説明

捕虫器

【課題】捕虫器において、器具周辺の環境を汚すことなく虫を静かに捕獲可能であって、大量の虫を捕獲しても器具の捕虫効率が低下することがないようにする。
【解決手段】捕虫器1は、虫20を誘引する第1の誘引部としての誘虫光源2と、誘虫光源2に誘引された虫20を捕獲する捕獲部3と、捕獲部3の入口に設けられ、この入口から捕獲部3の内部に向かう方向に傾斜して植毛された植毛部4と、誘虫光源2に誘引された虫20を植毛部4を通して捕獲部3の内部へ誘引する第2の誘引部としての誘虫光源5とを備える。誘虫光源2に近寄ってきた虫20は、誘虫光源5から出射された光により誘引され、植毛部4に侵入する。植毛部4に侵入した虫20は、捕獲部3の内部に向かって植毛部4を移動し、植毛部4を通り抜けると捕獲部3に捕獲される。捕獲部3に捕獲された虫20は、餌や水分の不足によって死滅する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘引源に誘引された虫を捕獲する捕虫器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の捕虫器として、虫を誘引する光を出射する捕虫用ランプと、捕虫用ランプに誘引された虫を吸着して捕獲する粘着部とを備えた捕虫器が知られている。しかしながら、このような粘着捕獲方式の捕虫器では、粘着部に大量の虫が吸着すると、虫を吸着可能な粘着面が減少し、器具の捕虫効率が低下する。
【0003】
また、上記捕虫器の他の形態として、粘着部に代えて、捕虫用ランプに誘引された虫に電撃を与える電極部とを備え、電極部によって電撃を与えた虫を捕獲するようなものがある。しかしながら、このような電撃捕獲方式の捕虫器では、器具の捕虫効率が低下することはないものの、虫に電撃を与える際に耳障りな電撃音が発生する。また、電撃を受けた虫の死骸が飛散し、器具周辺の環境が汚れてしまうことがある。
【0004】
なお、虫が一時的に留まる着地部材と、着地部材に留まった蚊を捕獲する捕獲部を備えた捕虫器において、着地部材に留まった蚊を剥離するため、捕獲部が、動物の毛やナイロン繊維等を植毛したブラシ部材を有したものがある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような捕虫器は、上述したような問題を解決するものではない。
【特許文献1】特開2006−223204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、器具周辺の環境を汚すことなく虫を静かに捕獲可能であり、また大量の虫を捕獲しても器具の捕虫効率が低下することがない捕虫器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、虫を誘引する第1の誘引部と、前記第1の誘引部に誘引された虫を捕獲する捕獲部とを備えた捕虫器であって、前記捕獲部の入口に設けられ、該入口から該捕獲部の内部に向かう方向に傾斜して植毛された植毛部と、前記第1の誘引部に誘引された虫を、前記植毛部を通して前記捕獲部の内部へ誘引する第2の誘引部とを備えるものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2の誘引部は、前記捕獲部の内部に設けられており、前記第1の誘引部よりも高い誘虫効果を有しているものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の誘引部及び第2の誘引部は、前記捕獲部の内部に設けられた1つの誘引源であるものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載の発明において、前記第1の誘引部及び第2の誘引部は、紫外線を含有する光を出射する捕虫用ランプであり、前記植毛部は、透光性を有するものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2の誘引部は、前記植毛部を植毛面に対して略垂直な方向に微振動させる機構であるものである。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載の発明において、前記第2の誘引部は、前記第1の誘引部から前記捕獲部に向けて送風するファンを有し、該ファンによる風圧によって、前記第1の誘引部に誘引された虫を前記植毛部に付着させるものである。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記捕獲部に捕獲された虫を熱死させる加熱部をさらに備えるものである。
