説明

排ガス処理方法

【課題】 フッ素原料としての有価回収物として回収することのできる排ガス処理方法を提供する。
【解決手段】 吸収剤移送式の反応器(5)と吸収剤固定式の除害器(10)とを具備する排ガス処理装置を使用する排ガス処理方法である。反応器(5)ではPFCガスの分解により生成した分解生成ガスを吸収剤に作用させて反応させる。反応後の吸収剤を既反応分に富む表層部分と、未反応分に富む芯部分とに分離する。分離後の芯部分を反応器(5)に返送する。分離後の表層部分を分級手段(7)で細粒と中粒とに分級し、この分級後の細粒を回収するとともに、中粒にカルシウム系粉末を混合してフッ素吸収剤とする。フッ素吸収剤を除害器(10)に供給する。除害器(10)に導入するPFCガスの分解により生成した分解生成ガスを希釈し、この希釈分解生成ガスに水分を調量添加し、この水分を添加した分解生成ガスを除害器(10)内のフッ素吸収剤と反応させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスや液晶ディスプレイ用デバイスなどの製造工程等で使用されるPFCガス(Perfluoro Compounds gas)の分解(燃焼)により生成するフッ化水素(HF)とカルシウム系吸収剤とを反応させ、その反応物(CaF)を回収する排ガス処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスや液晶ディスプレイ用デバイスなどの製造工程を始めとする半導体製造工程などで使用されるPFCガスは、地球温暖化防止の観点から使用量の削減並びに大気への放出量を低減する必要があり、近年では大気放出量を低減する為にPFCガスの分解装置を導入し、分解排ガスからフッ化水素(HF)を除去する排ガス処理技術により、無害化処理が実施されている。
【0003】
PFCガスを分解し、この分解排ガスを処理する排ガス処理装置として、特許文献1に示すものが知られている。この排ガス処理装置は、吸収剤移送式の反応器に分解排ガスを通し、分解排ガス中のフッ化水素(HF)と反応器内の吸収剤である石灰石とを反応させて排ガスからフッ化水素を除去する。そして上述の反応器の底部から前記石灰石を取出して、分離機により既反応分に富む表層部分と、未反応分に富む芯部分とを分離し、この芯部分は、前記反応器に返送して再利用し、表層部分は振動篩を利用した分級装置を用いて、0.1〜1.5mmを程度を篩い分けの粒径としてその粒径より小径の細粒と、その粒径より大径の中粒とに分粒して、別々に回収するようにしている。
【特許文献1】特開2005−28241
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前述の特許文献1で開示された従来の吸収剤移送式の排ガス処理装置では、排ガスと接触反応した石灰石(吸収剤)を表層部分と芯部分とに分離し、芯部分を処理装置に返送して再利用するとともに、表層部分を振動篩手段で細粒と中粒とに分離して回収するようにしているが、直径0.15mm未満を細粒、0.15mm以上から2.5mm未満を中粒とすると、細粒と中粒との重量比が1:9となり、しかも、細粒(10%)中のフッ化カルシウム(CaF)の割合が40wt%、酸化カルシウム(CaCO)の割合が60wt%、中粒(90%)中のフッ化カルシウム(CaF)の割合が5wt%以下、酸化カルシウム(CaCO)の割合が95wt%以上となる。この場合、中粒のみであれば、廃フッ酸処理用の石灰石として再利用することが可能であるが、細粒中のフッ化カルシウムの割合が40wt%もあると、この細粒を製鉄工程での脱燐・脱硫用として用いることができず、この細粒は多量の産業廃棄物となり、フッ素原料としての有価回収物とするのが困難である。
【0005】
