説明

排ガス処理方法および排ガス処理装置

【課題】イニシャルコストおよびランニングコストを低減できる排ガス処理方法および排ガス処理装置を提供する。
【解決手段】排ガス処理装置4は散水部2およびマイクロナノバブル処理部3を備える。散水部2は、排ガスが含む有機化合物を吸着するリング型ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15を有すると共に、マイクロナノバブルとこのマイクロナノバブルで活性化した微生物27とを含む洗浄水を、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15に散水する。マイクロナノバブル処理部3は、散水部2に供給すべき洗浄液を溜める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体工場や液晶工場における有機化合物を含有する排ガスに対する排ガス処理方法及び排ガス処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体工場や液晶工場から出る排ガスを処理する方法としては、次の(1)〜(3)の方法がある。
【0003】
(1) 活性炭やゼオライトによる吸着法
(2) 排ガスを空気と混合して直接的に燃焼させる直接燃焼法
(3) 水、酸、アルカリ溶液などの液体に対象とするガスを吸収させる方法
また、有機系排ガスを処理する場合、処理効率の観点から、上記(1),(2)のどちらかの方法が採用されている。
【0004】
しかし、上記(1)の方法は、有機系排ガスがダストやミストを含んでいると、バグフィルタやミストセパレータなどで有機系排ガスからダストやミストを除去する前処理が必要となる。このため、上記(1)の方法は、バグフィルタやミストセパレータ分、イニシャルコストが高くなるという問題がある。
【0005】
また、上記(1)の方法は、上記有機系排ガスの処理回数の増加に伴って、活性炭やゼオライトの吸着能力が低下するため、活性炭やゼオライトを再生する必要がある。したがって、上記(1)の方法は、前処理に掛かる費用が生じる上に、活性炭やゼオライトの再生費用が生じるため、ランニングコストが高いという問題がある。
【0006】
また、上記(2)の方法も、燃焼のための燃料が必要となるため、ランニングコストが高い問題がある。また、上記燃料を要する(2)の方法は、省エネを推進する時代では課題の多い方法である。
【特許文献1】特開2005−152701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の課題は、イニシャルコストおよびランニングコストを低減できる排ガス処理方法および排ガス処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の排ガス処理方法は、
排ガスが含む有機化合物を吸着材に吸着させる吸着工程と、
マイクロナノバブルとこのマイクロナノバブルで活性化した微生物とを含む洗浄水を上記吸着材に散水する散水工程と
を備えたことを特徴としている。
【0009】
上記構成の排ガス処理方法によれば、上記洗浄水を吸着材に散水することによって、排ガスが例えばダストを含んでいても、そのダストは吸着材に吸着され、洗浄水が吸着材からダストを洗い流す。
【0010】
したがって、上記排ガスを前処理するためのバグフィルタやミストセパレータを無くして、イニシャルコストを低減することができる。
【0011】
また、上記洗浄水が微生物を含むから、吸着材への洗浄水の散水により、微生物が吸着材に繁殖し、この繁殖した微生物が吸着材の有機化合物を分解する。
【0012】
したがって、上記吸着材があたかも自動再生しているような現象が生じるので、吸着材のメンテナンス回数を減らして、ランニングコストを低減することができる。
【0013】
上記微生物はマイクロナノバブルで活性化しているので、有機化合物を分解する能力は高くなっている。
【0014】
また、上記洗浄水を吸着材に散水することによって、吸着材に吸着された有機化合物が洗浄水に吸収されるから、吸着材の再生効果を高めることができる。
【0015】
上記洗浄水はマイクロナノバブルを含んでいるから、有機化合物を吸収する能力が高くなっている。
【0016】
一実施形態の排ガス処理方法では、
上記吸着工程と上記散水工程とを同時に行う。
【0017】
上記実施形態の排ガス処理方法によれば、上記吸着工程と上記散水工程とを同時に行うから、排ガスの処理と吸着材の再生とが同時行われ、排ガスを処理するために要する時間を短縮することができる。
【0018】
一実施形態の排ガス処理方法では、
上記散水工程において、上記吸着材を通過した排ガスおよび上記吸着材を通過する前の排ガスのうちの少なくとも一方の排ガスに、上記洗浄水を散水する。
【0019】
上記実施形態の排ガス処理方法によれば、上記吸着材を通過した排ガスと、吸着材を通過する前の排ガスとのうちの少なくとも一方の排ガスに、洗浄水を散水するので、排ガスが例えばダストを含んでいても、排ガスからダストを洗浄水で直接洗い流すことができる。
【0020】
また、上記吸着材を通過した排ガスと、吸着材を通過する前の排ガスとのうちの少なくとも一方の排ガスに、洗浄水を散水することによって、排ガス中の有機化合物が洗浄水に吸収されるから、有機化合物の除去率を高めることができる。
【0021】
一実施形態の排ガス処理方法では、
上記有機化合物を吸収した上記洗浄水を処理部に収容して、上記有機化合物を上記微生物で分解する。
