部10への開放状態が維持される。回転量が第2の設定値βを低下していると、判別部55が判別した場合(Step3:No)、制御コントローラ51は、術者2が患者3に対して挿入部10の挿入をとめた(挿入力が0になった)とみなす。その際、制御コントローラ51は、保持動作を制御する。つまり制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させ、摩擦付勢部材38を挿入部10に付勢(締め付け)させる。これにより制御コントローラ51は、保持機構対31に挿入部10を保持させ、保持機構対31による挿入部10の保持状態が維持される(Step4)。これにより動作を終了する。なお挿入力が第1の設定値αを低下していると、判別部55が判別した場合(Step1:No)、Step4に進む。
【0046】
なお患者3から挿入部10を抜去させる際の挿入部操作装置本体30の動作についてのフローチャートは、図16における挿入力が抜去力に代わっているのみのため省略する。
【0047】
次に図17A、図17B、図17Cを参照して挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作について説明する。
【0048】
挿入部10が、挿入部操作装置本体30に、保持されるまでの動作は上述したため省略する。
【0049】
この状態で図17Aに示すように術者2が、挿入部10を捻ると、保持機構対31と挿入部10の間には捻り力が生じる。力センサ39は、この捻り力を検出する。検出された捻り力は、入出力ボード52に出力される。
【0050】
術者2が、挿入部10をさらに捻ることで捻り力が第1の設定値αを越えた場合、制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させる。これにより図17Bに示すように摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)が開放され、保持機構対31による挿入部10の保持状態が開放される。この状態において術者2は、挿入部10を容易に捻ることが可能である。
【0051】
このとき、ローラ対33は、挿入部10との摩擦により回転する。回転しているローラ33aの同軸に設けられている回転量センサ42は、ローラ33aの回転量を入出力ボード52を介して制御コントローラ51に出力する。この回転量とは、例えば回転速度、回転角度、角加速度である。判別部55は、この回転量を検出することで、挿入部10の捻れ方向(図17Aにおける時計回りか反時計回りか)を判別することができる。詳細には、ローラ33aが反時計回りに回った際には、挿入部10が時計回りに捻られていると判別部55は判別する。ローラ33aが時計回りに回った際には、挿入部10が反時計回りに捻られていると判別部55は判別する。またローラ33aの回転量(例えば回転速度θ)が、第2の設定値βを超えている場合、上述したように摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)状態は、開放した状態を維持している。
【0052】
術者2が、挿入部10の捻れを止めると、ローラ33aの回転量(例えば回転速度θ)が、低下する。このローラ33aの回転量が第2の設定値βを下回ったと判別部55が判別した場合、制御コントローラ51は、術者2が挿入部10の捻じりを止めた(挿入部10の捻り力が0になった)とみなす。その際、制御コントローラ51は、上述したように挿入時と同様に保持動作を制御する。つまり制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させ、摩擦付勢部材38を挿入部10に付勢(締め付け)させる。これにより制御コントローラ51は、図17Cに示すように保持機構対31に挿入部10を保持させ、保持機構対31による挿入部10の保持状態が維持される。なお捻り力が第1の設定値αを低下していると、判別部55が判別した場合、保持機構対31による挿入部10の保持状態が維持される。
【0053】
なお挿入部10を捻る際の挿入部操作装置本体30の動作についてのフローチャートは、図16における挿入力が捻り力に代わっているのみのため省略する。
【0054】
このように本実施形態は、挿入部10を進退、または捻る際に、挿入力、抜去力、捻り力が第1の設定値αを越えたか否かを判別し、超えていた場合に保持機構対31による保持状態を開放させる。超えていない場合には制御コントローラ51は、保持動作を制御することで、保持機構対31により保持させて、挿入部10の動きを固定させている。これにより、本実施形態は、第1の設定値αより低い例えば患者3の突発的な動きや、偶発的に生じた不可抗力によって、術者2にとっての挿入部10の意図しない動きを防止することができる。よって本実施形態は、簡易な操作機構によって術者2にとっての操作性を損なうこと無く、また術者2が挿入部10を意図するように簡易に挿入、抜去、捻ることができる。
【0055】
また本実施形態において、挿入部10を進退、または捻っている際に、挿入力、抜去力、捻り力が第2の設定値βよりも低下した場合、再び保持機構対31により保持させて、挿入部10の動きを固定させている。これにより本実施形態は、自動的に挿入部10が動かないように固定されているために、例えば術者2が挿入、抜去、捻れを終えた後に、上述したように術者2にとっての挿入部10の意図しない動きを防止することができる。
【0056】
また本実施形態は、挿入部操作装置本体30を枕5に配置することで、挿入部10を患者3に挿入する際の挿入口である例えば口から枕5までの高さと挿入部操作装置本体30を挿通した挿入部10と枕5までの高さを略同一高さにすることができる。これにより術者2は、挿入部10をスムーズに管腔内に挿入することができる。
【0057】
なお本実施形態において、図18に示すように摩擦付勢部材38は、挿入部操作装置本体30から着脱可能である。例えば術者2が患者3の体内から挿入部10を抜去させた際に、挿入部10には、患者3の体液や粘液が付着していることがある。そのため挿入部10を介してこの体液や粘液が摩擦付勢部材38に付着することがある。そのため、本実施形態では摩擦付勢部材38を着脱可能とすることで、術者2は体液や粘液が付着する部分のみを取り外して洗浄することができる。これにより本実施形態は、クリーンな摩擦付勢部材38を再利用することができる。またネジ部40には、防水部材45が設けられている。防水部材45は、摩擦付勢部材38を洗浄した際に水滴等がモータ37、支持部材49に付着することを防止する。また摩擦付勢部材38は、洗浄せずに使い捨てにしても良い。
【0058】
また同様の理由により図19に示すようにローラ32aも挿入部操作装置本体30から着脱可能である。また防水部材45が回転量センサ41の軸部46に設けられている。防水部材45は、洗浄した際に水滴等が回転量センサ41、支持部材44に付着することを防止する。
【0059】
また図示はしないがローラ33aも挿入部操作装置本体30から着脱可能である。また防水部材45が回転量センサ42の軸部に設けられている。防水部材45は、洗浄した際に水滴等が回転量センサ42、支持部材47に付着することを防止する。
【0060】
また本実施形態は、ローラ32b、ローラ33bも挿入部操作装置本体30から着脱可能とすることで、取り外した際に例えば洗浄すること、又は未使用のものと交換することができ、いつでもクリーンなローラ対32,33を使用することができる。
【0061】
なお本実施形態において挿入部10に直接接触する摩擦付勢部材38、ローラ対32,33のみを挿入部操作装置本体30から着脱可能としたがその他の挿入部10に接触する接触部を、着脱可能にする構成にしても構わない。
【0062】
次に図20乃至図23を参照して本発明に関わる第2の実施形態について詳細に説明する。前述した第1の実施形態と同一部位については同符合を付し、その詳細な説明は省略する。
図20は、本実施形態の特徴部を示す図であり、挿入部操作装置本体の内部の配置関係を示す(挿入部、ローラ対、回転量センサ、保持機構対、モータの位置関係を示す)概略斜視図である。図21は、本実施形態の制御機構を概略的に示した制御図である。図22A乃至図22Cは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。図23は、患者に挿入部を挿入させる、または挿入部を抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。
【0063】
本実施形態における挿入部操作装置本体30以外の構成は、上述した第1の実施形態と同様であるためにその詳細な説明については省略する。
【0064】
図20に示すようにローラ対32において、ローラ32aを回転させる駆動部であるモータ60が設けられている。このモータ60は、挿入部10が進退する際に、ローラ32aを回転させることで挿入部10の進退動作を補助する補助部でもある。ローラ32a、モータ60、回転量センサ41は、同軸上に配置されている。なおモータ60は、ローラ32bを回転させても良い。つまりモータ60は、ローラ32a,32bの少なくとも一方を回転させればよい。
【0065】
またローラ対33にも同様にローラ33aを回転させる駆動部であるモータ61が設けられている。このモータ61は、挿入部10が捻れる際に、ローラ33aを回転させることで挿入部10の捻り動作を補助する補助部でもある。ローラ33a、モータ61、回転量センサ42は、同軸上に配置されている。なおモータ61は、ローラ33bを回転させても良い。つまりモータ61は、ローラ33a,33bの少なくとも一方を回転させればよい。
【0066】
次に図21を参照して本実施形態の制御機構について説明する。
本実施形態の制御機構の構成には、前述した第1の実施形態の制御機構の構成に第2のアンプ57と、第3のアンプ58が加えられている。
【0067】
本実施形態の制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37の駆動を制御する。同様に入出力ボード52、第2のアンプ57を介してモータ60の駆動を制御する。同様に入出力ボード52、第3のアンプ58を介してモータ61の駆動を制御する。
【0068】
入出力ボード52には、挿入部10が進退移動した際に、回転量センサ41によって検出されたローラ対32の回転量と、挿入部10が捻られた際に、回転量センサ42によって検出されたローラ対33の回転量と、モータ37が回転した際に、エンコーダ54によって検出されたモータ37の回転量(エンコーダ値)と、力センサ39によって検出された摩擦付勢部材38による付勢力と、力センサ39によって検出された挿入部10の挿入力と抜去力と捻り力が入力される。入出力ボード52に入力されたこれら回転量、付勢力、挿入力、抜去力、捻り力は、制御コントローラ51に入力される。
【0069】
なお制御コントローラ51は、ローラ対32の回転量から挿入部10の進退量と、ローラ対33の回転量から挿入部10の捻れ量を算出することも可能である。
【0070】
制御コントローラ51は、モータ37のエンコーダ値を参照しながら矢印にて示す付勢力が一定になるように入出力ボード52を介して第1のアンプ53によって回転信号を増減幅させて、上述したようにモータ37の駆動を制御する。これにより一定の付勢力によって挿入部10が保持機構対31によって保持される。なお矢印にてしめす付勢力は、上述したように力センサ39によって検出され、制御コントローラ51に入力される。また制御コントローラ51は、入出力ボード52から入力されたこれら回転量、付勢力、挿入力、抜去力、捻り力に基づいて入出力ボード52を介して第2のアンプ57によって回転信号を増減幅させて、モータ60の駆動を制御する。これにより挿入部10は、モータ60によって進退動作を補助される。同様に制御コントローラ51は、第3のアンプ58によって回転信号を増減幅させて、モータ61の駆動を制御する。これにより挿入部10は、モータ61によって捻り動作を補助される。
【0071】
次に図22A、図22B、図22Cを参照して患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作について説明する。
挿入部10が、挿入部操作装置本体30に、保持されるまでの動作は上述した第1の実施形態と同様であるため省略する。
この状態で図22Aに示すように術者2が、挿入部10を患者3に挿入させると、保持機構対31と挿入部10の間には挿入力が生じる。力センサ39は、この挿入力を検出する。検出された挿入力は、入出力ボード52に出力される。挿入力が第1の設定値αに達するまでは、摩擦付勢部材38によって挿入部10は、付勢されている。
【0072】
術者2が、挿入部10を患者3にさらに挿入させることで挿入力が第1の設定値αを越えた場合、制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させる。これにより制御コントローラ51は、図22Bに示すように摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)を開放する。
【0073】
このとき、ローラ対32は、挿入部10との摩擦により回転する。回転しているローラ32aの同軸に設けられている回転量センサ41は、ローラ32aの回転量を入出力ボード52を介して制御コントローラ51に出力する。この回転量とは、例えば回転速度、回転角度、角加速度である。判別部55は、この回転量を検出することで、挿入部10の進退状態を判別することができる。詳細には、ローラ対32が正回転している場合、挿入部10が挿入されていると、判別部55は、判別する。ローラ対32が負回転している場合、挿入部10が抜去されていると、判別部55は、判別する。
【0074】
その際、制御コントローラ51は、挿入動作または抜去動作に対する補助動作を制御する。挿入部10が挿入されることでローラ32aが回転している際に、ローラ32aの回転量(例えば回転速度θ)が、予め設定部56に設定された一定値θ1と常に同一になるように、制御コントローラ51は、入出力ボード52を介して第2のアンプ57に指示を出力する。第2のアンプ57は、回転速度θを一定値θ1と同一にさせるようにモータ60を駆動させる。このように制御コントローラ51は、挿入部10の挿入動作、または抜去動作をモータ60によって補助する。なお本実施形態は、第2のアンプ57をトルク制御用アンプとすることで、制御コントローラ51にて指示したトルクにてモータ60を駆動させることができる。
なお制御コントローラ51は、上述したように捻り動作に対する補助動作も制御する。制御コントローラ51は、挿入部10の捻り動作をモータ61によって補助する。
【0075】
なお術者2が、患者3に対する挿入部10の挿入を止めても(挿入力が0の状態)、ローラ32aの回転量(例えば回転速度θ)が上述した一定値θ1になるように制御コントローラ51がモータ60に与えるトルクをトルクT0とする。このトルクT0は、任意に設定可能である。制御コントローラ51は、このトルクT0を常に記憶している。また術者2が、患者3に対して挿入部10を挿入させる(挿入力が加わる)と、このトルクT0に挿入力が加わる。その際、トルクT0と挿入力の和によって、ローラ32aの回転量(例えば回転速度θ)が上述した一定値θ1になるように、制御コントローラ51は、トルクT0からトルクTに落とす必要がある。挿入力が大きいほどトルクTは小さくて済む。これにより判別部55は、トルクTがトルクT0よりも小さいか否かを判別することで、術者2が挿入部10を挿入させている状態が維持されているか否かを判別する。