本発明は、このような点に着目し、フッ素原料としての有価回収物として回収する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、請求項1に開示の発明は、吸収剤移送式の反応器と吸収剤固定式の除害器とを具備する排ガス処理装置を使用して排ガスを処理するにあたり、吸収剤移送式の反応器では、該反応器内を移動している吸収剤にPFCガスの分解により生成した分解生成ガスを作用させて吸収剤と反応させ、その反応した吸収剤を既反応分に富む表層部分と、未反応分に富む芯部分とに分離し、この芯部分を吸収剤移送式の反応器に返送して再利用し、上記表層部分を分級手段で細粒と中粒とに分級し、この分級後の細粒を回収するとともに、中粒にカルシウム系粉末を混合してフッ素吸収剤とし、このフッ素吸収剤を上述の吸収剤固定式の除害器に供給し、吸収剤固定式の除害器に導入するPFCガスの分解により生成した分解生成ガスを空気あるいは窒素で希釈し、この希釈した分解生成ガスに水分を調量添加し、この水分を添加した分解生成ガスと吸収剤固定式の除害器内のフッ素吸収剤とを反応させることにより、その反応生成物を蛍石代替品として回収することを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に開示の発明は、請求項1の発明において分級手段を振動篩で構成し、篩い分けの粒径を0.15mmとし、直径0.15mm未満を細粒、直径0.15mm以上2.5mm未満を中粒として分級することを特徴としている。さらに、請求項3に開示の発明では、請求項1又は2の発明において、中粒とカルシウム系粉末との混合物を粒状に造粒してフッ素吸収剤とすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、PFCガスの分解により生成した分解生成ガスを吸収剤移送式反応器に導入することにより反応した吸収剤を既反応分に富む表層部分と未反応分に富む芯部分とに分離し、このうちの芯部分を吸収剤移送式反応器に返送し、表層部分を分級手段に供給して所定の粒径よりも細かい細粒と所定の粒径よりも粗い中粒とに分級し、分級後の細粒を回収しているが、吸収剤移送式反応器での吸収剤の移送速度を調整することにより、細粒と中粒との重量比を15wt%:85wt%、細粒中でのフッ化カルシウムの割合を60wt%以上とすることができるから、この回収した細粒を製鉄工程での脱燐・脱硫用として用いることができ、細粒を有価回収物とすることができる。
【0009】
また、分級後の中粒にカルシウム系粉末を混合したのち吸収剤固定式の除害器に導入して、吸収剤固定式の除害器内の吸収剤と反応させているが、このとき吸収剤固定式の除害器に導入するPFCガスの分解により生成した分解生成ガスを空気あるいは窒素で希釈し、この希釈した分解生成ガスに水分を調量添加し、この水分を添加した分解生成ガスと吸収剤固定式の除害器内のフッ素吸収剤とを反応させるようにしてあるので、分解生成ガス中のフッ素化合物と吸収剤との反応性が高まり、吸収剤表層で止まっていた反応が吸収剤内部まで進行することになる。これにより、従来反応性が低かった100℃から150℃の温度域において特に反応効率が向上し、導入ガス温度に左右されないで安定的にフッ素を回収することが可能となる。これに伴って、フッ素回収能力が向上し、反応後の吸収剤の工業的な再利用が容易になる。
つまり、固定式吸収剤での排ガス処理により、希釈した分解生成ガスと反応した吸収剤(石灰石)は高純度のフッ化カルシウムになり、PFCガスの製造原料として再利用可能で工業的に利用価値の高い原料となる。したがって、フッ素原料(蛍石代替品)としての有価回収物として100%回収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は本発明の實氏形態にかかる排ガス処理系統図である。
半導体デバイス製造工程における例えば成膜工程では、CVD装置(1)にシランガス(SiH4)等の原料ガスを導入管(L1)から供給し、CVD装置(1)内で分解して基材の表面にシリコン皮膜等を形成するようにしてあることから、CVD装置(1)内ではアモルファスシリコン等の反応性シリコン化合物やその他の副反応生成物が発生する。これらのシリコン化合物がCVD装置(1)内の表面に付着堆積し、この堆積物が基板の成膜面に付着すると、製品の品質低下を招くおそれがあることから、通常定期的に該CVD装置(1)内にNFのようなPFCガスを供給してクリーニングを行なう。