【0022】
上記実施形態の排ガス処理方法によれば、上記有機化合物を吸収した上記洗浄水を処理部に収容して、有機化合物を上記微生物で分解するから、有機化合物を吸収した洗浄水を処理する排水処理設備を別途設ける必要が無く、イニシャルコストおよびランニングコストのさらなる低減が可能となる。
【0023】
本発明の排ガス処理装置は、
排ガスが含む有機化合物を吸着する吸着材を有すると共に、マイクロナノバブルとこのマイクロナノバブルで活性化した微生物とを含む洗浄水を上記吸着材に散水する散水部と、
上記散水部に供給すべき上記洗浄液を溜めるマイクロナノバブル処理部と
を備えたことを特徴としている。
【0024】
上記構成の排ガス処理装置によれば、上記散水部が吸着材に洗浄水を散水することによって、排ガスが例えばダストを含んでいても、そのダストは吸着材に吸着され、洗浄水が吸着材からダストを洗い流す。
【0025】
したがって、上記排ガスを前処理するためのバグフィルタやミストセパレータを無くして、イニシャルコストを低減することができる。
【0026】
また、上記洗浄水が微生物を含むことによって、吸着材への洗浄水の散水により、微生物が吸着材に繁殖し、この繁殖した微生物が吸着材の有機化合物を分解する。
【0027】
したがって、上記吸着材があたかも自動再生しているような現象が生じるので、吸着材のメンテナンス回数を減らして、ランニングコストを低減することができる。
【0028】
上記微生物はマイクロナノバブルで活性化しているので、有機化合物を分解する能力は高くなっている。
【0029】
また、上記洗浄水を吸着材に散水することによって、吸着材に吸着された有機化合物が洗浄水に吸収されるから、吸着材の再生効果を高めることができる。
【0030】
上記洗浄水はマイクロナノバブルを含んでいるから、有機化合物を吸収する能力が高くなっている。
【0031】
一実施形態の排ガス処理装置では、
上記散水部は、上記吸着材を通過した排ガスおよび上記吸着材を通過する前の排ガスのうちの少なくとも一方の排ガスに、上記洗浄水を散水する。
【0032】
上記実施形態の排ガス処理装置によれば、上記散水部は、吸着材を通過した排ガスと、吸着材を通過する前の排ガスとのうちの少なくとも一方の排ガスに、洗浄水を散水するから、排ガスが例えばダストを含んでいても、排ガスからダストを洗浄水で直接洗い流すことができる。
【0033】
また、上記吸着材を通過した排ガスと、吸着材を通過する前の排ガスとのうちの少なくとも一方の排ガスに、洗浄水を散水することによって、排ガス中の有機化合物が洗浄水に吸収されるから、有機化合物の除去率を高めることができる。
【0034】
一実施形態の排ガス処理装置では、
上記散水部で散水された上記洗浄水が、上記マイクロナノバブル処理部に戻って上記マイクロナノバブル処理部と上記散水部との間で循環し、
上記散水部から戻って上記マイクロナノバブル処理部に溜まる上記洗浄水には、有機化合物を吸着する吸着材が浸漬されている。
【0035】
上記実施形態の排ガス処理装置によれば、上記洗浄水は散水部で有機化合物を吸収してマイクロナノバブル処理部に戻って溜まる。このように、上記散水部からマイクロナノバブル処理部に戻って溜まる洗浄水には、有機化合物を吸着する吸着材が浸漬されているから、その洗浄水が散水部で吸収した有機化合物を吸着材に吸着させることができると共に、吸着材に繁殖させた活性化状態の微生物で上記有機化合物を分解することができる。
【0036】
したがって、上記有機化合物を吸収した洗浄水を処理する排水処理設備を別途設ける必要が無く、イニシャルコストおよびランニングコストのさらなる低減が可能となる。
【0037】
一実施形態の排ガス処理装置では、
上記散水部および上記マイクロナノバブル処理部の吸着材は炭である。
【0038】
上記実施形態の排ガス処理装置によれば、上記散水部およびマイクロナノバブル処理部の吸着材が炭であるから、炭の吸着作用を利用することができる。
【0039】
一実施形態の排ガス処理装置では、
上記散水部の吸着材は炭とリング型ポリ塩化ビニリデン充填材とからなる。
【0040】
上記実施形態の排ガス処理装置によれば、上記散水部の吸着材は炭とリング型ポリ塩化ビニリデン充填材とからなるから、散水部の吸着材に適度な隙間が形成され、散水部の吸着材の通風抵抗を下げることができる。つまり、上記吸着材の圧力損失を低減することができる。
【0041】
したがって、上記散水部の吸着材で処理する排ガスの風量を増加させることができる。
【0042】
一実施形態の排ガス処理装置では、
上記マイクロナノバブル処理部内には、上記マイクロナノバブルを発生するマイクロナノバブル発生機が設置されている。
【0043】
上記実施形態の排ガス処理装置によれば、上記マイクロナノバブル処理部内には、マイクロナノバブルを発生するマイクロナノバブル発生機が設置されているから、マイクロナノバブル処理部において、マイクロナノバブルおよびこれで活性化した微生物を含む洗浄水を作成することができる。
【0044】
一実施形態の排ガス処理装置では、
上記炭が、活性炭、合成炭および木炭のうちどれか一つ、または、活性炭、合成炭および木炭の組み合わせである。
【0045】
上記実施形態の排ガス処理装置によれば、上記炭が、活性炭、合成炭および木炭のうちどれか一つ、または、活性炭、合成炭および木炭の組み合わせであるから、排ガス中の有機化合物に応じて使用する炭を変更することにより、有機化合物の除去率を目的値にすることができる。