【0076】
またトルクTが大きくなりトルクT0と略同一になると、術者2が、患者3に対する挿入部10の挿入を止めた(挿入力が0になる)と、判別部55は判別する。この場合、図22Cに示すように制御コントローラ51は、入出力ボード52を介してモータ60の駆動を停止させてローラ32aの回転を停止させる。また制御コントローラ51は、入出力ボード52を介してモータ37を駆動させる。挿入部10は、再び摩擦付勢部材38によって付勢(締め付け)され、保持機構対31によって挟まれて保持される。これにより挿入部10は、挿入部操作装置本体30に保持される。
【0077】
なお術者2が、挿入部10を患者3から抜去させる際の挿入部操作装置本体30の動作は、図22A乃至図22Cにおける挿入力が抜去力に代わっているのみのため省略する。
【0078】
また術者2が、挿入部10を捻る際の挿入部操作装置本体30の動作は、図22A乃至図22Cにおける挿入力が捻り力に代わっているのみのため省略する。
【0079】
次に患者に挿入部を挿入させる、または患者から挿入部を抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作について図23に示すフローチャートを参照して説明する。
【0080】
判別部55は、挿入力、または抜去力が第1の設定値αを越えたか否かを判別する(Step11)。挿入力、または抜去力が第1の設定値αを越えていると、判別部55が判別した場合(Step11:Yes)、制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させる。これにより摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)が開放され、保持機構対31による挿入部10の保持状態が開放される(Step12)。この状態において、上述したようにローラ対32は、挿入部10との摩擦により回転する。回転しているローラ32aの同軸に設けられている回転量センサ41は、ローラ32aの回転量を入出力ボード52を介して制御コントローラ51に出力する。その際、判別部55は、回転量からローラ32aが正回転しているか否かを判別する(Step13)。ローラ32aが正回転していると、判別部55が判別すれば(Step13:Yes)、挿入部10が挿入されているとみなす。その際、上述したように制御コントローラ51は、モータ60によって挿入部10の挿入動作を補助する(Step14)。ローラ32aが正回転していると、判別部55が判別しなければ(Step13:No)、制御コントローラ51は、ローラ32aが負回転しているとみなし、挿入部10が抜去されているとみなす。その際、上述したように制御コントローラ51は、モータ60によって挿入部10の抜去動作を補助する(Step15)。
【0081】
次に判別部55は、トルクTがトルクT0より小さいか否かを判別する(Step16)。トルクTがトルクT0より小さいと、判別部55が判別した場合、Step12に戻り、摩擦付勢部材38による挿入部10への開放状態が維持される。トルクTがトルクT0と略同一であると、判別部55が判別した場合(Step16:No)、制御コントローラ51は、挿入力または抜去力が0になったとみなす。この場合、制御コントローラ51は、入出力ボード52、第2のアンプ57を介してモータ60の駆動を停止させてローラ32aの回転を停止させる(Step17)。これにより制御コントローラ51は、挿入部10の挿入動作、または抜去動作の補助を終了する。
【0082】
また第1の実施形態と同様に制御コントローラ51は、保持動作を制御する。つまり制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させ、摩擦付勢部材38を挿入部10に付勢(締め付け)させる。これにより制御コントローラ51は、保持機構対31に挿入部10を保持させ、保持機構対31による挿入部10の保持状態が維持される(Step18)。これにより動作を終了する。なお挿入力、または抜去力が第1の設定値αを低下していると、判別部55が判別した場合(Step11:No)、Step18に進む。
【0083】
なお挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作についてのフローチャートは、図23における挿入力、抜去力が、捻り力に代わっているのみのため省略する。なおこの場合、回転量センサ42によって挿入部10の捻れ方向(時計回りに回転しているか反時計回りに回転しているか)が検出され、捻れ動作がモータ61によって補助される。またモータ61に与えられるトルクを上述と同様にトルクT0とする。上述したように判別部55は、トルクTがトルクT0よりも小さいか否かを判別することで、術者2が挿入部10を捻っているか否かを判別する。トルクTがトルクT0よりも小さい場合、上述したように制御コントローラ51は、保持機構対31に挿入部10を保持させ、保持機構対31による挿入部10の保持状態が維持される。
【0084】
このように本実施形態は、第1の実施形態と同様に挿入部10を進退、または捻る際に、挿入力、抜去力、捻り力が第1の設定値αを越えたか否かを判別し、超えていた場合に保持機構対31による保持状態を開放させる。超えていない場合には制御コントローラ51は、保持動作を制御することで、保持機構対31により保持させて、挿入部10の動きを固定させている。これにより、本実施形態は、第1の設定値αより低い例えば患者3の突発的な動きや、偶発的に生じた不可抗力によって、術者2にとっての挿入部10の意図しない動きを防止することができる。よって本実施形態は、簡易な操作機構によって術者2にとっての操作性を損なうこと無く、また術者2が挿入部10を意図するように簡易に挿入、抜去、捻ることができる。
【0085】
また本実施形態における判別部55は、保持機構対31による付勢を開放させている際に、ローラ対32の回転方向から挿入部10の進退方向(挿入されているか、抜去されているかを)、ローラ対33の回転方向から捻りの回転方向を判別している。本実施形態は、この判別結果からモータ60,61を駆動させることで挿入部10の進退動作及び捻り動作を補助することができる。これにより術者2は、挿入部10を意図するように簡易に挿入、抜き出し、回転させることができる。
【0086】
次に図24乃至図30を参照して本発明に関わる第3の実施形態について詳細に説明する。前述した第1の実施形態と同一部位については同符合を付し、その詳細な説明は省略する。なお本実施形態では、制御ユニット50と操作部70の構成は前述した第1の実施形態と同様であるために図示せず、また詳細な説明についても省略する。
図24は、本実施形態における挿入部操作装置を使用する際の概略斜視図である。図25は、図24に示した挿入部操作装置本体を患者側から見た際の概略正面図である。図26は、図24に示した挿入部操作装置本体を術者側から見た際の概略斜視図である。図27A乃至図27Eは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。図28は、患者に挿入部を挿入させる、または挿入部を抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。図29A乃至図29Cは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。図30は、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。
【0087】
図24乃至図26に示すように挿入部操作装置本体30には、駆動機構63を駆動させるモータ73を支持する支持部62と、挿入部10を挿入、抜去、または捻るために挿入部10を保持する駆動機構63と、挿入部10を保持する駆動機構63を回動させることで挿入部10を捻る捻り機構部64が設けられている。
【0088】
駆動機構63には、挿入部10が患者3に対して挿入、または抜去される際に回転する回転部であるローラ対32(32a,32b)と、ローラ32aと同軸に設けられており、ローラ32aを回転させる駆動部であり、ローラ32aを回転させることで挿入部10の挿入、または抜去を補助する補助部であるモータ60と、ローラ32bと同軸に設けられており、前述した第1の実施形態と同様の回転量センサ41と、ローラ対32、モータ60を保持し、外周面に溝部65が設けられているギヤ部である駆動機構本体部66と、ローラ対32、モータ60を保持している面とは反対側の駆動機構本体部66の面に設けられている摺動部67が設けられている。
【0089】
摺動部67は、略半円筒状である。摺動部67には、外周面68上にピン71が挿入されるピン挿入部69が設けられている。なお駆動機構本体部66、摺動部67の内周面上には、軸方向(X軸方向)に平行に図示しない溝が設けられている。この溝は、上述した溝29と同様の効果を得ることができる。
【0090】
駆動機構63の下方には、捻り機構部64が設けられている。捻り機構部64には、Y軸方向に長孔形状を有している開口部72を有する受け部75が設けられている。受け部75は、摺動部67に対向している。受け部75は、摺動部67の外周面とほぼ同一に略半円筒形状に形成されている。受け部75には、摺動部67が載置され、その際、摺動部67と受け部75の軸は、ほぼ一致する。摺動部67が受け部75に載置された後に、開口部72を貫くようにピン71が開口部72を介して摺動部67の外周面に設けられているピン挿入部69に挿入される。これにより摺動部67と受け部75が組み立てられる。
【0091】
摺動部67は、受け部75と、同軸の略半円筒形状をしている。摺動部67は、受け部75に対して摺動(回動)することができる。その際、ピン挿入部69に挿入されているピン71が、開口部72に沿って開口部72内を移動する。そのため摺動部67の回動量は、開口部72の形状によって回動範囲を規定される。
【0092】
なお摺動部67が受け部75に載置されることで、溝部65は、ギヤ部74と噛合う構成である。これによりモータ73が回転した際に、ギヤ部74を介して捻り機構部64に載置される駆動機構63全体が回動する。
【0093】
駆動機構63は、モータ73の駆動により、モータ73からギヤ部74、溝部65を介して駆動力を伝達されることにより捻り機構部64に対して回動する回動部である。これにより挿入部10は捻られることを補助される。モータ73は、駆動機構63を回動させることで挿入部10の捻りを補助する補助部である。駆動機構63が回動した際に、ピン71がピン挿入部69に挿入されることで駆動機構63は、上述したように動作範囲(回動範囲)が規定される。またモータ73には、モータ73の回転量を検出する図示しないエンコーダが設けられている。
【0094】
ローラ32bの回転量は、挿入部10に加えられる挿入量や抜去量に応じて異なる。そのため回転量センサ41は、ローラ32bの回転量から挿入部10に加えられる挿入量や抜去量を検出する。このように回転量センサ41は、ローラ32a,33aを介して間接的に挿入部10に接触して挿入量や抜去量を検出する。
【0095】
また、駆動機構本体部66には、駆動機構本体部66の回動量(例えば回動速度、回動角度、角加速度)を検出する図示しない回動量センサが設けられている。駆動機構本体部66の回動量は、挿入部10に加えられる捻れ量に応じて異なる。そのため回動量センサは、駆動機構本体部66の回動量から挿入部10に加えられる捻れ量を検出する。このように回動量センサは、駆動機構本体部66を介して間接的に挿入部10に接触して捻れ量を検出する。
【0096】
また本実施形態における制御機構は、前述した第1の実施形態及び第2の実施形態と同様であるために詳細な説明は省略する。
【0097】
次に図27A、図27B、図27C、図27D、図27Eを参照して患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作について説明する。
【0098】
挿入力が挿入部10に生じない(例えば術者2が挿入部10を患者3に挿入しない)場合、制御コントローラ51は、ローラ対32を図27Aに示す状態に維持する。なおこの位置を原点位置と称する。このように挿入部10は、ローラ対32を介して駆動機構63によって保持されている。
【0099】
次に術者2が挿入部10を患者3に挿入させるために押し込むと、挿入部10に対して挿入力が生じる。その際、図27Bに示すように制御コントローラ51は、この挿入力が所定値を越えるまで、挿入部10が押し込まれないように、モータ60を駆動させてトルクを発生させ、原点位置を維持する。
【0100】
次に術者2が挿入部10を患者3にさらに挿入させ、挿入力が所定値を越え、トルクに勝ると、図27Cに示すように、ローラ対32は、回転し、原点位置から回転量(例えば回転速度、回転角度、角加速度)だけずれる。その際、判別部55は、回転量センサ41によって検出された回転量から挿入部10の進退状態を判別することができる。上述したように詳細には、ローラ対32が正回転している場合、挿入部10が挿入されていると、判別部55は、判別する。ローラ対32が負回転している場合、挿入部10が抜去されていると、判別部55は、判別する。
【0101】
次に術者2が挿入部10を患者3にさらに挿入させ、回転量が予め設定されている設定部56に設定されている第1の設定値γを越えた場合、制御コントローラ51は、挿入動作または抜去動作に対する補助動作を制御する。第1の設定値γは、任意に設定可能である。そのため制御コントローラ51は、モータ60を駆動させる。このとき図27Dに示すようにモータ60は、判別部55からの判別結果によって挿入部10の進退方向と同一方向にローラ32aを回転させる。例えば挿入部10が挿入されているのであれば、制御コントローラ51はローラ対32を正回転させ、挿入動作を補助する。また例えば挿入部10が抜去されているのであれば制御コントローラ51はローラ対32を負回転させ、抜去を補助する。
【0102】
そのため制御コントローラ51は、モータ60に挿入力と同一方向にトルクを発生させ、挿入部10の挿入動作、または抜去動作の補助をする。その際、このトルクは、予め設定された値を維持するように図示しない制御コントローラ51により制御される。
【0103】
次に術者2が患者3への挿入部10の挿入を止める(挿入力が0になる)と、ローラ32bの回転量(例えば回転速度θ)が、低下する。このローラ32bの回転量が設定部56に設定されている第2の設定値δを下回ったと判別部55が判別した場合、判別結果を受けて制御コントローラ51は、挿入部10の挿入力が0になったとみなし、モータ60の駆動を停止させる。第2の設定値δは、任意に設定可能である。またその際に図27Eに示すように制御コントローラ51は、ローラ対32が停止した位置を新たな原点位置とする。また制御コントローラ51は、ローラ対32を介して駆動機構63に挿入部10を保持させる。これにより図27Aの状態に戻る。
【0104】
次に患者に挿入部を挿入させる、または抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作について図28に示すフローチャートを参照して説明する。
【0105】
術者2が患者3に挿入部10を挿入させ、挿入力が所定値を越えた際、また術者2が患者3から挿入部10を抜去させ、抜去力が所定値を越えた際に、判別部55が、ローラ対32の回転量が第1の設定値γを越えたか否かを判別する(Step21)。判別部55は、回転量が第1の設定値γを越えていると判別した場合(Step21:Yes)、ローラ対32は、回転し、原点位置から回転量だけずれる。