【0013】
請求項8の発明は、請求項7に記載の発明において、前記捕獲部に捕獲された虫の存在を検知する検知部をさらに備え、前記検知部は、一定数以上の虫の存在を検知したときに前記加熱部を動作させるものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、植毛部が捕獲部の入口から捕獲部の内部に向かう方向に傾斜しているので、第2の誘引部によって誘引され、植毛部に侵入した虫は、逆行できなくなり、植毛部を通り抜けると捕獲部に捕獲される。そのため、大量の虫が捕獲部に捕獲されていても、器具の捕虫効率が低下することがない。また、静かに虫を捕獲できると共に、虫を捕獲する際に器具周辺の環境が汚れることがない。
【0015】
請求項2の発明によれば、第1の誘引部に誘引された虫が、第2の誘引部の誘引効果により自発的に植毛部に侵入し、捕獲部の内部に向かって植毛部を移動するので、機械的な手段を用いて虫を強制的に捕獲部の内部へ送り込む場合と比較して、第2の誘引部の構成が簡素化され、低コストで故障が少ない。
【0016】
請求項3の発明によれば、1つの誘引源で虫を捕獲部の内部へ誘引することができるので、部品点数が削減され、本器具の構造を簡素化できる。
【0017】
請求項4の発明によれば、第1の誘引部及び第2の誘引部である捕虫用ランプから出射された光は、植毛部を透過して捕獲部の外部に出力されるので、多くの虫は上記光に含まれる紫外線に誘引される特性を有しているため、多種多様の虫を誘引して捕獲することが可能となる。また、第1の誘引部及び第2の誘引部を炭酸ガス等の匂い源とした場合と比較して、経時的な劣化が少ないので、メンテナンスフリーで器具の捕虫効率を長期間維持できる。
【0018】
請求項5の発明によれば、植毛部の振動動作によって、植毛部を通る虫が強制的に捕獲部の内部へ送り込まれるので、器具の捕虫効率が向上する。
【0019】
請求項6の発明によれば、第1の誘引部に誘引された虫が植毛部に確実に付着されるので、植毛部の振動動作によって該虫を確実に捕獲部の内部に送り込むことが可能となり、器具の捕虫効率が向上する。
【0020】
請求項7の発明によれば、捕獲部に捕獲された虫を加熱部によって熱死させることで、ユーザが、該虫を捕獲部から排出する際に、虫が逃げ出してしまうことがない。また、植毛部が捕獲部を断熱する部材として機能し、捕獲部の内部温度を効果的に上昇させることができるので、捕獲された虫を確実に熱死させることができる。
【0021】
請求項8の発明によれば、捕獲部に捕獲された虫が増加したときにだけ加熱部を動作させることができるので、省エネルギー化を図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る捕虫器について図1乃至図3を参照して説明する。図1、図2は本実施形態に係る捕虫器1の構成を示す。捕虫器1は、ハエや蚊等の飛翔性を持つ害虫を誘引し、これら虫を捕獲するものであって、虫の多い屋外空間や、屋外空間に面した建物内の空間等に設置される。捕虫器1は、虫20を誘引する第1の誘引部としての誘虫光源2と、誘虫光源2に誘引された虫20を捕獲する捕獲部3と、捕獲部3の入口に設けられ、この入口から捕獲部3の内部に向かう方向に傾斜して植毛された植毛部4と、誘虫光源2に誘引された虫20を植毛部4を通して捕獲部3の内部へ誘引する第2の誘引部としての誘虫光源5と、上記各部を収容する筐体6とを備える。筐体6は、その前方に誘虫光源2から出射される光を外部に放出するための開口61を有する。
【0023】
誘虫光源2は、紫外線を含有する光を出射する直管型の捕虫用ランプであって、筐体6の内方両側面に配されたソケット62に取り付けられている。誘虫光源2の出射光に含まれる紫外線は、虫の走光曲線又は視感度曲線に基づいて設定されており、高い誘虫効果を有している。ソケット62は、筐体6の内部に設けられた安定器63と接続されており、この安定器63は、電源線64を介して商用電源と接続される。
【0024】
捕獲部3は、誘虫光源2の下方に設けられており、誘虫光源2の長手方向に沿って延在し、上方が開放された箱型形状となっている。捕獲部3の上部は、上述の植毛部4によって覆われている。捕獲部3を構成する部材は、捕獲した虫20が逃げ出すことがない細かな網目を有する網状部材であってもよいが、美観上の観点より、捕獲した虫20を外部から完全に遮断できる板状部材であることが望ましい。捕獲部3は、その内部に居る虫20を容易に排出できるように、筐体6に対して脱着自在とされている。なお、このような虫20の排出のため、捕獲部3は、筐体6に対して開閉自在とされていてもよい。