【0046】
また、上記炭が、活性炭、合成炭および木炭のうちどれか一つ、または、活性炭、合成炭および木炭の組み合わせであるから、活性炭、合成炭および木炭のうちの少なくとも一つの吸着能力を利用することができる。
【0047】
また、上記炭が、活性炭、合成炭および木炭は、全て市販されているから、容易に調達することできる。
【0048】
また、上記散水部の炭は、通風抵抗が小さくなるように厚みを薄くするのが好ましい。
【0049】
一実施形態の排ガス処理装置では、
上記散水部の吸着材は、炭からなる層と、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材からなる層とを組み合わせた層で構成され、
上記炭からなる層と、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材からなる層とを組み合わせた層は、少なくとも1層以上ある。
【0050】
上記実施形態の排ガス処理装置によれば、上記炭からなる層と、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材からなる層とを組み合わせた層が少なくとも1層以上あるから、炭からなる層と、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材からなる層とを組み合わせた層の段数を変更することにより、有機化合物の目的の除去率に応じたシステムを構築することができる。
【0051】
また、上記リング型ポリ塩化ビニリデン充填材は、リングの形をした繊維であるため、空気抵抗が少なく、排ガス処理には適している。つまり、上記リング型ポリ塩化ビニリデン充填材を用いることより、排ガスを高効率で処理することができる。
【0052】
また、上記リング型ポリ塩化ビニリデン充填材は微生物の繁殖にも適し、微生物を高効率で繁殖させることができる。
【0053】
また、上記リング型ポリ塩化ビニリデン充填材は市販されているので、容易に調達することができる。
【0054】
一実施形態の排ガス処理装置では、
上記リング型ポリ塩化ビニリデン充填材には微粉炭を付着させる。
【0055】
上記実施形態の排ガス処理装置によれば、上記リング型ポリ塩化ビニリデン充填材には微粉炭を付着させるので、排ガス中の有機化合物をリング型ポリ塩化ビニリデン充填材および微粉炭に吸着させることができると共に、活性化した微生物をリング型ポリ塩化ビニリデン充填材および微粉炭に付着させて繁殖させることができる。
【0056】
したがって、上記有機化合物の吸着率を高めることができると共に、有機化合物の分解率を高めることができる。
【0057】
また、上記リング型ポリ塩化ビニリデン充填材は、マイナスの電荷を帯びているので、微粉炭を容易に付着さることができる。
【0058】
また、上記リング型ポリ塩化ビニリデン充填材に微細な微粉炭を全体的に付着させると、排ガス中の有機化合物を微粉炭で円滑に吸着することができる。
【0059】
一実施形態の排ガス処理装置では、
上記マイクロナノバブル処理部にはマイクロナノバブル発生助剤が供給される。
【0060】
上記実施形態の排ガス処理装置によれば、上記マイクロナノバブル発生助剤を用いることにより、マイクロナノバブルが発生しにくい水道水などであっても最適なマイクロナノバブルを発生させることができる。
【0061】
したがって、上記マイクロナノバブル処理部において、マイクロナノバブルが発生しにくい水道水などを用いて洗浄水を生成することができる。
【0062】
一実施形態の排ガス処理装置では、
上記マイクロナノバブルはオゾンマイクロナノバブルである。
【0063】
上記実施形態の排ガス処理装置によれば、上記マイクロナノバブルはオゾンマイクロナノバブルであるから、分解しにくい有機化合物であっても、オゾンマイクロナノバブルの強力な酸化力によって酸化分解することできる。
【0064】
一実施形態の排ガス処理装置では、
上記排ガスが含む有機化合物は、イソプロピールアルコール、アセトンおよび酢酸ブチルのうちの少なくとも1つを含む揮発性有機化合物である。
【0065】
上記実施形態の排ガス処理装置によれば、上記排ガスが含む有機化合物は、イソプロピールアルコール、アセトンおよび酢酸ブチルのうちの少なくとも1つを含む揮発性有機化合物であるから、揮発性有機化合物を洗浄水に吸収させることができると共に、揮発性有機化合物を吸着材を吸着させることができる。つまり、上記揮発性有機化合物を処理できる。
【発明の効果】
【0066】
本発明の排ガス処理方法によれば、洗浄水を吸着材に散水することによって、排ガスが例えばダストを含んでいても、そのダストは吸着材に吸着され、洗浄水が吸着材からダストを洗い流すから、ガスを前処理するためのバグフィルタやミストセパレータを無くして、イニシャルコストを低減することができる。
【0067】
また、上記洗浄水が微生物を含むことによって、吸着材への洗浄水の散水により、微生物が吸着材に繁殖し、この繁殖した微生物が吸着材の有機化合物を分解するから、吸着材があたかも自動再生しているような現象が生じる結果、吸着材のメンテナンス回数を減らして、ランニングコストを低減することができる。
【0068】
上記微生物はマイクロナノバブルで活性化しているので、有機化合物を分解する能力は高くなっている。
【0069】
また、上記洗浄水を吸着材に散水することによって、吸着材に吸着された有機化合物が洗浄水に吸収されるから、吸着材の再生効果を高めることができる。
【0070】