【0106】
この状態において、上述したようにローラ対32は、挿入部10との摩擦により回転する。回転しているローラ32bの同軸に設けられている回転量センサ41は、ローラ32bの回転量を入出力ボード52を介して制御コントローラ51に出力する。その際、判別部55は、回転量からローラ32bが正回転しているか否かを判別する(Step22)。ローラ32bが正回転していると、判別部55が判別すれば(Step22:Yes)、挿入部10が挿入されているとみなす。その際、上述したように制御コントローラ51は、モータ60によって挿入部10の挿入動作を補助する(Step23)。ローラ32bが正回転していると、判別部55が判別しなければ(Step22:No)、ローラ32bが負回転しているとみなし、挿入部10が抜去されているとみなす。その際、上述したように制御コントローラ51は、モータ60によって挿入部10の抜去動作を補助する(Step24)。
【0107】
次に判別部55は、ローラ対32の回転量(例えば回転速度θ)が予め設定されている第2の設定値δより大きいか否かを判別する(Step25)。
【0108】
回転量が第2の設定値δを越えていると、判別部55が判別した場合(Step25:Yes)、挿入部10が挿入、または抜去されているとみなし、Step22に戻る。これにより挿入部10に対する挿入動作、または抜去動作が補助される。回転量が第2の設定値δを低下していると、判別部55が判別した場合(Step25:No)、制御コントローラ51は、術者2が患者3への挿入部10の挿入、または抜去をとめたとみなす。よって制御コントローラ51は、モータ60の駆動を停止させる。これによりローラ32aの回転が停止する(Step26)。
【0109】
その際に制御コントローラ51は、ローラ対32を介して駆動機構63に挿入部10を保持させ、保持状態を維持している。これによりローラ32aが停止した位置が新たな原点位置となる(Step27)。
【0110】
なおStep21において、判別部55が、回転量が第1の設定値γを越えていないと判別した場合(Step21:No)、Step27に進む。
【0111】
次に図29A、図29B、図29Cを参照して挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作について説明する。
【0112】
捻り力が挿入部10に生じない(例えば術者2が挿入部10を捻らない)場合、駆動機構本体部66は、静止状態を維持している。なおこの位置を原点位置と称する。
【0113】
駆動機構本体部66には、モータ60が設けられている。図29Aに示すように術者2が静止状態から挿入部10を捻ると、駆動機構本体部66も挿入部10の捻れに対応して回動を始める。その際、回動角度によって異なるモーメントが回動中心回りに発生する。例えば図29Aに示すように角度θ1の位置では、モーメントMθ1が発生する。駆動機構本体部66が角度θ1の位置に静止するには、挿入部操作装置本体30は、モータ73にモーメントMθ1とつり合うトルクTθ1を発生させる必要がある。
【0114】
このように挿入部操作装置本体30は、角度θに応じるトルクTθを設定し、モータ73に発生させる。この設定は、例えば5°毎に行い、±2.5°の範囲は、同一の値を使用すればよい。なお駆動機構本体部66の構成(例えば駆動機構本体部66に設けられている構成要素の配置や重さ等)から数学的に求めても良い。
【0115】
術者2が挿入部10を角度θ1からさらにズレ角度Δθ1を捻ると、駆動機構本体部66も挿入部10の捻れに対応して回動を始める。角度θ1からのズレ角度Δθ1が予め設定されている第1の設定値αを超えた場合、判別部55は、術者2が挿入部10を捻っていると判別する。そのためズレ角度Δθ1がさらに大きくなる方向に挿入部操作装置本体30は、モータ73を駆動させる。その際、挿入部操作装置本体30は、モータ73に図29Bに示すように静止するためだけのトルクTθ1に加えてさらにトルクtθ1を発生させる。この追加されたトルクtθ1によって術者2の捻りが補助される。
【0116】
このトルクtθ1は、ズレ角度Δθ1に応じた値であり、例えば角度θ1に応じるトルクTθ1の数十%と予め設定しておけばよい。
【0117】
このように術者2は、挿入部10を捻る際に、モータ73によって捻りを補助されるために捻り操作の負担が軽減される。また挿入部操作装置本体30は、モータ73に設けられている図示しないエンコーダによってモータ73の回転量を測定する。
【0118】
術者2は、挿入部10を捻る力を除々に減らしていくと、駆動機構本体部66が回動する力はモータ73のトルクのみとなる。また術者2が、挿入部10の捻りを止めると、駆動機構本体部66の回動量(例えば回動速度θ)が、低下する。この駆動機構本体部66の回動量が第2の設定値δを下回ったと判別部55が判別した場合、判別結果を受けて挿入部操作装置本体30は、挿入部10の捻り力が0になった(術者2が捻りを停止させた)とみなす。これにより挿入部操作装置本体30は、モータ73を駆動させて、モータ73の駆動を停止させる。またその際に図29Cに示すように挿入部操作装置本体30は、モータ73を駆動させて角度θ2に応じた静止トルクTθ2発生させ、駆動機構本体部66をこの位置に維持させる。駆動機構63は、ローラ対32を介して挿入部10を保持した状態で静止する。これによりこの位置が新たな原点位置となる。
【0119】
次に挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作について図30に示すフローチャートを参照して説明する。
【0120】
駆動機構本体部66が原点位置に位置している状態において、術者2が挿入部10を捻る。その際、判別部55が、駆動機構本体部66のズレ角度Δθ1が設定部56に設定されている第1の設定値αを越えたか否かを判別する(Step31)。判別部55が、ズレ角度Δθ1が第1の設定値αを越えていると判別した場合(Step31:Yes)、判別部55は、回動量センサの検出結果から駆動機構本体部66が正回動している(図29において、駆動機構本体部66が時計回りに回動している)か否かを判別する(Step32)。
【0121】
駆動機構本体部66が正回動していると、判別部55が判別すれば(Step32:Yes)、判別部55は、図24においてX軸方向において(術者3側から見て)、挿入部10が反時計回りに捻られていると判別する。制御コントローラ51は、図29において、ギヤ部74を反時計回りに回転させるようにモータ73を駆動させる。これにより制御コントローラ51は、挿入部10の反時計(左)回りの捻り動作を補助する(Step33)。駆動機構本体部66が正回動していると、判別部55が判別しなければ(Step32:No)、判別部55は、図24においてX軸方向において(術者3側から見て)、挿入部10が時計回りに捻られていると判別する。制御コントローラ51は、図29において、ギヤ部74を時計回りに回転させるようにモータ73を駆動させる。これにより制御コントローラ51は、挿入部10の時計(右)回りの捻り動作を補助する(Step34)。
【0122】
次に判別部55は、駆動機構本体部66の回動量(例えば回動速度θ)が設定部56に予め設定されている第2の設定値δより大きいか否かを判別する(Step35)。
【0123】
回動量が第2の設定値δを越えていると、判別部55が判別した場合(Step35:Yes)、挿入部10が捻られているとみなしStep32に戻り、挿入部10に対する捻り動作が補助される。回動量が第2の設定値δを低下していると、判別部55が判別した場合、(Step35:No)、判別部55は、術者2が挿入部10の捻りを停止したとみなす。よって制御コントローラ51は、モータ73の駆動を停止させる(Step36)。これにより駆動機構本体部66の回動が停止する。
【0124】
その際に挿入部操作装置本体30は、モータ73を駆動させて角度θ2に応じた静止トルクTθ2発生させる。これにより駆動機構63は、ローラ対32を介して挿入部10を保持した状態で静止する。これによりこの位置が新たな原点位置となる(Step37)。
なおStep31において、判別部55がズレ角度Δθ1が第1の設定値αを越えていないと判別した場合(Step31:No)、Step36に進む。
【0125】
このように本実施形態は、駆動機構63がローラ対32を介して挿入部10を保持する保持機構を兼ねているため、駆動機構63を制御することで挿入部10を挿入、抜去、捻ることができる。これにより本実施形態は、第1の実施形態に比べて構成部材を少なくすることができるために安価にすることができる。
また本実施形態は、挿入部10を挿入、抜去、捻る際に、モータ60、モータ73を駆動させることで挿入動作、抜去動作、捻り動作を補助することができる。
【0126】
また本発明は、上記実施形態及び変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】図1は、第1の実施形態における挿入部操作装置を使用する際の概略斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した挿入部操作装置の概略側面図である。
【図3】図3は、図1に示した挿入部操作装置の概略正面図である。
【図4】図4は、図3に示す回動部を回動させた際の挿入部操作装置本体の概略正面図である。
【図5】図5は、図3に示す回動部を回動させた際の挿入部操作装置本体の概略上面図である。
【図6】図6は、図3に示す挿入部操作装置本体に挿入部を挿入させた際の挿入部操作装置の概略上面図である(回動部は図示せず)。
【図7】図7は、保持機構の概略斜視図である。
【図8】図8は、図6に示す保持機構のA−A概略断面図である。
【図9】図9は、力センサの概略斜視図である。
【図10】図10は、図6に示す挿入部操作装置のB−B概略断面図である。
【図11A】図11Aは、挿入部操作装置本体の内部を示す概略斜視図(挿入部、ローラ対、回転量センサ、保持機構対の位置関係を示す)概略斜視図である。
【図11B】図11Bは、ローラ対の変形例である。
【図11C】図11Cは、ローラ対の変形例である。
【図12】図12は、図6に示す挿入部操作装置本体のC−C概略断面図である。
【図13】図13は、本実施形態の制御機構を概略的に示した制御図である。
【図14A】図14Aは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図14B】図14Bは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図14C】図14Cは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図14D】図14Dは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図15】図15は、患者から挿入部を抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図16】図16は、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。
【図17A】図17Aは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図17B】図17Bは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図17C】図17Cは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図18】図18は、保持機構における力センサ周辺を示す概略側面図である。
【図19】図19は、ローラ周辺を示す概略側面図である。
【図20】図20は、第2の実施形態の特徴部を示す図であり、挿入部操作装置本体の内部の配置関係を示す(挿入部、ローラ対、回転量センサ、保持機構対、モータの位置関係を示す)概略斜視図である。
【図21】図21は、本実施形態の制御機構を概略的に示した制御図である。
【図22A】図22Aは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図22B】図22Bは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図22C】図22Cは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図23】図23は、患者に挿入部を挿入させる、または挿入部を抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。
【図24】図24は、第3の実施形態における挿入部操作装置を使用する際の概略斜視図である。
【図25】図25は、図24に示した挿入部操作装置本体を患者側から見た際の概略正面図である。
【図26】図26は、図24に示した挿入部操作装置本体を術者側から見た際の概略斜視図である。
【図27A】図27Aは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図27B】図27Bは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図27C】図27Cは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図27D】図27Dは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図27E】図27Eは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図28】図28は、患者に挿入部を挿入させる、または挿入部を抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。
【図29A】図29Aは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図29B】図29Bは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図29C】図29Cは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図30】図30は、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0128】
1…挿入部操作装置、2…術者、3…患者、3a…頭部、4…ベッド、5…枕、10…挿入部、26…突起部、27…凸凹部、28…溝、29…溝、30…挿入部操作装置本体、31…保持機構対、31a…保持機構、31b…保持機構、32…ローラ対、32a…ローラ、32b…ローラ、33…ローラ対、33a…ローラ、33b…ローラ、34…回動部、34a…支点、35…接点、36…接地部、37…モータ、38…摩擦付勢部材、39…力センサ、40…ネジ部、41…回転量センサ、42…回転量センサ、43…バネ、44…支持部材、45…防水部材、46…軸部、47…支持部材、48…ヘッド部、50…制御ユニット、51…制御コントローラ、52…入出力ボード、53…第1のアンプ、54…エンコーダ、55…判別部、56…設定部、57…第2のアンプ、58…第3のアンプ、60…モータ、61…モータ、62…支持部、63…駆動機構、64…捻り機構部、65…溝部、66…駆動機構本体部、67…摺動部、68…外周面、69…ピン挿入部、70…操作部、71…ピン、72…開口部、73…モータ、74…ギヤ部、75…受け部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、管腔内に対して進退動作、捻り動作される挿入部を操作する挿入部操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に例えば医療分野における装置において、内視鏡には、体腔(例えば管腔)に挿入する挿入部が設けられている。この装置は、体腔内に挿入部を挿入することで体腔内の観察や治療を行っている。