【0025】
誘虫光源5は、上述と同様の捕虫用ランプであって、捕獲部3の内部、すなわち捕獲部3と植毛部4とで構成される空間内に設けられており、該空間内に配されたソケット31に取り付けられている。このソケット31は、上述の安定器63と接続されている。誘虫光源5は、第1の誘引部としての誘虫光源2よりも高い誘虫効果を有しており、具体的には、誘虫光源5の出射光に含まれる紫外線の強度が、誘虫光源2よりも大きくされている。
【0026】
植毛部4は、捕獲部3の前後方向に略一定間隔に配列された複数の基材41と、基材41に植え付けられた極細の毛材42とを備え、捕獲部3の上部を覆うように配されている。図3(a)、(b)は植毛部4の構成を示す。基材41は、長尺板状の部材から成り、その長さ寸法は捕獲部3の長さと略等しく設定され、幅寸法は毛材42の仕様に応じた所定の長さに設定される。毛材42は、毛先側が捕獲部3の内部に向かって傾斜するように、基材41の側面に植え付けられおり、植毛面、すなわち基材41の側面の法線に対する毛材42の傾きが、30°〜60°程度にされることが望ましい。隣接する毛材42同士の間には、虫20が侵入することが可能な大きさの隙間sが設けられている。ここで、毛材42としては、直径が0.01〜0.3mm程度であって、長さが5mm〜30mm程度であるアクリル繊維、ナイロン繊維、フッソ繊維、ガラス繊維、ポリエチレン繊維、豚毛等が用いられる。
【0027】
毛材42の植毛方法としては、毛材を数本〜数百本毎に束ねて毛束を生成し、この毛束を植毛面に形成した穴に入れ、植毛面に接着固定する方法が挙げられ、本方法において、毛束は植毛面に数ヶ所に渡って植え付けられる。このような植毛方法を用いることで、本発明のような毛材を有した歯ブラシと同様の製造設備によって植毛部4を製造できる。上記植毛方法を用いた場合、毛束1箇所当たりの植毛密度は、0.5〜200本/mm程度であればよく、特に10〜100本/mm程度であることが望ましい。また、毛束1箇所当たりの植毛面積は0、5〜3mm程度で、毛束同士の間隔は2mm以下であることが望ましい。基材41の材質としては、成形容易なポリプロピレンやアクリル等の樹脂材料が挙げられる。
【0028】
次に、上記のように構成された捕虫器1の作用について説明する。ユーザにより本器具1の電源が投入されると、誘虫光源2及び5の各々が点灯する。本器具1の周辺に居る虫20は、誘虫光源2から出射された光により誘引される。誘虫光源2に誘引された虫20は、誘虫光源5から出射された光により誘引され、植毛部4に侵入する。植毛部4に侵入した虫20は、捕獲部3の内部に向かって植毛部4を移動し、植毛部4を通り抜けると捕獲部3に捕獲される。捕獲部3に捕獲された虫20は、餌や水分の不足によって死滅する。
【0029】
以上、本実施形態に係る捕虫器1によれば、植毛部4が捕獲部3の入口から捕獲部3の内部に向かう方向に傾斜しているので、植毛部4に侵入した虫20は、逆行できなくなり、植毛部4を通り抜けると捕獲部3に捕獲される。そのため、大量の虫20が捕獲部3に捕獲されていても、器具の捕虫効率が低下することがない。また、静かに虫20を捕獲できると共に、虫20を捕獲する際に本器具1の周辺の環境が汚れることがない。
【0030】
また、誘虫光源2に誘引された虫20が、誘虫光源5の誘虫効果により、自発的に植毛部4に侵入し、捕獲部3の内部に向かって植毛部4を移動するので、機械的な手段を用いて虫20を強制的に捕獲部3の内部へ送り込む場合と比較して、第2の誘引部の構成が簡素化され、低コストで故障が少ない。また、第1の誘引部及び第2の誘引部を炭酸ガス等の匂い源とした場合と比較して、経時的な劣化が少ないので、メンテナンスフリーで器具の捕虫効率を長期間維持できる。
【0031】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る捕虫器について図4及び図5を参照して説明する。図4、図5は本実施形態に係る捕虫器1の構成を示す。本実施形態では、植毛部4が筐体6の開口61に設けられ、本器具1の前側部分全体が捕獲部3となっており、第1の誘引部及び第2の誘引部として、1つの誘虫光源7が捕獲部3の内部に設けられた構成となっている。また、植毛部4は透光性を有しており、基材41には、紫外線吸収剤を含まないアクリル系樹脂又はガラス系樹脂等が用いられ、毛材42には、紫外光透過率が高いアクリル繊維、フッソ繊維、ガラス繊維、ポリエチレン繊維等が用いられている。これにより、誘虫光源7から出射された光は、植毛部4を透過して捕獲部3の外部に出力される。