上記洗浄水はマイクロナノバブルを含んでいるから、有機化合物を吸収する能力が高くなっている。
【0071】
本発明の排ガス処理装置よれば、散水部が吸着材に洗浄水を散水することによって、排ガスが例えばダストを含んでいても、そのダストは吸着材に吸着され、洗浄水が吸着材からダストを洗い流すから、排ガスを前処理するためのバグフィルタやミストセパレータを無くして、イニシャルコストを低減することができる。
【0072】
また、上記洗浄水が微生物を含むことによって、吸着材への洗浄水の散水により、微生物が吸着材に繁殖し、この繁殖した微生物が吸着材の有機化合物を分解するから、吸着材があたかも自動再生しているような現象が生じるので、吸着材のメンテナンス回数を減らして、ランニングコストを低減することができる。
【0073】
また、上記微生物はマイクロナノバブルで活性化しているので、有機化合物を分解する能力は高くなっている。
【0074】
また、上記洗浄水を吸着材に散水することによって、吸着材に吸着された有機化合物が洗浄水に吸収されるから、吸着材の再生効果を高めることができる。
【0075】
また、上記洗浄水はマイクロナノバブルを含んでいるから、有機化合物を吸収する能力が高くなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0076】
以下、本発明の排ガス処理方法および排ガス処理装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0077】
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態の排ガス処理装置4を模式的に示す。
【0078】
上記排ガス処理装置4は、上部に散水部2を備える一方、下部にマイクロナノバブル処理部3を備えている。この排ガス処理装置4では、排気ファン20の駆動によって、半導体工場や液晶工場からの有機化合物を含有する排ガスを排気入口1から装置内に導入する。この排ガス処理装置4内に導入された排ガスは、散水部2を経由した後、排ガス処理装置4の最上部に設けられた排気出口18より排出される。
【0079】
上記有機化合物としては、揮発性有機化合物の一例としてのイソプロピールアルコール、アセトンおよび酢酸ブチルなどを含むものがある。また、上記有機化合物としては、揮発性有機化合物に加えて非揮発性有機化合物を含むものもある。
【0080】
上記散水部2はマイクロナノバブル処理部3の上方に位置し、内部の空間がマイクロナノバブル処理部3内の空間と連通している。この散水部2内には、マイクロナノバブル処理部3内の空間に面する多孔板13が設置されている。そして、この多孔板13上には、複数のポリ塩化ビニリデン充填材14と複数の小型炭15とからなる充填材が設置されている。
【0081】
より詳しくは、上記多孔板13上には、鉛直方向に2段積まれた複数のリング型ポリ塩化ビニリデン充填材14と、網16に入った複数の小型炭15と、鉛直方向に2段積まれた複数のリング型ポリ塩化ビニリデン充填材14と、網16に入った複数の小型炭15と、鉛直方向に2段積まれた複数のリング型ポリ塩化ビニリデン充填材14と、網16に入った複数の小型炭15と、鉛直方向に2段積まれた複数のリング型ポリ塩化ビニリデン充填材14とが、マイクロナノバブル処理部3側から順次積み重ねられている。
【0082】
また、最も排気出口18に近いリング型ポリ塩化ビニリデン充填材14、つまり、最上部のリング型ポリ塩化ビニリデン充填材14上には、所定の距離をおいて散水ノズル17が設置されている。
【0083】
上記リング型ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15には、排気入口1から排気出口18へ向かって流れる排ガスが接触する。このとき、小型炭15およびリング型ポリ塩化ビニリデン充填材14はその排ガス中の有機化合物を吸着する。
【0084】
上記小型炭15としては、活性炭、合成炭および木炭などがあるが、排ガス入口濃度と排ガス処理濃度とによって最適な炭を選定すればよい。上記排ガス中の有機化合物の除去率を高めるためには活性炭が最も良い。
【0085】
上記散水ノズル17からは、散水ポンプ11によってマイクロナノバブル処理部3から揚水された洗浄水が噴き出す。この洗浄水は、排ガス、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15に接触した後、マイクロナノバブル処理部3内に落ちて溜まる。このとき、上記排ガスが例えばダストを含んでいても、洗浄水が排ガスからダストを洗い流すと共に、そのダストが吸着材に吸着されても、洗浄水が吸着材からダストを洗い流す。
【0086】
上記散水ノズル17から噴き出す洗浄水は、散水ポンプ11によってマイクロナノバブル処理部3から散水ノズル17に揚水されている。このため、上記洗浄水は、マイクロナノバブル処理部3で繁殖した微生物27を含有している。このため、上記洗浄水を散水ノズル17で散水することによって、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15に微生物27が繁殖する。
【0087】
この繁殖した微生物27は、ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15が吸着した有機化合物を分解する。
【0088】