【0003】
このような挿入部を設けている内視鏡挿入装置が特許文献1に開示されており、以下に簡単に説明する。
この内視鏡挿入装置には、観察対象部位へ挿入させる挿入部と、挿入部外表面に形成された進退回動識別手段と、挿入部の進退回動識別手段上に進退回動可能に配置された操作部材と、操作部材に設けられ操作部材の挿入部に対する進退回動量を進退回動識別手段に基づいて検知する検知手段と、検知手段の検知信号に基づいて挿入部を進退回動させる駆動手段と、が設けられている。
【0004】
術者は、挿入部を進退させる際に、操作部材を挿入部に対してスライド(進退移動)させる。操作部材に設けられている検知手段は、進退回動識別手段に基づいて操作部材の進退量を検知する。検知手段は、検知したこの検知信号を駆動手段に送信し、駆動手段は、この検知信号に基づいて挿入部を観察対象部位に挿入または抜き出し(進退)させる。
【0005】
また術者は、挿入部を回動させる際に、操作部材を挿入部に対してスライド(回動移動)させる。操作部材に設けられている検知手段は、進退回動識別手段に基づいて操作部材の回動量を検知する。検知手段は、検知したこの検知信号を駆動手段に送信し、駆動手段は、この検知信号に基づいて挿入部を回動させる。
【0006】
このように術者が挿入部を進退移動、または回動させる際に、内視鏡挿入装置は、進退回動識別手段を介して検知手段に操作部材の進退動作、または駆動動作を読み取らせ(検知させ)、この検知結果によって挿入部を進退、または回動させている。
【特許文献1】特開2000−107123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した特許文献1に開示されている内視鏡挿入装置は、操作部材を操作することで間接的に挿入部を進退、または回動させている。これにより術者によっては、操作に対して慣れに時間を要し、実際に手動操作にて挿入させる方法とは操作感が異なるために操作が繁雑になってしまう虞が生じる。
【0008】
そのため本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、簡易な操作機構であり、術者にとっての操作性を損なうことの無い挿入部操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は目的を達成するために、管腔に対して進退される、または捻られる際に操作される内視鏡の挿入部に加えられる操作量を検出する検出部と、前記検出部によって検出された前記操作量に応じて、前記管腔に対する前記挿入部の進退、または捻りの前記操作を制御する制御部と、を具備することを特徴とする挿入部操作装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な操作機構であり、術者にとっての操作性を損なうことの無い挿入部操作装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1乃至図17を参照して第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における挿入部操作装置を使用する際の概略斜視図である。図2は、図1に示した挿入部操作装置の概略側面図である。図3は、図1に示した挿入部操作装置の概略正面図である。図4は、図3に示す回動部を回動させた際の挿入部操作装置本体の概略正面図である。図5は、図3に示す回動部を回動させた際の挿入部操作装置本体の概略上面図である。図6は、図3に示す挿入部操作装置本体に挿入部を挿入させた際の挿入部操作装置の概略上面図である(回動部は図示せず)。図7は、保持機構の概略斜視図である。図8は、図6に示す保持機構のA−A概略断面図である。図9は、力センサの概略斜視図である。図10は、図6に示す挿入部操作装置のB−B概略断面図である。図11Aは、挿入部操作装置本体の内部を示す概略斜視図(挿入部、ローラ対、回転量センサ、保持機構対の位置関係を示す)概略斜視図である。図11B、図11Cは、ローラ対の変形例である。図12は、図6に示す挿入部操作装置本体のC−C概略断面図である。図13は、本実施形態の制御機構を概略的に示した制御図である。図14A乃至図14Dは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。図15は、患者から挿入部を抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。図16は、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。図17A乃至図17Cは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【0012】
なお本実施形態において挿入部10が進退(挿入、または抜去)する方向をX軸方向、X軸方向に対して直交する方向(摩擦付勢部材38が挿入部10を付勢する方向)をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直行する方向をZ軸方向する。
【0013】
図1、図2を参照して挿入部操作装置1について説明する。
図1に示すように挿入部操作装置1には、主要部として術者2が挿入対象部である患者3の管腔内に進退(挿入、または抜去)される、または捻れる(回転させる)軟性の挿入体である例えば細長いチューブといった内視鏡の挿入部10を患者3に例えば挿入する際に、挿入部10を保持し、挿入部10の操作量(例えば進退量や捻れ量)に応じて挿入部10の操作(例えば進退や捻れ)を調整する挿入部操作装置本体30と、挿入部操作装置本体30を制御する制御ユニット50が設けられている。また内視鏡の挿入部10の基端(一端)部の手元側には、図示しないスイッチを有する操作部70が設けられている。操作部70の他端は、図示しない光源装置や患者3に挿入された挿入部10によって撮影された画像を表示する図示しないモニタと接続している。
【0014】
挿入部10は、術者2に把持されることで、患者3に対して進退(挿入及び抜去)、捻られる。
【0015】
挿入部操作装置本体30は、挿入部10が挿入される対象である例えば患者3がのせられる第1の配置部材である例えばベッド4の患者3の近傍に移動自在に配置することができる。詳細には、挿入部操作装置本体30は、患者3の近傍、且つベッド4上に配置されていることが好適である。また図1、図2に示すように患者3が、頭部3aを第2の配置部材である枕5に載置している場合、挿入部操作装置本体30は、枕5上、且つ患者3の近傍に配置されていることが好適である。
【0016】
制御ユニット50は、挿入部操作装置本体30とは別体で構成されており、挿入部操作装置本体30と同様にベッド4に配置されていても良いが、図1、図2に示すようにベッド4の脇やベッド4の脚の間のように挿入部操作装置本体30よりも鉛直方向下方に置かれていることが好適である。これにより挿入部操作装置本体30周辺にはより多くにスペースが設けられるために、術者2は、挿入部10に対する操作操作性を確保することができる。
【0017】
なお制御ユニット50は、挿入部操作装置1における制御部であり、後述する第1の検出部である力センサ39、第2の検出部である回転量センサ41、第3の検出部である回転量センサ42、挿入部10を保持する保持機構対31は、挿入部操作装置本体30に含まれる。
【0018】
次に図3乃至図12を参照して挿入部操作装置本体30について詳細に説明する。
図3乃至図6に示すように挿入部操作装置本体30には、挿入部10を保持する保持機構対31(保持機構31a,31b)と、挿入部10が患者3に対して挿入、または抜去される際に、挿入部10に直接接触して回転する回転部であるローラ対32(ローラ32a,32b)と、挿入部10が術者2によって捻られた際に、挿入部10に直接接触して回転する回転部であるローラ対33(ローラ33a,33b)と、挿入部操作装置本体30に対して回動する回動部34が設けられている。また回動部34には、ローラ対33の片方(33b)が設けられている。ローラ対32,33は、挿入部10に直接接触する接触部でもある。
【0019】
図4に示すように回動部34は、支点34aを中心に回動する。回動部34が回動し、接点35が接地部36から離れた際に、保持機構対31の両対間の空間とローラ対32の両対間の空間が上方に向けて連通するため挿入部10がローラ対33の一方(ローラ33a)に載置される。これにより挿入部10は、保持機構対31の両対に挟まれた空間に配置され、ローラ32a及びローラ32bに挟まれる。また回動部34が回動し、接点35が接地部36に接地すると、挿入部10は、さらにローラ33a及びローラ33bに挟まれる。挿入部10は、X軸方向を中心に捻り可能、X軸方向に沿って進退可能である。挿入部10が、保持機構対31に挟まれた際の状態については後述する。
【0020】
次に図7、図8を参照して保持機構対31について説明する。
ここでは保持機構31aと保持機構31bの構成は同様であるために保持機構31bについてのみ説明する。
保持機構31bには、モータ37と、モータ37が駆動した際に回転するネジ部40と、ネジ部40のヘッド部48に配置されている第1の検出部である力センサ39と、力センサ39に当接している摩擦付勢部材38が設けられている。
【0021】
ネジ部40のヘッド部48は図示しないが回転方向の動きを規制されており、ネジ部40が回転する際には、ネジ部40の軸に沿って進退する。モータ37が駆動した際に、ネジ部40が回転し、ヘッド部48がネジ部40の軸に沿って進退することにより力センサ39と、摩擦付勢部材38は、Y軸方向に沿って移動する。移動した際に、摩擦付勢部材38は、挿入部10に直接接触して付勢する。このように摩擦付勢部材38は、挿入部10に直接接触する接触部でもある。
【0022】
保持機構対31は、モータ37を駆動させ、摩擦付勢部材38を挿入部10に付勢させることで挿入部10を保持する。摩擦付勢部材38は、モータ37によって挿入部10を付勢する力が調整される。
【0023】
力センサ39は、摩擦付勢部材38が挿入部10を付勢する際の付勢力を検出し、付勢した際に挿入部10が進退、または捻られた際に挿入部10と摩擦付勢部材38に生じる摩擦力から挿入部10が挿入された際に生じる挿入力、挿入部10が抜去された際に生じる抜去力、挿入部10が回転された際に生じる回転力(捻り力)を検出する。
【0024】
挿入力、抜去力、捻り力は、挿入部10に直接加えられる操作量に応じて異なる。そのため力センサ39は、挿入力、抜去力、捻り力から挿入部10に直接加えられる操作量を検出する。このように力センサ39は、摩擦付勢部材38を介して間接的に挿入部10に接触して操作量を検出する。
【0025】
図9に示すように挿入部10の進退方向(X軸方向)に挿入力、抜去力が生じ、摩擦付勢部材38が挿入部10を付勢する方向(Y軸方向)に付勢力が生じ、挿入部10を捻る方向に捻り力が生じる。
【0026】
また図10乃至図12に示すようにローラ対32において、ローラ32a,32bのどちらか一方には、ローラの回転量(例えば回転速度、回転角度、角加速度)を検出する第2の検出部である回転量センサ41が設けられている。本実施形態ではローラ32aと同軸上に回転量センサ41が設けられている。また図11Aに示すようにローラ対33において、ローラ33a,33bのどちらかには一方には、ローラ対33の回転量を検出する第3の検出部である回転量センサ42が設けられている。本実施形態ではローラ33aと同軸上に回転量センサ42が設けられている。
【0027】
また図11Aに示すようにローラ33a、回転量センサ42は、支持部材47によって支持されている。なお図示はしていないがローラ33b、保持機構対31も支持部材47によって支持されている。
【0028】
なおローラ対32の外周面には、軸方向(Z軸方向)に平行に溝28が形成されている。またローラ対33の外周面には、軸方向(X軸方向)に平行に溝29が形成されている。これにより軸方向の摩擦よりも周方向の摩擦が大きくなる。挿入部10が進退する際、ローラ対32の周方向の摩擦により大きな進退力が挿入部10に与えることができる。またローラ対33において、溝29は進退方向に対して平行に形成されている。よって進退方向において、ローラ対33と挿入部10には、大きな摩擦力を発生せず、進退時の障害にはならない。捻る際は逆になる。なお溝28、溝29は、他の図においては図示せずに省略している。
【0029】
なお本実施形態ではローラ対32,33の表面に溝28,29を設けたがこれに限定する必要は無い。例えばローラ33bには、図11Bに示すように軸方向(X軸方向)に平行な複数の突起部26を設けても良い。またローラ33bには、例えば図11Cに示すように軸方向(X軸方向)に平行な複数の凸凹部27を設けても良い。もちろんこれらを組み合わせても良い。このように挿入部10が進退、または捻られる際に、大きな摩擦力を発生せず、障害にならず、大きな進退力、又は捻り力が挿入部10に与えることができればローラ対32,33に設けられる部材は、限定はされない。
【0030】
図12に示すようにローラ32a、ローラ32bは、それぞれ支持部材44によって支持されている。この支持部材44には、付勢部材である例えばバネ43が設けられている。このバネ43は、挿入部操作装置本体30に取り付けられている。バネ43は、支持部材44を付勢する。これによりローラ32aと、ローラ32bは、バネ43によって生じる付勢力によって挿入部10を狭持する。なおバネ43は他図では簡略化のために図示を省略している。
【0031】
ローラ32a,33aの回転量は、挿入部10に直接加えられる操作量に応じて異なる。そのため回転量センサ41,42は、ローラ32a,33aの回転量から挿入部10に直接加えられる操作量を検出する。このように回転量センサ41,42は、ローラ32a,33aを介して間接的に挿入部10に接触して操作量を検出する。
次に図13を参照して本実施形態の制御機構について説明する。
制御ユニット50には、制御コントローラ51と、入出力ボード52、第1のアンプ53、エンコーダ54が設けられている。
制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37の駆動を制御する。
【0032】
入出力ボード52には、挿入部10が進退移動した際に、回転量センサ41によって検出されたローラ対32の回転量と、挿入部10が捻られた際に、回転量センサ42によって検出されたローラ対33の回転量と、モータ37が回転した際に、エンコーダ54によって検出されたモータ37の回転量(エンコーダ値)と、力センサ39によって検出された摩擦付勢部材38による付勢力と、力センサ39によって検出された挿入部10の挿入力と抜去力と捻り力が入力される。入出力ボード52に入力されたこれら回転量、付勢力、挿入力、抜去力、捻り力は、制御コントローラ51に入力される。
【0033】