【0011】
クリーニング工程では、クリーニングガスとしてのPFCガスは、クリーニングガス導入管(L2)から上記CVD装置(1)に供給され、当該CVD装置(1)内に堆積した前記反応性シリコン化合物と反応し、未反応のPFCガスとともに窒素ガスで希釈されて後述する吸収剤移送式の排ガス処理装置(2)と吸収剤固定式の排ガス処理装置(3)とにそれぞれ送給されるようにしてある。
【0012】
吸収剤移送式の排ガス処理装置(2)は、前記PFCガスを分解処理する燃焼部(4)と、吸収剤を内部で移動させる反応器(5)と、吸収剤の表層部と芯部とを分離させる表層剥離手段(6)と、分離した表層部を導入して分級する振動篩で構成した分級手段(7)とを有している。
【0013】
吸収剤固定式の排ガス処理装置(3)は、前記PFCガスを分解処理する燃焼部(8)と、除塵部(9)と、吸収剤固定式の乾式除害器(10)とを有しており、燃焼部(8)、除塵部(9)との間に窒素ガス等の希釈ガス導入手段(11)が、また除塵部(9)と乾式除害器(10)との間に水分供給手段(12)が設けてある。
【0014】
そして、吸収剤移送式の排ガス処理装置(2)の分級手段(7)の吸収剤導出口(13)から取出された吸収剤は混合器(14)及び造粒機(15)を介して吸収剤固定式の排ガス処理装置(3)の乾式除害器(10)に供給されるようにしてある。
【0015】
CVD装置(1)から排出されるPFCガスは吸収剤移送式の排ガス処理装置(2)と吸収剤固定式の排ガス処理装置(3)とに供給して処理するようにしている。
吸収剤移送式の排ガス処理装置(2)では、燃焼部(4)での燃焼ガスの燃焼によって生じる水とPFCガスとの反応により分解生成ガスとしてのフッ化水素(HF)が生成される。この分解生成ガスを反応器(5)に導入し、反応器(5)内を流動する吸収剤と接触反応させ、処理された排ガスは、誘引ファン(16)を経て図示を省略した煙突に送給される。
【0016】
一方、反応器(5)内で前記分解生成ガスと接触して反応する吸収剤は、反応器(5)内を下降移動する石灰石で構成してあり、その移動は作動期と停止期とが所定間隔で繰り返される間歇作動で、かつ作動期においても移動と停止とを指定の間隔で繰り返す脈動となるように制御してある。そして、吸収剤(石灰石)は分解生成ガス(HF)と反応することでその表層にフッ化カルシウムを生成する。
【0017】
反応器(5)内で分解生成ガスと接触した吸収剤は表層部分は反応分に富んでいるが、その芯部分は未反応分に富んでいる。そして、フッ化水素等と反応した石灰石の表層は未反応の芯部分に比べて軟らかくなっているので、この吸収剤を穴開き円筒の回転体で構成した表層剥離手段(6)に導入して、回転移動させる間に、吸収剤の表層同士が擦れ合って、既反応分に富む表層部分と未反応分に富む芯部分とに分離する。この分離した吸収剤の内、直径2.5mm以上の芯部分を上記反応器(5)の上部に返送して再利用するとともに、既反応分に富む表層部分を分級手段(7)に送給する。
【0018】
分級手段(7)は、図示を省略した加振装置と、約100メッシュの篩分け具とで構成してあり、表層剥離手段(6)から送り込まれた表層部分を、0.15mmを篩い分け粒径として分級し、直径0.15mm未満を細粒、直径0.15mm〜2.5mmのものを中粒としている。この場合、細粒は中粒よりフッ素含有量が高くなっている。ちなみに反応器(5)での吸収剤の移送速度を8min/Hrから8min/1.5Hr程度で間歇作動し、かつ吸収剤を6m/Hrから3.6m/Hr程度の移送速度で移動させることより、回収した細粒と中粒との重量比率は細粒が15wt%、中粒が85wt%となり、細粒中のフッ化カルシウム(CaF)は60wt%以上、中粒中のフッ化カルシウム(CaF)は10wt%前後となった。この細粒中のフッ化カルシウム(CaF)は60wt%以上であることから、回収した細粒は、製鉄工程での脱燐・脱硫用原料として利用することのできる有価回収物となる。
【0019】