上記微生物27は、後述するマイクロナノバブルで活性化しているので、ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15における有機物吸着能力や有機物分解能力を高める。
【0089】
一方、上記マイクロナノバブル処理部3は、微生物27を含有した洗浄水が充填されている。また、マイクロナノバブル処理部3内には、複数の大型炭6を収納するための多孔板5および仕切壁12が設置されている。そして、大型炭6上にはマイクロナノバブル発生機9が設置されている。
【0090】
上記マイクロナノバブル発生機9には、マイクロナノバブル処理部3内の洗浄水が循環ポンプ10によって供給されると共に、空気吸い込み管7から空気が供給される。この循環ポンプ10からの洗浄水と、空気吸い込み管7からの空気とが、マイクロナノバブル発生機9から排出されて、マイクロナノバブルを含むマイクロナノバブル流が発生する。
【0091】
ここで、上記マイクロナノバブルを説明するために、3種類のバブルについて説明する。
【0092】
(i) 通常のバブル(気泡)は水の中を上昇して、ついには表面でパンとはじけて消滅する。
【0093】
(ii) マイクロバブルは、直径が50ミクロン以下の微細気泡で、水中で時間の経過に伴って縮小していき、最後には消滅(完全溶解)してしまう。
【0094】
(iii) ナノバブルは、マイクロバブルよりさらに小さいバブルで直径が1ミクロン以下、例えば100nm〜200nmでいつまでも水の中に存在することが可能なバブルと言われている。
【0095】
このようなマイクロバブルとナノバブルとを混合して得られるバブルが、マイクロナノバブルと説明することができる。
【0096】
上記大型炭6は具体的には人工的に製造された合成炭である。この大型炭6は、マイクロナノバブル処理部3内の洗浄水が含む有機化合物を吸着する。また、大型炭6には、マイクロナノバブルで活性化した微生物27が繁殖し、この繁殖した微生物27が大型炭6に吸着された有機化合物を分解する。言うまでもないが、人工的に製造された合成炭以外の大型炭をマイクロナノバブル処理部3内に設置してもよい。
【0097】
また、上記マイクロナノバブル処理部3内ではマイクロナノバブル発生機9によるマイクロナノバブル流が発生すると、洗浄水がマイクロナノバブル処理部3内で循環するので、マイクロナノバブルで活性化した微生物27が繁殖した大型炭6と、有機化合物を吸収した洗浄水との接触効率が高まる。
【0098】
また、上記マイクロナノバブル発生機9への空気の供給量は空気吸い込み管7およびバルブ8により調整され、マイクロナノバブル発生機9への洗浄水の供給量は循環ポンプ10で調整されている。これにより、上記マイクロナノバブル発生機9は最適なマイクロナノバブルが発生する。
【0099】
上記最適なマイクロナノバブルを含有した洗浄水は、時間の経過に伴って、マイクロナノバブルで活性化した微生物27を含有することになる。これにより、散水部2で散水される洗浄水には、マイクロナノバブルと、このマイクロナノバブルで活性化した微生物27とが含有されており、本来マイクロナノバブルが持つ汚れ成分の吸着機能、物体表面の高速洗浄機能が効果的に活用される。
【0100】
以上のように、上記散水部2が、排ガス、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15に洗浄水を散水することによって、排ガスが例えばダストを含んでいても、洗浄水が排ガスからダストを洗い流すと共に、そのダストがリング型ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15に吸着されても、洗浄水がリング型ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15からダストを洗い流すから、排ガスを前処理するためのバグフィルタやミストセパレータを無くして、イニシャルコストを低減することができる。
【0101】
また、上記洗浄水が微生物27を含むから、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15への洗浄水の散水により、微生物が吸着材に繁殖し、この繁殖した微生物が吸着材の有機化合物を分解するから、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15があたかも自動再生しているような現象が生じるので、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15のメンテナンス回数を減らして、ランニングコストを低減することができる。
【0102】
尚、上記マイクロナノバブル発生機9は、市販されているものならば、メーカーを限定するものではなく、例えば、株式会社ナノプラネット研究所、株式会社オーラテック、西華産業株式会社および資源開発株式会社等のマイクロナノバブル発生機であってもよい。したがって、上記マイクロナノバブル発生機9のメーカは目的に応じて選定すればよい。
【0103】
(第2実施形態)
図2に、本発明の第2実施形態の排ガス処理装置204を模式的に示す。また、図2において、図1に示した第1実施形態の排ガス処理装置4と同一の構成部は、図1における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0104】
上記排ガス処理装置204は、上記第1実施形態の排ガス処理装置4と比較して、オゾン発生機24を備えている点が異なる。
【0105】