なお制御コントローラ51は、上述したようにローラ対32の回転量から挿入部10の進退量と、ローラ対33の回転量から挿入部10の捻れ量を算出する。
【0034】
制御コントローラ51は、モータ37のエンコーダ値を参照しながら矢印にて示す摩擦付勢部材38に付勢力が一定になるように入出力ボード52を介して第1のアンプ53によって回転信号を増減幅させて、上述したようにモータ37の駆動を制御する。これにより一定の付勢力によって挿入部10が保持機構対31によって保持される。なお矢印にてしめす付勢力は、上述したように力センサ39によって検出され、制御コントローラ51に入力される。
【0035】
また制御コントローラ51には、判別部55(詳細については後述する)、所定の範囲である第1の設定値α、第2の設定値βを予め設定する設定部56が設けられている。第1の設定値α、第2の設定値βは、任意に設定可能である。
【0036】
次に図14A、図14B、図14C、図14Dを参照して患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作について説明する。
上述したように回動部34が回動し、接点35が接地部36から離れた際に、挿入部操作装置本体30は、開口するために上方より挿入部10がローラ33aに載置される。これにより挿入部10は、保持機構対31に挟まれて保持され、ローラ対32に挟まれる。また回動部34が回動し、接点35が接地部36に接地すると、挿入部10は、さらにローラ対33に挟まれる。その際、制御コントローラ51は、保持動作を制御する。つまり制御コントローラ51は、上述したように付勢力が一定になるようにモータ37を駆動させ、摩擦付勢部材38を挿入部10に付勢(締め付け)させる。これにより制御コントローラ51は、保持機構対31に挿入部10を保持させる(挿入部10は、一定の付勢力によって挿入部操作装置本体30に保持される)。
【0037】
この状態で図14Aに示すように術者2が、挿入部10を患者3に挿入させると、保持機構対31と挿入部10の間には挿入力が生じる。力センサ39は、この挿入力を検出する。検出された挿入力は、入出力ボード52に出力される。挿入力が第1の設定値αに達するまでは、摩擦付勢部材38によって挿入部10は、付勢されている。
【0038】
術者2が、挿入部10を患者3にさらに挿入させることで、挿入力が設定部56によって予め設定された第1の設定値αを越えた場合、制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させる。これにより制御コントローラ51は、図14Bに示すように摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)を開放する。術者2が、挿入部10を患者3にさらに挿入させると、挿入部10が患者3に向かって容易に進む。
【0039】
このとき、ローラ対32は、挿入部10との摩擦により回転する。回転しているローラ32aの同軸に設けられている回転量センサ41は、ローラ32aの回転量を入出力ボード52を介して制御コントローラ51に出力する。この回転量とは、上述したように例えば回転速度、回転角度、角加速度である。判別部55は、この回転量を検出することで、挿入部10の進退状態を判別することができる。詳細には、図14Bに示すように本実施形態ではローラ32aが時計回り、ローラ32bが反時計回りに回った際には、挿入部10が挿入されている(以下、挿入部10が挿入される際にローラ32a,32bが回転する方向を正回転とする)と判別部55は、判別する。また本実施形態ではローラ32aが反時計回り、ローラ32bが時計回りに回った際には、挿入部10が抜去されている(以下、挿入部10が抜去される際にローラ32a,32bが回転する方向を負回転とする)と判別部55は、判別する。これにより上述したように制御コントローラ51は、回転量から挿入部10の進退量を算出することも可能である。またローラ32aの回転量(例えば回転速度θ)が、第2の設定値βを超えている場合、上述したように摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)状態は、開放した状態を維持している。
【0040】
術者2が、患者3に対する挿入部10の挿入を止める(挿入力が0になる)と、図14Cに示すようにローラ32aの回転量(例えば回転速度θ)が、低下する。このローラ32aの回転量が第2の設定値βを下回ったと判別部55が判別した場合、判別結果を受けて制御コントローラ51は、挿入部10の挿入力が0になったとみなす。その際、制御コントローラ51は、保持動作を制御する。つまり制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させて、摩擦付勢部材38を挿入部10に付勢(締め付け)させる。
【0041】
図14Dに示すように図14Aと同様に挿入部10は、再び摩擦付勢部材38によって付勢(締め付け)され、保持機構対31によって挟まれて保持される。これにより制御コントローラ51は、保持機構対31に挿入部10を保持させ、保持機構対31による挿入部10の保持状態が維持される。
【0042】
なお術者2が、挿入部10を患者3から抜去させる場合、挿入時と同様に、図15に示すように保持機構対31と挿入部10の間には抜去力が生じる。力センサ39は、この抜去力を検出する。検出された抜去力は、入出力ボード52に出力される。この場合も挿入する時と同様に抜去力が第1の設定値αに達するまでは、摩擦付勢部材38によって挿入部10は、付勢されている。
【0043】
術者2が、挿入部10を患者3からさらに抜去させることで抜去力が第1の設定値αを越えた場合、制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させる。これにより制御コントローラ51は、図14Bに示すように摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)を開放する。また術者2が、挿入部10を患者3にさらに抜去させると、挿入部10が患者3から容易に抜き出される。
【0044】
術者2が、患者3に対する挿入部10の抜去を止めた後の動作は、上述した術者2が、患者3に対する挿入部10の挿入を止めた後の動作と同一のためここでは省略する。
【0045】
次に患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作について図16に示すフローチャートを参照して説明する。
判別部55は、挿入力が第1の設定値αを越えたか否かを判別する(Step1)。挿入力が第1の設定値αを越えていると、判別部55が判別した場合(Step1:Yes)、制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させる。これにより摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)が開放され、保持機構対31による挿入部10の保持状態が開放される(Step2)。この状態において、上述したようにローラ対32は、挿入部10との摩擦により回転する。回転量センサ41は、ローラ32aの回転量(例えば回転速度θ)を入出力ボード52を介して制御コントローラ51に出力する。その際、判別部55は、回転量が第2の設定値βを越えたか否かを判別する(Step3)。この回転量が第2の設定値βを越えていると、判別部55が判別した場合(Step3:Yes)、挿入部10が挿入されているとみなし、Step2に戻り、摩擦付勢部材38による挿入部10への開放状態が維持される。回転量が第2の設定値βを低下していると、判別部55が判別した場合(Step3:No)、制御コントローラ51は、術者2が患者3に対して挿入部10の挿入をとめた(挿入力が0になった)とみなす。その際、制御コントローラ51は、保持動作を制御する。つまり制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させ、摩擦付勢部材38を挿入部10に付勢(締め付け)させる。これにより制御コントローラ51は、保持機構対31に挿入部10を保持させ、保持機構対31による挿入部10の保持状態が維持される(Step4)。これにより動作を終了する。なお挿入力が第1の設定値αを低下していると、判別部55が判別した場合(Step1:No)、Step4に進む。
【0046】
なお患者3から挿入部10を抜去させる際の挿入部操作装置本体30の動作についてのフローチャートは、図16における挿入力が抜去力に代わっているのみのため省略する。
【0047】
次に図17A、図17B、図17Cを参照して挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作について説明する。
【0048】
挿入部10が、挿入部操作装置本体30に、保持されるまでの動作は上述したため省略する。
【0049】
この状態で図17Aに示すように術者2が、挿入部10を捻ると、保持機構対31と挿入部10の間には捻り力が生じる。力センサ39は、この捻り力を検出する。検出された捻り力は、入出力ボード52に出力される。
【0050】
術者2が、挿入部10をさらに捻ることで捻り力が第1の設定値αを越えた場合、制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させる。これにより図17Bに示すように摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)が開放され、保持機構対31による挿入部10の保持状態が開放される。この状態において術者2は、挿入部10を容易に捻ることが可能である。
【0051】
このとき、ローラ対33は、挿入部10との摩擦により回転する。回転しているローラ33aの同軸に設けられている回転量センサ42は、ローラ33aの回転量を入出力ボード52を介して制御コントローラ51に出力する。この回転量とは、例えば回転速度、回転角度、角加速度である。判別部55は、この回転量を検出することで、挿入部10の捻れ方向(図17Aにおける時計回りか反時計回りか)を判別することができる。詳細には、ローラ33aが反時計回りに回った際には、挿入部10が時計回りに捻られていると判別部55は判別する。ローラ33aが時計回りに回った際には、挿入部10が反時計回りに捻られていると判別部55は判別する。またローラ33aの回転量(例えば回転速度θ)が、第2の設定値βを超えている場合、上述したように摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)状態は、開放した状態を維持している。
【0052】
術者2が、挿入部10の捻れを止めると、ローラ33aの回転量(例えば回転速度θ)が、低下する。このローラ33aの回転量が第2の設定値βを下回ったと判別部55が判別した場合、制御コントローラ51は、術者2が挿入部10の捻じりを止めた(挿入部10の捻り力が0になった)とみなす。その際、制御コントローラ51は、上述したように挿入時と同様に保持動作を制御する。つまり制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させ、摩擦付勢部材38を挿入部10に付勢(締め付け)させる。これにより制御コントローラ51は、図17Cに示すように保持機構対31に挿入部10を保持させ、保持機構対31による挿入部10の保持状態が維持される。なお捻り力が第1の設定値αを低下していると、判別部55が判別した場合、保持機構対31による挿入部10の保持状態が維持される。
【0053】
なお挿入部10を捻る際の挿入部操作装置本体30の動作についてのフローチャートは、図16における挿入力が捻り力に代わっているのみのため省略する。
【0054】
このように本実施形態は、挿入部10を進退、または捻る際に、挿入力、抜去力、捻り力が第1の設定値αを越えたか否かを判別し、超えていた場合に保持機構対31による保持状態を開放させる。超えていない場合には制御コントローラ51は、保持動作を制御することで、保持機構対31により保持させて、挿入部10の動きを固定させている。これにより、本実施形態は、第1の設定値αより低い例えば患者3の突発的な動きや、偶発的に生じた不可抗力によって、術者2にとっての挿入部10の意図しない動きを防止することができる。よって本実施形態は、簡易な操作機構によって術者2にとっての操作性を損なうこと無く、また術者2が挿入部10を意図するように簡易に挿入、抜去、捻ることができる。
【0055】
また本実施形態において、挿入部10を進退、または捻っている際に、挿入力、抜去力、捻り力が第2の設定値βよりも低下した場合、再び保持機構対31により保持させて、挿入部10の動きを固定させている。これにより本実施形態は、自動的に挿入部10が動かないように固定されているために、例えば術者2が挿入、抜去、捻れを終えた後に、上述したように術者2にとっての挿入部10の意図しない動きを防止することができる。
【0056】
また本実施形態は、挿入部操作装置本体30を枕5に配置することで、挿入部10を患者3に挿入する際の挿入口である例えば口から枕5までの高さと挿入部操作装置本体30を挿通した挿入部10と枕5までの高さを略同一高さにすることができる。これにより術者2は、挿入部10をスムーズに管腔内に挿入することができる。
【0057】
なお本実施形態において、図18に示すように摩擦付勢部材38は、挿入部操作装置本体30から着脱可能である。例えば術者2が患者3の体内から挿入部10を抜去させた際に、挿入部10には、患者3の体液や粘液が付着していることがある。そのため挿入部10を介してこの体液や粘液が摩擦付勢部材38に付着することがある。そのため、本実施形態では摩擦付勢部材38を着脱可能とすることで、術者2は体液や粘液が付着する部分のみを取り外して洗浄することができる。これにより本実施形態は、クリーンな摩擦付勢部材38を再利用することができる。またネジ部40には、防水部材45が設けられている。防水部材45は、摩擦付勢部材38を洗浄した際に水滴等がモータ37、支持部材49に付着することを防止する。また摩擦付勢部材38は、洗浄せずに使い捨てにしても良い。
【0058】
また同様の理由により図19に示すようにローラ32aも挿入部操作装置本体30から着脱可能である。また防水部材45が回転量センサ41の軸部46に設けられている。防水部材45は、洗浄した際に水滴等が回転量センサ41、支持部材44に付着することを防止する。
【0059】
また図示はしないがローラ33aも挿入部操作装置本体30から着脱可能である。また防水部材45が回転量センサ42の軸部に設けられている。防水部材45は、洗浄した際に水滴等が回転量センサ42、支持部材47に付着することを防止する。
【0060】
また本実施形態は、ローラ32b、ローラ33bも挿入部操作装置本体30から着脱可能とすることで、取り外した際に例えば洗浄すること、又は未使用のものと交換することができ、いつでもクリーンなローラ対32,33を使用することができる。
【0061】
なお本実施形態において挿入部10に直接接触する摩擦付勢部材38、ローラ対32,33のみを挿入部操作装置本体30から着脱可能としたがその他の挿入部10に接触する接触部を、着脱可能にする構成にしても構わない。
【0062】
次に図20乃至図23を参照して本発明に関わる第2の実施形態について詳細に説明する。前述した第1の実施形態と同一部位については同符合を付し、その詳細な説明は省略する。
