説明

挿嵌されたケーブル、導管又はパイプを密封する装置

フレームとして形成された壁や屋根の円形通路の中に挿嵌された導管を密封する装置において、四角形の収容パック(7)を形成する弾性材料のプラグ形密封体(2)を配置する。収容パック(7)の中に、導管(3)を受容した方形の形の弾性の分割型モジュール(4)を挿嵌し、密封体(2)に作用する締着エレメントを使って密封配置する。モジュール(4)の組立てと分解のために収容パック(7)を増大させるため、収容パック(7)の少なくとも一方の境界側に、モジュール(4)組立て後に挿嵌可能なウェッジエレメント(8)を受容するためのウェッジ形のフリースペース(9)を作る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性材料からなるプラグ形密封体を挿嵌したフレームとして形成され、ケーブル、導管又はパイプの間に互いに重なる、及び/又は隣接するモジュラー配列において方形の形で配置された全体的又は部分的に弾性のモジュール、特に、圧力エレメントと移動可能な締着エレメントを使って、また、フレーム平面内の密封体を使って、受容されたエレメントをフレーム内で密封締着するモジュールを収容する四角形パックを形成する壁や屋根のための円形通路の中で挿嵌されたケーブル、導管又はパイプを密封する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置は数多くの設計で知られている。独国実用新案第8809629号明細書(DE GM 88 09 629 U1)では、壁通路の円形フレームにおいてケーブル通路を密封することが提示されている。ここでは、弾性加工可能な材料からなる、挿嵌可能な分割型継手具を収容する四角形スペースを持ちプラグ形密封体が、火災、水漏れ及びガス漏れを防止する目的で密封体に作用する締着エレメントを使って密封締着できるケーブルなどを受容するために設けられる。この種の装置の欠点は、見込んだ収容スペースの中での組立て、特に最終列のモジュールの組立てにおいて別々のモジュール同士の分割線をコラムとして獲得することが簡単にはできないことである。また、モジュールの変更又は分解も困難を伴う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、この種の装置を改良し、簡素な仕方で組立て容積を拡張し、類似の締着力を抑制した上で密封を保証し、組立ての簡素化を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、本発明により、モジュールを収容するパックの少なくとも一方の境界側が、モジュール組立て後に挿嵌可能なウェッジエレメントを受容するための対応するウェッジ形のフリースペースを示すことによって解決される。
【発明の効果】
【0005】
これによって組立てと分解は簡素化され、それにより、モジュールをより大きい組立て容積の中で扱うことが可能になる。
【0006】
ウェッジエレメントを受容するためのウェッジ形のフリースペースを、互いに重ねて配置されたモジュールの分割線の上又は下に形成することにより、有利な設計が獲得される。
【0007】
挿嵌されたウェッジエレメントを簡単に取外しできるようにするため、収容パックに、挿嵌されたウェッジエレメントを扱うための進入口として1つの溝穴を付けることを提案する。
【0008】
更に進んだ形態では、本装置は、ウェッジエレメントが収容パックの溝穴に対応する内空部を有するようにも設計される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施例を図面に則して詳細に説明する。
【0010】
図示された本装置の中にフレーム1が配置され、図示されていない壁で固定されている。このフレーム1は、弾性材料からなる対応するウェッジ形の密封体2を受容し、中央の四角形収容パック7を有し、モジュラー配列の挿嵌モジュール4を、中に通されるケーブル3のための分割型継手具として収容する働きをする。
【0011】
密封体2は、両側に圧力板12を配しており、これらが、ねじ6を締着エレメントとして使用することによって収容パック7の横断面積を減少させる一方、挿嵌されたケーブル3を火災、水漏れ及びガス漏れから守る目的で、挿嵌されたモジュール4を圧縮する。
【0012】
モジュール4の選択は、ケーブル3の直径に応じて、締着前のモジュール4の両半分の間に空隙5ができるように行う。収容パック7の内側にモジュール4の複数の層が形成されたならば、測定寸法xの別々の空隙5を合計数ミリメートルの1つの空隙13にまとめ、正規寸法Aを増大させる。その結果、最終列のモジュールの組立てが複雑な条件のもとで可能ということになる。
【0013】
そして、ウェッジ形のフリースペース9が、互いに重ねて配置されたモジュール4の分割線としての空隙5より上に位置し、モジュール4の組立て後に対応する挿嵌可能なウェッジエレメント8を受容する働きをするように配置されている。
【0014】
この特徴により、密封体2において組立てスペースを増大させることが可能であり、そこで、ウェッジエレメント8を挿嵌することにより、拡大部分は組立て後に再び閉じることができる。その後、通路の締着は従来公知の仕方で可能である。
【0015】
ウェッジエレメント8は、密封体2の溝穴を通じて簡単に取外しできるようになっており、ねじ回し10を使ってウェッジエレメント8を浮かし、モジュール4に必要な歪み取りを行うことができ、これで、モジュールを再び容易に除去及び/又は交換できることになる。この目的のため、ウェッジエレメント8は内空部14とも結合している。
【0016】
無論、この実施例と別に、収容スペースを増大させるために収容パック7のより多くの側にウェッジエレメント8を配置することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】フレーム、密封体、及び準備されたケーブルを有する本発明に係る装置の概観図である。
【図2】分割型継手具として挿嵌されるモジュールを示す。
【図3】図2のモジュールにケーブルを挿嵌したところを示す。
【図4】密封体の収容パックに挿嵌されるように配置された多数のモジュールを示す。
【図5】挿嵌前のウェッジエレメントを付けた挿嵌可能な密封体の斜視図である。
【図6】モジュールが挿嵌された密封体の平面図である。
【図7】ウェッジエレメントが挿嵌される前の、図6の密封体の横断面を示す。
【図8】ウェッジエレメントが挿嵌された後の、図6の密封体の横断面を示す。
【図9】ウェッジエレメント取外しの概観図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性材料からなるプラグ形密封体を挿嵌したフレームとして形成され、ケーブル、導管又はパイプの間に互いに重なる、及び/又は隣接するモジュラー配列において方形の形で配置された全体的又は部分的に弾性のモジュール、特に、圧力エレメントと移動可能な締着エレメントを使って、また、フレーム平面内の密封体を使って、受容されたエレメントをフレーム内で密封締着するモジュールを収容する四角形パックを形成する壁や屋根のための円形通路の中で挿嵌されたケーブル、導管又はパイプを密封する装置であって、前記モジュールを収容する前記パック(7)の少なくとも一方の境界側が、前記モジュール(4)組立て後に挿嵌可能なウェッジエレメント(8)を受容するための対応するウェッジ形のフリースペース(9)とされていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ウェッジエレメント(8)を受容するための前記ウェッジ形フリースペース(9)が、互いに重ねて配置された前記モジュール(4)の分割線の上又は下に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記収容パック(7)が、挿嵌された前記ウェッジエレメント(8)を扱うための進入口として1つの溝穴(11)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記ウェッジエレメント(8)が、前記収容パック(7)の溝穴(11)に対応する内空部(14)を有することを特徴とする、請求項3に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−520458(P2009−520458A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547185(P2008−547185)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/SE2006/050594
【国際公開番号】WO2007/073337
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(506259461)ロックステック アクティエボラーグ (8)
【Fターム(参考)】