分級手段(7)で分級して送り出された中粒は、混合器(14)に供給され、ここで炭酸カルシウム(CaCO)や水酸化カルシウム(Ca(OH))などのカルシウム系の粉末と混合してフッ素吸収剤とし、このフッ素吸収剤を造粒機(15)に送給して粒状に造粒し、この造粒されたフッ素吸収剤を吸収剤固定式の排ガス処理装置(3)の乾式除害器(10)に供給する。なお、本例では中粒とカルシウム系の粉末との混合物であるフッ素吸収剤を造粒して粒状体としているが、造粒を省略した中粒と粉体との混合物であってもよいが、乾式除害器での使用の利便性から造粒することが望ましい。
【0020】
吸収剤固定式の排ガス処理装置(3)では、燃焼部(8)での燃焼ガスの燃焼によって生じる水とPFCガスとの反応により分解生成ガスとしてのフッ化水素(HF)が生成される。
この分解生成ガスを除塵部(9)に窒素ガス等の希釈ガスとともに導入して、分解生成ガスから塵埃を除去し、この塵埃を除去した分解生成ガスに噴霧器などの水分供給手段(12)から水分を調量添加し、この水分が添加された分解生成ガスを乾式除害器(10)に送給し、この分解生成ガスを乾式除害器(10)内のフッ素吸収剤と反応させて、その反応生成物であるフッ化カルシウム(CaF)を蛍石代替物として回収する。
【0021】
なお乾式除害器(10)は、切換え使用される複数(図では3基)の反応筒(10a)(10b)(10c)で構成してあり、各反応筒(10a)(10b)(10c)にはフッ素吸収剤がペレット、ブリケット、顆粒状あるいはハニカム状に成形されて充填されている。
【0022】
乾式除害器(10)では各反応筒(10a)(10b)(10c)内で生成されたフッ化カルシウムは、所定の反応率に達すると各反応筒(10a)(10b)(10c)から取り出して回収容器(16)に回収し、この回収したフッ化カルシウムと新規なフッ化カルシウムとを混合器(17)に送給して混合し、この回収フッ化カルシウムと新規なフッ化カルシウムとをPFCガス(NF)製造装置(18)に供給してPFCガスを製造することで、乾式除害器(10)での反応生成物ををPFCガスの原料であるフッ素源として再利用する。なお、乾式除害器(10)で処理された分解生成ガスは無害なガスとして排出路(19)から系外に排出される。
【0023】
上述の排ガス処理系では、PFCガスを使用する装置としてCVD装置を例に説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、エッチング装置その他のPFCガスを使用する装置におけるPFCガスの分解反応ガスの処理技術として適用できることは言うまでもない。
【0024】
また、吸収剤固定式の排ガス処理装置(3)において、希釈された処理ガス(分解生成ガス)に水分を添加する水分供給手段(12)として噴霧器を例に説明したが、このようなシャワーヘッドを用いたミスト状水分の添加のほかに、必要に応じて水蒸気発生器による高温度下での水蒸気の添加を行なわせるものであってもよい。このように乾式除害器(10)に導入するPFC希釈分解生成ガスに水分を量的制御して添加することにより、フッ素化合物と吸収剤との反応性を高めることができる。
【0025】
図2は、水分添加量をパラメータとした導入ガス温度と反応率との関係を調べる試験装置の概略構成図を示す。この試験装置は、フッ素吸収剤を充填した反応筒(20)の入口(21)にブロア(22)、流量計(23)、熱風発生器(24)が直列に配置される温風ライン(25)を接続し、熱風発生器(24)の出口側での温風ライン(25)に、HF貯蔵ボンベ(26)と流量計(27)を備えるHF供給ライン(28)と、噴霧器(29)を備える水分添加ライン(30)とを接続してなる構成とし、反応筒(20)の出口(31)側でHFガスの分析を行なうようにしている。
【0026】
この試験装置での試験条件としては、HF供給ライン(28)を流動させるHFの流量は5L/minとした。一方温風ラインを通じて加える希釈空気量は1m/minとした。したがって、導入ガス中のHF濃度は0.5%となる。なお、この場合における希釈空気中の絶対湿度は8g/mであった。