図20は、本実施形態の特徴部を示す図であり、挿入部操作装置本体の内部の配置関係を示す(挿入部、ローラ対、回転量センサ、保持機構対、モータの位置関係を示す)概略斜視図である。図21は、本実施形態の制御機構を概略的に示した制御図である。図22A乃至図22Cは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。図23は、患者に挿入部を挿入させる、または挿入部を抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。
【0063】
本実施形態における挿入部操作装置本体30以外の構成は、上述した第1の実施形態と同様であるためにその詳細な説明については省略する。
【0064】
図20に示すようにローラ対32において、ローラ32aを回転させる駆動部であるモータ60が設けられている。このモータ60は、挿入部10が進退する際に、ローラ32aを回転させることで挿入部10の進退動作を補助する補助部でもある。ローラ32a、モータ60、回転量センサ41は、同軸上に配置されている。なおモータ60は、ローラ32bを回転させても良い。つまりモータ60は、ローラ32a,32bの少なくとも一方を回転させればよい。
【0065】
またローラ対33にも同様にローラ33aを回転させる駆動部であるモータ61が設けられている。このモータ61は、挿入部10が捻れる際に、ローラ33aを回転させることで挿入部10の捻り動作を補助する補助部でもある。ローラ33a、モータ61、回転量センサ42は、同軸上に配置されている。なおモータ61は、ローラ33bを回転させても良い。つまりモータ61は、ローラ33a,33bの少なくとも一方を回転させればよい。
【0066】
次に図21を参照して本実施形態の制御機構について説明する。
本実施形態の制御機構の構成には、前述した第1の実施形態の制御機構の構成に第2のアンプ57と、第3のアンプ58が加えられている。
【0067】
本実施形態の制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37の駆動を制御する。同様に入出力ボード52、第2のアンプ57を介してモータ60の駆動を制御する。同様に入出力ボード52、第3のアンプ58を介してモータ61の駆動を制御する。
【0068】
入出力ボード52には、挿入部10が進退移動した際に、回転量センサ41によって検出されたローラ対32の回転量と、挿入部10が捻られた際に、回転量センサ42によって検出されたローラ対33の回転量と、モータ37が回転した際に、エンコーダ54によって検出されたモータ37の回転量(エンコーダ値)と、力センサ39によって検出された摩擦付勢部材38による付勢力と、力センサ39によって検出された挿入部10の挿入力と抜去力と捻り力が入力される。入出力ボード52に入力されたこれら回転量、付勢力、挿入力、抜去力、捻り力は、制御コントローラ51に入力される。
【0069】
なお制御コントローラ51は、ローラ対32の回転量から挿入部10の進退量と、ローラ対33の回転量から挿入部10の捻れ量を算出することも可能である。
【0070】
制御コントローラ51は、モータ37のエンコーダ値を参照しながら矢印にて示す付勢力が一定になるように入出力ボード52を介して第1のアンプ53によって回転信号を増減幅させて、上述したようにモータ37の駆動を制御する。これにより一定の付勢力によって挿入部10が保持機構対31によって保持される。なお矢印にてしめす付勢力は、上述したように力センサ39によって検出され、制御コントローラ51に入力される。また制御コントローラ51は、入出力ボード52から入力されたこれら回転量、付勢力、挿入力、抜去力、捻り力に基づいて入出力ボード52を介して第2のアンプ57によって回転信号を増減幅させて、モータ60の駆動を制御する。これにより挿入部10は、モータ60によって進退動作を補助される。同様に制御コントローラ51は、第3のアンプ58によって回転信号を増減幅させて、モータ61の駆動を制御する。これにより挿入部10は、モータ61によって捻り動作を補助される。
【0071】
次に図22A、図22B、図22Cを参照して患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作について説明する。
挿入部10が、挿入部操作装置本体30に、保持されるまでの動作は上述した第1の実施形態と同様であるため省略する。
この状態で図22Aに示すように術者2が、挿入部10を患者3に挿入させると、保持機構対31と挿入部10の間には挿入力が生じる。力センサ39は、この挿入力を検出する。検出された挿入力は、入出力ボード52に出力される。挿入力が第1の設定値αに達するまでは、摩擦付勢部材38によって挿入部10は、付勢されている。
【0072】
術者2が、挿入部10を患者3にさらに挿入させることで挿入力が第1の設定値αを越えた場合、制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させる。これにより制御コントローラ51は、図22Bに示すように摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)を開放する。
【0073】
このとき、ローラ対32は、挿入部10との摩擦により回転する。回転しているローラ32aの同軸に設けられている回転量センサ41は、ローラ32aの回転量を入出力ボード52を介して制御コントローラ51に出力する。この回転量とは、例えば回転速度、回転角度、角加速度である。判別部55は、この回転量を検出することで、挿入部10の進退状態を判別することができる。詳細には、ローラ対32が正回転している場合、挿入部10が挿入されていると、判別部55は、判別する。ローラ対32が負回転している場合、挿入部10が抜去されていると、判別部55は、判別する。
【0074】
その際、制御コントローラ51は、挿入動作または抜去動作に対する補助動作を制御する。挿入部10が挿入されることでローラ32aが回転している際に、ローラ32aの回転量(例えば回転速度θ)が、予め設定部56に設定された一定値θ1と常に同一になるように、制御コントローラ51は、入出力ボード52を介して第2のアンプ57に指示を出力する。第2のアンプ57は、回転速度θを一定値θ1と同一にさせるようにモータ60を駆動させる。このように制御コントローラ51は、挿入部10の挿入動作、または抜去動作をモータ60によって補助する。なお本実施形態は、第2のアンプ57をトルク制御用アンプとすることで、制御コントローラ51にて指示したトルクにてモータ60を駆動させることができる。
なお制御コントローラ51は、上述したように捻り動作に対する補助動作も制御する。制御コントローラ51は、挿入部10の捻り動作をモータ61によって補助する。
【0075】
なお術者2が、患者3に対する挿入部10の挿入を止めても(挿入力が0の状態)、ローラ32aの回転量(例えば回転速度θ)が上述した一定値θ1になるように制御コントローラ51がモータ60に与えるトルクをトルクT0とする。このトルクT0は、任意に設定可能である。制御コントローラ51は、このトルクT0を常に記憶している。また術者2が、患者3に対して挿入部10を挿入させる(挿入力が加わる)と、このトルクT0に挿入力が加わる。その際、トルクT0と挿入力の和によって、ローラ32aの回転量(例えば回転速度θ)が上述した一定値θ1になるように、制御コントローラ51は、トルクT0からトルクTに落とす必要がある。挿入力が大きいほどトルクTは小さくて済む。これにより判別部55は、トルクTがトルクT0よりも小さいか否かを判別することで、術者2が挿入部10を挿入させている状態が維持されているか否かを判別する。
【0076】
またトルクTが大きくなりトルクT0と略同一になると、術者2が、患者3に対する挿入部10の挿入を止めた(挿入力が0になる)と、判別部55は判別する。この場合、図22Cに示すように制御コントローラ51は、入出力ボード52を介してモータ60の駆動を停止させてローラ32aの回転を停止させる。また制御コントローラ51は、入出力ボード52を介してモータ37を駆動させる。挿入部10は、再び摩擦付勢部材38によって付勢(締め付け)され、保持機構対31によって挟まれて保持される。これにより挿入部10は、挿入部操作装置本体30に保持される。
【0077】
なお術者2が、挿入部10を患者3から抜去させる際の挿入部操作装置本体30の動作は、図22A乃至図22Cにおける挿入力が抜去力に代わっているのみのため省略する。
【0078】
また術者2が、挿入部10を捻る際の挿入部操作装置本体30の動作は、図22A乃至図22Cにおける挿入力が捻り力に代わっているのみのため省略する。
【0079】
次に患者に挿入部を挿入させる、または患者から挿入部を抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作について図23に示すフローチャートを参照して説明する。
【0080】
判別部55は、挿入力、または抜去力が第1の設定値αを越えたか否かを判別する(Step11)。挿入力、または抜去力が第1の設定値αを越えていると、判別部55が判別した場合(Step11:Yes)、制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させる。これにより摩擦付勢部材38による挿入部10への付勢(締め付け)が開放され、保持機構対31による挿入部10の保持状態が開放される(Step12)。この状態において、上述したようにローラ対32は、挿入部10との摩擦により回転する。回転しているローラ32aの同軸に設けられている回転量センサ41は、ローラ32aの回転量を入出力ボード52を介して制御コントローラ51に出力する。その際、判別部55は、回転量からローラ32aが正回転しているか否かを判別する(Step13)。ローラ32aが正回転していると、判別部55が判別すれば(Step13:Yes)、挿入部10が挿入されているとみなす。その際、上述したように制御コントローラ51は、モータ60によって挿入部10の挿入動作を補助する(Step14)。ローラ32aが正回転していると、判別部55が判別しなければ(Step13:No)、制御コントローラ51は、ローラ32aが負回転しているとみなし、挿入部10が抜去されているとみなす。その際、上述したように制御コントローラ51は、モータ60によって挿入部10の抜去動作を補助する(Step15)。
【0081】
次に判別部55は、トルクTがトルクT0より小さいか否かを判別する(Step16)。トルクTがトルクT0より小さいと、判別部55が判別した場合、Step12に戻り、摩擦付勢部材38による挿入部10への開放状態が維持される。トルクTがトルクT0と略同一であると、判別部55が判別した場合(Step16:No)、制御コントローラ51は、挿入力または抜去力が0になったとみなす。この場合、制御コントローラ51は、入出力ボード52、第2のアンプ57を介してモータ60の駆動を停止させてローラ32aの回転を停止させる(Step17)。これにより制御コントローラ51は、挿入部10の挿入動作、または抜去動作の補助を終了する。
【0082】
また第1の実施形態と同様に制御コントローラ51は、保持動作を制御する。つまり制御コントローラ51は、入出力ボード52、第1のアンプ53を介してモータ37を駆動させ、摩擦付勢部材38を挿入部10に付勢(締め付け)させる。これにより制御コントローラ51は、保持機構対31に挿入部10を保持させ、保持機構対31による挿入部10の保持状態が維持される(Step18)。これにより動作を終了する。なお挿入力、または抜去力が第1の設定値αを低下していると、判別部55が判別した場合(Step11:No)、Step18に進む。
【0083】
なお挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作についてのフローチャートは、図23における挿入力、抜去力が、捻り力に代わっているのみのため省略する。なおこの場合、回転量センサ42によって挿入部10の捻れ方向(時計回りに回転しているか反時計回りに回転しているか)が検出され、捻れ動作がモータ61によって補助される。またモータ61に与えられるトルクを上述と同様にトルクT0とする。上述したように判別部55は、トルクTがトルクT0よりも小さいか否かを判別することで、術者2が挿入部10を捻っているか否かを判別する。トルクTがトルクT0よりも小さい場合、上述したように制御コントローラ51は、保持機構対31に挿入部10を保持させ、保持機構対31による挿入部10の保持状態が維持される。
【0084】
このように本実施形態は、第1の実施形態と同様に挿入部10を進退、または捻る際に、挿入力、抜去力、捻り力が第1の設定値αを越えたか否かを判別し、超えていた場合に保持機構対31による保持状態を開放させる。超えていない場合には制御コントローラ51は、保持動作を制御することで、保持機構対31により保持させて、挿入部10の動きを固定させている。これにより、本実施形態は、第1の設定値αより低い例えば患者3の突発的な動きや、偶発的に生じた不可抗力によって、術者2にとっての挿入部10の意図しない動きを防止することができる。よって本実施形態は、簡易な操作機構によって術者2にとっての操作性を損なうこと無く、また術者2が挿入部10を意図するように簡易に挿入、抜去、捻ることができる。
【0085】
また本実施形態における判別部55は、保持機構対31による付勢を開放させている際に、ローラ対32の回転方向から挿入部10の進退方向(挿入されているか、抜去されているかを)、ローラ対33の回転方向から捻りの回転方向を判別している。本実施形態は、この判別結果からモータ60,61を駆動させることで挿入部10の進退動作及び捻り動作を補助することができる。これにより術者2は、挿入部10を意図するように簡易に挿入、抜き出し、回転させることができる。
【0086】
次に図24乃至図30を参照して本発明に関わる第3の実施形態について詳細に説明する。前述した第1の実施形態と同一部位については同符合を付し、その詳細な説明は省略する。なお本実施形態では、制御ユニット50と操作部70の構成は前述した第1の実施形態と同様であるために図示せず、また詳細な説明についても省略する。
図24は、本実施形態における挿入部操作装置を使用する際の概略斜視図である。図25は、図24に示した挿入部操作装置本体を患者側から見た際の概略正面図である。図26は、図24に示した挿入部操作装置本体を術者側から見た際の概略斜視図である。図27A乃至図27Eは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。図28は、患者に挿入部を挿入させる、または挿入部を抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。図29A乃至図29Cは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。図30は、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。
【0087】
図24乃至図26に示すように挿入部操作装置本体30には、駆動機構63を駆動させるモータ73を支持する支持部62と、挿入部10を挿入、抜去、または捻るために挿入部10を保持する駆動機構63と、挿入部10を保持する駆動機構63を回動させることで挿入部10を捻る捻り機構部64が設けられている。
【0088】