上記オゾン発生機24は空気吸い込み管7およびバルブ8を介してマイクロナノバブル発生機9に接続されている。これにより、オゾン発生機24で発生したオゾンをマイクロナノバブル発生機9に供給して、オゾンマイクロナノバブルを発生させることができる。
【0106】
上記オゾンマイクロナノバブルは、通常のオゾンバルブが短時間に消滅するのに対して、長時間持続することが確かめられている。この長時間持続するオゾンマイクロナノバブルを含有する洗浄水に大型炭6が浸かっているので、大型炭6に吸着された有機化合物をオゾンマイクロナノバブルで酸化分解することができる。
【0107】
また、上記洗浄水がオゾンマイクロナノバブルを含有するので、洗浄水が吸収した有機化合物をオゾンマイクロナノバブルで酸化分解できる。
【0108】
また、上記オゾンマイクロナノバブルを含有する洗浄水がポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15に降り掛かるので、ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15に吸着された有機化合物もオゾンマイクロナノバブルで酸化分解できる。
【0109】
このように、上記排ガス処理装置204は、上記第1実施形態と同様に微生物27で有機化合物を分解できる上に、オゾン酸化で有機化合物を分解できる。
【0110】
(第3実施形態)
図3に、本発明の第3実施形態の排ガス処理装置304を模式的に示す。また、図3において、図1に示した第1実施形態の排ガス処理装置4と同一の構成部は、図1における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0111】
上記排ガス処理装置304は、上記第1実施形態の排ガス処理装置4と比較して、大型炭6の代わりに竹炭22を備えている点と、トレイ型多孔板23が散水部2内に設置されている点とが異なる。
【0112】
上記竹炭22は1つの網16に複数収容してマイクロナノバブル処理部3内の洗浄水に浸漬されている。これにより、必要に応じて、マイクロナノバブル処理部3から複数の竹炭22を容易に取り出すことができる。
【0113】
また、上記竹炭22は、汚れで洗浄する必要が生じたときは、マイクロナノバブル処理部3から取り出して洗浄すればよい。
【0114】
上記竹炭22と大型炭6との差は、ほとんどないが、吸着能力が竹炭22の方が、大型炭6と比較して劣るが、経済的には竹炭22の方が安いのでメリットがある。
【0115】
上記竹炭22も自然の竹から製造しているので、微生物が必要とする微量ミネラルを溶出し、マイクロナノバブルと溶出した微量ミネラルで、微生物の活性を高めることができる。
【0116】
上記トレイ型多孔板23は、最上部のリング型ポリ塩化ビニリデン充填材14と散水ノズル17との間に配置されている。これにより、散水ノズル17側から散水部2の充填材内に異物物が進入するのをトレイ型多孔板23で防ぐことができる。
【0117】
(第4実施形態)
図4に、本発明の本発明の第4実施形態の排ガス処理装置404を模式的に示す。また、図4において、図1に示した第1実施形態の排ガス処理装置4と同一の構成部は、図1における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0118】
上記排ガス処理装置404は、上記第1実施形態の排ガス処理装置4と比較して、マイクロナノバブル処理部3の代わりにマイクロナノバブル処理部403を備えている点と、大型炭6の代わりに粒状活性炭19を備えている点とが異なる。
【0119】
上記マイクロナノバブル処理部403は洗浄水の水面に対して傾斜する傾斜底21を有している。これにより、上記マイクロナノバブル処理部403に充填された粒状活性炭19が、自然に、入口配管428のマイクロナノバブル処理部3側の端部近傍に集まる。
【0120】
したがって、上記粒状活性炭19は、入口配管428を介して散水ポンプ11に吸い込まれ、散水ポンプ11によって洗浄水と共に散水ノズル17に送られて、散水ノズル17から洗浄水と共に散水部2内に放出される。
【0121】
上記粒状活性炭19は、表面積が大きいので、排ガス中の有機化合物を多量に吸着することができる。
【0122】
また、上記粒状活性炭19に繁殖し、かつ、活性化した微生物27により、粒状活性炭19に吸着した有機化合物を分解することができる。
【0123】
そして、上記粒状活性炭19の一部は、散水ノズル17から散水部2内に放出されることにより、散水部2の小型炭15やリング型ポリ塩化ビニリデン充填材14に付着して散水部2に残るものの、粒状活性炭19の残りの大部分は小型炭15やリング型ポリ塩化ビニリデン充填材14を通過して、マイクロナノバブル処理部403に戻り、散水部2とマイクロナノバブル処理部403との間を循環する。
【0124】
(第5実施形態)
図5に、本発明の第5実施形態の排ガス処理装置を模式的504に示す。また、図5において、図4に示した第4実施形態の排ガス処理装置404と同一の構成部は、図4における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0125】
上記排ガス処理装置504は、上記第4実施形態の排ガス処理装置404と比較して、オゾン発生機24を備えている点が異なる。
【0126】
上記オゾン発生機24は空気吸い込み管7およびバルブ8を介してマイクロナノバブル発生機9に接続されている。これにより、オゾン発生機24で発生したオゾンをマイクロナノバブル発生機9に供給して、オゾンマイクロナノバブルを発生させることができる。