【0032】
以上、本実施形態に係る捕虫器1によれば、1つの誘引源で虫20を捕獲部3の内部へ誘引することができるので、部品点数が削減され、本器具1の構造を簡素化できる。また、誘虫光源2から出射された光は、植毛部4を透過して捕獲部3の外部に出力されるので、多くの虫は上記光に含まれる紫外線に誘引される特性を有しているため、多種多様の虫を誘引して捕獲することが可能となる。
【0033】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る捕虫器について図6乃至図9を参照して説明する。図6、7は本実施形態に係る捕虫器1の構成を示す。本実施形態は、機械的な手段を用いて虫20を強制的に捕獲部3の内部に誘引し、且つ捕獲部3に捕獲された虫20を死滅させる手段を設けた点で第1の実施形態と相違する。
【0034】
捕虫器1は、第2の誘引部として、誘虫光源2から捕獲部3に向けて送風するファン8及び、植毛部4を植毛面に対して略垂直な方向に微振動させる振動機構9を備える。ファン8は、誘虫光源2の上方に、送風口を下向きにして設けられており、風圧によって誘虫光源2に誘引された虫20を植毛部4に付着させる。また、上記ファン8に代えて、捕獲部3の内部にエアバキュームポンプを設置し、該ポンプの吸引力によって、誘虫光源2に誘引された虫20を植毛部4に付着させるようにしてもよい。
【0035】
図8(a)、(b)は振動機構9の構成を示す。振動機構9は、植毛部4の一端に設けられたリニアモータで構成され、該モータの可動部91が基材41の上部に、隣接する基材を隔てて配されている。可動部91は、基材41の配列方向に高速に往復運動し、互いに対向する植毛面同士の間隔を変動させる。
【0036】
図7に戻って、捕虫器1は、捕獲部3に捕獲された虫20を熱死させる加熱部10と、捕獲部3に捕獲された虫20の存在を検知する検知部11とをさらに備える。加熱部10は、捕獲部3の内部気温を高める装置であって、具体的には、捕獲部3の内壁に配設された電熱線等で構成される。
【0037】
検知部11は、捕獲部3の内部において一定数以上の虫20の存在を検知したときに、加熱部10に駆動信号を送出して加熱部10を動作させる。検知部11としては、例えば、赤外線によって動体の有無を検知する赤外線センサが挙げられる。ここで、検知部11を赤外線センサとした場合、該センサのセンシング部において1秒以上の赤外線遮回数が1分間当たり3回を超えたときに、十分な数量の虫が捕獲部3に捕獲されたと判断して加熱部10を動作させるようにする。また、検知部11の他の構成としては、捕獲部3の内部をカメラで撮影し、その画像データに基づいて捕獲部3に捕獲された虫20の数量を演算するようなものが挙げられる。
【0038】
次に、上記のように構成された捕虫器1の作用について説明する。ユーザにより本器具1の電源が投入されると、誘虫光源2が点灯すると共にファン8が動作する。併せて、振動機構9によって植毛部4が微振動を開始する。本器具1の周辺に居る虫20は、誘虫光源2から出射された光により誘引される。誘虫光源2に誘引された虫20は、ファン8の風圧によって植毛部4に付着する。この付着した虫20は、植毛部4の振動動作によって、捕獲部3の内部へ送り込まれ、植毛部4を通り抜けると捕獲部3によって捕獲される。捕獲部3に捕獲された虫20が増加すると、検知部11が加熱部10を動作させ、これにより該虫20は熱死する。
【0039】
図9は植毛部4の振動動作により虫20が捕獲部に送り込まれる作用を時系列に示す。ファン8の風圧により植毛部4に付着した虫20は、誘虫光源2側(図中における上側)に位置する毛材42に付着した状態となっている。このような状態において、植毛面同士の間隔が狭まると、毛材42が捕獲部3側(図中における下側)に向かってさらに傾斜し、これにより虫20は捕獲部3側へ押し込まれる。植毛面同士の間隔が拡がると、毛材42は元の状態に復帰する一方で、捕獲部3側へ押し込まれた虫20は、より捕獲部3側に位置する毛材42の毛先に引っ掛かった状態となっており、その状態が保持される。このような動作が繰り返し行なわれることで、虫20が捕獲部3の内部に送り込まれる。
【0040】