駆動機構63には、挿入部10が患者3に対して挿入、または抜去される際に回転する回転部であるローラ対32(32a,32b)と、ローラ32aと同軸に設けられており、ローラ32aを回転させる駆動部であり、ローラ32aを回転させることで挿入部10の挿入、または抜去を補助する補助部であるモータ60と、ローラ32bと同軸に設けられており、前述した第1の実施形態と同様の回転量センサ41と、ローラ対32、モータ60を保持し、外周面に溝部65が設けられているギヤ部である駆動機構本体部66と、ローラ対32、モータ60を保持している面とは反対側の駆動機構本体部66の面に設けられている摺動部67が設けられている。
【0089】
摺動部67は、略半円筒状である。摺動部67には、外周面68上にピン71が挿入されるピン挿入部69が設けられている。なお駆動機構本体部66、摺動部67の内周面上には、軸方向(X軸方向)に平行に図示しない溝が設けられている。この溝は、上述した溝29と同様の効果を得ることができる。
【0090】
駆動機構63の下方には、捻り機構部64が設けられている。捻り機構部64には、Y軸方向に長孔形状を有している開口部72を有する受け部75が設けられている。受け部75は、摺動部67に対向している。受け部75は、摺動部67の外周面とほぼ同一に略半円筒形状に形成されている。受け部75には、摺動部67が載置され、その際、摺動部67と受け部75の軸は、ほぼ一致する。摺動部67が受け部75に載置された後に、開口部72を貫くようにピン71が開口部72を介して摺動部67の外周面に設けられているピン挿入部69に挿入される。これにより摺動部67と受け部75が組み立てられる。
【0091】
摺動部67は、受け部75と、同軸の略半円筒形状をしている。摺動部67は、受け部75に対して摺動(回動)することができる。その際、ピン挿入部69に挿入されているピン71が、開口部72に沿って開口部72内を移動する。そのため摺動部67の回動量は、開口部72の形状によって回動範囲を規定される。
【0092】
なお摺動部67が受け部75に載置されることで、溝部65は、ギヤ部74と噛合う構成である。これによりモータ73が回転した際に、ギヤ部74を介して捻り機構部64に載置される駆動機構63全体が回動する。
【0093】
駆動機構63は、モータ73の駆動により、モータ73からギヤ部74、溝部65を介して駆動力を伝達されることにより捻り機構部64に対して回動する回動部である。これにより挿入部10は捻られることを補助される。モータ73は、駆動機構63を回動させることで挿入部10の捻りを補助する補助部である。駆動機構63が回動した際に、ピン71がピン挿入部69に挿入されることで駆動機構63は、上述したように動作範囲(回動範囲)が規定される。またモータ73には、モータ73の回転量を検出する図示しないエンコーダが設けられている。
【0094】
ローラ32bの回転量は、挿入部10に加えられる挿入量や抜去量に応じて異なる。そのため回転量センサ41は、ローラ32bの回転量から挿入部10に加えられる挿入量や抜去量を検出する。このように回転量センサ41は、ローラ32a,33aを介して間接的に挿入部10に接触して挿入量や抜去量を検出する。
【0095】
また、駆動機構本体部66には、駆動機構本体部66の回動量(例えば回動速度、回動角度、角加速度)を検出する図示しない回動量センサが設けられている。駆動機構本体部66の回動量は、挿入部10に加えられる捻れ量に応じて異なる。そのため回動量センサは、駆動機構本体部66の回動量から挿入部10に加えられる捻れ量を検出する。このように回動量センサは、駆動機構本体部66を介して間接的に挿入部10に接触して捻れ量を検出する。
【0096】
また本実施形態における制御機構は、前述した第1の実施形態及び第2の実施形態と同様であるために詳細な説明は省略する。
【0097】
次に図27A、図27B、図27C、図27D、図27Eを参照して患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作について説明する。
【0098】
挿入力が挿入部10に生じない(例えば術者2が挿入部10を患者3に挿入しない)場合、制御コントローラ51は、ローラ対32を図27Aに示す状態に維持する。なおこの位置を原点位置と称する。このように挿入部10は、ローラ対32を介して駆動機構63によって保持されている。
【0099】
次に術者2が挿入部10を患者3に挿入させるために押し込むと、挿入部10に対して挿入力が生じる。その際、図27Bに示すように制御コントローラ51は、この挿入力が所定値を越えるまで、挿入部10が押し込まれないように、モータ60を駆動させてトルクを発生させ、原点位置を維持する。
【0100】
次に術者2が挿入部10を患者3にさらに挿入させ、挿入力が所定値を越え、トルクに勝ると、図27Cに示すように、ローラ対32は、回転し、原点位置から回転量(例えば回転速度、回転角度、角加速度)だけずれる。その際、判別部55は、回転量センサ41によって検出された回転量から挿入部10の進退状態を判別することができる。上述したように詳細には、ローラ対32が正回転している場合、挿入部10が挿入されていると、判別部55は、判別する。ローラ対32が負回転している場合、挿入部10が抜去されていると、判別部55は、判別する。
【0101】
次に術者2が挿入部10を患者3にさらに挿入させ、回転量が予め設定されている設定部56に設定されている第1の設定値γを越えた場合、制御コントローラ51は、挿入動作または抜去動作に対する補助動作を制御する。第1の設定値γは、任意に設定可能である。そのため制御コントローラ51は、モータ60を駆動させる。このとき図27Dに示すようにモータ60は、判別部55からの判別結果によって挿入部10の進退方向と同一方向にローラ32aを回転させる。例えば挿入部10が挿入されているのであれば、制御コントローラ51はローラ対32を正回転させ、挿入動作を補助する。また例えば挿入部10が抜去されているのであれば制御コントローラ51はローラ対32を負回転させ、抜去を補助する。
【0102】
そのため制御コントローラ51は、モータ60に挿入力と同一方向にトルクを発生させ、挿入部10の挿入動作、または抜去動作の補助をする。その際、このトルクは、予め設定された値を維持するように図示しない制御コントローラ51により制御される。
【0103】
次に術者2が患者3への挿入部10の挿入を止める(挿入力が0になる)と、ローラ32bの回転量(例えば回転速度θ)が、低下する。このローラ32bの回転量が設定部56に設定されている第2の設定値δを下回ったと判別部55が判別した場合、判別結果を受けて制御コントローラ51は、挿入部10の挿入力が0になったとみなし、モータ60の駆動を停止させる。第2の設定値δは、任意に設定可能である。またその際に図27Eに示すように制御コントローラ51は、ローラ対32が停止した位置を新たな原点位置とする。また制御コントローラ51は、ローラ対32を介して駆動機構63に挿入部10を保持させる。これにより図27Aの状態に戻る。
【0104】
次に患者に挿入部を挿入させる、または抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作について図28に示すフローチャートを参照して説明する。
【0105】
術者2が患者3に挿入部10を挿入させ、挿入力が所定値を越えた際、また術者2が患者3から挿入部10を抜去させ、抜去力が所定値を越えた際に、判別部55が、ローラ対32の回転量が第1の設定値γを越えたか否かを判別する(Step21)。判別部55は、回転量が第1の設定値γを越えていると判別した場合(Step21:Yes)、ローラ対32は、回転し、原点位置から回転量だけずれる。
【0106】
この状態において、上述したようにローラ対32は、挿入部10との摩擦により回転する。回転しているローラ32bの同軸に設けられている回転量センサ41は、ローラ32bの回転量を入出力ボード52を介して制御コントローラ51に出力する。その際、判別部55は、回転量からローラ32bが正回転しているか否かを判別する(Step22)。ローラ32bが正回転していると、判別部55が判別すれば(Step22:Yes)、挿入部10が挿入されているとみなす。その際、上述したように制御コントローラ51は、モータ60によって挿入部10の挿入動作を補助する(Step23)。ローラ32bが正回転していると、判別部55が判別しなければ(Step22:No)、ローラ32bが負回転しているとみなし、挿入部10が抜去されているとみなす。その際、上述したように制御コントローラ51は、モータ60によって挿入部10の抜去動作を補助する(Step24)。
【0107】
次に判別部55は、ローラ対32の回転量(例えば回転速度θ)が予め設定されている第2の設定値δより大きいか否かを判別する(Step25)。
【0108】
回転量が第2の設定値δを越えていると、判別部55が判別した場合(Step25:Yes)、挿入部10が挿入、または抜去されているとみなし、Step22に戻る。これにより挿入部10に対する挿入動作、または抜去動作が補助される。回転量が第2の設定値δを低下していると、判別部55が判別した場合(Step25:No)、制御コントローラ51は、術者2が患者3への挿入部10の挿入、または抜去をとめたとみなす。よって制御コントローラ51は、モータ60の駆動を停止させる。これによりローラ32aの回転が停止する(Step26)。
【0109】
その際に制御コントローラ51は、ローラ対32を介して駆動機構63に挿入部10を保持させ、保持状態を維持している。これによりローラ32aが停止した位置が新たな原点位置となる(Step27)。
【0110】
なおStep21において、判別部55が、回転量が第1の設定値γを越えていないと判別した場合(Step21:No)、Step27に進む。
【0111】
次に図29A、図29B、図29Cを参照して挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作について説明する。
【0112】
捻り力が挿入部10に生じない(例えば術者2が挿入部10を捻らない)場合、駆動機構本体部66は、静止状態を維持している。なおこの位置を原点位置と称する。
【0113】
駆動機構本体部66には、モータ60が設けられている。図29Aに示すように術者2が静止状態から挿入部10を捻ると、駆動機構本体部66も挿入部10の捻れに対応して回動を始める。その際、回動角度によって異なるモーメントが回動中心回りに発生する。例えば図29Aに示すように角度θ1の位置では、モーメントMθ1が発生する。駆動機構本体部66が角度θ1の位置に静止するには、挿入部操作装置本体30は、モータ73にモーメントMθ1とつり合うトルクTθ1を発生させる必要がある。
【0114】
このように挿入部操作装置本体30は、角度θに応じるトルクTθを設定し、モータ73に発生させる。この設定は、例えば5°毎に行い、±2.5°の範囲は、同一の値を使用すればよい。なお駆動機構本体部66の構成(例えば駆動機構本体部66に設けられている構成要素の配置や重さ等)から数学的に求めても良い。
【0115】
術者2が挿入部10を角度θ1からさらにズレ角度Δθ1を捻ると、駆動機構本体部66も挿入部10の捻れに対応して回動を始める。角度θ1からのズレ角度Δθ1が予め設定されている第1の設定値αを超えた場合、判別部55は、術者2が挿入部10を捻っていると判別する。そのためズレ角度Δθ1がさらに大きくなる方向に挿入部操作装置本体30は、モータ73を駆動させる。その際、挿入部操作装置本体30は、モータ73に図29Bに示すように静止するためだけのトルクTθ1に加えてさらにトルクtθ1を発生させる。この追加されたトルクtθ1によって術者2の捻りが補助される。
【0116】
このトルクtθ1は、ズレ角度Δθ1に応じた値であり、例えば角度θ1に応じるトルクTθ1の数十%と予め設定しておけばよい。
【0117】
このように術者2は、挿入部10を捻る際に、モータ73によって捻りを補助されるために捻り操作の負担が軽減される。また挿入部操作装置本体30は、モータ73に設けられている図示しないエンコーダによってモータ73の回転量を測定する。
【0118】
術者2は、挿入部10を捻る力を除々に減らしていくと、駆動機構本体部66が回動する力はモータ73のトルクのみとなる。また術者2が、挿入部10の捻りを止めると、駆動機構本体部66の回動量(例えば回動速度θ)が、低下する。この駆動機構本体部66の回動量が第2の設定値δを下回ったと判別部55が判別した場合、判別結果を受けて挿入部操作装置本体30は、挿入部10の捻り力が0になった(術者2が捻りを停止させた)とみなす。これにより挿入部操作装置本体30は、モータ73を駆動させて、モータ73の駆動を停止させる。またその際に図29Cに示すように挿入部操作装置本体30は、モータ73を駆動させて角度θ2に応じた静止トルクTθ2発生させ、駆動機構本体部66をこの位置に維持させる。駆動機構63は、ローラ対32を介して挿入部10を保持した状態で静止する。これによりこの位置が新たな原点位置となる。
【0119】
次に挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作について図30に示すフローチャートを参照して説明する。
【0120】
駆動機構本体部66が原点位置に位置している状態において、術者2が挿入部10を捻る。その際、判別部55が、駆動機構本体部66のズレ角度Δθ1が設定部56に設定されている第1の設定値αを越えたか否かを判別する(Step31)。判別部55が、ズレ角度Δθ1が第1の設定値αを越えていると判別した場合(Step31:Yes)、判別部55は、回動量センサの検出結果から駆動機構本体部66が正回動している(図29において、駆動機構本体部66が時計回りに回動している)か否かを判別する(Step32)。
【0121】
駆動機構本体部66が正回動していると、判別部55が判別すれば(Step32:Yes)、判別部55は、図24においてX軸方向において(術者3側から見て)、挿入部10が反時計回りに捻られていると判別する。制御コントローラ51は、図29において、ギヤ部74を反時計回りに回転させるようにモータ73を駆動させる。これにより制御コントローラ51は、挿入部10の反時計(左)回りの捻り動作を補助する(Step33)。駆動機構本体部66が正回動していると、判別部55が判別しなければ(Step32:No)、判別部55は、図24においてX軸方向において(術者3側から見て)、挿入部10が時計回りに捻られていると判別する。制御コントローラ51は、図29において、ギヤ部74を時計回りに回転させるようにモータ73を駆動させる。これにより制御コントローラ51は、挿入部10の時計(右)回りの捻り動作を補助する(Step34)。
【0122】
次に判別部55は、駆動機構本体部66の回動量(例えば回動速度θ)が設定部56に予め設定されている第2の設定値δより大きいか否かを判別する(Step35)。
【0123】
回動量が第2の設定値δを越えていると、判別部55が判別した場合(Step35:Yes)、挿入部10が捻られているとみなしStep32に戻り、挿入部10に対する捻り動作が補助される。回動量が第2の設定値δを低下していると、判別部55が判別した場合、(Step35:No)、判別部55は、術者2が挿入部10の捻りを停止したとみなす。よって制御コントローラ51は、モータ73の駆動を停止させる(Step36)。これにより駆動機構本体部66の回動が停止する。
【0124】