【0127】
したがって、上記排ガス処理装置504は、上記第4実施形態と同様に微生物27で有機化合物を分解できる上に、オゾン酸化で有機化合物を分解できる。
【0128】
上記オゾンマイクロナノバブルは、通常のオゾンバルブが短時間に消滅するのに対して、長時間持続することが確かめられている。この長時間持続するオゾンマイクロナノバブルを含有する洗浄水に粒状活性炭19が浸かっているので、粒状活性炭19に吸着された有機化合物をオゾンマイクロナノバブルで酸化分解することができる。
【0129】
また、上記洗浄水がオゾンマイクロナノバブルを含有するので、洗浄水が吸収した有機化合物をオゾンマイクロナノバブルで酸化分解できる。
【0130】
また、上記オゾンマイクロナノバブルを含有する洗浄水がポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15に降り掛かるので、ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15に吸着された有機化合物をオゾンマイクロナノバブルで酸化分解できる。
【0131】
このように、上記排ガス処理装置204は、上記第4実施形態と同様に微生物27で有機化合物を分解できる上に、オゾン酸化で有機化合物を分解できる。
【0132】
(第6実施形態)
図6に、本発明の第6実施形態の排ガス処理装置604を模式的に示す。また、図6において、図1に示した第1実施形態の排ガス処理装置4と同一の構成部は、図1における構成部と同一参照番号を付して説明を省略する。
【0133】
上記排ガス処理装置604は、上記第1実施形態の排ガス処理装置4と比較して、マイクロナノバブル発生助剤タンク25を備えている点が異なる。
【0134】
上記マイクロナノバブル発生助剤タンク25には、例えば界面活性剤、塩類およびアルコールなどのマイクロナノバブル発生助剤が充填されている。このマイクロナノバブル発生助剤は、発生助剤タンク定量ポンプ26によってマイクロナノバブル処理部3に送られて洗浄水に添加される。これにより、上記洗浄水中においてマイクロナノバブルを最適な状態で発生させることができる。
【0135】
上記洗浄水に対するマイクロナノバブル発生助剤の添加量は、発生助剤タンク定量ポンプ26で最適にすることができる。
【0136】
上記マイクロナノバブル発生助剤として具体的に何を使うかは、ケースバイケースで選択すればよい。
【0137】
(実験例)
上記第1実施形態の排ガス処理装置4に対応する排ガス処理実験装置を制作した。この排ガス処理実験装置では、散水部2の容量を約1m、マイクロナノバブル処理部3の容量を0.5mとし、小型炭15として活性炭を用いると共に、大型炭として備長炭を用いた。
【0138】
上記排ガス処理実験装置を1ヶ月試運転した後、半導体工場から排ガス処理実験装置に、アセトンを含有する排ガスを導入して、7日後、アセトンの処理前濃度および処理後濃度を測定し、アセトンの除去率を測定したところ、86%であった。つまり、上記排ガス処理実験装置によって、半導体工場から排出された排ガス中のアセトンを86%除去できた。
【0139】
上記第1〜第6実施の形態では、排ガスが含む有機化合物をポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15に吸着させる吸着工程と、マイクロナノバブルとこのマイクロナノバブルで活性化した微生物27とを含む洗浄水をポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15に散水する散水工程とを同時に行っていたが、例えば、上記吸着工程を行った後、上記散水工程を行うようにしてもよい。
【0140】
上記第1〜第6実施形態では、マイクロナノバブルとこのマイクロナノバブルで活性化した微生物27とを含む洗浄水を、ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15を通過した排ガスに散水していたが、ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15を通過した排ガスと、ポリ塩化ビニリデン充填材14および小型炭15を通過する前の排ガスとのうちの少なくとも一方の排ガスに上記洗浄水を散水する。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】図1は本発明の第1実施形態の排ガス処理装置の模式図である。
【図2】図2は本発明の第2実施形態の排ガス処理装置の模式図である。
【図3】図3は本発明の第3実施形態の排ガス処理装置の模式図である。
【図4】図4は本発明の第4実施形態の排ガス処理装置の模式図である。
【図5】図5は本発明の第5実施形態の排ガス処理装置の模式図である。
【図6】図6は本発明の第6実施形態の排ガス処理装置の模式図である。
【符号の説明】
【0142】
1 排気入口
2 上部散水部
3 下部マイクロナノバブル処理部
4,204,304,404,504,604 排ガス処理装置
5 多孔板
6 大型炭
7 空気吸い込み管
8 バルブ
9 マイクロナノバブル発生機
10 循環ポンプ
11 散水ポンプ
12 仕切壁
13 多孔板
14 リング型ポリ塩化ビニリデン充填材
15 小型炭
16 網
17 散水ノズル
18 排気出口
19 粒状活性炭
20 排気ファン