以上、本実施形態に係る捕虫器1によれば、ファン8の風圧によって、誘虫光源2に誘引された虫20が植毛部4に確実に付着されると共に、植毛部4の振動動作によって、植毛部4を通る虫20が強制的に捕獲部3の内部へ送り込まれるので、器具の捕虫効率が向上する。また、捕獲部3に捕獲された虫20を加熱部10によって熱死させることで、ユーザが、該虫20を捕獲部3から排出する際に、虫20が逃げ出してしまうことがない。また、植毛部4が捕獲部3を断熱する部材として機能し、捕獲部3の内部温度を効果的に上昇させることができるので、捕獲部3に捕獲された虫20を確実に熱死させることができる。また、捕獲部3に捕獲された虫20が増加したときにだけ加熱部10を動作させることができるので、省エネルギー化を図れる。
【0041】
なお、本発明は、上記各種実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上述の実施形態では、誘虫光源を用いて虫を誘引する例を示したが、これに限られず、虫の好む匂いを発する匂い源を用いて虫を誘引するようにしてもよい。また、第1の実施形態において、誘虫光源2に誘引した虫20を捕獲部3の内部に誘引するために、誘虫光源2を1つの捕虫用ランプで構成し、誘虫光源5を複数の捕虫用ランプで構成するようにしたものであってもよい。また、第3の実施形態に示した捕獲部3の内部に捕虫用ランプをさらに設けることで、器具の捕虫効率を一層高めるようにしたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る捕虫器の斜視図。
【図2】上記捕虫器の側面断面図。
【図3】(a)は上記捕虫器の植毛部の斜視図、(b)は同植毛部の一部を拡大した断面図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る捕虫器の斜視図。
【図5】上記捕虫器の側面断面図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る捕虫器の斜視図。
【図7】上記捕虫器の側面断面図。
【図8】(a)は上記捕虫器の振動機構の斜視図、(b)は同振動機構の側面図。
【図9】上記捕虫器における植毛部に居る虫が捕獲部に送り込まれる作用を時系列に示す図。
【符号の説明】
【0043】
1 捕虫器
2 誘虫光源(第1の誘引部)
3 捕獲部
4 植毛部
5 誘虫光源(第2の誘引部)
7 誘虫光源(第1の誘引部、第2の誘引部)
8 ファン(第2の誘引部)
9 振動機構(第2の誘引部)
10 加熱部
11 検知部
20 虫

【特許請求の範囲】
【請求項1】
虫を誘引する第1の誘引部と、前記第1の誘引部に誘引された虫を捕獲する捕獲部とを備えた捕虫器であって、
前記捕獲部の入口に設けられ、該入口から該捕獲部の内部に向かう方向に傾斜して植毛された植毛部と、
前記第1の誘引部に誘引された虫を、前記植毛部を通して前記捕獲部の内部へ誘引する第2の誘引部とを備えることを特徴とする捕虫器。
【請求項2】
前記第2の誘引部は、前記捕獲部の内部に設けられており、前記第1の誘引部よりも高い誘虫効果を有していることを特徴とする請求項1に記載の捕虫器。
【請求項3】
前記第1の誘引部及び第2の誘引部は、前記捕獲部の内部に設けられた1つの誘引源であることを特徴とする請求項1に記載の捕虫器。
【請求項4】
前記第1の誘引部及び第2の誘引部は、紫外線を含有する光を出射する捕虫用ランプであり、
前記植毛部は、透光性を有することを特徴とする請求項3に記載の捕虫器。
【請求項5】
前記第2の誘引部は、前記植毛部を植毛面に対して略垂直な方向に微振動させる機構であることを特徴とする請求項1に記載の捕虫器。
【請求項6】
前記第2の誘引部は、前記第1の誘引部から前記捕獲部に向けて送風するファンを有し、該ファンによる風圧によって、前記第1の誘引部に誘引された虫を前記植毛部に付着させることを特徴とした請求項5に記載の捕虫器。
【請求項7】
前記捕獲部に捕獲された虫を熱死させる加熱部をさらに備えること特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の捕虫器。
【請求項8】
前記捕獲部に捕獲された虫の存在を検知する検知部をさらに備え、
前記検知部は、一定数以上の虫の存在を検知したときに前記加熱部を動作させることを特徴とする請求項7に記載の捕虫器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−296987(P2009−296987A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−157896(P2008−157896)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】