その際に挿入部操作装置本体30は、モータ73を駆動させて角度θ2に応じた静止トルクTθ2発生させる。これにより駆動機構63は、ローラ対32を介して挿入部10を保持した状態で静止する。これによりこの位置が新たな原点位置となる(Step37)。
なおStep31において、判別部55がズレ角度Δθ1が第1の設定値αを越えていないと判別した場合(Step31:No)、Step36に進む。
【0125】
このように本実施形態は、駆動機構63がローラ対32を介して挿入部10を保持する保持機構を兼ねているため、駆動機構63を制御することで挿入部10を挿入、抜去、捻ることができる。これにより本実施形態は、第1の実施形態に比べて構成部材を少なくすることができるために安価にすることができる。
また本実施形態は、挿入部10を挿入、抜去、捻る際に、モータ60、モータ73を駆動させることで挿入動作、抜去動作、捻り動作を補助することができる。
【0126】
また本発明は、上記実施形態及び変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】図1は、第1の実施形態における挿入部操作装置を使用する際の概略斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した挿入部操作装置の概略側面図である。
【図3】図3は、図1に示した挿入部操作装置の概略正面図である。
【図4】図4は、図3に示す回動部を回動させた際の挿入部操作装置本体の概略正面図である。
【図5】図5は、図3に示す回動部を回動させた際の挿入部操作装置本体の概略上面図である。
【図6】図6は、図3に示す挿入部操作装置本体に挿入部を挿入させた際の挿入部操作装置の概略上面図である(回動部は図示せず)。
【図7】図7は、保持機構の概略斜視図である。
【図8】図8は、図6に示す保持機構のA−A概略断面図である。
【図9】図9は、力センサの概略斜視図である。
【図10】図10は、図6に示す挿入部操作装置のB−B概略断面図である。
【図11A】図11Aは、挿入部操作装置本体の内部を示す概略斜視図(挿入部、ローラ対、回転量センサ、保持機構対の位置関係を示す)概略斜視図である。
【図11B】図11Bは、ローラ対の変形例である。
【図11C】図11Cは、ローラ対の変形例である。
【図12】図12は、図6に示す挿入部操作装置本体のC−C概略断面図である。
【図13】図13は、本実施形態の制御機構を概略的に示した制御図である。
【図14A】図14Aは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図14B】図14Bは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図14C】図14Cは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図14D】図14Dは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図15】図15は、患者から挿入部を抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図16】図16は、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。
【図17A】図17Aは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図17B】図17Bは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図17C】図17Cは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図18】図18は、保持機構における力センサ周辺を示す概略側面図である。
【図19】図19は、ローラ周辺を示す概略側面図である。
【図20】図20は、第2の実施形態の特徴部を示す図であり、挿入部操作装置本体の内部の配置関係を示す(挿入部、ローラ対、回転量センサ、保持機構対、モータの位置関係を示す)概略斜視図である。
【図21】図21は、本実施形態の制御機構を概略的に示した制御図である。
【図22A】図22Aは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図22B】図22Bは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図22C】図22Cは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図23】図23は、患者に挿入部を挿入させる、または挿入部を抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。
【図24】図24は、第3の実施形態における挿入部操作装置を使用する際の概略斜視図である。
【図25】図25は、図24に示した挿入部操作装置本体を患者側から見た際の概略正面図である。
【図26】図26は、図24に示した挿入部操作装置本体を術者側から見た際の概略斜視図である。
【図27A】図27Aは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図27B】図27Bは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図27C】図27Cは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図27D】図27Dは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図27E】図27Eは、患者に挿入部を挿入させる際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図28】図28は、患者に挿入部を挿入させる、または挿入部を抜去させる際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。
【図29A】図29Aは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図29B】図29Bは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図29C】図29Cは、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示す図である。
【図30】図30は、挿入部を捻る際の挿入部操作装置本体の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0128】
1…挿入部操作装置、2…術者、3…患者、3a…頭部、4…ベッド、5…枕、10…挿入部、26…突起部、27…凸凹部、28…溝、29…溝、30…挿入部操作装置本体、31…保持機構対、31a…保持機構、31b…保持機構、32…ローラ対、32a…ローラ、32b…ローラ、33…ローラ対、33a…ローラ、33b…ローラ、34…回動部、34a…支点、35…接点、36…接地部、37…モータ、38…摩擦付勢部材、39…力センサ、40…ネジ部、41…回転量センサ、42…回転量センサ、43…バネ、44…支持部材、45…防水部材、46…軸部、47…支持部材、48…ヘッド部、50…制御ユニット、51…制御コントローラ、52…入出力ボード、53…第1のアンプ、54…エンコーダ、55…判別部、56…設定部、57…第2のアンプ、58…第3のアンプ、60…モータ、61…モータ、62…支持部、63…駆動機構、64…捻り機構部、65…溝部、66…駆動機構本体部、67…摺動部、68…外周面、69…ピン挿入部、70…操作部、71…ピン、72…開口部、73…モータ、74…ギヤ部、75…受け部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管腔に対して進退される、または捻られる際に操作される内視鏡の挿入部に加えられる操作量を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記操作量に応じて、前記管腔に対する前記挿入部の進退、または捻りの前記操作を制御する制御部と、
を具備することを特徴とする挿入部操作装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記挿入部が操作される際に、前記挿入部に直接加えられる前記操作量を検出することを特徴とする請求項1に記載の挿入部操作装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記挿入部を前記管腔内に挿入させる際の挿入力、前記挿入部を前記管腔内から抜去させる際の抜去力、前記挿入部を捻る捻り力、前記挿入部を操作させる際の速度、前記挿入部を操作させる際の加速度、前記挿入部を操作させる際の角度といった前記操作量を検出することを特徴とする請求項2に記載の挿入部操作装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記挿入部に間接的に接触して前記操作量を検出することを特徴とする請求項1に記載の挿入部操作装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記挿入部を保持する保持動作と、前記挿入部の進退動作、または捻り動作を補助する補助動作と、を制御することを特徴とする請求項1に記載の挿入部操作装置。
【請求項6】
前記挿入部を保持する保持機構をさらに有し、
前記制御部は、前記挿入部に加えられた前記操作量が所定の範囲以内の際に、前記保持機構に前記挿入部を保持させることを特徴とする請求項5に記載の挿入部操作装置。
【請求項7】
前記挿入部の進退動作、または捻り動作を補助する駆動部をさらに有し、
前記制御部は、前記挿入部に加えられた前記操作量が所定の範囲を越えた際に、前記駆動部を駆動させることを特徴とする請求項5に記載の挿入部操作装置。
【請求項8】
前記駆動部は、前記挿入部に直接接触して回転することで前記挿入部の前記進退動作、または前記捻り動作を補助する回転部であることを特徴とする請求項7に記載の挿入部操作装置。
【請求項9】
前記駆動部は、前記保持機構を兼ねることを特徴とする請求項7に記載の挿入部操作装置。
【請求項10】
前記管腔を有する挿入対象部を配置する配置部材上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の挿入部操作装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記検出部と別体で構成され、前記検出部よりも鉛直方向下方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の挿入部操作装置。
【請求項12】
前記挿入部に直接接触し、当該挿入部操作装置に対して着脱可能である接触部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の挿入部操作装置。
【請求項13】
前記接触部は、前記挿入部に対して直接接触することで前記挿入部を付勢する付勢部、または前記挿入部に対して直接接触した際に回転する回転部であることを特徴とする請求項12に記載の挿入部操作装置。
【請求項1】
管腔に対して進退される、または捻られる際に操作される内視鏡の挿入部に加えられる操作量を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記操作量に応じて、前記管腔に対する前記挿入部の進退、または捻りの前記操作を制御する制御部と、
を具備することを特徴とする挿入部操作装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記挿入部が操作される際に、前記挿入部に直接加えられる前記操作量を検出することを特徴とする請求項1に記載の挿入部操作装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記挿入部を前記管腔内に挿入させる際の挿入力、前記挿入部を前記管腔内から抜去させる際の抜去力、前記挿入部を捻る捻り力、前記挿入部を操作させる際の速度、前記挿入部を操作させる際の加速度、前記挿入部を操作させる際の角度といった前記操作量を検出することを特徴とする請求項2に記載の挿入部操作装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記挿入部に間接的に接触して前記操作量を検出することを特徴とする請求項1に記載の挿入部操作装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記挿入部を保持する保持動作と、前記挿入部の進退動作、または捻り動作を補助する補助動作と、を制御することを特徴とする請求項1に記載の挿入部操作装置。
【請求項6】
前記挿入部を保持する保持機構をさらに有し、
前記制御部は、前記挿入部に加えられた前記操作量が所定の範囲以内の際に、前記保持機構に前記挿入部を保持させることを特徴とする請求項5に記載の挿入部操作装置。
【請求項7】
前記挿入部の進退動作、または捻り動作を補助する駆動部をさらに有し、
前記制御部は、前記挿入部に加えられた前記操作量が所定の範囲を越えた際に、前記駆動部を駆動させることを特徴とする請求項5に記載の挿入部操作装置。
【請求項8】
前記駆動部は、前記挿入部に直接接触して回転することで前記挿入部の前記進退動作、または前記捻り動作を補助する回転部であることを特徴とする請求項7に記載の挿入部操作装置。
【請求項9】
前記駆動部は、前記保持機構を兼ねることを特徴とする請求項7に記載の挿入部操作装置。
【請求項10】
前記管腔を有する挿入対象部を配置する配置部材上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の挿入部操作装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記検出部と別体で構成され、前記検出部よりも鉛直方向下方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の挿入部操作装置。
【請求項12】
前記挿入部に直接接触し、当該挿入部操作装置に対して着脱可能である接触部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の挿入部操作装置。
【請求項13】
前記接触部は、前記挿入部に対して直接接触することで前記挿入部を付勢する付勢部、または前記挿入部に対して直接接触した際に回転する回転部であることを特徴とする請求項12に記載の挿入部操作装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図27D】
【図27E】
【図28】
【図29A】
【図29B】
【図29C】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図27D】
【図27E】
【図28】
【図29A】
【図29B】
【図29C】
【図30】
【公開番号】特開2008−113697(P2008−113697A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297060(P2006−297060)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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