【0027】
上記の希釈HFガスに対して水分を添加しない乾燥状態C(温度20℃における相対湿度50%の状態。絶対湿度では8g/m)と、添加水分量が12g/minの水分添加状態B(絶対湿度:20g/min)と、添加水分量が22g/minの水分添加状態A(絶対湿度:30g/min)の3種類の希釈HFガスを発生させ、かつその温度条件を50℃、100℃、150℃、250℃にそれぞれ設定してなる12種類の各被試験希釈HFガスを反応筒(20)に導入して、反応率について調べた。
【0028】
その結果を図3に示す。各希釈HFガスは折れ線A、B、Cで示される通りであり、乾燥状態Cのものに比べて、水分添加状態Bでは100〜150℃の温度領域で反応率が10%程度高くなり、水分添加状態Aでは同じく20%程度高くなる結果が得られた。このように、水分を量的制御して添加することによって、吸収剤とHFガスとの反応性をより高め得ることが立証された。
【0029】
なお、本実施例に示すように、反応率向上には絶対湿度として20〜30g/mの範囲に制御すれば充分であるが、絶対湿度を30g/mを超える範囲に制御するようにしてもよい。但し、絶対湿度が高くなりすぎるとHFによる腐食度合いが加速することから、絶対湿度の上限としては、50g/m程度が望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、半導体デバイスや液晶ディスプレー用デバイス等の製造工程での除害技術に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態にかかる排ガス処理系統図である。
【図2】水分添加量をパラメータとした導入ガス温度と反応率との関係を調べる試験装置の概略構成図である。
【図3】導入ガス温度と反応率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0032】
5…吸収剤移送式反応器、7…分級手段、10…吸収剤固定式除害器。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収剤移送式の反応器(5)と吸収剤固定式の除害器(10)とを具備する排ガス処理装置での排ガス処理方法であって、
吸収剤移送式の反応器(5)では、該反応器(5)内を移動している吸収剤にPFCガスの分解により生成した分解生成ガスを作用させて吸収剤と反応させ、その反応した吸収剤を既反応分に富む表層部分と、未反応分に富む芯部分とに分離し、この芯部分を吸収剤移送式の反応器(5)に返送して再利用し、上記表層部分を分級手段(7)で細粒と中粒とに分級し、この分級後の細粒を回収するとともに、中粒にカルシウム系粉末を混合してフッ素吸収剤とし、このフッ素吸収剤を上述の吸収剤固定式の除害器(10)に供給し、吸収剤固定式の除害器(10)に導入するPFCガスの分解により生成した分解生成ガスを空気あるいは窒素で希釈し、この希釈した分解生成ガスに水分を調量添加し、この水分を添加した分解生成ガスと吸収剤固定式の除害器(10)内のフッ素吸収剤とを反応させることにより、その反応生成物を蛍石代替品として回収することを特徴とする排ガス処理方法。
【請求項2】
分級手段(7)が振動篩であり、篩い分けの粒径を0.15mmとし、直径0.15mm未満を細粒、直径0.15mm以上2.5mm未満を中粒として分級する請求項1に記載の排ガス処理方法。
【請求項3】
前記中粒とカルシウム系粉末との混合物を粒状に造粒してフッ素吸収剤とした請求項1又は2に記載の排ガス処理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−319782(P2007−319782A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153014(P2006−153014)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000158312)岩谷産業株式会社 (137)
【Fターム(参考)】