21 傾斜底
22 竹炭
23 トレイ型多孔板
24 オゾン発生機
25 マイクロナノバブル発生助剤タンク
26 発生助剤タンク定量ポンプ
27 微生物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガスが含む有機化合物を吸着材に吸着させる吸着工程と、
マイクロナノバブルとこのマイクロナノバブルで活性化した微生物とを含む洗浄水を上記吸着材に散水する散水工程と
を備えたことを特徴とする排ガス処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の排ガス処理方法において、
上記吸着工程と上記散水工程とを同時に行うことを特徴とする排ガス処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の排ガス処理方法において、
上記散水工程において、上記吸着材を通過した排ガスおよび上記吸着材を通過する前の排ガスのうちの少なくとも一方の排ガスに、上記洗浄水を散水することを特徴とする排ガス処理方法。
【請求項4】
請求項1に記載の排ガス処理方法において、
上記有機化合物を吸収した上記洗浄水を処理部に収容して、上記有機化合物を上記微生物で分解することを特徴とする排ガス処理方法。
【請求項5】
排ガスが含む有機化合物を吸着する吸着材を有すると共に、マイクロナノバブルとこのマイクロナノバブルで活性化した微生物とを含む洗浄水を上記吸着材に散水する散水部と、
上記散水部に供給すべき上記洗浄液を溜めるマイクロナノバブル処理部と
を備えたことを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の排ガス処理装置によれば、
上記散水部は、上記吸着材を通過した排ガスおよび上記吸着材を通過する前の排ガスのうちの少なくとも一方の排ガスに、上記洗浄水を散水することを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項7】
請求項5に記載の排ガス処理装置において、
上記散水部で散水された上記洗浄水が、上記マイクロナノバブル処理部に戻って上記マイクロナノバブル処理部と上記散水部との間で循環し、
上記散水部から戻って上記マイクロナノバブル処理部に溜まる上記洗浄水には、有機化合物を吸着する吸着材が浸漬されていることを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の排ガス処理装置において、
上記散水部および上記マイクロナノバブル処理部の吸着材は炭であることを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項9】
請求項5に記載の排ガス処理装置において、
上記散水部の吸着材は炭とリング型ポリ塩化ビニリデン充填材とからなることを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項10】
請求項5に記載の排ガス処理装置において、
上記マイクロナノバブル処理部内には、上記マイクロナノバブルを発生するマイクロナノバブル発生機が設置されていることを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項11】
請求項8に記載の排ガス処理装置において、
上記炭が、活性炭、合成炭および木炭のうちどれか一つ、または、活性炭、合成炭および木炭の組み合わせであることを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項12】
請求項5に記載の排ガス処理装置において、
上記散水部の吸着材は、炭からなる層と、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材からなる層とを組み合わせた層で構成され、
上記炭からなる層と、リング型ポリ塩化ビニリデン充填材からなる層とを組み合わせた層は、少なくとも1層以上あることを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項13】
請求項9または12に記載の排ガス処理装置において、
上記リング型ポリ塩化ビニリデン充填材には微粉炭を付着させることを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項14】
請求項5に記載の排ガス処理装置において、
上記マイクロナノバブル処理部にはマイクロナノバブル発生助剤が供給されることを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項15】
請求項5に記載の排ガス処理装置において、
上記マイクロナノバブルはオゾンマイクロナノバブルであることを特徴とする排ガス処理装置。
【請求項16】
請求項5に記載の排ガス処理装置において、
上記排ガスが含む有機化合物は、イソプロピールアルコール、アセトンおよび酢酸ブチルのうちの少なくとも1つを含む揮発性有機化合物であることを特徴とする排ガス処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−130612(P2007−130612A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−328781(P2005−328781)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】